Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DIELECTRIC CERAMIC COMPOSITION, AND LAMINATED CERAMIC CAPACITOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/155945
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a dielectric ceramic material which is intended to be used in a laminated ceramic capacitor. Specifically disclosed is a dielectric ceramic composition which can be co-fired with an internal electrode mainly composed of Ni at a temperature equal to or lower than 1300°C, can keep its high dielectric constant, has a good temperature property of electrostatic capacity at a temperature ranging from -55 to 175°C, and has a high resistivity ρ at 175°C. The dielectric ceramic composition comprises a dielectric ceramic composition represented by the following formula: (1-a)(K1-xNax)(Sr1-y-zBayCaz)2Nb5O15-a(Ba1-bCab)TiO3 [wherein a, b, x, y and z independently represent a molar ratio and meet the requirements represented by the following formulae: 0.3≤a≤0.8, 0≤b≤0.2, 0≤x<0.2, 0.1≤y≤0.5, 0.1≤z≤0.5, and 0.2≤y+z≤0.7] as the main component, and contains 0.1 to 40 parts by mole of M [wherein M represents at least one member selected from the group consisting of V, Mn, Cr, Fe, Co, Ni, Zn, Mg and Si] relative to 100 parts by mole of the main component as an accessory component.

Inventors:
TAKEDA TOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057720
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
TAKEDA TOSHIKAZU (JP)
International Classes:
C04B35/00; C04B35/46; H01B3/12; H01G4/12; H01G4/30
Domestic Patent References:
WO2006114914A12006-11-02
Foreign References:
US5037784A1991-08-06
Attorney, Agent or Firm:
KODA, Kazuyuki (Yao-minami Garden Terrace84-2, Wakabayashi-cho 1-chom, Yao-shi Osaka 38, JP)
Download PDF:
Claims:
 組成式(1-a)(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 -a(Ba 1-b Ca b )TiO 3 (ただし、a、b、x、y、zはすべてモル比を示し、0.3≦a≦0.8、0≦b≦0.2、0≦x<0.2、0.1≦y≦0.5、0.1≦z≦0.5、0.2≦y+z≦0.7を満足する)で表される誘電体セラミック組成物を主成分とし、前記主成分100モル部に対して、0.1~40モル部のM(ただし、Mは、V、Mn、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Mg、Siからなる群より選ばれた少なくとも1種である)を、副成分として含む、誘電体セラミック組成物。
 積層された複数の誘電体セラミック層と、前記複数の誘電体セラミック層の間に配置された複数の内部電極と、前記複数の内部電極に電気的に接続された外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体セラミック層が、請求項1に記載の誘電体セラミック組成物によって形成されている、積層セラミックコンデンサ。
 前記内部電極の主成分がNiである、請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
 
Description:
誘電体セラミック組成物及び積 セラミックコンデンサ

 本発明は、誘電体セラミック組成物及び積 セラミックコンデンサに関し、特定的には タングステンブロンズ構造を有するKSr 2 Nb 5 O 15 系化合物とペロブスカイト構造を有するBaTiO 3 系化合物との混晶系を基本組成とする誘電体 セラミック組成物、及びこの誘電体セラミッ ク組成物を用いた積層セラミックコンデンサ に関する。

 本発明の主用途である積層セラミックコ デンサは、以下のようにして製造されるの 一般的である。

 まず、所望のパターンで内部電極となる 電材料がその表面に付与された、誘電体セ ミック原料を含むセラミックグリーンシー が用意される。

 次に、上述した導電材料を付与したセラ ックグリーンシートを含む複数のセラミッ グリーンシートが積層され、熱圧着され、 れによって一体化された生の積層体が作製 れる。

 次に、この生の積層体は焼成されること よって、焼結後の積層体が得られる。この 層体の内部には、上述した導電材料から構 された内部電極が形成されている。

 次いで、特定の内部電極に電気的に接続 れるように、積層体の外表面上に外部電極 形成される。外部電極は、たとえば、導電 金属粉末およびガラスフリットを含む導電 ペーストを積層体の外表面上に付与し、焼 付けることによって形成される。このよう して、積層セラミックコンデンサが完成さ る。

 積層セラミックコンデンサの製造原価を げるために、その内部電極の材料として価 の安いNiが用いられることが望まれる。内 電極の材料としてNiを用いる場合、Niは卑金 であることから、積層体の焼成時におけるN iの酸化を防ぐために、焼成時の雰囲気を還 雰囲気にする必要がある。

 還元雰囲気にて焼成するためには、誘電体 ラミック材料に耐還元性が求められる。耐 元性を有し、かつ優れた電気特性を有する 料として、国際公開第WO2006/114914号パンフレ ット(以下、特許文献1という)には、KSr 2 Nb 5 O 15 系セラミック組成物が開示されている。

国際公開第WO2006/114914号パンフレット

 特許文献1のKSr 2 Nb 5 O 15 系セラミック組成物は、主成分がNiである内 電極を有する積層セラミックコンデンサに いて、優れた誘電率を示している。

 しかしながら、特許文献1のKSr 2 Nb 5 O 15 系セラミック組成物は、誘電率は高いものの 、静電容量の温度特性が不十分であるという 不具合があった。特に近年では175℃程度の高 い温度における温度安定性が求められており 、静電容量温度特性としては、25℃の静電容 を基準とした-55~175℃の範囲における静電容 量の温度変化率が±15%以下であることが要求 れる。これはEIA規格のX8R特性の温度範囲(-55 ~150℃)よりさらに高温までの安定性を保証す ものである。

 また、高温における温度安定性の指標と て、175℃における絶縁抵抗の抵抗率ρが高 ことが求められるが、これも不十分である いう不具合があった。

 本発明はこのような問題点に鑑みなされ ものであって、十分な誘電率を示しつつ、 つ、175℃程度の高温においても、安定した 電容量温度特性と高い抵抗率ρが得られる 電体セラミック組成物、およびそれを用い 積層セラミックコンデンサを提供すること 目的としている。

 すなわち、本発明の誘電体セラミック組成 は、組成式(1-a)(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 -a(Ba 1-b Ca b )TiO 3 (ただし、a、b、x、y、zはすべてモル比を示し 、0.3≦a≦0.8、0≦b≦0.2、0≦x<0.2、0.1≦y≦0. 5、0.1≦z≦0.5、0.2≦y+z≦0.7を満足する)で表さ れる誘電体セラミック組成物を主成分とし、 上記の主成分100モル部に対して、0.1~40モル部 のM(ただし、Mは、V、Mn、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Mg 、Siからなる群より選ばれた少なくとも1種で ある)を、副成分として含む。

 また、本発明の積層セラミックコンデン は、積層された複数の誘電体セラミック層 、この複数の誘電体セラミック層の間に配 された複数の内部電極と、この複数の内部 極に電気的に接続された外部電極と、を備 た積層セラミックコンデンサであって、上 の誘電体セラミック層が、上述の誘電体セ ミック組成物によって形成されている。

 本発明の積層セラミックコンデンサにお て、内部電極の主成分はNiであることが好 しい。

 本発明の誘電体セラミック組成物によれ 、高い誘電率を保ちつつ、-55~175℃の範囲に おける静電容量温度特性が良好であり、かつ 175℃において十分に高い抵抗率ρを得ること できる。したがって、高温の使用環境下に いても安定した特性を有する積層セラミッ コンデンサを得ることができる。

本発明の一実施形態による積層セラミ クコンデンサを模式的に示す断面図である

符号の説明

 1:積層セラミックコンデンサ、2:セラミッ ク積層体、3:誘電体セラミック層、4,5:内部電 極、8,9:外部電極。

 まず、本発明の誘電体セラミックの主要 用途である、積層セラミックコンデンサに いて説明する。図1は一般的な積層セラミッ クコンデンサ1を示す断面図である。

 積層セラミックコンデンサ1は、直方体状 のセラミック積層体2を備えている。セラミ ク積層体2は、複数の積層された誘電体セラ ック層3と、複数の誘電体セラミック層3間 界面に沿って形成された複数の内部電極4お び5とを備えている。内部電極4および5は、 ラミック積層体2の外表面にまで到達するよ うに形成されている。セラミック積層体2の 方の端面6にまで引き出される内部電極4と他 方の端面7にまで引き出される内部電極5とが セラミック積層体2の内部において、誘電体 セラミック層3を介して静電容量を取得でき ように交互に配置されている。

 内部電極4および5の導電材料は、コスト 減の点から、ニッケルまたはニッケル合金 あることがが好ましい。

 前述した静電容量を取り出すために、セ ミック積層体2の外表面上であって、端面6 よび7上には、内部電極4および5のいずれか 定のものに電気的に接続されるように、外 電極8および9がそれぞれ形成されている。外 部電極8および9に含まれる導電材料としては 内部電極4および5の場合と同じ導電材料を いることができ、さらに、銀、パラジウム 銀-パラジウム合金なども用いることができ 。外部電極8および9は、上記の金属または 金の粉末にガラスフリットを添加して得ら た導電性ペーストを付与し、焼き付けるこ によって形成される。

 また、外部電極8および9上には、必要に じて、ニッケル、銅などからなる第1のめっ 層10および11がそれぞれ形成され、さらにそ の上には、半田、錫などからなる第2のめっ 層12および13がそれぞれ形成される。

 次に、本発明の誘電体セラミック組成物 詳細について説明する。

 本発明の誘電体セラミック組成物は、タン ステンブロンズ構造を有するKSr 2 Nb 5 O 15 系化合物とペロブスカイト構造を有するBaTiO 3 系化合物との混晶系を主成分とする。

 混晶の一方である(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 は、タングステンブロンズ型の結晶構造を有 する。各Kサイト、Srサイト、Nbサイト、Oサイ トのモル比は、基本的に1:2:5:15であるが、タ グステンブロンズ構造を保持できる限りは 多少増減しても構わない。ただし、組成式 (KSr 2 ) m Nb 5 O 15 とするとき、mが1.16より大きくなるか、また 0.96より小さくなると、焼結性が悪くなるた め好ましくない。

 また、KはNaで置換されてもよいが、その 換モル比xはで0.2未満である必要がある。x 0.2以上になると、誘電率が低くなる。

 さらに、SrはBaおよびCaにより置換される その置換モル比yおよびzは、0.1≦y≦0.5、0.1 z≦0.5、0.2≦y+z≦0.7の3つの関係式を満足す 。yおよび/またはzが小さすぎると抵抗率ρが 低くなり、置換量yおよび/またはzが大きすぎ ると焼結性が悪くなる。

 混晶のもう一方である(Ba 1-b Ca b )TiO 3 はペロブスカイト型の結晶構造を有する。各 Baサイト、Tiサイト、Oサイトのモル比は1:1:3 あるが、ペロブスカイト構造を保持でき、 常粒成長や異常析出などの不具合がない限 は多少増減しても構わない。

 また、BaはCaで置換されてもよい。ただし 、Caによる置換モル比bは0.2以下である。bが0. 2より大きくなると、異相成分が増加するた 好ましくない。

 そして、(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 と、(Ba 1-b Ca b )TiO 3 とが、(1-a):a(0.3≦a≦0.8)のモル比で混晶系を すことにより、高い誘電率を保ちつつ、-55~1 75℃の範囲における静電容量の温度変化率が 15%以内となり、かつ175℃における抵抗率ρが log(ρ/ωm)で8.0以上となる。aが上記範囲外とな ると、静電容量温度特性および抵抗率ρが悪 する。

 また、上記の主成分100モル部に対する副 分として、0.1~40モル部のM(ただし、Mは、V、 Mn、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Mg、Siからなる群より ばれた少なくとも1種である)を含有させるこ とにより、1300℃以下の温度においても十分 焼結性が得られるようになる。仮にMが含ま ない場合には、1400℃においても十分な焼結 性が得られない。逆にMの添加量が40モル部を 超えた場合には、十分な絶縁性が得られない 。

 本発明の誘電体セラミック組成物の製造 法は、公知の方法が採用されてもよい。例 ば、本発明の誘電体セラミック組成物は、 化物粉末や炭酸化物等の出発原料を混合し 得られた混合粉体を熱処理合成する固相法 より得られる。

 タングステンブロンズ型化合物には、出発 料としてはK 2 CO 3 、SrCO 3 、Nb 2 O 5 等があり、ペロブスカイト型化合物には、出 発原料としてBaCO 3 、TiO 2 等がある。これらの出発原料をすべて最初に 混合し、仮焼して、(1-a)(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 -a(Ba 1-b Ca b )TiO 3 からなる混晶系を生成させても構わない。ま た、タングステンブロンズ化合物の粉末と、 ペロブスカイト型化合物の粉末とをそれぞれ 別個に生成させておき、この2つの粉末を混 させ、焼成して、(1-a)(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 -a(Ba 1-b Ca b )TiO 3 からなる混晶系を生成させても構わない。

 また、副成分Mについては、予め上記の主 成分の出発原料の混合時と同時に混合しても よく、あるいは、生成された主成分の粉末に 添加する形で混合しても構わない。

 以下、本発明の誘電体セラミック組成物 よびそれを用いた積層セラミックコンデン の実施例について説明する。

 本実施例は、主成分を構成する元素の含 量、および副成分の元素種と含有量を変化 せ、電気特性への影響を調べたものである 作製した試料の試料番号は1~27であり、各試 料の組成を表1、各試料の焼成温度と電気特 の測定結果を表2に示す。以下、詳細に説明 る。

 まず、主成分の出発原料として、K 2 CO 3 、Na 2 CO 3 、SrCO 3 、CaCO 3 、BaCO 3 、Nb 2 O 5 、TiO 2 を準備し、組成式:(1-a)(K 1-x Na x )(Sr 1-y-z Ba y Ca z ) 2 Nb 5 O 15 -a(Ba 1-b Ca b )TiO 3 において、表1の各試料番号に記載のa、b、x y、zを満足するように秤量した。さらに副成 分の出発原料として、V 2 O 3 、MnCO 3 、Cr 2 O 3 、CoCO 3 、Fe 2 O 3 、NiO、ZnO、MgCO 3 、SiO 2 を、表1の各試料番号に記載のMの合計値(主成 分100モル部に対するモル部)を満足するよう 秤量した。

 これらの秤量粉を、溶媒中でボールミル よって混合した上で、乾燥後、1100℃にて2 間熱処理合成することにより、試料番号1~27 セラミック原料粉末を得た。

 次いで、試料番号1~27のセラミック原料粉 末に、ポリビニルブチラール系バインダ及び エタノールを添加した後、ボールミルによっ て湿式混合してセラミックスラリーをそれぞ れ調製した。そして、それぞれのセラミック スラリーをドクターブレード法によりシート 状に成形し、厚み8μmの矩形状のセラミック リーンシートを得た後、試料毎にセラミッ グリーンシート上に、Niを主成分とする導電 性ペーストを印刷し、内部電極用の導電性ペ ースト膜を形成した。

 引き続き、各試料のセラミックグリーンシ トのそれぞれについて、図1に示すように導 電性ペースト膜が引き出されて外部に露出し ている端部が互い違いになるように複数枚積 層し、生の積層体を得た。これらの生の積層 体を、N 2 ガス雰囲気において350℃の温度に加熱し、バ インダを分解、燃焼させた後、酸素分圧10 -9 ~10 -12 MPaのH 2 -N 2 -H 2 Oガスからなる還元性雰囲気中において表2に す温度で2時間焼成して、セラミック積層体 を得た。その後、各試料の積層体の両端面に B 2 O 3 -SiO 2 -BaO系のガラスフリットを含有するAgペースト をそれぞれ塗布し、N 2 ガス雰囲気において800℃の温度で焼き付け、 内部電極と電気的に接続された外部電極を形 成した。

 このようにして、試料番号1~27の積層セラミ ックコンデンサの試料を得た。これらの積層 セラミックコンデンサの外径寸法は、幅が3.2 mm、長さが4.5mm、厚みが0.5mmであり、内部電極 間に介在する誘電体セラミック層の厚みは6μ mであった。また、有効誘電体セラミック層 層数は5であり、一層当たりの対向電極の面 は2.5×10 -6 m 2 であった。

 上記各試料について、自動ブリッジ式測 器を用い、25℃、周波数1kHz、1Vrmsの条件下 静電容量及び誘電損失をそれぞれ測定し、 られた静電容量から誘電率を算出した。こ 結果を表2に示した。

 次に、温度を-55℃~175℃の範囲に変化させ 、25℃の静電容量を基準とした静電容量の温 変化率(%)を測定した。この測定結果として -55℃と175℃とにおける静電容量の温度変化 (%)を表2に示す。

 また、各試料について、絶縁抵抗計を用 、175℃において30Vの直流電圧を1分間印加し 、絶縁抵抗Rを測定し、得られた絶縁抵抗Rか 抵抗率ρを算出した。この算出されたρのlog (ρ/ωm)の値を表2に示す。

 表2に示す結果によれば、試料番号1~27の ち、本発明の範囲内にある試料は、還元性 囲気中1300℃以下の温度でNiを主成分とする 部電極と誘電体セラミック層とを同時に焼 することができ、2000以上の誘電率が得られ -55~175℃の範囲における静電容量の温度変化 率が±15%以内となり、また175℃における抵抗 ρのlog(ρ/ωm)が8.0以上となった。

 これに対し、試料番号1は、副成分Mが含 れていないため、1400℃にて焼成しても十分 絶縁性が得られず、誘電率は1000程度と低か った。

 また、試料番号2および27は、主成分にお るペロブスカイト化合物の割合aが0.3~0.8の 囲外であったため、静電容量の温度変化率 ±15%以内の範囲外となり、かつlog(ρ/ωm)も8.0 満であった。

 さらに、試料番号23は、タングステンブ ンズ型化合物におけるKのNaによる置換量xが0 .2以上であったため、誘電率が700と低くなっ 。

 また、試料番号24および25は、タングステ ンブロンズ型化合物におけるSrのBaによる置 量yまたはCaによる置換量zが多すぎたため、 結性が悪かった。

 さらにまた、試料番号26は、副成分Mの含 量が主成分100モル部に対して40モル部より きくなったため、絶縁性が低下し、誘電損 が高くなった。

 今回開示された実施の形態と実施例はす ての点で例示であって制限的なものではな と考慮されるべきである。本発明の範囲は 上の実施の形態と実施例ではなく、請求の 囲によって示され、請求の範囲と均等の意 および範囲内でのすべての修正や変形を含 ものであることが意図される。

 本発明の誘電体セラミック組成物は、高い 電率を保ちつつ、-55~175℃の範囲における静 電容量温度特性が良好であり、かつ175℃にお いて十分に高い抵抗率ρを有するので、高温 環境下で使用される積層セラミックコンデ サの誘電体セラミック層の材料に適用可能 ある。