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Patent Searching and Data


Title:
PHOTOELECTRODE, DYE-SENSITIZED SOLAR CELL WITH THE ELECTRODE, AND ITS FABRICATING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/048105
Kind Code:
A1
Abstract:
A photoelectrode having a structure suitable for sealing using a light-curing resin, a dye-sensitized solar cell having such a photoelectrode, and a dye-sensitized solar cell fabricating method including the sealing method are provided. The photoelectrode is formed on a transparent conductive substrate. The photoelectrode is characterized in that the terminal portion of the photoelectrode is formed on the transparent conductive substrate and located outside the portion where a partition for a sealing material made of a light-curing resin used for bonding a counter electrode is to be disposed, the photoelectrode has a connection wire electrically connected to the terminal portion through the portion where the partition is to be disposed on the transparent conductive substrate, at least part of the section of the connection wire passing through the portion where the partition is to be disposed is branched into thin wires, and every two adjacent thin wires form a slit structure for light application. A dye-sensitized solar cell fabricated by bonding such a photoelectrode and a counter electrode through a partition of a light-curing resin and its fabricating method are also provided.

Inventors:
KANAYAMA MASAHIRO (JP)
IMAWAKA NAOTO (JP)
NAKADA KEIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068379
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
October 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIMANE PREFECTURAL GOVERNMENT (JP)
KANAYAMA MASAHIRO (JP)
IMAWAKA NAOTO (JP)
NAKADA KEIKO (JP)
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04; H01M2/26; H01M2/30
Domestic Patent References:
WO2007007671A12007-01-18
Foreign References:
JP2005285473A2005-10-13
JP2007026713A2007-02-01
JP2003331934A2003-11-21
JP2008186692A2008-08-14
Attorney, Agent or Firm:
TANI, Yoshikazu et al. (Akasaka 2-chome Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
 透明導電基板上に形成された光電極であって、
 該光電極の端子部分が、該透明導電基板上、対極を貼りあわせるための光硬化性樹脂からなる封止材の隔壁配置予定部位より外部に形成され、
 該光電極は、該端子部分と電気的に接続されるための接続線を備え、
 該接続線は、該透明導電基板上、該封止材の隔壁配置予定部位を通過して該端子部分と接続され、該接続線のうち、該封止材の隔壁配置予定部位を通過する部分の少なくとも一部は、複数の細線に分岐し、隣接する該複数の細線が光照射のためのスリット構造を形成していることを特徴とする光電極。
 前記接続線が、集電配線パターンの一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の光電極。
 前記隣接する複数の細線のそれぞれが絶縁層で被覆され、かつ各絶縁層も光照射のためのスリット構造を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の光電極。
 前記集電配線は、前記端子部分との接続線を除き、前記封止材の隔壁配置予定部位より内部にのみ形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光電極。
 請求項1~4のいずれかに記載の光電極を、光硬化性樹脂を用いて対極と貼り合わせて得られたことを特徴とする色素増感太陽電池。
 (1)透明導電基板上に光電極を形成する工程、
 (2)該透明導電基板上に光硬化性樹脂からなる封止材の隔壁を設ける工程、及び
 (3)透明導電基板側からの光照射により、該封止材を硬化させて対極を貼り合わせる工程を順に含み、
 前記工程(1)において、
 該光電極に、端子部分及びそれと電気的に接続されるための接続線を形成し、
 該端子部分は、該透明導電基板上、該封止材の隔壁配置予定部位より外部に形成され、
 該接続線は、該透明導電基板上、該封止材の隔壁配置予定部位を通過して該端子部分と接続され、該封止材の隔壁配置予定部位を通過する部分の少なくとも一部を、複数の細線に分岐させて、隣接する該複数の細線が光照射のためのスリット構造を構成するように形成することを特徴とする色素増感太陽電池の作製方法。
 前記工程(1)において、
 前記接続線は集電配線パターンの一部を構成することを特徴とする請求項6に記載の色素増感太陽電池の作製方法。
 前記工程(1)と工程(2)の間に、
 工程(1’)前記隣接する複数の細線のそれぞれを絶縁層で被覆する工程、
 を含み、
 該各絶縁層も光照射のためのスリット構造を形成することを特徴とする請求項6または7に記載の色素増感太陽電池の作製方法。
 前記集電配線パターンを、前記端子部分との接続線を除き、前記封止材の隔壁より内部にのみ形成することを特徴とする請求項7に記載の色素増感太陽電池の作製方法。
 封止材の隔壁をパターン印刷により形成することを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載の色素増感太陽電池の作製方法。
Description:
光電極、該電極を備えた色素増 太陽電池及びその作製方法

 本発明は、光硬化性樹脂による封止に適 た構造を有する光電極、それを備えた色素 感太陽電池及びその封止方法を含めた色素 感太陽電池の作製方法に関する。

 色素増感太陽電池は、Si系太陽電池と比 低コストであることから、世界的に広く注 されているが、基板に透明導電基板を用い おり、この透明導電基板自体の抵抗値に制 があるため、適切なモジュール設計が必要 なっている。このモジュール化にあたり、 電材料、封止技術、それらのパターン化は 要な要素を占め、モジュール性能と耐久性 大きな影響を与える。

 現在、グレッツェルらをはじめとして多 の研究者、研究機関では封止材料としてホ トメルトタイプの樹脂を使用するのが一般 である。しかし、このホットメルトタイプ 樹脂はシート状であるため、モジュール設 で必要な緻密なパターン化に適さないこと また、融解時に融点に達する熱が必要であ ことから、その熱の影響で使用する色素に 劣化をもたらし、電池性能に悪影響を与え 。さらに、その樹脂の特性上、高温での長 的な耐久性に懸念が残る。

 そこで、特許文献1や特許文献2等では、 熱手段としてYAGレーザーや炭酸ガスレーザ 等の赤外線レーザーを用い、必要な部分に って加熱する技術が開示されている。しか 、これは依然としてホットメルトタイプの 脂を用いるものであり、融点に達するため 熱が必要であることから、熱の影響から完 には逃れることはできない。

特開2007-42460号公報

特開2007-48674号公報

 そこで、本発明は、封止材として硬化時 加熱を必要としない光硬化性樹脂を採用し それに伴う問題点を克服することを課題と る。すなわち、通常、電極端子部分は封止 の隔壁より外側にあり、光電極は該隔壁よ 内側にあることから、少なくとも、該電極 子部分と光電極とを電気的に接続するため 接続線は、該封止材の隔壁の下を通過する とになる。したがって、封止材として光硬 性樹脂を採用した場合、該接続線によって 照射が遮られ、少なくともその部分が硬化 良となる問題がある。

 より具体的には、本発明は、封止材とし 硬化時に加熱を必要としない光硬化性樹脂 採用することを前提に、該樹脂を用いて封 するのに適した構造を有する光電極、それ 備えた色素増感太陽電池、及びその封止方 を含めた色素増感太陽電池の作製方法を提 することを課題とする。

 本発明の第一の態様は、
 透明導電基板上に形成された光電極であっ 、
 該光電極の端子部分が、該透明導電基板上 対極を貼りあわせるための光硬化性樹脂か なる封止材の隔壁配置予定部位より外部に 成され、
 該光電極は、該端子部分と電気的に接続さ るための接続線を備え、
 該接続線は、該透明導電基板上、該封止材 隔壁配置予定部位を通過して該端子部分と 続され、該接続線のうち、該封止材の隔壁 置予定部位を通過する部分の少なくとも一 は、複数の細線に分岐し、隣接する該複数 細線が光照射のためのスリット構造を形成 ていることを特徴とする光電極である。

 本発明の第二の態様は、
 (1)透明導電基板上に光電極を形成する工程
 (2)該透明導電基板上に光硬化性樹脂からな 封止材の隔壁を設ける工程、及び
 (3)透明導電基板側からの光照射により、該 止材を硬化させて対極を貼り合わせる工程 順に含み、
 前記工程(1)において、
 該光電極に、端子部分及びそれと電気的に 続されるための接続線を形成し、
 該端子部分は、該透明導電基板上、該封止 の隔壁配置予定部位より外部に形成され、
 該接続線は、該透明導電基板上、該封止材 隔壁配置予定部位を通過して該端子部分と 続され、該封止材の隔壁配置予定部位を通 する部分の少なくとも一部を、複数の細線 分岐させて、隣接する該複数の細線が光照 のためのスリット構造を構成するように形 することを特徴とする色素増感太陽電池の 製方法である。

 本発明では、前記光電極を前記端子部分 電気的に接続するための接続線のうち、光 化性樹脂からなる封止材の隔壁の下を通過 ることになる部分の少なくとも一部につき 複数の細線に分岐させてスリット構造を構 するように形成している。このため、透明 電基板側からの光(紫外線など)照射により 止材を硬化させる際に、細線の幅を十分に くとることにより、光硬化性樹脂による低 ・短時間での安定的な封止が可能となる。 れは、該スリット構造により、光に曝され 封止材部分はもちろんのこと、細線により が遮られる部分についても、(i)光に曝され 前記封止材部分で誘起される連鎖重合反応 影響が及ぶため連鎖重合反応が不十分な領 を減らすことができること、及び(ii)樹脂内 の光の内部散乱により細線により光が実際 遮られる部分を少なくすることができるこ によるのではないかと考えている。

 さらに、複数の細線に分岐させる際に、 続線の断面積の総和ができるだけ減少しな ように設計することで、集電性能を損なう となくスリット構造を形成することも可能 ある。

 また、封止材料として光硬化性樹脂を採 することで、より緻密なモジュール設計が 能となる。

図1は、従来型のスリット構造のない接 続線での封止材の光硬化を示す。 図2は、複数の細線のスリット構造から なる接続線での、本発明の封止材の光硬化を 示す。 図3は、絶縁層被覆された複数の細線の スリット構造からなる接続線での、本発明の 封止材の光硬化を示す。 図4は、図中、(b)は透明導電基板上に積 層すべき集電配線パターンを示し(本発明の 数の細線及び端子を含む)、図中、(a)は前記( b)中の一点鎖線の四角形で囲まれた部分(複数 の細線及び端子を含む)の拡大図である。 図5は、試験例1または2で用いた装置の 面の概略図である。 図6は、試験例1における樹脂の硬化状 を示すための写真である(実体顕微鏡 オリ パス社製 型番SZX12、倍率 12.5倍)。 図7は、試験例2における樹脂の硬化状 を示すための写真である(実体顕微鏡 オリ パス社製 型番SZX12、倍率 12.5倍)。

 1.本発明の第一の態様について
 (A)本態様では、光硬化性樹脂からなる封止 を用いて対極と貼り合わせるのに好適な光 極を提供する。該光電極は一般に透明導電 板上に、酸化物半導体層、該酸化物半導体 に吸着された分光増感色素、端子部分及び 端子部分と電気的に接続されるための接続 を備えて形成されている。該接続線は、光 極から端子部分に至る途中において、封止 の隔壁配置予定部位を通過する。

 該光電極は、好ましくはさらに集電配線 ターンも備えている。この場合、該接続線 、該集電配線パターンと電気的に接続され 好ましくは該接続線は該集電配線パターン 一部となっている。

 (B)本態様の特徴は、前記接続線のうち、 硬化性樹脂からなる封止材の隔壁配置予定 位を通過する部分の少なくとも一部が複数 細線に分岐し、隣接する該複数の細線が光 射のためのスリット構造を形成している点 ある。かかるスリット構造を形成すること 、色素増感太陽電池の作製工程中、透明導 基板側からの光照射により、該封止材を硬 させて対極を貼り合わせる工程において、 スリット構造により光に曝される封止材部 はもちろんのこと、細線により光が遮られ 部分についても、光に曝される前記封止材 分で誘起される連鎖重合反応の影響及び光 内部散乱の影響が及ぶため、細線の幅を十 に狭くとることにより、効果的に封止材の 硬化を実現できる。

 すなわち、図1にも示すように、封止材の 隔壁の下を通過する接続線の部分は、封止材 として光硬化性樹脂を用いた場合、透明導電 基板側から光照射すると、該接続線によって 光が遮られ、しかも光が遮られていない封止 材部分で誘起された連鎖重合反応の影響はあ るものの、該接続線の幅が広すぎるため、該 接続線の幅全体にまで、その影響を及ぼすこ とはできず、封止材の硬化不良の起こりうる 領域が生じる。しかし、本発明では、該接続 線を十分に幅の狭い複数の細線に分岐させて スリット構造を形成しているため、図2や図3 示すように、各細線の幅全体に渡って光が られていない封止材部分で誘起された連鎖 合反応や光の内部散乱の影響を受けること でき、このため封止材の硬化不良の起こり る領域をより小さくすることができる。

 a. 該接続線は、光電極とその端子部分を 電気的に接続するものであり、材料としては 金属ペースト、カーボンペースト等の導電性 ペーストが例示され、より好ましくは銀ペー ストを用い、スクリーン印刷等の印刷技術、 スプレー法、スパッタ法、インクジェット法 等、簡便性の点で、好ましくはスクリーン印 刷等の印刷技術よって形成できる。

 本発明の前記接続線は、好ましくは集電 線パターンの一部を構成し、前記接続線は の集電配線パターンと電気的に接続する。 の場合、作製上の簡便さの点で、集電配線 ターンの一部として該接続線を形成するこ ができるので好ましい。集電配線は任意の ターンを採ることができ、平行線状、交差 状、その他、格子状網目、たとえば四角形 るいは八角形からできた格子状網目などの ターンを提示することができる。材料や形 方法については、前記接続線と同様である

 b. 該接続線のうち、光硬化性樹脂からな る封止材の隔壁配置予定部位を通過する部分 の少なくとも一部、最も好ましくは通過する 部分の全部が、複数の細線に分岐している。 各細線及びそれらが複数集まって形成された スリット構造は、封止材の光硬化の際に、各 細線の光遮蔽による悪影響をできるだけ抑制 し、光の照射を受ける封止材部分で誘起され た連鎖重合反応や光の内部散乱の影響を有利 に利用できるように設計される。かかる観点 からは、各細線の幅は細いほど好ましいが、 たとえば、本明細書に後記されている試験例 1及び2のような試験を行うことで、用いる光 化性樹脂の種類その他の条件に最適の、適 な細線の幅の上限を見積もることができる 光硬化性樹脂の種類等の条件により変動し るため、個別具体的に細線の幅の上限を見 もることが好ましいが、一般的には少なく も1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下 することがさらに好ましい。

 また、隣接する細線同士により形成され スリットの幅は、光照射による連鎖重合反 の誘起及び光の内部散乱のために十分広い とがより望ましいが、光電極の端子の大き 、細線の幅及び本数によってある程度決定 れる。たとえば、0.1~2mm、より好ましくは0.3 ~1mmの幅とすることができる(実施例参照)。

 また、細線の本数は予定する発電量に応 て調整する。

 該複数の細線の断面積の総和は、非分岐 該接続線の断面積より減少しないように設 することが好ましい。

 このような複数の細線によるスリット構 も、好ましくはスクリーン印刷等の印刷技 を用いることで、簡便に形成することがで る。

 c. 各細線は絶縁層で被覆されていてもよ い。また、本発明の光電極が集電配線パター ンを備える場合には、該接続線も集電配線パ ターンの一部として形成されることが好まし く、該集電配線を絶縁層で被覆する際に、各 細線も集電配線の一部として絶縁層で被覆さ れてもよい。

 絶縁層としては、ガラスフリット、セラ ックスや樹脂を例示でき、絶縁性、耐久性 観点から、好ましくはガラスフリット材料 らなり、スクリーン印刷法で被覆されるの 好ましい。絶縁層の厚さは、好ましくは10~3 0μmである。

 この場合、絶縁層材料が必ずしも充分な 透過性を有するとは限らないことから、各 線を被覆する各絶縁層同士も、各細線と同 のスリット構造を有していることが好まし 。

 d. 光電極が集電配線パターンを備える場 合、前記接続線を除き、集電配線パターンは 、封止材の隔壁配置予定部位よりも内側にの み形成されるのが好ましい。配線が封止材の 隔壁の下に位置することになると、後に光硬 化性材料からなる封止材により対極と貼り合 わせて色素増感太陽電池を作製する際に、前 記接続線で説明したような光の遮蔽により、 光硬化に充分な光照射を受けるのに不利とな り、封止がその分、不完全になるおそれがあ るからである。

 集電配線パターンの一部(前記接続線を除 く)が、封止材の隔壁配置予定部位のところ どうしても配置せざるをえない場合には、 記接続線と同様にして、複数の細線に分岐 せることで、同様に封止材の硬化不良を回 することが可能である。

 (C)その他の構成部分
 a.光電極の端子部分は、たとえば前記接続 、より好ましくは前記集電配線パターンと 時に、スクリーン印刷等の印刷技術で形成 るのが簡便である。該端子部分は、封止材 隔壁配置予定部位よりも外側に形成される

 b.透明導電基板は、透明ガラスあるいは 明樹脂フィルム等の透明基板上に、透明導 基板として酸化チタン、酸化亜鉛(アンチモ またはアルミニウムをドープしたものでも い)、酸化インジウム(スズまたは亜鉛をド プしたものでもよい)、酸化スズ(アンチモン またはフッ素をドープしたものでもよい)等 膜を形成したものが用いられる。

 分光増感色素としては、可視領域および/ または赤外線領域に吸収をもつ種々の金属錯 体や有機色素を用いることができる。これを 酸化物半導体層に吸着させる方法としては任 意の公知の方法、たとえば、二酸化チタン等 の酸化物半導体薄膜を色素溶液に所定の温度 で浸漬する方法(ディッピング法、ローラ法 エヤーナイフ法など)や、色素溶液を酸化物 導体層表面に塗布する方法(ワイヤーバー法 、アプリケーション法、スピン法、スプレー 法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法を 採用することができる。

 酸化物半導体層は、酸化チタン、酸化亜 、酸化スズ、スズをドープした酸化インジ ム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム の公知の多孔質材料を用いることができ、 ピンコート法、スプレー法、ディッピング 、スクリーン印刷法、ドクターブレード法 インクジェット法等により前記透明導電基 上に形成できるが、操作の簡便さの観点か はスピンコート法、スプレー法、ディッピ グ法が、量産化の観点からはスクリーン印 法によるのが好ましい。

 (4)上記光電極を備えた色素増感太陽電池 、光硬化性樹脂からなる封止材により隔壁 形成して対極と貼り合わせて作製すれば、 り確実な封止を実現した太陽電池を得るこ ができる。

 2.本発明の第二の態様について
 (A)本態様では、前記第一の態様の光電極を えた色素増感太陽電池の作製方法を提供す 。

 本態様の特徴は、封止材の隔壁として光 化性樹脂を用いて低温で封止を行うことを 能にし、かつ光電極として前記第一の態様 光電極を用いることで、光硬化性樹脂によ 封止の欠点、すなわち光電極とその端子と 電気的に接続するための接続線による光の 蔽に起因する硬化不良の問題を克服し、も て安定な封止を実現したことにある。

 (B)本態様の色素増感太陽電池の作製方法で 、少なくとも以下の3つの工程: 
 (1)透明導電基板上に光電極を形成する工程
 (2)該透明導電基板上に光硬化性樹脂からな 封止材の隔壁を設ける工程、及び
 (3)透明導電基板側からの光照射により、該 止材を硬化させて対極を貼り合わせる工程
 を順に含む。以下、説明する。

 a. 工程(1)は、本発明の第一の態様の光電 極を作製する工程であり、前記項目1.でも説 している。

 本工程において、透明導電基板上に酸化 半導体層を形成後、光電極の端子部分及び 端子部分と光電極との間を電気的に接続す ための接続線を形成する。以下に説明する 示では、該接続線は、より好ましい態様と て集電配線の一部として形成されている。

 透明導電基板上に積層すべき酸化物半導 層のパターンとしては、たとえば複数の行 複数の列といったように複数の酸化物半導 層のサブユニットが形成され、隣接する各 化物半導体層サブユニットの間には、集電 線パターンを形成することができる。

 図4(b)は、前記隣接する各酸化物半導体層 サブユニット間に形成される集電配線パター ンの一例を示す。図の上部と下部にそれぞれ 、複数の細線に分岐したスリット構造を合計 2つ形成している。このスリット構造は、封 材の隔壁形成予定部位に含まれている。

 酸化物半導体層の形成は、好ましくはス リーン印刷等の印刷技術により簡便に作製 きる。

 光電極の端子部分及び接続線(及び、より 好ましくはさらに集電配線パターン)(図4(b)参 照)もスクリーン印刷等の印刷技術を用いれ 同時に一挙に作製することができ簡便であ 。図4(b)はそのようなパターンを示すもので り、8行2列の酸化物半導体層サブユニット に形成される集電配線パターンである。

 作製の順番として、酸化物半導体層の形 と集電配線の形成の順序については、いず を先に行ってもよい。

 集電配線パターンを形成する場合、より 止を確実にする観点からは、前記接続線を き、集電配線パターンは前記封止材の隔壁 置予定部位より内部にのみ形成することが ましい。配線による光遮蔽によって、硬化 良となるのをできるだけ抑えることができ からである。

 b. 工程(2)は、光硬化性樹脂からなる封止 材の隔壁を、隔壁配置予定部位に作製する工 程である。ここで、光硬化性樹脂としては、 紫外線硬化樹脂を好ましいものとして挙げる ことができ、その中でも耐電解液性、封止性 の点ではアクリル系紫外線硬化樹脂がより好 ましい。また、光の内部散乱を有効利用する という観点からは、透明の光硬化性樹脂が好 ましい。

 本工程の封止材の隔壁の作製は、スクリ ン印刷法やディスペンサー法等により好ま く行うことができるが、特にスクリーン印 等の印刷技術を用いて、より簡便に作製す ことができる利点がある。

 該隔壁は、光電極の四囲を囲むように形 されるが、後に分光増感色素の酸化物半導 層への吸着、及び電解液の注入のための注 孔を設けることもできる。

 c. 工程(3)では、透明導電基板側からの光 照射により、該封止材を硬化させて対極を貼 り合わせる。本発明の第一の態様の光電極を 用いているため、低温・短時間での安定な封 止を実現できる。

 光照射は、工程(1)で作製された光電極の 明導電基板から、封止材の隔壁配置予定部 に対して行われる。用いる光源としては、 いる光硬化性樹脂の種類にもよるが、波長 320~550nmの紫外~可視光のものを好ましく用い ることができ、より具体的にはメタルハライ ドランプまたはLEDを好ましく用いることがで きる。

 対極としては、電解質中の腐食性成分に する耐腐食性を有するものであれば、特に 限されないが、チタン、ステンレス、導電 ガラス等が例示され、その中でも電気伝導 、熱膨張性の点からは、チタンが好ましい

 封止材の隔壁のパターンは、たとえば酸 物半導体層のパターン及び図4の集電配線パ ターンを形成後に、形成することができる。 パターン塗布、すなわち、スクリーン印刷等 の印刷技術を用いて簡便に形成できる点で有 利である。

 d. 工程(1)で集電配線パターンを形成する 場合、好ましくは、工程(1)と工程(2)との間に 、工程(1’)、すなわち、集電配線パターンを 絶縁層で被覆する工程を含むことが、後に光 電極と対極との間に充填される電解液による 腐食を防止できる点で好ましい。この際に、 集電配線の一部として前記複数の細線が形成 されていた場合、該細線のそれぞれが絶縁層 で被覆されてもよい。

 絶縁層のパターンは、たとえば集電配線 スリット構造を形成している部分に対応し 、スリット構造を形成することができる。 れは酸化物半導体層のパターン及び図4(b)の 集電配線パターンを形成後で、封止材の隔壁 のパターンの形成前に行うことができる。

 絶縁層も、スクリーン印刷等の印刷技術 より簡便に形成できる。

 (C)工程(3)により得られた対極及び光電極 封止材を介して貼り合わせた後、常法に従 、たとえば、封止材の隔壁に設けられた注 孔より、分光増感色素の溶液を染み込ませ ことで光電極の酸物半導体層に分光増感色 を吸着させ、次いで、同じく封止材の隔壁 設けられた注入孔より、電解液を注入し、 いで該注入孔を封止することができる。

 分光増感色素としては、上記項目1.(C)b.に 例示されている。

 電解液としては、I 2 /I 3 - 系、Br - /Br 3 - 系、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元 解質を含む電解液が例示される。

 1. 光電極の作製
 ・ 酸化チタン層の形成
 20~30μmの一次粒子径を有する酸化チタンペ スト(触媒化成製 PST-18NR)をスクリーン印刷 (マイクロテック製 MT-320TV)を用いて、120mm×1 20mmの大きさの導電性ガラス基板(FTO導電膜、 本板硝子製)上にスクリーン印刷し乾燥させ た。この工程を所定の膜厚が得られるまで繰 り返した後、400μm程度の粒子径の酸化チタン ペースト(触媒化成 PST400C)を同じくスクリー 印刷し乾燥させた。この後、基板をマッフ 炉(アドバンテック製 FUW252PA)に移し、500℃ 30分間焼成を行い酸化チタン層を形成させ 。焼成後の酸化チタンの膜厚は約12μmであっ た。

 ・ 集電グリッドの形成
 次いで、銀ペーストをスクリーン印刷によ 、基板上にグリッド状に塗付した(図4(b)参 )。この印刷により光電極の端子部分、それ の接続線、及び接続線中の複数の細線分岐 同時に形成した(細線の数5本、細線の幅0.45m m、間隔は0.69mm 図4中、上下に伸びる集電線 幅2.0mm)。次いで、160℃、12分間乾燥後、マッ フル炉にて500℃、30分間焼成して集電配線を た。
 なお、この集電グリッドの形成は、前記酸 チタン層の形成の前に形成してもよい。
 ・ 集電グリッド保護層(絶縁層)の形成
 次いで、ガラスフリットペーストをスクリ ン印刷により基板上に塗付することで、前 集電グリッドの絶縁層を形成し、160℃、12 間乾燥後、マッフル炉にて500℃、30分間焼成 した。
 なお、この絶縁層の形成も、前記酸化チタ 層の形成の前に形成してもよい。
 ・ 色素吸着
 次いで、前記絶縁層を形成した基板をルテ ウム有機錯体色素溶液に浸漬し、16時間静 することにより、酸化チタン層に色素を吸 させた。

 b. 対極の作製
 ・ チタン板の輪郭形状加工
 0.2mm厚の純チタン板をワイヤー放電加工に り、規定の形状(120mm×120mm)に切断した。
 ・ 白金触媒層の形成
 次いで、電気メッキ法により、チタン板上 白金触媒層を形成した。

 c. アセンブリ
 ・ 封止材塗布
 各光電極上に、スクリーン印刷により、封 用紫外線硬化樹脂を、前記接続線中の細線 重なるように塗布した。
 ・ 貼り合わせ
 次いで、対極を、光電極と上下に向かい合 ように配置して対向させ貼り合わせた。
 ・ 封止材の硬化
 次いで、光電極側より、紫外線を照射し(300 0mJ/cm 2 、アイグラフィック製 ECS-601G-3)、封止材を 化させた。
 ・ 電解液注入
 次いで、真空注入装置(アユミ工業製 LC-35) 用いて、モジュールの電解液注入孔より、 解液を注入した。
 ・ 注入孔の封止
 次いで、電解液注入孔を、紫外線硬化樹脂 用いて封止して、色素増感太陽電池を得た

  (試験例1)
 スクリーン印刷により導電性ガラス基板(FTO 導電膜、厚み4mm、日本板硝子製)上に銀ペー トを塗布して、幅0.3mmの直線状の銀線を1本 製し、160℃、12分間乾燥後、マッフル炉にて 500℃、30分間焼成した。この0.3mm幅の銀線は 発明の細線に対応するものである。

 次いで、前記細線をアクリル系紫外線硬 樹脂を塗布して覆い、剥離フィルムで挟み んだ(図5参照)。塗布した樹脂の幅は約3cmで り前記細線の幅全体を覆うには十分な幅で り、厚み(前記導電性ガラス基板と剥離フィ ルムの間の距離)は約30μmであった。

 次いで、前記導電性ガラス基板側から紫外 を照射し(約4500mJ/cm 2 、HOYA CANDEO OPTRONICS製 EXECURE4000)、前記樹脂 硬化させた。

 次いで、剥離フィルムを剥がし、剥離フ ルムで覆われていた面側から、樹脂の硬化 態を実体顕微鏡(オリンパス社製の型番SZX12) にて、12.5倍の倍率で観察した。図6に観察し 対象の写真を示す。これによると銀線によ 覆われている樹脂部分と覆われていない樹 部分との区別がつかず、銀線により覆われ いる樹脂部分もほぼ一様に硬化が行われて ることが観察された。

  (試験例2)
 試験例1において幅0.3mmの直線状の銀線のか りに幅2mmの直線状の銀線を作成する以外は 試験例1と同様の条件で硬化試験を行い、同 様に実体顕微鏡で樹脂の硬化状態を観察した 。本試験例は比較対照に相当する。図7に観 した対象の写真を示す。これによると、銀 で覆われていた樹脂部分の中央部において 化不良部分のあることを確認した(硬化不良 分は銀線幅の7割程度)。

 このことから、本試験例1及び2の条件下 使用した紫外線硬化樹脂の硬化侵入距離[={2 (1-0.7)}/2]は0.3mm程度であることがわかった。 なわち、本試験例1及び2の条件下で、用い 紫外線硬化樹脂では、銀線の幅として0.6mm程 度までは銀線で覆われていた樹脂部分も略一 様に硬化が行われると期待できる。

 本発明によれば、光硬化性樹脂からなる 止材を用いた封止に適した光電極を提供で 、低温で封止できるため増感色素にも悪影 がなく、性能の安定した色素増感太陽電池 製造しうる。

 また、光硬化性樹脂からなる封止材を用 ることで、パターン塗布により隔壁を形成 ることができるので、より簡便な色素増感 陽電池の製造方法を提供できる。