Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING EPOXY (METH)ACRYLATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113609
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a process by which an epoxy (meth)acrylate can be safely produced with satisfactory productivity. The process is a continuous process for epoxy (meth)acrylate production which comprises causing a liquid mixture of a compound (A) having a carboxy group and a (meth)acryloyl group and a compound (B) having an epoxy group to pass continuously and densely through a tubular microchannel formed in a heat-conducting reaction vessel and reacting the carboxy group of the compound (A) with the epoxy group of the compound (B) in the tubular microchannel. The tubular microchannel formed in the reaction vessel has such a space size that the fluid densely passing through the tubular microchannel has a sectional area of 0.1-4.0 mm2. In the process, the heat-conducting reaction vessel is heated to 150-260°C, and the reactants are reacted so that the reactant liquid which is passing through the tubular microchannel has a Reynolds number in the range of 0.4-100. After completion of the reaction, a reaction product discharged from the heat-conducting reaction vessel is continuously cooled.

Inventors:
ISHIYAMA HUMIHIKO (JP)
HIZAWA TAKESHI (JP)
WATANABE HIDEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054733
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 12, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DAINIPPON INK & CHEMICALS (JP)
ISHIYAMA HUMIHIKO (JP)
HIZAWA TAKESHI (JP)
WATANABE HIDEKI (JP)
International Classes:
C08G59/17; B01J19/24; C07C69/54
Foreign References:
JPH04335019A1992-11-24
JP2006111574A2006-04-27
JP2001064353A2001-03-13
JP2002293876A2002-10-09
JP2006111574A2006-04-27
Other References:
See also references of EP 2258740A4
Attorney, Agent or Firm:
KONO, MICHIHIRO (JP)
Michihiro Kono (JP)
Download PDF:
Claims:
内部に微小管状流路が形成された伝熱性反応容器の該微小管状流路内に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(B)との混合液を、連続的かつ液密状に流通させ、前記化合物(A)中のカルボキシル基と前記化合物(B)中のエポキシ基とを反応させるエポキシ(メタ)アクリレートの連続製造方法であって、
 前記反応容器が、前記微小管状流路内を液密状に流通する流体断面積が0.1~4.0mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有するものであり、かつ、前記伝熱性反応容器を150~260℃に加熱すると共に、前記微小管状流路内を流通する反応液のレイノルズ数が0.4~100の範囲となるように反応させ、次いで、反応終了後、前記伝熱性反応容器から吐出された反応生成物を連続的に冷却することを特徴とするエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
反応終了後の反応生成物の冷却を50~90℃の温度条件で行う請求項1記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
前記カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物(A)と、前記エポキシ基を有する化合物(B)とを、これらを予め混合した混合液として連続的に前記伝熱性反応容器に導入する請求項1又は2記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
内部に微小管状流路が形成された伝熱性反応容器を複数直列状に配設してなる反応装置を用いて反応を行う請求項3記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
内部に微小管状流路が形成された伝熱性反応容器が、表面に複数の溝部が形成された伝熱性プレート状構造体を複数枚積層してなる構造を有するものである請求項3記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
前混混合流体を、1.8×10 -4 ~0.28m/秒の流速で微小管状流路に流通させる請求項1記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
前記化合物(A)が(メタ)アクリル酸で、前記化合物(B)がビスフェノール型エポキシ樹脂またはナフタレン型エポキシ樹脂である請求項1記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
連続的な冷却を、前記伝熱性反応容器の反応液出口に連通する、微小管状流路が形成された冷却用伝熱器に連続的に反応生成物を流通させることにより行う請求項1又は2記載のエポキシ(メタ)アクリレートの製造方法。
Description:
エポキシ(メタ)アクリレートの 造方法

 本発明は、エポキシ(メタ)アクリレート 安全に生産性良く連続的に製造できる製造 法に関する。

 従来より、エポキシ(メタ)アクリレート 、反応釜を用いたバッチ方式により製造さ ている。一般的にエポキシ(メタ)アクリレー トはカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基 を有する化合物のカルボキシル基とエポキ 基を有する化合物のエポキシ基とを反応さ て製造する。カルボキシル基とエポキシ基 の反応は発熱反応である。この発熱反応が 行している過程において、反応熱が蓄熱さ 反応系の温度が異常に上昇すると(メタ)ア リロイル基同士が結合し、反応物がゲル化 る暴走反応が生じる。従って、暴走反応の 因となる反応熱の過剰な発生や蓄積を抑え ため、精密な温度制御や効果的な除熱操作 求められるが、反応系が大きくなる程、例 ば、工業生産の規模では、攪拌の効率や除 の能力等から、この対応が難しくなる。

 暴走反応が起こると、暴走反応時の発熱 より未反応原料のガス化、生成したエポキ (メタ)アクリレートの分解によるガス化が こる。その結果、反応系内の圧力が急激に 昇し、装置自体に致命的な破壊をきたす場 がある。装置の破壊を防ぐ為、暴走反応が こった際に反応釜に付帯されたマンホール 安全弁、ラプチャーディスク、エクスプロ ジョンベントなどを開放して系内に溜まっ 圧を開放する措置や、内容物自体を系外に 出する措置を講じるが、これらの措置を講 る為の設備自体も非常に大掛かりなものと り、投資コストも高く、占有する面積も大 くなることから、生産性は良好ではない。

 エポキシ(メタ)アクリレートの製造中に こった暴走反応を停止させる手段として、 合禁止剤を添加する方法が知られている。 の方法では、重合禁止剤を反応系に対して く短時間に分散し溶解させる必要がある。

 しかしながら、ゲル化が起こると反応系 高粘度化し易く、重合禁止剤を反応系にご 短時間に分散し溶解することが非常に困難 なる問題がある。加えて、暴走反応による 激な粘度増加に反応系内を攪拌する攪拌翼 駆動能力がついていけず、重合禁止剤が反 系に十分分散、溶解できないばかりか、負 がかかる事による攪拌装置の故障等装置自 に致命的な破壊をきたす問題もある。この うな問題は、エポキシ(メタ)アクリレート 造時に希釈溶媒等を用いない場合、特に深 である。

 重合禁止剤を反応系に分散、溶解しやす させる手段として、重合禁止剤を溶剤等に 解して使用する方法があるが、暴走反応の 生に迅速に対応するためには、重合禁止剤 溶解した溶液を予め大量に準備しておかな ればならない。その為、エポキシ(メタ)ア リレート製造時のコストが増加する。また 重合禁止剤の中には変異原性物質が含まれ ため、取り扱いにも十分注意を払う必要が る。

 エポキシ(メタ)アクリレートの製造中に こった暴走反応が起こることを抑制する手 として、反応系内に溶剤を共存させ、系内 存在する重合性化合物の濃度を下げると共 反応の進行に伴い増大する流体粘度を下げ ことにより反応の制御性を向上させる方法 知られている。しかしながら、この方法は 応終了後に反応系内の溶剤を回収しなくて ならず、また、溶剤を使用するため釜得量 低下するので生産性が良い方法ではない。 に、品質上も得られた樹脂組成物中に微量 残存する溶剤の影響も懸念される。

 このようにエポキシ(メタ)アクリレート 製造する際には、暴走反応に対する上記の うな対応策を講じる必要があり、生産性は 好なものではない。そして、暴走反応の対 策を講じているとはいえ、結局のところ、 走反応が起きない条件、例えば、発熱に気 付けながら徐々に昇温し、150℃以下、好ま くは130℃以下の温度で3~8時間と低温で長時 かけて非効率にエポキシ(メタ)アクリレート を製造しているのが現状である(例えば、特 文献1参照。)。

 反応熱による加熱を防止でき、多量化等の 反応を抑制して、しかも高い反応率が得ら る製造方法として、流路断面積が300~1,000,000 μm 2 〔3×10 -4 ~1(mm) 2 〕の流路に、エポキシ化合物と水酸基を有す る化合物とを流通させ、両化合物を接触させ て開環付加反応を行うエポキシ化合物の開環 反応物の製造方法が開示されている(例えば 特許文献2参照。)。しかしながら、該特許文 献2に記載された製造方法は、例えば、実施 1ではエチルヘキシルアルコールとエピクロ ヒドリンとの開環反応物等を製造するなど 暴走反応の原因となる(メタ)アクリロイル を有するような開環反応物の製造を想定し いない。その為、前記特許文献2には前記エ キシ(メタ)アクリレートの製造の際に、問 となる(メタ)アクリロイル基の重合による暴 走反応を防止する策について何ら開示されて いない。しかも、エポキシ化合物と水酸基を 有する化合物を流路内で十分反応させる(例 ば、反応率を98%)には160分もかかり、製造効 も非常に悪い。

特開2002-293876号公報

特開2006-111574号公報

 本発明の課題は、エポキシ(メタ)アクリ ートを安全に生産性良く製造できる製造方 を提供するものである。

 本発明者らは鋭意検討した結果、内部に微 管状流路が形成された伝熱性反応容器を用 、該微小管状流路内にカルボキシル基と(メ タ)アクリロイル基とを有する化合物(A)と、 ポキシ基を有する化合物(B)との混合液を、 続的かつ液密状に流通させて前記化合物(A) のカルボキシル基と前記化合物(B)中のエポ シ基とを反応させる際に、前記反応容器と て、前記微小管状流路内を液密状に流通す 流体断面積が0.1~4.0mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有 するものを用い、かつ、前記微小管状流路内 を流通する反応液のレイノルズ数が0.4~100の 囲となるように流させることにより、通常 流と考えられる微小流路中で微乱流を伴う 態で分子拡散による混合が進行し、化合物(A )と化合物(B)との接触が活発化すること、加 て、前記伝熱性反応容器を通常のバッチ方 では取り得ない150~260℃とすることにより、 ルボキシル基とエポキシ基との反応の効率 向上すること、更に、反応の後微小流路か 流れ出るエポキシ(メタ)アクリレートは容 もバッチ式の場合と比べて小さく、連続的 冷却することにより容易に温度コントロー する事が可能で、その結果、(メタ)アクリロ イル基の暴走反応も起こりにくいこと、そし て、短時間に反応が起こることから生産性良 くエポキシ(メタ)アクリレートを製造できる と、等を見出し、本発明を完成するに至っ 。

 即ち、本発明は、内部に微小管状流路が形 された伝熱性反応容器の該微小管状流路内 、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基 を有する化合物(A)と、エポキシ基を有する 合物(B)との混合液を、連続的かつ液密状に 通させ、前記化合物(A)中のカルボキシル基 前記化合物(B)中のエポキシ基とを反応させ エポキシ(メタ)アクリレートの連続製造方法 であって、
 前記反応容器が、前記微小管状流路内を液 状に流通する流体断面積が0.1~4.0mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有 するものであり、かつ、前記伝熱性反応容器 を150~260℃に加熱すると共に、前記微小管状 路内を流通する反応液のレイノルズ数が0.4~1 00の範囲となるように反応させ、次いで、反 終了後、前記伝熱性反応容器から吐出され 反応生成物を連続的に冷却することを特徴 するエポキシ(メタ)アクリレートの製造方 を提供するものである。

 本発明の製造方法によれば、エポキシ(メ タ)アクリレートを安全に生産性良く製造で る製造方法を提供できる。また、大掛かり 設備の導入も不必要で、投資コスト、製造 ストの削減も期待できる。

 本発明で用いる化合物(A)は、カルボキシ 基と(メタ)アクリロイル基とを有する。化 物(A)は常温で固体、または高粘度の液体で っても、加熱溶融、溶解、分散等の手段に り流路を閉塞させずに供給できるものであ ば特に限定されず、公知の化合物を用いる とができる。

 本発明で用いる化合物(A)としては、例え 、アクリル酸、メタアクリル酸、およびこ らのダイマー及びトリマー酸、あるいは、 ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ シブチル(メタ)アクリレート等ヒドロキシ(メ タ)アクリレート化合物と酸無水物とのハ-フ ステル化合物、(メタ)アクリル酸とイプシ ンカプロラクトン等の反応物もしくはこれ の混合物等が挙げられる。これらは、単独 用いても、2種類以上で用いてもよい。

 本発明の製造方法としては、化合物(A)と て化合物(B)との反応の発熱量の多いアクリ 酸、メタクリル酸を用いる製造方法が、本 明の効果、即ち、安全に製造できるという 果を十分に発揮すること、アクリロイル基 度が高いことから重合しやすいこと、から ましい。

 本発明で用いる化合物(B)は、エポキシ基 有する。化合物(B)としては、常温で固体、 たは高粘度の液体であっても、加熱溶融、 解、分散等の手段により流路を閉塞させず 供給できるものであれば特に限定されず、 知の化合物を用いることができる。

 本発明で用いる化合物(B)としては、例え 、エポキシ樹脂等が挙げられる。該エポキ 樹脂としては、例えば、ビスフェノール型 ポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、 レゾールノボラック型やフェノールノボラ ク型等のノボラック型エポキシ樹脂;ハロゲ ン化ビスフェノール型エポキシ樹脂、ハロゲ ン化ノボラック型エポキシ樹脂、さらに多価 カルボン酸のグリシジルエステル型樹脂、脂 肪族エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂 、ポリアルキレングリコールジグリシジルエ ーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニ ルグリシジルエーテル、トリグリシジルイソ シアヌレートやその誘導体、ポリグリシジル (メタ)アクリレートやグリシジル(メタ)アク レート等のグリシジル基含有不飽和モノマ- 他の不飽和モノマ-との共重合体等が挙げら れる。これらは、単独で用いても、2種類以 で用いてもよい。

 本発明の製造方法としては、化合物(B)と て化合物(A)との反応時の発熱量の多いエポ シ当量が200以下のエポキシ樹脂を用いる製 方法が、本発明の効果、即ち、安全に製造 きるという効果を十分に発揮することがで ることから好ましい。中でも、化合物(B)と て芳香族系エポキシ樹脂であるビスフェノ ル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ 脂を用いた場合、これらの化合物は重合を こしやすく発熱量も大きいため本発明の製 方法に用いることにより、本発明の製造方 の効果を十分に発揮できることから好まし 。

 本発明のエポキシ(メタ)アクリレートの製 方法で用いるは伝熱性反応容器は内部に微 管状流路が形成されている。そして、この 小流路にカルボキシル基と(メタ)アクリロイ ル基とを有する化合物(A)とエポキシ基を有す る化合物(B)との混合液を連続的かつ液密状に 流通させ化合物(A)が有するカルボキシル基と 化合物(B)が有するエポキシ基とを反応させる ことによりエポキシ(メタ)アクリレートを連 的製造する。ここで用いる伝熱性反応容器 して微小管状流路内を液密状に流通する流 断面積が0.1~4mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有 するものを用いることにより圧損が大きくな りすぎず、生産性も良好、流路閉塞も起こし にくい、該流路の加熱や冷却の迅速な制御が 可能等優れた効果を奏する。本発明で用いる 伝熱性反応容器としては、微小管状流路内を 液密状に流通する流体断面積が0.3~1.0mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有 するものが好ましい。なお、本発明において 使用する「断面」とは、反応流路中の流れ方 向に対して垂直方向の断面を言い、「断面積 」は、その断面の面積を言う。

 また、本発明のエポキシ(メタ)アクリレー の製造方法では、前記微小管状流路内を流 する反応液のレイノルズ数が0.4~100の範囲と るように反応させる必要がある。一般的に 前記微小管状流路内を液密状に流通する流 断面積が0.1~4mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路に流 体を流すと流れる流体は層流となる。その為 、例えば、カルボキシル基と(メタ)アクリロ ル基とを有する化合物(A)とエポキシ基を有 る化合物(B)の混合液を流路に流通させた場 、化合物(A)と化合物(B)とは遠く離れた化合 同士は接触する機会が非常に少ない為、反 しにくい。その為、化合物(A)と化合物(B)と 主に近傍の化合物同士が反応するのみで、 路内を更に移動しても反応がそれ以上進行 ない。今般、発明者らは流体断面積が0.1~4.0 mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路流路 に、レイノルズ数が0.4~100となる範囲で化合 (A)と化合物(B)の混合液を流通させると、流 内の状態は微乱流を伴う状態で混合が進行 、化合物(A)と化合物(B)との接触が活発化す ことを見出し、発明者らは本発明を完成す ことができた。レイノルズ数としては、1~50 好ましい。レイノルズ数0.4未満では反応の 行が遅く長時間滞留するためゲル化の恐れ あり、100を超えるレイノルズ数では反応効 化上限界があり、反応器も長大化するため ましくない。

 尚、本発明でいうレイノルズ数とは下記の (1)に従って計算されるものである。
 レイノルズ数=(D×u×ρ)/μ・・・式(1)
 ここで、D(流路の内径)、u(平均流速)、ρ(流 密度)、μ(流体粘度)である。本発明におい 、レイノルズ数は上記式(1)の各要素を以下 ように定義し、求めた。

 D(流路の内径):微小管状流路の等価直径(m)で ある。
 u(平均流速):化合物(A)と化合物(B)との混合液 の流速(m/秒)である。
 ρ(流体密度):20℃における水の密度998.2kg/m 3 である。
 μ(流体粘度):20℃における水の粘度1.002mPa・s である。

 更に、本発明のエポキシ(メタ)アクリレ トの製造方法では、前記伝熱性反応容器を15 0~260℃に加熱する必要がある。このような温 を選択することによりカルボキシル基とエ キシ基との反応が効率良く起こりつつも(メ タ)アクリロイル基の重合である暴走反応は こらないという優れた効果を奏する。伝熱 反応容器の温度としては、暴走反応が起き く、且つ、製造効率も良好なことから160~240 が好ましく、170℃~220℃がより好ましい。

 本発明のエポキシ(メタ)アクリレートの製 方法では、本発明で用いる反応装置が有す 微小流路を流れる混合流体の断面積、微小 路への混合流体の流通を行う際のレイノル 数、伝熱性反応容器の温度を上記の通り選 することにより、カルボキシル基とエポキ 基との効率よい反応が起こり、その結果、( タ)アクリロイル基同士の重合反応が起こる 前に生成したエポキシ(メタ)アクリレートを 却できるということが可能となっている。 して、微小流路への混合流体の流通を行う の流速としては、1.8×10 -4 ~0.28m/秒が好ましく、4.5×10 -4 ~0.14m/秒がより好ましい。

 本発明の製造方法で用いる伝熱性反応容器 しては熱交換機能を有し、且つ、微小管状 路内を液密状に流通する流体断面積が0.1~4mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有 するものを用いればよく、その他の要件につ いては特に制限はない。このような装置とし ては、例えば、化学反応用デバイスとして用 いられる部材中に前記流路(以下、単に「微 流路」ということがある)が設けられた装置 が挙げられる。

 微小管状流路の、化合物(A)と化合物(B)と 含有する混合流体の流れに対して垂直に切 して得られる断面形状は、正方形、長方形 含む矩形、台形や平行四辺形、三角形、五 形などを含む多角形状(これらの角が丸めら れた形状、アスペクト比の高い、すなわちス リット形状を含む)、星形状、半円、楕円状 含む円状などであってもよい。微小流路の 面形状は一定である必要はない。

 前記微小管状流路の形成方法は特に限定 れるものではないが、一般的には、表面に を有する部材(X)の、溝を有する面に他の部 (Y)が積層、接合等により固着され、部材(X) 部材(Y)との間に空間として形成される。

 部材(X)と部材(Y)との間に微小管状流路を 成させる場合、部材(X)に熱交換機能を設け ことができる。例えば、部材(X)表面に温調 体が流れるための溝を設け、該温調流体が れる為の溝を設けた面に他の部材を接合な し積層するなどの方法により固着すればよ 。一般的には、表面に溝を有する部材(X)と 調流体が流れるための溝を設けた部材(Y)と 、溝を設けた面と、他の部材の溝を設けた と逆側の面とを固着することによって流路 形成し、これら部材(X)と部材(Y)とを複数交 に固着すればよい。

 この際、部材表面に形成された溝は、そ 周辺部より低い、いわゆる溝として形成さ ていても良いし、部材表面に立つ壁の間と て形成されていても良い。部材の表面に溝 設ける方法は任意であり、例えば、射出成 、溶剤キャスト法、溶融レプリカ法、切削 エッチング、フォトリソグラフィー(エネル ギー線リソグラフィーを含む)、レーザーア レーションなどの方法を利用できる。

 部材中の流路のレイアウトは、用途目的 応じて直線、分岐、櫛型、曲線、渦巻き、 グザグ、その他任意の配置の形をしていて よい。

 流路は、その他、例えば、混合場、抽出 、分離場、流量測定部、検出部、貯液槽、 分離機構、デバイス内外への接続口、絡路 クロマトグラフィーや電気泳動の展開路、 ルブ構造の一部(弁の周囲部分)、加圧機構 減圧機構などと接続していてもよい。

 部材の外形は、特に限定する必要はなく 用途目的に応じた形状を採りうる。部材の 状としては、例えば、プレート状、シート (フィルム状、リボン状などを含む。)、塗 状、棒状、チューブ状、その他複雑な形状 成型物などであってよい。厚みなどの外形 寸法は一定であることが好ましい。部材の 材は任意であり、例えば、重合体、ガラス セラミック、金属、半導体などであって良 。

 本発明で用いる伝熱性反応容器としては 前記のような表面に溝を有する部材(X)の、 を有する面に他の部材(Y)が積層、接合等に り固着され、部材(X)と部材(Y)との間に空間 して形成されることにより微小管状流路を 成したものを好ましく用いることができる このような伝熱性反応容器としては、例え 、表面に複数の溝部が形成された伝熱性プ ート状構造体を複数枚積層してなる構造を するもの等が挙げられる。

 上記の形成方法で説明した流路は、少な とも2つの部材を組み合わせて、部材間に形 成された空間を流路とするものであるが、そ れ以外にも単なる管やパイプ形状のものを反 応流路として用いても構わない。流路の長さ としては、所望の反応率が得られるよう適宜 設定すればよいが、通常0.5~100m、好ましくは3 ~70mである。

 本発明の製造方法で用いる伝熱性反応容 としては、例えば、微小管状流路を配設し 伝熱性プレート状構造体と、混合液との間 熱交換が行われる流体を流す流路を配設し 伝熱性プレート状構造体が交互に積層して る装置等が挙げられる。そして、この伝熱 反応容器の前方又はこの装置内に、別々に 給した化合物(A)と化合物(B)とを混合する混 空間を設けることもできる。本発明では、 合物(A)と、化合物(B)とを、これらを予め混 した混合液として連続的に前記伝熱性反応 器に導入するのが好ましい。

 以下、本発明で用いる内部に微小管状流路 形成された伝熱性反応容器について、具体 に説明する。図1は、混合液を流す微小管状 流路を配設したプレートと、混合液との間で 熱交換が行われる流体を流す流路を配設した プレートが交互に積層してなる反応装置で、 微小管状流路内を液密状に流通する流体断面 積が0.1~4mm 2 となる空隙サイズを有する微小管状流路を有 する化学反応用デバイス1の概略構成例であ 。

 前記化学反応用デバイス1は、例えば前記図 1において同一の長方形板状からなる第1プレ ト(前記図1中の2)と第2プレート(前記図1中の 3)とが複数交互に積層されて構成されている 各1枚の第1プレートには前記断面積が0.1~4.0( mm 2 )の流路(以下、反応流路という)が設けられて いる(以下、反応流路が設けられたプレート プロセスプレートという)。また第2プレート には温調流体用の流路(以下、温調流路とい )が設けられている(以下、温調流路が設けら れたプレートを温調プレートという)。そし 、図2に示すようにそれらの供給口および排 口が、化学反応用デバイス1の端面1b、1c、 面1d、1eの各領域に分散して配置され、それ 領域に化合物(A)及び化合物(B)と、温調流体 流すためのコネクタ30とジョイント部31とか らなる継手部32がそれぞれ連結されている。

 これらの継手部を介して、化合物(A)と化 物(B)とを含有する流体α(混合液)が端面1bか 供給されて、化合物(A)と化合物(B)との反応 を含有する流体βが端面1cに排出され、温調 流体γが側面1eから供給されて側面1dに排出さ れるようになっている。

 化学反応用デバイス1の平面視形状は図示 のような長方形とは限定されず、正方形状、 または端面1b、1c間よりも側面1d、1e間が長い 方形状としてもよいが、以下では簡単のた に図示形状に即して、端面1bから端面1cに向 かう方向を、化学反応用デバイス1のプロセ プレートと温調プレートの長手方向と称し 側面1dから側面1eに向かう方向を化学反応用 バイス1のプロセスプレートと温調プレート の短手方向と称することにする。

 プロセスプレートは、図3に示すように、一 方の面2aに断面凹溝形状の流路4をプロセスプ レートの長手方向に貫通して延し、短手方向 に所定間隔p 0 で複数本配列したものである。流路4の長さ Lとする。断面形状は、幅w 0 、深さd 0 とする。

 流路4の断面形状は、化合物(A)と化合物(B)と を含有する流体αの種類、流量や流路長さLに 応じて適宜設定することができるが、断面内 の温度分布の均一性を確保するために、幅w 0 、深さd 0 は、それぞれ0.1~16〔mm〕、0.1~2〔mm〕の範囲に 設定している。なお、幅、深さの記載は図面 を参照した場合であって、この値は熱伝面に 対して広い値となる様に適宜解釈しうる。特 に限定されるものではないが、プレート当た り、例えば1~1000本、好ましくは10~100本である 。

 前記流体αは各流路4内に流され、図1ない し図3に矢印で示すように、一方の端面2b側か ら供給されて他方の端面2c側へ排出される。

 温調プレートは、図1に示すように、一方の 面3aに断面凹溝形状の温調流路6が所定の間隔 だけ離れて設けられている。温調流路6の断 積は、反応流路に対して熱を伝えることが きれば特に限定されるものではないが概ね0. 1~4.0(mm 2 )の範囲である。更に好ましくは0.3~1.0(mm 2 )である。温調流路6の本数は、熱交換効率を 慮して適宜の本数を採用することができ、 に限定されるものではないが、プレート当 り、例えば1~1000本、好ましくは10~100本であ 。

 温調流路6は、図1及び図3に示す様に、温 プレートの長手方向に沿って複数本配列さ た主流路6aと、主流路6aの上流側及び下流側 端部でそれぞれ流路4と略直交に配置されて 主流路6aに連通する供給側流路6bおよび排出 流路6cとを備えていてもよい。図1及び図3で は供給側流路6bと排出側流路6cは2回直角に屈 して温調プレートの側面3d、3eからそれぞれ 外部に開口している。温調流路6の各流路の 数は、温調流路6の主流路6a部分のみが複数 配列され、供給側流路6bおよび排出側流路6c それぞれ1本で構成されている。

 なお、温調流路6の各主流路6aは、流路4に 対して、温調プレートの短手方向において、 流路4が分布する範囲を積層方向に重なる範 に設けられる。

 そして、好ましくは各主流路6aが、隣り う2本の流路4、4間に位置するように積層方 に配列し、さらに好ましくは、各主流路6aが 各流路4に積層方向に重なるように配列する

 各複数のプロセスプレート、温調プレー は、プロセスプレート、温調プレートを同 方向に交互に重ねて積層され、互いに固着 積層されている。

 そのため、化学反応用デバイス1の形態に おいて、各流路4、温調流路6は、凹溝の開口 が上に積層されるプレートの下面により覆 れ、両端が開口する長方形断面のトンネル 状とされる。

 このような各プロセスプレート、温調プ ートは、適宜の金属材料を用いることがで るが、例えばステンレス鋼板にエッチング 工を施すことにより流路4、温調流路6など 形成し、流路面を電解研磨仕上げするなど て製作することができる。

 本発明の製造方法で用いる流路が設けら てなる化学反応用デバイスを有する装置と ては、例えば、図4に記載のある製造装置を 例示できる。具体的には、例えば、以下の化 学反応デバイスを有する製造装置を例示でき る。

 <化学反応デバイス>
 化学反応デバイスは図1に示す構造であり、 構造としては、プロセスプレートと温調プレ ートと交互に積層している。プロセスプレー トには流路4が形成されおり、また、温調プ ートには温調流路6が形成されている。

 図4に記載のある製造装置に用いられる化 学反応デバイス40はドライエッチング加工に り反応流路4が20本形成されたプロセスプレ ト3枚と同じくエッチング加工により温調流 路6が20本形成された温調プレート4枚が交互 積層されている。プロセスプレート2と温調 レート3の材質はSUS304であり、板厚は1mmであ る。反応流路4と温調流路6の断面寸法はとも 幅1.2mm×深さ0.5mmである。

 図4に記載のある製造装置に用いられる化 学反応デバイス50はドライエッチング加工に り反応流路4が5本形成されたプロセスプレ ト2枚と同じくエッチング加工により温調流 6が5本形成された温調プレート3枚が交互に 層されている。プロセスプレート2と温調プ レート3の材質はSUS304であり、板厚は1mmであ 。反応流路4と温調流路6の断面寸法はともに 幅1.2mm×深さ0.5mmである。

 図4において、化合物(A)(61)を入れるシリ ジポンプ63の流出口及び化合物(B)(62)を入れ シリンジポンプ64の流出口からは、化合物(A) 又は化合物(B)が通る配管が伸びており、これ らの配管はミキサー〔化合物(A)と化合物(B)と を混合する混合空間〕65の流入口に接続され いる。

 このミキサー65で化合物(A)(61)と化合物(B)( 62)とが混合され、化合物(A)(61)と化合物(B)(62) を含有する混合流体が形成される。この流 はミキサー65の流出口に接続された配管を して、化学反応用デバイス40、50、または60 流入口1bへと移動する。化学反応用デバイス 40、50、又は60には温調装置66が接続されてい 。そして、化学反応用デバイス40、50又は60 の微小流路を移動していくことにより混合 体中の化合物(A)と化合物(B)とが反応する。 学反応用デバイス40、50又は60中の微小流路 移動し化学反応用デバイス40、50又は60の流 口1cへと到達する。その後、流出口に接続 れた配管を通して冷却用熱交換器67の流入口 へと移動する。

 本発明の製造方法においては、レイノル 数や温度を各々変えることが出来るので、 熱性反応容器として、前記の化学反応用デ イス40、50等の記のような微小管状流路が形 成された伝熱性反応容器を複数直列状に配設 してなる反応装置を用いて反応を行うのが好 ましい。また、化合物(A)と化合物(B)とを上述 のように別々のシリンジポンプに入れておき 、ミキサーで攪拌し混合液としても良いが、 化合物(A)と化合物(B)とを予め混合し混合液と し、これを一方のシリンジポンプに入れてお き、化学反応デバイスに供給しても良い。

 上記の方法でエポキシ(メタ)アクリレー を得た後、得られる反応性生物は前記伝熱 反応容器から吐出される。そして、この反 生成物を連続的に冷却する。反応生成物を やかに、かつ、連続的に冷却することによ (メタ)アクリロイル基の暴走反応を防止する ことができる。この冷却は、例えば、そのま ま空気中で冷却する自然空冷で冷却しても良 いし、吐出したのち速やかに溶剤中に投入し て冷却しても良いし、熱交換機能を有する冷 却装置に流通させることにより冷却しても良 い。本発明においては、熱交換機能を有する 冷却装置に流通させることにより冷却させる のが好ましい。この冷却機としては、微小管 状流路が形成された冷却用伝熱器が好ましい 。

 この冷却用伝熱器を用いて連続的な冷却 行うには、例えば、前記伝熱性反応容器の 応液出口(流出口)に連通する、微小管状流 が形成された冷却用伝熱器に連続的に反応 成物を流通させることにより好ましく行う とができる。

 具体的には、冷却用伝熱器(冷却装置)67の 流入口へと移動した化合物(A)(61)と化合物(B)(6 2)との反応物を含有する流体β〔エポキシ(メ )アクリレート〕は冷却用熱交換器67中を移 しながら冷却され、冷却用熱交換器67の流 口へと到達する。流出口に接続された配管 通して冷却用熱交換器67から流体βは排出さ 、排圧弁69を通して受け容器70へと排出され る。

 本発明で用いる冷却用伝熱器としては、 記伝熱性反応容器として好ましく用いる事 できる内部に微小管状流路が形成された伝 性反応容器が、表面に複数の溝部が形成さ た伝熱性プレート状構造体を複数枚積層し なる構造を有するものが好ましく用いるこ ができる。このような装置としては、前記 た化学反応デバイスを有する装置を例示で る。

 なお、微小管状流路内における化合物(A) 化合物(B)との反応は任意の収率で止めるこ ができ、反応物ないし未反応物を反応流路 外へ排出してもよい。一般的に反応物の粘 は反応が進むにつれ上昇するので、圧損を 慮し、例えば、反応初期ないし反応中期ま の反応を本発明の製造方法で実施しておき 続いて、未反応物を含む組成物をバッチ式 反応器や貯蔵槽、あるいは断面積のより大 な流路などへ移して、残りの未反応物を反 させることもできる。

 また、本発明の製造方法に用いる化合物( A)や化合物(B)は、供給可能な粘度を有する液 であればよく、供給を可能にするために加 してもよいし、溶剤に希釈溶解してもよい

 また、必要に応じ、流路を閉塞させない 囲で化合物(A)や化合物(B)に触媒(開始剤)や 合禁止剤などの添加剤を添加してもよい。

 本発明で用いる化合物(A)及び化合物(B)は 反応に悪影響を起こさない範囲であれば、 路内に各々単独で供給してもよいし、混合 態で供給してもよい。また、必要に応じ、 剤に希釈して用いてもよく、触媒(開始剤) 重合禁止剤などの添加剤を添加してもよい

 触媒(開始剤)としては、化合物(A)及び化 物(B)に溶解または流路を閉塞させない範囲 分散できるもの、または溶剤に溶解して併 出来るものであれば特に限定されず、従来 知の触媒(開始剤)を用いることができ、例え ば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィ ン類、トリエチルアミン等のアミン類、テト ラメチルアンモニウム塩やベンジルトリメチ ルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、4 ホスフォニウム塩、2-メチルイミダゾール 2-メチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾ ール類が挙げられる。

 重合禁止剤としては、化合物(A)及び化合 (B)に溶解または流路を閉塞させない範囲で 散できるもの、または溶剤に溶解して併用 来るものであれば特に限定されず、従来公 の重合禁止剤を用いることができ、例えば メトキノン、ハイドロキノン、1,4ナフトキ ン、フェノチアジン、t-ブチルハイドロキ ン、アルミニウムN-ニトロフェニルヒドロキ シアミンなどが挙げられる。

 以下、実施例によって本発明を更に詳細 述べる。例中、%は特に断りがない限り重量 基準である。

<本実施例及び比較例で使用した化学反応 デバイス>
 本実施例では図1に示す構造の化学反応デバ イスを用いた。プロセスプレート2と温調プ ート3とを交互に積層した構造である。プロ スプレートには流路4が形成されおり、また 、温調プレートには温調流路6が形成されて る。化学反応デバイスとしては、同じ流量 流したとき(同じ流速で流したとき)レイノル ズ数が異なる図4に示す化学反応デバイス40、 50を用いた。

 化学反応デバイス40はドライエッチング 工により反応流路4が20本形成されたプロセ プレート3枚と同じくエッチング加工により 調流路6が20本形成された温調プレート4枚が 交互に積層されている。プロセスプレート2 温調プレート3の材質はSUS304であり、板厚は1 mmである。反応流路4と温調流路6の断面寸法 ともに幅1.2mm×深さ0.5mmである。反応流路4の さは80mmである。

 化学反応デバイス50はドライエッチング 工により反応流路4が5本形成されたプロセス プレート2枚と同じくエッチング加工により 調流路6が5本形成された温調プレート3枚が 互に積層されている。プロセスプレート2と 調プレート3の材質はSUS304であり、板厚は1mm である。反応流路4と温調流路6の断面寸法は もに幅1.2mm×深さ0.5mmである。反応流路4の長 さは40mmである。

 冷却用熱交換器67には化学反応デバイス50 を用いた。

  実施例1
 図4に示す製造装置80において化学反応デバ ス40を一つ繋いだ装置を用いた。先立って ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当 量189)737g、アクリル酸277g、触媒としてトリフ ェニルホスフィン5.1g、重合禁止剤としてメ キノン0.5gを混合溶解した混合溶液61を作製 た。

 シリンジポンプ63を用いて混合溶液61を化 学反応デバイス40のプロセスプレートに形成 れた流路を通過する際のレイノルズ数を1.24 になるようにミキサー65、化学反応デバイス4 0、冷却用熱交換器67、排圧弁69へと連続的に し、吐出された反応混合物を受け容器70に 受け取った。尚、化学反応デバイス40では、 温調装置66にて、180℃の温調流体(オイル)を 調プレートの温調流路6に連続して流した。 却用熱交換器67では温調装置68にて、70℃の 水を連続して流した。排圧弁69にて管内圧 1MPa以上にて行った。

 反応混合物中の未反応のアクリル酸を酸 により定量した結果、反応時間63秒で反応 34%の割合でエポキシアクリレートが生成さ ていた。又、暴走反応は起こらなかった。 、本発明で反応時間とは化合物(A)及び化合 (B)の混合流体が化学反応用デバイスに滞留 る時間の総和を言う。(以下同様)。

 実施例2
 図4に示す製造装置80において化学反応デバ ス50を6個繋いだ装置を用いた。先立って、 スフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当 189)737g、アクリル酸277g、触媒としてトリフ ニルホスフィン5.1g、重合禁止剤としてメト ノン0.5gを混合溶解した混合溶液61を作製し 。

 シリンジポンプ63を用いて混合溶液61を化 学反応デバイス50のプロセスプレートに形成 れた流路を流通する際のレイノルズ数を1.75 になるようにミキサー65、化学反応デバイス5 0、冷却用熱交換器67、排圧弁69へと連続的に し、吐出された反応混合物を受け容器70に 受け取った。尚、それぞれの化学反応デバ ス50では、温調装置66にて、180℃の温調流体( オイル)を温調プレートの温調流路6に連続し 流した。冷却用熱交換器67では温調装置68に て、70℃の温水を連続して流した。排圧弁69 て管内圧を1MPa以上にて行った。

 反応混合物中の未反応のアクリル酸を酸 により定量した結果、反応時間135秒で反応 86.4%の割合でエポキシアクリレートが生成 れていた。又、暴走反応は起こらなかった

 実施例3
 レイノルズ数を3.72とする以外は、実施例2 同様にして反応混合物を得た。反応混合物 の未反応のアクリル酸の定量結果から、反 時間63秒で反応率92.3%の割合でエポキシアク レートが生成されていた。又、暴走反応は こらなかった。

 実施例4
 レイノルズ数を7.44とする以外は、実施例2 同様にして反応混合物を得た。反応混合物 の未反応のアクリル酸の定量結果から、反 時間32秒で反応率86%の割合でエポキシアクリ レートが生成されていた。又、暴走反応は起 こらなかった。

 実施例5
 レイノルズ数を2.62とする以外は、実施例2 同様にして反応混合物を得た。反応混合物 の未反応のアクリル酸の定量結果から、反 時間90秒で反応率99%の割合でエポキシアクリ レートが生成されていた。又、暴走反応は起 こらなかった

 通過時間90秒で反応率99%であり、反応が ぼ終結している。従来、反応釜ではなし得 い反応温度でも暴走反応には至らず、また 従来、反応釜ではなし得ない程度まで反応 間を短縮することができた。

 また、このエポキシ(メタ)アクリレート 化合物の重量平均分子量は733であった。な 、重量平均分子量の測定には、検出器とし 屈折率検出器(RI)、測定用カラムとしてTSKgel G1000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXLを具備した東ソー 株式会社製HLC-8120GPCを用いた。測定条件は溶 としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、0.2~0 .3%の濃度に試料を調整し、カラム温度40℃、 速1.0ml/minの条件で測定を行った。

 比較例1
 レイノルズ数を0.26とする以外は、実施例1 同様にして反応混合物を得た。反応混合物 の未反応のアクリル酸の定量結果から、反 時間296秒で反応率67.4%の割合でエポキシアク リレートが生成されていた。又、暴走反応は 起こらなかった。

 比較例2
 温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素 き込み口、エアー吹き込み口を備えた4つ口 フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂( ポキシ当量189)737g、アクリル酸277g、触媒と てトリフェニルホスフィン5.1g、重合禁止剤 としてメトキノン0.5gを仕込み、発熱に注意 ながら3時間かけて100℃まで昇温し、100℃で1 2時間反応を継続した。酸価が2以下になった 点で反応を終了し、比較対照用エポキシア リレートを得た。

 また、同様の測定条件で測定したこのエ キシ(メタ)アクリレート系化合物の重量平 分子量は793であった。

 比較例3
 温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素 き込み口、エアー吹き込み口を備えた4つ口 フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂( ポキシ当量189)737g、アクリル酸277g、触媒と てトリフェニルホスフィン5.1g、重合禁止剤 としてメトキノン0.5gを仕込み、30分かけて100 ℃まで昇温した。直ちに激しい発熱が生じ制 御不能となり、フラスコ内がゲル化してフラ スコ内より大量のガスが発生した。

 実施例1~5及び比較例1の化学反応デバイス を加温した温調流体温度、レイノルズ数、反 応時間及び得られたエポキシアクリレートの 反応率を第1表に示す。また、その関係を図1 示す実施例、比較例から明らかな通り、レ ノルズ数が大きいほど反応速度が速くなり 効率よくエポキシクリレートを製造できる

 比較例2及び3の合成条件を第2表に実施例5 の合成条件と共に示す。また、得られたウレ タンアクリレートの物性の分析値を第3表に 施例5の合成条件と共に示す。

また、得られたエポキシアクリレートの物 性の分析値を第3表に実施例5の分析値と共に す。

第1表に示す反応条件および図5に示す評価 果より、特定の条件を満たす微小流路内に 定の流速で化合物(A)と化合物(B)を供給した 合には寸法及び流れの何れも小さく、層流 配の流れの中において分子の自発的な拡散 動だけで反応が進むと考えられていたが、 の様な層流が支配的な流れの領域において 、レイノルズ数が大きくなるほど流路内の 態は微乱流を伴う状態で混合が進行し、化 物(A)と化合物(B)との接触が活発化すること 見出し、反応速度を格段に高めることがで るという新たな事実を突き止め、発明者ら 本発明を完成することができた。実施例5で は、暴走反応の発生なく非常に短時間に反応 がほぼ終結していることがわかる。これは、 特定の条件を満たす微小流路内に特定のレイ ノルズ数(0.4以上)に相当する流速で化合物(A) 化合物(B)を混合供給し、反応釜などバッチ 式の反応形態では暴走反応の危険から通常 りえない反応温度(180℃)にて微小流路内で 応させたことにより達成された結果である

比較例1では、ビスフェノールA型エポキシ 脂とアクリル酸の混合溶液を特定のレイノ ズ数(0.4未満)に相当する流速で特定の微小 路内に供給し、反応釜などバッチ方式の反 形態では暴走反応の危険から通常採りえな 反応温度(180℃)にて微小流路内で反応させた 結果を示した。レイノルズ数が0.4未満の場合 、非常に高い反応温度で時間を延ばして反応 を行っても、反応の進行に伴い反応物の粘度 が増加し、分子拡散による混合性が著しく低 下するため、短時間に反応が進行しなくなる ことがわかる。

 比較例2では、通常、反応釜で行うバッチ 方式の結果を示した。暴走反応を抑制し、且 つ、系内の温度を十分制御する目的から原料 仕込み後、3時間かけて緩やかに昇温し、100 の低温で反応を行っているため、反応終結 で15時間を要している。この結果から実施例 5の結果が如何に安全且つ効率的なエポキシ( タ)アクリレート系化合物の製造方法である ことがわかる。

 比較例3では、反応時間を短縮するため、 原料仕込み後、30分で100℃まで急速に昇温し ッチ方式にて反応を行った結果を示した。1 00℃に到達後、急激な発熱が生じ激しいガス 発生を伴ってゲル化に至った。所謂、暴走 応を起こす結果となった。この結果からも 施例5の結果が如何に安全且つ効率的なエポ キシ(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 あることがわかる。

本発明の製造方法に用いる化学反応デ イスの継手部を含めた概略図全体構成を示 斜視図である。 本発明の製造方法に用いる化学反応デ イスの継手部を含めた概略図全体構成を示 水平断面図である。 図2における2種類のプレート構造を示 分解斜視図である。 実施例及び比較例で用いた製造装置を 式的に示す概略構成図である。 実施例及び比較例における通過時間に する反応率を示すグラフである。

符号の説明

 α・・・・・化合物(A)と化合物(B)とを含有 る流体
 β・・・・・化合物(A)と化合物(B)との反応 を含有する流体
 γ・・・・・温調流体
 1・・・・・化学反応用デバイス
 1b・・・・化学反応用デバイスの端面
 1c・・・・化学反応用デバイスの端面
 1d・・・・化学反応用デバイスの側面
 1e・・・・化学反応用デバイスの側面
 2・・・・・第1プレート(プロセスプレート)
 2a・・・・第1プレートの面
 2b・・・・第1プレートの端面
 2c・・・・第1プレートの端面
 2d・・・・第1プレートの側面
 2e・・・・第1プレートの側面
 3・・・・・第2プレート(温調プレート)
 3a・・・・第2プレートの面
 3b・・・・第2プレートの端面
 3c・・・・第2プレートの端面
 3d・・・・第2プレートの側面
 3e・・・・第2プレートの側面
 4・・・・・断面凹溝形状の流路
 6・・・・・断面凹溝形状の温調流路
 6a・・・・断面凹溝形状の主流路
 6b・・・・断面凹溝形状の供給側流路
 6c・・・・断面凹溝形状の排出側流路
 p 0 ・・・・所定間隔
 w 0 ・・・・・幅
 d 0 ・・・・・深さ
 L・・・・・・流路長さ
 30・・・・・コネクタ
 31・・・・・ジョイント部
 32・・・・・継手部
 40・・・・・化学反応デバイス
 50・・・・・化学反応デバイス
 60・・・・・化学反応デバイス
 80・・・・・製造装置
 61・・・・・化合物(A)
 62・・・・・化合物(B)
 63・・・・・シリンジポンプ
 64・・・・・シリンジポンプ
 65・・・・・ミキサー
 66・・・・・温調装置
 67・・・・・冷却用熱交換器
 68・・・・・温調装置
 69・・・・・排圧弁
 70・・・・・受け容器
 80・・・・・実施例及び比較例で用いた樹 の製造装置を模式的に示す概略構成図