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Patent Searching and Data


Title:
RADIUS END MILL AND CUTTING INSERT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123192
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a radius end mill equipped with an end mill body being rotated about the axis wherein a wall surface, directing toward the rotational direction of the end mill of a chip discharge groove provided in the outer circumference at the tip of the end mill body or of an end gash provided at the tip of the chip discharge groove serves as a rake face, a cutting edge is formed in the rake face, the cutting edge includes an end cutting edge formed at the side ridge on the tip side of the rake face, an outer circumferential edge formed at the side ridge on the outer circumferential side of the rake face, and a convex arcuate corner edge formed at a corner side ridge formed by the end cutting edge and the outer circumferential edge, the corner edge has a positive tilt angle of a cutting edge, the side ridge side of the rake face at least along a part of the corner edge tilts toward the rear side in the rotational direction of the end mill as the side ridge extends from the end cutting edge side toward the outer circumferential edge side, and the corner edge is formed in the shape of a twisted surface where the tilt toward the rear side in the rotational direction of the end mill increases gradually from the corner edge toward the center of the convex arcuate formed by the corner edge.

Inventors:
ABE TARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056658
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 31, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI MATERIALS CORP (JP)
ABE TARO (JP)
International Classes:
B23C5/10; B23C5/20
Domestic Patent References:
WO2004058438A12004-07-15
WO2004058438A12004-07-15
Foreign References:
JPS60142012U1985-09-20
JP2006026839A2006-02-02
JPH08118133A1996-05-14
Other References:
See also references of EP 2258504A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 軸線回りに回転されるエンドミル本体を備えるラジアスエンドミルであって、
 上記エンドミル本体の先端部外周に設けられた切屑排出溝またはこの切屑排出溝の先端部に設けられたギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面がすくい面とされ、このすくい面に切れ刃が形成され、
 上記切れ刃は、上記すくい面の先端側辺稜部に形成された底刃と、上記すくい面の外周側辺稜部に形成された外周刃と、これら底刃と外周刃とがなすコーナ辺稜部に形成された凸円弧状のコーナ刃を含み、
 上記コーナ刃は正の切れ刃傾き角を有し、上記コーナ刃の少なくとも一部に沿った上記すくい面の辺稜部側は、上記底刃側から外周刃側に向かうに従い、上記エンドミル回転方向後方側に向かうように傾斜し、かつこのエンドミル回転方向後方側への傾斜が、上記コーナ刃からこのコーナ刃がなす上記凸円弧の中心に向かうに従い漸次大きくなる捩れ面状に形成されていることを特徴とするラジアスエンドミル。
 上記切れ刃は、上記すくい面が捩れ面状に形成された部分で一定の直角すくい角とされている請求項1に記載のラジアスエンドミル。
 上記コーナ刃は、上記底刃側から上記外周刃側に向かうに従い、上記すくい面に対向する方向から見て上記コーナ刃がなす凸円弧を上記軸線回りに回転させたときの回転軌跡がなす部分ドーナツ状の凸曲面に沿って、上記エンドミル回転方向後方側に捩れる螺旋状に形成されている請求項1に記載のラジアスエンドミル。
 上記切れ刃は、上記すくい面が捩れ面状に形成された部分で一定の切れ刃傾き角とされている請求項3に記載のラジアスエンドミル。
 上記切れ刃に沿った上記すくい面の辺稜部側には、上記底刃に連なる溝底面を備えた底刃側ブレーカ溝と、上記外周刃に連なる溝底面を備えた外周刃側ブレーカ溝と、上記コーナ刃に連なる溝底面を備えたコーナ刃側ブレーカ溝とが形成されており、
 このうち上記底刃側ブレーカ溝の溝底面は上記外周刃側ブレーカ溝の溝底面よりも突出させられるとともに、上記コーナ刃側ブレーカ溝の溝底面は、上記コーナ刃に沿った扇状または円弧状をなして、上記外周刃側ブレーカ溝の溝底面から上記底刃側ブレーカ溝の溝底面に向かうに従い漸次隆起させられていて、このコーナ刃側ブレーカ溝の溝底面において上記コーナ刃の少なくとも一部に沿った辺稜部側が上記捩れ面状に形成されている請求項1に記載のラジアスエンドミル。
 上記コーナ刃側ブレーカ溝の溝底面は、上記底刃側ブレーカ溝の溝底面および上記外周刃側ブレーカ溝の溝底面と、少なくとも上記切れ刃側で滑らかに連続している請求項5に記載のラジアスエンドミル。
 上記コーナ刃は、上記底刃側から上記外周刃側に向かうに従い切れ刃傾き角が大きくなる請求項5に記載のラジアスエンドミル。
 上記コーナ刃の少なくとも一部に沿った上記すくい面の辺稜部側には、上記切れ刃と間隔をあけて、このすくい面に対して凹む凹部が形成されている請求項1に記載のラジアスエンドミル。
 上記コーナ刃の少なくとも一部に沿った上記すくい面の辺稜部側には、上記切れ刃と間隔をあけて、このすくい面に対して凹む凹部が形成されている請求項5に記載のラジアスエンドミル。
 上記エンドミル本体の先端部にインサート取付座が形成され、
 上記インサート取付座に平板状をなすインサート本体を有する切削インサートが着脱可能に取り付けられ、上記インサート本体に上記すくい面と、上記切れ刃とが形成されている請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載のラジアスエンドミル。 
 請求項10に記載のラジアスエンドミルにおける上記エンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、
 平板状をなすインサート本体を有し、このインサート本体に上記すくい面と、上記切れ刃とが形成されていることを特徴とする切削インサート。
Description:
ラジアスエンドミルおよび切削 ンサート

 本発明は、エンドミル本体の先端部外周に 刃と外周刃と凸円弧状のコーナ刃とを有す 切れ刃が設けられたラジアスエンドミル、 よび刃先交換式とされたこのようなラジア エンドミルに着脱可能に取り付けられる切 インサートに関する。
 本願は、2008年03月31日に出願された日本国 許出願第2008-089678号と2009年2月6日に出願され た日本国特許出願第2009-026530号に対し優先権 主張し、その内容をここに援用する。

 例えば金型等のワークを切削するのに用 られるラジアスエンドミルとして、特許文 1には、下記のような構造のラジアスエンド ミル、および刃先交換式とされたこのような ラジアスエンドミルに着脱可能に装着される 切削インサートが開示されている。このラジ アスエンドミルは、工具本体を有し、この工 具本体の先端部外周に螺旋状に捩れる切屑排 出溝が形成されている。この切屑排出溝の工 具回転方向を向く壁面の先端部内周側には、 工具軸線に対する傾斜角が切屑排出溝の捩れ 角よりも小さな平面状の主ギャッシュ面が形 成されている。この主ギャッシュ面の先端に 底刃が形成されるとともに、主ギャッシュ面 の外周側には軸線に対する傾斜角が主ギャッ シュ面より大きく、かつ上記捩れ角よりは小 さくされたやはり平面状の副ギャッシュ面が 、上記底刃に略垂直に延びる段差部を介して 主ギャッシュ面に対して後退するように形成 されている。この副ギャッシュ面の先端から 外周にかけて概略凸円弧状をなすコーナ刃が 底刃の外周側に連なるように形成されている 。上記切屑排出溝の上記壁面の外周側辺稜部 にはコーナ刃の後端に連なるように外周刃が 形成されている。

 このようなラジアスエンドミルでは、底刃 刃物角を大きくすることにより切削負荷に して十分抗しうる切れ刃強度を確保できる 方、コーナ刃には鋭い切れ味を与えること できて切削抵抗の低減を図ることができ、 かもコーナ刃の特にコーナ部突端から外周 側にかけての部分で生成された切屑を副ギ ッシュ面と主ギャッシュ面との間の段差部 衝突させることにより、たとえ切屑が伸び 味に流出しても切屑処理性の向上を図るこ ができる。

国際公開第2004/058438号パンフレット

 ところで、この特許文献1に記載されたラ ジアスエンドミルでは、上記副ギャッシュ面 が工具本体の軸線方向後端側に向かうに従い 工具回転方向の後方側に漸次後退する平面状 に形成されているため、その辺稜部に形成さ れるコーナ刃も軸方向すくい角は正角(ポジ) されるとともに、底刃はいわゆる芯上がり 配置されて径方向すくい角は負角(ネガ)と れており、この底刃に連なるコーナ刃の径 向すくい角も底刃側では負角とされて、外 刃側に向かうに従い正角側に大きくなる。

 従って、そのようなラジアスエンドミル おいては、コーナ刃の切れ刃傾き角や切れ に垂直な断面における直角すくい角はコー 刃に沿って漸次変化することになり、特に 角すくい角は底刃側から外周刃側に向けて めは負角側に大きくなった後に正角側に大 くなるように変化するため、部分的に切削 抗が増大して安定した切削が困難となった 、切れ刃強度が一定とならずに欠損を生じ くなるおそれがある。また、切れ刃傾き角 変化することにより、切屑排出性も部分的 異なるものになる。

 本発明は、このような背景の下になされ もので、特にコーナ刃に沿った直角すくい の大幅な変化を抑えて安定した切削と工具 命の延長を図ることが可能なラジアスエン ミル、および刃先交換式のラジアスエンド ル用の切削インサートを提供することを第 の目的とし、さらには切れ刃傾き角の変化 抑えて円滑な切屑排出性を確保することが 能なラジアスエンドミル、および刃先交換 のラジアスエンドミル用の切削インサート 提供することを第二の目的としている。

 上記課題を解決して、まず第一の目的を達 するために、本発明のラジアスエンドミル 、軸線回りに回転されるエンドミル本体を え、
 上記エンドミル本体の先端部外周に設けら た切屑排出溝またはこの切屑排出溝の先端 に設けられたギャッシュのエンドミル回転 向を向く壁面がすくい面とされ、このすく 面に上記切れ刃が形成され、
 上記切れ刃は、上記すくい面の先端側辺稜 に形成された底刃と、上記すくい面の外周 辺稜部に形成された外周刃と、これら底刃 外周刃とがなすコーナ辺稜部に形成された 円弧状のコーナ刃を含み、
 上記コーナ刃は正の切れ刃傾き角を有し、 記コーナ刃の少なくとも一部に沿った上記 くい面の辺稜部側は、上記底刃側から外周 側に向かうに従い、上記エンドミル回転方 後方側に向かうように傾斜し、かつこのエ ドミル回転方向後方側への傾斜が、上記コ ナ刃からこのコーナ刃がなす上記凸円弧の 心に向かうに従い漸次大きくなる捩れ面状 形成されている。

 従って、このようなラジアスエンドミル は、正の切れ刃傾き角で設計しているので すくい面のコーナ刃に沿った辺稜部側の部 は、底刃側から外周刃側に向かうに従いエ ドミル回転方向後方側に向かうように傾斜 ることになるが、この傾斜が上述のように ーナ刃からこのコーナ刃がなす凸円弧の中 に向かうに従い漸次大きくなるように、上 部分が捩れ面状とされているので、コーナ の直角すくい角自体やその増減の傾向が、 刃側からこのコーナ刃に沿って外周刃側に かうに従い大きく変動するのを抑えること できる。

 このため、上記構成のラジアスエンドミ によれば、そのような変動によりコーナ刃 特定の部分で切削抵抗が増大してエンドミ 本体に振動が生じたり、あるいはコーナ刃 部分的に切れ刃強度が低くなって欠損やチ ピング等の損傷が発生したりするのを防ぐ とができ、上述のようにコーナ刃が正の切 刃傾き角に設計されていることによって良 な切屑排出性が得られることとも相俟って 安定した切削を促して加工精度の向上を図 とともに、工具寿命を延長することが可能 なる。

 特に、すくい面のコーナ刃の少なくとも 部に沿った辺稜部側をこのような捩れ面状 形成することにより、この捩れ面状に形成 れた部分では一定の直角すくい角とするこ ができ、これにより、この部分の切れ刃に って生成された切屑を一層円滑に処理する とができるとともに、切削抵抗や刃先強度 部分的な変動もより確実に防ぐことができ 。

 また、上記第二の目的を達成するために 本発明は、上記構成のラジアスエンドミル おいて、さらに、上記コーナ刃は、上記底 側から上記外周刃側に向かうに従い、上記 くい面に対向する方向から見て上記コーナ がなす凸円弧を上記軸線回りに回転させた きの回転軌跡がなす部分ドーナツ状の凸曲 に沿って、上記エンドミル回転方向後方側 捩れる螺旋状に形成されていることが好ま い。

 このようなラジアスエンドミルによれば コーナ刃が上述のような部分ドーナツ状の 曲面に沿った螺旋状に形成されることによ 、その切れ刃傾き角が大きく変化するのを 制することができ、これによってコーナ刃 生成された切屑の排出性が部分的に変化す のも防ぐことができる。従って、上述のよ にコーナ刃に正の切れ刃傾き角が与えられ ことによって得られた良好な切屑排出性を コーナ刃の全長に亙って維持することがで 、さらに円滑な切屑処理を図って安定した 削を促すことができる。

 また、特にこの切れ刃傾き角についても 上記コーナ刃だけでなく、外周刃と底刃の 部においても、一定の切れ刃傾き角とする とにより、切屑排出性の部分的な変化を確 に防いで、一層円滑で安定した切削加工を ることができる。

 ところで、上述のような捩れ面状をなす 分は、上記切れ刃に沿ったすくい面の辺稜 側に形成されたブレーカ溝の溝底面に形成 れていてもよいが、このようにブレーカ溝 溝底面を捩れ面状に形成しようとした場合 、コーナ刃がなす凸円弧の半径が小さくて このコーナ刃の半径がブレーカ溝の溝底面 幅以下、すなわちブレーカ溝の溝幅以下で ったりすると、上記凸円弧の中心がブレー 溝の溝底面内に位置してしまうため、この 円弧の中心に向かうに従いエンドミル回転 向後方側への傾斜が漸次大きくなるような れ面を正確に形成することが困難となるお れがある。

 ここで、そのような場合には、例えばブ ーカ溝全体の溝幅を小さくしてコーナ刃が す凸円弧の中心が溝底面上に位置しないよ にすることも考えられるが、そうすると、 述のようにコーナ刃の半径が小さくされて るのに対して溝幅はさらに小さくなるため この溝底面の切れ刃と反対側に立ち上がる レーカ溝の溝壁面が切れ刃に近づきすぎて まい、切屑が詰まり気味になって切削抵抗 増大を招くおそれが生じる。

 そこで、このようなブレーカ溝として、 れ刃に沿った上記すくい面の辺稜部側に、 記底刃に連なる溝底面を備えた底刃側ブレ カ溝と、上記外周刃に連なる溝底面を備え 外周刃側ブレーカ溝と、上記コーナ刃に連 る溝底面を備えたコーナ刃側ブレーカ溝と 形成した場合において、特に上述のように ーナ刃がなす凸円弧の半径が小さい場合は このうち上記底刃側ブレーカ溝の溝底面を 記外周刃側ブレーカ溝の溝底面よりも突出 せるとともに、上記コーナ刃側ブレーカ溝 溝底面を、上記コーナ刃に沿った扇状また 円弧状をなして、上記外周刃側ブレーカ溝 溝底面から上記底刃側ブレーカ溝の溝底面 向かうに従い漸次隆起させて、このコーナ 側ブレーカ溝の溝底面において上記コーナ の少なくとも一部に沿った辺稜部側を上述 ような捩れ面状に形成するのが望ましい。

 すなわち、上記捩れ面状をなすことにな 上記コーナ刃側ブレーカ溝の溝底面を、こ ようにコーナ刃に沿った扇状とした場合に 、このコーナ刃がなす凸円弧の中心がこの 底面上にあっても、扇の中心をブレーカ溝 溝底面と溝壁面の交差部にほぼ沿って設け ことにより、切屑の排出を阻害しない捩れ 状にこの溝底面を形成することができる。 た、このコーナ刃側ブレーカ溝の溝底面を 弧状、すなわちコーナ刃がなす凸円弧と、 のコーナ刃の半径よりも小さい半径の凸円 とによって挟まれた湾曲した帯状とした場 には、コーナ刃がなす凸円弧の中心自体に の溝底面が存在しなくなるので、この溝底 を正確に上述のような捩れ面状に形成する とが可能となる。そして、このコーナ刃側 レーカ溝の溝底面は、底刃側ブレーカ溝の 底面が外周刃側ブレーカ溝の溝底面よりも 出させられているために、上述のように外 刃側ブレーカ溝の溝底面から底刃側ブレー 溝の溝底面に向かうに従い漸次隆起させら ることになり、これによりコーナ刃の切れ 傾き角を確実に正角側に設定することが可 となる。

 また、こうして底刃側ブレーカ溝の溝底 を外周刃側ブレーカ溝の溝底面よりも突出 せて、これらを外周刃側ブレーカ溝の溝底 から底刃側ブレーカ溝の溝底面に向かうに い漸次隆起するコーナ刃側ブレーカ溝の溝 面によって接続する場合(このようなコーナ 刃側ブレーカ溝の溝底面を介して上記底刃側 ブレーカ溝の溝底面と上記外周刃側ブレーカ 溝の溝底面を接続する場合)に、このコーナ 側ブレーカ溝の溝底面は、底刃側ブレーカ の溝底面および外周刃側ブレーカ溝の溝底 と、少なくとも上記切れ刃側では滑らかに 続するように形成されるのが望ましい。す わち、これらの溝底面が滑らかに連続せず 、例えば角度をもった角部で交差していた すると、その部分で切れ刃傾き角やすくい が急に変化してしまうため、切屑排出性を なったりするおそれがある。また、このよ な角部はチッピングが生じ易く、工具寿命 点でも望ましくはない。

 さらにまた、一般に底刃として考えた時 正の切れ刃傾き角は外周刃として考えると のすくい角となるので、上述のようにコー 刃がなす凸円弧の半径が小さいときには、 ーナ刃の底刃側とコーナ刃の外周側の距離 近くなるため、コーナ刃の底刃側における れ刃傾き角を正角側に大きくすると隣接す 外周刃側における切屑の流れにも影響を及 すことになり、この外周刃側で切削抵抗の 大を招いたりするおそれがある。従って、 述のようにコーナ刃の少なくとも一部に沿 たすくい面の辺稜部側として、コーナ刃側 レーカ溝の溝底面を上記捩れ面状をなすよ に形成した場合には、上記コーナ刃は、底 側の切れ刃傾き角を正の小さい角度とし、 刃側から外周刃側に向かうに従い切れ刃傾 角が大きくなるようにするのが望ましい。

 一方、上述のように底刃側ブレーカ溝の 底面を外周刃側ブレーカ溝の溝底面よりも 出させた場合も含めて、上記コーナ刃の少 くとも一部に沿った上記すくい面の辺稜部 には、上記切れ刃と間隔をあけて、このす い面に対して凹む凹部が形成されるのが望 しい。

 すなわち、このような凹部が形成されて ると、切屑のすくい面との接触を抑制し、 たは接触による圧力が弱くなるようにして 切削抵抗の低減を図ることができる。しか 、この凹部は切れ刃と間隔をあけているた 、凹部と切れ刃との間にはコーナ刃の少な とも一部に沿ったすくい面の辺稜部側の部 が残されることとなり、凹部はこの部分の くい面に対して後退することになるため、 のすくい面を流れる切屑の排出の障害とな ことはない。

 なお、本発明は、エンドミル本体自体の 端部に切屑排出溝やギャッシュが形成され そのエンドミル回転方向を向く壁面がすく 面とされ、このすくい面に上記切れ刃が直 的に形成された、いわゆるソリッドのラジ スエンドミルに適用可能であることは勿論 あるが、例えば平板状をなすインサート本 に上記すくい面と、上記切れ刃が形成され 切削インサートを、エンドミル本体の先端 に形成されたインサート取付座に着脱可能 取り付けた、刃先交換式のラジアスエンド ルにも適用することが可能である。

 以上説明したように、本発明によれば、 ーナ刃の特定の部分で切削抵抗が増大した 切れ刃強度が損なわれたりするのを防いで 切削加工時のエンドミル本体の振動を抑え とともに、欠損やチッピング等の損傷が発 するのを防ぐことができ、良好な切屑排出 を確保して安定した切削を促すことにより 工精度の向上を図りつつ、工具寿命の長い ンドミルを提供することが可能となる。

本発明のラジアスエンドミルの一実施 態を示す平面図である。 図1に示す実施形態のラジアスエンドミ ルの側面図である。 図1に示す実施形態のラジアスエンドミ ルの正面図である。 本発明の第1の実施形態の切削インサー トを示す斜視図である。 図4に示す実施形態の切削インサートの 平面図である。 図4に示す実施形態の切削インサートの 側面図である。 図4に示す実施形態の切削インサートの 正面図である。 図4に示す実施形態の切削インサートを エンドミル本体に取り付けた状態での説明図 であり、図8(A)は平面図、図8(B)は正面図、図8 (C)は図8(B)において底刃とコーナ刃との交点 インサート本体の中心線Cとを結ぶ直線Xに垂 直にエンドミル回転方向Tから見た図、図8(D) 図8(C)の交点における切れ刃の接線に垂直な 方向から見た図、図8(E)は図8(C)の交点におい 切れ刃に直交する断面図(図8(D)におけるZZ断 面図)、図8(F)は図8(C)におけるYY断面図である 図4に示す実施形態の切削インサートを エンドミル本体1に取り付けた状態での説明 であり、図9(A)は平面図、図9(B)は正面図、図 9(C)は図9(B)においてコーナ刃の2等分線L上の (コーナ刃の突端)とインサート本体の中心線 Cとを結ぶ直線Xに垂直にエンドミル回転方向T から見た図、図9(D)は図9(C)の上記点(コーナ刃 の突端)における切れ刃の接線に垂直な方向 ら見た図、図9(E)は図9(C)の点において切れ刃 に直交する断面図(図9(D)におけるZZ断面図)、 9(F)は図9(C)におけるYY断面図である。 図4に示す実施形態の切削インサート エンドミル本体に取り付けた状態での説明 であり、図10(A)は平面図、図10(B)は正面図、 10(C)は図10(B)において外周刃とコーナ刃との 交点とインサート本体の中心線Cとを結ぶ直 Xに垂直にエンドミル回転方向Tから見た図、 図10(D)は図10(C)の交点における切れ刃の接線 垂直な方向から見た図、図10(E)は図10(C)の交 において切れ刃に直交する断面図(図10(D)に けるZZ断面図)、図10(F)は図10(C)におけるYY断 図である。 図4に示す実施形態の切削インサート エンドミル本体に取り付けた状態での説明 であり、図11(A)は平面図、図11(B)は正面図、 11(C)は図11(B)において外周刃の後端側の点と インサート本体の中心線Cとを結ぶ直線Xに垂 にエンドミル回転方向Tから見た図、図11(D) 図11(C)の点における切れ刃の接線に垂直な 向から見た図、図11(E)は図11(C)の点において れ刃に直交する断面図(図11(D)におけるZZ断 図)である。 本発明の第2の実施形態の切削インサ トを示す斜視図である。 図12に示す実施形態の切削インサート 平面図である。 図12に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大斜視図である。 図12に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大平面図である。 本発明の第3の実施形態の切削インサ トを示す斜視図である。 図16に示す実施形態の切削インサート 平面図である。 図16に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大斜視図である。 図16に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大平面図である。 本発明の第4の実施形態の切削インサ トを示す斜視図である。 図20に示す実施形態の切削インサート 平面図である。 図20に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大斜視図である。 図20に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大平面図である。 図20に示す実施形態の切削インサート エンドミル本体に取り付けた状態での説明 であり、図24(A)は平面図、図24(B)は正面図、 図24(C)は図24(B)において底刃とコーナ刃との 点とインサート本体の中心線Cとを結ぶ直線X に垂直にエンドミル回転方向Tから見た図、 24(D)は図24(C)の交点における切れ刃の接線に 直な方向から見た図、図24(E)は図24(C)の交点 において切れ刃に直交する断面図(図24(D)にお けるZZ断面図)、図24(F)は図24(E)におけるY部分 拡大断面図である。 図20に示す実施形態の切削インサート エンドミル本体に取り付けた状態での説明 であり、図25(A)は平面図、図25(B)は正面図、 図25(C)は図25(B)においてコーナ刃の2等分線L上 の点(コーナ刃の突端)とインサート本体の中 線Cとを結ぶ直線Xに垂直にエンドミル回転 向Tから見た図、図25(D)は図25(C)の点における 切れ刃の接線に垂直な方向から見た図、図25( E)は図25(C)の上記点において切れ刃に直交す 断面図(図25(D)におけるZZ断面図)、図25(F)は図 25(E)におけるY部分の拡大断面図である。 図20に示す実施形態の切削インサート エンドミル本体に取り付けた状態での説明 であり、図26(A)は平面図、図26(B)は正面図、 図26(C)は図26(B)において外周刃とコーナ刃と 交点とインサート本体の中心線Cとを結ぶ直 Xに垂直にエンドミル回転方向Tから見た図 図26(D)は図26(C)の交点における切れ刃の接線 垂直な方向から見た図、図26(E)は図26(C)の交 点において切れ刃に直交する断面図(図26(D)に おけるZZ断面図)、図26(F)は図26(E)におけるY部 の拡大断面図である。 本発明の第5の実施形態の切削インサ トを示す斜視図である。 図27に示す実施形態の切削インサート 平面図である。 図27に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大斜視図である。 図27に示す実施形態の切削インサート コーナ刃周辺の拡大平面図である。

符号の説明

 1 エンドミル本体
 2 インサート取付座
 5 切屑排出溝
 10 切削インサート
 11 インサート本体
 14 ギャッシュ
 15 すくい面
 16 切れ刃
 17 底刃
 18 外周刃
 19 コーナ刃
 22 ブレーカ溝
 22A 底刃側ブレーカ溝
 22B 外周刃側ブレーカ溝
 22C コーナ刃側ブレーカ溝
 23 ブレーカ溝22の溝底面
 23A 底刃側ブレーカ溝22Aの溝底面
 23B 外周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面
 23C コーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面
 24 ブレーカ溝22の溝壁面
 25 溝底面23Bと溝底面23Cとの段差
 26 凹部
 O エンドミル本体1の軸線
 C インサート本体11の中心線
 T エンドミル回転方向
 L コーナ刃19の2等分線
 M すくい面15と溝底面23との交差稜線
 λ 切れ刃傾き角
 γ 直角すくい角
 θ ブレーカ溝22を横切る断面における溝底 23の傾斜角

 図1ないし図11は本発明を上述した刃先交 式のラジアスエンドミルに適用した場合の 実施形態を示すものである。すなわち、本 施形態のラジアスエンドミルは、図1ないし 図3に示すように軸線Oを中心とした概略円柱 をなすエンドミル本体1の先端部に形成され たインサート取付座2に、図4ないし図7に示す ような本発明の第1の実施形態の切削インサ ト10が着脱可能に取り付けられた構成とされ ている。このラジアスエンドミルは、エンド ミル本体1後端側のシャンク部3が工作機械の 軸に取り付けられて、上記軸線O回りに図3 符号Tで示すエンドミル回転方向に回転され つ上記軸線Oに交差する方向に送り出される ことにより、上記切削インサート10によって 削材を切削加工できるようになっている。

 ここで、エンドミル本体1は鋼材等により 形成されていて、インサート取付座2は、こ エンドミル本体1の先端部を、図2に示すよう に側面視に角状U字状をなして先端側に開口 る凹溝により上記軸線Oを含む平面に沿って り欠くようにして形成されている。そして 切削インサート10は、こうして形成された ンサート取付座2に挿入された上で、このイ サート取付座2によって顎状に分割されたエ ンドミル本体1先端部の一方の顎部側から上 平面に垂直に軸線Oに直交して挿通されたク ンプネジ4が、当該切削インサート10を貫通 てエンドミル本体1先端部の他方の顎部側に ねじ込まれることにより、これら一対の顎部 に挟み込まれるようにして固定され、取り付 けられる。

 本実施形態の切削インサート10は、その ンサート本体11が超硬合金等の硬質材料によ って図4ないし図7に示したように概略長方形 板状に形成されており、このインサート本 11はその厚さ方向(図6および図7において上 方向)の中心を通る中心線Cに対して180°反転 称に形成されていて、この中心線Cが上記軸 線Oと同軸となるようにインサート取付座2に り付けられる。

 ここで、このインサート本体11の厚さは 状U字状をなすインサート取付座2に嵌合可能 な大きさとされるとともに、インサート本体 11の後端面(図5において上側、図6において右 を向く面)12は中心線Cに垂直な平坦面とされ ていてる。インサート本体11は、こうしてイ サート取付座2に嵌合されるとともにこの後 端面12をインサート取付座2の先端側を向く底 面に密着させて該インサート取付座2に着座 せられる。また、このインサート本体11には 、上記クランプネジ4が挿通される挿通孔13が 、中心線C方向においてその中央よりも上記 端面12寄りの位置に、この中心線Cに垂直に ンサート本体11を上記厚さ方向に貫通するよ うに形成されている。

 こうしてインサート取付座2に取り付けら れた状態(以下、単に取付状態と称する。)で インサート本体11の長方形をなす一対の側 のそれぞれエンドミル回転方向Tを向く側(図 5において右側)には、上記側面のエンドミル 体1における先端外周部を上記厚さ方向に切 り欠くようにしてギャッシュ14が形成されて る。また、エンドミル本体1の先端部外周に は、上記一対の顎部にポケット状の切屑排出 溝5がそれぞれ形成され、ギャッシュ14はこの 切屑排出溝5の先端側に設けられている。本 施形態ではこのギャッシュ14のエンドミル回 転方向Tを向く壁面がすくい面15とされて、こ のすくい面15の辺稜部に切れ刃16が形成され いる。

 この切れ刃16は、上記取付状態において すくい面15の先端側辺稜部にあって軸線Oに する径方向に向けて延びる底刃17と、すくい 面15の外周側辺稜部にあって軸線O方向に向け て延びる外周刃18と、これら底刃17と外周刃18 とがなす先端外周側のコーナ辺稜部にあって 上記底刃17と外周刃18との双方に滑らかに連 るコーナ刃19とから構成されている。このコ ーナ刃19は、上記すくい面15に対向する方向 ら見て概略1/4凸円弧状に形成されている。 だし、底刃17は取付状態においてエンドミル 本体1の径方向内周側に向かうに従い軸線O方 後端側に僅かに後退するように傾斜してい 、これにより底刃17にはすかし角が与えら るようになされている。

 また、すくい面15に対向する方向から見 ときの上記中心線Cに直交する方向における ンサート本体11の幅は、上記後端面12側で段 部20を介して僅かに一段小さくなるようにさ ており、外周刃18はこの段部20に達するよう に延設されている。さらに、ギャッシュ14の くい面15から立ち上がる壁面は、本実施形 では図5に示すようにすくい面15に対向する 向から見て、底刃17と中心線Cとの交点近傍 ら上記段部20と後端面12との間の部分に向け 切れ刃16側に凸湾曲するとともに、上記厚 方向にはすくい面15から立ち上がるに従い後 退する傾斜曲面状とされている。

 なお、インサート本体11の上記長方形状 なす一対の側面においてギャッシュ14を除い た部分は後端面12に垂直な平坦面とされてい 、インサート本体11の厚さはこれらの平坦 間の厚さとされ、上記挿通孔13もこの平坦面 部分に開口させられている。また、これら一 対の側面の間に配置される4つの周面のうち 上記後端面12とこの後端面12から上記段部20 形成された部分とを除いた部分は、それぞ の側面側の上記切れ刃16に連なる逃げ面21と れ、上記切れ刃16から上記厚さ方向に離間 るに従い漸次後退するように逃げ角が与え れている。

 一方、ギャッシュ14の上記すくい面15は、 図5に示すように、このすくい面15に対向する 方向から見て、上述のように概略1/4凸円弧を なすコーナ刃19の2等分線L上、すなわちこの1/ 4凸円弧の中心とコーナ刃19の突端とを結ぶ直 線上(この直線は上記中心線Cに45°で交差して いる)が概ね上記厚さ方向に最も隆起し、こ 2等分線Lから離間するに従い凸曲しつつこの 厚さ方向に後退する凸曲面状に形成されてい る(図4参照)。また、すくい面15は、この2等分 線L方向に向けては、切れ刃16側から離間する に従い厚さ方向に漸次後退するように形成さ れている。

 さらに、このすくい面15の上記切れ刃16が 形成された辺稜部側には、少なくとも上記コ ーナ刃19に沿ってブレーカ溝22が形成されて て、特に本実施形態ではこのブレーカ溝22は 、図5に示すように底刃17の中程からコーナ刃 19に至ってさらに外周刃18まで延設され、こ 外周刃18の全長に亙って切れ刃16に沿うよう 連続して形成されている。また、このブレ カ溝22は、上記すくい面15に対して後退する ように凹んで切れ刃16に連なる溝底面23と、 の溝底面23の切れ刃16とは反対側において該 底面23から立ち上がってすくい面15に連なる 溝壁面24とから構成されている。従って切れ 16は、図4乃至図5に示すように、ブレーカ溝 22が形成された部分ではこの溝底面23と上記 げ面21との交差稜線部に形成されることにな る。

 なお、このようなブレーカ溝22が形成さ ていない底刃17の上記取付状態における内周 側では、該底刃17はギャッシュ14のすくい面15 と上記逃げ面21との交差稜線部に形成される とになり、本実施形態ではその内周端は軸 Oに位置するようにされ、すなわちインサー ト本体11の上記一対の側面にそれぞれ形成さ る切れ刃16は、互いの底刃17同士が中心線C で交差させられている(図5及び図7参照)。ま 、上記溝壁面24は、本実施形態ではすくい 15側に向けて立ち上がるに従い後退する傾斜 面状に形成されている(図4乃至6参照)。

 さらに、このブレーカ溝22は、このうち ーナ刃19に沿う部分では該コーナ刃19に並行 るように形成されていて、すなわちすくい 15に対向する方向から見て該コーナ刃19がな す1/4凸円弧と略同心の概ね1/4凸円弧状をなす ように、特に溝底面23はコーナ刃19に沿って 一定の幅となるように形成されている。

 一方、このブレーカ溝22は、コーナ刃19に 沿う部分の両端から底刃17および外周刃18に う部分の両端部では、少なくとも一方の端 においてその溝幅が小さくなるように形成 れていて、本実施形態ではこれら底刃17側と 外周刃18側との両端部で、コーナ刃19側から 間するに従いその溝幅が漸次小さくなるよ に、特に溝底面23の幅が漸次小さくなるよう にされている。

 さらにまた、このように形成されたブレ カ溝22の両端部において、このブレーカ溝22 は、各端部における底刃17または外周刃18に った方向に向けて、溝底面23がすくい面15に 続するように切れ上がっているか、または 底面23がすくい面15と並行するように延びて 、その端部においてブレーカ溝22が開口して るように形成されている。ここで、本実施 態におけるブレーカ溝22は、その底刃17側の 端部では溝底面23がすくい面15に連続するよ に切れ上がっている一方、外周刃18側の端部 では溝底面23がすくい面15と並行して延びて レーカ溝22が開口するように形成されている 。

 すなわち、底刃17側の端部でブレーカ溝22 は、この底刃17の上記取付状態におけるエン ミル本体1の内周側に向かうに従い溝底面23 相対的にすくい面15側に向って漸次隆起し 切れ上がり、逆に溝壁面24は漸次小さくなっ てブレーカ溝22の内周端に至る手前でなくな て、これよりも内周側では溝底面23がすく 面15と例えば178°程度の鈍角で交差して連続 、さらにその交差稜線M(図5参照)が底刃17の 周側に交差するようにして、上述のとおり 底面23の幅がコーナ刃19側から離間して内周 側に向かうに従い漸次小さくなるようにされ ている。ただし、インサート本体11における 底面23自体は、すくい面15と同じようにコー ナ刃19における上記2等分線Lから離間して底 17側および外周刃18側に向かうに従い凸曲し つ上記厚さ方向に後退する凸曲面状とされ いる(図4及び図5参照)。

 一方、図4乃至図6に示すように、外周刃18 側の端部においてブレーカ溝22は、この外周 18の上記取付状態におけるエンドミル本体1 後端側に向かうに従い、溝底面23の幅は小 くなってブレーカ溝22の溝幅が狭まるものの 、溝壁面24は略一定の大きさで延びるように れ、従って溝底面23とすくい面15とは上記厚 さ方向に略一定の間隔のまま並行して延びる ようにされる。そして、外周刃18の後端にお てブレーカ溝22は、溝底面23は勿論、溝壁面 24も残されたまま、これら溝底面23と溝壁面24 とが上記段部20に交差するように延設されて この外周刃18側の端部において該ブレーカ 22が段部20に開口するように形成されている

 このようにブレーカ溝22が形成されるこ により、このブレーカ溝22の溝底面23と上記 げ面21との交差稜線部に形成される切れ刃16 は、溝底面23が上述のように上記2等分線Lか 離間するに従い凸曲しつつインサート本体11 の厚さ方向に後退する凸曲面状に形成されて いることから、同様に図7に示すようにコー 刃19の上記突端から離間するに従いこの厚さ 方向に後退する概略凸曲線状に形成されるこ とになる。

 このような切削インサート10をエンドミ 本体1に取り付けた本実施形態のラジアスエ ドミルでは、図8ないし図10の各(D)図(図8(D) 図9(D)、図10(D))に示されるように切れ刃16の なくとも上記コーナ刃19に正の切れ刃傾き角 λが与えられるようにされており、しかも、 のコーナ刃19は、このような取付状態にお て底刃17側から外周刃18側に向かうに従いエ ドミル回転方向T後方側に捩れる螺旋状をな すようにされている。ただし、このコーナ刃 19がなす螺旋は、上記すくい面15に対向する 向から見てコーナ刃19がなす凸円弧を上記取 付状態において軸線O回りに回転させたとき 回転軌跡がなす部分ドーナツ状あるいはト ラス状の凸曲面に沿って斜めに糸を巻き付 たような、環状の螺旋状のものとなる。

 さらに、本実施形態では、図11(D)に示す うに外周刃18や、底刃17においても、ブレー 溝22が形成された部分には取付状態におい 切れ刃16に正の切れ刃傾き角λが与えられる うになされており、しかもこの切れ刃傾き λは、上記コーナ刃19を含めて、例えば10° 一定の大きさとなるようにされている。な 、このように一定の切れ刃傾き角λが与えら れることにより、上記取付状態において外周 刃18は、軸線Oを中心とする円筒面に沿って軸 線Oに対し切れ刃傾き角λと等しい一定の捩れ 角で捩れる螺旋状をなすことになる。

 そして、このように切れ刃16がブレーカ 22の形成された部分で正の切れ刃傾き角λが えられるように螺旋状に捩れて形成されて ることに合わせて、このブレーカ溝22の上 溝底面23、すなわちすくい面15の辺稜部側の 分のうち、コーナ刃19の少なくとも一部に った辺稜部側の部分は、底刃17側から外周刃 18側に向かうに従いエンドミル回転方向Tの後 方側に向かうように傾斜し、かつこのエンド ミル回転方向T後方側への傾斜が、コーナ刃19 からこのコーナ刃19がなす上記凸円弧の中心 向かうに従い漸次大きくなる捩れ面とされ いる。特に本実施形態ではコーナ刃19の全 に亙って溝底面23がこのような捩れ面とされ ている。従って、本実施形態の切削インサー ト10では、溝底面23は、このコーナ刃19の少な くとも一部に沿った部分においては、底刃17 から外周刃18側に向かうに従い上記厚さ方 に後退する向きに傾斜し、かつこの厚さ方 に後退する向きの傾斜が、コーナ刃19からこ のコーナ刃19がなす上記凸円弧の中心に向か に従い漸次大きくなるような捩れ面とされ 。

 例えば、図8ないし図10の各(F)図(図8(F)、 9(F)、図10(F))は、コーナ刃19から一定距離だ 上記凸円弧の中心側の位置におけるブレー 溝22を横切るインサート本体11の断面図であ 、これらの図に符号θで示すのは、この断 における溝底面23の傾斜角であるが、これら の図に示すように上記傾斜角θは12°前後と、 各図の(D)図(図8(D)、図9(D)、図10(D))に示された 切れ刃傾き角λよりも大きくなっている。さ に、本実施形態では、ブレーカ溝22の溝底 23の外周刃18部分では通常の捩れ刃エンドミ と同様の捩れ面とされ、その捩れ角は切れ 傾き角λと等しく、かつ直角すくい角γがコ ーナ刃19と同様とされている。また溝底面23 底刃17部分は凸曲面とされ、その半径方向す くい角はコーナ刃19との接続部において切れ 傾き角λと等しく、かつ直角すくい角γがコ ーナ刃19と同様とされていて、上記取付状態 おいて図8ないし図11の各(E)図(図8(E)、図9(E) 図10(E)、図11(E))に示されるように、このブ ーカ溝22が形成された部分で切れ刃16に、例 ば0°の一定の上記直角すくい角γが与えら るようになされている。

 このような切削インサート10をエンドミ 本体1先端部のインサート取付座2に着脱可能 に取り付けた上記構成のラジアスエンドミル では、コーナ刃19の少なくとも一部に沿った くい面15の辺稜部側の溝底面23が上述のよう な捩れ面状とされているため、コーナ刃19が の切れ刃傾き角λを有する螺旋状に形成さ ていても、このコーナ刃19の各部位でコーナ 刃19に直交する断面における直角すくい角γ 大きく変動してしまうのを防ぐことができ 部分的にコーナ刃19の切れ味が鈍くなって切 削抵抗が増大したり、切れ刃強度が損なわれ て欠損やチッピングが生じ易い箇所ができた りするのを避けることが可能となる。

 従って、上記構成の切削インサート10お びラジアスエンドミルによれば、このコー 刃19において部分的に切削抵抗が増大するの を防いで切削加工時のエンドミル本体1に振 が生じるのを抑制することができ、このコ ナ刃19に連なる溝底面23が底刃17側から外周 18側に向かうに従いエンドミル回転方向Tの 方側に向かうように傾斜していることによ て良好な切屑排出性が得られることとも相 って、円滑かつ安定的な切削加工を図るこ ができる。また、コーナ刃19において部分的 に切れ刃強度が損なわれるのも防ぐことがで きるので、切れ刃16に欠損やチッピング等の 傷が発生するのを防ぐこともでき、これに りエンドミルや切削インサート10の寿命の 長を図ることも可能となる。

 特に、本実施形態では、このコーナ刃19 含めて、切れ刃16が、こうして捩れ面状に形 成された溝底面23を有するブレーカ溝22が形 された部分でその直角すくい角γが一定とさ れており、従ってこの部分の切れ刃16のいず の箇所が切削に使用されてもほぼ均一な切 味と切れ刃強度とを確保することができ、 層安定した切削加工を行うことが可能とな 。なお、特に切れ刃16の切れ刃強度につい 、ブレーカ溝22が形成された部分での確実な 均一化を図るには、この部分で切れ刃16に連 る逃げ面21についても、切れ刃16に直交する 断面でのこの切れ刃16の刃物角が一定となる うに、底刃17側から外周刃18側に向かうに従 い捩れる捩れ面状とされるのが望ましい。

 また、本実施形態のラジアスエンドミル は、少なくともコーナ刃19が正の切れ刃傾 角λを有していて、しかも底刃17側から外周 18側に向かうに従いエンドミル回転方向Tの 方側に捩れる螺旋状に形成され、特にすく 面15に対向する方向から見てコーナ刃19がな す凸円弧を軸線O回りに回転させたときの回 軌跡がなす部分ドーナツ状あるいはトーラ 状の凸曲面に沿って捩れる環状螺旋状に形 されている。このため、特にこのコーナ刃19 を用いた場合に、切削抵抗を分散させて効率 的な切削を促すことができるとともに、この コーナ刃19によって生成されて処理される切 を軸線O方向後端側に押し出して排出するこ とができて、切屑排出性の向上を図ることが できる。

 さらに、本実施形態では、このコーナ刃1 9を含めて、切れ刃16のブレーカ溝22が形成さ た部分での切れ刃傾き角λが一定とされて 底刃17側から外周刃18側に向かうに従いエン ミル回転方向Tの後方側に向かう正角とされ ている。従って、このブレーカ溝22が形成さ た部分での切れ刃16においては、いずれの 所を切削に用いても上述のような効率的な 削と切屑排出性の向上とを得ることができ とともに、この切れ刃16上で切削に用いられ る箇所が連続的に変化するような場合でも、 安定した切削を促すことが可能となる。

 一方、本実施形態では、このようなすく 面15の上記コーナ刃19の少なくとも一部に沿 った辺稜部側の捩れ面が、該すくい面15の辺 部に設けられたブレーカ溝22の溝底面23とし て形成されており、このブレーカ溝22は、コ ナ刃19に沿う部分ではこのコーナ刃19と並行 して延びる凸円弧状をなすように形成されて いるので、このブレーカ溝22の上記溝底面23 ら立ち上がる溝壁面24とコーナ刃19との間隔 、コーナ刃19が形成される凸円弧に沿った 向に向けて略一定間隔として、コーナ刃19の 直ぐ上記凸円弧の中心側に必ず溝壁面24が存 するように配置することができる。

 このため、上記2等分線L上におけるコー 刃19の突端周辺において生成される切屑は勿 論のこと、コーナ刃19の底刃17側や逆に外周 18側で生成された切屑も、確実かつ速やかに この溝壁面24に衝突させることができ、これ よって切屑に抵抗を与えて流出方向にカー させることにより分断し、円滑に処理する とができる。なお、このブレーカ溝22は、 密にコーナ刃19がなす1/4凸円弧と同心の1/4凸 円弧状をなして溝底面23が一定幅とされてい くてもよく、例えば溝底面23の幅がコーナ 19の突端側(上記2等分線L側)で両端の底刃17側 や外周刃18側よりも僅かに狭くなるなど、コ ナ刃19に沿って幅が多少増減していたりし もよく、すなわち上述のようにコーナ刃19に 対して、該コーナ刃19がなす上記凸円弧の中 側に必ず溝壁面24が存在するように形成さ ていればよい。

 さらに、このブレーカ溝22は、その底刃17 側の端部では、この底刃17に沿った方向に向 て溝底面23がギャッシュ14のすくい面15に連 するように切れ上がっており、また外周刃1 8側の端部では、この外周刃18に沿った方向に 向けて溝底面23がすくい面15と並行して延び 、上記段部20においてこのブレーカ溝22が開 するように形成されている。従っていずれ 側の端部においても、コーナ刃19を跨いで 成される切屑や、あるいはコーナ刃19を越え て生成される切屑に対しても、円滑な切屑処 理を促すことができる。

 すなわち、コーナ刃19の底刃17側の端部で は、こうしてブレーカ溝22の溝底面23が切れ がってすくい面15に連続しているために、こ れら溝底面23とすくい面15との間や溝底面23に 連なる部分の切れ刃16とすくい面15に連なる 分の切れ刃16との間に段差が生じることがな い。特に本実施形態ではこれら溝底面23とす い面15とが交差稜線Mにおいて178°程度の平 に近い鈍角で交差しているので、このよう 段差によって加工精度が悪化したり、ある は段差において切れ刃に欠損やチッピング どの損傷が起きて工具寿命が低下したりす ようなことがない。また、たとえ切屑がこ 交差稜線Mを跨ぐように生成、流出しても、 述のような段差が形成されている場合のよ にこの段差によって切屑がその流出方向に って分断されることもなく、従って、この うに流出方向に分断された切屑同士が絡ま 合うこともなく、切屑をブレーカ溝22の溝 面24やギャッシュ14の壁面に衝突させて流出 向にカールさせ、この流出方向に交差する 屑の幅方向に沿って分断させたりすること より、円滑に処理することができる。

 さらに、切れ刃16に沿った方向に向けて くい面15と溝底面23とが並行して延びてブレ カ溝22が段部20に開口した外周刃18側の端部 は、やはり切れ刃16に段差が生じることは く、これらすくい面15と溝底面23との段差と る溝壁面24は切屑の流出方向に対向して配 されることになるので、生成される切屑は やはり流出方向に沿って分断されることは く、この溝壁面24に衝突してカールさせられ ることによりその流出方向に交差する方向に 細かく分断されて円滑に処理される。

 従って、本実施形態によれば、より一層 加工精度の向上と工具寿命の延長を図るこ ができるとともに、ブレーカ溝22が形成さ た少なくともコーナ刃19によって生成される 切屑はもとより、このブレーカ溝22が形成さ た部分では、底刃17側や外周刃18側のいずれ の箇所の切れ刃16によって生成された切屑で 確実かつ円滑に処理することができ、効率 な切削加工を促すことが可能となる。

 しかも、本実施形態では、このブレーカ 22が、これら底刃17側と外周刃18側との両端 で、その切れ刃16に沿った方向にコーナ刃19 側から離間するに従いその溝幅が漸次小さく なるようにされており、これら両端部では切 れ刃16とブレーカ溝22の溝壁面24との間隔をよ り小さくすることができる。従って、コーナ 刃19の底刃17側では、溝切削において切屑の みが薄くなって切屑が伸びやすくなる場合 も、より切れ刃16のエッジに近い位置で切屑 を溝壁面24に衝突させることで小さくカール せることが可能となり、薄い切屑でも分断 て円滑に処理することができ、またコーナ 19の外周刃18側でも、側面切削において径方 向切込みが小さいときなど、やはり切屑の厚 みが薄くなって切屑が伸びやすくなる場合で も、同様に円滑な処理を図ることが可能とな る。

 さらに、本実施形態では、このブレーカ 22が外周刃18にまで延設されていて、特にこ の外周刃18側の端部が、上記段部20における の外周刃18の終端(軸線O方向の後端)にまで達 しており、すなわち外周刃18の全長に亙って レーカ溝22が形成されている。このため、 ーナ刃19の外周刃18側から外周刃18にかけて 部分を用いる場合や、例えば被削材の形状 に応じて、底刃17やコーナ刃19を用いること く、この外周刃18だけで切削加工を行うよ な場合でも、良好な切屑処理性を得ること できる。

 そして、上記構成のラジアスエンドミル よび切削インサート10では、少なくとも上 コーナ刃19は、すくい面15の辺稜部側に形成 れたブレーカ溝22の溝底面23と逃げ面21との 差稜線部に形成されるので、このすくい面1 5の形状に関わらずに、上述のような捩れ面 の溝底面23や正の切れ刃傾き角λを有して螺 状をなすコーナ刃19を比較的容易に形成す ことが可能となり、またこのブレーカ溝22が 形成された部分で切れ刃16の直角すくい角γ 切れ刃傾き角λを一定とすることも容易とな る。

 次に、図12ないし図15は、本発明の第2の 施形態の切削インサート30を示すものであり 、後述する第3ないし第4の実施形態も含めて 図4ないし図11に示した第1の実施形態の切削 インサート10と共通する部分には同一の符号 配して説明を省略する。本実施形態におい は、図13や図15に示されるように、コーナ刃 19がなす凸円弧の半径が第1の実施形態よりも 小さく、上記二等分線L上におけるブレーカ 22の溝幅(溝底面23の幅)と同等か、それより さな、例えば1mm以下程度とされている。従 て、そのような切削インサートでは、この 円弧の中心がブレーカ溝22の溝底面23上に位 してしまい、上述のようにこの溝底面23を ーナ刃19から上記凸円弧の中心に向かうに従 いエンドミル回転方向T後方側への傾斜が漸 大きくなる捩れ面状に精度良く形成するの 困難となる。

 そこで、この第2の実施形態では、図14お び図15に示すように上記ブレーカ溝22を、切 れ刃16のうち底刃17に沿った部分における底 側ブレーカ溝22Aと、外周刃18に沿った部分に おける外周刃側ブレーカ溝22Bと、コーナ刃19 沿った部分におけるコーナ刃側ブレーカ溝2 2Cとにより構成して、このうち底刃側ブレー 溝22Aの溝底面23Aを外周刃側ブレーカ溝22Bの 底面23Bよりもインサート本体11の厚さ方向 突出させている。そして、これとともに、 ーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面23Cは、本実 形態ではコーナ刃19に沿った扇状として、外 周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面23Bから底刃側ブ レーカ溝22Aの溝底面23Aに向かうに従い上記厚 さ方向に漸次隆起するようにし、この扇状の コーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面23Cが、上記 凸円弧の中心に向かうに従いエンドミル回転 方向T後方側への傾斜が漸次大きくなる捩れ 状となるように形成している。

 ここで、本実施形態ではこのコーナ刃側 レーカ溝22Cの溝底面23Cは、底刃側ブレーカ 22Aと外周刃側ブレーカ溝22Bの各溝底面23A、2 3Bに滑らかに連なるようにして、図14および 15に破線で示すように外周刃側ブレーカ溝22B から底刃側ブレーカ溝22Aに向けて、その扇状 の中心の位置を外周刃側ブレーカ溝22B側から 底刃側ブレーカ溝22A側にずらしつつ螺旋状に 捩れながら、溝底面23Bから溝底面23Aに向けて 隆起しており、すなわち扇の中心がブレーカ 溝22の溝底面23と溝壁面24との交差部にほぼ沿 って設けられている。

 ただし、この第2の実施形態の図14および 15や、第3ないし第5の実施形態の各図でも、 図中に示した破線は説明のためのものであっ て、このコーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面23C は滑らかに捩れた曲面状をなしている。また 、図中に符号24A、24Bで示すのは、それぞれ底 刃側ブレーカ溝22Aの溝壁面と外周刃側ブレー カ溝22Bの溝壁面である。

 従って、このような第2の実施形態の切削 インサート30では、上述のようにコーナ刃19 なす凸円弧の半径が小さくて、このコーナ 側ブレーカ溝22Cの溝底面23C上にコーナ刃19の 中心が位置していても、ブレーカ溝22の溝壁 24がコーナ刃19側にせり出して切屑の流れを 阻害したりすることなく、この溝底面23Cを、 エンドミル回転方向T後方側への傾斜がコー 刃19から上記凸円弧の中心に向かうに従い漸 次大きくなるような捩れ面状に形成すること ができる。さらに、この溝底面23Cは、外周刃 側ブレーカ溝22Bの溝底面23Bから底刃側ブレー カ溝22Aの溝底面23Aに向かうに従い漸次隆起し ていて、逆に底刃側ブレーカ溝22Aから外周刃 側ブレーカ溝22Bに向けては漸次後退している ため、コーナ刃19の切れ刃傾き角を確実に正 側に設定することが可能となる。

 なお、本第2の実施形態ではこのようにコ ーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面23Cをコーナ刃 19に沿った扇状に形成しているが、これより コーナ刃19の半径がさらに小さい場合にお ては、図16ないし図19に示す本発明の第3の実 施形態の切削インサート40のように、この溝 面23Cをこのコーナ刃19に沿った円弧状、す わちこのコーナ刃19がなす凸円弧と、このコ ーナ刃19よりも半径の小さな円弧とに挟まれ 、略一定の幅をもって湾曲する帯状に形成 てもよい。

 ここで、本第3の実施形態では、このよう な円弧状をなすコーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝 底面23Cは、底刃側ブレーカ溝22Aの溝底面23Aお よび外周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面23Bと、切 れ刃16側(底刃17側および外周刃18側)では図18 よび図19に破線で示すように滑らかに連なっ ているが、第2の実施形態と同様に底刃側ブ ーカ溝22Aの溝底面23Aが外周刃側ブレーカ溝22 Bの溝底面23Bに対して突出しているのに伴い 上記コーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面23Cも 周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面23Bから底刃側 レーカ溝22Aの溝底面23Aに向かうに従い漸次 起している。なおかつこの溝底面23Cは、こ 溝底面23Cがなす円弧の内周側で外周刃側ブ ーカ溝22Bの溝底面23Bに対して段差25を介して わずかに上記厚さ方向に後退した形状とされ ている。

 従って、このような第3の実施形態の切削 インサート40では、コーナ刃19がなす凸円弧 半径が小さくても、コーナ刃19に連なるコー ナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底面23Cが上述のよう な円弧状であるために、この溝底面23C上にコ ーナ刃19の中心が位置することがなく、上述 ように外周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面23Bに して段差25を介してわずかに後退した帯状 当該溝底面23C部分だけを、コーナ刃19からこ の凸円弧の中心に向かうに従いエンドミル回 転方向T後方側への傾斜が漸次大きくなるよ な捩れ面状に形成すればよい。このため、 ーナ刃19に沿ったすくい面15の辺稜部側のこ 溝底面23Cを精度良くそのような捩れ面に形 することができるとともに、やはりコーナ 19に正の切れ刃傾き角を与えることができ ので、コーナ刃19の半径が小さい場合でも良 好な切屑排出性を得ることができる。

 なお、これら第2、第3の実施形態におい は、このように底刃側ブレーカ溝22Aの溝底 23Aが外周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面23Bより 突出しているが、これらを結ぶコーナ刃側 レーカ溝22Cの溝底面23Cは、溝底面23A、23Bと 第2の実施形態の場合は全体的に滑らかに接 て連続するように形成されるのが望ましく また第3の実施形態の場合は少なくとも切れ 刃16側で、滑らかに接して連続するように形 されるのが望ましい。これらの溝底面23A~23C が切れ刃16側で角部を介して交差していると この角部を跨いだところで切れ刃傾き角や くい角が急激に変化して切屑排出や切削抵 に影響を及ぼすとともに、切れ刃16上にも 部が形成されてチッピング等を生じ易くな 。

 また、上述のようにコーナ刃19がなす凸 弧の半径が小さいと、底刃17の切れ刃傾き角 が大きくて、すなわち底刃側におけるラジア ルレーキ角が負角側に大きいと、これに伴い 隣接するコーナ刃19の外周刃18側や外周刃18で の切屑の流れが影響を受け良好な切れ味が得 られずに、切削抵抗の増大を招くおそれが生 じる。従って、そのような場合には、第1の 施形態のようにすくい面(溝底面23)が捩れ面 の部分で一定の切れ刃傾き角とはせずに、 ーナ刃の切れ刃傾き角は、底刃側から外周 側に向かうに従い切れ刃傾き角が大きくな ようにするのが望ましい。

 一方、上述のようにコーナ刃19の半径が さい場合や、コーナ刃19の半径が大きい場合 でも、図20ないし図26に示す第4の実施形態の 削インサート50や、図27ないし図30に示す第5 の実施形態の切削インサート60のように、ブ ーカ溝22の溝底面23すなわちすくい面15の辺 部側に、上記コーナ刃19の少なくとも一部 沿って、このすくい面15に対して凹む凹部26 切れ刃16と間隔をあけるようにして形成す のが望ましい。なお、第5の実施形態は第2、 第3の実施形態と同様にコーナ刃19の半径が1mm 以下程度の小さい場合であり、第4の実施形 はコーナ刃19の半径が1mm以上の場合を示して いる。

 すなわち、このような凹部26が形成され いると、コーナ刃19により生成されてすくい 面15(ブレーカ溝22の溝底面23やコーナ刃側ブ ーカ溝22Cの溝底面23C)上を擦過した切屑は、 の凹部26に達したところですくい面15から離 れて接触しなくなり、または接触の圧力が弱 くなるため、切削抵抗を低減することができ る。その一方で、この凹部26は切れ刃16(コー 刃19)との間にすくい面15の辺稜部側の部分 介して間隔をあけているので、切れ刃16の刃 先強度が低下することはない。

 ここで、これら第4、第5の実施形態では 上記凹部26は図24ないし図25の各(F)図(図24(F) 図25(F))に示すように底面が凹曲面状をなし ブレーカ溝22の溝底面23を彫り込むように形 されたものであり、コーナ刃19の外周刃18と の接点からコーナ刃19と間隔をあけつつこの ーナ刃19に沿って上記取付状態におけるエ ドミル本体1の先端内周側に回り込むように び、コーナ刃19と底刃17との接点を越えたと ころで溝底面23に切れ上がるように形成され いる。従って、この凹部26により、コーナ 19に連なるブレーカ溝22の溝底面23(第2、第3 実施形態のコーナ刃側ブレーカ溝22Cの溝底 23C)は、コーナ刃19と外周刃18との接点から底 刃17との接点に向けて漸次幅広となるように 成される。

 なお、これら第4、第5の実施形態におい は、底刃17に連なるブレーカ溝22の溝底面23( 2、第3の実施形態の底刃側ブレーカ溝22Aの 底面23A)は平面状であってもよく、また外周 18に連なるブレーカ溝22の溝底面23(第2、第3 実施形態の外周刃側ブレーカ溝22Bの溝底面2 3B)は、上記取付状態においてエンドミル本体 1の軸線O方向後端側に向かうに従いエンドミ 回転方向T後方側に捩れる外周刃18に対して そのラジアルレーキ角を一定とするような れ面状であってもよい。ただし、コーナ刃1 9は正の切れ刃傾き角を有するとともに、こ コーナ刃19に連なる溝底面23は、底刃17側か 外周刃18側に向かうに従いエンドミル回転方 向T後方側に向かうように傾斜しつつ、エン ミル回転方向T後方側への傾斜が、コーナ刃1 9から上記凸円弧の中心に向かうに従い漸次 きくなる捩れ面状に形成される。

 従って、これら第4、第5の実施形態にお ても第1の実施形態や第2、第3の実施形態と 様の効果を得ることができる上、ブレーカ 22の溝底面23(すくい面15)に凹部26が切れ刃16 間隔をあけて形成されているので、切れ刃16 の刃先強度を損なうことなく切削抵抗の低減 を図って、一層円滑な切削加工を促すことが 可能となる。

 なお、これら第1ないし第5の実施形態で 、このようにすくい面15のコーナ刃19の少な とも一部に沿った辺稜部側の捩れ面をブレ カ溝22の溝底面23によって形成しているが、 このようなブレーカ溝22を形成することなく すくい面15の上記辺稜部側を上述のような れ面状に形成してもよく、また場合によっ はすくい面15全体を同様の捩れ面状に形成し てもよい。

 また、以上の説明では、上記第1ないし第5 実施形態の切削インサート10、30、40、50、60 図1ないし図3に示した実施形態のエンドミ 本体1に装着した刃先交換式のラジアスエン ミルに本発明を適用した場合について説明 たが、本発明は、エンドミル本体1自体の先 端部に切屑排出溝やギャッシュ14が形成され 、そのエンドミル回転方向Tを向く壁面がす くい面15とされ、このすくい面15のコーナ刃19 の少なくとも一部に沿った辺稜部側に上述の ような捩れ面が直接的に形成された、いわゆ るソリッドのラジアスエンドミルに適用する ことも勿論可能である。さらに、上述のよう な切削インサート10、30、40、50、60をエンド ル本体1にろう付け等により固着して一体化 た、いわゆるろう付けのラジアスエンドミ に適用することもできる。また、切屑排出 は、図1ないし図3に示したようにギャッシ 14に沿ってエンドミル本体1の先端部中心か 外周側に向けて斜めに延びるようにエンド ル本体1を切り欠いて形成されていてもよく さらにエンドミル本体の外周に軸線方向に けて延びるように形成されていてもよく、 の場合には特許文献1のような螺旋状に捩れ たものでもよい。
 以上、本発明の好ましい実施形態を説明し が、本発明はこれら実施形態に限定される とはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲 、構成の付加、省略、置換、およびその他 変更が可能である。本発明は前述した説明 よって限定されることはなく、添付のクレ ムの範囲によってのみ限定される。

 本発明は、良好な切屑排出性を確保して 定した切削を促すことにより加工精度の向 を図りつつ、工具寿命の長いエンドミルを 供することを可能とするものであり、産業 の利用性を有する。




 
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