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Title:
METHOD FOR PRODUCING ION CONDUCTIVITY-IMPARTING AGENT FOR CATALYST ELECTRODE LAYER OF ANION-EXCHANGE MEMBRANE FUEL CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148051
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an ion conductivity-imparting agent which is used for the purpose of providing a catalyst electrode layer of an anion-exchange membrane fuel cell with ion conductivity.  By this method, an ion conductivity-imparting agent having a constant ion conductivity-imparting effect can be stably produced by a simple operation. In the method for producing an ion conductivity-imparting agent for a catalyst electrode layer of an anion-exchange membrane fuel cell, after obtaining an anion conductive resin having a quaternary onium salt which contains a halogeno ion as a counter ion, the halogen-containing anion conductive resin is brought into contact with a carbonate solution and/or a hydrogen carbonate solution without being ion-exchanged into an OH form by using a deleterious substance such as sodium hydroxide, thereby directly obtaining an anion conductive resin wherein at least a part of counter ions of quaternary onium salts are CO3 2- and/or HCO3 -.

Inventors:
FUKUTA KENJI (JP)
WATANABE SHIN (JP)
YAMASHITA YOSHINOBU (JP)
YANAGI HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060059
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOKUYAMA CORP (JP)
FUKUTA KENJI (JP)
WATANABE SHIN (JP)
YAMASHITA YOSHINOBU (JP)
YANAGI HIROYUKI (JP)
International Classes:
H01M4/88; H01M4/86; H01M8/10
Domestic Patent References:
WO2008149950A12008-12-11
Foreign References:
JP2007194048A2007-08-02
JP2009173898A2009-08-06
JP2008004312A2008-01-10
JP2003288903A2003-10-10
JPS6435137A1989-02-06
JPH11273695A1999-10-08
JP2000331693A2000-11-30
JP2002367626A2002-12-20
Other References:
See also references of EP 2296210A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hitoshi et al. (JP)
Hitoshi Maeda (JP)
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Claims:
 ハロゲノイオンを対イオンとする4級アンモニウム塩基または4級ホスホニウム塩基を有する陰イオン伝導性樹脂を製造した後、該陰イオン伝導性樹脂を炭酸塩溶液および/または重炭酸塩溶液と接触させ、上記4級アンモニウム塩基または4級ホスホニウム塩基の対イオンの少なくとも一部がCO 3 2- および/またはHCO 3 - である陰イオン伝導性樹脂を得ることを特徴とする、陰イオン交換膜型燃料電池における触媒電極層用イオン伝導性付与剤の製造方法。
 ハロゲノイオンを対イオンとする4級アンモニウム塩基または4級ホスホニウム塩基を有する陰イオン伝導性樹脂を製造する方法が、下記a)~c)から選ばれるいずれかの方法である、請求項1に記載の触媒電極層イオン伝導性付与剤の製造方法。
a)ハロゲノアルキル基を有する樹脂を、3級アミノ基を有する4級アンモニウム化剤、または3級ホスフィン基を有する4級ホスホニウム化剤と反応させる方法
b)アミノ基またはホスフィン基を有する樹脂を、ハロゲノアルキル基を有するアルキル化剤と反応させる方法
c)ハロゲノイオンを対イオンとする4級アンモニウム塩基または4級ホスホニウム塩基を有する重合性単量体を含む重合性組成物を重合させる方法
 炭酸塩溶液および/または重炭酸塩溶液として、重炭酸塩溶液を使用することを特徴とする、請求項1に記載の触媒電極層用イオン伝導性付与剤の製造方法。
 請求項1または請求項3記載の方法により得られた触媒電極層用イオン伝導性付与剤を用いて、陰イオン交換膜の夫々の面に接合させる燃料室側触媒電極層および酸化剤室側触媒電極層の少なくとも一方を製造する、陰イオン交換膜型燃料電池用の陰イオン交換膜-触媒電極接合体の製造方法。
 請求項3記載の方法により製造した陰イオン交換膜-触媒電極接合体を用いることを特徴とする、陰イオン交換膜型燃料電池の製造方法。
Description:
陰イオン交換膜型燃料電池にお る触媒電極層用イオン伝導性付与剤の製造 法

 本発明は、陰イオン交換膜を用いた陰イ ン伝導型固体高分子電解質型燃料電池にお て、該陰イオン交換膜に接合する触媒電極 に使用されるイオン伝導性付与剤の製造方 に関する。

 固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹 等の固体高分子を電解質として用いた燃料 池であり、動作温度が比較的低いという特 を有する。該固体高分子型燃料電池は、図1 に示されるように、それぞれ外部と連通する 燃料流通孔2および酸化剤ガス流通孔3を有す 電池隔壁1内の空間を、固体高分子電解質膜 6の両面にそれぞれ燃料室側触媒電極層4およ 酸化剤室側触媒電極層5が接合した接合体で 仕切って、燃料流通孔2を通して外部と連通 る燃料室7、および酸化剤ガス流通孔3を通し て外部と連通する酸化剤室8が形成された基 構造を有している。そして、このような基 構造の固体高分子型燃料電池では、前記燃 室7に燃料流通孔2を通して水素ガスあるいは メタノール等の液体からなる燃料を供給する と共に酸化剤室8に酸化剤ガス流通孔3を通し 酸化剤となる酸素や空気等の酸素含有ガス 供給し、更に両触媒電極層間に外部負荷回 を接続することにより次のような機構によ 電気エネルギーを発生させている。

 固体高分子電解質膜6として陽イオン交換 型電解質膜を使用した場合には、燃料室側触 媒電極層4において該電極内に含まれる触媒 燃料とが接触することにより生成したプロ ン(水素イオン)が固体高分子電解質膜6内を 導して酸化剤室8に移動し、酸化剤室側触媒 極層5で酸化剤ガス中の酸素と反応して水を 生成する。一方、燃料室側触媒電極層4にお てプロトンと同時に生成した電子は外部負 回路を通じて酸化剤室側触媒電極層5へと移 するので上記反応のエネルギーを電気エネ ギーとして利用することができる。

 このような固体電解質膜として陽イオン 換型電解質膜を使用した固体高分子型燃料 池において、該陽イオン交換型電解質膜と ては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹 膜が最も一般的に用いられている。しかし このようなパーフルオロカーボンスルホン 樹脂膜を用いた陽イオン交換型燃料電池で 、反応場が強酸性のため、貴金属触媒しか 用できず、また、パーフルオロカーボンス ホン酸樹脂膜も高価であり、コストダウン 限界があるという大きな問題がある。

 そこで、パーフルオロカーボンスルホン 樹脂膜に替えて陰イオン交換膜を用いるこ が検討されており、幾つか提案されている( 特許文献1~4)。陰イオン交換膜を用いた燃料 池では反応場は塩基性であるため、貴金属 外の触媒も使用可能になるとされている。 かして、この場合、固体高分子型燃料電池 おいて、電気エネルギーが発生するための 構は、次のような固体高分子電解質膜6内を 動するイオン種が異なるものになる。すな ち、燃料室側に水素あるいはメタノール等 供給し、酸化剤室側に酸素および水を供給 ることにより、酸化剤室側触媒電極層5にお いて該電極内に含まれる触媒と該酸素および 水とが接触して水酸イオンが生成する。この 水酸イオンは、上記炭化水素系陰イオン交換 膜からなる固体高分子電解質膜6内を伝導し 燃料室7に移動し、燃料室側触媒電極層4で燃 料と反応して水を生成することになるが、こ れに伴って該燃料室側触媒電極層4で生成し 電子を外部負荷回路を通じて酸化剤室側触 電極層5へと移動させて、この反応のエネル ーを電気エネルギーとして利用する。

 陰イオン交換膜を用いた固体高分子型燃 電池では、さらにまた、陽イオン交換膜を いた場合、特に前述のパーフルオロカーボ スルホン酸樹脂膜を用いた場合に問題とな 、燃料であるメタノール等が燃料室側から 化剤室側に透過するクロスオーバーが相当 抑制されることが期待されている。さらに 両電極の雰囲気が異なり、かつ、使用可能 なる触媒種の選択範囲が広がることによっ 、例えば、酸素還元の過電圧が低減される と、炭素-炭素結合を含む燃料の使用が可能 になること、クロスオーバーしてきた燃料に 対して不活性な酸化剤側触媒を選択すること による電圧向上までも期待されている。

 陰イオン交換膜(固体高分子電解質膜6)上 形成される触媒電極層4、5は、電極触媒、 よび溶剤からなる塗布液を用いて形成され 。この際、塗布液を直接固体電解質膜6上に 布してもよく、また剥離紙上に塗布液を塗 乾燥後に、得られた電極層を固体電解質膜6 上に転写してもよい。さらに、酸化剤室側触 媒電極層内部の触媒上で発生した水酸イオン の利用率を高めるため(換言すれば、該水酸 オンが効率よく燃料室に移動するようにす ため)に、陰イオン伝導性樹脂からなるイオ 伝導性付与剤を、触媒電極層の内部に配合 たり、或いは一旦形成した前記電極層の陰 オン交換膜との接合面に有機溶液として塗 含浸させることが行われている。

 このようなイオン伝導性付与剤としては 芳香族ポリエーテルスルホンと芳香族ポリ オエーテルスルホンの共重合体のクロロメ ル化物をアミノ化して得られる陰イオン交 樹脂(特許文献1および特許文献2)、またはス ルホン酸基を有するパーフルオロカーボンポ リマーの末端をジアミンで処理し4級化した リマー或いはポリクロロメチルスチレンの4 化物等のポリマーで好適には溶媒可溶性の の(特許文献3)が用いられている。

 さらに、陰イオン交換膜6と触媒電極層4 5との接合性を向上させ、長期にわたる耐久 を向上させるため、特許文献4では、分子内 に陰イオン交換基を有し、水及びメタノール に難溶な炭化水素系エラストマー、又はその 溶液或いは懸濁液からなるイオン伝導性付与 剤が提案されている。特許文献4における陰 オン交換性炭化水素系エラストマーは、ポ スチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチ レントリブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレ ン-ポリ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレン リブロック(SEPS)などの炭化水素系エラスト ーを、クロロメチルメチルエーテルなどで 理しクロロメチル化し、その後トリメチル ミンなどで処理して4級化することにより得 られるものであり、有機溶媒に溶解して使用 されている。しかして、この方法により得ら れた陰イオン交換性炭化水素系エラストマー は、陰イオン交換基として4級アンモニウム 基を有するものであり、該4級アンモニウム 基の対イオンは塩化物イオンになっている また、前記した特許文献1~3で使用されてい 陰イオン伝導性樹脂も、いずれもその対イ ンは、製造法上から該塩化物イオン等のハ ゲノイオンになっている。

 ここで、特許文献1~4のように塩化物イオン 対イオンとする陰イオン伝導性樹脂(以下、 該陰イオン伝導性樹脂を「塩素型イオン伝導 性樹脂」とも称する)からなるイオン伝導性 与剤を触媒電極層に用いた場合には、塩化 イオンによる触媒被毒が懸念される。さら 、製造される固体高分子型燃料電池におい は、触媒電極層および電解質膜中における 酸イオン伝導の競合伝導種となって電池内 抵抗を増大させ、かつ、電極反応種である 酸イオンの濃度を低減させることになり、 料電池出力を低下させる。このような状況 あって、斯様な触媒被毒をなくし、さらに 導種であり電極反応種でもある水酸イオン 濃度を高めようとすると、上記イオン伝導 付与剤に使用する陰イオン伝導性樹脂の対 オンを、塩化物イオンから、上記水酸イオ に、予めイオン交換して使用するのが極め 好適である(以下、該陰イオン伝導性樹脂を OH型陰イオン伝導性樹脂」とも称する)。そ 方法としては、塩素型陰イオン伝導性樹脂 製造後、水酸化ナトリウム(NaOH)の溶液に含 させる方法が挙げられる。

特開平11-135137号公報

特開平11-273695号公報

特開2000-331693公報

特開2002-367626号公報

 ところが、水酸化ナトリウム(NaOH)は強塩 の劇物であり、上記水酸化ナトリウム溶液 用いてのイオン交換作業は安全性等の面か 注意を要していた。

 さらに、このような強塩基溶液を用いて 造したOH型陰イオン伝導性樹脂は、当初の 素型陰イオン伝導性樹脂よりも、そのイオ 交換容量が若干量ながら低下し、イオン伝 性の付与効果が一定であるイオン伝導性付 剤を安定的に製造することを困難にしてい 。これは上記水酸化ナトリウム溶液による 浸時に、4級アンモニウム塩基の一部がその 酷な環境により分解してしまうためと推測 れる。

 以上から、陰イオン交換膜型燃料電池に ける触媒電極層用イオン伝導性付与剤は、 イオン伝導性樹脂の対イオンを塩素型では くOH型として使用するのが有利でありなが 、そのイオン交換作業は十分に満足できて なかった。

 本発明者等は、上記状況に鑑み、前記イオ 伝導性付与剤として製造した塩素型陰イオ 伝導性樹脂の対イオンのイオン交換につい 種々検討を深めてきた。その結果、上記水 化ナトリウム溶液を用いたイオン交換によ 製造されたOH型陰イオン伝導性樹脂は、そ まま安定なのではなく、大気中の二酸化炭 を吸収し、急速に該対イオンはOH - からCO 3 2- に置換され、次いでこのCO 3 2- もHCO 3 - へと変化していく知見を得た。このOH - からHCO 3 - への対イオンの変化は室温で大気中に放置し た場合10時間でほぼ90%以上が置換し終える速 であり、このことから上記イオン交換して たOH型陰イオン伝導性樹脂は、実際の使用 始時にはその対イオンの大多数はHCO 3 - であることを確認した。

 そうして、さらに、このように対イオンがC O 3 2- やHCO 3 - の陰イオン伝導性樹脂であっても、イオン伝 導性付与剤として触媒電極層に配合すれば、 得られる燃料電池では、電池の発電中におい て、該CO 3 2- やHCO 3 - の対イオンが、酸化剤室側電極反応により生 成したOH - により再び速やかにイオン交換して、炭酸ガ スとして系外に放出されることを突き止めた 。すなわち、この燃料電池の運転時の対イオ ンの再交換により、前記CO 3 2- 型やCO 3 - 型の陰イオン伝導性樹脂を触媒電極層に配合 しても、作動する燃料電池では高いイオン伝 導性や電極反応性が発揮されるものであった 。なお、従来技術の如く塩化物イオンを対イ オンとしたまま燃料電池を運転した場合には 、該塩化物イオンは系外に排出されないため 、電極反応により生成した水酸イオンにより イオン交換されることは実質上ない。

 以上の知見を得た上で、本発明者等は、前 触媒電極層用イオン伝導性付与剤における 塩素型陰イオン伝導性樹脂の対イオンをイ ン交換する問題を再検討し、塩素型陰イオ 伝導性樹脂の対イオンを水酸化ナトリウム 液を用いてOH型にイオン交換しなくても、 酸塩溶液および/または重炭酸塩溶液と接触 せて、この時点でCO 3 2- 型やHCO 3 - 型に直接的にイオン交換すれば、前記の課題 が一気に解決可能なことを見出し、本発明を 完成するに至った。

 すなわち、本発明は、ハロゲノイオンを対 オンとする4級アンモニウム塩基または4級 スホニウム塩基を有する陰イオン伝導性樹 を製造した後、該陰イオン伝導性樹脂を炭 塩溶液および/または重炭酸塩溶液と接触さ 、上記4級アンモニウム塩基または4級ホス ニウム塩基の対イオンの少なくとも一部がCO 3 2- および/またはHCO 3 - である陰イオン伝導性樹脂を得ることを特徴 とする、陰イオン交換膜型燃料電池における 触媒電極層用イオン伝導性付与剤の製造方法 である。

 本発明のイオン伝導性付与剤の製造方法に れば、対イオンが通常、塩素型のものとし 製造される4級アンモニウム塩基、または4 ホスホニウム塩基を有する陰イオン伝導性 脂について、該塩素イオンを一旦OH型に変換 しこれをさらに大気中の二酸化炭素の吸収に よりCO 3 2- 型および/またはHCO 3 - 型(以下、これらの対イオン型を「炭酸塩類 」とも略する)に変換していくのではなく、 接的に、これら炭酸塩類型に変換する。こ 塩素型から炭酸塩類型への対イオンの変換 、弱塩基である炭酸塩や重炭酸塩の溶液を いて行えばよいため、水酸化ナトリウムな の劇物を使用するOH型への変換に比較して 操作の安全性や確実性を大きく改善できる

 さらに、このように対イオンの変換を、弱 基性溶液の穏やかな環境で行うことができ ため、陰イオン伝導性樹脂への負荷も少な 、特に、こうした強塩基性の環境下では安 性の面で一歩劣る、4級アンモニウム塩基、 または4級ホスホニウム塩基の分解を高度に えることができる。したがって、操作に供 た塩素型の陰イオン交換樹脂が有する陰イ ン交換容量をそのまま維持でき、目的とす イオン伝導性の陰イオン交換樹脂を安定的 製造できる大きな効果が発揮できる。なお このようにOH型を経ることなく、直接的に、 炭酸塩類型の陰イオン伝導性樹脂としても、 燃料電池の使用時には、該CO 3 2- やHCO 3 - の対イオンは、上記OH型を経て大気中の二酸 炭素の吸収により炭酸塩類型とした場合と じく、酸化剤室側電極反応により生成したO H - により再び速やかにイオン交換して、炭酸ガ スとして系外に放出される。よって、充分な 水酸イオン伝導性と電極反応性を示すものと なり、これを配合した触媒電極層を用いて製 造した燃料電池は高い出力を示すものとして 作動する。

固体高分子型燃料電池の基本構造を示 概念図である。

 本発明では、まず、ハロゲノイオンを対 オンとする、4級アンモニウム塩基または4 ホスホニウム塩基を有する陰イオン伝導性 脂を製造する(以下、該陰イオン伝導性樹脂 「ハロゲン型陰イオン伝導性樹脂」とも称 る)。ここで、4級アンモニウム塩基として 、トリメチルアンモニウム塩基、トリエチ アンモニウム塩基、トリプロピルアンモニ ム塩基、トリブチルアンモニウム塩基、ト オクチルアンモニウム塩基、ジエチルメチ アンモニウム塩基、ジエチルメチルアンモ ウム塩基、ジプロピルメチルアンモニウム 基、ジブチルメチルアンモニウム塩基、ジ チルエチルアンモニウム塩基、ジメチルエ ルアンモニウム塩基、メチルジ(ヒドロキシ チル)アンモニウム塩基等のトリアルキルア ンモニウム塩基や、メチルピリジニウム塩基 、エチルピリジニウム塩基、プロピルピリジ ニウム塩基、ブチルピリジニウム塩基等のア ルキルピリジニウム塩基が挙げられ、安定性 や反応の容易さからトリメチルアンモニウム 塩基、トリエチルアンモニウム塩基、ジブチ ルメチルアンモニウム塩基、メチルピリジニ ウム塩基、エチルピリジニウム塩基、ブチル ピリジニウム塩基が好ましい。他方、4級ホ ホニウム塩基としては、トリフェニルホス ニウム塩基、トリプロピルホスホニウム塩 、トリブチルホスホニウム塩基、トリオク ルホスホニウム塩基等が挙げられ、安定性 反応の容易さからトリフェニルホスホニウ 塩基、トリブチルホスホニウム塩基が好ま い。

 このハロゲノイオンを対イオンとする陰 オン伝導性樹脂を得る工程は、上記要件を 足する方法であれば制限なく適用可能であ が、通常は、以後順次に詳述するa)~c)から ばれるいずれかの方法が採択される。

〔a)ハロゲノアルキル基を有する樹脂を、3級 アミノ基を有する4級アンモニウム化剤、ま は3級ホスフィン基を有する4級ホスホニウム 化剤と反応させる方法〕
 a)法において、ハロゲノアルキル基として 、クロルメチル基、クロルエチル基、クロ プロピル基、クロルブチル基、クロルペン ル基、クロルヘキシル基、ブロモメチル基 ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロ ブチル基、ブロモペンチル基、ブロモヘキ ル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、 ードブチル基、あるいはこれらの組合せな が例示され、ハロゲノアルキル基を有する 脂としては、上記したハロゲノアルキル基 公知の高分子化合物、例えば、ポリスチレ 類や、ポリスルホン、ポリフェニレンオキ ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル ーテルケトンなどのエンジニアリングプラ チック類、後述の炭化水素系エラストマー に導入されてなる樹脂が例示される。具体 には、これらハロゲノアルキル基を有する 脂としては、ポリクロルメチルスチレン、 リ(スチレン-クロルメチルスチレン)共重合 、ポリブロモエチルスチレン、ブロモブチ スチレン、クロルメチル化ポリスルホン、 ロルメチル化ポリフェニレンオキシド、ク ルメチル化ポリエーテルエーテルケトン、 述のクロルメチル化炭化水素系エラストマ 類等が挙げられる。

 これらの中でも、ハロゲノアルキル基と ては、導入のし易さや、原料の入手し易さ らクロルメチル基、クロルエチル基、クロ プロピル基、クロルブチル基、ブロモエチ 基、ブロモブチル基が好ましく、さらには クロルメチル基、ブロモブチル基がより好 しい。また、これらハロゲノアルキル基が 入されてなる樹脂の原料樹脂としては、原 の入手し易さからポリスチレン類、ポリス レンセグメントを有する炭化水素形エラス マー類が好ましい。

 これらハロゲノアルキル基を有する樹脂 、市販の樹脂として入手することも可能で るし、あるいは、本発明を制限するもので ないが、前記の原料樹脂に公知の方法によ ハロゲノアルキル基を導入して得ることも きる。その方法は、定法に従えばよいが、 とえば、クロルメチル基を導入する場合で れば、原料樹脂をクロロホルム等の有機溶 に溶解し、得られた溶液にクロロメチルメ ルエーテル、および塩化亜鉛や塩化すずを 媒として添加し、20~50℃にて0.5~10時間反応 せることで得ることができる。

 a)法では、以上のハロゲノアルキル基を する樹脂に、3級アミノ基を有する4級アンモ ニウム化剤、または3級ホスフィン基を有す 4級ホスホニウム化剤を反応させて、ハロゲ イオンを対イオンとする4級アンモニウム塩 基または4級ホスホニウム塩基を有する陰イ ン伝導性樹脂を生成させる。3級アミノ基を する4級アンモニウム化剤の具体例としては 、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジ メチルアミノエタノール等、あるいはこれら の組み合わせが例示され、中でも反応性の高 さから、トリメチルアミンが最も好ましい。 また、3級ホスフィン基を有するホスホニウ 化剤の具体例としては、トリフェニルホス ィン、トリプロピルホスフィン、トリブチ ホスフィン等、あるいはこれらの組み合わ が例示され、反応性の高さや生成物の安定 から、トリフェニルホスフィン、トリブチ ホスフィンが最も好ましい。

 これらの4級化反応の工程や条件は、用い たハロゲノアルキル基を有する樹脂やアミノ 化剤またはホスホニウム化剤の種類によって 適宜選択すれば良く、通常は、ハロゲノアル キル基を有する樹脂をクロロホルムなどの有 機溶媒に1~30質量%の濃度で溶解させ、ここに ロゲノアルキル基に対して0.2~2モル倍の4級 ンモニウム化剤あるいは4級ホスホニウム化 剤を加え、5~50℃にて0.5~10時間反応させるこ で実施できる。ハロゲノアルキル基を有す 樹脂は有機溶媒に溶解させることなく、ア トンなどの有機溶媒に樹脂を分散させた状 で反応を実施しても構わない。

 上記の反応により、ハロゲン型陰イオン 導性樹脂が得られる。なお、得られたハロ ン型陰イオン伝導性樹脂におけるハロゲノ オンは、用いたハロゲノアルキル基を有す 樹脂の有していたハロゲノイオンがそのま 対イオンとなり、陰イオン交換基も、使用 たハロゲノアルキル基と4級アンモニウム化 剤あるいは4級ホスホニウム化剤に対応した のになる。

 a)法では、ハロゲン型陰イオン伝導性樹 として、特に、以下の方法で製造されるハ ゲン型陰イオン伝導性炭化水素系エラスト ーが好適である。

 該ハロゲン型陰イオン伝導性炭化水素系 ラストマーの製造方法では、まず、以下の 法により、ハロゲノアルキル基を有する樹 またはハロゲノアルキル基を導入可能な樹 である炭化水素系エラストマー(以下、単に 炭化水素系エラストマーと呼ぶことがある) 得る。即ち、ハロゲノアルキル基が導入可 な官能基を有する単量体またはハロゲノア キル基を有する単量体及び共役ジエン化合 を重合し、その後、ハロゲノアルキル基が 入可能な官能基を有する単量体を用いた場 にはハロゲノアルキル基の導入処理を施す 法である。

 特にa)法では、ハロゲノアルキル基が導 可能な官能基を有する単量体またはハロゲ アルキル基を有する単量体及び共役ジエン 合物として、ハードセグメントとソフトセ メントを構成するような複数の種類の単量 (通常芳香族ビニル化合物の重合ブロックが ードセグメントを構成し、共役ジエン化合 の重合ブロックがソフトセグメントを構成 る)を用いてブロック共重合を行ない、所謂 熱可塑性エラストマーとした後、ハロゲノア ルキル基が導入可能な官能基を有する単量体 を用いた場合にはハロゲノアルキル基の導入 処理を施す方法が好適である。

 上記方法で使用するハロゲノアルキル基 導入可能な官能基を有する単量体としては スチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフ レン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる 、ハロゲノアルキル基を導入のし易さの点 ら、スチレン、α-メチルスチレンが好まし 使用される。これらのハロゲノアルキル基 導入可能な官能基を有する単量体にハロゲ アルキル基を導入する方法は、定法に従え よいが、たとえば、クロルメチル基を導入 る場合であれば、該単量体をクロロホルム の有機溶媒に溶解し、得られた溶液にクロ メチルメチルエーテル、および塩化亜鉛や 化すずを触媒として添加し、20~50℃にて0.5~1 0時間反応させることで得ることができる。

 また、ハロゲノアルキル基を有する単量 としては、クロルメチルスチレン、クロル チルスチレン、クロルプロピルスチレン、 ロルブチルスチレン、ブロモメチルスチレ 、ブロモエチルスチレン、ブロモプロピル チレン、ブロモブチルスチレン等が用いら る。

 上記方法で使用する共役ジエン化合物と ては、ブタジエン、イソプレン、クロロプ ン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタ ジエン等が挙げられる。その含有量は特に限 定されないが、炭化水素系エラストマー中に おける共役ジエン化合物単位の含有率は5~75 量%、特に10~50質量%が一般的である。

 なお、上記ハロゲノアルキル基が導入可 な官能基を有する単量体またはハロゲノア キル基を有する単量体や共役ジエン化合物 他に、必要に応じてこれらの単量体と共重 可能な架橋性単量体を添加してもよい。架 性単量体としては、特に制限されるもので ないが、例えば、ジビニルベンゼン類、ジ ニルスルホン、ジビニルビフェニル、トリ ニルベンゼン等の多官能性ビニル化合物、 リメチロールメタントリメタクリル酸エス ル、メチレンビスアクリルアミド、ヘキサ チレンジメタクリルアミド等の多官能性メ クリル酸誘導体が用いられる。これらの架 性単量体を用いる場合、その使用量は一般 は、ハロゲノアルキル基が導入可能な官能 を有する単量体またはハロゲノアルキル基 有する単量体100質量部に対して、0.01~5質量 、好適には0.05~1質量部から採択される。架 性単量体が0.01質量部以下の場合には、得ら れる陰イオン伝導性炭化水素系エラストマー は、水に可溶となり易く、5質量%以上では、 機溶媒に不溶になり易い。

 なお、上記ハロゲノアルキル基が導入可 な官能基を有する単量体またはハロゲノア キル基を有する単量体や共役ジエン化合物 架橋性単量体の他に、必要に応じてこれら 単量体と共重合可能な他の単量体を添加し もよい。こうした他の単量体としては、例 ば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ア リロニトリル、塩化ビニル、アクリル酸エ テル等のビニル化合物が用いられる。その 用量は、ハロゲノアルキル基が導入可能な 能基を有する単量体またはハロゲノアルキ 基を有する単量体100質量部に対して0~100質 部が好ましい。

 上記方法における重合方法は、溶液重合 懸濁重合、乳化重合等の公知の重合法が採 される。こうした製造条件は、単量体組成 の組成等によって左右されるものであり、 に限定されるものではなく適宜選択すれば い。ここで、例えばスチレン等の上記例示 た単量体であれば1万~100万、好ましくは5万~ 20万の平均分子量になるような重合条件で重 させるのが好ましい。ハロゲノアルキル基 有する単量体を用いた場合には、このよう して重合を行なうことにより本発明で使用 るハロゲノアルキル基を有する炭化水素系 ラストマーを得ることができる。また、ハ ゲノアルキル基が導入可能な官能基を有す 単量体を用いた場合には、このような重合 得られた重合体について、前述のようにし ハロゲノアルキル基を導入すればよい。

 また、ハロゲン型陰イオン伝導性樹脂と て熱可塑性エラストマーを用いる場合には 熱可塑性エラストマーの一般的な合成方法 準じて、共重合させる単量体の組み合わせ 決定し、常法に従って重合を行なえばよい ハロゲノアルキル基が導入可能な熱可塑性 ラストマーの具体例としては、ポリスチレ -ポリブタジエン-ポリスチレントリブロッ 共重合体(SBS)、ポリスチレン-ポリイソプレ -ポリスチレントリブロック共重合体(SIS)、 た、SBS、SISをそれぞれ水素添加したポリス レン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチレン トリブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン- リ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレントリ ロック(SEPS)共重合体が挙げられ、ハロゲノ ルキル基を有する熱可塑性エラストマーと てポリスチレン-ポリクロルメチルスチレン -ポリブタジエントリブロック共重合体、ポ スチレン-ポリクロルメチルスチレン-ポリイ ソプレントリブロック共重合体等が挙げられ るので、このような共重合体を与えるような 単量体の組み合わせを採用すればよい。なお 、ハロゲノアルキル基が導入可能な熱可塑性 エラストマーにおいては、ハロゲノアルキル 基を導入する工程での安定性の点から、ポリ スチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチ ントリブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレ -ポリ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレン リブロック共重合体(SEPS)が好ましい。

 また、重合を行なう際のモノマー組成は に限定されないが、熱可塑性エラストマー おけるハードセグメントとなるブロック共 合体中の芳香族ビニル化合物単位の含有率 電気的特性、機械的特性の点から5~70質量% 特に10~50質量%が好ましいので、このような 有率になるような組成にするのが好適であ 。

 また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン 合物の共重合方法は特に限定されず、アニ ン重合、カチオン重合、配位重合、ラジカ 重合等の公知の方法が採用されるが、ブロ ク構造を制御し易いという理由によりリビ グアニオン重合が特に好適に採用される。 お、ブロック共重合の形態としては、ジブ ック共重合、トリブロック共重合、ラジア ブロック共重合、マルチブロック共重合の れであってもよいが、末端ブロックがお互 に凝集してドメインを形成し易いため、水 メタノールなどへの耐溶解性や有機溶媒へ 溶解性を付与し易いという理由からトリブ ック共重合が好適である。同様の理由によ 、さらに、ブロック共重合体の各ブロック グメントの平均分子量が1万~30万、特に2万~1 5万の平均分子量になるような重合条件で重 するのが好適である。さらに、ブロック共 合体の共役ジエン部分を水素添加する場合 は、水素添加率が95%以上になるよう水素を 加するのが好ましい。

 ハロゲン型陰イオン伝導性炭化水素系エ ストマーの製造方法では、次いで、上述と 様の方法で、3級アミノ基を有するアミノ化 剤または3級ホスフィン基を有するホスホニ ム化剤と、ハロゲノアルキル基を有する炭 水素系エラストマーが反応され、ハロゲン 陰イオン伝導性炭化水素系エラストマーが られる。

〔b)アミノ基またはホスフィン基を有する樹 を、ハロゲノアルキル基を有するアルキル 剤と反応させる方法〕
 b)法において使用する樹脂は、ハロゲノア キル基ではなく、アミノ基またはホスフィ 基を有する点を除いて、前記a)法で使用する 樹脂に準じたものが使用できる。アミノ基は 、3級アミノ基であってもよく、また2級ある は1級アミノ基であってもよく、特に3級ア ノ基が好ましい。同様に、ホスフィン基は 3級ホスフィン基であってもよく、また2級あ るいは1級ホスフィン基であってもよく、特 3級ホスフィン基が好ましい。

 3級アミノ基としては、例えばジメチルア ミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミ ノ基、ジブチルアミノ基、ジ(ヒドロキシル チル)アミノ基、ジ(ヒドロキシルプロピル) ミノ基、ジ(ヒドロキシルブチル)アミノ基、 ピリジル基等が挙げられる。こうした3級ア ノ基を有する樹脂は、3級アミノ基を有する 量体を、適宜、公知の方法で重合して製造 ることができる。ここで、3級アミノ基を有 する単量体としては、例えば、アリルジメチ ルアミン、アリルジエチルアミン、アリルジ プロピルアミン、アリルジブチルアミン、ア リルジ(ヒドロキシエチル)アミン、ジメチル ミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、 ニルピリジン、ビニルピラジン、ビニルイ ダゾール等が挙げられる。これら単量体の 合方法は特に限定されず、アニオン重合、 チオン重合、配位重合、ラジカル重合等の 知の方法が採用される。3級アミノ基を有す る樹脂として具体的には、ポリビニルピリジ ン、ポリビニルピペラジン、ジメチルポリア ニリン、ポリアリルジメチルアミン等が挙げ られる。

 また、2級アミノ基としては、たとえばN- チルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-プロピ ルアミノ基、N-ブチルアミノ基、N-ヒドロキ ルエチルアミノ基、N-ヒドロキシルプロピル アミノ基、N-ヒドロキシルブチルアミノ基、 ロリジル基等が挙げられる。こうした2級ア ミノ基を有する樹脂は、2級アミノ基を有す 単量体を、重合して製造することができる 2級アミノ基を有する単量体としては、例え 、N-アリルメチルアミン、N-アリルエチルア ミン、N-アリルプロピルアミン、N-アリルブ ルアミン、N-アリルヒドロキシエチルアミン 、N-メチルアミノスチレン、N-エチルアミノ チレン、2-ビニルピロリジン、3-ビニルピロ ジン等が挙げられる。2級アミノ基を有する 樹脂としては、具体的には、ポリ(N-アリルメ チルアミン)、ポリ(N-アリルエチルアミン)、 リ(N-メチルアミノスチレン)、ポリビニルピ ロリジン等が挙げられる。

 また、1級アミノ基としては、アミノ基が 挙げられる。かかる1級アミノ基を有する樹 は、1級アミノ基を有する単量体を、重合し 製造することができる。1級アミノ基を有す る単量体としては、例えば、ビニルアミン、 アリルアミン、アミノメチルスチレン、アニ リン等が挙げられる。1級アミノ基を有する 脂としては、具体的には、ポリビニルアミ 、ポリアリルアミン、ポリアミノメチルス レン、ポリアニリン等が挙げられる。

 他方、3級ホスフィン基としては、例えば ジフェニルホスフィン基、ジプロピルホスフ ィン基、ジブチルホスフィン基等がある。こ うした3級ホスフィン基を有する樹脂は、前 した3級アミノ基を有する樹脂と同様にして 3級ホスフィン基を有する単量体を重合して 得ることができる。3級ホスフィン基を有す 単量体としては、例えば、アリルジフェニ ホスフィン、アリルジプロピルホスフィン アリルジブチルホスフィン、ビニルベンゾ プロピルホスフィン等が挙げられ、3級ホス ィン基を有する樹脂としては、具体的には ポリアリルジプロピルホスフィン、ポリア ルジブチルホスフィン、ポリアリルジフェ ルホスフィン等が挙げられる。

 また、2級ホスフィン基としては、たとえ ばフェニルホスフィン基、プロピルホスフィ ン基、ブチルホスフィン基等が挙げられる。 こうした2級ホスフィン基を有する樹脂は、2 ホスフィン基を有する単量体を、重合して 造することができる。2級ホスフィン基を有 する単量体としては、例えば、アリルフェニ ルホスフィン、アリルプロピルホスフィン、 アリルブチルホスフィン、ビニルベンゾプロ ピルホスフィン等が挙げられる。2級ホスフ ン基を有する樹脂としては、具体的には、 リアリルプロピルホスフィン、ポリアリル チルホスフィン等が挙げられる。

 また、1級ホスフィン基としては、ホスフ ィン基が挙げられる。かかる1級ホスフィン を有する樹脂は、1級ホスフィン基を有する 量体を、重合して製造することができる。1 級ホスフィン基を有する単量体としては、例 えば、ホスフィノアリル、ホスフィノスチレ ン等が挙げられる。1級ホスフィン基を有す 樹脂としては、具体的には、ポリホスフィ アリル、ポリホスフィノスチレン等が挙げ れる。

 このb)法においては、前記樹脂を、ハロ ノアルキル基を有するアルキル化剤と反応 せて、ハロゲノイオンを対イオンとする4級 ンモニウム塩基または4級ホスホニウム塩基 を有する陰イオン伝導性樹脂を生成させる。 ここで、ハロゲノアルキル基を有するアルキ ル化剤としては、具体的には、メチルクロラ イド、エチルクロライド、プロピルクロライ ド、イソプロピルクロライド、ブチルクロラ イド、クロルベンゼン、クロルメチルベンゼ ン、メチルブロミド、エチルブロミド、プロ ピルブロミド、イソプロピルブロミド、ブチ ルブロミド、ブロムベンゼン、ブロムメチル ベンゼン、メチルヨーダイド、エチルヨーダ イド等を例示することができる。

 該アルキル化反応の工程や条件は、用い 樹脂や、アルキル化剤の種類によって適宜 択すれば良い。通常は、アミノ基またはホ フィン基を有する樹脂を、メタノール、ア トンなどの有機溶媒に1~30質量%の濃度で溶 させ、ここにアミノ基またはホスフィン基 対して0.2~5.0モル倍のハロゲノアルキル基含 アルキル化剤を加え、5~50℃にて0.5~100時間 応させることで実施できる。3級アミノ基ま は3級ホスフィン基を有する樹脂は有機溶剤 に溶解させることなく、0.5~50質量%の濃度の ルキル化剤のメタノールやアセトン溶液に 漬し、5~50℃にて0.5~100時間反応させることで も実施できる。

 上記のアルキル化反応により、ハロゲン 陰イオン伝導性樹脂が得られる。なお、得 れたハロゲン型陰イオン伝導性樹脂におけ ハロゲノイオンは、用いたハロゲノアルキ 基を有するアルキル化剤の有していたハロ ノイオンがそのまま対イオンとなり、陰イ ン交換基も、使用したアミノ基またはホス ィン基を有する樹脂とアルキル化剤に対応 たものになる。

 また、b)法では、ハロゲン型陰イオン伝 性樹脂として、特に、以下の方法で製造さ るハロゲン型陰イオン伝導性炭化水素系エ ストマーが好適である。

 該ハロゲン型陰イオン伝導性炭化水素系 ラストマーの製造方法では、まず、前記a) におけるハロゲノアルキル基を有する炭化 素系エラストマーの製造方法に準じて、ア ノ基またはホスフィン基を有する炭化水素 エラストマー(以下、単に炭化水素系エラス マーと呼ぶことがある)を得る。即ち、アミ ノ基またはホスフィン基が導入可能な官能基 を有する単量体またはアミノ基またはホスフ ィン基を有する単量体及び共役ジエン化合物 を重合し、その後、アミノ基またはホスフィ ン基が導入可能な官能基を有する単量体を用 いた場合にはアミノ基または3級ホスフィン の導入処理を施す方法である。好ましくは 3級アミノ基またはホスフィン基を有する単 体及び共役ジエン化合物を重合して、前記 化水素系エラストマーを得る方法が好適で る。

 ここで、アミノ基を有する単量体、ホス ィン基を有する単量体としては、前述の単 体が使用可能であり、好ましくは3級アミノ 基を有する単量体、3級ホスフィン基を有す 単量体が用いられる。

 以上により得られたアミノ基またはホス ィン基を有する炭化水素系エラストマーに 、前述と同様にしてアルキル化反応が施さ 、ハロゲン型陰イオン伝導性炭化水素系エ ストマーとされる。

〔c)ハロゲノイオンを対イオンとする4級アン モニウム塩基または4級ホスホニウム塩基を する重合性単量体を含む重合性組成物を重 させる方法〕
 c)法において、ハロゲノイオンを対イオン する4級アンモニウム塩基または4級ホスホニ ウム塩基を有する重合性単量体は、市販品を そのまま用いることもでき、或いは、種々の 方法で得ることができる。例えば、ハロゲノ アルキル基を有する単量体と、3級アミノ基 有する4級アンモニウム化剤、または3級ホス フィン基を有する4級ホスホニウム化剤とを 応させることにより得ることができる。

 ハロゲノアルキル基を有する単量体とし は、クロルメチルスチレン、ブロモエチル チレン、ブロモブチルスチレン、アリルク ライド、アリルブロマイドなどを例として げることができる。反応性の観点からクロ メチルスチレンが好適である。これらの単 体と前記4級アンモニウム化剤や4級ホスホ ウム化剤とを反応させる方法としては、前 a)法で説明したハロゲノアルキル基を有する 陰イオン伝導性樹脂用エラストマーをこれら の試薬と反応させる方法に準じた方法を実施 すればよい。

 ハロゲノイオンを対イオンとする4級アン モニウム塩基または4級ホスホニウム塩基を する単量体を重合して陰イオン伝導性樹脂 生成させる方法も、前記a)法で説明したハロ ゲノアルキル基が導入可能な官能基を有する 単量体やハロゲノアルキル基を有する単量体 を重合する方法に準じて実施すればよい。

 以上のa)~c)の方法により、ハロゲノイオ を対イオンとする、4級アンモニウム塩基ま は4級ホスホニウム塩基を有する陰イオン伝 導性樹脂が得られる。

 なお、これらハロゲン型陰イオン伝導性 脂の、陰イオン交換容量は特に限定されな が、0.1~5.0mmol/g、好適には、0.5~3.0mmol/gであ ことが好ましい。陰イオン交換容量が0.1mmol/ g未満では陰イオン伝導性樹脂のイオン伝導 が不充分であり、5.0mmmol/gを超える場合には やメタノールなどの燃料に溶解してしまう とがある。

 また、ハロゲン型陰イオン伝導性樹脂は 水に難溶であることが好ましい。水に容易 溶解する場合には、燃料電池を構成して使 した際に触媒電極層から該陰イオン伝導性 脂が溶出してしまい、電池性能が低下する なお、ここで、水に難溶であるとは、20℃ 水に対する溶解度(飽和水溶液中の上記陰イ ン伝導性樹脂の濃度)が1重量%未満、好適に 0.8重量%以下であることを言う。

 さらに、ハロゲン型陰イオン伝導性樹脂 重量平均分子量は、好ましくは1万~100万、 り好適には5万~20万であることが好ましい。1 万以下では、水やメタノールなどの燃料への 耐溶解性に劣り、一方で、100万以上では溶液 化が困難になる。

 さらにまた、ハロゲン型陰イオン伝導性 脂は、陰イオン交換膜が通常炭化水素系で ることを勘案し、触媒電極層の該陰イオン 換膜への密着性を良好にするために炭化水 系の樹脂であることが好ましい。

 なお、ハロゲン型陰イオン伝導性樹脂が ロゲン型陰イオン伝導性炭化水素系エラス マーである場合には、上述したハロゲン型 イオン伝導性樹脂の特性に加え、適度な弾 率、好適には25℃におけるヤング率で表し 1~300(MPa)、特に3~100(MPa)を有することが好まし い。このような弾性率を有することにより、 固体高分子電解質膜と触媒電極層との密着性 を向上させることができるようになるばかり でなく、燃料電池を構成して使用した場合に 、ヒートサイクルにより発生する応力を分散 することが可能となり、燃料電池の耐久性を 大きく改善することが可能となる。

 以上によって得られたハロゲン型陰イオ 伝導性樹脂は、適宜、公知の方法によって 出、ろ過され、固形物とされた後に、乾燥 れる。乾燥に際しては、最終的に有機溶媒 溶液として使用されることを勘案し、有機 剤への溶解性が不充分とならないように、 ましくは60℃未満、より好ましくは40℃未満 の温度で乾燥されることが好ましい。

 本発明では、次いで、上記のハロゲン型陰 オン伝導性樹脂を、炭酸塩溶液および/また は重炭酸塩溶液に接触させて、対イオンの少 なくとも一部がCO 3 2- および/またはHCO 3 - である陰イオン伝導性樹脂へとイオン交換す る。炭酸塩溶液に使用する炭酸塩としては公 知のものが制限なく使用できるが、具体的に は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ リウムナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙 げられる。他方、重炭酸塩溶液に使用する重 炭酸塩も公知のものが制限なく使用でき、具 体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ リウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げら れる。これらの炭酸塩や重炭酸塩を溶解させ る溶媒は、水の他、メタノール、エタノール などの低級アルコール溶液、さらには水と低 級アルコールの混合溶液が使用可能である。 前述のとおり、対イオンをCO 3 2- 型としても、これは大気中ではHCO 3 - 型に変換されていくものであることを考慮す れば、上記炭酸塩溶液および重炭酸塩溶液と しては、より弱塩基であり、特に穏やかな環 境でイオン交換を行うことができ、4級アン ニウム塩基または4級ホスホニウム塩基の分 を高度に抑制できることから、重炭酸塩溶 であるのが好ましい。調整のし易さやイオ 交換の進み易さから、最も好ましくは、炭 水素ナトリウムや炭酸水素カリウムの水溶 である。

 炭酸塩溶液および重炭酸塩溶液において 炭酸塩および重炭酸塩の濃度は、特に制限 れるものではないが、ハロゲノイオンを速 かに、かつ、充分にイオン交換するために 通常0.05~2mol/Lであり、好ましくは0.1~1mol/Lで る。炭酸塩溶液および重炭酸塩溶液との接 温度は、通常5~80℃であり、好ましくは20~60 である。接触時間は、通常0.5~20時間であり 好ましくは1~10時間であり、接触方法は該炭 酸塩溶液および重炭酸塩溶液に処理する陰イ オン伝導性樹脂を浸漬させるのが一般的であ る。浸漬は、処理する陰イオン伝導性樹脂に 対して炭酸塩溶液および重炭酸塩溶液を大過 剰に用いれば良いが、一般的には、該陰イオ ン伝導性樹脂の重量に対して、炭酸塩溶液お よび重炭酸塩溶液を1~100倍重量用いるのが好 しい。さらに、上記の条件で、接触させる 液を新しくしながら、2~5回にわたりイオン 換させる方法も好適な態様である。

 この炭酸塩溶液および/または重炭酸塩溶液 との接触により、4級アンモニウム塩基また 4級ホスホニウム塩基の対イオンの少なくと 一部がCO 3 2- および/またはHCO 3 - に変換されるが、少なくとも70モル%以上をこ れら炭酸塩類イオンに変換するのが、十分な 水酸イオンの伝導性と電極反応性を確保する ために好ましく、特に、90モル%以上をこれら 炭酸塩類イオンに変換するのがより好ましい 。

 以上により製造された炭酸塩類型陰イオン 導性樹脂は、次いで、ろ過、乾燥される。 燥に際しては、有機溶剤への溶解性が不充 とならないように、好ましくは60℃未満、 り好ましくは40℃未満の温度で乾燥されるこ とが好ましい。なお、この操作は十分な時間 をかけて行われるため、上記イオン交換操作 を炭酸塩溶液を用いて実施し、CO 3 2- 型の陰イオン伝導性樹脂が得られている場合 でも、対イオンのCO 3 2- はその大部分がHCO 3 - に変換されるのが普通である。このようにCO 3 2- 型の陰イオン伝導性樹脂を得た場合でも、室 温以上の温度下で、少なくとも6時間大気に されると、該CO 3 2- の残存量はCO 3 2- とHCO 3 - との合計量中において通常20モル%以下になり 、特に15時間大気に曝されると5モル%以下の 合に低下する。

 本発明の方法により得られた、炭酸塩類 陰イオン伝導性樹脂からなるイオン伝導性 与剤は、通常、有機溶媒に溶解させた樹脂 液として使用される。

 ここで使用される有機溶媒は特に限定さ ないが、溶液として使用した時に、乾燥操 が容易であることから低沸点の有機溶媒で り、かつ誘電率が10以上の溶媒が好適であ 。このような有機溶媒を例示すればエタノ ル、1-プロパノール、2-プロパノール、N-ブ ノール、メチルエチルケトン、アセトニト ル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムア ド、N,N-ジメチルアセトアミド等が上げられ 。陰イオン伝導性樹脂としては、このよう 有機溶媒に対する溶解度(20℃においる飽和 液中の上記陰イオン伝導性樹脂濃度)が1質 %以上、特に3質量%以上であるものを用いる が特に好適である。溶液における前記陰イ ン伝導性樹脂の濃度は特に限定されず、溶 と陰イオン伝導性樹脂の組み合わせ、電極 媒に対する使用量、粘度、施用時の浸透性 に応じて適宜決定すればよいが、通常1~20質 %、特に1~15質量%であるのが好適である。

 なお、上記陰イオン伝導性樹脂を懸濁液 して使用することも可能であるが、この場 の分散媒は特に限定されず、上記したよう 有機溶媒で上記陰イオン伝導性樹脂を溶解 ないものの他、水及びメタノールも使用可 である。また懸濁液中の前記陰イオン伝導 樹脂の含有量も特に限定されないが、溶液 態における濃度と同程度とするのが好適で る。

 本発明で製造されるイオン伝導性付与剤 、陰イオン交換膜型燃料電池における触媒 極層用として、該触媒電極層の内部又は表 近傍でのイオン(具体的には触媒電極層に含 まれる触媒上で生成する水酸イオン等のイオ ン)伝導性を高めるために使用される。使用 法は、触媒電極層に含まれる電極触媒中に いて、少なくとも固体高分子電解質膜との 合面近傍に存在するものと接触するように いられれば特に限定されない。通常は、パ フルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用い 固体高分子型燃料電池において、パーフル ロカーボンスルホン酸樹脂からなるイオン 導性付与剤が施用されているのと同様の態 で使用すればよい。例えば、(I)電極触媒に 要に応じて結着剤や分散媒を添加してペー ト状の組成物とし、これをそのままロール 型するか又はカーボンペーパー等の支持層 料上に塗布した後に熱処理して層状物を得 陰イオン交換膜との接合面となる表面に本 明のイオン伝導性付与剤の溶液を塗布含浸 せた後に必要に応じて乾燥し、該接合面に いて陰イオン交換膜と前記層状物とを熱圧 する方法;又は(II)電極触媒に本発明のイオン 伝導性付与剤及び必要に応じて結着剤や分散 媒を添加してペースト状の組成物とし、これ をカーボンペーパー等の支持層材料上に塗布 するか、剥離フィルム上に塗布して陰イオン 交換膜上に転写するか、または陰イオン交換 膜上に直接塗布するかした後に乾燥させ、そ の後必要に応じて陰イオン交換膜と熱圧着す る方法、等が挙げられる。これら方法におい ては触媒電極層における反応サイトの三次元 化という観点からは、電極のより広い範囲に 含有させるのがより好ましい。上記2つの方 の中でも電極の全体により均一にイオン伝 性付与剤を含有させ易いということから、(I I)の方法を採用するのがより好ましい。

 なお、本発明のイオン伝導性付与剤は、 体高分子電解質膜の少なくとも一方の面に 合される触媒電極層に対して施用されれば いが、水酸イオンの伝導性付与効果がある とから一方の触媒電極層のみに施用する場 は酸化剤室側触媒電極層に対して施用する が好適である。無論、この場合においても 燃料室側の触媒電極層には他のイオン導電 付与剤を施用するのが好適である。該他の オン導電性付与剤としては、公知のものが ら制限なく使用できる。

 上記施用方法(I)及び(II)で使用する各種材 料は、特に限定されず、従来の高分子電解質 型燃料電池で使用されているものが何ら制限 なく使用できる。例えば、固体高分子電解質 膜としては高分子電解質型燃料電池用の固体 高分子電解質膜として使用できることが知ら れている公知の陰イオン交換膜が制限なく使 用できる。中でも、燃料である水素ガスやエ タノールなどの液体燃料の透過性を抑制でき 、安価に製造できるなどの観点から、上記陰 イオン交換膜としては炭化水素系のものを使 用するのが好適である。好適に使用できる炭 化水素系陰イオン交換膜を例示すればクロル メチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体 ビニルピリジン-ジビニルベンゼン等の共重 体をアミノ化、アルキル化等の処理により 望の陰イオン交換基を導入した膜が挙げら る。これらの陰イオン交換樹脂膜は、一般 には、熱可塑性樹脂製の織布、不織布、多 質膜等からなる基材により支持されている 、ガス透過性が低く、薄膜化が可能である とから該基材としては、ポリエチレン、ポ プロピレン、ポリメチルペンテン等のポリ レフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレ 、ポリ(テトラフルオロエチレン-ヘキサフ オロプロピレン)、ポリフッ化ビニリデン等 フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂製多孔質膜 らなる基材を用いるのが好適である。また これら炭化水素系陰イオン交換膜の膜厚は 電気抵抗を低く抑える観点及び支持膜とし 必要な機械的強度を付与する観点から、通 5~200μmの厚みを有するものが好ましく、よ 好ましくは20~150μmを有するものが好ましい

 また、触媒電極層用の材料としても公知 ものが特に制限なく使用可能である。即ち 電極触媒としては、水素の酸化反応及び酸 の還元反応を促進する白金、金、銀、パラ ウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム スズ、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデ 、タングステン、バナジウム、あるいはそ らの合金等の金属粒子が制限なく使用でき が、触媒活性が優れていることから白金族 媒を用いるのが好適である。

 また、陰イオン交換膜を用いるため、従来 強酸性のプロトン交換膜では使用できなか たような各種の金属酸化物を電極触媒とし 利用することも可能である。例えば、酸化 性に優れているABO 3 で表されるペロブスカイト型酸化物なども好 適に使用できる。具体的には、LaMnO 3 、LaFeO 3 、LaCrO 3 、LaCoO 3 、LaNiO 3 など、あるいは前記のAサイトの一部をSr、Ca Ba、Ce、Agなどで部分置換したもの、さらに Bサイトの一部をPd、Pt、Ru、Agなどで部分置 したペロブスカイト型酸化物なども電極触 として好適に使用できる。

 なお、これら電極触媒の粒径は、通常、0.1~ 100nm、より好ましくは0.5~10nmである。粒径が さいほど触媒性能は高くなるが、0.5nm未満の ものは、作製が困難であり、100nmより大きい 十分な触媒性能が得にくくなる。なお、こ ら触媒は、予め導電剤に担持させてから使 してもよい。導電剤としては、電子導電性 質であれば特に限定されるものではないが 例えば、ファーネスブラック、アセチレン ラック等のカーボンブラック、活性炭、黒 等を単独または混合して使用するのが一般 である。これら電極触媒の含有量は、触媒 極層をシート状にした状態における単位面 当たりの電極触媒質量で、通常0.01~10mg/cm 2 、より好ましくは0.1~5.0mg/cm 2 である。

 また、必要に応じて添加する結着剤とし は、各種熱可塑性樹脂が一般的に用いられ が、好適に使用できる熱可塑性樹脂を例示 れば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ ッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン- パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合 体、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー テルスルホン、スチレン・ブタジエン共重合 体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体 等が挙げられる。該結着剤の含有量は、上記 触媒電極層の5~25重量%であることが好ましい また、結着剤は、単独で使用してもよいし 2種類以上を混合して使用してもよい。

 また、必要に応じて使用される支持層材 としては、通常、カーボン繊維織布、カー ンペーパー等の多孔質炭素材料が使用され 。これら支持層材料の厚みは、50~300μmが好 しく、その空隙率は、50~90%が好ましい。通 、このような支持層材料の空隙内及び表面 に前記電極触媒を含むペースト状の組成物 、得られる触媒電極層が5~50μmの厚みになる よう充填及び付着されて触媒電極層が構成さ れる。

 また、前記(I)及び(II)の方法において本発 明のイオン伝導性付与剤の施用量は特に限定 されないが、上記(I)の方法においては、イオ ン伝導性付与効果の観点から、接合面から全 体の厚さの1~50%の範囲の触媒電極層に対して 本発明のイオン伝導性付与剤の含有量が5~60 質量%、特に10~40質量%となるように施用する が好適である。また、上記(II)の方法におい は触媒電極層の全質量に対して、本発明の オン伝導性付与剤の含有量が5~60質量%、特 10~40質量%となるように施用するのが好適で る。

 さらに、前記(I)及び(II)の方法において触 媒電極層を接合する際の熱圧着は、加圧、加 温できる装置、一般的には、ホットプレス機 、ロールプレス機等により行われる。プレス 温度は一般的には80℃~200℃である。プレス圧 力は、使用する触媒電極層の厚み、硬度に依 存するが、通常0.5~20MPaである。

 このようにして本発明のイオン伝導性付 剤が施用されて調製された陰イオン交換膜- 触媒電極接合体は、前記した図1に示すよう 基本構造の陰イオン交換膜型燃料電池に装 されて使用される。燃料としては、水素ガ や、メタノールやエタノール等の液体燃料 最も一般的であり、その他、エチレングリ ール、ジメチルエーテル、ヒドラジン、ア モニア等においても同様の優れた効果が発 される。さらに、液体燃料を用いる場合に 、該液体燃料中に塩基性化合物を加えても い。塩基性化合物の添加により、液体燃料 イオン伝導性が付与され、さらに高出力を られることがある。こうした塩基性化合物 しては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ 、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム どが例示される。添加する際の、濃度とし は0.05~3mol/Lが適当である。

 以下、本発明を実施例により、さらに詳 に説明するが、本発明は、これらの例によ てなんら限定されるものではない。なお、 施例および比較例に示すイオン伝導性付与 の特性は、以下の方法により測定した値を す。

 1)イオン伝導性付与剤のイオン交換容量お び含水率
 各対イオン型のイオン伝導性付与剤を、5質 量%となるように溶媒に溶解させた。この溶 をポリテトラフルオロエチレン製のシャー に、乾燥後のフィルム厚みがおよそ30μmとな るようにキャストし、次いで、室温で24時間 燥させてイオン伝導性付与剤のキャストフ ルムを得た。

 得られた陰イオン伝導性付与剤のキャスト ィルムを0.5mol・L -1 -NaCl水溶液に10時間以上浸漬し、塩化物イオ 型とした後、0.2mol・L -1 -NaNO 3 水溶液で硝酸イオン型に置換させ遊離した塩 化物イオンを、硝酸銀水溶液を用いて電位差 滴定装置(COMTITE-900、平沼産業株式会社製)で 量した(Amol)。次に、同じキャストフィルム 0.5mol・L -1 -NaCl水溶液に25℃下で4時間以上浸漬し、イオ 交換水で十分水洗した後、フィルムを取り しティッシュペーパー等で表面の水分を拭 取り湿潤時の重さ(Wg)を測定した。さらにフ ィルムを60℃で5時間減圧乾燥させその重量を 測定した(Dg)。上記測定値に基づいて、イオ 交換容量および含水率を次式により求めた
   イオン交換容量=A×1000/D[mmol・g -1 -乾燥重量]
   含水率=100×(W-D)/D[%]

 2)イオン伝導性付与剤の水酸イオン、炭酸 オンならびに重炭酸イオン含有量測定
 イオン伝導性付与剤Ygを1mol/L-NaCl水溶液100ml 5時間以上浸漬した。得られた浸漬液を0.1mol /L-フェノールフタレインのエタノール溶液を 指示薬にして、0.1mol/L-塩酸水溶液で滴定し、 赤色から無色になる時を終点とした滴定量(V1 ml)を測定した。この滴定によって、OH - イオンの中和量と、CO 3 2- イオンのHCO 3 - イオンへの変化量が測定される。次いで、同 じ浸漬液にブロモクレゾールグリーン・メチ ルレッド混合エタノール溶液(ブロモクレゾ ルグリーン0.075質量%、メチルレッド0.05質量% )を指示薬として加え、引き続き0.1mol/L-塩酸 溶液で滴定を行い、緑色から橙色になる時 終点とした滴定量(V2ml)を測定した。この滴 によって、HCO 3 - イオンの中和量が測定される。

 なお、pKaの関係より、OH - イオンとHCO 3 - イオンとが共存することは無いため、イオン 伝導性付与剤中のOH - イオンとCO 3 2- イオン、HCO 3 - イオンの含有量は滴定量V1とV2がそれぞれ次 ような関係の時、以下のように算出される
 (V1>V2の時)イオン種はOH - イオンとCO 3 2- イオンのみ存在。
  CO 3 2-  イオン含有量=0.1×V2/Y[mmol/g]
  OH - イオン含有量=0.1×(V1-V2)/Y[mmol/g]
 (V1<V2の時)イオン種はCO 3 2- イオンとHCO 3 - イオンのみ存在。
  CO 3 2-  イオン含有量=0.1×V1/Y[mmol/g]
  HCO 3 - イオン含有量=0.1×(V2―V1)/Y[mmol/g]
 (V1=V2の時)イオン種はCO 3 2- イオンのみ存在。
  CO 3 2-  イオン含有量=0.1×V1/Y[mmol/g]

 3)イオン伝導性付与剤のイオン伝導度
 上記1)記載の方法で得られた陰イオン伝導 付与剤のキャストフィルムを0.5mol/L-NaOH水溶 に10時間以上浸漬し、水酸イオン型とした 、純水で洗浄して室温で24時間以上乾燥した 。

 線幅0.3mmの白金線5本を互いに離して平行 配置した絶縁基板を用い、前記白金線に純 に湿潤した2.0cm幅の短冊状の上記キャスト ィルムを押し当てた。40℃の恒温恒湿槽中で このキャストフィルムを常に湿潤状態に保持 し、白金線間に1kHzの交流を印加したときの 流インピーダンスを測定した。

 白金線間距離を0.5~2.0cmに変化させたとき それぞれの交流インピーダンスを測定し、 金線間距離に対してプロットしたインピー ンスの勾配(端子間勾配)からイオン伝導性 与剤フィルムの比抵抗を算出することで、 金線とキャストフィルムとの間に生じる接 抵抗の影響を除外した。白金線間距離とイ ピーダンス測定値との間には良い直線関係 得られた。抵抗極間勾配と膜厚から下式に りイオン伝導性付与剤のイオン伝導度を算 した。

 なお、本測定においてキャストフィルムの 厚は、純水で湿潤させたキャストフィルム ガラス板の間に挟んで膜厚計で測定した。 た、上記の操作は全て窒素雰囲気化のグロ ブボックス中で実施した。
  σ=1/{S×(L×2.0)}
   σ :イオン伝導度[S/cm]
   L :膜厚[cm]
   S :端子間勾配[ω/cm]

 4)燃料電池出力試験
 (陰イオン交換膜の作成)
 ポリエチレンからなる多孔質膜(膜厚25μm、 均孔径0.03μm、空隙率37%)に、クロロメチル チレン97質量部、ジビニルベンゼ3質量部、 チレングリコールジグリシジルエーテル5質 部、t-ブチルパーオキシエチルヘキサノエ ト5質量部からなる重合性単量体組成物を含 させ、100μmのポリエステルフィルムを剥離 として多孔質膜の両側を被覆した後、0.3MPa 窒素加圧下、80℃で5時間加熱重合した。得 れた膜状物を6質量%のトリメチルアミンと25 質量%のアセトンを含む水溶液中に室温で16時 間浸漬し、4級アンモニウム塩基を陰イオン 換基として有する燃料電池用の陰イオン交 膜を得た。

 得られた陰イオン交換膜の陰イオン交換 量は、1.8mmol/g、含水率は25質量%であった。

 陰イオン交換膜は、0.5mol/Lの水酸化ナト ウム水溶液に含浸し、陰イオン交換基の対 オンを水酸イオンにイオン交換した後燃料 池出力評価に使用した。

 (触媒電極層の作成)
 平均粒子径2nmの白金が50質量%担持されたカ ボンブラックからなる電極触媒に、イオン 導性付与剤の有機溶媒溶液を、イオン伝導 付与剤:触媒電極の質量比が1:4となるよう混 合して触媒電極層形成用組成物を得た。得ら れた触媒電極層形成用組成物を、白金量が0.5 mg/cm 2 となるように、厚みが200μmであり空孔率が80% であるカーボンペーパー上に塗布し、次いで 、大気圧下25℃で15時間、更に80℃で4時間減 乾燥してカーボンペーパーを支持体とする 媒電極層を作成した。触媒電極層中のイオ 伝導性付与剤の含有量は20質量%である。ま 、触媒電極層の面積は5cm 2 である。

 (陰イオン交換膜-触媒電極接合体の作成)
 陰イオン交換膜の両面に、上記により作成 たカーボンペーパーを支持体とする触媒電 層をセットし、100℃、圧力5MPaの加圧下で100 秒間熱プレスした後、室温で2分間放置した

 (燃料電池出力試験)
 得られた陰イオン交換膜-触媒電極層接合体 を図1に示す燃料電池セルに組み込んで、燃 電池セル温度を50℃に設定し、燃料極側に50 で加湿した水素を50ml/min、酸化剤極側に50℃ で加湿した空気を200ml/minで供給して発電試験 を行なった。電流密度0A/cm 2 、0.1A/cm 2 におけるセルの端子電圧を測定した。

実施例1
(クロロメチル基含有樹脂の合成)
 炭化水素系の熱可塑性エラストマーである リスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン)-ポ スチレントリブロック共重合体(SEPS)(重量平 分子量15万、スチレン含有量60質量%)をクロ ホルムに5質量%となるように溶解し、これ クロルメチルメチルエーテルをSEPSスチレン ニットの10モル倍と、無水塩化すずをSEPSの チレンユニット量の0.1モル倍となるように え、50℃で2時間反応させた。その後、反応 を1,4-ジオキサンと水の等質量混合溶液中へ 投入して反応を停止させ、さらに30質量%メタ ノール水溶液に投入して樹脂を析出させ、乾 燥することで、クロロメチル基含有樹脂を得 た。

(塩素型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 次いで、得られたクロロメチル基含有樹脂 、3質量%のトリメチルアミンと25質量%のア トンを含む水溶液中に分散させ、室温にて4 間撹拌することでクロロメチル基含有エラ トマー中のクロロメチル基を4級アンモニウ ム塩基に変換した。この反応液を0.5mol/L-塩酸 中で1時間撹拌し、濾別することで塩素型陰 オン伝導性樹脂を得た。この樹脂を5質量%と なるようにテトラヒドロフランに溶解させ、 該樹脂溶液から作成したキャストフィルムを 用いて、陰イオン交換容量、含水率測定した 結果を表1に示す。また、20℃における水への 溶解度とヤング率を測定した結果を表1に示 。

(炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 上記で得た塩素型陰イオン伝導性樹脂を大 剰の0.5mol/L-Na 2 CO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から炭酸イオンにイオン交換した後、イオ 交換水で洗浄し、40℃、100Paの減圧下で8時 乾燥させることにより炭酸塩型陰イオン伝 性樹脂を得た。この炭酸塩型陰イオン伝導 樹脂について、製造直後の対イオン種含有 を測定して実質的に全てがCO 3 2- であることを確認した。

 得られた炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を5 質量%となるように、テトラヒドロフラン中 60℃-8時間溶解した。得られた樹脂溶液を用 て作成したキャストフィルムを空気中に24 間静置し、その後、陰イオン交換容量、含 率、イオン伝導度を測定した。また、上記 酸塩型陰イオン伝導性樹脂を空気中に24時間 静置した後、対イオン種含有量を測定した。 さらに、前記樹脂溶液について、空気中に24 間静置したものを用いて陰イオン交換膜-触 媒電極接合体を作成し、燃料電池出力試験を 行った。結果を表2に示した。

実施例2
(重炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例1で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaHCO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から重炭酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、40℃、100Paの減圧下で8 間乾燥させることにより重炭酸塩型陰イオ 伝導性樹脂を得た。この重炭酸塩型陰イオ 伝導性樹脂について、製造直後の対イオン 含有量を測定して実質的に全てがHCO 3 - であることを確認した。

 得られた重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 5質量%となるように、テトラヒドロフラン で60℃-8時間溶解した。得られた樹脂溶液を いて作成したキャストフィルムを空気中に2 4時間静置し、その後、陰イオン交換容量、 水率、イオン伝導度を測定した。また、上 炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を空気中に24時 間静置した後、対イオン種含有量を測定した 。さらに、前記樹脂溶液について、空気中に 24時間静置したものを用いて陰イオン交換膜- 触媒電極接合体を作成し、燃料電池出力試験 を行った。結果を表2に示した。

比較例1
(OH型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例1で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaOH水溶液中に分散させ 4級アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イ ンから水酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、40℃、100Paの減圧下で8 間乾燥させることによりOH型陰イオン伝導性 樹脂を得た。このOH型陰イオン伝導性樹脂に いて、製造直後の対イオン種含有量を測定 て実質的に全てがOH - であることを確認した。

 得られたOH型陰イオン伝導性樹脂を5質量% となるように、テトラヒドロフラン中で60℃- 8時間溶解した。得られた樹脂溶液を用いて 成したキャストフィルムを空気中に24時間静 置し、その後、陰イオン交換容量、含水率、 イオン伝導度を測定した。また、上記炭酸塩 型陰イオン伝導性樹脂を空気中に24時間静置 た後、対イオン種含有量を測定した。さら 、前記樹脂溶液について、空気中に24時間 置したものを用いて陰イオン交換膜-触媒電 接合体を作成し、燃料電池出力試験を行っ 。結果を表2に示した。

実施例3
(クロロメチル基含有樹脂の合成)
 炭化水素系の熱可塑性エラストマーである リスチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリ チレントリブロック共重合体(SEBS)(重量平均 子量3万、スチレン含有量30質量%)をクロロ ルムに5質量%となるように溶解し、これにク ロルメチルメチルエーテルをSEBSスチレンユ ットの40モル倍と、無水塩化亜鉛をSEBSのス レンユニット量の0.3モル倍となるように加 、35℃で2時間反応させた。その後、反応液 1,4-ジオキサンと水の等質量混合溶液中へ投 して反応を停止させ、さらに30質量%メタノ ル水溶液に投入して樹脂を析出させ、乾燥 ることで、クロロメチル基含有樹脂を得た

(塩素型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 次いで、得られたクロロメチル基含有樹脂 、3質量%のトリメチルアミンと25質量%のア トンを含む水溶液中に分散させ、室温にて1 間撹拌することでクロロメチル基含有エラ トマー中のクロロメチル基を4級アンモニウ ム塩基に変換した。この反応液を0.5mol/L-塩酸 中で1時間撹拌し、濾別することで塩素型陰 オン伝導性樹脂を得た。この樹脂を5質量%と なるように、130℃のオートクレーブ中で1-プ パノールに3時間かけて溶解させた。該樹脂 溶液から作成したキャストフィルムを用いて 、陰イオン交換容量、含水率測定した結果を 表1に示す。また、20℃における水への溶解度 とヤング率を測定した結果を表1に示した。

(炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 上記で得た塩素型陰イオン伝導性樹脂を大 剰の0.5mol/L-Na 2 CO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から炭酸イオンにイオン交換した後、イオ 交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させるこ により炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を得た この炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂について 製造直後の対イオン種含有量を測定して実 的に全てがCO 3 2- であることを確認した。

 得られた炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を5 質量%となるように、130℃のオートクレーブ で1-プロパノールに3時間かけて溶解させた 得られた樹脂溶液を用いて作成したキャス フィルムを空気中に24時間静置し、その後、 陰イオン交換容量、含水率、イオン伝導度を 測定した。また、上記炭酸塩型陰イオン伝導 性樹脂を空気中に24時間静置した後、対イオ 種含有量を測定した。さらに、前記樹脂溶 について、空気中に24時間静置したものを いて陰イオン交換膜-触媒電極接合体を作成 、燃料電池出力試験を行った。結果を表2に 示した。

実施例4
(重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例3で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaHCO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から重炭酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とにより重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を た。この重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂に いて、製造直後の対イオン種含有量を測定 て実質的に全てがHCO 3 - であることを確認した。

 得られた重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 5質量%となるように、130℃のオートクレー 中で1-プロパノールに3時間かけて溶解させ 。得られた樹脂溶液を用いて作成したキャ トフィルムを空気中に24時間静置し、その後 、陰イオン交換容量、含水率、イオン伝導度 を測定した。また、上記炭酸塩型陰イオン伝 導性樹脂を空気中に24時間静置した後、対イ ン種含有量を測定した。さらに、前記樹脂 液について、空気中に24時間静置したもの 用いて陰イオン交換膜-触媒電極接合体を作 し、燃料電池出力試験を行った。結果を表2 に示した。

比較例2
(OH型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例3で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaOH水溶液中に分散させ 4級アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イ ンから水酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とによりOH型陰イオン伝導性樹脂を得た。 のOH型陰イオン伝導性樹脂について、製造直 後の対イオン種含有量を測定して実質的に全 てがOH - であることを確認した。

 得られたOH型陰イオン伝導性樹脂を5質量% となるように、130℃のオートクレーブ中で1- ロパノールに3時間かけて溶解させた。得ら れた樹脂溶液を用いて作成したキャストフィ ルムを空気中に24時間静置し、その後、陰イ ン交換容量、含水率、イオン伝導度を測定 た。また、上記炭酸塩型陰イオン伝導性樹 を空気中に24時間静置した後、対イオン種 有量を測定した。さらに、前記樹脂溶液に いて、空気中に24時間静置したものを用いて 陰イオン交換膜-触媒電極接合体を作成し、 料電池出力試験を行った。結果を表2に示し 。

実施例5
(塩素型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 クロルメチル基を有する樹脂として、分子 3万、スチレン含量80質量%からなるポリ(ク ルメチルスチレン-スチレン)共重合体(CMS)を いた。

 このクロロメチル基含有樹脂を、3質量% トリメチルアミンと25質量%のアセトンを含 水溶液中に分散させ、室温にて5時間撹拌す ことでクロロメチル基含有樹脂中のクロロ チル基を4級アンモニウム塩基に変換した。 この反応液を0.5mol/L-塩酸中で1時間撹拌し、 別することで塩素型陰イオン伝導性樹脂を た。この樹脂を5質量%となるように、50℃で3 時間かけて1-プロパノールに溶解させた。該 脂溶液から作成したキャストフィルムを用 て、陰イオン交換容量、含水率測定した結 を表1に示す。また、20℃における水への溶 度とヤング率を測定した結果を表1に示した 。

(重炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 上記で得た塩素型陰イオン伝導性樹脂を大 剰の0.5mol/L-NaHCO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から重炭酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とにより重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を た。この重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂に いて、製造直後の対イオン種含有量を測定 て実質的に全てがHCO 3 - であることを確認した。

 得られた重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 5質量%となるように、50℃で3時間かけて1-プ ロパノールに溶解させた。得られた樹脂溶液 を用いて作成したキャストフィルムを空気中 に24時間静置し、その後、陰イオン交換容量 含水率、イオン伝導度を測定した。また、 記炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を空気中に2 4時間静置した後、対イオン種含有量を測定 た。さらに、前記樹脂溶液について、空気 に24時間静置したものを用いて陰イオン交換 膜-触媒電極接合体を作成し、燃料電池出力 験を行った。結果を表2に示した。

比較例3
(OH型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例5で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaOH水溶液中に分散させ 4級アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イ ンから水酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とによりOH型陰イオン伝導性樹脂を得た。 のOH型陰イオン伝導性樹脂について、製造直 後の対イオン種含有量を測定して実質的に全 てがOH - であることを確認した。

 得られたOH型陰イオン伝導性樹脂を5質量% となるように、50℃で3時間かけて1-プロパノ ルに溶解させた。得られた樹脂溶液を用い 作成したキャストフィルムを空気中に24時 静置し、その後、陰イオン交換容量、含水 、イオン伝導度を測定した。また、上記炭 塩型陰イオン伝導性樹脂を空気中に24時間静 置した後、対イオン種含有量を測定した。さ らに、前記樹脂溶液について、空気中に24時 静置したものを用いて陰イオン交換膜-触媒 電極接合体を作成し、燃料電池出力試験を行 った。結果を表2に示した。

実施例6
(クロロメチル基含有樹脂の合成)
 ポリスルホン樹脂(PSf)(重量平均分子量2.6万) 20gをクロルメチルメチルエーテル200mlに溶解 せ、ここに無水塩化亜鉛1gを加え、35℃で1 間反応させた。その後、反応液を1,4-ジオキ ンと水の等質量混合溶液中へ投入して反応 停止させ、さらに30質量%メタノール水溶液 投入して樹脂を析出させ、乾燥することで クロロメチル基含有樹脂を得た。

(塩素型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 次いで、得られたクロロメチル基含有樹脂 、3質量%のトリメチルアミンと25質量%のア トンを含む水溶液中に分散させ、室温にて1 間撹拌することでクロロメチル基含有樹脂 のクロロメチル基を4級アンモニウム塩基に 変換した。この反応液を0.5mol/L-塩酸中で1時 撹拌し、濾別することで塩素型陰イオン伝 性樹脂を得た。この樹脂を5質量%となるよう に、80℃でジメチルホルムアミドに3時間かけ て溶解させた。該樹脂溶液から作成したキャ ストフィルムを用いて、陰イオン交換容量、 含水率測定した結果を表1に示す。また、20℃ における水への溶解度とヤング率を測定した 結果を表1に示した。

(重炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 上記で得た塩素型陰イオン伝導性樹脂を大 剰の0.5mol/L-NaHCO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から重炭酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とにより重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を た。この重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂に いて、製造直後の対イオン種含有量を測定 て実質的に全てがHCO 3 - であることを確認した。

 得られた重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 5質量%となるように、80℃でジメチルホルム アミドに3時間かけて溶解させた。得られた 脂溶液を用いて作成したキャストフィルム 空気中に24時間静置し、その後、陰イオン交 換容量、含水率、イオン伝導度を測定した。 また、上記炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を空 気中に24時間静置した後、対イオン種含有量 測定した。さらに、前記樹脂溶液について 空気中に24時間静置したものを用いて陰イ ン交換膜-触媒電極接合体を作成し、燃料電 出力試験を行った。結果を表2に示した。

比較例4
(OH型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例6で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaOH水溶液中に分散させ 4級アンモニウム塩基の対イオンを塩化物イ ンから水酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とによりOH型陰イオン伝導性樹脂を得た。 のOH型陰イオン伝導性樹脂について、製造直 後の対イオン種含有量を測定して実質的に全 てがOH - であることを確認した。

 得られたOH型陰イオン伝導性樹脂を5質量% となるように、80℃でジメチルホルムアミド 3時間かけて溶解させた。得られた樹脂溶液 を用いて作成したキャストフィルムを空気中 に24時間静置し、その後、陰イオン交換容量 含水率、イオン伝導度を測定した。また、 記炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を空気中に2 4時間静置した後、対イオン種含有量を測定 た。さらに、前記樹脂溶液について、空気 に24時間静置したものを用いて陰イオン交換 膜-触媒電極接合体を作成し、燃料電池出力 験を行った。結果を表2に示した。

実施例7
(塩素型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例3で得られたクロルメチル基含有SEBS 、3質量%のトリブチルリンのアセトン溶液中 に分散させ、室温にて1日間撹拌することで ロロメチル基含有SEBS中のクロロメチル基を4 級ホスホニウム塩基に変換した。この反応液 を0.5mol/L-塩酸水溶液中で1時間撹拌し、濾別 ることで塩素型陰イオン伝導性樹脂を得た この樹脂を5質量%となるように、130℃のオー トクレーブ中で1-プロパノールに3時間かけて 溶解させた。該樹脂溶液から作成したキャス トフィルムを用いて、陰イオン交換容量、含 水率測定した結果を表1に示す。また、20℃に おける水への溶解度とヤング率を測定した結 果を表1に示した。

(重炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 上記で得た塩素型陰イオン伝導性樹脂を大 剰の0.5mol/L-NaHCO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 ホスホニウム塩基の対イオンを塩化物イオ から重炭酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とにより重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂を た。この重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂に いて、製造直後の対イオン種含有量を測定 て実質的に全てがHCO 3 - であることを確認した。

 得られた重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 5質量%となるように、130℃のオートクレー 中で1-プロパノールに3時間かけて溶解させ 。得られた樹脂溶液を用いて作成したキャ トフィルムを空気中に24時間静置し、その後 、陰イオン交換容量、含水率、イオン伝導度 を測定した。また、上記炭酸塩型陰イオン伝 導性樹脂を空気中に24時間静置した後、対イ ン種含有量を測定した。さらに、前記樹脂 液について、空気中に24時間静置したもの 用いて陰イオン交換膜-触媒電極接合体を作 し、燃料電池出力試験を行った。結果を表2 に示した。

比較例5
(OH型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例7で作成した塩素型陰イオン伝導性樹 脂を大過剰の0.5mol/L-NaOH水溶液中に分散させ 4級ホスホニウム塩基の対イオンを塩化物イ ンから水酸イオンにイオン交換した後、イ ン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させる とによりOH型陰イオン伝導性樹脂を得た。 のOH型陰イオン伝導性樹脂について、製造直 後の対イオン種含有量を測定して実質的に全 てがOH - であることを確認した。

 得られたOH型陰イオン伝導性樹脂を5質量% となるように、130℃のオートクレーブ中で1- ロパノールに3時間かけて溶解させた。得ら れた樹脂溶液を用いて作成したキャストフィ ルムを空気中に24時間静置し、その後、陰イ ン交換容量、含水率、イオン伝導度を測定 た。また、上記炭酸塩型陰イオン伝導性樹 を空気中に24時間静置した後、対イオン種 有量を測定した。さらに、前記樹脂溶液に いて、空気中に24時間静置したものを用いて 陰イオン交換膜-触媒電極接合体を作成し、 料電池出力試験を行った。結果を表2に示し 。

実施例8
(ヨウ素型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 3級アミノ基を含有する樹脂として、分子量 16万のポリ-4-ビニルピリジン(P-4VP)を用いた。

 P-4VPを10質量%となるようにメタノールに 解させ、ここにP-4VPの3級アミノ基の0.75倍モ のヨウ化メチルを加え、室温で24時間反応 せた。反応後、メタノールと未反応のヨウ メチルを留去し、得られた部分4級化P-4VPを キサンで洗浄してヨウ素型陰イオン伝導性 脂を得た。この樹脂を5質量%となるように、 メタノールに溶解させた。該樹脂溶液から作 成したキャストフィルムを用いて、陰イオン 交換容量、含水率測定した結果を表1に示す また、20℃における水への溶解度とヤング率 を測定した結果を表1に示した。

(重炭酸塩型イオン伝導性樹脂の作成)
 上記で得たヨウ素型陰イオン伝導性樹脂を 過剰の0.5mol/L-NaHCO 3 水溶液中に分散させ、25℃で10時間攪拌し、4 ピリジニウム塩基の対イオンをヨウ化物イ ンから重炭酸イオンにイオン交換した後、 オン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥させ ことにより重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 得た。この重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 ついて、製造直後の対イオン種含有量を測 して実質的に全てがHCO 3 - であることを確認した。

 得られた重炭酸塩型陰イオン伝導性樹脂 5質量%となるように、メタノールに溶解さ た。得られた樹脂溶液を用いて作成したキ ストフィルムを空気中に24時間静置し、その 後、陰イオン交換容量、含水率、イオン伝導 度を測定した。また、上記炭酸塩型陰イオン 伝導性樹脂を空気中に24時間静置した後、対 オン種含有量を測定した。さらに、前記樹 溶液について、空気中に24時間静置したも を用いて陰イオン交換膜-触媒電極接合体を 成し、燃料電池出力試験を行った。結果を 2に示した。

比較例5
(OH型陰イオン伝導性樹脂の作成)
 実施例8で作成したヨウ素型陰イオン伝導性 樹脂を大過剰の0.5mol/L-NaOH水溶液中に分散さ 、4級ピリジニウム塩基の対イオンをヨウ化 イオンから水酸イオンにイオン交換した後 イオン交換水で洗浄し、30℃で3日間乾燥さ ることによりOH型陰イオン伝導性樹脂を得 。このOH型陰イオン伝導性樹脂について、製 造直後の対イオン種含有量を測定して実質的 に全てがOH - であることを確認した。

 得られたOH型陰イオン伝導性樹脂を5質量%と なるように、メタノールに溶解させた。得ら れた樹脂溶液を用いて作成したキャストフィ ルムを空気中に24時間静置し、その後、陰イ ン交換容量、含水率、イオン伝導度を測定 た。また、上記炭酸塩型陰イオン伝導性樹 を空気中に24時間静置した後、対イオン種 有量を測定した。さらに、前記樹脂溶液に いて、空気中に24時間静置したものを用いて 陰イオン交換膜-触媒電極接合体を作成し、 料電池出力試験を行った。結果を表2に示し 。

1;電池隔壁
2;燃料流通孔
3;酸化剤ガス流通孔
4;燃料室側触媒電極層
5;酸化剤室側触媒電極層
6;固体高分子電解質膜(陰イオン交換膜)
7;燃料室
8;酸化剤室