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Patent Searching and Data


Title:
LARGE INTESTINE ENDOSCOPE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/153843
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To safely, quickly and easily perform large intestine endoscopy by a medical staff without requiring long training time by smoothly and safely inserting a large intestine endoscope toward the deepest part of the ascending colon from the sigmoid colon acting as the free intestine via the transverse colon also acting as the free intestine. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A negative pressure-supplying unit, which is in a tapered shape opening toward the back end of the large intestine endoscope body as described above and formed in a swollen state outward from the side of the large intestine endoscope body as described above, has a negative pressure-supplying hole part having an opening toward the back end of the large intestine endoscope and a negative pressure-supplying channel part for supplying negative pressure into the large intestine via the negative pressure-supplying hole part as described above. When the large intestine endoscope is inserted into the large intestine, negative pressure is supplied from the above-described negative pressure-supplying channel part toward the back end of the large intestine endoscope as described above via the above-described negative pressure-supplying hole part so that the inside of the large intestine is evacuated. Thus, the large intestine wall is closely adhered to the outer side of the large intestine endoscope body as described above.

Inventors:
HATTORI RYOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001938
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
July 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HATTORI RYOJI (JP)
International Classes:
A61B1/00
Foreign References:
JP2002125921A2002-05-08
JPH01227737A1989-09-11
JP2000287919A2000-10-17
Attorney, Agent or Firm:
KIMURA, TAKAAKI (JP)
Takaaki Kimura (JP)
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Claims:
 大腸内視鏡本体の先端部に設けられ、大腸内へ挿入された場合に大腸内へ陰圧を供給しうる陰圧供給部を有する大腸内視鏡であって、
 上記陰圧供給部は、上記大腸内視鏡本体の後端部方向に向かって拡開するテーパ状であって上記大腸内視鏡本体の側面部よりも外方へ膨出して形成され、大腸内視鏡後端部方向へ開口する陰圧供給孔部と、上記陰圧供給孔部を介して大腸内部に陰圧を供給する陰圧供給路部とを有し、
 大腸内部に挿入された場合には、上記陰圧供給路部から上記陰圧供給孔部を介して上記大腸内視鏡後端部方向に向かって陰圧を供給して大腸内部を減圧し、上記大腸内視鏡本体外側面部に大腸壁部を密着させうることを特徴とする大腸内視鏡。
 上記陰圧供給部の後端部には、大腸内視鏡本体部よりも径方向外方へ突出し、上記密着した大腸壁部に係合しうる係合部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の大腸内視鏡。
 上記陰圧供給部は、全体略截頭円錐台形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の大腸内視鏡。
 上記陰圧供給孔部は複数設けられる一方、上記陰圧供給部には、上記陰圧供給路部が連通すると共に上記複数の陰圧供給孔部に連通する陰圧供給室が設けられ、上記陰圧供給路部からの陰圧は上記陰圧供給室を介して上記陰圧供給孔へ供給されることを特徴とする請求項1記載の大腸内視鏡。
 上記陰圧供給孔部は、上記陰圧供給部の後端部に、所定間隔をおいて全周に亘って開設されていることを特徴とする請求項2記載の大腸内視鏡。
 上記陰圧供給路部は、上記大腸内視鏡本体内部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の大腸内視鏡。
 上記陰圧供給部は、上記大腸内視鏡本体とは別体であって、上記大腸内視鏡本体に対して着脱可能に形成されていると共に上記陰圧供給路部は大腸内視鏡本体部の外部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の大腸内視鏡。
 上記陰圧供給部は、上記大腸内視鏡本体と一体に形成されていると共に上記陰圧供給路部は大腸内視鏡本体部の内部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の大腸内視鏡。
Description:
大腸内視鏡

 本発明は、大腸内視鏡に係り、特に、長 間の訓練を要することなく容易かつ安全に 査を行うことができる大腸内視鏡に関する

 従来より、大腸内視鏡検査に使用される内 鏡は、上記内視鏡の先端前面部に吸引口部 び観察レンズが設けられた前方視鏡型内視 が使用されている。
 ところで、図11に示すように、人間の大腸37 は腹膜等周辺筋繊維や臓器により固定されて いる直腸部42、下行結腸部46、上行結腸部54( 下、固定腸という)と、上記腹膜等周辺筋繊 や臓器により固定されていない、S状結腸部 38、横行結腸部49(以下、自由腸という)とによ り形成されている。
 この場合、上記固定腸と自由腸の間には、 彎曲部55、脾彎曲部50、S状結腸下行結腸移 部47と呼ばれる大きな屈曲部が存在する。

 被験者を腹臥位にさせた場合、上記固定 は背中側に腹膜により貼り付いており、こ らを後腹膜臓器という。一方、上記自由腸 腸間膜により前腹壁部に垂れ下がることと る。この状態で、大腸内視鏡を肛門から押 込んだ場合には、自由腸から固定腸へ移行 る部位において大腸内視鏡が垂れ下がった 記自由腸を押し伸ばすこととなり、結果的 、S状結腸部38は肛門36方向に対して鋭角に 曲するヘアピンカーブ状になってしまうこ となる。

 その結果、特に、S状結腸部38においては、 に大腸内視鏡を押し入れるのみでは、上記 腸内視鏡の挿入方向にS状結腸部38の腸壁が 長されるのみであり、上記内視鏡の挿入が 難であるとともに、場合によっては上記内 鏡操作に伴い、腸壁からの出血、腸壁の損 、腸壁穿孔事故が発生する可能性もあった
 内視鏡は、食道、胃、十二指腸の検査にも 用されるが、食道、胃、十二指腸はいずれ 臓器の形状や構造そのものが単純であるこ から、食道、胃、十二指腸に用いられる内 鏡に関しては、医師は内視鏡を被験者の口 ら挿入することにより、大腸内視鏡の場合 比して容易に検査作業を行うことができる

 しかしながら、大腸内視鏡検査において 、上記のような胃内視鏡等の検査とは異な 、上述のように、上記固定腸である直腸部4 2等、固定されていない上記自由腸であるS状 腸部38等の内部に大腸内視鏡を挿通させる 要があり、自由腸から固定腸への移行部に いては、S状結腸下行結腸移行部47等におい は大腸内視鏡が押入されることによりヘア ンカーブ状になってしまう非常に微妙かつ 雑な構造であって、さらに、大腸内視鏡の 厚は非常に薄いことから、大腸内視鏡の大 内への挿入作業の困難性は胃等に挿入され 内視鏡よりもはるかに高い。

 従って、従来より、大腸内視鏡により大 の内視鏡検査を行う場合には、検査を行う 師は長期間に亘って大腸内視鏡を大腸内へ 全かつ円滑に挿入するための訓練を行う必 があり、大腸内視鏡検査が国内で年間約200 件行われているにも拘わらず、大腸外科医 誰しもが大腸内視鏡の検査を容易に行うこ ができる訳ではなく、上記大腸内視鏡検査 行うための教育施設も不足しており、また 最悪の場合には、検査中に腸壁を傷つけ、 血、腸壁損傷の事故や、重大な穿孔事故が 生する可能性もある、という問題点が存し いた。

 従って、内視鏡外科学会においては、上 大腸内視鏡の挿入作業の困難性を解消する 点から、内視鏡の先端前面部に設けられた 引部において陰圧を大腸内に供給して、上 自由腸壁部を吸引して大腸内視鏡に吸着さ 、大腸内視鏡を大腸内へ押し込むのではな 、自由腸部分を大腸内視鏡と共に肛門方向 繰り返し引き戻して折り畳み、自由腸部分 畳み込んで固定化し、固定腸へ直線的に連 させた状態で、大腸内視鏡を固定腸へ挿入 る挿入方法が提案されていた。

 このような観点から、従来より、上記内視 前方に設けられた鉗子口を兼ねた吸引口か 腸管内の空気を吸引して大腸内に陰圧を形 し、自由腸内壁を内視鏡に密着させて内視 を引き戻し、自由腸であるS状結腸部、横行 結腸部の折り畳んで手前(肛門側)へ牽引し、 由腸を蛇腹状に折畳するようにして大腸内 鏡を挿入する検査方法が提案され、このよ な検査方法に使用できるように構成された 腸内視鏡が提案されている(特許文献1及び 許文献2)。

国際公開番号 WO94/ 10896

特開2002-125921

 この場合、上記特許文献1に開示された発明 にあっては、大腸内視鏡の先端前面部に形成 された折曲可能部位よりも内方に吸引部が設 けられていることから、上記折曲操作可能部 位には大腸壁部を吸着することができず、大 腸の折り畳み作業に支障を及ぼすという不具 合があった。
 また、上記特許文献2に開示された発明にあ っては、特許文献1に関する不具合は解消さ るが、上記大腸内視鏡の先端前面部におい 大腸内視鏡の側方へ向かって開口した吸引 部から大腸内部の空気を吸引させて、大腸 壁を大腸内視鏡先端部に吸着させて折り畳 ことにより短縮牽引を行うように構成され いることから、上記大腸内視鏡の先端前方 部に設けられた吸引口に隣接する観察レン 部が腸管粘膜により覆われるため大腸内視 検査に必要な視野が確保できず、内視鏡を らに挿入させることが困難である、という 題点が存していた。

 また、視界を確保するために吸引口部か の吸引状態を停止し、陰圧を解除した場合 は、内視鏡と、大腸内壁との密着が不十分 なり、大腸の折畳みが不可能となる。その 果、大腸内視鏡検査における上記のような 由腸の折り畳みによる短縮牽引を行う場合 も、長時間の訓練が必要である、という不 合が存していた。

 そこで、本願発明の課題は、大腸内への 入時における内視鏡の視界を確保しつつ、 腸壁部を大腸内視鏡に確実に吸着させて、 由腸を折り畳んで自由腸から固定腸を直線 し、検査医師が長期間の訓練を要すること く、自由腸であるS状結腸部から、同様に自 由腸である横行結腸部を介して上行結腸部の 最奥部に至るまで、大腸内視鏡を円滑かつ安 全に挿入することにより、大腸内視鏡検査を 安全かつ迅速、容易に行うことにある。

 このような技術的課題解決のため、請求 1記載の発明にあっては、大腸内視鏡本体の 先端部に設けられ、大腸内へ挿入された場合 に大腸内へ陰圧を供給しうる陰圧供給部を有 する大腸内視鏡であって、上記陰圧供給部は 、上記大腸内視鏡本体の後端部方向に向かっ てテーパ状に拡開して上記大腸内視鏡本体の 側面部よりも外方へ膨出して形成され、大腸 内視鏡後端部方向へ開口する陰圧供給孔部と 、上記陰圧供給孔部を介して大腸内部に陰圧 を供給する陰圧供給路部とを有し、大腸内部 に挿入された場合には、上記陰圧供給路部か ら上記陰圧供給孔部を介して上記大腸内視鏡 後端部方向に向かって陰圧を供給して大腸内 部を減圧し、上記大腸内視鏡本体外側面部に 大腸壁部を密着させうることを特徴とする。  

 従って、請求項1記載の発明にあっては、大 腸内視鏡が大腸内に挿入され、上記陰圧供給 路部を介して陰圧が供給され、上記陰圧供給 孔部から大腸内視鏡本体の後方に向かって、 大腸内視鏡本体外方に陰圧が形成される。
 その結果、挿入された大腸内視鏡の先端部 ら後端部方向にかけて陰圧が発生すること ら、大腸内壁は、大腸内視鏡の先端前部を き、大腸内視鏡本体の外側部に吸着される 従って、検査者は大腸壁部が吸着された大 内視鏡を手前に手繰り寄せることにより大 の自由腸部を折り畳むことができる。

 請求項2記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部の後端部には、大腸内視鏡本体部よりも 径方向外方へ突出し、上記密着した大腸壁部 に係合しうる係合部が形成されていることを 特徴とする。
 従って、請求項2記載の発明にあっては、上 記陰圧供給部から上記陰圧供給孔部を介して 陰圧が供給され大腸壁部が大腸内視鏡本体の 外側面部に密着し、検査者が大腸内視鏡を手 繰り寄せ大腸内壁を折りたたむ際には、上記 係合部を大腸内壁に係合させた状態で折り畳 むことができる。

 請求項3記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部は、全体略截頭円錐台形状に形成されて いることを特徴とする。
 請求項4記載の発明にあっては、上記陰圧供 給孔部は複数設けられる一方、上記陰圧供給 部には、上記陰圧供給路部が連通すると共に 上記複数の陰圧供給孔部に連通する陰圧供給 室が設けられ、上記陰圧供給路部からの陰圧 は上記陰圧供給室を介して上記陰圧供給孔へ 供給されることを特徴とする。

 請求項5記載の発明にあっては、上記陰圧供 給孔部は、上記陰圧供給部の後端部に、所定 間隔をおいて全周に亘って開設されているこ とを特徴とする。
 請求項6記載の発明にあっては、上記陰圧供 給路部は、上記大腸内視鏡内部に挿通されて いることを特徴とする。

 請求項7記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部は、上記大腸内視鏡本体とは別体であっ て、上記大腸内視鏡本体に対して着脱可能に 形成されていると共に上記陰圧供給路部は大 腸内視鏡本体部の外部に装着されていること を特徴とする。
 請求項8記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部は、上記大腸内視鏡本体と一体に形成さ れていると共に上記陰圧供給路部は大腸内視 鏡本体部の内部に配設されていることを特徴 とする。

 請求項1の記載の発明にあっては、大腸内 部に挿入された場合には、上記陰圧供給路部 から上記陰圧供給孔部を介して上記大腸内視 鏡後端部方向に向かって陰圧を供給して大腸 内部を減圧し、上記大腸内視鏡本体外側面部 に大腸壁部を密着させるように構成されてい る。

 その結果、大腸内壁は大腸内視鏡本体の内 観察レンズ部が設けられた先端面部におい は大腸内視鏡に密着することはないため、 腸内視鏡の挿入時に観察レンズ部が吸着し 大腸壁部により覆われて視界を失ってしま 、という事態を解消することができる。
 即ち、本発明にあっては、大腸内視鏡の操 時に陰圧を大腸内へ供給した場合には、大 壁部は大腸内視鏡本体以後の部位に密着す ことから、従来のように、柔らかい腸管粘 のうち、粘膜層及び粘膜下層が上記吸引口 により引き込まれ、上記内視鏡の先端前面 に設けられた観察レンズ部が覆われるため 腸内視鏡検査に必要な視野が確保できず、 記内視鏡を大腸内腔部に進行させることが 難となる、という不具合を有効に回避する とができる。

 また、視界を確保するために、吸着した大 壁部を観察レンズ部から除去するために、 時的に吸引口部からの吸引状態を停止し、 圧を解除する必要がなくなり、この一時的 陰圧の解除により、内視鏡と、大腸内壁と 密着が不十分となり、結果的に、大腸の折 みが不可能となる、もしくは折り畳み作業 非常に時間を要する、という不具合を解消 ることができる。
 従って、大腸内壁を大腸内視鏡に吸着させ 、自由腸の折り畳みを確実に行うことによ 、検査医師が長期間の訓練を要することな 、大腸内視鏡を自由腸であるS状結腸部から 、同様に自由腸である横行結腸部を介して上 行結腸部の最奥部に至るまで円滑かつ安全、 迅速に挿入することができ、大腸内視鏡検査 を安全かつ容易に行うことができる。

 請求項2記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部から上記陰圧供給孔部を介して陰圧が供 給され大腸壁部が大腸内視鏡本体の外側面部 に密着し、検査者が大腸内視鏡を手繰り寄せ 大腸内壁を折りたたもうとした場合には、上 記係合部が大腸壁部に係合した状態で折り畳 むことができる。
 その結果、大腸壁部が大腸内視鏡本体の外 面部に密着すると共に上記係合部が大腸壁 に係合していることから、大腸内視鏡本体 ら大腸壁部が脱落することなく、確実に大 内視鏡を肛門側に手繰り寄せて折り畳みな ら、大腸内視鏡を大腸内へ挿入することが きる。

 請求項3記載の発明にあっては、請求項2 載の効果に加えて、上記陰圧供給部は、全 略截頭円錐台形状に形成されていることか 、大腸内部への挿入時には、大腸内壁との の摩擦抵抗が小さいことから、自由腸であ ても挿入しやすく、また、大腸壁部を折り む際には、上記請求項2記載の発明における うに係合部が大腸壁部に係合するため、自 腸の折り畳み時に大腸を手繰り寄せやすく 大腸内視鏡検査を容易に行うことができる

 請求項4及び5記載の発明にあっては、上 陰圧供給孔部は複数設けられる一方、上記 圧供給部には、上記陰圧供給路部が連通す と共に上記複数の陰圧供給孔部に連通する 圧供給室が設けられ、上記陰圧供給路部か の陰圧は上記陰圧供給室を介して上記陰圧 給孔へ供給されることから、陰圧供給路部 ら陰圧が供給された場合には、陰圧供給室 介して複数の陰圧供給孔部へ陰圧が供給さ ることから、各陰圧供給孔部へ供給する陰 を平均化することができ、大腸内視鏡本体 周面部全域に略均一化された陰圧を供給す ことができる。従って、大腸壁部を均等に 腸内視鏡本体の外側面部に吸着させること できる。

 その結果、大腸壁部は大腸内視鏡本体の周 部に均等に吸着されることから、大腸内視 周面部方向において吸着のムラがなくなり 大腸内視鏡を手元に引き寄せ折り畳む際に 周面方向において部分的に大腸壁部が離脱 、その結果、大腸部が大腸内視鏡本体から 落してしまうという事態を防止することが きる。
 請求項6記載の発明にあっては、上記陰圧供 給路部は、上記大腸内視鏡内部に挿通されて いることから、大腸内視鏡挿入時にも違和感 なく挿入作業を行うことができる。

 請求項7記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部は、上記大腸内視鏡本体とは別体であっ て、上記大腸内視鏡本体に対して着脱可能に 形成されていると共に上記陰圧供給路部は大 腸内視鏡本体部の外部に装着されていること から既存の大腸内視鏡に対して容易に装着す ることができ、誰しもが容易かつ迅速に大腸 内視鏡の被験者4040への挿入を行うことがで る。
 請求項8記載の発明にあっては、上記陰圧供 給部は、上記大腸内視鏡本体と一体に形成さ れていると共に上記陰圧供給路部は大腸内視 鏡本体部の内部に配設されていることから、 より取り扱いやすく、大腸検査を容易に行う ことができる大腸内視鏡を提供することがで きる。 

 以下、添付図面に示す実施の形態に基づき 本発明にかかる大腸内視鏡10を詳細に説明 る。
 本実施の形態に係る大腸内視鏡10は、図1~図 4に示すように、大腸内視鏡本体11の先端部に 設けられ、上記大腸内視鏡本体11の径方向に って膨出する陰圧供給部12を備え、上記陰 供給部12は、大腸内視鏡本体11後方へ開口す 複数の陰圧供給孔部13と、上記陰圧供給孔 13へ陰圧を供給する陰圧供給路部14とを有し 大腸内部に挿入された場合には、上記陰圧 給路部14から上記陰圧供給孔部13を介して上 記大腸内視鏡本体11後方に向かって、大腸内 を減圧して上記大腸内視鏡本体11の外側面 に大腸壁部15を密着させうる陰圧を供給する ように構成されている。
 本実施の形態にあっては、上記陰圧供給部1 2は、上記大腸内視鏡本体11とは別体の着脱可 能な合成樹脂製の吸引キャップ16により形成 れており、一般に入手可能な大腸内視鏡の 腸内視鏡本体11に装着されている。

 上記吸引キャップ16は、全体略截頭円錐 形状であって、先端部17から後端部18にかけ 拡開するテーパ状に形成されており、上記 圧供給部12の後端部には、全周に亘って大 内視鏡本体部11よりも径方向外方へ突出し、 大腸37の折り畳み時に、大腸内視鏡10を後方 引き戻した場合には、密着した大腸壁部15に 係合する係合部32が形成されている。

 また、上記吸引キャップ16の先端部17側か ら後端部18側にかけて、大腸内視鏡本体11へ 固定部19と、上記固定部19の後端部寄りに設 られた陰圧供給室20と、上記陰圧供給室20に 直交して後端部18方向へ連設された複数の長 状の陰圧供給孔部13とを備えている。

 上記吸引キャップ16は、中空状に一体形成 れ、図3に示すように、上記固定部19は、前 内周面部に刻設されたネジ溝21により形成さ れ、図4に示すように、一般に市販されてい 既存の大腸内視鏡本体11の先端外周面部に形 成されたネジ溝22に螺合して装着しうるよう 構成されている。
 図3に示すように、上記陰圧供給室20は、吸 キャップ本体部23内に全周に亘って円環状 形成され、上記陰圧供給室20には、上記長孔 からなる陰圧供給孔部13が後端部18に向かっ 直交した状態で複数連設されている。

 上記陰圧供給孔部13は、細径であって、 端部は上記陰圧供給室20に開口して設けられ ると共に、他端部は吸引キャップ16の後端部1 8において開口しており、本実施の形態にあ ては、全周に亘って等間隔に17個設けられて いる。

 また、本実施の形態にあっては、図1に示す ように、上記陰圧供給路部14は、細径の合成 脂製であって可撓性を有する所定の長さの ューブにより形成され、医療用固定テープ の適宜の固定手段により大腸内視鏡本体11 外周面部に固定されている。
 上記チューブからなる陰圧供給路部14の先 部は、剛性を有する管体部59を介して上記吸 引キャップ16の上記陰圧供給孔部13の内の一 に固定されていると共に、他端部は大腸挿 時には肛門外方に配置され、所定の陰圧供 装置(図示せず)に接続し得るように構成され ている。

 本実施の形態にあっては、上記陰圧供給 置として、一般に医療用に使用されている 引ポンプが使用されている。この場合、こ ような吸引ポンプの吸引力は60cmhgであり、 の吸引力により充分に大腸壁部15を大腸内 鏡本体部11に対して、密着させ、かつ、密着 状態で手前に牽引して折りたたんだ場合でも 、大腸内視鏡本体部11から大腸壁部15が脱落 ない程度の陰圧を供給することができるこ が確認されている。

 図3に示すように、上記吸引キャップ部16 先端部および後端部には開口部25,26が開設 れ、後端部側の開口部26を介して大腸内視鏡 本体11の先端部27に挿通され、上記ネジ溝21,22 が螺合して固定された場合には、図1に示す うに、先端部側の開口部25を介して大腸内視 鏡本体11の先端前面部81に設けられた観察レ ズ31,ライトガイド30,吸引孔29および送気孔28 大腸内視鏡本体11前方に向かって露出する うに構成されている。

 以下、添付図面に示す実施例に基づき、本 明に係る大腸内視鏡10を使用して大腸内視 検査を行う場合について詳細に説明する。
 本実施の形態に係る大腸内視鏡10を使用す 場合には、予め、上記の吸引ポンプに上記 圧供給路部14の後端部を適宜のアダプタを介 して接続し、陰圧供給可能な状態にしておく 。

 図6(A)~(G)及び図8(H)~(L)は、内視鏡テーブル 41上において被験者40を腹ばいにさせた状態 側方から見た断面図(腹臥位側方縦断面図)で あり、図7(A)~(G)及び図9(H)~(L)は、同様に被験 40を腹ばいにさせた状態を背中側から見た縦 断面図(腹臥位上方縦断面図)である。

 本実施の形態に係る大腸内視鏡10を使用 て大腸内視鏡検査を行う場合には、図6(A)及 図7(A)に示すように、被験者40を腹臥位(腹ば い)の状態にして、下腹部(恥骨58及び前腸骨 の下方)に平面馬蹄形又は平面略V字形に形成 された枕状の挿入物35を差込み、下腹部(恥骨 58及び前腸骨棘の下方)を持ち上げさせ、被験 者40の前腹壁部33が自然下垂する状態を形成 る。

 この状態で本実施の形態に係る大腸内視 10を、図6に示すように、被験者40の肛門36か ら大腸37内へ挿入する。この場合、図6(A)及び 図7(A)に示すように、大腸内視鏡10は仙骨39の 抗により、前腹壁部33方向へ略直角に方向 換して滑落する。

 この場合、図6(A)及び図7(A)に示すように 大腸内視鏡10は直腸部42からS状結腸部38の折 返し部51に至っており、大腸内視鏡10の先端 部は肛門36から約25cm内方の位置にあるが、本 実施の形態に係る大腸内視鏡10は、図1に示す ように、大腸内視鏡本体11の系方向外方へ膨 する截頭円錐台形状の吸引キャップ16を有 ていることから、大腸37内部に挿入する場合 にあたっても、大腸壁部15に対する挿入抵抗 小さく、図4及び図5に示すように、大腸37内 に挿入するというよりも大腸壁部15を押しの るようにして、大腸37内を大腸内視鏡10の自 重及びS状結腸部38の重さの双方で自然落下状 態で進行するものであり、被検査者にとり全 くの無痛状態での挿入が可能となる。

 上記のように大腸内視鏡10が直腸部42を通過 してS状結腸部38内を下降し、前腹壁部33近傍 折り返し部51に至った場合には、上記吸引 ンプ(図示せず)を作動させて陰圧を陰圧供給 路部14を介して大腸内部へ供給する。
 供給された陰圧は、上記のように陰圧供給 20を介して大腸内視鏡本体部11の周縁部全域 に沿って吸引キャップ16の後端部18に、大腸 視鏡本体11の後端方向へ向かって開設された 17個の各陰圧供給孔部13から大腸37内部に供給 される。その結果、各陰圧供給孔部13から大 内視鏡本体11の後端部へ向かって陰圧が供 される。

 図4及び図5に示すように、陰圧は、上記陰 供給室20を介して各陰圧供給孔部13に供給さ ることから、各陰圧供給孔部13から供給さ る陰圧は略同一のものとなり、大腸内視鏡 体部11の周面方向に沿って略均一の陰圧が供 給される。
 その結果、大腸壁部15は、上記吸引キャッ 16の後端部18から大腸内視鏡本体11の後端方 にかけて密着すると共に、上記のように陰 供給孔部13から後方へ向けて陰圧が供給され ることにより大腸壁部15は大腸内視鏡本体11 先端部の後方側から吸引されて大腸内視鏡 体11に吸着するため、大腸内視鏡本体11及び 引キャップ16の外側面部82に密着するが、上 記大腸内視鏡10の先端前面部81には密着しな 。

 その結果、従来のように、大腸内視鏡本 11の先端面部81に設けられている観察レンズ 31が、密着した大腸壁部15により被覆されて まい検査者が大腸内部を視認することがで ないという事態の発生は阻止される。なお 図中符合52は腸液である。

 この状態で、検査者は、図5に示すように 、大腸内視鏡10を手前(肛門側)に引き戻し、 腸37を折り畳む作業を行う。この場合、本実 施の形態に係る大腸内視鏡10にあっては、上 吸引キャップ16は截頭円錐台形状に形成さ 、かつ、大腸内視鏡本体11の径方向外方へ突 出して大腸壁部15に係合しうる係合部32が形 されていることから、上記係合部32を大腸壁 部15に係合させた状態で大腸内視鏡10を引き し、大腸37の「引き戻し、折り畳み牽引作業 」を容易かつ迅速に行うことができる。

 その結果、上記係合部32により、大腸壁 15を確実に大腸内視鏡本体11に固定した状態 上記引き戻し作業を行うことができ、引き し作業の途中で、一度密着した大腸壁部15 大腸内視鏡本体11から離脱してしまう、とい う事態を防止することができ、効率的かつ迅 速に大腸37の折り畳み作業を行うことができ 。

 上記引き戻し作業の場合には、図6(B)に示 すように、大腸内視鏡10を直腸部42の上部ま 、肛門36から12~13cmの位置にまで引き戻す。 の引き戻し作業により、大腸内視鏡10の先端 前面部81に設けられた観察レンズ31からの視 が、再度開け、大腸内視鏡10のアングル操作 を自然開放することにより、図6(C)及び図7(C) 示すように、大腸内視鏡10の先端部は、全 壁部33の剛性抵抗により、自然にS状結腸部38 と下行結腸部46との接合部にある下行結腸移 部47へ向く。

 この間の大腸内視鏡10の進入による大腸37 の蠕動運動が発生するが、被験者40の口側に 在する空気が胃を介して腸内へ上昇し、腸 を膨張させることにより再度視界が確保さ ることとなる。また、観察レンズ31からの 界が充分ではなく、大腸内視鏡10の進行方向 の確認が不可能な場合には、鉗子孔34から青 に着色した水を排出して大腸壁部43内に流 進行方向(上下方向)の確認を行うようにする 。

 その後、図6(c)、(D)及び図7(c)、(D)に示す うに、さらに、大腸内視鏡10をS状結腸部38内 へ挿入して、上記同様の要領により、3~4回繰 り返しS状結腸部38を蛇腹状に折り畳み、S状 腸部38を短縮化する。

 この折りたたみ作業を繰り返すことによ 、下行結腸移行部47は肛門36側へ牽引される ことにより、ヘアピンカーブ状のS状結腸部38 が直線化し、下行結腸部46内に進入すること できる。下行結腸部46は固定腸であること ら、容易な挿入が可能であり、その後、図6( E)~(G)及び図7(E)~(G)に示すように、上記内視鏡 ーブル41の被験者40の頭部側(T)を下降させて 肛門36側を上昇させることにより、大腸内視 10を脾湾曲部50に滑り落として引き戻すこと によりS状結腸部38から下行結腸部46を直線化 ることができる。

 次に、横行結腸部49への挿入を行う。こ 場合、図8(H)に示すように、前腹壁部33は依 として自然下垂した状態である。従って、 行結腸部49は自由腸であることから、前腹壁 部33へ下垂した状態となっている。また、こ 場合、肛門36は大腸各部位よりも高位置に る。

 従って、図8(H)及び図9(H)に示すように、上 脾湾曲部50の比較的広い空間内で方向転換を 行うことにより、検査者は横行結腸部49の内 が視認できることから、大腸内視鏡10を横 結腸部49内へ滑り落とすように落下挿入させ る。
 そして、上記と同様の要領で吸引キャップ 16から陰圧を横行結腸部49内へ供給して、図 8(I)及び図9(I)に示すように、横行結腸部49を 腸内視鏡本体11の外周面部に密着させ、大腸 内視鏡10を肛門36側へ牽引して横行結腸部49を 折りたたむ。

 さらに、この作業を繰り返し、さらに横行 腸部49を折りたたみ、図8(J)及び図9(J)に示す ように、内視鏡テーブル41を操作して被験者4 0の後腹膜臓器及び肝臓44がある右側を低くし て、横行結腸部49の右側寄りの腸液を吸収す 。
 その後、図9(K)に示すように、検査者は大腸 内視鏡10を反時計方向へ反転(R)させることに り大腸内視鏡10の先端部を肝臓部44の内側の 抵抗にこすりつけるようにして横行結腸部49 牽引作業を行うことにより肝湾曲部55へ到 することができる。

 その後、図9(L)に示すように、大腸内視鏡10 先端部を脊椎56側へ向けて、大腸内視鏡10を 脊椎56方向へ一度上昇させるようにして肝湾 部55を乗り越え、上行結腸部54へ進入する。
 その後、固定腸である上行結腸部54を進行 ることにより大腸内視鏡10は盲腸57へ到達す ことができる。盲腸57へ到達した場合には 骨盤の腸骨の抵抗で撓み、回盲弁を観察レ ズを介して大腸内視鏡10の正面に視認するこ とができる。
 その後、吸引ポンプを停止し、大腸内視鏡1 0が抜けることのないように保持しつつ、挿 物35を取り除き、被験者40を左側臥位にして 視鏡テーブル41を水平にする。 

 本実施の形態に係る大腸内視鏡10にあっ は、上記陰圧供給部12は、全体略截頭円錐台 形状に形成されていることから、大腸内視鏡 10への挿入時に大腸内壁との摩擦抵抗が小さ ことから挿入しやすく、また、大腸壁部15 折り畳むために引き戻す際には後端部が径 向外方へ突出する係合部となっていること ら大腸壁部15に引っかかりやすく、確実に大 腸壁部を折り畳むことができる。

 従って、本実施の形態に係る大腸内視鏡10 あっては、「挿入時には大腸内壁との間の 力摩擦抵抗を小さくし、引く戻し時には可 な限り大腸内壁との間の摩擦抵抗を大きく る」という大腸内視鏡検査時における大腸 り畳み作業の原則に適合した検査を成立さ ることができる。
 また、本実施の形態に係る大腸内視鏡10は 挿入時に容易に挿入が可能であることから 大腸内視鏡10の挿入時に、検査者である医師 は余裕を持って大腸内部を視認しながら挿入 することができるため、挿入時に大腸内壁に 形成された病変を発見することができる。

 即ち、一般に、現状の大腸内視鏡検査に いては引き抜き時に病変を発見することと ているが、引き抜き時には大きな病変しか 見できず、重大な病変であっても小さな病 は見逃す場合がある、という問題点がある 本実施の形態に係る大腸内視鏡10にあって 、このような従来の大腸内視鏡検査の欠陥 克服することが可能となる。

 なお、本件発明者は、既に、特許3770902号 (特願2005―263071号)において、肛門部36に装着 て肛門36から大腸37内に陰圧を供給し、上記 陰圧を利用して挿入した大腸内視鏡10の周面 に大腸壁部15を吸着させ、上記同様に自由 であるS状結腸部38及び横行結腸部49を牽引し て直線化させうる大腸内視鏡補助具を提案し ている。

 図10に示すように、このような大腸内視 補助具80は、大腸内視鏡と共に使用され、直 腸肛門部内に配置され、大腸内視鏡が内部に 挿通される管本体部60と、上記管本体部60に けられ、上記直腸肛門部から大腸内を減圧 て、大腸内視鏡の上記内視鏡筒部外側面部 大腸内壁を密着させうる吸引減圧部61とを備 えている。

 また、上記吸引減圧部61は、上記管本体 60に設けられた複数の孔部62と、上記複数の 部62を介して、上記孔部62から大腸内部の空 気を吸引して大腸内部に陰圧を形成しうる減 圧機構63とを有し、上記減圧機構63は、上記 数の孔部62へ連通する陰圧供給通路64と、上 陰圧供給通路64を介して陰圧を供給しうる 圧供給部65とを有する。

 また、上記管本体部60には、大腸内視鏡が 記管本体部60内に円滑に挿通されるように管 本体部60内部に潤滑剤を供給しうる潤滑剤供 部66が設けられている。
 また、上記管本体部60の基部67側には、挿通 される大腸内視鏡と圧接して、外部から上記 管本体部60への空気の流入を防ぐことができ 空気流入遮断部68が設けられている。また 上記管本体部60を上記直腸肛門部内に固定し うる固定部69を有している。

 また、上記固定部69は、上記管本体部60の外 部に設けられ、流体が供給されることにより 上記管本体部11外方へ膨出しうる膨出部70と この膨出部70へ流体を供給しうる流体供給部 71を有する。
 上記膨出部70は、上記管本体部60の先端部71 設けられ、内部に流体が供給されることに り膨出するバルーン体72により構成されて る。また、上記バルーン体72は、上記管本体 部60の全周に亘って設けられている。また、 記管本体部60の基部側には、上記管本体部60 を肛門部外方において支持しうる保持片73が けられている。 

 本件発明者は、上記特許発明に係る大腸 視鏡補助具80の完成後、さらに研究を進め 結果、本実施の形態に係る大腸内視鏡10の完 成に至ったものである。この場合、上記特許 第3770902号に係る大腸内視鏡補充具80に対する 本実施の形態に係る大腸内視鏡10の優位点は 下の点にある。

 第一に、肛門側のみから吸引しても陰圧 内視鏡先端部まで完全に届かない場合があ 。即ち、肛門36から大腸内部へ大腸内視鏡 挿入し、図8(H)に示すように、S状結腸部38及 下行結腸部46を直線化させ、大腸内視鏡が 行結腸部49に到達した場合であっても、図11 示すように、脾湾曲部50が鋭角状に屈曲し いることから、肛門36から供給される陰圧が 脾湾曲部50を回りこみにくく、大腸内視鏡の 端部まで陰圧が届きにくくなる事態がある その結果、挿入された大腸内視鏡への吸着 充分に行われない場合がある。

 第二に、本来、大腸37は上行結腸部54の先端 部において小腸につながっており、小腸は食 道を介して口から大気に開放されている。従 って、大腸37はその両端部において大気に開 された「開放空間」として形成されている 従って、肛門側のみからの陰圧の供給では 腸内部に充分な陰圧を形成することができ い場合がある。
 従って、大腸内視鏡の先端部において陰圧 供給することにより、大腸内視鏡へ大腸壁 を吸着させうるのに必要な陰圧空間を内視 に沿って形成することができる。

 第三に、腸は自然に小腸から大腸へと蠕 運動を行う。その結果、大腸内部へ小腸側 ら空気が常時供給されてしまい、充分な陰 空間を形成することができない場合がある  従って、肛門側からのう陰圧の供給では 体として充分に大腸壁部を大腸内視鏡に吸 させられない場合が生ずる。

 第四に、肛門に「痔ろう」がある場合等に 、肛門側を密閉することができず、大腸内 充分な陰圧を形成することができない場合 ある。
 以上のような、本願発明者による実際に大 内視鏡を使用しての臨床検査における事情 基づき、本実施の形態に係る大腸内視鏡10 開発されたものである。

しかしながら、本実施の形態に係る大腸内視 鏡10を使用する際に、上記特許3770902号に係る 大腸内視鏡補助具80を同時に利用してもよい
 本実施の形態に係る大腸内視鏡10と特許37709 02号に係る大腸内視鏡補助具80とを併用する とにより、大腸内視鏡10の先端部側及び肛門 36側の双方から陰圧を大腸37内部へ供給する とができ、大腸内視鏡の挿入時に、大腸37内 部においてより均等な陰圧状態を形成できる ことから、さらに確実に大腸壁部15を大腸内 鏡10に対して吸着させ、確実な大腸37の牽引 作業を行うことが可能となる。

 なお、本実施の形態に係る大腸内視鏡10に っては、上記陰圧供給部12は、上記大腸内視 鏡本体11とは別体であって、上記大腸内視鏡 体11に対して着脱可能に形成されていると に上記陰圧供給路部14は大腸内視鏡本体部11 外部に配設されている場合を例に説明した 、上記実施の形態に限定されず、上記陰圧 給部12は、上記大腸内視鏡本体11と一体に形 成されていると共に大腸内視鏡本体11の内部 配設されるように構成されていてもよい。
 また、上記陰圧供給部12の具体的構成に関 ては、上記実施の形態に限定されない。

 本発明に係る大腸内視鏡は、広く、大腸 視鏡を大腸内へ挿入して大腸壁部を大腸内 鏡へ吸着させて自由腸を折り畳み、自由腸 固定腸とを直線化して大腸内視鏡を挿入し 大腸内視鏡検査を行う技術に広く適用する とができる。

本発明に係る大腸内視鏡の一実施の形 を示す斜視図であって、既存の大腸内視鏡 対して、吸引キャップ及び陰圧供給路部を り付けた状態を示す図である。 本発明に係る大腸内視鏡の一実施の形 を示す斜視図であって、先端部に取り付け れた吸引キャップおよび陰圧供給路部を後 から見た状態を示す斜視図である。 本発明に係る大腸内視鏡に使用される 引キャップの一実施の形態を示す縦断面図 ある。 本発明に係る大腸内視鏡を大腸内に挿 している状態を示す概略図である。 本発明に係る大腸内視鏡に装着された 圧供給路部及び吸引キャップを介して大腸 へ陰圧を供給して大腸壁部を大腸内視鏡本 の周面部に吸着させた状態で肛門側へ引き S状結腸等の自由腸を折り畳んでいる状態を 示す概念図である。 本発明に係る大腸内視鏡を大腸内に挿 して、陰圧を供給して大腸壁部を大腸内視 本体の周面部に吸着させた状態で肛門側へ き、S状結腸を折り畳む作業を繰り返し、S 結腸から下行結腸までを直線化させる過程 、被験者の側方側から示す概念図である。 本発明に係る大腸内視鏡を大腸内に挿 して、陰圧を供給して大腸壁部を大腸内視 本体の周面部に吸着させた状態で肛門側へ き、S状結腸を折り畳む作業を繰り返し、S 結腸から下行結腸までを直線化させる過程 、被験者の上方側から示す概念図である。 本発明に係る大腸内視鏡を大腸内に挿 して、陰圧を供給して大腸壁部を大腸内視 本体の周面部に吸着させた状態で肛門側へ き、S状結腸を折り畳む作業を繰り返すこと により、S状結腸から下行結腸までを直線化 せた後、横行結腸を同様に折り畳み、上行 腸から盲腸部に至るまで大腸内視鏡を挿入 る過程を、被験者の側方側から示す概念図 ある。 本発明に係る大腸内視鏡を大腸内に挿 して、陰圧を供給して大腸壁部を大腸内視 本体の周面部に吸着させた状態で肛門側へ き、S状結腸を折り畳む作業を繰り返すこと により、S状結腸から下行結腸までを直線化 せた後、横行結腸を同様に折り畳み、上行 腸から盲腸部に至るまで大腸内視鏡を挿入 る過程を、被験者の上方側から示す概念図 ある。 同一の発明者の発明に係る特許第377090 2号の大腸内視鏡補助具を示す縦断面図であ 。 大腸を一般的、模式的に示す概略図で ある。

符号の説明

10 大腸内視鏡
11 大腸内視鏡本体                             
12 膨出部
13 陰圧供給孔部
14 陰圧供給路部
15 大腸壁部
16 吸引キャップ
17 先端部
18 後端部
19 固定部
20 陰圧供給室
21 ネジ溝
22 ネジ溝
23 吸引キャップ本体部
24 外側面部
25 開口部
26 開口部
27 先端部
28 送気孔
29 吸気孔
30 ライトガイド
31 観察レンズ
32 係合部
33 前腹壁部
34 鉗子孔
35 挿入物
36 肛門
37 大腸
38 S状結腸部
39 仙骨
40 被験者
41 内視鏡テーブル
42 直腸部
43 左側壁部
44 肝臓部
45 腸管
46 下行結腸部
47 下行結腸移行部 
48 腸骨アーチ
49 横行結腸部
50 脾湾曲部
51 折り返し部
52 腸液
54 上行結腸部
55 肝湾曲部
56 脊椎
57 盲腸
58 恥骨
59 管体部
60 管本体部
61 吸引減圧部
62 孔部
63 減圧機構
64 陰圧供給通路
65 潤滑剤供給部 
67 基部
68 空気流入遮断部
69 固定部
70 膨出部
71 先端部
72 バルーン体
73 保持片
80 大腸内視鏡補助具
81 先端前面部
82 外側面部