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Title:
{2-(4-HYDROXYPHENOXY)PROPIONYL}THIOCARBAZINIC ACID ESTER AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096039
Kind Code:
A1
Abstract:
A compound useful as an intermediate for obtaining a thiadiazole-based acaricide having a high purity in a high yield. This intermediate is obtained, for example, by reacting a 2-(4-hydroxyphenoxy)propionic acid ester represented by the following formula [II]: (wherein R2 represents C1-4 alkyl) with a compound represented by the following formula [III]: (wherein R1 represents C1-4 alkyl).

Inventors:
FUJII HIDEYO (JP)
OKADA ITARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051674
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
February 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AGRO KANESHO CO LTD (JP)
FUJII HIDEYO (JP)
OKADA ITARU (JP)
International Classes:
C07C337/02; C07D285/12; C07D417/12
Foreign References:
JP2003055375A2003-02-26
JPS63246373A1988-10-13
JPS6310776A1988-01-18
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio (Shin-Tokyo Bldg. 3-1, Marunouchi 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 55, JP)
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Claims:
 次式[I]で示される{2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニル}チオカルバジン酸エステル。

 (式中、R 1 は、C1~C4のアルキル基を示す。)
 請求項1に記載の{2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニル}チオカルバジン酸エステルを製造する方法であって、
 次式[II]、

(上記式中、R 2 は、C1~C4のアルキル基を示す。)
で表される 2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステルを、
 次式[III]、

(式中、R 1 は、C1~C4のアルキル基を示す。)
で表されるチオカルバジン酸エステルと反応させることを特徴とする方法。
Description:
{2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロ ピオニル}チオカルバジン酸エステル及びそ 製造方法

 本発明は、{2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プ ロピオニル}チオカルバジン酸エステル及び の製造法に関する。このエステルは、例え 、特許文献1~5に開示されているチアジアゾ ル系の殺ダニ剤を、高純度かつ高収率で得 ための中間体として有用な化合物である。

 従来、チアジアゾール系の殺ダニ剤を製 するのに、各種のチオカルバジン酸化合物 利用されていた。

特開昭63-10776号公報

特開昭63-246373号公報

特開2003-26515号公報

特開2003-26517号公報

特開2003-26516号公報

 本発明は、従来知られていない特定構造 有する{2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオ ニル}チオカルバジン酸エステルを使用する とにより、チアジアゾール系の殺ダニ剤を 従来よりも高純度、高収率で得ることがで ることを見出し、本発明に到達したもので る。

 即ち、下記式[I]で表わされる{2-(4-ヒドロ シフェノキシ)プロピオニル}チオカルバジ 酸エステルと、クロロベンゼン又はクロロ リジン [IV]と反応させて得た高純度な下記 [V]で表わされる{2-[4-(4-トリフルオロメチル ェニルオキシ)フェノキシ]プロピオニル}チ カルバジン酸エステル又は{2-[4-(5-トリフル ロメチルピリジン-2-イルオキシ)フェノキシ] プロピオニル}チオカルバジン酸エステルを 硫酸等の脱水剤で閉環することにより、以 のスキームにおける式[VI]で示されるような アジアゾール系の殺ダニ剤を高純度かつ高 率で得ることができる。

(上記式中、R 1 は、C1~C4のアルキル基を示し、Yは、CH又はNを 示す。)

 上記の通り、{2-(4-ヒドロキシフェノキシ) プロピオニル}チオカルバジン酸エステルは れまで知られたものではなかった。即ち、 発明のチオカルバジン酸エステル化合物は 新規化合物であり、従って、その製造方法 知られていない。

 従って、本発明は、{2-(4-ヒドロキシフェノ シ)プロピオニル}チオカルバジン酸エステ 及びその製造方法を提供することにある。
 即ち、本発明の式[I]で示される{2-(4-ヒドロ シフェノキシ)プロピオニル}チオカルバジ 酸エステルは、これまでの中間体と比較し 、その製造に使用される以下で説明する式[I I]の中間体の光学純度が99%ee(eeは、鏡像体過 率を示す。この場合、R体が99%であることを 味する。)であり、これにより、得られる本 発明の中間体[I]の光学純度は98~99%eeとなり、 とんど光学異性化されない。このような高 学純度の式[I]から高光学純度の式[V]を得る とができる。一方、例えば、特許文献5で開 示されている式[IV]の中間体の光学純度は、85 .2%eeであり、これは、その原料となる、式[V] 示される2-[4-(5-トリフルオロメチルピリジ -2-イルオキシ)フェノキシ]プロピオン酸エス テルの光学純度が84.1%eeと低いことによるも と理解される。このように、本発明の中間 は、これまでの中間体と比べて、工業的価 の高い製造方法を提供することができる。

 以下、本発明について、詳述する。
 本発明の新規な中間体は、次式[I]で示され 。

 (式中、R 1 は、C1~C4のアルキル基を示す。)
 本発明の{2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピ オニル}チオカルバジン酸エステルは、以下 ようにして製造することができる。
 即ち、下記一般式[II]、

(上記式中、R 2 は、C1~C4のアルキル基を示す。)
で表される2-(4-ヒドロキシフェノキシプロピ ン酸エステルを、
 下式[III]、

(上記式中、R 1 は、C1~C4のアルキル基を示す。)
で表されるチオカルバジン酸エステルと反応 させることにより得られる。

 一般式[I]、一般式[II]及び一般式[III]におい 、R 1 及びR 2 は、C1~C4のアルキル基を意味する。アルキル としては、直鎖でも、分岐鎖していてもよ 。
 このようなアルキル基としては、具体的に 、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イ プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec -ブチル基、tert-ブチル基などが好適に挙げら れる。これらのアルキル基は、R 1 及びR 2 として、独立に使用することができる。R 1 としては、特に好ましいアルキル基は、例え ば、エチル基であり、R 2 としては、メチル基である。

 本発明の化合物は不斉炭素を含む。従っ 、本発明の化合物は、不斉炭素に基づく光 異性体(R体及びS体)が含まれる。即ち、本発 明の化合物には、それらの光学異性体及びそ れらの混合物、ラセミ体が含まれる。

 上記式[II]で示される化合物と、上記式[II I]で示される化合物とは、例えば、ナトリウ メトキシドや、ナトリウムエトキシド等の 基の存在下において、例えば、ベンゼンや トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o- クロロベンゼン等の芳香族溶媒中、例えば 10~50℃、好ましくは、10~15℃で反応させるこ により、上記一般式[I]の化合物を得ること できる。

 式[III]の化合物は、例えば、式[II]の化合物 1.0倍モル~1.5倍モル、好ましくは1.0倍~1.3倍 ルで使用することが好ましい。
 ナトリウムメトキシドや、ナトリウムエト シド等の塩基は、式[II]の化合物の1.0~1.7倍 ル、好ましくは、1.3~1.5倍モルが好ましい。
 反応後、式[I]の化合物は、反応生成物を、 えば、塩酸や、硫酸などの鉱酸で中和後、 晶を析出させることにより、単離すること できる。この際、エーテルや、酢酸メチル 酢酸エチル等を用いて抽出してもよい。結 をろ過又は抽出液を減圧蒸留することによ 、極めて容易に目的化合物である式[I]の化 物を、高純度かつ高収率で得ることができ 。

 上記式[II]の化合物は、工業的に入手でき る。一方、この化合物は、例えば、特開平2-3 11444号公報等に記載の方法に従って容易に合 することもできる。また、上記式[III]のチ カルバジン酸エステルは、キサントゲン酸 トリウム又はキサントゲン酸カリウムと、 ドラジンヒドラートから容易に合成するこ ができる。

 次に、本発明について、実施例によって更 具体的に説明するが、本発明の範囲は、こ らの実施例によって何ら限定されるもので ない。
 なお、以下の実施例で言及する「ee」(鏡像 過剰率)は、以下の式により算出される。

     ee=(R体-S体)/ (R体+S体)×100(%)

実施例1
(R)-3-[2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニ ]チオカルバジン酸-O-エチルエステルの製造
 チオカルバジン酸-O-エチルエステル 100g(0.8 3mol)をトルエン300mlに溶解し、メチル (R)-2-(4- ヒドロキシフェノキシ)プロピオネート150g(0.7 6mol)を加え、5~10℃に氷冷した。28%ナトリウム メトキシドのメタノール溶液 221g(1.1mol)を10~1 5℃の温度を保ちながら40分間で加え、10~15℃ 24時間撹拌した。氷冷下、15℃を越えないよ うに、3.5%塩酸1000mlを加えると結晶が析出し 。結晶をろ別し、水500mlで2回懸濁洗浄し、 キサン500mlで2回洗浄し目的物 187g(収率87%)、 mp145~147℃、 純度99%、光学純度99%ee、比旋光 [α] 23 D =+53.7°(C=1.0, メタノール)を得た。

1H-NMR (DMSO-d 6 ) δppm; 1.14-1.28(m, 3H), 1.41-1.46(m, 3H), 4.31-4.  43 (m, 2H), 4.54-4.63(m, 1H), 6.62-6.82(m, 4H), 8.99( d, 1H), 10.27-10.84(m, 2H)

実施例2
(R)-3-[2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニ ]チオカルバジン酸-O-メチルエステルの製造
 チオカルバジン酸-O-メチルエステル5.25 g(49 .5 mmol)をトルエン18mlに溶解し、メチル (R)-2- (4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオネート8.83g (45.0mmol)を加え、5~10℃に氷冷した。28%ナトリ ムメトキシドのメタノール溶液 13.0g(67.5mmol )を10~15℃の温度を保ちながら20分間で加え、1 0~15℃で24時間撹拌した。氷冷下、15℃を越え いように、3.5%塩酸60mlを加えると結晶が析 した。結晶をろ別し、水50mlで2回懸濁洗浄し 、ヘキサン30mlで2回洗浄し目的物8.73g(収率72%) 、mp149~150℃、 純度98%、光学純度99%ee、比旋 度[α] 23 D  =+49.7°(C=1.0, メタノール)を得た。

1H-NMR (DMSO-d 6 ) δppm; 1.38-1.45(m, 3H), 3.86(d, 2H), 4.52-4.64(m,  1H), 6.61-6.80(m, 4H), 8.97(d, 1H), 10.28-10.88(m, 2H)

実施例3
(R)-3-[2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニ ]チオカルバジン酸-O-プロピルエステルの製
 チオカルバジン酸-O-プロピルエステル 6.99g (52.1mmol)をトルエン15mlに溶解し、メチル (R)-2 -(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオネート8.50 g(43.4mmol)を加え、5~10℃に氷冷した。28%ナトリ ウムメトキシドのメタノール溶液 12.5g(65.1mmo l)を10~15℃の温度を保ちながら20分間で加え、 10~15℃で24時間撹拌した。氷冷下、15℃を越え ないように、3.5%塩酸60mlを加えると結晶が析 した。結晶をろ別し、水50mlで2回懸濁洗浄 、ヘキサン30mlで2回洗浄し目的物 10.0g(収率7 8%)、mp104~105℃、純度99%、光学純度99%ee、比旋 度[α] 23 D =+49.9°(C=1.0, メタノール)を得た。

1H-NMR (DMSO-d 6 ) δppm; 0.81-0.93(m, 3H), 1.42(t, 3H), 1.51-1.70(m,  2H), 4.24-4.34(m, 2H), 4.52-4.65(m, 1H), 6.60-6.82(m,  4H), 8.98(d, 1H), 10.26-10.85(m, 2H)

実施例4
3-[2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニル] オカルバジン酸-O-エチルエステルの製造
 チオカルバジン酸-O-エチルエステル 4.62g(38 .5mmol)をトルエン15mlに溶解し、メチル-2-(4-ヒ ロキシフェノキシ)プロピオネート6.86 g(35.0 mmol)を加え、5~10℃に氷冷した。28%ナトリウム メトキシドのメタノール溶液 10.1g(52.5mmol)を1 0~15℃の温度を保ちながら20分間で加え、10~15 で24時間撹拌した。氷冷下、15℃を越えない ように、3.5%塩酸50mlを加えると結晶が析出し 。結晶をろ別し、水30mlで2回懸濁洗浄し、 キサン30mlで2回で洗浄し目的物 7.71g(収率78%) 、mp134~136℃、 純度99%を得た。

1H-NMR (DMSO-d 6 ) δppm; 1.12-1.26(m, 3H), 1.39-1.44(m, 3H), 4.29-4.44 (m, 2H), 4.51-4.64(m, 1H), 6.60-6.80(m, 4H), 8.98(d,  1H), 10.26-10.83(m, 2H)

実施例5
(S)-3-[2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオニ ]チオカルバジン酸-O-エチルエステルの製造
 チオカルバジン酸-O-エチルエステル 1.68g(14 .0mmol)をトルエン7.5mlに溶解し、メチル (S)-2-( 4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオネート2.50g( 12.7mmol)を加え、5~10℃に氷冷した。28%ナトリ ムメトキシドのメタノール溶液 3.67g(19.1mmol) を10~15℃の温度を保ちながら10分間で加え、10 ~15℃で24時間撹拌した。氷冷下、15℃を越え いように、3.5%塩酸18mlを加えると結晶が析出 した。結晶をろ別し、水10mlで2回懸濁洗浄し トルエン10mlで2回洗浄し目的物 2.68g(収率74% )、mp146~147℃、 純度99%、光学純度99%eeを得た

1H-NMR (DMSO-d 6 ) δppm; 1.14-1.28(m, 3H), 1.41-1.46(m, 3H), 4.31-4.  43 (m, 2H), 4.54-4.63(m, 1H), 6.62-6.82(m, 4H), 8.99( d, 1H), 10.27-10.84(m, 2H)

 本発明の中間体は、上記のように、チア アゾール系の殺ダニ剤を、高純度かつ高収 で得るための中間体として有用な化合物で る。