| JP3314260 | CONTROLLER AND CONTROL METHOD FOR POWER CONVERTER |
| JP2009165281 | SPEED-SENSORLESS VECTOR CONTROL DEVICE |
| JP01259781 | CONTROL METHOD OF POWER CONVERTER |
三菱電機株式会社 (〒10 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 Tokyo, 1008310, JP)
| 直流電源側にリアクトルとコンデンサからなるLCフィルタ回路を有し、前記コンデンサの両端電圧(コンデンサ電圧)を任意の周波数の交流電圧に変換するインバータを介して交流電動機をベクトル制御する交流電動機のベクトル制御装置において、 前記交流電動機を電流指令、あるいはトルク指令に応じてベクトル制御を行うベクトル制御部と、 前記コンデンサ電圧の変動を抑制するダンピング操作量を算出するダンピング制御部とを備え、 前記ダンピング制御部は、前記コンデンサ電圧の変動割合を算出し、その変動割合に応じた前記ダンピング操作量により前記ベクトル制御部の前記電流指令、あるいは前記トルク指令を操作し、前記コンデンサ電圧の変動に対して変動を抑える方向に前記インバータを流れる電流が変化するように前記インバータを制御する ことを特徴とする交流電動機のベクトル制御装置。 |
| 前記ダンピング制御部は、入力された前記コンデンサ電圧を、前記コンデンサ電圧に含まれる直流成分で割ることにより、前記コンデンサ電圧の変動割合を算出することを特徴とする請求項1記載の交流電動機のベクトル制御装置。 |
| 前記ダンピング制御部は、前記コンデンサ電圧に含まれる不要な高周波成分をカットした信号と、前記コンデンサ電圧に含まれる直流成分とを加算した信号を、前記コンデンサ電圧に含まれる直流成分で割ることにより、前記コンデンサ電圧の変動割合を算出することを特徴とする請求項1記載の交流電動機のベクトル制御装置。 |
| 前記ダンピング制御部は、前記コンデンサ電圧の変動割合を二乗して前記ダンピング操作量を算出することを特徴とする請求項1記載の交流電動機のベクトル制御装置。 |
| 前記ダンピング制御部は、前記交流電動機の力行運転時には、前記コンデンサ電圧の変動割合を二乗して得た信号の値をダンピング操作量とし、 前記交流電動機の回生運転時には、前記コンデンサ電圧の変動割合を二乗して得た信号の位相を反転した信号の値をダンピング操作量とすることを特徴とする請求項1記載の交流電動機のベクトル制御装置。 |
| 前記ダンピング制御部は、前記ダンピング操作量の上下限をリミッタで制限することを特徴とする請求項1記載の交流電動機のベクトル制御装置。 |
| 前記交流電動機は、電気車駆動用の交流電動機であることを特徴とする請求項1記載の交流電動機のベクトル制御装置 |
本発明は、交流電動機をベクトル制御す 交流電動機のベクトル制御装置に関する。
交流電動機をインバータを使用してベク ル制御する技術は、産業界で広く利用され いる。電気鉄道においても、従来から広く 用されている技術であるが、直流き電の電 鉄道に上記システムを適用する場合、イン ータの直流側に配置される高調波吸収用の アクトルとコンデンサからなるLCフィルタ 路に電気振動が発生し、コンデンサの両端 圧(コンデンサ電圧)が振動し、電動機の制御 が不安定化することが知られており、これを 抑制するためのダンピング制御方法が非特許 文献1、非特許文献2に示されている。
非特許文献1、非特許文献2とも、コンデン
の電圧を検出し、バンドパスフィルタ(以下B
PF)により振動成分を抽出して位相を調整して
、ゲインを掛けて得たダンピング操作量を、
すべり周波数指令(非特許文献1)、あるいはト
ルク指令(非特許文献2)に加算する構成のダン
ピング制御部を付加して、LCフィルタ回路の
気振動を抑制する構成としている。
なお、非特許文献1は、すべり周波数制御を
適用した電動機制御系への適用例であり、非
特許文献2は、ベクトル制御を適用した電動
制御系への適用例である。
前記従来のダンピング制御部は、BPFとゲイ
からなる制御系から構成されている。BPFの
定に関しては、リアクトルとコンデンサの
振周波数成分を位相遅れなく検出できるよ
に、その定数を設定すればよいが、ゲイン
設定に関しては、ゲインが最適値よりも低
ぎると電気振動の抑制効果が不十分となり
高すぎると上記共振周波数よりも高い周波
の電気振動が継続発生してしまうので、そ
中間の最適なゲイン設定とせねばならない
ところが、非特許文献1に示されているよう
、LCフィルタ回路の電気振動を効果的に抑制
し安定化が可能な最適ゲイン範囲は極めて狭
く、調整が容易ではない。非特許文献1では
制御系を周波数領域で解析し、最適なゲイ
設定を算出することが試みられているが、
の算出過程は簡単ではなく、また依然とし
算出されたゲインを、制御系へ設定する作
が必要である。また、非特許文献1に示され
いるように、算出過程の式で電動機の定数
使用されているため、インバータに接続さ
る電動機の種類が変われば、それに対応す
ゲインを再度算出して設定せねばならない
このように、従来のダンピング制御部のゲイ
ン設定には非常に手間が掛かっていた。
本発明は、上記問題を解決するためにな れたものであり、LCフィルタ回路の電気振 を抑制するための制御系の調整作業を簡略 できる交流電動機のベクトル制御装置を提 することを目的とするものである。
本発明は、直流電源側にリアクトルとコン
ンサからなるLCフィルタ回路を有し、前記
ンデンサの両端電圧(コンデンサ電圧)を任意
の周波数の交流電圧に変換するインバータを
介して交流電動機をベクトル制御する交流電
動機のベクトル制御装置において、
前記交流電動機を電流指令、あるいはトルク
指令に応じてベクトル制御を行うベクトル制
御部と、前記コンデンサ電圧の変動を抑制す
るダンピング操作量を算出するダンピング制
御部とを備え、前記ダンピング制御部は、前
記コンデンサ電圧の変動割合を算出し、その
変動割合に応じた前記ダンピング操作量によ
り前記ベクトル制御部の前記電流指令、ある
いは前記トルク指令を操作し、前記コンデン
サ電圧の変動に対して変動を抑える方向に前
記インバータを流れる電流が変化するように
前記インバータを制御するものである。
本発明に係る交流電動機のベクトル制御 置によれば、LCフィルタ回路の電気振動を 制するための制御系の調整作業を簡略化で る。
1:直流電源
2:リアクトル
3:コンデンサ
4:インバータ
5a~5c:電流検出器
6:交流電動機
7:速度検出器
8:q軸電流指令生成部
9:d軸電流指令生成部
10、11:減算器
12:q軸電流制御器
13:d軸電流制御器
14:電圧非干渉演算部
17、18:加算器
19:すべり周波数指令生成部
20:加算器
21:積分器
22:dq軸-三相座標変換器
23:三相-dq軸座標変換器
24:掛算器
30:ベクトル制御部
40:ダンピング制御部
41:ハイパスフィルタ
42:ローパスフィルタ
43:ローパスフィルタ
44:加算器
45:割算器
46:減算器
47:スイッチ
48:二乗演算器
49:リミッタ
50:ベクトル制御装置
60:抵抗
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における交流
動機のベクトル制御装置の構成を示すブロ
ク図である。
図1に示すように、主回路は直流電源1、高
波電流が電源側に流出するのを抑制するた
に、リアクトル2とコンデンサ3からなるLCフ
ルタ回路を有しており、前記コンデンサ3の
両端電圧(コンデンサ電圧)Efcを、任意の周波
の交流電圧に変換するインバータ4により交
流に変換し、交流電動機6をベクトル制御す
ベクトル制御装置50を有している。
ベクトル制御装置50は、ベクトル制御部30と
ンピング制御部40から構成され、交流電動機
6の回転速度を検出する速度検出器7からの信
ωr、電動機電流を検出する電流検出器5a~5c
らの信号Iu、 Iv、 Iw、コンデンサ3の電圧Efc
が入力される。
なお、電流検出器は最低2相に設けてあれば
、のこり1相は演算して算出できるので、そ
ように構成してもよい。
また、速度検出器7を設けずに、交流電動機6
回転速度を演算して算出する速度センサレ
ベクトル制御方式も実用化されており、そ
場合は速度検出器7は不要となる。
さらに、交流電動機6としては、以下では誘
電動機を使用した構成例で説明するが、本
明で開示するダンピング制御部40は、交流電
動機6として同期電動機を使用した場合にも
用である。
次に、ベクトル制御部30の構成を説明する
ベクトル制御部30は、交流電動機6の二次磁
軸に一致した軸をd軸とし、前記d軸に直交
る軸をq軸と定義されたdq軸回転座標系上で
流電動機の制御を行う、所謂ベクトル制御
行うものである。
ベクトル制御部30には、上位の制御部(図示し
ない)で生成されるトルク基本指令Tm0*、二次
束指令φ2*、電流検出器5a~5cにより検出され
U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwが入力され
構成とし、交流電動機6が発生するトルクTm
、トルク基本指令Tm0*から生成されるトルク
指令Tm*(生成方法は以下に説明する)と一致す
ように制御される。
次いで、ベクトル制御部30内部の各機能ブ
ックの構成を説明する。
q軸電流指令生成部8、d軸電流指令生成部9で
は、外部の制御部(図示せず)より入力される
ルク基本指令Tm0*にダンピング操作量DAMPCN(
述する)を積算したトルク指令Tm*と、二次磁
指令φ2*と、交流電動機6の回路定数とから
次式(1)および(2)にて、d軸(励磁分)電流指令Id
*、q軸(トルク分)電流指令Iq*を演算する。
ただし、式(1)および(2)において、L2は電動機
二次自己インダクタンスであり、L2=M+l2で表
現される。Mは相互インダクタンス、l2は二次
漏れインダクタンス、sは微分演算子、PPは交
流電動機6の極対数、R2は交流電動機6の二次
抗を示す。
Iq*=(Tm*/(φ2*・PP))・(L2/M)・・・・・(1)
Id*=φ2*/M+L2/(M・R2)・sφ2*・・・・・・(2)
すべり角周波数指令生成部19では、d軸電流
令Id*、q軸電流指令Iq*と交流電動機6の回路
数から、次式(3)より、交流電動機6に与える
べり角周波数指令ωs*を演算する。
ωs*=(Iq*/Id*)・(R2/L2)・・・・・(3)
この式(3)により算出したすべり角周波数 令ωs*と、交流電動機6の軸端に取り付けら た速度検出器7の出力である回転角周波数ωr を、加算器20で加えたものを、インバータ4 出力するインバータ角周波数ωとし、これ 積分器21で積分した結果を座標変換の位相角 θとして、dq軸-三相座標変換器22、三相-dq軸 標変換器23に入力する。
三相-dq軸座標変換器23では、電流検出器5a~5c
により検出されたU相電流Iu、V相電流Iv、W相
流Iwを、次式(4)により算出するdq座標上のd軸
電流Idとq軸電流Iqとに変換する。
減算器10はq軸電流指令Iq*とq軸電流Iqの差を
り、結果を次段のq軸電流制御器12に入力す
。q軸電流制御器12は、入力された値を比例
分制御し、q軸電圧補償値qeを出力する。
減算器11はd軸電流指令Id*とd軸電流Idの差を
り、結果を次段のd軸電流制御器13に入力す
。d軸電流制御器13は、入力された値を比例
分増幅し、d軸電圧補償値deを出力する。
q軸電流誤差qe、d軸電流誤差deは、次式(5)、(6)
で表現される。
なお、下式において、sは微分演算子、K1;比
ゲイン、K2;積分ゲインである。
qe=(K1+K2/s)・(Iq*-Iq)・・・・・(5)
de=(K1+K2/s)・(Id*-Id)・・・・・(6)
電圧非干渉演算部14では、d軸電流指令Id*と
q軸電流指令Iq*と、交流電動機6の回路定数
から、次式(7)、(8)によりd軸フィードフォワ
ド電圧Ed*、q軸フィードフォワード電圧Eq*を
演算する。
ただし、式(7)および式(8)において、σはσ=1-M 2
/(L1・L2)で定義される漏れ係数である。また
L1は電動機の一次自己インダクタンスであり
、L1=M+l1で計算される。L2は二次自己インダク
タンスであり、L2=M+l2で計算される。(l1は一
漏れインダクタンス、l2は二次漏れインダク
タンス)
Ed*=-ω・L1・σ・Iq*+(M/L2)・sφ2*・・・・・(7)
Eq*=ω・L1・σ・Id*+(ω・M・φ2*)/L2・・・・・
(8)
加算器17、18では、q軸電圧補償値qeとq軸フ
ードフォワード電圧Eq*を加算したものをq軸
圧指令Vq*とし、d軸電圧補償値deとd軸フィー
ドフォワード電圧Ed*を加算したものをd軸電
指令Vd*として、それぞれdq軸-三相座標変換
22に入力する構成としている。
q軸電圧指令Vq*、d軸電圧指令Vd*は、次式(9)、(
10)で表現される。
Vq*=Eq*+qe・・・・・(9)
Vd*=Ed*+de・・・・・(10)
最後に、dq軸-三相座標変換器22により、q 電圧指令Vq*とd軸電圧指令Vd*から三相の電圧 指令Vu*、Vv*、Vw*を生成し、インバータ2を制 する。
このようにして、ベクトル制御部6は、トル
ク指令Tm*と二次磁束指令φ2*から算出したq軸
流指令Iq*、d軸電流指令Id*に、実際の交流電
動機6の電流であるq軸電流Iq、d軸電流Idが一
するように電流フィードバック制御を付加
たベクトル制御を実施し、交流電動機6はト
ク指令Tm*と一致するトルクTmを出力して回
する。
なお、この制御動作は、基本的には公知の
クトル制御と同様であるので詳細な動作説
は割愛する。
次に、本発明の主要部であるダンピング制
部40の構成を説明する。
図1に示すダンピング制御部40の具体的説明
する前に、LCフィルタ回路に電気振動が発
する原因と、本発明の実施の形態1に示すダ
ピング制御部の構成の根拠となるLCフィル
回路の電気振動抑制原理を簡単に説明する
図2は、直流電源1に接続されたLCフィルタに
、定電力制御されたインバータ4が接続され
回路を示す図である。図2は、図1に示すシス
テムを簡単化して表現したものである。
図2に示すとおり、直流電源1にリアクトル2、
コンデンサ3で構成したLCフィルタ回路が接続
され、コンデンサ3に交流電動機6を駆動制御
るインバータ4が接続されている構成である
。リアクトル2は、インダクタンス分Lと、抵
分Rとからなる。コンデンサ3の静電容量はC
ある。
なお、インバータ4は、コンデンサ電圧Efcが
変動しても交流電動機6の出力が一定に維持
れるように、つまりコンデンサ電圧Efcの変
に対して定電力特性となるように制御され
構成である。つまり、Efcが変動しても、イ
バータ4の入力電力Pinvは変化しないように制
御される。
このように構成された図2のシステムにおい
て、直流電源1側からみたインバータ4は負抵
特性となる。
負抵抗特性とは、コンデンサ電圧Efcが上昇す
ればインバータ入力電流Idcが減少し、コンデ
ンサ電圧Efcが増加すれば、インバータ入力電
流Idcが減少する特性のことであり、通常の抵
抗(正抵抗)とは電圧の変化に対する電流の変
が逆となる特性である。なお、通常の抵抗(
正抵抗)は、電圧が上昇すれば電流が増加し
電圧が減少すれば、電流は減少することは
識として知られている。
以上のとおり、図2に示すシステムの直流部
は負抵抗特性を示し、コンデンサ電圧Efcが上
昇すればするほどインバータ入力電流Idcが減
少するので、コンデンサ電圧Efcの増加を助長
する動作となり、逆にコンデンサ電圧Efcが減
少するほどインバータ入力電流Idcが増加する
ので、コンデンサ電圧Efcの減少を助長する動
作となる。このため、コンデンサ電圧Efcの変
動に対して制動が効かず、LCフィルタ回路の
気振動は拡大してゆき、コンデンサ電圧Efc
LCフィルタの共振周波数付近で持続振動す
。以上が定性説明である。
次いで、図2のシステムの伝達関数を求め、
これを評価することで、以上説明した現象を
定量説明する。
まず、図2のシステムから、直流電圧Esから
ンデンサ電圧Efcまでの伝達関数を求める。
インバータ4は、上述したとおり、その出力
一定となるように制御される。この場合、
ンバータの入力電力Pinvとコンデンサ電圧Efc
インバータ入力電流Idcの関係式は次式(11)と
なる。
図2および(12)式から、図2に示すシステムの
達関数ブロック図は図3のとおりとなる。
図3に示す伝達関数ブロック図から、直流電
Esからコンデンサ電圧Efcまでの閉ループ伝達
関数G(s)は次式(13)となる。
例として電気車駆動用インバータシステムに
おける一般的な数値であるL=12mH、C=6600μF、Pin
v=1000KW、Efc0=1500Vの条件を式(17)に代入すると
系を安定化できるRの値は、R>0.8(ω)となる
しかしながら通常、直流側に存在する抵抗成
分は数十mω程度と微小であり、式(17)を満た
のは困難であり、システムは不安定となりLC
フィルタ回路は振動を発生する。
つまり、図2に示す回路に、式(17)を満足する
抗を付加するか、あるいは制御的に安定化
図らない限り、コンデンサ電圧Efcは振動し
散してしまうことが理解できる。
実際には、抵抗を付加することは、装置を大
型化し、損失の増大を招くので、制御的に安
定化を図る方法が必要となり、その具体的な
従来例は、非特許文献1、非特許文献2に示さ
ているとおりである。
ところで、負荷が抵抗(通常の正抵抗)負荷
場合について、上記と同様に定量説明する
図4は、直流電源1に接続されたLCフィルタに
、抵抗60で構成された負荷が接続された回路
示す図である。図2に示した回路と比較して
、インバータ4と交流電動機6が、抵抗60で置
換えられた回路である。なお、抵抗60の抵抗
値をR0とする。
図4に示すシステムの伝達関数ブロック図は
図5のとおりとなる。
図5より、直流電源1の電圧Esからコンデンサ
圧Efcまでの閉ループ伝達関数Gp(s)は次式(18)
なる。
以上に説明したとおり、直流電源1に接続 されたLCフィルタに、抵抗60を接続した回路 常に安定であることが分かる。本発明は、 の原理に着目したものであり、コンデンサ 圧Efcの振動成分に対して、抵抗60が接続され た場合に示す特性と等価になるように、イン バータ4を制御することを特徴としている。
図4に示す、LCフィルタの出力に抵抗60が接
されている回路の特性について、以下に説
する。
図4の回路において、コンデンサ電圧Efcのも
、抵抗60に電流Idcが流れていたとすると、抵
抗60での電力PRは次式(20)となる。
PR=Efc・Idc・・・(20)
コンデンサ電圧Efcが変動し、当初のn倍にな
た場合、抵抗60に流れる電流Idcも同様にn倍
なるため、このときの抵抗60での電力PRnは次
式(21)となる。
PRn=n・Efc・n・Idc=n 2
・Efc・Idc=n 2
・PR・・・(21)
即ち、抵抗60での電力PRnは、コンデンサ電圧E
fcの変化割合の二乗に比例することが分かる
このことから、式(21)の関係が成立するよう
インバータ4を制御することで、インバータ4
をコンデンサ電圧Efcの変動に対して正抵抗特
性となるように動作させることができる。
ところで、交流電動機6の出力は、交流電動
機6の回転周波数FM×出力トルクTmで表現され
損失を無視すると、これはインバータ4の入
電力Pinvに等しいため、次式(22)が成立する
Pinv=FM・Tm・・・(22)
インバータ4をコンデンサ電圧Efcの変動に対
て正抵抗特性となるように動作させるため
は、コンデンサ電圧Efcがn倍になった場合の
力Pinvnが、式(21)と同様に、次式(23)の関係と
なれば良い。
Pinvn=n 2
・Pinv=n 2
・FM・Tm・・・(23)
ここで、交流電動機6の回転周波数FMは、電
車の速度に応じて変化する値である。一方
ダンピング制御部40が扱うLCフィルタ回路の
共振周波数は10Hz~20Hzであり、周期に換算する
と50ms~100msの時間である。以上から、LCフィル
タ回路の振動周期は、電気車の速度変化に対
して十分に短時間とみなせるので、ダンピン
グ制御部40の構成を考える上では、交流電動
6の回転周波数FMは一定であると仮定しても
わない。
従って、コンデンサ電圧Efcがn倍になった場
に、交流電動機6のトルクTmをn 2
倍するよう制御を掛ければ、インバータ入力
電力Pinvをコンデンサ電圧Efcの変化割合の二
に比例させて変化させられる。
即ち、コンデンサ電圧Efcの変動割合を二乗し
た値を、トルク指令Tm*に積算する構成とすれ
ばよい。
このようにすれば、コンデンサ電圧Efcの変動
分に対して、インバータ4は正抵抗特性を有
、LCフィルタ回路の電気振動を抑制して安定
化できる。
次に、図1と図6を参照しながら、以上に説
した方法の具体的な構成を説明する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるダン
ング制御部40内部の信号の関係を説明する図
である。
ダンピング制御部40には、コンデンサ3の電圧
Efcを入力し、2系統に分岐する。
一方は、ハイパスフィルタ(以下HPF)41、ロー
スフィルタ(以下LPF)43により不要な高周波成
、不要な低周波成分がカットされ、LCフィ
タ回路の共振周波数付近のみが抽出された
動成分Efcaを算出する。例えば、図6(a)に示す
ように、コンデンサ電圧Efcが1500Vを中心とし
1650V~1350Vまで振動している場合、Efcaは図6(b)
のように+150V~-150Vの範囲でコンデンサ電圧Efc
振動成分と同位相で変動する信号となる。
他方は、LPF42により直流成分のみを抽出し、
流成分Efcdとする。
HPF41、LPF42、LPF43は、一次遅れ要素から構成し
た一次フィルタであり、その構成は公知であ
るので説明を割愛する。もちろん、二次以上
のフィルタでもよいが、フィルタの構成が複
雑化する。
ここで、HPF41、LPF43の作用を説明する。
LPF43を必要とする理由は、コンデンサ電圧Efc
含まれる、制御系への外乱となる高周波成
を除去するためである。しかしながら、除
したい高周波成分の下限が数百Hzであり、
ンピング制御の対象である、LCフィルタの共
振周波数帯域(通常10~20Hz程度)に近接している
ため、LPF43のみを用いて高周波成分の除去を
ると、振動成分Efcaに含まれるLCフィルタの
振周波数成分にまで影響し、位相遅れを生
させることになり好ましくない。
そこで、HPF41を直列に追加してLPF43と組み合
せてフィルタを構成することで、LPF43を単独
使用した場合と同様な高周波成分除去特性を
確保しながら、振動成分Efcaに含まれるLCフィ
ルタの共振周波数成分の位相遅れを改善する
ことが可能となる。なお、HPF41、LPF43の特性
ついては、ゲインが1となる周波数をLCフィ
タの振動周波数(10Hz~20Hz)に合わせるのが望ま
しい。
以上のようにして算出した振動成分Efcaに、
加算器44で、直流成分Efcdを加え、これをフィ
ルタ後コンデンサ電圧Efcadとする(図6(c))。
更に、割算器45でフィルタ後コンデンサ電圧E
fcadを直流成分Efcdで割ることにより、コンデ
サ電圧Efcの変動割合Efcfpを算出する。
そして、交流電動機6が力行運転時はEfcfpをそ
のまま二乗演算器48に入力する。
なお、交流電動機6が回生運転時は減算器46
より2からコンデンサ電圧Efcの変動割合Efcfp
引いた回生運転用反転信号Efcfnをスイッチ47
で選択し、二乗演算器48に入力する。これは
流電動機6の回生運転時は、電力の向きが交
流電動機6の力行時と逆となるため、コンデ
サ電圧Efcが増加すれば回生電力を減少させ
コンデンサ電圧Efcが減少すれば、回生電力
増加させる方向の操作が必要なためであり
回生運転用反転信号Efcfnはコンデンサ電圧Efc
の変動割合Efcfpの位相を反転した信号となる(
図6(d))。
二乗演算器48は、コンデンサ電圧Efcの変動割
Efcfpあるいは回生運転用反転信号Efcfnを二乗
し、リミッタ49に入力する。
リミッタ49では、必要に応じて上限、下限を
意の値に制限した後、ダンピング操作量DAMP
CNとしてベクトル制御部30に出力する(図6(e))
リミッタ49では、例えばダンピング制御に伴
う、交流電動機6のトルクTmの過渡変動量を制
限したい場合に設定する。
最後にベクトル制御部30にて、ダンピング操
量DAMPCNがトルク基本指令Tm0*に積算され、そ
の結果であるトルク指令Tm*によりベクトル制
御が実施される。
このように生成したトルク指令Tm*でベクトル
制御することで、インバータ4をコンデンサ
圧Efcの変動に対して正抵抗特性となるよう
動作させて、コンデンサ電圧Efcの振動を抑
し、交流電動機6の安定な運転が可能となる
図7は、本発明の実施の形態1における交流
動機のベクトル制御装置の動作シミュレー
ョン結果を示す図である。
図7は、図1に示した構成において、トルク基
指令Tm0*を500N・m程度に設定して交流電動機6
を運転中に、直流電源1の電圧Esを800Vから1000V
の間を周期500msステップ変化させた場合の波
を示す。
図7に示すように、本発明のダンピング制御
実施しない場合(図7の右側の波形)では、直
電源1の電圧Esのステップ変化毎にコンデン
電圧Efcに大きな振動が発生しているが、本
明のダンピング制御を実施した場合(図7の左
側の波形)では、直流電流1の電圧Esのステッ
変化に係わらず、コンデンサ電圧Efcにはほ
んど振動が発生していないことがわかる。
図7より、本発明のダンピング制御は、コン
ンサ電圧Efcの振動を効果的に抑制できてい
ことが確認できる。
以上に示したとおり、本発明の実施の形態1
によれば、最適なダンピング操作量DAMPCNが自
動算出され、ゲインの設定自体が不要となる
ダンピング制御部が構成できる。さらに、ダ
ンピング操作量DAMPCNの算出に交流電動機6の
数を使用しないため、交流電動機6の種類が
更されても、制御系の調整は不要である。
以上の説明では、交流電動機6として誘導電
動機を用いた場合を例として説明したが、同
記電動機やその他の交流電動機を用いた場合
のベクトル制御部に対しても以上に説明した
ダンピング制御部の構成やダンピング操作量
の算出方法を適用することができる。
なお、実施の形態1に示した構成では、ダ ンピング操作量DAMPCNはトルク基本指令Tm0*に 算されているが、q軸電流指令Iq*に積算して 同様の効果が得られる。
この実施の形態では、コンデンサ電圧の変
割合nにより、力行時にはダンピング操作量
DAMPCNを、DANPCN=n 2
で計算し、回生時にDAMPCN=(2-n) 2
で計算した。コンデンサ電圧の変動分の直流
分に対する割合をδn(=n-1)とし、0.5より大きい
ゲインKにより、力行時にはDAMPCN=(1+K*δn) 2
で計算し、回生時にはDAMPCN=1としてもよい。
コンデンサ電圧の変動に対する電力変換装置
を流れる電流の変動分δIdc=DAMPCN/nは、δnの2次
以上の項を無視すると、以下のようになる。
力行時は、δIdc=(1+K・δn) 2
/(1+δn)≒1+(2・K-1)・δnである。よって、K>0.5
であれば、力行時にコンデンサ電圧が増加す
るとインバータを流れる電流が増加し、コン
デンサ電圧が減少するとインバータを流れる
電流が減少することになる。つまり、コンデ
ンサ電圧の変動に対して変動を抑える方向に
インバータを流れる電流が変化するようにイ
ンバータを制御でき、LCフィルタ回路の電気
動が不安定になることは無い。
なお、Kが大きいほどダンピングの効果が大
いが、コンデンサ電圧が急激に変動した場
にトルクの変動が大きくなる。
回生時には、インバータを流れる電流の向
が力行時と逆になり、インバータが定電力
作を行っても負抵抗特性を示さない。その
め、ダンピング操作を行わない場合(DAMPCN=1)
でも、LCフィルタ回路の電気振動が不安定に
ることは無い。DAMPCN=(1-K・δn) 2
などのようにすれば、LCフィルタ回路の電気
動をより早く減衰させることができる。回
時のゲインKは、力行時とは異なる値でもよ
い。
ダンピング操作量DAMPCNの計算式は、δnの2次
でなくてもよく、1次式や3次式以上の式、δn
の多項式を分母および分子に持つ分数式など
でもよい。微小変動に対する線形近似式にお
いて、力行運転時の計算式ではδnの係数が1
り大きく、回生運転時の計算式ではδnの係
が0より小さければ、どのような計算式でも
い。
また、以上の実施の形態1に示した構成は 、本発明の内容の一例であり、別の公知の技 術と組み合わせることも可能であるし、本発 明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略す る等、変更して構成することも可能であるこ とは言うまでもない。
さらに、本発明は、電気鉄道用の交流電動
のベクトル制御装置に限られるものではな
、自動車、エレベータ、電力システム等、
々の関連分野への応用が可能であることは
うまでもない。
