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Patent Searching and Data


Title:
ACCELERATION SENSOR AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146624
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an acceleration sensor which has high detection sensitivity and can be manufactured with improved manufacturing efficiency. An acceleration sensor (50) is provided with a ceramic substrate (1) composed of Al2O3; a ferroelectric layer (2), which is formed of BaTiO3 in a prescribed region on the ceramic substrate (1) by screen printing; a proof mass (4), which is arranged to face the ferroelectric layer (2) at a prescribed distance (d) from the ferroelectric layer (2); and first electrode (7) and a second electrode (8) which are fixed on the proof mass (4) on the side of the ferroelectric layer (2). The first electrode (7) and the second electrode (8) are interdigitally formed, and interdigital sections (7a, 8a) of the electrodes are alternately arranged.

Inventors:
YOSHIKAWA YASUHIRO (JP)
TAJIRI HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059034
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ROHM CO LTD (JP)
YOSHIKAWA YASUHIRO (JP)
TAJIRI HIROYUKI (JP)
International Classes:
G01P15/125; G01P15/18
Foreign References:
US20040239341A12004-12-02
Other References:
AOYAGI S. ET AL.: "Kyoyudentai to Polymer Kadotai o Mochiita Micro Kasokudo Sensor no Kaihatsu", 2006 NENDO THE JAPAN SOCIETY FOR PRECISION ENGINEERING SHUKI TAIKAI GAKUJUTSU KOENKAI KOEN RONBUNSHU, THE JAPAN SOCIETY FOR PRECISION ENGINEERING, 4 September 2006 (2006-09-04), pages 955 - 956
Attorney, Agent or Firm:
SANO, Shizuo et al. (2-6 Tenmabashi-Kyomachi,Chuo-Ku, Osaka-Shi, Osaka 32, JP)
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Claims:
 セラミック基板と、
 前記セラミック基板上の所定領域に、スクリーン印刷法によって形成された金属酸化物からなる誘電体層と、
 前記誘電体層と対向するように配置され、前記誘電体層から所定の距離を隔てて形成された可動部と、
 前記可動部の前記誘電体層側にそれぞれ形成された第1電極および第2電極とを備えることを特徴とする、加速度センサ。
 セラミック基板と、
 前記セラミック基板上の所定領域に、スクリーン印刷法によって形成された金属酸化物からなる誘電体層と、
 前記誘電体層と対向するように配置され、前記誘電体層から所定の距離を隔てて形成された可動部と、
 前記可動部の前記誘電体層側にそれぞれ形成された第1電極および第2電極とを備え、
 前記誘電体層の上面側の所定領域には、メタル層が形成されていることを特徴とする、加速度センサ。
 前記メタル層は、前記誘電体層の上面から突出しないように形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の加速度センサ。
 前記可動部を支持する梁部をさらに備え、
 前記梁部は、厚み方向の長さが、幅方向の長さよりも大きいことを特徴とする、請求項2または3に記載の加速度センサ。
 前記誘電体層は、BaTiO 3 から構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
 前記セラミック基板は、Al 2 O 3 から構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
 前記第1電極および前記第2電極は、複数の櫛歯部を有する櫛歯状にそれぞれ形成されており、平面的に見て、互いの櫛歯部が所定の間隔を隔てて交互に配列されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
 前記誘電体層は、5μm以上の厚みを有していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
 前記セラミック基板と前記誘電体層との間には、グレーズ層がさらに形成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
 スクリーン印刷法を用いて、セラミック基板上の所定領域に、金属酸化物からなる誘電体層を形成する工程と、
 前記誘電体層の上方に配置されるように、第1電極および第2電極を形成する工程と、
 前記誘電体層の上方に前記誘電体層と対向するように、前記第1電極および前記第2電極が固定される可動部を形成する工程とを備えることを特徴とする、加速度センサの製造方法。
 前記誘電体層を形成する工程は、
 前記誘電体層をBaTiO 3 から構成する工程を含むことを特徴とする、請求項10に記載の加速度センサの製造方法。
 前記第1電極および前記第2電極を形成する工程は、
 前記第1電極および前記第2電極を、それぞれ、複数の櫛歯部を有する櫛歯状に形成するとともに、平面的に見て、互いの櫛歯部が所定の間隔を隔てて交互に配列するように構成する工程を含むことを特徴とする、請求項10または11に記載の加速度センサの製造方法。
 前記セラミック基板の表面上に、スクリーン印刷法によって配線層を形成する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の加速度センサの製造方法。
Description:
加速度センサおよびその製造方

 この発明は、加速度センサおよびその製 方法に関し、特に、静電容量型の加速度セ サおよびその製造方法に関する。

 従来、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術 を用いて形成された静電容量型の加速度セン サが知られている。このような静電容量型の 加速度センサは、一般的に、センサ内に設け られた所定の質量を持つプルーフマス(錘:可 部)が梁などで支持された構造を有している 。このため、加速度センサに加速度が加わる と、センサ内のプルーフマスが慣性力によっ て移動するので、この移動量を静電容量値の 変化として捉えることにより、加速度が検出 される。

 また、上記した静電容量型の加速度セン において、従来、プルーフマスの側面に櫛 を有する加速度センサが一般的に知られて る。

 図47は、従来の加速度センサの一例を示 た平面図である。図47を参照して、従来の加 速度センサ100では、シリコン基板101上に、表 面マイクロマシニング技術によって、プルー フマス102、梁部103、支持部104、固定電極105な どが形成されている。また、プルーフマス102 の側面には、櫛歯102aが形成されている。ま 、固定電極105は、第1固定電極106と第2固定電 極107とから構成されており、第1固定電極106 、固定電極支持部106aと、固定電極支持部106a の側面に形成された、プルーフマス102の櫛歯 102aと入れ子をなす櫛歯形固定電極106bとから 成されている。さらに、第2固定電極107は、 平面的に見て、櫛歯形固定電極106baと平行に びるように形成されている。そして、第2固 定電極107は、少なくとも一部が、平面的に見 て、プルーフマス102の櫛歯102aと櫛歯形固定 極106bとの間に配置されるように構成されて る。また、プルーフマス102は、一般的に、 リシリコン(導体)で形成されており、プル フマス102の櫛歯102aが可動電極102aとして機能 するように構成されている。これにより、プ ルーフマス102に形成された櫛歯(可動電極)102a の側面と、固定電極105(櫛歯形固定電極106bお び第2固定電極107)の側面とによってコンデ サが形成される。

 上記図47に示した従来の加速度センサ100 は、センサに加速度が加わるとプルーフマ 102に慣性力が働き、プルーフマス102が水平 向(矢印X方向または矢印Y方向)に移動する。 れにより、可動電極102aと固定電極105(櫛歯 固定電極106bおよび第2固定電極107)の側面と 間の距離が変化するので、静電容量値が変 する。この静電容量値の変化を検出するこ により、センサに加わる加速度が検出され 。

 しかしながら、上記図47に示した従来の 速度センサ100では、プルーフマス102の櫛歯( 動電極)102aの側面と、固定電極105(櫛歯形固 電極106bおよび第2固定電極107)の側面とによ て形成されるコンデンサの静電容量を大き するために、櫛歯102a側面および固定電極105 (櫛歯形固定電極106bおよび第2固定電極107)の 面の面積を大きくする必要がある。このた 、プルーフマス102および固定電極105の厚み 大きくしなければならないので、プルーフ ス102aに櫛歯102aを形成したり、固定電極105を 形成したりする際に、DRIE(Deep Reactive Ion Etch ing)プロセスが必要になるという不都合があ 。これにより、製造効率が低下するという 題点がある。

 そこで、従来、製造効率の低下を抑制す ことが可能な静電容量型の加速度センサが 案されている(たとえば、非特許文献1参照)

 図48は、上記非特許文献1において提案さ ている従来の加速度センサの構造を示した 略断面図である。図48を参照して、上記非 許文献1で提案されている従来の加速度セン 200では、2つの電極(第1電極202、第2電極203) シリコン基板201の上面上に隣り合うように 置されている。ここで、上記非特許文献1で 案されている加速度センサ200では、電極間 電圧が加えられることによって、第1電極202 と第2電極203との間に、フリンジ電界204(電極 の脇に生じる電界)が発生している。また、 第1電極202および第2電極203の上方には、パリ ン(比誘電率:3.15)から構成されたプルーフマ ス205が、フリンジ電界204の中に配置されるよ うに、梁部206によって支持されている。なお 、プルーフマス205は、シリコン基板201の上面 に対して垂直方向(矢印Z方向)に移動可能に構 成されている。

 このように構成された従来の加速度セン 200では、センサに加速度が加わることによ てプルーフマス205が矢印Z方向に移動すると 、フリンジ電界204中に占めるプルーフマス205 (誘電体)の体積の割合が変化する。これによ 、静電容量値が変化するので、その静電容 値の変化を検出することにより、センサに わる加速度が検出される。

 また、上記非特許文献1で提案されている 加速度センサ200では、上記図47に示した櫛歯1 02aを有する加速度センサ100とは異なり、製造 プロセスにおいて、DRIEプロセスが不要であ ので、その分、製造効率の低下を抑制する とが可能となる。

関西大学先端科学技術シンポジウム講演 集                Vol.8th Page.153-156(200 4.01.10)

 しかしながら、上記非特許文献1において 提案されている従来の加速度センサ200では、 誘電体としてのプルーフマス205がパリレンか ら構成されているため、誘電体の比誘電率が 比較的小さいという不都合がある。このため 、加速度の検出感度を向上させることが困難 になるという問題点がある。

 この発明は、上記のような課題を解決す ためになされたものであり、この発明の1つ の目的は、高い検出感度を有するとともに、 製造効率を向上させることが可能な加速度セ ンサおよびその製造方法を提供することであ る。

 上記目的を達成するために、この発明の 1の局面による加速度センサは、セラミック 基板と、セラミック基板上の所定領域に、ス クリーン印刷法によって形成された金属酸化 物からなる誘電体層と、誘電体層と対向する ように配置され、誘電体層から所定の距離を 隔てて形成された可動部と、可動部の誘電体 層側にそれぞれ形成された第1電極および第2 極とを備えている。

 この第1の局面による加速度センサでは、 上記のように、可動部の誘電体層側に第1電 および第2電極を形成することによって、第1 電極と第2電極との間にフリンジ電界を発生 せることができる。また、セラミック基板 の所定領域に、金属酸化物からなる誘電体 を形成することによって、たとえば、誘電 層を構成する金属酸化物に、比誘電率が1000 上の金属酸化物を用いた場合には、パリレ (比誘電率:3.15)と比べて、誘電体層の比誘電 率を十分に大きくすることができる。このた め、フリンジ電界中に占める誘電体層の体積 の割合の変化によって生じる静電容量値の変 化を精度よく検出することができるので、セ ンサに加わる加速度を高い感度で検出するこ とができる。

 また、第1の局面では、セラミック基板上 の所定領域に、スクリーン印刷法を用いて誘 電体層を形成することによって、セラミック 基板上の所定領域に誘電体層を容易に形成す ることができるので、板状の誘電体層をセラ ミック基板上に貼り付ける場合などと比べて 、製造効率を向上させることができる。そし て、上記した構成では、スパッタ法やゾルゲ ル法などを用いて誘電体層を形成する場合に 比べて、誘電体層の厚みを大きくすることが できるので、誘電体層の厚みが小さいことに 起因して、静電容量値の変化を精度よく検出 することが困難になるという不都合が発生す るのを抑制することができる。これにより、 製造効率を向上させながら、加速度の検出感 度を向上させることができる。また、基板に セラミック基板を用いることによって、基板 にシリコン基板などを用いた場合に比べて、 絶縁性および機械的強度を向上させることが できるので、製造効率を向上させながら、検 出感度を向上させることができ、かつ、信頼 性を向上させることができる。

 この発明の第2の局面による加速度センサ は、セラミック基板と、セラミック基板上の 所定領域に、スクリーン印刷法によって形成 された金属酸化物からなる誘電体層と、誘電 体層と対向するように配置され、誘電体層か ら所定の距離を隔てて形成された可動部と、 可動部の誘電体層側にそれぞれ形成された第 1電極および第2電極とを備えている。そして 誘電体層の上面側の所定領域には、メタル が形成されている。

 この第2の局面による加速度センサでは、 上記のように、可動部の誘電体層側に第1電 および第2電極を形成することによって、第1 電極と第2電極との間にフリンジ電界を発生 せることができる。また、誘電体層の上面 の所定領域にメタル層を形成することによ て、可動部がセラミック基板の主面(上面)と 平行な所定方向に移動した場合でも、フリン ジ電界における電気力線の様相を変化させる ことができる。すなわち、第1電極と第2電極 の間に発生するフリンジ電界では、その電 力線は誘電体層を貫くことが可能である一 、メタル層を貫くことができないので、誘 体層の上面側の所定領域に、メタル層を形 することによって、第1電極および第2電極 固定された可動部が、セラミック基板(誘電 層)の主面(上面)と平行な所定方向に移動し 際に、フリンジ電界における電気力線の様 を変化させることができる。これにより、 気力線の様相の変化に応じて、静電容量値 変化するので、その静電容量値の変化を検 することにより、セラミック基板(誘電体層 )の主面(上面)と平行な所定方向の加速度を検 出することができるとともに、センサに加わ る加速度を高い感度で検出することができる 。

 また、第2の局面では、セラミック基板上 の所定領域に、スクリーン印刷法を用いて誘 電体層を形成することによって、セラミック 基板上の所定領域に誘電体層を容易に形成す ることができるので、板状の誘電体層をセラ ミック基板上の所定領域に貼り付ける場合な どと比べて、製造効率を向上させることがで きる。なお、上記のように構成された加速度 センサでは、DRIEプロセスを用いることなく 造することができる。また、基板にセラミ ク基板を用いることによって、基板にシリ ン基板などを用いた場合に比べて、絶縁性 よび機械的強度を向上させることができる で、セラミック基板(誘電体層)の主面(上面) 平行な所定方向の加速度を検出する際に、 の検出感度を向上させることができるとと に、加速度センサの信頼性を向上させるこ ができる。

 上記第2の局面による加速度センサにおい て、好ましくは、メタル層は、誘電体層の上 面から突出しないように形成されている。こ のように構成すれば、誘電体層の上面側にメ タル層を形成したとしても、メタル層が形成 されていない場合と同様のプロセスで、その 後の製造プロセスを行うことができるので、 誘電体層の上面からメタル層が突出すること に起因して、その後の製造プロセスが繁雑に なるという不都合が生じるのを抑制すること ができる。これにより、容易に、製造効率を 向上させることができる。また、このように 構成すれば、可動部が、セラミック基板(誘 体層)の主面(上面)と平行な所定方向に移動 る際に、メタル層と可動部(第1電極、第2電 )とが係合するのを抑制することができるの 、メタル層と可動部(第1電極、第2電極)とが 係合することに起因して、セラミック基板( 電体層)の主面(上面)と平行な所定方向への 動部の移動が妨げられるという不都合が生 るのを抑制することができる。これにより 容易に、セラミック基板(誘電体層)の主面( 面)と平行な所定方向の加速度を検出するこ ができる。

 上記第2の局面による加速度センサにおい て、好ましくは、可動部を支持する梁部をさ らに備え、梁部は、厚み方向の長さが、幅方 向の長さよりも大きい。このように構成すれ ば、セラミック基板(誘電体層)の主面(上面) 対して垂直方向に可動部が移動するのを抑 することができるので、検出された加速度 、セラミック基板(誘電体層)の主面(上面)に して垂直方向の加速度成分が含まれるのを 制することができる。これにより、容易に セラミック基板(誘電体層)の主面(上面)と平 行な所定方向の加速度を検出することができ るとともに、容易に、その検出精度を向上さ せることができる。

 上記第1および第2の局面による加速度セン において、好ましくは、誘電体層は、BaTiO 3 から構成されている。このように構成すれば 、BaTiO 3 は比誘電率が1000以上の金属酸化物(強誘電体 質)であるため、パリレン(比誘電率:3.15)と べて、誘電体層の比誘電率を十分に大きく ることができる。これにより、容易に、静 容量値の変化を精度よく検出することがで る。また、誘電体層と可動部との間の距離 大きくした場合でも、静電容量値の検出感 が低下するのを抑制することができるので 誘電体層と可動部との間の距離を大きくす ことによって、スティクション(誘電体層と 動部との貼り付き)の発生を抑制することが できる。これにより、容易に、製造効率を向 上させながら、加速度の検出感度を向上させ ることができ、かつ、スティクションの発生 に起因する信頼性の低下を抑制することがで きる。なお、BaTiO 3 はPb(鉛)を含有しない強誘電体物質であるた 、誘電体層をBaTiO 3 から構成することによって、廃棄物による環 境負荷を低減することができるとともに、人 体に与える悪影響を低減することができる。

 上記第1および第2の局面による加速度セン において、好ましくは、セラミック基板は Al 2 O 3 から構成されている。このように構成すれば 、容易に、絶縁性および機械的強度を向上さ せることができるので、製造効率を向上させ ながら、容易に、加速度の検出感度を向上さ せることができ、かつ、信頼性を向上させる ことができる。

 上記第1および第2の局面による加速度セ サにおいて、好ましくは、第1電極および第2 電極は、複数の櫛歯部を有する櫛歯状にそれ ぞれ形成されており、平面的に見て、互いの 櫛歯部が所定の間隔を隔てて交互に配列され ている。このように構成すれば、可動部の裏 面(下面)側に均一にフリンジ電界を発生させ ことができるので、フリンジ電界中に占め 誘電体層の体積の割合の変化によって生じ 静電容量値の変化をより精度よく検出する とができる。これにより、製造効率を向上 せながら、より容易に、検出感度を向上さ ることができる。

 上記第1および第2の局面による加速度セ サにおいて、好ましくは、誘電体層は、5μm 上の厚みを有している。このように構成す ば、誘電体層の厚みが5μmよりも小さいこと に起因して、静電容量値の変化を精度よく検 出することが困難になるという不都合が生じ るのを抑制することができる。これにより、 製造効率を向上させながら、さらに容易に、 加速度の検出感度を向上させることができる 。

 上記第1および第2の局面による加速度セ サにおいて、セラミック基板と誘電体層と 間に、グレーズ層をさらに形成してもよい なお、本発明のグレーズ層とは、誘電体層 どを形成するのに適した平滑面を形成する めの層である。

 この発明の第3の局面による加速度センサ の製造方法は、スクリーン印刷法を用いて、 セラミック基板上の所定領域に、金属酸化物 からなる誘電体層を形成する工程と、誘電体 層の上方に配置されるように、第1電極およ 第2電極を形成する工程と、誘電体層の上方 誘電体層と対向するように、第1電極および 第2電極が固定される可動部を形成する工程 を備えている。

 この第3の局面による加速度センサの製造 方法では、上記のように、セラミック基板上 の所定領域に金属酸化物からなる誘電体層を 形成することによって、誘電体層を構成する 金属酸化物に、たとえば、比誘電率が1000以 の金属酸化物を用いた場合には、パリレン( 誘電率:3.15)と比べて、誘電体層の比誘電率 十分に大きくすることができるので、静電 量値の変化を精度よく検出することができ 。これにより、センサに加わる加速度を高 感度で検出することができる。また、セラ ック基板上の所定領域に、スクリーン印刷 を用いて誘電体層を形成することによって セラミック基板上の所定領域に誘電体層を 易に形成することができるので、板状の誘 体層をセラミック基板上に貼り付ける場合 どと比べて、製造効率を向上させることが きる。

 また、第3の局面では、スクリーン印刷法 を用いて誘電体層を形成することによって、 スパッタ法やゾルゲル法などを用いて誘電体 層を形成する場合に比べて、容易に、誘電体 層の厚みを大きくすることができるので、誘 電体層の厚みが小さいことに起因して、静電 容量値の変化を精度よく検出することが困難 になるという不都合が発生するのを抑制する ことができる。これにより、製造効率を向上 させながら、感度の高い加速度センサを製造 することができる。また、基板にセラミック 基板を用いることによって、基板にシリコン 基板などを用いた場合に比べて、絶縁性およ び機械的強度を向上させることができるので 、製造効率を向上させながら、検出感度を向 上させることができ、かつ、信頼性を向上さ せることができる。なお、上記のように構成 することによって、加速度センサの製造プロ セスにおいて、DRIEプロセスも不要となる。

 上記第3の局面による加速度センサの製造方 法において、好ましくは、誘電体層を形成す る工程は、誘電体層をBaTiO 3 から構成する工程を含む。このように構成す れば、BaTiO 3 は比誘電率が1000以上の金属酸化物(強誘電体 質)であるため、パリレン(比誘電率:3.15)と べて、誘電体層の比誘電率を十分に大きく ることができる。これにより、容易に、静 容量値の変化を精度よく検出することがで る。また、誘電体層と可動部との間の距離 大きくした場合でも、静電容量値の検出感 が低下するのを抑制することができるので 誘電体層と可動部との間の距離を大きくす ことによって、スティクションの発生を抑 することができる。これにより、容易に、 造効率を向上させながら、加速度の検出感 を向上させることができ、かつ、スティク ョンの発生に起因する信頼性の低下を抑制 ることができる。なお、BaTiO 3 はPb(鉛)を含有しない強誘電体物質であるた 、誘電体層をBaTiO 3 から構成することによって、廃棄物による環 境負荷を低減することができるとともに、人 体に与える悪影響を低減することができる。

 上記第3の局面による加速度センサの製造 方法において、好ましくは、第1電極および 2電極を形成する工程は、第1電極および第2 極を、それぞれ、複数の櫛歯部を有する櫛 状に形成するとともに、平面的に見て、互 の櫛歯部が所定の間隔を隔てて交互に配列 るように構成する工程を含む。このように 成すれば、可動部の裏面(下面)側に均一にフ リンジ電界を発生させることができるので、 フリンジ電界中に占める誘電体層の体積の割 合の変化によって生じる静電容量値の変化を より精度よく検出することができる。これに より、製造効率を向上させながら、より容易 に、検出感度を向上させることができる。

 上記第3の局面による加速度センサの製造 方法において、好ましくは、セラミック基板 の表面上に、スクリーン印刷法によって配線 層を形成する工程をさらに備えている。この ように構成すれば、配線層を容易に形成する ことができるので、これによっても、製造効 率を向上させることができる。

 以上のように、本発明によれば、高い検 感度を有するとともに、製造効率を向上さ ることが可能な加速度センサおよびその製 方法を容易に得ることができる。

本発明の第1実施形態による加速度セン サの構造を示した斜視図である。 図1のA1-A1線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による加速度セン サの平面図である。 本発明の第1実施形態による加速度セン サの強誘電体層の構造を示した斜視図である 。 本発明の第1実施形態による加速度セン サのプルーフマスを裏面側から見た平面図で ある。 図3のB1-B1線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による加速度セン サの一部を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態による加速度セン サの動作を説明するための概略断面図である 。 強誘電体層の厚みとカバー率との関係 示したグラフである。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための平面図であ 。 本発明の第1実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの構造を示した斜視図である。 図19のA2-A2線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの平面図である。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの強誘電体層の構造を示した斜視図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サのプルーフマスを裏面側から見た平面図 ある。 本発明の第2実施形態による加速度セ サにおける梁部の構造を拡大して示した斜 図である。 図21のB2-B2線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの動作を説明するための斜視図である。 本発明の第2実施形態による加速度セ サにおけるメタル層の第1形成パターンを示 た断面図である。 図27に示した第1形成パターンにおける プルーフマスの移動量と静電容量値Cとの関 を示したグラフである。 本発明の第2実施形態による加速度セ サにおけるメタル層の第2形成パターンを示 た断面図である。 図29に示した第2形成パターンにおける プルーフマスの移動量と静電容量値Cとの関 を示したグラフである。 本発明の第2実施形態による加速度セ サにおけるメタル層の第3形成パターンを示 た断面図である。 図31に示した第3形成パターンにおける プルーフマスの移動量と静電容量値Cとの関 を示したグラフである。 強誘電体層の厚みとカバー率との関係 を示したグラフである。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための平面図であ 。 本発明の第2実施形態による加速度セ サの製造方法を説明するための断面図であ 。 本発明の第1変形例による加速度セン のプルーフマスおよび梁部の構造を示した 視図である。 本発明の第2変形例による加速度セン の構造を示した平面図である。 従来の加速度センサの一例を示した平 面図である。 非特許文献1において提案されている 来の加速度センサの構造を示した概略断面 である。

符号の説明

 1                 セラミック基板
 2、22              強誘電体層(誘電 層)
 3、23              枠体部
 3a、2              開口部
 4、24              プルーフマス(可 部)
 5                 グレーズ層
 6                 配線層
 7、27              第1電極
 7a、8a、27a、28a     櫛歯部
 7b、8b、27b、28b     接続部
 7c、8c、27c、28c     パッド電極
 8、28              第2電極
 9、29              梁部
 10                フリンジ電界
 11、31             犠牲層

 以下、本発明を具体化した実施形態を図 に基づいて説明する。

 (第1実施形態)
 図1は、本発明の第1実施形態による加速度 ンサの構造を示した斜視図である。図2は、 1のA1-A1線に沿った断面図である。図3は、図 1に示した本発明の第1実施形態による加速度 ンサの平面図である。図4~図7は、本発明の 1実施形態による加速度センサの構造を説明 するための図である。まず、図1~図7を参照し て、本発明の第1実施形態による加速度セン 50の構造について説明する。

 第1実施形態による加速度センサ50は、図1 に示すように、セラミック基板1と、セラミ ク基板1上に形成された強誘電体層2と、強誘 電体層2を囲むようにセラミック基板1上に形 された枠体部3と、枠体部3の内側に配置さ たプルーフマス4とを備えている。なお、強 電体層2は、本発明の「誘電体層」の一例で あり、プルーフマス4は、本発明の「可動部 の一例である。

 セラミック基板1は、Al 2 O 3 から構成されているとともに、約1mmの厚みを 有している。このセラミック基板1の上面上 は、グレーズ層5が形成されている。なお、 レーズ層5は、強誘電体層2などを形成する に適した平滑面を得るために設けられてい 。また、セラミック基板1(グレーズ層5)の上 上であるとともに、枠体部3の外側の所定領 域には、スクリーン印刷法によって形成され た配線層6が設けられている。この配線層6は たとえば、Au(金)などから構成されている。

 ここで、第1実施形態では、強誘電体層2は BaTiO 3 (比誘電率:1000以上)から構成されている。ま 、強誘電体層2は、図2および図4に示すよう 、セラミック基板1(グレーズ層5)上の所定領 に、スクリーン印刷法によって形成されて る。この強誘電体層2は、平面的に見て、実 質的に四角形状を有している。

 また、第1実施形態では、強誘電体層2は 5μm以上の厚みに構成されている。具体的に 、強誘電体層2は、5μm~20μmの厚みt1(図6参照) に構成されている。

 また、第1実施形態では、強誘電体層2の上 には、BaTiO 3 の粒径を制御することによって形成された、 0.1μm~0.2μm程度の凹凸(図示せず)が設けられて いる。これにより、プルーフマス4が強誘電 層2の上面と接触した場合でも、プルーフマ 4と強誘電体層2との接触面積を小さくする とが可能となるので、スティクション(強誘 体層2とプルーフマス4との貼り付き)を有効 抑制することが可能となる。

 また、プルーフマス4は、パリレン(Parylen: パラキシリレン系樹脂)から構成されている ともに、図2および図6に示すように、約5μm 厚みt2(図6参照)に構成されている。また、プ ルーフマス4は、図3に示すように、平面的に て、実質的に四角形状(一辺の長さが約1000μ m)に形成されている。

 ここで、第1実施形態では、図5に示すよ に、プルーフマス4の裏面側(下面側)には、 ルミニウムからなる2つの電極(第1電極7およ 第2電極8)が、同一平面内に隣り合うように 成されている。具体的には、第1電極7およ 第2電極8は、平面的に見て、それぞれ、櫛歯 状に形成されているとともに、第1電極7の櫛 部7aと第2電極8の櫛歯部8aとが交互に配列さ るように構成されている。また、図6および 図7に示すように、第1電極7の櫛歯部7aの幅wお よび第2電極8の櫛歯部8aの幅wは、それぞれ、 5μmに構成されているとともに、第1電極7の 歯部7aから隣り合う第2電極8の櫛歯部8aまで 長さgも、約5μmに構成されている。なお、 1実施形態による加速度センサ50では、図5に すように、第1電極7および第2電極8は、プル ーフマス4の裏面(下面)側のほぼ全面に形成さ れている。

 また、プルーフマス4は、図1および図3に すように、一体的に連結された4つの梁部9 含んでいる。この4つの梁部9は、プルーフマ ス4の4つの角部の各々に1つずつ配置されてお り、平面的に見て、放射状に広がるように形 成されている。また、4つの梁部9の端部は、 れぞれ、枠体部3と一体的に連結されている 。これにより、プルーフマス4は、図1および 2に示すように、強誘電体層2と対向するよ に配置された状態で、強誘電体層2の上方に 持されている。なお、強誘電体層2の上面か らプルーフマス4(第1電極7および第2電極8)ま の距離d(図2および図6参照)は、約1μmである

 また、4つの梁部9は、それぞれ、約5μmの みを有しているとともに、約50μmの幅を有 ている。すなわち、4つの梁部9は、セラミッ ク基板1の上面に対して垂直方向(矢印Z方向) 弾性変形し易くなるように、幅方向の長さ 厚み方向の長さよりも大きく構成されてい 。これにより、4つの梁部9によって支持され たプルーフマス4は、加速度が加わると、そ 慣性力によって、セラミック基板1の上面に して垂直方向(矢印Z方向)に移動することが 能に構成されている。

 また、上述した第1電極7は、図5に示すよ に、接続部7bを介して、パッド電極7cに電気 的に接続されているとともに、上述した第2 極8は、接続部8bを介して、パッド電極8cに電 気的に接続されている。

 また、枠体部3は、図2に示すように、プ ーフマス4よりも大きい厚みを有しており、 1~図3に示すように、梁部9を介して、プルー フマス4を保持する機能を有している。なお 枠体部3は、主として、パリレンから構成さ ている。また、枠体部3の所定領域には、パ ッド電極7cおよび8cの表面を露出させるため 開口部3aが形成されている。

 図8は、本発明の第1実施形態による加速 センサの動作を説明するための概略断面図 ある。次に、図5~図8を参照して、本発明の 1実施形態による加速度センサ50の動作につ て説明する。

 第1実施形態による加速度センサ50では、 ッド電極7c(図5参照)とパッド電極8c(図5参照) との間に電圧を印加することによって、図6 よび図7に示すように、第1電極7の櫛歯部7aと 第2電極8の櫛歯部8aとの間にフリンジ電界(電 間の脇に発生する電界)10が発生している。 こで、フリンジ電界10を発生させる第1電極7 および第2電極8が、図5に示したように、それ ぞれ、櫛歯状に形成されているとともに、互 いの櫛歯部7aおよび8aが交互に配列されてい ため、フリンジ電界10は、プルーフマス4の 面(下面)側のほぼ全面に均一に発生している 。一方、図6~図8に示すように、プルーフマス 4と対向する強誘電体層2は、発生したフリン 電界10の中に配置された状態となっている

 この状態から加速度センサ50に加速度が わると、プルーフマス4に慣性力が働くので これによって、図8に示すように、プルーフ マス4が矢印Z方向に移動する。このため、フ ンジ電界10中に占める強誘電体層2の体積の 合が変化するので、静電容量値が変化する したがって、この静電容量値の変化を検出 ることにより、加速度センサ50に加わった 速度が検出される。

 次に、第1実施形態による加速度センサ50 効果を確認するために行ったコンピュータ ミュレーションの結果について説明する。 のコンピュータシミュレーションでは、強 電体層2の厚みt1を種々変化させた場合のカ ー率を求めた。

 図9は、強誘電体層の厚みとカバー率との 関係を示したグラフである。図9の縦軸は、 バー率(%)を示しており、図9の横軸は、強誘 体層2の厚みt1(μm)を示している。すなわち 図9は、上記した第1実施形態による加速度セ ンサ50の構成において、強誘電体層2の厚みt1 種々変化させた場合のカバー率の変化を示 ている。ここで、カバー率は、以下の(1)式 よって表される。

 カバー率(%)=(X1-X2)/X1×100・・・・(1)
  X1:強誘電体層2の領域に入ってくるフリン 電界10の電気力線の数
  X2:強誘電体層2の領域でターン出来ずに、 誘電体層2の領域の下部から
     出てしまう電気力線の数
 すなわち、カバー率は、強誘電体層2に入っ てくる電気力線のうち、どの位の割合の電気 力線が強誘電体層2内の領域でターンしてい のかを示す数値であり、この値が高い程、 電容量値の変化を検出する感度が高い。な 、電極に加える電圧は、一方を0V(第1電極7ま たは第2電極8)とし、他方を5V(第2電極8または 1電極7)とした。

 上記図9に示すように、強誘電体層2の厚 t1を5μm以上に構成することによって、99%以 のカバー率が得られることが判明した。ま 、強誘電体層2の厚みt1を10μm以上に構成した 場合には、ほぼ100%(99.8%以上)のカバー率が得 れ、20μm以上に構成した場合には、100%のカ ー率が得られることが判明した。なお、強 電体層2の厚みt1が10μmの場合には、強誘電 層2の厚みt1は、第1電極7および第2電極8の一 の櫛歯部7a(または8a)の幅w(約5μm)と、第1電 7の櫛歯部7aから隣り合う第2電極8の櫛歯部8a での長さg(約5μm)との合計長さ(w+g:約10μm)と 致する。また、強誘電体層2の厚みt1が20μm 場合には、強誘電体層2の厚みt1は、上記合 長さ(w+g:約10μm)の2倍(2(w+g))と一致する。

 以上のように、強誘電体層2の厚みt1を5μm 以上に構成することによって、十分なカバー 率を得ることができ、静電容量値の変化を精 度よく検出することが可能となることが確認 された。これにより、加速度の検出感度を向 上させることが可能となることが確認された 。

 第1実施形態では、上記のように、プルーフ マス4の強誘電体層2側に第1電極7および第2電 8を形成することによって、第1電極7と第2電 極8との間にフリンジ電界10を発生させること ができる。また、セラミック基板1上の所定 域に、BaTiO 3 からなる強誘電体層2を形成することによっ 、BaTiO 3 は比誘電率が1000以上の金属酸化物(強誘電体 質)であるため、強誘電体層2の比誘電率を 分に大きくすることができる。このため、 リンジ電界10中に占める強誘電体層2の体積 割合の変化によって生じる静電容量値の変 を精度よく検出することができるので、セ サに加わる加速度を高い感度で検出するこ ができる。

 また、第1実施形態では、強誘電体層2をBaTiO 3 から構成することによって、強誘電体層2と ルーフマス4との間の距離dを大きくした場合 でも、静電容量値の検出感度の低下を抑制す ることができるので、強誘電体層2とプルー マス4との間の距離dを大きくすることによっ て、スティクションの発生を抑制することが できる。これにより、スティクションの発生 に起因する信頼性の低下を抑制することがで きる。なお、BaTiO 3 はPb(鉛)を含有しない強誘電体物質であるた 、強誘電体層2をBaTiO 3 から構成することによって、廃棄物による環 境負荷を低減することができるとともに、人 体に与える悪影響を低減することができる。

 また、第1実施形態では、基板にAl 2 O 3 からなるセラミック基板1を用いることによ て、基板にシリコン基板などを用いた場合 比べて、絶縁性および機械的強度を向上さ ることができるので、製造効率を向上させ がら、検出感度を向上させることができ、 つ、信頼性を向上させることができる。ま 、基板にセラミック基板1を用いることによ て、シリコン基板を用いた場合に比べて、 造コストを低減することができる。

 また、第1実施形態では、強誘電体層2の みt1を5μm以上に構成することによって、99% 上のカバー率を得ることができるので、静 容量値の変化を精度よく検出することがで る。これにより、製造効率を向上させなが 、さらに容易に、加速度の検出感度を向上 せることができる。なお、強誘電体層2の厚 t1は、10μm以上に構成するのが好ましく、20 m以上に構成するのがより好ましい。

 また、第1実施形態では、セラミック基板1 強誘電体層2との間に、グレーズ層5を形成す ることによって、強誘電体層2の上面の平滑 を向上させることができるので、BaTiO 3 の粒径を制御することによって、強誘電体層 2の上面に、0.1μm~0.2μm程度の凹凸を設けるこ ができる。

 図10~図18は、本発明の第1実施形態による 速度センサの製造方法を説明するための図 ある。続いて、図1、図5、図6および図10~図1 8を参照して、本発明の第1実施形態による加 度センサ50の製造方法について説明する。 お、第1実施形態による加速度センサ50は、 として、表面マイクロマシニング技術を用 て製造する。

 まず、図10に示すように、約1mmの厚みを有 るとともにAl 2 O 3 からなるセラミック基板1の上面上に、グレ ズ層5を形成する。このグレーズ層5は、たと えば、ガラス成分を含んだ液体をセラミック 基板1上に印刷した後、所定温度で焼成する とによって形成する。

 次に、スクリーン印刷法を用いて、グレ ズ層5上に、図1に示した配線層6を形成する その後、図10に示すように、セラミック基 1(グレーズ層5)上の所定領域に強誘電体層2を 形成する。

 ここで、第1実施形態では、強誘電体層2は スクリーン印刷法を用いて形成する。具体 には、グレーズ層5上の所定領域に、BaTiO 3 を含むペーストを印刷した後、800℃~1200℃程 の焼成温度で焼成することにより、BaTiO 3 からなる強誘電体層2を形成する。

 また、第1実施形態では、強誘電体層2は、 の厚みt1(図6参照)が5μm~20μmとなるように形 するとともに、BaTiO 3 の粒径を制御することによって、強誘電体層 2の上面に0.1μm~0.2μm程度の凹凸(図示せず)が じるように形成する。

 続いて、図11に示すように、プラズマCVD を用いて、グレーズ層5上に、アモルファス リコンからなる犠牲層11を、強誘電体層2を うように形成する。ここで、犠牲層11とは 後工程で除去することを前提に形成する層 ことである。

 次に、図12に示すように、フォトリソグラ ィ技術とSF 6 プラズマガスを用いたドライエッチングとに より、犠牲層11に細長状の溝部(スロット)11a 形成する。その後、図13に示すように、犠牲 層11の上面上に、第1のパリレン層12を蒸着す 。この際、溝部11a内に蒸着された第1のパリ レン層12は、プルーフマス4を保持するための アンカー部となる。

 次に、図14に示すように、フォトリソグラ ィ技術とO 2 プラズマガスを用いたエッチングとにより、 第1のパリレン層12の所定領域を除去する。

 その後、犠牲層11上および第1のパリレン 12上に、スパッタリングまたは蒸着法によ 、アルミニウム層を堆積するとともに、図15 に示すように、堆積したアルミニウム層を、 フォトリソグラフィ技術とウェットエッチン グとを用いてパターニングする。これにより 、図5に示したような櫛歯状の第1電極7および 櫛歯状の第2電極8が形成されるとともに、第1 電極7および第2電極8にそれぞれ電気的に接続 されるパッド電極7cおよび8cが形成される。 お、第1電極7とパッド電極7cとを接続する接 部7b(図5参照)、および、第2電極8とパッド電 極8cとを接続する接続部8b(図5参照)も、上記 たアルミニウム層のパターニングにより、 時に形成される。

 次に、図16に示すように、第1電極7、第2 極8、パッド電極7cおよび8c、接続部7bおよび8 b(図5参照)を覆うように、犠牲層11上および第 1のパリレン層12上に、第2のパリレン層13を蒸 着する。そして、第2のパリレン層13を図17に した形状にパターニングする。これにより パリレンからなるプルーフマス4(図1参照)、 梁部9(図1参照)、および、枠体部3(図1参照)が 成される。この際、図17および図18に示すよ うに、枠体部3の所定領域に、パッド電極7cお よび8cの表面を露出させるための開口部3aを 成する。なお、第1のパリレン層12および第2 パリレン層13は、室温で形成(蒸着)可能であ る。

 最後に、XeF 2 ガスを用いたドライエッチングにより、犠牲 層11の所定領域を除去することによって、プ ーフマス4と強誘電体層2とを離間させる。 のようにして、図1に示した本発明の第1実施 形態による加速度センサ50が形成される。

 第1実施形態の製造方法では、上記のように 、セラミック基板1上の所定領域に、スクリ ン印刷法を用いてBaTiO 3 からなる強誘電体層2を形成することによっ 、強誘電体層2を所定の領域に容易に形成す ことができるので、板状の強誘電体層を基 上に貼り付ける場合などと比べて、製造効 を向上させることができる。なお、第1実施 形態による加速度センサ50では、DRIEプロセス を用いることなく製造することができる。

 また、第1実施形態では、スクリーン印刷法 を用いてBaTiO 3 からなる強誘電体層2を形成することによっ 、スパッタ法やゾルゲル法などを用いて強 電体層2を形成する場合に比べて、容易に、 誘電体層2の厚みt1を大きくすることができ ので、強誘電体層2の厚みt1が小さいことに 因して、静電容量値の変化を精度よく検出 ることが困難になるという不都合が発生す のを抑制することができる。これにより、 造効率を向上させながら、感度の高い加速 センサ50を得ることができる。

 また、第1実施形態では、セラミック基板 1(グレーズ層5)の上面上に、スクリーン印刷 を用いて配線層6を形成することによって、 易に、配線層6を形成することができるので 、これによっても、製造効率を向上させるこ とができる。

 (第2実施形態)
 図19は、本発明の第2実施形態による加速度 ンサの構造を示した斜視図である。図20は 図19のA2-A2線に沿った断面図である。図21は 図19に示した本発明の第2実施形態による加 度センサの平面図である。図22~図25は、本発 明の第2実施形態による加速度センサの構造 説明するための図である。まず、図19~図25を 参照して、本発明の第2実施形態による加速 センサ60の構造について説明する。

 第2実施形態による加速度センサ60は、図1 9および図20に示すように、セラミック基板1 、セラミック基板1上に形成された強誘電体 22と、強誘電体層22を囲むようにセラミック 基板1上に形成された枠体部23と、枠体部23の 側に配置されたプルーフマス24とを備えて る。なお、強誘電体層22は、本発明の「誘電 体層」の一例であり、プルーフマス24は、本 明の「可動部」の一例である。

 セラミック基板1は、Al 2 O 3 から構成されているとともに、約1mmの厚みを 有している。このセラミック基板1の上面上 は、上記第1実施形態と同様、グレーズ層5が 形成されている。なお、グレーズ層5は、強 電体層22などを形成するのに適した平滑面を 得るために設けられている。また、図19に示 ように、セラミック基板1(グレーズ層5)の上 面上であるとともに、枠体部23の外側の所定 域には、スクリーン印刷法によって形成さ た配線層6が設けられている。この配線層6 、たとえば、Au(金)などから構成されている

 ここで、第2実施形態では、上記第1実施形 と同様、強誘電体層22は、BaTiO 3 (比誘電率:1000以上)から構成されている。ま 、強誘電体層22は、図20および図22に示すよ に、セラミック基板1(グレーズ層5)上の所定 域に、スクリーン印刷法によって形成され いる。この強誘電体層22は、平面的に見て 実質的に四角形状を有している。

 また、強誘電体層22は、5μm以上の厚みに 成されている。具体的には、強誘電体層22 、5μm~20μmの厚みt11(図25参照)に構成されてい る。

 また、強誘電体層22の上面には、BaTiO 3 の粒径を制御することによって形成された、 0.1μm~0.2μm程度の凹凸(図示せず)が設けられて いる。これにより、プルーフマス24が強誘電 層22の上面と接触した場合でも、プルーフ ス24と強誘電体層22との接触面積を小さくす ことが可能となるので、スティクション(強 誘電体層22とプルーフマス24との貼り付き)を 効に抑制することが可能となる。これによ 、スティクションに起因する加速度センサ6 0の信頼性の低下を抑制することが可能とな 。

 また、第2実施形態では、図20および図22 示すように、強誘電体層22の上面側の所定領 域に、アルミニウム(Al)からなるメタル層40が 形成されている。このメタル層40は、所定の ターンに構成されており、強誘電体層22の 面から突出しないように形成されている。 体的には、メタル層40は、平面的に見て、後 述する第1電極27および第2電極28のそれぞれの 櫛歯部27aおよび28aに対して平行に延びるよう に形成されている。また、メタル層40は、そ 上面が強誘電体層22の上面と実質的に同一 となるように形成されている。

 また、プルーフマス24は、パリレン(Parylen :パラキシリレン系樹脂)から構成されている ともに、図20および図25に示すように、約5μ mの厚みt12(図24参照)に構成されている。また プルーフマス24は、図21に示すように、平面 的に見て、実質的に四角形状(一辺の長さが 1000μm)に形成されている。

 また、第2実施形態では、図23に示すよう 、プルーフマス24の裏面側(下面側)には、ア ルミニウムからなる2つの電極(第1電極27およ 第2電極28)が、同一平面内に隣り合うように 形成されている。具体的には、第1電極27およ び第2電極28は、平面的に見て、それぞれ、櫛 歯状に形成されているとともに、第1電極27の 櫛歯部27aと第2電極28の櫛歯部28aとが交互に配 列されるように構成されている。また、図25 示すように、第1電極27の櫛歯部27aの幅w1お び第2電極28の櫛歯部28aの幅w1は、それぞれ、 約5μmの長さに構成されているとともに、第1 極27の櫛歯部27aから隣り合う第2電極28の櫛 部28aまでの長さg1は、約5μmに構成されてい 。なお、第2実施形態による加速度センサ60 は、図23に示すように、第1電極27および第2 極28は、プルーフマス24の裏面(下面)側のほ 全面に形成されている。

 また、プルーフマス24は、図19および図21 示すように、一体的に連結された4つの梁部 29を含んでいる。この4つの梁部29は、プルー マス24の互いに対向する2つの側面に、それ れ、2つずつ配置されており、平面的に見て 、同一方向に延びるように形成されている。 また、4つの梁部29の端部は、それぞれ、枠体 部23と一体的に連結されている。これにより プルーフマス24は、図19および図20に示すよ に、強誘電体層22と対向するように配置さ た状態で、強誘電体層22の上方に支持されて いる。なお、強誘電体層22の上面からプルー マス24(第1電極27および第2電極28)までの距離 d1(図20および図25参照)は、約1μmである。

 また、第2実施形態では、図24に示すよう 、梁部29は、約5μmの厚みt12を有していると もに、約3μmの幅w11を有している。すなわち 、梁部29は、セラミック基板1(図19参照)の上 (主面)に対して平行な矢印X方向に弾性変形 易くなるように、厚み方向の長さが、幅方 の長さよりも大きく構成されている。これ より、4つの梁部29によって支持されたプル フマス24は、加速度が加わると、その慣性力 によって、セラミック基板1の上面(主面)に対 して水平な矢印X方向に移動することが可能 なる。

 また、上述した第1電極27は、図23に示す うに、接続部27bを介して、パッド電極27cに 気的に接続されているとともに、上述した 2電極28は、接続部28bを介して、パッド電極28 cに電気的に接続されている。

 また、枠体部23は、図20に示すように、プル ーフマス24よりも大きい厚みを有しており、 19および図21に示すように、梁部29を介して プルーフマス24を保持する機能を有してい 。なお、枠体部23は、主として、パリレンか ら構成されている。
また、枠体部23の所定領域には、パッド電極2 7cおよび28cの表面を露出させるための開口部2 3aが形成されている。

 第2実施形態のその他の構成は、上記第1 施形態と同様である。

 図26~図32は、本発明の第2実施形態による 速度センサの動作を説明するための図であ 。次に、図23および図25~図32を参照して、本 発明の第2実施形態による加速度センサ60の動 作について説明する。

 第2実施形態による加速度センサ60では、 ッド電極27c(図23参照)とパッド電極28c(図23参 照)との間に電圧を印加することによって、 25および図26に示すように、第1電極27の櫛歯 27aと第2電極28の櫛歯部28aとの間にフリンジ 界10(電極間の脇に発生する電界)が発生して いる。ここで、フリンジ電界10を発生させる 1電極27および第2電極28が、図23に示したよ に、それぞれ、櫛歯状に形成されていると もに、互いの櫛歯部27aおよび28aが交互に配 されているため、フリンジ電界10は、プルー フマス24の裏面(下面)側のほぼ全面に均一に 生している。一方、プルーフマス24と対向す る強誘電体層22は、発生したフリンジ電界10 中に配置された状態となっている。

 この状態から加速度センサ60に加速度が わると、プルーフマス24に慣性力が働くので 、これによって、プルーフマス24が、セラミ ク基板1の上面に対して水平方向である矢印 X方向に移動する。ここで、第1電極27と第2電 28との間に発生しているフリンジ電界10では 、その電気力線は強誘電体層22を貫くことが 能である一方、メタル層40を貫くことがで ないので、プルーフマス24が矢印X方向に移 することによって、電気力線の様相が変化 る。これにより、電気力線の様相の変化に じて、静電容量値が変化するので、この静 容量値の変化を検出することにより、加速 センサ60に加わった矢印X方向の加速度が検 される。

 なお、静電容量値は、メタル層40の形成 ターンによって、その変化のパターンが変 ると考えられる。たとえば、図27に示すよう に、メタル層40を、第1電極27の櫛歯部27aと、 り合う第2電極28の櫛歯部28aとの両方の真下 位置するように形成した場合(第1形成パタ ン)には、静電容量値Cは、図28に示すように 化すると容易に推測される。また、図29に すように、メタル層40を、第1電極27の櫛歯部 27aおよび第2電極28の櫛歯部28aのいずれの真下 にも位置しないように形成した場合(第2形成 ターン)には、静電容量値Cは、図30に示すよ うに変化すると容易に推測される。さらに、 図31に示すように、比較的幅の広いメタル層4 0を、第1電極27の櫛歯部27aおよび第2電極28の 歯部28aの一方の真下にのみ位置するように 成した場合(第3形成パターン)には、静電容 値Cは、図32に示すように変化すると容易に 測される。したがって、メタル層40の形成パ ターンを種々変化させることにより、加速度 の検出感度を調整することが可能となる。

 次に、第2実施形態による加速度センサ60 効果を確認するために、上記第1実施形態と 同様の方法を用いてコンピュータシミュレー ションを行った。その結果を図33に示す。

 上記図33に示すように、強誘電体層22の厚 みt11を5μm以上に構成することによって、99% 上のカバー率が得られることが判明した。 た、強誘電体層22の厚みt11を10μm以上に構成 た場合には、ほぼ100%(99.8%以上)のカバー率 得られ、20μm以上に構成した場合には、100% カバー率が得られることが判明した。なお 強誘電体層22の厚みt11が10μmの場合には、強 電体層22の厚みt11は、第1電極27および第2電 28の一方の櫛歯部27a(または28a)の幅w1(約5μm) 、第1電極27の櫛歯部27aから隣り合う第2電極 28の櫛歯部28aまでの長さg1(約5μm)との合計長 (w1+g1:約10μm)と一致する。また、強誘電体層2 2の厚みt11が20μmの場合には、強誘電体層22の みt11は、上記合計長さ(w1+g1:約10μm)の2倍(2(w1 +g1))と一致する。

 以上のように、強誘電体層22の厚みt11を5 m以上に構成することによって、十分なカバ 率を得ることができ、静電容量値の変化を 度よく検出することが可能となることが確 された。これにより、加速度の検出感度を 上させることが可能となることが確認され 。

 第2実施形態では、上記のように、プルー フマス24の強誘電体層22側に第1電極27および 2電極28を形成することによって、第1電極27 櫛歯部27aと第2電極28の櫛歯部28aとの間にフ ンジ電界10を発生させることができる。また 、強誘電体層22の上面側の所定領域に、所定 パターンでメタル層40を形成することによ て、プルーフマス24がセラミック基板1の上 (主面)と平行な矢印X方向に移動した場合で 、フリンジ電界10における電気力線の様相を 変化させることができる。すなわち、第1電 27の櫛歯部27aと第2電極28の櫛歯部28aとの間に 発生するフリンジ電界10では、その電気力線 強誘電体層22を貫くことが可能である一方 メタル層40を貫くことができないので、強誘 電体層22の上面側の所定領域に、所定のパタ ンでメタル層40を形成することによって、 ルーフマス24が矢印X方向に移動した際に、 リンジ電界10における電気力線の様相を変化 させることができる。これにより、電気力線 の様相の変化に応じて、静電容量値が変化す るので、その静電容量値の変化を検出するこ とにより、セラミック基板1(強誘電体層22)の 面(主面)と平行な矢印X方向の加速度を検出 ることができる。

 また、第2実施形態では、メタル層40を、 誘電体層22の上面から突出しないように形 することによって、強誘電体層22の上面側に メタル層40を形成したとしても、メタル層40 形成されていない場合と同様のプロセスで その後の製造プロセスを行うことができる で、強誘電体層22の上面からメタル層40が突 することに起因して、その後の製造プロセ が繁雑になるという不都合が生じるのを抑 することができる。これにより、容易に、 造効率を向上させることができる。

 また、第2実施形態では、メタル層40を、 誘電体層22の上面から突出しないように形 することによって、プルーフマス24が、セラ ミック基板1(強誘電体層22)の上面(主面)と平 な矢印X方向に移動する際に、メタル層40と ルーフマス24(第1電極27、第2電極28)とが係合 るのを抑制することができるので、メタル 40とプルーフマス24(第1電極27、第2電極28)と 係合することに起因して、セラミック基板1 (強誘電体層22)の上面(主面)と平行な矢印X方 へのプルーフマス24の移動が妨げられるとい う不都合が生じるのを抑制することができる 。これにより、容易に、セラミック基板1(強 電体層22)の上面(主面)と平行な矢印X方向の 速度を検出することができる。

 また、第2実施形態では、強誘電体層22をBaTi O 3 から構成することによって、BaTiO 3 は比誘電率が1000以上の金属酸化物(強誘電体 質)であるため、強誘電体層22の比誘電率を 分に大きくすることができる。これにより 容易に、静電容量値の変化を精度よく検出 ることができるので、容易に、セラミック 板1(強誘電体層22)の上面(主面)と平行な矢印 X方向の加速度を精度よく検出することがで る。なお、BaTiO 3 は、Pb(鉛)を含有しない強誘電体物質である め、強誘電体層22をBaTiO 3 から構成することによって、廃棄物による環 境負荷を低減することができるとともに、人 体に与える悪影響を低減することができる。

 また、第2実施形態では、プルーフマス24 支持する梁部29を、厚み方向の長さが、幅 向の長さよりも大きくなるように構成する とによって、セラミック基板1(強誘電体層22) の上面(主面)に対して垂直方向(矢印Z方向)に ルーフマス24が移動するのを抑制すること できるので、検出された加速度に、矢印Z方 の加速度成分が含まれるのを抑制すること できる。これにより、容易に、セラミック 板1(強誘電体層22)の上面(主面)と平行な矢印 X方向の加速度を検出することができるとと に、容易に、その検出精度を向上させるこ ができる。

 また、第2実施形態では、上記第1実施形 と同様、強誘電体層22の厚みt11を5μm以上に 成することによって、99%以上のカバー率を ることができるので、静電容量値の変化を 度よく検出することができる。これにより セラミック基板1(強誘電体層22)の上面(主面) 平行な矢印X方向の加速度をより精度よく検 出することができる。

 さらに、第2実施形態では、セラミック基板 1と強誘電体層22との間に、グレーズ層5を形 することによって、強誘電体層22の上面の平 滑度を向上させることができるので、BaTiO 3 の粒径を制御することによって、強誘電体層 22の上面に、0.1μm~0.2μm程度の凹凸を設けるこ とができる。

 なお、第2実施形態のその他の効果は、上 記第1実施形態と同様である。

 図34~図44は、本発明の第2実施形態による 速度センサの製造方法を説明するための図 ある。続いて、図19、図23~図25および図34~図 44を参照して、本発明の第2実施形態による加 速度センサ60の製造方法について説明する。 お、第2実施形態による加速度センサ60は、 として、表面マイクロマシニング技術を用 て製造する。

 まず、図34に示すように、約1mmの厚みを有 るとともにAl 2 O 3 からなるセラミック基板1の上面上に、グレ ズ層5を形成する。このグレーズ層5は、たと えば、ガラス成分を含んだ液体をセラミック 基板1上に印刷した後、所定温度で焼成する とによって形成する。

 次に、スクリーン印刷法を用いて、グレ ズ層5上に、図19に示した配線層6を形成する 。なお、配線層6をスクリーン印刷法により 成することにより、容易に、配線層6を形成 ることが可能となるので、これによっても 製造効率を向上させることが可能となる。

 その後、図34に示すように、セラミック基 1(グレーズ層5)上の所定領域にスクリーン印 法を用いて強誘電体層22を形成する。具体 には、グレーズ層5上の所定領域に、BaTiO 3 を含むペーストを印刷した後、800℃~1200℃程 の焼成温度で焼成することにより、BaTiO 3 からなる強誘電体層22を形成する。

 また、強誘電体層22は、その厚みt11(図25参 )が5μm~20μmとなるように形成するとともに、 BaTiO 3 の粒径を制御することによって、強誘電体層 22の上面に0.1μm~0.2μm程度の凹凸(図示せず)が じるように形成する。

 続いて、図35に示すように、蒸着法など 用いて、強誘電体層22上の所定領域に、所定 のパターンでメタル層40を形成する。そして 強誘電体層22の焼成温度よりも若干高い温 (たとえば、約50℃高い温度)まで昇温するこ により強誘電体層22を軟化させる。これに り、強誘電体層22上に形成されたメタル層40 下方に沈むので、図36に示すように、メタ 層40が強誘電体層22の上面から突出しないよ に構成される。

 その後、図37に示すように、プラズマCVD を用いて、グレーズ層5上に、アモルファス リコンからなる犠牲層31を、強誘電体層22を 覆うように形成する。ここで、犠牲層31とは 後工程で除去することを前提に形成する層 ことである。

 次に、図38に示すように、フォトリソグラ ィ技術とSF 6 プラズマガスを用いたドライエッチングとに より、犠牲層31に細長状の溝部(スロット)31a 形成する。そして、図39に示すように、犠牲 層31の上面上に、第1のパリレン層32を蒸着す 。この際、溝部31a内に蒸着された第1のパリ レン層32は、プルーフマス24を保持するため アンカー部となる。

 次に、図40に示すように、フォトリソグラ ィ技術とO 2 プラズマガスを用いたエッチングとにより、 第1のパリレン層32の所定領域を除去する。

 その後、犠牲層31上および第1のパリレン 32上に、スパッタリングまたは蒸着法によ 、アルミニウム層を堆積するとともに、図41 に示すように、堆積したアルミニウム層を、 フォトリソグラフィ技術とウェットエッチン グとを用いてパターニングする。これにより 、図23に示したような櫛歯状の第1電極27およ 櫛歯状の第2電極28が形成されるとともに、 1電極27および第2電極28にそれぞれ電気的に 続されるパッド電極27cおよび28cが形成され 。なお、第1電極27とパッド電極27cとを接続 る接続部27b(図23参照)、および、第2電極28と パッド電極28cとを接続する接続部28b(図23参照 )も、上記したアルミニウム層のパターニン により、同時に形成される。

 次に、図42に示すように、第1電極27、第2 極28、パッド電極27cおよび28c(図23参照)、接 部27bおよび28b(図23参照)を覆うように、犠牲 層31上および第1のパリレン層32上に、第2のパ リレン層33を蒸着する。そして、第2のパリレ ン層33を図43に示した形状にパターニングす 。この際、図24に示したように、4つの梁部29 は、それぞれ、厚み方向の長さを、幅方向の 長さよりも大きくなるように形成する。これ により、パリレンからなるプルーフマス24(図 19参照)、梁部29(図19参照)、および、枠体部23( 図19参照)が形成される。この際、枠体部23の 定領域に、パッド電極27cおよび28cの表面を 出させるための開口部23aを形成する。なお 第1のパリレン層32および第2のパリレン層33 、室温で形成(蒸着)可能である。

 最後に、図44に示した状態から、XeF 2 ガスを用いたドライエッチングにより、犠牲 層31の所定領域を除去することによって、プ ーフマス24と強誘電体層22とを離間させる。 このようにして、図19に示した本発明の第2実 施形態による加速度センサ60が形成される。

 第2実施形態では、上記のように、セラミ ック基板1上の所定領域に、スクリーン印刷 を用いて強誘電体層22を形成することによっ て、セラミック基板1上の所定領域に強誘電 層22を容易に形成することができるので、板 状の強誘電体層22をセラミック基板1上の所定 領域に貼り付ける場合などと比べて、製造効 率を向上させることができる。なお、第2実 形態による加速度センサ60では、DRIEプロセ を用いることなく製造することができる。

 なお、今回開示された実施形態は、すべ の点で例示であって制限的なものではない 考えられるべきである。本発明の範囲は、 記した実施形態の説明ではなく特許請求の 囲によって示され、さらに特許請求の範囲 均等の意味および範囲内でのすべての変更 含まれる。

 たとえば、上記第1および第2実施形態では 強誘電体層をBaTiO 3 から構成した例について示したが、本発明は これに限らず、非誘電率が1000以上であって スクリーン印刷法が適用可能な金属酸化物 あれば、BaTiO 3 以外の金属酸化物から強誘電体層を構成して もよい。この際、Pb(鉛)を含有しない金属酸 物を用いるのが好ましい。

 また、上記第1および第2実施形態では、 誘電体層を5μm~20μmの厚みに構成した例につ て示したが、本発明はこれに限らず、強誘 体層を20μm以上の厚みに構成してもよい。 お、強誘電体層の形成は、上述したように スクリーン印刷法によって行われるので、20 μm以上の厚みを有する強誘電体層でも、容易 に形成することが可能である。

 また、上記第1および第2実施形態では、 レーズ層が形成されたセラミック基板上に スクリーン印刷法を用いて、強誘電体層を 成した例について示したが、本発明はこれ 限らず、グレーズ層が形成されていないセ ミック基板上に、スクリーン印刷法を用い 、強誘電体層を形成してもよい。

 また、上記第1および第2実施形態では、80 0℃~1200℃程度の焼成温度で焼成することによ り、強誘電体層を形成した例を示したが、本 発明はこれに限らず、上記した焼成温度以外 の焼成温度で焼成することにより、強誘電体 層を形成してもよい。たとえば、1200℃~1500℃ 程度の比較的高い焼成温度で焼成してもよい し、700℃以下の比較的低い焼成温度で焼成し てもよい。なお、1200℃~1500℃程度の焼成温度 で焼成する場合には、グレーズ層が形成され ていないセラミック基板上に、強誘電体層を 形成するとともに、強誘電体層の形成後に配 線層を形成すれば上記実施形態に示した加速 度センサの製造が可能である。また、700℃以 下の焼成温度で焼成する場合には、強誘電体 層の比誘電率が1000以下にならないように構 するのが好ましい。

 また、上記第1および第2実施形態では、Al 2 O 3 からなるセラミック基板を用いた例を示した が、本発明はこれに限らず、Al 2 O 3 以外のセラミック材料からなるセラミック基 板を用いて加速度センサを製造してもよい。

 また、上記第1および第2実施形態では、 体部によってプルーフマスを保持するよう 構成したが、本発明はこれに限らず、枠体 以外の部材によってプルーフマスを保持す ように構成してもよい。

 なお、上記第1および第2実施形態におい 、プルーフマスに、上面から下面に貫通す 複数の貫通孔を設けてもよい。このように 成した場合には、犠牲層の除去が容易にな とともに、空気抵抗を低減することが可能 なる。

 また、上記第2実施形態では、メタル層を 、強誘電体層の上面から突出しないように形 成した例について示したが、本発明はこれに 限らず、メタル層を、強誘電体層の上面から 突出するように形成してもよい。

 また、上記第2実施形態では、メタル層の 形成パターンの例として、第1形成パターン 第2形成パターンおよび第3形成パターンの3 の形成パターンを示したが、本発明はこれ 限らず、メタル層の形成パターンは、上記 た第1形成パターン、第2形成パターンおよび 第3形成パターン以外の形成パターンであっ もよい。また、メタル層の形成パターンを 々組み合わせてもよい。このように、メタ 層の形成パターンを組み合わせた場合には 加速度の検出感度を調整することが可能に るとともに、検出感度を向上させることが 能になる。

 また、上記第2実施形態では、メタル層を アルミニウムから構成した例について説明し たが、本発明はこれに限らず、アルミニウム 以外の金属からメタル層を構成してもよい。

 また、上記第2実施形態では、4つの梁部 よってプルーフマスを支持する構成につい 示したが、本発明はこれに限らず、セラミ ク基板の上面に対して平行な所定方向に、 ルーフマスを移動させることが可能であれ 、プルーフマスを支持する梁部の構成は、 記実施形態による構成以外の構成であって よい。たとえば、図45に示すように、プルー フマス34を支持する梁部39を、矢印X方向に撓 ように構成してもよい。

 また、上記第2実施形態では、加速度セン サを、セラミック基板の上面に対して平行な 矢印X方向の加速度を検出可能に構成した例 ついて説明したが、本発明はこれに限らず 1つのセラミック基板上に複数の加速度セン を形成することによって、複数方向の加速 を同時に検出可能に構成してもよい。たと ば、図46に示すように、少なくとも、セラ ック基板1の上面に対して平行な矢印X方向お よび矢印Y方向の加速度をそれぞれ検出する2 の加速度センサ60と、セラミック基板1の上 に対して垂直方向の加速度を検出する加速 センサ50とを、1つのセラミック基板1上に形 成することによって、3軸方向の加速度を同 に検出可能に構成してもよい。また、図46に 示すように、リファレンスとして、プルーフ マスが移動しない加速度センサ70をさらに設 てもよい。このように構成した場合には、 速度の検出精度をより向上させることが可 となる。