Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ADDITIVE FOR OILS AND LUBRICANT CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/140045
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an additive for oils which is capable of imparting oils such as lubricant base oils and fuel oils with excellent wear-resistance characteristics or excellent friction-resistance characteristics. Specifically disclosed is an additive for oils containing a compound represented by the following formula (I). [chemical formula 1] [In the formula (I), m represents an integer of 0-4; n represents an integer of 2-6; A represents a hydroxy or an amino; W represents a hydrocarbon or the like; and B represents a group represented by the following formula (II).] [chemical formula 2] [In the formula (II), a represents 0 or 1; X represents an oxygen atom or NH; Y represents OR1 or NHR2 (wherein R1 and R2 an optionally substituted alkyl or the like); and Z1 and Z2 represent a hydrogen atom, NR3R4 (wherein R3 and R4 represent an optionally substituted alkyl or the like) or the like.]

Inventors:
HIYOSHI AKIRA (JP)
KISHI JUNYA (JP)
NAKAYAMA SHINGO (JP)
OHARA SUGURU (JP)
ISOGAI YUKIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058645
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
May 09, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KYOWA HAKKO CHEMICAL CO LTD (JP)
HIYOSHI AKIRA (JP)
KISHI JUNYA (JP)
NAKAYAMA SHINGO (JP)
OHARA SUGURU (JP)
ISOGAI YUKIHIRO (JP)
International Classes:
C10M129/72; C07D209/48; C10M133/04; C10M133/16; C10M135/20; C10N30/06
Foreign References:
US5391826A1995-02-21
US4048082A1977-09-13
US20060089271A12006-04-27
JPS5575633A1980-06-07
JP2563295B21996-12-11
JPS5626995A1981-03-16
JPS632962A1988-01-07
JPS6092250A1985-05-23
US4076758A1978-02-28
JPS588027A1983-01-18
JPS5462300A1979-05-19
JPH03204840A1991-09-06
JP2000344695A2000-12-12
JP2001089403A2001-04-03
US4409399A1983-10-11
JPS3821353B1
Other References:
CHEMICAL ABSTRACTS, 1980, Columbus, Ohio, US; abstract no. 92:25248Z, ZEINALOVA G.A.: "Antioxidant additives to synthetic oils" XP008115877
CHEMICAL ABSTRACTS, 1977, Columbus, Ohio, US; abstract no. 87:203976S, ZEINALOVA G.A. ET AL.: "Mechanism of oil oxidation inhibition at high temperatures" XP008115878
CHEMICAL ABSTRACTS, 1977, Columbus, Ohio, US; abstract no. 87:70591P, ZEINALOVA G.A.: "Inhibition of the oxidation of synthetic oils at a high temperature" XP008115876
"Journal of Economic Maintenance Tribology", July 2005, pages: 7
"The Tribology", December 2005, pages: 36
ORGANIC PROCESS RESEARCH & DEVELOPMENT, vol. 9, 2005, pages 853
JOURNAL OF AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 77, 1955, pages 2843
CHEMISTRY LETTERS, 1984, pages 441
"Groups in Organic Synthesis", 1999, OHN WILEY & SONS INC.
ORGANIC SYNTHESIS, vol. 4, 1963, pages 339
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
Download PDF:
Claims:
 式(I)
 {式(I)中、
 mは0~4の整数を表し、
 nは2~6の整数を表し、
 m+nは2~6の整数を表し、
 Wは、炭素数2~20の炭化水素、炭素数4~20のエーテル、炭素数3~20のアミン、炭素数4~20のスルフィド、および炭素数4~20のジスルフィドからなる群より選ばれる一つの化合物から、炭素原子上の水素原子を(m+n)個除くことにより生じる(m+n)価の基であり、
 Aはヒドロキシ、またはアミノを表し、
 mが2以上であるときのAのそれぞれは、同一または異なっていてもよく、
 Bのそれぞれは、同一または異なっていてもよく、
 Bは、式(II)
 {式(II)中、
 aのそれぞれは、同一または異なって、0または1を表し、
 Xのそれぞれは、同一または異なって、酸素原子またはNHを表し、
 Yのそれぞれは、同一または異なって、OR 1 またはNHR 2 を表し(R 1 およびR 2 は、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、または置換基を有していてもよいシクロアルケニルを表す)、
 Z 1 のそれぞれは、同一または異なっていてもよく、
 Z 2 のそれぞれは、同一または異なっていてもよく、
 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方は水素原子を表し、他方は、
 式(III)、
 [式(III)中、R 3 およびR 4 は同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルケニル、置換基を有していてもよいアルカノイル、置換基を有していてもよいアルケノイル、置換基を有していてもよいアロイル、置換基を有していてもよいシクロアルキルカルボニル、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいアルケニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル、または置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシカルボニルを表すか、または、R 3 およびR 4 が隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する]、
 式(IV)、
[式(IV)中、R 5 およびR 6 は同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、またはR 5 およびR 6 が隣接する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよいシクロアルキリデンを形成する]、 または、式(V)
 [式(V)中、pは1~3の整数を表し、R 7 およびR 8 は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有していてもよいシクロアルケニル、置換基を有していてもよいアルカノイル、置換基を有していてもよいアルケノイル、置換基を有していてもよいアロイルまたは置換基を有していてもよいシクロアルキルカルボニルを表すか、またはR 7 とR 8 がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよいシクロアルカンまたは置換基を有していてもよい芳香環を形成する]を表す}を表す}で表される化合物を含有する油類用添加剤。
  aのそれぞれが同一で、1である請求項1に記載の油類用添加剤。
 nが2~4の整数であり、mが0~2の整数であり、m+nが2~4の整数であり、
 Wが、炭化水素から、炭素原子上の水素原子を(m+n)個除くことにより生じる(m+n)価の基であり、前記炭化水素が炭素数2~10のアルカンである請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2であり、mが0であり、
 Wが、式(VI)
 [式(VI)中、Dは酸素原子、硫黄原子、メチレン、またはジメチルメチレンを表す]である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2であり、mが0であり、
 Wが、式(VII)
 [式(VII)中、Dは酸素原子、硫黄原子、メチレン、またはジメチルメチレンを表す]である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2であり、mが0であり、
 Wが、式(VIII)
 [式(VIII)中、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、同一または異なって、水素原子、メチル、またはエチルを表す]である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2であり、mが0であり、
 Wが、式(IX)
 {式(IX)中、fは1~4の整数を表し、Eは酸素原子または式(X)
 [式(X)中、R 13 は水素原子、メチルまたはエチルを表す]を表す}である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2であり、mが0であり、
 Wが、式(XI)
 [式(XI)中、Gは、-S-または-S-S-を表し、qおよびrは、同一または異なって2または3を表す]である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 qが2であり、rが2である請求項8記載の油類用添加剤。
 nが2または3であり、mが0または1であり、m+nが3であり、
 Wが、式(XII)
 である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2または3であり、mが0または1であり、m+nが3であり、
 Wが、式(XIII)
 である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2または3であり、mが0または1であり、m+nが3であり、
 Wが、式(XIV)
 [式(XIV)中、R 14 は、水素原子、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数1~6のアルケニルを表す]である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 R 14 がエチルである請求項12に記載の油類用添加剤。
 nが2または3であり、mが0または1であり、m+nが3であり、
 Wが、式(XV)
 である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2~4の整数であり、mが0~2の整数であり、m+nが4であり、
 Wが、式(XVI)
 である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 nが2~6の整数であり、mが0~4の整数であり、m+nが6であり、
 Wが、式(XVII)
 である請求項1または2に記載の油類用添加剤。
 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方が水素原子であり、他方が式(III)である請求項1~16のいずれかに記載の油類用添加剤。
 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方が水素原子であり、他方が式(V)である請求項1~16のいずれかに記載の油類用添加剤。
 式(V)がフタルイミドである請求項18に記載の油類用添加剤。
 Xのそれぞれが、同一で、酸素原子である請求項1~19のいずれかに記載の油類用添加剤。
 Xのそれぞれが、同一で、NHである請求項1~19のいずれかに記載の油類用添加剤。
 Yのそれぞれが、同一で、OR 1 (式中、R 1 は前記と同義である)である請求項3~21のいずれかに記載の油類用添加剤。
 R 1 が置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルである請求項22に記載の油類用添加剤。
 mが0である請求項1~3、および10~23のいずれかに記載の油類用添加剤。
 請求項1~24のいずれかに記載の油類用添加剤と潤滑油基油とを含有する潤滑油。
 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィン、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)および植物油からなる群より選ばれる1種以上である請求項25に記載の潤滑油。
 式(Ia)
 {式(Ia)中、
 maは0~2の整数を表し、
 naは2~4の整数を表し、
 ma+naは2~4の整数を表し、
 W a は、炭素数2~10のアルカンから、炭素原子上の水素原子を(ma+na)個除くことにより生じる(ma+na)価の基であり、
 B a のそれぞれは、同一でも異なっていてもよく、
 B a は、式(IIa)
 [式(IIa)中、
 aのそれぞれは、同一または異なって、0または1を表し、
 Y a のそれぞれは、同一または異なって、-OR 1a (式中、R 1a は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル、または置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルケニルを表す)を表し、
 Z a1 のそれぞれは、同一または異なっていてもよく、
 Z a2 のそれぞれは、同一または異なっていてもよく、
 1つの同じB a の中にあるZ 1a およびZ 2a のうち、一方は水素原子を表し、他方はフタルイミドを表す]を表す}で表されるエステル化合物。
 maが0である請求項27に記載のエステル化合物。
 R 1a が、置換基を有していてもよい炭素数12~20のアルキル、または置換基を有していてもよい炭素数12~20のアルケニルである請求項27または28に記載のエステル化合物。
Description:
油類用添加剤およびこれを含有 る潤滑油

 本発明は、潤滑油基油や燃料油などの油類 、優れた耐摩耗特性または優れた耐摩擦特 などを付与する化合物を含有する油類用添 剤などに関する。
 本願は、2007年5月9日に、日本に出願された 願2007-124620号に基づき優先権を主張し、そ 内容をここに援用する。

 潤滑油は、一般に、潤滑油基油と潤滑油 加剤とを含有する。金属分やリン分は環境 悪影響を及ぼすので、金属分やリン分を含 しない潤滑油添加剤が求められている。(非 特許文献1および2参照)。

 潤滑油には様々な特性が求められ、その中 耐摩耗特性および耐摩擦特性がある。潤滑 基油に耐摩耗特性または耐摩擦特性を付与 るための添加剤が検討されている(特許文献 1など参照)。
 グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミ 酸のアルキルエステルと油類とを含有する 化性錆止め油が知られている(特許文献2参 )。
 2-フタルイミドペンタンニ酸のジメチルエ テルなどが、サリドマイドの原料などとし 有用であることが知られている(非特許文献3 参照)。

特許第2563295号公報

特開昭56-26995号公報 「潤滑経済」、2005年、7月号、p7 「月刊トライボロジー」、2005年、12月号 、p36 オーガニック・プロセス・リサーチ・ア ンド・ディベロップメント(Organic Process Resea rch & Development)、第9巻、2005年、p853

 本発明の目的は、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与する化合物を含有する 類用添加剤などを提供することにある。

 本発明は、以下の(1)~(29)を提供する。
(1) 式(I)

 {式(I)中、
 mは0~4の整数を表し、
 nは2~6の整数を表し、
 m+nは2~6の整数を表し、
 Wは、炭素数2~20の炭化水素、炭素数4~20のエ テル、炭素数3~20のアミン、炭素数4~20のス フィド、および炭素数4~20のジスルフィドか なる群より選ばれる一つの化合物から、炭 原子上の水素原子を(m+n)個除くことにより じる(m+n)価の基であり、
 Aはヒドロキシ、またはアミノを表し、
 mが2以上であるときのAのそれぞれは、同一 たは異なっていてもよく、
 Bのそれぞれは、同一または異なっていても よく、
 Bは、式(II)

 {式(II)中、
 aのそれぞれは、同一または異なって、0ま は1を表し、
 Xのそれぞれは、同一または異なって、酸素 原子またはNHを表し、
 Yのそれぞれは、同一または異なって、OR 1 またはNHR 2 を表し(R 1 およびR 2 は、同一または異なって、置換基を有してい てもよいアルキル、置換基を有していてもよ いアルケニル、置換基を有していてもよいア リール、置換基を有していてもよいアラルキ ル、置換基を有していてもよいシクロアルキ ル、または置換基を有していてもよいシクロ アルケニルを表す)、
 Z 1 のそれぞれは、同一または異なっていてもよ く、
 Z 2 のそれぞれは、同一または異なっていてもよ く、
 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方は水素原子を表し、他方は、
 式(III)、

 [式(III)中、R 3 およびR 4 は同一または異なって、水素原子、置換基を 有していてもよいアルキル、置換基を有して いてもよいアルケニル、置換基を有していて もよいアリール、置換基を有していてもよい アラルキル、置換基を有していてもよいシク ロアルキル、置換基を有していてもよいシク ロアルケニル、置換基を有していてもよいア ルカノイル、置換基を有していてもよいアル ケノイル、置換基を有していてもよいアロイ ル、置換基を有していてもよいシクロアルキ ルカルボニル、置換基を有していてもよいア ルキルオキシカルボニル、置換基を有してい てもよいアルケニルオキシカルボニル、置換 基を有していてもよいアリールオキシカルボ ニル、または置換基を有していてもよいシク ロアルキルオキシカルボニルを表すか、また は、R 3 およびR 4 が隣接する窒素原子と一緒になって置換基を 有していてもよい含窒素複素環基を形成する ]、
 式(IV)、

[式(IV)中、R 5 およびR 6 は同一または異なって、水素原子、置換基を 有していてもよいアルキル、または置換基を 有していてもよいアルケニルを表すか、また はR 5 およびR 6 が隣接する炭素原子と一緒になって置換基を 有していてもよいシクロアルキリデンを形成 する]、 または、式(V)

 [式(V)中、pは1~3の整数を表し、R 7 およびR 8 は、同一または異なって、水素原子、置換基 を有していてもよいアルキル、置換基を有し ていてもよいアルケニル、置換基を有してい てもよいアリール、置換基を有していてもよ いアラルキル、置換基を有していてもよいシ クロアルケニル、置換基を有していてもよい アルカノイル、置換基を有していてもよいア ルケノイル、置換基を有していてもよいアロ イルまたは置換基を有していてもよいシクロ アルキルカルボニルを表すか、またはR 7 とR 8 がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒に って、置換基を有していてもよいシクロア カンまたは置換基を有していてもよい芳香 を形成する]を表す}を表す}で表される化合 を含有する油類用添加剤。
(2) aのそれぞれが同一で、1である(1)に記載 油類用添加剤。
(3) nが2~4の整数であり、mが0~2の整数であり m+nが2~4の整数であり、Wが、炭化水素から、 素原子上の水素原子を(m+n)個除くことによ 生じる(m+n)価の基であり、前記炭化水素が炭 素数2~10のアルカンである(1)または(2)に記載 油類用添加剤。
(4) nが2であり、mが0であり、Wが、式(VI)

 [式(VI)中、Dは酸素原子、硫黄原子、メチレ 、またはジメチルメチレンを表す]である(1) または(2)に記載の油類用添加剤。
(5) nが2であり、mが0であり、Wが、式(VII)

 [式(VII)中、Dは酸素原子、硫黄原子、メチレ ン、またはジメチルメチレンを表す]である(1 )または(2)に記載の油類用添加剤。
(6) nが2であり、mが0であり、Wが、式(VIII)

 [式(VIII)中、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、同一または異なって、水素原子、メチル 、またはエチルを表す]である(1)または(2)に 載の油類用添加剤。
(7) nが2であり、mが0であり、Wが、式(IX)

 {式(IX)中、fは1~4の整数を表し、Eは酸素原 子または式(X)

 [式(X)中、R 13 は水素原子、メチルまたはエチルを表す]を す}である(1)または(2)に記載の油類用添加剤
(8) nが2であり、mが0であり、Wが、式(XI)

 [式(XI)中、Gは、-S-または-S-S-を表し、qおよ rは、同一または異なって2または3を表す]で ある(1)または(2)に記載の油類用添加剤。
(9) qが2であり、rが2である(8)記載の油類用添 加剤。
(10) nが2または3であり、mが0または1であり、 m+nが3であり、Wが、式(XII)

 である(1)または(2)に記載の油類用添加剤。
(11) nが2または3であり、mが0または1であり、 m+nが3であり、Wが、式(XIII)

 である(1)または(2)に記載の油類用添加剤。
(12) nが2または3であり、mが0または1であり、 m+nが3であり、Wが、式(XIV)

 [式(XIV)中、R 14 は、水素原子、炭素数1~6のアルキルまたは炭 素数1~6のアルケニルを表す]である(1)または(2 )に記載の油類用添加剤。
(13) R 14 がエチルである(12)に記載の油類用添加剤。
(14) nが2または3であり、mが0または1であり、 m+nが3であり、Wが、式(XV)

である(1)または(2)に記載の油類用添加剤。
(15) nが2~4の整数であり、mが0~2の整数であり m+nが4であり、Wが、式(XVI)

 である(1)または(2)に記載の油類用添加剤。
(16) nが2~6の整数であり、mが0~4の整数であり m+nが6であり、Wが、式(XVII)

 である(1)または(2)に記載の油類用添加剤。
(17) 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方が水素原子であり、他方が式(II I)である(1)~(16)のいずれかに記載の油類用添 剤。
(18) 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方が水素原子であり、他方が式(V) である(1)~(16)のいずれかに記載の油類用添加 。
(19) 式(V)がフタルイミドである(18)に記載の 類用添加剤。
(20) Xのそれぞれが、同一で、酸素原子であ (1)~(19)のいずれかに記載の油類用添加剤。
(21) Xのそれぞれが、同一で、NHである(1)~(19) いずれかに記載の油類用添加剤。
(22) Yのそれぞれが、同一で、OR 1 (式中、R 1 は前記と同義である)である(3)~(21)のいずれか に記載の油類用添加剤。
(23) R 1 が置換基を有していてもよいアルキル、また は置換基を有していてもよいアルケニルであ る(22)に記載の油類用添加剤。
(24) mが0である(1)~(3)、および(10)~(23)のいずれ かに記載の油類用添加剤。
(25) (1)~(24)のいずれかに記載の油類用添加剤 潤滑油基油とを含有する潤滑油。
(26) 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフ ン、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリ ール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ エステル、ポリフェニルエーテル、アルキ ベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッ (GTL)および植物油からなる群より選ばれる1 以上である(25)に記載の潤滑油。
(27) 式(Ia)

 {式(Ia)中、
 maは0~2の整数を表し、
 naは2~4の整数を表し、
 ma+naは2~4の整数を表し、
 W a は、炭素数2~10のアルカンから、炭素原子上 水素原子を(ma+na)個除くことにより生じる(ma+ na)価の基であり、
 B a のそれぞれは、同一でも異なっていてもよく 、
 B a は、式(IIa)

 [式(IIa)中、
 aのそれぞれは、同一または異なって、0ま は1を表し、
 Y a のそれぞれは、同一または異なって、-OR 1a (式中、R 1a は置換基を有していてもよい炭素数1~20のア キル、または置換基を有していてもよい炭 数1~20のアルケニルを表す)を表し、
 Z a1 のそれぞれは、同一または異なっていてもよ く、
 Z a2 のそれぞれは、同一または異なっていてもよ く、
 1つの同じB a の中にあるZ 1a およびZ 2a のうち、一方は水素原子を表し、他方はフタ ルイミドを表す]を表す}で表されるエステル 合物。
(28) maが0である(27)に記載のエステル化合物
(29) R 1a が、置換基を有していてもよい炭素数12~20の ルキル、または置換基を有していてもよい 素数12~20のアルケニルである(27)または(28)に 記載のエステル化合物。

 本発明によれば、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供できる。

 本発明の油類用添加剤は、潤滑油基油や 料油などの油類に添加され、潤滑油基油や 料油などの油類に耐摩耗特性または耐摩擦 性を付与するものであって、式(I)で表され 化合物を含有する。以下、この化合物のこ を化合物(I)という場合もある。

 炭素数2~20の炭化水素における炭化水素と しては、例えば、アルカン、アルケン、シク ロアルカン、シクロアルケン、芳香族炭化水 素、アリールを有するアルカン、シクロアル キルを有するアルカンなどが挙げられ、中で も、アルカンが好ましい。

 アルカンとしては、炭素数2~10のものが好ま しく、炭素数2~6のものがより好ましい。アル カンの具体例としては、例えば、エタン、プ ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ タン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ ン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、 ヘキサデカン、オクタデカン、イソブタン、 イソペンタン、ネオペンタン、2,2-ジメチル タンなどが挙げられる。
 アルケンとしては、炭素数2~10のものが好ま しい。アルケンの具体例としては、例えば、 エチレン、プロピレン、3-ブテン、2-ブテン 1-ブテン、4-ペンテン、3-ペンテン、2-ペンテ ン、1-ペンテン、オクタデセン、オクタデカ エン、2-メチル-1-プロペン、2-メチル-2-ブテ ンなどが挙げられる。

 シクロアルカンとしては、炭素数3~8のも が好ましい。シクロアルカンの具体例とし は、例えば、シクロプロパン、シクロブタ 、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク ヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン シクロデカン、シクロペンタデカン、シク イコサンなどが挙げられる。

 シクロアルケンとしては、炭素数3~8のも が好ましい。シクロアルケンの具体例とし は、例えば、シクロプロペン、シクロブテ 、シクロペンテン、シクロヘキセン、シク ペンテン、シクロオクテン、シクロノネン シクロデセン、シクロペンタデセン、シク イコセンなどが挙げられる。 

 芳香族炭化水素としては、炭素数6~10のも のが好ましい。芳香族炭化水素の具体例とし ては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アン トラセンなどが挙げられる。

 アリールを有するアルカンとしては、炭 数7~15のものが好ましい。アリールを有する アルカンの具体例としては、例えば、トルエ ン、フェニルエタン、3-フェニルプロパン、 チルナフタレン、ジフェニルメタン、2,2-ジ フェニルプロパンなどが挙げられる。

 シクロアルキルを有するアルカンとして 、炭素数7~15のものが好ましい。シクロアル キルを有するアルカンの具体例としては、例 えば、ジシクロプロピルメタン、ジシクロペ ンチルメタン、ジシクロヘキシルメタン、2,2 -ジシクロヘキシルプロパンなどが挙げられ 。

 炭素数4~20のエーテルとしては、例えば、炭 素数4~20のジアルキルエーテル、炭素数6~20の シクロアルキルエーテル、炭素数12~20のジ リールエーテル、炭素数6~10の直鎖状ポリエ テルなどが挙げられる。
 炭素数4~20のジアルキルエーテルにおける2 のアルキルは、同一または異なって、後述 アルキルの定義の中から、ジアルキルエー ルの炭素数が4~20の範囲になるように選ばれ 。前記アルキルの具体例としては、例えば エチル、プロピル、ブチル、ネオペンチル どが挙げられる。
 炭素数6~20のジシクロアルキルエーテルにお ける2つのシクロアルキルは、同一または異 って、後述のシクロアルキルの定義の中か 、ジシクロアルキルエーテルの炭素数が6~20 範囲になるように選ばれる。前記シクロア キルの具体例としては、例えば、シクロヘ シルなどが挙げられる。

 炭素数12~20のジアリールエーテルにおける2 のアリールは、同一または異なって、後述 アリールの定義の中から、ジアリールエー ルの炭素数が12~20の範囲になるように選ば る。前記アリールの具体例としては、例え 、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。
 炭素数6~10の直鎖状ポリエーテルとしては、 3,6-ジオキサオクタン、3,6,9-トリオキサウン カン、3,6,9,12-テトラオキサテトラデカンな が挙げられる。
 炭素数3~20のアミンとしては、例えば、炭素 数6~20のトリアルキルアミン、トリフェニル ミン、炭素数3~10の環状のアミン、炭素数4~10 の直鎖状ポリアミンおよびそのN-アルキル化 などが挙げられる。
 炭素数6~20のトリアルキルアミンにおける3 のアルキルは、後述のアルキルの定義の中 ら、トリアルキルアミンの炭素数が6~20の範 になるように選ばれる。前記アルキルの具 例としては、例えば、エチル、プロピル、 チルなどが挙げられる。

 炭素数3~10の環状のアミンとしては、例えば 、ピリジン、ピラジン、トリアジン、キノリ ン、アクリジン、フェナジンなどが挙げられ る。
 炭素数4~10の直鎖状ポリアミンおよびそのN- ルキル化物としては、3,6-ジアザオクタン、 3,6,9-トリアザウンデカン、3,6,9,12-テトラアザ テトラデカン、ならびに、これらのN-メチル 物およびN-エチル化物などが挙げられる。
 炭素数4~20のスルフィドとしては、例えば、 炭素数4~20のジアルキルスルフィドなどが挙 られる。
 炭素数4~20のジスルフィドとしては、例えば 、炭素数4~20のジアルキルジスルフィドなど 挙げられる。

 炭素数4~20のジアルキルスルフィドにおける 2つのアルキル、および炭素数4~20のジアルキ ジスルフィドにおける2つのアルキルは、前 記の炭素数4~20のジアルキルエーテルにおけ 2つのアルキルと同義であり、具体例として 、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ネ ペンチルなどが挙げられる。
 アルキルとしては、例えば、直鎖状または 岐状の炭素数1~20のアルキルなどが挙げられ る。直鎖状の炭素数1~20のアルキルとして、 えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、 リデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、 クタデシルなどが挙げられる。分岐状の炭 数3~20のアルキルとして、例えば、イソブチ 、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチルな が挙げられる。

 アルケニルとしては、例えば、直鎖状ま は分岐状の炭素数2~20のアルケニルなどが挙 げられる。直鎖状の炭素数2~20のアルケニル して、例えば、ビニル、アリル、3-ブテン-1- イル、2-ブテン-1-イル、1-ブテン-1-イル、4-ペ ンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、2-ペンテ -1-イル、1-ペンテン-1-イル、オクタデセニル 、オクタデカジエニルなどが挙げられ、好ま しくは、オクタデセニルなどが挙げられる。 分岐状の炭素数3~20のアルケニルとして、例 ば、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペン-1- イルなどが挙げられる。

 シクロアルキルとしては、炭素数3~20のもの が好ましく、例えば、シクロプロピル、シク ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル 、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロ ノニル、シクロデシル、シクロペンタデシル 、シクロイコシルなどが挙げられる。
 シクロアルケニルとしては、炭素数3~20のも のが好ましく、例えば、シクロプロペニル、 シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロ ヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオク テニル、シクロノネニル、シクロデセニル、 シクロペンタデセニル、シクロイコセニルな どが挙げられる。

 アルカノイルのアルキル部分は前記アルキ と同義である。
 アルカノイルとしては、炭素数2~21のものが 好ましく、例えば、アセチル、プロパノイル 、ブタノイル、ペンタノイル、ピバロイル、 ヘキサノイル、ヘプタノル、オクタノイル、 ノナノイル、デカノイル、ドデカノイル、ト リデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデ カノイル、オクタデカノイルなどが挙げられ る。
 アルケノイルのアルケニル部分は前記アル ニルと同義である。
 アルケノイルとしては、炭素数3~21のものが 好ましく、例えば、アクリロイル、メタクリ ロイル、オクタデセノイル、オクタデカジエ ノイルなどが挙げられる。

 アリールとしては、炭素数6~20のものが好ま しく、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフ チルなどが挙げられる。
 アラルキルのアルキル部分は前記アルキル 同義であり、アリール部分は前記アリール 同義である。
 アラルキルとしては、炭素数7~20のものが好 ましく、例えば、ベンジル、フェネチル、3- ェニルプロピル、ナフチルメチル、ビフェ ルメチルなどが挙げられる。
 アロイルのアリール部分は前記アリールと 義である。
 アロイルとしては、炭素数7~21のものが好ま しく、例えば、ベンゾイル、ナフトイルなど が挙げられる。
 シクロアルキルカルボニルのシクロアルキ 部分は前記シクロアルキルと同義である。

 シクロアルキルカルボニルとしては、炭素 4~21のものが好ましく、例えば、シクロプロ ピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、 シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシル カルボニルなどが挙げられる。
 アルキルオキシカルボニルのアルキル部分 前記アルキルと同義である。
 アルキルオキシカルボニルとしては、炭素 2~21のものが好ましく、例えば、メトキシカ ルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオ キシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル(BOC )などが挙げられる。
 アルケニルオキシカルボニルのアルケニル 分は前記アルケニルと同義である。
 アルケニルオキシカルボニルとしては、炭 数3~21のものが好ましく、例えば、アリルオ キシカルボニルなどが挙げられる。
 シクロアルキルオキシカルボニルのシクロ ルキル部分は前記シクロアルキルと同義で る。

 シクロアルキルオキシカルボニルとしては 炭素数4~21のものが好ましく、例えば、シク ロプロピルオキシカルボニル、シクロペンチ ルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシ カルボニルなどが挙げられる。
 アリールオキシカルボニルのアリール部分 、前記アリールと同義である。
 アリールオキシカルボニルとしては、炭素 7~21のものが挙げられ、例えば、フェニルオ キシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル 、ビフェニルオキシカルボニルなどが挙げら れる。
 芳香環としては、例えば、炭素数6~20の芳香 族炭化水素などが挙げられ、具体的には、ベ ンゼン、ナフタレン、アントラセン、ナフタ セン、ピレンなどが挙げられる。

 含窒素複素環基としては、5員または6員 単環性複素環基、3~8員の環が縮合した二環 たは三環性の縮環性複素環基などがあげら る。前記単環性複素環基および前記縮環性 素環基は、窒素原子1個の他に、例えば、酸 原子、硫黄原子および他の窒素原子から選 れる原子を含みうる。含窒素複素環基の具 例としては、アジリジニル、アゼチジニル ピロリジニル、ピペリジノ、アゼパニル、1 ,2,5,6-テトラヒドロピリジル、イミダゾリジ ル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ホモ ペラジニル、ピラゾリニル、オキサゾリジ ル、モルホリノ、チアゾリジニル、チオモ ホリノ、2H-オキサゾリル、2H-チアゾリル、 ヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリ 、ベンゾイミダゾリジニル、ジヒドロベン オキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソ ノリル、テトラヒドロキノキサリニル、テ ラヒドロキナゾリニル、2-ピロリジノン-1-イ ル、2-ピペリジノン-1-イルなどが挙げられる

 シクロアルキリデンとしては、炭素数3~20の ものが好ましく、例えば、シクロプロピリデ ン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン 、シクロヘキシリデン、シクロオクチリデン 、シクロペンタデシリデンなどが挙げられる 。
 置換基を有していてもよいシクロアルカン おけるシクロアルカンは、前記シクロアル ンと同義である。

 置換基を有していてもよいアルキルの置換 、
 置換基を有していてもよいアルケニルの置 基、
 置換基を有していてもよいアルカノルの置 基、
 置換基を有していてもよいアルケノイルの 換基、
 置換基を有していてもよいアルキルオキシ ルボニルの置換基、
 置換基を有していてもよいアルケニルオキ カルボニルの置換基、
 における置換基としては、例えば、それぞ 、同一または異なって、置換数1~5のアルコ シ、アルキルチオ、アルキルジチオ、カル モイル、アゾ、ニトロ、シアノ、ハロゲン 子などが挙げられる。ここで、アルコキシ アルキルチオおよびアルキルジチオのアル ル部分は、それぞれ前記アルキルと同義で る。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素 臭素、ヨウ素が挙げられる。

 置換基を有していてもよい芳香環の置換基
 置換基を有していてもよい含窒素複素環基 置換基、
 置換基を有していてもよいシクロアルカン 置換基、
 置換基を有していてもよいアリールの置換 、
 置換基を有していてもよいアラルキルの置 基、
 置換基を有していてもよいシクロアルキル 置換基、
 置換基を有していてもよいシクロアルケニ の置換基、
 置換基を有していてもよいアロイルの置換 、
 置換基を有していてもよいシクロアルキル ルボニルの置換基、
 置換基を有していてもよいアリールオキシ ルボニルの置換基、
 置換基を有していてもよいシクロアルキル キシカルボニルの置換基、
 置換基を有していてもよいシクロアルキリ ンの置換基
 における置換基としては、例えば、それぞ 、同一または異なって、置換数1~5のアルキ 、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、 ルキルチオ、カルバモイル、アゾ、ニトロ シアノ、ハロゲン原子などが挙げられる。 こで、アルキル、アルケニル、アルコキシ アルキルチオ、アルキルジチオ、およびハ ゲン原子は、それぞれ前記と同義である。

 以上説明した化合物(I)は、そのままでも油 用添加剤などに使用できるが、例えば、塩 どに変性して使用することも可能である。
 塩としては、酸付加塩やアミノ酸付加塩な が挙げられる。

 酸付加塩としては、例えば、有機酸塩もし は無機酸塩などが挙げられる。有機酸塩と ては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸 などが挙げられ、より好ましくは、ギ酸塩 酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン 塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスル ン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩 どが挙げられ、さらに好ましくは、メタン ルホン酸塩などが挙げられる。無機酸塩と ては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨ 化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ホ 酸塩などが挙げられ(ただし、リン酸塩は含 ない)、より好ましくは、ホウ酸塩などが挙 げられる。
 アミノ酸付加塩としては、例えばリジン、 リシン、フェニルアラニン、アスパラギン 、グルタミン酸などの付加塩が挙げられる

 化合物(I)の塩を取得したいとき、それらが の形で得られるときはそのまま精製すれば く、また、遊離の形で得られるときは、そ らを適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸ま は塩基を加えて単離、精製すればよい。
 また、化合物(I)およびその塩は、水または 種溶媒との付加物の形で存在することもあ が、これらの付加物も本発明の油類用添加 に使用できる。

 化合物(I)の中には、幾何異性体、光学異 体、互変異性体などの立体異性体が存在し るものもあるが、これらを含め、全ての可 な異性体およびそれらの混合物が本発明の 類用添加剤に使用できる。

 次に、化合物(I)の製造方法について、例を げて説明する。
 例えば、反応1に従って、化合物(I)を製造す ることができる。
(反応1)

 (式中、m、n、a、A、W、Y、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ前記と同義である)
 化合物(I)は、例えば、化合物(P-a)と化合物(P -b)と化合物(P-c)とを、触媒の存在下、100~200℃ で1~100時間反応させることにより、製造する とができる。
 化合物(P-a)は、市販品として入手するか、 知の方法、例えば、ジャーナル・オブ・ア リカン・ケミカル・ソサエティー(Journal of  American Chemical Society)、第77巻、1955年、p2843、 ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)、1984 年、p441、特開昭63-2962号公報、特開昭60-92250 公報などに記載の方法に準じて製造するこ ができる。

 化合物(P-b)のうち、2~6のヒドロキシを有す ポリオールは、市販品として入手するか、 えば、米国特許第4076758号、特開昭58-8027号公 報などに記載の方法に準じて製造することが できる。
 化合物(P-b)のうち、2~6のアミノを有するポ アミンは、市販品として入手するか、例え 、特開昭54-62300号公報、特開平3-204840号公報 どに記載の方法に準じて製造することがで る。
 化合物(P-b)のうち、アミノとヒドロキシの が2~6であるアミノアルコールは、市販品と て入手するか、例えば、特開2000-344695号公報 、特開2001-89403号公報などに記載の方法に準 て製造することができる。

 化合物(P-c)のうち、YHがR 1 OH(式中、R 1 は、前記と同義である)であるアルコールは 市販品として入手するか、例えば、特開2000- 344695号公報、特開2001-89403号公報などに記載 方法に準じて製造することができる。
 化合物(P-c)のうち、YHがR 2 NH 2 (式中、R 2 は、前記と同義である)である第1アミンは、 販品として入手するか、例えば、米国特許 4409399号、特公昭38-21353号公報などに記載の 法に準じて製造することができる。

 反応1を行う際、化合物(P-b)に含まれるヒド キシおよびアミノの総モル数に対して、化 物(P-a)を0.8~3当量使用するのが好ましく、化 合物(P-c)を0.8~3当量使用するのが好ましい。
 触媒としては、メタンスルホン酸などのブ ンステッド酸触媒やテトラブチルチタン酸 ステルなどが挙げられる。
 化合物(P-c)に対して、触媒を0.01~20当量使用 るのが好ましく、0.05~5当量使用するのがよ 好ましい。
 反応には溶媒を使用してもよく、使用でき 溶媒としてはデカン、テトラデカン、トル ン、キシレンなどの炭化水素、ジブチルエ テル、メトキシベンゼン、ジフェニルエー ルなどのエーテル、ジクロロエタン、クロ ベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲ 化物、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ ルアセトアミドなどのアミド、ジメチルス ホキシドなどが挙げられる。
 m+nが3以上であるとき、反応1により、nがそ ぞれ異なる2種類以上の化合物(I)の混合物が 得られる場合がある。例えば、グルタミン酸 とペンタエリスリトールとステアリルアルコ ールとを反応1に従って反応させるとき、グ タミン酸とステアリルアルコールとのモノ ステル4分子とペンタエリスリトール1分子と の縮合物(n=4)、前記モノエステル3分子とペン タエリスリトール1分子との縮合物(n=3)、およ び前記モノエステル2分子とペンタエリスリ ール1分子との縮合物(n=2)などの、nがそれぞ 異なる2種類以上の化合物(I)の混合物が得ら れる場合などがある。以後、前記混合物中の 2種類以上の化合物(I)のそれぞれがエステル ある場合、前記混合物を混合エステルと表 することもある。

 反応後、必要に応じて、化合物(I)を有機合 化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ ラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製 てもよい。反応1により2種類以上の化合物(I) が生成する場合、前記の精製方法により分離 してもよいし、2種類以上の化合物(I)をその ま油類用添加剤に使用してもよい。
 化合物(I)のその他の製造法として、例えば 反応2~3にしたがって、化合物(I)を製造する 法を挙げることができる。後述の化合物(P-a )、(P-b)および(P-c)は、それぞれ前記と同義で る。
(反応2)

 (式中、a、Y、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ前記と同義である)
  (反応3)

 (式中、nは、前記と同義である)
(反応2)
 化合物(P-a)と化合物(P-c)とを縮合剤の存在下 、0~100℃で1~100時間反応させ、化合物(P-d)を得 る。化合物(P-d)は、1分子の化合物(P-a)と1分子 の化合物(P-c)とが縮合した化合物である。
 化合物(P-a)に対して、化合物(P-c)を0.8~3当量 用するのが好ましい。

 縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジ ミドや1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロ ピル)カルボジイミド、ベンゾトリアゾール-1 -イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニ ム塩などが挙げられる。
 化合物(P-c)に対して、縮合剤を1~20当量使用 るのが好ましく、1~5当量使用するのがより ましい。
 反応には溶媒を使用してもよく、使用でき 溶媒としては、ヘキサン、デカン、テトラ カン、トルエン、キシレンなどの炭化水素 ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メ キシベンゼン、ジフェニルエーテルなどの ーテル、塩化メチレン、ジクロロエタン、 ロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベ ゼンなどのハロゲン化物、N,N-ジメチルホル ムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどの ミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げら る。
 反応後、化合物(P-d)を有機合成化学で通常 いられる方法(各種クロマトグラフィー法、 結晶法、蒸留法など)で精製してもよく、そ のまま反応液を反応3に付してもよい。

(反応3)
 反応2で得た化合物(P-d)と、化合物(P-b)とを 反応2と同様な条件で反応させ、化合物(I)を る。化合物(I)は、n個の分子の化合物(P-d)と1 分子の化合物(P-b)とが縮合した化合物である[ 以後、化合物(I)を、化合物(P-d)と化合物(P-b) の縮合物と表現することもある]。
 化合物(P-b)に含まれるヒドロキシおよびア ノの総モル数に対して、化合物(P-d)を0.8~3当 使用するのが好ましい。m+nが3以上であると き、反応3により、nがそれぞれ異なる2種類以 上の化合物(I)の混合物が得られる場合がある 。

 反応後、必要に応じて、化合物(I)を有機合 化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ ラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製 てもよい。反応3により2種類以上の化合物(I) が生成する場合、前記の精製方法により分離 してもよいし、2種類以上の化合物(I)をその ま油類用添加剤に使用してもよい。
 反応1または2を行う前に、必要に応じて、 ミノ等の活性基に保護基を導入し、適宜、 護基を脱離させてもよい。

 活性基への保護基の導入および脱離は、公 の方法[例えば、プロテクティブ・グループ ス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(P rotective Groups in Organic Synthesis,third edition)、 グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(199 9年)などに記載の方法など]により行うことが できる。
 保護基としては、具体的には、ベンジルオ シカルボニル基、p-メトキシベンジルオキ カルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、 9-フロオレニルメトキシカルボニル基、3-ニ ロ-2-ピリジンスルフェニル基、アセチル基 どが挙げられる。

 また、化合物(I)の中のある化合物から、同 く化合物(I)の中の別の化合物に変換するこ もできる。例えば、化合物(I)のうち、Z 1 またはZ 2 がアミノである化合物を、例えば、公知の方 法[特開昭63-2962号公報、オーガニック・シン シス(Organic Synthesis)、第4巻、1963年、p339な ]に準じて、Z 1 またはZ 2 がアルカノイルアミノである化合物(I)に変換 することができる。ここで、アルカノイルア ミノのアルカノイル部分は前記アルカノイル と同義である。
 化合物(Ia)で表されるエステル化合物は、化 合物(I)と同様にして、製造することができる 。
 化合物(I)の好ましい具体例を、(I-1)~(I-19)に す。

 化合物(I-1)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1a ~Z 4a の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1a とZ 2a において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3a とZ 4a において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-2)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1b ~Z 4b の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1b とZ 2b において、一方は水素であり、他方はアセチ ルアミノである。
 Z 3b とZ 4b において、一方は水素であり、他方はアセチ ルアミノである。

 化合物(I-3)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1c ~Z 4c の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1c とZ 2c において、一方は水素であり、他方は(Z)-9-オ クタデセノイルアミノである。
 Z 3c とZ 4c において、一方は水素であり、他方は(Z)-9-オ クタデセノイルアミノである。

 化合物(I-4)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1d ~Z 4d の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1d とZ 2d において、一方は水素であり、他方はアセチ ルアミノである。
 Z 3d とZ 4d において、一方は水素であり、他方はアセチ ルアミノである。

 化合物(I-5)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1e ~Z 4e の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1e とZ 2e において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3e とZ 4e において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-6)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1f ~Z 4f の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1f とZ 2f において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3f とZ 4f において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-7)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1g ~Z 4g の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1g とZ 2g において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3g とZ 4g において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-8)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1h ~Z 4h の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1h とZ 2h において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3h とZ 4h において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-9)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1i ~Z 4i の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1i とZ 2i において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3i とZ 4i において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-10)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1j ~Z 4j の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1j とZ 2j において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3j とZ 4j において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-11)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1k ~Z 4k の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1k とZ 2k において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3k とZ 4k において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-12)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1m ~Z 6m の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1m とZ 2m において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3m とZ 4m において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 5m とZ 6m において、一方は水素であり、他方はアミノ である。

 化合物(I-13)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1n ~Z 6n の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1n とZ 2n において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 3n とZ 4n において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 Z 5n とZ 6n において、一方は水素であり、他方はアミノ である。
 化合物(I-14)は、2-アミノペンタン二酸水素=1 (または5)-オクタデシルとペンタエリスリト ルとの混合エステルである。前記混合エス ルは、1分子のペンタエリスリトールと、2、 3および4分子の2-アミノペンタン二酸水素=1( たは5)-オクタデシルとの縮合物を含有する
 化合物(I-15)は、2-アミノペンタン二酸水素=1 (または5)-オクタデシルとジペンタエリスリ ールとの混合エステルである。前記混合エ テルは、1分子のジペンタエリスリトールと 2、3、4、5および6分子の2-アミノペンタン二 酸水素=1(または5)-オクタデシルとの縮合物を 含有する。

 化合物(I-16)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1p ~Z 6p の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1p とZ 2p において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 3p とZ 4p において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 5p とZ 6p において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。

 化合物(I-17)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1q ~Z 6q の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1q とZ 2q において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 3q とZ 4q において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 5q とZ 6q において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。

 化合物(I-18)は異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1r ~Z 8r の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1r とZ 2r において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 3r とZ 4r において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 5r とZ 6r において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 7r とZ 8r において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。

 化合物(I-19)は位置異性体の混合物である。
 前記異性体は、Z 1s ~Z 12s の違いによって生じる位置異性体である。
 Z 1s とZ 2s において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 3s とZ 4s において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 5s とZ 6s において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 7s とZ 8s において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 9s とZ 10s において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 Z 11s とZ 12s において、一方は水素であり、他方はフタル イミドである。
 化合物(I)の中で、特に好ましい化合物とし は、例えば
 式(I)中、
 mが0であり、
 nが2~4であり、
 Wは、炭素数2~10のアルカンから、炭素原子 の水素原子をn個除くことにより生じるn価の 基であり、
 Aがヒドロキシであり、
 Bのそれぞれは、同一または異なっていても よく、
 式(II)中、
 aのそれぞれが、同一で、1であり、
 Xのそれぞれが、同一で、酸素原子であり、
 Yのそれぞれが、同一または異なってもよく 、-OR 1 であり(R 1 は置換基を有していてもよい炭素数12~20のア キル、または置換基を有していてもよい炭 数12~20のアルケニルを表す)、
 Z 1 のそれぞれは、同一または異なってもよく、
 Z 2 のそれぞれは、同一または異なってもよく、
 1つの同じBの中にあるZ 1 およびZ 2 のうち、一方が水素原子であり、他方が式(V) であり、前記式(V)がフタルイミドである
 ものが、挙げられる。ここで、置換基を有 ていてもよいアルキル、および置換基を有 ていてもよいアルケニルは、それぞれ前記 同義である。

  本発明の潤滑油は、潤滑油基油と、化 物(I)を含有する油類用添加剤とを含有する のである。潤滑油中における化合物(I)の含 量は、潤滑油1kg中0.001~300ミリモルが好まし 、さらには0.01~200ミリモルが好ましく、0.1~10 0ミリモルがより好ましい。この範囲内であ と、優れた耐摩耗特性または優れた耐摩擦 性を付与することができる。

  潤滑油基油としては、例えば、天然基油 合成基油などの潤滑油基油を使用できる。
 天然基油としては、鉱物油、植物油、獣油 どが挙げられる。
 鉱物油としては、例えば、パラフィン基系 油、中間基系原油、ナフテン基系原油など 挙げられる。また、これらを蒸留などによ 精製した精製油も使用可能である。
 合成基油としては、ポリブテン、ポリプロ レン、炭素数8~14のα-オレフィンオリゴマー などのポリ-α-オレフィン;脂肪酸モノエステ 、芳香族モノエステル、脂肪酸ジエステル 芳香族ジエステル、脂肪族多塩基酸エステ 、芳香族多塩基酸エステル、ポリオールポ エステルなどのエステル;ポリアルキレング リコール、リン酸エステル、シリコーン、ケ イ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アル キルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキ ッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体な が挙げられる。
 これらの中で好ましい潤滑油基油としては 鉱物油、ポリ-α-オレフィン、脂肪酸エステ ル、ポリアルキレングリコール、リン酸エス テル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフ ェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナ フテン、ガスツーリキッド(GTL)および植物油 どが挙げられ、これらのうち1種以上を使用 することが好ましい。

 本発明の潤滑油は、潤滑油基油と化合物(I) 含有する油類用添加剤の他に、任意成分と て、清浄分散剤、酸化防止剤、摩耗低減剤( 耐摩耗剤、焼付き防止剤、極圧剤など)、摩 調整剤、油性剤、防錆剤、気相防錆剤、流 点降下剤、粘度指数向上剤、増粘剤、防腐 、消泡剤、抗乳化剤、染料、香料などの、 常用いられている添加剤を含有してもよい これらの添加剤の含有量は、潤滑油中、そ ぞれ、0.001~5重量%であるのが好ましい。
 本発明の潤滑油は、例えば、エンジン油、 動変速機油、無段変速機油、ギヤ油、パワ ステアリング油、ショックアブソーバ油、 ービン油、作動油、冷凍機油、圧延油、軸 油、金属加工用潤滑油、摺動面油、グリー 、生体潤滑剤などに使用することができる

 なお、本発明の油類用添加剤は、潤滑油だ でなく燃料油などの他の油類にも添加でき 。
 燃料油としては、燃料油を高度に水素化処 したもの、バイオディーゼル燃料などが挙 られる。燃料油中の化合物(I)の含有量は、0 .00001~10質量%であるのが好ましく、0.00001~1質 %であるのがより好ましい。この範囲内であ と、優れた耐摩耗特性または優れた耐摩擦 性を付与することができる。
 また、燃料油は、本発明の油類用添加剤の 、各種の添加剤を含有してもよい。
 更には、本発明の油類用添加剤は、潤滑油 油や燃料油などの油類への添加のみならず 固体潤滑剤としても使用できる。固体潤滑 とは例えば、プラスチック、繊維などの素 、または記録媒体、塗料・インク、フィル などの製品に、摩擦・摩耗を低減させるこ を目的として添加または被覆、含浸される のである。

 より具体的には、プラスチック製歯車、 アリング、カムなどの摺動部材、感熱記録 体、磁気記録媒体、転写媒体、平版印刷版 版、受像シート、電子写真部品に用いられ 、トナーや電子感光体またはクリーニング 材などの保護被覆層、光ファイバや光ドロ プケーブル、偏光子、内視鏡などの保護被 層、光学フィルムなどに使用できる。

 以下、実施例により、本発明をさらに具体 に説明する。
 実施例中の測定データは、以下の測定機器 測定手法により得た。
 (1)核磁気共鳴スペクトル( 1 H-NMR;テトラメチルシランを標準物として使用 ):GSX-400(400MHz)(日本電子製)
 (2)動摩擦係数の測定(耐摩擦特性の評価):曽 式振子型摩擦試験機(神鋼造機製)
 (3)摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価):シェ 式四球摩擦試験機(高千穂精機製)
(製造例1)2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ) ンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデ ニル](化合物A)
 N-(tert-ブトキシカルボニル)グルタミン酸24.7 g(関東化学製)、(Z)-9-オクタデセン-1-オール21. 5g(和光純薬製)および4-(ジメチルアミノ)ピリ ン12.2g(和光純薬製)を塩化メチレン400mL(和光 純薬製)に溶解し、十分攪拌した後、1-エチル -3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイ ミド19.2g(アイバイツ製)を加え室温で2時間反 させ、次いで40℃で7時間反応させた。反応 を0.5mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム 溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。有 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で 溶媒を減圧留去後、化合物Aの粗体39.3gを得た 。
 これを、シリカゲルカラムクロマトグラフ ーにより精製し(展開液:n-ヘキサン/酢酸エ ル)、化合物A18.3g(収率:46%)を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.27(br,22H),1.41(br,9H),1.53-2.40(m,10H) ,4.01(br,3H),5.34(m,2H)
 元素分析結果;C 28 H 51 NO 6
 計算値   〈C:67.57%、H:10.33%、N:2.81%〉
 元素分析結果〈C:67.49%、H:10・40%、N:2.82%〉

[実施例1]2-アミノペンタン二酸水素=1(または5 )-[(9Z)-9-オクタデセニル]とエチレンジアミン の縮合物[化合物(I-1)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸4.9g(関東化学製)、エチレンジアミン0.6g( 和光純薬製)および4-(ジメチルアミノ)ピリジ 2.4g(和光純薬製)を塩化メチレン50mL(和光純 製)に溶解し、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミ ノプロピル)カルボジイミド4.2g(アイバイツ製 )を加え、室温で2時間反応させ、次いで40℃ 4時間反応させた。その後、反応液に(Z)-9-オ タデセン-1-オール5.4g(和光純薬製)、4-(ジメ ルアミノ)ピリジン2.4gおよび塩化メチレン50 mLを添加し、十分攪拌した後、1-エチル-3-(N,N -ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド4. 2gを追加し、室温で2時間反応させ、次いで40 で4時間反応させた。反応後、反応液を0.5mol /Lの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液お び飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水 酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を減 留去後、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ) ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデ ニル]とエチレンジアミンとの縮合物10.0gを た。
 得られた縮合物10.0gに塩化メチレン250mLを加 え、窒素雰囲気下、反応液が均一になるまで 攪拌後、トリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄 クロマトグラフィーで原料の消失を確認す まで加えた(トリフルオロ酢酸添加量;52.5g) 反応後、反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナ リウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で 溶媒を減圧留去後、化合物(I-1)4.8g(収率:58%)を 得た。

 元素分析結果;C 48 H 90 N 4 O 6
 計算値   〈C:70.37%、H:11.07%、N:6.84%〉
 元素分析結果〈C:70.41%、H:11.12%、N:6.79%〉

(1)動摩擦係数の測定(耐摩擦特性の評価)
 化合物(I-1)を、ポリ-α-オレフィン(INEOS製DURA SYN164。以後、潤滑油基油Aと表現することも る)またはアジピン酸ビス(3,5,5-トリメチルヘ キシル)(以後、潤滑油基油Bと表現することも ある)のそれぞれに10mmol/kgとなるように加え 潤滑油の試作油を調製した。
 ついで、この試作油の40℃、80℃、120℃、150 ℃における動摩擦係数を曽田式振子型摩擦試 験機(神鋼造機製)を用いて測定した。動摩擦 数は振子の初期振幅、振動させた時の振幅 振動回数から算出した。結果を表1に示す。

(2)摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価)
 上記(1)と同様にして試作油を調製し、(ASTM  D4172)規定の方法(荷重;40kgf、回転数;1200rpm、時 間;60分、温度;75℃)に準じ試験を行い、試験 の摩耗痕径を測定した。試験機には、シェ 式四球摩擦試験機(高千穂精機製)を用いた。 摩耗痕径は3つの固定球の垂直方向、水平方 全ての平均値とした。結果を表1に示す。

[実施例2]2-(N-アセチルアミノ)ペンタン二酸水 素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]とエチレ ンジアミンとの縮合物[化合物(I-2)]
 化合物(I-1)0.9gおよび無水酢酸0.6g(和光純薬 )を塩化メチレン50mLに溶解し、窒素雰囲気下 、室温で2時間攪拌した。反応後、反応液を 留水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およ 飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水 酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を減圧 留去後、化合物(I-2)0.7g(収率:66%)を得た。

 元素分析結果;C 52 H 94 N 4 O 8
 計算値   〈C:69.14%、H:10.49%、N:6.20%〉
 元素分析結果〈C:69.28%、H:10.55%、N:6.23%〉

 化合物(I-2)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製した。潤滑 基油Aを用いた試作油の耐摩擦特性および耐 摩耗特性、ならびに潤滑油基油Bを用いた試 油の耐摩耗特性を、実施例1に記載の方法に り評価した。結果を表1に示す。

[実施例3]2-{N-[(9Z)-9-オクタデセノイル]アミノ} ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデ ニル]とエチレンジアミンとの縮合物[化合 (I-3)]
 化合物(I-1)0.9gおよびトリエチルアミン0.4g( 光純薬製)を塩化メチレン50mLに溶解し、窒素 雰囲気下、(Z)-9-オクタデセノイルクロリド0.7 g(東京化成工業製)を滴下し、室温で2時間攪 した。反応後、反応液を蒸留水、0.5mol/Lの塩 酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽 和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸 マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を減圧留 後、化合物(I-3)1.1g(収率:68%)を得た。

 元素分析結果;C 84 H 154 N 4 O 8
 計算値   〈C:74.84%、H:11.51%、N:4.16%〉
 元素分析結果〈C:74.80%、H:11.53%、N:4.09%〉

 化合物(I-3)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例1 と同様に評価した。結果を表1に示す。

[実施例4]2(または4)-アセチルアミノ-4-[(9Z)-9- クタデセニルカルバモイル]ブタン酸とエチ ンジアミンとの縮合物[化合物(I-4)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸5.0g、エチレンジアミン0.6gおよび4-(ジメ チルアミノ)ピリジン2.5gを塩化メチレン50mLに 溶解し、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプ ピル)カルボジイミド3.9gを加え室温で2時間 応させ、次いで40℃で5時間反応させた。続 て、反応液に(Z)-9-オクタデセニルアミン5.4g( アルドリッチ製)、4-(ジメチルアミノ)ピリジ 2.5gおよび塩化メチレン50mLを添加し、十分 拌した後、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノ ロピル)カルボジイミド3.9gを追加し、室温 1時間反応させ、次いで40℃で5時間反応させ 。その後、反応液を0.5mol/Lの塩酸、飽和炭 水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で 次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ で乾燥し、50℃で溶媒を減圧留去後、2(また 4)-アセチルアミノ-4-[(9Z)-9-オクタデセニル] ルバモイルブタン酸とエチレンジアミンと 縮合物4.0gを得た。
 得られた縮合物2.3gに塩化メチレン50mLを加 、窒素雰囲気下、均一になるまで攪拌後、 リフルオロ酢酸を薄層クロマトグラフィー 原料の消失を確認するまで加えた(トリフル ロ酢酸添加量;10.0g)。反応終了後、反応液に 無水酢酸2.8gを加え、窒素雰囲気下、室温で2 間反応させ、次いで40℃で7時間反応させた 反応後、反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナ リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、5 0℃で溶媒を減圧留去後、化合物(I-4)1.6g(収率: 31%)を得た。

 元素分析結果;C 52 H 96 N 6 O 6
 計算値   〈C:69.29%、H:10.74%、N:9.32%〉
 元素分析結果〈C:69.27%、H:10.69%、N:9.41%〉

 化合物(I-4)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例1 と同様に評価した。結果を表2に示す。

[実施例5]2-アミノペンタン二酸水素=1(または5 )-[(9Z)-9-オクタデセニル]と1,6-ヘキサンジアミ ンとの縮合物[化合物(I-5)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸2.5g(関東化学製)、1,6-ヘキサンジアミン0 .6g(東京化成工業製)および4-(ジメチルアミノ) ピリジン1.2g(和光純薬製)を塩化メチレン25mL( 光純薬製)に溶解し、1-エチル-3-(N,N’-ジメ ルアミノプロピル)カルボジイミド2.1g(アイ イツ製)を添加し、室温で1時間反応させ、次 いで40℃で6時間反応させた。その後、反応液 に(Z)-9-オクタデセン-1-オール2.7g(和光純薬製) 、4-(ジメチルアミノ)ピリジン1.2gおよび塩化 チレン25mLを加え、十分攪拌した後、1-エチ -3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジ ミド2.1gを追加し、室温で1時間反応させ、 いで40℃で8時間反応させた。反応後、反応 を0.5mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水 溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。有機 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で 媒を減圧留去後、2-(N-tert-ブトキシカルボニ ルアミノ)ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9- オクタデセニル]と1,6-ヘキサンジアミンとの 合物4.9gを得た。
 得られた縮合物2.9gに塩化メチレン40mLを加 、窒素雰囲気下で、均一になるまで攪拌後 トリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロマ トグラフィーで原料の消失を確認するまで加 えた(トリフルオロ酢酸添加量;12.0g)。反応後 反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム 溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無 硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を 圧留去後、化合物(I-5)2.0g(収率:75%)を得た。

 元素分析結果;C 52 H 98 N 4 O 6
 計算値   〈C:71.35%、H:11.28%、N:6.40%〉
 元素分析結果〈C:71.43%、H:11.19%、N:6.32%〉

 化合物(I-5)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例1 と同様に評価した。結果を表2に示す。

[実施例6]2-アミノペンタン二酸水素=1(または5 )-[(9Z)-9-オクタデセニル]と1,3-フェニレンジア ミンとの縮合物[化合物(I-6)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸2.5g(関東化学製)、1,3-フェニレンジアミ 0.5g(東京化成工業製)および4-(ジメチルアミ )ピリジン1.2g(和光純薬製)を塩化メチレン25m L(和光純薬製)に溶解し、1-エチル-3-(N,N’-ジ チルアミノプロピル)カルボジイミド2.1g(ア バイツ製)を添加し、室温で1時間反応させ、 次いで40℃で6時間反応させた。その後、反応 液に(Z)-9-オクタデセンー1-オール2.7g(和光純 製)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン1.2gおよび 化メチレン25mLを添加し、十分攪拌した後、1 -エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カ ボジイミド2.1gを追加し、室温で1時間反応さ せ、次いで40℃で8時間反応させた。その後、 反応液を0.5mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナトリ ム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、5 0℃で溶媒を減圧留去後、2-(N-tert-ブトキシカ ボニルアミノ)ペンタン二酸水素=1(または5)- [(9Z)-9-オクタデセニル]と1,3-フェニレンジア ンとの縮合物5.0gを得た。
 得られた縮合物3.0gに塩化メチレン40mLを加 、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後、 リフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロマト グラフィーで原料の消失を確認するまで加え た(トリフルオロ酢酸添加量;12.0g)。反応後、 応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水 液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水 酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を減 留去後、化合物(I-6)2.0g(収率:83%)を得た。

 元素分析結果;C 52 H 90 N 4 O 6
 計算値   〈C:72.01%、H:10.46%、N:6.46%〉
 元素分析結果〈C:72.20%、H:10.55%、N:6.38%〉

 化合物(I-6)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例1 と同様に評価した。結果を表2に示す。

[実施例7]2-アミノペンタン二酸水素=1(または5 )-[(9Z)-9-オクタデセニル]とエチレングリコー との縮合物[化合物(I-7)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸2.5g(関東化学製)、エチレングリコール0. 3g(和光純薬製)および4-(ジメチルアミノ)ピリ ン1.2g(和光純薬製)を塩化メチレン25mL(和光 薬製)に溶解し、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルア ミノプロピル)カルボジイミド2.1g(アイバイツ 製)を添加し、室温で2時間反応させ、次いで4 0℃で4時間反応させた。反応後、反応液に(Z)- 9-オクタデセン-1-オール2.7g(和光純薬製)、4-( メチルアミノ)ピリジン1.2gおよび塩化メチ ン25mLを加え、十分攪拌した後、1-エチル-3-(N ,N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ 2.1gを追加して、室温で2時間反応させ、次い で40℃で4時間反応させた。有機層を無水硫酸 マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を減圧留 後、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペ タン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデセニ ル]とエチレングリコールとの縮合物4.9gを得 。
 得られた縮合物4.9gに塩化メチレン100mLを加 、窒素雰囲気下で、均一になるまで攪拌後 トリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロ トグラフィーで原料の消失を確認するまで えた(トリフルオロ酢酸添加量;30.0g)。反応後 、反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム 水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無 水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶媒を 圧留去後、化合物(I-7)2.3g(収率:57%)を得た。

 元素分析結果;C 48 H 88 N 2 O 8
 計算値   〈C:70.20%、H:10.80%、N:3.41%〉
 元素分析結果〈C:70.12%、H:10.93%、N:3.36%〉

 化合物(I-7)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例2 と同様に評価した。結果を表3に示す。

[実施例8]2-アミノペンタン二酸水素=1(または5 )-[(9Z)-9-オクタデセニル]と2,2-ビス(4-ヒドロキ シシクロヘキシル)プロパンとの縮合物[化合 (I-8)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸3.7g(関東化学製)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ クロヘキシル)プロパン1.8g(東京化成工業製) および4-(ジメチルアミノ)ピリジン1.8g(和光純 薬製)を塩化メチレン40mL(和光純薬製)に溶解 、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド3.2g(アイバイツ製)を加え、室 温で1時間反応させ、次いで40℃で8時間反応 せた。その後、反応液に(Z)-9-オクタデセン-1 -オール4.0g(和光純薬製)、4-(ジメチルアミノ) リジン3.7g、および塩化メチレン38mLを加え 十分攪拌した後、1-エチル-3-(N,N’-ジメチル ミノプロピル)カルボジイミド6.0gを追加し 室温で1時間反応させ、次いで40℃で10時間反 応させた。反応後、反応液を0.5mol/Lの塩酸、 和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食 水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグ シウムで乾燥し、50℃で溶媒を減圧留去後 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン 二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]と 2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ との縮合物8.3gを得た。
 得られた縮合物4.0gを塩化メチレン60mLに溶 し、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後 トリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロマ トグラフィーで原料の消失を確認するまで加 えた(トリフルオロ酢酸添加量;16.0g)。反応後 反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム 溶液および飽和食塩水で洗浄した。有機層 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶 を減圧留去後、化合物(I-8)2.9g(収率:79.1%)を得 た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.71-0.76(s,6H),0.88(t,6H),1.05-2.13(m,82H),2.38-2.5 1(m,4H),3.39-3.50(m,2H),4.05-4.20(m,4H),4.60-5.05(m,2H),5.30 -5.42(m,4H)

 化合物(I-8)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例2 と同様に評価した。結果を表3に示す。

[実施例9]2-アミノペンタン二酸水素=1(または5 )-[(9Z)-9-オクタデセニル]と4,4’-ジアミノジフ ェニルエーテルとの縮合物[化合物(I-9)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸3.7g(関東化学製)、4,4’-ジアミノジフェ ルエーテル1.5g(東京化成工業製)および4-(ジ チルアミノ)ピリジン1.8g(和光純薬製)を塩化 メチレン4mL(和光純薬製)に溶解し、1-エチル-3 -(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイ ド3.2g(アイバイツ製)を加え、室温で1時間反 させ、次いで40℃で6時間反応させた。その 、反応液に(Z)-9-オクタデセン-1-オール4.0g( 光純薬製)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン3.7g よび塩化メチレン40mLを加え、十分攪拌した 、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル )カルボジイミド6.0gを追加し、室温で1時間反 応させ、次いで40℃で14時間反応させた。反 後、反応液を0.5mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナ トリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄 した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥 し、50℃で溶媒を減圧留去後、2-(N-tert-ブトキ シカルボニルアミノ)ペンタン二酸水素=1(ま は5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]と4,4’-ジアミノ フェニルエーテルとの縮合物の粗体7.6gを得 た。 得られた縮合物を、シリカゲルカラム ロマトグラフィーにより精製した(展開液: ロロホルム/メタノール)。
 精製した縮合物4.6gを塩化メチレン65mLに溶 し、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後 これにトリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層 クロマトグラフィーで原料の消失を確認する まで加えた(トリフルオロ酢酸添加量;18.4g)。 応後、反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナト ウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し 。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し 50℃で溶媒を減圧留去後、化合物(I-9)3.2g(収 :51.8%)を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.05-2.30(m,68H),2.40-2.60(m,4H),3.49-3.5 7(m,2H),4.02-4.20(m,4H),5.29-5.41(m,4H),6.85-6.92(m,4H),7.40 -7.48(m,4H),8.40-8.55(br,2H)

 化合物(I-9)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製した。潤滑 基油Aを用いた試作油の耐摩擦特性、ならび に潤滑油基油Bを用いた試作油の耐摩擦特性 よび耐摩耗特性を、実施例1に記載の方法に り評価した。結果を表3に示す。

[実施例10]2-アミノペンタン二酸水素=1(または 5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]とビス(ヒドロキシ チル)ジスルフィドとの縮合物[化合物(I-10)]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸3.7g、ビス(ヒドロキシエチル)ジスルフ ド1.2g(東京化成工業製)および4-(ジメチルア ノ)ピリジン1.8g(和光純薬製)を1,2-ジクロロエ タン40mL(和光純薬製)に溶解し、1-エチル-3-(N,N ’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド3 .3g(アイバイツ製)を加え、室温で1時間反応さ せ、次いで70℃で6時間反応させた。その後、 反応液に(Z)-9-オクタデセニルアルコール4.0g( 光純薬製)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン1.8g および1,2-ジクロロエタン40mLを加え、十分 拌した後、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノ ロピル)カルボジイミド3.3gを追加して、室 で1時間反応させ、次いで70℃で13時間反応さ せた。反応後、反応液を0.5mol/Lの塩酸、飽和 酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水 順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシ ムで乾燥後、50℃で溶媒を減圧留去し、2-(N- tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン二酸 水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]とビス (ヒドロキシエチル)ジスルフィドとの縮合物 粗体1.6gを得た。
 これを、シリカゲルカラムクロマトグラフ ーにより精製した(展開液:n-ヘキサン/酢酸 チル)。
 精製した縮合物1.6gを塩化メチレン20mLに溶 し、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後 トリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロマ トグラフィーで原料の消失を確認するまで加 えた(トリフルオロ酢酸添加量;4.8g)。反応後 反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム 溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。有 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、50℃で 溶媒を減圧留去し、化合物(I-10)1.2g(収率:27.5%) を得た。

   1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.28(m,44H),1.52(s,6H),1.64(m,4H),1.85-2. 50(m,20H),2.93(m,8H),3.44-3.56(m,2H),3.72(m,1H),4.11(t,4H),4 .37(m,8H),5.36(m,4H)

 化合物(I-10)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 2と同様に評価した。結果を表4に示す。

[実施例11]2-アミノペンタン二酸水素=1(または 5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]と2,2-ビス(4-ヒドロ シフェニル)プロパンとの縮合物[化合物(I-11) ]
 2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ 二酸3.7g(関東化学製)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ ェニル)プロパン1.7g(東京化成工業製)および 4-(ジメチルアミノ)ピリジン1.8g(和光純薬製) 塩化メチレン38mL(和光純薬製)に溶解し、十 攪拌した後、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミ プロピル)カルボジイミド3.2g(アイバイツ製) を加え室温で1時間反応させ、次いで40℃で6 間反応させた。その後、反応液に(Z)-9-オク デセニルアルコール4.0g(和光純薬製)、4-(ジ チルアミノ)ピリジン3.7g、および塩化メチレ ン38mLを加え、十分攪拌した後、1-エチル-3-(N, N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 6.0gを追加し、室温で1時間反応させ、次いで4 0℃で10時間反応させた。反応後、反応液を0.5 mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 よび飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を 水硫酸マグネシウムで乾燥後、50℃で溶媒 減圧留去し、2-(N-tert-ブトキシカルボニルア ノ)ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オク デセニル]と2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル) ロパンとの縮合物の粗体8.2gを得た。
 これを、シリカゲルカラムクロマトグラフ ーにより精製した(展開液:ヘキサン/酢酸エ ル)。
 精製した縮合物1.8gを塩化メチレン25mLに溶 し、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後 これにトリフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層 クロマトグラフィーで原料の消失を確認する まで加えた(トリフルオロ酢酸添加量;8.1g)。 応後、反応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナト ウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。 機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、50℃ で溶媒を減圧留去し、化合物(I-11)1.3g(収率:17. 9%)を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.87(t,6H),1.05-1.80(m,52H),1.60(s,6H),1.90-2.08(m,8 H),2.18-2.60(m,8H),4.18(t,4H),4.20-4.27(m,2H),5.28-5.50(m,4H ),6.69-6.76(m,4H),7.05-7.11(m,4H)

 化合物(I-11)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 1と同様に評価した。結果を表4に示す。

[実施例12]2-アミノペンタン二酸水素=1(または 5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]と1,2,3-プロパントリ オールの縮合物[化合物(I-12)]
 製造例1で得られた2-(N-tert-ブトキシカルボ ルアミノ)ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9 -オクタデセニル](化合物A)7.5g、1,2,3-プロパン トリオール0.5g(東京化成工業製)および4-(ジメ チルアミノ)ピリジン1.8g(和光純薬製)を塩化 チレン40mL(和光純薬製)に溶解し、1-エチル-3- (N,N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ ド3.3g(アイバイツ製)を加え室温で1時間反応 せ、次いで40℃で16時間反応させた。反応液 0.5mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水 液および飽和食塩水で順次洗浄した。有機 を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、50℃で溶 媒を減圧留去し、2-(N-tert-ブトキシカルボニ アミノ)ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9- クタデセニル]と1,2,3-プロパントリオールと 縮合物の粗体6.6gを得た。
 これを、シリカゲルカラムクロマトグラフ ーにより精製した(展開液:n-ヘキサン/酢酸 チル)。
 精製した縮合物1.2gに塩化メチレン15mLを加 、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後、 リフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロマト グラフィーで原料の消失を確認するまで加え た(トリフルオロ酢酸添加量;4.8g)。反応後、 応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水 液および飽和食塩水で順次洗浄した。有機 を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、50℃で溶 媒を減圧留去し、化合物(I-12)1.0g(収率:15.9%)を 得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,9H),1.28(m,66H),1.53(s,6H),1.61(m,6H),1.83-2. 46(m,24H),3.49(m,3H),4.06-4.43(m,11H),5.35(m,6H)

 化合物(I-12)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 2と同様に評価した。結果を表4に示す。

[実施例13]2-アミノペンタン二酸水素=1(または 5)-[(9Z)-9-オクタデセニル]と2-エチル-2-(ヒドロ キシメチル)プロパン-1,3-ジオールとの縮合物 [化合物(I-13)]
 製造例1で得られた2-(N-tert-ブトキシカルボ ルアミノ)ペンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9 -オクタデセニル](化合物A)4.5gと2-エチル-2-(ヒ ドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール0.4g(東 化成工業製)および4-(ジメチルアミノ)ピリ ン1.1g(和光純薬製)を塩化メチレン40mL(和光純 薬製)に溶解し、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルア ノプロピル)カルボジイミド1.9g(アイバイツ )を加え室温で1時間反応させ、次いで40℃で 12時間反応させた。反応後、反応液を0.5mol/L 塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およ 飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水 酸マグネシウムで乾燥後、50℃で溶媒を減圧 留去し、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ) ンタン二酸水素=1(または5)-[(9Z)-9-オクタデ ニル]と2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)プロパ ン-1,3-ジオールとの縮合物の粗体3.6gを得た。
 これを、シリカゲルカラムクロマトグラフ ーにより精製した(展開液:n-ヘキサン/酢酸 チル)。
 精製した縮合物2.3gに塩化メチレン30mLを加 、窒素雰囲気下で均一になるまで攪拌後、 リフルオロ酢酸(和光純薬製)を薄層クロマト グラフィーで原料の消失を確認するまで加え た(トリフルオロ酢酸添加量;8.8g)。反応後、 応液を蒸留水、飽和炭酸水素ナトリウム水 液および飽和食塩水で順次洗浄した。有機 を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、50℃で溶 媒を減圧留去し、化合物(I-13)1.7g(収率:15.6%)を 得た。

   1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.90(m,12H),1.28(m,68H),1.52(s,6H),1.61(m,6H),1.83-2 .45(m,24H),3.49(m,3H),4.08(m,12H),5.35(m,6H)

 化合物(I-13)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 2と同様に評価した。結果を表4に示す。

[実施例14]2-アミノペンタン二酸水素=1(または 5)-オクタデシルとペンタエリスリトールとの 混合エステル[化合物(I-14)]
 L-グルタミン酸2.9g(東京化成工業製)および テアリルアルコール5.4g(東京化成工業製)を80 ℃に加熱し、ステアリルアルコールが溶融し た後、メタンスルホン酸2.3g(関東化学製)を加 え、120℃で3時間反応させた。その後、ペン エリスリトール0.7g(三菱瓦斯化学製)を加え12 0℃で4時間反応させた。反応器の内容物2.5gに 塩化メチレン50mLと2%水酸化ナトリウム水溶液 50mLを加え、分液後、有機層をさらに蒸留水 よび飽和食塩水で順次洗浄した。次いで、 機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃ で溶媒を減圧留去後、化合物(I-14)1.8g(収率96%) を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(m,12H),1.26(m,120H),1.62(m,16H),1.89-2.54(m,8H) ,2.20-2.54(m,8H),3.37-3.48(m,4H),4.05-4.25(m,16H)

 実施例1に記載の方法に従い、化合物(I-14) を潤滑油基油Aに加えて、試作油を調製した 試作油の耐摩擦特性を、実施例1に記載の方 により評価した。結果を表5に示す。

[実施例15]2-アミノペンタン二酸水素=1(または 5)-オクタデシルとジペンタエリスリトールと の混合エステル[化合物(I-15)]
 L-グルタミン酸3.0g(東京化成工業製)および テアリルアルコール5.7g(東京化成工業製)を80 ℃に加熱し、ステアリルアルコールが溶融し たところでメタンスルホン酸2.4g(関東化学製) を加え、120℃で3時間反応させた。その後、 ペンタエリスリトール0.7g(広栄化学工業製) 加え120℃で12時間反応させた。反応器の内容 物2.7gに塩化メチレン50mLと2%水酸化ナトリウ 水溶液50mLを加え、分液後、有機層をさらに 留水および飽和食塩水で順次洗浄した。次 で、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥 、50℃で溶媒を減圧留去後、化合物(I-15)1.8g( 収率92%)を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(m,18H),1.26(m,180H),1.62(m,24H),1.79-2.12(m,12H ),2.20-2.54(m,12H),3.37-3.48(m,6H),4.05-4.25(m,24H)

 化合物(I-15)を油類用添加剤とした以外は 施例14と同様にして試作油を調製し、実施 14と同様に評価した。結果を表5に示す。

(製造例2)2-フタルイミドペンタン二酸無水物( 化合物B)
 L-グルタミン酸73.6g(東京化成工業製)および 水フタル酸74.1g(東京化成工業製)を140℃で2 間反応させた。その後、反応液を100℃まで 却した後、無水酢酸102.1g(和光純薬製)を添加 し100℃で10分反応させた。その後、キシレン2 00mL(和光純薬製)を添加し、反応液を室温まで 冷却した。析出した結晶を濾取し、結晶をキ シレン20mLで洗浄し、次いで70℃で乾燥して、 2-フタルイミドペンタン二酸無水物70.8g(収率5 5%)を得た。

  1 H-NMR(アセトン-d 6 ,δppm);2.34(m,1H),2.85(m,1H),3.16(dt,1H),3.27(dt,1H),5.46(d d,1H),7.95(m,4H)

[実施例16]2-フタルイミドペンタン二酸水素=1( または5)-オクタデシルと1,2,3-プロパントリオ ールとの縮合物[化合物(I-16)]
 2-フタルイミドペンタン二酸無水物(化合物B )4.7gおよびステアリルアルコール4.9g(東京化 工業製)を、120℃で4時間反応させた。その後 、反応物に1,2,3-プロパントリオール0.8g(東京 成工業製)およびメタンスルホン酸0.3g(関東 学製)を加え、120℃で4時間反応させた。塩 メチレン100mLを加え、蒸留水、飽和食塩水で 洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで 乾燥し、50℃で溶媒を減圧留去後、シリカゲ クロマトグラフィにより精製し(展開液:ヘ サン/酢酸エチル)、化合物(I-16)7.3g(収率72%)を 得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(m,6H),1.26(m,60H),1.56(m,4H),2.36-2.67(m,8H),3. 96-2.18(m,8H),4,23(br,1H),4.92(m,2H),7.73-7.88(m,8H)

 化合物(I-16)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 1に記載の方法により、試作油の耐摩擦特性 評価した。結果を表5に示す。

[実施例17]2-フタルイミドペンタン二酸水素=1( または5)-オクタデシルと2-エチル-2-(ヒドロキ シメチル)プロパン-1,3-ジオールとの縮合物[ 合物(I-17)]
 2-フタルイミドペンタン二酸無水物(化合物B )1.2gおよびステアリルアルコール1.2g(東京化 工業製)を、120℃で3時間反応させた。その後 、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3- ジオール0.2g(東京化成工業製)およびメタンス ルホン酸0.1g(関東化学製)を加え、120℃で3時 反応させた。塩化メチレン40mLを加え、蒸留 および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、50℃で溶 を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフ により精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル) 化合物(I-17)2.4g(収率95%)を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.70(m,3H),0.88(m,9H),1.26(m,92H),1.56(m,6H),2.34-2. 67(m,12H),3.80-4.13(m,12H),4.91(m,3H),7.76-7.88(m,12H)

 化合物(I-17)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 1と同様に評価した。結果を表6に示す。

[実施例18]2-フタルイミドペンタン二酸水素=1( または5)-オクタデシルとペンタエリスリトー ルとの縮合物[化合物(I-18)]
 製造例2で得られた2-フタルイミドペンタン 酸無水物(化合物B)10.4gおよびステアリルア コール10.8g(東京化成工業製)を120℃で2時間反 応させた。反応物をシリカゲルカラムクロマ トグラフィーにより精製し(展開液:n-ヘキサ /酢酸エチル)、2-フタルイミドペンタン二酸 素=1(または5)-オクタデシル12.7g(収率:59.1%)を 得た。
  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,30H),1.56(m,2H),2.38(m,4H),2.48-2. 65(m,2H),3.99(t,2H),5.00(m,1H),7.76(m,2H),7.87(m,2H)

 次いで、得られた2-フタルイミドペンタ 二酸水素=1(または5)-オクタデシル10.6g、ペン タエリスリトール0.7g(和光純薬製)および4-(ジ メチルアミノ)ピリジン2.4g(和光純薬製)を塩 メチレン60mL(和光純薬製)に溶解し、1-エチル -3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイ ミド4.2g(アイバイツ製)を加え室温で1時間反 させ、次いで40℃で4時間反応させた。反応 、反応液を0.5mol/Lの塩酸、飽和炭酸水素ナト リウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後 、50℃で溶媒を減圧留去し、2-フタルイミド ンタン二酸水素=1(または5)-モノオクタデシ エステルとペンタエリスリトールとの縮合 の粗体10.4gを得た。

 これを、シリカゲルカラムクロマトグラフ ーにより精製し(展開液:n-ヘキサン/酢酸エ ル)、化合物(I-18)8.4g(収率:80.6%)を得た。
  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,12H),1.25(m,120H),1.55(m,8H),2.32-2.50(m,16H) ,3.69-3.99(m,16H),4.89(m,4H),7.73(m,8H),7.85(m,8H)

 化合物(I-18)を油類用添加剤とした以外は 施例14と同様にして試作油を調製し、実施 14と同様に評価した。結果を表6に示す。

[実施例19] 2-フタルイミドペンタン二酸水素= 1(または5)-オクタデシルとジペンタエリスリ ールの縮合物[化合物(I-19)]
 50mLの反応フラスコに2-フタルイミドペンタ 二酸無水物7.8g(化合物B)およびステアリルア ルコール8.1g(東京化成工業製)を120℃で3時間 応させた。その後、ジペンタエリスリトー 1.3g(広栄化学工業製)を加えた後、メタンス ホン酸0.1g(関東化学製)を5分かけて加え、窒 雰囲気下120℃で4時間反応させた。反応後、 40℃まで冷却した後、塩化メチレン75mLを加え 、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシ ウムで乾燥し、溶媒を留去した。これを、シ リカゲルクロマトグラフィーにより精製し( 開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-19)12.9g (収率77%)を得た。

  1 H-NMR(CDC1 3 ,δppm);0.88(t,18H),1.26(m,180H),1.57(m,12H),2.40(m,12H),2.5 2(m,6H),2.63(m,6H),3.20(br,4H),4.00(m,12H),4.13(m,12H),5.00( dd,6H),7.76(m,12H),7.88(m,12H)

 化合物(I-19)を油類用添加剤とした以外は 施例1と同様にして試作油を調製し、実施例 1と同様に評価した。結果を表6に示す。

(比較例1)
 東京化成工業製のジベンジルジスルフィド( DBDS)を油類用添加剤とした以外は実施例1と同 様にして試作油を調製し、実施例1と同様に 価した。結果を表7に示す。表中、N.T.は未測 定であることを示す。  

 表1~7において、動摩擦係数の値が小さい の程、試作油の耐摩擦特性が優れているこ を表し、摩耗痕径の値が小さいもの程、試 油の耐摩耗特性が優れていることを表す。 合物(I)を油類用添加剤に使用することによ 、耐摩耗特性および耐摩擦特性が優れた試 油を提供することができた。

 本発明によれば、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供できる。