Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ADHESIVE COMPOSITION, ADHESIVE FOR CIRCUIT CONNECTION, CONNECTED STRUCTURE, AND SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128530
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an adhesive composition containing (a) a thermoplastic resin, (b) a radically polymerizable compound containing two or more (meth)acryloyl groups and two or more urethane bonds in a molecule and having a weight average molecular weight of not less than 10,000 and (c) a radical polymerization initiator. The adhesive composition exhibits sufficient adhesion even when the composition is cured at a low temperature in a short time, and has excellent storage stability. A connected structure using the adhesive composition has high connection reliability even after long-time exposure to high temperature and high humidity environments. An adhesive for circuit connection using the adhesive composition, a connected structure and a semiconductor device are also disclosed.

Inventors:
YANAGAWA TOSHIYUKI (JP)
FUJINAWA TOHRU (JP)
HORIUCHI TAKESHI (JP)
MATSUSHITA MASATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057757
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 17, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
YANAGAWA TOSHIYUKI (JP)
FUJINAWA TOHRU (JP)
HORIUCHI TAKESHI (JP)
MATSUSHITA MASATOSHI (JP)
International Classes:
C09J4/02; C09J9/02; C09J11/04; C09J201/00; H01B1/20; H01L21/60
Foreign References:
JP2006257208A2006-09-28
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
Download PDF:
Claims:
 (a)熱可塑性樹脂、(b)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基及び2個以上のウレタン結合を有し、かつ重量平均分子量が10,000以上であるラジカル重合性化合物、及び(c)ラジカル重合開始剤を含有する接着剤組成物。
 前記(a)熱可塑性樹脂100重量部に対して、前記(b)ラジカル重合性化合物を10~250重量部、前記(c)ラジカル重合開始剤を0.05~30重量部含有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
 (d)分子内に少なくとも1個以上のリン酸基を有するビニル化合物を、前記(a)熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1~20重量部さらに含有する、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
 (e)導電性粒子をさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
 相対向する回路電極を有する基板間に介在させ、前記相対向する回路電極同士が電気的に接続されるように前記基板同士を接着するために用いられる回路接続用接着剤であって、
 請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物からなる回路接続用接着剤。
 第一の回路電極を有する第一の基板と、
 第二の回路電極を有する第二の基板とを、
 前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが相対向するように配置し、
 対向配置した前記第一の基板と第二の基板との間に、請求項5に記載の回路接続用接着剤を介在させ、加熱加圧して、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを電気的に接続させてなる接続体。
 対向配置した半導体素子と半導体搭載用基板との間に、請求項5に記載の回路接続用接着剤を介在させ、加熱加圧して、前記半導体素子と前記半導体搭載用基板とを電気的に接続させてなる半導体装置。
Description:
接着剤組成物、回路接続用接着 、接続体、及び半導体装置

 本発明は、接着剤組成物、及びそれを用 た回路接続用接着剤、接続体、半導体装置 関する。

 半導体素子及び液晶表示素子において、素 中の種々の部材を結合させる目的で従来か 種々の接着剤が使用されている。接着剤に 求される特性は、接着性をはじめとして、 熱性、高温高湿状態における信頼性等多岐 わたる。また、接着に使用される被着体に 、プリント配線板やポリイミド等の有機基 をはじめ、銅、アルミニウム等の金属やITO SiN、SiO 2 等の多種多様な表面状態を有する基材が用い られる。このため、接着剤は、各被着体にあ わせて分子設計する必要がある。

 従来、前記半導体素子や液晶表示素子用 接着剤としては、高接着性でかつ高信頼性 示すエポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂が 流となっている(例えば、特許文献1参照)。 かる樹脂としては、エポキシ樹脂、エポキ 樹脂と反応性を有するフェノール樹脂等の 化剤、及び、エポキシ樹脂と硬化剤の反応 促進する熱潜在性触媒を構成成分として含 ものが一般に用いられている。熱潜在性触 は硬化温度及び硬化速度を決定する重要な 子となっており、室温での貯蔵安定性と加 時の硬化速度の観点から種々の化合物が用 られてきた。実際の工程での硬化条件は、1 70~250℃の温度で1~3時間硬化することにより、 所望の接着性が得られる。

 近年、半導体素子の高集積化、液晶素子 高精細化に伴い、素子間及び配線間ピッチ 狭小化している。このため、上記の条件で 処理を行った場合には、硬化時の加熱によ 、周辺部材に悪影響を及ぼすおそれがある さらに低コスト化のためには、スループッ を向上させる必要性があり、低温(100~170℃) 短時間(1時間以内、好ましくは数秒以内)、 言すれば「低温速硬化」での接着が要求さ ている。この低温速硬化を達成するために 活性化エネルギーの低い熱潜在性触媒が使 されることもあるが、その場合、接着剤が 温付近での貯蔵安定性を兼備することが非 に難しいことが知られている。

 最近、アクリレート誘導体やメタアクリ ート誘導体(以後、「(メタ)アクリレート誘 体」という)とラジカル重合開始剤である過 酸化物を併用した、ラジカル硬化型接着剤が 注目されている(例えば、特許文献2参照)。

 一方で、ラジカル硬化系の接着剤は、硬 時の硬化収縮が大きいために、エポキシ樹 を用いた場合と比較して、接着強度に劣る 題がある。接着強度の改良方法として、エ テル結合によって柔軟性及び可とう性を付 したウレタンアクリレート化合物をラジカ 重合性化合物として使用する方法が提案さ ている(特許文献3、4参照)。

特開平01-113480号公報

特開2002-203427号公報

特許第3522634号公報

特開2002-285128号公報

 しかしながら、特許文献3、4等に記載の 来のラジカル硬化系の接着剤を使用した場 、硬化後の弾性率やガラス転移温度等の接 剤物性が低下し、さらに吸水率の上昇や耐 水分解性が低下するといった問題がある。 のため、高温高湿条件(例えば85℃/85%RH)で長 間の暴露後も安定した性能が要求される半 体素子や液晶表示素子に、この接着剤を使 した場合、信頼性試験後に接着力や接続抵 等の特性が悪化することが問題となってい 。

 本発明は、低温短時間で硬化させた場合 あっても十分な接着性を示し、高温高湿条 (例えば85℃/85%RH)で長時間接続体を暴露した 後においても接続信頼性が高く、さらに貯蔵 安定性にも優れる接着剤組成物、並びにそれ を用いた回路接続用接着剤、接続体及び半導 体装置を提供することを目的とする。

 上記事情に鑑み本発明は、(a)熱可塑性樹 、(b)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル 基及び2個以上のウレタン結合を有し、かつ 量平均分子量が10,000以上であるラジカル重 性化合物(以下、単に「(b)ラジカル重合性化 物」ともいう)、及び(c)ラジカル重合開始剤 を含有する接着剤組成物を提供する。

 かかる接着剤組成物によれば、低温短時 で硬化させた場合であっても十分な接着性 示し、高温高湿条件で長時間接続体を暴露 た後においても接続信頼性が高く、さらに 蔵安定性にも優れる。

 本発明の接着剤組成物は、(a)熱可塑性樹 100重量部に対して、(b)ラジカル重合性化合 を10~250重量部、(c)ラジカル重合開始剤を0.05 ~30重量部含有することが好ましい。

 本発明の接着剤組成物は、(d)分子内に少 くとも1個以上のリン酸基を有するビニル化 合物を、(a)熱可塑性樹脂100重量部に対して、 0.1~20重量部さらに含有することが好ましい。

 本発明の接着剤組成物は、(e)導電性粒子 さらに含有することが好ましい。

 本発明はまた、相対向する回路電極を有 る基板間に介在させ、相対向する回路電極 士が電気的に接続されるように基板同士を 着するために用いられる回路接続用接着剤 あって、上記本発明の接着剤組成物からな 回路接続用接着剤を提供する。

 かかる回路接続用接着剤は、本発明の接 剤組成物を用いているので、低温短時間で 化させた場合であっても十分な接着性を示 、高温高湿条件で長時間接続体を暴露した においても接続信頼性が高く、さらに貯蔵 定性にも優れる。

 本発明はまた、第一の回路電極を有する 一の基板と、第二の回路電極を有する第二 基板とを、第一の回路電極と第二の回路電 とが相対向するように配置し、対向配置し 第一の基板と第二の基板との間に、上記本 明の回路接続用接着剤を介在させ、加熱加 して、第一の回路電極と第二の回路電極と 電気的に接続させてなる接続体を提供する

 本発明はさらに、対向配置した半導体素 と半導体搭載用基板との間に、上記本発明 回路接続用接着剤を介在させ、加熱加圧し 、半導体素子と半導体搭載用基板とを電気 に接続させてなる半導体装置を提供する。

 かかる接続体及び半導体装置は、本発明 回路接続用接着剤を用いているので、十分 十分な接着性が高く、高温高湿条件で長時 暴露した後においても接続信頼性が高い。

 本発明によれば、低温短時間で硬化させ 場合であっても、十分な接着性及び接続信 性を得ることを可能とし、さらに貯蔵安定 にも優れる接着剤組成物、並びにそれを用 た回路接続用接着剤、接続体及び半導体装 を提供することができる。

 以下、本発明について詳細に説明するが 本発明はこれに限定されるものではない。 お、本明細書中、(メタ)アクリルとは、ア リル及びそれに対応するメタクリルを意味 、(メタ)アクリレートとはアクリレート及び それに対応するメタクリレートを意味し、( タ)アクリロイル基とはアクリロイル基及び れに対応するメタクリロイル基を意味する

 また、本明細書中、「重量平均分子量」と 、以下の条件でゲルパーミエイションクロ トグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレ による検量線を用いて測定したもののこと いう。
〈GPC条件〉
使用機器:日立L-6000型〔株式会社日立製作所
カラム:ゲルパックGL-R420+ゲルパックGL-R430+ゲ パックGL-R440(計3本)〔日立化成工業株式会社 製商品名〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/min
検出器:L-3300RI〔株式会社日立製作所〕

 本発明の接着剤組成物は、(a)熱可塑性樹 、(b)ラジカル重合性化合物、及び(c)ラジカ 重合開始剤を含有する。

 (a)熱可塑性樹脂としては、特に制限なく公 のものを使用することができる。このよう 樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、 ェノキシ樹脂類、ポリ(メタ)アクリレート 、ポリイミド類、ポリウレタン類(ウレタン 脂類)、ポリエステル類、ポリビニルブチラ ール類、ポリウレタンエステル類などを用い ることができる。これらは単独あるいは2種 以上を混合して用いることができ、特にフ ノキシ樹脂とウレタン樹脂とを併用するこ が好ましい。
 さらに、これら樹脂中には、シロキサン結 やフッ素置換基が含まれていてもよい。こ らは、混合する樹脂同士が完全に相溶する 、もしくはミクロ相分離が生じて白濁する 態であれば好適に用いることができる。
 上記熱可塑性樹脂の分子量は、大きいほど ィルム形成性が容易に得られ、また接着剤 しての流動性に影響する溶融粘度を広範囲 設定できる。分子量は特に制限を受けるも ではないが、一般的な重量平均分子量とし は5,000~150,000が好ましく、10,000~80,000が特に ましい。この値が、5,000未満ではフィルム形 成性が劣る傾向があり、また150,000を超える 他の成分との相溶性が悪くなる傾向がある

 (b)ラジカル重合性化合物は、1分子中に2 以上の(メタ)アクリロイル基及び2個以上の レタン結合を有し、かつ重量平均分子量が10 ,000以上であるものであるが、耐熱性、流動 、接着性の観点から、下記一般式(A)、下記 般式(B)から選ばれる少なくとも一以上の構 を含む化合物であることが好ましい。

 (b)ラジカル重合性化合物の重量平均分子量( Mw)は、10,000~60,000であると好ましく、30,000よ 大きく50,000以下であると特に好ましい。
 Mwが10,000未満では硬化収縮により接着力が 下し、60,000を超えた場合では架橋密度が低 し、接続信頼性が低下するおそれがある。
 Mwが10,000以上である(b)ラジカル重合性化合 は、高分子量体であることから、反応性成 であると同時に(a)熱可塑性樹脂と同等ある はそれに類似した特性を発現することが期 でき、フィルム形成性、流動性や接着力の 上といったフィルムの設計裕度が広がるこ から好ましい。

 (b)ラジカル重合性化合物の含有量は、(a)熱 塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは10~2 50重量部であり、より好ましくは30~150重量部 ある。
 (b)ラジカル重合性化合物の含有量が10重量 未満の場合には、硬化後の耐熱性低下が懸 され、また、250重量部以上の場合には、フ ルムとして使用する場合にフィルム形成性 低下するおそれがある。

 (c)ラジカル重合開始剤としては、従来から られている過酸化物やアゾ化合物等の公知 化合物を用いることができるが、安定性、 応性、相溶性の観点から、1分間半減期温度 が90~175℃で、かつ、分子量が180~1,000のパーオ キシエステル誘導体が好ましい。
 その具体例としては、クミルパーオキシネ デカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチル ーオキシネオデカノエート、1-シクロヘキシ ル-1-メチルエチルパーオキシノエデカノエー ト、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブ チルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメ ルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー 、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイル ーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ- 2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキ -2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキ シネオヘプタノエート、t-アミルパーオキシ- 2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルパーオ シヘキサヒドロテレフタレート、t-アミル ーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、3 -ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチルパーオキシネ オデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチル ーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミ パーオキシネオデカノエート、t-アミルパー オキシ-2-エチルヘキサノエート、2,2’-アゾ ス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾ ス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2’-ア ゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2 -メチルブチロニトリル)、ジメチル-2,2’-ア ビスイソブチロニトリル、4,4’-アゾビス(4- アノバレリン酸)、1,1’-アゾビス(1-シクロ キサンカルボニトリル)、t-ヘキシルパーオ シイソプロピルモノカーボネート、t-ブチル パーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシ- 3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパ オキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(3-メ ルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチ パーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネ ト、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2, 5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ サン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ チルパーオキシトリメチルアジペート、t- ミルパーオキシノルマルオクトエート、t-ア ミルパーオキシイソノナノエート、t-アミル ーオキシベンゾエート等が挙げられる。こ らの化合物は、単独で用いても、2種以上の 化合物を混合して用いてもよい。

 (c)ラジカル重合開始剤の含有量は、(a)熱可 性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05~30 重量部であり、より好ましくは0.1~20重量部で ある。
 含有量が0.05重量部未満の場合、硬化不足が 懸念され、また、30重量部を超える場合には 放置安定性が低下するおそれがある。

 本発明の接着剤組成物は、(d)分子内に少 くとも1個以上のリン酸基を有するビニル化 合物を含有することが好ましい。(d)分子内に 少なくとも1個以上のリン酸基を有するビニ 化合物としては、特に制限なく公知のもの 使用することができるが、下記一般式(1)~(3) 示される化合物が好ましい。

(一般式(1)中、R 1 は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基 、R 2 は水素又はメチル基、m、nはそれぞれ独立に1 ~8の整数を示す。)

(一般式(2)中、R 3 は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基 、lは1~8の整数、m、nはそれぞれ独立に1~8の整 数を示す。)

(一般式(3)中、R 4 は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基 、R 5 は、水素又はメチル基、p、qはそれぞれ独立 1~8の整数を示す。)

 これらの具体例としては、アシッドホス オキシエチルメタクリレート、アシッドホ ホオキシエチルアクリレート、アシッドホ ホオキシプロピルメタクリレート、アシッ ホスホオキシポリオキシエチレングリコー モノメタクリレート、アシッドホスホオキ ポリオキシプロピレングリコールモノメタ リレート、2,2’-ジ(メタ)アクリロイロキシ エチルホスフェート、EO(エチレンオキサイ )変性リン酸ジメタクリレート、リン酸変性 エポキシアクリレート等が挙げられる。

 (d)分子内に少なくとも1個以上のリン酸基を 有するビニル化合物の含有量は、(a)熱可塑性 樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1~20重量 部であり、より好ましくは0.5~10重量部である 。
 含有量が0.1重量部未満の場合、接着強度向 効果が低い傾向にあり、また、20重量部を える場合には、硬化後の接着剤の物性が低 し、接続信頼性が低下するおそれがある。

 本発明の接着剤組成物は、(e)導電性粒子を 有することが好ましい。(e)導電性粒子とし は、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子や ーボン等が挙げられる。
 また、非導電性のガラス、セラミック、プ スチック等を核とし、この核に前記金属、 属粒子やカーボンを被覆したものでもよい
 導電性粒子が、プラスチックを核とし、こ 核に前記金属、金属粒子やカーボンを被覆 たものやはんだのような熱溶融金属粒子の 合、加熱加圧により変形性を有するので接 時に電極との接触面積が増加し電極の厚み らつきを吸収し、接続信頼性が向上するの 好ましい。
 またこれらの導電性粒子の表面を、さらに 分子樹脂、微粒子などで被覆した導電性粒 は、導電性粒子の配合量を増加した場合の 子同士の接触による短絡を抑制し、電極回 間の絶縁性が向上できることから、適宜こ を単独あるいは導電性粒子と混合して用い もよい。

 この導電性粒子の平均粒径は、分散性、導 性の点から、1~18μmであることが好ましい。 導電性粒子の含有量は、特に制限は受けない が、接着剤組成物全量を基準として、0.1~30体 積%とすることが好ましく、0.1~10体積%とする とがより好ましい。
 この値が、0.1体積%未満であると導電性が劣 る傾向があり、30体積%を超えると回路の短絡 が起こりやすい傾向がある。
 なお、「体積%」は23℃の硬化前の各成分の 積をもとに決定されるが、各成分の体積は 比重を利用して重量から体積に換算するこ ができる。また、メスシリンダー等にその 分を溶解したり膨潤させたりせず、その成 をよく濡らす適当な溶媒(水、アルコール等 )を入れたものに、その成分を投入し増加し 体積をその体積として求めることもできる

 本発明の接着剤組成物には、上述の(b)ラ カル重合性化合物と併用して、(b)成分以外 ラジカル重合性化合物を使用することがで る。このようなラジカル重合性化合物とし は、スチレン誘導体やマレイミド誘導体の うに、ラジカルによって重合する化合物で れば、特に制限なく公知のものを使用する とができる。

 その具体例としては、エポキシ(メタ)ア リレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)ア クリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ) クリレートオリゴマー等のオリゴマー、ト メチロールプロパントリ(メタ)アクリレー 、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ ート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)ア リレート、ジシクロペンテニル(メタ)アク レート、ジシクロペンテニロキシエチル(メ )アクリレート、ネオペンチルグリコールジ (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー ヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル 変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌ 酸変性3官能(メタ)アクリレート等の多官能( タ)アクリレート化合物が挙げられ、特に3 能以上の(メタ)アクリレートを(b)ラジカル重 合性化合物と併用することが好ましい。

 また、流動性の調節を目的に、単官能(メ タ)アクリレートを使用することもできる。 の具体例としては、ペンタエリスリトール( タ)アクリレート、2-シアノエチル(メタ)ア リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アク レート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ) アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アク レート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレー 、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロ シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ ロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル( タ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリ ート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n- ウリル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチ ル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル( タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリー ル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロ キシエチルホスフェート、N、N-ジメチルアミ ノエチル(メタ)アクリレート、N、N-ジメチル ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチ アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジ チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、( タ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる 。これらの化合物は単独で用いても、必要に 応じて複数の化合物を混合して用いてもよい 。

 本発明の接着剤組成物には、橋架け率の 上を目的として、上記(メタ)アクリロイル を有する化合物の他に、アリル基、マレイ ド基、ビニル基等の活性ラジカルによって 合する官能基を有する化合物を適宜添加し もよい。

 その具体例としては、N-ビニルイミダゾ ル、N-ビニルピリジン、N-ビニルピロリドン N-ビニルホルムアミド、N-ビニルカプロラク タム、4,4’-ビニリデンビス(N,N-ジメチルアニ リン)、N-ビニルアセトアミド、N,N-ジメチル クリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミ ド、N,N-ジエチルアクリルアミド、アクリル ミド等が挙げられる。

 本発明の接着剤組成物には、硬化速度の制 や貯蔵安定性を付与するために、安定化剤 添加することできる。
 このような安定化剤としては、特に制限な 公知の化合物を使用することができるが、 ンゾキノンやハイドロキノン等のキノン誘 体、4-メトキシフェノールや4-t-ブチルカテ ール等のフェノール誘導体、2,2,6,6-テトラ チルピペリジン-1-オキシルや4-ヒドロキシ-2, 2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル等の アミノキシル誘導体、テトラメチルピペリジ ルメタクリレート等のヒンダードアミン誘導 体が好ましい。

 安定化剤を添加する場合のその添加量は (a)熱可塑性樹脂100重量部に対して、好まし は0.01~30重量部であり、より好ましくは0.05~1 0重量部である。含有量が0.01重量部未満の場 、添加効果が著しく低下することが懸念さ 、また、30重量部以上の場合には、他の成 との相溶性が低下するおそれがある。

 本発明の接着剤組成物には、アルコキシ ラン誘導体やシラザン誘導体に代表される ップリング剤及び密着向上剤、レベリング などの接着助剤を適宜添加してもよい。

 本発明の接着剤組成物には、応力緩和及 接着性向上を目的に、ゴム成分を添加して よい。

 その具体例としては、ポリイソプレン、 リブタジエン、カルボキシル基末端ポリブ ジエン、水酸基末端ポリブタジエン、1,2-ポ リブタジエン、カルボキシル基末端1,2-ポリ タジエン、水酸基末端1,2-ポリブタジエン、 クリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、水 酸基末端スチレン-ブタジエンゴム、アクリ ニトリル-ブタジエンゴム、カルボキシル基 水酸基、(メタ)アクリロイル基又はモルホ ン基をポリマ末端に含有するアクリロニト ル-ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリ ゴム、水酸基末端ポリ(オキシプロピレン) アルコキシシリル基末端ポリ(オキシプロピ ン)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコー 、ポリオレフィングリコール、ポリ-ε-カプ ロラクトン等が挙げられる。

 上記ゴム成分としては、接着性向上の観 から、高極性基であるシアノ基、カルボキ ル基を側鎖あるいは末端に含むゴム成分が ましく、さらに流動性向上の観点から、液 ゴムがより好ましい。その具体例としては 液状アクリロニトリル-ブタジエンゴム、カ ルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル 又はモルホリン基をポリマ末端に含有する 状アクリロニトリル-ブタジエンゴム、液状 カルボキシル化ニトリルゴムが挙げられ、極 性基であるアクリロニトリル含有量が10~60重 %が好ましい。これらの化合物は単独で用い ても、2種以上の化合物を混合して用いても い。

 本発明の接着剤組成物は、常温(25℃)で液状 である場合にはペースト状接着剤として使用 することができる。室温(25℃)で固体の場合 は、加熱して使用する他、溶剤を使用して ースト化して、ペースト状接着剤として使 することもできる。
 使用できる溶剤としては、接着剤組成物及 添加剤と反応性が十分に小さく、かつ、十 な溶解性を示すものであれば、特に制限は けないが、常圧での沸点が50~150℃であるも が好ましい。沸点が50℃以下の場合、室温 放置すると揮発するおそれがあり、開放系 の使用が制限される。また、沸点が150℃以 だと、溶剤を揮発させることが難しく、接 後の信頼性に悪影響を及ぼすおそれがある

 本発明の接着剤組成物はフィルム状接着 として用いることもできる。フィルム状接 剤は、例えば接着剤組成物に必要により溶 等を加えるなどした溶液を、フッ素樹脂フ ルム、ポリエチレンテレフタレートフィル 、離型紙等の剥離性基材上に塗布し、ある は不織布等の基材に前記溶液を含浸させて 離性基材上に載置し、溶剤等を除去するこ により作製することができる。フィルムの 状で使用すると取扱性等の点から一層便利 ある。

 上述のペースト状接着剤及びフィルム状 着剤は、特に回路接続用接着剤として好適 使用することができる。

 本発明の回路接続用接着剤は、加熱及び 圧を併用して接着させることができる。加 温度は、特に制限は受けないが、100~210℃で あることが好ましい。圧力は、被着体に損傷 を与えない範囲であれば、特に制限は受けな いが、一般的には0.1~10MPaが好ましい。これら の加熱及び加圧は、0.5~120秒間の範囲で行う とが好ましく、140~170℃、3MPa、10秒の加熱で 接着させることが可能である。

 本発明の回路接続用接着剤は、熱膨張係 の異なる異種の被着体の接着剤として使用 ることができる。具体的には、異方導電接 剤、銀ペースト、銀フィルム等に代表され 回路接続材料、CSP用エラストマー、CSP用ア ダーフィル材、LOCテープ等に代表される半 体素子接着材料として使用することができ 。

 本発明の接続体は、第一の回路電極を有 る第一の基板と、第二の回路電極を有する 二の基板とを、第一の回路電極と第二の回 電極とが相対向するように配置し、対向配 した第一の基板と第二の基板との間に、上 本発明の回路接続用接着剤を介在させ、加 加圧して、第一の回路電極と第二の回路電 とを電気的に接続させてなるものである。

 回路電極を形成する基板としては、半導 、ガラス、セラミック等の無機質、ポリイ ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス ル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の有 物、ガラス繊維/エポキシ樹脂等の複合材料 の各組み合わせが適用できる。

 以下に、本発明を実施例に基づいて具体 に説明するが、本発明はこれに限定される のではない。

(ウレタンアクリレート(U-1)の合成)
 攪拌機、温度計、冷却管及び空気ガス導入 を備えた反応容器に空気ガスを導入した後 2-ヒドロキシエチルアクリレート238重量部(2 .05モル)、数平均分子量2,000のポリ(ヘキサメ レンカーボネート)ジオール(アルドリッチ社 製)4000重量部(2モル)、ハイドロキノンモノメ ルエーテル0.49重量部、ジブチルスズジラウ レート6.35重量部を仕込み、90~100℃に加熱し イソフォロンジイソシアネート666重量部(3モ ル)を3時間で均一に滴下し、反応させた。
 滴下完了後約24時間反応を継続し、IR測定に よりイソシアネートが消失したことを確認し て反応を終了し、重量平均分子量45,000のウレ タンアクリレート(U-1)を得た。

(ウレタンアクリレート(U-2)の合成)
 攪拌機、温度計、冷却管及び空気ガス導入 を備えた反応容器に空気ガスを導入した後 2-ヒドロキシエチルアクリレート238重量部(2 .05モル)、数平均分子量900のポリ(エチレング コール)ジオール(アルドリッチ社製)1,800重 部(2モル)、ハイドロキノンモノメチルエー ル0.27重量部、ジブチルスズジラウレート2.70 重量部を仕込み、70~75℃に加熱し、イソフォ ンジイソシアネート666重量部(3モル)を3時間 で均一に滴下し、反応させた。
 滴下完了後、約15時間反応を継続し、IR測定 によりイソシアネートが消失したことを確認 して反応を終了し、重量平均分子量4,800のウ タンアクリレート(U-2)を得た。

(実施例1、比較例1)
 (a)熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂及 ウレタン樹脂を使用した。
 フェノキシ樹脂としては、フェノキシ樹脂( PKHC、ユニオンカーバイト社製商品名、平均 子量45,000)40gを、メチルエチルケトン60gに溶 して、固形分40重量%の溶液としたものを用 た。
 またウレタン樹脂としては、平均分子量2,00 0のポリブチレンアジペートジオール450重量 と平均分子量2,000のポリオキシテトラメチレ ングリコール450重量部、1,4-ブチレングリコ ル100重量部をメチルエチルケトン4000重量部 で均一に混合し、ジフェニルメタンジイソ アネート390重量部を加えて70℃にて反応さ て得られた重量平均分子量35万のウレタン樹 脂を使用した。
 (b)ラジカル重合性化合物としては、上述のU -1(重量平均分子量45,000)又はU-2(重量平均分子 4,800)50gを、それぞれメチルエチルケトン50g 溶解して、固形分50重量%の溶液としたもの 使用した。
 また(b)成分以外のラジカル重合性化合物と て、ペンタエリスリトールトリアクリレー (NKエステルA-TMM-3L、新中村化学工業株式会 製商品名)を用いた。
 (c)ラジカル重合開始剤として、t-ヘキシル ーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーヘキ ルO、日本油脂株式会社製商品名)を用いた
 (d)分子内に少なくとも1個以上のリン酸基を 有するビニル化合物として、2-(メタ)アクリ イロキシエチルホスフェート(ライトエステ P-2M、共栄社化学株式会社製商品名)を用い 。
 (e)導電性粒子としては、ポリスチレンを核 する粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層 設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μm の金層を設けて作製した平均粒径4μm、比重2. 5の導電性粒子を用いた。
 上述の成分を、表1に示す固形重量比で配合 し、さらに(e)導電性粒子を1.5体積%配合分散 せた。得られた分散液を、厚み80μmのフッ素 樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70 、10分の熱風乾燥によって接着剤層の厚み 15μmのフィルム状接着剤を得た。

(実施例2、比較例2)
 (a)熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂及 ウレタン樹脂を使用した。
 フェノキシ樹脂としては、フェノキシ樹脂( PKHC、ユニオンカーバイト社製商品名、平均 子量45,000)40gを、メチルエチルケトン60gに溶 して、固形分40重量%の溶液としたものを用 た。
 またウレタン樹脂としては、平均分子量2,00 0のポリブチレンアジペートジオール450重量 と平均分子量2,000のポリオキシテトラメチレ ングリコール450重量部、1,4-ブチレングリコ ル100重量部をメチルエチルケトン4000重量部 で均一に混合し、ジフェニルメタンジイソ アネート390重量部を加えて70℃にて反応さ て得られた重量平均分子量35万のウレタン樹 脂を使用した。
 (b)ラジカル重合性化合物としては、上述のU -1(重量平均分子量45,000)又はU-250gを、それぞ メチルエチルケトン50gに溶解して、固形分50 重量%の溶液としたものを使用した。
 また(b)成分以外のラジカル重合性化合物と て、ペンタエリスリトールトリアクリレー (NKエステルA-TMM-3L、新中村化学工業株式会 製商品名)を用いた。
 (c)ラジカル重合開始剤として、t-ヘキシル ーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーヘキ ルO、日本油脂株式会社製商品名)を用いた
 (d)分子内に少なくとも1個以上のリン酸基を 有するビニル化合物として、2-(メタ)アクリ イロキシエチルホスフェート(ライトエステ P-2M、共栄社化学株式会社製商品名)を用い 。
 上述の成分を表1に示す固形重量比で配合し 、さらに(e)導電性粒子としてのNi粒子を1.5体 %配合分散させた。得られた分散液を、厚み 80μmのフッ素樹脂フィルムに塗工装置を用い 塗布し、70℃、10分の熱風乾燥によって接着 剤層の厚みが40μmのフィルム状接着剤を得た

〔接着強度、接続抵抗の測定〕
(実施例1、比較例1)
 上記製法によって得たフィルム状接着剤を いて、ライン幅25μm、ピッチ50μm、厚み8μm 銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC) と、0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成 たガラス(厚み1.1mm、表面抵抗20ω/□)とを、 圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型 東レエンジニアリング株式会社製)を用いて 160℃の温度、3MPaの圧力で10秒間の加熱加圧 行って幅2mmにわたり接続し、接続体を作製 た。
 この接続体の隣接回路間の抵抗値を、接着 後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に250時間保 持した後にマルチメータで測定した。抵抗値 は隣接回路間の抵抗37点の平均で示した。

〔接着強度、接続抵抗の測定〕
(実施例2、比較例2)
 上記製法によって得たフィルム状接着剤を いて、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μ mの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(F PC)と、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み35μm 銅回路を500本有するプリント基板(PCB)(厚み1 .1mm)とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタン ヒート型、東レエンジニアリング株式会社 )を用いて、160℃の温度、3MPaの圧力で10秒間 加熱加圧を行って幅2mmにわたり接続し、接 体を作製した。
 この接続体の隣接回路間の抵抗値を、接着 後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に250時間保 持した後にマルチメータで測定した。抵抗値 は隣接回路間の抵抗37点の平均で示した。

 また、この接続体の接着強度をJIS-Z0237に準 て90度剥離法で測定し、評価した。ここで 接着強度の測定装置は東洋ボールドウィン 式会社製テンシロンUTM-4(剥離速度50mm/min、25 )を使用した。
 以上のようにして行った接続体の接着強度 接続抵抗の測定の結果を表2に示した。

 重量平均分子量が10,000以上のウレタン(メタ )アクリレート化合物を組成中に含む、実施 1~2で得られたフィルム状接着剤は、接着直 及び85℃、85%RHの高温高湿槽中に250時間保持 た後で、良好な接続抵抗及び接着強度を示 、良好な特性を示すことが分かった。
 一方、重量平均分子量が10,000以上のウレタ (メタ)アクリレート化合物を組成中に含ま い比較例1~2では、接着直後の接続抵抗値は 好なものの、85℃、85%RHの高温高湿槽中に250 間保持した後(信頼性試験後)では接続抵抗 が上昇した。また、接着力についても、実 例1~2と比較して接着直後の接着力は高いが 信頼性試験後の接着力低下が顕著であった
 以上の結果から、本発明の(b)ラジカル重合 化合物を用いることで、良好な接続抵抗と 着力を両立できることが明らかになった。

(実施例3)
 実施例1で得られたフィルム状接着剤を、真 空包装を施して、40℃で3日間放置した後、実 施例1と同様にFPCとITOとを160℃、3MPa、10秒で 熱圧着を行った。以上のようにして行った 続体の接着強度、接続抵抗を測定したとこ 、接着強度は840~880N/m、接続抵抗は1.0~1.3ωを し、処理前である実施例1と値に変化がほと んどなかったことから、放置安定性に優れる ことが分かった。

(実施例4)
 半導体チップ(3×10mm,高さ0.5mm,主面の4辺周囲 にバンプとよばれる100μm角、高さ20μmの突起 た金電極が存在)のバンプ配置と対応した接 続端子を有する厚み1mmのガラスエポキシ基板 (回路は銅箔で厚み18μm)から作製した半導体 載用基板を用意した。
 半導体搭載用基板の回路表面には、ニッケ /金めっきを施した。半導体チップの突起電 極と半導体搭載用基板とを上記実施例1のフ ルム状接着剤を用いて次のようにして接続 た。
 半導体搭載用基板の回路面にフィルム状接 材を80℃、1MPa、3秒で仮圧着し、剥離性フッ 素樹脂フィルムを剥離後、半導体チップの突 起電極と半導体搭載用基板との位置合せを行 い、180℃、10kgf/チップの温度及び圧力で20秒 加熱圧着した。
 これによって、フィルム状接着剤を介して 導体チップの突起電極と半導体搭載用基板 回路とを電気的に接続すると同時に半導体 ップと半導体搭載用基板の電極はフィルム 接着剤の硬化によって、この接続状態を保 した。このようにして得た半導体チップと 導体搭載用基板を接続した半導体装置を(-55 ℃、30分)/(125℃、30分)の条件で繰り返す冷熱 イクル試験に曝した。
 この冷熱サイクル試験1,000回後の半導体チ プの突起電極と基板回路の接続抵抗を測定 たところ接続抵抗の上昇がなく、良好な接 信頼性を示した。