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Title:
ADHESIVE COMPOSITION FOR SEMICONDUCTOR AND SEMICONDUTOR DEVICE PRODUCED USING THE ADHESIVE COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057530
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an adhesive composition for a semiconductor, comprising filler particles (A), a heat curing resin (B), and a sulfide bond-containing compound (C) represented by formula (1): -(S)n- (1) where n is an integer of 1 or more, wherein the compound (C) is any one of a compound (C1-1), which is a compound (C1) containing the sulfide bond and an alkoxysilyl group and wherein the content of a compound containing a disulfide bond in the compound (C1) containing the sulfide bond and the alkoxysilyl group is not less than 15% in terms of the proportion of a peak area attributable to the compound containing the disulfide bond to a total peak area of the compound (C1) containing the sulfide bond and the alkoxysilyl group, a compound (C2) containing the sulfide bond and a hydroxyl group as measured by high performance liquid chromatography, and the compound (C1) containing the sulfide bond and the alkoxysilyl group and the compound (C2) containing the sulfide bond and the hydroxyl group.

Inventors:
TANAKA NOBUKI (JP)
OHKUBO HIKARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069356
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO BAKELITE CO (JP)
TANAKA NOBUKI (JP)
OHKUBO HIKARU (JP)
International Classes:
C09J201/00; C09J11/04; C09J11/06; H01L21/52
Foreign References:
JP2007262243A2007-10-11
JP2002316976A2002-10-31
JP2004189954A2004-07-08
JP2008291155A2008-12-04
Other References:
MULLER, RAINER ET AL.: "New Adhesion Promoters for Copper Leadframes and Epoxy Resin", JOURNAL OF ADHESION, vol. 72, no. L, 2000, pages 65 - 83
Attorney, Agent or Firm:
NAGAHAMA, Noriaki (Kimpodo Bldg.9th Floor 2-8-21, Kyobashi, Chuo-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)および下記式(1):
   -(S) n -     (1)
(式(1)中、nは1以上の整数である。)
で表されるスルフィド結合を有する化合物(C)を含有し、前記化合物(C)が、
 前記スルフィド結合とアルコキシシリル基とを有する化合物(C1)であって、前記スルフィド結合とアルコキシシリル基とを有する化合物(C1)中のジスルフィド結合を有する化合物の含有率が、高速液体クロマトグラフにより測定した前記スルフィド結合とアルコキシシリル基とを有する化合物(C1)の全ピーク面積に対する前記ジスルフィド結合を有する化合物に起因するピーク面積の割合で15%以上である化合物(C1-1)、
 前記スルフィド結合と水酸基とを有する化合物(C2)、ならびに
 前記スルフィド結合とアルコキシシリル基とを有する化合物(C1)および前記スルフィド結合と水酸基とを有する化合物(C2)
のうちのいずれか1つである、半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C1-1)において、前記式(1)中のnが4以上の整数であるポリスルフィド結合を有する化合物の含有率が、高速液体クロマトグラフにより測定した前記化合物(C1-1)の全ピーク面積に対する前記ポリスルフィド結合を有する化合物に起因するピーク面積の割合で20%以下である、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C2)が、下記式(2):
   -S-R-OH     (2)
(式(2)中、Rは炭素数1~12の有機基である。)
で表される官能基を有するものである、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記式(2)中のRが炭素数1~6のアルキレン基である、請求項3に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C2)が2個以上のスルフィド結合と2個以上の水酸基とを有するものである、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C2)が、2,2’-ジチオジエタノール、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオールおよび3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジオールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C1)または(C1-1)の含有量が前記熱硬化性樹脂(B)100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C2)の含有量が前記熱硬化性樹脂(B)100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 前記化合物(C1)と前記化合物(C2)との質量比が(C1)/(C2)=1/9~9/1である、請求項1に記載の半導体用接着剤組成物。
 半導体素子が、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の半導体用接着剤組成物により接着されている半導体装置。
Description:
半導体用接着剤組成物およびそ を用いて製造した半導体装置

 本発明は、半導体用接着剤組成物および れを用いて製造した半導体装置に関する。

 半導体装置の大容量化、高速処理化、微 配線化などに伴い、半導体装置作動中に発 する熱の問題が顕著になってきており、半 体装置から熱を逃がす、いわゆるサーマル ネージメントがますます重要な課題となっ きている。このため、半導体装置にヒート ンク、ヒートスプレッダーといった放熱部 を取り付ける方法などが一般的に採用され いるが、この放熱部材を接着する接着剤自 の熱伝導率もより高いものが要求されてき いる。

 一方、環境負荷物質低減の観点から鉛フ ー化に伴い、半田に変わる導電性材料が求 られ、例えば、銀ペーストなどの導電性接 剤組成物が開発されているが、この導電性 着剤組成物においても、半導体装置の大容 化、高速処理化、微細配線化などに伴い、 なる導電性の向上が求められている。

 しかしながら、半導体素子を接着する接 剤の熱伝導率や導電率が向上しても、半導 素子を接着する際の高温でのリフロー処理 どにおいて、接着剤層のボイドや剥離、ク ックなどが発生すると、これが熱伝導率や 電率の低下の原因となり、半導体装置の信 性が低下するという問題があった。

 このため、半導体素子をリードフレーム どの支持体に接着するために使用されるダ アタッチペーストや、ヒートスプレッダー どの放熱部材の接着に用いられる接着用材 に対しても高温リフロー処理後でも剥離の じないものが要求され、例えば、低弾性率 を図ることにより耐リフロー性を向上させ り、接着力を向上させたりするという試み なされてきた(例えば、特開2007-258317号公報( 文献1))。

 しかしながら、一般に、低弾性率の接着 組成物は高温での接着特性に劣る傾向にあ 、高温でのリフロー処理によっても接着剤 の剥離やクラックが発生しない接着剤組成 が求められている。

 本発明は、上記従来技術の有する課題に みてなされたものであり、金属表面に対す 接着特性に優れた半導体用接着剤組成物を 供することを目的とする。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 研究を重ねた結果、充填材粒子および熱硬 性樹脂を含有する半導体用接着剤組成物に スルフィド結合を有する特定の化合物を添 することにより接着剤組成物の金属表面に する接着特性が向上することを見出し、本 明を完成するに至った。

 すなわち、本発明の半導体用接着剤組成物 、充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)および下 式(1):
   -(S) n -     (1)
(式(1)中、nは1以上の整数である。)
で表されるスルフィド結合を有する化合物(C) を含有し、前記化合物(C)が、
 前記スルフィド結合とアルコキシシリル基 を有する化合物(C1)であって、前記スルフィ ド結合とアルコキシシリル基とを有する化合 物(C1)中のジスルフィド結合を有する化合物 含有率が、高速液体クロマトグラフにより 定した前記スルフィド結合とアルコキシシ ル基とを有する化合物(C1)の全ピーク面積に する前記ジスルフィド結合を有する化合物 起因するピーク面積の割合で15%以上である 合物(C1-1)、
 前記スルフィド結合と水酸基とを有する化 物(C2)、ならびに
 前記スルフィド結合とアルコキシシリル基 を有する化合物(C1)および前記スルフィド結 合と水酸基とを有する化合物(C2)
のうちのいずれか1つである、組成物である

 前記化合物(C1-1)において、前記式(1)中のn が4以上の整数であるポリスルフィド結合を する化合物の含有率は、高速液体クロマト ラフにより測定した前記化合物(C1-1)の全ピ ク面積に対する前記ポリスルフィド結合を する化合物に起因するピーク面積の割合で20 %以下であることが好ましい。

 前記化合物(C2)としては、下記式(2):
   -S-R-OH     (2)
(式(2)中、Rは炭素数1~12の有機基である。)
で表される官能基を有するものが好ましく、 前記式(2)中のRが炭素数1~6のアルキレン基で るものがより好ましい。また、前記化合物(C 2)としては、2個以上のスルフィド結合と2個 上の水酸基とを有するものも好ましい。

 このような化合物(C2)のうち、2,2’-ジチ ジエタノール、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオ ルおよび3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジオ ルからなる群から選択される少なくとも1つ 化合物がより好ましい。

 また、本発明の半導体用接着剤組成物に いて、前記化合物(C1)(前記化合物(C1-1)も含 )の含有量は前記熱硬化性樹脂(B)100質量部に して0.01質量部以上10質量部以下であること 好ましく、また、前記化合物(C2)の含有量は 前記熱硬化性樹脂(B)100質量部に対して0.01質 部以上10質量部以下であることが好ましい。 さらに、前記化合物(C1)と前記化合物(C2)との 量比は(C1)/(C2)=1/9~9/1であることが好ましい

 本発明の半導体装置は、このような半導 用接着剤組成物によって半導体素子が接着 れたものである。

 本発明によれば、金属表面に対する接着 性に優れた半導体用接着剤組成物を提供す ことが可能となる。

実施例1で調製した接着剤組成物の調製 直後および48時間静置後のGPCチャートを示す ラフである。

 以下、本発明をその好適な実施形態に即 て詳細に説明する。

 <半導体用接着剤組成物>
 先ず、本発明の半導体用接着剤組成物につ て説明する。本発明の半導体用接着剤組成 (以下、単に「接着剤組成物」という。)は 充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)および下記 (1):
   -(S) n -     (1)
(式(1)中、nは1以上の整数であり、好ましくは 1~10の整数である。)
で表されるスルフィド結合を有する化合物(C) を含有するものである。本発明に用いられる 化合物(C)は、
 (i)前記スルフィド結合とアルコキシシリル とを有する化合物(C1)であって、前記スルフ ィド結合とアルコキシシリル基とを有する化 合物(C1)中のジスルフィド結合を有する化合 の含有率が、高速液体クロマトグラフによ 測定した前記スルフィド結合とアルコキシ リル基とを有する化合物(C1)の全ピーク面積 対する前記ジスルフィド結合を有する化合 に起因するピーク面積の割合で15%以上であ 化合物(C1-1)、
 (ii)前記スルフィド結合と水酸基とを有する 化合物(C2)、ならびに
 (iii)前記スルフィド結合とアルコキシシリ 基とを有する化合物(C1)および前記スルフィ 結合と水酸基とを有する化合物(C2)
のうちのいずれか1つである。

 このような接着剤組成物は金属表面に対 て優れた接着特性を示し、特に、前記(iii) 場合、すなわち、前記化合物(C1)と(C2)とを併 用した場合には、接着剤組成物の銀メッキ表 面に対する接着特性を維持しつつ、銅表面に 対して優れた接着特性を発現させることが可 能となる。

 (A)充填材粒子
 本発明に用いられる充填材粒子(A)としては 特に限定されず、種々の目的に応じて、熱 導性粒子、導電性粒子、絶縁性粒子など種 の粒子を使用することができる。

 前記熱伝導性粒子としては、熱伝導性を す粒子であれば特に制限はなく、例えば、 粉、金粉、銅粉、アルミニウム粉、ニッケ 粉、パラジウム粉などの金属粉、アルミナ 末、チタニア粉末、アルミニウムナイトラ ド粉末、ボロンナイトライド粉末などのセ ミック粉末が挙げられる。

 前記導電性粒子としては、導電性を示す 子であれば特に制限はなく、例えば、金属 子、金属粉、カーボン粒子、導電性の物質 表面をコートした粒子などが挙げられる。 属粒子または金属粉としては銀、金、白金 パラジウムなどの貴金属粒子または貴金属 、銅、銅合金、ニッケル、アルミニウムな の非貴金属粒子または非貴金属粉が好まし 、カーボン粒子としては高温で熱処理した ェノール粒子、カーボンブラック、カーボ の短繊維などが好ましく、導電性の物質で 面をコートした粒子としてはスチレン/ジビ ニルベンゼン、アクリル酸エステルなどのモ ノマーを重合することにより得られる粒子、 ポリウレタン粒子、シリコーン粒子、ポリシ ルセスキシロキサン粒子、シリカ粒子などの 表面に金メッキ、銀メッキなどを施したもの が好ましい。これらの粒子を用いることによ って導電性に優れた接着剤組成物を得ること ができる。

 また、本発明に用いられる絶縁性粒子と ては、絶縁性を示す粒子であれば特に制限 なく、例えば、シリカ粉末、アルミナ粉末 チタニア粉末、アルミニウムナイトライド 末、ボロンナイトライド粉末などのセラミ ク粉末、ポリエチレン粉末、ポリアクリル エステル粉末、ポリテトラフルオロエチレ 粉末、ポリイミド粉末、ポリアミド粉末、 リウレタン粉末、ポリシロキサン粉末など 高分子粉末などが挙げられる。

 このような充填材粒子(A)は、用途に応じ 1種を単独で用いても2種以上を併用しても い。また、このような充填材粒子(A)の形状 フレーク状、球状、樹脂状、針状、繊維状 どが挙げられ、特に限定されない。本発明 接着剤組成物はノズルを使用して吐出され 場合があるのでノズル詰まりを防ぐために 充填材粒子(A)の平均粒径は30μm以下が好まし い。

 本発明の接着剤組成物における充填材粒 (A)の含有量は、使用形態、用途、充填材粒 の種類などに応じて適宜設定することがで るが、通常、接着剤組成物全体に対して10 量%以上95質量%以下である。

 本発明においては、このような充填材粒 うち、酸化されにくく加工性にも優れる観 から銀粉が特に好ましい。また、充填材粒 (A)として銀粉を用いることによって熱伝導 および導電性に優れた硬化物を得ることが 能となる。さらに、後述するように、銀粉 、スルフィド結合とアルコキシシリル基と 有する化合物(C1)と反応可能であり、接着剤 組成物を硬化させた場合に良好な機械的特性 を示す点でも好ましい。ここで銀粉とは、純 銀または銀合金の粉末であり、銀合金として は、銀を50質量%以上、好ましくは70質量%以上 含有する銀-銅合金、銀-パラジウム合金、銀- 錫合金、銀-亜鉛合金、銀-マグネシウム合金 銀-ニッケル合金などが挙げられる。

 本発明に用いられる銀粉としては、通常 電子材料用として市販されている銀粉であ ば、還元粉、アトマイズ粉などが使用可能 ある。なお、電子材料用以外の銀粉にはイ ン性不純物の量が多いものがあるので注意 必要である。特に、半導体装置の信頼性を 持するため、充填材粒子(A)は、ナトリウム 塩素などのイオン性の不純物が少ないもの あることが好ましい。

 銀粉の平均粒径としては0.5μm以上30μm以 が好ましく、1μm以上10μm以下がより好まし 。銀粉の平均粒径が前記下限未満になると 着剤組成物の粘度が高くなりすぎる傾向に り、他方、前記上限を超えると上述のよう ディスペンス時にノズル詰まりの原因とな 場合がある。銀粉の形状はフレーク状、球 など特に限定されないが、フレーク状のも が好ましい。

 本発明の接着剤組成物において充填材粒 (A)として銀粉を用いる場合、銀粉の含有率 しては、接着剤組成物全体に対して70質量% 上95質量%以下が好ましい。銀粉の含有率が 記下限未満になると硬化物の熱伝導性や導 性が低下する傾向にあり、他方、前記上限 超えると接着剤組成物の粘度が高くなりす 、塗布作業性が低下する傾向にある。

 また、本発明の接着剤組成物においては 必要に応じて粒径が1μm以下、好ましくは10n m以上100nm以下の金属粉を銀粉と併用すること も可能であり、熱伝導性が向上するという観 点から、インジウム、錫などを成分に含む低 融点金属を併用することが好ましい。

 (B)熱硬化性樹脂
 本発明に用いられる熱硬化性樹脂(B)は、加 により3次元的網目構造を形成し、硬化する 樹脂である。このような熱硬化性樹脂(B)は、 特に限定されるものではないが、液状樹脂組 成物を形成する材料であることが好ましく、 室温で液状であることがより好ましい。液状 樹脂組成物を形成することによって良好な作 業性を得ることが可能となる。

 このような熱硬化性樹脂(B)としては、例 ば、硬化性、接着性、信頼性の観点からシ ネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合 のアクリル樹脂、マレイミド樹脂などが好 しい。また、これらの熱硬化性樹脂は1種を 単独で用いても2種以上を併用してもよい。 発明の接着剤組成物においては、前記熱硬 性樹脂(B)の硬化剤、硬化促進剤、重合開始 などが含まれていてもよい。

 本発明に用いられるシアネート樹脂は、 子内に-NCO基を有する化合物であり、加熱に より-NCO基が反応することにより3次元的網目 造を形成し、硬化する樹脂である。このよ なシアネート樹脂としては、例えば、1,3-ジ シアナトベンゼン、1,4-ジシアナトベンゼン 1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-ジシアナト フタレン、1,4-ジシアナトナフタレン、1,6- シアナトナフタレン、1,8-ジシアナトナフタ ン、2,6-ジシアナトナフタレン、2,7-ジシア トナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレ 、4,4’-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シア トフェニル)メタン、ビス(3,5-ジメチル-4-シ ナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナト ェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-シ ナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフ ェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル) オエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スル ホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファ ト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェー 、およびノボラック樹脂とハロゲン化シア との反応により得られるシアネート類など 挙げられ、これらのシアネート類のシアネ ト基を三量化することによって形成される リアジン環を有するプレポリマーも使用で る。このプレポリマーは、前記シアネート を、例えば、鉱酸、ルイス酸などの酸、ナ リウムアルコラート、第三級アミン類など 塩基、炭酸ナトリウムなどの塩類を触媒と て重合させることにより得ることができる また、前記シアネート類は1種を単独で用い ても2種以上を併用してもよい。

 このようなシアネート樹脂の硬化促進剤 しては、一般に公知のものが使用できる。 えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナ テン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、アセチ アセトン鉄などの有機金属錯体、塩化アル ニウム、塩化錫、塩化亜鉛などの金属塩、 リエチルアミン、ジメチルベンジルアミン どのアミン類が挙げられるが、これらに限 されるものではない。これらの硬化促進剤 1種を単独で用いても2種以上を併用しても い。

 本発明において、前記シアネート樹脂は れを単独で用いてもよいが、例えば、エポ シ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂お びマレイミド樹脂のうちの少なくとも1種の 樹脂と併用することも可能である。

 本発明に用いられるエポキシ樹脂は、グ シジル基を1分子中に1つ以上有する化合物 あり、加熱によりグリシジル基が反応する とにより3次元的網目構造を形成し、硬化す 樹脂である。グリシジル基が1分子に1つの 合物のみでは反応させても十分な硬化物特 を示すことができない傾向にあるため、グ シジル基は1分子に2つ以上含まれていること が好ましい。

 グリシジル基を1分子に2つ以上含む化合 としては、ビスフェノールA、ビスフェノー F、ビフェノールなどのビスフェノール化合 物またはこれらの誘導体、水素添加ビスフェ ノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添 ビフェノール、シクロヘキサンジオール、 クロヘキサンジメタノール、シジロヘキサ ジエタノールなどの脂環構造を有するジオ ルまたはこれらの誘導体、ブタンジオール ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノ ンジオール、デカンジオールなどの脂肪族 オールまたはこれらの誘導体などをエポキ 化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニ ルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有す る3官能のもの、フェノールノボラック樹脂 クレゾールノボラック樹脂、フェノールア ルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、 フトールアラルキル樹脂などをエポキシ化 た多官能のものなどが挙げられるが、これ に限定されない。また、前記グリシジル基 有する化合物は1種を単独で用いても2種以上 を併用してもよい。

 前述したように、本発明の接着剤組成物 室温で液状であることが好ましいことから エポキシ樹脂としても室温で液状のものを 用することが好ましい。また、本発明にお ては、通常、行われるように反応性の希釈 を使用することも可能である。反応性希釈 としては、フェニルグリシジルエーテル、 レジルグリシジルエーテルなどの1官能の芳 香族グリシジルエーテル類、脂肪族グリシジ ルエーテル類などが挙げられる。

 このようなエポキシ樹脂の硬化剤として 、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、 シアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸 水物、フェノール樹脂などが挙げられる。 れらの硬化剤は1種を単独で用いても2種以 を併用してもよい。

 ジヒドラジド化合物としては、アジピン ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、 ソフタル酸ジヒドラジド、p-オキシ安息香 ジヒドラジドなどのカルボン酸ジヒドラジ などが挙げられ、酸無水物としてはフタル 無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ ヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテト ヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク 無水物、無水マレイン酸とポリブタジエン 反応物、無水マレイン酸とスチレンの共重 体などが挙げられる。

 また、エポキシ樹脂の硬化剤として使用 るフェノール樹脂は、1分子中にフェノール 性水酸基を2個以上有する化合物であり、1分 中にフェノール性水酸基を2~5個有するもの 好ましく、2~3個有するものがより好ましい フェノール性水酸基数が前記下限未満にな と架橋構造を形成することができず、硬化 特性が悪化し、フェノール樹脂をエポキシ 脂の硬化剤として使用することができない 他方、前記上限を超えると分子量が大きく りすぎ、接着剤組成物の粘度が高くなりす る傾向にある。

 このようなフェノール樹脂としては、ビ フェノールF、ビスフェノールA、ビスフェ ールS、テトラメチルビスフェノールA、テト ラメチルビスフェノールF、テトラメチルビ フェノールS、ジヒドロキシジフェニルエー ル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラ チルビフェノール、エチリデンビスフェノ ル、メチルエチリデンビス(メチルフェノー ル)、シクロへキシリデンビスフェノール、 フェノールなどのビスフェノール類および の誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン 、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンなどの3官 能のフェノール類およびその誘導体、フェノ ールノボラック、クレゾールノボラックなど のフェノール類とホルムアルデヒドとを反応 させることにより得られる化合物であり、2 体または3核体が主成分のものおよびその誘 体などが挙げられる。

 前記エポキシ樹脂の硬化促進剤としては、 ミダゾール類、トリフェニルホスフィンま はテトラフェニルホスフィンの塩類、ジア ビシクロウンデセンなどのアミン系化合物 よびその塩類などが挙げられるが、中でも 2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾー ル、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4- チルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒ ドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5 -ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-C 11 H 23 -イミダゾール、2-メチルイミダゾールと2,4- アミノ-6-ビニルトリアジンとの付加物とい たイミダゾール化合物が好ましく、融点が18 0℃以上のイミダゾール化合物が特に好まし 。また、これらの硬化促進剤は1種を単独で いても2種以上を併用してもよい。

 本発明において、前記エポキシ樹脂はそ を単独で用いてもよいが、例えば、シアネ ト樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂お びマレイミド樹脂のうちの少なくとも1種の 樹脂と併用することも可能である。

 本発明に用いられるラジカル重合性のア リル樹脂は、分子内に(メタ)アクリロイル を有する化合物であり、(メタ)アクリロイル 基が反応することにより3次元的網目構造を 成し、硬化する樹脂である。(メタ)アクリロ イル基は1分子中に1つ以上含まれていればよ が、十分な硬化物特性を得るためには、(メ タ)アクリロイル基は2つ以上含まれているこ が好ましい。

 このようなアクリル樹脂のうち、分子量 500~10000のポリエーテル、ポリエステル、ポ カーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、 リブタジエン、ブタジエンアクリロニトリ 共重合体であって(メタ)アクリル基を有する 化合物が特に好ましい。また、このようなア クリル樹脂は1種を単独で用いても2種以上を 用してもよい。

 前記ポリエーテルとしては、炭素数が3~6 有機基がエーテル結合を介して繰り返した のが好ましく、芳香族環を含まないものが り好ましい。(メタ)アクリル基を有するポ エーテルは、ポリエーテルポリオールと(メ )アクリル酸またはその誘導体との反応によ り得ることができる。

 前記ポリエステルとしては、炭素数が3~6 有機基がエステル結合を介して繰り返した のが好ましく、芳香族環を含まないものが り好ましい。(メタ)アクリル基を有するポ エステルは、ポリエステルポリオールと(メ )アクリル酸またはその誘導体との反応によ り得ることができる。

 前記ポリカーボネートとしては、炭素数 3~6の有機基がカーボネート結合を介して繰 返したものが好ましく、芳香族環を含まな ものがより好ましい。(メタ)アクリル基を するポリカーボネートは、ポリカーボネー ポリオールと(メタ)アクリル酸またはその誘 導体との反応により得ることができる。

 前記ポリ(メタ)アクリレートとしては、( タ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共 合体、または水酸基を有する(メタ)アクリ ートと極性基を有さない(メタ)アクリレート との共重合体などが好ましい。これらの共重 合体がカルボキシ基を有する場合には水酸基 を有するアクリレートと、水酸基を有する場 合には(メタ)アクリル酸またはその誘導体と 記共重合体とを反応させることにより(メタ )アクリル基を有するポリ(メタ)アクリレート を得ることができる。

 (メタ)アクリル基を有するポリブタジエ としては、カルボキシ基を有するポリブタ エンと水酸基を有する(メタ)アクリレートと の反応、水酸基を有するポリブタジエンと( タ)アクリル酸またはその誘導体との反応に り得ることができ、また、無水マレイン酸 付加したポリブタジエンと水酸基を有する( メタ)アクリレートとの反応により得ること 可能である。

 (メタ)アクリル基を有するブタジエンア リロニトリル共重合体としては、カルボキ 基を有するブタジエンアクリロニトリル共 合体と水酸基を有する(メタ)アクリレートと の反応により得ることができる。

 前記アクリル樹脂を調製する際、必要に じて上述した化合物以外の化合物を併用す ことも可能である。併用可能な化合物とし は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アク リレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アク レート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ ート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー ト、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート 4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,2- シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレ ト、1,3-シクロヘキサンジオールモノ(メタ) クリレート、1,4-シクロヘキサンジオールモ ノ(メタ)アクリレート、1,2-シクロヘキサンジ メタノールモノ(メタ)アクリレート、1,3-シク ロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレ ト、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ( タ)アクリレート、1,2-シクロヘキサンジエタ ノールモノ(メタ)アクリレート、1,3-シクロヘ キサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート 1,4-シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ) クリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリ ート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ト リメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー 、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ ート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アク リレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)ア リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ )アクリレート、ネオペンチルグリコールモ (メタ)アクリレートなどの水酸基を有する( タ)アクリレートや、このような水酸基を有 る(メタ)アクリレートとジカルボン酸また その誘導体を反応して得られるカルボキシ を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられ る。ここで使用可能なジカルボン酸としては 、例えば、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、 グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイ ン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフ タル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびこれら の誘導体が挙げられる。これらの化合物は1 を単独で用いても2種以上を併用してもよい

 また、前記併用可能な化合物としては、 らに、メチル(メタ)アクリレート、エチル( タ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレ ト、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシ ャルブチル(メタ)アクリレート、イソデシル( メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ ート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチ (メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク リレート、イソアミル(メタ)アクリレート、 ソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニ (メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ )アクリレート、その他のアルキル(メタ)アク リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー 、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ) クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ) アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イ ボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル( タ)アクリレート、トリメチロールプロパン リ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)ア クリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、 メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネ オペンチルグリコール(メタ)アクリレート、 リフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3- テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2 ,2,3,3,4,4-ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレ ト、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート 、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレ ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ ート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレー ト、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー ト、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート 、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、 1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、 トラメチレングリコールジ(メタ)アクリレー ト、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブ キシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ エチレングリコール(メタ)アクリレート、メ トキシポリアルキレングリコールモノ(メタ) クリレート、オクトキシポリアルキレング コールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキ ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリ レート、ステアロキシポリアルキレングリコ ールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポ アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ ト、ノニルフェノキシポリアルキレングリ ールモノ(メタ)アクリレート、N,N’-メチレ ビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレン ス(メタ)アクリルアミド、1,2-ジ(メタ)アクリ ルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アク ロイロキシメチルトリシクロデカン、N-(メ )アクリロイロキシエチルマレイミド、N-(メ タ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフ ルイミド、N-(メタ)アクリロイロキシエチル タルイミド、n-ビニル-2-ピロリドン、スチ ン誘導体、α-メチルスチレン誘導体などを 用することも可能である。これらの化合物 1種を単独で用いても2種以上を併用してもよ い。

 さらに、前記アクリル樹脂を調製する際 重合開始剤として熱ラジカル重合開始剤を いることが好ましい。熱ラジカル重合開始 としては、通常、熱ラジカル重合開始剤と て用いられる化合物であれば特に限定され いが、急速加熱試験(試料1gを電熱板の上に せ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)に ける分解温度が40~140℃となるものが好まし 。分解温度が40℃未満になると接着剤組成 の常温における保存性が低下する傾向にあ 、他方、140℃を超えると硬化時間が極端に くなる傾向にある。

 このような熱ラジカル重合開始剤として 、メチルエチルケトンパーオキサイド、メ ルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチ アセトアセテートパーオキサイド、アセチ アセトンパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチル パーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン 1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサ ン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリ チルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパー オキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブ ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1- ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n- ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレー 、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、1,1- ス(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキ サン、t-ブチルハイドロパーオキサイド、p- ンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テト ラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t- キシルハイドロパーオキサイド、ジクミル ーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチ パーオキシ)ヘキサン、α、α’-ビス(t-ブチ パーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t-ブ ルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパー キサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパ オキシ)ヘキシン-3、イソブチリルパーオキ イド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオ サイド、オクタノイルパーオキサイド、ラ ロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサ ド、m-トルオイルパーオキサイド、ベンゾ ルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ シジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘ キシル)パーオキシジカーボネート、ジ-3-メ キシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2 -エチルヘキシルパーオキシジカーボネート ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、ジ (3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシジカ ボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パ オキシジカーボネート、α、α’-ビス(ネオ カノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼ 、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1, 3,3,-テトラメチルブチルパーオキシネオデカ エート、1-シクロヘキシル-1-メチルエチル ーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパー オキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキ ネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシ バレート、t-ブチルパーオキシピバレート、 2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパ ーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3-テトラメチルブチ ルパーオキシ-2-エチルへキサノエート、1-シ ロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ-2-エ ルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2 -エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキ イソブチレート、t-ブチルパーオキシマレ ックアシッド、t-ブチルパーオキシラウレー ト、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキ サノエート、t-ブチルパーオキシイソプロピ モノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2- チルヘキシルモノカーボネート、2,5-ジメチ -2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、 t-ブチルパーオキシアセテート、t-ヘキシル ーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ -m-トルオイルベンゾエート、t-ブチルパーオ シベンゾエート、ビス(t-ブチルパーオキシ) イソフタレート、t-ブチルパーオキシアリル ノカーボネート、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチ パーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなど 挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始 は1種を単独で用いてもよいし、硬化性を制 御するために2種以上を併用してもよい。

 本発明において、前記アクリル樹脂はそ を単独で用いてもよいが、例えば、シアネ ト樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂お びマレイミド樹脂のうちの少なくとも1種の 樹脂と併用することも可能である。

 本発明に用いられるマレイミド樹脂は、1 分子中にマレイミド基を1つ以上含む化合物 あり、加熱によりマレイミド基が反応する とにより3次元的網目構造を形成し、硬化す 樹脂である。このようなマレイミド樹脂と ては、例えば、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタ )ビスマレイミド、ビス(3-エチル-5-メチル-4- マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス[4-(4-マ イミドフェノキシ)フェニル]プロパンなど 挙げられる。中でも、ダイマー酸ジアミン 無水マレイン酸の反応により得られる化合 、マレイミド酢酸、マレイミドカプロン酸 いったマレイミド化アミノ酸とポリオール 反応により得られる化合物がより好ましい マレイミド化アミノ酸は、無水マレイン酸 アミノ酢酸またはアミノカプロン酸とを反 することにより得られる。また、ポリオー としては、ポリエーテルポリオール、ポリ ステルポリオール、ポリカーボネートポリ ール、ポリ(メタ)アクリレートポリオールが 好ましく、芳香族環を含まないものが特に好 ましい。

 このようなマレイミド樹脂はそれを単独 用いてもよいが、例えば、シアネート樹脂 エポキシ樹脂、オキセタン樹脂およびアク ル樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂と併用 することも可能である。また、マレイミド基 はアリル基と反応可能であるため、マレイミ ド樹脂とアリルエステル樹脂とを併用するこ とも可能である。アリルエステル樹脂として は、脂肪族のものが好ましく、中でも、シク ロヘキサンジアリルエステルと脂肪族ポリオ ールのエステル交換により得られる化合物が 特に好ましい。

 (C)スルフィド結合を有する化合物
 本発明の接着剤組成物は、前記充填材粒子( A)および前記熱硬化性樹脂(B)に加えて、下記 (1):
   -(S) n -     (1)
(式(1)中、nは1以上の整数であり、好ましくは 1~10の整数である。)
で表されるスルフィド結合を有する化合物(C) を含有するものである。このスルフィド結合 を有する化合物(C)としては、
(i)前記スルフィド結合とアルコキシシリル基 とを有する化合物(C1)であって、前記スルフ ド結合とアルコキシシリル基とを有する化 物(C1)中のジスルフィド結合を有する化合物 含有率が、高速液体クロマトグラフにより 定した前記スルフィド結合とアルコキシシ ル基とを有する化合物(C1)の全ピーク面積に 対する前記ジスルフィド結合を有する化合物 に起因するピーク面積の割合で15%以上である 化合物(C1-1)、
(ii)前記スルフィド結合と水酸基とを有する 合物(C2)、ならびに
(iii)前記スルフィド結合とアルコキシシリル とを有する化合物(C1)および前記スルフィド 結合と水酸基とを有する化合物(C2)
が挙げられる。

 (i)前記化合物(C)として前記化合物(C1-1)を用 る場合:
 この場合に用いられる化合物(C1-1)は、前記 ルフィド結合とアルコキシシリル基とを有 る化合物(C1)であって、前記式(1)中のnが2で るジスルフィド結合を有する化合物を含有 、その含有率が、高速液体クロマトグラフ( HPLC)により測定した前記スルフィド結合とア コキシシリル基とを有する化合物(C1)の全ピ ーク面積に対する前記ジスルフィド結合を有 する化合物に起因するピーク面積の割合で15% 以上(好ましくは20%以上、より好ましくは30% 上、特に好ましくは50%以上)である化合物で る。なお、本発明においてピーク面積とは HPLCによる測定で得られたチャートにおける 該当する成分(全ピーク面積の場合には全成 )の面積を意味する。前記ジスルフィド結合 有する化合物の含有率の上限は特に限定は いが、通常100%以下であり、90%以下が好まし い。

 このような化合物(C1-1)を用いることによ て、本発明の接着剤組成物は金属表面(特に 、銀メッキ表面)に対して優れた接着特性(例 ば、接着強度や耐リフロー性)を示し、信頼 性の高い半導体装置を製造することが可能と なる。また、化合物(C)として前記化合物(C1-1) を含有する本発明の接着剤組成物は保存性に も優れている。

 前記ジスルフィド結合を有する化合物と ては、ビス(トリメトキシシリルプロピル) スルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロ ル)ジスルフィド、ビス(トリブトキシシリ プロピル)ジスルフィド、ビス(ジメトキシメ チルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジ トキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド 、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ジ ルフィドなどが挙げられる。中でも、特に れた接着特性を得られるという観点からビ (トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィ 、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスル フィドが好ましい。また、これらの化合物は 1種を単独で用いて2種以上を併用してもよい

 また、前記化合物(C1-1)において前記式(1) のnが4以上であるポリスルフィド結合を有 る化合物の含有率は、HPLCにより測定した前 化合物(C1-1)の全ピーク面積に対する前記ジ ルフィド結合を有する化合物に起因するピ ク面積の割合で20%以下であることが好まし 、10%以下であることがより好ましい。前記 (1)中のnが4以上であるポリスルフィド結合 有する化合物は充填材粒子(A)(特に、銀粉)と 反応しやすく、この反応が保存中にも進行す るため、前記ポリスルフィド結合を有する化 合物の含有率が前記上限を超えると硬化前に 存在する未反応の前記化合物(C1-1)の量が大幅 に減少し、十分な接着特性が確保できない、 すなわち、接着剤組成物の保存安定性が低下 する傾向にある。

 前記化合物(C1-1)において、1分子中の前記 スルフィド結合の数は1個以上あれば特に限 されない。また、1分子中のアルコキシシリ 基の数は1個以上であれば特に制限はないが 、2個が好ましい。化合物(C1-1)としてアルコ シシリル基を2個有する化合物を用いること よって接着剤組成物に優れた接着特性を付 することが可能となる。

 前記アルコキシシリル基は1個のSi原子に1 ~3個のアルコキシ基が結合したものであり、 応性の観点から1個のSi原子に2~3個のアルコ シ基が結合したものが好ましく、3個のアル コキシ基が結合したものがより好ましい。ま た、前記アルコキシ基としては、メトキシ基 、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、 中でも、反応性の観点からメトキシ基および エトキシ基が好ましい。1個のSi原子に結合し ているアルコキシ基は同じものでも異なった ものでもよい。

 (i)の場合の接着剤組成物における前記化 物(C1-1)の含有量は、前記熱硬化性樹脂(B)100 量部に対して0.01質量部以上10質量部以下が ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好 ましく、0.5質量部以上2質量部以下が特に好 しい。化合物(C1-1)の含有量が前記下限未満 なると接着剤組成物の金属表面(例えば、銀 ッキ表面)に対する接着特性(例えば、接着 度や耐リフロー性)が低下する傾向にあり、 方、前記上限を超えると硬化性が低下する 向にある。

 なお、(i)の場合において、本発明の接着 組成物の金属表面(特に銀メッキ表面)に対 る接着特性(例えば、接着強度や耐リフロー )が向上する理由、および本発明の接着剤組 成物が保存性に優れる理由は必ずしも定かで はないが、本発明者らは以下のように推察す る。すなわち、3-メルカプトプロピルトリメ キシシランなどのメルカプト基含有シラン 合物は、金属との親和性が高い硫黄原子と ルコキシシリル基とを有する化合物として られており、このようなメルカプト基含有 ラン化合物を配合することによって金属表 に対する接着特性を発現させることが可能 なる。しかしながら、メルカプト基含有シ ン化合物には活性水素が存在し、室温にお て熱硬化性樹脂(B)中のグリシジル基や(メタ )アクリロイル基と反応しやすく、保存中に 着剤組成物の粘度が上昇しやすい。従って 保存性を確保するためにメルカプト基含有 ラン化合物の配合量を制限する必要があり 十分な接着特性を確保することは困難であ た。

 一方、前記化合物(C1-1)はスルフィド結合 アルコキシシリル基とを有する化合物(C1)で あり、金属との親和性が高い硫黄原子を含む ことから、このような化合物(C1-1)を配合する ことによって金属表面に対する接着特性が発 現されるものと推察される。さらに、前記化 合物(C1-1)には活性水素が存在しないため、グ リシジル基や(メタ)アクリロイル基と反応し くく、接着剤組成物に多くの前記化合物(C1- 1)を配合させることが可能であり、良好な接 特性を容易に確保することが可能となるも と推察される。

 また、充填材粒子(A)として銀粉を用いた 合には、前記化合物(C1-1)は、室温付近では ルカプト基含有シラン化合物に比べて銀粉 反応しにくく、硬化前の接着剤組成物には 反応の化合物(C1-1)が多く存在する。このた 、接着剤組成物と支持体との接着力が向上 るだけでなく、硬化反応時に銀粉と反応し 強固に結合し、接着剤組成物自体の凝集力 向上し、その結果、接着剤層の機械的特性 向上して全体として金属表面に対する接着 性が向上するものと推察される。

 さらに、熱硬化性樹脂(B)が重合開始剤と て有機過酸化物を含む場合、保存中におい も有機過酸化物の分解が進行し、特に分解 度が低い有機過酸化物の場合には分解が進 しやすく、発生したラジカルが熱硬化性樹 (B)の硬化反応を引き起こし、接着剤組成物 粘度が上昇する場合がある。この場合、前 化合物(C1-1)を配合することによってスルフ ド結合が、発生したラジカルをトラップし 接着剤組成物の粘度上昇を抑制することが 能となるものと推察される。一方、ラジカ のトラップは禁止剤の配合によっても可能 あるが、禁止剤を多量に配合すると硬化性 低下し、硬化物特性が悪化する傾向にある

 (ii)前記化合物(C)として前記化合物(C2)を用 る場合:
 この場合に用いられる前記化合物(C2)は、少 なくとも1つの前記式(1)で表されるスルフィ 結合と少なくとも1つの水酸基とを有する化 物である。このような化合物(C2)を用いるこ とによって接着剤組成物の銅表面についての 耐温度サイクル性が向上する。また、前記充 填材粒子(A)として熱伝導性粒子を用いた場合 には硬化物の熱伝導性が向上し、導電性粒子 を用いた場合には硬化物の導電性が向上する 。このような効果は、前記充填材粒子(A)とし て金属粉を用いた場合に顕著に現れ、銀粉を 用いた場合には最も顕著に現れる。

 また、(ii)の場合において、前記化合物(C2 )として芳香族環を含まないものを用いるこ が好ましい。これにより、接着剤組成物の 表面についての耐温度サイクル性がより向 し、熱伝導性粒子や導電性粒子を用いた場 には硬化物の熱伝導性および導電性もより 上する。

 さらに、(ii)の場合に用いられる前記化合物 (C2)としては、下記式(2):
   -S-R-OH     (2)
(式(2)中、Rは炭素数1~12の有機基であり、炭素 数1~6のアルキレン基が好ましく、エチレン基 が特に好ましい。)
で表される官能基を有するものが好ましい。 このような官能基を有する化合物を用いるこ とにより、接着剤組成物の銅表面についての 耐温度サイクル性がさらに向上し、熱伝導性 粒子や導電性粒子を用いた場合には硬化物の 熱伝導性および導電性もさらに向上する。

 このようなスルフィド結合と水酸基とを する化合物(C2)のうち、芳香族環を含まない 化合物としては、2,2’-ジチオジエタノール チオビス(ジエチレングリコール)、チオビス (ヘキサエチレングリコール)、チオビス(ペン タデカグリセロール)、チオビス(イコサエチ ングリコール)、チオビス(ペンタコンタエ レングリコール)、4,10-ジオキサ-7-チアトリ カン-2,12-ジオール、チオジグリセリン、チ ビス(トリグリセリン)、2,2’-チオジブタノ ルビス(オクタエチレングリコールペンタグ セロール)エーテル、チオビス(ドデカエチ ングリコール)、ジチオビス(ヘンテトラコン タエチレングリコール)、ジチオビス(イコサ チレングリコールペンタプロピレングリコ ル)、ジチオビス(トリグリセロール)、ジチ ビス(デカグリセロール)、3-チアペンタンジ オール、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール、3,6 ,9-トリチアウンデカン-1,11-ジオール、4,7,10- リチアトリデカン-1,2,12,13-テトラオール、2,5 -ビス(2-ヒドロキシエチルチオメチル)-1,4-ジ アン、5,5-ビス(ヒドロキシエチルチオメチル )-3-チオ-1-ヘキサノール、5,5-ビス(ヒドロキシ エチルチオメチル)-3-チオ-1-ヘプタノール、 リス(ヒドロキシエチルチオメチル)メタン、 2-メチルチオエタノール、1,3-プロパンジチオ ールビス(デカエチレングリコール)チオエー ル、1,4-ブタンジチオールビス(ペンタデカ リセロール)チオエーテル、1,3-ジチオグリセ ロールビス(ペンタエチレングリコール)チオ ーテル、1,2-エタンジチオールビス(ペンタ(1 -エチル)エチレングリコール)チオエーテル、 1,3-ジチオグリセロールビス(ジ(1-エチル)エチ レングリコール)チオエーテル、2-メルカプト エチルスルフィドビス(ヘキサトリアコンタ チレングリコール)、2-メルカプトエチルエ テルビス(ジエチレングリコール)、チオジグ リセロールテトラ(デカエチレングリコール) ーテル、ジエチレングリコールモノメチル オエーテル、デカグリセロールモノ(6-メチ チオヘキシル)チオエーテル、ペンタデカエ チレングリコールモノ((アセチルメチル)チオ エチル)チオエーテル、1,2-エタンジオール-ω- (グリシジル)チオエーテル-ω″-イコサエチレ ングリコールチオエーテル、ヘキサデカエチ レングリコールモノ(2-メチルチオエチル)チ エーテル、イコサエチレングリコールモノ チルチオエーテル、ドデカエチレングリコ ルビス(2-ヒドロキシエチル)チオエーテル、 ンタトリアコンタエチレングリコールモノ( 2-n-ブチルジチオエチル)ジチオエーテル、4,8, 12-トリチアペンタデカン-1,2,6,10,14,15-ヘキサ ール、イコサグリセロールモノ(2-エチルチ エチル)チオエーテル、トリアコンタエチレ グリコールモノ(2-メチルチオエチル)チオエ ーテル、トリデカエチレングリコールモノメ チルチオエーテル、1,2-エタンジチオールビ (イコサエチレングリコール)チオエーテル、 ジチオビス(ペンタデカエチレングリコール) チオジメタノール、ジチオジメタノール、3 ,3’-チオジプロパノール、3,3’-ジチオジプ パノール、4,4’-チオジブタノール、4,4’-ジ チオジブタノール、5,5’-チオジペンタノー 、5,5’-ジチオジペンタノール、6,6’-チオジ ヘキサノール、6,6’-ジチオジヘキサノール 2-エチルチオエタノール、2-プロピルチオエ ノールなどが挙げられる。

 芳香族環を含む化合物としては、1,4-ビス (2-ヒドロキシエチルチオ)ベンゼン、1,4-ビス( 2-ヒドロキシエチルチオメチル)ベンゼン、1,4 -ビス(2-ヒドロキシエチルチオエチル)ベンゼ 、4,4’-ビス(4-(ヒドロキシエチルチオ)フェ ル)スルフィド、2-ヒドロキシエチルチオ)ベ ンゼン、(2-ヒドロキシエチルチオメチル)ベ ゼン、(2-ヒドロキシエチルチオエチル)ベン ン、2-(2-ヒドロキシエチルチオ)ナフタレン 1,4-ブタンジオール-ω-((2-ベンジルオキシ-1- チル)エチル)チオエーテル-ω’-(デカプロピ レングリコールオクタコンタエチレングリコ ール)チオエーテル、1,2-エタンジオール-ω-(4- メトキシベンジル)チオエーテル-ω’-(ペンタ コンタエチレングリコール)チオエーテルな が挙げられる。

 これらの化合物は1種を単独で用いても2 以上を併用してもよい。また、(ii)の場合に いられる前記化合物(C2)としては、スルフィ ド結合と2個以上の水酸基とを有する化合物 好ましく、ジスルフィド結合と2個以上の水 基とを有する化合物および2個以上のスルフ ィド結合と2個以上の水酸基とを有する化合 がより好ましい。モノスルフィド結合と2個 上の水酸基とを有する化合物としては3-チ ペンタンジオールなどが挙げられ、ジスル ィド結合と2個以上の水酸基とを有する化合 としては2,2’-ジチオジエタノールなどが挙 げられ、2個以上のスルフィド結合と2個以上 水酸基とを有する化合物としては3,6-ジチア オクタン-1,8-ジオールおよび3,6,9-トリチアウ デカン-1,11-ジオールなどが挙げられる。中 も、2,2’-ジチオジエタノール、3,6-ジチア クタン-1,8-ジオールが特に好ましい。これら の化合物を用いることによって、接着剤組成 物の銅表面についての耐温度サイクル性が著 しく向上し、熱伝導性粒子や導電性粒子を用 いた場合には硬化物の熱伝導性および導電性 も著しく向上する。

 (ii)の場合の接着剤組成物における前記化 合物(C2)の含有量は、前記熱硬化性樹脂(B)100 量部に対して0.01質量部以上10質量部以下が ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好 しく、0.5質量部以上2質量部以下が特に好ま しい。化合物(C2)の含有量が前記範囲内であ と接着剤組成物の銅表面についての耐温度 イクル性が良好になる傾向にあり、また、 伝導性粒子や導電性粒子を用いた場合でも 化物の熱伝導性および導電性が十分に確保 きる傾向にある。

 (iii)前記化合物(C)として前記化合物(C1)と前 化合物(C2)とを併用する場合:
 この場合に用いられる前記化合物(C1)は、少 なくとも1つの前記式(1)で表されるスルフィ 結合と少なくとも1つのアルコキシシリル基 を有する化合物である。また、前記化合物( C2)は、少なくとも1つの前記式(1)で表される ルフィド結合と少なくとも1つの水酸基とを する化合物である。これらの化合物を併用 ることによって銀メッキ表面への接着特性( 特に、耐リフロー性)を維持しつつ、銅表面 対する接着特性(特に、耐リフロー性)を向上 させることが可能となり、被着体の表面が銅 表面の場合でも銀メッキ表面と同様に信頼性 の高い接着剤層を形成することが可能となる 。

 また、化合物(C)として前記化合物(C1)と(C2 )とを併用した場合においては、前記化合物(C 1)のみを用いた場合に比べて、前記充填材粒 (A)として熱伝導性粒子を用いた場合には硬 物の熱伝導性がより向上し、導電性粒子を いた場合には硬化物の導電性がより向上す 。このような効果は、前記充填材粒子(A)と て金属粉を用いた場合に顕著に現れ、銀粉 用いた場合には最も顕著に現れる。

 なお、化合物(C)として前記化合物(C1)のみ を用いた場合においては、接着剤組成物は銀 メッキ表面および銅表面のいずれにも十分な 接着特性を示すものの、銅表面に対する接着 特性は銀メッキ表面に比べて劣る傾向にある 。このような接着剤組成物において従来の方 法により銅表面に対する接着特性を向上させ るとトレードオフとして銀メッキに対する接 着特性が低下する。このため、従来は銀メッ キ表面および銅表面の両表面に対する接着特 性を高水準で確保することは困難であった。

 前記化合物(C1)において、1分子中の前記 ルフィド結合の数は1個以上あれば特に限定 れない。また、1分子中のアルコキシシリル 基の数は1個以上であれば特に制限はないが 2個が好ましい。化合物(C1)としてアルコキシ シリル基を2個有する化合物を用いることに って接着剤組成物に優れた接着特性を付与 ることが可能となる。なお、アルコキシシ ル基については前記(i)の場合と同様である

 このような化合物(C1)のうち、前記式(1)中 のnが2であるジスルフィド結合を有する化合 を含有するものが好ましく、その含有率は HPLCにより測定した前記化合物(C1)の全ピー 面積に対する前記ジスルフィド結合を有す 化合物に起因するピーク面積の割合で15%以 (さらに好ましくは20%以上、特に好ましくは3 0%以上、もっとも好ましくは50%以上)であるこ とがより好ましい。ジスルフィド結合を有す る化合物を含有するもの(より好ましくは前 含有率を有するもの)と前記化合物(C2)とを併 用することによって、接着剤組成物の銀メッ キ表面に対する高い接着特性(特に、耐リフ ー性)を維持しつつ、銅表面に対する接着特 (特に、耐リフロー性)を向上させることが 能となる。

 また、前記化合物(C1)において前記式(1)中 のnが4以上であるポリスルフィド結合を有す 化合物の含有率は、HPLCにより測定した前記 化合物(C1)の全ピーク面積に対する前記ジス フィド結合を有する化合物に起因するピー 面積の割合で20%以下であることが好ましく 10%以下であることがより好ましい。前記式(1 )中のnが4以上であるポリスルフィド結合を有 する化合物は充填材粒子(A)(特に、銀粉)と反 しやすく、この反応が保存中にも進行する め、前記ポリスルフィド結合を有する化合 の含有率が前記上限を超えると硬化前に存 する未反応の前記化合物(C1)の量が大幅に減 少し、十分な接着特性が確保できない、すな わち、接着剤組成物の保存安定性が低下する 傾向にある。

 (iii)の場合において、前記化合物(C1)とし は、前記スルフィド結合とアルコキシシリ 基とを有する化合物であれば特に制限はな が、例えば、ビス(トリメトキシシリルプロ ピル)モノスルフィド、ビス(トリエトキシシ ルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリブ キシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス( ジメトキシメチルシリルプロピル)モノスル ィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピ )モノスルフィド、ビス(ジブトキシメチル リルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリメ トキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス( リエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、 ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフ ド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル )ジスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリ プロピル)ジスルフィド、ビス(ジブトキシ チルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ト リメトキシシリルプロピル)トリスルフィド ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスル フィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル) リスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリ ルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジエトキ メチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビ ス(ジブトキシメチルシリルプロピル)トリス フィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル )テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリ プロピル)テトラスルフィド、ビス(トリブ キシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビ (ジメトキシメチルシリルプロピル)テトラ ルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプ ピル)テトラスルフィド、ビス(ジブトキシ チルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビ (トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフ ド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリ スルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロ ル)ポリスルフィド、ビス(ジメトキシメチル シリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジエ キシメチルシリルプロピル)ポリスルフィド 、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ポ スルフィドなどが挙げられる。これらの化 物(C1)は1種を単独で用いて2種以上を併用し もよい。

 これらの化合物のうち、特に優れた接着 性が得られるという観点から、ビス(トリメ トキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス( リエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、 ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスル ィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル) リスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプ ピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキ シリルプロピル)テトラスルフィドが好まし 、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジス フィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル) ジスルフィドがより好ましい。

 一方、(iii)の場合に用いられる前記スル ィド結合と水酸基とを有する化合物(C2)とし は、芳香族環を含まないものが好ましい。 香族環を含まない化合物と前記化合物(C1)と を併用することによって、接着剤組成物の銀 メッキ表面に対する接着特性(特に、耐リフ ー性)を維持しつつ、銅表面に対する接着特 (特に、耐リフロー性)をより向上させるこ が可能となる。また、熱伝導性粒子や導電 粒子を用いた場合には硬化物の熱伝導性お び導電性もより向上する。

 また、(iii)の場合に用いられる前記化合 (C2)としては、前記式(2)で表される官能基を するものが好ましい。このような官能基を する化合物と前記化合物(C1)とを併用するこ とによって、接着剤組成物の銀メッキ表面に 対する接着特性(特に、耐リフロー性)を維持 つつ、銅表面に対する接着特性(特に、耐リ フロー性)をさらに向上させることが可能と る。また、熱伝導性粒子や導電性粒子を用 た場合には硬化物の熱伝導性および導電性 さらに向上する。

 このような化合物(C2)としては、前記(ii) 場合において例示した芳香族環を含まない 合物および芳香族環を含む化合物などが挙 られる。これらの化合物は1種を単独で用い も2種以上を併用してもよい。また、(iii)の 合に用いられる前記化合物(C2)としては、ス ルフィド結合と2個以上の水酸基とを有する 合物が好ましく、ジスルフィド結合と2個以 の水酸基とを有する化合物および2個以上の スルフィド結合と2個以上の水酸基とを有す 化合物がより好ましい。これらの化合物と ては前記(ii)の場合において例示した化合物 挙げられ、中でも、2,2’-ジチオジエタノー ル、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオールが特に好 ましい。これらの化合物と前記化合物(C1)と 併用することによって、接着剤組成物の銀 ッキ表面に対する接着特性(特に、耐リフロ 性)を維持しつつ、銅表面に対する接着特性 (特に、耐リフロー性)を著しく向上させるこ が可能となる。また、熱伝導性粒子や導電 粒子を用いた場合には硬化物の熱伝導性お び導電性も著しく向上する。

 (iii)の場合の接着剤組成物における前記 合物(C1)の含有量は、前記熱硬化性樹脂(B)100 量部に対して0.01質量部以上10質量部以下が ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好 ましく、0.5質量部以上2質量部以下が特に好 しい。化合物(C1)の含有量が前記範囲内であ と接着剤組成物の銀メッキ表面に対する接 特性(特に、耐リフロー性)が良好になる傾 にある。

 また、(iii)の場合の接着剤組成物におけ 前記化合物(C2)の含有量は、前記熱硬化性樹 (B)100質量部に対して0.01質量部以上10質量部 下が好ましく、0.1質量部以上5質量部以下が より好ましく、0.5質量部以上2質量部以下が に好ましい。化合物(C2)の含有量が前記範囲 であると接着剤組成物の銅表面に対する接 特性(特に、耐リフロー性)が向上する傾向 ある。

 さらに、(iii)の場合において、前記化合 (C1)と前記化合物(C2)との質量比は特に限定さ れないが、(C1)/(C2)=1/9~9/1が好ましく、1/1~8/2が より好ましい。前記質量比が前記下限未満に 前記範囲内にあると銀メッキ表面に対する接 着特性を維持しつつ、銅表面に対する接着特 性を効果的に向上させることができる。一方 、前記配合比が前記下限未満になると銀メッ キ表面に対する接着特性が維持できない傾向 にあり、他方、前記上限を超えると銀メッキ 表面に対する接着特性は維持されるが、銅表 面に対する接着特性が十分に向上しない傾向 にある。

 (Z)その他の化合物
 本発明の接着剤組成物には、さらに必要に じて、添加剤などのその他の化合物が含ま ていてもよい。このような添加剤としては エポキシシラン、メルカプトシラン、アミ シラン、アルキルシラン、ウレイドシラン ビニルシラン、スルフィドシランなどのシ ンカップリング剤や、チタネートカップリ グ剤、アルミニウムカップリング剤、アル ニウム/ジルコニウムカップリング剤などの カップリング剤、カーボンブラックなどの着 色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムな どの低応力化成分、ハイドロタルサイトなど の無機イオン交換体、消泡剤、界面活性剤、 各種重合禁止剤、酸化防止剤などが挙げられ 、これらの添加剤を適宜組み合わせて配合し てもよい。

 (接着剤組成物の製造方法)
 本発明の接着剤組成物は、例えば、前記各 分を予備混合した後、3本ロールを用いて混 練し、その後、真空下で脱泡処理を施すこと により製造することができる。製造条件は、 使用する成分の種類や配合量などに応じて適 宜設定することができる。

 <半導体装置>
 本発明の半導体装置は、本発明の接着剤組 物を用いて製造されるものであり、以下の 法により製造することができるが、本発明 はこれに限定されるものではない。例えば 市販のダイボンダーを用いて、リードフレ ムや基板などの支持体または放熱部材の所 の部位に本発明の接着剤組成物をディスペ ス塗布した後、チップなどの半導体素子を ウントし、接着剤組成物を加熱硬化させる とによって接着剤層を形成させる。その後 ワイヤーボンディングを施し、エポキシ樹 を用いてトランスファー成形することによ て本発明の半導体装置を製造することがで る。また、フリップチップ接合した後、ア ダーフィル材で封止したフリップチップBGA( Ball Grid Array)などのチップ裏面に本発明の接 着剤組成物をディスペンス塗布し、ヒートス プレッダーやリッドといった放熱部品を搭載 して加熱硬化することによっても製造するこ とができる。

 本発明の接着剤組成物により形成される 着剤層の厚みについては特に制限はないが 塗布作業性、熱伝導性、導電性、および銀 ッキ表面に対する接着特性と銅表面に対す 接着特性とのバランスを考慮すると、5μm以 上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下が り好ましく、10μm以上30μm以下が特に好まし 。接着剤層の厚みが前記下限未満になると 着特性が低下する傾向にあり、他方、前記 限を超えると接着剤層の厚み制御しにくく 熱伝導性や導電性が安定しなくなったり、 メッキ表面に対する接着特性と銅表面に対 る接着特性とのバランスが安定しにくい傾 がある。

 以下、実施例および比較例に基づいて本 明をより具体的に説明するが、本発明は以 の実施例に限定されるものではない。なお 実施例および比較例で用いたスルフィド結 とアルコキシシリル基とを有する化合物(C1) の組成、得られた接着剤組成物の保存性、密 着性、耐温度サイクル性、耐リフロー性およ び導電性は以下の方法に従って評価した。ま た、実施例および比較例において用いた原料 を以下に示す。

 <評価方法>
 (1)化合物(C1)の組成
 化合物(C1)500mgをテトラヒドロフラン10mlに溶 解した。この溶液について、高速液体クロマ トグラフ(HPLC、本体:Waters社製(セパレーショ モジュール「2690」、UV検出器「2487」)、カラ ム:SP120-5-C4-P)により、キャリア:メタノール/ =85/15、測定温度:30℃、サンプル注入量:5μlの 条件で測定し、得られたチャートから化合物 (C1)の全ピーク面積に対する各成分のピーク 積の割合を算出した。

 (2)保存性
 E型粘度計(3°コーン)を用いて25℃、2.5rpmで 着剤組成物作製後(初期)および25℃で48時間 置後の粘度(単位:Pa・s)を測定した。また、 期粘度に対する48時間静置後の粘度の変化率 を算出した。粘度が15~25Pa・s、粘度の変化率 20%以下の場合を合格とした。

 (3)密着性
・接着強度(1):接着剤組成物を調製後3時間以 に、この接着剤組成物を用いて銀メッキし 銅フレームに6×6mmのシリコンチップをマウ トし、175℃のオーブン中で30分間加熱して 着剤組成物を硬化させた。硬化後、85℃、85% で72時間吸湿処理を施し、自動接着力測定装 (dage社製「PC-4000」)を用いて260℃での熱時ダ イシェア強度(単位:N/チップ)を測定した。260 熱時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合 を合格とした。
・接着強度(2):接着剤組成物を調製し、25℃で 48時間静置した。この接着剤組成物を用いた 外は接着強度(1)と同様に260℃での熱時ダイ ェア強度(単位:N/チップ)を測定した。260℃ 時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を 格とした。

 (4)耐温度サイクル性
 得られた接着剤組成物を用いて15mm×15mm×0.5m mのシリコンチップを銅ヒートスプレッダー(2 5mm×25mm×2mm、被着面:銅表面)にマウントし、17 5℃のオーブン中で30分間加熱して接着剤組成 物を硬化させた。得られた試験片を125℃で4 間乾燥した後、温度サイクル処理(-65℃←→1 50℃、100サイクル)を施した。処理後の剥離面 積を超音波探傷装置(反射型)を用いて測定し 。剥離が進展した面積が10%以下のものを合 とした。

 (5)耐リフロー性
・耐リフロー性(1):得られた接着剤組成物を いて下記のリードフレームにシリコンチッ をマウントし、175℃のオーブン中で30分間加 熱して接着剤組成物を硬化させて接着した。 マウントはダイボンダー(ASM社製)を用い、接 剤組成物を塗布した直後に塗布厚みが約25μ mになるように調整して行った。硬化後のリ ドフレームを封止材料(住友ベークライト(株 )製「スミコンEME-G620A」)を用いて封止し、半 体装置を作製した。この半導体装置を60℃ 相対湿度60%で120時間吸湿処理した後、IRリフ ロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を施した 処理後の半導体装置のダイアタッチ部の剥 面積(単位:%)を、超音波探傷装置(透過型)を いて測定した。

 半導体装置:QFP(14×20×2.0mm)
 リードフレーム:銀メッキした銅フレーム( 着部分が銀メッキ表面)
 チップサイズ:6×6mm
・耐リフロー性(2):接着剤組成物を調製し、25 ℃で48時間静置した。静置後の接着剤組成物 用いた以外は前記耐リフロー性(1)と同様に て半導体装置を作製し、ダイアタッチ部の 離面積を測定した。
・耐リフロー性(3):封止材料として住友ベー ライト(株)製「スミコンEME-G700H」を用いて半 導体装置を作製し、この半導体装置を85℃、 対湿度60%で168時間吸湿処理した以外は前記 リフロー性(1)と同様にしてダイアタッチ部 剥離面積を測定した。
・耐リフロー性(4):リードフレームとして銀 ングメッキした銅フレーム(被着部分が銅表 )を使用した以外は前記耐リフロー性(3)と同 様にして半導体装置を作製し、ダイアタッチ 部の剥離面積を測定した。

 (6)導電性
 得られた接着剤組成物をスライドガラス上 幅4mm、長さ50mm、厚み0.04mmになるように塗布 し、150℃で60分間加熱処理を施した。長さ方 40mmの電気抵抗を測定することにより体積抵 抗率(単位:ω・cm)を算出した。

 <原料>
 充填材粒子(A):平均粒径8μm、最大粒径30μmの フレーク状銀粉。

 熱硬化性樹脂(B):
(化合物B1)ポリテトラメチレングリコールと ソホロンジイソシアネートと2-ヒドロキシメ チルメタクリレートとの反応により得られた ウレタンジメタクリレート化合物(分子量約16 00)。
(化合物B2)ポリテトラメチレングリコールと レイミド化酢酸の反応により得られたビス レイミド化合物(分子量580)。
(化合物B3)シクロヘキサンジカルボン酸のジ リルエステルとポリプロピレングリコール の反応により得られたジアリルエステル化 物(分子量1000、ただし原料として用いたシク ロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステル を約15%含む)。
(化合物B4)1,4-シクロヘキサンジメタノール/1,6 -ヘキサンジオール(=3/1(質量比))と炭酸ジメチ ルの反応により得られたポリカーボネートジ オールとメチルメタクリレートの反応により 得られたポリカーボネートジメタクリレート 化合物(分子量1000)。
(化合物B5)酸価108mgKOH/gで分子量4600のアクリル オリゴマーと2-ヒドロキシメタクリレート/ブ チルアルコール(=1/2(モル比))との反応により られたメタクリル化アクリルオリゴマー(分 子量5000)。
(化合物B6)1,4-シクロヘキサンジメタノールモ アクリレート(日本化成(株)製「CHDMMA」)。
(化合物B7)2-メタクリロイルオキシエチルコハ ク酸(共栄社化学(株)製「ライトエステルHO-MS )。
(化合物B8)1,6-ヘキサンジオールジメタクリレ ト(共栄社化学(株)製「ライトエステル1,6HX )。
(化合物B9)ビスフェノールAとエピクロルヒド ンとの反応により得られるジグリシジルビ フェノールA(エポキシ当量180、常温で液体)
(化合物B10)クレジルグリシジルエーテル(エポ キシ当量185)。
(化合物B11)ビスフェノールF(大日本インキ工 (株)製「DIC-BPF」、水酸基当量100)。
(化合物B12)ジシアンジアミド。
(化合物B13)2-メチルイミダゾールと2,4-ジアミ -6-ビニルトリアジンとの付加物(四国化成工 業(株)製「キュアゾール2MZ-A」)。
(化合物B14)2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシ チルイミダゾール。
(重合開始剤)ジクミルパーオキサイド(日本油 脂(株)製「パークミルD」、急速加熱試験にお ける分解温度:126℃)。

 スルフィド結合とアルコキシシリル基とを する化合物(C1):
(化合物C11)前記式(1)で表される化合物を表1に 示す割合(HPLCチャートの面積率)で含有する混 合物(ダイソー(株)製「カブラス2A」)。
(化合物C12)前記式(1)で表される化合物を表1に 示す割合(HPLCチャートの面積率)で含有する混 合物(ダイソー(株)製「カブラス2B」)。
(化合物C13)前記式(1)で表される化合物を表1に 示す割合(HPLCチャートの面積率)で含有する混 合物(デグサ社製「Si-75」)。
(化合物C14)ビス(トリエトキシシリルプロピル )テトラスルフィド(ダイソー(株)製「カブラ 4」)。 

 スルフィド結合と水酸基とを有する化合物( C2):
(化合物C21)3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール(試 薬)。
(化合物C22)3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジオ ル(試薬)。

 その他の化合物(Z):
(化合物Z1)3-グリシジルプロピルトリメトキシ シラン(信越化学工業(株)製「KBM-403E」)。
(化合物Z2)3-メルカプトプロピルトリメトキシ シラン(信越化学工業(株)製「KBM-803P))。

 [実施例1]
 銀粉、ラウロイルメタクリレートおよび前 化合物C11を、質量比40:9:1で混合して接着剤 成物を調製した。調製直後および25℃で48時 間静置した後の接着剤組成物について、Waters 社製アライアンス(2695セパレーションズモデ ール、2414リフラクティブインデックスディ テクター(UV検出:波長254nm)、TSKゲルGMHHR-Lx2+TSK ードカラムHHR-Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用 、カラム温度40.0℃、UV検出器内温度40.0℃、 サンプル注入量100μlの条件でゲルパーミュエ ーショングロマトグラフ(GPC)測定を実施した なお、測定用試料は、前記接着剤組成物に 心分離を施し、上澄み液100mgをテトラヒド フラン6mlに溶解して調製した。得られたGPC チャートを図1に示す。

 図1に示した結果から明らかなように、前 記式(1)中のnが4以上であるポリスルフィド結 を有する化合物の含有率が9.8%である場合に は、48時間静置後においてもGPCチャートにお るピークの変化はほとんど認められず、本 明の接着剤組成物は保存安定性に優れてい ことが確認された。

 [実施例2~10]
 充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)、スルフィ 結合とアルコキシシリル基とを有する化合 (C1)およびその他の化合物(Z)を、表2に示す み合わせおよび割合(単位:質量部)で配合し 3本ロールを用いて混練し、脱泡して接着剤 成物を得た。得られた接着剤組成物につい 、前記評価方法に従って、保存性、密着性 よび銀メッキ表面に対する耐リフロー性を 価した。その結果を表2に示す。

 [比較例1~2]
 充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)およびその の化合物(Z)を、表2に示す組み合わせおよび 割合(単位:質量部)で配合し、3本ロールを用 て混練し、脱泡して接着剤組成物を得た。 られた接着剤組成物について、前記評価方 に従って、保存性、密着性および銀メッキ 面に対する耐リフロー性を評価した。その 果を表2に示す。

 表2に示した結果から明らかなように、所 定のスルフィド結合とアルコキシシリル基と を有する化合物(C1-1)を含有する本発明の接着 剤組成物(実施例2~10)は、前記化合物(C1-1)を含 有しない場合(比較例1~2)に比べて、銀メッキ 面に対する接着強度および耐リフロー性に れたものであった。また、実施例2~10の接着 剤組成物は、前記化合物(C1-1)の代わりにメル カプト基含有シラン化合物を含有する接着剤 組成物(比較例2)に比べて、保存安定性に優れ たものであった。

 [実施例11~29]
 充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)、スルフィ 結合とアルコキシシリル基とを有する化合 (C1)、スルフィド結合と水酸基とを有する化 合物(C2)およびその他の化合物(Z)を、表3~4に す組み合わせおよび割合(単位:質量部)で配 し、3本ロールを用いて混練し、脱泡して接 剤組成物を得た。得られた接着剤組成物に いて、前記評価方法に従って、銅表面にお る耐温度サイクル性、銀メッキ表面および 表面に対する耐リフロー性、または導電性 評価した。その結果を表3~4に示す。

 [比較例3~4]
 充填材粒子(A)、熱硬化性樹脂(B)およびその の化合物(Z)を、表3~4に示す組み合わせおよ 割合(単位:質量部)で配合し、3本ロールを用 いて混練し、脱泡して接着剤組成物を得た。 得られた接着剤組成物について、前記評価方 法に従って、銅表面における耐温度サイクル 性、銀メッキ表面および銅表面に対する耐リ フロー性、または導電性を評価した。その結 果を表3~4に示す。

 表3~4に示した結果から明らかなように、 ルフィド結合を有する化合物(C)として少な ともスルフィド結合と水酸基とを有する化 物(C2)を含有する本発明の接着剤組成物(実 例11~29)は、前記化合物(C2)を含有しない場合( 比較例3~4)に比べて、銅表面における耐温度 イクル性に優れ、体積抵抗率も低いもので った。また、スルフィド結合とアルコキシ リル基とを有する化合物(C1)とスルフィド結 と水酸基とを有する化合物(C2)とを併用した 本発明の接着剤組成物(実施例12~20)は、前記 合物(C1)および(C2)のいずれも含まない場合( 較例3)および前記化合物(C2)のみを含有する 合(実施例11)に比べて銀メッキ表面および銅 面のいずれに対しても耐リフロー性に優れ ものであった。

 以上説明したように、本発明によれば、 メッキ表面や銅表面などの金属表面に対す 接着特性に優れた接着剤組成物を提供する とが可能となる。特に、スルフィド結合と ルコキシシリル基とを有する化合物と、ス フィド結合と水酸基とを有する化合物とを み合わせることによって、銀メッキ表面に する耐リフロー性を維持しつつ、銅表面に して優れた耐リフロー性を発現する接着剤 成物を提供することが可能となる。

 したがって、本発明の接着剤組成物は、 イアタッチペーストや放熱部材用接着剤な として有用である。