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Title:
ADHESIVE COMPOSITION, SURFACE PROTECTIVE FILM, AND MOTHER GLASS SURFACE PROTECTIVE FILM FOR FLAT PANEL DISPLAY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125672
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an adhesive composition with which a surface protective film can be easily bonded to a glass surface. By using the adhesive composition, residues resulting from the surface protective film (specifically, from an adhesive layer thereof) can be easily cleaned/removed after removal of the surface protective film. An adhesive layer and a mother glass surface protective film for flat display panels, which uses the adhesive composition or the adhesive layer, are also disclosed. The adhesive composition is characterized by containing 0.01-2 parts by weight of an alkylene oxide group-containing compound per 100 parts by weight of a thermoplastic resin.

Inventors:
HANAKI IKKOU (JP)
YAMATO JIROU (JP)
HAYASHI KEIJI (JP)
UCHIDA SHOU (JP)
YAMASHITA TERUHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055956
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
March 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
AVANSTRATE INC (JP)
HANAKI IKKOU (JP)
YAMATO JIROU (JP)
HAYASHI KEIJI (JP)
UCHIDA SHOU (JP)
YAMASHITA TERUHISA (JP)
International Classes:
C09J201/00; C09J7/38; C09J11/06
Foreign References:
JP2007063298A2007-03-15
JP2006052379A2006-02-23
JP2005023143A2005-01-27
JP2005306996A2005-11-04
JP2001066430A2001-03-16
Attorney, Agent or Firm:
UNIUS PATENT ATTORNEYS OFFICE (JP)
Patent business corporation ユニアス international patent firm (JP)
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Claims:
熱可塑性樹脂100重量部に対して、アルキレンオキサイド基含有化合物を0.01~2重量部含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。
前記アルキレンオキサイド基含有化合物が、界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
請求項1又は2記載の粘着剤組成物を用いてなることを特徴とする表面保護フィルム。
請求項1又は2記載の粘着剤組成物を用いて形成した単一の層からなることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用マザーガラス表面保護フィルム。
請求項1又は2記載の粘着剤組成物を、基材の片面または両面に形成してなることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用マザーガラス表面保護フィルム。
Description:
粘着剤組成物、表面保護フィル 、及び、フラットパネルディスプレイ用マ ーガラス表面保護フィルム

 本発明は、粘着剤組成物に関する。さら 詳細には、それを用いた粘着剤層およびこ らを用いたフラットパネルディスプレイ用 ザーガラス表面保護フィルムに関する。

 液晶ディスプレイ、プラズマディスプレ パネル、有機ELディスプレイ等のフラット ネルディスプレイの製造には、ガラス基板 使用されるが、工場で製造されたガラス板 、マザーガラスとして流通(運搬)し、これが ガラス基板に加工される。マザーガラスの搬 送や、保管、更に出荷の伴う輸送、顧客での 保管などで、ガラス表面に傷がつくと、歩留 りの低下、品質面への悪影響をおよぼす原因 となる為、通常ガラス表面に表面保護フィル ムが貼付されている。

 表面保護フィルムを貼付したフラットパ ルディスプレイ用マザーガラスは、パネル ーカーに納入され、そこで、表面保護フィ ムを剥離する作業が行われるが、剥離が重 (剥離しにくい)場合には、作業性が悪化し 剥離が不完全になると剥離不良の問題が生 ている。

 また、剥離後、洗浄液等を用いて、表面 護フィルムの残渣物の洗浄・除去が行われ が、残渣物がガラス表面から落ち難くいと う問題も生じている。

 更に、表面保護フィルムに起因する残渣 により、TFT基盤の製造工程中に、品質を低 させるなどの問題が生じており、洗浄工程 おける残渣物の洗浄・除去の向上が求めら ている。

 このような中、特許文献1には、ポリエチレ ンからなる基材層の表面に、密度が0.91~0.93g/c m 3 の低密度ポリエチレンを50重量%以上含有し、 中心線平均粗さRaが0.05μm以下である粘着剤層 を積層した表面保護フィルムが提案されてい る。

 しかし、特許文献1記載の表面保護フィル ムは、ガラスの貼付後、剥離が重く、作業性 が悪いという問題や、ガラスに付着(転写)し 残渣物が、洗浄により落ち難いなどの問題 抱えている。

 特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる基 材層の片面に、エチレン・酢酸ビニル共重合 体からなる粘着剤層が形成される二層フィル ムや、特許文献3には、基材層の片面に、ブ ルアクリレート及びアクリル酸の共重合体 らなるアクリル系粘着及び架橋剤として芳 族イソシアネートにより架橋された粘着剤 からなる表面保護用粘着テープが開示され いる。

 しかし上記二層フィルムや粘着テープに いても、同様の問題が懸念されている。

先行技術文献

特許第3103190号公報

特許第2980434号公報

特開平7-143643号公報

 そこで、本発明の目的は、従来の表面保 フィルム(シート)における上記問題点を解 すべく、ガラス表面に表面保護フィルムを 付することが容易であり、その後、表面保 フィルムを剥離した後に、表面保護フィル (中の粘着剤層)に起因する残渣物を容易に洗 浄・除去することができる粘着剤組成物、粘 着剤層、これらを用いたフラットパネルディ スプレイ用マザーガラス表面保護フィルムを 提供することにある。

 本発明者らは、上記目的を達成するため 鋭意検討した結果、以下に示す粘着剤組成 、粘着剤層、これらを用いたフラットパネ ディスプレイ用マザーガラス表面保護フィ ムを見出し、本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明の粘着剤組成物は、熱可塑 樹脂100重量部に対して、アルキレンオキサ ド基含有化合物を0.01~2重量部含有してなる とを特徴とする。熱可塑性樹脂とともにア キレンオキサイド基含有化合物を添加する とにより、これを表面保護フィルムの粘着 層として用いた場合に、詳細は明らかでは いが、ガラス表面への貼付が容易となり、 面保護フィルム(中の粘着剤層)に起因する 渣物、例えば、粘着剤層起因の低分子化合 とアルキレンオキサイド基含有化合物が置 換わることにより、残渣物の低減を図るこ ができる。更に、表面保護フィルムの剥離 の洗浄工程においても、容易に残渣物を洗 ・除去することができ、有用である。

 また、本発明の粘着剤組成物は、前記ア キレンオキサイド基含有化合物が、界面活 剤であることが好ましい。界面活性剤を添 することにより、これを表面保護フィルム 粘着剤層として用いた場合に、詳細は明ら ではないが、ガラス表面への貼付が容易と り、表面保護フィルム(中の粘着剤層)に起 する残渣物、例えば、粘着剤層起因の低分 化合物と界面活性剤が置き換わり、残渣物 低減を図ることができる。更に、表面保護 ィルムの剥離後の洗浄工程においても、界 活性剤の添加により、容易に残渣物を洗浄 除去することができ、有用である。

 本発明の表面保護フィルムは、前記粘着 組成物を用いてなることが好ましい。粘着 組成物を用いて得られる表面保護フィルム 、フィルム状やシート状、テープ状等に加 することが容易で、有用である。

 本発明のフラットパネルディスプレイ用 ザーガラス表面保護フィルムは、前記粘着 組成物を用いて形成した単一の層からなる とが好ましい。粘着剤組成物を用いて形成 た単一の層それ自体が、フラットパネルデ スプレイ用マザーガラス表面保護フィルム して機能するため、製造工程が少なく、作 性に優れている。

 本発明のフラットパネルディスプレイ用 ザーガラス表面保護フィルムは、前記粘着 組成物を、基材の片面または両面に形成し なることが好ましい。基材上に粘着剤組成 を用いて形成したフラットパネルディスプ イ用マザーガラス表面保護フィルムを用い ことにより、被着体(ガラス)表面を汚染か 保護し、傷等の発生を防止することができ 有用である。 

 なお、本発明において、「フラットパネ ディスプレイ用マザーガラス」とは、各種 品に加工される前の流通に置かれ得る状態 ガラス板であって、フラットパネルディス レイの製造に使用されるものを指す。フラ トパネルディスプレイとしては、液晶ディ プレイ、プラズマディスプレイパネル、有 ELディスプレイ等の表示装置が例示される

発明を実施するための形態

 以下、本発明の実施の形態について詳細 説明する。

 本発明の粘着剤組成物は、熱可塑性樹脂1 00重量部に対して、アルキレンオキサイド基 有化合物を0.01~2重量部含有してなることを 徴とする。

 本発明に用いられる粘着剤組成物のベー ポリマーとして熱可塑性樹脂が用いられる

 前記熱可塑性樹脂として、粘着性を発揮 る熱可塑性樹脂であれば適宜使用でき、た えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ 系樹脂、プロピレン-エチレンのブロック系 、ランダム系、グラフト系ポリマーや、ポリ スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などの公知 の熱可塑性粘着樹脂をあげることができる。 これらは単独または2種以上を混合して、使 することができる。

 前記ポリエチレン系樹脂としては、たと ば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ エチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン ポリ-4-メチル-1-ペンテン、エチレン・プロ レン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合 、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン ・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・1 -オクテン共重合体、エチレン・アクリル酸 チル共重合体、エチレン・メタクリル酸メ ル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合 、エチレン・エチルアクリレート共重合体 エチレン・ビニルアルコール共重合体など ポリオレフィン樹脂などがあげられる。

 前記ポリスチレン系樹脂としては、たと ば、スチレン・ブタジエン(SB)、スチレン・ イソプレン(SI)、スチレン・エチレン-ブチレ 共重合体(SEB)、スチレン・エチレン-プロピ ン共重合体(SEP)などのA-B型ジブロックポリ ー、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、 スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)、スチ ン・エチレン-ブチレン共重合体・スチレン (SEBS)、スチレン・エチレン-プロピレン共重 体・スチレン(SEPS)などのA-B-A型トリブロック またはA-B-A-B型テトラブロック以上のマルチ ロックポリマー、スチレン・ブタジエンラ ー(SBR)などのスチレン系ランダム共重合体、 スチレン・エチレン-ブチレン共重合体・オ フィン結晶(SEBC)などのA-B-C型のスチレン・オ レフィン結晶系ブロックポリマー等があげら れる。

 熱可塑性樹脂として、前記ポリエチレン系 脂を使用する場合、密度が0.880~0.950g/cm 3 である低密度ポリエチレン系樹脂が好ましく 、0.880~0.923g/cm 3 であることがより好ましく、0.880~0.915g/cm 3 であることがさらに好ましい。前記低密度の ポリエチレン系樹脂は、柔軟性に優れており 、実用的である。なお、本発明における密度 (g/cm 3 )とはISO 1183に準拠して測定された値をいう

 本発明の粘着剤組成物には、前記熱可塑 樹脂100重量部に対して、アルキレンオキサ ド基含有化合物を0.01~2重量部含有され、好 しくは0.05~1.5重量部、より好ましくは、0.1~1 重量部である。0.01重量部未満であると、洗 工程における残渣物の除去性能が低下し、2 量部を超えると、表面保護フィルム製造時( 押出成形した場合)に成形不良を引き起こす とがある。その原因として、低粘度のアル レンオキサイド基含有化合物が多量に混在 ることにより、熱可塑性樹脂との流動性が 均一となり、成形不良となる。また、フィ ムが成形されても、洗浄工程の際に用いら る洗浄液で残渣物を除去する際に、洗浄液 より多く使用する必要があり、コスト面に いて好ましくない。

 前記アルキレンオキサイド基含有化合物 しては、エチレングリコール、プロピレン リコール、ブチレングリコール、サリチル グリコール、プロピレングリコールモノ脂 酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオ シプロピレングリコール、ポリオキシアル レンデシルエーテル、ポリオキシエチレン チリルフェニルエーテル、ポリオキシエチ ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン ウリルエーテル、ポリオキシエチレンラノ ンアルコールエーテル、ポリオキシエチレ アルキルアミンエーテル、ポリオキシエチ ン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、ポ オキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノ ルアミド、ポリオキシエチレンラウリル硫 ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタ 脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ 、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキ エチレン高硬ヒマシ油、ポリオキシエチレ ラノリン脂肪酸エステル等の化合物を用い ことができる。また、前記化合物は、乳化 、分散剤、潤滑剤、懸濁剤、防触剤、界面 性剤、帯電防止剤等として使用されるもの あり、特に、界面活性剤であることが好ま い。

 前記界面活性剤として、アルキレンオキ イド基含有化合物であれば、特に限定され いが、具体的には、エーテル系の前記化合 としては、ポリオキシエチレン・ポリオキ プロピレングリコール、ポリオキシアルキ ンデシルエーテル、ポリオキシエチレンス リルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ アルキルエーテル、ポリオキシエチレンラ リルエーテル、ポリオキシエチレンラノリ アルコールエーテル、ポリオキシエチレン ルキルアミンエーテルが好ましい。また、 ミド系の前記化合物としては、ポリオキシ チレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド ポリオキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸モノエ ノールアミド、ポリオキシエチレンラウリ 硫酸ナトリウムなどが好ましい。また、エ テル系の前記化合物としては、ポリオキシ チレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビ ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒ シ油、ポリオキシエチレン高硬ヒマシ油、 リオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル が好ましい。

 さらに本発明の表面保護フィルムに用い れる粘着剤層には、粘着特性の制御等を目 に、従来公知の各種の軟化剤、粘着付与剤 基材層に用いることができるオレフィン系 脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル 共重合体、リン酸エステル系化合物、老化 止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外 吸収剤、表面潤滑剤、レベリング剤、可塑 、低分子ポリマー、酸化防止剤、腐食防止 、重合禁止剤、シランカップリング剤、無 および有機の充填剤(たとえば、酸化カルシ ウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛 、酸化チタン等)、金属粉、着色剤、顔料な の粉体、粒子状、箔状物、耐熱安定剤など 従来公知の各種の添加剤を使用する用途に じて適宜添加することができる。

 また、前記粘着剤組成物を溶融加熱する とにより、粘着剤層を製造することができ 。粘着剤組成物を溶融加熱することにより られる粘着剤層は、フィルム状やシート状 テープ状等に加工することが容易で、有用 ある。

 前記粘着剤層の形成方法であるが、公知 方法を特に限定なく、使用することができ が、例えば、溶融押出成形、カレンダー法 どが挙げられる。

 なお、粘着剤層の表面には、たとえば、 ロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理 プラズマ処理やスパッタエッチング処理な の、粘着性の制御や貼付作業性等を目的と た表面処理を必要に応じて施すこともでき 。

 さらに、粘着剤層には必要に応じて、実 に供されるまでの間、セパレータなどを仮 して保護することもできる。

 本発明の表面保護フィルムにおいて、粘 剤層の厚さは、通常1~50μm程度であり、好ま しくは2~40μm、さらに好ましくは3~20μmである 厚さが1μm未満であると、粘着性を発揮する ことが困難となり、50μmを超えると、剥離が 難になったり、粘着剤層に添加するアルキ ンオキサイド基含有化合物の使用量が多く り、コスト面で不利となるため、好ましく い。

 前記粘着剤層の単一層を用いることによ 、表面保護フィルム、特にフラットパネル ィスプレイ用マザーガラス表面保護フィル を製造することができる。粘着剤層それ自 が、表面保護フィルムとして機能するため 製造工程が少なく、有用である。

 また、前記粘着剤層を、基材の片面また 両面に形成して、フラットパネルディスプ イ用マザーガラス表面保護フィルムを形成 ることができる。基材上に粘着剤層を形成 た表面保護フィルムを用いることにより、 着体(ガラス)表面を汚染から保護し、傷等 発生を防止することができ、有用である。

 本発明に用いられる基材(層)は、シート やフィルム状、テープ状等に形成できるも であれば、特に限定されないが、例えば、 リオレフィン系樹脂であれば、耐熱性およ 耐溶剤性を有すると共に、可とう性を有す ため好ましい。基材層が可とう性を有する とにより、ロール状に巻き取ることもでき 各種の加工を適宜おこなうことができる。

 前記ポリオレフィン系樹脂は、たとえば ポリエチレン系樹脂、プロピレンまたはプ ピレン成分とエチレン成分からなるプロピ ン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体な があげられる。

 具体的には、たとえば、低密度ポリエチ ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロ レン、ポリ-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペン ン、エチレン・プロピレン共重合体、エチ ン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-ヘキセ ン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン 重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、 チレン・アクリル酸メチル共重合体、エチ ン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレ ・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル クリレート共重合体、エチレン・ビニルア コール共重合体などのポリオレフィン樹脂 どがあげられる。

 本発明において、上記基材層には、この のフィルムやシート、テープ等の基材に一 に用いられる公知の各種添加剤を適宜含有 ていてもよい。たとえば、各種の充填剤、 料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定 、滑剤などがあげられる。

 前記基材層の厚みは、通常20~300μm程度が ましく、より好ましくは20~250μm程度、更に ましくは25~200μm程度である。基材層が20μm 満では剥離時に基材が破れたり、裂けたり る場合があり、300μmを超える場合には基材 コシが大きくなり、貼付後に浮き等が発生 やすい。

 また、表面保護フィルムの基材層側には 手切れ性や耐スリップ性付与のために、エ ボス加工や凹凸加工等を施しても構わない

 本発明における表面保護フィルムの製造 法としては、ポリオレフィン系樹脂からな 基材層、および熱可塑性樹脂からなる粘着 層を構成する素材を、それぞれ溶融加熱し 共押出し成形し、基材層の片面にまたは両 に粘着剤層を一体に形成し、所定の厚さを する2層構造(もしくは3層以上の多層)のフィ ルムを製造する方法が、高効率かつ安価に本 発明の表面保護フィルムを製造できる点で好 ましい。

 前記共押出成形としては、フィルム、シ ト等の製造などに一般に用いられる方法を 用することができ、特に限定されるもので ない。たとえば、インフレーション法、共 出T-ダイ法などを用いることができる。こ らの共押出成形を用いることは、コスト面 生産性の面で好ましい。

 また、前記各層それぞれにおいて積層す 層の数は特に限定されるものではなく、前 基材層、および前記粘着剤層はそれぞれ単 であってもよいし、必要に応じて複数層の 層構造としてもよい。

 また、本発明の表面保護フィルムの全体 厚さは、20~150μmが好ましく、30~100μm程度で ることがより好ましい。全体の厚さが20μm 満であると、剥離の際の作業性が悪く、破 るなど問題が生じやすくなり、150μmを超え と、貼付後の浮きの問題や、コスト面で不 となり、好ましくない。

 以下、本発明の構成と効果を具体的に示 実施例等について説明するが、本発明はこ らに限定されるものではない。なお、実施 等における評価項目は下記のようにして測 を行った。

1)剥離力
 液晶基板用マザーガラス(NHテクノグラス製 NA35)に表面保護フィルムを貼付後、圧着(0.2M Pa、1.0m/分)して、23℃で1日間保管し、引張試 機(ミネベア社製、TCM-5KNB-3、引張速度0.3m/分 、角度180°)で表面保護フィルムを剥離した時 の剥離力(N/20mm)を測定した。なお、剥離力は0 .02N/20mm以下が好ましく、0.015N/20mm以下がより ましい。また、剥離力としては、密着性、 験機での測定限界値の観点から、0.001N/20mm 上が好ましい。剥離力が高い場合、剥離作 性が悪化し、表面保護フィルムに起因する 渣物が増加しやすい。

2)接触角
 ガラス(NHテクノグラス製、NA35)に表面保護 ィルムを貼付後、圧着(0.2MPa、1.0m/分)し、40 ×4日間経過後、洗浄前の接触角を測定し、 の後、前記ガラス表面を、無機アルカリ洗 剤(横浜油脂工業製、KG)2.0%水溶液を用いて超 音波洗浄を2分間行い、更に蒸留水により3分 リンスした。)し、洗浄後の接触角を測定し た。

3)洗浄効果(洗浄率)
 洗浄効果(洗浄率)は次式により計算した。 お、洗浄効果は65%以上が好ましく、より好 しくは70%以上である。洗浄効果が65%未満で ると、残渣物による剥離不良の原因となる め、好ましくない。
 洗浄効果(洗浄率)(%)=100×[(洗浄前の接触角- 浄後の接触角)/(洗浄前の接触角)]

4)成形条件
 各実施例(実施例10を除く)、比較例において 、インフレーション法によって成形した。な お、溶融温度は、基材層および粘着剤層、ダ イス温度および共押出温度すべて180℃に設定 した。また、実施例10においては、Tダイ法に より成形した。溶融温度は押出機温度、ダイ ス温度共に190℃に設定した。

 〔実施例1〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)、及び 鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学製 スミカセン EFV402)100重量部に対して、ポリ キシエチレン・ポリオキシプロピレングリ ール(第一工業製薬社製、エパン485)0.06重量 を含有する粘着剤層(厚さ:4μm)を用いて、前 成形条件を用いたインフレーション法によ 、2層構造の表面保護フィルム(厚さ:30μm)を た。

 〔実施例2〕
 ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレ グリコールの添加量を0.36重量部にしたこと 以外は、実施例1と同様の方法で、表面保護 ィルム(厚さ:30μm)を得た。

 〔実施例3〕
 ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレ グリコールの添加量を0.6重量部にしたこと 外は、実施例1と同様の方法で、表面保護フ ィルム(厚さ:30μm)を得た。

 〔実施例4〕
 ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレ グリコールの添加量を0.9重量部にしたこと 外は、実施例1と同様の方法で、表面保護フ ィルム(厚さ:30μm)を得た。

 〔実施例5〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)、及び 鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー 製、エボリューSP1540)100重量部に対して、ポ オキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノー アミド(川研ファインケミカル製、アミゼッ 2L-Y)0.06重量部を含有する粘着剤層(厚さ:4μm) を用いて、前記成形条件を用いたインフレー ション法により、2層構造の表面保護フィル (厚さ:30μm)を得た。

 〔実施例6〕
 実施例5のポリオキシエチレン(2)ラウリン酸 モノエタノールアミドの代わりに、ポリオキ シアルキレンデシルエーテル(第一工業製薬 、ノイゲンXL-400)を0.18重量部添加したこと以 外は、実施例5と同様の方法で、表面保護フ ルム(厚さ:30μm)を得た。

 〔実施例7〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)、及び 鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー 製、エボリューSP1540)50重量部及び直鎖状低密 度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学製、スミカセ  EFV402)50重量部の合計100重量部に対して、 リオキシエチレンスチリルフェニルエーテ (第一工業製薬製、ノイゲンEA-177)0.06重量部 含有する粘着剤層(厚さ:4μm)を用いて、前記 形条件を用いたインフレーション法により 2層構造の表面保護フィルム(厚さ:30μm)を得 。

 〔実施例8〕
 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエー ルの添加量を0.18重量部にしたこと以外は、 実施例7と同様の方法で、表面保護フィルム( さ:30μm)を得た。

 〔実施例9〕
 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエー ルの添加量を0.36重量部にしたこと以外は、 実施例7と同様の方法で、表面保護フィルム( さ:30μm)を得た。

 〔実施例10〕
 エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVA)(J PE製、ノバテックLV440)100重量部に対して、ポ オキシエチレン・ポリオキシプロピレング コール(第一工業製薬製、エパン485)1.2重量 を含有する粘着剤層の単一層を用いて、Tダ 法により、単一構造の表面保護フィルム(厚 さ:35μm)を得た。

 〔実施例11〕
 エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVA)(J PE製、ノバテックLV440)からなる基材層(厚さ:26 μm)、及びスチレン-エチレン・ブチレン-エチ レンブロック共重合体(SEBC)(JSR製、DYNARON4600P)1 00重量部に対して、ポリオキシエチレン・ポ オキシプロピレングリコール(第一工業製薬 製、エパン485)1.8重量部を含有する粘着剤層( さ:4μm)を用いて、前記成形条件を用いたイ フレーション法により、2層構造の表面保護 フィルム(厚さ:30μm)を得た。

 〔比較例1〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)、及び 鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学製 スミカセン EFV402)からなる粘着剤層(厚さ:4μ m)を用いて、前記成形条件を用いたインフレ ション法により、2層構造の表面保護フィル ム(厚さ:30μm)を得た。

 〔比較例2〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)、及び チレン・ビニルアルコール共重合体(EVA)(JPE 、ノバテックLV440)からなる粘着剤層(厚さ:4 m)を用いて、前記成形条件を用いたインフレ ーション法により、2層構造の表面保護フィ ム(厚さ:30μm)を得た。

 〔比較例3〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)の片面 、ブチレンアクリレイト94重量部とアクリ 酸6重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポ リウレタン製、コロネートL)30重量部を重合 てなる粘着剤溶液を塗布して粘着剤層(厚さ: 4μm)を形成することにより、2層構造の表面保 護フィルム(厚さ:30μm)を得た。

 〔比較例4〕
 低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、ペト ロセン 183)からなる基材層(厚さ:26μm)の片面 、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(プライ ポリマー社製、エボリューSP1540)50重量部、 び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学 製、スミカセン EFV402)50重量部に対して、ポ オキシエチレンスチリルフェニルエーテル( 第一工業製薬社製、ノイゲンEA-17 7)2.5重量部 を含有する粘着剤層(厚さ:4μm)を用いて、前 成形条件を用いたインフレーション法によ 、2層構造の表面保護フィルム(厚さ:30μm)を た。但し、この表面保護フィルムについて 、製膜不良が発生し、厚さのバラツキも大 く、特性の評価を行うことができなかった 製膜不良の原因としては、前記ポリオキシ チレンスチリルフェニルエーテルの含有量 過剰であるため、熱可塑性樹脂との流動性 不均一となることが考えられる。

 上記方法に従い、作製した表面保護フィ ムの測定・評価を行った。得られた結果を 1に示す。

 注)表1中のA:ポリオキシエチレン・ポリオキ シプロピレングリコール、B:ポリオキシエチ ン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、C: リオキシアルキレンデシルエーテル、D:ポリ オキシエチレンスチリルフェニルエーテルで ある。

 上記表1の結果より、本発明によって作製 された表面保護フィルムを用いた実施例では 、いずれの場合においても、剥離力が抑えら れ剥離作業性が良好であり、洗浄効果(洗浄 )もきわめて高いことが確認できた。

 一方、アルキレンオキサイド基含有化合 を用いなかった比較例では、剥離力が高く 剥離作業性に劣ることが確認され、洗浄効 も劣るものであった。

 以上より、本発明の表面保護フィルムは ガラス表面に表面保護フィルムを貼付後、 面保護フィルムの剥離が容易であり、その 、表面保護フィルムに起因する残渣物を、 易に洗浄・除去することができることが確 された。