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Patent Searching and Data


Title:
ADHESIVE FILM, CONNECTING METHOD AND CONNECTED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/013968
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are an adhesive film which can connect an electronic component to a substrate without causing short-circuiting, a connecting method and a connected body. The adhesive film is provided with a first adhesive layer wherein conductive particles are dispersed, and a second adhesive layer adhered on the first adhesive layer. The first and the second adhesive layers are adhesive films containing a sub resin composition. The first adhesive layer contains a first main resin composition having a glass transition temperature higher than that of the sub resin composition. The second adhesive layer contains a second main resin composition, which has a glass transition temperature higher than that of the sub resin composition but lower than that of the first main resin composition. The reaction peak temperature of the first and the second adhesive layers is lower than the glass transition temperature of the first main resin composition but higher than that of the second main resin composition.

Inventors:
ISHIMATSU TOMOYUKI (JP)
OZEKI HIROKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061521
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
June 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
ISHIMATSU TOMOYUKI (JP)
OZEKI HIROKI (JP)
International Classes:
C09J7/10; C09J9/02; C09J11/02; C09J201/00; H01B5/16; H01L21/60
Foreign References:
JP2007131649A2007-05-31
JP2004328000A2004-11-18
JP2007150324A2007-06-14
JPH09312176A1997-12-02
Other References:
OGURA I.: "Joshiki Yaburi no Saishin'ei Epoxy Resin", DIC TECHNICAL REVIEW, no. 11, 2005, pages 21 - 28
Attorney, Agent or Firm:
HIROTA, Koichi et al. (NAGARE & ASSOCIATES 4th Floor,Shinjuku TR Bldg.,2-2-13, Yoyogi,Shibuya-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 第一の接着剤層と、前記第一の接着剤層に密着された第二の接着剤層とを有し、前記第一の接着剤層中には導電性粒子が分散され、
前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層は、それぞれ副樹脂成分を含有し、前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層を昇温させると、前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層中の前記副樹脂成分が反応し、前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層が硬化する接着フィルムであって、
前記第一の接着剤層には、前記副樹脂成分よりもガラス転移温度が高い第一の主樹脂成分が含有され、前記第二の接着剤層には、前記副樹脂成分よりもガラス転移温度が高く、かつ、前記第一の主樹脂成分よりもガラス転移温度が低い第二の主樹脂成分が含有され、
前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層の昇温中に、前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層の発熱量が最大となる反応ピーク温度は、前記第一の主樹脂成分のガラス転移温度よりも低く、かつ、前記第二の主樹脂成分のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする接着フィルム。
 第一の接着剤層の膜厚が、導電性粒子の平均粒径の0.5倍以上2.0倍以下である請求の範囲第1項に記載の接着フィルム。
 第二の主樹脂成分のガラス転移温度が、50℃以上110℃以下である請求の範囲第1項から第2項のいずれかに記載の接着フィルム。
 第一の接着剤層の反応ピーク温度と、第二の接着剤層の反応ピーク温度との差が、10℃以下である請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の接着フィルム。
第一の基板の電極と、第二の基板の電極とを、請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載の接着フィルムを介して対向させ、前記第一の基板と前記第二の基板とを加熱押圧することにより、前記第一の基板の電極と前記第二の基板の電極との間に前記接着フィルム中の導電性粒子を挟持させて、前記第一の基板と前記第二の基板とを接続することを特徴とする接続方法。
請求の範囲第5項に記載の接続方法を用いて接続された第一の基板と第二の基板とを備えることを特徴とする接合体。
Description:
接着フィルム、接続方法及び接 体

 本発明は、電子部品の接続に用いられる 着フィルム、接続方法及び接合体に関する

 従来より、基板に電子部品又は配線板を 続する際には、異方導電性接着剤が用いら ている。異方導電性接着剤は、バインダー びバインダー中に分散された導電性粒子を している。

 基板の端子が配置された面と、電子部品 端子が配置された面との間に、異方導電性 着剤を配置し、加熱押圧すると、軟化した インダーが、基板の端子と電子部品の端子 の間から押し退けられ、導電性粒子が、基 の端子と電子部品の端子の間に挟持され、 板と電子部品とが電気的に接続される。

 しかし、バインダーが押し退けられると には、導電性粒子の一部が、バインダーと 緒に押し退けられ、押し退けられた導電性 子が、基板の隣接する端子間、又は、電子 品の隣接する端子間に流れ込み、隣接する 子間が導電性粒子で短絡(ショート)するこ がある。

 また、導電性粒子が、基板の端子と電子部 の端子との間から押し退けられると、基板 端子と電子部品の端子とで、導電性粒子が 持される数が少なくなり、導通信頼性も劣 。

特開2006-32335号公報

特開平7-230840号公報

 本発明は、従来における前記諸問題を解 し、以下の目的を達成することを課題とす 。即ち、本発明は、短絡(ショート)を起こ ずに電子部品を基板に接続させることが可 な接着フィルム、接続方法及び接合体を提 することを目的とする。

 前記課題を解決するための手段としては、 下の通りである。即ち、
 <1>第一の接着剤層と、前記第一の接着 層に密着された第二の接着剤層とを有し、 記第一の接着剤層中には導電性粒子が分散 れ、前記第一の接着剤層及び前記第二の接 剤層は、それぞれ副樹脂成分を含有し、前 第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層を 温させると、前記第一の接着剤層及び前記 二の接着剤層中の前記副樹脂成分が反応し 前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤 が硬化する接着フィルムであって、前記第 の接着剤層には、前記副樹脂成分よりもガ ス転移温度が高い第一の主樹脂成分が含有 れ、前記第二の接着剤層には、前記副樹脂 分よりもガラス転移温度が高く、かつ、前 第一の主樹脂成分よりもガラス転移温度が い第二の主樹脂成分が含有され、前記第一 接着剤層及び前記第二の接着剤層の昇温中 、前記第一の接着剤層及び前記第二の接着 層の発熱量が最大となる反応ピーク温度は 前記第一の主樹脂成分のガラス転移温度よ も低く、かつ、前記第二の主樹脂成分のガ ス転移温度よりも高いことを特徴とする接 フィルムである。
 <2>第一の接着剤層の膜厚が、導電性粒 の平均粒径の0.5倍以上2.0倍以下である前記& lt;1>に記載の接着フィルムである。
 <3>第二の主樹脂成分のガラス転移温度 、50℃以上110℃以下である前記<1>から&l t;2>のいずれかに記載の接着フィルムであ 。
 <4>第一の接着剤層の反応ピーク温度と 第二の接着剤層の反応ピーク温度との差が 10℃以下にされた前記<1>から<3>の ずれかに記載の接着フィルムである。
<5>第一の基板の電極と、第二の基板の電 極とを、前記<1>から<4>のいずれかに 記載の接着フィルムを介して対向させ、前記 第一の基板と前記第二の基板とを加熱押圧す ることにより、前記第一の基板の電極と前記 第二の基板の電極との間に前記接着フィルム 中の導電性粒子を挟持させて、前記第一の基 板と前記第二の基板とを接続することを特徴 とする接続方法である。
<6>前記<5>に記載の接続方法を用いて 接続された第一の基板と第二の基板とを備え ることを特徴とする接合体である。

 本発明によれば、前記従来における諸問題 解決し、前記目的を達成することができ、 絡(ショート)を起こさずに、電子部品を基 に接続させることが可能な接着フィルム、 続方法及び接合体を提供することができる
本発明は上記のように構成されており、副樹 脂成分は、加熱によって重合する樹脂(例え 熱硬化性樹脂)である。

 第一の接着剤層及び第二の接着剤層が昇 すると、第一の接着剤層及び第二の接着剤 中で副樹脂成分が反応する。副樹脂成分の 応とは、具体的には、副樹脂成分が単独で 合するか、硬化剤等他の成分と反応して、 独重合、又は共重合することであり、いず の場合も第一の接着剤層及び第二の接着剤 が発熱する。その発熱量は、温度が高くな ほど増加するが、ある温度を超えると逆に 少する。

 本発明では、導電性粒子が分散された状 である第一の接着剤層を昇温させている間 、発熱量が増加から減少に転じる温度を、 一の接着剤層の反応ピーク温度とし、第二 接着剤層を昇温させている間に、発熱量が 加から減少に転じる温度を、第二の接着剤 の反応ピーク温度とする。発熱量及び反応 ーク温度は、例えばDSC(示差走査熱量測定) 測定される。

 第一の接着剤層は、ガラス転移温度が、 一の接着剤層及び第二の接着剤層の反応ピ ク温度よりも高い第一の主樹脂成分を原料 し、該原料を他の原料(副樹脂成分や添加剤 )と共に溶剤と混合して原料液を作製し、剥 フィルムの表面に塗布して塗布層を形成し 後、該原料液を乾燥して余分な溶剤を除去 て形成される。

 第二の接着剤層は、ガラス転移温度が、 一の主樹脂成分のガラス転移温度よりも低 、かつ、第一の接着剤層及び第二の接着剤 の反応ピーク温度よりも低い第二の主樹脂 分を原料とし、該原料を他の原料(副樹脂成 分や添加剤)と一緒に溶剤と混合して原料液 作製し、剥離フィルムの表面に塗布して塗 層を形成した後、該原料液を乾燥して余分 溶剤を除去して形成される。

 第一の主樹脂成分及び第二の主樹脂成分 、ガラス転移温度(Tg)が常温(30℃)よりも高 (30℃以上、より好ましくは50℃以上)高分子 質であり、化学的に安定している。

 従って、第一の主樹脂成分のガラス転移温 は、原料として溶剤に混合される前であっ も、混合及び乾燥後に第一の接着剤層に含 された状態であっても、第一の接着剤層及 第二の接着剤層の反応ピーク温度よりも高 。
 また、第二の主樹脂成分のガラス転移温度 、原料として溶剤に混合される前であって 、混合及び乾燥後に、第二の接着剤層に含 された状態であっても、第一の主樹脂成分 ガラス転移温度よりも低く、かつ、第一の 着剤層及び第二の接着剤層の反応ピーク温 よりも低い。

 第一の主樹脂成分及び第二の主樹脂成分 ガラス転移温度が同じであると、第一の接 剤層及び第二の接着剤層は、ほぼ同時に溶 し始める。しかし、本発明では、第一の主 脂成分のガラス転移温度は、第二の主樹脂 分のガラス転移温度よりも高いので、第一 接着剤層及び第二の接着剤層は、溶融を開 する温度が異なり、第二の接着剤層が溶融 る温度では、第一の接着剤層は溶融しない

 接着フィルムを端子の間に挟持して加熱 圧する際に、第二の接着剤層が溶融して端 間から押し退けられても、第一の接着剤層 溶融せずに残るから、第一の接着剤層に分 された導電性粒子は端子間から流れ出さず 、第一の接着剤層中に残る。

対向する端子間から導電性粒子が押し退け られずに、第一の接着剤層中に残るので、対 向する端子間に捕捉される導電性粒子の数が 増える。また、隣接する端子間には導電性粒 子が流れ込まないから、該隣接する端子間が 導電性粒子で短絡(ショート)しない。従って 本発明の接着フィルムを用いて電子部品が 板に接続された接続体は、導通信頼性が高 。

図1Aは、本発明の接着フィルムを製造 る工程を説明する断面図である(その1)。 図1Bは、本発明の接着フィルムを製造 る工程を説明する断面図である(その2)。 図1Cは、本発明の接着フィルムを製造 る工程を説明する断面図である(その3)。 図2Aは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その1)。 図2Bは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その2)。 図2Cは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その3)。 図2Dは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その4)。 図3は、電子部品が基板に接続された状 態を説明する断面図である。 図4は、接着フィルムを巻き取ったロー ルを示す側面図である。 図5は、第一の主樹脂成分及び第二の主 樹脂成分と、第一の接着剤層及び第二の接着 剤層のDSC曲線を示すグラフである。

(接着フィルム)
本発明の接着フィルムは、互いに密着された 第一の接着剤層及び第二の接着剤層を少なく とも有し、更に必要に応じて適宜選択したそ の他の層を有してなる。

<第一の接着剤層>
 前記第一の接着剤層は、導電性粒子、副樹 成分、及び第一の主樹脂成分を少なくとも み、更に必要に応じて適宜選択したその他 成分を含んでなる。

―導電性粒子―
 前記導電性粒子としては、前記第一の接着 層に分散されているものであれば、特に制 はなく、目的に応じて適宜選択することが きる。

 具体的には、ニッケル、銅、及びコバル などの金属を主成分とする金属粒子、又は 前記金属粒子の表面に更に金メッキを施し もの、有機微粒子の表面にニッケルメッキ 銅メッキ、金メッキ、及び半田メッキなど 導電性被膜を施したものなどが挙げられる

 前記導電性粒子は、1種類を単独で第一の 接着剤層に分散させてもよいし、2種類以上 同じ第一の接着剤層中に分散させてもよい 被着体(電子部品や基板)の接続端子の表面が 酸化しやすい場合は、導電性粒子表面にニッ ケルなどの突起物を付けたものを用いてもよ い。

 また、前記接続端子のファインピッチに 応するために、前記導電性粒子の表面に熱 よって溶融する樹脂をコーティングした絶 性被膜粒子を用いてもよい。

 前記導電性粒子の粒子径(平均粒径)は、 続端子のピッチ及び面積によって使い分け れるが、本願では平均粒径が1μm以上50μm以 が好ましい。前記導電性粒子の平均粒径が1 mより小さい場合、凝集を起こしやすく逆に ョート発生につながる。

 また、前記導電性粒子の平均粒径が50μm り大きい場合、ファインピッチ接続を主目 としている接着フィルムをあえて用いる必 がなく、本発明の効果が薄れる。

―副樹脂成分―
前記副樹脂成分としては、特に制限はなく、 目的に応じて適宜選択することができ、例え ば、液状樹脂及び結晶性樹脂などが挙げられ る。

 前記副樹脂成分は、ガラス転移温度が、 述する第一の主樹脂成分及び第二の主樹脂 分のガラス転移温度よりも低く、所定の硬 温度以上になると重合する樹脂であり、接 剤層に硬化性を付与する。

 前記液状樹脂は、ガラス転移温度が常温( 30℃)よりも低く、常温(30℃)では液体である 、常温(30℃)よりも高い所定の硬化温度以上 加熱されると重合する樹脂である。その重 物は常温(30℃)では固体である。

 前記結晶性樹脂は、常温(30℃)で固体(結 )であっても、常温(30℃)よりも高い所定の溶 融温度に一旦加熱して溶融させた後は、常温 (30℃)に戻しても液状のままの樹脂である。 融させた後の結晶性樹脂は、所定の硬化開 温度以上に加熱されると重合する。その重 物は常温(30℃)では固体である。

 前記結晶性樹脂としては、具体的には、 ポキシ樹脂、アクリレート、メタクリレー 、シランカップリング剤、メラミン樹脂、 びフェノール樹脂などが挙げられる。

 前記第一の接着剤層及び後述する第二の 着剤層には、同じ種類の副樹脂成分を含有 せてもよいし、異なる種類の副樹脂成分を 有させてもよいが、第一の接着剤層及び第 の接着剤層の密着性を高めるためには、同 種類の副樹脂成分を含有させることが好ま い。

―第一の主樹脂成分―
 第一の主樹脂成分としては、前記副樹脂成 よりもガラス転移温度が高いものであれば 特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す ことができる。例えば、フェノキシ樹脂、 リウレタン樹脂、飽和ポリエステル、アク ルゴム、NBRゴム、ポリプタジエンゴム、ポ スチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル びそれら共重合体などが挙げられる。これ の樹脂は、熱可塑性樹脂である。
 前記第一の主樹脂成分は、常温(30℃)で固体 の固形樹脂である。即ち、第一の主樹脂成分 のガラス転移温度は常温(30℃)よりも高い。                
 前記第一の主樹脂成分は、シート状にする の膜成分として重要な役割を果たす。

 前記第一の主樹脂成分は、ガラス転移温 を境に固体と液体とで変化する樹脂であっ 、ガラス転移温度が常温(30℃)よりも高いも のであれば、熱可塑性樹脂に限定されず、例 えば、ガラス転移温度が重合開始温度よりも 低く、かつ、常温(30℃)よりも高い熱硬化性 脂を用いることができる。前記熱硬化性樹 としては、主骨格の末端にエポキシ基が結 した高分子エポキシ樹脂、或いは末端エポ シ基をアクリル化したエポキシアクリレー などが挙げられる。前記第一の主樹脂成分 して用いる熱硬化性樹脂は、副樹脂成分に いる熱硬化性樹脂よりも分子量が高い。

―その他の成分―
 前記その他の成分としては、特に制限はな 、目的に応じて適宜選択することができ、 えば、無機フィラー、有機フィラーなどが げられる。

<第二の接着剤層>
前記第二の接着剤層は、副樹脂成分及び第二 の主樹脂成分を少なくとも含み、目的に応じ て適宜選択したその他の成分を含んでなる。 なお、前記第二の接着剤層における副樹脂成 分は、前記第一の接着剤層において記載した 通りである。

―第二の主樹脂成分―
 第二の主樹脂成分としては、前記副樹脂成 よりもガラス転移温度が高く、かつ、前記 一の主樹脂成分よりもガラス転移温度が低 ものであれば、特に制限はなく、目的に応 て適宜選択することができる。例えば、フ ノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、飽和ポリ ステル、アクリルゴム、NBRゴム、ポリプタ エンゴム、ポリスチレン、ポリエチレン、 リ酢酸ビニル及びそれら共重合体などが挙 られる。これらの樹脂は、熱可塑性樹脂で る。
 前記第二の主樹脂成分は、常温(30℃)で固体 の固形樹脂である。即ち、第二の主樹脂成分 のガラス転移温度は常温(30℃)よりも高い。                
 前記第二の主樹脂成分は、シート状にする の膜成分として重要な役割を果たす。

 前記第二の主樹脂成分は、ガラス転移温 を境に固体と液体とで変化する樹脂であっ 、ガラス転移温度が常温(30℃)よりも高いも のであれば、熱可塑性樹脂に限定されず、例 えば、ガラス転移温度が重合開始温度よりも 低く、かつ、常温(30℃)よりも高い熱硬化性 脂を用いることができる。前記熱硬化性樹 としては、主骨格の末端にエポキシ基が結 した高分子エポキシ樹脂、或いは末端エポ シ基をアクリル化したエポキシアクリレー などが挙げられる。前記第二の主樹脂成分 して用いる熱硬化性樹脂は、副樹脂成分に いる熱硬化性樹脂よりも分子量が高い。

 前記第一の主樹脂成分及び前記第二の主 脂成分は、それぞれ一種類を、前記第一の 着剤層及び前記第二の接着剤層に含有させ もよいし、二種類以上を第一の接着剤層及 前記第二の接着剤層に含有させてもよい。

 前記第一の主樹脂成分及び前記第二の主 脂成分としては、同じ種類の樹脂を用いて よいし、異なる種類の樹脂を用いてもよい 第一の主樹脂成分及び前記第二の主樹脂成 として、同じ種類の樹脂を用いる場合は、 記第二の主樹脂成分よりも分子量の高い樹 を前記第一の主樹脂成分とすれば、前記第 の主樹脂成分のガラス転移温度が、前記第 の主樹脂成分のガラス転移温度よりも高く る。

 前記第一の主樹脂成分としては、ガラス転 温度が、第一の反応ピーク温度(第一の接着 剤層の反応ピーク温度)及び第二の反応ピー 温度(第二の接着剤層の反応ピーク温度)より も高いものを用いる。
 これに対し、前記第二の主樹脂成分として 、ガラス転移温度が、前記第一の主樹脂成 のガラス転移温度よりも低く、かつ、第一 反応ピーク温度及び第二の反応ピーク温度 りも低いものを用いる。

 前記反応ピーク温度とは、示差走査熱量測 (DSC)を行った時に、得られたDSC曲線の発熱 ークが最大となる温度である。
 前記第一の反応ピーク温度及び前記第二の 応ピーク温度は、それぞれ60℃以上140℃以 の範囲にあることが好ましい。

 前記第一の反応ピーク温度及び前記第二 反応ピーク温度が60℃より低いと、接着フ ルムを基板等の被着体に仮固定する際に、 記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層 反応が開始してしまう可能性があり、好ま くない。

 また、前記第一の反応ピーク温度及び前 第二の反応ピーク温度が140℃より高い場合 、2つの被着体で接着フィルムを挟持して加 熱押圧する本圧着工程で、前記第一の接着剤 層及び前記第二の接着剤層を硬化させるのに 要する時間が、20秒間を超えてしまい、短時 接続ができなくなり、量産性を悪化させる また、20秒間以下の短時間で接続できたと ても、その場合、250℃以上の高温で接続し ければならなくなり、被着体へのダメージ 大き過ぎるため好ましくない。

 前記第一の反応ピーク温度と、前記第二 反応ピーク温度との差が10℃を超えると、 記第一接着剤層及び前記第二の接着剤層の ち、反応ピーク温度の低い方が先に硬化し しまうため、本圧着工程で押し込み速度の 限を受けるだけでなく、接続完了時間にも を生じることから、短時間接続に不向きと るため実用性に欠ける。

 前記第一の主樹脂成分及び前記第二の主 脂成分として、ガラス転移温度が30℃以下 ものを用いると、接着フィルムをリール状 製品にした際に常温(30℃)以上の放置下では 着剤がはみ出しを起こし易くなり、ブロッ ング(引き出せなくなる)の原因となるため ましくない。

―その他の成分―
 その他の成分としては、特に制限はなく、 的に応じて適宜選択することができ、例え 、導電性粒子、無機フィラー、有機フィラ などが挙げられる。

<その他の層>
 その他の層としては、特に制限はなく、目 に応じて適宜選択することができる。

 ここで、本発明の接着フィルムを製造す 工程の一例について、以下に図面を参照し がら説明する。

 副樹脂成分、第一の主樹脂成分、導電性粒 、カップリング剤又は硬化剤等の添加剤、 び溶剤を混合して、第一の原料液を作製す 。
 副樹脂成分、第一の主樹脂成分よりもガラ 転移温度が低い第二の主樹脂成分、カップ ング剤又は硬化剤等の添加剤、及び溶剤を 合して第二の原料液を作製する。

 前記第一の接着剤層及び第二の接着剤層 での副樹脂成分の重合反応を促進させるた に、第一の原料液及び第二の原料液には、 れぞれ硬化剤を含有させることが好ましい

 前記硬化剤としては、前記第一の接着剤 及び前記第二の接着剤層中の副樹脂成分を 硬化させるものであれば、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができる。 えば、ポリアミン、ポリアミド、イミダゾ ル、それらをマイクロカプセル化させたア ン系硬化剤、オニウム塩又はスルホニウム などのカチオン系硬化剤、有機化酸化物等 ラジカル開始剤、酸無水物、及びチオール 硬化剤などが挙げられる。

 前記硬化剤は、単独で第一の原料液及び 二の原料液に添加してもよいし、二種類以 を第一の原料液及び第二の原料液に含有さ てもよい。

 また、前記第一の反応ピーク温度及び前 第二の反応ピーク温度の差が10℃以下にな ように、第一の主樹脂成分、第二の主樹脂 分、副樹脂成分、及び硬化剤を組み合わせ 、原料液を作製することが好ましい。

 図1A及び図1Bでは、剥離フィルム21及び剥 フィルム22の表面に、それぞれ第一の原料 及び第二の原料液を塗布して塗布層を形成 た後、塗布層を乾燥して余分な溶剤を除去 、フィルム状の第一の接着剤層11及び第二の 接着剤層12を形成する。

 上述したように、第一の原料液には導電 粒子15が含有されるから、図1Aでは、第一の 接着剤層11中に導電性粒子15が分散されてい 。また、第二の接着剤層12中には導電性粒子 15が分散されておらず、分散されていたとし も、その粒子密度は第一の接着剤層11より 小さい。

 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12の 、剥離フィルムを有しない面を互いに密着さ せ、押圧ロール等で押圧して、第一の接着剤 層11と第二の接着剤層12とを貼り合わせるこ により、本発明の接着フィルム10が得られる (図1C)。

 なお、接着フィルム10の製造方法は、第 の接着剤層11と第二の接着剤層12とを貼り合 せる場合に限定されず、フィルム状の第一 接着剤層11の表面に第二の原料液を塗布し 後、乾燥させて、第二の接着剤層12を形成し てもよいし、フィルム状の第二の接着剤層12 面に第一の原料液を塗布した後、乾燥させ 、第一の接着剤層11を形成してもよい。

 接着フィルム10は、第一の接着剤層11及び 第二の接着剤層12の表面のいずれか一方、又 両方に、剥離フィルム21及び剥離フィルム22 を貼付した状態で巻き取れば、接着フィルム 10のロール18が得られる(図4)。

 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12が 軟化すると、軟化した部分がはみ出し、接着 フィルム10同士が接着して、ロール18から接 フィルム10が巻き出せなくなる(ブロッキン )。

 第一の主樹脂成分及び第二の主樹脂成分 して、ガラス転移温度が30℃以上のものを いれば、常温(30℃)では第一の接着剤層11及 第二の接着剤層12が軟化も溶融もしないので 、ロール18を常温(30℃)で長時間保管してもブ ロッキングが起こらず、ロール18の棚時間が くなる。

 次に、本発明の接着フィルム10を用いて 基板を電子部品に接続する工程の一例につ て説明する。

 本発明の接着フィルム10を用いて接続する 着体としては、特に制限はなく、例えば、 子部品4(第二の基板)は、半導体チップの他 も、抵抗素子、COF(Chip On Film)デバイス、TAB( Tape Automated Bonding)デバイスなどが挙げあら る。
 基板3(第一の基板)としては、ガラス基板に 定されず、リジッド基板、フレキシブル配 板などが挙げられる。

 図2Aでは、被着体である基板3(LCDパネル等 )が、ガラス板のような基板本体31、及び基板 本体31の表面上に所定間隔を空けて配置され 複数の第一の端子35(電極)を有している。

 第一の接着剤層11から剥離フィルム21を剥離 し、第一の接着剤層11表面を露出させ、接着 ィルム10の第一の接着剤層11が露出する面を 、基板3の第一の端子35が露出する面に密着さ せ、仮貼りする(図2B)。
 第二の接着剤層12に剥離フィルム22が密着し ている場合は、仮貼り前、又は仮貼り後に、 剥離フィルム22を剥離し、第二の接着剤層12 面を露出させる。

 図2Cの基板3に接続される電子部品4は、基 板3よりも平面形状が小さい電子部品を示し おり、電子部品4は部品本体41、及び部品本 41の一面に配置された複数の第二の端子45(電 極)を有している。

 各第一の端子35の中心位置間の距離(ピッ )と、各第二の端子45との中心位置間の距離( バンプ間スペース)は等しくなっており、各 一の端子35の真上位置に、第二の端子45がそ ぞれ位置するように、電子部品4を位置あわ せし、図2Dに示すように、電子部品4の第二の 端子45が配置された側の面を、第二の接着剤 12表面に密着させ、仮固定する。

 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12の 反応ピーク温度は、いずれも、第一の主樹脂 成分のガラス転移温度よりも低く、かつ、第 二の主樹脂成分のガラス転移温度よりも高く されている。

 加熱手段51を第一の主樹脂成分のガラス 移温度よりも高い温度に昇温させ、該加熱 段51を、仮固定された基板3と電子部品4のい れか一方又は両方に押し当てる(図2D)。

 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12は熱 伝導によって徐々に昇温し、先ず、第二の主 樹脂成分のガラス転移温度に達すると、第二 の接着剤層12が溶融し、押圧によって、第二 端子45の先端が溶融した第二の接着剤層12を 押し退ける。
 押し退けられた第二の接着剤層12が隣接す 第二の端子45間に流れ込むが、第二の接着剤 層12には導電性粒子が分散されていないから 隣接する第二の端子45間は短絡(ショート)し ない。

 第一の主樹脂成分のガラス転移温度は第 の主樹脂成分のガラス転移温度よりも高い ら、第一の接着剤層11は溶融せず、第一の 子35と第二の端子45との間から第一の接着剤 11が流れ出さない。従って、導電性粒子15は 第一の端子35と第二の端子45との間から流れ さずに第一の接着剤層11に残る。

 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12が 反応ピーク温度に達する前に、第二の端子45 先端から第二の接着剤層12を押し退け、そ 先端を第一の接着剤層11に接触させて更に押 圧する(図3)。

 第一の接着剤層11は第二の主樹脂成分の ラス転移温度以上反応ピーク温度以下の温 範囲では、溶融も硬化もしておらず、流動 は有していないが、弾性変形可能である。

 第一の接着剤層11の膜厚は、導電性粒子15 の平均粒径の0.5倍以上2.0倍以下と薄くなって おり、第二の端子45が第一の接着剤層11に接 した状態で更に加熱押圧すると、第一の接 剤層11が弾性変形し、第一の端子35及び第二 端子45が、導電性粒子15を挟持して、電気的 に接続される。

 導電性粒子15の間には、少なくとも第一 接着剤層11が位置しており、第一の端子35及 第二の端子45の先端は、導電性粒子15だけで なく第一の接着剤層11にも接触している。

 加熱押圧を続け、第一の端子35及び第二 端子45で導電性粒子15を挟持した後、第一の 着剤層11及び第二の接着剤層12を反応ピーク 温度に昇温させると、第一の接着剤層11及び 二の接着剤層12中の副樹脂成分の重合反応 進行して、第一の接着剤層11及び第二の接着 剤層12が硬化し、第一の端子35及び第二の端 45の先端は、硬化した第一の接着剤層11によ て固定される。

 なお、押圧によって第二の端子45間に流 込んだ第二の接着剤層12は、第二の端子45の 囲と、互いに隣接する第二の端子45間に露 する部品本体41に密着した状態で硬化する。

 第一の接着剤層11は加熱押圧の時に、第 の端子35と第二の端子45との間から流れ出さ いが、変形して、互いに隣接する第一の端 35間の基板本体31に密着した状態で固化する 。従って、第一の端子35及び第二の端子45の 端だけでなく、その周囲の部分も、硬化し 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12で固 され、電子部品4が基板3に機械的に接続さ る。

 なお、第一の接着剤層11は、一旦硬化す と、第一の主樹脂成分のガラス転移温度に しても溶融しない。即ち、第一の接着剤層11 は硬化する前も硬化した後も、溶融せず、導 電性粒子15が第一の端子35上から流れ出さな から、第一の端子35と第二の端子45との間の 電性粒子15の密度は高いまま維持され、隣 する第一の端子35間の導電性粒子15の密度は くならない。従って、本発明の接着フィル 10で接続された電子部品4と基板3とは、接続 信頼性が高い。

 隣接する端子間に形成される凹部の深さ 端子の高さとすると、第一の接着剤層11と 着する側の被着体(例えば基板3)の第一の端 35は、第二の接着剤層12と密着する側の被着 (例えば電子部品4)の第二の端子45の高さよ も低く、仮固定後、又は本圧着後に、隣接 る第一の端子35間の凹部底面に、第一の接着 剤層11が接触するようにすれば、第一の接着 層11と被着体の接触面積が大きくなるから 接続体の機械的強度が増す。

以下、実施例及び比較例により本発明を更 に具体的に説明するが、本発明は下記実施例 により限定されるものではない。

 主樹脂成分を、トルエン及び酢酸エチルを1 :1で混合した混合溶媒中に溶解させて、固形 (主樹脂成分)を30重量%含有する溶解液を得 。
 各溶解液に、副樹脂成分、導電性粒子、及 カップリング剤を、下記表1に記載する配合 比率(重量比)になるよう混合して、第一の原 液及び第二の原料液を4種類ずつ作製した。

 各第一の原料液及び第二の原料液を、剥離 ィルム21及び剥離フィルム22に塗布し、60℃ 10分乾燥して、第一の接着剤層A1~A4及び第二 の接着剤層N1~N4を作製した。
 第一の接着剤層A1~A4及び第二の接着剤層N1~N4 の原料液に用いた固形成分の配合比率を下記 表1に記載する。

 なお、上記表1中の、ガラス転移温度(Tg点 )の欄の「-」は、室温で液状であることを示 。

 硬化剤(旭化成ケミカルズ(株)社製の商品名 HX3941HP」)は、アミン系硬化剤がマイクロカ セル化されたマイクロカプセル型アミン系 ポキシ硬化剤である。副樹脂成分(ジャパン エポキシレジン(株)社製の商品名「EP828」)は ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂であり 、常温(30℃)で液状の熱硬化性樹脂である。
 主樹脂成分のうち、商品名「YP70」は、ガラ ス転移温度(Tg点)が84℃、分子量が5.5万の東都 化成社製のフェノキシ樹脂であり、商品名「 YDF2001」は、ガラス転移温度(Tg点)が54℃の東 化成社製の固形ビスF型エポキシ樹脂であり 商品名「FX293」は、ガラス転移温度(Tg点)が1 63℃、分子量が4.5万の東都化成社製のフェノ シ樹脂であり、商品名「EP4250」はガラス転 温度(Tg点)108℃、分子量が6万のジャパンエ キシレジン(株)社製のフェノキシ樹脂であり 、商品名「SG708-6T」はガラス転移温度(Tg点)が -8℃、分子量が50万、固形分15%(トルエン/酢酸 エチル=1/1)のナガセケムテック(株)社製のア リルゴムである。
 商品名「KBE403」は、信越化学工業(株)社製 エポキシシランである。
 商品名「AUL704」は、積水化学工業(株)社製 Ni/Auメッキ樹脂粒子(平均粒径4μm)である。

 ティー・エイ・インスツルメント社製のD SC Q100を用い、第一の接着剤層11及び第二の 着剤層12の昇温速度が10℃/分の条件で、各第 一の接着剤層A1~A4及び第二の接着剤層N1~N4のDS C測定を行い、反応ピーク温度を求めた。得 れた第一の接着剤層A4のDSC曲線を、主樹脂成 分(商品名「YP70」と商品名「FX293」)のDSC曲線 共に、図5に示す。

 図5の縦軸は熱流量を、横軸は温度をそれ ぞれ示す。図5では、第一の接着剤層A4のDSC曲 線Ld、商品名「FX293」のDSC曲線La、及び商品名 「YP70」のDSC曲線Lbを示している。

 図5では、第一の接着剤層A4は、121℃で熱 量が最大、即ち、副樹脂成分の重合反応に る発熱量が最大になっており、第一の接着 層A4の反応ピーク温度が、121℃であること 示している。

 なお、「FX293」のDSC曲線Laと「YP70」のDSC 線Lbは、163℃と84℃で溶融による吸熱で、熱 量が低くなっており、「FX293」と「YP70」の ラス転移温度はそれぞれ163℃と、84℃であ ことを示している。

 次に、第一の接着剤層A1~A4及び第二の接着 層N1~N4を下記表2の組み合わせで、ゴムロー で貼り合わせて、膜厚20μmの実施例X4、Y1~Y3 び比較例X1~X3の接着フィルム10を得た。

 実施例X4、Y1~Y3及び比較例X1~X3の接着フィル 10を光学顕微鏡で観察し、1mm 2 当たりの導電性粒子密度を測定したところ、 上記表2に示したように、各接着フィルム10の 導電性粒子密度は同じであった。

 次に、実施例X4、Y1~Y3及び比較例X1~X3の接 フィルム10を用いて、下記に示す実装工程 、電子部品(ICチップ)と基板との接続を行っ 。

<実装工程>
 評価基材として評価試験用のICチップ(材質: シリコン、平面積1.8mm×20mm、厚さ:0.5mm、金バ プ、バンプ高さ:15μm、バンプ面積:20μm×85μm 、バンプ間スペース10μm、バンプ中心間距離( ピッチ):30μm)及び評価試験用のITOパターンガ ス(基板本体:コーニング社の製品名「1737F」 、ガラスサイズ:50mm×30mm×0.7mm、ITOパッド(端 )サイズ20μm×85μm、パッド中心間距離(ピッチ ):30μm)を用意した。

 ITOパターンガラスに、縦2.0mm×横25mmの長 形形状にカットした比較例X1~X3及び実施例X4 Y1~Y3の接着フィルム10を、膜厚70μmのテフロ (登録商標)緩衝材を介して、仮圧着機(ツー サイズ2.0mm×50mm)で押圧して仮貼りした。仮 りは、仮圧着機温度が80℃、仮圧着機の押 力1MPaで、2秒間行った。

 各接着フィルム10から、剥離フィルム21及び 剥離フィルム22を剥がした後、ICチップをア イメントして接着フィルム10に乗せ、ガラス 基板上に仮固定した。
 次いで、膜厚50μmのテフロン(登録商標)緩衝 材を介して、本圧着装置(ツールサイズ30mm×50 mm)をICチップに押し当てて加熱押圧し、7種類 の接続体を得た(本圧着)。本圧着条件は本圧 装置の温度が190℃、本圧着装置の押圧力3MPa で10秒間行った。

<捕捉効率>
 上記実装工程で、仮固定後にICチップの1つ バンプの下方にある導電性粒子の数と、本 着後にICチップの1つのバンプ及びITOパター ガラスの1つのITOパッドで挟持された導電性 粒子の数(粒子捕捉数)を測定した。
 測定は、100個のバンプについて行い、粒子 捉数の最大値、最小値、平均値、及び捕捉 率(単位:%)を下記表3に示す。

 なお、捕捉効率とは、ICチップを仮固定し 際にバンプ下に存在する粒子数に対し、本 着後に何個の粒子がどれだけ捕捉されたか パーセンテージで示した値であり、下記式(1 )により求められる。
 捕捉効率(%)=(本圧着後の粒子捕捉数)/(仮固 後にバンプ下に存在する粒子数)×100……式(1 )
 実施例X4、Y1~Y3では高い捕捉効率の値が得ら れた(43%~71%)。その中でも実施例Y1~Y3では、60% 上の捕捉効率を示し、より好ましいことが かる。

<導通抵抗>
 本圧着後、対向する1つのバンプと、1つの 子との間の導通抵抗を測定した。測定は100 所について行い、導通抵抗の最小値、最大 、及び平均値を上記表3に記載した。
 上記表3から明らかなように、実施例Y1~Y3は 較例X1~X3に比べて粒子捕捉数が多く、導通 抗も低い傾向があり、本発明の接着フィル 10を電子部品の接続に用いれば、接続信頼性 が向上することが確認された。

<ショート発生率>
 ICチップのバンプ、及びITOパターンガラス 配線(ITOパッド)が、横方向に7mmずれるように ミスアライメントを行った以外は、上記実装 工程で記載した条件で、ICチップをITOパター ガラスに接続し、接続体を作製した。

 接続体の隣接するITOパッド間に、30Vの電圧 加え絶縁抵抗を測定した。ショート発生基 は、1.0×10-6ω以下をショートと判定し、シ ート発生数を数えた。更に、接続体を通電 たまま温度85℃、湿度85%の高温高湿環境下に 500時間放置した後、ショート発生数を400箇所 で測定し、ショート発生率を求めた。測定結 果を下記表4に示す。
 上記表4から分かるように、実施例X4、Y1~Y3 比較例X1~X3に比べて初期も高温高湿環境下で 放置後もショート発生率が低かった。

<ブロッキング>
 実施例X4、Y1~Y3及び比較例X1~X3の接着フィル 10を、それぞれ幅1.5mm、長さ100mに切り出し ものをリールに巻き取り、ブロッキングが 生しないか確認をおこなった。なお、接着 ィルム10は片面に剥離フィルムを貼付した状 態でリールに巻き取った。

 ブロッキングの確認方法としては、先ず き取った導電性接着フィルムの末端部に30g 重りをぶら下げて30℃雰囲気中(圧着装置内 雰囲気を想定)に2時間放置した。その後、 温雰囲気中で導電性接着フィルムを引き出 てみて、接着フィルムが巻き出せない現象( ロッキング)が起こるか否かを調べた。

 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12がは み出しを起こし、はみ出した部分が接着して 、巻き出せなかったものを×、正常に巻き出 たものを○と判断した。その結果を下記表5 に示す。
 上記表5から分かるように、第一の主樹脂成 分及び第二の主樹脂成分として、ガラス転移 温度が30℃未満のものを用いた比較例X1では ロッキングが起こったが、実施例X4、Y1~Y3で ブロッキングが起こらなかった。

 実施例X4、Y1~Y3は、第二の主樹脂成分のガ ラス転移温度が50℃以上110℃以下の範囲にあ 、第一の主樹脂成分のガラス転移温度が110 を超えており、第二の主樹脂成分のガラス 移温度よりも高い。

 従って、第二の主樹脂成分のガラス転移 度が50℃以上110℃以下の範囲にあり、第一 主樹脂成分のガラス転移温度が第二の主樹 成分のガラス転移温度よりも高ければ、接 フィルム10の実際の使用において、巻き出し トラブルが少ないことが分かる。