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Patent Searching and Data


Title:
ADHESIVE FILM, CONNECTION METHOD, AND ASSEMBLY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/001771
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: an adhesive film which enables to connect an electronic component to a substrate without causing short-circuiting; a connection method; and an assembly. The adhesive film comprises a first adhesive layer and a second adhesive layer closely adhered to the first adhesive layer. The first adhesive layer has a minimum viscosity higher than that of the second adhesive layer, wherein the minimum viscosity is measured at a temperature equal to or lower than the curing start temperature at which the first or second adhesive layer starts to cure. The first and second adhesive layers are faced toward a substrate and an electronic member, respectively, so that the electronic member can be connected to the substrate by pressing against the substrate and the electronic member while heating. The first adhesive layer has an electrically conductive particle dispersed therein, and has a thickness less than twice the average particle diameter of the electrically conductive particle.

Inventors:
ISHIMATSU TOMOYUKI (JP)
OZEKI HIROKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061320
Publication Date:
December 31, 2008
Filing Date:
June 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
ISHIMATSU TOMOYUKI (JP)
OZEKI HIROKI (JP)
International Classes:
C09J7/10; C09J9/02; C09J11/00; C09J201/00; H01B5/16; H01R11/01
Domestic Patent References:
WO2001071854A12001-09-27
Foreign References:
JP2005200521A2005-07-28
JP2005146044A2005-06-09
Attorney, Agent or Firm:
HIROTA, Koichi et al. (NAGARE & ASSOCIATES4th floorShinjuku TR Bldg.,2-2-13, Yoyogi, Shibuya-ku, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 第一の接着剤層と、前記第一の接着剤層に密着された第二の接着剤層とを有し、
前記第一の接着剤層は、硬化が開始する硬化開始温度以下での最低粘度が、
前記第二の接着剤層の、硬化が開始する硬化開始温度以下での最低粘度よりも高く、
前記第一の接着剤層と前記第二の接着剤層とを、それぞれ基板と電子部品側とに向け、前記基板と前記電子部品とを加熱押圧すると、前記電子部品が前記基板に接続される接着フィルムであって、
 前記第一の接着剤層には導電性粒子が分散され、
前記第一の接着剤層の膜厚が、前記導電性粒子の平均粒径の2倍未満であることを特徴とする接着フィルム。
 第二の接着剤層の最低粘度が、導電性粒子が含有された状態の第一の接着剤層の最低粘度の0.05倍以上0.2倍以下である請求の範囲第1項に記載の接着フィルム。
 第一の接着剤層が最低粘度となる温度と、第二の接着剤層が最低粘度となる温度との差が、10℃以下である請求の範囲第1項から第2項のいずれかに記載の接着フィルム。
 基板の端子と、電子部品の端子とを、請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の接着フィルムを介して対向させ、前記基板と前記電子部品とを加熱押圧することにより、前記基板の端子と前記電子部品の端子との間に前記接着フィルム中の導電性粒子を挟持させて、前記基板と前記電子部品とを接続することを特徴とする接続方法。
請求の範囲第4項に記載の接続方法を用いて接続された基板と電子部品とを備えることを特徴とする接合体。 
Description:
接着フィルム、接続方法及び接 体

 本発明は、電子部品を基板に接続させる とが可能な接着フィルム、接続方法及び接 体に関する。

 従来より、基板に電子部品又は配線板を接 する際には、異方導電性接着剤が用いられ いる。異方導電性接着剤は、バインダー及 バインダー中に分散された導電性粒子を有 ている。
 基板の端子が配置された面と、電子部品の 子が配置された面との間に、異方導電性接 剤を配置し、加熱押圧すると、軟化したバ ンダーが、基板の端子と電子部品の端子と 間から押し退けられ、導電性粒子が、基板 端子と電子部品の端子の間に挟持され、基 と電子部品とが電気的に接続される。

 しかし、バインダーが押し退けられるとき は、導電性粒子の一部が、バインダーと一 に押し退けられ、押し退けられた導電性粒 が、基板の隣接する端子間、又は、電子部 の隣接する端子間に流れ込み、隣接する端 間が導電性粒子で短絡(ショート)すること ある。
 また、導電性粒子が、基板の端子と電子部 の端子との間から押し退けられると、基板 端子と電子部品の端子とで、導電性粒子が 持される数が少なくなり、導通信頼性も劣 。

特開2006-32335号公報

特開平7-230840号公報

 本発明は、前記従来における諸問題を解決 、以下の目的を達成することを課題とする 即ち、
本発明は、短絡(ショート)を起こさずに電子 品を基板に接続させることが可能な接着フ ルム、接続方法及び接合体を提供すること 目的とする。

 前記課題を解決するための手段としては、 下の通りである。即ち、
<1>第一の接着剤層と、前記第一の接着剤 層に密着された第二の接着剤層とを有し、前 記第一の接着剤層は、硬化が開始する硬化開 始温度以下での最低粘度が、前記第二の接着 剤層の、硬化が開始する硬化開始温度以下で の最低粘度よりも高く、前記第一の接着剤層 と前記第二の接着剤層とを、それぞれ基板と 電子部品側とに向け、前記基板と前記電子部 品とを加熱押圧すると、前記電子部品が前記 基板に接続される接着フィルムであって、前 記第一の接着剤層には導電性粒子が分散され 、前記第一の接着剤層の膜厚が、前記導電性 粒子の平均粒径の2倍未満であることを特徴 する接着フィルムである。
<2>第二の接着剤層の最低粘度が、導電性 粒子が含有された状態の第一の接着剤層の最 低粘度の0.05倍以上0.2倍以下である前記<1> ;に記載の接着フィルムである。
<3>第一の接着剤層が最低粘度となる温度 と、第二の接着剤層が最低粘度となる温度と の差が、10℃以下である前記<1>から<2&g t;のいずれかに記載の接着フィルムである。
<4>基板の端子と、電子部品の端子とを、 前記<1>から<3>のいずれかに記載の接 着フィルムを介して対向させ、前記基板と前 記電子部品とを加熱押圧することにより、前 記基板の端子と前記電子部品の端子との間に 前記接着フィルム中の導電性粒子を挟持させ て、前記基板と前記電子部品とを接続するこ とを特徴とする接続方法である。
<5>前記<4>に記載の接続方法を用いて 接続された基板と電子部品とを備えることを 特徴とする接合体である。

 本発明によれば、前記従来における諸問 を解決することができ、前記目的を達成す ことができ、短絡(ショート)を起こさずに 子部品を基板に接続させることが可能な接 フィルム、接続方法及び接合体を提供する とができる。

 図5は、接着剤の粘度と温度との関係を示す グラフであり、同図の横軸は、接着剤の温度 を示し、縦軸は粘度(MPa)である。なお、図5の 縦軸は、対数表示である。
 図5に示すように、熱硬化性樹脂を含有する 接着剤が昇温すると、接着剤は、ある温度( こでは約100℃)範囲までは温度が高くなる程 度が低下するが、ある温度を超えると、熱 化性樹脂の重合が開始して接着剤が硬化す ため、粘度が上昇に転じる。

 本発明で最低粘度とは、例えば、接着剤層 含まれる熱硬化性樹脂の重合が開始する硬 開始温度時の粘度、即ち、低下から上昇に じる時の粘度である。
 図5の符号Aは、導電性粒子が分散された状 の接着剤(第一の接着剤層)の粘度と温度との 関係を示し、同図の符号Nは、導電性粒子が 散されていない接着剤(第二の接着剤層)の粘 度と温度との関係を示している。

 第一の接着剤層及び第二の接着剤層が、 硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを含有して る場合、熱硬化性樹脂の種類又は配合量、 可塑性樹脂の種類又は配合量を変えること 、図5に示したように、第一の接着剤層の最 低粘度を、第二の接着剤層の最低粘度よりも 高くすることができる。

 第一の接着剤層は、少なくとも最低粘度 達する前までは、第二の接着剤層よりも粘 が高いから、少なくとも硬化開始前は、第 の接着剤層に比べて流動性が低く、第一の 着剤層に分散された導電性粒子の移動性も い。

 第一の接着剤層及び第二の接着剤層には 熱硬化性樹脂の重合を促進させるために、 化剤を添加することが好ましい。第一の接 剤層及び第二の接着剤層に用いる熱硬化性 脂の種類又は配合量、硬化剤の種類又は配 量を変えることで、図5に示すように、第一 の接着剤層の硬化開始温度と、第二の接着剤 層の硬化開始温度との差を10℃以下にするこ ができる。

 本発明では、対向する端子間から、導電 粒子が押し退けられる量が少なくなるので 対向する端子間に捕捉される導電性粒子の が増え、隣接する端子間が導電性粒子で短 (ショート)せず、導通信頼性の高い接続体 得られる。

図1は、本発明の接着フィルムの一例を 示す断面図である。 図2は、接着フィルムをロールに巻き取 った状態を示す側面図である。 図3Aは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その1)。 図3Bは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その2)。 図3Cは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その3)。 図3Dは、電子部品を基板に接続する工 を説明する断面図である(その4)。 図4は、電子部品が基板に接続された状 態を示す断面図である。 図5は、粘度と温度との関係を示すグラ フである。

(接着フィルム)
本発明の接着フィルムは、第一の接着剤層と 、前記第一の接着剤層に密着された第二の接 着剤層とを少なくとも有し、更に必要に応じ て適宜選択したその他の層を有してなる。

<第一の接着剤層>
 前記第一の接着剤層は、導電性粒子を少な とも含み、更に必要に応じて適宜選択した の他の成分を含んでなる。

―導電性粒子―
前記導電性粒子としては、特に制限はなく、 目的に応じて適宜選択することができ、例え ば、金属粒子及び樹脂粒子の表面に金属メッ キ層が形成されたものなどが挙げられる。

―その他の成分―
 前記その他の成分としては、特に制限はな 、目的に応じて適宜選択することができ、 えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シラ カップリング剤、及び無機フィラーなどが げられる。
前記第一の接着剤層には、前記熱可塑性樹脂 を添加した方が、第一の接着剤層と第二の接 着剤層との接着力が向上し、前記シランカッ プリング剤を添加した方が、第一の接着剤層 と被着体との密着性が向上し、前記無機フィ ラーを添加した方が、難燃性及び隣接する端 子間の絶縁性が向上する。

―熱硬化性樹脂―
 前記熱硬化性樹脂としては、特に制限はな 、目的に応じて適宜選択することができ、 えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、及び 硬化性ポリエステル樹脂などが挙げられる

前記熱硬化性樹脂の種類によっては、前記 第一の接着剤層及び後述する第二の接着剤層 に硬化剤を添加する必要は無いが、硬化剤を 添加した方が硬化速度が速くなる。

――硬化剤――
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的 に応じて適宜選択することができる。例えば 、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、マイ クロカプセル化されたアミン系硬化剤を硬化 剤に用いればエポキシ樹脂がアニオン重合し 、オニウム塩やスルホニウム塩を硬化剤に用 いればエポキシ樹脂がカチオン重合し、また 、熱硬化性樹脂が熱硬化性ポリエステルの場 合は、有機過酸化物を硬化剤に用いればラジ カル重合する。

――熱可塑性樹脂――
 前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はな 、目的に応じて適宜選択することができ、 えば、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリエス ル樹脂、及びフッ素樹脂などが挙げられる

――シランカップリング剤――
 前記シランカップリング剤としては、特に 限はなく、目的に応じて適宜選択すること でき、例えば、ビニルシラン、エポキシシ ン、アミノシラン、メルカプトシラン、イ シアネートシランなどが挙げられる。

――無機フィラー――
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく 、目的に応じて適宜選択することができ、例 えば、シリカ、アルミナ、チタニアなどが挙 げられる。

前記第一の接着剤層の膜厚は、特に限定さ れないが、導電性粒子の平均粒径の2倍未満 好ましく、導電性粒子の平均粒径の50%以上15 0%以下がより好ましい。

<第二の接着剤層>
前記第二の接着剤層は、前記第一の接着剤層 と密着するものであれば、特に制限は無く、 必要に応じて適宜選択することができる。前 記第二の接着剤層は、例えば、熱硬化性樹脂 を含み、更に必要に応じて適宜選択したその 他の成分を含んでなる。なお、前記熱硬化性 樹脂は、前記第一の接着剤層において記載し た通りである。

―その他の成分―
 前記その他の成分としては、特に制限はな 、目的に応じて適宜選択することができ、 えば、熱可塑性樹脂、シランカップリング 、無機フィラー、及び導電性粒子などが挙 られる。なお、前記熱可塑性樹脂、前記シ ンカップリング剤、及び前記無機フィラー 、前記第一の接着剤層において記載した通 である。前記導電性粒子としては、前記第 の接着剤層において記載した通りであるが 前記第二の接着剤層における導電性粒子の 度は、前記第一の接着剤層における導電性 子の密度よりも小さい。

 前記第二の接着剤層には、熱可塑性樹脂 添加した方が、前記第二の接着剤層との接 力が向上し、シランカップリング剤を添加 た方が、前記第二の接着剤層と被着体との 着性が向上し、無機フィラーを添加した方 、難燃性及び隣接する端子間の絶縁性が向 する。

 更に、加熱によって粘度が低下するので れば、前記第一の接着剤層及び前記第二の 着剤層の両方に熱硬化性樹脂を含有させる 要は無い。例えば、前記第一の接着剤層及 前記第二の接着剤層のいずれか一方又は両 に熱硬化性樹脂を含有させず、樹脂成分と て熱可塑性樹脂だけを含有させてもよい。

 前記第一の接着剤層及び前記第二の接着 層は、DSC(示差走査熱分析)の発熱ピーク温 領域が60℃~140℃であることが好ましい。60℃ よりも低い場合は、接着フィルムを被着体に 仮貼り、仮固定する際に、第一の接着剤層及 び第二の接着剤層が硬化してしまう虞があり 、140℃よりも高い場合は、本圧着に要する時 間が20秒を超え、量産性が悪くなる。なお、D SCの発熱ピークが出現する温度は硬化開始温 であり、即ち、本発明では硬化開始温度が6 0℃以上140℃以下であることが好ましい。

 前記第一の接着剤層と前記第二の接着剤 とで、硬化開始温度に差がありすぎると、 一の端子及び第二の端子が導電性粒子を挟 する前に、どちらかの接着剤層が硬化して まう虞があるので、前記第一の接着剤層の 化開始温度と、前記第二の接着剤層の硬化 始温度との差は、10℃以下が好ましい。

 前記第一の接着剤層及び前記第二の接着 層は、10Pa・s以上100,000Pa・s以下が好ましい 10Pa・s未満の場合は、粘度が低下したとき 気泡を巻き込みやすく、100,000Pa・sより高い 合は被着体を押し込めず、良好な接続抵抗 得られない場合がある。

 前記第二の接着剤層の最低粘度は、前記 一の接着剤層の最低粘度よりも低ければ、 に限定されないが、前記第一の接着剤層の 低粘度の0.05倍以上0.2倍以下であることがよ り好ましい。

<その他の層>
その他の層としては、特に制限はなく、目的 に応じて適宜選択することができる。

 ここで本発明の接着フィルムの一例につ て、以下に図面を参照しながら説明する。

 図1では、本発明の接着フィルム10の一例を している。
 接着フィルム10は、第一の接着剤層11と、第 一の接着剤層11の表面に配置された第二の接 剤層12とを有し、第一の接着剤層11には、導 電性粒子15が分散されている。導電性粒子15 、第一の接着剤層11だけに分散されており、 第二の接着剤層12には導電性粒子は分散され いない。

 ここでは、接着フィルム10の第二の接着 層12側の面に、剥離フィルム19が密着配置さ ており、図2に示すように、剥離フィルム19 密着した状態の接着フィルム10を巻き取っ ロール18を形成すると、第一の接着剤層11の 面が剥離フィルム19の裏面に密着する。

 図3Aでは、被着体である基板3の一例を示 ている。基板3は、例えば、LCDパネルなどで あって、ガラス板のような基板本体31及び基 本体31の表面上に配置された複数の第一の 子35を有している。

 図2に示すように、ロール18から接着フィ ム10を繰り出し、第一の接着剤層11を剥離フ ィルム19裏面から剥離させて、第一の接着剤 11の表面を露出させ、接着フィルム10を所定 形状に切り出す。

 切り出した接着フィルム10の第一の接着剤 11が露出する面を、基板3の第一の端子35が露 出する面に密着させ、仮貼りする(図3B)。
 切り出した接着フィルム10に剥離フィルム19 が密着している場合は、仮貼り前、又は仮貼 り後に、剥離フィルム19を剥離し、第二の接 剤層12表面を露出させる。

 接着フィルム10を仮貼りする被着体は、 板3に限定されず、電子部品4の第二の端子45 配置された側の面を、第二の接着剤層12表 に密着させて仮貼りしてから、第一の接着 層11の表面に、基板3の第一の端子35が配置さ れた面を密着させて仮固定を行ってもよい。

 図3Cでは、基板3に接続される被着体4であ って、基板3よりも平面形状が小さい電子部 4を示しており、電子部品4は、部品本体41と 品本体41の一面に配置された複数の第二の 子45とを有している。

 本発明の接着フィルム10を用いて接続す 被着体4は特に限定されず、例えば、半導体 ップ、抵抗素子、COF(Chip On Film)デバイス、 及びTAB(Tape Automated Bonding)デバイスなどがあ 。

 各第一の端子35の中心位置間の距離(ピッ )と、各第二の端子45との中心位置間の距離( バンプ間スペース)は等しくなっており、各 一の端子35の真上位置に、第二の端子45が各 位置するように、電子部品4を位置あわせし 、図3Dに示すように、電子部品4の第二の端子 45が配置された側の面を、第二の接着剤層12 面に密着させ、仮固定する。

 基板3の表面及び電子部品4の表面には、 接する第一の端子35間と隣接する第二の端子 45との間に、それぞれ凹部が形成されており 凹部の深さが、基板3表面及び電子部品4の 面に、それぞれ突出する第一の端子35及び第 二の端子45の高さになっている。

 第一の端子35の高さは、第二の端子45の高 さよりも低く、仮固定された状態では、第一 の端子35間の凹部底面には第一の接着剤層11 密着しているか、又は、離間していたとし も、第一の接着剤層11との間の距離は、第二 の端子45間の凹部の底面と第二の接着剤層12 の間の距離よりも短い。

 この状態で、基板3及び電子部品4のいずれ 一方又は両方に加熱手段を押し当て、仮固 の時よりも高い温度で加熱しながら押圧し 本圧着を行うと、第一の端子35間の凹部底面 は、第一の接着剤層11とほぼ密着するから、 一の接着剤層11が加熱されて軟化しても、 一の接着剤層11は、対向する第一の端子35と 二の端子45との間から、隣接する第一の端 35間に押し退けられない。
 しかも、第一の接着剤層11の最低粘度は、 二の接着剤層12の最低粘度よりも高いから、 第一の接着剤層11は、より一層隣接する第一 端子35間に流れ込み難い。

 これに対し、第二の端子45間の凹部底面 、第二の接着剤層12と離間しているから、加 熱によって第二の接着剤層12が軟化すると、 二の接着剤層12は対向する第一の端子35と第 二の端子45との間から隣接する第二の端子45 に押し退けられる。

 第二の接着剤層12には、導電性粒子15が分 散されていないか、又は、分散されていたと しても、その密度は第一の接着剤層11よりも さい。従って、隣接する第二の端子45間に 二の接着剤層12が押し退けられても、第二の 端子45間は短絡(ショート)しない。

 第二の端子45の高さは、第二の接着剤層12 の膜厚及び導電性粒子15の平均粒径の合計よ も大きく、第二の端子45は、第二の接着剤 12を押し退けて、先端が第一の接着剤層11に 達し、更に第一の接着剤層11を押し退けて 第一の端子35と第二の端子45との間で導電性 子15を挟持する(図4)。

 第一の接着剤層11の膜厚は、導電性粒子15 の粒径の2倍未満にされており、導電性粒子15 は、第一の接着剤層11の膜厚方向に2個以上積 み重ならないから、第一の端子35と第二の端 45とで導電性粒子15を挟持する時に、導電性 粒子15が第一の端子35と第二の端子45との間か ら横方向に移動しない。

 第一の端子35と第二の端子45との間に捕捉 される導電性粒子15数は多くなるから、第一 端子35と第二の端子45との間の導通抵抗が下 がり、導電性粒子15が横方向に移動しないか 、隣接する第一の端子35間、又は、隣接す 第二の端子45間が短絡(ショート)しない。

 第一の端子35及び第二の端子45が、電子的 に接続された状態で更に加熱押圧を続け、第 一の接着剤層11及び第二の接着剤層12が、そ ぞれ硬化開始温度以上に昇温すると、第一 接着剤層11及び第二の接着剤層12が、第一の 子35及び第二の端子45の周囲を取り囲んだ状 態で硬化し、電子部品4が基板3に機械的にも 続される。

以下、実施例及び比較例により本発明を更 に具体的に説明するが、本発明は下記実施例 により限定されるものではない。

 <接着剤の作製>
 固形樹脂であるフェノキシ樹脂を溶剤(トル エン/酢酸エチル=1/1)に溶解させて固形分30重 %の溶解品を得た。
 次いで、溶解品に、硬化剤、エポキシ樹脂 無機フィラー、シランカップリング剤、及 導電性粒子を、フェノキシ樹脂に対する配 割合が、下記表1の「ACF」の欄に記載した配 合割合になるように添加及び混合し、最終的 に、固形分が40重量%になるようトルエンで調 整した接続材料の溶解品を作製した。

 上記表1中、商品名「HX3941HP」は、旭化成 ミカルズ(株)社製のマイクロカプセル型ア ン系エポキシ硬化剤であり、商品名「EP828」 は、ジャパンエポキシレジン(株)社製のビス ェノールA型液状エポキシ樹脂であり、商品 名「YP70」は、東都化成社製のビスフェノー AとビスフェノールBを主骨格に含有するフェ ノキシ樹脂であり、商品名「FX280」は、東都 成社製のフルオレン骨格フェノキシ樹脂で り、商品名「KBE403」は、信越化学工業(株) 製のエポキシシランであり、商品名「AUL704 は、積水化学工業(株)社製のNi/Auメッキ樹脂 子(平均粒径4μm)である。

 2本の円柱状のステンレス棒の間に、乾燥 後の接続材料の膜厚がそれぞれ18μm、8μm、4μ mとなるようなゲージを挟持し、50μm厚みの剥 離フィルム上に接続材料の溶解品を載せ、溶 解品が載せられた剥離フィルムを上記ステン レス棒の間を通した後、温度90℃のオーブン 3分間放置し溶剤を揮発させることで、3種 の膜厚18μm、8μm及び4μmの接着剤層(ACF)を形 した。

 次に、配合割合を、上記表1の「NCF-1」及 「NCF-2」の欄に記載したものに変え、膜厚 8μmと14μmに変えた以外は、上記ACFと同様の 法で接着剤層(NCF-1、NCF-2)を作製した。

 <粘度測定>
 上記表1のACF、NCF-1及びNCF-2に示す配合割合 作製した接着剤層を、それぞれ重ね合わせ 100μm厚にした物を用いて、応力制御型レオ ーター(Haake社製RS150)を用い、最低粘度及び 低粘度に到達するときの温度(到達温度)を測 定した。なお、コーンとしては、直径8mm、角 度2度のものを使用し、測定範囲は30℃~250℃ した。測定結果を下記表2に記載する。

 上記表1及び表2から分かるように、導電 粒子15の有無に関わらず、導電性粒子15以外 組成が同じACF及びNCF-1は、最低粘度と到達 度が同じであった。一方、NCF-2は、ACF及びNCF -1と到達粘度は同じであるが、最低粘度が小 かった。

 NCF-2は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹 及び硬化剤の配合割合と、熱可塑性樹脂で るフェノキシ樹脂の種類及び配合割合と、 び無機フィラーの配合割合とが、ACF及びNCF-1 とは異なることから、熱硬化性樹脂、硬化剤 、熱可塑性樹脂、及び無機フィラーなどの接 着剤成分の種類又は配合量を変えることで、 最低粘度を変更可能であることが分かる。

<接着フィルムの作製>
 膜厚4μmのACF、膜厚14μmのNCF-1及びNCF-2を、下 記表3の組み合わせで貼り合わせて、実施例1 実施例2、比較例1及び比較例2の接着フィル を作製した。

 膜厚18μmのACFを、比較例1の接着フィルムと た。更に、ACF中の導電性粒子の密度を、1mm 2 当たり8,000個から3,000個に変えた以外は、実 例1と同じ構成で、実施例2の接着フィルムを 作製した。

 <実装工程>
 被着体として、ICチップ(評価用IC、材質:シ コン、寸法:6.0mm×6.0mm、厚さ:0.4mm、バンプ: スタッド、バンプ厚:20μm、バンプ面積:60μm× 60μm、バンプ間スペース20μm、ピッチ:80μm)、 びITOコーティングガラス(評価用ITOガラス、 コーニング社製、品名:1737F、ガラスサイズ: 50mm×横30mm×厚さ0.5mm、ITOパッドサイズ:60μm×6 0μm、ピッチ:80μm)を用意した。

 まず、ITOコーティングガラス上で、7.0mm× 7.0mmにカットされた実施例1、実施例2、比較 1、及び比較例2の接着フィルムに、緩衝材( 厚70μmのテフロン(登録商標))を介して圧着機 (ツールサイズ8.0mm×8.0mm)を押し当て、80℃、1M Pa、2秒間の仮圧着条件で仮貼りした。

 続いてICチップをアライメントして、ITOコ ティングガラス上に仮固定したのち、仮貼 に用いたものと同じ圧着機を、緩衝材(膜厚7 0μmのテフロン(登録商標))を介してICチップに 押し当て、190℃、3MPa、10秒間の本圧着条件で 、加熱押圧し、ICチップをITOコーティングガ スに接続し、実施例1、実施例2、比較例1、 び比較例2の接続体を得た。
 なお、バンプ及びITOパッドは、表面の大き が60μm×60μmであるから、バンプ及びITOパッ が接続される接続面積は、3,600μm 2 である。

 これら4種類の接続体について、下記「粒 子捕捉数」、「捕捉効率」、「導通抵抗」、 及び「ショート発生率」を調べた。

 [粒子捕捉数]
 本圧着後に、20個のバンプについて、各バ プの下に残っている導電性粒子を数えた。

 [捕捉効率]
 捕捉効率は、本圧着後に何個の粒子が捕捉 れたかをパーセンテージで示した値である 具体的には、ICチップを仮固定した際に、20 個のバンプについて、各バンプ下に存在する 導電性粒子の数(平均)を調べ、その導電性粒 の数及び本圧着後の粒子捕捉数(平均)を下 式(1)に代入し、求めた。

 捕捉効率(%)=(本圧着後の粒子捕捉数)/(ICチ ップ仮固定後にICチップバンプ下に存在する 子数)×100……式(1)

 [導通抵抗]
 本圧着後に、ICチップのバンプとITOパッド の間の導通抵抗(単位:ω)を求めた。「粒子捕 捉数」の最大値、最小値、平均、「捕捉効率 」、及び「導通抵抗」の測定結果を下記表4 記載する。

 上記表4から明らかなように、実施例1及 2は、比較例1及び2に比べて捕捉効率が高か た。実施例2は、導電性粒子密度が、実施例1 、比較例1及び比較例2の半分しかないにも関 らず、粒子捕捉数及び導通抵抗が比較例1及 び比較例2と同程度であった。

 以上のことから、第一の接着剤層の最低 度を第二の接着剤層の最低粘度よりも高く 、かつ、第一の接着剤層の膜厚を導電性粒 の粒径の2倍未満程度に小さくすれば、導電 性粒子の密度を高くしなくても、高い導通信 頼性が得られることが分かる。

 [ショート発生率]
 実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の接 着フィルムを用いて、上記ICチップ及びITOコ ティングガラスを接続する際に、バンプ及 ITOパッドが、水平方向に10μm離れるように スアライメントした以外は、上記「実装工 」と同じ条件で、接続体を作製した。隣接 るITOパッド間に30Vの電圧を加え、絶縁抵抗 測定し、絶縁抵抗が1.0×10 -6 ω以下をショートとし、ショート発生数を数 た(初期)。

 接続体を導電状態で85℃、湿度85%の環境 で500時間放置した後、ショート発生数を数 た(高温高湿放置)。200箇所でショート発生数 を数え、初期及び高温高湿放置後のショート 発生率(%)を求めた。その結果を下記表5に示 。

 上記表5から明らかなように、実施例1及 2は、比較例1及び2に比べて、初期及び高温 湿後のショート発生率が少なく、導電性粒 が対向する端子間から、隣接する端子間に 動する量が少ないことが分かる。

 以上は、フィルム状に成形した第一の接着 層11と第二の接着剤層12とを貼りあわせて接 着フィルム10を作製したが、本発明はこれに 定されるものではない。
 例えば、第二の接着剤層12の材料を溶剤に 解又は分散させた塗液を作製し、該塗液を 一の接着剤層11の表面に塗布後、乾燥すれば 、第二の接着剤層12を第一の接着剤層11表面 密着配置することができる。

 更に、第一の接着剤層11の材料及び導電性 子15を溶剤に溶解又は分散させた塗液を作製 し、該塗液を第二の接着剤層12の表面に塗布 、乾燥すれば、第二の接着剤層12の表面に 一の接接着剤層11を密着配置することができ る。
 第一の接着剤層11及び第二の接着剤層12は、 同じ剥離フィルム19の表面と裏面に密着する 合に限定されず、それぞれ別々の剥離フィ ム19に密着させてもよい。

 接着剤をフィルム化せず、導電性粒子15 分散されたペースト状の接着剤を、基板3に 接塗布して第一の接着剤層11を形成してか 、第一の接着剤層11表面に第二の接着剤層12 密着配置してもよい。

 更に、電子部品4にペースト状の接着剤を塗 布して第二の接着剤層12を形成した後、第二 接着剤層12表面に第一の接着剤層11を密着配 置してもよい。