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Title:
ADHESIVE MATERIAL, COATING DEVICE FOR ADHESIVE MATERIAL AND TRANSFER SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129749
Kind Code:
A1
Abstract:
An adhesive material (B), which is characterized by having a plural number of (micro) capsules (1) comprising a water-proof outer wall (2) being breakable under an external force, a moisture-hardening adhesive agent (3) enclosed in the outer wall (2), and a pressure-sensitive adhesive layer film (4) formed on the outer surface of the outer wall (2) as described above, is prepared.

Inventors:
KOBAYASHI SHOGO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075297
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
December 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KOKUYO KK (JP)
KOBAYASHI SHOGO (JP)
International Classes:
C09J4/04; B65D47/42; B65D81/32; B65D85/00; C09J7/02; C09J11/00; C09J201/00; B05C17/00
Foreign References:
JP2003282166A2003-10-03
JP2006006479A2006-01-12
JPH06256728A1994-09-13
JPH01229068A1989-09-12
JP2003268344A2003-09-25
JPH11314064A1999-11-16
JP2001328664A2001-11-27
JPS63162460A1988-07-06
JP2006206657A2006-08-10
JP2005220236A2005-08-18
JP2006143776A2006-06-08
Attorney, Agent or Firm:
AKAZAWA, Kazuhiro (6F617, Manjuya-cho, Karasuma-dori Rokkaku Agaru,Nakagyo-k, Kyoto-shi Kyoto 61, JP)
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Claims:
外力により破壊可能な防水性を有する外壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤とを備えたカプセルを主材とすることを特徴とする接着材料。
外力により破壊可能な防水性を有する外壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤とを備えたマイクロカプセルを具備してなることを特徴とする接着材料。
外力により破壊可能な防水性を有する外壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤と、前記外壁の外表面に形成した粘着剤層膜とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを複数個具備してなることを特徴とする接着材料。
外力により破壊可能な防水性を有する外壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させてなることを特徴とする接着材料。
前記粘着剤又は接着剤の塗工厚さより前記カプセル又はマイクロカプセルの直径を大きくしていることを特徴とする請求項3又は4記載の接着材料。
大部分のカプセル又はマイクロカプセルが破壊される外力の下限である本止め閾値が10N/cm 2 以上150N/cm 2 未満であるとともに、前記本止め閾値又は50N/cm 2 のうち小さい方の値以下の所定値以下である仮止め閾値未満の外力ではいずれのマイクロカプセルも破壊されないように外壁の強度を設定していることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の接着材料。
前記本止め閾値が、前記仮止め閾値の2倍以上であることを特徴とする請求項6記載の接着材料。
前記本止め閾値が、前記仮止め閾値の2.5倍以上6倍未満であることを特徴とする請求項7記載の接着材料。
前記湿気硬化型接着剤がシアノアクリレート系接着剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の接着材料。
多孔質粒子と、この多孔質粒子の空洞内に含有させた湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを主材とすることを特徴とする接着材料。
前記多孔質粒子を無機素材により構成していることを特徴とする請求項10記載の接着材料。
前記カプセル又はマイクロカプセルが、前記多孔質粒子の表面の細孔を覆うコーティング層をさらに備えていることを特徴とする請求項10又は11記載の接着材料。
前記カプセル又はマイクロカプセルが、その外表面に形成した粘着剤層膜をさらに備えていることを特徴とする請求項10、11又は12記載の接着材料。
前記カプセル又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させてなることを特徴とする請求項10、11又は12記載の接着材料。
前記カプセル又はマイクロカプセルの破壊を促進するための破壊促進粒子をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載の接着材料。
前記カプセル又はマイクロカプセルの外壁、多孔質粒子、又は前記外壁又は多孔質粒子の細孔を被覆すべく設けたコーティング層を、撥水性材料を利用して形成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15記載の接着材料。
互いに溶融せず熱膨張率又は熱収縮率が異なる複数種の材質を混合したものにより前記カプセル又はマイクロカプセルの外壁又は多孔質粒子を複数種類の材質により構成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16記載の接着材料。
大きさがそれぞれ異なるカプセル又はマイクロカプセルを有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17記載の接着材料。
請求項3又は13記載の接着材料を収容する収容室を備えた本体と、この収容室内の接着材料を少量ずつ外部に導出させるためのノズルとを具備してなることを特徴とする接着材料塗布具。
前記収容室に補充するための接着材料が充填され、前記本体に対して着脱可能に設けられるリフィルを具備してなることを特徴とする請求項19記載の接着材料塗布具。
前記ノズルの先端に、接着材料の導出量を制御するための導出制限ローラを設けていることを特徴とする請求項19又は20記載の接着材料塗布具。
接着対象物を把持可能であるつまみ部と、このつまみ部の基端に設けられ接着対象物を押圧するための押圧面とを有するとともに、前記本体の外周に装着可能なピンセットをさらに具備することを特徴とする請求項19、20又は21記載の接着材料塗布具。
外力により破壊可能な防水性を有する外壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させてなる請求項4記載の接着材料、又は多孔質粒子と、この多孔質粒子の空洞内に含有させた湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させてなる請求項14記載の接着材料を塗布するための塗布具であって、
 前記カプセル又はマイクロカプセルを収容するためのカプセル収容室及び粘着剤又は接着剤を収容する粘着液収容室とを内部に配した本体と、前記カプセル又はマイクロカプセルを前記接着剤又は粘着剤中に混入させた接着材料をこの本体外に導出させるノズルとを具備してなることを特徴とする接着材料塗布具。
前記カプセル収容室と、前記粘着液収容室とを、前記本体に対して着脱可能なリフィル内に形成していることを特徴とする請求項23記載の接着材料塗布具。
外力により破壊可能な防水性を有する外壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させてなる請求項4記載の接着材料、又は多孔質粒子と、この多孔質粒子の空洞内に含有させた湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させてなる請求項14記載の接着材料を塗布するための塗布具であって、
 ヒンジ部を介して折り畳み可能に連接した対をなす蝶片と、これら蝶片の一方に設けられ内部に前記カプセル又はマイクロカプセルを収容した変形可能なカプセル収容部と、他方に設けられ内部に粘着剤又は接着剤を収容した変形可能な粘着液収容部と、
 前記各蝶片を相寄る方向に折り畳む操作により前記カプセル収容部と粘着液収容部とを圧縮した場合に前記収容部から押し出されるカプセル又はマイクロカプセルと粘着剤又は接着剤とを合流させて外部に導くノズルとを具備してなることを特徴とする接着材料塗布具。
カプセル又はマイクロカプセルの外径を2μm以上3000μm未満に設定していることを特徴とする請求項19、20、21、22、23、24又は25記載の接着材料塗布具。
紙又はフィルム等のシート状の離型基材に、請求項3又は13記載の接着材料を塗工してなることを特徴とする転写シート。
紙又はフィルム等のシート状の離型基材に、請求項4又は14記載の接着材料を塗工してなることを特徴とする転写シート。
前記接着材料をドット状に塗工してなることを特徴とする請求項28記載の転写シート。
マイクロカプセルの外径を2μm以上300μm未満に設定していることを特徴とする請求項27、28又は29記載の転写シート。
前記離型基材の前記接着材料を塗工する側の表面に、前記カプセル又はマイクロカプセルの破壊を促進するための破壊促進粒子をさらに備えていることを特徴とする請求項27、28、29又は30記載の転写シート。
Description:
接着材料、接着材料塗布具、及 転写シート

 本発明は、物品間の接着に用いられカプ ルに内包させてなる接着材料、このような 着材料を塗布するための接着材料塗布具、 びこのような接着材料を塗工してなる転写 ートに関する。

 従来より、接着剤を一方の接着対象物に塗 し、他方の接着対象物に接着剤塗布部位を 接させ、接着させる動作を行うに際して、 着剤を塗布した直後に接着対象物相互間の 互位置の変更を行いやすくすべく、初期接 力を小さくする要望が存在する。このよう 要望に対応するための態様の一つとして、 着剤を内包するマイクロカプセルを含む接 材料を一方の接着対象物上に配する態様が えられてきている(例えば、特許文献1、2を 照)。

特開2005-220236号公報

特開2006-143776号公報

 ところで、前記特許文献1記載の接着材料 は、一方の接着対象物がテープやステッカー 等の基材であり、この基材に予め塗布するこ とを前提としている。しかし、この特許文献 1には、接着材料を微細な部分に塗布するた の態様が記載も示唆もなされておらず、こ 特許文献1記載の構成では接着材料を微細な 分に塗布することが非常に困難である。ま 、前記特許文献1記載の構成では、水系接着 剤を内包しているので、接着剤の乾燥固化ま でに時間を要するという不具合も存在する。

 また、特許文献2記載の構成では、互いに 接触すると硬化反応を起こす2成分を別個に イクロカプセル化するようにしている。し し、この構成では、接着対象物同士を接近 せてマイクロカプセルを破壊する際に前記2 分が均等に混ざり合い均等に固化するには 2種のマイクロカプセルを均等に分散させ、 かつ均等に破壊する必要があるので、精度を 得にくいという不具合が存在する。

 本発明は、以上に述べた課題を解決すべ 構成するものである。

 すなわち本発明に係る接着材料の一つは 外力により破壊可能な防水性を有する外壁 、この外壁に内包された湿気硬化型接着剤 を備えたカプセルを主材とすることを特徴 する。

 また、本発明に係る接着材料の他の一つ 、外力により破壊可能な防水性を有する外 と、この外壁に内包された湿気硬化型接着 とを備えたマイクロカプセルを具備してな ことを特徴とする。

 これらのようなものであれば、前記特許 献1及び2記載の構成と異なり、湿気硬化型 着剤をカプセルの外壁に内包させているの 、特許文献1記載の構成と比較して、細かい 分への塗布が可能であるとともに、接着剤 素早く重合硬化させて接着対象物同士の接 に要する時間を短縮でき、また、特許文献2 記載の構成と比較して、より均等に接着剤を 分布させることができる。なお、本発明では 、「マイクロカプセル」とは、外径1000μm未 の「カプセル」を示す概念である。

 さらに、従来、湿気硬化型接着剤は、上 したように空気中の湿気により急速に固化 るため、貯蔵期間は未開封状態で冷暗所に 存した場合でもせいぜい1年程度であり、そ れ以上経過すると使用前に固化して接着剤と しての用をなさなくなる不具合が存在したが 、防水性を有する外壁により接着剤を空気中 の水分から遮蔽でき、より長期間の保存が可 能になる。加えて、特にシアノアクリレート 系接着剤は、独特の強いにおいがあり、この においにより使用時に不快に感じる場合が存 在したが、外壁に内包させているので、この においの放出が抑えられる。

 さらに、外力により破壊可能な防水性を する外壁と、この外壁に内包された湿気硬 型接着剤と、前記外壁の外表面に形成した 着剤層膜とを備えたカプセル又はマイクロ プセルを複数個具備してなる構成の接着材 であれば、前記粘着剤層膜により接着対象 に止着し外接着対象物に対する位置決めを うことができる。

 また、外力により破壊可能な防水性を有 る外壁と、この外壁に内包された湿気硬化 接着剤とを備えたカプセル又はマイクロカ セルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分散 せてなる構成の接着材料であっても、前記 着剤又は接着剤によりカプセル又はマイク カプセルを接着対象物に止着して該接着対 物に対する位置決めを行うことができる。

 特に、前記粘着剤又は接着剤の塗工厚さ り前記カプセル又はマイクロカプセルの直 を大きくしているものであれば、一方の接 対象物に接着材料を塗布した後、接着を行 べく外力を加えた際に、他方の接着対象物 カプセル又はマイクロカプセルに優先して 接するので、より確実にカプセル又はマイ ロカプセルを破壊して湿気硬化型接着剤を プセル又はマイクロカプセルの外に取り出 ことができる。

 そして、大部分のカプセル又はマイクロカ セルが破壊される外力の下限である本止め 値が10N/cm 2 以上150N/cm 2 未満であるとともに、前記本止め閾値又は50N /cm 2 のうち小さい方の値以下の所定値以下である 仮止め閾値未満の外力ではいずれのマイクロ カプセルも破壊されないように外壁の強度を 設定しているものであれば、接着対象物に塗 布する際にはカプセル又はマイクロカプセル を破壊することなく接着対象物上に止着させ 、接着を行う際にこのカプセル又はマイクロ カプセルに強い外力を作用させてカプセル又 はマイクロカプセルを破壊し湿気硬化型接着 剤を外部に放出させる態様を実現できる。

 特に、前記本止め閾値が、前記仮止め閾 の2倍以上であれば、接着対象物に塗布する 際にはカプセル又はマイクロカプセルが誤っ て破壊されないようにすべく外壁の強度を設 計することを容易に行うことができる。

 さらに好ましくは、前記本止め閾値が、 記仮止め閾値の2.5倍以上6倍未満であれば、 前段で述べた効果をさらに好適に得ることが できるとともに、仮止めの際にカプセル又は マイクロカプセルに加える外圧と本止めの際 にカプセル又はマイクロカプセルに加える外 圧との差異が明確であり、カプセル又はマイ クロカプセルの破壊に必要な外力に分布ない しばらつきがある場合でもより確実に破壊の 制御を行うことができるので、設計容易性と 実用性との両立を図ることができる。

 加えて、接着対象物同士の接着に要する 間を好適に短縮できるようにするための構 として、前記湿気硬化型接着剤がシアノア リレート系接着剤であるものが挙げられる シアノアクリレート系接着剤は、空気中の 分(湿気)を触媒として素早く、具体的には 分で重合し硬化するからである。

 一方、本発明に係る接着材料のさらに他 一つは、多孔質粒子と、この多孔質粒子の 洞内に含有させた湿気硬化型接着剤とを備 たカプセル又はマイクロカプセルを主材と ることを特徴とする。

 このようなものであれば、前記特許文献1 及び2記載の構成と異なり、湿気硬化型接着 を多孔質粒子の空洞内に含有させているの 、特許文献1記載の構成と比較して、細かい 分への塗布が可能であるとともに、接着剤 素早く重合硬化させて接着対象物同士の接 に要する時間を短縮でき、また、特許文献2 記載の構成と比較して、より均等に接着剤を 分布させることができる。

 特に、前記多孔質粒子を無機素材により 成しているものであれば、多孔質粒子が湿 硬化型接着剤中に溶け出しにくく、より安 して湿気硬化型接着剤を保管できる。

 また、前記カプセル又はマイクロカプセ が、前記多孔質粒子の表面の細孔を覆うコ ティング層をさらに備えているものであれ 、このコーティング層を越えて空気中の湿 が多孔質粒子の空洞内に含有させた湿気硬 型接着剤に達することを防ぐことができる すなわち接着剤を空気中の水分から遮蔽で るので、より長期間の保存が可能になる。 えて、特にシアノアクリレート系接着剤は 独特の強いにおいがあり、このにおいによ 使用時に不快に感じる場合が存在したが、 ーティング層により前記多孔質粒子の表面 細孔を覆っているので、このにおいの放出 抑えられる。

 加えて、前記カプセル又はマイクロカプ ルが、その外表面に形成した粘着剤層膜を らに備えているものであれば、前記粘着剤 膜により接着対象物に止着し外接着対象物 対する位置決めを行うことができる。

 一方、前記カプセル又はマイクロカプセ を、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させ なるものであっても、前記粘着剤又は接着 によりカプセル又はマイクロカプセルを接 対象物に止着して該接着対象物に対する位 決めを行うことができる。

 また、前記カプセル又はマイクロカプセ の破壊に必要な外力を小さくできる構成の 例として、前記カプセル又はマイクロカプ ルの破壊を促進するための破壊促進粒子を らに備えているものが挙げられる。このよ なものであれば、前記破壊促進粒子が、押 等の作用を受けた際によるカプセル又はマ クロカプセルの外壁を破断する機能や、カ セル又はマイクロカプセルの外壁の破断を 援して前記外壁の破断を容易にする機能を 揮し、従って外壁に内包させた湿気硬化型 着剤がカプセル外に出るようにできるから ある。なお、前記「押圧等の作用を加える とは、カプセル又はマイクロカプセルを直 押圧するだけでなく、磁力や静電力等の遠 作用により破壊促進粒子をカプセル又はマ クロカプセルの外側に誘導することをも含 。また、本発明における「破壊促進粒子」 は、外表面にトゲを有しトゲをカプセル又 マイクロカプセルに当接させることにより 壊ないし破壊の支援を行う粒子や、磁力に り吸引されてカプセル又はマイクロカプセ に当接させることにより破壊ないし破壊の 援を行う磁性体粒子や、内部に気体を内包 破裂することによりカプセル又はマイクロ プセルの破壊の支援を行うバルーン等、カ セル又はマイクロカプセルの破壊ないし破 の支援を行うことが可能な粒子全般を含む 念である。

 さらに、前記カプセル又はマイクロカプ ル内部の湿気硬化型接着剤が使用前に固化 てしまう不具合の発生をより有効に防ぐよ にするための構成の一例として、前記カプ ル又はマイクロカプセルの外壁、多孔質粒 、又は前記外壁又は多孔質粒子の細孔を被 すべく設けたコーティング層を、撥水性材 を利用して形成しているものが挙げられる このようなものであれば、外壁又は多孔質 子の撥水性によりカプセル又はマイクロカ セル内部に水分が到達することを抑制でき からである。なお、「コーティング層を、 水性材料を利用して形成する」とは、撥水 材料のみによりコーティング層を形成する けでなく、撥水性材料を混入させて形成し 材料によりコーティング層を形成する場合 含む概念である。

 また、カプセル又はマイクロカプセルを 易に破壊することができるようにするため 態様として、互いに溶融せず熱膨張率又は 収縮率が異なる複数種の材質を混合したも により前記カプセル又はマイクロカプセル 外壁又は多孔質粒子を複数種類の材質によ 構成しているものが挙げられる。このよう ものであれば、外壁の複数種類の材質それ れの熱膨張率又は熱収縮率の違いにより外 又は多孔質粒子に水や空気等が侵入しない 度のひび割れやしわができ、押圧時に破壊 れやすくなるので、湿気硬化型接着剤を容 に排出させることができるからである。

 さらに、カプセル又はマイクロカプセル 容易に破壊することができるようにするた の他の態様として、大きさがそれぞれ異な カプセル又はマイクロカプセルを有するも も挙げられる。このようなものであれば、 てのカプセル又はマイクロカプセルが同時 外力を受けるのでなく、最大のカプセル又 マイクロカプセルのみが優先して外力を受 、以下大きなカプセル又はマイクロカプセ から順に外力を受けるので、個々のカプセ 又はマイクロカプセルの破壊には大きな外 を必要としないようにできるからである。   

 また、請求項3又は13記載の接着材料を塗 するために好適な接着材料塗布具の構成と て、請求項3又は13記載の接着材料を収容す 収容室を備えた本体と、この収容室内の接 材料を少量ずつ外部に導出させるためのノ ルとを具備してなるものが挙げられる。こ ようなものであれば、カプセル又はマイク カプセル内に湿気硬化型接着剤を内包させ いるとともに粘着剤層膜を外表面に形成し 前記接着材料を少量ノズルから接着箇所に 接導出する態様を実現できるからである。

 また、このような接着材料塗布具におい 、収容室内に収容した接着材料が切れた際 廃棄物をなるべく少なくするための構成と て、前記収容室に補充するための接着材料 充填され、前記本体に対して着脱可能に設 られるリフィルを具備してなるものが挙げ れる。このようなものであれば、収容室内 収容した接着材料が切れた際には、リフィ のみを交換すればよく、その他の箇所は廃 する必要なく引き続き使用可能だからであ 。

 さらに効果的に接着材料の導出量を制限 きる構成として、前記ノズルの先端に、接 材料の導出量を制御するための導出制限ロ ラを設けているものが挙げられる。

 加えて、接着作業をより効果的に行うよ にできる態様として、接着対象物を把持可 であるつまみ部と、このつまみ部の基端に けられ接着対象物を押圧するための押圧面 を有するとともに、前記本体の外周に装着 能なピンセットをさらに具備するものが挙 られる。このようなものであれば、ピンセ トのつまみ部により一方の接着対象物を把 して他方の接着対象物に向けて押圧するこ や、ピンセットの押圧面により一方の接着 象物を他方の接着対象物に向けて押圧する とができ、しかもこのようなピンセットを 体に装着して本体と一体的に扱うことがで るようにしてピンセットの紛失を抑えるこ ができるからである。

 一方、請求項4又は14記載の接着材料を塗 するために好適な接着材料塗布具の構成と て、外力により破壊可能な防水性を有する 壁と、この外壁に内包された湿気硬化型接 剤とを備えたカプセル又はマイクロカプセ を、粘着剤又は接着剤中に複数個分散させ なる請求項4記載の接着材料、又は多孔質粒 子と、この多孔質粒子の空洞内に含有させた 湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル又はマ イクロカプセルを、粘着剤又は接着剤中に複 数個分散させてなる請求項14記載の接着材料 塗布するための塗布具であって、前記マイ ロカプセルを収容するためのカプセル収容 及び粘着剤又は接着剤を収容する粘着液収 室とを内部に配した本体と、前記カプセル はマイクロカプセルを前記接着剤又は粘着 中に混入させた接着材料をこの本体外に導 させるノズルとを具備してなるものが挙げ れる。このようなものであれば、前記カプ ル又はマイクロカプセルを前記接着剤又は 着剤中に混入させた状態で、このような接 材料を少量ノズルから接着箇所に直接導出 る態様を実現できるからである。

 また、このような接着材料塗布具におい 、収容室内に収容した接着材料が切れた際 廃棄物をなるべく少なくするための構成と て、前記カプセル収容室と、前記粘着液収 室とを、前記本体に対して着脱可能なリフ ル内に形成しているものが挙げられる。こ ようなものであれば、収容室内に収容した 着材料が切れた際には、リフィルのみを交 すればよく、その他の箇所は廃棄する必要 く引き続き使用可能だからである。

 さらに、請求項4又は14記載の接着材料を 布するために好適な接着材料塗布具の他の 成として、外力により破壊可能な防水性を する外壁と、この外壁に内包された湿気硬 型接着剤とを備えたカプセル又はマイクロ プセルを、粘着剤又は接着剤中に複数個分 させてなる請求項4記載の接着材料、又は多 孔質粒子と、この多孔質粒子の空洞内に含有 させた湿気硬化型接着剤とを備えたカプセル 又はマイクロカプセルを、粘着剤又は接着剤 中に複数個分散させてなる請求項14記載の接 材料を塗布するための塗布具であって、ヒ ジ部を介して折り畳み可能に連接した対を す蝶片と、これら蝶片の一方に設けられ内 に前記マイクロカプセルを収容した変形可 なカプセル収容部と、他方に設けられ内部 粘着剤又は接着剤を収容した変形可能な粘 液収容部と、前記各蝶片を相寄る方向に折 畳む操作により前記カプセル収容部と粘着 収容部とを圧縮した場合に前記収容部から し出されるカプセル又はマイクロカプセル 粘着剤又は接着剤とを合流させて外部に導 ノズルとを具備してなるものが挙げられる このようなものであっても、前記カプセル はマイクロカプセルを前記接着剤又は粘着 中に混入させた状態で、このような接着材 を少量ノズルから接着箇所に直接導出する 様を実現できるからである。なお、このよ なノズルとしては、前記各蝶片を相寄る方 に折り畳む操作を行った際に前記各蝶片間 境界部に形成される開口を利用したものも む。

 また、紙又はフィルム等のシート状の離 基材に、請求項3、4、13又は14記載の接着材 を塗工してなることを特徴とする転写シー であれば、従来の転写シートをカートリッ 内部に収納してなる転写具を利用して、こ ような接着材料の塗布を簡単に行うことが きる。

 特に、紙又はフィルム等のシート状の離 基材に、請求項4又は14記載の接着材料を塗 してなることを特徴とする転写シートにお て、前記接着材料をドット状に塗工してな ものであれば、いわゆる「のり切れ」をよ して、離型基材から接着材料を無駄なく接 対象物に転写できる。

 そして、カプセル又はマイクロカプセル 好適なサイズとして、カプセル又はマイク カプセルの外径を2μm以上3000μm未満に設定 ているものが挙げられる。外径が2μm未満で ればマイクロカプセルが破壊されずマイク カプセル内の接着剤が放出されない不具合 起こりやすく、逆に外径が3000μm以上であれ ば、転写シートからの転写の際の弱い力でカ プセルが破壊されてしまう不具合が起こり得 るからである。特に、転写シートに塗布する 場合は、マイクロカプセルの外径を2μm以上30 0μm未満に設定するとよい。これは、通常の 写糊の塗工厚さは300μm以下、より望ましく 100μm以下であり、マイクロカプセルの外径 それ以下にする必要があるからである。

 また、前記離型基材の前記接着材料を塗 する側の表面に、前記カプセル又はマイク カプセルの破壊を促進するための破壊促進 子をさらに備えているものであれば、離型 材から剥離する際に前記カプセル又はマイ ロカプセルを破壊促進粒子に当接させてカ セル又はマイクロカプセルを破壊して湿気 化型接着剤を接着対象物上に露出させるよ にできる。

 本発明に係る接着材料は、湿気硬化型接 剤をカプセル又はマイクロカプセルの外壁 内包させているので、外壁により接着剤を 気中の水分から遮蔽でき、より長期間の保 が可能になるとともに、特有のにおいが放 されることを防ぐこともできる。

 特に、カプセル又はマイクロカプセルが 記外壁の外表面に形成した粘着剤層膜とを えているもの、又はカプセル又はマイクロ プセルを粘着剤又は接着剤中に複数個分散 せてなる構成のものであれば、前記粘着剤 膜、粘着剤、又は接着剤によりカプセル又 マイクロカプセルを一方の接着対象物に止 して該接着対象物に対する位置決めを行っ 後、この接着対象物と他方の接着対象物と 相寄せる際の圧力によりこのカプセル又は イクロカプセルを破壊して湿気硬化型接着 を放出させ接着を行うようにできる。

本発明の第一実施形態に係る接着材料 示す断面図。 同実施形態に係る第1の接着材料塗布具 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る第1の接着材料塗布具 を示す分解斜視図。 同実施形態に係る第1の接着材料塗布具 の使用態様を示す図。 同実施形態に係る第2の接着材料塗布具 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る第2の接着材料塗布具 を示す分解斜視図。 同実施形態に係る第2の接着材料塗布具 の使用態様を示す図。 同実施形態に係る第3の接着材料塗布具 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る転写シートを示す平 図。 本発明の第二実施形態に係る接着材料 を示す断面図。 同実施形態に係る第4の接着材料塗布 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る第4の接着材料塗布 を示す分解斜視図。 同実施形態に係る第4の接着材料塗布 の使用態様を示す図。 同実施形態に係る第5の接着材料塗布 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る第5の接着材料塗布 を示す分解斜視図。 同実施形態に係る第5の接着材料塗布 の使用態様を示す図。 同実施形態に係る第6の接着材料塗布 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る第6の接着材料塗布 の使用態様を示す図。 同実施形態に係る第6の接着材料塗布 を示す全体斜視図。 同実施形態に係る第7の接着材料塗布 の使用態様を示す図。 同実施形態に係る転写シートを示す平 面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の第三実施形態に係る接着材料 を示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 のカプセルを示す断面図。 同実施態様に係る接着材料塗布具を示 す全体斜視図。 同実施態様に係る接着材料塗布具の要 部を示す中央縦断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 のカプセルを示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 のカプセルを示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 のカプセルを示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 塗布具を示す全体斜視図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 のカプセルを示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 の塗布態様を示す図。 本発明の他の実施態様に係る転写シー トを示す断面図。 本発明の他の実施態様に係る接着材料 を示す断面図。

符号の説明

 B、BB、BBB…接着材料
 1、10…マイクロカプセル
 2…外壁
 Z2…多孔質粒子
 3…湿気硬化型接着剤
 4…粘着剤層膜
 40…粘着剤
 A1、AA1…第1、第2の接着材料塗布具
 X1、XX1…第4、第5の接着材料塗布具
 A2、AA2、X2、XX2…本体
 A3、AA3、X3、XX3…リフィル
 A4、AA4、X4、XX4…ノズル
 A5、AA5、X5、XX5…ピンセット
 ST、XST…転写シート

 以下、本発明の第一実施形態について図 を参照して説明する。

 本実施形態に係る接着材料Bは、外力によ り破壊可能な防水性を有する外壁2と、この 壁2に内包された湿気硬化型接着剤3と、前記 外壁2の外表面に形成した粘着剤層膜4とを備 た、図1に断面を示すようなカプセル又はマ イクロカプセル(以下、(マイクロ)カプセル1 称する)を複数個具備してなる。そして、こ 接着材料Bは、一方の接着対象物S上に配し この接着材料上に他方の接着対象物をさら 配した状態で、接着対象物同士を圧着させ ことにより前記外壁を破壊されることによ 、前記湿気硬化型接着剤3を放出させて接着 象物同士を接着する機能を発揮する。

 より具体的には、前記(マイクロ)カプセ 1は、界面重合法等の各種マイクロカプセル 製法により外壁2に湿気硬化型接着剤3を内 させ、粘着剤又は接着剤を前記外壁2の外表 に噴霧などの方法で塗工して粘着剤層膜4を 形成することにより調製される。ここで、外 壁2に湿気硬化型接着剤3に内包させる工程と ては、液中乾燥法、界面重合法、in situ重 法、相分離法等の周知の方法が挙げられる

 前記外壁2の材質としては、水分子を通さず 、湿気硬化型接着剤3と混じり合わず、湿気 化型接着剤3と化学反応を起こさない材質で る必要がある。例えば、疎水性の天然及び 成高分子ワックス類に代表される有機化合 や無機化合物等が考えられる。さらに、こ 外壁2を形成する材質としては、膜を形成し た際に細孔が形成されない、あるいは水分子 よりも小さな細孔のみが形成されるような材 質が望ましい。この外壁2の厚さ寸法は、所 の本止め閾値Z1以上の外圧が加えられた際に は破壊されるように設定する必要がある。こ こで、前記本止め閾値Z1は、10N/cm 2 以上150N/cm 2 未満の範囲、より好ましくは20N/cm 2 以上100N/cm 2 未満の範囲に設定している。なお、10N/cm 2 という値は、一方の接着対象物上にこの接着 材料Bを塗布し、他方の接着対象物を載置し 仮位置合せする際に(マイクロ)カプセル1が ける圧力を考慮して求められた値である。 方、150N/cm 2 という値は、接着対象物同士を相寄る方向に 押圧する作業を行う際に接着対象物が受ける 圧力の実用上の上限値を考慮して定めた値で ある。さらに、この外壁2の厚さ寸法は、所 の仮止め閾値Z2以下の外力ではいずれの(マ クロ)カプセル1も破壊されないように設定し ている。ここで、前記仮止め閾値Z2は、50N/cm 2 と前記本止め閾値Z1とのうち小さい方の値以 であり、より好ましくは20N/cm 2 以下である。さらに、前記本止め閾値Z1を20N/ cm 2 以上100N/cm 2 未満の範囲に設定すると、この外壁2の設計 易性と使いやすさとを両立させやすくでき 。特に、前記本止め閾値Z1が前記仮止め閾値 Z2の2倍以上、より好ましくは2.5倍以上6倍未 であれば、これら外壁2の設計容易性と使い すさとの両立を容易に行うことができ、実 性を高めることができる。

 前記湿気硬化型接着剤3としては、本実施 形態では、瞬間接着剤として周知のシアノア クリレート系接着剤を採用している。

 また、粘着剤層膜4としては、例えば、ゴ ム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系 粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテ ル系粘着剤等の材料が好適に用いられる。な お、湿気硬化型接着剤3としては、一液性ポ ウレタン樹脂接着剤、一液性シリコーン樹 接着剤、シリコーン変成エポキシ接着剤等 して周知のものを用いてもよい。特に、モ マーあるいはプレポリマー分子中に炭素原 同士又は炭素原子と他の原子との不飽和結 を含み空気中の水分(湿気)を触媒としてこの 不飽和結合部分が重合する分子構造を有する ものを用いるとよい。

 さらに、この(マイクロ)カプセル1の外径は 2μm以上3000μm未満、より好ましくは5μm以上1 000μm未満となるように設定している。ここで 、(マイクロ)カプセル1の外径をこの範囲に設 定するのは、2μm未満の外径では、150N/cm 2 以上の外力を加えても外壁2が破壊されず湿 硬化型接着剤3が放出されないので用をなさ 、逆に、3000μm以上の外径では、10N/cm 2 以下の外力でこの(マイクロ)カプセル1を塗布 する際に外壁2が破壊されて湿気硬化型接着 3が放出されてしまう不具合が発生し得るか である。

 また、この接着材料は、以下に述べるよ な第1又は第2の接着材料塗布具A1、AA1を用い て塗布するようにしている。

 第1の接着材料塗布具A1は、図2に全体斜視 図、図3に分解斜視図をそれぞれ示すように 本体A2と、本体A2の基部に着脱可能に取り付 てなるリフィルA3と、本体A2の先端部に着脱 可能に取り付けてなるノズルA4と、本体A2に して抱着可能であるとともに基端部に押圧 A52aを有するピンセットA5とを具備する。

 前記本体A2は、本実施形態では内部に接 材料を収容する収容室A2sを備えた筒状とし いる。また、長手方向中間部には前記リフ ルA3に設けた雄ネジ部A31と螺合可能な雌ネジ 部A21、先端側に前記ノズルA4に設けた雄ネジ A41と螺合可能な雌ネジ部A22をそれぞれ設け いる。

 前記リフィルA3は、本実施形態では有底 状をなし、内部に接着材料を収容してなる 容室A3sを備えている。また、先端部に前記 体A2の長手方向中間部の雌ネジ部A21と螺合可 能な雄ネジ部A31を設けていて、先端側を前記 本体A2の内部に収納可能にしている。そして このリフィルA3を本体A2に装着した際に、こ のリフィルA3の収容室A3sと本体A2の収容室A2s が連通するようにしている。

 前記ノズルA4は、本実施形態では先端に かうにつれ断面積が小さくなる略円錐状を し、先端に接着材料Bを塗出させるべく開口 せて設けた接着材料吐出口A4aを有する。な 、このノズルA4は、非使用時にはキャップA6 により被覆するようにしている。

 前記ピンセットA5は、1対のつまみ要素A51 基端部で互いに接続させて形成したつまみ と、このつまみ部の基端側を被覆し押圧面A 52aを有する押圧部A52とを有する。また、この ピンセットA5は、つまみ部の各つまみ要素A51 、前記本体A2の外側面と係合可能な抱着片A5 11を有する。そして、この抱着片A511を本体A2 外側面と係合させ、前記押圧部A52の押圧面A 52aと反対側を、リフィルA3の基端側に当接さ るかないしはリフィルA3の基端側を被覆さ る姿勢で、このピンセッA5トを本体A2に装着 能である。

 この第1の接着材料塗布具A1を使用して接着 象物Sに接着材料Bを塗布する際には、図4に すように、前記ノズルA4の先端の接着材料 出口A4aを一方の接着対象物に接近させ、本 A2を押圧する。すると、前記収容室A2s内から 接着材料B、すなわち(マイクロ)カプセル1が 出される。その際、前述したように、また 前記図1に示すように、(マイクロ)カプセル1 最外層には上述したように粘着剤層膜4を形 成しているので、この(マイクロ)カプセル1の 一方の接着対象物Sに対する位置がそのまま 決めされる。また、このとき(マイクロ)カプ セル1が受ける外力は、本実施形態では20N/cm 2 未満であり、(マイクロ)カプセル1のほとんど を破壊するのに必要な外力の所定の閾値Z1よ 小さい。その後、接着対象物のいずれかが ンセットA5のつまみ部により把持可能な程 小さい場合には、ピンセットA5を本体A2から り外してつまみ部でいずれかの接着対象物 把持して他方の接着対象物に向け押圧する また、接着対象物がいずれもピンセットA5 把持可能な程度小さいものでない場合には 一方の接着対象物と他方の接着対象物との に接着材料Bが位置するようにし、その後、 ンセットA5の押圧面A52aを一方の接着対象物 当接させてそのまま他方の接着対象物に向 て押圧する。すると、(マイクロ)カプセル1 前記所定の閾値Z1以上の強い外力が作用し 外壁2が破壊され、湿気硬化型接着剤3が放出 される。数分経過すると、空気中の水分(湿 )を触媒として湿気硬化型接着剤3が硬化し、 2つの接着対象物が接着される。

 また、第2の接着材料塗布具AA1は図5、に 体斜視図、図6に分解斜視図をそれぞれ示す うに、本体AA2と、本体AA2の基部に着脱可能 取り付けてなるリフィルAA3と、本体AA2の先 部に固定して設けてなるノズルAA4と、この ズルAA4の先端に設けてなり接着材料Bの導出 量を制御する導出制限ローラAA41と、本体AA2 対して抱着可能であるとともに基端部に押 面AA52aを有するピンセットAA5とを具備する。

 前記本体AA2、前記リフィルAA3、及び前記 ンセットAA5は、上述した第1の接着材料塗布 具におけるものとほぼ同様の構成を有する。 但し、全体としての外径及び長手寸法は、広 く市販されている筆記用ペン類と略同様にし ている。

 前記ノズルAA4も、上述した第1の接着材料 塗布具におけるものとほぼ同様の構成を有す る。すなわち、本実施形態でも、先端に向か うにつれ断面積が小さくなる略円錐状をなし 、先端に接着材料Bを塗出させるべく開口さ て設けた接着材料吐出口AA4aを有する。但し 本実施形態では、この接着材料吐出口AA4a近 傍に前記導出制限ローラAA41を支持させてい 。

 前記導出制限ローラAA41は、上述したよう に前記ノズルAA4の接着材料吐出口AA4a近傍に けられ、歯車状をなす部材である。そして 前記本体A2側に位置する歯間に(マイクロ)カ セル1を充填させてなるとともに、回動に伴 い接着材料Bを充填している部位が接着対象 S側を向いた際に、(マイクロ)カプセル1を接 対象物Sに向けて放出するよう構成している 。なお、この導出制限ローラAA41及び前記ノ ルAA4は、非使用時にはキャップAA6により被 するようにしている。

 この第2の接着材料塗布具AA1を使用して接 着対象物に接着材料を塗布する際には、図7 示すように、前記導出制限ローラAA41を一方 接着対象物Sに接近させ、導出制限ローラAA4 1を回転させる。すると、導出制限ローラAA41 回転に伴い、前記収容室AA2s内から接着材料 B、すなわち(マイクロ)カプセル1が吐出され 。その際、(マイクロ)カプセル1の最外層に 上述したように、また、前記図1に示すよう 、粘着剤層膜4を形成しているので、この( イクロ)カプセル1の一方の接着対象物Sに対 る位置がそのまま仮決めされる。その後は 上述した第1の接着材料塗布具A1と同様であ 。すなわち、接着対象物のいずれかがピン ットのつまみ部により把持可能な程度小さ 場合には、ピンセットAA5を本体AA2から取り してつまみ部でいずれかの接着対象物を把 して他方の接着対象物に向け押圧する。ま 、接着対象物がいずれもピンセットAA5で把 可能な程度小さいものでない場合には、一 の接着対象物と他方の接着対象物との間に 着材料が位置するようにし、その後、ピン ットAA5の押圧面AA52aを一方の接着対象物に当 接させてそのまま他方の接着対象物に向けて 押圧する。すると、(マイクロ)カプセル1に前 記所定の閾値Z1以上の強い外力が作用して外 2が破壊され、湿気硬化型接着剤3が放出さ る。数分経過すると、空気中の水分(湿気)を 触媒として湿気硬化型接着剤3が硬化し、2つ 接着対象物が接着される。

 さらに、この接着材料Bは、図8及び図9に すように、以下に述べるような転写シートS T上に塗布し、第3の接着材料塗布具を用いて の転写シートST上から接着対象物Sに転写す ようにしてもよい。

 この転写シートSTは、図9に示すように、 材上ST1に上述した(マイクロ)カプセル1を密 塗布してなるものである。また、この転写 ートSTは、図8に示すような転写具に用いら るコアに巻き取った状態や、(マイクロ)カ セル1上に剥離シート(図示略)を配したシー 状の状態で流通するようにしている。なお この場合、(マイクロ)カプセル1の外径は、2 m以上300μm未満、より望ましくは5μm以上100μm 未満である必要がある。これは、通常の転写 糊の塗工厚さは300μm以下、より望ましくは100 μm以下であり、(マイクロ)カプセル1の外径を それ以下にする必要があるからである。

 そして、第3の接着材料塗布具AB1は、図8 示すように、転写具として周知のものと同 の構成を有する。

 以上に述べたような接着材料の構成によ ば、湿気硬化型接着剤3を(マイクロ)カプセ 1の外壁2に内包させているので、特許文献1 載の構成と比較して、接着剤を素早く重合 化させて接着対象物同士の接着に要する時 を短縮できるとともに、特許文献2記載の構 成と比較して、より均等に湿気硬化型接着剤 3を分布させることができる。さらに、湿気 化型接着剤3を防水性を有する外壁2により空 気中の水分から遮蔽しているので、通常の湿 気硬化型接着剤と比較して、より長期間の保 存が可能である。加えて、特に湿気硬化型接 着剤3であるシアノアクリレート系接着剤は 独特の強いにおいがあり、このにおいによ 使用者が不快に感じる場合が存在したが、 実施形態では、シアノアクリレート系接着 を外壁2に内包させているので、このにおい 放出が抑えられる。そして、シアノアクリ ート系接着剤が、空気中の水分(湿気)を触 として素早く、具体的には数分で重合し硬 するので、接着対象物同士の接着に要する 間を好適に短縮できる。

 また、外力により破壊可能な防水性を有 る外壁2と、この外壁に内包された湿気硬化 型接着剤3と、前記外壁2の外表面に形成した 着剤層膜4とを備えた(マイクロ)カプセル1を 複数個具備してなる構成を採用しているので 、前記粘着剤層膜4により接着対象物に止着 該接着対象物に対する位置決めを行うこと できる。

 さらに、20N/cm 2 以下の外力では、いずれの(マイクロ)カプセ 1も破壊されず、所定の閾値Z1(20N/cm 2 ≦Z1<100N/cm 2 )以上の外力で大部分の(マイクロ)カプセル1 破壊されるように外壁2の強度を設定してい ので、接着対象物に塗布する際には(マイク ロ)カプセル1を破壊することなく接着対象物 に止着させ、接着を行う際にこの(マイクロ )カプセル1に強い外力を作用させて(マイクロ )カプセル1を破壊し湿気硬化型接着剤3を外部 に放出させる態様を実現できる。

 また、前記第1及び第2の接着材料塗布具A1 、AA1は、いずれも、接着材料を収容する収容 室A2s、AA2sを備えた本体A2、AA2と、この収容室 A2s、AA2s内の接着材料Bを少量ずつ外部に導出 せるためのノズルA4、AA4とをそれぞれ具備 てなるので、(マイクロ)カプセル1内に湿気 化型接着剤3を内包させているとともに粘着 層膜4を外表面に形成した前記接着材料Bを 少量ノズルA4、AA4から接着箇所に直接導出す る態様を実現でき、微細箇所の接着にこの接 着材料Bを用いることができる。

 加えて、前記収容室A2s、AA2sに補充するた めの接着材料Bが充填され、前記本体A2、AA2に 対して着脱可能に設けられるリフィルA3、AA3 具備してなるので、収容室A2s、AA2s内に収容 した接着材料Bが切れた際には、リフィルA3、 AA3のみを交換すればよく、その他の箇所は廃 棄する必要なく引き続き使用可能であり、従 って、このような接着材料塗布具A1、AA1にお て、収容室A2s、AA2s内に収容した接着材料B 切れた際の廃棄物をなるべく少なくするこ ができる。

 さらに、接着対象物を把持可能であるつ み部と、このつまみ部の基端に設けられ接 対象物を押圧するための押圧面A52a、AA52aと 有するとともに、前記本体A2、AA2の外周に 着可能なピンセットA5、AA5をさらに具備する ので、ピンセットA5、AA5のつまみ部により一 の接着対象物を把持して他方の接着対象物 向けて押圧することや、ピンセットA5、AA5 押圧面A52a、AA52aにより一方の接着対象物を 方の接着対象物に向けて押圧することがで 、接着作業をより効果的に行うようにでき 。しかも、このようなピンセットA5、AA5を本 体A2、AA2に装着して本体A2、AA2と一体的に扱 ことができるようにしてピンセットA5、AA5の 紛失を抑えることもできる。

 そして、前記第2の接着材料塗布具AA1は、 前記ノズルAA4の先端に、接着材料Bの導出量 制御するための導出制限ローラAA41を有する で、さらに効果的に接着材料Bの導出量を制 限できる。

 一方、紙又はフィルム等のシート状の離 基材ST1に、この接着材料Bを塗工してなるこ とを特徴とする転写シートSTを用いれば、前 第3の接着材料塗布具AB1、すなわち周知の転 写具を用いてこのような接着材料Bの塗布を うことができる。

 また、本発明に係る接着材料は、以上に べた第一実施形態に係るものに限らない。 の一例として、以下、本発明の第二実施形 について図面を参照して説明する。なお、 二実施形態の説明中において、上述した第 実施形態におけるものと対応する部位には 同一の名称及び符号を付している。

 本実施形態に係る接着材料BBは、断面図 図10に示すように、外力により破壊可能な防 水性を有する外壁2と、この外壁2に内包され 湿気硬化型接着剤3とを備えた(マイクロ)カ セル10を複数個具備してなるとともに、こ (マイクロ)カプセル10を、粘着剤40中に複数 分散させてなる。そして、この接着材料BBも 、第一実施形態におけるものと同様に、一方 の接着対象物S上に配し、この接着材料上に 方の接着対象物をさらに配した状態で、接 対象物同士を圧着させることにより前記外 を破壊されることにより、前記湿気硬化型 着剤3を放出させて接着対象物同士を接着す 機能を発揮する。

 より具体的には、前記(マイクロ)カプセ 10は、界面重合法等の各種マイクロカプセル 調製法により外壁2に湿気硬化型接着剤3を内 させることにより調製される。ここで、外 2に湿気硬化型接着剤3に内包させる工程と ては、液中乾燥法、界面重合法、in situ重合 法等が挙げられる。

 前記外壁2の材質としては、水分子を通さず 、湿気硬化型接着剤3と混じり合わず、湿気 化型接着剤3と化学反応を起こさない材質で る必要がある。例えば、疎水性の天然及び 成高分子ワックス類や無機化合物等が考え れる。さらに、この外壁2を形成する材質と しては、膜を形成した際に細孔が形成されな い、あるいは水分子よりも小さな細孔のみが 形成されるような材質が望ましい。この外壁 2の厚さ寸法は、所定の本止め閾値Z1以上の外 圧が加えられた際には破壊されるように設定 する必要がある。ここで、前記本止め閾値Z1 、10N/cm 2 以上150N/cm 2 未満の範囲、より好ましくは20N/cm 2 以上100N/cm 2 未満の範囲に設定している。なお、10N/cm 2 という値は、一方の接着対象物上にこの接着 材料Bを塗布し、他方の接着対象物を載置し 仮位置合せする際に(マイクロ)カプセル1が ける圧力を考慮して求められた値である。 方、150N/cm 2 という値は、接着対象物同士を相寄る方向に 押圧する作業を行う際に接着対象物が受ける 圧力の実用上の上限値を考慮して定めた値で ある。さらに、この外壁2の厚さ寸法は、所 の仮止め閾値Z2以下の外力ではいずれの(マ クロ)カプセル1も破壊されないように設定し ている。ここで、前記仮止め閾値Z2は、50N/cm 2 と前記本止め閾値Z1とのうち小さい方の値以 であり、より好ましくは20N/cm 2 以下である。さらに、前記本止め閾値Z1を20N/ cm 2 以上100N/cm 2 未満の範囲に設定すると、この外壁2の設計 易性と使いやすさとを両立させやすくでき 。特に、前記本止め閾値Z1が前記仮止め閾値 Z2の2倍以上、より好ましくは2.5倍以上6倍未 であれば、これら外壁2の設計容易性と使い すさとの両立を容易に行うことができ、実 性を高めることができる。

 前記湿気硬化型接着剤3としては、瞬間接 着剤として周知のシアノアクリレート系接着 剤等が挙げられる。

 一方、この(マイクロ)カプセル10を分散さ せてなる粘着剤40としては、例えば、ゴム系 着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着 、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテル系 着剤等の材料が好適に用いられる。

 さらに、この(マイクロ)カプセル10の外径も 、第一実施形態におけるものと同様に、5μm 上1000μm未満となるように設定している。2μm 以上3000μm未満、より好ましくは5μm以上1000μm 未満となるように設定している。ここで、( イクロ)カプセル10の外径をこの範囲に設定 るのは、2μm未満の外径では、150N/cm 2 以上の外力を加えても外壁2が破壊されず湿 硬化型接着剤3が放出されないので用をなさ 、逆に、3000μm以上の外径では、10N/cm 2 以下の外力でこの(マイクロ)カプセル10を塗 する際に外壁2が破壊されて湿気硬化型接着 3が放出されてしまう不具合が発生し得るか らである。

 また、この接着材料は、以下に述べるよ な第4又は第5の接着材料塗布具X1、XX1を用い て塗布するようにしている。

 第4の接着材料塗布具X1は、図11に全体斜 図、図12に分解斜視図をそれぞれ示すように 、本体X2と、本体X2の基部に着脱可能に取り けてなるリフィルX3と、本体X2の先端部に着 可能に取り付けてなるノズルX4と、本体X2に 対して抱着可能であるとともに基端部に押圧 面X52aを有するピンセットX5とを具備する。

 前記本体X2は、本実施形態では内部に接 材料BBを収容する接着材料収容室X2sを備えた 筒状としている。また、長手方向中間部には 前記リフィルX3に設けた雄ネジ部X31と螺合可 な雌ネジ部X21、先端側に前記ノズルX4に設 た雄ネジ部X41と螺合可能な雌ネジ部X4をそれ ぞれ設けている。

 前記リフィルX3は、本実施形態では有底 状をなし、内部に(マイクロ)カプセル10を収 してなるマイクロカプセル収容室X3sと、内 に粘着剤40を収容してなる粘着液収容室X3t を備えている。また、先端部に前記本体X2の 雌ネジ部X21と螺合可能な雄ネジ部X31を設けて いる。そして、このリフィルX3を本体X2に装 した際に、このリフィルX3の先端側が本体X2 部に収容され、このリフィルX3のマイクロ プセル収容室X3s及び粘着液収容室X3tと本体X2 の接着材料収容室X2sとが連通し、接着材料収 容室X2s内で(マイクロ)カプセル10と粘着剤40と が混じり合い、接着材料BBとなるようにして る。

 前記ノズルX4は、本実施形態では先端に かうにつれ断面積が小さくなる略円錐状を し、先端に接着材料BBを塗出させるべく開口 させて設けた接着材料吐出口X4aを有する。な お、このノズルX4は、非使用時にはキャップX 6により被覆するようにしている。

 前記ピンセットX5は、1対のつまみ要素X51 基端部で互いに接続させて形成したつまみ と、このつまみ部の基端側を被覆し押圧面X 52aを有する押圧部X52とを有する。また、この ピンセットX5は、つまみ部の各つまみ要素X51 、前記本体X2の外側面と係合可能な抱着片X5 11を有する。そして、この抱着片X511を本体X2 外側面と係合させ、前記押圧部X52の押圧面X 52aと反対側を、リフィルX3の基端側に当接さ るかないしはリフィルX3の基端側を被覆さ る姿勢で、このピンセットX5を本体X2に装着 能である。

 この第4の接着材料塗布具X1を使用して接 対象物Sに接着材料BBを塗布する際には、図1 3に示すように、前記ノズルX4の先端の接着材 料吐出口X4aを一方の接着対象物Sに接近させ 本体X2を押圧する。すると、前記収容室X2s内 から、(マイクロ)カプセル10と粘着剤40とが混 じり合った状態で接着材料BBが吐出される。 の際、前記粘着剤40により、この(マイクロ) カプセル1の一方の接着対象物Sに対する位置 そのまま仮決めされる。その後、接着対象 SのいずれかがピンセットX5のつまみ部によ 把持可能な程度小さい場合には、ピンセッ X5を本体X2から取り外してつまみ部でいずれ かの接着対象物Sを把持して他方の接着対象 Sに向け押圧する。また、接着対象物Sがいず れもピンセットX5で把持可能な程度小さいも でない場合には、一方の接着対象物Sと他方 の接着対象物Sとの間に接着材料BBが位置する ようにし、その後、ピンセットX5の押圧面X52a を一方の接着対象物Sに当接させてそのまま 方の接着対象物Sに向けて押圧する。この際 (マイクロ)カプセル10に前記所定の閾値Z1以 の強い外力が作用して外壁2が破壊され、湿 気硬化型接着剤3が放出される。数分経過す と、空気中の水分(湿気)を触媒として湿気硬 化型接着剤3が硬化し、2つの接着対象物Sが接 着される。

 また、第5の接着材料塗布具XX1は、図14に 体斜視図、図15に分解斜視図をそれぞれ示 ように、本体XX2と、本体XX2の基部に着脱可 に取り付けてなるリフィルXX3と、本体XX2の 端部に固定して設けてなるノズルXX4と、本 XX2に対して抱着可能であるとともに基端部 押圧面XX52aを有するピンセットXX5とを具備す る。

 前記本体XX2は、本実施形態では内部に前 リフィルXX3を収容可能なリフィル収容室XX2s を備えた筒状としている。また、内面の先端 近傍部には前記リフィルXX3に設けた雄ネジ部 XX31と螺合可能な雌ネジ部XX21を設けている。 方、外面の先端部には、前記ノズルXX4に設 た雄ネジ部XX41と螺合可能な雌ネジ部XX22を けている。

 前記リフィルXX3は、本実施形態では有底 状をなし、内部に(マイクロ)カプセル10を収 容してなるマイクロカプセル収容室XX3sと、 部に粘着剤40を収容してなる粘着液収容室XX3 tとを備えている。また、先端部に前記本体XX 2の雌ネジ部XX21と螺合可能な雄ネジ部XX31を設 けている。さらに、前記本体XX2に装着した際 に略全体が前記本体XX2のリフィル収容室XX2s に収容されるようにしている。

 前記ノズルXX4は、本実施形態では先端に かうにつれ断面積が小さくなる略円錐状を し、先端に接着材料BBを塗出させるべく開 させて設けた接着材料吐出口XX4aを有する。 た、このノズルXX4の内部は、前記リフィルX X3のマイクロカプセル収容室XX3sと連通するマ イクロカプセル吐出部XX4s及び前記リフィルXX 3の粘着液収容室XX3tと連通する粘着液吐出部X X4tとに隔壁を介して分割されていて、(マイ ロ)カプセル10と粘着剤40とが接着材料吐出口 XX4aにおいて混じり合うようにしている。な 、このノズルXX4は、非使用時にはキャップXX 6により被覆するようにしている。

 前記ピンセットXX5は、上述した第4の接着 材料塗布具X1におけるものとほぼ同様の構成 有する。但し、全体としての外径及び長手 法は、広く市販されている筆記用ペン類と 同様にしている。

 この第5の接着材料塗布具XX1を使用して接 着対象物Sに接着材料BBを塗布する際の操作は 、前記第4の接着材料塗布具X1を使用して接着 対象物に接着材料を塗布する際の操作と同様 である。すなわち、図16に示すように、前記 ズルXX4の先端の接着材料吐出口XX4aを一方の 接着対象物Sに接近させ、本体XX2を押圧する すると、前記カプセル収容室XX3sから、(マイ クロ)カプセル10が、また、粘着液収容室SS3t から粘着剤40がそれぞれ接着材料吐出口XX4a 向かい押し出され、接着材料吐出口XX4aでこ ら(マイクロ)カプセル10と粘着剤40とが混じ 合った状態で接着材料BBが吐出される。そ 際、前記粘着剤40により、この(マイクロ)カ セル1の一方の接着対象物Sに対する位置が のまま仮決めされる。その後、接着対象物S いずれかがピンセットXX5のつまみ部により 持可能な程度小さい場合には、ピンセットX X5を本体XX2から取り外してつまみ部でいずれ の接着対象物Sを把持して他方の接着対象物 Sに向け押圧する。また、接着対象物Sがいず もピンセットXX5で把持可能な程度小さいも でない場合には、一方の接着対象物Sと他方 の接着対象物Sとの間に接着材料BBが位置する ようにし、その後、ピンセットXX5の押圧面X52 aを一方の接着対象物Sに当接させてそのまま 方の接着対象物Sに向けて押圧する。すると 、(マイクロ)カプセル10に前記所定の閾値Z1以 上の強い外力が作用して外壁2が破壊され、 気硬化型接着剤3が放出される。数分経過す と、空気中の水分(湿気)を触媒として湿気 化型接着剤3が硬化し、2つの接着対象物Sが 着される。

 さらに、この接着材料BBは、以下に述べ 第6の接着材料塗布具X2に収容し、この第6の 着材料塗布具X2を介して接着対象物Sに塗布 ることも可能である。

 この第6の接着材料塗布具X2は、図17に示 ように、ヒンジ部を介して折り畳み可能に 接した対をなす蝶片X300a、X300bと、これら蝶 の一方X300aに設けられ内部に前記(マイクロ) カプセル10を収容した変形可能なカプセル収 部XY3と、他方の蝶片X300bに設けられ内部に 着剤40を収容した変形可能な粘着液収容部XY4 とを具備してなるとともに、前記各蝶片X300a X300bを相寄る方向に折り畳む操作により前 カプセル収容部XY3と粘着液収容部XY4とを圧 した場合にノズルたる開口部XY5を形成する うにしている。そして、図18に示すように、 この開口部XY5から、前記カプセル収容部XY3か ら押し出される(マイクロ)カプセル10と粘着 収容部XY4から押し出される粘着剤40とを合流 させて外部に導くようにしている。

 また、この第6の接着材料塗布具X2の変形 して、以下に述べる第7の接着材料塗布具XZ1 が挙げられる。この第7の接着材料塗布具XZ1 、図19に示すように、ヒンジ部を介して折り 畳み可能に連接した対をなす蝶片XZ2a、XZ2bと これら蝶片の一方XZ2aに設けられ内部に前記 (マイクロ)カプセル10を収容した変形可能な プセル収容部XZ3と、他方の蝶片XZ2bに設けら 内部に粘着剤40を収容した変形可能な粘着 収容部XZ4とを具備してなるとともに、前記 ンジ部の奥行き方向中央近傍に、ノズルXZ5 設けてもよい。この第7の接着材料塗布具XZ1 は、図20に示すように、前記各蝶片XZ2a、XZ2b を相寄る方向に折り畳む操作により前記カプ セル収容部XZ3と粘着液収容部XZ4とを圧縮した 場合に、前記カプセル収容部XZ3から押し出さ れる(マイクロ)カプセル10と粘着液収容部XZ4 ら押し出される粘着剤40とがノズルXZ5内で合 流して接着材料BBとして外部に導かれるよう している。   

 さらに、粘着剤40をドット状の粘着液塗 領域上に塗工した上で、この粘着液塗工領 内に(マイクロ)カプセル10を複数個分散させ 図21に示すような転写シートXSTを用意し、 の転写シートを前記第一実施形態における 3の接着材料塗布具AB1に装着してこの接着材 BBを塗布するようにしてもよい。なお、こ 場合、(マイクロ)カプセル10の外径は、2μm以 上300μm未満、より望ましくは5μm以上100μm未 である必要がある。これは、粘着剤40の塗工 厚さが300μm以下、より望ましくは100μm以下で あり、(マイクロ)カプセル10を粘着剤40中に分 散させるためには、(マイクロ)カプセル10の 径をそれ以下にする必要があるからである

 以上に述べたような接着材料BBの構成に っても、湿気硬化型接着剤3を(マイクロ)カ セル10の外壁2に内包させているので、特許 献1記載の構成と比較して、接着剤を素早く 合硬化させて接着対象物同士の接着に要す 時間を短縮できるとともに、特許文献2記載 の構成と比較して、より均等に湿気硬化型接 着剤3を分布させることができる。さらに、 気硬化型接着剤3を防水性を有する外壁2によ り空気中の水分から遮蔽しているので、通常 の湿気硬化型接着剤と比較してより長期間の 保存が可能である。加えて、特に湿気硬化型 接着剤3であるシアノアクリレート系接着剤 、独特の強いにおいがあり、このにおいに り使用時に不快に感じる場合が存在したが 外壁2に内包させているので、このにおいの 出が抑えられるとともに、空気中の水分(湿 気)を触媒として素早く、具体的には数分で 合し硬化するので、接着対象物同士の接着 要する時間を好適に短縮できる。

 また、外力により破壊可能な防水性を有 る外壁2と、この外壁2に内包された湿気硬 型接着剤3とを備えた(マイクロ)カプセル10を 、粘着剤40中に複数個分散させてなる構成を 用しているので、前記粘着剤40を介して(マ クロ)カプセル10を接着対象物に止着させ、 接着対象物に対する位置決めを行うことが きる。

 さらに、20N/cm 2 以下の外力では、いずれの(マイクロ)カプセ 1も破壊されず、所定の閾値Z1(20N/cm 2 ≦Z1<100N/cm 2 )以上の外力で大部分の(マイクロ)カプセル1 破壊されるように外壁2の強度を設定してい ので、接着対象物に塗布する際には(マイク ロ)カプセル10を破壊することなく接着対象物 上に止着させ、接着を行う際にこの(マイク )カプセル10に強い外力を作用させて(マイク )カプセル10を破壊し湿気硬化型接着剤3を外 部に放出させる態様を実現できる。

 また、前記第4及び第5の接着材料塗布具X1 、XX1は、いずれも、(マイクロ)カプセル10を 容するマイクロカプセル収容室X3s、XX3s、及 粘着剤40を収容する粘着液収容室X3t、XX3tを 部に形成可能な本体X2、XX2と、この収容室 の(マイクロ)カプセル10及び粘着剤40からな 接着材料BBを少量ずつ外部に導出させるため のノズルX4、XX4とを具備してなるので、(マイ クロ)カプセル10と粘着剤40とを混じり合わせ 状態でこの接着材料BBを少量ノズルX4、XX4か ら接着箇所に直接導出する態様を実現でき、 微細箇所の接着にこの接着材料BBを用いるこ ができる。

 加えて、前記マイクロカプセル収容室X3s XX3sに補充するための(マイクロ)カプセル10 及び前記粘着液収容室X3t、XX3tに補充するた の粘着剤40がそれぞれ充填され、前記本体X2 、XX2に対して着脱可能に設けられるリフィル X3、XX3も具備してなるので、マイクロカプセ 収容室X3s、XX3s内に収容した(マイクロ)カプ ル10、及び前記粘着液収容室X3t、XX3tに収容 た粘着剤40が切れた際には、リフィルX3、XX3 のみを交換すればよく、その他の箇所は廃棄 する必要なく引き続き使用可能であり、従っ て、このような接着材料塗布具X1、XX1におい 、各収容室X3s、XX3s、X3t、XX3t内に収容した( イクロ)カプセル10及び粘着剤40が切れた際 廃棄物をなるべく少なくすることができる

 さらに、接着対象物Sを把持可能であるつ まみ部と、このつまみ部の基端に設けられ接 着対象物Sを押圧するための押圧面X52a、XX52a を有するとともに、前記本体X2、XX2の外周に 装着可能なピンセットX5、XX5をさらに具備す ので、ピンセットX5、XX5のつまみ部により 方の接着対象物Sを把持して他方の接着対象 に向けて押圧することや、ピンセットX5、XX 5の押圧面X52a、XX52aにより一方の接着対象物S 他方の接着対象物Sに向けて押圧することが でき、接着作業をより効果的に行うようにで きる。しかも、このようなピンセットX5、XX5 本体X2、XX2に装着して本体X2、XX2と一体的に 扱うことができるようにしてピンセットX5、X X5の紛失を抑えることもできる。

 一方、前記第6の接着材料塗布具X2又は第7 の接着材料塗布具XZ1の構成を採用すれば、カ プセル収容部XY3、XZ3及び粘着液収容部XY4、XZ4 に1回分の接着に用いられる量の(マイクロ)カ プセル10及び粘着剤40をそれぞれ収容するよ にして、接着材料BBの使いすぎを効果的に防 止できる。

 そして、紙又はフィルム等のシート状の 型基材に、この接着材料を塗工してなるこ を特徴とする転写シートを用いれば、前記 3の接着材料塗布具、すなわち周知の転写具 を用いてこのような接着材料の塗布を行うこ とができる。

 さらに、本発明に係る接着材料の他の一 として、以下、本発明の第三実施形態につ て図面を参照して説明する。なお、第三実 形態の説明中において、上述した第一実施 態におけるものと対応する部位には、同一 名称及び符号を付している。

 本実施形態に係る接着材料BBBは、図29の(a )に示すように、多孔質粒子Z2と、この多孔質 粒子Z2の空洞中に含有させた湿気硬化型接着 3と、前記多孔質粒子Z2の表面の細孔を覆う ーティング層Z5とを備えた(マイクロ)カプセ ルZ1を複数個具備してなるとともに、この(マ イクロ)カプセルZ1を、粘着剤Z40中に複数個分 散させてなる。そして、この接着材料BBBは、 一方の接着対象物S上に配し、この接着材料 に他方の接着対象物をさらに配した状態で 接着対象物同士を圧着させることにより前 多孔質粒子Z2を破壊されることにより、前記 湿気硬化型接着剤3を放出させて接着対象物 士を接着する機能を発揮する。

 より具体的には、前記(マイクロ)カプセ Z1は、多孔質粒子Z2の空洞中に湿気硬化型接 剤3を含有させることにより調製される。こ こで、多孔質粒子Z2の空洞中に湿気硬化型接 剤3に含有させ前記(マイクロ)カプセルZ1を 造する工程としては、例えば、真空雰囲気 において多孔質粒子Z2中に湿気硬化型接着剤 3を含有させ、その後真空雰囲気中において 孔質粒子Z2の外側にコーティング層Z5を形成 る方法等が考えられる。

 前記多孔質粒子Z2の材質としては、水分 を通さず、湿気硬化型接着剤3と混じり合わ 、湿気硬化型接着剤3と化学反応を起こさな い材質である必要がある。例えば、無機化合 物が好適に用いられ得る。より具体的には、 この多孔質粒子Z2として、無機多孔質シリカ( 商品名:ゴッドボール)を用いることが好まし 。また、この多孔質粒子Z2は、それ以外に 、アルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、燐 塩、硫酸塩や金属酸化物、金属水酸化物、 の他の金属珪酸塩、あるいはその他の金属 酸塩等を用いて形成したものであってもよ 、有機高分子化合物を利用してもよい。な 、前記図29では多孔質粒子Z2の孔は規則的に 置されているが、実際には孔は不規則に配 れていて、また、表面近傍だけでなく中心 に至るまで全域にわたって孔と孔でない部 とが混在している。   

 前記湿気硬化型接着剤3としては、瞬間接 着剤として周知のシアノアクリレート系接着 剤等が挙げられる。

 一方、この(マイクロ)カプセルZ1を分散さ せてなる粘着剤Z40としては、上述した第二実 施形態に係るものと同様なもの、例えば、ゴ ム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系 粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテ ル系粘着剤等の材料が好適に用いられる。

 さらに、この(マイクロ)カプセルZ1の外径 も、第一実施形態におけるものと同様に、5μ m以上1000μm未満となるように設定している。2 μm以上3000μm未満、より好ましくは5μm以上1000 μm未満となるように設定している。

 このような接着材料は、上述した第4、第 5又は第6の接着材料塗布具のいずれを用いて 接着対象に塗布できる。

 以上に述べたような接着材料BBBの構成に れば、湿気硬化型接着剤3を多孔質粒子Z2の 洞内に含有させているので、特許文献1記載 の構成と比較して、細かい部分への塗布が可 能であるとともに、接着剤を素早く重合硬化 させて接着対象物同士の接着に要する時間を 短縮でき、また、特許文献2記載の構成と比 して、より均等に接着剤を分布させること できる。

 また、前記多孔質粒子Z2を無機素材によ 構成しているので、多孔質粒子Z2が湿気硬化 型接着剤3中に溶け出しにくく、より安定し 湿気硬化型接着剤3を保管できる。

 さらに、前記(マイクロ)カプセルZ1が、前 記多孔質粒子Z2の表面の細孔を覆うコーティ グ層Z5を備えているので、このコーティン 層Z5を越えて空気中の湿気が多孔質粒子Z2の 洞内に含有させた湿気硬化型接着剤3に達す ることを防ぐことができる。すなわち湿気硬 化型接着剤3を空気中の水分から遮蔽できる で、湿気硬化型接着剤3をより長期間保存で る。加えて、シアノアクリレート系接着剤 ある湿気硬化型接着剤3は、独特の強いにお いがあり、このにおいにより使用時に不快に 感じる場合が存在したが、コーティング層Z5 より前記多孔質粒子Z2の表面の細孔を覆っ いるので、このにおいの放出が抑えられる

 そして、前記(マイクロ)カプセルZ1を、粘 着剤Z40に複数個分散させているので、この粘 着剤により(マイクロ)カプセルZ1を接着対象 に止着して該接着対象物に対する位置決め 行うことができる。

 また、(マイクロ)カプセルZ1を粘着剤Z40に 複数個分散させる上述したような接着材料BBB の構成に代え、図29の(b)に示すように、多孔 粒子Z2と、この多孔質粒子Z2の空洞中に含有 させた湿気硬化型接着剤3と、前記多孔質粒 Z2の表面の細孔部を覆うコーティング層Z5と 具備し、これら多孔質粒子Z2、湿気硬化型 着剤3、及びコーティング層Z5が上述したよ な接着材料BBBにおけるものと同様の構成を する(マイクロ)カプセルZ1を主材とするとと に、この(マイクロ)カプセルZ1が前記コーテ ィング層Z5のさらに外側に外表面を形成する 着剤層膜Z4をさらに具備する接着材料ZZBの 成を採用しても、この粘着剤層膜Z4により( イクロ)カプセルZ1が接着対象物Sに止着し該 着対象物に対する位置決めを行うことがで る。

 なお、本発明は以上に述べた実施態様に られない。

 例えば、(マイクロ)カプセルの外壁の表 に粘着剤層膜を形成したり粘着剤又は接着 中に(マイクロ)カプセルを分散させたりする 代わりに、粘着性を有する材質により外壁自 体を構成し、マイクロカプセル自体の接着対 象物に対する位置決めを行わせるようにして もよい。また、直径300~3000μm程度の比較的大 の(マイクロ)カプセル内に湿気硬化型接着 を内包させ、ピンセット等の把持手段を利 してこの(マイクロ)カプセルを接着対象物の 接着部位に配してもよい。

 さらに、機械等を用いて強い力で接着対 物同士を押圧して初めて外壁が破壊される うにする態様に用いるべく、小さなマイク カプセルを用いてもよく、材質や外壁の厚 寸法等を設定してもよい。

 加えて、前述した第二実施形態において 粘着剤でなく接着剤を使用し、(マイクロ) プセルと接着剤とを、前述した第4、第5、第 6、又は第7の接着材料塗布具等を利用して接 対象物に塗布する際に混合し、接着剤中に( マイクロ)カプセルを分散させてもよい。こ ような接着剤としては、化学反応型接着剤 合成ゴム系接着剤等が好適に用いられる。

 加えて、前述した第一実施形態に係る接 材料Bにおいて、(マイクロ)カプセル1の外壁 2に細孔が形成されないようにする、あるい 水分子よりも小さな細孔のみが形成させる うにする代わりに、前記外壁2の細孔の存在 有無に関わらず、図22に断面を示すように この外壁2と湿気硬化型接着剤3との間に、水 分子を通さない、防水性のあるコーティング 層5を設けてもよい。

 また、前述した第二実施形態に係る接着 料BBにおいても、(マイクロ)カプセル10の外 2に細孔が形成されないようにする、あるい は水分子よりも小さな細孔のみが形成させる ようにする代わりに、前記外壁2の細孔の存 の有無に関わらず、図23に断面を示すように 、この外壁2と湿気硬化型接着剤3との間に、 分子を通さない、防水性のあるコーティン 層5を設けてもよい。

 このように、前記外壁2と湿気硬化型接着 剤3との間に防水性のあるコーティング層5を けたものであれば、破壊しやすいが水分子 通過可能な細孔が存在することが多い通常 外壁2を形成したものであっても、コーティ ング層5によりその内側の気密性を高めるこ により湿気硬化型接着剤3に空気中の水分(湿 気)が到達することを防ぐことができ、湿気 化型接着剤3をより長期間保存することがで る。

 さらに、前述した第一実施形態に係る接 材料Bにおいて、(マイクロ)カプセル1の前記 外壁2に細孔が形成されないようにする、あ いは水分子よりも小さな細孔のみが形成さ るようにする代わりに、前記外壁2の細孔の 在の有無に関わらず、図24に断面を示すよ に、前記外壁2の外側に、水分子を通さない 防水性のあるコーティング層5を設けてもよ い。

 同様に、前述した第二実施形態に係る接 材料BBにおいても、(マイクロ)カプセル10の 記外壁2に細孔が形成されないようにする、 あるいは水分子よりも小さな細孔のみが形成 させるようにする代わりに、前記外壁2の細 の存在の有無に関わらず、図25に断面を示す ように、前記外壁2の外側に、水分子を通さ い、防水性のあるコーティング層5を設けて よい。

 このように、外壁2の外側に防水性のある コーティング層5を設けたものであっても、 壊しやすいが水分子が通過可能な細孔が存 することが多い外壁2を形成しつつ、コーテ ング層5の存在によりその内側の気密性を高 めることができる。従って、湿気硬化型接着 剤3に空気中の水分(湿気)が到達することを防 ぐことができ、湿気硬化型接着剤3をより長 間保存することができる。

 加えて、外壁2に機能性材料の注入及び抽 出が可能な大きさの細孔を設けるとともに、 この細孔近傍の部位のみを被覆するコーティ ング層5を設けても、最低限前記細孔から外 2の内側に空気中の水分(湿気)が到達するこ を防ぐ効果は得られる。

 さらに、前述した第一実施形態に係る接 材料Bにおいて、図26に断面を示すように、 壁2に、湿気硬化型接着剤3に隣接する内外 層21と、この内外壁層21の外側に隣接する外 壁層22とを有する二層に構成した二重カプ ル構造を採用してもよい。また、図27に断面 を示すように、粘着剤層膜4を省略し、外外 層22を粘着剤により形成してもよい。

 もちろん、前述した第二実施形態に係る 着材料BBにおいて、図28に断面を示すように 、外壁2に、湿気硬化型接着剤3に隣接する内 壁層21と、この内外壁層21の外側に隣接する 外外壁層22とを有する二層に構成した二重カ セル構造を採用してもよい。

 このように、外壁2に上述したような二重 カプセル構造を採用すれば、内外壁層21及び 外壁層22に細孔を有する有機化合物又は無 化合物による皮膜を採用しても、これら内 壁層21及び外外壁層22の細孔同士が重合しな 限り、この外壁2の内側の湿気硬化型接着剤 3に空気中の水分(湿気)が到達することがなく 、従ってより気密性を高め、湿気硬化型接着 剤3をより長期間保存することができる。特 、粘着剤層膜4を省略し、外外壁層22を粘着 により形成したものであれば、二重カプセ 構造により気密性を確保しつつ、外外壁層22 を一方の接着対象物Sに接触させた際にこの( イクロ)カプセルを接着対象物Sに対して位 決めできる。もちろん、外壁2を三層以上に 成した多層カプセル構造を採用しても、こ ような効果は同様に得られる。

 また、外壁に湿気硬化型接着剤の注入及 放出が可能な大きさの細孔を設け、この細 をコーティング層により被覆する態様の(マ イクロ)カプセルを採用してもよい。すなわ 、この細孔から湿気硬化型接着剤を注入し そして外壁の細孔をコーティング層により 覆して(マイクロ)カプセルを形成してもよい 。このようにコーティング層を形成すれば、 細孔近傍の部位からの水の侵入はコーティン グ層や外壁により防ぐことができる。また、 このような(マイクロ)カプセルを採用する場 、カプセルに外力を与えた際に、外壁より 度が低いコーティング層が破壊され、細孔 露出するので、外壁を破壊しなくても湿気 化型接着剤を(マイクロ)カプセル外に出す とができる。

 加えて、本発明に係る接着材料中に、こ 接着材料のカプセル又はマイクロカプセル 破壊を促進するための破壊促進粒子を備え せるようにしてもよい。

 また、カプセル又はマイクロカプセルの 壊を促進させるべく作用を加える部材であ 破壊促進要素を接着材料塗布具に設ける態 を採用してもよい。すなわち、破壊促進要 として、カプセル又はマイクロカプセルの 壊を促進させるべく作用を加えることが可 な、言い換えれば機能性材料をカプセル外 放出しうる状態にすべく作用を加えること 可能な部材を設けるようにしてもよい。

 前記破壊促進粒子を備えた接着材料及び 壊促進要素を設けてなる接着材料塗布具を いる態様の一例として、例えば以下に述べ ようなものが考えられる。

 この態様に係る接着材料ZBは、前記第二 施形態に係る接着材料BBと略同様の構成を有 する。すなわち、外力により破壊可能な防水 性を有する外壁ZB2と、この外壁ZB2に内包され た湿気硬化型接着剤ZB3とを備えた(マイクロ) プセルZB1を複数個具備してなるとともに、 の(マイクロ)カプセルZB1を、粘着剤ZB4中に 数個分散させてなる。ここで、(マイクロ)カ プセルZB1の断面図を図30に示す。加えて、こ 接着材料ZBは、カプセルZB1内の湿気硬化型 着剤ZB3中に、破壊促進粒子たる磁性体粒子ZB 6を混入させている。この磁性体粒子6は、剛 が高い磁性体材料により構成している。そ て、この接着材料ZBも前記第二実施形態に けるものと同様に、一方の接着対象物S上に し、この接着材料上に他方の接着対象物を らに配した状態で、接着対象物同士を圧着 せることにより前記外壁を破壊されること より、前記湿気硬化型接着剤ZB3を放出させ 接着対象物同士を接着する機能を発揮する

 一方、この接着材料ZBの塗布に用いられ 接着材料塗布具ZZ1は、図31に全体斜視図を示 すように、本体ZZ2と、本体ZZ2の基部に着脱可 能に取り付けてなるリフィルZZ3と、本体ZZ2の 先端部に固定して設けてなり先端部に磁性体 ボールZZ41を有するノズルZZ4と、本体ZZ2に対 て着脱可能であるとともに基端部に押圧面ZZ 52aを有するピンセットZZ5とを具備する。

 前記本体ZZ2及び前記リフィルZZ3は、上述 た第4の接着材料塗布具におけるものとほぼ 同様の構成を有する。但し、全体としての外 径及び長手寸法は、広く市販されている筆記 用ペン類と略同様にしている。

 前記ノズルZZ4は、先端に向かうにつれ断 積が小さくなる略円錐状をなし、先端に接 材料Bを塗出させるべく開口させて設けた接 着材料吐出口ZZ4aを有し、この接着材料吐出 AA4a近傍に前記磁性体ボールZZ41を支持させて いる。

 前記磁性体ボールZZ41は、磁性体を利用し て球状に形成していて、上述したように前記 ノズルZZ4の接着材料吐出口ZZ4a近傍に設けて る。そして、(マイクロ)カプセル1が確実に 部に放出されるようにすべく、磁力により( イクロ)カプセル1を磁性体ボールに向け吸 するようにしている。この磁性体ボールZZ41 磁力は、吸引された(マイクロ)カプセル1が 着材料吐出口ZZ4aから排出されるようにする ことが可能な程度に弱くしている。

 前記ピンセットZZ5は、基端部にカプセルZ B1の破壊を促進させるべく作用を加える破壊 進要素たる磁石ZZ58を埋設している。一方、 この磁石ZZ58による磁力を遮蔽すべく、リフ ルZZ3の底部すなわち本体ZZ2に取り付けた状 で前記磁性体ボールに向かう側と反対側の 部に、磁石ZZ58と離間させるようにして遮蔽 ZZ59を設けている。前記磁石ZZ58から単位距 離れた部位での磁力は、少なくとも前記磁 体ボールZZ41から単位距離離れた部位での磁 よりも強くしている。一方、遮蔽体ZZ59は鉄 等の磁性体、又はアルミニウム等の反磁性体 により構成していて、リフィルZZ3内において は磁性体ボールZZ41からの磁力が磁石ZZ58から 磁力を上回るようにしている。

 この第2の接着材料塗布具ZZ1を使用して接 着対象物Sに前記接着材料ZBを塗布する際には 、図32に示すように、前記ノズルZZ4を一方の 着対象物Sに接近させ、磁性体ボールZZ41を 転させる。すると、磁性体ボールZZ41の回転 伴い、前記収容室ZZ2s内から接着材料ZBが吐 される、すなわち(マイクロ)カプセルZB1及 粘着剤ZB4が吐出される。なお、前記ノズルZZ 4の先端部には前記磁性体ボールZZ41を収納す ボール収納孔ZZ4xを設けているとともに、前 記(マイクロ)カプセルZB1を排出可能にすべく ボール収納孔ZZ4xの複数箇所を径方向外側に 拡開させてカプセル排出溝ZZ4yを設けている その際、前記粘着剤ZB4により、この(マイク )カプセルZB1の一方の接着対象物Sに対する 置がそのまま仮決めされる。その後、ピン ットZZ5の基端部に設けた磁石ZZ58を(マイクロ )カプセル1に近づけると、(マイクロ)カプセ 1中の磁性体粒子6が磁石ZZ58に引き寄せられ 該磁性体粒子6が外壁2を突き破り破壊したり 、破壊を支援して破壊を容易にしたりする。 このとき、湿気硬化型接着剤3が放出される 数分経過すると、空気中の水分(湿気)を触媒 として湿気硬化型接着剤3が硬化し、2つの接 対象物が接着される。

 また、破壊促進粒子を備える接着材料の の態様として、図33及び図34に示すように、 外壁2に湿気硬化型接着剤3を内包させている ともに外壁2の外側にコーティング層5を有 るカプセル1、10を主材とする接着材料にお て、外壁2の厚み寸法内に破壊促進粒子6を配 するようにしてもよい。このように構成すれ ば、カプセル1を押圧すると前記破壊促進粒 6近傍の部位で外壁2が破断するとともにこの 部位でコーティング層5も破断し、外壁2に内 させた湿気硬化型接着剤3がカプセル1外に るので、カプセル1の破壊に必要な外力を小 くできるからである。もちろん、コーティ グ層5を有しないカプセル1、10を主材とする 接着材料において、外壁2の厚み寸法内に破 促進粒子6を配するようにしてもよい。加え 、図35に示すように、多孔質粒子Z2と、この 多孔質粒子Z2の空洞中に含有させた湿気硬化 接着剤3と、前記多孔質粒子Z2の表面の細孔 覆うコーティング層Z5とを備えた(マイクロ) カプセルZ1を主材とする接着材料において、 ーティング層Z5内に破壊促進粒子6を配する うにしてもよい。また、前記図33、図34に示 したようなカプセル1、10を主材とする接着材 料において、外壁2の厚み寸法内に破壊促進 子6を配する態様に代え、外壁2とコーティン グ層5との間に破壊促進粒子6を配するように てもよい。

 一方、カプセル内部に破壊促進粒子を備 る代わりに、接着材料塗布具側のみに前記 壊促進要素を設ける態様も考えられる。例 ば、図36に示すように、内部に接着材料B、B B、BBBを収容する収容室A2sを有する本体A2を具 備する接着材料塗布具A1を以下に示すように 成することが考えられる。より具体的には 前記図36の(a)又は同図の(b)に示すように、 体A2の基端部に、接着材料B、BB、BBBに圧接す ることにより接着材料B、BB、BBBの外壁2ない コーティング部ZB5を破壊することが可能な 壊促進要素たる尖頭突起A21を設ける態様や 同図の(c)に示すように、接着材料B、BB、BBB 塗布した面に面的に圧接させることにより 着材料B、BB、BBBの外壁2ないしコーティング ZB5を押しつぶすことが可能な破壊促進要素 るへらA22を設ける態様が考えられる。もち ん、このような接着材料塗布具A1により、 プセル内部に破壊促進粒子を備える接着材 を塗布するようにしてもよい。

 また、前述したような磁気吸引による磁 体粒子の移動に伴い磁性体粒子に外壁また コーティング層を突き破らせて破壊する、 は破壊を支援する態様や、押圧による外壁 たはコーティング層に対する機械的作用の 加により外壁またはコーティング層を破壊 る態様だけでなく、外壁またはコーティン 層を加熱融解させる態様も考えられる。

 例えば、塗布具に形成した当接面を塗布 に当てた状態で塗布具により塗布面を擦る 作により当接面と塗布面との間で摩擦熱を 生させ、この摩擦熱で外壁またはコーティ グ層を融解させ、湿気硬化型接着剤を露出 せる態様が考えられる。この場合、前記当 面が破壊促進要素として機能する。また、 布具に回転発生具を具備させ、この回転発 具を用いて塗布具を回転させる操作により 接面と塗布面との間で摩擦熱を発生させ、 の摩擦熱で外壁またはコーティング層を融 させ、湿気硬化型接着剤を露出させる態様 考えられる。この場合、前記当接面及び回 発生具が破壊促進要素として機能する。

 加えて、破壊促進粒子を備える接着材料 さらに別の態様として、図37に示すように 外壁2に湿気硬化型接着剤3を内包させている とともに外壁2の外側に粘着材層4を塗工して るカプセル1を主材とする接着材料において 、カプセル2の外壁1の内側に、湿気硬化型接 剤3が通過不可能な内壁層71と、この内壁層7 1に囲繞され空気等の気体を内部に含有する 空部72とを具備する破壊促進粒子たるバルー ン7を配する構成を採用してもよい。このよ な接着材料においては、上述したように塗 具A1を塗布面Sに当てた状態で塗布具A1を回転 させて摩擦熱を発生させることが可能な塗布 具A1を用い、摩擦熱によりバルーン7内部の中 空部72の気体を膨張させてバルーンを破裂さ 、この破裂の衝撃によりカプセル1の外壁2 も破壊させて湿気硬化型接着剤3をカプセル1 外に導くようにしてもよい。また、図示は省 略するが、上述したように湿気硬化型接着剤 3に磁性体粒子を混入させるようにしてもよ 。この場合、磁石を近づけることにより磁 体粒子がバルーン7の内壁を破断するように 、バルーン7の破断によりカプセル1が収縮 次いで外壁2を破断する構成を採用してもよ 。さらに、前記カプセル1に機械的外力を作 用させ、この外力によりバルーン7の内壁を 断させるようにしてももちろんよい。

 その他、外壁又はコーティング層を化学 用により除去する態様も考えられる。

 例えば、前述した第三実施形態に係る(マ イクロ)カプセルZ1においてコーティング層Z5 空気中の成分と化学反応することにより容 に破壊されるようにすべく、この(マイクロ )カプセルZ1を以下の方法で製造するとよい。 すなわち、多孔質粒子Z2を真空雰囲気中に配 て多孔質粒子Z2内部の空気を除去し、内部 空気を除去した多孔質粒子Z2を真空パック中 等の真空雰囲気中にそのまま保管し、この多 孔質粒子Z2を湿気硬化型接着剤3中に放出する ことにより多孔質粒子Z2内部に湿気硬化型接 剤3を含有させ、さらに真空雰囲気中におい て内部に湿気硬化型接着剤3を含有させた多 質粒子Z2の外側に、空気中の水分や酸素等の 成分と化学反応を起こすことにより剛性が低 下して破損するコーティング層Z5を形成する とによりカプセルを製造するとよい。そし 、この(マイクロ)カプセルZ1を使用直前まで 真空雰囲気中で保存しておくようにするとよ い。このような方法を採用すれば、接着作業 を行うべく(マイクロ)カプセルZ1を真空雰囲 中から空気中に放出すると、時間の経過に りコーティング層Z5が空気中の水分や酸素等 の成分と化学反応を起こすことにより剛性が 低下して破損しやすくなり、内部の湿気硬化 型接着剤3を容易に取り出すことができる。

 さらに、前段で述べた態様において、空 中の水分や酸素等の成分と化学反応を起こ ことにより剛性が低下して破損しやすくな コーティング層Z5に代えて、光の照射を受 ることにより光化学反応を起こして剛性が 下して破損しやすくなるコーティング層Z5を 有する(マイクロ)カプセルZ1を利用し、この( イクロ)カプセルZ1を使用直前まで暗所に保 する態様を採用してもよい。

 加えて、外壁又は多孔質粒子を複数種類 材質により構成するようにしてもよい。例 ば、互いに溶融せず熱膨張率又は熱収縮率 異なる複数種の材質を混合したものを利用 て構成した外壁又は多孔質粒子を採用して よい。このような構成であれば、外壁の複 種類の材質それぞれの熱膨張率又は熱収縮 の違いにより外壁又は多孔質粒子に水や空 等が侵入しない程度のひび割れやしわがで 、押圧時に破壊されやすくなるので、湿気 化型接着剤を容易に排出させることができ 。

 一方、上述した第二実施形態において、 に粘着剤40を塗工し、それから粘着剤40を塗 工した箇所に(マイクロ)カプセル10を配する うにするとともに、図38に示すように、粘着 剤40の塗工厚さを(マイクロ)カプセル10の直径 よりも小さくするようにするとなおよい。こ のように構成すると、一方の接着対象物に接 着材料を塗布した後、接着を行うべく外力を 加えた際に、他方の接着対象物が(マイクロ) プセル10に優先して当接するので、より確 に(マイクロ)カプセル10を破壊して湿気硬化 接着剤3を(マイクロ)カプセル10外に取り出 ことができるからである。また、図37には第 二実施形態に係る(マイクロ)カプセル10を有 る接着材料BBを塗工する場合を示しているが 、第三実施形態に係る接着材料において粘着 剤40の塗工厚さを(マイクロ)カプセルZ1の直径 よりも小さくするようにしてももちろんよい 。

 また、前記第一又は第二実施形態におい 、接着材料B、BBを離型基材ZS1上に塗工して 写シートZSを形成し、この転写シートZSTか 一方の接着対象物に接着材料B、BBを転写す 態様を採用する場合、離型基材ZS1の接着材 B、BBを塗工する側の表面に破壊促進要素を してもよい。この破壊促進要素は、図39に示 すように離型基材ZS1の接着材料B、BBを塗工す る側の表面に設けてなり凸部ZS1aを有する破 促進層の凸部ZS1aであってもよく、また、破 促進要素として例えば高硬度の金属や無機 晶等の微粒子を用いて形成した破壊促進粒 を配してもよい。このような転写シートZS 採用すると、接着材料B、BBを転写シートZSか ら一方の接着対象物に転写する際に、破壊促 進要素たる凸部ZS1aが接着材料B、BBに当接す ので、接着材料B、BBの外壁2を別途破壊する 間を省き、直ちに他方の接着対象物との接 作業に移ることができる。さらに、前記第 実施形態に係る接着材料BBを用いる場合、( イクロ)カプセル10の単位体積あたりの質量 接着材料40の単位体積あたりの質量とを異 らせるとなおよい。例えば、このような転 シートZSの接着材料BBを塗工する側の表面を 向きにし、一方の転写対象物をこの転写シ トZSに接触させて接着材料BBを転写する態様 を採用する場合、(マイクロ)カプセル10の単 体積あたりの質量を接着材料40の単位体積あ たりの質量より大きくすると、(マイクロ)カ セル10は下方に移動して破壊促進要素たる 記凸部ZS1aに接近し、接着対象物に塗布する により速やかに前記凸部ZS1aに当接するので 、さらに容易に接着材料BBの外壁2を破壊する 手間を軽減できる。

 そして、図40に示すように、大きさが異 る(マイクロ)カプセル10により接着材料を構 してもよい。このような(マイクロ)カプセ 10を外力により破壊する場合、大きさが異な る(マイクロ)カプセル10が存在すれば、全て (マイクロ)カプセル10が同時に外力を受ける でなく、最大の(マイクロ)カプセル10のみが 優先して外力を受け、以下大きな(マイクロ) プセル10から順に外力を受けるので、個々 マイクロカプセル10の破壊には大きな外力を 必要としないようにできる。なお、図34には 二実施形態に係る(マイクロ)カプセル10を有 する接着材料BBを示したが、第一実施形態や 三実施形態に係る接着材料において大きさ 異なる(マイクロ)カプセルを混在させても ちろんよい。

 加えて、撥水性材料を利用して第一又は 二実施形態に係る接着材料のカプセル又は イクロカプセルの外壁を形成してもよく、 た、撥水性材料を利用して第三実施形態に る接着材料の多孔質粒子を形成してもよい このように構成しても、外壁又は多孔質粒 の撥水性によりカプセル又はマイクロカプ ル内部に水分が到達することを抑制でき、 ってマイクロカプセル内部の湿気硬化型接 剤が使用前に固化してしまう不具合の発生 防ぐことができる。もちろん、前記外壁又 多孔質粒子の細孔を被覆すべく設けたコー ィング層を、撥水性材料を利用して形成し も同様の効果が得られる。さらに、撥水性 料のみによりコーティング層を形成するだ でなく、撥水性材料を混入させて形成した 料によりコーティング層を形成する場合で 同様の効果が得られる。

 その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲 種々変形が可能である。

 本発明の接着材料を活用すれば、湿気硬 型接着剤をカプセル又はマイクロカプセル 外壁に内包させているので、外壁により接 剤を空気中の水分から遮蔽でき、より長期 の保存が可能になるとともに、特有のにお が放出されることを防ぐこともできる。

 特に、カプセル又はマイクロカプセルが 記外壁の外表面に形成した粘着剤層膜を備 ている接着材料、又はカプセル又はマイク カプセルを粘着剤又は接着剤中に複数個分 させてなる構成の接着材料であれば、前記 着剤層膜、粘着剤、又は接着剤によりカプ ル又はマイクロカプセルを一方の接着対象 に止着して該接着対象物に対する位置決め 行った後、この接着対象物と他方の接着対 物とを相寄せる際の圧力によりこのカプセ 又はマイクロカプセルを破壊して湿気硬化 接着剤を放出させ接着を行うようにできる