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Patent Searching and Data


Title:
ADHESIVE MATERIAL, ADHESIVE SHEET, AND USE OF THE ADHESIVE SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123552
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an adhesive material which has good coatability at a low viscosity, can be produced in a solvent-free form, has good adhesion to an object and excellent removability, produces a reduced amount of electrostatic charge when the adhesive material is peeled off, and has an excellent high-rate peel property. Specifically disclosed is an adhesive material which is produced by curing a curable composition comprising a polymer (S) having a silyl group which is represented by the general formula (1). (1) (A) (B) In the formula (1), R1 represents a t-valent residue produced by removing all of hydroxy groups from a compound having t pieces of hydroxy groups in the molecule; R2 represents a bivalent organic group; R3 represents a univalent organic group having 1 to 20 carbon atoms; X represents a hydroxy group or a hydrolyzable group; Y represents a bivalent group represented by the general formula (A) or (B); a represents an integer of 1 to 3; r represents an integer of 1 to 1000; and t represents an integer of 1 to 8. In the formula (A), R4 represents an alkylene group having 2 to 8 carbon atoms. In the formula (B), R5 represents an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms.

Inventors:
YASUDA TERUHIKO (JP)
SHIMOMA HITOSHI (JP)
SATO HISASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056602
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
April 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
YASUDA TERUHIKO (JP)
SHIMOMA HITOSHI (JP)
SATO HISASHI (JP)
International Classes:
C09J183/12; C09J7/38; C09J167/00; C09J171/02; C09J201/10; G02B5/30; H01L21/304
Domestic Patent References:
WO2005073334A12005-08-11
WO2005073333A12005-08-11
WO2005073333A12005-08-11
WO2005073334A12005-08-11
Foreign References:
JP2003012751A2003-01-15
JPH06297645A1994-10-25
JPH11106500A1999-04-20
JPH1036499A1998-02-10
JPH11302371A1999-11-02
JP2007097307A2007-04-12
JP2007277803A2007-10-25
Other References:
See also references of EP 2133399A4
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square17, Kanda-konyacho,Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表されるシリル基含有重合体(S)を含む硬化性組成物を硬化させて得られる剥離粘着力が1N/25mm以下であることを特徴とする粘着体。
[式(1)中、R 1 は一分子中にt個の水酸基を有する化合物から全部の水酸基を除いたt価の残基を示し、R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基又は加水分解性基を示し、Yは下記一般式(A)で表される2価の基または下記一般式(B)で表される2価の基を示し、aは1~3の整数を示し、rは1~1000の整数を示し、tは1~8の整数を示す。tが2~8である場合、R 1 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異なってもよい。aが2または3である場合、1個のケイ素原子に結合している2個または3個のXは互いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。rが2以上の場合、互いに結合している複数のYは互いに同一でも異なってもよい。]
[式(A)中、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。
式(B)中、R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。]
 前記硬化性組成物が前記シリル基含有重合体(S)として、前記一般式(1)で表され、前記rが2~1000の整数であり、前記Yとして前記一般式(A)で表される2価の基および前記一般式(B)で表される2価の基を有するポリエステルエーテル系シリル基含有重合体(S1)を含む請求項1に記載の粘着体。
 前記ポリエステルエーテル系シリル基含有重合体(S1)が、分子中に1~8個の水酸基を有する化合物からなる開始剤(z)と、炭素数3~9の環状エステル化合物(a)および炭素数2~4のアルキレンオキシド(b)を重合触媒存在下で反応させ、ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1)を得る第1のステップと、
 前記ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1)と、シリルイソシアネート化合物(i)とをウレタン化触媒存在下で反応させ、ポリエステルエーテル系シリル基含有重合体(S1)を得る第2のステップと、
を経て得られる重合体であることを特徴とする請求項2に記載の粘着体。
 前記ポリエステルエーテル系シリル基含有重合体(S1)における、前記環状エステル化合物(a)に由来する、前記一般式(A)で表される2価の基と、前記アルキレンオキシド(b)に由来する、前記一般式(B)で表される2価の基の質量比(A):(B)が95:5~5:95である請求項3に記載の粘着体。
 前記開始剤(z)が、分子中に1~8個の水酸基を有するとともに、オキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(z2)であって、
 前記ポリエステルエーテル系シリル基含有重合体(S1)が、下記一般式(2)で表される重合体である、請求項3または4に記載の粘着体。
[式(2)中、R 10 は炭素数1~20のt価の炭化水素基を示し、R 11 は前記ポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(z2)に由来する、炭素数2~4のアルキレン基を示し、
R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基又は加水分解性基を示し、Y 10 は、前記環状エステル化合物(a)に由来する、下記一般式(A)で表される2価の基、または前記アルキレンオキシド(b)に由来する、下記一般式(B)で表される2価の基を示し、aは1~3の整数を示し、r’は1以上の整数を示し、sは1~250の整数を示し、r’とsの合計が2~1000の整数であり、tは1~8の整数を示す。tが2~8である場合、R 10 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異なってもよい。aが2または3である場合、1個のケイ素原子に結合している2個または3個のXは互いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。r’が2以上の場合、互いに結合している複数のY 10 は互いに同一でも異なってもよい。sが2以上の場合、互いに結合している-OR 11 -は互いに同一でも異なってもよい。]
[式(A)中、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。
式(B)中、R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。]
 前記ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1)の平均水酸基価(OHV)が10~230mgKOH/gである請求項3~5のいずれか一項に記載の粘着体。
 前記硬化性組成物がさらに下記一般式(3)で表される他のシリル基含有重合体(S4)を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着体。
[式(3)中、R 21 は一分子中にm個の水酸基を有する化合物から全部の水酸基を除いたm価の残基を示し、R 22 は2価の有機基を示し、R 23 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、X’は水酸基又は加水分解性基を示し、Y’は炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、a’は1~3の整数を示し、kは1~10000の整数を示し、mは1~8の整数を示す。mが2~8である場合、R 21 に結合するm個の1価基は互いに同一でも異なってもよい。a’が2または3である場合、1個のケイ素原子に結合している2個または3個のX’は互いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1個のケイ素原子に結合している2個のR 23 は互いに同一でも異なってもよい。kが2以上の場合、互いに結合している複数のY’は互いに同一でも異なってもよい。]
 下記一般式(1)で表されるシリル基含有重合体(S)を含む硬化性組成物を硬化させて得られることを特徴とする粘着体。
[式(1)中、R 1 は一分子中にt個の水酸基を有する化合物から全部の水酸基を除いたt価の残基を示し、R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基又は加水分解性基を示し、Yは下記一般式(A)で表される2価の基と下記一般式(B)で表される2価の基との組み合わせ、または、下記一般式(A)で表される2価の基のみの組み合わせを示し、aは1~3の整数を示し、rは2~1000の整数を示し、tは1~8の整数を示す。tが2~8である場合、R 1 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異なってもよい。aが2または3である場合、1個のケイ素原子に結合している2個または3個のXは互いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。互いに結合している複数のYは互いに同一でも異なってもよい。]
[式(A)中、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。
式(B)中、R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。]
 基材層と少なくとも1層の粘着体層とを有する粘着シートであって、該粘着体が請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着体であることを特徴とする粘着シート。
 基材層と少なくとも1層の粘着体層とを有する光学部材保護用粘着シートであって、該粘着体が請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着体であることを特徴とする光学部材保護用粘着シート。
 請求項10に記載の光学部材保護用粘着シートが貼着されてなる光学部材。
 前記光学部材が光拡散板またはプリズムシートである請求項11に記載の光学部材。
 基材層と少なくとも1層の粘着体層とを有するバックグラインドテープであって、該粘着体が請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着体であることを特徴とするバックグラインドテープ。
Description:
粘着体、粘着シートおよびその 途

 本発明は、粘着体、粘着シートおよびそ 用途に関する。

 接着剤は、被着体と接着して剥がれ難い とが要求される。一方粘着剤は、テープ等 形状に成形され、貼り合わせた直後から良 な接着性を発現させることが求められてい 。また同時に粘着剤には、糊残りが無いよ に剥離できる再剥離性が要求される。接着 が永久接着を要求されることに対して、粘 剤では一時的な接着性と再剥離性とがそろ て要求される。したがって接着剤と粘着剤 は、似てはいるが根本的に要求特性が異な 。

 従来の粘着剤としては、アクリル系粘着剤 ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレ ン系粘着剤、オキシアルキレン系粘着剤が られている。特に最近は、強い粘着力を有 る強粘着型粘着剤から、微小な粘着力を有 る微粘着型粘着剤まで広範囲の用途にアク ル系粘着剤が使用される傾向がある。しか 、アクリル系粘着剤は、アクリルモノマー 粘着剤中に残存する場合に、臭気や皮膚刺 性が問題となる。またアクリル系粘着剤は 被着体に貼付した後、経時変化によって、 着力が上昇したり移行性が高くなる傾向が る。このため被着体に糊残りが生じ易く、 剥離性が不充分になりやすいという問題が る。
 ゴム系粘着剤は、取り扱い性や粘着性能の 整のため低分子量可塑剤の添加が不可欠で る。そのため長期間経過すると、低分子量 塑剤が表面に移行して、著しい性能低下を こす問題がある。
 シリコーン系粘着剤は、耐熱性に優れる。 かし高価であり、特殊な用途にしか展開さ ていない。
 ウレタン系粘着剤は、経時変化が少なく安 性に優れるという特性を有する(特許文献1 照。)。しかし製造工程が長い傾向にあり、 クリル系粘着剤と比較すると高価になりが である。また製造工程が長いため、品質の らつきが発生しやすく、工程管理が煩雑に りやすいという問題があった。
 オキシアルキレン系粘着剤は、有機溶剤を 用せずに塗布可能という特性を有する(特許 文献2、3参照。)。しかし粘着付与樹脂のブリ ードが発生することがあり、長期の粘着力の 安定性という点で問題があった。

 近年、電気部品、電子材料などを製造する 、保護シートや保護テープが多用されてい 。これらの部品や材料を、保管、搬送など 工程において、傷やほこりから守るためで る。特に電子部品、光学部材の製造におい は、微小な塵が製造途中の製品に付着する とを徹底的に排除する必要がある。塵は汚 の原因となり、製品不良を発生させるから ある。この保護シートや保護テープとして 、低い粘着力を有する粘着剤の層が設けら た粘着性シートや粘着性テープが採用され 。これらの粘着性シートや粘着性テープに 、粘着剤層を保護するためセパレータが用 られる。このセパレータに起因する汚染も 年問題となっている(特許文献4参照。)。す わちセパレータに含まれるシリコーンが電 部品の汚染の原因となっている。このため リコーン系剥離剤を使用しないセパレータ 有する粘着性シートが求められている。

特開2003-12751号公報

国際公開第2005/73333号パンフレット

国際公開第2005/73334号パンフレット

特開平06-297645号公報

 アクリル系などの従来の粘着剤において 、粘着力が経時的に上昇しやすいという問 があった。特に粘着力が低い粘着剤を製造 ようとした場合、初期の粘着力が低くくな ように粘着剤の組成を調整しても、貼着時 が長時間になれば粘着力が上昇するという 題があった。粘着力が上昇すると被着体が 形したり、破損する可能性が生じる。また に一定時間後に粘着力が低くなるよう粘着 の組成を調整すると、そもそも初期に充分 粘着力が得られないという問題があった。 分な粘着力が得られないと被着体から意図 ずに剥離してしまい、保護シートなどの所 の役割を果たせない。また粘着剤層の厚さ 薄くして、粘着力の上昇を抑制することも る。しかしこの場合、被着体への軽い圧力 の接着という、粘着剤が有する本来の機能 損なわれやすかった。

 特許文献1に記載のウレタン系粘着剤の原 料である樹脂を製造する際に、原料のわずか な反応性の差を利用して所定の構造を有する 高分子を得ている。しかし反応性の差による 構造の制御は、精密な反応条件の制御が必要 である。結果としてこの樹脂の製造において は、分子量の制御が難しく、所望の性能の粘 着剤を得ることが困難であった。特に高分子 量体の生成と、それに伴うゲル化の進行の制 御が困難であった。分子量は、分子の凝集力 と関係し、粘着性、再剥離特性に影響がある 。またゲル化が極度に進行すると、得られる 組成物が高粘度化しやすい。組成物が高粘度 であると、粘着剤の成形加工の際に、所定厚 さを均一に有する粘着体層を得ることが困難 な場合や、得られた粘着体の表面が平滑でな くなる場合があり、製造上の問題であった。 溶剤を利用して見かけの粘度を低下させても 、厚い粘着体が得にくい、発泡が生じやすい 、長い乾燥時間が必要になるなどの問題が発 生する。

 また保護シートや保護テープは、部品の 時的固定や保護の役割が終了した時点で、 離除去される。しかし保護シートが貼着さ ていた部材から剥離される際に、保護シー と部品との間に静電気(いわゆる剥離帯電) 発生する。この静電気が電子部品の回路に 影響を与えたり、静電気によって塵やゴミ 部材表面に付着しやすくなるという問題が る。また、液晶ディスプレイ(LCD)の表面保護 フィルムも、使用時には剥離除去される。保 護フィルムが液晶ディスプレイから剥離され る時に、剥離帯電が生じる場合がある。この 剥離帯電により、液晶配列が乱され、画像が 乱れるという障害を生じる場合がある。

 このように、貼着後に剥離される粘着性 ートにおいては、剥離帯電に起因する静電 の発生の抑制や、発生した静電気の速やか 除電が要求される。これは被着体の表面帯 が、異物や塵埃の被着体への付着の原因と るため、または、被着体の機能低下の原因 なるためである。

 また一般的に粘着性シートを剥離するた に必要な引っ張り力(剥離強度)は、引っ張 速度(剥離速度)が速いほど大きくなる傾向が ある。例えばディスプレイ、偏光板、電子基 板、ICチップ等の電子部品等の表面保護シー は、高速でスムーズに剥離できることが好 しい。低速度で剥離する場合の剥離強度に して、高速で剥離する場合の剥離強度が大 くならないことが要求される。すなわち保 シートは、剥離強度の速度依存性が低く、 速剥離特性が優れることが要求される。

 本発明は、前記の課題に鑑みてなされたも である。すなわち、低粘度で塗工性が良く 無溶剤化が可能であり、被着体への密着性 良好であり、粘着力が低く再剥離性に優れ かつ濡れ性も良好である粘着体を提供する とを目的とする。
 また本発明は、剥離帯電量が抑制され、高 剥離特性に優れ、かつシリコーンなどの汚 を発生させない粘着体を提供することを目 とする。

 前記課題を解決するために本発明は以下の 旨を有する。
 <1> 下記一般式(1)で表されるシリル基 有重合体(S)を含む硬化性組成物を硬化させ 得られる剥離粘着力が1N/25mm以下であること 特徴とする粘着体。

[式(1)中、R 1 は一分子中にt個の水酸基を有する化合物か 全部の水酸基を除いたt価の残基を示し、R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基 又は加水分解性基を示し、Yは下記一般式(A) 表される2価の基または下記一般式(B)で表さ る2価の基を示し、aは1~3の整数を示し、rは1 ~1000の整数を示し、tは1~8の整数を示す。tが2~ 8である場合、R 1 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。aが2または3である場合、1個のケ イ素原子に結合している2個または3個のXは互 いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1 個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。rが2以上 場合、互いに結合している複数のYは互いに 同一でも異なってもよい。]

[式(A)中、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。式(B)中、 R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。]

 <2> 前記硬化性組成物が前記シリル 含有重合体(S)として、前記一般式(1)で表さ 、前記rが2~1000の整数であり、前記Yとして前 記一般式(A)で表される2価の基および前記一 式(B)で表される2価の基を有するポリエステ エーテル系シリル基含有重合体(S1)を含む< ;1>に記載の粘着体。

 <3> 前記ポリエステルエーテル系シ ル基含有重合体(S1)が、分子中に1~8個の水酸 を有する化合物からなる開始剤(z)と、炭素 3~9の環状エステル化合物(a)および炭素数2~4 アルキレンオキシド(b)を重合触媒存在下で 応させ、ポリエステルエーテルポリ(モノ) ール(p1)を得る第1のステップと、前記ポリエ ステルエーテルポリ(モノ)オール(p1)と、シリ ルイソシアネート化合物(i)とをウレタン化触 媒存在下で反応させ、ポリエステルエーテル 系シリル基含有重合体(S1)を得る第2のステッ と、を経て得られる重合体であることを特 とする<2>に記載の粘着体。

 <4> 前記ポリエステルエーテル系シ ル基含有重合体(S1)における、前記環状エス ル化合物(a)に由来する、前記一般式(A)で表 れる2価の基と、前記アルキレンオキシド(b) に由来する、前記一般式(B)で表される2価の の質量比(A):(B)が95:5~5:95である<3>に記載 粘着体。

 <5> 前記開始剤(z)が、分子中に1~8個の 酸基を有するとともに、オキシアルキレン を有するポリオキシアルキレンポリ(モノ)オ ール(z2)であって、
 前記ポリエステルエーテル系シリル基含有 合体(S1)が、下記一般式(2)で表される重合体 である、<3>または<4>に記載の粘着体 。

[式(2)中、R 10 は炭素数1~20のt価の炭化水素基を示し、R 11 は前記ポリオキシアルキレンポリ(モノ)オー (z2)に由来する、炭素数2~4のアルキレン基を 示し、R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基 又は加水分解性基を示し、Y 10 は、前記環状エステル化合物(a)に由来する、 下記一般式(A)で表される2価の基、または前 アルキレンオキシド(b)に由来する、下記一 式(B)で表される2価の基を示し、aは1~3の整数 を示し、r’は1以上の整数を示し、sは1~250の 数を示し、r’とsの合計が2~1000の整数であ 、tは1~8の整数を示す。tが2~8である場合、R 10 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。aが2または3である場合、1個のケ イ素原子に結合している2個または3個のXは互 いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1 個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。r’が2以 の場合、互いに結合している複数のY 10 は互いに同一でも異なってもよい。sが2以上 場合、互いに結合している-OR 11 -は互いに同一でも異なってもよい。]

[式(A)中、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。式(B)中、 R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。]

 <6> 前記ポリエステルエーテルポリ(モ )オール(p1)の平均水酸基価(OHV)が10~230mgKOH/g ある<3>~<5>のいずれか一項に記載の 着体。
 <7> 前記硬化性組成物がさらに下記一 式(3)で表される他のシリル基含有重合体(S4) 含む<1>~<6>のいずれか一項に記載の 粘着体。

[式(3)中、R 21 は一分子中にm個の水酸基を有する化合物か 全部の水酸基を除いたm価の残基を示し、R 22 は2価の有機基を示し、R 23 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、X’は水酸 基又は加水分解性基を示し、Y’は炭素数2~4 オキシアルキレン基を示し、a’は1~3の整数 示し、kは1~10000の整数を示し、mは1~8の整数 示す。mが2~8である場合、R 21 に結合するm個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。a’が2または3である場合、1個の ケイ素原子に結合している2個または3個のX’ は互いに同一でも異なってもよい。aが1の場 、1個のケイ素原子に結合している2個のR 23 は互いに同一でも異なってもよい。kが2以上 場合、互いに結合している複数のY’は互い に同一でも異なってもよい。]
 <8> 下記一般式(1)で表されるシリル基 有重合体(S)を含む硬化性組成物を硬化させ 得られることを特徴とする粘着体。

[式(1)中、R 1 は一分子中にt個の水酸基を有する化合物か 全部の水酸基を除いたt価の残基を示し、R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基 又は加水分解性基を示し、Yは下記一般式(A) 表される2価の基と下記一般式(B)で表される2 価の基との組み合わせ、または、下記一般式 (A)で表される2価の基のみの組み合わせを示 、aは1~3の整数を示し、rは2~1000の整数を示し 、tは1~8の整数を示す。tが2~8である場合、R 1 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。aが2または3である場合、1個のケ イ素原子に結合している2個または3個のXは互 いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1 個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。互いに結 合している複数のYは互いに同一でも異なっ もよい。]

[式(A)中、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。式(B)中、 R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。]

 <9> 基材層と少なくとも1層の粘着体層 を有する粘着シートであって、該粘着体が& lt;1>~<8>のいずれか一項に記載の粘着体 であることを特徴とする粘着シート。
 <10> 基材層と少なくとも1層の粘着体層 とを有する光学部材保護用粘着シートであっ て、該粘着体が<1>~<8>のいずれか一 に記載の粘着体であることを特徴とする光 部材保護用粘着シート。
 <11> <10>に記載の光学部材保護用粘 着シートが貼着されてなる光学部材。
 <12> 前記光学部材が光拡散板またはプ ズムシートである<11>に記載の光学部材 。
 <13> 基材層と少なくとも1層の粘着体層 とを有するバックグラインドテープであって 、該粘着体が<1>~<8>のいずれか一項 記載の粘着体であることを特徴とするバッ グラインドテープ。

 本発明にかかる硬化性組成物は、加水分解 シリル基を鎖延長機構に用いたものである 本発明によれば、低粘度で塗工性が良く、 溶剤化が可能であり、粘着力が低い一方で 着体への密着性が良好であり、再剥離性に れ、かつ濡れ性も良好である粘着体が得ら る。
 また本発明によれば、剥離帯電量が抑制さ 、高速剥離性に優れ、かつシリコーンなど 汚染を発生させない粘着体が得られる。

 本明細書における分子量分布とは、質量平 分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で割った値を う。本明細書における数平均分子量(Mn)、質 平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、分 量既知の標準ポリスチレン試料を用いて作 した検量線を用い、ゲルパーミエーション ロマトグラフィーで測定することによって られるポリスチレン換算分子量である。
 本明細書における平均水酸基価(OHV)は、JIS-K -1557-6.4に基づいた測定値である。
 また本明細書において、粘着性(adherence prop erty)とは、軽い圧力で被着材に接着し、かつ 任意に再剥離可能な性質である。また粘着 (pressure sensitive adhesive)とは、粘着性を有し 、軽い圧力で被着材に接着する物質である。 ただし再剥離性を有し、一時的な接着に用い る。接着剤は永久接着性能を有する点で、粘 着剤とは異なる。また粘着体(adherence substance )とは、粘着性を有する成形体である。また 着性シート(単に、粘着シートともいう。)(pr essure sensitive adhesive
sheet)とは、粘着性を有するシートである。た だし本明細書においては厚さは問わず、シー トとフィルムとは区別しない。通常は、少な くとも基材層と粘着体層とを構成要素として 有する積層体である。また粘着性テープ(単 、粘着テープともいう。)(pressure sensitive adh esive tape)とは、テープ形状の粘着性シートで ある。
 またポリオールまたはモノオールを合わせ 、ポリ(モノ)オールと表記することもある
 本明細書において、剥離粘着力(被着体から の剥離強度)により、粘着剤を分類すること ある。剥離粘着力が0N/25mmを超え1N/25mm以下の 場合を微粘着、剥離粘着力が1N/25mmを超え8N/25 mm以下の場合を低粘着、剥離粘着力が8N/25mmを 超え15N/25mm以下の場合を中粘着、剥離粘着力 15N/25mmを超え50N/25mm以下の場合を強粘着とい う。なお特に断りがない場合には、剥離粘着 力はJIS-Z-0237(1999)-8.3.1に規定される180度引き がし法に準拠し、以下の試験方法に従う。23 ℃の環境で、厚さ1.5mmのブライトアニール処 したステンレス鋼板(SUS304(JIS))に、測定する 粘着シート試験片(幅:25mm)を貼着し、質量が2k gのゴムロールで圧着した。30分後、JIS-B-7721 規定する引張り試験機を用い、剥離強度(180 ピール、引張り速度300mm/分)を測定した。

<シリル基含有重合体(S)>
 本発明の粘着体は、上式(1)で表されるシリ 基含有重合体(S)を含む硬化性組成物を硬化 せて得られる。
 本明細書において、シリル基含有重合体(S) うち、rが2以上であって、r個のYが上式(A)で 表される2価の基(以下、2価基(A)ということも ある。)および上式(B)で表される2価の基(以下 、2価基(B)ということもある。)からなるもの ポリエステルエーテル系シリル基含有重合 (S1)(以下、ポリエステルエーテル系重合体(S 1)ということもある。)という。
 シリル基含有重合体(S)のうち、Yが2価基(B) みであるものをポリエーテル系シリル基含 重合体(S2)(以下、ポリエーテル系重合体(S2) いうこともある。)といい、Yが2価基(A)のみ あるものをポリエステル系シリル基含有重 体(S3)(以下、ポリエステル系重合体(S3)とい こともある。)という。
 本発明にかかる硬化性組成物に含まれる重 体(S)は、ポリエステルエーテル系重合体(S1) 、ポリエーテル系重合体(S2)、およびポリエ テル系重合体(S3)のうちのいずれか1種でもよ く、2種以上を併用してもよい。少なくとも リエステルエーテル系重合体(S1)を含むこと 好ましい。

<ポリエステルエーテル系シリル基含有重 体(S1)>
 上式(1)におけるR 1 は、一分子中にt個の水酸基を有するモノヒ ロキシ化合物またはポリヒドロキシ化合物 ら全部の水酸基を除いたt価の残基である。
 R 1 は、重合体(S1)を製造するのに用いた開始剤(z )に由来する残基である。該開始剤(z)は1~8個 水酸基を有するモノヒドロキシ化合物また ポリヒドロキシ化合物である。開始剤(z)に いては後述する。
 R 1 は、炭素数1~20のt価の炭化水素基が好ましく 炭素数1~10のt価の炭化水素基であることが り好ましい。
 式(1)におけるt、すなわち開始剤(z)の水酸基 数が8個を超えると、水酸基1個あたりの分子 が同等の場合には、ポリエステルエーテル 重合体(S1)の中間生成物であるポリエステル エーテルポリ(モノ)オール(p1)(以下、ポリ(モ )オール(p1)ということもある。)の粘度が高 なりやすい。またポリ(モノ)オール(p1)の分 量分布が広くなりやすい。このため、該ポ (モノ)オール(p1)を用いて得られるポリエス ルエーテル系重合体(S1)の柔軟性が損なわれ 、粘着性能が低下する。ポリエステルエーテ ル系重合体(S1)の製造に用いられる開始剤(z) して2種以上の化合物を用いる場合、その1分 子当たりの平均水酸基数、すなわちポリエス テルエーテル系重合体(S1)におけるtの平均値 、1~8個であることが好ましく、1~5個がより ましく、さらに1~3個であることがより好ま い。該平均水酸基数が上記の範囲内である 粘度が低いため製造しやすく、また良好な 化速度と柔軟性が付与できる。

 上式(1)において、R 2 は2価の有機基を示す。R 2 は炭素数1~17の2価の炭化水素基であることが ましい。この場合、原料を安価で入手でき ため、製造コストを削減できる。
 R 2 が、メチレン基(-CH 2 -)またはトリメチレン基(-CH 2 CH 2 CH 2 -)であることがより好ましい。この場合、ポ エステルエーテル系重合体(S1)の硬化速度と 貯蔵安定性のバランスがよいという利点があ る。
 また、上式(1)における-R 2 -SiX a R 3 (3-a) が、
-CH 2 -SiX a R 3 (3-a) 、または
-CH 2 -CH 2 -CH 2 -SiX a R 3 (3-a)
であることが好ましい。この場合、ポリエス テルエーテル系重合体(S1)の硬化速度をより めることができる。
 ポリエステルエーテル系重合体(S1)が分子内 にR 2 を複数有する場合、該R 2 は互いに同一でも異なっていてもよい。すな わち、tが2~8の整数である場合、R 2 はそれぞれ独立に2価の有機基を示す。

 上式(1)において、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基であり、炭素数1~6 1価の有機基が好ましい。具体例としては、 メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基 、ペンチル基等が挙げられる。
 R 3 は置換基を有していてもよい。該置換基の例 としてはメチル基、フェニル基等が挙げられ る。
 ポリエステルエーテル系重合体(S1)が分子内 にR 3 を複数有する場合、該複数のR 3 は互いに同一でも異なっていてもよい。すな わち、aが1である場合、1個のケイ素原子(Si) 結合している2個のR 3 はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ い炭素数1~20の1価の有機基を示す。

 式(1)において、Xは水酸基(-OH)又は加水分解 基を示す。該加水分解性基としては、例え -OR基(Rは炭素数4以下の炭化水素基)が挙げら れる。かかる-OR基としては、炭素数4以下の ルコキシ基又はアルケニルオキシ基である とが好ましい。具体的には、メトキシ基、 トキシ基、プロポキシ基又はプロペニルオ シ基等が挙げられる。これらの中でもメト シ基またはエトキシ基がより好ましい。こ 場合、ポリエステルエーテル系重合体(S1)の 化速度をより高めることができる。
 ポリエステルエーテル系重合体(S1)において 、分子中にXが複数個存在する場合、該複数 Xは互いに同一でも異なってもよい。すなわ 、式(1)においてaが2または3である場合およ /またはtが2~8の整数である場合、Xはそれぞ 独立に、水酸基又は加水分解性基を示す。
 また式(1)において、aは1~3の整数を示す。t 2~8の整数である場合、t個のaはそれぞれ独立 に1~3の整数を示す。aは好ましくは2~3であり 3が最も好ましい。
 上式(1)において、-SiX a R 3 (3-a) としては、トリメトキシシリル基またはトリ エトキシシリル基が好ましく、トリメトキシ シリル基が特に好ましい。シリル基含有重合 体(S)の貯蔵安定性が良好であり、かつ、硬化 性組成物の硬化速度が速く粘着体の製造に好 適であるためである。
 本発明において、ウレタン結合と上記シリ 基が分子内で近接することで、粘着体の低 粘着力が得られ、かつ、粘着力の安定性が られていると推定される。

 上式(1)において、Yは2価基(A)又は2価基(B)を す。
 具体的には、開始剤(z)としてオキシアルキ ン基を有さないポリ(モノ)オールからなる 1の開始剤(z1)を用いた場合は、2価基(A)は、 間生成物であるポリ(モノ)オール(p1)の製造 用いた環状エステル化合物(a)に由来する基 あり、2価基(B)は該ポリ(モノ)オール(p1)の製 に用いたアルキレンオキシド(b)に由来する である。開始剤(z)としてオキシアルキレン を有するポリオキシアルキレンポリ(モノ) ールからなる第2の開始剤(z2)を用いた場合は 、上式(1)におけるYは、該開始剤(z2)に由来す 2価基(B)も含む。環状エステル化合物(a)、ア ルキレンオキシド(b)、第1の開始剤(z1)、およ 第2の開始剤(z2)については後述する。
 重合体(S)が分子内にYを複数有する場合、該 複数のYは互いに同一でも異なってもよい。 なわち、rが2~1000の整数である場合および/ま たはtが2~8の整数である場合、Yはそれぞれ独 に2価基(A)又は2価基(B)である。
 上式(1)において、rは1~1000の整数を示す。こ のrは10~500の整数であることが好ましく、20~20 0の整数であることがより好ましい。なお、t 2~8である場合、rはそれぞれ独立に、1~1000の 整数を示す。

 上式(A)において、R 4 は炭素数2~8のアルキレン基を示す。融点が高 くなり過ぎないようにするために、R 4 は炭素数2~5のアルキレン基であることが好ま しく、その中でも直鎖状の飽和炭化水素鎖で あることがより好ましい。重合体(S)が分子内 に2価基(A)を複数有する場合、該複数の2価基( A)におけるR 4 は互いに同一でも異なってもよい。R 4 はn-ペンチレン基であることがもっとも好ま い。

 上式(B)において、R 5 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。重合体(S) の粘度の観点から、R 5 はエチレン基及び/又はプロピレン基である とが好ましく、プロピレン基のみであるこ がより好ましい。重合体(S)が分子内に2価基( B)を複数有する場合、該複数の2価基(B)におけ るR 5 は互いに同一でも異なってもよい。

 ポリエステルエーテル系重合体(S1)において 、-(Y-) r で表されるポリエステルエーテル鎖を構成す る2価基(A)と2価基(B)の共重合鎖は、ランダム 重合鎖でもよく、ブロック共重合鎖でもよ 、一分子中にランダム共重合鎖とブロック 重合鎖の両方が存在していてもよい。またt が2以上であり、分子中にポリエステルエー ル鎖が複数存在する場合、該複数のポリエ テルエーテル鎖における2価基(A)と2価基(B)の 並び方は、同じであってもよく、異なっても よい。該2価基(A)と2価基(B)の共重合鎖は、ラ ダム共重合鎖を有することが好ましく、一 子中にランダム共重合鎖とブロック共重合 の両方が存在していることがより好ましい
 ポリエステルエーテル系重合体(S1)において 、2価基(A)と2価基(B)の質量比(A):(B)は5:95~95:5で あることが好ましい。より好ましい範囲は30: 70~70:30である。特に好ましい範囲は30:70~60:40 ある。該(A):(B)が上記の範囲内であると粘度 低くかつ基材への接着性が良好になる。
 すなわち2価基(A)の導入により基材への接着 性を良好にできる。また2価基(B)の導入によ 、硬化性組成物の粘度を低くできる。また2 基(B)を導入することで柔軟性に優れた粘着 が得られる。このため被着体から粘着体を 離する際に、いわゆるジッピングが発生し くくなると推定される。またさらに2価基(B) を導入することで粘着体の表面抵抗を低くで き、剥離帯電を抑制できると推定される。

<ポリエステルエーテル系重合体(S1)の製造 法>
 ポリエステルエーテル系重合体(S1)は、分子 中に1~8個の水酸基を有する化合物からなる開 始剤(z)と、炭素数3~9の環状エステル化合物(a) および炭素数2~4のアルキレンオキシド(b)とを 重合触媒存在下で反応させてポリエステルエ ーテルポリ(モノ)オール(p1)を得る第1のステ プと、該ポリ(モノ)オール(p1)と、シリルイ シアネート化合物(i)とをウレタン化触媒存 下で反応させてポリエステルエーテル系シ ル基含有重合体(S1)を得る第2のステップとを 備える方法により製造できる。

[第1のステップ]
<開始剤(z)>
 第1のステップで用いる開始剤(z)は、分子中 に1~8個の水酸基を有する化合物である。開始 剤(z)は、分子中に1~8個の水酸基を有し、かつ 分子中にオキシアルキレン基を有さない第1 開始剤(z1)でもよく、該第1の開始剤(z1)にア キレンオキシドを反応させて得られるポリ キシアルキレンポリ(モノ)オールからなる第 2の開始剤(z2)でもよい。
 開始剤(z)として第1の開始剤(z1)を用いた場 も、第2の開始剤(z2)を用いた場合も、上式(1) におけるR 1 は、第1の開始剤(z1)の全部の水酸基を除いた 基に相当する。
 開始剤(z)として第1の開始剤(z1)を用いる場 、式(1)における-(Y) r -O-は、該第1の開始剤(z1)と重合した環状エス ル化合物(a)およびアルキレンオキシド(b)に 来する。開始剤(z)として第2の開始剤(z2)を いる場合、式(1)における-(Y) r -O-は、該第2の開始剤(z2)を製造する際に第1の 開始剤(z1)と重合したアルキレンオキシド、 らびに該第2の開始剤(z2)と重合した環状エス テル化合物(a)およびアルキレンオキシド(b)に 由来する。
 開始剤(z)の水酸基数(t)は、該開始剤(z)を用 て得られる、上式(1)のポリエステルエーテ 系重合体(S1)におけるtと一致する。第2の開 剤(z2)の水酸基数(t)は、その製造に用いた第 1の開始剤(z1)の水酸基数(t)と一致する。

 第1の開始剤(z1)の具体例としてはメタノ ル、エタノール、2-プロパノール、ノルマル ブタノール、iso-ブタノール、2-エチルヘキサ ノール、デシルアルコール、ラウリルアルコ ール、トリデカノール、セチルアルコール、 ステアリルアルコール又はオレイルアルコー ル等の1価アルコール;水;エチレングリコール 、ジエチレングリコール、プロピレングリコ ール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパ ジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3- ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘ サンジオール又は1,4-シクロヘキサンジオー ル等の2価アルコール類;グリセリン、ジグリ リン、トリメチロールプロパン、ペンタエ スリトール、ジペンタエリスリトール又は リペンタエリスリトール等の多価アルコー 類;グルコース、ソルビトール、デキストロ ース、フラクトース、蔗糖又はメチルグルコ シド等の糖類又はその誘導体;ビスフェノー A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノ ラック、レゾール又はレゾルシン等のフェ ール化合物等が挙げられる。

 第2の開始剤(z2)の平均水酸基価は20mgKOH/g~280m gKOH/gであることが好ましい。数平均分子量(Mn )は、400~5000であることが好ましく、700~2000で ることがより好ましい。該Mnが上記範囲の 限値以上であると良好な物性が得られ、上 値以下であると低粘度化が可能である。
 第2の開始剤(z2)の分子量分布(Mw/Mn)は、3.0以 であることが好ましく、2.0以下であること より好ましい。第2の開始剤(z2)の分子量分 が上記の範囲内であり、ポリ(モノ)オール(p1 )中において、第2の開始剤(z2)から誘導される 部分の含有率を50質量%以上とすれば、ポリ( ノ)オール(p1)の分子量分布(Mw/Mn)を1.4以下と ることができる。ポリ(モノ)オール(p1)の分 量分布を小さくできると、ポリ(モノ)オール (p1)の粘度を低くすることができる。したが て、ポリエステルエーテル系重合体(S1)の粘 を低くできる。

 第2の開始剤(z2)は、製造しやすさの点か 下記一般式(4)で表されるポリオキシアルキ ンポリ(モノ)オール(z21)が好ましい。

 上式(4)中、R 10 は炭素数1~20のt価の炭化水素基を示し、R 11 は炭素数2~4のアルキレン基を示す。tは1~8の 数を示し、sは1~250の整数を示す。
 分子内にR 11 が複数存在する場合、該複数のR 11 は互いに同一でも異なっていてもよい。すな わち、sが2~250の整数である場合及び/又はtが2 ~8の整数である場合、R 11 はそれぞれ独立に、炭素数2~4のアルキレン基 を示す。tが2~8である場合、R 10 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。すなわちtが2~8である場合、sは れぞれ独立に、1~250の整数を示す。

 R 10 の炭素数が20以下であると、融点が低く製造 容易である。該R 10 は炭素数1~10のt価の炭化水素基であることが ましい。
 sが250以下の整数であると、低粘度で取り扱 いが容易である。該sは5~100の整数であること が好ましい。
 上式(4)において、R 10 は、該ポリオキシアルキレンポリ(モノ)オー (z21)の製造に用いた第1の開始剤(z1)に由来す る残基である。すなわち第1の開始剤(z1)から 部の水酸基を除いた残基である。式(4)にお るtは、用いた第1の開始剤(z1)における水酸 数(t)と一致する。ポリオキシアルキレンポ (モノ)オール(z21)の水酸基数(t)は、該ポリオ キシアルキレンポリ(モノ)オール(z21)を開始 (z)として用いて得られる、上式(1)のポリエ テルエーテル系重合体(S1)におけるtと一致す る。

<ポリエステルエーテル系シリル基含有重 体(S11)>
 開始剤(z)として、上式(4)で表されるポリオ シアルキレンポリ(モノ)オール(z21)を用いる と、第2のステップを経て下記一般式(2)で表 れるポリエステルエーテル系シリル基含有 合体(以下、ポリエステルエーテル系重合体( S11)ということもある。)が得られる。

[式(2)中、R 10 は炭素数1~20のt価の炭化水素基を示し、R 11 は前記ポリオキシアルキレンポリ(モノ)オー (z2)に由来する、炭素数2~4のアルキレン基を 示し、R 2 は2価の有機基を示し、R 3 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、Xは水酸基 又は加水分解性基を示し、Y 10 は、環状エステル化合物(a)に由来する、上記 一般式(A)で表される2価の基、またはアルキ ンオキシド(b)に由来する、上記一般式(B)で される2価の基を示し、aは1~3の整数を示し、 r’は1以上の整数を示し、sは1~250の整数を示 、r’とsの合計が2~1000の整数であり、tは1~8 整数を示す。
 tが2~8である場合、R 10 に結合するt個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。aが2または3である場合、1個のケ イ素原子に結合している2個または3個のXは互 いに同一でも異なってもよい。aが1の場合、1 個のケイ素原子に結合している2個のR 3 は互いに同一でも異なってもよい。r’が2以 の場合、互いに結合している複数のY 10 は互いに同一でも異なってもよい。sが2以上 場合、互いに結合している-OR 11 -は互いに同一でも異なってもよい。]

 式(2)中、R 2 、R 3 、X、a、及びtは上式(1)中のR 2 、R 3 、X、a、及びtと、好ましい態様も含めて同じ である。R 10 、R 11 およびsは、上式(4)におけるR 10 、R 11 およびsと好ましい態様も含めて同じである
 Y 10 は、後述する環状エステル化合物(a)に由来す る2価基(A)または後述するアルキレンオキシ (b)に由来する2価基(B)である。
 式(2)中、r’は1以上の整数であり、r’とsの 合計(r’+s)が2~1000の整数、好ましくは5~200の 数、より好ましくは10~100の整数である。
 かかるポリエステルエーテル系重合体(S11) 、特に低粘度であるため、取扱性に優れる いう利点がある。

 開始剤(z)は1種類のみを用いてもよく、2 類以上を組合せて用いてもよい。水酸基数(t )が異なる開始剤を組み合わせて用いてもよ 。

<環状エステル化合物(a)>
 第1のステップで用いる環状エステル化合物 (a)は、炭素数が3~9のものである。
 好ましい例としては、β-プロピオラクトン( 炭素数3)、δ-バレロラクトン(炭素数5)、ε-カ ロラクトン(炭素数6)が挙げられる。これら うちでもε-カプロラクトンがより好ましい 環状エステル化合物(a)がε-カプロラクトン あるとき、これが重合時に開環すると、R 4 がn-ペンチレン基である2価基(A)が形成される 。
 環状エステル化合物(a)はモノマーであって 、ダイマーであっても、トリマーであって よい。反応性の点からはモノマーであるこ が好ましい。環状エステル化合物(a)は1種類 のみを用いても、2種類以上を組合せて用い もよい。

<アルキレンオキシド(b)>
 第1のステップで用いるアルキレンオキシド (b)は、炭素数が2~4のものである。
 具体例としては、エチレンオキシド、プロ レンオキシド、1、2-ブチレンオキシド、2、 3-ブチレンオキシド、オキセタン等が挙げら る。
 アルキレンオキシド(b)は1種類のみを用いて も、2種類以上を組合せて用いてもよい。
 上記の例のうちで、エチレンオキシドまた プロピレンオキシドから選ばれる少なくと 1種を用いることが好ましい。
 アルキレンオキシド(b)がエチレンオキシド あるとき、これが重合時に開環すると、R 5 がエチレン基である2価基(B)が形成される。 たアルキレンオキシド(b)がプロピレンオキ ドであるとき、これが重合時に開環すると R 5 がプロピレン基である2価基(B)が形成される

<重合触媒>
 第1のステップにおいて、開始剤(z)と、環状 エステル化合物(a)と、アルキレンオキシド(b) とを共重合させる際には、重合触媒を用いる 。該重合触媒は特に限定されないが、具体的 には(1)複合金属シアン化物錯体触媒、(2)ホス ファゼニウムカチオンの水酸化物塩に代表さ れるP=N結合を有する化合物触媒、等が挙げら れる。複合金属シアン化物錯体触媒を用いる ことがより好ましい。
 第1のステップにおいて、中性の複合金属シ アン化物錯体触媒を用いることにより、環状 エステル化合物(a)の加水分解を抑制できるた め、高収率でポリエステルエーテルポリ(モ )オール(p1)が得られる。
 また、複合金属シアン化物錯体触媒は活性 高いため、第1のステップにおいて複合金属 シアン化物錯体触媒を用いると、該第1のス ップで得られるポリエステルエーテルポリ( ノ)オール(p1)は分子量が大きくなりやすい 分子量の大きいポリエステルエーテルポリ( ノ)オール(p1)を用いて得られるポリエステ エーテル系シリル基含有重合体(S1)は硬化性 優れ、硬化性組成物の硬化体は伸度等の機 物性に優れるという利点がある。
 また、第1のステップにおいて、複合金属シ アン化物錯体触媒を用いた場合、共重合反応 の速度を速めることができ、かつ分子量分布 が狭い高分子量のポリエステルエーテルポリ (モノ)オール(p1)が得られる。分子量分布が狭 い高分子量のポリ(モノ)オール(p1)を用いて得 られるポリエステルエーテル系シリル基含有 重合体(S1)は、粘度が低いため、取扱い等の 業性に優れるという利点がある。

[(1)複合金属シアン化物錯体触媒]
 複合金属シアン化物錯体触媒としては、高 重合活性を有することから亜鉛ヘキサシア コバルテートを主成分とする錯体が好まし 。複合金属シアン化物錯体触媒は、有機配 子を有することが好ましい。有機配位子が ーテル、又はアルコール等であると高活性 なることからより好ましい。

 上記有機配位子としてのエーテルは、重 反応時に錯体を取り扱いやすいことから、 チレングリコールジメチルエーテル(グライ ム)、ジエチレングリコールジメチルエーテ (ジグライム)及びトリエチレングリコールジ メチルエーテルからなる群より選ばれる少な くとも1種を用いることが好ましい。これら うちでも、重合反応時における錯体の取り い性の点からグライムがより好ましい。

 上記有機配位子としてのアルコールは、n- チルアルコール、sec-ブチルアルコール、iso- ブチルアルコール、tert-ペンチルアルコール iso-ペンチルアルコール、N,N-ジメチルアセ アミド及びエチレングリコールモノ-tert-ブ ルエーテルからなる群より選ばれる少なく も1種とtert-ブチルアルコールとの混合物、 たはtert-ブチルアルコールを用いることが好 ましい。この場合、重合触媒がより高活性と なることから、重合触媒の使用量を減らすこ とができ、その結果ポリエステルエーテルポ リ(モノ)オール(p1)中における触媒の残存量が 低減される。
 特にtert-ブチルアルコールを用いると、環 エステル化合物(a)と、アルキレンオキシド(b )との共重合反応の速度を速めることができ かつ分子量分布が狭いポリエステルエーテ ポリ(モノ)オール(p1)が得られる。

 複合金属シアン化物錯体触媒の使用量は 得られるポリエステルエーテルポリ(モノ) ール(p1)の全質量に対して1~500ppmであること 好ましい。さらに製品の貯蔵安定性が優れ かつ経済的にも有利であることから1~100ppmが より好ましい。

 なお、ポリエステルエーテルポリ(モノ) ール(p1)中に残存する複合金属シアン化物錯 触媒の量が多い場合は、第1のステップ終了 後に、得られたポリ(モノ)オール(p1)から複合 金属シアン化物錯体触媒を除去する操作を行 ってもよい。複合金属シアン化物錯体触媒を 除去せずにそのまま第2のステップを行って よい。

 一方、ポリエステルエーテルポリ(モノ)オ ル(p1)中に残存する複合金属シアン化物錯体 媒の量が少なく、かつ、その後に悪影響を ぼさない場合は、複合金属シアン化物錯体 媒を除去する工程を行わずに次の工程へ進 ことができる。この場合、複合金属シアン 物錯体触媒をより少なくすることにより、 程数を減らすことができることから、ポリ ステルエーテルポリ(モノ)オール(p1)の生産 率を高めることができる。
 このような複合金属シアン化錯体触媒は、 知の製造方法で製造できる。

[(2)P=N結合を有する化合物触媒]
 P=N結合を有する化合物触媒としては、(2-1) スファゼニウム化合物、(2-2)ホスファゼン化 合物又は(2-3)ホスフィンオキシド化合物等が げられる。
 上記(2-1)ホスファゼニウム化合物としては 例えば特開平11-106500号公報に記載された化 物が挙げられる。具体的には、テトラキス[ リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデン ミノ]ホスフォニウムヒドロキシド、テトラ ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ ンアミノ]ホスフォニウムメトキシド、テト ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ リデンアミノ]ホスフォニウムエトキシド、 はテトラキス[トリ(ピロリジン-1-イル)ホス ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム-tert-ブ キシド等が挙げられる。

 上記(2-2)ホスファゼン化合物としては、例 ば特開平10-36499号公報に記載された化合物が 挙げられる。具体的には1-tert-ブチル-2,2,2-ト ス(ジメチルアミノ)ホスファゼン、1-(1,1,3,3- テトラメチルブチル)-2,2,2-トリス(ジメチルア ミノ)ホスファゼン、1-エチル-2,2,4,4,4-ペンタ ス(ジメチルアミノ)-2λ 5 ,4λ 5 -カテナジ(ホスファゼン)、1-tert-ブチル-4,4,4- リス(ジメチルアミノ)-2,2-ビス[トリス(ジメ ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]-2λ 5 ,4λ 5 -カテナジ(ホスファゼン)、1-(1,1,3,3-テトラメ ルブチル)-4,4,4-トリス(ジメチルアミノ)-2,2- ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ ンアミノ]-2λ 5 ,4λ 5 -カテナジ(ホスファゼン)、1-tert-ブチル-2,2,2- リ(1-ピロリジニル)ホスファゼン又は7-エチ -5,11-ジメチル-1,5,7,11-テトラアザ-6λ 5 -ホスファスピロ[5,5]ウンデカ-1(6)-エン等が挙 げられる。

 上記(2-3)ホスフィンオキシド化合物として 、例えば特開平11-302371号公報に記載された 合物が挙げられる。具体的には、トリス[ト ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア ノ]ホスフィンオキシド又はトリス[トリス( エチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ スフィンオキシド等が挙げられる。
 これらの中でも入手の容易さの観点から、( 2-1)ホスファゼニウム化合物、または(2-3)ホス フィンオキシド化合物を用いることが好まし い。

 重合触媒として上記P=N結合を有する化合物 媒を用いる場合の使用量は、開始剤(z)中の 性水素原子1モル当量、すなわち水酸基1モ 当量に対し、P=N結合を有する化合物触媒が1 10 -4 ~5×10 -1 モル当量であることが好ましく、1×10 -4 ~2×10 -1 モル当量であることがより好ましい。
 開始剤(z)の活性水素原子に対して、P=N結合 有する化合物触媒の使用量が1×10 -4 モル当量以上であると、環状エステル化合物 (a)とアルキレンオキシド(b)との共重合反応の 速度を良好に速めることができ、5×10 -1 モル当量以下であると製造コストを抑制する うえで好ましい。

 なお、第1のステップにおいて、重合触媒 として(2)P=N結合を有する化合物触媒を用いる 場合は、該触媒がポリエステルエーテルポリ (モノ)オール(p1)中に残存すると、該ポリ(モ )オール(p1)が着色する傾向があるため、ポリ (モノ)オール(p1)を製造した後は、触媒成分を 除去することが好ましい。

<ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1 )の製造>
 第1のステップでは、開始剤(z)と、環状エス テル化合物(a)およびアルキレンオキシド(b)と を重合触媒存在下で反応させてポリエステル エーテルポリ(モノ)オール(p1)を得る。
 第1のステップにおいて、使用する環状エス テル化合物(a)及びアルキレンオキシド(b)の種 類および使用量は、硬化性組成物を硬化させ て得られる粘着体の粘着特性に応じて適宜設 定される。2価基(A)に由来するエステル鎖を くすると基材との接着性が向上する。また2 基(B)に由来するエーテル鎖を多くすると柔 性に富む粘着体が得られる。

 水酸基数(t)が異なる2種以上の開始剤(z)を用 いる場合、該2種以上の開始剤(z)を混合した 、環状エステル化合物(a)およびアルキレン キシド(b)を反応させてもよく、それぞれの 始剤(z)に環状エステル化合物(a)およびアル レンオキシド(b)を反応させてポリ(モノ)オー ル(p1)を得た後に混合してもよい。
 1個の水酸基を有する開始剤(z)を用いて得た モノオール(p1)を、2個以上の水酸基を有する 始剤(z)を用いて得たポリオール(p1)と混合す ることが、物性調整、粘度調整の点で好まし い。

 開始剤(z)として第1の開始剤(z1)を用いた場 、ポリエステルエーテル系重合体(S1)におけ 2価基(A)と2価基(B)の共重合鎖は、ポリエス ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)における、 状エステル化合物(a)とアルキレンオキシド(b )の共重合鎖に由来する。
 また開始剤として第2の開始剤(z2)を用いた 合には、上式(2)における-(OR 11 -) S からなるブロック鎖、および該ブロック鎖に 結合する環状エステル化合物(a)とアルキレン オキシド(b)の共重合鎖が、ポリエステルエー テル系重合体(S1)における2価基(A)と2価基(B)の 共重合鎖となる。

 開始剤(z)および重合触媒の存在下、反応容 内にアルキレンオキシド(b)の1種以上と、環 状エステル化合物(a)の1種以上とを同時に添 して重合を行うことにより、ポリエステル ーテルポリ(モノ)オール(p1)のランダム共重 体を得ることができる(ランダム共重合)。
 また、アルキレンオキシド(b)の1種以上と、 環状エステル化合物(a)の1種以上とを順次添 することにより、ポリエステルエーテルポ (モノ)オール(p1)のブロック共重合体を得る とができる(ブロック共重合)。
 さらには、環状エステル化合物(a)およびア キレンオキシド(b)の添加順序及び添加量な を調節することより、分子内の一部に環状 ステル化合物(a)に由来するポリエステル鎖 分および/またはポリオキシアルキレン鎖部 分を導入して、ランダム共重合部位とブロッ ク共重合部位が同一分子中に存在するポリエ ステルエーテルポリ(モノ)オールを得ること できる(ランダム・ブロック共重合体)。
 例えば、環状エステル化合物(a)の1種以上を 予め所定量重合させた環状エステル重合体と 、アルキレンオキシドの1種以上を予め所定 重合させたアルキレンオキシド重合体を同 に添加することより、ポリエステルエーテ ポリ(モノ)オール(p1)の分子中にブロック共 合鎖を導入できる。

 ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1) ランダム共重合鎖を有する場合、ポリエス ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)中における 環状エステル化合物(a)とアルキレンオキシ (b)とのランダム共重合鎖の含有率は、10~95 量%であることが好ましく、20~90質量%である とがより好ましい。
 ランダム共重合鎖の含有率は、ポリエステ エーテルポリ(モノ)オールにおいて、環状 ステル化合物(a)とアルキレンオキシド(b)と 同時に添加して得られたランダム共重合鎖 割合である。製造されたポリエステルエー ルポリ(モノ)オールの全質量に対して、同時 に添加された環状エステル化合物(a)とアルキ レンオキシド(b)との合計量から計算される。
 ランダム共重合鎖の含有率が10質量%以上で ると、ポリエステルエーテル系シリル基含 重合体(S1)の充分な硬化性が得られ易く、95 量%以下であると、ポリエステルエーテルポ リ(モノ)オール(p1)の粘度が低く抑えられ、取 扱い性が良い。

 第1のステップで得られるポリエステルエー テルポリ(モノ)オール(p1)中において、環状エ ステル化合物(a)に由来する上式(A)で表される 2価基(A)の含有率は5~50質量%であることが好ま しく、5~40質量%であることがより好ましい。 2価基(A)の含有率が5質量%以上であるとポリ ステルエーテル系シリル基含有重合体(S1)の 充分な硬化性が得られ易く、硬化物の濡れ性 が良好となり易い。50質量%以下であるとポリ エステルエーテルポリ(モノ)オール(p1)の粘度 が低くなり易い。
 該2価基(A)の含有率を5~50質量%とするには、 合反応に用いる開始剤(z)、環状エステル化 物(a)、およびアルキレンオキシド(b)との合 質量に占める環状エステル化合物(a)の割合 5~50質量%とすることが好ましい。

 第1のステップで得られるポリエステルエー テルポリ(モノ)オール(p1)中において、上式(B) で表される2価基(B)の含有率は、50~95質量%で ることが好ましく、60~95質量%であることが り好ましい。
 開始剤(z)として第1の開始剤(z1)を用いる場 、該2価基(B)の含有率を50~95質量%とするには 重合反応に用いる環状エステル化合物(a)、 よびアルキレンオキシド(b)との合計質量に めるアルキレンオキシド(b)の割合を5~95質量 %とすることが好ましい。該含有率が50質量% 上であるとポリエステルエーテルポリ(モノ) オール(p1)の粘度が低くなり易く、95質量%以 であるとポリエステルエーテル系シリル基 有重合体(S1)の充分な硬化性が得られやすい
 また開始剤(z)として第2の開始剤(z2)を用い 場合、該2価基(B)の含有率を50~95質量%とする は、重合反応に用いる開始剤(z)、環状エス ル化合物(a)、およびアルキレンオキシド(b) の合計質量に占める、第2の開始剤(z2)に含 れるオキシアルキレン基と、アルキレンオ シド(b)との合計質量の割合が50~95質量%とす ことが好ましい。

 また第1のステップで得られるポリエステ ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)中に存在する 、アルキレンオキシド(b)に由来する2価基(B) 、環状エステル化合物(a)に由来する2価基(A) の質量比が、前記ポリエステルエーテル系 合体(S1)における(A):(B)のモル比の範囲内と るように調整することが好ましい。

 ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1) 製造条件、すなわち、撹拌効率、環状エス ル化合物(a)とアルキレンオキシド(b)の供給 度、反応温度、溶媒の有無に関しても特に 定はなく、得ようとするポリエステルエー ルポリ(モノ)オール(p1)の物性や生産効率に じて定めることができる。
 第1のステップにおいて、環状エステル化合 物(a)及びアルキレンオキシド(b)の反応容器内 への添加は、液層部からの添加であってもよ く、気層部からの添加であってもよい。

 第1のステップにより、得られるポリエステ ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)は、平均水酸 基価(OHV)が10~230mgKOH/gであることが好ましく、 20~120mgKOH/gがより好ましく、30~60mgKOH/gである とがさらに好ましい。
 該平均水酸基価が10mgKOH/g以上であると粘度 低く取り扱いが容易であり、230mgKOH/g以下で あると柔軟性と強度を与えることができる。

 第1のステップにより、得られるポリエステ ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)は、数平均分 子量が500~10000であることが好ましく、1000~5000 であることがより好ましく、1000~3000であるこ とが更に好ましい。
 ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p1) 数平均分子量が500以上であると、環状エス ルのユニット数を充分確保できるため、ポ エステルエーテル系シリル基含有重合体(S1) の充分な硬化性が得られやすく、硬化体の表 面における充分なべたつきが得られ易い。該 ポリ(モノ)オール(p1)の数平均分子量が10000以 であると、ポリエステルエーテルポリ(モノ )オール(p1)の粘度が充分に低くなり易い。

 ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p 1)の分子量分布(Mw/Mn)は、2.0以下が好ましく、 1.02~1.4がより好ましく、1.02~1.35が更に好まし 。分子量分布が2.0以下であると、ポリエス ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)の粘度が充 に低くなり易い。ポリエステルエーテルポ (モノ)オール(p1)の分子量分布が1.02以上であ ると、重合反応に要する時間が短くなり易く 、生産効率向上の点で好ましい。

[第2のステップ]
 第2のステップにおいては、第1のステップ 得られたポリエステルエーテルポリ(モノ)オ ール(p1)から、ポリエステルエーテル系シリ 基含有重合体(S1)を合成する。かかるポリエ テルエーテル系重合体(S1)は、ポリエステル エーテルポリ(モノ)オール(p1)と、シリルイソ シアネート化合物(i)とをウレタン化触媒存在 下反応させることにより得られる。

[シリルイソシアネート化合物(i)]
 シリルイソシアネート化合物(i)は、下記一 式(5)で表される。

 式中のR 2 、R 3 、およびaは上式(1)におけるR 2 、R 3 、およびaと好ましい態様も含めて同義であ 。またXとしては上式(1)におけるXのうち加水 分解性基を示す。上式(1)における-R 2 -SiX a R 3 (3-a) は、上式(5)で表されるシリルイソシアネート 化合物(i)における-R 2 -SiX a R 3 (3-a) に由来する。

 シリルイソシアネート化合物(i)としては、 -イソシアネートメチルトリメトキシシラン β-イソシアネートエチルトリメトキシシラ 、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシ ラン、γ-イソシアネートブチルトリメトキ シラン、γ-イソシアネートペンチルトリメ キシシラン、α-イソシアネートメチルトリ トキシシラン、β-イソシアネートエチルト エトキシシラン、γ-イソシアネートプロピ トリエトキシシラン、γ-イソシアネートブ ルトリエトキシシラン、γ-イソシアネート ンチルトリエトキシシラン、α-イソシアネ トメチルメチルジメトキシシシラン、α-イ シアネートエチルエチルジメトキシシラン α-イソシアネートプロピルトリメトキシシ ン又はα-イソシアネートプロピルトリエト シシラン等のイソシアネートシラン系化合 が挙げられる。
 これらの中でも、γ-イソシアネートプロピ トリメトキシシラン又はγ-イソシアネート ロピルトリエトキシシランが好ましい。

(ウレタン化触媒)
 本発明において、ポリエステルエーテルポ (モノ)オール(p1)とシリルイソシアネート化 物(i)とを反応させる際にはウレタン化触媒 用いる。ウレタン化触媒としては、公知の レタン化反応触媒が用いられる。具体的に 、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)等のスズ 触媒やビスマス触媒が挙げられる。また、複 合金属シアン化物錯体触媒等も使用できる。 該複合金属シアン化物錯体触媒は、第1のス ップにおいて説明した複合金属シアン化物 体触媒と同義である。

 複合金属シアン化物錯体触媒を用いる場合 、第1のステップで使用する重合触媒と同一 の複合金属シアン化物錯体触媒を用いること ができる。すなわちポリエステルエーテルポ リ(モノ)オール(p1)と、シリルイソシアネート 化合物(i)とを第1のステップで用いた複合金 シアン化物錯体存在下で反応させ、ポリエ テルエーテル系シリル基含有重合体(S1)を得 ことができる。
 この場合、第1のステップで使用する複合金 属シアン化物錯体触媒の量や活性度を調整し 、第1のステップ終了時に複合金属シアン化 錯体触媒の活性を残存させ、そのまま、第2 ステップを行うことが好ましい。この方法 よれば、第2のステップにおいて新たなウレ タン化触媒を添加することなく反応を進行さ せることができる。また、第1のステップと 第2のステップとを続けて行うことができる め、作業性も向上し、得られるポリエステ エーテル系重合体(S1)の収率も向上する。

 第2のステップに用いるウレタン化触媒の 使用量は、ポリエステルエーテルポリ(モノ) ール(p1)と、シリルイソシアネート化合物(i) とのウレタン化反応に必要な量であればよく 、特に限定されない。この反応により得られ るポリエステルエーテル系重合体(S1)の全質 (仕上がり質量)に対して、100ppm以下であるこ とが好ましく、50ppm以下がより好ましい。ウ タン化触媒の使用量が、100ppm以下であると ポリエステルエーテル系重合体(S1)における ウレタン化触媒の残存量が少なく、良好な貯 蔵安定性が得られやすい。

 ポリエステルエーテルポリ(モノ)オール(p 1)と、シリルイソシアネート化合物(i)とのウ タン化反応は、ウレタン化触媒の使用量に って反応温度及び反応が完結するのに要す 時間が異なるが、一般に20~200℃、好ましく 50~150℃の温度で数時間反応を行うことが好 しい。また、この反応は、窒素ガス、アル ンガス等の不活性ガス中で行うのが好まし 。この場合、副反応が抑制できるため、得 れるシリル基含有重合体の収率を向上させ ことができる。

 第2のステップにおいて、ポリエステルエー テルポリ(モノ)オール(p1)と、シリルイソシア ネート化合物(i)との配合比は、ポリエステル エーテルポリ(モノ)オール(p1)の水酸基(OH)の に対する、シリルイソシアネート化合物(i) イソシアネート基(NCO)の数、すなわちNCO/OHで 表されるモル比が1.1以下であることが好まし く、1.0以下がより好ましく、0.97以下がさら 好ましい。
 該NCO/OH(モル比)が上記の範囲であると、ウ タン化反応後にポリエステルエーテルポリ( ノ)オール(p1)の水酸基が残存しやすくなる すなわち、上式(1)で表されるポリエステル ーテル系重合体(S1)の他に、上式(1)におけるR 1 -[-(Y-)r-] t の一部にOH基が結合している水酸基残存重合 (S1-OH)が生成されやすい。このような分子内 にOH基を有している水酸基残存重合体(S1-OH)が 存在することが、本発明の効果に寄与してい ると考えられる。
 該NCO/OH(モル比)の下限値は、貯蔵安定性の で0.3が好ましく、0.5がより好ましく、0.8が らに好ましい。

 このようにしてウレタン化反応を行って得 れる反応生成物は、主にポリエステルエー ル系シリル基含有重合体(S1)を含む他に、実 質的にポリエステルエーテルポリ(モノ)オー (p1)の水酸基が未反応で残存している水酸基 残存重合体(S1-OH)も含んでいる。
 かかるポリエステルエーテル系シリル基含 重合体(S1)を含む硬化性組成物は、粘度が低 く、塗工性が良い。したがって溶剤を用いな くても良好な塗工性が得られるため粘着体を 成形する際に硬化性組成物の無溶剤化を実現 できる。また該組成物は硬化性に優れるため 、水分と接触すると、迅速かつ強固に硬化( 気硬化)して硬化体が得られる。該湿気硬化 は反応性ケイ素基(-SiX a R 3 (3-a) )が寄与する。また、基材上に塗布して硬化 せると、基材との良好な接着性が得られる 硬化後の硬化体は、良好な柔軟性を有し、 面の濡れ性が良く、かつ低い粘着性を有す 。したがって粘着体層として好適であり、 着体への濡れ性および密着性が良好である ともに、良好な再剥離性が得られる。

 特に、第1のステップにおいて、ポリオキ シアルキレンポリ(モノ)オール(z21)を用いて られるポリエステルエーテル系重合体(S11)は 、より低粘度であり、取り扱い性に優れる。

 また、第2のステップにおいて、上式(5)で表 されるシリルイソシアネート化合物(i)を用い ることにより、少ない工程数でポリエステル エーテル系重合体(S1)を簡便に製造できる。 較としては、例えばシリル基を有さないポ イソシアネート化合物をポリエステルエー ルポリ(モノ)オール(p1)と、イソシアネート 過剰の条件で反応させる。その後ポリエス ルエーテルポリ(モノ)オール(p1)の末端に残 するイソシアネート基をシリル化する方法 例示できる。
 第2のステップを採用することにより、工程 時間を大幅に短縮でき、製造工程途中で副生 する不純物も低減できる。したがって、得ら れるポリエステルエーテル系シリル基含有重 合体(S1)を貯蔵安定性が優れるものとするこ ができる。また精製等の煩雑な操作も不要 することができる。

<ポリエーテル系シリル基含有重合体(S2)>
 ポリエーテル系重合体(S2)は、上式(1)におけ るYが2価基(B)のみからなるほかは、ポリエス ルエーテル系重合体(S1)と同様である。

<ポリエーテル系シリル基含有重合体(S2)の 造方法>
 ポリエーテル系シリル基含有重合体(S2)は、 R 1 -[-(Y) r -OH] t (Yは上式(B)で表される2価の基である。)で表 れるポリエーテルポリ(モノ)オール(p2)(以下 ポリ(モノ)オール(p2)ということもある。)を 製造する第1のステップと、該ポリ(モノ)オー ル(p2)と、シリルイソシアネート化合物(i)と ウレタン化触媒存在下で反応させる第2のス ップを経て製造できる。

[第1のステップ]
 ポリエーテルポリ(モノ)オール(p2)は、公知 方法で製造できる。例えば、
[1]分子中に1~8個の水酸基を有する化合物から なる開始剤(z)と、炭素数2~4のアルキレンオキ シド(b)とを重合触媒存在下で反応させる方法 で製造できる。
 開始剤(z)およびアルキレンオキシド(b)は、 記ポリエステルエーテル系重合体(S1)の製造 方法における開始剤(z)およびアルキレンオキ シド(b)とそれぞれと同じである。第1の開始 (z1)を用いてもよく、第2の開始剤(z2)を用い もよい。
 開始剤(z)とアルキレンオキシド(b)を反応さ てポリ(モノ)オール(p2)を得る方法は、公知 方法を用いることができる。重合触媒も公 のものを適宜用いることができる。重合触 としては、アルカリ金属水酸化物等のアル リ触媒でもよく、前記複合金属シアン化物 体触媒でもよい。複合金属シアン化物錯体 媒がより好ましい。

 または、[2]ポリ(モノ)オール(p2)としては、 リオキシテトラメチレングリコール等も例 できる。ポリオキシテトラメチレングリコ ルはTHFの開環重合によって製造できる。ポ (モノ)オール(p2)は市販品からも入手可能で る。
 ポリエーテルポリ(モノ)オール(p2)の数平均 子量は500~15000が好ましく、700~5000がより好 しい。該数平均分子量が上記範囲の下限値 上であると良好な物性が得られ、上限値以 であると低粘度化が可能である。
 ポリ(モノ)オール(p2)の分子量分布(Mw/Mn)は、 3以下が好ましく、2.8~1.5がより好ましく、2.5~ 1.8が更に好ましい。分子量分布が3以下であ と、ポリ(モノ)オール(p2)の粘度が充分に低 なり易い。ポリ(モノ)オール(p2)の分子量分 が1.5以上であると、重合反応に要する時間 短くなり易く、生産効率向上の点で好まし 。
 ポリエーテルポリ(モノ)オール(p2)の平均水 基価は15~230mgKOH/gが好ましく、20~170mgKOH/gが り好ましい。該平均水酸基価が15mgKOH/g以上 あると良好な物性が得られ、230mgKOH/g以下で ると低粘度化が可能である。

[第2のステップ]
 第2のステップは、前記ポリエステルエーテ ル系重合体(S1)の製造方法における第2のステ プと同様である。
 第2のステップにおいて、ポリエーテルポリ (モノ)オール(p2)と、シリルイソシアネート化 合物(i)との配合比は、前記ポリエステルエー テル系重合体(S1)の製造方法におけるNCO/OH(モ 比)と同じである。

 前記ポリエステルエーテル系重合体(S1)の場 合と同様に、第2のステップのウレタン化反 により得られる反応生成物は、主にポリエ テル系シリル基含有重合体(S2)を含む他に、 質的にポリエーテルポリ(モノ)オール(p2)の 酸基が未反応で残存している水酸基残存重 体(S2-OH)も含んでいる。
 かかるポリエーテル系シリル基含有重合体( S2)を含む硬化性組成物も、粘度が低く、常温 で迅速かつ強固に湿気硬化し、基材との良好 な接着性が得られる。したがって粘着体を得 るための硬化性組成物として好適である。ま た硬化後の硬化体は、良好な柔軟性を有し、 表面の濡れ性が良く、かつ低い粘着性を有す る。したがって粘着体層として好適であり、 被着体への濡れ性および密着性が良好である とともに、良好な再剥離性が得られる。

<ポリエステル系シリル基含有重合体(S3)>
 ポリエステル系重合体(S3)は、上式(1)におけ るYが2価基(A)のみからなるほかは、ポリエス ルエーテル系重合体(S1)と同様である。

<ポリエステル系シリル基含有重合体(S3)の 造方法>
 ポリエステル系シリル基含有重合体(S3)は、 R 1 -[-(Y) r -OH] t (Yは上式(A)で表される2価の基である。)で表 れるポリエステルポリ(モノ)オール(p3)(以下 ポリ(モノ)オール(p3)ということもある。)を 製造する第1のステップと、該ポリ(モノ)オー ル(p3)と、シリルイソシアネート化合物(i)と ウレタン化触媒存在下で反応させる第2のス ップを経て製造できる。

 [第1のステップ]
 ポリエステルポリ(モノ)オール(p3)は、公知 方法で製造できる。市販品からも容易に入 できる。
 ポリエステルポリ(モノ)オール(p3)の数平均 子量は500~15000が好ましく、700~5000がより好 しい。該数平均分子量が500以上であると良 な物性が得られ、15000以下であると低粘度化 が可能である。
 ポリ(モノ)オール(p3)の分子量分布(Mw/Mn)は、 3以下が好ましく、
2.8~1.5がより好ましく、2.5~1.8が更に好ましい 分子量分布が2以下であると、ポリ(モノ)オ ル(p3)の粘度が充分に低くなり易い。ポリ( ノ)オール(p3)の分子量分布が1.5以上であると 、重合反応に要する時間が短くなり易く、生 産効率向上の点で好ましい。
 ポリエーテルポリ(モノ)オール(p3)の平均水 基価は15~230mgKOH/gが好ましく、20~170mgKOH/gが り好ましい。該平均水酸基価が15mgKOH/g以上 あると良好な物性が得られ、230mgKOH/g以下で ると低粘度化が可能である。

 第2のステップは、前記ポリエステルエーテ ル系重合体(S1)の製造方法における第2のステ プと同様である。
 第2のステップにおいて、ポリエステルポリ (モノ)オール(p3)と、シリルイソシアネート化 合物(i)との配合比は、前記ポリエステルエー テル系重合体(S1)の製造方法におけるNCO/OH(モ 比)と同じである。

 前記ポリエステルエーテル系重合体(S1)の場 合と同様に、第2のステップのウレタン化反 により得られる反応生成物は、主に、ポリ ステル系シリル基含有重合体(S3)を含む他に 実質的にポリエステルポリ(モノ)オール(p3) 水酸基が未反応で残存している水酸基残存 合体(S3-OH)も含んでいる。
 かかるポリエステル系シリル基含有重合体( S3)を含む硬化性組成物も、粘度が低く、常温 で迅速かつ強固に湿気硬化し、基材との良好 な接着性が得られる。したがって粘着体を得 るための硬化性組成物として好適である。ま た硬化後の硬化体は、良好な柔軟性を有し、 表面の濡れ性が良く、かつ低い粘着性を有す る。したがって粘着剤層として好適であり、 被着体への濡れ性および密着性が良好である とともに、良好な再剥離性が得られる。

 本発明にかかる硬化性組成物に含まれるシ ル基含有重合体(S)は、ポリエステルエーテ 系重合体(S1)、ポリエーテル系重合体(S2)、 よびポリエステル系重合体(S3)のいずれか1種 でもよく、2種を組み合わせてもよく、3種を んでもよい。2種以上を組み合わせて用いる 場合、ポリエステルエーテル系重合体(S1)、 リエーテル系重合体(S2)、およびポリエステ 系重合体(S3)のそれぞれを製造した後に、混 合してもよく、中間生成物であるポリ(モノ) ール(p1)、(p2)、および/または(p3)を混合した 後、該混合物をシリルイソシアネート化合物 (i)と反応させてもよい。
 またポリエステルエーテル系重合体(S1)、ポ リエーテル系重合体(S2)、およびポリエステ 系重合体(S3)のそれぞれにおいて、1種を用い てもよく、2種以上を併用してもよい。
 ポリエステルエーテル系重合体(S1)、ポリエ ーテル系重合体(S2)、およびポリエステル系 合体(S3)から選ばれる2種を混合して用いる場 合、混合割合は質量比で95:5~5:95の範囲が好ま しい。

<他のシリル基含有重合体(S4)>
 本発明にかかる硬化性組成物は、任意成分 して下記一般式(3)で表されるシリル基含有 合体(S4)(以下、他の重合体(S4)ということも る。)を含有してもよい。

 式(3)中、R 21 は分子中にm個の水酸基を有する化合物から 部の水酸基を除いたm価の残基を示し、R 22 は2価の有機基を示し、R 23 は炭素数1~20の1価の有機基を示し、X’は水酸 基又は加水分解性基を示し、Y’は炭素数2~4 オキシアルキレン基を示し、a’は1~3の整数 示し、kは1~10000の整数を示し、mは1~8の整数 示す。
 mが2~8である場合、R 21 に結合するm個の1価基は互いに同一でも異な てもよい。
 a’が2または3である場合、1個のケイ素原子 に結合している2個または3個のX’は互いに同 一でも異なってもよい。aが1の場合、1個のケ イ素原子に結合している2個のR 23 は互いに同一でも異なってもよい。kが2以上 場合、互いに結合している複数のY’は互い に同一でも異なってもよい。

 上式(3)において、R 21 は上式(1)におけるR 1 と、R 22 はR 2 と、R 23 はR 3 と、X’はXと、Y’はYと、a’はaと、mはtと、 れぞれ好ましい態様も含めて同様である。
 式(3)において、kは1~10000の整数を示す。こ kは1~1000の整数であることが好ましく、10~1000 の整数であることがより好ましい。なお、m 2~8である場合、kはそれぞれ独立に、1~10000の 整数を示す。
 かかる他の重合体(S4)は、公知の製造方法で 製造できる。市販品からも入手できる。

 本発明にかかる硬化性組成物において、重 体(S)に加えて他の重合体(S4)を配合すること により硬化性組成物の濡れ性が向上する。
 他の重合体(S4)の配合量は、その添加効果を 充分に得るためには、シリル基含有重合体(S) の100質量部(水酸基残存重合体を含む)に対し 5質量部以上が好ましい。上限は、塗工粘度 の点から70質量部以下が好ましい。該他の重 体(S4)の配合量のより好ましい範囲は10~70質 部である。
 本発明にかかる硬化性組成物においては、 レタン結合とシリル基とは、実質的に等量 在するか、シリル基がウレタン結合より多 含まれる。これはウレタン結合はシリルイ シアネート化合物(i)に由来し、シリル基は リルイソシアネート化合物(i)および他の重 体(S4)に由来するからである。実質的に等量 とは、硬化性組成物を製造する際に用いるシ リルイソシアネート化合物(i)が高純度品であ るという前提が含まれることを意味する。工 業的に入手可能なシリルイソシアネート化合 物(i)は、水分などの影響によりシリル基どう しの縮合、イソシアネート基の変性(加水分 変性、イソシアヌレート縮合変性などの変 )が若干生じている。本発明においてウレタ 結合とシリル基との割合は(ウレタン結合/ リル基)のモル比で、1/1~1/2が好ましく、1/1~2/ 3がより好ましい。この割合であれば、硬化 組成物を硬化させて得られる粘着体におい 、低い粘着力が得られ、かつ、粘着力の安 性に優れる。

<添加剤>
 本発明にかかる硬化性組成物には、添加剤 含有させることができる。なお硬化性組成 においては、可塑剤を用いないことが好ま い。特にフタル酸ジオクチル等のエステル 可塑剤は、用いないことが好ましい。エス ル系可塑剤を用いると、硬化体と基材との 着力が低下し、糊残り(adhesive deposit)が発生 する場合があるからである。
[硬化剤]
 本発明にかかる硬化性組成物は水と接触す ことにより硬化する。したがって大気中の と反応して湿気硬化する。また、硬化させ 直前に、硬化剤として水(H 2 O)を添加してもよい。この場合の水の添加量 、重合体(S)および他の重合体(S4)の合計量( 酸基残存重合体を含む)100質量部に対して0.01 ~5質量部であることが好ましく、0.01~1質量部 より好ましく、0.05~0.5質量部が特に好まし 。硬化剤の添加量を0.01質量部以上とするこ により硬化を有効に促進でき、硬化剤の添 量を5質量部以下とすることにより使用時の 可使時間を確保できる。

[硬化触媒]
 硬化性組成物に、重合体(S)および他の重合 (S4)の反応性ケイ素基の加水分解及び/又は 橋反応を促進するための硬化触媒(硬化促進 )を含有させることが好ましい。

 かかる硬化触媒は反応性ケイ素基の反応を 進する成分として公知のものを適宜使用で る。具体例としては、ジブチルスズジアセ ート、ジブチルスズジラウレート、ジオク ルスズジラウレート、(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH 3 ) 2 、(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(OCOCH=CHCOO(n-C 4 H 9 )) 2 、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH 3 ) 2 、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(OCOCH=CHCOO(n-C 4 H 9 )) 2 、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(OCOCH=CHCOO(iso-C 8 H 17 )) 2 等の有機スズカルボン酸塩;(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(SCH 2 COO)、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(SCH 2 COO)、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(SCH 2 CH 2 COO)、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(SCH 2 COOCH 2 CH 2 OCOCH 2 S)、(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(SCH 2 COO(iso-C 8 H 17 )) 2 、(n-C 8 H 17 )2Sn(SCH 2 COO(iso-C 8 H 17 )) 2 、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(SCH 2 COO(n-C 8 H 17 )) 2 、(n-C 4 H 9 ) 2 SnS等の含硫黄有機スズ化合物;(n-C 4 H 9 ) 2 SnO、(n-C 8 H 17 ) 2 SnO等の有機スズオキシド;エチルシリケート マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル フタル酸ジエチル及びフタル酸ジオクチル らなる群より選ばれるエステル化合物と、 記有機スズオキシドとの反応生成物;(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(acac) 2 、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(acac) 2 、(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(OC 8 H 17 )(acac)、(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(OC(CH 3 )CHCO 2 C 2 H 5 ) 2 、(n-C 8 H 17 ) 2 Sn(OC(CH 3 )CHCO 2 C 2 H 5 ) 2 、(n-C 4 H 9 ) 2 Sn(OC 8 H 17 )(OC(CH 3 )CHCO 2 C 2 H 5 )、ビスアセチルアセトナートスズ等のキレ トスズ化合物(ただし、上記acacはアセチルア セトナト配位子を意味し、OC(CH 3 )CHCO 2 C 2 H 5 はエチルアセトアセテート配位子を意味する 。);テトラメトキシシラン、テトラエトキシ ラン及びテトラプロポキシシランからなる より選ばれるアルコキシシランと、上記キ ートスズ化合物との反応生成物;(n-C 4 H 9 ) 2 (CH 3 COO)SnOSn(OCOCH 3 )(n-C 4 H 9 ) 2 、(n-C 4 H 9 ) 2 (CH 3 O)SnOSn(OCH 3 )(n-C 4 H 9 ) 2 等の-SnOSn-結合含有有機スズ化合物等のスズ 合物が挙げられる。

 また、硬化触媒の更なる具体例としては 2-エチルヘキサン酸スズ、n-オクチル酸スズ 、ナフテン酸スズ又はステアリン酸スズ等の 2価スズカルボン酸塩類;オクチル酸、オレイ 酸、ナフテン酸又はステアリン酸等の有機 ルボン酸の錫以外の金属塩類;カルボン酸カ ルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボ ン酸鉄、カルボン酸バナジウム、ビスマスト リス-2-エチルヘキサノエート等のカルボン酸 ビスマス、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニ ウム、又はカルボン酸ニッケル等;テトライ プロピルチタネート、テトラブチルチタネ ト、テトラメチルチタネート、テトラ(2-エ ルへキシルチタネート)等のチタンアルコキ ド類;アルミニウムイソプロピレート、モノ -sec-ブトキシアルミニウムジイソプロピレー 等のアルミニウムアルコキシド類;ジルコニ ウム-n-プロピレート、ジルコニウム-n-ブチレ ート等のジルコニウムアルコキシド類;チタ テトラアセチルアセトナート、チタンエチ アセトアセテート、チタンオクチレングリ レート、チタンラクテート等のチタンキレ ト類;アルミニウムトリスアセチルアセトナ ト、アルミニウムトリスエチルアセトアセ ート、ジイソプロポキシアルミニウムエチ アセトアセテート等のアルミニウムキレー 類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナー ト、ジルコニウムビスアセチルアセトナート 、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエ チルアセトアセテート、ジルコニウムアセテ ート等のジルコニウム化合物類;リン酸、p-ト ルエンスルホン酸又はフタル酸等の酸性化合 物類;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オク ルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン の脂肪族モノアミン類;エチレンジアミン、 キサンジアミン等の脂肪族ジアミン類;ジエ チレントリアミン、トリエチレンテトラミン 、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリ アミン類;ピペリジン、ピペラジン、1,8-ジア ビシクロ(5.4.0)ウンデセン-7等の複素環式ア ン類;メタフェニレンジアミン等の芳香族ア ミン類;モノエタノールアミン、ジエタノー アミン又はトリエタノールアミン等のアル ノールアミン類;トリエチルアミン等のトリ ルキルアミン類;上記アミン類と肪族モノカ ルボン酸(蟻酸、酢酸、オクチル酸、2-エチル ヘキサン酸など)、脂肪族ポリカルボン酸(蓚 、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ ン酸など)、芳香族モノカルボン酸(安息香 、トルイル酸、エチル安息香酸など)、芳香 ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、 テレフタル酸、ニトロフタル酸、トリメリッ ト酸など)、フェノール化合物(フェノール、 ゾルシン等)、スルホン酸化合物(アルキル ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、 ンゼンスルホン酸など)、リン酸化合物等の 機酸、及び塩酸、臭素酸、硫酸等の無機酸 の酸からなる第1級~第3級のアンモニウム-酸 塩類;トリエチルメチルアンモニウムヒドロ シド、トリメチルベンジルアンモニウムヒ ロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウ ヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモ ウムヒドロキシド、デシルトリメチルアン ニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチル ンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチ エチルアンモニウムヒドロキシド、デシル メチルエチルアンモニウムヒドロキシド、 デシルジメチルエチルアンモニウムヒドロ シド、ジヘキシルジメチルアンムニウムヒ ロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウ ヒドロキシド、ジデシルジメチルアンモニ ムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアン ニウムヒドロキシド等のアンモニウム水酸 塩類;エポキシ樹脂の硬化剤として用いられ 各種変性アミン等のアミン化合物類等が挙 られる。

 これらの硬化触媒は1種類のみを用いても 、2種類以上を組合せて用いてもよい。2種類 上を組合せる場合は、たとえば、上記2価ス ズカルボン酸塩、有機スズカルボン酸塩又は 有機スズオキシドと、エステル化合物との反 応物等の上記金属含有化合物に、脂肪族モノ アミン又はその他の上記アミン化合物を組合 せることが、優れた硬化性が得られることか ら好ましい。

 硬化触媒を添加する場合、その添加量は 重合体(S)および他の重合体(S4)の合計量(水 基残存重合体を含む)100質量部に対して0.001~1 0質量部であることが好ましく、0.01~5質量部 より好ましい。硬化触媒の添加量を0.001質量 部以上とすることにより硬化速度を有効に促 進でき、硬化触媒の添加量を10質量部以下と ることにより使用時の可使時間を確保でき 。

[溶剤]
 本発明にかかる硬化性組成物は、低粘度で り無溶剤での塗工が可能であるが、溶剤を 有させてもよい。
 溶剤は特に限定されないが、例えば、脂肪 炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン 炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エ テル類、エーテル類、エステルアルコール 、ケトンアルコール類、エーテルアルコー 類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類 はエステルエーテル類が挙げられる。

 これらの中でも、溶剤としてアルコール を用いると、硬化性組成物の保存安定性を 上させることができるため好ましい。この ルコール類としては、炭素数1~10のアルキル アルコールであることが好ましく、メタノー ル、エタノール、イソプロパノール、イソペ ンチルアルコール又はヘキシルアルコールで あることがより好ましく、メタノール又はエ タノールであることが更に好ましい。特にメ タノールを用いた場合に、添加量を増やすと 、硬化性組成物の硬化時間を長くすることが できる。これは硬化性組成物を調製後の所定 粘度まで達する時間、所謂ポットライフを長 くするために有効な手法である。

 硬化性組成物に溶剤を添加する場合、そ 添加量は、重合体(S)および他の重合体(S4)の 合計量(水酸基残存重合体を含む)100質量部に して、500質量部以下であることが好ましく 1~100質量部であることがより好ましい。添 量が500質量部を超えると、溶剤の揮発に伴 て硬化物の収縮が生じる場合がある。

[脱水剤]
 本発明にかかる硬化性組成物は、貯蔵安定 を改良するために、本発明の効果を損なわ い範囲で少量の脱水剤を含有させてもよい

 かかる脱水剤の具体例としては、オルト 酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ アルキル;オルト酢酸メチル、オルト酢酸エ チル等のオルト酢酸アルキル;メチルトリメ キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、 トラメトキシシラン又はテトラエトキシシ ン等の加水分解性有機シリコン化合物;加水 解性有機チタン化合物等が挙げられる。こ らの中でもビニルトリメトキシシラン又は トラエトキシシランがコスト、脱水能力の から好ましい。

 硬化性組成物に脱水剤を添加する場合、 の添加量は、重合体(S)および他の重合体(S4) の合計量(水酸基残存重合体を含む)100質量部 対して0.001~30質量部であることが好ましく 0.01~10質量部であることがより好ましい。

[その他の添加剤]
 硬化性組成物に下記の充填剤、補強剤、安 剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、又は防 剤等を配合してもよい。
 充填剤または補強剤としては、たとえば、 ーボンブラック、水酸化アルミニウム、炭 カルシウム、酸化チタン、シリカ、ガラス 骨粉、木粉、又は繊維フレークなどが挙げ れる。
 安定剤としては、たとえば、酸化防止剤、 外線吸収剤、または光安定剤などが挙げら る。
 難燃剤としては、たとえば、クロロアルキ ホスフェート、ジメチルメチルホスホネー 、アンモニウムポリホスフェート、又は有 臭素化合物等が挙げられる。
 離型剤としては、たとえば、ワックス、石 類、又はシリコンオイル等が挙げられる。 黴剤としては、たとえば、ペンタクロロフ ノール、ペンタクロロフェノールラウレー 、又はビス(トリ-n-ブチル錫)オキシド等が げられる。
 また、硬化性組成物に、基材との接着性を 上させる目的で接着性付与剤を添加しても い。

<粘着体>
 本発明にかかる硬化性組成物は、シリル基 有重合体(S)、任意に配合される他の重合体( S4)および必要に応じて添加される添加剤を混 合して得られる。
 また本発明の粘着体は、上記硬化性組成物 硬化させて得られる。特に本発明は、シリ 基含有重合体(S)を含む硬化性組成物を硬化 せて得られる、剥離粘着力が1N/25mm以下、好 ましくは、0N/25mmを超え1N/25mm以下であり、特 好ましくは、0.005~0.8N/25mmである粘着体を提 する。また本発明は、ポリエステルエーテ 系シリル基含有重合体(S1)またはポリエステ ル系シリル基含有重合体(S3)を含む硬化性組 物を硬化させて得られる粘着体を提供する

<硬化性組成物の硬化>
 本発明の粘着体は、上記硬化性組成物を硬 させて得られる。硬化性組成物は硬化後に 形することも可能である。例えば硬化性組 物を、シート状などの適当な形状に硬化さ た後、型抜きを行うなどで所定の形状に成 し、単独で粘着体として利用することが可 である。しかし、基材に硬化性組成物を塗 し、硬化させて積層体として利用すること 好ましい。
 硬化性組成物の硬化条件は、必要に応じて 定される。例えば硬化性組成物として硬化 媒を添加したものを用意する。これに所定 の水を硬化剤として添加し充分に混合する これを基材の上に塗工する。塗工厚さは適 設定される。この後オーブン等で加熱し、 温で養生することにより硬化性組成物を硬 させることができる。室温で養生する際ま は養生した後に加湿環境に放置することも 効である。オーブン等による加熱は基材の 熱温度等により適宜設定される。例えば60~1 20℃の環境に1~30分程度放置することが好まし い。特に溶剤を用いた場合には、一定の乾燥 時間を設定することが好ましい。ただし急激 な乾燥は、発泡の原因になるため好ましくな い。またオーブン内でまたはオーブンから取 り出した後に、スチームを当ててもよい。
 硬化性組成物の塗工は、連続的に行うこと できる。すなわちロールから取り出した基 に、所定量の水を混合した硬化性組成物を 工し、インラインオーブンで加熱乾燥させ 。得られた成形体(積層体)に、必要に応じ セパレータを合わせ、巻き取る。これを必 に応じて加湿した室温環境に保管し養生す ことにより成形された粘着体が得られる。 た別の塗工方法としては、上記の方法にお て基材とセパレータを逆にしてもよい。す わち最初にセパレータ上に塗工し、後から 材を貼着させてもよい。

<積層体>
 本発明は、少なくとも1層の基材層と、本発 明の粘着体からなる粘着体層とを有する積層 体を提供する。積層体がシート形状である場 合にはこの積層体は粘着シートとなる。また 積層体をテープ形状に成形加工すれば粘着テ ープが得られる。
 なお基材を用いずに後述するセパレータに 硬化性組成物を塗工し、硬化させて硬化体 得た後に、該セパレータを剥離すると、粘 体単体で扱うことも可能となる。この場合 例えば両面粘着シート等が得られる。本発 にかかる硬化性組成物は溶剤を用いない場 であっても低粘度で塗工特性に優れる。こ ためセパレータに対しても、良好な塗工が 能である。具体的にはセパレータに対して 化性組成物を塗工し、加熱乾燥させて、さ に別のセパレータを積層させ、養生するこ で、基材を有していない粘着体のみの粘着 シートが得られる。このとき別のセパレー を用いずに、最初に塗工したセパレータの 面を用いて、巻き取りを行い、粘着体のロ ルを製造してもよい。
 積層体は、必要に応じて他の層を有してい もよい。例えば基材層と粘着体層との間に 着層を設け、基材と粘着体の剥離を防止し もよい。また基材層と粘着体層との間に発 体等からなる緩衝体層を設けてもよい。ま 基材層と粘着体層との間に導電材層を設け もよい。導電材層は、金属系導電材、イオ 性導電材、カーボン系導電材等の導電材料 基材層に塗工することで得られる。導電材 は単独で塗工してもよく、各種樹脂等のバ ンダーを併用して塗工してもよい。また粘 体層の基材層とは反対側に、セパレータ(剥 離ライナー)層を設けてもよい。また基材層 粘着体層とは反対側に印刷層を設けてもよ 。印刷層を設けると、印字を行うことが可 となり、また意匠性を高くすることも可能 ある。また基材層を挟んで両面に粘着体層 設けてもよい。この場合に両面粘着シート が得られる。

<基材>
 基材の材質は特に限定されない。好ましい としてはポリエチレンテレフタレート(PET) のポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロ レン、ポリエチレン-ポリプロピレン共重合 体(ブロック共重合体、ランダム共重合体)等 ポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル等のハロ ゲン化ポリオレフィン類;ボール紙等の紙類; 布、不織布等の布類;アルミニウム箔等の金 属箔等が挙げられる。これらの基材は組み合 わせて用いてもよい。例えばPET層、金属箔層 、ポリエチレン層を積層した積層体を用いて もよい。
 基材の表面は事前の加工を行わなくてもよ 。特にポリエステル類、紙類の粘着体層と 接合面は事前の加工を行わなくても硬化性 成物の硬化に伴う接着効果により剥離しに くなる。必要に応じてプライマー等を塗工 ておいてもよい。

 一方ポリオレフィン類を基材に用いる場合 は、硬化性組成物を塗工する面を事前に処 しておくことが好ましい。未処理の面に対 ては剥離粘着力が低くなる場合があるため ある。すなわちポリオレフィン類を用いた 材の硬化性組成物を塗工する面に対する事 の処理としては、コロナ処理(コロナ放電処 理)、プライマー処理が例示できる。特に処 が簡単で工程が簡略化できるためにコロナ 理を行うことが好ましい。
 例えば厚さが100μmのポリプロピレンフィル の片面にコロナ処理を行い、この処理面に 化性組成物を塗工する。塗工後加熱乾燥を う。このようにして得られたフィルムは、 着体を設けていない面(背面)がそのままセ レータとして利用できる。すなわちこのフ ルムをそのまま巻き取ることにより粘着フ ルムが製造できる。すなわちセパレータを 装することなくロール状に巻回することが きる。

<粘着体層>
 本発明の粘着シート等において、粘着体層 厚さは特に限定されない。例えば、塗工精 の点からは5μm以上が好ましく、20μm以上が らに好ましく、30μm以上がより好ましい。 た粘着力の安定性、経済性の点からは200μm 下が好ましく、100μm以下がさらに好まく、80 μm以下がより好ましい。

<セパレータ>
 上記の粘着体層の粘着面(被着体を貼着させ る面)にセパレータを貼付させてもよい。セ レータとしては、一般の剥離剤で表面処理 行った紙類の他に、上述の未処理のポリオ フィン類を用いることができる。また紙類 の基材にポリオレフィン類を積層したもの 使用できる。ポリオレフィン類をセパレー に用いるとシリコーンオイル等による汚染 防止できる。これは電子部品等の保護シー として上記粘着シートを適用する際に有益 ある。またポリオレフィン類を単独でセパ ータとして用いると、廃棄物のリサイクル 容易になる。

<粘着シートの用途>
 本発明の粘着体を用いることにより、特に 被着体への濡れ性および密着性が良好であ とともに、低い粘着力を有し再剥離性に優 た粘着シートが得られる。また、剥離帯電 が抑制され、かつ高速剥離特性にも優れた 着シートが得られる。したがって、粘着シ トの用途としては、自動車用保護シート;電 子基板、ICチップ等の電子材料用保護シート; 偏光板、光拡散板、プリズムシート等の光学 部材用保護シート;各種ディスプレイ用保護 ート等が好適に例示される。特に、電子材 用保護シートや光学部材用保護シートなど 製造工程中で剥離される保護シートとして 本発明の粘着シートは好適である。これは 粘着力が低く再剥離性が良好であるととも 、剥離帯電量が小さく、高速剥離特性に優 るためである。
 すなわち本発明の粘着シートは、光学部材 護用粘着シートとして好適である。特に本 明の粘着体は柔軟性に優れるとともに、濡 性に優れる。このため被着体の表面に凹凸 存在する場合であっても、良好な密着性が 保される。また本発明の光学部材保護用粘 シートは、密着性に優れ、貼着した被着体 貼着面内でのずれはほとんど発生しないが 剥離粘着力が低く簡単に剥離可能であり、 晶パネル等の製造工程の生産性向上に有用 ある。
 このため本発明の粘着シートは、光拡散板 たはプリズムシートの保護フィルム、特に の凹凸面の保護フィルムとして好適である また本発明の粘着シートを貼着した光学部 は、粘着体の粘着力の経時変化が小さいた に、低い剥離粘着力で剥離することができ かつ、その剥離粘着力がほとんど変化しな 。このため、光学部材の長期間の保管が可 となる。
 また本発明の粘着シートはバックグライン テープとしても好適である。バックグライ ドテープとは、半導体ウエハに電子回路を 成後、バックグラインド(ウエハ裏面の研削 )時にウエハ表面を保護するテープである。 ックグラインドテープを回路面に貼着し、 路面の損傷、研削水・研削屑の浸入による エハ表面の汚染を防止する。本発明の粘着 ートは、密着性に優れ、貼着した被着体の 着面内でのずれはほとんど発生しないが、 離粘着力が低く簡単に剥離可能である。ま ポリオレフィン類を基材に用いた場合に、 パレータが不要であり、シリコーンなどの 染も発生しない。また剥離帯電が抑制され ため回路に損傷を与える危険が少ない。

 以下に実施例を用いて本発明をさらに詳し 説明するが、本発明はこれら実施例に限定 れない。
 以下において、プロピレンオキシドをPO、 チレンオキシドをEO、ε‐カプロラクトンをC L、γ‐イソシアネートプロピルトリメトキシ シラン(イソシアネート基(NCO)の含有率:17.87質 量%)をTMS、ジブチルスズジラウレートをDBTDL 略記する。また水は純水を用いた。またス ンレス鋼板は、JISに規定されるSUS-304合金の を用いた。このステンレス鋼板のブライト ニール処理した表面は、ほぼ平滑で光沢を する。

 実施例および比較例で使用したシリル基含 重合体は表1に示す配合で製造したものであ る。シリル基含有重合体の製造に用いたポリ オールは以下の通りである。なおポリオール A~DおよびFの製造に用いた開始剤としてのそ ぞれのポリオールについては、KOH触媒を用 てPOを反応させて得られたものである。表1 示す配合量の単位は特に断りの無い限り「g である。
・ポリオールA:ジプロピレングリコールにPO 重合させて得られた平均水酸基価160.3mgKOH/g ポリオキシプロピレンジオールを開始剤と 、複合金属シアン化物錯体触媒(参考製造例1 で得られるTBA-DMC触媒)を用いてPO:CLの比率が 量比で1:2になるように反応させて製造した 平均水酸基価56.1mgKOH/gのポリエステルエーテ ルポリオール。
・ポリオールB:ジプロピレングリコールにPO 重合させて得られた平均水酸基価112mgKOH/gの リオキシプロピレンジオールを開始剤とし 複合金属シアン化物錯体触媒(参考製造例1 得られるTBA-DMC触媒)を用いてPOを反応させて 造した、平均水酸基価11.2mgKOH/gのポリオキ プロピレンポリオール。
・ポリオールC:ジプロピレングリコールにPO 重合させて得られた平均水酸基価280.5mgKOH/g ポリオキシプロピレンジオールを開始剤と 、KOH触媒を用いてPOを反応させて製造した、 平均水酸基価56.1mgKOH/gのポリオキシプロピレ ポリオール。
・ポリオールD:三菱化学社製ポリオキシテト メチレングリコール(平均分子量650)。
・ポリオールE:クラレ社製P-1010(3-メチル-1,5- ンタンジオールとアジピン酸との共重合体) 平均水酸基価112mgKOH/gのポリエステルポリオ ール。平均水酸基数110。
・ポリオールF:ポリオキシプロピレンポリオ ル(ジプロピレングリコールにPOを重合させ 得られた平均水酸基価37.4mgKOH/gのポリオキ プロピレンジオールと、グリセリンにPOを重 合させて得られた平均水酸基価33.7mgKOH/gのポ オキシプロピレントリオールとの混合物)を 開始剤とし、複合金属シアン化物錯体触媒( 考製造例1で得られるTBA-DMC触媒)を用いてPOを 反応させて製造した、平均水酸基価5.6mgKOH/g ポリオキシプロピレンポリオール。

(参考製造例1:複合金属シアン化物錯体触媒の 製造)
 以下の方法で、有機配位子としてtert-ブチ アルコールを有する亜鉛ヘキサシアノコバ テート(以下、TBA-DMC触媒という。)を製造し 。本例中のポリオールXは、ジプロピレング コールにプロピレンオキシドを付加重合し 得られた、数平均分子量(Mn 1 )が1000のポリオールである。
 まず、500mlのフラスコに、塩化亜鉛の10.2gと 水10gからなる水溶液を入れ、この水溶液を40 に保温しつつ、毎分300回転(300rpm)で撹拌し がら、ここへ4.2gのカリウムヘキサシアノコ ルテート(K 3 [Co(CN)] 6 )と水75gからなる水溶液を30分間かけて滴下し た。滴下終了後、さらに混合物を30分撹拌し 。その後、エチレングリコールモノ-tert-ブ ルエーテル(以下、EGMTBEと略す。)の40g、tert- ブチルアルコール(以下、TBAと略す。)の40g、 の80g、およびポリオールXの0.6gからなる混 物を前記混合物中に添加し、40℃で30分、さ に60℃で60分間撹拌した。得られた反応混合 物を、直径125mmの円形ろ板と微粒子用の定量 紙(ADVANTEC社製のNo.5C)とを用いて加圧下(0.25MP a)で50分かけてろ過を行い、固体を分離した

 次に、この複合金属シアン化物錯体を含む ーキに18gのEGMTBE、18gのTBA、および84gの水か なる混合物を添加して30分撹拌した後、加 ろ過(ろ過時間:15分)を行った。ろ過により得 られた複合金属シアン化物錯体を含むケーキ に、さらに54gのEGMTBE、54gのTBA、および12gの水 からなる混合物を添加して30分撹拌し、有機 位子を有する複合金属シアン化物錯体を含 EGMTBE/TBAのスラリーを得た。このスラリーを TBA-DMC触媒として用いた。
 このスラリーを5gほどフラスコに秤り取り 窒素気流で概ね乾かした後、80℃で4時間減 乾燥した。得られた固体を秤量した結果、 ラリー中に含まれる複合金属シアン化物錯 の濃度は4.70質量%であることがわかった。

(製造例1:ポリエステルエーテル系シリル基含 有重合体(S11-1)の製造)
[第1のステップ]
 撹拌機付きステンレス製10Lの耐圧反応器内 、開始剤(z21)として2800gのポリオキシプロピ レンジオール(水酸基換算Mw=700)と、重合触媒 してのTBA-DMC触媒を投入した。TBA-DMC触媒の 用量は、仕上がり質量に対して50ppm、すなわ ち第1のステップ終了時の重合体中の金属量 して50ppmとした。
 反応器内を窒素置換後、140℃に昇温し、撹 下、280gのPOを反応器内に投入して反応させ 。これは最初に少量のPOを供給してTBA-DMC触 を活性化させるための工程である。
 次いで、反応器内の圧力が低下した後、撹 下、1640gのPOと3280gのCLを、単位時間当たり 供給量が質量比でPO/CL=1/2となるように、POと CLとをそれぞれ一定の速度で反応器内に投入 た。POとCLの投入終了後、さらに1時間撹拌 続けた。その間、反応器内の温度を140℃、 拌速度を500rpmに保ち、重合反応を進行させ 。こうしてポリオールAを得た。
 得られたポリオールAは、 13 C-NMRの測定結果から、CL及びPOのランダム共重 合鎖を有することが確認された。このポリオ ールAの平均水酸基価は56.1mgKOH/gであった。
 得られたポリオールA中における、CL由来の2 価基(A)の含有率は41質量%であった。またポリ オールA中における、CL及びPOのランダム共重 鎖の含有率は61.5質量%であった。

[第2のステップ]
 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計 滴下ロートを備えた4口フラスコに、上記で 得たポリオールAの658.9gと、シリルイソシア ート化合物(i)としてTMSの150gを加え、ウレタ 化触媒としてDBTDLを加えた。DBTDLの使用量は ポリオールAとTMSの合計量に対して50ppmに相当 する量とした。そして80℃まで徐々に昇温し IRにてNCOのピークが消失するまで反応を行 、ポリエステルエーテル系シリル基含有重 体(S11-1)を得た。このウレタン化反応におけ NCO/OH(モル比)、および得られた重合体のMwを 表1に示す。

(製造例2:ポリエーテル系シリル基含有重合体 (S2-1)の製造)
[第1のステップ]
 撹拌機付きステンレス製10Lの耐圧反応器内 、開始剤(z2)として800gのポリオキシプロピ ンジオール(水酸基換算Mw=1000)と、重合触媒 してのTBA-DMC触媒を投入した。TBA-DMC触媒の使 用量は、仕上がり質量に対して50ppmとした。
 反応器内を窒素置換後、140℃に昇温し、撹 下、80gのPOを反応器内に投入して反応させ 。これは最初に少量のPOを供給してTBA-DMC触 を活性化させるための工程である。
 次いで、反応器内の圧力が低下した後、撹 下、7120gのPOを供給し、反応器内の温度を140 ℃、撹拌速度を500rpmに保ちながら、11時間撹 して、重合反応を進行させた。こうしてポ オールBを得た。

[第2のステップ]
 製造例1の第2のステップにおいて、ポリオ ルAの代わりに上記で得たポリオールBの761.6g を用い、TMSの使用量を15gに変更した他は、製 造例1と同様にしてポリエーテル系シリル基 有重合体(S2-1)を得た。結果を表1に示す。

(製造例3:ポリエーテル系シリル基含有重合体 (S2-2)の製造)
[第1のステップ]
 撹拌機付きステンレス製10Lの耐圧反応器内 、開始剤(z2)として200gのポリオキシプロピ ンジオール(Mn=400)と、重合触媒としてのKOHを 投入した。KOHの使用量は、仕上がり質量に対 して0.3質量%とした。
 反応器内を窒素置換後、140℃に昇温し、撹 下、960gのPOを供給し、反応器内の温度を140 、撹拌速度を500rpmに保ちながら、6時間撹拌 して、重合反応を進行させた。こうしてポリ オールCを得た。

[第2のステップ]
 製造例1の第2のステップにおいて、ポリオ ルAの代わりに上記で得たポリオールCの658.9g を用いた他は、製造例1と同様にしてポリエ テル系シリル基含有重合体(S2-2)を得た。結 を表1に示す。

(製造例4:ポリエーテル系シリル基含有重合体 (S2-3)の製造)
 本例では、ポリオール(D)を用いた。
[第2のステップ]
 製造例1の第2のステップにおいて、ポリオ ルAの代わりにポリオールDの212.4gを用いた他 は、製造例1と同様にしてポリエーテル系シ ル基含有重合体(S2-3)を得た。結果を表1に示 。

(製造例5:ポリエステル系シリル基含有重合体 (S3-1)の製造)
 本例では、ポリオールEを用いた。
[第2のステップ]
 製造例1の第2のステップにおいて、ポリオ ルAの代わりにポリオールEの333.4gを用いた他 は、製造例1と同様にしてポリエステル系シ ル基含有重合体(S3-1)を得た。結果を表1に示 。

(製造例6:他のシリル基含有重合体(S4-1)の製造 )
 ジプロピレングリコールにプロピレンオキ ド(PO)を開環重合させて得られたMn=3000のポ オキシプロピレンジオール(以下、ジオール4 Aという)120gおよびグリセリンにPOを開環重合 せて得られたMn=5000のポリオキシプロピレン トリオール(以下、トリオール4Bという)200gの 合物を開始剤として用い、1.2gの亜鉛ヘキサ シアノコバルテート-グライム錯体触媒存在 、2480gのPOを反応容器内に少しずつ添加しな ら120℃の条件下で重合反応を行い、POの全 を添加したのち反応容器内圧が下がらなく るまで反応させた。なお亜鉛ヘキサシアノ バルテート-グライム錯体触媒は、参考製造 1において、EGMTBEとTBAの代わりにグライムを 用いて製造できる。
 続いて、120gのジオール4Aおよび200gのトリオ ール4Bを反応容器内に投入し、上記同様にし 1680gのPOを少しずつ加えたのち反応容器内圧 が下がらなくなるまで反応させた。さらに、 120gのジオール4Aおよび200gのトリオール4Bを反 応容器内に投入し、上記同様にして1280gのPO 少しずつ加えたのち反応容器内圧が下がら くなるまで反応させた。さらに、80gのジオ ル4Aおよび130gのトリオール4Bを反応容器内に 投入し、さらに上記同様にして590gのPOを少し ずつ加え、反応容器内圧が下がらなくなるま で反応させた。
 さらに60gのジオール4Aおよび100gのトリオー 4Bを添加し、さらに上記同様にして240gのPO 少しずつ加えたのち反応容器内圧が下がら くなるまで反応させた。
 最後に75gのジオール4Aおよび125gのトリオー 4Bを添加し、上記同様にして200gのPOを少し つ加えたのち反応容器内圧が下がらなくな まで反応させた。この操作により、Mnが17000 Mw/Mnが1.76、かつ粘度が19.5Pa・s(25℃)のポリ キシプロピレンポリオールFを得た。

 得られたポリオキシプロピレンポリオールF に対し、その水酸基の1.05当量のナトリウム トキシドのメタノール溶液を添加し、加熱 圧下でメタノールを留去してポリオキシプ ピレンポリオールの末端水酸基をナトリウ アルコキシドに変換した。次にこれに塩化 リルを反応させてから、未反応の塩化アリ を除去し、さらに副生した塩を精製して除 し、末端アリル基を有するポリオキシプロ レンを得た。さらにこれに対して、メチル メトキシシランを白金触媒の存在下で反応 せて、末端にメチルジメトキシシリル基を するオキシプロピレン重合体(S4-1)を得た。
 得られた重合体(S4-1)のMnは20000であり、Mw/Mn 1.35であった。

(実施例1~12)
 表2、3に示す配合で硬化性組成物を調製し 。表2、3に示す配合量の単位は特に断りの無 い限り「g」である。すなわちシリル基含有 合体に硬化剤(水)と硬化触媒を添加して硬化 性組成物とした。硬化触媒としては実施例1~1 1ではDBTDLよりも触媒活性が高い#918(三共有機 成社製)を用いた。該#918はフタル酸ジエチ 及びフタル酸ジオクチルからなる群より選 れるエステル化合物と、有機スズオキシド の反応生成物に該当する。また実施例12では 、アミン触媒であるSA102(サンアプロ社製)を いた。SA102は1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデ ン-7のオクチル酸塩である。
 得られた硬化性組成物を、厚さ100μmのPETフ ルム(基材)上に、乾燥後の膜厚が50μmになる ように塗工し、循環式オーブンにおいて100℃ で5分乾燥した。そして、23℃で一週間養生し た後、23℃かつ相対湿度65%で2時間放置して粘 着層を形成して粘着シートを得た。
 下記の方法で評価を行った。評価結果を表2 、3に示す。

(評価方法)
[粘度]
 硬化性組成物の粘度を、東機産業社製E型粘 度計RE-80Uを使用し、ローターNo.1を用いて25℃ で粘度を測定した。
[塗工性(ハンドリング)]
 硬化性組成物の粘度と、硬化性組成物調製 の撹拌状態から判断した。25℃における粘 が高いほどハンドリングは低下し、粘度が10 000mPa・s/25℃以下であるとき○(良好)、以上の 時を×(不良)とした。
[基材への接着力]
 厚さ1.5mmのブライトアニール処理したステ レス鋼板に粘着シートを貼着し、23℃かつ相 対湿度65%で1週間養生した後、粘着シートを き剥がして、粘着剤の状態から判断した。 型面(粘着層とステンレス板との界面)から剥 がれたものを○(良好)、非離型面(粘着層とPET フィルムとの界面)から剥がれた時または、 テンレス板に糊が残った時を×(不良)とした

[剥離粘着力]
 室温下で、厚さ1.5mmのブライトアニール処 したステンレス鋼板に、粘着シートを貼着 、2kgのゴムロールで圧着した。30分後、JIS B  7721に規定する引張り試験機(オリエンテッ 社製、RTE-1210)を用い、剥離強度(180度ピール 引張り速度300mm/分)を測定した。この値が小 さいほど微粘着で剥がし易く、再剥離性に優 れることを示す。

[再剥離性]
 粘着シートをブライトアニール処理したス ンレス鋼板に貼着した後、40℃かつ相対湿 65%の条件下に放置し、23℃かつ相対湿度65%に 冷却した後、剥離し、糊残り性を目視評価し た。目視評価では、ステンレス鋼板への糊移 行が全くないものを○(良好)、部分的にある のを△(やや良)、完全に移行しているもの ×(不良)として評価した。また、剥離後、ス ンレス板に糊が残った場合には、貼着面積 対する糊残りの割合を下記数式(I)で計算し 価した。
 糊残り率(%)=(ステンレス鋼板へ移行した粘 剤の面積/粘着シートを貼り付けた面積)×100 ・・・(I)

[保持力]
 厚さ1.5mmのブライトアニール処理したステ レス鋼板の一端に、粘着シートの25mm×25mmの 積が接触するように貼合わせ、ロールで圧 した。ついで、ステンレス板の他端を吊り げて、粘着シートがステンレス板にぶら下 るように配置し、23℃中に20分間放置した。 その後、粘着シートに200gの荷重をかけ、落 するまでの秒数を測定した。60分間落下しな かった場合は、60分後のずれを測定した。60 後にずれが全くないものを〇(良好)、60分後 ずれが生じたもの、または落下したものを (不良)として評価した。
 この保持力が良好であるということは、被 物との密着性に優れることを示す。

[濡れ性]
 粘着シートを(幅)25mm×(長さ)15cmに切り出し シートの一端を、ブライトアニール処理し ステンレス鋼板に1cm貼り付け、もう一端を45 度まで持ち上げた状態から落下させた。落下 させてから、落下した粘着シートがSUS板に張 りつくのに要する時間を測定した。全体の空 気だまりが消えるまでの時間が10秒以内のも は○(良好)、10秒を超えるものは×(不良)と た。

 表2、3に示されるように、実施例の硬化性 成物は無溶剤での塗工が可能であった。比 例1に比べて、粘度が低く、塗工性、基材へ 接着性、保持力、および濡れ性のいずれに いても優れており、剥離粘着力も小さかっ 。
 また厚さ1.5mmのブライトアニール処理した テンレス鋼板の表面に、#280の研磨を施し、 面化したステンレス鋼板を用意した。実施 1~6で得られた粘着シートを用いて、粗面化 たステンレス鋼板を被着体とした場合につ て、再剥離性、保持力、および濡れ性の評 を行った。いずれも良好であり、本発明の 着体は、粗面であっても良好な粘着特性を すことがわかった。また剥離した際の糊残 も見られなかった。

 実施例6で得られた粘着シートについて、下 記の方法で剥離帯電量、表面抵抗値、体積固 有抵抗値、および高速剥離力を評価した。そ の結果を表4に示す。
 比較例2として、市販の微粘着タイプのアク リル系粘着剤について同様に評価するととも に、上記剥離粘着力(貼着30分後、引張り速度 300mm/分)を測定した。その結果を表4に示す。

[剥離帯電量]
 メチルエチルケトンで洗浄し、乾燥させた ラス板に、粘着シートを室温にて貼着し、2 kgのゴムロールで圧着した。30分後、高速剥 試験機(テスター産業社、製品名:TE-701型)を い、180度ピール、引張り速度30m/分の条件で 着シートを剥離した。剥離直後の粘着シー 表面に、静電気測定装置(春日電機社製、静 電気測定装置KSD-0103)を設置して帯電量(単位:V )を測定した。

[表面抵抗値]
 粘着シートの粘着面を用いて表面抵抗値(単 位:ω)を測定した。測定は、高抵抗率計(三菱 学社製ハイレスターUP(MCP-HT450)を使用し、表 面抵抗モード、室温23℃、相対湿度65%で行っ 。この値が小さいほど帯電し難いことを示 。
[体積固有抵抗値]
 粘着シートの粘着面を用いて体積固有抵抗 (単位:ω)を測定した。測定は上記高抵抗率 を使用し、体積固有抵抗モード、室温23℃、 相対湿度65%で行った。この値が小さいほど帯 電し難いことを示す。

[高速剥離性]
 メチルエチルケトンで洗浄し、乾燥させた ライトアニール処理のSUS板に、粘着シート 室温にて貼着し、2kgのゴムロールで圧着し 。24時間後、SUS板を台上に置いて固定し、 速剥離試験機(テスター産業社、製品名:TE-701 型)を用い、180度ピールで粘着シートを剥離 、剥離粘着力を測定した。引張り速度は300mm /分と30000mm/分(30m/分)の2通りとした。

 表4の結果より、比較例2のアクリル系粘着 に比べて、実施例6の方が剥離帯電量が小さ 、表面抵抗値(比較例2では1×10 14 、実施例6では6×10 12 )および体積固有抵抗値(比較例2では1.2×10 12 、実施例6では2.4×10 9 )も小さかった。また実施例6は、剥離速度3000 0mm/分の高速剥離時の剥離粘着力と、剥離速 300mm/分の低速剥離時の剥離粘着力との差が どなかった。このことは剥離粘着力の剥離 度依存性が小さく、高速剥離特性に優れて ることを示す。一方は、比較例2のアクリル 粘着剤は剥離粘着力の剥離速度依存性が大 く、剥離速度が速くなると剥離強度が増大 た。

[シリコーン汚染性]
 実施例6で得られた粘着シートについて、下 記2種類のセパレータを貼着させたサンプル 用意した。(1)粘着体表面に何の処理も施さ ていない2軸延伸処理ポリプロピレンフィル (以下、OPPフィルムという。)を2kgのゴムロ ラを使って圧着させた。(2)粘着体表面にシ コーン処理されたPET剥離紙を2kgのゴムロー を使って圧着させた。下記の方法でシリコ ン処理剤由来のSiによる粘着剤表面の汚染性 をFT-IRのATR法により分析した。

[表面のシリコーン分析法]
 純水で洗浄し、乾燥させたゲルマニウムプ ズムの表面に、セパレータを剥離した後の 着シートを貼着した。手で圧着し、その後 着シートを剥離した。粘着シートを剥離し 後のゲルマニウムプリズムの表面を測定し 。また別途シリコーン処理されたPET剥離紙 ゲルマニウムプリズムにこすりつけて比較 ンプルとした。

[シリコーン分析結果]
 シリコーン処理剥離紙を用いた場合のスペ トル結果より、1270cm -1 付近にSi-CH 3 由来のピークが確認された。また(2)のシリコ ーン処理されたPET剥離紙を使用したサンプル にも、当該ピークが観察された。一方(1)のサ ンプル(未処理OPPフィルム使用)には当該ピー が観察されなかった。いずれのサンプルに いても、粘着体からのセパレータの剥離は めて容易であり、糊残りなどは発生しなか た。このことから本発明の粘着シートは未 理のOPPフィルム等のポリオレフィン類がセ レータとして利用できる。

[水硬化性]
 シリル基含有重合体(S2-1)に、硬化剤(水)と 化触媒(DBTDL)を添加して硬化性組成物とした 硬化剤の量と可使時間の関係を求めた。シ ル基含有重合体(S2-1)の90質量部と、溶剤と てトルエンの10質量部、水の所定量を加え、 1分間充分に撹拌した。E型粘度計(ローターは No.1)を用いて、15分ごとに粘度を測定した。 度は25℃に保った。可使時間は10000mPa・s/25℃ になるまでの時間とした。

 結果を表5に示す。硬化性組成物の90質量部 、水0.01~1質量部では充分な可使時間が得ら る。

[溶剤希釈]
 シリル基含有重合体(S2-1)に硬化剤(水)と硬 触媒(DBTDL)を添加して硬化性組成物とした。 剤で希釈した際のアルコール類が可使時間 及ぼす影響を測定した。シリル基含有重合 を100質量部と、水の0.03質量部および硬化触 媒の1質量部に対して、溶剤を合計で100質量 加えた。溶剤としては、酢酸エチルとメタ ールを用いた。混合比率を変えて1分間充分 拌し、所定時間後の粘度を測定した。E型粘 度計(ローターはNo.1)を用いて、25℃における 度を測定した。結果を表6に示す。表中「gel 」とはゲル化したことを示す。

 表中、ゲル化したもの以外はPETフィルムへ 塗工状態は良好であった。また塗工後、110 のオーブンで2分間乾燥させ、23℃で5日間養 生した。得られた粘着体の剥離粘着力を測定 した。ブライトアニール処理したSUS板を用い て、貼付け30分後の剥離粘着力を測定した。 工できたものは、いずれも0.07~0.09N/25mmとほ 一定であった。
 酢酸エチルとメタノールの割合を変えると メタノールが70質量%以上であれば、48時間 の粘度を600mPa・s以下と低く保つことができ 。すなわちアルコールの添加により硬化性 成物の硬化速度を抑制できることがわかっ 。これは塗工液の安定性(ポットライフ)を 御可能であることと同時に、得られる粘着 の特性には影響がないことを示す。

[養生期間]
 シリル基含有重合体(S2-1)の100質量部に対し 硬化剤として水を0.03質量部、硬化触媒とし てDBTDLを1.0質量部および希釈溶媒としてトル ンを10質量部加えて撹拌した。無処理のOPP ィルムに約17μmの厚さとなるように塗工した 。110℃のオーブンで2分間乾燥させた。取り したOPPフィルムの塗工面に、厚さが25μmのPET フィルムを基材として貼着した。23℃で所定 間養生した後、ブライトアニール処理したS US板を用いて、貼付け30分後の剥離粘着力を 定した。
 またOPPフィルムの粘着体塗工面に同様のOPP ィルムを貼着し、23℃で所定期間養生した フィルム間の粘着体層の質量を測定した。 の後トルエンに3日間静置浸漬させた。不溶 を乾燥させて質量を測定した。浸漬前の質 に対する、浸漬後の質量をゲル分率として 出した。結果を表7に示す。

 表7の結果から明らかなように、養生期間は 2日で充分であることがわかった。すなわち 着特性が得られるまでに短期間で粘着特性 安定することがわかった。また同時に長期 管しても粘着特性に変化がないことがわか た。

 本発明によれば、低粘度で塗工性が良く、 溶剤化が可能であり、粘着力が低い一方で 着体への密着性が良好であり、再剥離性に れ、かつ濡れ性も良好である粘着体が得ら る。また本発明によれば、剥離帯電量が抑 され、高速剥離性に優れ、かつシリコーン どの汚染を発生させない粘着体が得られる で、特に光学部材保護用粘着シートまたは ックグラインドテープに有用である。
 
 なお、2007年4月3日に出願された日本特許出 2007-097307号および2007年10月25日に出願された 日本特許出願2007-277803号の明細書、特許請求 範囲及び要約書の全内容をここに引用し、 発明の明細書の開示として、取り入れるも である。