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Title:
ADHESIVE MATERIAL TAPE AND ADHESIVE MATERIAL TAPE WOUND BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128514
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an adhesive material tape (10) comprising a tape-like backing (1) having a first surface (F1) and an opposing second surface (F2), and an adhesive layer (2) formed on the first surface (F1) of the backing (1) and containing an adhesive component (2a), wherein the maximum height (Ry) of the second surface (F2) of the backing (1) when the two-dimensional surface roughness is measured is no less than 1 µm.

Inventors:
YANAGAWA TOSHIYUKI (JP)
FUJINAWA TOHRU (JP)
HONDA TOMOYASU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057682
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
YANAGAWA TOSHIYUKI (JP)
FUJINAWA TOHRU (JP)
HONDA TOMOYASU (JP)
International Classes:
C09J7/38; C09J9/02; C09J201/00; H01B1/22
Domestic Patent References:
WO1998044067A11998-10-08
Foreign References:
JP2005075886A2005-03-24
JP2006022193A2006-01-26
JPS56109274A1981-08-29
JPH11315258A1999-11-16
JPH01113480A1989-05-02
JP2002203427A2002-07-19
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
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Claims:
 第1面及びこれと反対側の第2面を有するテープ状の支持体と、接着剤成分を含有し前記支持体の前記第1面上に形成された接着剤層とを備える接着材テープであって、
 前記支持体の前記第2面は、2次元表面粗さを測定したときの最大高さRyが1μm以上である接着材テープ。
 前記接着剤層は、前記接着剤成分中に分散した導電性粒子を更に含有する、請求項1に記載の接着材テープ。
 請求項1又は2に記載の接着材テープを巻き重ねてなる接着材テープ巻重体。
Description:
接着材テープ及び接着材テープ 重体

 本発明は、接着材テープ及びその巻重体 関する。

 多数の電極を有する被接続部材同士を電 的に接続するための接続材料として、異方 電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)が使 されている。異方導電フィルムはプリント 線基板、LCD用ガラス基板、フレキシブルプ ント基板等の基板に、IC、LSI等の半導体素子 やパッケージなどの被接続部材を接続する際 、相対する電極同士の導通状態を保ち、隣接 する電極同士の絶縁を保つように電気的接続 と機械的固着を行うものである。

 異方導電フィルムは、熱硬化性樹脂を含 する接着剤成分と、必要により配合される 電性粒子とを含有する接着剤組成物からな 、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET )などの支持体上にフィルム状に形成される より具体的には、支持体上に接着剤層を幅10 ~50cm程度に形成した後、一旦巻き取って原反 作製し、これを巻き出しながら連続的に幅0 .5~5mm程度に裁断して接着材テープが得られる 。この接着材テープを巻芯に巻き取ることに よって接着材リールが作製される。

 従来、異方導電フィルムの接着剤成分と ては、高接着性であり且つ高信頼性を示す ポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂が多く用 られている(例えば、特許文献1参照)。また 反応活性種であるラジカルの反応性が高く 短時間での硬化が可能である点から、ラジ ル硬化型接着剤が注目されている(例えば、 特許文献2、3参照)。ラジカル硬化型接着剤は 、アクリレート誘導体やメタアクリレート誘 導体とラジカル重合開始剤である過酸化物と を併用したものである。

特開平01-113480号公報

特開2002-203427号公報

国際公開第98/044067号

 ところで、リールに巻かれた状態の接着 テープを使用するに際しては、接着剤層が 置される箇所までリールから接着材テープ 引き出す必要がある。そして、接着剤層が 置される箇所の前後では、ローラやクラン 等によって接着材テープを部分的に固定す 。接着材テープを引き出す張力が大きい場 、ローラやクランプ等による固定が不十分 なりやすく、接着材テープが所定の位置か 動いたり滑ったりするおそれがある。その 合、接着剤層を貼り付ける位置がずれてし い、接着剤層を所定の位置に正確に配置す ことができないという問題が生じる。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたも であり、接着剤組成物からなる接着剤層を 定の位置に十分に高い精度で配置するのに 用な接着材テープ及びその巻重体を提供す ことを目的とする。

 本発明は、第1面及びこれと反対側の第2 を有するテープ状の支持体と、接着剤成分 含有し支持体の第1面上に形成された接着剤 とを備える接着材テープであって、支持体 第2面は2次元表面粗さを測定したときの最 高さRyが1μm以上である接着材テープを提供 る。この接着材テープは、支持体の第2面の 大高さRyが1μm以上、すなわち、接着剤層が 成されていない側の支持体表面に微小な凹 があり、表面が適度に粗くなっている。こ ため、ローラやクランプ等が当接する箇所 おいて十分に大きな摩擦力が生じ、接着材 ープが滑ることを抑制できる。従って、接 材テープを大きい張力で引き出した場合で っても、接着剤層を所定の位置に十分高い 度で配置できる。

 本発明においては、接着剤層が接着剤成 中に分散した導電性粒子を更に含有するこ が好ましい。接着剤成分中に導電性粒子を 散せしめることで、回路部材同士を接続す 接続材料(異方導電フィルム又は等方導電フ ィルム)として上記接着材テープを好適に使 できる。接着剤層を所定の位置に十分高い 度で配置できるため、電子機器生産時の不 合低減及び生産効率の向上が図られる。

 本発明は、上記接着材テープを巻き重ね なる巻重体を提供する。接着材テープを巻 体とすることで、シート状のものと比較し 取扱い性に優れ、接着装置への供給も容易 ある。

 本発明によれば、接着剤組成物からなる 着剤層を所定の位置に十分高い精度で配置 ることができる。

本発明に係る接着材テープの一実施形 を示す断面図である。 本発明に係る接着材テープの巻重体の 実施形態を示す斜視図である。 支持体の2次元表面粗さの測定結果の一 例を示すグラフである。 回路電極同士が接続された回路接続体 一例を示す概略断面図である。 回路接続体の製造方法の一例を概略断 図により示す工程図である。 実施例1において使用した支持体の2次 表面粗さの測定結果を示すグラフである。 比較例1において使用した支持体の2次 表面粗さの測定結果を示すグラフである。

<接着材テープ>
 図1に示すように、本実施形態に係る接着材 テープ10は、第1面F1及びこれと反対側の第2面 F2を有するテープ状の支持体1と、接着剤成分 2aを含有し支持体1の第1面F1上に形成された接 着剤層2とを備える。図2に示す接着材リール( 巻重体)20は、接着材テープ10を筒状の巻芯21 巻き重ねることによって形成したものであ 。巻芯21の両端には円形の側板22がそれぞれ けられている。

 支持体1の第2面F2は、2次元表面粗さを測 したときの最大高さ(Ry)が1μm以上である。図 3は、支持体1の2次元表面粗さの測定結果の一 例を示すグラフである。支持体1の2次元表面 さは、JIS B0601(1994)に準拠した方法によって 測定することができる。図3に示すように、 大高さ(Ry)とは、基準長さ(L)毎の最低谷底(A) ら最大山頂(B)までの高さを意味する。この が大きいほど表面の凹凸が大きく、反対に の値がゼロに近づくほど表面の凹凸は小さ なり、表面は平滑となる。

 第2面F2の最大高さ(Ry)は、上記の通り1μm 上であり、1.2μm以上であることが好ましく 1.5μm以上であることがより好ましい。第2面F 2の最大高さ(Ry)は、10μm以下であることが好 しく、5μm以下であることがより好ましい。 2面F2の最大高さ(Ry)が1μm未満であると、接 材リール20から接着材テープ10を引き出す張 が大きい場合、ローラやクランプ等による 定が不十分となる。その結果、接着剤層2を 貼り付ける位置がずれてしまい、接着剤層2 所定の位置に十分正確に配置することがで ない。他方、第2面F2の最大高さ(Ry)が10μmを えると、支持体1の厚さのばらつきが大きく り、接着材テープ10の品質が低下する傾向 ある。なお、支持体1の最大高さ(Ry)は、支持 体1の材質の選択又は表面処理等によって適 調整することができる。支持体1の表面処理 、接着剤層2から支持体1を容易に剥離させ ための剥離処理や、帯電処理や導電処理等 ような、支持体1自体に独自の特性を持たせ ための処理等がある。剥離処理に用いられ 方法としては、シリコーン系処理、非シリ ーン系処理、フッ素系処理等の公知の処理 法がある。処理する材質や処理量によって その剥離性に強弱を持たせることもできる

 接着材テープ10は、フィルム状の支持体 に接着剤層を幅10~50cm程度に形成した後、一 巻き取って原反を作製し、これを巻き出し がら連続的に幅0.5~5mm程度に裁断することに よって得られる。原反を所定の幅に切断する 際、切断刃の先端が接着材テープの幅よりも 内側に向くようにして、支持体側から接着剤 層側へ切断刃を貫通させることが好ましい。 あるいは、切断刃の先端が接着材テープの幅 よりも外側に向くようにして、接着剤層側か ら支持体側へ切断刃を貫通させてもよい。こ のようにして切断することによって、支持体 1から接着剤層2がはみ出さないようにするこ ができる。

 支持体1としては、ポリエチレンテレフタ レートフィルム、ポリエチレンナフタレート フィルム、ポリエチレンイソフタレートフィ ルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム 、ポリオレフィン系フィルム、ポリアセテー トフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ リフェニレンサルファイドフィルム、ポリア ミドフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合 フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ 化ビニリデンフィルム、合成ゴム系フィル 、液晶ポリマーフィルムなどの各種フィル を使用できる。これらのうち、切断時のよ 及びたわみの防止並びに強度の観点から、 リエチレンテレフタレートフィルムを支持 1として使用することが好ましい。

 支持体1の厚さは、特に制限はないが、テ ープ強度及び巻重体にした時のテープ長さを 確保する点から、30~100μmであることが好まし い。支持体1の幅は、接着剤層2の幅よりも広 設定すればよく、例えば、0.5~20mmであるこ が好ましい。

 接着剤層2の厚さは、特に制限はないが、 5~100μmであることが好ましい。接着剤層2の厚 さが5μm未満であると、回路部材同士の機械 固着が不十分となる傾向にあり、他方、100μ mを越えると、相対する電極同士の電気的接 が不十分となる傾向にある。接着剤層2の幅 、支持体1の幅よりも狭く設定すればよく、 例えば、0.5~20mmが好ましい。

(接着剤成分)
 接着剤層2は、接着剤成分2aとして熱可塑性 脂(a)、ラジカル重合性化合物(b)及びラジカ 発生剤(c)を含有する接着剤組成物からなる のが好ましい。これらの成分を含有する接 剤層2は、短時間接着性及び高い接続信頼性 の両方を十分高水準に達成できる点で好まし い。

 熱可塑性樹脂(a)として、フェノキシ樹脂 ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン 脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエス ル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、 リウレタン樹脂等が挙げられる。これらの 脂は、フィルム形成材として知られている フィルム形成材とは、液状物を固形化し、 成組成物をフィルム形状とした場合、容易 裂けたり、割れたり、べたついたりしない 性等を付与し、そのフィルムの取扱いを容 にするものである。上記樹脂のうち、接着 、相溶性、耐熱性及び機械強度に優れるこ から、フェノキシ樹脂が好ましい。フェノ シ樹脂は、2官能フェノール類とエピクロル ヒドリンとを高分子量まで反応させるか、あ るいは、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノー 類とを重付加させることにより得られる。

 具体的には、2官能フェノール類1モルと ピクロルヒドリン0.985~1.015モルとをアルカリ 金属水酸化物の存在下、非反応性溶媒中にお いて40~120℃の温度で反応させることによって フェノキシ樹脂を得ることができる。機械的 特性や熱的特性の点からは、2官能エポキシ 脂及び2官能フェノール類から以下のように て得たフェノキシ樹脂を使用することがよ 好ましい。すなわち、2官能性エポキシ樹脂 と2官能性フェノール類との配合当量比(エポ シ基/フェノール水酸基)を1/0.9~1/1.1に調整し 、触媒の存在下、有機溶剤中において反応固 形分が50質量部以下で重付加反応させて得た ェノキシ樹脂がより好ましい。この場合、 応温度は50~200℃が好ましい。触媒としては アルカリ金属化合物、有機リン系化合物又 環状アミン系化合物等を使用できる。また 有機溶剤としては、沸点が120℃以上のアミ 系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、 ルコール系等を使用できる。

 2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノ ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ キシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹 、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェ ルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフ ニルジグリシジルエーテルなどが挙げられ 。2官能フェノール類は2個のフェノール性 酸基を持つものであり、例えば、ハイドロ ノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF 、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビス フェノールフルオレン、メチル置換ビスフェ ノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル 、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビ スフェノール類などが挙げられる。フェノキ シ樹脂はラジカル重合性の官能基や、その他 の反応性化合物により変性されていてもよい 。フェノキシ樹脂は、1種を単独で用いても く、2種類以上を混合して用いてもよい。

 ラジカル重合性化合物(b)は、ラジカルに り重合する官能基を有する物質である。そ 具体例としては、アクリレート、メタクリ ート、マレイミド化合物、スチレン誘導体 が挙げられる。ラジカル重合性化合物は、 ノマー、オリゴマーいずれの状態でも用い ことが可能であり、モノマーとオリゴマー を併用することも可能である。

 アクリレート又はメタクリレートの具体 としては、メチルアクリレート、エチルア リレート、イソプロピルアクリレート、イ ブチルアクリレート、エチレングリコール アクリレート、ジエチレングリコールジア リレート、トリメチロールプロパントリア リレート、テトラメチロールメタンテトラ クリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジアクリロキ シプロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシメトキ )フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキ シポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシク ペンチニルアクリレート、トリシクロデカ ルアクリレート、イソシアヌル酸エチレン キサイド変性ジアクリレート、イソシアヌ 酸エチレンオキサイド変性トリアクリレー 、ウレタンアクリレート類及びこれらのア リレートに対応するメタクリレート等が挙 られる。これらは単独又は併用して用いる とができ、必要によってはハイドロキノン メチルエーテルハイドロキノン類などの重 禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシク ペンチニル基、トリシクロデカニル基及び リアジン環から選ばれる基を一種以上有す 化合物を使用すると、耐熱性が向上するの 好ましい。

 マレイミド化合物としては、分子中にマ イミド基を少なくとも2個以上含有するもの 、例えば、1-メチル-2,4-ビスマレイミドベン ン、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N -p-フェニレンビスマレイミド、N,N’-m-トル レンビスマレイミド、N,N’-4,4-ビフェニレン ビスマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’-ジメチル-ビ ェニレン)ビスマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’- メチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N ,N’-4,4-(3,3’-ジエチルジフェニルメタン)ビ マレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルメタンビス マレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルプロパンビ マレイミド、N,N’-3,3’-ジフェニルスルホ ビスマレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルエーテ ルビスマレイミド、2,2-ビス(4-(4-マレイミド ェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(3-s-ブ チル-4,8-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル) ロパン、1,1-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル)デカン、4,4’-シクロへキシリデン- ビス(1-(4-マレイミドフェノキシ)-2-シクロへ シルベンゼン、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェ キシ)フェニル)へキサフルオロプロパン等 挙げられる。マレイミド化合物は、1種を単 で用いてもよく、2種類以上を混合して用い てもよい。

 ラジカル発生剤(c)は、過加熱により分解 て遊離ラジカルを発生するものである。ラ カル発生剤(c)として、過酸化化合物、アゾ 化合物などを使用でき、目的とする接続温 、接続時間、ポットライフ等により適宜選 される。高反応性及びポットライフの点か 、半減期10時間の温度が40℃以上であり且つ 半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物 好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上で り且つ半減期1分の温度が170℃以下の有機過 酸化物がより好ましい。短い接続時間(例え 、10秒以下)を達成する観点から、ラジカル 生剤(c)の配合量は、熱可塑性樹脂(a)及びラ カル重合性化合物(b)の合計100質量部に対し 、0.1~30質量部とすることが好ましく、1~20質 部とすることがより好ましい。ラジカル発 剤(c)の配合量が0.1質量部未満であると、十 な反応率を得ることができず良好な接着強 や低い接続抵抗が得られにくくなる傾向に る。他方、ラジカル発生剤(c)の配合量が30 量部を超えると、接着剤成分の流動性が低 したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤成 のポットライフが短くなる傾向にある。

 ラジカル発生剤(c)の具体例としては、ジ シルパーオキサイド、パーオキシジカーボ ート、パーオキシエステル、パーオキシケ ール、ジアルキルパーオキサイド、ハイド パーオキサイド及びシリルパーオキサイド が挙げられる。また、回路部材の接続端子 腐食を抑制するため、塩素イオン及び有機 の含有量は5000ppm以下であることが好ましい 。ラジカル発生剤(c)は、パーオキシエステル 、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキ サイド、ハイドロパーオキサイド及びシリル パーオキサイドから選定することが好ましく 、高反応性が得られるパーオキシエステル、 パーオキシケタールから選定されることがよ り好ましい。

 ジアシルパーオキサイドとしては、イソ チルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイ ルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルへキサノ イルパーオキサイド、オクタノイルパーオキ サイド、ラウロイルパーオキサイド、ステア ロイルパーオキサイド、スクシニツクパーオ キサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、 ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。

 パーオキシジカーボネートとしては、ジ- n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイ プロピルパーオキシジカーボネート、ビス( 4-t-ブチルシクロへキシル)パーオキシジカー ネート、ジ-2-エトキシメトキシパーオキシ カーボネート、ジ(2-エチルへキシルパーオ シ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパー オキシジカーボネート、ジ(3-メチル-3メトキ ブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げ られる。

 パーオキシエステルとしては、クミルパ オキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメ ルブチルパーオキシネオデカノエート、1-シ クロへキシル-1-メチルエチルパーオキシノエ デカノエート、t-へキシルパーオキシネオデ ノエート、t-ブチルパーオキシピバレート 1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチ ルへキサノネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチ ルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シク ロへキシル-1-メチルエチルパーオキシ-2-エチ ルヘキサノネート、t-へキシルパーオキシ-2- チルへキサノネート、t-ブチルパーオキシ-2 -エチルへキサノネート、t-ブチルパーオキシ イソブチレート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ )シクロへキサン、t-へキシルパーオキシイ プロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオ キシ-3,5,5-トリメチルへキサノネート、t-ブチ ルパーオキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ (m-トルオイルパーオキシ)へキサン、t-ブチル パーオキシイソプロピルモノカーボネート、 t-ブチルパーオキシ-2-エチルへキシルモノカ ボネート、t-へキシルパーオキシベンゾエ ト、t-ブチルパーオキシアセテート等が挙げ られる。

 パーオキシケタールとしては、1,1-ビス(t- へキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロ キサン、1,1-ビス(t-へキシルパーオキシ)シ ロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3, 3,5-トリメチルシクロへキサン、1,1-(t-ブチル ーオキシ)シクロドデカン、2,2-ビス(t-ブチ パーオキシ)デカン等が挙げられる。

 ジアルキルパーオキサイドとしては、α, ’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピル ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジ チル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)へキサン、t- ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる 。

 ハイドロパーオキサイドとしては、ジイ プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド クメンハイドロパーオキサイド等が挙げら る。

 シリルパーオキサイドとしては、t-ブチ トリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t- チル)ジメチルシリルパーオキサイド、t-ブ ルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t -ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、ト ス(t-ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、 t-ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、 ス(t-ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド 、トリス(t-ブチル)アリルシリルパーオキサ ド等が挙げられる。

 ラジカル発生剤(c)として、上記化合物を 独で用いてもよく、2種以上を混合して用い てもよい。また、ラジカル発生剤(c)とともに 、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いても よい。なお、ラジカル発生剤(c)をポリウレタ ン系又はポリエステル系の高分子物質等で被 覆してマイクロカプセル化したものは、可使 時間が延長されるために好ましい。

 接着剤成分2aは、充填剤、軟化剤、促進剤 老化防止剤、難燃化剤、色素、チキソトロ ック剤、カップリング剤、フェノール樹脂 メラミン樹脂及びイソシアネート類等を更 含有してもよい。充填剤を含有せしめるこ により、接続信頼性等の向上が得られるの 好ましい。充填剤の配合量は、接着剤成分10 0体積部に対して5~60体積部であることが好ま い。充填剤の配合量が5体積部未満であると 、充填剤による効果が不十分となる傾向にあ り、他方、60体積部を超えると信頼性向上の 果が飽和する傾向にある。なお、充填剤の 大径は後述する導電性粒子2bの粒径未満で ればよい。
含有してもよい。

 接着剤成分2aにカップリング剤を配合す 場合、その配合量は接着剤組成物100質量部 対して0.5~30質量部であることが好ましい。 ップリング剤の配合量が0.5質量部未満であ と、カップリング剤による効果が不十分と る傾向にある。他方、カップリング剤の配 量が30質量部を超えると、支持体1上に接着 層2を形成しにくくなり、膜厚精度が低下す 傾向にある。

 カップリング剤としては、接着性の向上 点から、ケチミン、ビニル基、アクリル基 アミノ基、エポキシ基又はイソシアネート 含有物から選択することが好ましい。具体 には、アクリル基を有するシランカップリ グ剤として、(3-メタクリロキシプロピル)ト リメトキシシラン、(3-アクリロキシプロピル )トリメトキシシラン、(3-メタクリロキシプ ピル)ジメトキシメチルシラン、(3-アクリロ シプロピル)ジメトキシメチルシラン等が挙 げられる。アミノ基を有するシランカップリ ング剤として、N-β(アミノエチル)γ-アミノプ ロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチ )γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン 、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N- ェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラ ン等が挙げられる。ケチミンを有するシラン カップリング剤として、上記のアミノ基を有 するシランカップリング剤に、アセトン、メ チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン 等のケトン化合物を反応させて得られたもの が挙げられる。

 接着剤成分2aは、熱可塑性樹脂(a)、エポ シ樹脂(d)及び潜在性硬化剤(e)を含有するも であってもよい。これらを含有する接着剤 分2aによれば、回路部材同士が高い強度で接 着されてなる回路接続体を作製できる。

 エポキシ樹脂(d)としては、エピクロルヒド ンとビスフェノールA、F又はADから誘導され るビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロ ルヒドリンとフェノールノボラック又はクレ ゾールノボラックから誘導されるエポキシノ ボラック樹脂、ナフタレン環を含んだ骨格を 有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジ ルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル 、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル を有する各種のエポキシ化合物等が挙げら る。これらは1種を単独で用いてもよく、2 以上を混合して用いてもよい。エレクトロ マイグレーション防止の観点から、不純物 オン(Na + 、Cl - 等)や加水分解性塩素等の含有量が300ppm以下 低減されたエポキシ樹脂を用いることが好 しい。

 潜在性硬化剤(e)としては、イミダゾール 、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素-アミン錯 体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリア ミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられる 。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以 を混合して用いてもよい。また、分解促進 、抑制剤等を混合して用いてもよい。これ の硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル の高分子物質等で被覆してマイクロカプセ 化してもよい。これにより、可使時間を延 することができる。潜在性硬化剤(e)の配合 は、十分な反応率を得るために熱可塑性樹 (a)及びエポキシ樹脂(d)の合計100質量部に対 て、0.1~60質量部であることが好ましく1~20質 量部であることがより好ましい。潜在性硬化 剤(e)の配合量が0.1質量部未満であると、十分 な反応率を得ることができず良好な接着強度 や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向に ある。潜在性硬化剤(e)の配合量が60質量部を えると、接着剤組成物の流動性が低下した 、接続抵抗が上昇したり、接着剤組成物の ットライフが短くなる傾向にある。

 接着剤成分2aは、アクリル酸、アクリル エステル、メタクリル酸エステル及びアク ロニトリルから選ばれる少なくとも一種を ノマー成分とした重合体又は共重合体から るものであってもよい。この場合、グリシ ルエーテル基を含有するグリシジルアクリ ート又はグリシジルメタクリレートを含む 重合体系アクリルゴムを併用すると、応力 和に優れるので好ましい。アクリルゴムの 子量(重量平均)は接着剤層2の凝集力を高め 点から20万以上が好ましい。

 接着剤成分2aとして、モノマー成分や分 量が5000未満の低分子量重合体成分を多く含 するものであると、これらは常温での形態 液状もしくは粘ちょうな液状であるものが く、接着剤層2の表面のタック強度が高くな る傾向にある。このため、接着材リール20か 接着材テープ10を引き出す際の張力が大き なる傾向にある。かかる場合であっても、 着材テープ10は、第2面F2に微小な凹凸があり 、適度に粗くなっているため、ローラやクラ ンプ等が当接する箇所において十分に大きな 摩擦力が生じ、接着材テープ10が滑ることを 制できる。

(導電性粒子)
 接着剤層2を構成する接着剤組成物は、上記 接着剤成分2a中に分散した導電性粒子2bを含 することが好ましい。図1に示すように、接 剤層2が導電性粒子2bを含有するものである 、導電性粒子2bを含有しないものと比較し 後述する回路接続体100において一層安定し 電気的接続を得ることができる。なお、接 剤層2が導電性粒子2bを含有せず、接着剤成 2aのみからなる場合であっても相対する回路 電極同士を直接接触させれば電気的接続を確 保できる。

 導電性粒子2bとしては、例えばAu、Ag、Pt Ni、Cu、W、Sb、Sn、はんだ等の金属又はカー ンの粒子が挙げられる。導電性粒子2bの平均 粒径は、分散性及び導電性の観点から1~18μm あることが好ましい。導電性粒子2bの配合割 合は、接着剤成分100体積部に対して0.1~30体積 部であることが好ましく、0.1~10体積部である ことがより好ましい。この配合割合は、接着 剤組成物の用途によって適宜調整する。導電 性粒子2bの配合割合が0.1体積部未満であると 対する電極間の接続抵抗が高くなる傾向に り、30体積部を超えると隣接する電極間の 絡が生じやすくなる傾向がある。

 十分なポットライフを得る観点から、導 性粒子2bの表層はNi、Cu等の遷移金属類では く、Au、Ag、白金属の貴金属類で形成されて いることが好ましく、Auで形成されているこ がより好ましい。導電性粒子2bは、Ni等の遷 移金属類からなる層をAu等の貴金属類で被覆 たものであってもよい。更に、導電性粒子2 bは、非導電性のガラス、セラミック、プラ チック等の粒子の表面に導通層を被覆し、 に最外層に貴金属類からなる層を形成した のであってもよい。

 導電性粒子2bとして、加熱加圧により変 する粒子、例えば、プラスチック粒子の表 に導通層を形成した粒子又ははんだのよう 熱溶融金属粒子を使用してもよい。かかる 子を使用することにより、接続時に電極と 接触面積が増大するとともに、回路部材の 路端子の厚さのばらつきを吸収することが き、接続信頼性が向上する。

 プラスチック粒子の表面に貴金属類から る導電層を設ける場合、導電層の厚さは10nm 以上とすることが好ましい。導電層の厚さが 10nm未満であると、回路接続体の接続抵抗が きくなる傾向にある。Ni等の遷移金属からな る層を貴金属類で更に被覆する場合、貴金属 類からなる層の厚さは30nm以上とすることが ましい。貴金属類からなる層の厚さが30nm未 であると、当該被覆層の欠損等によって遷 金属が露出しやすくなる傾向にある。遷移 属が導電性粒子2bの表面に露出すると、酸 還元作用によって遊離ラジカルが発生し、 着剤組成物を長期にわたり保存することが 難となる。なお、当該被覆層の厚さの上限 1μm程度である。

 導電性粒子2bとして、絶縁性を有する樹 を表面に被覆したもの、又は、絶縁性を有 る微粒子を付着させたものなどを使用して よい。かかる構成の導電性粒子2bを使用した 場合、粒子同士の接触による短絡を抑制でき 、隣接する電極回路間の絶縁性を向上できる 。導電性粒子2bとして、1種を単独で用いても よく、複数の種類のものを併用してもよい。

(回路接続体)
 次に、接着材テープ10の接着剤層2を回路接 材料として使用して製造された回路接続体 ついて説明する。図4は、回路電極同士が接 続された回路接続体を示す概略断面図である 。図4に示す回路接続体100は、相互に対向す 第1の回路部材30及び第2の回路部材40を備え 。第1の回路部材30と第2の回路部材40との間 は、これらを接続する接続部50aが設けられ いる。

 第1の回路部材30は、回路基板31と、回路 板31の主面31a上に形成された回路電極32とを える。第2の回路部材40は、回路基板41と、 路基板41の主面41a上に形成された回路電極42 を備える。

 回路部材の具体例としては、半導体チッ (ICチップ)、抵抗体チップ、コンデンサチッ プ等のチップ部品などが挙げられる。これら の回路部材は、回路電極を備えており、多数 の回路電極を備えているものが一般的である 。上記回路部材が接続される、もう一方の回 路部材の具体例としては、金属配線を有する フレキシブルテープ、フレキシブルプリント 配線板、インジウム錫酸化物(ITO)が蒸着され ガラス基板などの配線基板が挙げられる。 実施形態に係る接着材テープ10は、微細な 続端子(回路電極)を多数備えるチップ部品の 配線基板上へのCOG実装もしくはCOF実装にも適 用できる。

 各回路電極32,42の表面は、金、銀、錫、 テニウム、ロジウム、パラジウム、オスミ ム、イリジウム、白金及びインジウム錫酸 物(ITO)から選ばれる1種で構成されてもよく 2種以上で構成されていてもよい。また、回 電極32,42の表面の材質は、すべての回路電 において同一であってもよく、異なってい もよい。

 接続部50aは接着剤層2に含まれる接着剤成 分2aの硬化物2Aと、これに分散している導電 粒子2bとを備える。回路接続体100においては 、相対する回路電極32と回路電極42とが、導 性粒子2bを介して電気的に接続されている。 すなわち、導電性粒子2bが、回路電極32,42の 方に直接接触している。このため、回路電 32,42間の接続抵抗が十分に低減され、回路電 極32,42間の良好な電気的接続が可能となる。 方、硬化物2Aは電気絶縁性を有するもので り、隣接する回路電極同士は絶縁性が確保 れる。従って、回路電極32,42間の電流の流れ を円滑にすることができ、回路の持つ機能を 十分に発揮することができる。

(回路接続体の製造方法)
 次に、回路接続体100の製造方法について説 する。図5は、回路接続体の製造方法の一実 施形態を概略断面図により示す工程図である 。本実施形態では、接着材テープ10の接着剤 2を熱硬化させ、最終的に回路接続体100を製 造する。

 まず、接続装置(図示せず)の回転軸に接 材リール20を装着する。この接着材リール20 ら接着材テープ10を、接着剤層2が下方に向 ようにして引き出す。第1の回路部材30の主 31a上の所定の位置に接着材テープ10を配置 るため、接続装置のローラ45a,45bによって接 材テープ10を固定する(図5(a))。その後、支 体1を剥離するとともに、接着剤層2を所定の 長さに切断して回路部材30の主面31a上に載置 る(図5(b))。

 次に、図5(b)の矢印A及びB方向に加圧し、 着剤層2を第1の回路部材30に仮接続する(図5( c))。このときの圧力は回路部材に損傷を与え ない範囲であれば特に制限されないが、一般 的には0.1~30.0MPaとすることが好ましい。また 加熱しながら加圧してもよく、加熱温度は 着剤層2が実質的に硬化しない温度とする。 加熱温度は一般的には50~190℃にするのが好ま しい。これらの加熱及び加圧は0.5~120秒間の 囲で行うことが好ましい。

 次いで、図5(d)に示すように、第2の回路 材40を、第2の回路電極42を第1の回路部材30の 側に向けるようにして接着剤層2上に載せる そして、接着剤層2を加熱しながら、図5(d)の 矢印A及びB方向に全体を加圧する。このとき 加熱温度は、接着剤層2の接着剤成分2aが硬 可能な温度とする。加熱温度は、60~180℃が ましく、70~170℃がより好ましく、80~160℃が に好ましい。加熱温度が60℃未満であると 化速度が遅くなる傾向があり、180℃を超え と望まない副反応が進行し易い傾向がある 加熱時間は、0.1~180秒が好ましく、0.5~180秒が より好ましく、1~180秒が更に好ましい。

 接着剤成分2aの硬化により接続部50aが形 されて、図4に示すような回路接続体100が得 れる。接続の条件は、使用する用途、接着 組成物、回路部材によって適宜選択される なお、接着剤層2の接着剤成分として、光に よって硬化するものを使用した場合には、接 着剤層2に対して活性光線やエネルギー線を 宜照射すればよい。活性光線としては、紫 線、可視光、赤外線等が挙げられる。エネ ギー線としては、電子線、エックス線、γ線 、マイクロ波等が挙げられる。

 本実施形態に係る接着材テープ10は、支 体1の第2面F2が適度な凹凸を有しているため 第2面F2がローラ45a,45bと当接する箇所におい て十分に大きな摩擦力が生じる。このため、 接着材テープ10が滑ることを抑制でき、接着 テープ10を大きい張力で引き出した場合で っても、接着剤層2を所定の位置に十分高い 度で配置できる。また、接着材テープ10は 一旦回路部材30上に付設されると接着剤層2 転写してしまい、再度、貼り直すことはで ないため、所定の位置に高い精度で配置で ることで、接着材テープ10のロスも低減でき る。

 以下、本発明を実施例に基づいて具体的 説明するが、本発明はこれに制限されるも ではない。

(2次元表面粗さの測定)
 3種類のポリエチレンテレフタレート製フィ ルム(厚さ80μm)を準備し、接着剤層を形成し い側の表面の2次元表面粗さをそれぞれ測定 た。2次元表面粗さの測定には、表面粗さ測 定器(株式会社小坂研究所製、商品名:サーフ ーダSE-3500)を使用した。測定長Lを30mm、送り 速さ1mm/sとし、測定長Lの範囲内の最低谷底(A) から最大山頂(B)までの最大高さ(Ry)を各フィ ムの長手方向について測定した。表1に結果 示す。なお、図6及び図7は、フィルム1及び ィルム3の2次元表面粗さの測定結果をそれ れ示すグラフである。

(支持体表面の滑りに関する評価)
 フィルム1~3をそれぞれ幅5mm、長さ20mmの大き さに切り出し、測定サンプルを作製した。測 定サンプルの長手方向の上部及び下部をクリ ップでそれぞれ挟むことによって測定サンプ ルを保持した。下側のクリップを固定した状 態とし、他方、上側のクリップを鉛直方向に 一定速度で引っ張り、上側のクリップが外れ るまでにかかる力を測定した。この力は東洋 ボールドウィン株式会社製テンシロンUTM-4を いて測定を行った。測定条件は、速度50mm/mi n、測定長15mmとした。表1に結果を示す。

(実施例1)
 表2に示す組成の溶液を調製し、この溶液を フィルム1のシリコーン剥離処理を施した表 (第1面)に塗布した。その後、70℃にて10分の 風乾燥によって溶剤を揮発させることによ て、フィルム1上に接着剤層(厚さ30μm)が形 された接着材フィルムを得た。この接着材 ィルムを巻重体作製装置に供給し、幅10mm、 き長さ50mの接着材テープ巻重体を作製した

 表2中の「ビスフェノールA骨格フェノキ 樹脂」は、2官能ビスフェノールA型エポキシ 樹脂を所定の方法により高分子量化したもの である。「過酸化物」はt-ヘキシルパーオキ -2-エチルヘキサノネートの50質量%DOP(ジオク チルフタレート)溶液(日本油脂株式会社製、 品名:パーキュアHO)である。「導電性粒子」 は、ポリスチレンからなる核粒子の表面に、 厚さ0.2μmのニッケル層を設け、更にその外側 に厚さ0.04μmの金層を設けて作製したもので る。

(実施例2)
 フィルム1の代わりにフィルム2を使用した との他は、実施例1と同様にして接着材フィ ム及び接着材テープ巻重体を作製した。

(比較例1)
 フィルム1の代わりにフィルム3を使用した との他は、実施例1と同様にして接着材フィ ム及び接着材テープ巻重体を作製した。

(接着剤層の貼り付けに関する評価)
 実施例1,2及び比較例1で作製した巻重体を接 続装置にそれぞれ装着し、引き出し張力1Nで 着材テープを引き出した。厚さ0.2μmのITO層 形成したガラス(厚さ1.1mm、表面抵抗20ω/□) に、長さ40mmにわたって接着剤層を貼り付け た。接着剤層の貼り付けは、温度70℃、圧力1 MPaで3秒間にわったって加熱加圧することに って実施した。

 1つの巻重体について上記の貼り付け作業 を30回ずつ行なった。その結果、実施例1,2に る巻重体は貼り付け位置ずれが全く起こら かった。これに対し、比較例1に係る巻重体 は、貼り付け位置が幅方向に0.2mmずれる現象 30回中6回発生した。

1…支持体、2…接着剤層、2a…接着剤成分 2b…導電性粒子、10…接着材テープ、20…接 材リール、100…回路接続体、A…最低谷底、B …最大山頂、L…基準長さ、Ry…最大高さ。