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Patent Searching and Data


Title:
ADHESIVE SET AND BONDING METHOD USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041550
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an adhesive set composed of a liquid A containing a first polymer having an alkyldialkoxysilyl group represented by the general formula (I) below at an end of a molecule, and a liquid B containing a second polymer having a trialkoxysilyl group represented by the general formula (II) below at an end of a molecule. This adhesive set is used by mixing the liquid A and the liquid B at such a ratio that the second polymer is not less than 0.07 part by weight relative to 100 parts by weight of the first polymer. -SiR2(OR1)2 (I) (In the formula (I), R1 represents an alkyl group having 1-6 carbon atoms, and R2 represents an optionally substituted alkyl group having 1-20 carbon atoms.) -Si(OR3)3 (II) (In the formula (II), R3 represents an alkyl group having 1-6 carbon atoms.)

Inventors:
NAGAE HIROMU (JP)
MURAKAMI MIKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067379
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP CHEMICAL IND CO LTD (JP)
NAGAE HIROMU (JP)
MURAKAMI MIKIO (JP)
International Classes:
C09J201/10; C08K3/26; C08L71/02; C09J11/04; C09J183/12; C09K3/10
Domestic Patent References:
WO1998047939A11998-10-29
WO2007094275A12007-08-23
Foreign References:
JPH10251552A1998-09-22
JPH10245484A1998-09-14
JP2001200230A2001-07-24
JP2002069289A2002-03-08
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building 3-7, Shiromi 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
 分子末端に以下の一般式で(I)で表されるアルキルジアルコキシシリル基を有する第1の重合体を含むA液と、分子末端に以下の一般式(II)で表されるトリアルコキシシリル基を有する第2の重合体を含むB液とからなり、
 第1の重合体100重量部に対し、第2の重合体を0.07重量部以上の割合でA液とB液とを混合することを特徴とする接着剤セット。
-SiR 2 (OR 1 ) 2               (I)
(ここで、R 1 は炭素数1~6のアルキル基、R 2 は置換基を有しても良い炭素数1~20のアルキル基を表す。)
-Si(OR 3 ) 3                 (II)
(ここで、R 3 は炭素数1~6のアルキル基を表す。)
 A液とB液の少なくとも一方が、充填剤としてコロイダル炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
 A液とB液の混合液におけるコロイダル炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの混合比(重量比)が、コロイダル炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム=100~0.01であることを特徴とする請求項2記載の硬化性樹脂組成物。
 分子末端に以下の一般式で(I)で表されるアルキルジアルコキシシリル基を有する第1の重合体を含むA液と、分子末端に以下の一般式(II)で表されるトリアルコキシシリル基を有する第2の重合体を含むB液とを、第1の重合体100重量部に対し、第2の重合体が0.07重量部以上となるように塗布直前に混合して使用することを特徴とする接着方法。
-SiR 2 (OR 1 ) 2               (I)
(ここで、R 1 は炭素数1~6のアルキル基、R 2 は置換基を有しても良い炭素数1~20のアルキル基を表す。)
-Si(OR 3 ) 3                 (II)
(ここで、R 3 は炭素数1~6のアルキル基を表す。)
Description:
接着剤セット及びそれを用いた 着方法

 本発明は、接着剤、シーリング材、コー ィング剤及び塗料等に使用することができ 接着剤セット及びそれを用いた接着方法に する。

 分子末端に加水分解性シリル基を有する 合体は、いわゆる変成シリコーン樹脂とし 、一液形あるいは二液形の接着剤やシーリ グ材に広く用いられている。一液形では、 成シリコーン樹脂に硬化触媒及びその他の 加剤を加え、密閉して保管され、使用時に 空気中の水分と反応して硬化する。一方、 液形は、変成シリコーン樹脂を含む基剤と 化剤とからなり、別梱包の基剤と硬化剤と 使用時に混合して、空気中の水分と反応さ て硬化させる。

 例えば、一液形には、トリメトキシシリル を含む変成シリコーン樹脂を用いて速い硬 速度と可使時間を確保した室温硬化性組成 (特許文献1)が提案されている。また、二液 には、深部硬化性(内部硬化性)を向上させ 変成シリコーン系シーリング材組成物(特許 献2)が提案されている。

特開2006-63335号公報

特開2001-172610号公報

 しかしながら、従来の一液形の接着剤の 使時間はまだ十分と言えず貯蔵安定性に難 ある。また、二液形にしても、一液形に比 貯蔵安定性には優れるものの、硬化速度が く、また内部硬化性も十分とはいえない。

 一般的に変成シリコーン樹脂を用いた接 剤の場合、硬化速度や深部硬化性等の硬化 を向上させるために硬化触媒を増量すると 可使時間の短縮による作業性が悪化し、さ には過剰の硬化触媒存在で耐久性や耐候性 低下する。また硬化性を向上させるため、 分を混入させたり、含水物質を混合するこ も可能であるが、十分に硬化させることが きない。これは、水分が変成シリコーン樹 に十分に分散せず硬化が不均一になったり 接着付与成分と水分とが反応して接着性が らついたり、水分の添加により硬化触媒が 活する等の理由によるものである。

 したがって、変成シリコーン樹脂を用い 接着剤において、一液形にしても二液形に ても、硬化速度が速く、優れた内部硬化性 有し、かつ貯蔵安定性にも優れた接着剤が られていないのが現状である。

 そこで、本発明は、上記課題を解決し、 化速度が速く、優れた内部硬化性を有し、 つ貯蔵安定性にも優れた接着剤セット及び れを用いた接着方法を提供することを目的 した。

 上記課題を解決するため、本発明の接着剤 ットは、分子末端に以下の一般式で(I)で表 れるアルキルジアルコキシシリル基を有す 第1の重合体を含むA液と、分子末端に以下 一般式(II)で表されるトリアルコキシシリル を有する第2の重合体を含むB液とからなり 第1の重合体100重量部に対し、第2の重合体を 0.07重量部以上の割合でA液とB液とを混合する ことを特徴とする。
-SiR 2 (OR 1 ) 2               (I)
(ここで、R 1 は炭素数1~6のアルキル基、R 2 は置換基を有しても良い炭素数1~20のアルキ 基を表す。)
-Si(OR 3 ) 3                 (II)
(ここで、R 3 は炭素数1~6のアルキル基を表す。)

 また、本発明においては、A液とB液が、 れぞれ充填剤としてコロイダル炭酸カルシ ム及び重質炭酸カルシウムを含むことがで る。さらに、A液とB液の混合液におけるコロ イダル炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウ ムの混合比(重量比)は、コロイダル炭酸カル ウム/重質炭酸カルシウム=100~0.01とすること ができる。

 また、本発明の接着剤セットを用いた接 方法は、分子末端に一般式(I)で表されるア キルジアルコキシシリル基を有する第1の重 合体を含むA液と、分子末端に以下の一般式(I I)で表されるトリアルコキシシリル基を有す 第2の重合体を含むB液とを、第1の重合体100 量部に対し、第2の重合体が0.07重量部以上 なるように塗布直前に混合して使用するこ を特徴とするものである。

 本発明の接着剤セットは、アルキルジア コキシシリル基を有する第1の重合体を含む A液と、トリアルコキシシリル基を有する第2 重合体を含むB液とで構成し、このA液とB液 使用直前に混合することにより硬化させる のであり、従来の一液形とも二液形とも異 るものである。本発明によれば、内部硬化 度の大幅な向上、かつ硬化速度を速くして 着強度の発現時間の大幅な短縮化を図るこ ができ、さらに実用上問題のない貯蔵安定 を確保することができる。さらに、本発明 よれば、A液とB液との混合比を従来に比べ 常に広い範囲にとることができるので、混 比を厳密に守る必要がなく、作業性を大幅 向上させることができる。また、本発明に れば、B液の組成のみを変化させることによ ても、目的とする最終硬化物の性能(硬度、 強度、伸び、硬化速度等)を得ることが可能 あるので、アルキルジアルコキシシリル基 有する重合体であればA液の組成には特に限 されない。なお、本発明においては、特に らない限り、使用直前に混合するの「直前 とは、A液とB液とを混合して接着剤として 布あるいは使用可能な時間幅をいう。

 本発明の接着剤セットは、分子末端にア キルジアルコキシシリル基を有する第1の重 合体を含むA液と、分子末端にトリアルコキ シリル基を有する第2の重合体を含むB液とか らなるものである。

 A液は、分子末端に以下の一般式で(I)で表さ れるアルキルジアルコキシシリル基を有する 第1の重合体を含むものである。
-SiR 2 (OR 1 ) 2                   (I)
 ここで、R 1 は炭素数1~6のアルキル基、R 2 は置換基を有しても良い炭素数1~20のアルキ 基を表す。好ましいアルキルジアルコキシ リル基としては、メチルジメトキシシリル 、メチルジエトキシシリル基、より好まし はメチルジメトキシシリル基である。

 また、第1の重合体の主鎖には、ポリオキシ アルキレンやビニル系重合体を用いることが できる。ポリオキシアルキレンには、-CH 2 CH 2 O-、-CH 2 CH(CH 3 )O-、-CH 2 CH(C 2 H 5 )O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-、-CH(C 2 H 5 )CH 2 O-、-CH 2 CH 2 CH 2 O-、及び-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O-から選択された1種以上の繰り返し単位から なるものを用いることができる。好ましくは 、-CH 2 CH(CH 3 )O-である。また、ビニル系重合体には、ポリ エチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレ ン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ ブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビ ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブ ラール、及びこれら重合体のいずれか2種以 上を成分として含む共重合体等を挙げること ができる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリレ トである。また、第1の重合体の数平均分子 量は、1000~30000が好ましい。

 第1の重合体の具体例としては、MSポリマ S203、MSポリマーS303、サイリルSAT350、サイリ ルSAT400(以上は株式会社カネカ製)、エクセス ーS2410、エクセスターS2420、エクセスターS36 30(以上は旭硝子株式会社製)等を挙げること できる。

 A液には、湿気との硬化を促進させるため に硬化触媒を配合することができる。硬化触 媒としては、従来公知のシラノール縮合触媒 を広く使用することができる。その具体例と しては、テトラブチルチタネート、テトラプ ロピルチタネート等のチタン系エステル類; ブチルスズジラウリレート、ジブチルスズ レエート、ジブチルスズジアセテート、オ チル酸スズ、ナフテン酸スズ、ラウリン酸 ズ、フェルザチック酸スズ等のスズカルボ 酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸 ステルとの反応物;ジブチルスズジアセチル アセトナート;アルミニウムトリアセチルア トナート、アルミニウムトリスエチルアセ アセテート、ジイソプロポキシアルミニウ エチルアセトアセテート等の有機アルミニ ム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルア トナート、チタンテトラアセチルアセトナ ト等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ナ テン酸鉄;ビスマス-トリス(ネオデカノエー )、ビスマス-トリス(2-エチルヘキソエート) のビスマス化合物等の金属系触媒を例示で る。これらの金属系触媒は単独で使用して よく、2種類以上併用してもよい。更にラウ ルアミン等の公知のアミン系触媒を使用す こともできる。

 また、A液には、接着性付与剤として、N-( β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジ トキシシラン、γ-アミノプロピルトリメト シシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシ ラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-グリ ドキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β- ミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキ シラン等のシランカップリング剤を配合す こともできる。好ましくは、N-(β-アミノエ ル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランで ある。

 また、A液には、脱水剤として、メチルト リメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、 テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ ン等の加水分解性ケイ素化合物を用いること ができる。好ましくは、ビニルメトキシシラ ンである。

 また、A液には、機械特性を向上させるため 、充填剤を配合することもできる。充填材と しては従来公知の充填材を広く使用でき、具 体的にはフュームドシリカ、沈降性シリカ、 無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラッ ク等の充填材、炭酸カルシウム、炭酸マグネ シウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、 タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベ ントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜 鉛華、水添ヒマシ油及びガラスバルーン等の 充填材、石綿、ガラス繊維及びフィラメント 等の繊維状充填材等を挙げることができる。
好ましくは、炭酸カルシウムである。炭酸カ ルシウムは少量でも粘度を高くすることがで きる。炭酸カルシウムとしては、コロイダル 炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの組み 合わせを用いることが好ましい。コロイダル 炭酸カルシウムは破断強度を増加させ、重質 炭酸カルシウムは50%モジュラスを増加させる 。そのため、両者を併用することにより、破 断強度と50%モジュラスを同時に増加させるこ とが可能である。なお、充填剤はB液にも添 することができる。すなわち、充填剤はA液 B液の少なくとも一方に添加すれば良い。そ のため、コロイダル炭酸カルシウムと重質炭 酸カルシウムの混合比(重量比)は、A液とB液 混合液中において、コロイダル炭酸カルシ ム/重質炭酸カルシウム=100~0.01、より好まし は10~0.1となるように添加することが好まし 。

 なお、コロイダル炭酸カルシウムは平均 径がサブミクロンの微細粒子であり、吸湿 が大きく、かつ重質炭酸カルシウムに比べ 脱水が容易ではない。そのためコロイダル 酸カルシウムは製造上水分を多く含むこと 知られている。そのため、本発明で用いて るアルキルジアルコキシシリル基を有する 1の重合体と、分子末端にトリアルコキシシ リル基を有する第2の重合体とを併用して、 らにコロイダル炭酸カルシウムを用いた一 形の硬化性樹脂組成物を製造しようとして 、脱水が不十分で貯蔵安定性が悪くなるた 、コロイダル炭酸カルシウムを用いること できなかった。しかし、本発明によれば、 1の重合体をA液、第2の重合体をB液と包装を にすることにより、充填剤にコロイダル炭 カルシウムを用いても十分な貯蔵安定性を 保することができる。

 更に、本発明で(A)液には、必要に応じて ポキシ樹脂とその硬化剤、可塑剤、粘性改 剤、その他添加剤等を適宜配合することが きる。

 エポキシ樹脂としては、従来公知のもの 広く使用でき、例えばビスフェノールA型エ ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹 、テトラブロモビスフェノールAのグリシジ エーテル等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラ ク型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型 エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレン キシド付加物のグリシジルエーテル型エポ シ樹脂、ジグリシジル-p-オキシ安息香酸、 タル酸ジグリシジルエステル、テトラヒド フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒ ロフタル酸ジグリシジルエステル等のフタ 酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m- アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノ ジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン 変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂 、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジ -o-トルイジン、トリグリシジルイソシアヌ ート、ポリアルキレングリコールジグリシ ルエーテル、グリセリン等の多価アルコー のグリシジルエーテル、ヒダントイン型エ キシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエ キシ化物等を挙げることができる。これら エポキシ樹脂の中でも、分子中にエポキシ を少なくとも2個含有するものが、硬化に際 し反応性が高く、また硬化物が3次元的網目 作り易い等の点から好ましい。更に好まし エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型 ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹 脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸 ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂を例示 できる。

 エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公 のエポキシ樹脂用硬化剤を広く使用でき、 えばトリエチレンテトラミン、テトラエチ ンペンタミン、ジエチルアミノプロピルア ン、N-アミノエチルピペラジン、m-キシリレ ンジアミン、m-フェニレンジアミン、ジアミ ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス ホン、イソホロンジアミン、2,4,6-トリス(ジ メチルアミノメチル)フェノール等のアミン 、第3級アミン塩類、ポリアミド樹脂類、ケ ミン類、アルジミン類、エナミン類等の潜 性硬化剤、イミダゾール類、ジシアンジア ド類、三弗化硼素錯化合物類、無水フタル 、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒド 無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒド 無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、 水ピロメリット酸、無水クロレン酸等の無 カルボン酸類、アルコール類、フェノール 、カルボン酸類等を挙げることができる。

 可塑剤としては、従来公知の可塑剤を広 使用でき、具体的にはフタル酸ジオクチル フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジ 等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオク チル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブ チル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン 酸エステル;ペンタエリスリトールエステル のグリコールエステル類;リン酸トリオクチ 、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル ;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸 ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフ ン等を、1種単独で又は2種以上の混合物で使 用できる。また、ポリオキシプロピレンモノ オール、ポリオキシプロピレンジオール及び その末端変性物等も使用し得る。末端変性物 には、例えば、末端水酸基をアルコキシ基、 アルケニルオキシ基に変性した化合物やウレ タン結合、エステル結合、尿素結合又はカー ボネート結合を介して炭化水素基で封鎖され た化合物等を挙げることができる。

 粘性改良剤としては、ジベンジリデンソ ビトール、トリベンジリデンソルビトール のゲル化剤、アマイドワックス等の脂肪酸 ミド化物を挙げることができる。

 その他の添加剤としては、例えば顔料、 種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げら る。

 なお、A液として、シャーピーヘンセイシ リコーンM、シャーピーヘンセイシリコーンLM 、シャーピーダンセイボンドMS+(以上はシャ プ化学工業株式会社製)等の接着剤やシーリ グ材を用いることもできる。

 A液中の各成分の配合割合は、第1の重合 100重量部当たり、硬化触媒を0.1~10重量部、 ましくは0.5~5重量部、さらに好ましくは1~3重 量部、脱水剤を0.1~15重量部、好ましくは0.5~10 重量部、より好ましくは1~5重量部、接着付与 剤を0.1~15重量部、好ましくは0.5~10重量部、よ り好ましくは1~7重量部、充填材を0.1~300重量 、可塑剤を1~150重量部、粘性改良剤を0.1~20重 量部である。さらに必要に応じ、エポキシ樹 脂を1~100重量部、より好ましくは10~50重量部 エポキシ樹脂の硬化剤をエポキシ樹脂100重 部当たり1~200重量部、より好ましくは10~100重 量部、配合することもできる。また、A液中 第1の重合体の濃度は、10~50重量%、より好ま くは20~40重量%である。

 B液は、分子末端に以下の一般式(II)で表さ るトリアルコキシシリル基を有する第2の重 体を含むものである。
-Si(OR 3 ) 3                 (II)
 ここで、R 3 は炭素数1~6のアルキル基を表す。トリアルコ キシシリル基は、トリメトキシシリル基を用 いることが好ましい。

 また、第2の重合体の主鎖には、ポリオキシ アルキレンを用いることができる。ポリオキ シアルキレンには、-CH 2 CH 2 O-、-CH 2 CH(CH 3 )O-、-CH 2 CH(C 2 H 5 )O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-、-CH(C 2 H 5 )CH 2 O-、-CH 2 CH 2 CH 2 O-、及び-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O-から選択された1種以上の繰り返し単位から なるものを用いることができる。好ましくは 、-CH 2 CH(CH 3 )O-である。

 第2の重合体としては、トリアルコキシシ リル基がトリメトキシシリル基、ポリオキシ アルキレンの構成単位がオキシプロピレン基 である樹脂を用いるのが好ましい。これは、 他の樹脂との相溶性、速硬化性及び透明性が 優れているからである。また数平均分子量は 500~30000、好ましくは5000~20000である。第2の重 体の具体例としては、エクセスターAX2551、 クセスターAX2851(以上は旭硝子株式会社製) を挙げることができる。

 A液との混合分散性や混合物の流動性を調 整するために、A液に用いた上述の脱水剤、 着付与剤、充填剤、可塑剤、充填剤、粘性 良剤、その他添加剤、例えば顔料、各種の 化防止剤、紫外線吸収剤等をB液にも配合す ことができる。

 B液としては第2の重合体のみを用いても く、あるいは第2の重合体に種々の添加剤を 加したものを用いることもできる。添加剤 添加する場合、B液中の各成分の配合割合は 、第2の重合体100重量部当たり、脱水剤を0~15 量部、好ましくは0.5~10重量部、より好まし は1~5重量部、接着付与剤を0~15重量部、好ま しくは0.5~10重量部、より好ましくは1~7重量部 、充填材を0~600重量部、可塑剤を1~300重量部 粘性改良剤を0.1~20重量部である。また、B液 の第2の重合体の濃度は、10~100重量%、より ましくは20~40重量%である。

 本発明においては、A液とB液との混合比 厳密に規定する必要はなく、広い混合比の 囲で、十分な硬化速度を確保することがで る。A液とB液とは、第1の重合体と第2の重合 との重量比が、第1の重合体の100重量部に対 し、第2の重合体が0.07重量部以上となるよう 混合することが好ましい。この割合以上で れば、A液のみあるいはB液のみを接着剤と て用いる場合に比べタックフリータイムを 著に減少させることができる。より好まし は、第1の重合体100重量部に対し、第2の重合 体を0.7重量以上500重量部以下、さらに好まし くは7重量部以上100重量部以下である。0.07重 部より少ないと効果が十分でなく、また500 量部より多く添加すると硬化は速くなるが2 液混合中に速やかに硬化反応が開始・完結し てしまうため、接着強度にバラツキが出やす い。従って、500部より多く添加する本接着剤 セットを使用する際、専用の吐出ラインや容 器が必要になってしまうからである。また、 第1の重合体と第2の重合体の混合比のみなら 、可塑剤や充填材の種類及び含有量を変化 せることによっても、目的とする最終硬化 の性能(硬度、強度、伸び、硬化速度等)を ることが可能である。

 A液とB液の混合方法としては、(1)A液とB液 のそれぞれの専用の吐出ライン先端で混合さ せる自動化ラインを用いる方法、(2)スタティ ック式ノズルを装着した専用容器中にて押出 しながら混合させる方法、(3)適当な容器中に A液とB液を移し出してヘラ等で混合する方法 (4)直接被着体上にA液とB液を打設してから ラ等で混合する方法等を挙げることができ 。A液とB液が完全に混合されたことを確認し やすくするため、例えばA液とB液の互いの色 を違えておくことにより、混合状態を目視 確認することができる。

 さらに、具体的に接着方法の例について 明すると、A液とB液とを、第1の重合体100重 部に対し、第2の重合体が0.07重量部以上と るように使用直前に混合し、貼り合わせる 着体の少なくとも一方に塗布し、被着体同 を圧着して接着させることができる。また A液を被着体に塗布し、さらにその被着体にB 液を、第1の重合体100重量部に対し、第2の重 体が0.07重量部以上となるように塗布し、被 着体同士を圧着して接着させることもできる 。これらのいずれの方法においても、A液とB の混合比を厳密に守る必要がないので、作 時間を短縮することができる。

 以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明 るが、本発明は以下の実施例に限定される のではない。なお、以下の実施例における 部」は、特に断らない限り「重量部」を表 。
(A液及びB液の作製)
 A液:表1-1に示す組成で、MSポリマーS303(もし はサイリルSAT400もしくはエクセスターS420)30 部と可塑剤としてDOP15部、充填剤として加熱 燥により水分を除去したコロイダル炭酸カ シウム37部及び重質炭酸カルシウム15部を加 え、遊星式攪拌器(クラボウ社製)を使用して 拌・混合した。得られた混合物を室温まで 度を下げてから、脱水剤としてビニルトリ トキシシラン1部、接着付与剤としてアミノ シラン(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル リメトキシシラン1.5部、硬化触媒としてジ チルスズオキサイドとフタル酸エステルと 反応物を加えて攪拌・混合して各種A液を得 。以下、A液に用いた変成シリコーン樹脂を 第1の変性シリコーン樹脂と呼ぶ。

 B液:表1-1及び1-2に示す組成で、エクセス ーAX2551と、可塑剤としてDOP、充填剤として 熱乾燥により水分を除去したコロイダル炭 カルシウムと重質炭酸カルシウムを加え、 星式攪拌器を使用して攪拌・混合した。得 れた混合物を室温まで温度を下げてから、 水剤としてビニルトリメトキシシラン1部を えて攪拌・混合してB液を得た。以下、B液 用いた変成シリコーン樹脂を第2の変成シリ ーン樹脂と呼ぶ。

(A液とB液の増粘率の評価)
 A液、B液ともに作製後の翌日の粘度を測定 、これを初期粘度とした。同じ配合物を70℃ で7日間、さらに23℃で1日間経過後の粘度を 定し、増粘率を次式(I)より算出した。
数1
増粘率=((70℃で7日間後の粘度-初期粘度)/初期 粘度)×100(%) (I)
 貯蔵安定性の評価は、以下の通りである。
  ○:増粘率50%未満。
  △:増粘率50%以上。
  ×:容器から容易に取り出せない。

 表1-1の比較例1から3に示すように、A液の 粘率は6~20%であり、タックフリータイムは30 ~45分であった。また、B液では、比較例8~10に すように、脱水剤を配合しなかったB-12~14で は70℃加熱により粘度測定ができないほど増 し、そして硬化した。これに対し、脱水剤 配合することにより、B-1~10では、第2の変成 シリコーン樹脂濃度を40%以上にしても、粘度 測定できないほど高粘度になったり、容器中 で硬化することはなかった。また、B液のタ クフリータイムはすべて24時間以上であった 。また、B液に接着付与剤を添加しても、B-11 示すように、タックフリータイムはすべて2 4時間以上であった。

 また、第1の変成シリコーン樹脂と第2の変 シリコーン樹脂を併用して一液形とした比 例5~7についても検討した。比較例5~7は、タ クフリータイムが15分以内と速いが、第1の 成シリコーン樹脂/第2の変成シリコーン樹脂 の混合比が9程度になるまで、第2の変成シリ ーン樹脂の割合を減らさなければ70℃加熱 より粘度測定ができないほど増粘そして硬 した。
 以上の結果より、脱水剤を配合することに り、A液とB液のいずれについても十分な貯 安定性を確保できることがわかった。

(内部硬化性の評価)
 A液としてA-1、B液としてB-1を重量比で1:1と るようにPPディスポカップに計り取り、ヘラ を用いて素早く攪拌・混合して幅10mm、高さ10 mmの目地に充填した。所定時間経過毎に目地 カッターナイフで切断し、断面状態を観察 るとともに、硬化厚み(mm)を測定した。

 結果を表2に示す。以下の基準に基づき内部 硬化性を評価した。
  ◎:24時間までに10mm以上硬化。
  △:1~4日後に10mm以上硬化。
  ×:10mm硬化するのに5日以上要する。
 なお、表2中、「硬化」とはゴム状に固まっ た状態、「ぺースト」とは混合直後の液状物 のままの状態、「増粘」とは「硬化」と「ペ ースト」との中間状態で完全には硬化してい ないが、明らかに混合直後の液状物ではない 状態をいう。また、表中、樹脂混合比(A)/(B) は、アルキルジアルコキシシリル末端の変 シリコーン(A)とトリアルコキシシリル基末 の変成シリコーン(B)の混合比(A)/(B)(重量比) 表す。

 A液のみの硬化物である比較例1~3では、完 全に硬化状態となるまで96~120時間を要したの に対し、A液にB液とを混合した実施例1~3の硬 物では12時間で完全に硬化しており、A液の を用いた場合に比べ、大幅に内部硬化性が 上した。

 なお、比較例4は比較例3の配合において 接着付与剤を添加しなかった例を示してい 。比較例3の50分と比べ、比較例4では480分と ックフリータイムが大きく増加しているこ がわかる。このことは、接着付与剤は、A液 を単独で硬化させる場合、内部硬化性には大 きな影響を与えないが、タックフリータイム を減少させるには有効であることを示してい る。一方、実施例4は、A液とB液のいずれもに も接着付与剤を添加していない場合である。 この場合、A液とB液を混合することで、タッ フリータイムを減少させることができる。 なわち、A液とB液を混合する本願発明では 接着付与剤を添加しなくても、あるいは添 量が少量であっても、タックフリータイム 減少させることができることを示している

(A液とB液の混合比の評価)
 A液としてA-3と、B液としてB-1を重量比で表3 示すようにPPディスポカップに計り取り、 ラを用いて素早く攪拌・混合して幅10mm、高 10mmの目地へ充填した。所定時間経過毎に目 地をカッターナイフで切断し、断面状態を観 察するとともに、硬化厚みを測定した。同時 にタックフリータイムも測定した。別途、各 比率の混合物について3mm厚みのシートを作製 し、23℃で7日間養生後、ダンベル物性を測定 した。結果を表3に示す。
 なお、タックフリータイムの評価は以下の りである。
  ◎:A液単独でのタックフリータイムに対し 50%以上の時間短縮が認められた。
  △:A液単独でのタックフリータイムに対し 50%未満の時間短縮が認められた。
  ×:A液単独でのタックフリータイムに対し 間短縮が認められなかった。

(1)内部硬化性
 A液単独では完全硬化させるのに120時間かか っていたが、実施例5~7に示すように、A液10部 に対してB液を7.5部以上混合すると24時間以内 で完全に硬化した。A液単独では12時間後でも 1mmしか硬化していなかったのに対し、実施例 13に示すようにA液10部に対してB液を0.01部混 するだけでも、すなわち、樹脂混合比(A)/(B) 100重量部/0.07重量部であっても、3.5mmまで硬 化を促進させることができた。

(2)タックフリータイム
 A液単独では、タックフリータイムが30~45分 あったのに対し、B液を混合するといずれも タックフリータイムを短縮することができた 。特に、実施例13でも時間短縮効果が認めら た。

(3)硬化物の物性
 A液単独硬化物と比べて、A液とB液との混合 より得られる硬化物はいずれも高強度かつ 硬度であった。A液10部に対してB液が10部以 であっても、破断時伸びが400%以上とA液単 硬化物と比べても遜色ない性能が得られた

 以上の結果より、A液とB液との混合比を 密に守らなくても、速硬化性を付与するこ ができること、そして速硬化性を付与しな らA液とB液との混合比を広い範囲で変化させ ることができること、すなわちB液の組成を 化させることにより、A液から得られる硬化 の性能を損なうことなく、内部硬化性をコ トロールすることが可能であることがわか た。

(コロイダル炭酸カルシウムの効果)
 A液としてA-3、B液としてB-1又はB-2を重量比 10:7.5となるようにPPディスポカップに計り取 り、ヘラを用いて素早く攪拌・混合して幅10m m、高さ10mmの目地へ充填した。所定時間経過 に目地をカッターナイフで切断し、断面状 を観察するとともに、硬化厚みを測定した 同時にタックフリータイムも測定した。結 を表4に示す。

 実施例14と実施例15は、B液中の第2の変成 リコーン樹脂量が同じで、A液とB液混合後 コロイダル炭酸カルシウム量と重質炭酸カ シウム量の重量比(コロイダル炭酸カルシウ 量/重質炭酸カルシウム量)は、実施例14が60/ 38、実施例15は37/60である。コロイダル炭酸カ ルシウムの量が多い実施例14の方が、コロイ ル炭酸カルシウムの量が少ない実施例15に べ、内部硬化性が優れていた。これより、B 中の第2の変成シリコーン樹脂量を同じにし 、コロイダル炭酸カルシウムの量を変化させ ることで、内部硬化性をコントロールするこ とが可能であることがわかった。

(市販品とB液混合時のタックフリータイムの 価)
 A液として、市販の一液形接着剤やシーリン グ剤を用い、B液としてB-1を用い、重量比が10 :10となるようにPPディスポカップに計り取り ヘラを用いて素早く攪拌・混合して、タッ フリータイムを測定した。結果を表5に示す 。実施例16、17、19、20、21、22で用いた市販品 はすべて変成シリコーン樹脂を主成分とする ものである。また、実施例18と23で用いた市 品は変成シリコーン・エポキシ樹脂を主成 とするものである。

 実施例16~23に示すように、変成シリコー 樹脂を含むものであればA液に市販品を用い も、B液を混合することでタックフリータイ ムを飛躍的に短縮させることができた。

 本発明によれば、従来の二液形や一液形 問題点を解決可能な新たな接着剤セットを 供することができる。二液形では、製造者 定の混合比を厳密に守らないと、硬化物が らかくなったり、硬化しなかったり、ある は逆に硬くなりすぎたりする、という問題 あったが、本発明によればこのような問題 生じることはない。また、一液形の課題で った貯蔵安定性も大幅に向上させることが 能である。また、建築現場、土木工事現場 そして工場ライン等の作業現場において、 合比を厳密に設定しなくても、目的とする 部硬化性や硬化物物性を得ることが可能と り、作業性を向上させることが可能である