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Title:
ADHESIVE SHEET FOR SEMICONDUCTOR, AND DICING TAPE INTEGRATED ADHESIVE SHEET FOR SEMICONDUCTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060927
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an adhesive sheet for a semiconductor, which has good cuttability by expanding and can be separated into pieces, and possesses an excellent capability of being embedded into concaves and convexes in a wiring board upon molding, and a dicing tape integrated adhesive sheet for a semiconductor. The adhesive sheet for a semiconductor comprises a resin composition containing a high-molecular weight component and a filler. The adhesive sheet is characterized in that the elongation at break of the adhesive sheet before curing is not more than 40% at 0°C, and the modulus of elasticity of the adhesive sheet after curing is 0.1 to 10 MPa at 175°C.

Inventors:
YAMADA MASAKI
MASHINO MICHIO
Application Number:
PCT/JP2008/070268
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
YAMADA MASAKI
MASHINO MICHIO
International Classes:
H01L21/52; C09J7/10; C09J11/04; C09J109/00; C09J201/00; H01L21/301; H01L21/683
Foreign References:
JP2003041206A2003-02-13
JP2008147641A2008-06-26
Other References:
See also references of EP 2219212A4
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 高分子量成分及びフィラーを含有する樹脂組成物からなる半導体用接着シートであって、
 硬化前の接着シートの0℃における破断伸度が40%以下であり、硬化後の接着シートの175℃における弾性率が0.1~10MPaであることを特徴とする半導体用接着シート。
 前記高分子量成分は、Tgが-10~60℃、重量平均分子量が2万~100万であることを特徴とする請求項1記載の半導体用接着シート。
 前記樹脂組成物は、その総量を100重量%とした場合、高分子量成分を50~65重量%及びフィラーを35~50重量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体用接着シート。
 前記フィラーは、一次粒子の平均粒径が0.005~0.1μmのフィラーを含有することを特徴とする請求項3記載の半導体用接着シート。
 前記一次粒子の平均粒径が0.005~0.1μmのフィラーを、樹脂組成物中に1~15重量%含有することを特徴とする請求項4記載の半導体用接着シート。
 前記樹脂組成物中に低分子量ポリマーを含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体用接着シート。
 前記低分子量ポリマーは、重量平均分子量が0.1万~1万であることを特徴とする請求項6記載の半導体用接着シート。
 前記低分子量ポリマーは、カルボキシル基を末端に有するブタジエンポリマーであることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体用接着シート。
 請求項1~8記載のいずれか一項に記載の半導体用接着シートとダイシングテープを積層してなるダイシングテープ一体型半導体用接着シート。
Description:
半導体用接着シート及びダイシ グテープ一体型半導体用接着シート

 本発明は、半導体用接着シート及びダイ ングテープ一体型半導体用接着シートに関 る。

 従来、半導体素子と半導体素子搭載用支 部材の接合には銀ペーストが主に使用され いた。しかし、近年の半導体素子の小型化 高性能化に伴い、使用される支持部材にも 型化・細密化が要求されるようになってき いる。こうした要求に対して、銀ペースト は、はみ出しや半導体素子の傾きに起因す ワイヤボンディング時における不具合の発 、接着シートの膜厚の制御困難性、および 着シートのボイド発生などにより前記要求 対処しきれなくなってきている。そのため 前記要求に対処するべく、近年、シート状 接着剤が使用されるようになってきた。

 この接着シートは、個片貼付け方式ある はウェハ裏面貼付け方式において使用され いる。前者の個片貼付け方式の接着シート 用いて半導体装置を製造する場合、リール の接着シートをカッティングあるいはパン ングによって個片に切り出した後、その個 を支持部材に接着して得た接着シート付き 持部材にダイシング工程によって個片化さ た半導体素子を接合して半導体素子付き支 部材を作製し、その後必要に応じてワイヤ ンド工程、封止工程などを経ることによっ 半導体装置が得られることとなる。しかし 前記個片貼付け方式の接着シートを用いる めには、接着シートを個片に切り出して、 の個片を支持部材に接着する専用の組立装 が必要であることから、銀ペーストを使用 る方法に比べて製造コストが高くなるとい 問題があった。

 一方、後者のウェハ裏面貼付け方式の接 シートを用いて半導体装置を製造する場合 まず半導体ウェハの裏面に接着シートを貼 け、さらに接着シートの他面にダイシング ープを貼り合わせ;その後前記ウェハをダイ シングして半導体素子に個片化し;個片化し 接着シート付き半導体素子をピックアップ それを支持部材に接合し;その後の加熱、硬 、ワイヤボンドなどの工程を経ることによ 半導体装置が得られることとなる。このウ ハ裏面貼付け方式の接着シートは、接着シ ト付き半導体素子を支持部材に接合するた 接着シートを個片化する装置を必要とせず 従来の銀ペースト用の組立装置をそのまま るいは熱盤を付加するなどの装置の一部を 良することにより使用できる。そのため、 着シートを用いた組立方法の中で製造コス が比較的安く抑えられる方法として注目さ ている。

 しかしながら、ウェハ裏面貼り付け方式 接着シートを用いる方法にあっては、ウェ のダイシング工程時に接着シートも切断す ことが必要となる。この接着シートを切断 る方法としては、ダイヤモンドブレードを いて切断する接触型の切断方法、ウェハに ーザを照射してウェハ内部に選択的に改質 を形成し、その後エキスパンドして改質部 沿ってウェハを切断すると同時に接着シー を切断する方法、または切断されたウェハ 接着シートを貼り付け、その後エキスパン してウェハ切断ラインに沿って接着シート 切断する方法(例えば、特開2006-093213号公報 照)などがある。しかし、いずれの方法にお いても、無機物で固いウェハと有機物で柔ら かい接着シートを同じ工程で切断することは 難しいため、接着シートに無機フィラーを添 加して適度な固さに調整して切断性を向上す ることが有効とされている。

 また、半導体素子をはじめとする各種電 部品を搭載した実装基板として最も重要な 性の一つとして信頼性がある。その中でも 熱疲労に対する接続信頼性は実装基板を用 た機器の信頼性に直接関係するため非常に 要な項目である。この接続信頼性を低下さ る原因として、熱膨張係数の異なる各種材 を用いていることから生じる熱応力が挙げ れる。これは、半導体素子の熱膨張係数が 4ppm/℃と小さいのに対し、電子部品を実装 る配線基板の熱膨張係数が15ppm/℃以上と大 いことから熱衝撃に対して熱ひずみが発生 、その熱ひずみによって熱応力が発生し、 の熱応力が接続信頼性を低下させる。この め、この熱応力を緩和することが接着シー としての課題となっている。また、このよ な配線基板は配線による凹凸を一般に有し おり、接合時にこの配線基板における凹凸 埋め込むことが接着シートには必要である 熱応力緩和性及び配線基板における凹凸埋 込み性などの観点から、半導体用接着シー は、硬化後の弾性率がある程度低いことが ましいが、接着シートの切断性向上のため 機フィラーを添加すると、一般的に接着シ トが高弾性化することが分かっており、半 体パッケージの信頼性と接着シートの切断 の両立が課題となっている。

 本発明の課題は、エキスパンドによる個 時の切断性が良好で、且つ接合時に配線基 の凹凸への埋め込み性が良好で信頼性に優 る半導体用接着シート及びダイシングテー 一体型半導体用接着シートを提供すること ある。

 従来の接着シートでは、エキスパンドに る接着シートの個片化を可能にするため、 脂組成物に無機フィラーを添加して、接着 ートの硬化前の破断伸度を小さくしていた 、硬化後の高温弾性率が高くなり配線基板 凹凸埋め込み性が劣っていた。

 本発明者らは、鋭意検討した結果、硬化 の接着シートの0℃における破断伸度を小さ く保ち、且つ硬化後の高温弾性率を低くでき ることを見出し、本発明を完成するに至った 。

 本発明は、(1)高分子量成分及びフィラー 含有する樹脂組成物からなる半導体用接着 ートであって、硬化前の接着シートの0℃に おける破断伸度が40%以下であり、硬化後の接 着シートの175℃における弾性率が0.1~10MPaであ ることを特徴とする半導体用接着シートに関 する。

 また、本発明は、(2)前記高分子量成分は Tgが-10~60℃、重量平均分子量が2万~100万であ ることを特徴とする前記(1)記載の半導体用接 着シートに関する。

 また、本発明は、(3)前記樹脂組成物は、 の総量を100重量%とした場合、高分子量成分 を50~65重量%及びフィラーを35~50重量%含有する ことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の半 導体用接着シートに関する。

 また、本発明は、(4)前記フィラーは、一 粒子の平均粒径が0.005~0.1μmのフィラーを含 することを特徴とする前記(3)記載の半導体 接着シートに関する。

 また、本発明は、(5)前記一次粒子の平均 径が0.005~0.1μmのフィラーを、樹脂組成物中 1~15重量%含有することを特徴とする前記(4) 載の半導体用接着シートに関する。

 また、本発明は、(6)前記樹脂組成物中に 分子量ポリマーを含有することを特徴とす 前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の半導体用 接着シートに関する。

 また、本発明は、(7)前記低分子量ポリマ は、重量平均分子量が0.1万~1万であること 特徴とする前記(6)記載の半導体用接着シー に関する。

 また、本発明は、(8)前記低分子量ポリマ は、カルボキシル基を末端に有するブタジ ンポリマーであることを特徴とする前記(6) たは(7)に記載の半導体用接着シートに関す 。

 また、本発明は、(9)前記(1)~(8)記載のいず れか一項に記載の半導体用接着シートとダイ シングテープを積層してなるダイシングテー プ一体型半導体用接着シートに関する。

 本発明によれば、半導体装置を製造する の接着シート付半導体素子に個片化する工 において、エキスパンドによる接着シート 切断性が良好で、且つ接合時に配線基板の 凸への埋め込み性が良好で信頼性に優れる 導体用接着シート及びダイシングテープ一 型半導体用接着シートが得られる。

 本発明の半導体用接着シートは、高分子 成分及びフィラーを含有する樹脂組成物か なる半導体用接着シートであって、硬化前 接着シートの0℃における破断伸度が40%以下 であり、硬化後の接着シートの175℃における 弾性率が0.1~10MPaであることを特徴とする。

 ここで、硬化前の接着シートとはBステー ジ状態にある接着シートを指す。

 本発明の半導体用接着シートは、硬化前 接着シートの0℃における破断伸度が40%以下 であることが重要であり、40%を越える場合は エキスパンドによる接着シートの切断性が劣 ってしまう。前記破断伸度は、好ましくは35% 以下、より好ましくは30%以下である。

 前記破断伸度は、テンシロン(TOYO BALDWIN製 UTM-III-500)を使用し、チャック間距離20mm、引 り速度3mm/分、温度0℃の条件で、硬化前の さ40μmの接着シートを引張り、破断時の接着 シートの長さを測定し、以下の式により求め ることができる。
 破断伸度(%)=(破断時の接着シートの長さ(mm)- 20)/20×100
 本発明の接着シートにおいて、硬化前の接 シートの0℃における破断伸度を40%以下にす るには、樹脂組成物中の高分子量成分及びフ ィラーの含有量を調整すればよい。具体的に は、樹脂組成物中の高分子量成分の含有量を 下げ、かつ、フィラーの含有量を上げること が有効であり、樹脂組成物中の高分子量成分 の含有量を65重量以下%及びフィラーの含有量 を35重量%以上とすることがより有効であり、 高分子量成分の含有量を50~65重量%及びフィラ ーの含有量を35~50重量%とすることが特に有効 である。

 本発明の半導体用接着シートは、硬化後 接着シートの175℃における弾性率が0.1~10MPa あることが重要であり、0.1MPa未満では信頼 が低下し、10MPaを超えると配線基板の凹凸 の埋め込み性が低下してしまう。前記弾性 は、好ましくは1~9MPa、より好ましくは3~8MPa ある。

 前記弾性率は、動的粘弾性測定装置(レオ ロジ社製、DVE-V4)を使用し、接着シート(幅4mm 厚さ40μm)を175℃で3時間硬化させた後の硬化 物に引張り荷重(10g)をかけて、チャック間距 20mm、周波数10Hz、昇温速度3℃/分で25℃から3 00℃まで測定する温度依存性測定モードで測 することができる。

 本発明の接着シートにおいて、硬化後の 着シートの175℃における弾性率を0.1~10MPaに るには樹脂組成物中の高分子量成分及びフ ラーの含有量を調整すればよい。具体的に 、樹脂組成物中の高分子量成分の含有量を げ、かつ、フィラーの含有量を下げること 有効であり、樹脂組成物中の高分子量成分 含有量を50重量%以上及びフィラーの含有量 50重量%以下とすることがより有効であり、 分子量成分の含有量を50~65重量%及びフィラ の含有量を35~50重量%とすることが特に有効 ある。

 本発明の接着シートは、高分子量成分及 フィラーを含有する樹脂組成物からなる。

 高分子量成分は、Tg(ガラス転移温度)が-10 ~60℃であることが好ましく、-5~10℃であるこ がより好ましく、0~5℃であることが特に好 しい。前記Tgを-10℃以上にすることにより エキスパンド時におけるダイシングテープ 破断を防ぎ、60℃以下にすることにより接着 シートの軟化を抑え、エキスパンド時におけ る接着シートの切断を良好なものにしやすく なる。

 前記高分子量成分は、重量平均分子量が2 万~100万であることが好ましく、10万~90万であ ることがより好ましく、50万~80万であること 特に好ましい。前記重量平均分子量を2万以 上にすることにより、接着シートの強度や可 撓性が低下するのを抑制し、タック性が増大 するのを防ぐことが出来、100万以下にするこ とにより、樹脂組成物の溶剤への溶解性が低 下せず、作業がしやすくなる。なお、重量平 均分子量は、ゲルパーミエーションクロマト グラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる 量線を用いたポリスチレン換算値である。

 前記高分子量成分の含有量は、樹脂組成 の総量を100重量%とした場合、50~65重量%であ ることが好ましく、52~63重量%であることがよ り好ましく、53~60重量%であることが特に好ま しい。前記含有量が50重量%未満では、硬化後 の接着シートの175℃における弾性率が高くな り、配線基板の凹凸への埋め込み性が低下す る可能性がある。前記含有量が65重量%を越え ると、硬化前の接着シートの0℃における破 伸度が大きくなり、エキスパンドによる接 シートの切断性が劣り個片化が困難となる 能性があり、また、硬化後の接着シートの17 5℃における弾性率が低くなり信頼性が低下 る可能性がある。

 本発明で用いられる高分子量成分として 、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ ミドイミド樹脂、アクリル系共重合体など 挙げられるが、エポキシ樹脂と非相溶であ グリシジルアクリレート又はグリシジルメ クリレートなどの官能性モノマーを含有す エポキシ基含有アクリル系共重合体が好ま い。官能性モノマーとして、アクリル酸な のカルボン酸タイプや、ヒドロキシメチル( メタ)アクリレートなどの水酸基タイプを含 アクリル系共重合体を用いると、橋架け反 が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、 化前の状態における硬化度上昇による接着 の低下等の問題があるため好ましくない。

 前記エポキシ基含有アクリル系共重合体 含まれるグリシジル(メタ)アクリレートの 有量は、好ましくは1~6重量%、より好ましく 2~5重量%である。前記含有量を1重量%以上に ることにより、接着力の低下を防ぎ、6重量 %以下にすることによりゲル化を抑制しやす なる。前記グリシジル(メタ)アクリレートの 含有量は、共重合体を構成するモノマーの全 重量に対するグリシジル(メタ)アクリレート 重量の割合を示す。

 前記エポキシ基含有アクリル系共重合体 Tgは、-10℃~60℃であることが好ましい。前 Tgを-10℃以上にすることにより、硬化前の状 態での接着剤層のタック性が増大するのを防 ぎ、取り扱い性が良好になる。一方、前記Tg 60℃以下にすることにより、接着シートの 化を抑え、エキスパンド時における接着シ トの切断を良好なものにしやすくなる。ま 、前記エポキシ基含有アクリル系共重合体 重量平均分子量は、耐熱性の観点から、好 しくは50万以上、より好ましくは60万~80万で る。このようなエポキシ基含有アクリル系 重合体としては、特に制限が無く、ナガセ ムテック株式会社から市販されている商品 HTR―860P-3DR等を用いることができる。また エポキシ基含有アクリル系共重合体を合成 より得る方法としては、グリシジル(メタ)ア クリレートと、エチル(メタ)アクリレートや チル(メタ)アクリレートまたは両者の混合 とをモノマーとして用い、パール重合法、 液重合法などの公知の方法により重合する 法が挙げられる。

 本発明において、樹脂組成物は、耐熱性 観点からフィラーを含有する。フィラーと ては、特に限定されないが、無機フィラー 好ましく、例えば、水酸化アルミニウム、 酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸 グネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マ ネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシ ム、アルミナ、窒化アルミニウム、ホウ酸 ルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ 非晶性シリカ、アンチモン酸化物などが挙 られる。熱伝導性向上のためには、アルミ 、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性 リカ、非晶性シリカ等が好ましい。溶融粘 の調整やチクソトロピック性の付与の目的 は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、 イ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸 カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ 結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい また、耐湿性を向上させるためにはアルミ 、シリカ、水酸化アルミニウム、アンチモ 酸化物などが好ましい。これらのなかでも 汎用性の観点からシリカがより好ましい。

 前記フィラーの含有量は、樹脂組成物の 量を100重量%とした場合、35~50重量%であるこ とが好ましく、27~48重量%であることがより好 ましく、27~40重量%が特に好ましい。前記含有 量が35重量%未満では、硬化前の接着シートの 0℃における破断伸度を小さくすることが難 くなり、50重量%を越えると接着シートの濡 性が低下し、ウェハ貼付性、信頼性が低下 る可能性がある。

 前記フィラーの平均粒径は、特に限定する のでは無いが、一次粒子の平均粒径が0.005~1 0μmであることが好ましい。前記平均粒径を10 μm以下にすることにより、接着シートを薄膜 化しやすく、0.005μm以上にすることにより作 性が良好になる。フィラーの含有量を高め 弾性率及び埋め込み性を良好なものにする いう点で、上記の平均粒径の範囲であれば 異なる粒径分布をもつ複数種のフィラーを 合して使用することが好ましい。硬化前の 着シートの0℃における破断伸度を小さくす るためには、一次粒子の平均粒径が0.005~0.1μm であるフィラーを含有することが好ましく、 0.010~0.05μmであるフィラーを含有することが り好ましく、0.015~0.03μmであるフィラーを含 することが特に好ましい。前記一次粒子の 均粒径が0.005~0.1μmであるフィラーの含有量 、樹脂組成物中に、1~15重量%含有すること 好ましく、2~13重量%含有することがより好ま しい。前記含有量を1重量%以上にすることに り、破断伸度を小さくしやすくなり、15重 %以下にすることにより接着剤層のタック性 低下を防ぎ、取り扱い性が良好になる。
 前記平均粒径は、例えばレーザー光回折法 よる粒度分布測定により測定することがで る。また、平均粒径はメジアン径として求 ることができる。

 本発明において、樹脂組成物は接着性の 点から樹脂成分を含有することが好ましい 樹脂成分としては、アクリル樹脂、メタク ル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、 ェノール樹脂、クレゾール樹脂、シアネー 樹脂などが挙げられるが、耐熱性の向上の めには、熱硬化性の官能基を含有すること 好ましく、なかでもエポキシ樹脂がより好 しい。エポキシ樹脂としては、例えば、油 シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコ ート1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、100 9、1003F、1004F、ダウケミカル日本株式会社製 商品名:D.E.R.661、662、663U、664、664U、667、642U 、672U、673MF、668、669等のビスフェノールA型 ポキシ樹脂;東都化成株式会社製、商品名:YDF -2004、YDF-8170C等のビスフェノールF型エポキシ 樹脂;日本化薬株式会社製、商品名:EPPN-201等 フェノールノボラック型エポキシ樹脂;油化 ェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコー ト180S65、チバスペシャリティーケミカルズ社 製、商品名:アラルダイトECN1273、1280、1299、 都化成株式会社製、商品名:YDCN-701、702、703 704、700-10、日本化薬株式会社製、商品名:EOCN -1020、102S、103S、104S、住友化学工業株式会社 、商品名:ESCN-195X、200L、220等のクレゾール ボラック型エポキシ樹脂;油化シェルエポキ 株式会社製、商品名:Epon1031S、エピコート103 2H60、157S70、日本化薬株式会社製、商品名:EPPN 501H、502H等の多官能エポキシ樹脂;チバスペシ ャリティーケミカルズ社製、商品名:アラル イトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂;等が げられるが、これらに限定されるものでは い。

 エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に 定するものではないが、400~10,000であること が好ましく、500~5,000であることがより好まし く、600~3,000であることが特に好ましい。前記 重量平均分子量が400未満では、低粘度の液状 である場合が多く、接着シートの破断性を低 下させる可能性がある。前記重量平均分子量 が10000を超えると、高分子量化に伴い、樹脂 での分子の絡み合いにより、溶剤への溶解 が低下し、作業性が低下しやすくなる。

 樹脂成分として熱硬化性樹脂を使用する 合は、硬化剤を併用することが好ましく、 らに硬化促進剤を併用することが好ましい

 本発明で使用される硬化剤としては、熱 化性樹脂の硬化剤として通常用いられてい 硬化剤であれば特に限定されず、例えば、 ミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスル ィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、 ビスフェノールF,ビスフェノールSのようなフ ェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する スフェノール類、フェノールノボラック樹 、ビスフェノールAノボラック樹脂またはク レゾールノボラック樹脂などのフェノール樹 脂などが挙げられる。

 これらのなかでも、耐熱性の観点から、 ェノール樹脂が好ましく、85℃、湿度85%RHの 恒温恒湿槽に48時間投入後の吸水率が2重量% 下であるフェノール樹脂がより好ましく、 らに熱重量分析計(TGA)で測定した350℃での加 熱質量減少率(昇温速度:5℃/分、雰囲気:窒素) が5重量%未満であるフェノール樹脂が特に好 しい。かかるフェノール樹脂は、フェノー 化合物と2価の連結基であるキシリレン化合 物を、無触媒または酸触媒の存在下に反応さ せて得られる。市販品としては、三井化学株 式会社製、商品名:ミレックスXLC-シリーズ、X Lシリーズなどがある。

 熱硬化性樹脂と硬化剤の配合割合は、特 限定するものではないが、化学量論の観点 ら、反応基当量が同じであることが好まし 。

 また、本発明で使用される硬化促進剤と ては、特に制限が無く、例えば、4級ホスホ ニウム塩類、4級アンモニウム塩類、イミダ ール類、DBU脂肪酸塩類、金属キレート類、 属塩類、トリフェニルフォスフィン類等を いることができる。これらは1種を単独で又 2種以上を併用して用いられる。これら硬化 促進剤のなかでも、イミダゾール類が好まし く、その具体例としては、2-メチルイミダゾ ル、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シア ノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノ チル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテ ト等が挙げられる。

 硬化促進剤の添加量は、熱硬化性樹脂及 硬化剤との総量100重量部に対して、好まし は0.001~5重量部、より好ましくは0.05~3重量部 である。

 本発明において、樹脂組成物は、破断性 観点から、低分子量ポリマーを含有するこ が好ましい。低分子量ポリマーの重量平均 子量は、特に限定するものではないが、0.1 ~1万であることが好ましく、0.2万~1万である ことがより好ましく、0.3万~0.5万であること 特に好ましい。前記重量平均分子量が0.1万 満では、低粘度の液状である場合が多く、 着シートの破断性を低下させる可能性があ 。前記重量平均分子量が1万を超えると、高 子量化に伴い、樹脂間での分子の絡み合い より、接着シートの破断性を低下させる可 性がある。

 本発明で用いられる低分子量ポリマーは カルボキシル基を末端に有するブタジエン ホモポリマー又はコポリマーを含有するこ が好ましく、例えば好適に使用できるもの して、カルボキシル基を末端に有するアク ロニトリルポリブタジエン共重合体である Hycar CTB-2009×162、CTBN-1300×31、CTBN-1300×8、CTBN -1300×13、CTBNX-1300×9(いずれも宇部興産株式会 製)や、カルボキシル基を末端に有する液状 ポリブタジエンである、NISSO-PB-C-2000(日本曹 株式会社製)などが挙げられる。これらは単 で、または2種以上を組み合わせて用いるこ とができる。

 本発明において、樹脂組成物は、異種材 間の界面結合を良くするために、各種カッ リング剤を含有することが好ましい。カッ リング剤としては、シラン系カップリング 、チタン系カップリング剤、アルミニウム カップリング剤などが挙げられるが、シラ 系カップリング剤が最も好ましい。

 シラン系カップリング剤としては、特に 限は無く、例えば、ビニルトリクロルシラ 、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラ 、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ トキシシラン等のビニルシラン類;γ-メタク ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メ クリロキシプロピルメチルジメトキシシラ 、3-メタクリロキシプロピル-トリメトキシ ラン、メチルトリ(メタクリロイルオキシエ トキシ)シラン等のメタクリロイルシラン類; -(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ キシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリ トキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメ ルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロ ルメチルジエトキシシラン、メチルトリ(グ リシジルオキシ)シラン等のエポキシ基含有 ラン類;N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピル リメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-ア ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-ア ノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニ -γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、3- ミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-ア ミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノ ロピル-トリス(2-メトキシ-エトキシ-エトキ )シラン、N-メチル-3-アミノプロピルトリメ キシシラン、トリアミノプロピル-トリメト キシシラン、3-4,5-ジヒドロイミダゾール-1-イ ル-プロピルトリメトキシシラン、アミルト クロロシラン等のアミノシラン類;γ-メルカ トプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカ トプロピルトリエトキシシラン、3-メルカ トプロピル-メチルジメトキシシラン等のメ カプトシラン類;3-ウレイドプロピルトリエ キシシラン、3-ウレイドプロピルトリメト シシラン等の尿素結合含有シラン類;トリメ ルシリルイソシアネート、ジメチルシリル ソシアネート、メチルシリルトリイソシア ート、ビニルシリルトリイソシアネート、 ェニルシリルトリイソシアネート、テトラ ソシアネートシラン、エトキシシランイソ アネート等のイソシアネート基含有シラン ;3-クロロプロピル-メチルジメトキシシラン 、3-クロロプロピル-ジメトキシシラン、3-シ ノプロピル-トリエトキシシラン、ヘキサメ チルジシラザン、N,O-ビス(トリメチルシリル) アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、 メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロ ロシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、 ソブチルトリメトキシシラン、オクチルト エトキシシラン、フェニルトリメトキシシ ン、フェニルトリエトキシシラン、N-β(N-ビ ニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピ トリメトキシシラン、オクタデシルジメチ 〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモ ニウムクロライド、γ-クロロプロピルメチル ジクロロシラン、γ-クロロプロピルメチルジ メトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジ エトキシシランなどを使用することができる 。これらカップリング剤は1種を単独で又は2 以上を併用して使用することができる。

 本発明の半導体用接着シートは、高分子 成分及びフィラー、さらに必要に応じてそ 他の成分を含有する樹脂組成物を溶剤に溶 あるいは分散してワニスを調製し、支持体 ィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去するこ によって得ることができる。

 前記支持体フィルムとしては、ポリテトラ ルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテ フタレートフィルム、ポリエチレンフィル 、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペ テンフィルム、ポリエチレンナフタレート ィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテ アミドイミドフィルム、ポリアミドフィル 、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミド ィルムなどのプラスチックフィルムを使用 ることができ、また、必要に応じて、これ プラスチックフィルムはプライマー塗布、U V処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチ グ処理、離型処理等の表面処理を行っても い。支持体フィルムは、使用時に剥離して 着剤層のみを使用することもできるし、支 体フィルムと接着剤層が積層した状態で使 し、後で支持体フィルムを除去することも きる。支持体フィルムの厚さは、特に制限 れず適宜選択されるが、10~100μmであること 好ましい。
 ワニスの調製に用いる溶剤としては、各成 を均一に溶解、混練又は分散できるもので れば制限は無く、従来公知のものを使用す ことができる。例えば、接着シート作製時 揮発性等を考慮し、メチルエチルケトン、 セトン、メチルイソブチルケトン、2-エト シエタノール、トルエン、キシレン、ブチ セロソルブ、メタノール、エタノール、2-メ トキシエタノールなど比較的低沸点の溶剤を 使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上 させるなどの目的で、ジメチルアセトアミド 、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリド 、シクロヘキサノンなど比較的高沸点の溶 を加えることもできる。

 ワニスの調製に用いる際の溶剤の使用量 は特に制限はなく、溶剤は加熱乾燥などに り接着シートから除去されるものであるが 接着シート調製後の溶剤量は全重量基準で2 重量%以下であることが好ましく、作業性の 点からは全重量基準で1重量%以下であること がより好ましい。

 樹脂組成物がフィラーを含む場合のワニ の調製は、フィラーの分散性を考慮して、 いかい機、3本ロール、ボールミル及びビー ズミルなどを使用することが好ましく、これ らを組み合せて使用することもできる。また 、フィラーと低分子量物をあらかじめ混合し た後、高分子量物を配合することによって、 混合する時間を短縮することも可能となる。 また、ワニスを調製した後、真空脱気等によ ってワニス中の気泡を除去することもできる 。

 支持体フィルム上にワニスを塗布する方 としては、公知の方法を用いることができ 例えば、ナイフコート法、ロールコート法 スプレーコート法、グラビアコート法、バ コート法、カーテンコート法等が挙げられ 。

 支持体フィルムに形成された接着剤層の みは、Bステージ状態の膜厚として、1~100μm あることが好ましいが、これに制限される のでは無い。前記膜厚を1μm以上にすること により成膜性が良好になり、100μm以下にする ことにより経済的である。また、本発明の接 着シートにおける接着剤層は、所望の厚さを 得るために、2枚以上を貼り合わせることも きる。この場合には、接着剤層同士の剥離 発生しないような貼り合わせ条件が必要で る。

 本発明の接着シートの厚さは、1~100μmで ることが好ましいが、これに制限されるも では無い。前記シートの厚さを1μm以上にす ことによりシート形状を保持しやすく、100 m以下にすることにより破断性が良好になる

 本発明の接着シートは、それ自体で用い も構わないが、一実施態様として、本発明 接着シートを従来公知のダイシングテープ に積層したダイシングテープ一体型半導体 接着シートとして用いることもできる。こ 場合、ウェハへのラミネート工程が一回で む点で、作業の効率化が可能である。

 本発明に使用するダイシングテープとし は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィ ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレ フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、 リイミドフィルムなどのプラスチックフィ ム等が挙げられる。また、必要に応じてプ イマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研 処理、エッチング処理等の表面処理を行っ も良い。ダイシングテープは粘着性を有す ことが必要であり、ダイシングテープの片 に粘着剤層を設けても良い。これは、粘着 層の樹脂組成物において、特に液状成分の 率、高分子量成分のTgを調整することによっ て得られる適度なタック強度を有する樹脂組 成物を塗布乾燥することで形成可能である。

 ダイシングテープの膜厚は、特に制限は く、接着シートの膜厚やダイシングテープ 体型接着シートの用途によって適宜、当業 の知識に基づいて定められるものであるが 経済性がよく、フィルムの取扱い性が良い で60~200μm、好ましくは70~170μmである。

 また、本発明の接着シートを半導体装置 製造する際に用いた場合、当該接着シート ダイシング時には半導体素子が飛散しない 着力を有し、その後ピックアップ時にはダ シングテープから剥離できることが必要で る。例えば、接着シートやダイシングテー の粘着性が高すぎて両者を張り合わせたと のピール強度が150N/m以上の場合、分離が困 になることがある。そのため、適宜、接着 ートのタック強度を調節することが好まし 、その方法としては、接着シートの室温に ける流動性を上昇させることにより、接着 度及びタック強度も上昇する傾向があり、 動性を低下させれば接着強度及びタック強 も低下する傾向があることを利用すればよ 。例えば、流動性を上昇させる場合には、 塑剤の含有量の増加、粘着付与剤含有量の 加等の方法がある。逆に流動性を低下させ 場合には、前記可塑剤の含有量を減らせば い。前記可塑剤としては、例えば、単官能 アクリルモノマー、単官能エポキシ樹脂、 状エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、エポキ 系のいわゆる希釈剤等が挙げられる。

 接着シートとダイシングテープを積層し ダイシングテープ一体型接着シートの、ダ シングの際のピール強度は、150N/m未満であ ことが好ましく、50N/m以下であることがよ 好ましい。ダイシングテープ上に接着シー を積層する方法としては、印刷のほか、予 作成した接着シートをダイシングテープ上 プレスしてラミネートするロールラミネー 方法が挙げられ、必要に応じ加熱しても良 。連続的に製造でき、効率が良い点でロー ラミネート方法が好ましい。

 以下、本発明を実施例により詳細に説明 るが、本発明はこれらに限定されるもので ない。

実施例1~3及び比較例1~8
<接着シートの作製>
 エポキシ樹脂としてYDCN-700-10(東都化成株式 社製商品名、クレゾールノボラック型エポ シ樹脂、エポキシ当量210)またはYDF-8170C(東 化成株式会社製商品名、BPF型エポキシ樹脂 エポキシ当量160)、フェノール樹脂としてミ ックスXLC-LL(三井化学株式会社製商品名、フ ェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、35 0℃における加熱質量減少率4%)またはLF-2882(大 日本インキ化学工業株式会社製商品名、フェ ノールノボラック樹脂)、シランカップリン 剤としてA-1160(GE東芝株式会社製商品名、γ― ウレイドプロピルトリエトキシシラン)、フ ラーとしてSO-C2(株式会社アドマテック製商 名、シリカ、比表面積7m 2 /g、平均粒径0.4~0.6μm)またはアエロジルR972(日 本アエロジル株式会社製商品名、シリカ、平 均粒径0.016μm)を表1に示す所定量含有する組 物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合 、さらにビーズミルを用いて90分混練した。

 これに高分子量成分としてHTR-860P-3DR(ナガ セケムテック株式会社製商品名、重量平均分 子量が70万、Tgが5℃、グリシジルアクリレー 又はグリシジルメタクリレート2~6重量%を含 むアクリルゴム)、低分子量ポリマーとしてCT BNX-1300×9(宇部興産株式会社製商品名、重量平 均分子量が3500、カルボキシル基を末端に有 るアクリロニトリルポリブタジエン共重合 )、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ-CN(四国 化成株式会社製商品名、1-シアノエチル-2-フ ニルイミダゾール)を、表1に示す所定量を 合攪拌し、真空脱気して、溶剤分20%のワニ を得た。

 ワニスを、支持体フィルムとして厚さ75μ mの離型処理したポリエチレンテレフタレー フィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥 て、膜厚が40μmのBステージ状態(硬化前)の 膜を形成し、支持体フィルムを備えた接着 ートを作製した。

 表1に実施例1~3、比較例1~8の各成分の配合 重量部を示す。

<接着シートの評価方法>
 前記実施例1~3、比較例1~8で得られた各接着 ートに関し、以下の項目について評価を行 った。
(1)硬化前の破断伸度
 テンシロン(TOYO BALDWIN製、UTM-III-500)を使用 、チャック間距離20mm、引張り速度3mm/分、温 度0℃の条件で、支持体フィルムを剥離した 化前の厚さ40μmの接着シートを引張り、破断 時のシートの長さを測定し、以下の式により 破断伸度(%)を求めた。結果を表1に示す。

破断伸度(%)=(破断時の接着シートの長さ(mm)-20 )/20×100
(2)硬化後の弾性率
 動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE-V4) 使用し、接着シート(幅4mm、厚さ40μm)を175℃ 3時間熱硬化させた後、支持体フィルムを剥 離して得られた硬化物に引張り荷重(10g)をか て、チャック間距離20mm、周波数10Hz、昇温 度3℃/分で25℃から300℃まで測定する温度依 性測定モードで測定した。結果を表1に示す 。

(3)接着シートの切断性
 オートグラフ(島津製作所製、AGS-1000G)を使 し、支持体フィルムを剥離した接着シート ウェハに80℃の温度で熱ラミネートした後、 ウェハ中央部にダイヤモンドカッターで切込 みを入れ、ウェハのみを切断した。切断され たウェハを有する接着シート付ウェハを冷却 し、オートグラフに取り付け、0℃の状態で キスパンドを行い、接着シートの切断性を 視観察した。エキスパンド条件は、エキス ンド速度50mm/分、エキスパンド量1mmとする。 接着シートを切断できた場合を「○」、切断 できなかった場合は「×」として、表1に示す 。

(4)配線基板の凹凸への埋め込み性
 上記実施例1~3及び比較例1~8の接着シートの 着剤層をそれぞれ半導体ウェハに貼り合せ 必要に応じて支持体フィルムを剥離した後 、接着層を介して半導体ウェハを市販の紫 線硬化型ダイシングテープ(古河電工株式会 社製商品名:UC-334EP-110)に貼り合せた。このダ シングテープは基材上に粘着剤層が形成さ たものであり、貼り合わせの際には、ダイ ングテープの粘着剤層と接着シートの接着 層とが接合するようにした。続いて、ダイ ーを用いて半導体ウェハ及び接着剤層をダ シングした後、ダイシングテープの基材側 ら紫外線を照射(500mJ/cm 2 )して、接着剤層と粘着剤層との間を離間さ ることにより、接着剤層付き半導体素子を た。得られた接着剤層付き半導体素子を、 着剤層を介して、平均約10μm凹凸のある配線 基材上に150℃で0.4×9.8Nの力を3秒間加えなが 加熱圧着した。その後、高温加熱する場合 は、170℃のホットプレート上で1時間加熱し 、ワイヤボンディングと同等の熱履歴を与 た。

 次に、エポキシ封止樹脂(日立化成工業株 式会社製商品名:CEL-9700HF)を用いて180℃、6.75MP a、90秒の条件で樹脂封止して、半導体装置の サンプルを製造した。

 各サンプルについて、超音波探査映像装置 用いて、樹脂封止後の配線基板の凹凸への め込み性を、接着剤層と配線基材の間にお るボイドの有無で評価した。ボイドが確認 れなかった場合を「○」、ボイドが確認さ た場合を「×」として、表1に示す。

 実施例1~3の接着シートは、硬化前の破断 度が少なく、接着シートの切断性が良好で り、且つ硬化後の弾性率が低く、配線基板 凹凸への埋め込み性に優れている。硬化後 弾性率が高い比較例1、2、3、7及び8の接着 ートは、配線基板の凹凸への埋め込み性に っていることが分る。硬化前の破断伸度が きい比較例4~6の接着シートは、接着シート 切断性に劣っていることが分る。