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Patent Searching and Data


Title:
AGENT FOR IMPROVING ATTENTION AND CONCENTRATION POWERS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096505
Kind Code:
A1
Abstract:
There have been required drugs, health foods and so on whereby subjective symptoms, for example, decline in clear thinking, defocusing and decline in memory of trivial matters can be reduced and the quality of life of people having these symptoms can be improved. Provided is an agent for improving attention and concentration powers. An agent for improving attention and concentration powers which contains citrulline or a salt thereof as the active ingredient can be provided.

Inventors:
OCHIAI MASAYUKI
MORISHITA KOJI
Application Number:
PCT/JP2009/051535
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KYOWA HAKKO BIO CO LTD (JP)
OCHIAI MASAYUKI
MORISHITA KOJI
International Classes:
A61K31/198; A23L1/305; A61P25/28; A61P43/00; C07C275/16
Foreign References:
US20060046982A12006-03-02
JP2005179207A2005-07-07
JPH06170003A1994-06-21
Other References:
PROC. NATL. ACAD. SCI. U.S.A., vol. 102, no. 38, 2005, pages 13681 - 13686
AMINO ACIDS., vol. 29, 2005, pages 177 - 205
EUROPEAN JOURNAL OF PHARMACOLOGY, vol. 455, 2002, pages 149 - 160
GASTROENTEROLOGY, vol. 112, 1997, pages 1250 - 1259
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Claims:
 シトルリンまたはその塩を有効成分として含有する注意集中力向上剤。
 シトルリンまたはその塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、注意集中力向上方法。
 注意集中力向上剤の製造のための、シトルリンまたはその塩の使用。
 注意集中力向上剤として使用するためのシトルリンまたはその塩。
Description:
注意集中力向上剤

 本発明は、シトルリンまたはその塩を有 成分として含有する注意集中力向上剤に関 る。

 注意力および集中力は日常生活の様々な 面において必要な能力である。例えば、運 でのパフォーマンス向上や学習、仕事にお る作業効率の最大化を図る上では欠かすこ のできない能力と言える。こうした能力を めるために、メンタルトレーニングやマイ ドコントロールといった種々のトレーニン 方法が確立されている。また、最近では抗 トレスやリラックス効果を促すことにより 意集中力を高めるといった食品素材なども られている(特許文献1)。

 L-シトルリンは、生体内でタンパク質の 成原料としては使われず、遊離の状態で存 するアミノ酸の一種である。体内ではアル ニン前駆体としてアルギニン生合成や、一 化窒素(NO)の供給に関わるNOサイクルの構成 子として重要な役割を果たしている。シト リンを経口摂取すると大部分が腎臓でアル ニンに変換され、全身に効率よくアルギニ が供給されることが知られている(非特許文 1)。また、シトルリンやアルギニンの摂取 より、血管拡張因子であるNO産生を介した血 流改善効果が報告されている(非特許文献2)。

 脳血流の改善により脳機能を改善する素材 してハーブの1つであるイチョウ葉エキスが 知られており、痴呆の改善(非特許文献3)や虚 血による脳機能障害の改善(非特許文献4)など の報告があるが、注意集中力との関連性は知 られていない。また、アルギニンには脳血流 を促進するとの報告があるが、注意集中力に 対する効果は明らかではない。
「アミノ アシッズ(Amino Acids)」、2005年 第29巻、p.177-205 「ピー エヌ エー エス(PNAS)」2005年、 102巻、p.13681-13686 「ジェー エー エム エー(JAMA)」、1997 、第278巻、p.1327-1332 「ジャーナル オブ ニューロサイエン  リサーチ(Journal of Neurosciense Research)」、20 02年、第68巻、p.636-645

特開2005-232045号公報

 本発明の目的は、考えがまとまらない、 が散る、ちょっとしたことが思い出せない の自覚症状を持つ者に対して、注意集中力 上剤を提供することにある。

 本発明は、下記の(1)~(4)に関する。
(1)シトルリンまたはその塩を有効成分として 含有する注意集中力向上剤。
(2)シトルリンまたはその塩の有効量を、必要 とする対象に投与することを含む、注意集中 力向上方法。
(3)注意集中力向上剤の製造のための、シトル リンまたはその塩の使用。
(4)注意集中力向上剤として使用するためのシ トルリンまたはその塩。

図1は、シトルリンの注意集中力向上効 果を表すグラフである。縦軸は体感指数の変 化の平均値を示す。

 本発明で用いられるシトルリンとしては、L -シトルリンおよびD-シトルリンがあげられる が、L-シトルリンが好ましい。
 シトルリンは、化学的に合成する方法、発 生産する方法等により取得することができ 。また、シトルリンは、市販品を購入する とにより取得することもできる。
 シトルリンを化学的に合成する方法として 、例えば、J. Biol. Chem.,  122 , 477(1938)、J.Org.Chem.,  6 , 410(1941)に記載の方法があげられる。

 L-シトルリンを発酵生産する方法としては 例えば、特開昭53-075387号公報、特開昭63-06809 1号公報に記載の方法があげられる。
 また、L-シトルリンおよびD-シトルリンは、 シグマ-アルドリッチ社等より購入すること できる。
 シトルリンの塩としては、酸付加塩、金属 、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、ア ノ酸付加塩等があげられる。

 酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸 、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイ 酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸 、乳酸塩、α-ケトグルタル酸塩、グルコン 塩、カプリル酸塩等の有機酸塩があげられ 。
 金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム 等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カ シウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミ ウム塩、亜鉛塩等があげられる。

 アンモニウム塩としては、アンモニウム、 トラメチルアンモニウム等の塩があげられ 。
 有機アミン付加塩としては、モルホリン、 ペリジン等の塩があげられる。
 アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェ ルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グ タミン酸等の塩があげられる。

 上記のシトルリンの塩のうち、リンゴ酸塩 好ましく用いられるが、他の塩、または2以 上の塩を適宜組み合わせて用いてもよい。
 本発明の注意集中力向上剤としては、シト リンまたはその塩をそのまま投与すること 可能であるが、通常各種の製剤として提供 るのが望ましい。
 製剤は、有効成分を薬理学的に許容される 種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、 剤学の技術分野においてよく知られている 意の方法により製造することができる。ま 、該製剤は更に任意の他の治療のための有 成分を含有していてもよい。

 製剤化する際には、賦形剤、結合剤、崩壊 、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈 、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加 を用いることができる。
 剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤 丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセ 剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エ ス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、 射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等の非経 剤のいずれでもよいが、経口剤として好適 用いられる。

 例えば、経口投与に適当な剤形が、錠剤 散剤および顆粒剤等の場合には、乳糖、ブ ウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコ 等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ 、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等 無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲ チアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒 、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロ スナトリウム、カルメロースカルシウム、 酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アル ン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸 グネシウム、タルク、水素添加植物油、マ ロゴール、シリコーン油等の滑沢剤、ポリ ニールアルコール、ヒドロキシプロピルセ ロース、メチルセルロース、エチルセルロ ス、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液 の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤 グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤 することができる。

 経口投与に適当な剤形が、シロップ剤の うな液体調製物である場合は、水、蔗糖、 ルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレン リコール、プロピレングリコール等のグリ ール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の 類、p-ヒドロキシ安息香酸エステル類等の 腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラ キシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパ ミント等のフレーバー類などを添加して製 化することができる。

 非経口投与に適当な剤形が、注射剤の場合 は、好ましくは受容者の血液と等張である トルリンまたはその塩を含む滅菌水性剤か なる。例えば、塩溶液、ブドウ糖溶液また 塩溶液とブドウ糖溶液の混合物からなる担 等を用いて注射用の溶液を調製することが きる。
 また、経口投与に適当な製剤には、一般に 食品に用いられる添加剤、例えば甘味料、 色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、 色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦 料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化 、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物 が添加されてもよい。

 経口投与に適当な製剤は、そのまま、また 例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食 、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品 タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤 の形態のものであってもよい。また、注意 中力向上用の健康食品、機能性食品、栄養 助食品、特定保健用食品等の飲食品として いてもよい。
 製剤の摂取形態は、注意集中力向上に際し も効果的なものを使用するのが望ましく、 口投与または、例えば静脈内、腹膜内もし は皮下投与等の非経口投与をあげることが きるが、経口投与が好ましい。

 本発明の注意集中力向上剤中のシトルリン たはその塩の濃度は、製剤の種類、当該製 の摂取または投与により期待する効果等に じて適宜選択されるが、シトルリンまたは の塩として、通常は0.1~100重量%、好ましく 0.5~80重量%、特に好ましくは1~70重量%である
 本発明の注意集中力向上剤を投与する場合 投与量および投与回数は、投与形態、被投 者の年齢、体重等により異なるが、通常、 人一日当り、シトルリンまたはその塩とし 通常は50mg~30g、好ましくは100mg~10g、特に好 しくは200mg~3gとなるように一日一回ないし数 回投与する。

 投与期間は、特に限定されないが、通常は1 日間~1年間、好ましくは1週間~3ヶ月間である
 本発明の注意集中力向上剤を摂取または投 することにより、運動でのパフォーマンス 上や学習、仕事における作業効率の最大化 、注意集中力を高めることで期待される効 を得ることができる。

 以下に、シトルリンの注意集中力向上効果 調べた試験例を示す。
試験例
 健常な45歳から64歳までの男女36名を18名ず 2つの群に分け、一日当たりシトルリン800mg(2 66.6mg/カプセル×3粒)もしくはコーンスターチ8 00mg(266.6mg/カプセル×3粒)を含むカプセルを3週 間摂取させる試験を行った。試験開始時およ び試験開始3週間後の被験者の注意集中力に いて、線分スケール(VAS)法を用いて評価した 。すなわち線分の両端に基準となる表現を記 し、被験者に表1に示される質問項目の内容 関して線分のどのあたりに相当するかをチ ックしてもらった。線分の左端を体感指数0 右端を体感指数10として、線分の左端から ェックした部分までの距離(mm)を測定し、こ を体感指数に換算した。この作業を試験前 よび試験後に実施し、その差(体感指数の変 化)を測定して、群毎の平均値および標準偏 を求めた。体感指数の変化が大きいほど、 意集中力向上効果が大きいことを表す。な 、試験開始時に2群間で差がないことを確認 ている。

 また、試験は無作為割付とし、二重盲検並 群間比較を行った。2群間の統計学的有意差 検定は、試験開始時と試験終了時の差から、 両側分布のunpaired-t検定を行った。結果を図1 示す。
 シトルリン摂取により、考えがまとまらな 、ちょっとしたことが思い出せない、やる とに間違いが多い、および気が散るといっ 自覚症状が顕著に改善した。この結果から シトルリンの注意集中力向上効果が示され 。

 以下に、本発明の実施例を示す。

 シトルリンを含有する錠剤の製造
 L-シトルリン(協和発酵工業社製)120kg、環状 リゴ糖19kg、セルロース57kgおよびプルラン1k gを流動層造粒乾燥機で造粒した。得られた 粒物とステアリン酸カルシウム3kgとをコニ ルブレンダーで混合した後、ロータリー圧 成形機で圧縮成形して錠剤を製造した。

 シトルリンを含有する腸溶錠剤の製造
 実施例1で製造する錠剤の表面をシェラック 溶液でコーティングして腸溶錠剤を製造する 。

 シトルリンを含有する腸溶カプセルの製造
 L-シトルリン(協和発酵工業社製)120kg、環状 リゴ糖19kg、セルロース57kg、ステアリン酸 ルシウム3kgおよびプルラン1kgを、コニカル レンダーで混合する。得られる混合物20kgと0 .2kgの二酸化ケイ素とを混合攪拌して得られ 混合物をカプセル充填機に投入、ハードカ セルに充填してハードカプセルを得る。得 れるハードカプセルの表面をツェイン溶液 コーティングして腸溶カプセルを製造する

 シトルリンを含有する飲料の製造
 L-シトルリン(協和発酵工業社製)1.28kg、エリ スリトール3kg、クエン酸0.05kg、人工甘味料3g 香料0.06kgを液温70℃で水50Lに攪拌溶解し、 エン酸でpHを3.3に調整後、プレート殺菌を用 いて滅菌して瓶に充填後、パストライザー殺 菌し、飲料を製造する。

 本発明により、シトルリンまたはその塩 有効成分として含有する、安全で効果的な 意集中力向上剤を提供することができる。




 
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