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Title:
AGENT FOR PURIFYING SOIL AND/OR UNDERGROUND WATER AND PURIFICATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157387
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a purifying agent which is easily applicable to a method for in situ purification of soil and/or underground water contaminated with an organic compound without affecting the surrounding environment, ecological system and so on and by which the soil and/or underground water can be safely and effectively purified over a wide range including areas relatively far from the injection site.  Also provided is a purification method with the use of the purifying agent.  An agent for purifying soil and/or underground water comprising  100 parts by weight of hydrogen peroxide (A), at least 10 parts by weight of citric acid (B), and at least 15 parts by weight of water (C) referring the sum of hydrogen peroxide (A) and citric acid (B) as to 100 parts by weight, characterized in that an alkali compound (D) is added so as to satisfy the requirement for the proton number of citric acid (B) according to formula (1): proton number of citric acid (B)=0.05×M to 0.80×M      (1) wherein M represents the number of citric acid (B) moles. A purification method which comprises adding (A) to (D) to soil and/or underground water.

Inventors:
YOSHIOKA Shigeyasu (Inc. Tokyo Research Laboratory, 1-1, Niijuku 6-chome, Katsushika-k, Tokyo 51, 〒1250051, JP)
吉岡 成康 (〒51 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦斯化学株式会社東京研究所内 Tokyo, 〒1250051, JP)
KIMIDUKA Kenichi (Inc. Tokyo Research Laboratory, 1-1, Niijuku 6-chome, Katsushika-k, Tokyo 51, 〒1250051, JP)
Application Number:
JP2009/061233
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. (5-2 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 24, 〒1008324, JP)
三菱瓦斯化学株式会社 (〒24 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 Tokyo, 〒1008324, JP)
YOSHIOKA Shigeyasu (Inc. Tokyo Research Laboratory, 1-1, Niijuku 6-chome, Katsushika-k, Tokyo 51, 〒1250051, JP)
吉岡 成康 (〒51 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦斯化学株式会社東京研究所内 Tokyo, 〒1250051, JP)
International Classes:
B09C1/02; B09C1/08; B09C1/10; C02F1/72
Attorney, Agent or Firm:
TAKANO Mifune (Miyamasuzaka-Toho-Estate 602, 1-12-12 Shibuya, Shibuya-k, Tokyo 02, 〒1500002, JP)
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Claims:
(A)過酸化水素を100重量部、
(B)クエン酸を少なくとも10重量部及び
(C)水を(A)過酸化水素と(B)クエン酸の合計を100重量部とした場合に少なくとも15重量部含有し、且つ
(D)アルカリ化合物を下記式のクエン酸(B)のプロトン数を満足するために添加することを特徴とする土壌及び/又は地下水の浄化剤。
  クエン酸(B)のプロトン数=0.05×M~0.80×M  (1)
 (式(1)において、Mはクエン酸(B)のモル数を表す。)
 過酸化水素が60重量%以下の過酸化水素水溶液を用いる請求項1記載の土壌及び/又は地下水の浄化剤。
 過酸化水素が30~43重量%の過酸化水素水溶液を用いる請求項1記載の土壌及び/又は地下水の浄化剤。
 アルカリ化合物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属過酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属過酸化物、アンモニア、アミン、水酸化四級アンモニウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1~3のいずれか一項に記載の浄化剤。
 有機化合物に汚染された土壌及び/又は地下水の浄化方法であって、
(A)過酸化水素を100重量部、
(B)クエン酸を少なくとも10重量部及び
(C)水を(A)過酸化水素と(B)クエン酸の合計を100重量部とした場合に少なくとも15重量部添加し、且つ
(D)アルカリ化合物を下記式のクエン酸(B)のプロトン数を満足するために添加することを特徴とする土壌及び/又は地下水の浄化方法。
  クエン酸(B)のプロトン数=0.05×M~0.80×M  (2)
 (式(2)において、Mはクエン酸(B)のモル数を表す。)
 アルカリ化合物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属過酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属過酸化物、アンモニア、アミン、水酸化四級アンモニウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項5に記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 (A)、(B)、(C)、及び(D)を予め浄化剤として調製し、該浄化剤を原液で又は希釈して添加する請求項5、6のいずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 (A)、(B)、(C)、及び(D)の添加後、遷移金属単体、遷移金属酸化物、遷移金属塩、遷移金属キレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を土壌及び/又は地下水に添加することを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 遷移金属が、二価の鉄及び/又は三価の鉄であることを特徴とする請求項8記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 遷移金属キレートが、下記式(3)で示されるビスカルボキシメチルアミン系キレート剤からなることを特徴とする請求項8、9のいずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
   R-N(CH 2 COOX) 2    (3)
(式(3)において、Rは窒素原子を含まない有機基を表し、XはH又はアルカリ金属を表す。)
 前記式(3)におけるRが、-CH(CH 3 )COOX、-CH(COOH)C 2 H 4 COOX、-CH(COOX)CH 2 COOX、又は-C 2 H 4 SO 3 X(XはH又はアルカリ金属)である請求項10記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 遷移金属単体、遷移金属酸化物、遷移金属塩、遷移金属キレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とpH緩衝剤を添加する請求項8~11記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 土壌及び/又は地下水を原位置において浄化することを特徴とする請求項5~12のいずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
 バイオレメディエーション処理を行う土壌及び/又は地下水に、(A)、(B)、(C)、及び(D)を添加することを特徴とする、請求項5~13のいずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
Description:
土壌及び/又は地下水の浄化剤、 ならびに浄化方法

 本発明は、有機化合物に汚染された土壌 び/又は地下水の浄化剤、ならびに該浄化剤 を用いた浄化方法に関する。

 土壌及び地下水中の有機物汚染が環境に きく影響を与えることが明らかとなり、様 な規制が整備されてくるとともに、これま 蓄積、放置されていた汚染の浄化が必要と っている。ここでの有機物とは、主に生物 よる分解が困難な有機物をいい、農薬、防 剤、石油及びその留分に含まれる芳香族化 物、ハロゲン化有機化合物などが該当する

 この有機物汚染に対し、物理的、化学的 生物的な様々な浄化方法が試みられている 物理的な浄化方法では、汚染場所の浄化は 能であるが、除去された汚染物質の二次的 処理が必要となるという欠点がある。生物 な浄化方法は周辺環境に影響の少ない方法 はあるが、高濃度の汚染に対して適用が難 いという欠点がある。これらに対し化学的 浄化方法は対象汚染物質を分解する為、二 的な処理の必要が無く、高濃度の汚染に対 ても、適用が可能であるという特徴をもつ

 過酸化水素などの酸化剤と、触媒として 鉄イオンを供給可能な化合物(例:硫酸第一 ・七水和物等)とを添加することによって、 ドロキシルラジカルを発生させ、このラジ ルと有機物を反応させることによって、有 物を酸化分解するフェントン法が知られて る。化学的な浄化方法の中で、このフェン ン法を応用し、有機化合物で汚染された土 を浄化することが試みられている(特許文献 1参照)。

 通常のフェントン法では最適pH範囲は3~4 あるといわれており、pH範囲が中性以上での 反応は、触媒の鉄イオンが水酸化物となり沈 殿してしまい、ほとんど反応が進行しない。 しかし、このpH3~4という最適pH範囲で土壌浄 をおこなう場合には、土壌中の重金属成分 溶出による二次汚染の発生や拡大の可能性 あり、地下構造物である鉄骨や地下配管の 食が生じる恐れがある。この欠点を補う為 、緩衝剤を用いて中性付近の一定pHで浄化を おこなうことが提案されている。

 特許文献2、3では、汚染有機物の分解に るpHの低下を防ぐ為、酸化剤と緩衝剤の添加 が考案されているが、鉄などの触媒となる金 属イオンの高pH範囲での沈殿を防ぐ手段が明 されておらず、酸化剤の種類や浄化場所の 境によっては鉄などの地下水に含まれる金 成分の沈殿による流路、配管の閉塞が生じ 浄化作業に問題が生じる可能性がある。

 また、鉄などの触媒となる金属イオンの 殿を防ぐべく、酸化剤とともにキレート剤 添加する技術が考案されている。特許文献4 では主に鉄の沈殿を防ぐ目的でキレート剤の 添加を行っているが、使用pH範囲が酸性側で るため、規定されている添加モル比の範囲 、鉄に対し1/3程度の少量であり、液のpH範 を考えると重金属の溶出などの二次汚染を こす危険性が残る。また、特許文献5でも、 レート剤と酸化剤の併用が考案されている 、キレート剤の添加は鉄などの金属イオン 沈殿を防ぐ目的のみであり、緩衝剤等によ pH低下を防ぐ手段が講じられておらず、液 pH範囲を考えると重金属の溶出などの二次汚 染を起こす可能性が高い。

 これに対し、中性付近のFeキレートを添 する手法も考案されている。特許文献6では めに酸化剤を注入し、その後にFeキレート 注入する手法が提案されている。しかし、 めに添加した酸化剤によるpH低下を防ぐ手段 が講じられていない。好ましい酸化剤として 提示されている過酸化水素には通常リン酸系 の安定剤が添加されておりpHは1~4であるので 作用場のpHが下がり、重金属の溶出などの 次汚染を起こす可能性が高い。

 また、特許文献6には、酸化剤と中性付近 のFeキレートを共に注入する手法も提案され いる。しかし、酸化剤とFeキレートを共に 入した場合、混合と同時に酸化剤の分解が 始し、注入箇所から離れた場所には酸化剤 到達しないという欠点があった。

 特許文献7には生分解性キレート剤をpH緩 剤とともに地中に添加し、地中の鉄と錯体 生成させた後に、作用場のpHを5~10に保った ま酸化剤を添加する方法が開示されている しかし、この方法でも好ましい酸化剤とし 提示されている過酸化水素が触媒存在下に 加されるため、注入箇所から離れた場所に 酸化剤が到達しないとの欠点があった。

 さらに、前述の特許文献2、3、5~7では何 も作用場のpHを制御するためpH緩衝剤を用い おり、浄化サイトにおいて酸化剤、触媒溶 とともにpH緩衝剤を調合する必要がある。

特開平7-75772号公報

特開2004-202357号公報

特開2004-305959号公報

特開2002-159959号公報

特開2000-301172号公報

特許3793084号公報

WO2006-123574号公報

 本発明は、上述した様な従来技術の各種 題点を鑑みて提案されたもので、有機化合 で汚染された土壌及び/又は地下水を周辺環 境、生態系その他に影響を与えること無く、 原位置において浄化する方法に簡便に応用で き、しかも注入箇所から比較的遠い箇所まで の広い範囲を安全に且つ効果的に浄化処理で き、さらに高濃度汚染に対しても浄化処理が 可能な土壌及び/又は地下水の浄化剤、なら に該浄化剤を用いた土壌及び/又は地下水の 化方法の提供を目的とする。

 本発明者らは、上述した問題点を解決す ために鋭意研究を行った結果、過酸化水素 、クエン酸、水を含有し、クエン酸のプロ ン数が調整された水溶液である本発明の浄 剤は、(1)土壌及び/又は地下水に添加しても 作用場のpHの変動が少ないこと、(2)土壌及び/ 又は地下水に添加する前に該浄化剤を希釈し ても、そのpHは中性付近となり比較的安全で ること、及び(3)作用場での過酸化水素の安 性が良好であること、を見出した。さらに 本発明の浄化剤を原液で、又は希釈して有 物に汚染された土壌及び/又は地下水に添加 することにより、pH緩衝剤の別途調製が不要 あり、重金属の溶出もなく、広範囲を浄化 能であることを見出し、本発明を完成する 至った。

 すなわち本発明は、以下に示す土壌及び/又 は地下水の浄化剤、ならびに土壌及び/又は 下水の浄化方法に関する。
<1>
(A)過酸化水素を100重量部、
(B)クエン酸を少なくとも10重量部、及び
(C)水を(A)過酸化水素と(B)クエン酸の合計を100 重量部とした場合に少なくとも15重量部含有 、且つ
(D)アルカリ化合物を下記式のクエン酸(B)のプ ロトン数を満足するために添加することを特 徴とする土壌及び/又は地下水の浄化剤。
  クエン酸(B)のプロトン数=0.05×M~0.80×M  (1)
 (式(1)において、Mはクエン酸(B)のモル数を す。)

<2>
 過酸化水素が60重量%以下の過酸化水素水溶 を用いる上記<1>記載の土壌及び/又は地 下水の浄化剤。
<3>
 過酸化水素が30~43重量%の過酸化水素水溶液 用いる上記<1>記載の土壌及び/又は地下 水の浄化剤。

<4>
 アルカリ化合物が、アルカリ金属水酸化物 アルカリ金属酸化物、アルカリ金属過酸化 、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土 金属酸化物、アルカリ土類金属過酸化物、 ンモニア、アミン、水酸化四級アンモニウ からなる群より選ばれる1種以上の化合物で ある上記<1>~<3>のいずれか一項に記 の浄化剤。

<5>
 有機化合物に汚染された土壌及び/又は地下 水の浄化方法であって、
(A)過酸化水素を100重量部、
(B)クエン酸を少なくとも10重量部、及び
(C)水を(A)過酸化水素と(B)クエン酸の合計を100 重量部とした場合に少なくとも15重量部添加 、且つ
(D)アルカリ化合物を下記式のクエン酸(B)のプ ロトン数を満足するために添加することを特 徴とする土壌及び/又は地下水の浄化方法。
  クエン酸(B)のプロトン数=0.05×M~0.80×M  (2)
 (式(2)において、Mはクエン酸(B)のモル数を す。)

<6>
 アルカリ化合物が、アルカリ金属水酸化物 アルカリ金属酸化物、アルカリ金属過酸化 、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土 金属酸化物、アルカリ土類金属過酸化物、 ンモニア、アミン、水酸化四級アンモニウ からなる群より選ばれる1種以上の化合物で あることを特徴とする上記<5>に記載の土 壌及び/又は地下水の浄化方法。

<7>
 (A)、(B)、(C)、及び(D)を予め浄化剤として調 し、該浄化剤を原液で又は希釈して添加す 上記<5>、<6>のいずれか一項に記載 土壌及び/又は地下水の浄化方法。
<8>
 (A)、(B)、(C)、及び(D)の添加後、遷移金属単 、遷移金属酸化物、遷移金属塩、遷移金属 レートからなる群から選ばれる少なくとも1 種を土壌及び/又は地下水に添加することを 徴とする上記<5>~<7>のいずれか一項 記載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。

<9>
 遷移金属が、二価の鉄及び/又は三価の鉄で あることを特徴とする上記<8>記載の土壌 及び/又は地下水の浄化方法。
<10>
 遷移金属キレートが、下記式(3)で示される スカルボキシメチルアミン系キレート剤か なることを特徴とする上記<8>、<9> いずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水 の浄化方法。
   R-N(CH 2 COOX) 2    (3)
(式(3)において、Rは窒素原子を含まない有機 を表し、XはH又はアルカリ金属を表す。)

<11>
 前記式(3)におけるRが、-CH(CH 3 )COOX、-CH(COOH)C 2 H 4 COOX、-CH(COOX)CH 2 COOX、又は-C 2 H 4 SO 3 X(XはH又はアルカリ金属)である上記<10>記 載の土壌及び/又は地下水の浄化方法。
<12>
 遷移金属単体、遷移金属酸化物、遷移金属 、遷移金属キレートからなる群から選ばれ 少なくとも1種とpH緩衝剤を添加する上記< 8>~<11>記載の土壌及び/又は地下水の浄 方法。

<13>
 土壌及び/又は地下水を原位置において浄化 することを特徴とする上記<5>~<12>の ずれか一項に記載の土壌及び/又は地下水の 浄化方法。
<14>
 バイオレメディエーション処理を行う土壌 び/又は地下水に、(A)、(B)、(C)、及び(D)を添 加することを特徴とする、上記<5>~<13&g t;のいずれか一項に記載の土壌及び/又は地下 水の浄化方法。

 本発明の浄化剤による土壌及び/又は地下水 の浄化方法は以下の効果を有する。
(1)中性付近において安定化された過酸化水素 水溶液を添加するので、重金属を溶出させる ことなく、過酸化水素を注入箇所から離れた 場所にまで到達させられ、土壌及び/又は地 水の浄化範囲を拡大することができる。
(2)中性付近において安定化された過酸化水素 水溶液を添加するので、浄化に結びつかない 過酸化水素の分解を防ぐことができ、過酸化 水素を効率良く利用することができる。
(3)土壌及び/又は地下水を中性付近に保ちつ 、鉄などの遷移金属イオンを添加するので 重金属を溶出させることなく、汚染源であ 有機化合物を分解できる。
(4)予めpH緩衝剤を調合した濃厚な過酸化水素 溶液を製造可能であるので、浄化サイトに いて調合作業が不要であり、簡便に使用す ことができる。
 したがって、本発明によれば、有機化合物 汚染された土壌及び/又は地下水を周辺環境 、生態系その他に影響を与えること無く、原 位置において、安全に且つ効果的に浄化する ことが可能である。

 本発明において浄化対象となる土壌及び/ 又は地下水は、有機物に汚染されたものであ る。該有機物としては、例えば農薬、防腐剤 、石油及びその留分に含まれる芳香族化合物 、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。石油 及びその留分に含まれる芳香族化合物として はトルエン、ベンゼン等が挙げられる。有機 塩素化合物としてはトリクロロエチレン(TCE) テトラクロロエチレン(PCE)などが挙げられ 。

 本発明に用いられる過酸化水素には特に制 はないが、工業用過酸化水素水溶液を用い のが好ましい。
 工業用過酸化水素水溶液中の過酸化水素の 度は特に制限はないが、60重量%より高濃度 過酸化水素水溶液は入手が困難であるため 60重量%以下であることが好ましい。さらに ましいものは、危険物に該当しない45重量% 下の過酸化水素水溶液であり、かつ輸送コ トの観点から過酸化水素濃度30重量%以上の 酸化水素水溶液である。

 本発明の浄化剤は、過酸化水素を中性条件 にて安定化させること及びpH緩衝剤能を付 することを目的に、クエン酸を含有する。
 本発明に用いるクエン酸は工業用、試薬用 食添用、局方の何れも使用可能である。水 液、水和物、無水物及びこれらの塩が使用 能である。本発明の浄化剤において、クエ 酸濃度の下限は浄化対象となる土壌及び/又 は地下水中の鉄の量に影響されるが、過酸化 水素100重量部に対して、少なくとも10重量部 含有する。クエン酸が10重量部未満の場合 通常の土壌及び/又は地下水中においては過 化水素の安定性が低下し、浄化範囲が狭く る。
 クエン酸のより好ましい配合量は、過酸化 素100重量部に対して10~50重量部である。

 本発明の浄化剤にはさらに、安定化剤と て、クエン酸以外の安定化剤(例えば、8-ヒ ロキシキノリン、1,10-フェナントロリン、 ンゾトリアゾール、尿素、第四級アンモニ ム塩、ピロリドンカルボン酸類、脂肪族ア ン、ニトロ化合物、スルファミン酸、アル ール類、フェノール類、フェニルグリコー エーテル、カルボン酸、アルコールアミン アミノカルボン酸塩、アルコール酸、サリ ル酸、α-ケト-カルボン酸エステル、アルデ ド-カルボン酸エステル、ケイ酸塩、錫酸塩 、タンタル,ジルコニウム及びニオブ、フィ ン酸、亜硫酸塩、硫黄系安定化剤、工業用 酸化水素水溶液に通常添加されるリン酸系 定化剤等)を、必要に応じて含有していても い。

 本発明の浄化剤は、過酸化水素とクエン の合計100重量部に対して少なくとも15重量 の水を含有する。水の含有量がこれより少 いと、クエン酸及び/またはクエン酸塩が析 し、浄化剤の組成が安定しない恐れがある なお、工業用過酸化水素水溶液を使用する 合、水の含有量は、この工業用過酸化水素 溶液に予め含まれる水も含めて考慮する。 のより好ましい含有量は160~2000重量部であ 。

 本発明の浄化剤には、過酸化水素とクエ 酸と水に加え、アルカリ化合物が配合され いる。アルカリ化合物は、浄化剤に含まれ クエン酸のプロトン数を調整するために配 される。クエン酸の酸基に由来する水素原 及び水素イオンをプロトンといい、プロト 数は、これらのクエン酸の酸基に由来する 素原子及び水素イオンの和を表す数である クエン酸はカルボキシル基を3個有するため 、浄化剤中のクエン酸のプロトン数は、アル カリ化合物を添加しない場合、理論的には配 合されるクエン酸のモル数の3倍となる。

 ここで、浄化剤中にクエン酸と共にアル リ化合物を配合すると、該アルカリ化合物 陽イオンとの反応により、浄化剤中のクエ 酸のカルボキシル基に由来する水素原子及 水素イオン(プロトン)は消費され、アルカ 化合物の添加量に応じて減少する。すなわ 、本発明の浄化剤にクエン酸と共にアルカ 化合物を添加すると、浄化剤中のクエン酸 プロトン数は、アルカリ化合物の添加量に じて低下する。

 上述したように、浄化剤中のクエン酸の ロトン数は、アルカリ化合物を添加しない 合、理論的には配合されるクエン酸のモル の3倍となるが、本発明では、この浄化剤中 のクエン酸のプロトン数を理論値より少ない 一定範囲とすることが重要である。

 本発明では、浄化剤に含まれるクエン酸の ロトン数を、アルカリ化合物によって、式( 1)を満足するように調整する。
  クエン酸のプロトン数=0.05×M~0.80×M  (1)
 (式(1)において、Mは浄化剤に配合されるク ン酸のモル数を表す。)

 本発明の式(1)における浄化剤中のクエン のプロトン数は、浄化剤中に含有されるク ン酸の酸基に由来する水素原子と水素イオ の和を表す。本発明では、浄化剤へのアル リ化合物の添加量を調整することにより、 化剤中のクエン酸のプロトン数を、式(1)を 足するように調整することができる。

 例えば、クエン酸のモル数が1モルの場合、 式(1)から算出されるクエン酸のプロトン数範 囲は0.05~0.80であるので、アルカリ化合物とし て水酸化ナトリウム等の1価陽イオンのアル リ金属水酸化物を添加する際には、下記式 示すとおり該アルカリ化合物を2.20~2.95モル 加することで、最適なクエン酸のプロトン 範囲とすることができる。
  M×3-A 1 =M×(0.05~0.80)
  A 1 =M×[3-(0.05~0.80)]=M×[2.95~2.20]
(上記式中、Mは配合されるクエン酸のモル数 表す。A 1 は配合される1価陽イオンのアルカリ化合物 モル数を表す。)

 また、水酸化マグネシウム等の2価陽イオン のアルカリ土類金属水酸化物を添加する際に は、下記式で示すとおり該アルカリ化合物を 1.10~1.475モル添加することで、最適なクエン のプロトン数範囲とすることができる。
  M×3-A 2 ×2=M×(0.05~0.80)
  A 2 ×2=M×[3-(0.05~0.80)]
  A 2 =M×[2.95~2.20]í2=M×[1.475~1.10]
(上記式中、Mは配合されるクエン酸のモル数 表す。A 2 は配合される2価陽イオンのアルカリ化合物 モル数を表す。)

 また、3価以上の陽イオンのアルカリ化合 物の添加量範囲も、上記と同様に求めること ができる。さらに、1価陽イオンのアルカリ 合物と2価陽イオンのアルカリ化合物を組み わせることも可能である。その場合も、ク ン酸のプロトン数が式(1)で規定する範囲内 なるように、両者の割合を適宜選択するこ ができる。

 浄化剤に含まれるクエン酸のプロトン数 式(1)に規定される範囲より大きいと、該浄 剤を希釈した時のpHが低くなりすぎ、作業 の危険性が高まったり、使用機器の腐食の 険性が高くなったりする。さらにまた、土 及び/又は地下水に添加して地下水に希釈さ た時のpHが低くなりすぎ、重金属の溶出を き二次汚染の危険性が高まる。クエン酸の ロトン数が式(1)に規定される範囲より小さ と、該浄化剤を希釈した時のpH緩衝能が弱ま り、過酸化水素の分解が早くなる恐れや、重 金属や砒素の溶出による二次汚染の危険性が 高まる恐れがある。

 本発明のクエン酸のプロトン数の調整に いるアルカリ化合物は、その水溶液がアル リ性を示す化合物であり、アルカリ金属水 化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属 酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アル リ土類金属酸化物、アルカリ土類金属過酸 物、アンモニア、アミン、水酸化四級アン ニウムからなる群より選ばれる1種以上の化 合物であることが好ましい。

 アルカリ金属水酸化物としては、水酸化 トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ が好ましい。アルカリ金属酸化物としては 酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化リチ ムが好ましい。アルカリ金属過酸化物とし は、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、 酸化リチウムが好ましい。

 アルカリ土類金属水酸化物としては、水 化マグネシウム、水酸化カルシウムが好ま い。アルカリ土類金属酸化物としては、酸 マグネシウム、酸化カルシウムが好ましい アルカリ土類金属過酸化物としては、過酸 マグネシウム、過酸化カルシウムが好まし 。

 アミンとしては、メチルアミン、ジメチ アミン、トリメチルアミン、エチルアミン ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロ ルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプ ピルアミン、sec-ブチルアミン、t-ブチルア ンが好ましい。水酸化四級アンモニウムと ては、水酸化テトラメチルアンモニウムが ましい。特に好ましくは、水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、 びアンモニアから選択される一種以上の化 物である。

 本発明の浄化剤は前記の式(1)を満足する うに調製される限り、中性塩を含有しても い。中性塩としては、強酸と強塩基の中和 よって生じる正塩が好ましく、例えば塩化 トリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ 、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸 リウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウ 、硝酸カリウム、などが挙げられる。

 本発明の浄化剤を調製するための装置に に制限はなく、広く一般に用いられる攪拌 付き混合槽を用いることが出来る。混合槽 材質は、ステンレス等の過酸化水素耐性の るものであれば良い。

 本発明の浄化剤を調製する手順に制限は いが、過酸化水素水溶液にクエン酸及び/又 はクエン酸塩を加え、次いで水酸化ナトリウ ム水溶液を添加する方法などが採用可能であ る。また、本発明の浄化剤は予め調合して浄 化サイトに輸送しても良いし、浄化サイトに て調合しても良い。

 本発明の土壌及び/又は地下水の浄化方法 としては、本発明の浄化剤をそのまま、又は 希釈して土壌及び/又は地下水に添加する。 た、土壌及び/又は地下水中において、クエ 酸のプロトン数が式(1)を満足するように、 成分を別々に土壌及び/又は地下水に添加し て、有機化合物に汚染された土壌及び/又は 下水を浄化することもできる。浄化剤の添 方法には特に制限はなく、注入、圧入、噴 、攪拌、自然拡散、浸透などが使用可能で る。また、添加位置と異なる位置で吸引、 圧をおこなうことによって、添加の速度、 は方向を制御することもできる。

 本発明の浄化剤を希釈して用いる場合は 任意の濃度に希釈して用いることができる 希釈剤としては水が好ましいが、pH緩衝剤 含む水溶液の使用も可能である。

 本発明の浄化剤を土壌及び/又は地下水に 添加する際のpHは5~8が好ましく、さらに好ま くは5.5~7である。pHの低い浄化剤を土壌及び /又は地下水に添加すると重金属の溶出を招 二次汚染の危険性が高まり、地下構造物で る鉄骨や地下配管の腐食が生じる恐れがあ 。また、下水道法の基準値に示されるよう 、排水のpHが5以下であると地下構造物を損 する恐れがあるとされる。この観点からも 化剤のpHは5以上であることが好ましい。pHが 低い場合は、希釈剤によってpH調整してから いることが好ましい。

 本発明の浄化剤を使用して、土壌及び/又 は地下水を浄化する場合、遷移金属等の触媒 を併用して、より速やかに浄化を進めること も可能である。浄化剤を添加した後に触媒を 添加すれば良いが、汚染が高濃度の場合は浄 化剤と触媒を交互に添加する形態が好ましい 。

 前記触媒は、遷移金属単体、遷移金属酸化 、遷移金属塩、遷移金属キレートからなる から選ばれる少なくとも一種の遷移金属化 物であり、遷移金属としては、二価の鉄及 /又は三価の鉄であることが好ましい。さら に好ましくは硫酸鉄、塩化鉄、酸化鉄、硝酸 鉄、硫化鉄、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄、鉄 キレートなどが使用可能であり、特に好まし くは鉄キレートである。
 前記触媒の形態は、特に制限を受けるもの はないが、水溶液、懸濁液、粉体、エアロ ルが使用可能であり、取扱いの簡便さから 溶液が好ましい。

 前記キレートを調製するためのキレート剤 、特に制限を受けるものではないが、環境 荷の観点から生分解性のものを選択するこ が好ましい。例えば、下記式(3)で示される スカルボキシメチルアミン系キレート剤が 用できる。
    R-N(CH 2 COOX) 2   (3)
(式(3)において、Rは窒素原子を含まない有機 を表し、XはH又はアルカリ金属を表す。)

 前記Xのアルカリ金属としては、ナトリウム (Na)、カリウム(K)等が挙げられる。好ましく 、Rは窒素原子を含まない炭素数1~10、より好 ましくは炭素数1~4の有機基を表す。より好ま しくは、Rは窒素原子を含まない有機基であ て、-COOX及び-SO 3 Xからなる群から選択される少なくとも1つを むものを表す。さらに好ましくは、Rは窒素 原子を含まない炭素数1~4の有機基であって、 -COOX及び-SO 3 Xからなる群から選択される少なくとも1つを むものを表す。

 上記式(3)で表されるビスカルボキシメチル ミン系生分解性キレート剤のうち、特に好 しいのは、式(3)中のRが-CH(CH 3 )COOX、-CH(COOX)C 2 H 4 COOX、-CH(COOX)CH 2 COOX、又は-C 2 H 4 SO 3 X(XはH又はアルカリ金属)を表すものである。

 このようなビスカルボキシメチルアミン 生分解性キレート剤の例として、メチルグ シン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパ ギン酸二酢酸、2-アミノエタンスルホン酸 酢酸、及びこれらのナトリウム塩等が挙げ れる。

 キレート剤の添加が不足すると水酸化鉄 沈殿を生じ、過剰な添加では浄化を阻害す ため、鉄イオン1モルに対しキレート剤0.5~4. 0倍のモル比で使用することが好ましい。特 鉄イオン1モルに対しキレート剤1.0~2.0倍のモ ル比がキレート剤の添加効果が高く、好まし い。触媒水溶液のキレート剤濃度としては50~ 20000mg/Lが好ましい。

 前記触媒は土壌及び/又は地下水のpH変動 抑えるためpH緩衝剤とともに用いることが ましい。pH緩衝剤としては、炭酸系が好まし い。炭酸系緩衝剤としては、炭酸ナトリウム 、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ ネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ リウム等が使用できる。このうち、コストや 溶解度、pHの観点からは炭酸水素ナトリウム 単独で使用するか、もしくは炭酸水素ナト ウムと炭酸ナトリウムとを併用することが ましい。pH緩衝剤として、ホウ酸又はリン を用いることはホウ酸又はリン酸による地 水の汚染を招く恐れがあり、酢酸はフェン ン反応を妨害する恐れがあるため、好まし ない。浄化対象のpHが5~10の範囲であれば、pH の低下が生じても、必ずしもpH緩衝剤の添加 必要ではないが、浄化期間短縮のためにはp H緩衝剤を添加してpH7~9に制御することが望ま しい。

 本発明は、原位置浄化及び/又は場外での 二次処理にも応用可能である。また、本発明 の浄化剤を酸素源及び/又は栄養源として使 することで、バイオレメディエーション処 を行う土壌及び/又は地下水の浄化処理に利 することも可能である。

 次に実施例を示して、本発明を更に具体 に説明する。但し本発明は以下の実施例に り制限されるものではない。尚、過酸化水 の濃度は過マンガン酸カリウム滴定法によ 求めた。

<実施例1>
 純水にFeSO 4 ・7H 2 O(和光純薬(株)製特級試薬)を溶解させて、模 地下水を調製した。35重量%過酸化水素水溶 (三菱ガス化学(株)製工業用)に、過酸化水素 100重量部に対して20重量部のクエン酸(無水)( 宗化学薬品(株)製特級試薬)、塩基とクエン のモル比を水酸化ナトリウム/クエン酸=2.85/ 1(モル比)とした水酸化ナトリウム(和光純薬( )製特級試薬)、及び純水(過酸化水素とクエ 酸の添加量の合計100重量部に対し568重量部) を加えて溶解させて浄化剤(過酸化水素とク ン酸の添加量の合計100重量部に対する含有 量723重量部)を調製した。過酸化水素濃度1.0 量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように模擬地 下水及び浄化剤を混合して、三角フラスコに 入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置した。静 前後の過酸化水素濃度から、過酸化水素の 定性を比較した。その結果を表1に示す。

<比較例1>
 実施例1のクエン酸(無水)の代わりに、DL-酒 酸(関東化学(株)製特級試薬)を用い、塩基と 酒石酸のモル比を、水酸化ナトリウム/酒石 =1.95/1とした以外は実施例1と同様に浄化剤を 調製した。ただし、純水の追添加量は、過酸 化水素とクエン酸の添加量の合計100重量部に 対し567重量部であり、調整後の浄化剤中の含 有水量は722重量部であった。過酸化水素濃度 1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように模 地下水及び浄化剤を混合して、三角フラス に入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置した。 置前後の過酸化水素濃度から、過酸化水素 安定性を比較した。その結果を表1に示す。

<比較例2>
 実施例1のクエン酸(無水)の代わりに、DL-リ ゴ酸(関東化学(株)製特級試薬)を用い、塩基 とリンゴ酸のモル比を、水酸化ナトリウム/ ンゴ酸=1.95/1とした以外は実施例1と同様に浄 化剤を調製した。ただし、純水の追添加量は 、過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100重 量部に対し565重量部であり、調整後の浄化剤 中の含有水量は720重量部であった。過酸化水 素濃度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるよ に模擬地下水及び浄化剤を混合して、三角 ラスコに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置 た。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸 水素の安定性を比較した。その結果を表1に 示す。

 実施例1の結果から、中性付近においてク エン酸が過酸化水素を安定化することが示さ れた。対して、比較例1及び比較例2の結果か 、中性付近において酒石酸及びリンゴ酸は 酸化水素を安定化できないことが示された

<比較例3>
 塩基とクエン酸のモル比を、水酸化ナトリ ム/クエン酸=3.00/1としたほかは、実施例1と じ条件で浄化剤(過酸化水素とクエン酸の添 加量の合計100重量部に対する純水の追添加量 は568重量部、浄化剤中の含有水量は723重量部 )を調製し、過酸化水素の安定性を比較した その結果を表2に示す。

 実施例1の結果から、本願発明のクエン酸 のプロトン数を満足するようにアルカリ化合 物により調整した場合には、過酸化水素が安 定化されていることが示された。これに対し て、比較例3の結果から、本願発明のクエン のプロトン数を満足しない場合には、過酸 水素が安定化されていないことが示された

<実施例2~5>
 35重量%過酸化水素水溶液(三菱ガス化学(株) 工業用)に、過酸化水素100重量部に対して20 量部のクエン酸(無水)(小宗化学薬品(株)製 級試薬)、水酸化ナトリウム、及び純水を加 て溶解させて浄化剤を調製した。浄化剤に ける塩基とクエン酸のモル比は、水酸化ナ リウム/クエン酸=2.95/1~2.20/1とした。追添加 た純水量及び浄化剤中の含有水量は、表3に 示した通りである。調製した浄化剤のpHを表3 に示す。

<比較例4>
 塩基とクエン酸のモル比を、水酸化ナトリ ム/クエン酸=2.10/1とした以外は、実施例2~5 同様にして浄化剤を調製した。追添加した 水量及び浄化剤中の含有水量は、表3に示し 通りである。調製した浄化剤のpHを表3に示 。

 実施例2~5及び比較例4の結果から、クエン 酸のプロトン数が本願発明の範囲を満足する 場合には、浄化剤のpHが5.0以上となり、浄化 のpHとして好適であることが示された。

<実施例6>
 純水にFeSO 4 ・7H 2 O(和光純薬(株)製特級試薬)を溶解させて、模 地下水を調製した。35重量%過酸化水素水溶 (三菱ガス化学(株)製工業用)に、過酸化水素 100重量部に対して100重量部のクエン酸(無水)( 小宗化学薬品(株)製特級試薬)、塩基とクエン 酸のモル比を水酸化ナトリウム/クエン酸=2.85 /1(モル比)とした水酸化ナトリウム、及び純 (過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100重 部に対し278重量部)を加えて溶解させて浄化 剤を調製した(過酸化水素とクエン酸の添加 の合計100重量部に対する含有水量は370重量 )。
 過酸化水素濃度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kg となるように模擬地下水及び浄化剤を混合し て、三角フラスコに入れ、50℃恒温水槽中に2 4時間静置した。静置前後の過酸化水素濃度 ら、過酸化水素の安定性を比較した。その 果を表4に示す。

<実施例7>
 実施例6のクエン酸の含有量を、過酸化水素 100重量部に対して50重量部のクエン酸とした 外は、実施例6と同様にして浄化剤を調製し た(過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100 量部に対する純水の追添加量は433重量部、 化剤中の含有水量は559重量部)。過酸化水素 度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように 模擬地下水及び浄化剤を混合して、三角フラ スコに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置し 。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸化 素の安定性を比較した。その結果を表4に示 。

<実施例8>
 実施例6のクエン酸の含有量を、過酸化水素 100重量部に対して20重量部のクエン酸とした 外は、実施例6と同様にして浄化剤を調整し た(過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100 量部に対する純水の追添加量は569重量部、 化剤中の含有水量は723重量部)。過酸化水素 度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように 模擬地下水及び浄化剤を混合して、三角フラ スコに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置し 。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸化 素の安定性を比較した。その結果を表4に示 。

<実施例9>
 実施例6のクエン酸の含有量を、過酸化水素 100重量部に対して10重量部のクエン酸とした 外は、実施例6と同様にして浄化剤を調製し た(過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100 量部に対する純水の追添加量は636重量部、 化剤中の含有水量は804重量部)。過酸化水素 度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように 模擬地下水及び浄化剤を混合して、三角フラ スコに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置し 。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸化 素の安定性を比較した。その結果を表4に示 。

<比較例5>
 実施例6のクエン酸の含有量を、過酸化水素 100重量部に対して5重量部のクエン酸とした 外は、実施例6と同様にして浄化剤を調製し (過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100重 量部に対する純水の追添加量は673重量部、浄 化剤中の含有水量は850重量部)。過酸化水素 度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように 擬地下水及び浄化剤を混合して、三角フラ コに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置した 。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸化水 素の安定性を比較した。その結果を表4に示 。

<比較例6>
 実施例6のクエン酸の含有量を、過酸化水素 100重量部に対して2重量部のクエン酸とした 外は、実施例6と同様にして浄化剤を調製し (過酸化水素とクエン酸の添加量の合計100重 量部に対する純水の追添加量は698重量部、浄 化剤中の含有水量は880重量部)。過酸化水素 度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるように 擬地下水及び浄化剤を混合して、三角フラ コに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置した 。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸化水 素の安定性を比較した。その結果を表4に示 。

<実施例10>
 実施例8の水酸化ナトリウムの代わりに水酸 化カリウムを用い、塩基とクエン酸のモル比 を水酸化カリウム/クエン酸=2.85/1(モル比)と た以外は、実施例8と同様にして浄化剤を調 した(過酸化水素とクエン酸の添加量の合計 100重量部に対する純水の追添加量は561重量部 、浄化剤中の含有水量は716重量部)。過酸化 素濃度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kgとなるよ に模擬地下水及び浄化剤を混合して、三角 ラスコに入れ、50℃恒温水槽中に24時間静置 した。静置前後の過酸化水素濃度から、過酸 化水素の安定性を比較した。その結果を表4 示す。

<実施例11>
 実施例8の水酸化ナトリウムの代わりに水酸 化マグネシウムを用い、水酸化マグネシウム /クエン酸=1.425/1(モル比)とした以外は、実施 8と同様にして浄化剤を調製した(過酸化水 とクエン酸の添加量の合計100重量部に対す 純水の追添加量は567重量部、浄化剤中の含 水量は722重量部)。過酸化水素濃度1.0重量%、 Feイオン濃度25mg/kgとなるように模擬地下水及 び浄化剤を混合して、三角フラスコに入れ、 50℃恒温水槽中に24時間静置した。静置前後 過酸化水素濃度から、過酸化水素の安定性 比較した。その結果を表4に示す。

<実施例12>
 実施例8の水酸化ナトリウムの代わりにアン モニアを用い、アンモニア/クエン酸=2.85/1(モ ル比)とした以外は、実施例8と同様にして浄 剤を調製した(過酸化水素とクエン酸の添加 量の合計100重量部に対する純水の追添加量は 568重量部、浄化剤中の含有水量は723重量部) 過酸化水素濃度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/kg なるように模擬地下水及び浄化剤を混合し 、三角フラスコに入れ、50℃恒温水槽中に24 時間静置した。静置前後の過酸化水素濃度か ら、過酸化水素の安定性を比較した。その結 果を表4に示す。

<実施例13>
 実施例8の水酸化ナトリウムの代わりに水酸 化ナトリウム及びアンモニアを用い、水酸化 ナトリウム/アンモニア/クエン酸=1.425/1.425/1( ル比)とした以外は、実施例8と同様にして 化剤を調製した(過酸化水素とクエン酸の添 量の合計100重量部に対する純水の追添加量 572重量部、浄化剤中の含有水量は727重量部) 。過酸化水素濃度1.0重量%、Feイオン濃度25mg/k gとなるように模擬地下水及び浄化剤を混合 て、三角フラスコに入れ、50℃恒温水槽中に 24時間静置した。静置前後の過酸化水素濃度 ら、過酸化水素の安定性を比較した。その 果を表4に示す。

<実施例14>
 実施例8の水酸化ナトリウムの代わりに水酸 化ナトリウム及び水酸化マグネシウムを用い 、水酸化ナトリウム/水酸化マグネシウム/ク ン酸=1.425/0.713/1(モル比)とした以外は、実施 例8と同様にして浄化剤を調製した(過酸化水 とクエン酸の添加量の合計100重量部に対す 純水の追添加量は570重量部、浄化剤中の含 水量は725重量部)。過酸化水素濃度1.0重量% Feイオン濃度25mg/kgとなるように模擬地下水 び浄化剤を混合して、三角フラスコに入れ 50℃恒温水槽中に24時間静置した。静置前後 過酸化水素濃度から、過酸化水素の安定性 比較した。その結果を表4に示す。

 実施例6~14の結果から、浄化剤に10重量部 上のクエン酸を含有する場合には、過酸化 素残存率が高く、過酸化水素が安定化され いることが示された。一方、比較例5及び比 較例6の結果から、浄化剤のクエン酸が10重量 部未満の場合には、過酸化水素残存率が著し く低下し、過酸化水素が安定化されておらず 、さらに鉄の沈殿が認められた。以上の結果 から、クエン酸を少なくとも10重量部含有す 中性付近の浄化剤が、過酸化水素を安定化 ることができる浄化剤として好適であるこ が示された。

<実施例15~16>
 水酸化ナトリウムとクエン酸のモル比を水 化ナトリウム/クエン酸=2.85/1とし、中性塩 して塩化ナトリウム又は硫酸カリウムを添 したほかは、実施例8と同様にして浄化剤を 製し、過酸化水素の安定性を比較した。中 塩とクエン酸のモル比は、実施例15では塩 ナトリウム/クエン酸=0.5/1とし、実施例16で 硫酸カリウム/クエン酸=0.25/1とした。また、 実施例15では過酸化水素とクエン酸の添加量 合計100重量部に対する純水の追添加量は566 量部、浄化剤中の含有水量は721重量部であ 、実施例16では過酸化水素とクエン酸の添 量の合計100重量部に対する純水の追添加量 565重量部、浄化剤中の含有水量は720重量部 あった。その結果を表5に示す。

 実施例15及び実施例16より、浄化剤が中性 塩を含有している場合も、過酸化水素が安定 化されていることが示された。

<実施例17~20>
 過酸化水素濃度は6.55重量%、クエン酸濃度 0.655重量%、水酸化ナトリウム濃度は0.389重量 %の浄化剤を調製した(過酸化水素とクエン酸 添加量の合計100重量部に対する純水の追添 量は1117重量部、浄化剤中の含有水量は1286 量部)。また、Fe化合物を純水に溶解して鉄 オン濃度が0.20重量%である触媒水溶液を調製 した。触媒水溶液の調製は、実施例17ではFeSO 4 ・7H 2 O(和光純薬(株)製特級試薬)を純水に溶解して 製し、実施例18ではFeSO 4 ・7H 2 O0.116g、0.5M硫酸0.209g、及びBASFジャパン(株)製4 0重量%メチルグリシン二酢酸三ナトリウム塩( MGDA、商品名「Trilon M(登録商標)」)0.220gを純 に溶解させて調製し、実施例19ではFeSO 4 ・7H 2 O0.127g、及び中部キレスト(株)製(S,S)-エチレン ジアミンジコハク酸三ナトリウム塩(EDDS、商 名「キレストEDDS-35」)0.459gを純水に溶解さ て調製し、実施例20ではFeSO 4 ・7H 2 O0.130g、及び50重量%グルコン酸水溶液0.183gを 水に溶解させて調製した。
 131mLのバイアル瓶に、揮発性有機化合物と てテトラクロロエチレン(PCE)を53.3mg/Lの濃度 溶解させた模擬汚染水100mL、浄化剤1mL、炭 水素ナトリウム/炭酸ナトリウムの組合せに る緩衝剤(炭酸水素ナトリウム濃度18.7g/L、 酸ナトリウム濃度0.10g/L)10mL、触媒水溶液1mL 純水19mLを入れた後、密閉して室温にて浄化 験を実施した。反応開始から一時間経過後 反応液をヘッドスペース・ガスクロマトグ フ法により分析して、PCE分解能を比較した その結果を表6に示す。

 実施例17~20より、鉄触媒の存在下で揮発 有機化合物の分解が進行することが示され 。さらにまた、実施例18より、ビスカルボキ シメチルアミン系キレート剤を使用した場合 に揮発性有機化合物の分解が大きく進行する ことが示された。

 本発明によれば、有機化合物で汚染され 土壌及び/又は地下水を周辺環境、生態系そ の他に影響を与えること無く、原位置におい て、安全に且つ効果的に浄化することが可能 である。