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Title:
AGGLOMERATE, CONTAINING TITANIUM OXIDE, FOR MANUFACTURING GRANULAR METALLIC IRON
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125814
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an agglomerate for manufacturing granular metallic iron, said agglomerate containing titanium oxide and being useful in obtaining a high yield of high-grade granular metallic iron in a size that is suitable for handling, by heating at a comparatively low-temperature and using a ferrous material containing titanium oxide and other gangue components. The agglomerate comprises: a ferrous material including titanium oxide in an amount equivalent to at least 5 mass% and less than 10 mass% of TiO2; and a carbonaceous reducing agent. The chemical composition of the agglomerate fulfills the conditions given in formulas (1) through (3) below. [CaO]/[SiO2] = 0.6 to 1.2 (1) [Al2O3]/[SiO2] = 0.3 to 1.0 (2) [TiO2]/([CaO]+[SiO2]+[MgO]+[Al2O3]) < 0.45 (3) Here, the symbols [CaO], [SiO2], [Al2O3], [TiO2], and [MgO] represent the amounts (mass% on dry basis) of each respective component included in the agglomerate.

Inventors:
SUGIYAMA TAKESHI (JP)
KOBAYASHI ISAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057254
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
SUGIYAMA TAKESHI
KOBAYASHI ISAO
International Classes:
C22B1/16; C22B1/24; C22B5/10; C21B13/10
Foreign References:
JPS5062116A1975-05-28
JPS61159536A1986-07-19
JPH03177520A1991-08-01
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (JP)
Etsuji Kotani (JP)
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Claims:
 酸化チタンをTiO 2 換算量にして5質量%以上10質量%未満含む鉄源、および炭素質還元剤を含む粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物であって、
 その化学成分組成が、下記式(1)~(3)に示される条件を満たすものである、粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物。
 [CaO]/[SiO 2 ]=0.6~1.2   …(1)
 [Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]=0.3~1.0   …(2)
 [TiO 2 ]/([CaO]+[SiO 2 ]+[MgO]+[Al 2 O 3 ])<0.45
   …(3)
 ここで、式(1)~(3)中、[CaO]、[SiO 2 ]、[Al 2 O 3 ]、[TiO 2 ]、[MgO]は、それぞれ、塊成物中の各成分の含有量(乾ベースでの質量%)を示し、そのうち[TiO 2 ]は塊成物中の酸化チタンをすべてTiO 2 に換算したTiO 2 換算量を示し、[CaO]は塊成物中のCaを全てCaOに換算した量を示す。
 更にフッ素含有物質を含み、かつ、フッ素含有量が0.6~3.5質量%である、請求項1に記載の粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物。
 前記炭素質還元剤は、塊成物を構成する全原料の固定炭素と、前記鉄源中の鉄原子と結合している酸素との原子モル比(O/C)を0.8~1.5にするように添加されたものである、請求項1または2に記載の粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物。
 前記鉄源の90質量%以上が1mm以下の粒径を有するものである、請求項1~3のいずれかに記載の粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物。
Description:
粒状金属鉄製造用酸化チタン含 塊成物

 本発明は、粒状金属鉄製造用酸化チタン 有塊成物に関するものであり、特に、酸化 タンを所定の割合で含む鉄源を原料に含む のであって、加熱による酸化鉄の還元・溶 により粒状金属鉄を得るのに有用な塊成物 関するものである。

 製鉄法として、鉄鉱石等の酸化鉄含有物 (鉄源)と石炭などの炭素質還元剤とを含む 合物を原料として、該混合物を押し固めた 形体、またはペレットやブリケット等に成 した炭材内装成形体を製造する工程と、そ 成型体を加熱炉で加熱することによって固 還元し、これにより生成する金属鉄を副生 るスラグと分離しつつ凝集させる工程と、 の凝集した金属鉄を冷却凝固させて粒状金 鉄を製造する工程とを含む方法がある。

 ところで、上記鉄源として、酸化チタン(以 下、代表的にTiO 2 と称することがある)の濃度が比較的高くか TiO 2 以外の脈石成分(Al 2 O 3 ,MgO等)を含むもの(以下、酸化チタン含有鉄源 ということがある)が存在する。

 このような酸化チタン含有鉄源を、上記粒 金属鉄の製造プロセスに使用する場合、酸 チタンをはじめとする脈石成分の溶融が必 となる。しかし、上記脈石成分であるTiO 2 やAl 2 O 3 ,MgOは溶融温度を高める成分であるため、溶 には1550℃以上もの高温加熱が必要となる。 かし、この様な高温での加熱は、エネルギ 消費量の増大や溶解炉建設費の高騰を招く め、鉄の製造プロセスとしては経済的に成 しない。

 TiO 2 濃度の比較的高い酸化鉄鉱物を用いた例とし て、例えば特許文献1には、酸化チタンと酸 鉄を含有する物質から、酸化チタン含有ス グを効率的に製造する方法が示されている 具体的には、酸化チタンと酸化鉄を含有す 物質と炭素含有物質(炭素質還元剤)とが混合 され成型された塊成物を1200~1500℃で加熱する ことと、その加熱により上記酸化鉄が還元さ れた状態の上記塊成物を電気炉へ挿入して更 に加熱することにより上記還元鉄を溶融させ 、これにより当該塊成物をチタン含有スラグ と溶鉄に分離することとを含む方法が示され ている。そして、上記の溶融分離にはCaOの添 加が有効であること、及び、実施例として塩 基度(CaO/SiO 2 )を1.1とすることが示されている。さらに、 記特許文献1の段落[0020]には、「天然のイル ナイトには、TiO 2 以外の脈石成分(Fe以外の酸化物)はチタンス グに混入してチタン純度を低減させる要因 なるため、原料混合物中の含有物は少ない が望ましい」旨の記載がされている。

 この特許文献1に記載される方法では、チタ ン含有スラグ中のTiO 2 濃度の低下を避けるため、添加物としてCaOの み添加されるが、CaOのみの添加では、炉床上 でスラグと金属鉄を十分に分離できないと推 定される。また、特許文献1には塊成物の成 組成までは明示されておらず、経済的な収 で金属鉄を得る方法が具現化されていない

 一方、特許文献2には、溶融の可能な回転 炉床炉内に予備還元された鉄含有低チタン物 質およびその塊成物を挿入することにより酸 化チタン濃縮溶融スラグと溶鉄を製造するた めの装置および方法が開示されている。

 上記特許文献2には、予備還元前の塊成物 には造宰剤としてCaOを添加しても良いが、ス ラグ中のチタン濃度を低下させるため好まし くないことが記載されている。また特許文献 2には、原料の成分として、チタン酸化物が70 %以下であること、および硫黄吸収のためにCa Oを添加することは示されているが、塊成物 詳細な化学組成についてまで記載されてい い。つまり、この特許文献2にも経済的な収 で金属鉄を得るための具体的方法は示され いない。

 更に特許文献2の方法では、回転炉床溶融 炉の操作温度が1300~1800℃と非常に広い。加熱 温度を高くして溶融する方法は経済的に好ま しくないため、可能な限り低い温度でスラグ と金属鉄を高収率で分離することが望まれる が、特許文献2記載の方法ではこの点まで考 されていない。

 つまり、上記の従来技術は、いずれも、TiO 2 に加えてAl 2 O 3 ,MgOといった溶融温度を高める脈石成分を含 酸化チタン含有鉄源を用いながら、比較的 温の加熱で、好適な粒状金属鉄(例えば3.35mm 上の粒径を有する粒状金属鉄、すなわち目 き3.35mmのふるいを通過しない粒状金属鉄)を 高い収率(例えば80%以上)で得る方法を確立し いない。

特開2004-131753号公報

米国特許第6685761(B1)号公報

 本発明の目的は、TiO 2 をはじめとする酸化チタンに加えてAl 2 O 3 およびMgOといった溶融温度を高める脈石成分 を含む酸化チタン含有鉄源を粒状金属鉄の製 造に用いた場合に、従来法よりも比較的低温 の加熱で酸化鉄を還元・溶融して上記サイズ の高品位な粒状金属鉄を収率よく得るのに有 用な、粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成 物を提供することにある。

 この粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成 は、酸化チタンをTiO 2 換算量にして5質量%以上10質量%未満含む鉄源 および炭素質還元剤を含み、かつ、その化 成分組成が下記式(1)~(3)により与えられる条 件を満たす。
 [CaO]/[SiO 2 ]=0.6~1.2   …(1)
 [Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]=0.3~1.0   …(2)
 [TiO 2 ]/([CaO]+[SiO 2 ]+[MgO]+[Al 2 O 3 ])<0.45
   …(3)
 なお、上記式(1)~(3)における[CaO]、[SiO 2 ]、[Al 2 O 3 ]、[TiO 2 ]、[MgO]は、それぞれ塊成物中の各成分の含有 量(乾ベースでの質量%)を示す。

 このうち[TiO 2 ]は、上記の「TiO 2 換算量」に相当するものであり、上記塊成物 にTiO 2 のみならずそれ以外の酸化チタンとしてTi 2 O 3 やTiOが含まれる場合にこれらをTiO 2 として換算した量も加えたものを意味する。 具体的に、この[TiO 2 ](TiO 2 換算量)は、金属チタンが共存していないと 定すると、次式(4)により算定することが可 である。
 [TiO 2 ](wt%)=全Ti(チタン)量(wt%)/(Ti原子量)×{(Ti原子量 )+2×(O(酸素)原子量)}   …(4)

 また、[CaO]は、酸化チタン含有鉄源や炭素 還元剤に含まれるCa、フッ素含有物質として 添加しうる蛍石中のCa、および成分調整剤と て添加しうる生石灰や石灰石(CaCO 3 )中のCaをCaOに換算して合計した量を示す。具 体的に、この[CaO]は、金属カルシウムが共存 ていないと仮定すると、次式(5)に基いて算 される。
 [CaO](wt%)=全Ca(カルシウム)量(wt%)/(Ca原子量)×{ (Ca原子量)+(O(酸素)原子量)}   …(5)

 この塊成物は、TiO 2 をはじめとする脈石成分を含む鉄源が粒状金 属鉄の製造に用いられる場合にも、比較的低 い加熱温度で、取り扱いに適したサイズの高 品位な粒状金属鉄を収率よく製造することを 可能にする。その結果、加熱のための燃料費 を低減するだけでなく、加熱炉を構成する耐 火物の費用低減や加熱炉の耐久性向上を期待 することが可能になる。

移動炉床式加熱還元炉を例示する概略 程説明図である。 Al 2 O 3 、SiO 2 、CaOおよびTiO 2 からなる複合酸化物の、Al 2 O 3 量が20質量%である場合のSiO 2 -CaO-TiO 2 三元状態図である。 1500℃で加熱後の試料B-5の溶融状態を示 す写真である。 1500℃で加熱後の試料B-1の溶融状態を示 す写真である。

 本発明者らは、TiO 2 をはじめとする脈石成分を含む酸化チタン含 有鉄源を用いて、従来法より比較的低温の加 熱で、取り扱いに適したサイズの高品位な粒 状金属鉄を高い収率で得るのに有用な、粒状 金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物を実現す べく、鋭意研究を行った。その結果、塊成物 において、脈石成分のスラグ化促進のために 従来より用いられてきたCaOと共にSiO 2 の含有量も増加させ、かつ、塊成物に含まれ るCaO、Al 2 O 3 、MgO、SiO 2 およびTiO 2 の含有量の比を適正化すればよいことを見出 した。

 従来、塊成物に含まれるSiO 2 量の増加は、スラグ成分の増加を伴うために これまで一般的に避けられていたが、本発明 では、塊成物に含まれるCaOとSiO 2 の含有量を共に高め、かつ、上述の通り塊成 物に含まれるCaO、Al 2 O 3 、MgO、SiO 2 およびTiO 2 の量比の適正化によりCaO含有量のみを増加さ せた場合を凌駕する塊成物の低融点化を実現 する点に特異性を有する。

 以下、本発明について詳述する。本発明者 は、酸化チタンをTiO 2 換算量にして5質量%以上10質量%未満含む鉄源( 以下「酸化チタン含有鉄源」ということがあ る)と、炭素質還元剤とを含む塊成物を対象 して、まず、低融点(1300~1520℃)を確保できる と推定される塩基度([CaO]/[SiO 2 ])の範囲を状態図から求めた。その結果、次 式(1)に示す通り、塩基度([CaO]/[SiO 2 ])を0.6~1.2の範囲内とすれば低融点(1300~1520℃) 確保できることを確認した。
  [CaO]/[SiO 2 ]=0.6~1.2   …(1)

 この式(1)中、[CaO]、[SiO 2 ]は、それぞれ、塊成物中の各成分の含有量( ベースでの質量%)を示す。[CaO]は、上述のよ うに、酸化チタン含有鉄源や炭素質還元剤に 含まれるCa、フッ素含有物質として添加しう 蛍石中のCa、および成分調整剤として添加 うる生石灰や石灰石(CaCO 3 )中のCaをCaOに換算して合計した量を示す。

 [CaO]/[SiO 2 ]の上限が1.2である理由は、(I)後述する実施 に示す試料B-3と試料B-4とを比較すると、[CaO] /[SiO 2 ]を増加させても所望の粒状金属鉄の収率は 下傾向にあること、および(II)後述する図2に 示すSiO 2 -CaO-TiO 2 三元状態図に示されるように、CaO量が増加す ると高融点域に近づくことにある。

 次に、本発明者らは、上記塩基度の範囲を 提として、更に他の成分についても考慮す 実験を行った。融点に影響を及ぼす脈石成 として、TiO 2 、CaO、SiO 2 、Al 2 O 3 およびMgOを考慮する必要がある。これらを同 時に考慮する必要のある多元系酸化物の場合 、その融点を、既知の状態図や計算機シミュ レーションによって正確に知ることができな い。そこで、本発明者らは、実験を行って、 TiO 2 、CaO、SiO 2 、Al 2 O 3 およびMgOの組成と融点との関係を確認した。

 上記実験の結果、上記多元系酸化物の融点 1300~1520℃の範囲内とするには、塊成物に含 れるAl 2 O 3 量(質量%)とSiO 2 量(質量%)の比:([Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ])を、下記式(2)に示す通り0.3~1.0の範囲内とす ると共に、塊成物における各成分の含有量( ベースでの質量%)について、[CaO]、[SiO 2 ]、[MgO]および[Al 2 O 3 ]の総量に対する[TiO 2 ]の割合:[TiO2]/([CaO]+[SiO 2 ]+[MgO]+[Al 2 O 3 ])を、下記式(3)に示す通り0.45未満とすればよ いことがわかった。
 [Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]=0.3~1.0   …(2)
 [TiO 2 ]/([CaO]+[SiO 2 ]+[MgO]+[Al 2 O 3 ])<0.45
   …(3)
 [Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]の下限が0.3である理由は、SiO 2 -CaO-Al 2 O 3 三元状態図において、Al 2 O 3 量が少なすぎると高融点域に近づくことによ る。

 この様に塊成物に含まれるTiO 2 、CaO、SiO 2 、MgOおよびAl 2 O 3 の組成を制御することにより、低融点組成を 実現できる。その結果、1300~1520℃の温度域で 8~15分間加熱することで、脈石成分が十分に 融されて金属鉄の凝集が促進され、取り扱 に適した粒径(3.35mm以上の粒径)をもつ粒状金 属鉄(目開き3.35mmのふるいを通過しない粒状 属鉄)を収率よく得ることができる。上記加 温度は、酸化チタンの融点(1825℃)であるこ に比べて著しく低い。また、上記サイズの 状金属鉄の生成は、加熱炉からの排出時の 散ロスの抑制を可能にする。更に、酸化性 雰囲気に曝された場合の再酸化を抑えるこ ができ、特に、運搬、貯蔵時の発火の防止 有効である。

 本発明の塊成物としては、TiO 2 、CaO、SiO 2 、MgOおよびAl 2 O 3 を含むものの他、TiO 2 、CaO、SiO 2 およびAl 2 O 3 を含むがMgOを含まないものもありうる。

 上記塊成物は、(i)酸化チタン含有鉄源(鉄鉱 石等)および炭素質還元剤の成分範囲内で上 式(1)~(3)に示される化学組成の条件を満たす のでもよいし、(ii)上記酸化チタン含有鉄源 (鉄鉱石等)および炭素質還元剤に適当な成分 整剤(例えばSiO 2 含有物質や、生石灰および/または石灰石)が 加された結果として上記式(1)~(3)に示される 化学組成の条件を満たすものでもよい。(ii) 場合、酸化チタン含有鉄源(鉄鉱石等)中の脈 石成分や炭素質還元剤(石炭やコークス等)中 灰分の組成及び含有量を考慮した上で、上 成分調整剤の配合量が調整されればよい。 記成分調整剤の具体的種類は特に制限され 、例えばSiO 2 含有物質としては、珪砂等の高シリカ濃度の 材料だけでなく、低品位の石灰石やシリカ成 分の多い石炭を用いることも可能である。

 本発明は、酸化チタン濃度の比較的高い鉄 石等の酸化鉄含有物質を粒状金属鉄の製造 用いる場合の問題を解消することが課題で るから、用いられる酸化チタン含有鉄源がT iO 2 換算量にして酸化チタンを5質量%以上10質量% 満含むことを前提とする。

 尚、本発明でいう「鉄源」とは、鉄鉱石、 精錬原料(例えば砂鉄)もしくは金属精錬を ったときに生じるスラグ、またはこれらの 合物であって、酸化チタンをTiO 2 換算量にして5質量%以上10質量%未満含むもの いう。

 本発明に係る塊成物が更に適量のフッ素含 物質を含有することにより、副生されるス グの流動性が向上する。具体的に、スラグ 金属鉄の分離性を向上させてより高い収率( 98%以上)を達成するには、塊成物中のフッ素 有量が0.6質量%以上であるのがよく、より好 しくは0.9質量%以上である。その一方、環境 上フッ素の使用が制限される場合があり、ま た、過剰なフッ素の存在は生成スラグの流動 性を過度に高めて炉床耐火物の溶損を促進す るおそれがあるから、塊成物中のフッ素含有 量は3.5質量%以下(より好ましくは1質量%以下) あることが好ましい。フッ素含有物質の例 しては、CaF 2 含有物質(例えば蛍石)が挙げられる。

 塊成物に含まれる炭素質還元剤は、酸化 タン含有鉄源中の酸化鉄の還元のために必 であり、その量が少ないと酸化鉄の還元が 足する。この酸化鉄の還元不足は、多量のF eOの溶融を生じさせて、炉を構成する耐火物 損傷を招くおそれがある。よって、炭素質 元剤は、塊成物を構成する全原料の固定炭 と、前記鉄源中の鉄原子と結合している酸 との原子モル比(O/C)を1.5以下(より好ましく 1.1以下)とするように、添加されることが望 ましい。

 一方、炭素質還元剤が塊成物中に過剰に 在すると、加熱前の塊成物の強度が低下し ハンドリングが困難になる。また、炭素質 元剤として例えば石炭を多量に用いると、 石成分量も増加するため好ましくない。こ らの観点から、前記炭素質還元剤は、上記 原子モル比(O/C)を0.8以上(より好ましくは1.0 上)とするように添加されることが望ましい 。

 炭素質還元剤は、石炭、黒鉛、廃プラス ック等の固定炭素を含有するものであれば く、その具体的な形態は限定されない。

 本発明では、塊成物における酸化チタン 有鉄源の90質量%以上が1mm以下の粒径を有す もの(目開き1mmのふるいを通過したもの)で ることが好ましい。上記サイズの鉄源の使 は、伝熱の観点から有利であり、また塊成 に内在する上記炭素質還元剤による還元性 高めることもできる。更には塊成物の成型 容易にする。より好ましくは、酸化チタン 有鉄源の90質量%以上が1mm以下の粒径を有す もの(目開き1mmのふるいを通過したもの)であ るのに加え、その70質量%以上が200μm以下の粒 径を有するもの(目開きが200μmのふるいを通 したもの)であることが好ましい。

 上記粒度分布を有する鉄源は、その粒度 ふるい分け分級により調整されたものでも いし、当該分級をしなくても既に上記条件 満たしていたものでもよい。

 本発明の塊成物は、上記のように酸化チタ をTiO 2 換算量にして5質量%以上10質量%未満含む鉄源 炭素質還元剤(粉状であることが望ましい) 上記式(1)~(3)を満たすよう塊成物の化学組成 調整するために必要に応じて添加される物 (成分調整剤)の他、塊成物製造のためのバ ンダー(結合剤)を含みうる。

 本発明でいう「塊成物」とは、上記原料 混合されて塊成化されたものである。その 成化には、ブリケット化用プレス機(シリン ダープレス、ロールプレス、リングローラプ レスなど)をはじめとするプレス機、押出成 機、転動型造粒機(パンペレタイザー、ドラ ペレタイザーなど)といった公知の種々の機 器が使用される。

 塊成物の形状は、特に限定されず、塊状 粒状、ブリケット状、ペレット状、棒状な の種々の形状が採用できる。

 上記塊成物の還元溶融により粒状金属鉄 製造されるが、その還元溶融の具体的な方 は限定されない。当該還元溶融には公知の 元溶融炉を用いればよい。以下、移動炉床 加熱還元炉を用いて粒状金属鉄を製造する 法が例として説明されるが、本発明がこれ 限定される意図ではない。

 図1は、上記粒状金属鉄の製造方法の工程 の概略を説明するための図である。この図1 は、上記の移動炉床式加熱還元炉として、 転炉床4を有する回転炉床式加熱還元炉10が 示される。

 上記回転炉床式加熱還元炉10には、上記 成物1と、好ましくは床敷材として供給され 粉粒状の炭素質物質2とが投入され、これら は原料投入ホッパー3を通して上記回転炉床4 へ連続的に装入される。より詳細には、塊 物1の装入に先立って、原料投入ホッパー3 ら回転炉床4上に粉粒状の炭素質物質2が装入 されて敷き詰められ、その上に塊成物1が装 される。図1は、1つの原料投入ホッパー3が 成物1と炭素質物質2の装入に共用される例を 示しているが、塊成物1及び炭素質物質2は2以 上のホッパーを通じて個別に装入されてもよ い。床敷材として装入される炭素質物質2は 還元効率を高めると共に得られる粒状金属 の低硫化を増進する上でも極めて有効であ が、場合によっては省略することも可能で る。

 上記回転炉床4は、図1では反時計方向に 転する。その速度は、操業条件によって異 るが、通常は8分から16分程度で回転炉床4が1 周し、その間に塊成物1中に含まれる酸化鉄 固体還元され、浸炭により融点降下して粒 に凝集すると共に、副生されるスラグと分 されることによって粒状金属鉄となる。

 具体的に、該還元炉10において上記回転 床4の上方に位置する側壁及び/又は天井壁に 複数の燃焼バーナー5が設けられており、該 ーナー5の燃焼あるいはその輻射による熱が 床部に供給される。一方、耐火材で構成さ た回転炉床4上に装入された塊成物1は、該 床4とともに還元炉10内を周方向へ移動する ちに上記バーナー5からの燃焼熱や輻射熱に って加熱される。この塊成物1が当該還元炉 10内の加熱帯を通過する間に、当該塊成物1内 の酸化鉄は固体還元され、副生される溶融ス ラグと分離しながら、且つ残余の炭素質還元 剤による浸炭を受けて軟化しながら、粒状に 凝集して粒状金属鉄9となる。そして、回転 床炉4の下流側ゾーンで冷却固化された後、 クリューなどの排出装置6によって炉床上か らホッパー8を通じて排出される。また、炉 で発生したガスは排ガスダクト7から排出さ る。

 回転炉床上での加熱還元が進み、塊成物 の酸化鉄の還元がほぼ完了すると、純鉄に 当する高い鉄分純度をもつ還元鉄粒子が生 され、この還元鉄粒子は、塊成物内に含ま る残余の炭素質還元剤によって急速に浸炭 れる。そして、還元鉄中の炭素量の増加に って当該還元鉄の融点が大幅に低下し、所 の雰囲気温度(例えば1350~1500℃)で当該還元 が溶融を開始し、微細粒状の還元鉄同士が 互に凝集することによって最終的には大粒 粒状金属鉄となる。この溶融-凝集過程で、 成物内に含まれるスラグ形成成分も溶融し 相互に凝集しながら粒状金属鉄と分離する

 以下、本発明を実施例によって更に詳細 説明するが、下記実施例は本発明を限定す 性質のものではなく、前・後記の趣旨に適 し得る範囲で適当に変更して実施すること 可能であり、それらはいずれも本発明の技 的範囲に含まれる。

[実施例1]
 本実施例で使用した酸化チタン含有鉄鉱石 化学組成を表1に示す。冶金の分野では、酸 化物の溶融温度を推測するために、平衡状態 図を利用することが一般的である。本実施例 では、表1に示す酸化チタン含有鉄鉱石の脈 成分組成に最も近い状態図(図2)がまず選定 れ、この図2を用いて、溶融温度が1450℃以下 になると推定される[CaO]/[SiO 2 ]の適正値が0.52~0.82(図2に示す斜線のゾーン) 決定された。そして、この適正値に基づき 表2に示すような各原料の配合率が決定され 。表2で使用した石炭の化学組成は表3に示 通りである。

 一方、状態図ではより多くの脈石成分を 時に考慮して溶融温度を推定することがで ないことから、その推定が計算機を用いて われた。具体的には、脈石成分の種類およ 含有量と溶融温度との関係についての蓄積 ータおよび熱力学的な推定を踏まえて作成 れた「融点推定ソフト」が用いられること より、表2の試料B-1~B-3のおおよその融点が 測された。その結果を表4に示す。この表4に 示される試料A-1についてのスラグの液相温度 の値は、試料B-1の融点を推定した結果である 。同様に試料A-2は試料B-2に、試料A-3は試料B-3 に、それぞれ対応している。また、試料A-1の 塩基度と試料A-2の塩基度とが異なっているの は、計算機にインプットされる成分値が蛍石 のCaの考慮により変更されたからである。

 この表4は、塩基度([CaO]/[SiO 2 ])の高い試料A-2の溶融温度(スラグの液相温度 )が1500℃を超えることを示している。試料A-3 、試料A-2と同じ塩基度を有するがそのSiO 2 量が増加されたものであり、この試料A-3につ いて推定される溶融温度が1450℃以下となる 能性が確認された。

 前記表2に示す鉄鉱石、石炭、成分調整剤 (具体的には、石灰石、必要に応じて蛍石や リカ等)、およびバインダー(結合剤)が相互 混合され、その粉体混合原料がパンペレタ ザーで直径19mmの球状ペレット(塊成物)に造 された。その一方で、上記粉体混合原料と を混合したものをシリンダーに挿入してそ 上部より0.3ton/cm2の圧力で加圧することによ て、円柱状タブレット(高さ15mm、直径20mm)が 成型された。上記鉄鉱石、石炭、成分調整剤 、およびバインダーには、それぞれの全ての 質量分について、1mm以下の粒径をもつもの( 開き1mmのふるいを通過したもの)が用いられ 。

 この様にして試料B-1,B-2,B-3から造粒され ペレットと、成型されたタブレットa,bおよ cの化学分析結果(化学組成)を表5に示す。試 a,bおよびcの化学組成は、混合前の各原料分 析値とそれらの配合率から算出されたもので ある。

 上記表4における[CaO]/[SiO 2 ]および[Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]の値は、塊成物の溶融温度を求めるために 料の配合率から推定した値であるため、実 にペレットまたはタブレットを作製して該 レットまたはタブレットの分析を行うこと より得られた表5の値とは異なる。

 上記各ペレットまたは上記各タブレット 1500℃または1450℃に加熱された窒素雰囲気 電気炉へ挿入されて加熱された。そして、 内でのCOガスの発生がなくなって金属鉄の分 離の目視による確認ができた時点で上記各試 料が冷却ゾーンに取り出され、これにより試 験が終了した。その後、金属鉄とスラグとが 手作業で分離された。

 図3は、後述する、本発明の実施例に係る 試料B-5を1500℃で加熱した後の溶融状態を撮 した写真を示す。この写真における白灰色 球状粒子はスラグ、黒灰色の球状粒子は金 鉄である。この写真は、試料B-5を1500℃で加 することによりスラグと金属鉄が十分に分 することを示している。因みに、上記式(1)~ (3)により示される条件を全てを満たすその他 の試料においても、上記試料B-5と同様にスラ グと金属鉄が十分に分離することが確認され た。

 図4は、上記試料B-1を1500℃で加熱した後 溶融状態を撮影した写真を示す。この写真 おける白灰色(カラー写真で青色を示す部分 含む)の球状粒子はスラグ、黒灰色はスラグ 含有金属鉄である。この写真から、試料B-1を 1500℃で加熱した場合には、図3に示される上 試料B-5に比べて、スラグと金属鉄は溶融し いるが互いの分離は不十分であることがわ る。因みに、上記式(1)~(3)に示される条件の いずれかを満たさないその他の試料において も、上記試料B-1と同様にスラグと金属鉄の相 互分離が不十分であることが確認された。

 次に、上記ペレット中または上記タブレ ト中の、鉄含有量に対する、3.35mm以上の粒 をもつ粒状金属鉄(目開き3.35mmのふるいを通 過せずに当該ふるいの上に残った粒状金属鉄 )の量の比が収率として求められた。その結 を表6に示す。

 表6に示されるように、成分調整剤として 石灰石のみを添加した試料B-1は、粒径が3.35mm 以上の粒状金属鉄(目開き3.35mmのふるいを通 しない粒状金属鉄)の収率が約41%と非常に低 ため、実用的でない。また、試料B-1と略同 の配合でさらにスラグの流動性を良くする ッ素を添加した試料B-2においても、その収 は約58%にとどまり改善効果は小さい。

 また、上記式(1)~(3)に示される条件を全て は満たさない試料aや試料bも、収率はそれぞ 約29%、約40%にとどまった。

 さらに、試料cの結果は、塊成物中のSiO 2 濃度が高められても上記式(1)~(3)に示される ての条件を満たさなければ上記粒状金属鉄 高い収率で得られないことを教示している

 これに対し、試料B-3、すなわち、上記試料B -2の組成におけるSiO 2 濃度を高めて[Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]比を0.6へ低下させることにより上記式(1)~(3) 示される全ての条件を満たすように化学組 が調整されたものでは、3.35mm以上の粒径を つ粒状金属鉄(目開き3.35mmのふるいを通過し ない粒状金属鉄)の収率が約80%と飛躍的に向 した。

[実施例2]
 「酸化チタン含有鉄鉱石を用いた場合に粒 金属鉄の高収率を達成するには、塊成物中 SiO 2 濃度を高めて、本発明で規定する式(1)~(3)の ての条件を満たすように化学組成を調整す ことが有効である」という考え方をさらに 証するための試験が行われた。

 前記表1に示す組成の鉄鉱石、前記表3に示 組成の石炭、成分調整剤(具体的には石灰石 蛍石およびシリカ)が前記実施例1と同様に インダーと共に互いに混合され、ペレット( 成物)に造粒された。このペレット(乾燥ペ ット)の化学組成を表7に示す。表7において 試料B-4は、試料B-3よりもさらにSiO 2 量が増加されたものであり、試料B-5は、炭素 量の増加以外は試料B-4とほぼ同組成のもので ある。試料B-6は、試料B-4よりもSiO 2 量がさらに増加されたこと及びCaO量がやや高 めであること以外は、試料B-4とほぼ同組成で ある。

 これらの試料が、前記実施例1と同様に、 1500℃に加熱された窒素雰囲気の電気炉内に 入され、加熱された。そして、COガスの発生 がなくなって金属鉄の分離の目視による確認 ができた時点で当該試料が冷却ゾーンへ取り 出され、これにより試験が終了した。その後 、金属鉄とスラグが手作業で分離された。そ して、上記ペレット中の、鉄含有量に対する 、3.35mm以上の粒径をもつ粒状金属鉄(目開き3. 35mmのふるいを通過しない粒状金属鉄)の量の が収率として求められた。その結果を表8に 示す。

 表8に示されるように、試料B-3よりもSiO 2 量が多い試料B-4において、3.35mm以上の粒径を もつ粒状金属鉄(目開き3.35mmのふるいを通過 ない粒状金属鉄)の収率が102.5%と飛躍的に向 した。当該収率が100%を超える理由は、表9 示されるように金属鉄中に炭素および各種 量成分が含まれているためである。この表9 、金属鉄中のC、Si、SおよびTiを化学分析し 結果を示したものである。

 この表9によれば、試料B-4では、炭素の含 有率が3.28%であるため、これを除くと、3.35mm 上の粒径をもつ粒状金属鉄(目開き3.35mmのふ るいを通過しない粒状金属鉄)の収率は99.2%と なる。

 一方、炭素量を増加させた試料B-5では、 ガス分析より計算した還元率の変化から、 化鉄の還元が良好に進むことが確認されて るが、当該試料B-5における、3.35mm以上の粒 をもつ粒状金属鉄(目開き3.35mmのふるいを通 過しない粒状金属鉄)の収率は102.5%であり、 料B-4とほぼ変わりない。このことから、炭 配合率の増加は粒径が3.35mm以上の粒状金属 (目開き3.35mmのふるいを通過しない粒状金属 )の収率に影響しないことがわかる。

 また、試料B-6は、試料B-4よりもSiO 2 量が更に増加されたものであるが、この試料 B-6における、3.35mm以上の粒径をもつ粒状金属 鉄(目開き3.35mmのふるいを通過しない粒状金 鉄)の収率も試料B-4とほぼ変わりない。この とからSiO 2 を過剰に増加させても上記収率の向上はみら れないことがわかる。

 更に、試料B-4を用いて、加熱温度を1500℃ から1450℃に低下させた場合についても試験 行われた。その結果を試料記号B-4″として 8に併記する。表8から分かる通り、加熱温度 を1500℃から1450℃に低下させると、粒径が3.35 mm以上の粒状金属鉄(目開き3.35mmのふるいを通 過しない粒状金属鉄)の収率は加熱温度を1500 とした場合(B-4)と比較して4%程度の低下が認 められた。尚、試料B-4’については加熱温度 を低下させたことにより加熱時間がやや長く なり、試料B-4の加熱時間を1とすると、試料B- 4’の加熱時間は1.19であった。

 以上のように、本発明は、TiO 2 に加えてAl 2 O 3 およびMgOといった溶融温度を高める脈石成分 を含む酸化チタン含有鉄源を粒状金属鉄の製 造に用いた場合に、従来法よりも比較的低温 の加熱(被加熱物が存在しないときの被加熱 上面位置の温度が1520℃以下の加熱)で酸化鉄 を還元・溶融して上記サイズの高品位な粒状 金属鉄を収率よく得るのに有用な、粒状金属 鉄製造用酸化チタン含有塊成物を提供する。 この粒状金属鉄製造用酸化チタン含有塊成物 は、酸化チタンをTiO 2 換算量にして5質量%以上10質量%未満含む鉄源 および炭素質還元剤を含み、かつ、その化 成分組成が下記式(1)~(3)により与えられる条 件を満たす。
 [CaO]/[SiO 2 ]=0.6~1.2   …(1)
 [Al 2 O 3 ]/[SiO 2 ]=0.3~1.0   …(2)
 [TiO 2 ]/([CaO]+[SiO 2 ]+[MgO]+[Al 2 O 3 ])<0.45
   …(3)
 ここで、上記式(1)~(3)における[CaO][SiO 2 ][Al 2 O 3 ][TiO 2 ][MgO]は、それぞれ塊成物中の各成分の含有量 (乾ベースでの質量%)を示す。

 このうち[TiO 2 ]は上記の「TiO 2 換算量」に相当するものであり、この換算量 は、上記塊成物にTiO 2 のみならずそれ以外の酸化チタンとしてTi 2 O 3 やTiOが含まれる場合にこれらをTiO 2 として換算した量も加えたものを意味する。 具体的に、この[TiO 2 ](TiO 2 換算量は、金属チタンが共存していないと仮 定すると、次式(4)により算定することが可能 である。
 [TiO 2 ](wt%)=全Ti(チタン)量(wt%)/(Ti原子量)×{(Ti原子量 )+2×(O(酸素)原子量)}   …(4)

 また、[CaO]は、酸化チタン含有鉄源や炭素 還元剤に含まれるCa、フッ素含有物質として 添加しうる蛍石中のCa、および成分調整剤と て添加しうる生石灰や石灰石(CaCO 3 )中のCaをCaOに換算して合計した量を示す。具 体的に、この[CaO]は、金属カルシウムが共存 ていないと仮定すると、次式(5)に基いて算 される。
 [CaO](wt%)=全Ca(カルシウム)量(wt%)/(Ca原子量)×{ (Ca原子量)+(O(酸素)原子量)}   …(5)

 この塊成物は、TiO 2 をはじめとする脈石成分を含む鉄源が粒状金 属鉄の製造に用いられる場合にも、比較的低 い加熱温度で、取り扱いに適したサイズの高 品位な粒状金属鉄を収率よく製造することを 可能にする。その結果、加熱のための燃料費 を低減するだけでなく、加熱炉を構成する耐 火物の費用低減や加熱炉の耐久性向上を期待 することが可能になる。

 上記塊成物は、さらにフッ素含有物質を み、かつ、フッ素含有量が0.6~3.5質量%であ ものが望ましい。

 また、上記塊成物では、上記炭素質還元 が、塊成物を構成する全原料の固定炭素と 前記鉄源中の鉄原子と結合している酸素と 原子モル比(O/C)を0.8~1.5にするように、添加 れていることが望ましい。

 また、上記塊成物の鉄源の90質量%以上が1 mm以下の粒径を有するもの、すなわち、目開 1mmのふるいを通過したもの、であることが ましい。




 
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