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Patent Searching and Data


Title:
AIR CONDITIONER FOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084532
Kind Code:
A1
Abstract:
An air conditioner for a vehicle comprises an air-conditioning unit (1) which is equipped with an evaporator (3), a refrigeration cycle (30) which includes the evaporator (3) and in which a refrigerant circulates in the order of a compressor (31), a condenser (32), an expansion valve (34), and the evaporator (3), a pressure reducer (35) which is provided in parallel with the expansion valve (34) to be able to reduce the pressure of the high-pressure refrigerant on the condenser (32) side and supply the reduced-pressure refrigerant to the evaporator (3) side when the driving of the compressor (31) is stopped in the refrigeration cycle (30), and a cool storage tank (7) which is connected between the evaporator (3) and the compressor (3) in the refrigeration cycle (30), installed in a casing of the air-conditioning unit (1), and formed to be able to store the refrigerant, and includes a cool storage material for cooling the refrigerant therein.

Inventors:
IDEI KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073410
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CALSONIC KANSEI CORP (JP)
IDEI KAZUHIRO (JP)
International Classes:
B60H1/32; F25B1/00; F25B43/00
Foreign References:
JP2004142551A2004-05-20
JP2002274165A2002-09-25
JPS52149450U1977-11-12
Attorney, Agent or Firm:
NISHIWAKI, Tamio (6-7 Ginza 6-chome,Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 吸入口から車室に連通された吹出口へ向かう送風が形成される送風通路を形成するケーシングに、前記送風通路を通る送風を形成する送風機および送風を冷却するエバポレータが搭載された空調ユニットと、
 前記エバポレータを含み、冷媒が、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、前記エバポレータの順で循環する冷凍サイクルと、
 この冷凍サイクルにおいて、前記コンプレッサの駆動停止時に、前記コンデンサ側の高圧冷媒を前記エバポレータ側に減圧させて供給可能に前記膨張弁と並列に設けられた減圧器と、
 前記冷凍サイクルにおいて前記エバポレータとコンプレッサとの間に接続されて前記ケーシング内に設置され、かつ、前記冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材を備えた蓄冷タンクと、
を備えていることを特徴とする車両用空調装置。
 前記蓄冷タンクが、軸直交方向に潰れた扁平筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
 前記エバポレータから冷媒が流入される流入パイプ、および、流入された冷媒を前記コンデンサに送る流出パイプが、先端を重力の作用方向である下方に向けて前記蓄冷タンクに挿し込まれ、かつ、前記流入パイプの先端位置が、前記流出パイプの先端位置よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
Description:
車両用空調装置

 本発明は、車両用空調装置に関し、特に コンプレッサ停止状態において冷房運転を 続可能な車両用空調装置に関する。

(優先権の主張)
 本願は、2007年12月27日に日本国特許庁に出 された特願2007-337621号に基づく優先権を主張 し、その内容をここに援用する。

近年、車両の低燃費化が進み、停車時に自 動的にエンジン停止を行ういわゆるアイドリ ングストップ制御が行われる場合がある。こ のアイドリングストップ制御時には、冷凍サ イクルにおいてエンジンにより駆動されるコ ンプレッサが停止されて冷凍サイクルも作動 が停止されるため、このような冷凍サイクル の作動停止状態でも、冷房運転を継続可能な 車両用空調装置が求められている。

 このようなコンプレッサの駆動停止時に冷 運転を可能とする車両用空調装置として、 えば、特開2007-1485号公報に記載されたもの 知られている。
この公開特許公報に記載の車両用空調装置は 、空調ユニットの外部において、冷凍サイク ルのエバポレータとコンデンサとの間に蓄冷 熱交換器が設けられているとともに、蓄冷熱 交換機の蓄冷材が放冷する際に凝縮される冷 媒を溜める蓄冷タンクが設けられている。

 したがって、コンプレッサの駆動が停止 れた際には、エバポレータで吸熱して蒸発 れた冷媒は、蓄冷熱交換器の蓄冷材からの 冷によって凝縮液化されて蓄冷タンク側の 媒体積を縮小させてエバポレータ側をコン ンサ側よりも低圧にできるため、コンデン 側の冷媒がエバポレータ側へ流入され、エ ポレータによる冷却を継続させることがで る。

 しかしながら、上述の従来技術では、蓄冷 交換器および蓄冷タンクが、空調ユニット 外部に設けられているため、車体への組付 において、これらの配管接続作業が必要で り、また、車室内やエンジンルームに、こ ら蓄冷熱交換器および蓄冷タンクの設置ス ースを確保する必要もあり、これらを有し いものと比較して、車載性に劣る。
  また、車両により、このような冷凍サイ ル停止時に冷房を継続させる機能を有する 様と、有しない仕様との設定がある場合、 体に蓄冷タンクの設置スペースを確保する めに仕様により車体形状を異ならせること なると、大幅なコストアップを招く。

 本発明は、上述のような従来の問題に着 して成されたもので、冷凍サイクル停止時 冷房を継続させる機能を有した車両用空調 置において、車載性向上および低コスト化 図ることを課題とする。

 上述の課題を解決するために、この発明 係わる車両用空調装置は、吸入口から車室 連通された吹出口へ向かう送風が形成され 送風通路を形成するケーシングに、前記送 通路を通る送風を形成する送風機および送 を冷却するエバポレータが搭載された空調 ニットと;前記エバポレータを含み、冷媒が 、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、前記 エバポレータの順で循環する冷凍サイクルと ;この冷凍サイクルにおいて、前記コンプレ サの駆動停止時に、前記コンデンサ側の高 冷媒を前記エバポレータ側に減圧させて供 可能に前記膨張弁と並列に設けられた減圧 と;前記冷凍サイクルにおいて前記エバポレ タとコンプレッサとの間に接続されて前記 ーシング内に設置され、かつ、前記冷媒を 留可能に形成されているとともに、内部の 媒を冷却する蓄冷材を備えた蓄冷タンクと; を備えていることを特徴とする車両用空調装 置とした。

 本発明の車両用空調装置では、コンプレッ が駆動する冷凍サイクルの作動時には、冷 が、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、 バポレータ、蓄冷タンクの順で循環する。
  このとき、蓄冷タンクでは、エバポレー を通過した冷媒により蓄冷材が冷却され、 冷材に蓄冷される。
  その後、車両が停止するなどして、コン レッサの駆動が停止された場合、残圧によ 差圧により、コンデンサ側の冷媒が減圧器 介して減圧されながらエバポレータへ供給 れ、さらにエバポレータを通過した後、蓄 タンクに流入する。そして、蓄冷タンクに いて、蓄冷材に蓄えられた冷却エネルギに り、減圧器を通過して気化されている冷媒 液化されて体積が縮小されるため、蓄冷タ クおよび蓄冷材を設けないものと比較して 長時間、残圧による冷媒の移動を維持でき エバポレータによる冷房状態を維持するこ ができる。

 このように蓄冷タンクおよび蓄冷材により コンプレッサ駆動停止後の冷房状態の維持 図ることができる本発明の車両用空調装置 は、蓄冷タンクを空調ユニットのケーシン 内に設置している。
  したがって、本発明の車両用空調装置を 両に搭載する際に、空調ユニットを車体に み付けることで、蓄冷タンクも車載され、 来のように、蓄冷タンクを空調ユニットの ーシングの外部で車室やエンジンルームに 置するのと比較して、独立した蓄冷タンク 組付作業や、この蓄冷タンクと配管との接 作業が不要であるとともに、車体に蓄冷タ クの設置スペースを確保することが不要で り、車載性に優れる。
  また、コンプレッサの駆動停止時に冷房 態を継続させる機能を有する仕様と有しな 仕様とを設定する場合に、仕様の違いによ 構成の相違は空調ユニットの内部の構成で り、車体側の形状などの共通化を図ること できるとともに、組付作業の共通化を図る が容易であり、コスト上有利となる。

本発明の最良の実施の形態の実施例1の 車両用空調装置Aに用いた冷凍サイクル30を示 す構成説明図である。 実施例1の車両用空調装置Aに用いた蓄 タンク7を示す縦断面図であって、図3のS2-S2 で切断した状態を示している。 実施例1の車両用空調装置Aに用いた蓄 タンク7を示す縦断面図であって、図2のS3-S3 で切断した状態を示している。 本発明の最良の実施の形態の実施例1の 車両用空調装置Aの構成を示す構成説明図で る。 実施例2の車両用空調装置における冷凍 サイクル230を示す構成説明図である。 実施例3の車両用空調装置に用いた蓄冷 タンク307を示す縦断面図であって、図7のS6-S6 線で切断した状態を示している。 実施例3の車両用空調装置に用いた蓄冷 タンク307を示す横断面図であって、図6のS7-S7 線で切断した状態を示している。 実施例4の車両用空調装置に用いた蓄冷 タンク407を示す縦断面図である。

符号の説明

A     車両用空調装置
1     空調ユニット
1c   ケーシング
3     エバポレータ
4     ブロワファン(送風機)
7     蓄冷タンク
8a   蓄冷材
8b   蓄冷材
18   送風通路
30   冷凍サイクル
31   コンプレッサ
32   コンデンサ
33   リキッドタンク
34   膨張弁
35   減圧器
36   流入パイプ
37   流出パイプ
230 冷凍サイクル
235 減圧器
307 蓄冷タンク
336 流入パイプ
337 流出パイプ
407 蓄冷タンク
437 流出パイプ

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 説明する。
  本実施の形態の車両用空調装置は、吸入 11から車室に連通された吹出口12a、12b、12cへ 向かう送風が形成される送風通路18を形成す ケーシング1cに、前記送風通路18を通る送風 を形成する送風機4および送風を冷却するエ ポレータ3が搭載された空調ユニット1と、前 記エバポレータ3を含み、冷媒が、コンプレ サ31、コンデンサ32、膨張弁34、前記エバポ ータ3の順で循環する冷凍サイクル30と、こ 冷凍サイクル30において、前記コンプレッサ 31の駆動停止時に、前記コンデンサ32側の高 冷媒を前記エバポレータ3側に減圧させて供 可能に前記膨張弁34と並列に設けられた減 器35と、前記冷凍サイクル30において前記エ ポレータ3とコンプレッサ31との間に接続さ て前記ケーシング1C内に設置され、かつ、 記冷媒を貯留可能に形成されているととも 、内部の冷媒を冷却する蓄冷材8a、8bを備え 蓄冷タンク7と、を備えていることを特徴と する車両用空調装置である。

 以下に、図1~図4に基づいて、この発明の最 の実施の形態の実施例1の車両用空調装置A ついて説明する。
  図4は車両用空調装置Aの構成の概略を示す 全体概略図であって、この車両用空調装置A 、図示を省略したインストルメントパネル に設置される空調ユニット1およびこの空調 ニット1の作動を制御するコントロールユニ ット2を備えている。

 空調ユニット1は、図示を省略したインス トルメントパネル内に設置され、内外気を選 択的に導入可能な吸入口11から、車室内に繋 る図示を省略した各種ダクトが接続される フ吹出口12a、フット吹出口12b、ベント吹出 12cに至る送風通路18を形成したケーシング1c を備えている。

 このケーシング1cの送風通路18には、送風 上流側から順に、吸入口11から各吹出口12a~12c へ向かう送風を形成するブロワファン4と、 風を冷却するエバポレータ3と、送風を加熱 るヒータコア6と、が設置されている。

 エバポレータ3は、周知の冷媒を循環する 冷凍サイクル30の構成要素の一つである。こ 冷凍サイクル30は、図1に示すように、走行 のエンジンあるいはモータによって駆動さ て冷媒を圧縮するコンプレッサ31と、高圧 ス状の冷媒を冷却して飽和液とするコンデ サ32と、冷媒の気液分離を行うリキッドタン ク33と、冷媒を低温低圧の蒸気とする膨張弁3 4と、を備え、冷媒が、コンプレッサ31、コン デンサ32、リキッドタンク33、膨張弁34、エバ ポレータ3の順で循環するよう構成されてい 。

 さらに、本実施例1では、冷凍サイクル30 おいて、膨張弁34と並列に減圧器35が設けら れているとともに、エバポレータ3とコンプ ッサ31との間に、蓄冷タンク7が設けられて る。

 減圧器35は、膨張弁34が閉弁した状態でもコ ンデンサ32側とエバポレータ3側との連通状態 を維持するとともに、コンデンサ32側の高圧 媒を減圧気化させる機能を有している。具 的には、膨張弁34において、閉弁時の封止 置の上流と下流とを連通させるように形成 れた溝で構成することができる。
  蓄冷タンク7は、空調ユニット1のケーシン グ1c内において、エバポレータ3に並設されて おり、かつ、扁平の筒状に形成されている。

 図2および図3に示すように、蓄冷タンク7 、押出成形により外筒71と内筒72とを備えた 二重筒状に形成されており、軸方向を重力の 作用方向である車両上下方向に略一致する向 きに配置されている。

 そして、図3に示すように、外筒71と内筒72 を連結する連結板73a、73b、73cが、両筒71、72 一体に形成されている。なお、これらの連 板73a、73b、73cのうち、図において矢印W方向 である幅方向の中央に設けられた連結板73bは 、内筒72を幅方向の直交方向に貫通し、内筒7 2の内側に形成された内部室7dを2分割してい 。
  また、図2に示すように、内筒72の上下方 両端に、蓋板72a、72bが溶接などにより結合 れて内筒72の上下両端部が塞がれ、かつ、外 筒71の上下両端部には、外筒71の外形寸法よ も僅かに大きな内径寸法を有した断面略U字 の上側キャップ部材74および下側キャップ 材75が嵌合され、かつ、溶接により結合され ている。
  したがって、蓄冷タンク7の上下両端には 外筒71および内筒72の内部と区画された上流 室7aと下流室7bとが形成され、これら上流室7a と下流室7bとが、外筒71と内筒72との間で軸方 向に延在された連通路7cにより連通されてい 。

 また、内筒72の内部室7dには、蓄冷材8aが充 されている。この蓄冷材8aは、冷媒と熱交 を行って、冷媒が有する冷却エネルギを蓄 ることができるもので、例えば、パラフィ 、吸水性ポリマ、植物セルロース、水、LLC どを用いることができる。
  さらに、外筒71の外周にもシート状の蓄冷 材8bが巻き付けられている。

 そして、蓄冷タンク7の上流室7aには、冷凍 イクル30において、エバポレータ3から冷媒 送られる流入パイプ36が上側キャップ部材74 を貫通して接続されている。
  一方、蓄冷タンク7の下流室7bには、蓄冷 ンク7からコンプレッサ31へ冷媒を送る流出 イプ37が下側キャップ部材75を貫通して接続 れている。

 なお、コントロールユニット2は、室内温 度環境因子の検出を行う各種センサから成る センサ群SEからの入力に基づいて、図示を省 した設定スイッチにより設定された室温を 成するべく、吹出風量や吹出空気温度を制 する。

 次に、実施例1の車両用空調装置Aの作動に いて説明する。
  車両走行時に、実施例1の車両用空調装置A の冷房運転を行うと、コンプレッサ31が、図 のエンジンあるいはモータにより駆動され 冷凍サイクル30が作動する。
  この場合、コンプレッサ31で圧縮して吐出 された冷媒は、コンデンサ32で凝縮液化され リキッドタンク33で気液分離された後、膨 弁34で減圧され、エバポレータ3で吸熱して 発され、このとき、空調ユニット1の送風通 18の送風を冷却する。

 そして、エバポレータ3で蒸発した冷媒は 、流入パイプ36を通って蓄冷タンク7に流入し 、蓄冷タンク7の上流室7aから、連通路7cを通 て下流室7bへ移動する間に、連通路7cの内外 に配置された蓄冷材8a、8bを冷却し、これら 冷材8a、8bに冷却エネルギが蓄えられる。ま 、下流室7bの冷媒は、流出パイプ37からコン プレッサ31の吸入側へ移動する。

 次に、アイドルストップ制御時の作動につ て説明する。
  すなわち、コントロールユニット2は、車 の停止時に、自動的に図外のエンジンの駆 を停止させるいわゆるアイドルストップ制 を実行する。
  このアイドルストップ制御時には、冷凍 イクル30におけるコンプレッサ31の駆動が停 される。

 このとき、冷凍サイクル30では、残圧によ 、コンプレッサ31の吐出側で高圧となってい るコンデンサ32およびリキッドタンク33と、 張弁34で減圧された後の低圧側のエバポレー タ3および蓄冷タンク7とで差圧が生じている
  そこで、この差圧により、冷媒が、減圧 35を介して、リキッドタンク33側からエバポ ータ3へ流入する。
  したがって、エバポレータ3では、コンプ ッサ31の停止後も、残圧によりリキッドタ ク33から送られる冷媒により、送風通路18と 熱交換が行われて、冷房が行われる。

 また、このエバポレータ3における熱交換 により加熱ガス化した冷媒は、流入パイプ36 ら蓄冷タンク7の上流室7aへ流入し、重力に り連通路7cを移動する間に、蓄冷材8a、8bに り冷却されて凝縮液化され、下流室7bに貯 られる。

 このように、蓄冷タンク7において、冷媒が 凝縮されて体積を縮小させることから、エバ ポレータ3および蓄冷タンク7が低圧に保たれ コンプレッサ31の停止後も、冷媒が、継続 にエバポレータ3に送られて冷房が継続して 行される。
  なお、この継続的な冷房は、蓄冷材8a、8b 、冷媒凝縮を実行可能な温度である間行わ ることになる。

 以上説明した実施例1の車両用空調装置Aで 、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング 1cの内部に設置したため、車両用空調装置Aを 車両に搭載する際に、空調ユニット1を車体 組み付けることで、蓄冷タンク7も車載され 従来のように、蓄冷タンク7を空調ユニット 1のケーシング1cの外部で車室やエンジンルー ムに設置するのと比較して、独立した蓄冷タ ンク7の組付作業や、この蓄冷タンク7と配管 の接続作業が不要であり、車載性に優れる
  また、コンプレッサ31の駆動停止時に冷房 状態を継続させる機能を有する仕様と有しな い仕様とを設定する場合に、仕様の違いによ る構成の相違は空調ユニット1の内部の構成 あり、車体側の形状などの共通化を図るこ ができるとともに、組付作業の共通化を図 のが容易であり、車載性に優れるとともに コスト化を図ることができる。

 さらに、蓄冷タンク7を扁平筒状に形成し たため、容量が限られた空調ユニット1内に いて、送風通路18の送風の抵抗にならないよ うに配置することが可能となり、扁平状でな い場合と比較して、車載性に優れる。

 加えて、本実施例1では、蓄冷タンク7に いて、冷媒が流通する連通路7cの内外を蓄冷 材8a、8bで囲んだ構造としたため、蓄冷材8a、 8bをいずれか一方のみとした場合と比較して 蓄冷タンク7における冷媒冷却性能が高く、 コンプレッサ31の停止時における冷房継続性 を高めることができる。

 しかも、蓄冷タンク7は、押出成形材の二 重筒構造部分の両端を上側キャップ部材74お び下側キャップ部材75で塞いで形成してい ため、製造が容易であり、低コスト化を図 ことができる。

 また、蓄冷タンク7では、上端の上流室7a エバポレータ3からの冷媒を流入させ、下端 の下流室7bからコンプレッサ31へ流出させる うにしたため、エバポレータ3から流入され ミスト状の冷媒が、直接コンプレッサ31へ られ難く、冷凍サイクル30の作動安定化を図 ることができる。

 (他の実施例)
  以下に、本発明の実施の形態の他の実施 について説明する。
  なお、これら他の実施例を説明するのに たり、実施例1と共通する構成には、実施例1 で示した符号を付けることで、説明を省略す る。また、作用についても、実施例1と共通 る作用については説明を省略する。

  図5に基づいて、本発明の実施の形態の実 例2の車両用空調装置について説明する。
  図5は、実施例2の車両用空調装置の冷凍サ イクル230を示す構成説明図であり、実施例1 の相違点は、膨張弁34と並列に減圧器235が設 けられ、リキッドタンク33と膨張弁34との間 、リキッドタンク33からの冷媒を膨張弁34の に流す膨張弁側開状態と、減圧器235のみに す減圧器側開状態とに切り換える切換弁200 設けた例である。

 なお、切換弁200の切り換えはコントロー ユニット2により行われる。すなわち、コン トロールユニット2が、切換弁200を、コンプ ッサ31の駆動時に膨張弁側開状態とし、コン プレッサ31の駆動停止時に減圧器側開状態と るよう制御する。

 この実施例2の車両用空調装置では、膨張弁 34として、閉弁状態でも減圧器の機能を有す ものを用いずに、既存の膨張弁34を用いる とができる。
  なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケー シング1cの内部に設置したことによる車載性 上、仕様の違いによる車体側の形状などの 通化を図って車載性向上ならびに低コスト を図ることができる点、蓄冷タンク7を扁平 筒状に形成したことによる車載性向上の点、 蓄冷タンク7において、連通路7cの内外を蓄冷 材8a、8bで囲んだ構造としたことにより冷房 続性能を向上できる点、蓄冷タンク7を、押 成形材の二重筒構造部分の両端を上側キャ プ部材74および下側キャップ部材75で塞いで 形成したことにより低コスト化を図ることが できる点、冷タンク7を、上端の上流室7aにエ バポレータ3からの冷媒を流入させ、下端の 流室7bからコンプレッサ31へ流出させるよう したことにより、冷凍サイクル30の作動安 化を図ることができる点、については実施 1と同様である。

  図6および図7に基づいて、本発明の実施の 形態の実施例3の車両用空調装置について説 する。
  図6は実施例3の車両用空調装置に用いた蓄 冷タンク307を示す縦断面図、図7は蓄冷タン 307の横断面図である。

 図6および図7に示すように、蓄冷タンク30 7は、円筒状の外筒371と内筒372とを備え、外 371の上下両端を蓋板374、375で塞ぐとともに 内筒372の上下を蓋板376、375で塞いで、外筒37 1と内筒372との間に、冷媒用空間373が形成さ ている。

 また、実施例1と同様に、内筒372の内側に 、蓄冷材8aが充填されているとともに、外筒3 71の外周には、シート状の蓄冷材8bが巻き付 られている。

 そして、流入パイプ336は、蓄冷タンク307 上端部から冷媒用空間373に挿し込まれて、 媒用空間373の底部まで延在されている。一 、流出パイプ337は、蓄冷タンク307の上端部 ら冷媒用空間373に挿し込まれて、先端が流 パイプ336よりも高い位置に配置されている

 以上のように、実施例3では、蓄冷タンク 307の外筒371および内筒372として、既存の安価 な円筒状のパイプを用いているため、安価に 製造することができる。

 また、実施例3では、両パイプ336、337を蓄冷 タンク307の上端部から挿し込む構造であるが 、エバポレータ3に接続された流入パイプ336 、流出パイプ337よりも低い位置に配置した め、エバポレータ3から送られるミスト状の 媒が、直接流出パイプ337に吸い込まれてコ プレッサ31へ送られることが生じにくく、 房性能の安定化を図ることができる。
  なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケー シング1cの内部に設置したことによる車載性 上、仕様の違いによる車体側の形状などの 通化を図って車載性向上ならびに低コスト を図ることができる点、については実施例1 と同様である。

  図8に基づいて、本発明の実施の形態の実 例4の車両用空調装置について説明する。
  図8は実施例4の車両用空調装置に用いた蓄 冷タンク407を示す断面図である。
  この実施例4は、実施例3の変形例であり、 流出パイプ437の先端を、冷媒用空間373の上部 に配置し、さらに、流出パイプ437の先端の直 ぐ下方に、流入パイプ336から冷媒用空間373に 供給されるミスト状の冷媒が、直接、流出パ イプ337に流入するのを妨げる遮蔽板401を設け た例である。

 このように、実施例4では、両パイプ336、437 を蓄冷タンク407の上端部から挿し込む構造で あるが、流出パイプ437の先端を、流入パイプ 336の先端よりも高い位置に配置し、さらに、 流出パイプ437の直ぐ下に遮蔽板401を設けた。 このため、流入パイプ336から冷媒用空間373に 供給されるミスト状の冷媒が、直接流出パイ プ437に吸入されにくくなり、冷凍サイクル30 作動の安定化を図ることができる。
  なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケー シング1cの内部に設置したことによる車載性 上、仕様の違いによる車体側の形状などの 通化を図って車載性向上ならびに低コスト を図ることができる点、については実施例1 と同様である。

 以上、図面を参照して、本発明の実施の 態および実施例1~実施例4について詳述して たが、具体的な構成は、この実施の形態お び実施例1~実施例4に限らず、本発明の要旨 逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に まれる。

 例えば、実施例1~実施例4では、蓄冷タン として、扁平楕円形状のものおよび円形状 ものを示したが、これに限定されず、長方 や四角形あるいは多角形状のものなど他の 状のものを用いてもよい。

 また、実施例1~実施例4では、蓄冷タンク 、内外に二重構造として、内側に蓄冷材8a 設けた例を示したが、蓄冷材を外側のみに ける場合には、蓄冷タンクを二重構造とす 必要はない。あるいは、二重構造の蓄冷タ クの内側のみに蓄冷材を設けるようにして よい。

 この発明によれば、前記車両用空調装置に いて、前記蓄冷タンクが、軸直交方向に潰 た扁平筒状に形成されていることが望まし 。
このように蓄冷タンクを扁平筒状に形成する ことにより、容量が限られた空調ユニット内 において、送風の抵抗にならないような配置 が可能となり、より車載性が向上する。

 また、前記車両用空調装置において、前記 バポレータから冷媒が流入される流入パイ 、および、流入された冷媒を前記コンデン に送る流出パイプが、先端を重力の作用方 である下方に向けて前記蓄冷タンクに挿し まれ、かつ、前記流入パイプの先端位置が 前記流出パイプの先端位置よりも低い位置 配置されていることが望ましい。
 このように蓄冷タンクの流入パイプを流出 イプよりも、その先端を低く配置すること より、エバポレータから送られるミスト状 冷媒が、直接コンプレッサへ送られにくく り、冷房性能の安定化を図ることができる