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Title:
AIR PURIFICATION FILTER AND AIR PURIFICATION FILTER ASSEMBLY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034841
Kind Code:
A1
Abstract:
An air purification filter that is used together with another filter, prevents scatter of cut pieces of fibers separated from the another filter, and effectively reinforces the another filter. The air purification filter (2) has a fiber array layer body formed by layering fiber array layers over each other, where, in each of the fiber array layers, continuous long fibers are substantially linearly arranged aligned in one direction. The air purification filter (2) is adapted to be placed closer to a space (10) to be air conditioned than the another air purification filter (1) placed at an air outlet of an air conditioning facility. In the fiber array layers, some fiber array layers and the remaining fiber array layers are layered over each other such that the directions of extension of the fibers of the some and remaining fiber array layers are different.

Inventors:
ISHIDA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065303
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
August 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORP (JP)
ISHIDA TAKASHI (JP)
International Classes:
F24F7/10; B01D39/14; F24F8/10; B01D39/16; B01D46/10; B03C3/28; D04H3/04; D04H3/14; F24F13/28
Foreign References:
JP2000334872A2000-12-05
JP2002155463A2002-05-31
JP2000084326A2000-03-28
JPH08224412A1996-09-03
JPH10325062A1998-12-08
JP2001316968A2001-11-16
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Teruo et al. (16th Kowa Bldg.9-20, Akasaka 1-chome,Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
 連続した長繊維が一方向に略直線状に配列した繊維配列層を複数枚積層してなる繊維配列積層体を有する空気浄化用フィルターであって、
 空調設備の吹出口に設けられた他の空気浄化用フィルターよりも空調対象空間側に設けられるようにされ、
 前記繊維配列層は一部の前記繊維配列層と他の前記繊維配列層とが、前記長繊維の延伸方向が互いに異なる方向に積層されている、
 空気浄化用フィルター。
 前記長繊維は、揮発性またはブリードアウト性を有する添加剤、及び揮発性またはブリードアウト性を有する加工助剤を実質的に含んでいない、請求項1に記載の空気浄化用フィルター。
 前記長繊維はエレクトレット化されている、請求項1に記載の空気浄化用フィルター。
 請求項1に記載の空気浄化用フィルターと、
 前記他の空気浄化用フィルターと、
 を有し、
 前記空気浄化用フィルターは前記他の空気浄化用フィルターよりも空調対象空間側に設けられるようにされた、
 空気浄化用フィルター組立体。
 前記他の空気浄化用フィルターは、前記繊維配列層と比べて繊維が屈曲して配列し、または前記繊維配列層と比べて繊維がランダムな方向に延びている繊維層を有している、請求項4に記載の空気浄化用フィルター組立体。
 前記空気浄化用フィルターは前記他の空気浄化用フィルターの補強部材である、請求項4に記載の空気浄化用フィルター組立体。
Description:
空気浄化用フィルター及び空気 化用フィルター組立体

 本発明は、空気浄化用フィルター及び空 浄化用フィルター組立体に関し、特に空気 化用フィルターの構成に関する。

 食品加工工場、半導体工場等、塵埃を嫌 設備では、空調ダクトの吹出口にフィルタ を設置し、空調系から室内への塵埃の流入 防止することが多い。このような目的で用 られるフィルターは粒子捕集性能に優れる けでなく、適度な通気性を兼ね備えている 要がある。従来、このようなニーズに対応 るため、スパンボンド法やメルトブロー法 製造された不織布からなるフィルターが広 用いられている(例えば特開2005-238098号公報 照。)。粒子捕集性能を高めるためには繊維 間の空隙を細かく、均一にする必要がある。 そこで、繊維の繊度を小さくするとともに、 繊維を3次元的に交絡させることが行われて た。屈曲しながらランダムな方向を向いて びる繊維が互いに交絡することによって、 ィルター内に無数の空隙が形成され、粒子 効率的に捕捉される。

 しかし、従来の不織布を用いたフィルタ では、繊維が実質的に寸断された不織布を いているため、繊維の切片屑がフィルター 面から飛散するという問題があった。すな ち、ダクトの吹出口では常にダクト内から 調対象空間に向かって空気が流れているた 、この空気流によって繊維の一部が剥離し そのまま空気流に乗ってフィルターから分 して空調対象空間に流出してしまう。繊維 一般に数10μm程度の微細径のものであるが 設備の用途によっては重大な影響を生じる 能性がある。また、このような屈曲しなが ランダムな方向を向いて延びる繊維が互い 交絡してなるフィルターは一般に目付(単位 積当たりの重量)が大きく、吹出口の開口寸 法によってはフィルターの重量も相当大きな ものとなり、保守点検作業への影響や支持構 造物への影響が避けられない。

 本発明は、上記の課題に照らし、他のフ ルターと共に用いられ、当該他のフィルタ から剥離する繊維の切片屑の飛散を防止す と共に、当該他のフィルターの補強に有効 空気浄化用フィルターを提供することを目 とする。また、本発明は、このような空気 化用フィルターと当該他のフィルターを含 フィルター組立体を提供することを目的と る。

 本発明の一実施態様によれば、空気浄化 フィルターは、連続した長繊維が一方向に 直線状に配列した繊維配列層を複数枚積層 てなる繊維配列積層体を有し、空調設備の 出口に設けられた他の空気浄化用フィルタ よりも空調対象空間側に設けられるように れている。繊維配列層は一部の繊維配列層 他の繊維配列層とが、繊維の延伸方向が互 に異なる方向に積層されている。

 他の空気浄化用フィルターで繊維の切片 が発生しても、切片屑は当該他の空気浄化 フィルターよりも下流側に設置された空気 化用フィルターで捕捉されるので、空調対 空間への流出が防止される。また、本空気 化用フィルターの繊維配列積層体は連続し 長繊維で形成されているので、繊維の切片 が発生しにくく。それ自体が切片屑の発生 となる可能性は極めて小さい。さらに、塵 のほとんどは他の空気浄化用フィルターに って捕捉され、本空気浄化用フィルターは として他の空気浄化用フィルターで発生し 繊維の切片屑を捕捉すればよいため、比較 簡易な構成で十分であり、圧力損失が過度 増加することもない。また、連続した長繊 が一方向に略直線状に配列した繊維配列層 繊維の延伸方向が互いに異なる方向に積層 れている構成によって、目付の割に高い剛 を得ることができる。このため、当該他の 気浄化用フィルターの補強部材としても有 に用いることができる。

 本発明の他の実施態様によれば、空気浄 用フィルター組立体は、上述した空気浄化 フィルターと、当該他の空気浄化用フィル ーと、を有している。

 以上説明したように、本発明によれば、 のフィルターと共に用いられ、当該他のフ ルターから剥離する繊維の切片屑の飛散を 止すると共に、当該他のフィルターの補強 有効な空気浄化用フィルターを提供するこ ができる。また、本発明によれば、このよ な空気浄化用フィルターと当該他のフィル ーを含むフィルター組立体を提供すること できる。

本発明のフィルター及びフィルター組 体が組込まれた空調用ダクトの概略斜視図 ある。 ダクトの吹出口付近の断面図である。 フィルターダクトを構成する繊維配列 層体の部分分解斜視図である。 繊維配列層の一部を拡大して示す部分 視図である。 繊維配列層の作成に用いられる製造装 の概略図である。

符号の説明

 1 第1のフィルター
 2 第2のフィルター
 3 空気浄化用フィルター組立体
 4 ダクト
 5 吹出口
 10 空調対象空間
 12A,12B,12C,12D 繊維配列層
 13A,13B,13C,13D 繊維
 15A,15B,15C,15D 延伸方向
 24 メルトブローンダイス
 28 ノズル
 31 繊維

 次に、図面を参照して本発明のフィルタ 及びフィルター組立体について説明する。 1は、本発明のフィルター及びフィルター組 立体が組込まれた空調用ダクトの概略斜視図 である。

 空調対象空間10には、外部の空調ファン( 示せず)に接続されたダクト4が設けられて る。空調対象空間10には、例えば半導体製造 設備、食品加工設備等、塵埃を嫌う設備(図 せず)が設置されている。空調ファンから送 される空気はダクト4内を通り、ダクト4に って一定の間隔で下向きに設置された吹出 5から空調対象空間10に送出される。空調対 空間10に滞留した空気はその後排気口(図示 ず)から空調対象空間10の外部へ排出され、 のまま屋外に排気されるか、または再循環 イン(図示せず)を通って空調ファンから再度 空調対象空間10に送り込まれる。

 図2は、ダクトの吹出口付近の断面図であ る。吹出口5付近には、第1の空気浄化用フィ ター(以下、第1のフィルター1とする。)と、 その下流側(すなわち第1の空気浄化用フィル ーよりも空調対象空間10側)に設けられた第2 のフィルター空気浄化用(以下、第2のフィル ー2とする。)と、が直列に配置されている 第1,第2のフィルター1,2は空気浄化用フィル ー組立体3を構成している。第2のフィルター 2は第1のフィルター1の鉛直方向下方に設置さ れている。第1,第2のフィルター1,2は共通のフ レームに支持されていてもよい。

 第1の空気浄化用フィルター1は、例えば ルトブロー法によって製造することができ 。後述するように、第1の空気浄化用フィル ー1の製造方法は第2のフィルター2の製造方 と異なっている。第1の空気浄化用フィルタ ー1の繊維層は、第2のフィルター2の繊維配列 層と比べて繊維が屈曲して配列しており、あ るいは第2のフィルター2の繊維配列層と比べ 繊維がランダムな方向に延びているが、通 はその両者の特性を併せ持っている。この め、繊維が3次元的に複雑に交絡した繊維層 が形成されており、非常に優れた粒子捕集性 能を発揮する。第1の空気浄化用フィルター1 、ダクト4内の空間に直接面しており、ダク ト4内から吹出口5に向かう空気に含まれる塵 を直接捕集する。図では、第1の空気浄化用 フィルター1は箱状の形状に成形されている 、屏風型その他の任意の形状のフィルター 用いることができる。表面形状も平坦、蛇 状その他任意の表面形状とすることができ 。

 第2のフィルター2は、連続した長繊維が 方向に略直線状に配列した繊維配列層を複 枚積層してなる繊維配列積層体を有してい 。図3は、第2のフィルターの繊維積層体の分 解斜視図である。繊維積層体11は、繊維が一 向に配列した繊維配列層が複数枚積層され 形成されている。図では4枚の繊維配列層12A ,12B,12C,12Dを示しているが、積層する枚数は用 途に応じて適宜定めることができる。繊維配 列層12A,12B,12C,12Dは互いに熱圧着されて、全体 として一つの繊維積層体11を形成している。

 図4は、第2のフィルターの繊維配列層の 部を拡大して示す部分斜視図である。同図 は繊維配列層12A,12Bだけが示されているが、 の繊維配列層も同様の構成となっている。 示するように、繊維配列層12Aは、互いに平 にかつ直線状に延びる多数の繊維13Aの集合 である。同様に、繊維配列層12Bは、互いに 行にかつ直線状に延びる多数の繊維13Bの集 体である。繊維13A,13Bは途中で折り畳まれた り、2層以上積層されたりしている場合もあ 。繊維配列層12Aは、ポリエチレン、ポリプ ピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ 化ビニル系樹脂、ポリウレタン、フッ素系 脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの変性樹 から作成することができる。ポリビニルア コール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹 等の湿式または乾式の紡糸手段による樹脂 使用することができる。繊維配列層12Bも同 である。各繊維13A,13Bの直径は例えば10μm程 である。繊維配列層12A,12Bは、繊維配列層12A 繊維13Aの延伸方向15Aと繊維配列層12Bの繊維1 3Bの延伸方向15Bとが互いに直交するように積 されている。繊維配列層12Cの繊維13Cの延伸 向15Cは繊維配列層12Bの繊維13Bの延伸方向15B 直交している。同様に、繊維配列層12Dの繊 13Dの延伸方向15Dは繊維配列層12Cの繊維13Cの 伸方向15Cと直交している。繊維配列層の繊 の向きは隣接する繊維配列層同士で互いに 交している必要はなく、同じ延伸方向を持 2枚またはそれ以上の繊維配列層が連続して 設けられていてもよい。

 各繊維配列層12A,12B,12C,12Dの繊維13A,13B,13C,1 3Dは延伸方向15A,15B,15C,15D以外の向きに屈曲し り、ランダムな方向を向いていたりするこ がなく、極めて高い直線性と方向性を備え いる。従って、繊維の延伸方向に引張り力 加わっても繊維の伸びはほとんど生じない これに対して、繊維の延伸方向と直交する 向の引張り力に対してはほとんど抵抗力が じないため、各繊維配列層12A,12B,12C,12Dが単 で設けられている場合には、これらの繊維 列層は自由に変形する。例えば、繊維配列 12Aが単独で設けられている場合、延伸方向1 5Aの引張り力に対してはほとんど変形しない 、延伸方向15Aと直交する方向の引張り力に しては自由に変形する。本実施形態では、 維配列層12A,12B,12C,12Dが積層して設けられ、 維配列層12A,12Cの繊維13A,13Cは各々延伸方向15 A、15C(以下、総称して第1の方向S1という。)を 向いて延び、繊維配列層12B,12Dの繊維13B,13Dは 々延伸方向15B,15D(以下、総称して第2の方向S 2という。第2の方向S2は第1の方向S1と直交し いる。)を向いて延びている。このように繊 配列層を繊維の延伸方向が互いに直交する うに積層することによって、どの方向から 引張り力に対しても大きな強度と変形に対 る拘束力が生じる。このため、第2のフィル ター2を第1のフィルター1に密着して設けるこ とによって、第1のフィルター1を下方から支 、第1のフィルター1の補強部材として機能 せることができる。これに加え、第2のフィ ター2では繊維が一方向に略直線状に配列し ているため、嵩厚みが小さくてすみ、保守点 検作業が容易であると共に、配置スペースへ の影響も少ない。

 第2のフィルター2の繊維は、常温での揮 性またはブリードアウト性を有する添加剤 及び揮発性またはブリードアウト性を有す 加工助剤を実質的に含んでいない。一般に ィルター基材は、紡糸性や加工性、延伸性 高めるため、それ自体が種々の添加物を含 でおり、あるいは各工程で必要な加工助剤 加えられる。例えば、従来の不織布では、 維が複雑に交絡しているため、帯電防止や 伸の際の抵抗低減が必要であり、これらの 的で、油分を含んだ添加剤あるいは加工助 を用いている。しかし、これらの物質が空 対象空間10内に飛散すると、空調対象空間10 の雰囲気に大きな影響を与えることがある 特に、添加物あるいは加工助剤が油分を含 でいると、影響が大きい。これに対し、本 施形態の第2のフィルターでは、繊維が一方 向に直線状に配列し、配列ムラが少ないため 、延伸時に繊維の交差点が軋むことが少なく 、また、帯電もしにくいので、油分は不要で ある。このため、第2のフィルター2を通過し 空気は極めて清浄であり、油分や繊維の切 屑をほとんど含んでいない。

 第2のフィルター2の繊維はエレクトレッ 化されていることが好ましい。これによっ 捕集性能をさらに高めることができる。エ クトレット化は例えばコロナ放電などの公 の技術を用いて行うことができる。油分な を含む添加剤あるいは加工助剤は油分の親 性によって帯電により生じた電荷を漏出さ てしまうが、上述のように、第2のフィルタ 2の繊維はこのような添加剤や加工助剤を含 んでいないので、エレクトレット化が効果的 に行われる。

 次に、以上説明した第2のフィルター2の 維積層体の製造方法について説明する。図5 、第2のフィルターの繊維配列層の作成に用 いられる製造装置の概略図を示す。繊維配列 層製造装置21は、主にメルトブローンダイス2 4とコンベア25とで構成される紡糸ユニット22 、延伸シリンダ26a,26b、引取ニップローラ27a ,27b等で構成される延伸ユニット23と、を有し ている。メルトブローンダイス24は、先端(下 端)に、紙面に対して垂直な方向に並べられ 多数のノズル28を有している(図では1つのみ 示している。)。ギアポンプ(図示せず)から 入された溶融樹脂30がノズル28から押出され ることで、多数の繊維31が形成される。各ノ ル28の両側にはそれぞれエアー溜32a,32bが設 られている。樹脂の融点以上に加熱された 圧加熱エアーは、これらエアー溜32a,32bに送 入され、エアー溜32a,32bと連通してメルトブ ーンダイス24の先端に開口するスリット33a,33 bから噴出される。これにより、ノズル28から 押出される繊維31の押出し方向とほぼ平行な 速気流が生じる。この高速気流により、ノ ル28から押出された繊維31はドラフト可能な 溶融状態に維持され、高速気流の摩擦力によ り繊維31にドラフトが与えられ、繊維31が細 化される。高速気流の温度は、繊維31の紡糸 温度よりも80℃以上、望ましくは120℃以上高 する。メルトブローンダイス24を用いて繊 31を形成する方法では、高速気流の温度を高 くすることにより、ノズル28から押出された 後の繊維31の温度を繊維31の融点よりも十分 に高くすることができるため、繊維31の分子 向を小さくすることができる。

 メルトブローンダイス24の下方にはコン ア25が配置されている。コンベア25は、駆動 (図示せず)により回転されるコンベアロー 29やその他のローラに掛け回されており、コ ンベアローラ13の回転によりコンベア25を駆 することで、ノズル28から押出された繊維31 図示右方向へ搬送される。

 繊維31は、ノズル28の両側のスリット33a,33 bから噴出された高圧加熱エアーが合流した れである高速気流に沿って流れる。高速気 は、スリット33a,33bから噴出された高圧加熱 アーが合流して、コンベア25の搬送面とほ 垂直な方向に流れる。

 メルトブローンダイス24とコンベア25との 間には、スプレーノズル35が設けられている スプレーノズル35は、高速気流中へ霧状の を噴霧するもので、これにより繊維31が冷却 され、急速に凝固される。スプレーノズル35b は実際には複数個設置されるが、図5では1個 みを示している。スプレーノズル35から噴 される流体は、繊維31を冷却することができ るものであれば必ずしも水分等を含む必要は なく、冷エアーであってもよい。

 メルトブローンダイス24の近傍の、スリ ト33a,33bによる高速気流が発生している領域 は、楕円柱状の気流振動機構34が設けられ いる。気流振動機構34は、コンベア25上での 維31の搬送方向Dとほぼ直交した、すなわち 造すべき繊維配列層の幅方向とほぼ平行に 置された軸34aの周りを、矢印A方向に回転さ せられる。一般に、気体や液体の高速噴流近 傍に壁が存在しているとき、噴流は壁面に沿 った方向の近くを流れる傾向があり、これは コアンダ効果といわれる。気流振動機構34は このコアンダ効果を利用して繊維31の流れ 向きを変える。図5の場合、気流振動機構34 楕円形の長軸が高速気流の向き(図面の上下 向)に一致するとき、繊維31はコンベア25に けてほぼ鉛直に落下する。気流振動機構34が 軸34aの周りを90度回転し、気流振動機構34の 円形の長軸が高速気流の向きと直交すると 、繊維31はコンベア25の搬送方向D(図中右側) 偏位し、偏位量はこのときが最大となる。 らに気流振動機構34が軸34aの周りを回転す と、繊維31のコンベア25への落下位置は搬送 向Dに対して前後方向に周期運動する。すな わち、凝固した繊維31は、縦方向に振られな らコンベア25上に集積し、縦方向に部分的 折り畳まれて連続的に捕集され、連続長繊 が形成される。

 コンベア25上に捕集された繊維31は、コン ベア25により搬送方向Dに搬送され、延伸温度 に加熱された延伸シリンダ26aと押えローラ36 にニップされ、延伸シリンダ26bに移される その後、繊維31は、延伸シリンダ26bと押え ムローラ37とにニップされて延伸シリンダ26b に移され、2つの延伸シリンダ26a,26bに密着さ る。このように繊維31が延伸シリンダ26a,26b 密着しながら送られることで、繊維31は、 方向に部分的に折り畳まれた状態のまま、 接する繊維31同士が融着したウェブとなる。

 延伸シリンダ26a,26bに密着して送られるこ とにより得られたウェブは、さらに、引取ニ ップローラ27a,27b(後段の引取ニップローラ27b ゴム製)で引き取られる。引取ニップローラ 27a,27bの周速は延伸シリンダ26a,26bの周速より 大きく、これによりウェブは縦方向に延伸 れ、縦延伸繊維配列層38となる。このよう 、紡糸したウェブを縦方向に延伸すること より、フィラメントの配列性をさらに向上 ることができる。繊維31が十分に急冷される ことによって、延伸応力が小さく伸度が大き い繊維31が形成される。これは、上述したよ にスプレーノズル35から霧状の水を噴霧し 高速気流に霧状の液体を含ませることによ て実現される。以上述べた方法で形成され 繊維配列層は、繊維の向きが一方向に揃え れている。

 前述のように、繊維配列層を製造する各 程では油分を含む添加剤や加工助剤を用い いない。具体的には、繊維31をノズル28から 押出す際には(紡糸工程)、油分を含む添加剤 加工助剤を用いていない。その後のコンベ 25上への捕集、繊維の延伸の各工程におい も、油分を含む添加剤や加工助剤を用いて ない。従って、完成した第2のフィルター2も これらの添加剤や加工助剤は含んでいない。

 このようにして製造した繊維配列層を、 維の方向が互いに直交するように順次積層 熱圧着することによって上述した繊維配列 層体が完成する。

 第1のフィルター1に用いる繊維層は上述 ように繊維が一方向に配列している必要は く、ランダムに配置していてもかまわない このような繊維層はより単純な公知の方法 製造することができる。一例として、上述 工程において、メルトブローンダイス24から 押出される繊維を、気流振動機構34を用いず そのまま落下させると、繊維はランダムな きでコンベア25上に堆積する。さらに、こ ようにしてできた繊維のウェブを熱ロール 溶着させ、延伸工程を行わないでそのまま 収すれば、上述の繊維層を作ることができ 。