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Patent Searching and Data


Title:
AIR TREATMENT DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107350
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an air treatment device which can widely diffuse ions generated by an electrostatically charging section in a casing and improve dust collecting performance by surely electrostatically charging dusts in the air. Ions contained in the air which has passed through an electrostatically charging section (20) are attracted to a direction different from an airflow direction of a blast fan (16) by an attracting electrode (40), and the ions are widely diffused in a casing (11).

Inventors:
HARUNA SHUNJI (JP)
TANAKA TOSHIO (JP)
MOTEGI KANJI (JP)
AKIYAMA RYUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000760
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
HARUNA SHUNJI (JP)
TANAKA TOSHIO (JP)
MOTEGI KANJI (JP)
AKIYAMA RYUJI (JP)
International Classes:
B03C3/41
Domestic Patent References:
WO2006085439A12006-08-17
Foreign References:
JPH0429765A1992-01-31
JPS5411570A1979-01-27
JP2003080110A2003-03-18
JPH0670843U1994-10-04
JP2002159881A2002-06-04
JP2005021817A2005-01-27
US20060016335A12006-01-26
CH540063A1973-08-15
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (JP)
Hiroshi Maeda (JP)
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Claims:
 空気通路(13)が形成されたケーシング(11)と、該ケーシング(11)内に配設された送風ファン(16)とを備え、該ケーシング(11)に、該送風ファン(16)の気流方向と異なる方向から該空気通路(13)内に空気を吸い込むように空気吸込口(12a)が設けられた空気処理装置であって、
 前記空気吸込口(12a)近傍に配設され、被処理空気中の浮遊粒子を帯電させるためのイオンを放出する荷電部(20)と、
 前記荷電部(20)を通過した空気中に含まれる前記イオンを、前記送風ファン(16)の気流方向と異なる方向へ誘引して拡散させる誘導電極(40)とを備えたことを特徴とする空気処理装置。
 請求項1において、
 前記荷電部(20)は、イオンを放出する放電電極(25)と、該放電電極(25)に対向する対向電極(26)とを備え、
 前記誘導電極(40)は、前記対向電極(26)と同じ極性を有することを特徴とする空気処理装置。
 請求項1において、
 前記荷電部(20)の放電電極(25)と前記誘導電極(40)との距離X、該荷電部(20)の放電電極(25)と対向電極(26)との距離Lが、
 1≦X/L≦4
という条件を満たすように設定されていることを特徴とする空気処理装置。
 請求項1において、
 前記荷電部(20)の放電電極(25)と前記誘導電極(40)との距離X、該誘導電極(40)の幅hが、
 0.3≦h/X
という条件を満たすように設定されていることを特徴とする空気処理装置。
 請求項1において、
 前記誘導電極(40)は、前記ケーシング(11)の内側面に貼着された導電性テープで構成されていることを特徴とする空気処理装置。
 請求項1において、
 前記誘導電極(40)は、前記ケーシング(11)の内側面に塗布された導電性材料で構成されていることを特徴とする空気処理装置。
 請求項1において、
 前記ケーシング(11)は、接地電極(54)が設けられたケーシング本体(52)と、該ケーシング本体(52)の気流方向上流側に着脱自在に取り付けられたパネル本体(53)とを備え、
 前記誘導電極(40)は、前記パネル本体(53)の内側面に取り付けられ、且つ該パネル本体(53)を前記ケーシング本体(52)に取り付けたときに前記接地電極(54)と電気的に接続されるように構成されていることを特徴とする空気処理装置。
Description:
空気処理装置

 本発明は、空気処理装置に関するもので る。

 従来より、送風ファンでケーシング内の 気通路に空気を吸い込み、荷電部で生成し イオンを空気通路に放出して空気中の塵埃 帯電させて集塵部で捕捉する空気処理装置 知られている(例えば、特許文献1参照)。

 特許文献1に記載の空気処理装置では、送風 ファンの気流方向と空気の吸込方向とが同一 方向となるように設定されているが、この他 にも、例えば、送風ファンの気流方向がケー シングの前後方向となるように設定され、且 つ空気の吸込口がケーシングの幅方向の側壁 に設けられることで、送風ファンの気流方向 と異なる方向から空気を吸い込むようにした 空気処理装置が知られている。この空気処理 装置では、空気吸込口近傍に荷電部を配設し て、ケーシング内に吸い込んだ空気中の塵埃 を帯電させて集塵部で捕捉するようにしてい る。

特開2006-87967号公報

 しかしながら、従来の空気処理装置では 送風ファンの気流方向と異なる方向から空 を吸い込むように構成され、荷電部を通過 た後の位置で空気通路が屈曲しているため 荷電部から空気中に放出されたイオンは、 気通路で屈曲して直ちに下流側に向かって れてしまい、ケーシングの幅方向の中央位 にはイオンが到達しにくくなる。その結果 空気中の塵埃を十分に帯電させることがで ず、集塵性能が低下するおそれがある。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、荷電部で生成したイ ンをケーシング内で広範囲に拡散でき、空 中の塵埃を確実に帯電させて集塵性能を向 できる空気処理装置を提供することにある

 上述した目的を達成するため、本発明は ケーシング内に配置した誘導電極により、 電部から放出されたイオンを気流方向と異 る方向へ誘引して拡散させるようにした。

 具体的に、本発明は、空気通路(13)が形成 されたケーシング(11)と、該ケーシング(11)内 配設された送風ファン(16)とを備え、該ケー シング(11)に、該送風ファン(16)の気流方向と なる方向から該空気通路(13)内に空気を吸い 込むように空気吸込口(12a)が設けられた空気 理装置を対象とし、次のような解決手段を じた。

 すなわち、第1の発明は、前記空気吸込口(12 a)近傍に配設され、被処理空気中の浮遊粒子 帯電させるためのイオンを放出する荷電部( 20)と、
 前記荷電部(20)を通過した空気中に含まれる 前記イオンを、前記送風ファン(16)の気流方 と異なる方向へ誘引して拡散させる誘導電 (40)とを備えたことを特徴とするものである

 第2の発明は、第1の発明において、
 前記荷電部(20)は、イオンを放出する放電電 極(25)と、該放電電極(25)に対向する対向電極( 26)とを備え、
 前記誘導電極(40)は、前記対向電極(26)と同 極性を有することを特徴とするものである

 第3の発明は、第1又は第2の発明において、
 前記荷電部(20)の放電電極(25)と前記誘導電 (40)との距離X、該荷電部(20)の放電電極(25)と 向電極(26)との距離Lが、
 1≦X/L≦4
という条件を満たすように設定されているこ とを特徴とするものである。

 第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れ 1つにおいて、
 前記荷電部(20)の放電電極(25)と前記誘導電 (40)との距離X、該誘導電極(40)の幅hが、
 0.3≦h/X
という条件を満たすように設定されているこ とを特徴とするものである。

 第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れ 1つにおいて、
 前記誘導電極(40)は、前記ケーシング(11)の 側面に貼着された導電性テープで構成され いることを特徴とするものである。

 第6の発明は、第1乃至第5の発明のうち何れ 1つにおいて、
 前記誘導電極(40)は、前記ケーシング(11)の 側面に塗布された導電性材料で構成されて ることを特徴とするものである。

 第7の発明は、第1乃至第6の発明のうち何れ 1つにおいて、
 前記ケーシング(11)は、接地電極(54)が設け れたケーシング本体(52)と、該ケーシング本 (52)の気流方向上流側に着脱自在に取り付け られたパネル本体(53)とを備え、
 前記誘導電極(40)は、前記パネル本体(53)の 側面に取り付けられ、且つ該パネル本体(53) 前記ケーシング本体(52)に取り付けたときに 前記接地電極(54)と電気的に接続されるよう 構成されていることを特徴とするものであ 。

 第1の発明によれば、荷電部(20)を通過し 空気中に含まれるイオンを、誘導電極(40)に り送風ファン(16)の気流方向と異なる方向へ 誘引するようにしたから、ケーシング(11)内 イオンを広範囲に拡散させることができる

 具体的に、送風ファン(16)の気流方向がケ ーシング(11)の前後方向となるように設定さ 、且つ空気吸込口(12a)がケーシング(11)の幅 向の側壁に設けられた空気処理装置では、 ーシング(11)の幅方向から吸い込まれた空気 、空気通路(13)で屈曲して直ちに下流側に向 かって流れる。そのため、荷電部(20)から放 されたイオンがケーシング(11)の幅方向の中 位置まで到達する前に空気と一緒に下流側 流れてしまい、ケーシング(11)の幅方向の中 央位置における空気中の塵埃を十分に帯電さ せることができないおそれがある。

 これに対して、本発明のように、例えば ケーシング(11)内における気流方向の上流側 に誘導電極(40)を配置して、荷電部(20)から放 されたイオンを誘導電極(40)側に誘引するよ うにすれば、イオンが直ちに気流方向の下流 側に流れてしまうことを抑制して、ケーシン グ(11)の幅方向の中央位置までイオンを到達 せることができる。その結果、イオンを広 囲に拡散させることができ、空気中の塵埃 確実に帯電させることができて集塵性能が 上する。

 第2の発明によれば、誘導電極(40)が荷電 (20)の対向電極(26)と同じ極性を有しているか ら、荷電部(20)の放電電極(25)から放出された イナスの電荷を帯びたイオンが、プラスの 荷を帯びた誘導電極(40)側に誘引されやすく なり、イオンの拡散をさらに促進することが できる。

 第3の発明によれば、荷電部(20)の放電電 (25)と誘導電極(40)との距離X、放電電極(25)と 向電極(26)との距離Lを、1≦X/L≦4という条件 を満たすように設定したから、荷電部(20)に けるイオンの生成に影響を与えないように ながら、誘導電極(40)側に確実にイオンを誘 することができる。

 具体的に、放電電極(25)と誘導電極(40)と 距離Xを放電電極(25)と対向電極(26)との距離L りも短く設定してしまうと、放電電極(25)で 生成したイオンが誘導電極(40)側に誘引され 誘導電極(40)でイオンが吸収され、放電電極( 25)と対向電極(26)との間の放電が不十分とな 、十分な量のイオンを放出できないおそれ ある。一方、放電電極(25)と誘導電極(40)との 距離Xが離れすぎていると、放電電極(25)で生 されたイオンが誘導電極(40)側に到達しなく なり、イオンを広範囲に拡散できなくなるお それがある。

 これに対して、本発明では、放電電極(25) と誘導電極(40)との距離X、放電電極(25)と対向 電極(26)との距離Lを、上述したように適切に 定しているから、十分な量のイオンを放出 つつ、誘導電極(40)側に確実にイオンを誘引 して、イオンを広範囲に拡散することができ る。

 第4の発明によれば、放電電極(25)と誘導 極(40)との距離X、誘導電極(40)の幅hを、0.3≦h /Xという条件を満たすように設定したから、 導電極(40)の幅hを必要最小限の寸法に抑え つ、誘導電極(40)側にイオンを確実に誘引す ことができる。

 すなわち、誘導電極(40)は、その幅hが広 ほどイオンを誘引しやすくなるため、例え 、ケーシング(11)内における気流方向の上流 の側壁全面に誘導電極(40)を設けるようにす るのが好ましいが、コストが増大するおそれ がある。これに対して、本発明では、イオン を確実に誘引するために必要な誘導電極(40) 幅hを適切に設定しているから、コストを削 する上で有利となる。

 第5の発明によれば、ケーシング(11)の内 面に貼着された導電性テープで誘導電極(40) 構成したから、ケーシング(11)内における誘 導電極(40)の設置スペースを小さくでき、装 全体を小型化することができる。

 第6の発明によれば、ケーシング(11)の内 面に塗布された導電性材料で誘導電極(40)を 成したから、装置全体のさらなる小型化を るとともに、装置を量産化する上でも有利 なる。

 第7の発明によれば、パネル本体(53)をケ シング本体(52)に取り付けたときに、誘導電 (40)が接地電極(54)と電気的に接続されるよ にしたから、パネル本体(53)の着脱作業に合 せて誘導電極(40)の接地を実現することがで き、作業者がパネル本体(53)の着脱作業を行 際に、誘導電極(40)の接地作業を別途行う必 がなく、作業性が向上する。

図1は、本発明の実施形態1に係る空気 理装置の概略の内部構造を示す断面図であ 。 図2は、荷電部の具体的な構成を示す側 面図である。 図3は、荷電部と誘導電極との位置関係 を説明する平面図である。 図4は、放電電極と誘導電極との距離と 集塵効率との関係を示すグラフ図である。 図5は、本実施形態2に係る空気処理装 の構成を示す側面図である。 図6は、パネル本体を開いた状態を示す 側面図である。 図7は、接地電極周りの構成を一部拡大 して示す側面図である。

符号の説明

 11  ケーシング
 12a  空気吸込口
 13  空気通路
 16  送風ファン
 20  荷電部
 25  放電電極
 26  対向電極
 40  誘導電極
 52  ケーシング本体
 53  パネル本体
 54  接地電極

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 説明する。なお、以下の好ましい実施形態 説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、 の適用物或いはその用途を制限することを 図するものではない。

 <実施形態1>
 図1は、本発明の実施形態1に係る空気処理 置の概略の内部構造を示す断面図である。 1に示すように、この空気処理装置(10)は、中 空のケーシング(11)を備え、このケーシング(1 1)に複数の機能部品が収納されている。以下 図1において左右方向を装置の前後方向、上 下方向を装置の幅方向と呼ぶこととする。こ のケーシング(11)には、幅方向の両壁面の後 端部に空気吸込口(12a)が形成され、前側の壁 面に空気吹出口(12b)が形成されている。空気 込口(12a)には、被処理空気中に含まれる塵 (浮遊粒子)のうち比較的粒径の大きなものを 捕捉するプレフィルタ(14)が設けられている

 前記ケーシング(11)内には、空気吸込口(12 a)から空気吹出口(12b)に向かって空気が流れ 空気通路(13)が形成されている。この空気通 (13)は、空気吸込口(12a)に入った後に空気吹 口(12b)の方向へ向かって略直角に屈曲する うになっており、空気通路(13)には、空気の れ方向の上流側から下流側へ向かって順に 荷電部(20)、整流部材(18)、集塵部(30)、吸着 材(15)、送風ファン(16)が配置されている。 た、ケーシング(11)の後側の内壁面には、幅 向に間隔をあけて複数の誘導電極(40)が設け られている。

 前記荷電部(20)は、被処理空気中の浮遊粒 子を帯電させるものであり、互いに同じよう に構成された2組のものが幅方向の両端部に 置されている。具体的に、図2に示すように この荷電部(20)は、放電電極(25)と対向電極(2 6)とで構成されている。

 前記放電電極(25)は、空気の流れ方向と平 行に配置された帯板状の電極である。この帯 状の基板部(25c)の両縁部には、略等間隔で突 状の放電部(25a,25b)が形成されている。この 電部(25a,25b)は、空気の流れ方向上流側の上 側放電部(25a)と、空気の流れ方向下流側の 流側放電部(25b)とで構成されている。

 前記対向電極(26)は棒状の電極であって、 放電電極(25)を挟んで両側に2本ずつ配置され それぞれ、空気の流れ方向上流側の対向電 (26a)(上流側対向電極)と、空気の流れ方向下 流側の対向電極(26b)(下流側対向電極)とを有 ている。上流側対向電極(26a)は、上流側放電 部(25a)の略先端を通る仮想鉛直面上に放電電 (25)と平行に配置されている。また、下流側 対向電極(26b)は、放電電極(25)の略中心線を通 る仮想鉛直面上に放電電極(25)と平行に配置 れている。

 ここで、上流側放電部(25a)と上流側対向 極(26a)とが略同一面上に配置されているため 、上流側放電部(25a)と上流側対向電極(26a)と よって形成される電気力線の湾曲度合いが さい。それに比べて、下流側対向電極(26b)は 、下流側放電部(25b)からイオンが放出される 向から偏倚した位置に配置されていて、下 側放電部(25b)と下流側対向電極(26b)とによっ て形成される電気力線の湾曲度合いが大きく なっている。

 従って、上流側放電部(25a)から上流側対 電極(26a)に向かっては、イオンは略電気力線 に沿って移動し、上流側対向電極(26a)に衝突 る。このことにより、上流側ではイオン密 の高い衝突荷電方式の放電が行われる。一 、下流側放電部(25b)から下流側対向電極(26b) に向かっては、電気力線の湾曲が大きいこと に加えて上流側から下流側への空気の流れも 作用して、イオンの殆どは下流側対向電極(26 b)に到達せずに空気中に放出される。このこ により、下流側ではイオンが空気中に放出 れる拡散荷電方式の放電が行われる。

 ここで、前記荷電部(20)の直後で空気通路 (13)を屈曲させているので、イオンの拡散効 を高めやすく、空気処理装置(10)を小型化し も高効率を得ることができる。しかしなが 、ケーシング(11)の幅方向から吸い込まれた 空気は、空気通路(13)で屈曲して直ちに下流 に向かって流れるため、荷電部(20)から放出 れたイオンは、ケーシング(11)の幅方向の中 央位置まで到達する前に空気と一緒に下流側 に流れてしまい、ケーシング(11)の幅方向の 央位置における空気中の塵埃を十分に帯電 せることができないおそれがある。

 そこで、本発明では、ケーシング(11)内に おける気流方向の上流側に誘導電極(40)を配 して、荷電部(20)から放出されたイオンを誘 電極(40)側に誘引するようにしている。具体 的に、この誘導電極(40)は、導電性テープで 成され、ケーシング(11)の後側の内壁面に沿 て上下方向に延び且つ幅方向に間隔をあけ 貼着されている。

 ここで、前記放電電極(25)には放電用の直 流高圧電源(27)のマイナス極が接続され、対 電極(26)には直流高圧電源(27)のプラス極が接 続されている。この直流高圧電源(27)は、プ ス極側が接地されている。さらに、誘導電 (40)には直流高圧電源(27)のプラス極が接続さ れている。

 このような構成とすれば、荷電部(20)から 放出されたイオンが直ちに気流方向の下流側 に流れてしまうことを抑制して、ケーシング (11)の幅方向の中央位置までイオンを到達さ ることができる。その結果、イオンを広範 に拡散させることができ、空気中の塵埃を 実に帯電させることができて集塵性能が向 する。

 また、対向電極(26)と誘導電極(40)とが同 極性を有しているから、荷電部(20)の放電電 (25)から放出されたマイナスの電荷を帯びた イオンが、プラスの電荷を帯びた誘導電極(40 )側に誘引されやすくなり、イオンの拡散を らに促進することができる。

 さらに、誘導電極(40)を導電テープで構成 することで、ケーシング(11)内における誘導 極(40)の設置スペースを小さくでき、装置全 を小型化することができる。なお、誘導電 (40)を導電性テープで構成する他にも、例え ば、ケーシング(11)の内壁面に導電性材料を 布して誘導電極(40)を構成してもよい。この うにすれば、装置全体のさらなる小型化を るとともに、装置を量産化する上でも有利 なる。

 図3は、荷電部と誘導電極との位置関係を 説明する平面図である。図3に示すように、 電部(20)の放電電極(25)と誘導電極(40)との距 X、荷電部(20)の放電電極(25)と対向電極(26)と 距離Lは、(1)式を満たすように設定されてい る。

 1≦X/L≦4 ・・・(1)
 具体的に、放電電極(25)と誘導電極(40)との 離Xを放電電極(25)と対向電極(26)との距離Lよ も短く設定してしまうと、放電電極(25)で生 成したイオンが誘導電極(40)側に誘引されて 導電極(40)でイオンが吸収され、放電電極(25) と対向電極(26)との間の放電が不十分となり 十分な量のイオンを放出できないおそれが る。

 一方、放電電極(25)と誘導電極(40)との距 Xが離れすぎていると、放電電極(25)で生成さ れたイオンが誘導電極(40)側に到達しなくな 、イオンを広範囲に拡散できなくなるおそ がある。

 これに対して、本発明では、放電電極(25) と誘導電極(40)との距離X、放電電極(25)と対向 電極(26)との距離Lを、(1)式を満たすように適 に設定しているから、荷電部(20)におけるイ オンの生成に影響を与えないようにしながら 十分な量のイオンを放出しつつ、誘導電極(40 )側に確実にイオンを誘引して、イオンを広 囲に拡散することができる。

 また、誘導電極(40)の幅hは、(2)式を満た ように設定されている。

 0.3≦h/X ・・・(2)
 具体的に、誘導電極(40)は、その幅hが広い どイオンを誘引しやすくなるため、例えば ケーシング(11)内における気流方向の上流側 側壁全面に誘導電極(40)を設けるようにする のが好ましいが、コストが増大するおそれが ある。これに対して、本発明では、イオンを 確実に誘引するために必要な誘導電極(40)の hを適切に設定しているから、誘導電極(40)の 幅hを必要最小限の寸法に抑えてコストを削 しつつ、誘導電極(40)側にイオンを確実に誘 することができる。

 図4は、放電電極と誘導電極との距離と集 塵効率との関係を示すグラフ図である。図4 示すように、ケーシング(11)内に誘導電極(40) を配置しなかった場合に比べて、誘導電極(40 )を配置した場合の方が、集塵効率が向上し いることが分かる。また、誘導電極(40)の幅h は、10mmよりも20mmに設定した方が集塵効率が いことが分かる。

 前記荷電部(20)から放出されたイオンによ り帯電した塵埃は、空気通路(13)を通って整 部材(18)を通過し、集塵部(30)で集塵される。 この集塵部(30)は、集塵用の直流高圧電源(28) マイナス極が接続された第1電極(31)と、こ 直流高圧電源(28)のプラス極が接続された第2 電極(32)とを有している。直流高圧電源(28)の ラス極側は接地されている。第1電極(31)と 2電極(32)は、電極板を等間隔で交互に配置し たものでもよいし、第2電極(32)を格子状にし 各格子内の小さな空間に棒状や針状の第1電 極(31)を配置したものでもよい。

 前記集塵部(30)で捕捉されずに空気吹出口 (12b)に向かう塵埃は、吸着部材(15)によって捕 捉される。この吸着部材(15)は、詳細は図示 ていないが、空気の流れ方向に沿って多数 微細な空気流通孔を有するハニカム状の基 の表面に、臭気成分を吸着するゼオライト どの吸着剤の微粉末が担持されたものであ 。この吸着部材(15)には、吸着剤とともに、 臭触媒の微粉末も担持されている。この吸 部材(15)は、空気中の臭気物質の一部が、集 塵部(30)で捕捉されずにすり抜けてきた場合 、その臭気物質を吸着剤で捕捉し、その表 上で脱臭触媒の作用によって分解する。こ 脱臭触媒には、荷電部(20)の放電によって発 する熱や光,オゾンなどの活性物質等によっ て活性化して臭気成分の分解反応を促進する 熱触媒や光触媒を用いることができる。

 前記吸着部材(15)の下流側には、送風ファ ン(16)への空気の流入ガイドとしてのベルマ ス(19)が配置されている。このベルマウス(19) により送風ファン(16)に導入された空気が、 気吹出口(12b)からケーシング(11)の外へ吹き されるようになっている。

 -運転動作-
 次に、本実施形態に係る空気処理装置(10)の 運転動作について説明する。この空気処理装 置(10)を起動すると、送風ファン(16)が回転を 始し、被処理空気である室内空気が空気吸 口(12a)からケーシング(11)内に吸い込まれる 荷電部(20)では放電電極(25)と対向電極(26)の に電位差が与えられていて、放電電極(25)か らイオンが飛び出している。放電電極(25)の 流側放電部(25a)から飛び出したイオンは殆ど が上流側対向電極(26a)に到達するが、下流側 電部から飛び出したイオンは殆どが下流側 向電極(26b)に到達せずに空気中に拡散する その際、空気通路(13)が屈曲しているため拡 効果が高くなる。

 上流側放電部(25a)から飛び出したイオン 上流側放電部(25a)と上流側対向電極(26a)との で密集しており、この間を被処理空気が流 るときにミクロンオーダー(1μm以上)の比較 大きな塵埃が帯電する。一方、下流側放電 (25b)から飛び出したイオンは殆どがケーシ グ(11)内の空間に放出されるので該空間内で 散し、この空間を被処理空気が流れるとき サブミクロンオーダー(1μm未満)の比較的小 な塵埃が帯電する。

 ここで、図3に示すように、下流側放電部 (25b)から飛び出したイオンの一部は、誘導電 (40)により誘引されるから、イオンが直ちに 気流方向の下流側に流れてしまうことを抑制 して、ケーシング(11)の幅方向の中央位置ま イオンを到達させることができる。その結 、イオンを広範囲に拡散させることができ 空気中の塵埃を確実に帯電させることがで て集塵性能が向上する。

 被処理空気は、サブミクロンオーダーの さな粒径の塵埃からミクロンオーダーの大 な粒径の塵埃まで帯電した状態で集塵部(30) へ流入する。集塵部(30)は、プラスの電荷を びた電極板とマイナスの電荷を帯びた電極 とを有しているので、イオン化された塵埃 クーロン力で捕捉することができる。

 集塵部(30)を通過することにより被処理空 気中の塵埃の殆どは除去されているが、集塵 部(30)で捕捉されずに空気吹出口(12b)に向かう 塵埃も存在する。このように集塵部(30)を通 してしまった塵埃は、吸着部材(15)によって 捉される。また、吸着部材(15)は脱臭触媒も 担持しており、そこで臭気成分も分解される 。

 そして、塵埃が除去されて臭気成分も分 された被処理空気が空気吹出口(12b)から室 空間へ吹き出される。

 以上のように、本実施形態1に係る空気処 理装置(10)によれば、荷電部(20)を通過した空 中に含まれるイオンを、誘導電極(40)により 送風ファン(16)の気流方向と異なる方向へ誘 するようにしたから、ケーシング(11)内でイ ンを広範囲に拡散させることができ、空気 の塵埃を確実に帯電させることができて集 性能が向上する。

 <実施形態2>
 図5は、本発明の実施形態2に係る空気処理 置の構成を示す側面図、図6はパネル本体を いた状態を示す側面図、図7は接地電極周り の構成を一部拡大して示す側面図である。前 記実施形態1との違いは、ケーシング(11)をケ シング本体(52)とパネル本体(53)とに分離可 とした点であるため、以下、実施形態1と同 部分については同じ符号を付し、相違点に いてのみ説明する。

 図5~図7に示すように、この空気処理装置( 50)は、ケーシング本体(52)と、パネル本体(53) を備えている。このケーシング本体(52)には 、詳細は省略するが、前記実施形態1と同様 複数の機能部品が収納されており、空気中 塵埃を捕捉することができるようになって る。また、ケーシング本体(52)の気流方向上 側の下端部には接地電極(54)が設けられてい る。

 前記パネル本体(53)は、ケーシング本体(52 )の気流方向上流側に着脱自在に取り付けら ている。具体的に、このパネル本体(53)は、 縁部に設けられた図示しないヒンジを介し 開閉できるようになっている。そして、パ ル本体(53)の気流方向上流側の内壁面には、 幅方向に間隔をあけて複数の誘導電極(40)が けられている。

 また、前記パネル本体(53)の下端部で且つ ケーシング本体(52)の接地電極(54)に対応する 置には、金属バネ板で形成されたバネ電極( 55)が取り付けられている。このバネ電極(55) 、誘導電極(40)の下端部と電気的に接続され いる。

 ここで、前記パネル本体(53)を開位置(図6 照)から閉位置(図5参照)へ移動させ、パネル 本体(53)をケーシング本体(52)に取り付けると 接地電極(54)とバネ電極(55)とが電気的に接 されて誘導電極(40)が接地される。

 以上のように、本実施形態2に係る空気処 理装置(50)によれば、パネル本体(53)を開位置 ら閉位置へ移動させてケーシング本体(52)に 取り付けるだけで誘導電極(40)の接地を実現 ることができ、作業者がパネル本体(53)の着 作業を行う際に、誘導電極(40)の接地作業を 別途行う必要がなく、作業性が向上する。

 以上説明したように、本発明は、荷電部 生成したイオンをケーシング内で広範囲に 散でき、空気中の塵埃を確実に帯電させて 塵性能を向上できる空気処理装置を提供す ことができるという実用性の高い効果が得 れることから、きわめて有用で産業上の利 可能性は高い。