HABU MASARU (JP)
WO2018069407A1 | 2018-04-19 | |||
WO2018198443A1 | 2018-11-01 |
US20180126946A1 | 2018-05-10 | |||
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JP2018158638A | 2018-10-11 | |||
JP2013014176A | 2013-01-24 |
\¥0 2020/174892 15 卩(:17 2020 /000537 請求の範囲 [請求項 1 ] 車両のインストルメントパネルに収容され、 助手席の乗員を保護す るエアバッグ装置であって、 膨張ガスを発生するインフレータと ; 前記インフレータから放出されるガスによって、 乗員側に向かって 膨張 ·展開するエアバッグとを備え、 前記エアバッグは、 展開時に乗員の正面に位置する正面保護部と ; 前記正面保護部の車幅方向側部に位置し、 当該正面保護部よりも乗員 側に突出した一対の側方突出部とを有し、 前記エアバッグの内部には、 前記エアバッグの展開方向とする交差 する方向に延び、 当該エアバッグの内面に連結されたクロステザーと ;前端部が前記クロステザーに連結され、 後端部が前記正面保護部に 連結された一対の第 1前後テザーとが設けられていることを特徴とす るエアバッグ装置。 [請求項 2] 前記第 1前後テザーの後端部と前記正面保護部との連結部が、 当該 正面保護部と前記側方突出部との境界に位置することを特徴とする請 求項 1 に記載のエアバッグ装置。 [請求項 3] 前記クロステザーの前記一対の第 1前後テザーとの連結部の間の部 分は、 前記エアバッグの展開時に、 前記クロステザーの両端が前記エ アバッグの内面に連結された部分を結ぶ線よりも、 乗員方向に所定距 離だけ移動するように構成されていることを特徴とする請求項 1又は 2に記載のエアバッグ装置。 [請求項 4] 前記第 1前後テザーのテンシヨンが最大の状態において、 前記第 1 前後テザーが延びる方向と、 前記クロステザーと前記第 1前後テザー との連結部から前記エアバッグの内面との連結部に向かって当該クロ ステザーが延びる方向と、 が成す角度 0が 4 5 ° 以下となるように構 成したことを特徴とする請求項 1乃至 3の何れか 1項に記載のエアバ ッグ装置。 \¥0 2020/174892 16 卩(:171? 2020 /000537 [請求項 5] 前記角度 0が、 2 0〜 4 0 ° であることを特徴とする請求項 4に記 載のエアバッグ装置。 [請求項 6] 展開状態の前記エアバッグの内部を、 前記第 1前後テザーの延伸方 向において乗員側から見たときに、 前記クロステザーが前記インスト ルメントパネルの一部を覆うように配置されることを特徴とする請求 項 1乃至 5の何れか 1項に記載のエアバッグ装置。 [請求項 7] 展開状態の前記エアバッグの内部を側方から見たときに、 前記クロ ステザーが乗員側に凸の状態になることを特徴とする請求項 6に記載 のエアバッグ装置。 [請求項 8] 前記第 1前後テザーの延伸方向において乗員側から見たときに、 前 記クロステザーが、 車幅方向を横方向としたアルファべッ トの 1~1字状 に成形されることを特徴とする請求項 1乃至 7の何れか 1項に記載の エアバッグ装置。 [請求項 9] 前記第 1前後テザーの延伸方向において乗員側から見たときに、 前 記クロステザーが、 車幅方向を長手方向とした長方形状に成形される ことを特徴とする請求項 1乃至 7の何れか 1項に記載のエアバッグ装 置。 [請求項 10] 前記一対の第 1前後テザーの車幅方向内側には、 _対の第 2前後テ ザーが設けられ、 当該第 2前後テザーの前端部が前記クロステザーに連結され、 後端 部が前記正面保護部に連結されることを特徴とする請求項 1乃至 9の 何れか 1項に記載のエアバッグ装置。 [請求項 1 1 ] 前記一対の側方突出部の間に位置する前記正面保護部において、 前 記第 1前後テザーと前記第 2前後テザーとの間に乗員側に突出した左 右一対の中間突出部が形成され、 前記一対の第 2前後テザー同士の間 に乗員側に突出した中央突出部が形成されることを特徴とする請求項 1 〇に記載のエアバッグ装置。 [請求項 12] 前記中央突出部は、 前記中間突出部よりも乗員側に更に突出してい \¥0 2020/174892 17 卩(:171? 2020 /000537 ることを特徴とする請求項 1 1 に記載のエアバッグ装置。 [請求項 13] 前記中間突出部の乗員側の曲率半径 (「 1) が、 前記中央突出部の 乗員側の曲率半径 (「 2) よりも小さくなるように構成されているこ とを特徴とする請求項 1 2に記載のエアバッグ装置。 [請求項 14] 前記側方突出部の乗員側の曲率半径 ([¾) が前記中央突出部の乗員 側の曲率半径 (「 2) よりも大きくなるように構成されていることを 特徴とする請求項 1 3に記載のエアバッグ装置。 [請求項 15] 前記正面保護部上において、 前記第 1前後テザーと前記第 2前後テ ザーとの間隔が、 前記一対の第 2前後テザー同士の間隔よりも小さい ことを特徴とする請求項 1 〇乃至 1 4の何れか 1項に記載のエアバッ グ装置。 [請求項 16] 前記第 1前後テザーが、 前記第 2前後テザーよりも短く設定されて いることを特徴とする請求項 1 0乃至 1 5の何れか 1項に記載のエア バッグ装置。 [請求項 17] 前記正面保護部と前記一対の第 1前後テザーとの連結部が、 前記一 対の第 2前後テザーとの連結部と、 上下方向にずれて配置されること を特徴とする請求項 1 0乃至 1 6の何れか 1項に記載のエアバッグ装 置。 [請求項 18] 前記正面保護部と前記一対の第 1前後テザーとの連結部が、 前記一 対の第 2前後テザーとの連結部よりも下方にずれて配置されることを 特徴とする請求項 1 7に記載のエアバッグ装置。 [請求項 19] 前記クロステザー上において、 前記一対の第 1前後テザーとの連結 部と、 前記一対の第 2前後テザーとの連結部が、 上下方向にずれて配 置されることを特徴とする請求項 1 0乃至 1 8の何れか 1項に記載の エアバッグ装置。 [請求項 20] 前記クロステザー上において、 前記一対の第 1前後テザーとの連結 部が、 前記一対の第 2前後テザーとの連結部よりも下方にずれて配置 されることを特徴とする請求項 1 9に記載のエアバッグ装置。 |
発明の名称 : エアバッグ装置
技術分野
[0001 ] 本発明は、 車両の助手席に乗車している乗員を保護する エアバッグ装置に 関する。 背景技術
[0002] 車両の事故発生時に乗員を保護するために 1種または複数種のエアバッグ を車両に設けることは周知である。 エアバッグは、 例えば、 自動車のステア リングホイールの中心付近から展開して運転 者を保護する、 いわゆる運転者 用エアバッグや、 インストルメントパネルから展開して助手席 の乗員を保護 する助手席用エアバッグや、 自動車の窓の内側で下方向に展開して車両横 方 向の衝撃や横転、 転覆事故時に乗員を保護する力ーテンエアバ ッグや、 車両 横方向の衝撃時に乗員を保護すべくシートの 側部で展開するサイ ドエアバッ グなどの様々な形態がある。 本発明は、 助手席用のエアバッグ装置に関する ものである。
[0003] ところで、 車両に対して斜め前方からの衝撃が加わる所 謂オブリーク衝突 の際には、 展開したエアバッグに対して乗員が変則的な 角度で進入 (接触) し、 乗員の頭部が回転することがある。 乗員の頭部が回転することによる傷 害値の悪化を防ぐため、 乗員の頭部の回転を抑制する構造が提案され ている
[0004] 例えば、 下記特許文献 1 に記載されたエアバッグ装置は、 エアバッグの左 右両側に乗員側に膨出した部分を設けること で、 乗員の頭部の回転を抑制し ている。 しかしながら、 特許文献 1 に記載の装置では、 乗員の頭部の回転を 十分に抑制することができない恐れがある。
先行技術文献
特許文献 \¥0 2020/174892 卩(:171? 2020 /000537
[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 1 3 _ 1 4 1 7 6号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0006] 本発明は上記のような状況に鑑みてなされた ものであり、 車両の助手席に 乗車している乗員の頭部の回転を効果的に抑 制可能なエアバッグ装置を提供 することを目的とする。 課題を解決するための手段
[0007] 以下、 上記課題を解決するための手段について説明 するが、 本出願の明細 書、 特許請求の範囲及び図面において、 「前」 とは車両の前方 (進行方向)
、 「後」 とは車両の後方 (進行方向と反対側) 、 「右」 とは進行方向に向か って右側、 「左」 とは進行方向に向かって左側、 「車幅方向」 とは左右方向 を意味するものとする。
[0008] 上記課題を解決するために、 本発明は、 車両のインストルメントパネルに 収容され、 助手席の乗員を保護するエアバッグ装置であ って、 膨張ガスを発 生するインフレータと、 前記インフレータから放出されるガスによっ て、 乗 員側に向かって膨張 ·展開するエアバッグとを備える。 前記エアバッグは、 展開時に乗員の正面に位置する正面保護部と ;前記正面保護部の車幅方向側 部に位置し、 当該正面保護部よりも乗員側に突出した一対 の側方突出部とを 有する。 そして、 前記エアバッグの内部には、 前記エアバッグの展開方向と する交差する方向に延び、 当該エアバッグの内面に連結されたクロステ ザー と ;前端部が前記クロステザーに連結され、 後端部が前記正面保護部に連結 された一対の第 1前後テザーとが設けられる。 ここで、 「交差する方向」 と は、 平行でない方向を意味するが、 概ね垂直に近い方向とすることができる
[0009] 上記のように、 本発明においては、 クロステザーに前後テザーを連結する 構造を採用しているため、 エアバッグの展開時に膨張ガスによって前後 テザ 一にテンションが加わり、 当該前後テザーとの連結部分において正面保 護部 \¥0 2020/174892 3 卩(:171? 2020 /000537
が車両前方 (インフレータ側) に引きつけられる。 これによって、 乗員側か ら見たときに、 前後テザーとの連結部分が凹んだ状態となり 、 その凹んだ部 分の間に突出部が形成される。 この突出部は、 正面保護部の表面を柔軟にし 、 乗員の頭部を柔らかく受け止めることができ 、 乗員頭部への衝撃を緩和す るとともに、 乗員頭部の回転を抑制することになる。 その後、 膨張ガスがエ アバッグ全体に行き渡ると、 前後テザーの前後方向のテンションが低下し 、 正面保護部の張力が増加する。 このとき、 前後テザーはクロステザーに連結 されているため、 エアバッグが左右幅方向に展開しようとした 時に、 前後テ ザーがクロステザーによって前方に引き寄せ られるような格好となり、 前後 テザーの間に形成された突出部が幅方向に延 びきるまでに時間差が生じ、 短 時間ではあるが、 当該突出部の形状が維持される時間が長くな る。 すなわち 、 前後テザーの前端を直接エアバッグの内面に 連結する場合に比べて、 前後 テザーのテンションが低下して、 正面保護部のテンションが最大になるまで の時間が若干遅れ、 正面保護部が柔軟な状態を維持する時間が長 くなる。
[0010] 前記第 1前後テザーの後端部と前記正面保護部との 結部が、 当該正面保 護部と前記側方突出部との境界に位置する構 造とすることができる。 これは 、 第 1前後テザーによってエアバッグ (正面保護部) を前方 (乗員と反対側 ) に引っ張ることにより、 正面保護部に対して側方突出部を明確に突出 させ ることでもある。
[001 1 ] 前記クロステザーの前記一対の第 1前後テザーとの連結部の間の部分は、 前記エアバッグの展開時に、 前記クロステザーの両端が前記エアバッグの 内 面に連結された部分を結ぶ直線よりも、 乗員方向に所定距離だけ移動するよ うに構成することができる。 エアバッグの展開時にクロステザーが乗員方 向 に移動すると、 その後、 反動で前方に戻るような挙動を示すことにな る。 そ うすると、 エアバッグが左右幅方向に展開しようとした 時に、 前後テザーが クロステザーによって前方に引き寄せる距離 を長くとることができ、 前後テ ザーの間に形成された突出部の形状が維持さ れる時間を更に長くすることが 可能となる。 \¥0 2020/174892 4 卩(:171? 2020 /000537
[0012] 前記第 1前後テザーのテンシヨンが最大の状態にお て、 前記第 1前後テ ザーが延びる方向と、 前記クロステザーと前記第 1前後テザーとの連結部か ら前記エアバッグの内面との連結部に向かっ て当該クロステザーが延びる方 向と、 が成す角度 0が 4 5 ° 以下となるように構成することができる。 特に 、 前記角度 0を 2 0〜 4 0 ° とすることが好ましい。
[0013] 上記のような角度 0は、 オプリーク衝突時の角度 (乗員がエアバッグに進 入する角度) と一致させることができ、 この角度 0を最適に設定することに より、 正面保護部 (及び側方突出部) に乗員が斜め方向から進入したときに 、 エアバッグが幅方向に広がる範囲 (猶予) を大きく確保することができる
[0014] 展開状態の前記エアバッグの内部を、 前記第 1前後テザーの延伸方向にお いて乗員側から見たときに、 前記クロステザーが前記インストルメントパ ネ ルの一部を覆うように配置することができる 。 また、 展開状態の前記エアバ ッグの内部を側方から見たときに、 前記クロステザーが乗員側に凸の状態に なるように構成することができる。
[0015] 前記第 1前後テザーの延伸方向において乗員側から たときに、 前記クロ ステザーを、 車幅方向を横方向としたアルファベッ トの 1 ~ 1字状に成形し、 あ るいは、 長方形状に成形することができる。 クロステザーの形状を工夫する ことにより、 クロステザーを膨張ガスの流れを調整するデ ィフユーザ、 整流 部材として機能させることが可能となる。
[0016] 前記一対の第 1前後テザーの車幅方向内側に、 _対の第 2前後テザーを設 け、 当該第 2前後テザーの前端部を前記クロステザーに 結し、 後端部を前 記正面保護部に連結する構成を採用すること が好ましい。 そして、 前記一対 の側方突出部の間に位置する前記正面保護部 において、 前記第 1前後テザー と前記第 2前後テザーとの間に乗員側に突出した左右 対の中間突出部が形 成され、 前記一対の第 2前後テザー同士の間に乗員側に突出した中 突出部 が形成される構成とすることができる。
[0017] 上記のように、 一対の第 1前後テザーに加えて、 一対の第 2前後テザーを \¥0 2020/174892 5 卩(:171? 2020 /000537
設けることにより、 正面保護部に曲率半径の小さな複数 (3つ) の突出部が 形成され、 正面保護部の柔軟性 (クッション性) を更に向上させることが可 能となる。
[0018] なお、 前記中央突出部は、 前記中間突出部よりも乗員側に更に突出して い る構造とすることができる。
[0019] 前記中間突出部の乗員側の曲率半径 (「 1) が、 前記中央突出部の乗員側 の曲率半径 (「 2) よりも小さくなり、 前記側方突出部の乗員側の曲率半径 (8) が前記中央突出部の乗員側の曲率半径 (「 2) よりも大きくなるよう に構成することができる。
[0020] 中間突出部の曲率半径 ( 1^ 1) を小さくすることにより、 正面保護部と側 方突出部との境界部分の柔軟性 (クッション性) が増し、 正面保護部から斜 め方向に側方突出部に向かって乗員の頭部が 移動 (スライ ド) してきた時に 、 当該頭部を柔軟に受け止めることが可能とな る。
[0021 ] 前記正面保護部上において、 前記第 1前後テザーと前記第 2前後テザーと の間隔を、 前記一対の第 2前後テザー同士の間隔よりも小さくするこ がで きる。 また、 前記第 1前後テザーを、 前記第 2前後テザーよりも短くするこ とができる。 このような設定とすることにより、 比較的簡易な方法で、 上述 したような最適な曲率半径を達成することが 可能となる。
[0022] 前記正面保護部と前記一対の第 1前後テザーとの連結部を、 前記一対の第
2前後テザーとの連結部と、 上下方向にずれて配置することができる。 例え ば、 前記正面保護部と前記一対の第 1前後テザーとの連結部が、 前記一対 の第 2前後テザーとの連結部よりも下方にずれて 置することができる。
[0023] 同様に、 前記クロステザ _ 上において、 前記一対の第 1前後テザ _ との連 結部と、 前記一対の第 2前後テザーとの連結部を、 上下方向にずれて配置す ることができる。 例えば、 前記クロステザー上において、 前記一対の第 1前 後テザーとの連結部を、 前記一対の第 2前後テザーとの連結部よりも下方に ずれて配置することができる。
[0024] 正面保護部に乗員の頭部が斜め方向から進入 した時に、 通常は重量の大き \¥0 2020/174892 6 卩(:171? 2020 /000537
な頭部は下方 (斜め下方) に向かって移動する。 このため、 外側に位置する 第 1前後テザーが下方にずれていると、 乗員の頭部が中央突出部から滑って 側方突出部方向にスライ ドしたときに、 第 1前後テザーよりも下方にある第 2前後テザーによって成形される中間突出部 おいて、 乗員の頭部を確実且 つ柔軟に受け止めることができる。 図面の簡単な説明
[0025] [図 1]図 1は、 本発明に係る助手席用エアバッグ装置の展開 状態を示す側面図 である。
[図 2]図 2は、 図 1の八_八方向の断面に対応し、 エアバッグを構成するパネ ル、 テザーの構成を示す模式図 (断面図) であり、 便宜上、 パネルとテザー との連結部は隙間を空けて示している。
[図 3]図 3は、 図 2と同様に図 1の八一八方向の断面に対応し、 エアバッグを 構成するパネル、 テザーの寸法、 形状、 連結部の位置等を示す模式図 (断面 図) であり、 便宜上、 パネルとテザーとの連結部等の箇所を丸で示 している
[図 4]図 4は、 本発明に係る助手席用エアバッグ装置の展開 状態を示す正面図 であり、 乗員側から見た様子を示す。
[図 5]図 5は、 図 2の巳 _巳方向の断面に対応し、 エアバッグの展開形状を示 す断面図である。
[図 6]図 6は、 本発明に係るエアバッグを構成するパネルの 形状を示す平面図 であり、 (八) , (巳) がサイ ドパネル、 (〇) がフロントパネルである。 [図 7]図 7は、 本発明に係るエアバッグを構成するフロント パネルの一部を示 す平面図であり、 前後テザーとの連結位置を破線によって示す ものである。 [図 8]図 8 (八) , (巳) , (〇) は、 本発明に係るエアバッグの内部に連結 されるクロステザーの例を示す平面図である 。
[図 9]図 9は、 本発明の他の実施例に係る助手席用エアバッ グ装置の展開状態 を示す側面図であり、 〇〇 に位置する乗員とクロステザーとの位置関係 を \¥0 2020/174892 7 卩(:171? 2020 /000537
示すものである。
[図 10]図 1 0は、 本発明に係る助手席用エアバッグ装置の展開 状態を示す模 式図であり、 図 1の八_八方向の断面に相当する。 図 1 0において、 (八) は展開初期の段階を示し、 (巳) は (八) の状態の後に、 乗員がエアバッグ に対して正面から進入した場合のエアバッグ の展開挙動を示す。
[図 1 1]図 1 1は、 本発明に係る助手席用エアバッグ装置の展開 状態を示す模 式図であり、 図 1の八_八方向の断面に相当し、 乗員がエアバッグに対して 斜め方向に (オプリーク方向) から進入した場合のエアバッグの展開 (変形 ) 挙動を示す。
発明を実施するための形態
[0026] 以下、 本発明の実施例に係る助手席用エアバッグ装 置について、 添付図面 に基づいて詳細に説明する。 なお、 本実施例においては、 乗員 については 実験用ダミーを基準としているが、 実際の乗員の場合も同様に機能するもの である。
[0027] 図 1は、 本実施例に係る助手席用エアバッグ装置のエ アバッグ 1 4の展開 状態を示す側面図である。 図 2は、 図 1の八_八方向の断面に対応し、 エア バッグ】 4を構成するテザーの構成を示す模式図であ 、 各部材を明確に区 別すべく、 テザーの連結部は隙間を空けて示している。 図 3は、 図 2と同様 に図 1の八 _八方向の断面に対応し、 エアバッグ 1 4を構成するパネル、 テ ザーの寸法、 形状、 連結部の位置等を示す模式図である。 図 3において、 白 抜き円は縫製箇所 (連結部) を示している。 図 4は、 エアバッグ 1 4の展開 状態を示す正面図であり、 乗員側から見た様子を示す。 図 5は、 巳方向の断面に対応し、 エアバッグ 1 4の展開形状を示す図である。
[0028] 図 1 に示すように、 本実施例に係るエアバッグ装置は、 車両のインストル メントパネル 1 0に収容され、 助手席の乗員 を保護するものであり、 膨張 ガスを発生するインフレータ 1 2と、 インフレータ 1 2から放出されるガス によって、 乗員 側に向かって膨張 ·展開するエアバッグ 1 4とを備えてい る。 \¥02020/174892 8 卩(:17 2020 /000537
[0029] エアバッグ 1 4は、 展開時に乗員 の正面に位置する正面保護部 1 6と、 正面保護部 1 6の車幅方向側部に位置し、 当該正面保護部 1 6よりも乗員 側に突出した一対の側方突出部 1 8 !_, 1 8 (図 2参照) とを備えている
[0030] エアバッグ 1 4の内部には、 エアバッグ 1 4の展開方向巳とする交差する 方向に延び、 当該エアバッグ 1 4の内面に連結されたクロステザー 20と、 前端部がクロステザー 20に連結され、 後端部が正面保護部 1 6に連結され た一対の第 22 [¾ (図 2, 図 3参照) とが設けられて いる。 クロステザー 20の長手方向は、 好ましくは、 エアバッグ 1 4の展開 方向巳と直交する方向とする。
[0031] 図 3に明確に示されているように、 22 [¾の後端 部と正面保護部 1 6との連結部は、 正面保護部 1 6と側方突出部 1 8 !_, 1 8 との境界に位置している。 一対の第 22 [¾の車幅 方向内側には、 一対の第 2前後テザー 24 24 が設けられ、 当該第 2 前後テザー 24 !_, 24 の前端部がクロステザー 20に連結され、 後端部 が正面保護部 1 6に連結される。
[0032] そして、 正面保護部 1 6の表面上において、 22 24 との間に、 乗員 側に突出した左右一対 の中間突出部 261_, 26 [¾が形成される。 また、 一対の第 2前後テザー 2 41_, 24 の間には、 乗員 側に突出した中央突出部 28が形成される。 ここで、 中央突出部 28は、 中間突出部 261_, 26 [¾よりも乗員 側に更 に突出している。
[0033] また、 図 3に示すように、 中間突出部 261_, 26 の乗員 側の曲率半 径 (「 1) は、 中央突出部 28の乗員 側の曲率半径 (「 2) よりも小さく なり、 側方突出部 1 8 !_, 1 8 の乗員 側の曲率半径 ([¾) が中央突出部 28の曲率半径 (「 2) よりも大きくなる。
[0034] 正面保護部 1 6上において、 22 [¾と第 2前後テ ザー 24 !_, 一対の第 246 \¥02020/174892 9 卩(:171? 2020 /000537
同士の間隔 2よりも小さくなる。 ここで、 第 1前後テザー 221_, 22 [¾ の前後方向 (長手方向) の長さを、 第 2前後テザー 241_, 24 の前後方 向 (長手方向) の長さよりも短く し、 正面保護部 1 6上でのテザー間の間隔 を調整することで、 上述したような最適な曲率半径を設定するこ とができる。
[0035] 図 2及び図 3に示されているように、 クロステザー 20と一対の第 1前後 テザー 22 !_, 22 との連結部分は、 エアバッグ 1 4の展開時に、 クロス テザー 20の両端がエアバッグの内面に連結される部 を結ぶ直線よりも、 乗員方向に所定距離 (例えば、 1 2 だけ移動するように構成されて いる。 なお、 図 2及び図 3は、 エアバッグ 1 4が展開して前後方向に圧力が 加わった状態、 すなわち、 第 1前後テザー 22 !_, 22 と第 2前後テザー 24 !_, 24 [¾のテンションが最大の状態を示しており、 その後、 膨張ガス がエアバッグ 1 4の全体に行き渡ると、 左右方向に圧力が加わり、 エアバッ グ 1 4の形状は左右方向に広がることになる (図 1 0 (巳) 参照) 。
[0036] 再び、 図 3を参照すると、 第 1前後テザー 22 !_, 22 [¾のテンションが 最大の状態において、 第 1前後テザー 22 !_, 22 が延びる方向と、 クロ ステザー 22 との連結部からエアバッグ 1
4の内面との連結部に向かって当該クロス ザー 20が延びる方向とが成す 角度 0を 45° 以下とし、 更に好ましくは、 20〜 40° とする。 上記のよ うな角度 0は、 オブリーク衝突時に乗員が進入する角度と一 致させることが でき、 この角度 0を最適に設定することにより、 正面保護部 (及び側方突出 咅6) に乗員が斜め方向から進入したときに、 エアバッグが幅方向に広がる範 囲 (猶予) を大きく確保することができ、 乗員の拘束性能が向上する。
[0037] 図 6は、 本実施例に係るエアバッグ 1 4を構成するパネルの形状を示す平 面図であり、 (八) , (巳) がサイ ドパネル 501 501_、 (〇) がフロ ントパネル 54である。 図 7は、 フロントパネル 54の一部を示す平面図で あり、 第 1及び第 2前後テザー 221_, 22 241_, 24 [¾の後端部と の連結位置を示す。 また、 図 8 (八) , (巳) , (〇) は、 クロステザー 2 \¥02020/174892 10 卩(:171? 2020 /000537
0の形状バリエーシヨンを示す平面図であ 。
[0038] 図 6に示すように、 本実施例に係るエアバッグ 1 4は、 2枚のサイ ドパネ ル 50 !_, 5〇 [¾と、 1枚のセンターパネル 54とから成形される。 サイ ド パネル 501_, 5〇 [¾は、 乗員 側から見た場合の左右両側に位置する同一 形状のパネルであり、 側方突出部 1 8 !_, 1 8 を形成する円弧状の湾曲部 52 !_, 52 を備えている。 一方、 フロントパネル 54は、 エアバッグ 1 4の正面保護部 1 6を形成する楕円状又は概ね円形の領域 (581_, ) と、 帯状の領域 60とを備えている。 そして、 フロントパネル 54の円弧 状の湾曲部 581_, 58 とサイ ドパネル 501_, 5〇 [¾の湾曲部521_,
52 とを縫製によって連結し、 サイ ドパネル 50 !_, 5〇 [¾の他の縁部を フロントパネル 54の帯状領域 60の両縁部に縫製によって連結するように なっている。
[0039] 図 7に示すように、 フロントパネル 54の正面保護部 1 6に対する第 1前 後テザー 22 !_, 22 の連結部 (縫製位置) は 62 !_, 62 であり、 第 2前後テザー 24 !_, 24 [¾との連結部 (縫製箇所) は 64 !_, 648とな る。 この例では、 全ての連結部 62 !_, 62 [¾, 64 !_, 64 が平行、 且つ 左右対称に配置されているが、 必ずしも完全な平行でなくても、 「ハ」 の字 のように上下何れかが開いたような配置 ·形状とすることも可能である。
[0040] 図 7において、 重要なことは、 22 [¾との連結部
62 !_, 62 が、 24 との連結部 64
8よりも下方にずれて配置されることであ 。
[0041] 図 8に示すように、 クロステザー (20) の形状は様々なバリエーシヨン を採用することが可能であり、 例えば、 (八) に示すようにシンプルな長方 形状のクロステザー 1 20や、 (巳) 及び (〇) に示すような 「1 ~ 1」 字状の クロステザー 220, 320を採用することができる。 なお、 図 8に示すク ロステザー (20、 1 20, 220, 320) の形状は、 第 1前後テザー 2 2 !_, 22 の延伸方向 (又はエアバッグの展開方向巳) において乗員側か ら見たときの形状である。 \¥02020/174892 11 卩(:171? 2020 /000537
[0042] 図 8 (八) に示すクロステザー 1 20においては、 長手方向の両端部 1 4
0 !_, 1 40 がエアバッグ 1 4内面 (サイ ドパネル 506) に縫 製され、 22 の前端部が領域 1 228 に縫製され、 24 の前端部が領域 1 2
4 に縫製される。
[0043] 図 8 (巳) に示すクロステザー 220においては、 長手方向の両端部 24
0 !_, 240 がエアバッグ 1 4内面 (サイ ドパネル 50 [¾) に縫 製され、 22 の前端部が領域 2228 に縫製され、 24 [¾の前端部が領域224 !_, 22
4 に縫製される。
[0044] 図 8 (〇 に示すクロステザー 320においては、 長手方向の両端部 34
0 !_, 340 がエアバッグ 1 4内面 (サイ ドパネル 50 [¾) に縫 製され、 22 の前端部が領域 3228 に縫製され、 24 [¾の前端部が領域324 !_, 32
4 に縫製される。
[0045] 図 8 ( ) 〜 (〇 に示すように、 正面保護部 1 6の場合 (図 7) と同様 に、 クロステザー 20 (1 20, 220, 320) 上においても、 第 1前後 テザー 22 !_, 22 との連結部 1 228、 222 !_, 222
[¾、 324 !_, 3246) が、 246との連結部 (
1 241_, 1 248、 2241_, 2248、 3241_, 3248) に対して 、 若干下方にずれて配置される。
[0046] 図 9は、 本発明の他の実施例に係る助手席用エアバッ グ装置の展開状態を 示す側面図であり、 アウトオブポジション (〇〇 ) の乗員 〇とクロステ ザー 420との位置関係を示すものである。 本実施例においては、 クロステ ザー 420は、 〇〇 の乗員 0の頭部から離れた位置に配置され、 例えば 、 乗員 〇の頭部よりも前方であり、 且つ上方に離れた位置に配置される。
[0047] また、 展開状態のエアバッグ 1 4の内部を、 第 1及び第 2前後テザー (2
2 !_, 22 [¾, 24 !_, 24 [¾) の延伸方向において、 乗員側から見たとき \¥02020/174892 12 卩(:171? 2020 /000537
に、 クロステザー 420がインストルメントパネル 1 0の上方の一部を覆う ように配置されている。 また、 エアバッグ 1 4の内部を側方から見たとき ( 図 9) に、 クロステザー 420が乗員 0側に凸の状態になるように構成さ れている。 なお、 第 1及び第 2前後テザーの延伸方向は、 エアバッグの展開 方向巳と概ね一致させることができる。
[0048] (実施例の動作)
以下、 本発明の実施例の全体的な動作について、 図 1 0及び図 1 1 を参照 しつつ説明する。 図 1 〇は、 エアバッグ 1 4の展開状態を示す模式図であり 、 図 1の八_八方向の断面に相当する。 図 1 0において、 (八) は展開初期 の段階を示し、 (巳) は (八) の状態の後に、 乗員 がエアバッグ 1 4に対 して正面から進入した場合のエアバッグ 1 4の展開挙動を示す。 一方、 図 1 1は、 乗員 がエアバッグ 1 4に対して斜め方向に (オブリーク方向) から 進入した場合のエアバッグ 1 4の展開 (変形) 挙動を示す。
[0049] 車両の衝突によりエアバッグ 1 4が展開すると、 初期の段階では、 図 1 0 (八) に示すように、 膨張ガスによって第 1及び第 2前後テザー (22 !_, 22 [¾、 24 !_, 24 [¾) に前後方向 (展開方向) のテンションが加わり、 これら第 1及び第 2前後テザー (22 !_, 22 241_, 24 [¾) との連 結部分において正面保護部 1 6が車両前方 (インフレータ側) に引きつけら れる。 これによって、 乗員 側から見たときに、 第 1及び第 2前後テザ _ ( 22 !_, 22 [¾、 24 !_, 24 [¾) との連結部分が凹んだ状態となり、 その 凹んだ部分の間に突出部 26 26 [¾, 28が形成される。 これらの突出 部 261_, 26 [¾, 28は、 正面保護部 1 6の表面を柔軟にし、 乗員 の頭 部を柔らかく受け止めることができ、 乗員頭部への衝撃を緩和するとともに 、 乗員頭部の回転を抑制することになる。
[0050] その後、 膨張ガスがエアバッグ 1 4全体に行き渡ると、 第 1及び第 2前後 テザー (22 !_, 22 [¾、 24 !_, 24 [¾) の前後方向のテンションが低下 し、 正面保護部 1 6の張力が増加する。 このとき、 第 1及び第 2前後テザー (22 !_, 22 [¾、 24 !_, 24 [¾) の前端部がクロステザー 20に連結さ \¥02020/174892 13 卩(:171? 2020 /000537
れているため、 エアバッグ 1 4が左右幅方向に展開しようとした時に、 前後 テザーがクロステザーによって前方に引き寄 せられるような格好となり、 突 出部 261_, 26 [¾, 28が幅方向に延びきるまでに時間差が生じ、 短時間 ではあるが、 当該突出部 261_, 26 [¾, 28の形状が維持される時間が長 くなる。
[0051] 特に、 図 1 0 (八) に示すように、 クロステザー 20が乗員 方向に移動 すると、 その後、 図 1 0 (巳) に示すように、 反動で前方に戻るような挙動 を示すことになる。 そうすると、 エアバッグ 1 4が左右幅方向に展開しよう とした時に、 第 1及び第 2前後テザー (22 !_, 221 241_, 24 [¾) がクロステザー 20によって前方に引き寄せる距離を長くとる とができ、 前後テザーの間に形成された突出部の形状が 維持される時間を更に長くする ことが可能となる。
[0052] (ォプリーク衝突)
なお、 図 1 0 (巳) はエアバッグ 1 4 (正面保護部 1 6) に対して、 乗員 が正面から進入する状態を示しているが、 乗員 がエアバッグ 1 4に対し て斜め方向に (オプリーク方向) から進入した場合には、 エアバッグ 1 4の 展開 (変形) 挙動は図 1 1 に示すようになる。
[0053] 本実施例においては、 図 3にも示したように、 2
2 とクロステザーの前方部分が成す角度 0を 45° 以下としているため、 正面保護部 1 6 (及び側方突出部 1 8 !_, 1 8 [¾) に乗員 が斜め方向から 進入したときに、 エアバッグ 1 4が幅方向に広がる範囲 (猶予) を大きく確 保することができる。
[0054] また、 本実施例においては、 図 4にも示したように、 外側にある第 1前後 テザー 22 !_, 22 を内側にある第 2前後テザー 24 よりも下 方にずらすことで、 中間突出部 261_, 26 [¾が中央突出部 28よりも下方 に形成される。 このため、 正面保護部 1 6に対して乗員 の頭部が斜め方向 から進入し、 乗員 の頭部が中央突出部 28から滑って側方突出部 1 8 !_方 向にスライ ドしたときに、 中央突出部 28よりも下方にある中間突出部 26 \¥0 2020/174892 14 卩(:171? 2020 /000537
1_において、 乗員 の頭部を柔らかく受け止めることができる。 なお、 図 1 1 においては、 乗員 が斜め左前方に進入した場合を示しているが 、 右前方 に進入した場合も同様であることは言うまで もない。
[0055] (本発明の技術的範囲の解釈)
以上、 本発明の実施例について説明したが、 本発明は上記実施例に何ら限 定されるものではなく、 特許請求の範囲に表現された技術思想の範囲 内で適 宜変更可能なものである。