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Patent Searching and Data


Title:
AIRBAG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041218
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an airbag, which is prepared by overlapping two panels of cloth cut to a predetermined shape and by adhering the panels with a room-temperature setting type adhesive sealant. The adhesive sealant to be used can be decreased by satisfying the relations of the following Formula (1) to Formula (3), so that the airbag can be made light in weight and excellent in storage but causes no gas leakage thereby to have a stable performance. H10/H0 ≥ 0.8 (Formula 1), HAH/HBH ≥ 0.8 (Formula 2), and WAH/HAH ≤ 7 (Formula 3) Here, H0 designates the thickness of the adhesive sealant just after the case, in which the adhesive sealant is discharged under the condition of 25 °C from a nozzle having a circular section and then applied to the panels. H10 designates the thickness of the adhesive sealant when left for ten minutes after applied. HBH designates the thickness of the adhesive sealant before set at the applied time of the case, in which the adhesive sealant is applied to one face of the panel and in which the other panel is adhered to that applied adhesive sealant and then set. HAH designates the thickness of the adhesive sealant after set. WAH designates the width of the adhesive sealant after set.

Inventors:
MATSUNAGA MIKIFUSA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065678
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEIREN CO LTD (JP)
MATSUNAGA MIKIFUSA (JP)
International Classes:
B60R21/16; B60R21/20; B60R21/23; B60R21/232
Foreign References:
JP2007038694A2007-02-15
JP2007038693A2007-02-15
JP2002308037A2002-10-23
JPH1134785A1999-02-09
JPH06136348A1994-05-17
Attorney, Agent or Firm:
TSUTADA, Akiko et al. (Nissei Bingomachi Bldg. 7-10, Bingomachi 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 51, JP)
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Claims:
 布帛を所定の形状に裁断してなるパネルを2枚重ね合わせて室温硬化型の接着シール材で接合してなるエアバッグであって、
 前記接着シール材が次式1乃至式3の関係を満たすことを特徴とするエアバッグ;
  H 10 /H 0 ≧0.8   (式1)
  H AH /H BH ≧0.8   (式2)
  W AH /H AH ≦7   (式3)
 但し、上記式1において、H 0 は25℃の条件下で接着シール材を断面円形のノズルから吐出してパネルに付与した場合の付与直後の接着シール材の厚さであり、H 10 は付与後10分間放置したときの接着シール材の厚さであり、
 上記式2及び式3において、H BH は前記パネルの一の面に接着シール材を付与して、この付与された接着シール材に他のパネルを圧着して硬化させた場合の、圧着時の接着シール材の硬化前の厚さであり、H AH はこの接着シール材の硬化後の厚さであり、W AH はこの接着シール材の硬化後の幅である。
 エアバッグに付与された前記接着シール材が硬化してなる接合部の断面積が9mm 2 以下であることを特徴とする、請求項1に記載のエアバッグ。
 エアバッグに付与された前記接着シール材が硬化してなる接合部の幅が7mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアバッグ。
 エアバッグに付与された前記接着シール材が硬化してなる接合部の厚さが1~3mmであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のエアバッグ。
Description:
エアバッグ

 本発明は、車両などに装着され、衝突や 転などの衝撃から乗員を保護するためのエ バッグに関する。さらに詳しくは、長期に たって優れた気密性を有するとともに、軽 で、コストおよび生産性に優れたエアバッ に関する。

 車両用エアバッグとして、前面衝突に対 する運転席用エアバッグ、助手席用エアバ グ、後席用エアバッグが装着されるように って久しい。また、近年では、側面衝突に 応するサイドエアバッグやカーテンエアバ グの装着が増加している。これらのなかで 特に、車両の横転に対応するカーテンエア ッグが注目されており、これには、車両が 転している数秒間にわたって、乗員の頭部 の衝撃を吸収するための内圧保持が求めら ている。これらの様々な形態、要求性能の アバッグに対応するため、気密性を高めて 張持続時間を長くすることができるエアバ グが開発されている。

 縫合によって形成されるカーテンエアバ グは、その縫い目部からガスが漏れる為、 常、弾性の接着シール材が併用されている

 このような、ガスリークを防止するため 用いられる弾性接着シール材は、理想的に 縫合部の周りのみにあればよく、量および 布幅を極力少なくすることが望まれる。塗 幅が多くなると、使用する接着シール材量 増えるため、材料コストがかかる上、バッ の収納性や展開容量に影響する。さらに、 布幅を考慮して織物の裁断形状を大きくす と、織物の材料コストも高くなり望ましく い。

 しかしながら、接着シール材の量を少な すると、塗布幅を少なくすることができる のの、同時に接着シール材の厚さも少なく る。この場合、エアバッグの膨張時にイン レータから発生するガスの圧力に耐えきれ 、織布から剥離して縫製部を保護できなく り、当初のガスリーク防止の目的を達成で なくなる。長時間の内圧保持が求められる ーテンエアバッグにとって、ガスリークは めて深刻な問題である。

 接着シール材の厚さを大きくしようとす と、それに伴ってシール幅も広くせざるを ず、塗布量を減らすことが出来ない。その め、接着シール材の使用量やシール幅を減 し、且つ性能を満足する厚みを確保するこ は困難であった。

 特許文献1には、25℃におけるチクソトロ ー指数が1.5~6である室温硬化型接着シール を使用することで、接着シール材の変形が なく、寸法精度の高いエアバッグを得るこ が記載されている。しかし、チクソトロピ 指数を特定の範囲としても、接着シール材 ある程度の厚さをもたせる場合には、やは 硬化反応中におけるダレを抑制することは きず、バラツキが生じてしまう。

 特許文献2には、シリコーン系目止め用コー ティングを施した織布などからなる2枚のパ ルの縁部同士を、弾性接着剤による接着と 糸による縫合とにより結合することにより 結合部からのガスリークを防止したエアバ グが開示されている。しかし、前記接着剤 、幅5~15mm、塗布量0.01~0.05g/cm 2 程度で塗布することが記載されているのみで あり、厚さについては開示されていない。さ らに、硬化反応中における接着剤のダレにつ いて考慮されておらず、もちろんダレを抑制 することについて開示も示唆もない。

 さらに、特許文献3および4にも、接着剤の 布厚さ、幅および塗布量などが記載されて るが、硬化反応中における接着剤のダレに いて考慮されておらず、もちろんダレを抑 することについて開示も示唆もない。

特開2007-38694号公報

特開2001-1854号公報

特開2002-166806号公報

特開2006-327521号公報

 本発明はこのような現状に鑑みてなされ ものであり、接着シール材の量を減らし、 量で、収納性に優れ、かつ、ガスリークを 生させない、性能的に安定したエアバッグ 提供するものである。

 本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意 究を重ねた結果、接着シール材として、形 安定性を有するものを使用することで、軽 で、収納性に優れ、且つガスリークを発生 せない、性能的に安定した極めて優れたエ バッグを提供することができることを見出 て、本発明に至った。

 すなわち、本発明のエアバッグは、布帛 所定の形状に裁断してなるパネルを2枚重ね 合わせて室温硬化型の接着シール材で接合し てなるエアバッグであって、上記接着シール 材が次式1乃至式3の関係を満たすものとする

  H 10 /H 0 ≧0.8   (式1)
  H AH /H BH ≧0.8   (式2)
  W AH /H AH ≦7   (式3)

 但し、上記式1において、H 0 は25℃の条件下で接着シール材を断面円形の ズルから吐出してパネルに付与した場合の 与直後の接着シール材の厚さであり、H 10 は付与後10分間放置したときの接着シール材 厚さであり、上記式2及び式3において、H BH は前記パネルの一の面に接着シール材を付与 して、この付与された接着シール材に他のパ ネルを圧着して硬化させた場合の、圧着時の 接着シール材の硬化前の厚さであり、H AH はこの接着シール材の硬化後の厚さであり、 W AH はこの接着シール材の硬化後の幅であるもの とする。

 本発明のエアバッグは、エアバッグに付与 れた上記接着シール材が硬化してなる接合 の断面積が9mm 2 以下となるようにすることが好ましい。

 また、エアバッグに付与された上記接着 ール材が硬化してなる接合部の幅は7mm以下 あることが好ましく、厚さは1~3mmであるこ が好ましい。

 本発明によれば、接着シール材として形 安定性を有するものを使用することにより 塗布幅を広げることなく、少ない塗布量で っても、接着シール材を十分な厚さで均一 硬化させることができる。また、その厚さ よび幅を特定の範囲とすることにより、軽 性、収納性、ガスリーク抑制が向上したエ バッグを提供できる。

 以下、本発明について詳細に説明する。

 図1は、所望のエアバッグ形状に裁断され たパネル1上に、ノズル3から吐出された接着 ール材2を塗工している概略平面図である。

<パネル>
 本発明で使用されるパネルは、繊維糸条を いて製織される織物、繊維糸条を用いて製 される編物および不織布などの布帛(以下、 基布と称する場合もある)をエアバッグの形 に裁断したものである。

 用いられる繊維としては、例えば、ナイ ン6、66および46などのポリアミド繊維、パ フェニレンテレフタルアミドと芳香族エー ルとの共重合体などに代表される芳香族ポ アミド繊維(アラミド繊維)、ポリエチレンテ レフタレートに代表されるポリエステル繊維 、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維 、レーヨン繊維、超高分子量ポリエチレンな どのポリオレフィン繊維、ポリオキシメチレ ン繊維、パラフェニレンサルフォンおよびポ リサルフォンなどのサルフォン系繊維、ポリ エーテルエーテルケトン繊維、ポリエーテル イミド繊維およびポリイミド繊維などの有機 繊維、および、ガラス繊維、セラミックス繊 維、炭素繊維および金属繊維などの無機繊維 などがあげられ、これらを単独または併用し ても良い。なかでも、製造が容易で、かつ耐 熱性に優れるという理由により、ポリアミド 繊維およびポリエステル繊維が好ましく、耐 衝撃性に優れ、熱容量が大きいという理由に よりポリアミド繊維がより好ましい。

 これら繊維には、耐熱向上剤、酸化防止 、難燃剤、帯電防止剤などを含有させても い。

 また、繊維布帛は精練および熱処理を施 れたものであってもよい。

 その他、糸条の形態、繊度、布帛の密度 目付(面積当りの重さ)なども特に限定され 、エアバッグ用として通常用いられている のを適宜選択すればよい。

 たとえば、前記繊維布帛の組織が織物の 合は、平織、朱子織、綾織、パナマ織およ 袋織などがあげられ、編物の場合は、経編 よび丸編などがあげられる。なかでも、布 の伸度および強度の点から織物が好ましい なかでも、機械的強度に優れ、厚さを薄く きるという点で織物が好ましく、平織組織 あることがより好ましい。

 また、使用される繊維の単糸強度は、エ バッグとしての物理的特性を満足させるた に5.4cN/デシテックス以上であることが好ま い。

 これら繊維の総繊度は、155~500デシテック スであることが好ましい。155デシテックス未 満では布帛の強度を維持することができない おそれがあり、500デシテックスより大きくな ると、基布の厚みが増大し、バッグの収納性 が悪くなるおそれがある。 また、これら繊 の単繊維の断面形状は、丸、扁平、三角、 方形、平行四辺形、中空、星型など特に限 されるものではないが、生産性やコスト面 らは丸断面のものが好ましく、また、基布 厚みを薄くでき、バッグの収納性がよくな という点では、扁平断面のものが好ましい

 前記布帛が織物である場合のカバーファク ーは、1500~2500であることが好ましい。カバ ファクターが1500より小さいと、織物の開口 部が大きくなるためバッグの気密性を得るこ とが困難となり、またカバーファクターが250 0より大きいと、織物の厚みが増大し、バッ の収納性が悪くなるおそれがある。ここで カバーファクターとは基布のタテ糸総繊度 D 1 (dtex)、タテ糸密度をN 1 (本/2.54cm)とし、ヨコ糸総繊度をD 2 (dtex)、ヨコ糸密度をN 2 (本/2.54cm)とすると(D 1 ×0.9) 1/2 ×N 1 +(D 2 ×0.9) 1/2 ×N 2 で表される。

 これらの布帛は、耐熱性の向上および通 度の低下を目的として、少なくとも片面が 脂などによりコーティングされていてもよ 。コーティング面はエアバッグの内側、外 のいずれであっても構わないが、エアバッ 基布に外力が加わっても、コーティング膜 損傷が抑えられるという理由により、被覆 を内側にすることが好ましい。

 コーティングに用いられる樹脂としては 例えば、クロロプレンゴム、クロロスルフ ン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴムなどの ハロゲンゴム、シリコーンゴム、エチレン ロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共 合ゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレ ブタジエンゴム、イソブチレンイソプレン ム、ウレタンゴムおよびアクリルゴムなど ゴム類、および、塩化ビニル樹脂、塩化ビ リデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂お びフッ素樹脂などの含ハロゲン樹脂、ウレ ン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ア ド樹脂、オレフィン樹脂およびシリコーン 脂などの樹脂類があげられ、これらは単独 たは併用して使用される。なかでも、可撓 、耐熱性および耐候性に優れる点で、シリ ーンゴムおよびシリコーン樹脂が好ましい

 さらに、エアバッグを滑らかに展開させ 目的で、前記コーティング樹脂膜の摩擦を 減する処理を行なっても良い。前記処理と ては、具体的には、コーティング樹脂膜に ルク等の微粉体を塗布する方法、コーティ グ樹脂に有機チタン化合物等の硬化後の粘 性を低減する物質を配合してコーティング おこなう方法、および、コーティング樹脂 にエンボス加工装置などを用いて凹凸を付 する方法などがあげられる。

 コーティング方法としては、ナイフコー ィング、グラビアコーティング、スプレー ーティング、ラミネートなどの方式が挙げ れる。

 また、コーティング樹脂の塗布量としては 5~60g/m 2 が好ましい。塗布量が5g/m 2 より少ないと基布の通気性が高くなりバッグ の気密性に問題が発生するおそれがあり、ま た、コーティング層から基布繊維が一部出る ことにより、接着シール材との接着性が悪く なるおそれもある。塗布量が60g/m 2 より多いと、基布の厚みが厚くなってバッグ の収納性に問題が発生するおそれがある。

<裁断>
 前記布帛を所定のエアバッグ形状に裁断し 、パネル1が作製される。裁断方法は、ナイ フ、レーザー溶融、ウォータージェットなど から適宜選択される。また、裁断されたパネ ル1は、裁断くずを完全に取り除き、シワが かないように平面置きしておくことが好ま い。

<接着シール材の付与>
 接着シール材2は、ポンプで送液され、ノズ ル3を介してパネル1上に吐出される。ノズル3 の口形は特に限定されないが、なかでも、X およびY軸の全方向に塗工する際、ノズルの きを移動方向に合わせて回転させる必要が いことなどから、円形が好ましい。ノズル3 の口径は、塗布したい接着シール材の径と同 じかそれより大きい物を選定する。また、接 着シール材2が、2液以上の液を混合して硬化 せるタイプの場合、ノズル3には、内部に混 合するためのミキサーを取り付けたタイプを 使用する。

 図2に、図1のC-C線における、吐出直後の接 シール材2の模式断面図を示す。ノズル3とし ては、円形のものを用いている。符号H 0 (=W 0 )は、接着シール材2の断面直径である。

 なお、図1では、ノズルを介して接着シー ル材を付与しているが、これに限定されるも のではなく、スクリーンで印写する方法、彫 刻ロールで転写する方法、ダイキャストで付 与する方法などを採用することもできる。

<接着シール材>
 本発明で使用される接着シール材2は、パネ ルとの接着性を考慮して、シリコーン系接着 剤、ポリウレタン系接着剤、ポリアミド系接 着剤、ニトリルゴム系接着剤およびポリサル ファイド系接着剤などから適宜選定すればよ く、熱可塑性のものであっても熱硬化性のも のであってもよい。また、その硬化機構とし ては、室温湿気硬化型、室温縮合反応型、室 温付加反応型、加熱硬化型または電子線硬化 型などのものが挙げられるが、加熱などのエ ネルギーが不要であり、環境面や生産コスト 面で有利であるため、本発明においては、室 温硬化型接着剤を用いる。

 なかでも、パネルがシリコーン樹脂で被 されている場合は、シリコーン系であるこ が好ましく、ウレタン樹脂で被覆されてい 場合には、ウレタン系であることが好まし 。

 また、室温硬化型シリコーン系接着シー 材としては、縮合反応型および付加反応型 どがあるが、硬化が均一に進む点で、付加 応型が好ましい。なお、縮合反応型は、外 と接触している部分に対して、内部の硬化 時間がかかる。

 前記接着シール材の形態としては、1液硬 化タイプ、2液混合硬化タイプ、3液以上の混 タイプがあるが、保存安定性および保管管 の点で、1液よりも2液混合硬化タイプであ ことが好ましい。

 また、前記接着シール材の硬化前の粘度 、25℃において300Pa・s以上であることが好 しく、400Pa・s以上であることがより好まし 。粘度が300Pa・sより小さいと、吐出がしや くなるが、吐出始めや、吐出終わりの液量 コントロールが難しくなる傾向がある。ま 、上限は、900Pa・sである。

 本発明では、以下の方法で評価したとき 、下記式1を満たす接着シール材を使用する ことを特徴としている。

 すなわち、接着シール材を25℃の条件下で 形ノズルから前記基布に吐出し、その基布 付与された直後の接着シール材厚さをH 0 、付与後10分間放置したときの接着シール材 さをH 10 としたときに、次の式1を満たすものである

  H 10 /H 0 ≧0.8   (式1)

 H 10 /H 0 は、0.85以上であることが好ましい。また、 の上限は1である。

 図3に示すように、円形ノズルから基材に付 与された直後、図1におけるAA線での接着シー ル材2の断面は、その厚さH 0 と幅W 0 とがほぼ同じ円形である。

 時間の経過に伴い、室温硬化型の接着シ ル材は硬化し始めるが、液状であるため、 の間にも円形の断面は徐々につぶれて楕円 状を示すようになる。

 そして、付与後10分間放置したときの接着 ール材の形状は、たとえば図4に示すように 厚さH 10 に対して幅W 10 の大きい楕円形状となる。

 このとき、本発明で使用する接着シール材 、上記式1のようにH 10 /H 0 が0.8以上の関係を満たすということは、付与 後10分間放置した場合であっても、接着シー 材は付与直後の形状をよく保持しているこ 、すなわち形状安定性に優れていることを 味する。

 なお、本発明では、通常、接着シール材 エアバッグ用のパネルに付与されてから、 の圧着工程に入るまでにかかる時間を想定 て、付与後10分間放置したときの接着シー 材の形状を考慮しているが、圧着工程に入 までに、必ず10分間放置しなければならない わけではない。

 さらに、付与後10分間放置したときの接着 ール材の厚さH 10 と幅W 10 とが、
 W 10 /(W 10 -H 10 )≧3.5    (式4)
を満たしていることが好ましい。

 W 10 /(W 10 -H 10 )が3.5以上であるということは、付与後10分間 放置した場合であっても、つぶれが少なく、 接着シール材は付与直後の形状をよく保持し ていることを示しており、形状安定性に優れ ているといえる。W 10 /(W 10 -H 10 )は、4.0以上であることがより好ましい。

 なお、前記H 0 は、使用した円形ノズルの直径とみなすこと ができ、前記W 10 および厚さH 10 は、付与10分後の接着シール材について、5箇 所測定したときの平均値である。

 つまり、式1を満たす接着シール材は、ダ レにくく、均一な厚さを保持することができ るのである。式1を満たさないということは 吐出後、極めて短時間のうちに接着シール がダレてしまっているということであり、 れに続く圧着工程の間にも、硬化するまで 着シール材の厚さはどんどん小さくなる。 の結果、所望の接着シール材厚さより低く ってしまう。また、パネルの重みやシワの 響を受けやすいため、厚さがばらつき、厚 の小さい部分からのガスリークが生じるこ になる。さらには、この厚さのバラツキに り、2枚のパネルが凹凸形状に波打ち、折り たみ性にも支障が生じる。

<圧着>
 本発明のエアバッグは、図5に示すように、 式1を満たす接着シール材2を使用して、2枚の パネル1(図示せず)および4を接合してなる。 体的には、たとえば、スペーサーにより所 の間隔に制御される2枚の天板で挟み込むこ により圧着するか、または、天板に対して 定の高さに制御されている圧着ローラーに り圧着して、接合される。なお、パネル4は 、パネル1と略同一の形状をしている。

<圧着後の接着シール材形状>
 しかし、前記圧着工程の時点では、もちろ 接着シール材の硬化は完了しておらず、通 、24時間の養生が行われる。そして、この 生の間にも、接着シール材のダレが生じる め、所定の厚さに圧着されたにもかかわら 、実際の厚さはそれよりも小さくなり、エ リークが生じる原因となっていた。

 図6に、2枚のパネル1および4を圧着した直後 の、図5におけるB-B線での断面図を示す。硬 前の接着シール材2は、それ自身のダレおよ パネルの重みなどにより、側部表面が撓ん いる。また、図7に、硬化後のB-B線での断面 図を示す。なお、接着シール材の硬化は、指 でつぶれないことにより判断することができ る。硬化後の幅W AH は、ダレやパネルの重みなどにより、さらに 広がる。

 本発明で使用される接着シール材は、前記 1に加えて、圧着時に設定される厚さH BH と硬化後の実際の厚さH AH とが、下記式2を満たすものである。

  H AH /H BH ≧0.8   (式2)
 式2を満たしている場合、設定した厚さと硬 化後の実際の厚さがほぼ等しいため、均一な 所望の厚さで2枚のパネルを接合することが き、ガスリークを防ぐことができる。さら 、ダレによる厚さの減少を考慮して、過剰 接着シール材を付与することを必要としな ため、エアバッグの軽量化、収納性アップ も寄与する。なお、H AH /H BH は、0.9以上であることが好ましい。

 ここで、軽量性、収納性を向上させ、且つ スリークを抑制するには、接着シール材の 状安定性と同時に、硬化した後の接着シー 材そのものの形状も重要な因子である。従 て、本発明では、硬化した後の接着シール の幅W AH と厚さH AH とが、以下の式3を満たすものとする。

  W AH /H AH ≦7   (式3)
 すなわち、硬化後の接着シール材の幅W AH と厚さH AH との比(W AH /H AH )は7以下とし、好ましくは6以下とする。この 比が7より大きいと、厚みに対して幅が広す るため、接着シール材の使用量が増え、材 コストが高くなる。一方、この比が7以下で ると、厚さH AH が1.5mmを超えた場合であっても、収納性を損 わない。また、その下限はとくに限定され いが、1に近い方が好ましい。

 なお、上記接着シール材の幅W AH および厚さH AH は、硬化後の接着シール材について、5箇所 定したときの平均値とする。

 本発明で使用する接着シール材は、上記 通り、形状安定性に優れるものであるので 硬化後の厚さのバラツキが少ない。エアバ グの製造に関わる場合、一般に厚さのバラ キ、すなわち、最大の厚さと最小の厚さと 差が±0.6mm以内であれば許容範囲であるが、 前記式を満たす接着シール材を使用する場合 は、バラツキをそれより小さくすることがで きる。

 上記接着シール材をパネルに付与し、もう 枚のパネルを重ねて圧着し、硬化させるこ により、接着シール材が2枚のパネルの接合 部となってエアバッグが形成されるが、この 接合部の断面積は9mm 2 以下であることが好ましく、7mm 2 以下であることがより好ましい。この断面積 が9mm 2 を越えると、接着シール材がガスリーク抑制 の目的に対して過剰に付与されている可能性 があり、軽量性、収納性、コスト性に劣るよ うになる。

 また、この接合部の幅は7mm以下であるこ が好ましく、6mm以下であることがより好ま い。幅が7mmより大きいと、折りたたみ性が 下する傾向にある。

 さらに、接合部の厚さは1mm以上であるこ が好ましく、1.2mm以上であることがより好 しい。厚さが1mmより小さいと、エアバッグ 膨張時、インフレータからの発生ガス圧に えきれず、接着シール材がパネルから剥離 て縫製部を保護できなくなり、ガスリーク 引き起こし易くなる。また、その上限は、 くに限定されないが、収納性を考慮すると 3mm以下であることが好ましい。

<縫製>
 圧着の後、前記接着シール材の硬化が完了 ると、2枚のパネルは接合するが、エアバッ グとしてのより強固な接合を求める場合には 、接合部(すなわち、接着シール材上)を縫製 により縫合してもよい。接合部の縫製につ ては、公知の条件で行えばよく、とくに限 されるものではない。なお、接着シール材 よる前記接合の工程後、直ちに縫製を行う とは、工程時間短縮の点で好ましい。

 以下、実施例により本発明をさらに詳し 説明するが、本発明はこれら実施例に限定 れるものではない。なお、以下における測 ・評価方法は次の通りである。

<接着シール材厚さ>
 定圧厚さ測定器(TECLOK社製 荷重44gf 測定子 φ5mm)にて測定した。

<厚さバラツキ>
 前記の方法で測定した接着シール材の最大 さと最小厚さとの差から求めた。

<断面積>
 接着シール材の幅(図7におけるW AH )と厚さ(H AH )との積を断面積の近似値として求めた。

<リーク防止性能>
 窒素ガスを、エアバッグ内圧が70KPaになる で充填した後、6秒後にバッグ内圧が10KPa以 をキープしているものを○、10KPa未満のもの を×とした。

[実施例1]
 総繊度470デシテックス(dtex)、72フィラメン 、断面形状丸形、単糸強度8.8g/デシテックス のナイロン66繊維を経糸および緯糸に使用し 織密度がともに46本/2.54cmになるようにウォ タージェットルームで製織して、カバーフ クターが1885の平織物を得た。なお、得られ た織物を精練し、185℃×30秒間で熱セットし 後、シリコーンコーティングエラストマー して、無溶剤型液状シリコーンゴム(東レ・ ウコーニング株式会社製、主成分メチルビ ルシリコーンゴム、加熱硬化型)を用いて、 ナイフコーターにより、塗布量が25g/m 2 になるようにコーティングを行った。その後 、180℃×2分間で熱処理を行い、コーティング 基布を得た。

 次いで、前記コーティング基布を図1に示す 形状の2枚のパネルに裁断し、一方のコーテ ング面に、H 10 /H 0 =0.89、H AH /H BH =1である室温硬化型2液混合接着シール材(東 ・ダウコーニング株式会社製、主成分メチ ビニルシリコーンゴム、室温付加反応型接 剤、25℃における粘度400Pa・s)を、φ3.2mmの円 ノズルを通して所定の位置に塗布した。塗 直後の接着シール材の断面は、ほぼ円形状 あった(H0=3.2mm)。続いて、他方のパネルを重 ね合せ、スペーサーで高さ(H BH )を1.5mmに調整した天板間で前記パネル同士を 圧着した。これを、室温で24時間放置して硬 させた。最後に、接着シール材の幅方向中 部を貫通するように、1400dtexのナイロン66縫 製糸を用いて、運針数3.5針/cmの本縫いで縫製 して、本発明のエアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は2.8mmであり、幅(W 10 )は3.5mmであった。また、硬化後の厚さ(H AH )は1.5mm(バラツキ±0.2mm)であり、幅(W AH )は5.5mmであった。

 得られたエアバッグは、接着シール材の 布量が少なく、かつ、リーク防止性能に優 ていた。

[実施例2]
 実施例1と同様にして得られたパネルのコー ティング面に、H 10 /H 0 =0.91、H AH /H BH =1である室温硬化型2液混合接着シール材(東 ・ダウコーニング株式会社製、主成分メチ ビニルシリコーンゴム、室温付加反応型接 剤、25℃における粘度400Pa・s)を、φ2.7mmの円 ノズルを通して所定の位置に塗布した。塗 直後の接着シール材の断面は、ほぼ円形状 あった(H 0 =2.7mm)。続いて、他方のパネルを重ね合せ、 ペーサーで高さ(H BH )を1.2mmに調整した天板間で前記パネル同士を 圧着した。これを、室温で24時間放置して硬 させた。最後に、接着シール材の幅方向中 部を貫通するように、1400dtexのナイロン66縫 製糸を用いて、運針数3.5針/cmの本縫いで縫製 して、本発明のエアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は2.5mm、幅(W 10 )は3.0mmであり、硬化後の厚さ(H AH )は1.2mm(バラツキ±0.2mm)、幅(W AH )は5.0mmであった。

 得られたエアバッグは、実施例1よりもさ らに接着シール材の塗布量が少ないものの、 リーク防止性能に優れていた。

[比較例1]
 接着シール材として、H 10 /H 0 =0.79、H AH /H BH =0.6である室温硬化型接着シール材(東レ・ダ コーニング株式会社製、主成分メチルビニ シリコーンゴム、室温付加反応型接着剤、2 5℃における粘度200Pa・s、チクソトロピー指 1.72)を使用したこと以外は、実施例1と同様 して、パネル上に接着シール材を塗布、圧 および縫製し、エアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は
2.3mm、幅(W 10 )は3.5mmであり、硬化後の厚さ(H AH )は0.95mm(バラツキ±0.5mm)、幅(W AH )は8.5mmであった。

 使用した接着シール材は、とくに、硬化 におけるダレが大きく、硬化後の厚さが不 分になったため、リーク防止性能に劣って た。

[比較例2]
 実施例1と同様にして得られたパネルのコー ティング面に、H 10 /H 0 =0.72、H AH /H BH =1である室温硬化型接着シール材(東レ・ダウ コーニング株式会社製、主成分メチルビニル シリコーンゴム、室温付加反応型接着剤、25 における粘度200Pa・s、チクソトロピー指数1 .72)を、φ3.9mmの円形ノズルを通して所定の位 に塗布した。塗布直後の接着シール材の断 は、ほぼ円形状であった(H 0 =3.9mm)。続いて、他方のパネルを重ね合せ、 ペーサーで高さ(H BH )を0.8mmに調整した天板間で前記パネル同士を 圧着した。ついで、実施例1と同様に硬化お び縫製を行ってエアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は2.9mm、幅(W 10 )は5.2mmであり、硬化後の厚さ(H AH )は0.8mm(バラツキ±0.2mm)、幅(W AH )は15.0mmであった。

 比較例1で生じた硬化中のダレを考慮して 、圧着時の厚さを小さく設定したため、硬化 前後の厚さの変化は小さかった。しかし、厚 さが0.8mmであるため、比較例1同様にリーク防 止性能に劣っていた。また、圧着前の接着シ ール材の厚さをある程度に維持するために、 ダレによる厚さの減少を考慮して、大きなノ ズル径を選定したため、塗布量が過剰となっ た。

[比較例3]
 実施例1と同様にして得られたパネルのコー ティング面に、H 10 /H 0 =0.75、H AH /H BH =0.5である室温硬化型接着シール材(主成分シ コーンゴム、室温付加反応型接着剤、25℃ おける粘度500Pa・s)を、φ3.2mmの円形ノズルを 通して所定の位置に塗布した。塗布直後の接 着シール材の断面は、ほぼ円形状であった(H 0 =3.2mm)。ついで、実施例1と同様に圧着、硬化 よび縫製を行ってエアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は2.2mm、幅(W 10 )は3.5mmであり、硬化後の厚さ(H AH )は0.7mm(バラツキ±0.3mm)、幅(W AH )は12.0mmであった。

 使用した接着シール材は、とくに、硬化 におけるダレが大きく、硬化後の厚さが不 分になったため、リーク防止性能に劣って た。

[比較例4]
 実施例1と同様にして得られたパネルのコー ティング面に、H 10 /H 0 =0.92、H AH /H BH =1である室温硬化型接着シール材(東レ・ダウ コーニング株式会社製、主成分メチルビニル シリコーンゴム、室温付加反応型接着剤、25 における粘度400Pa・s)を、φ2.5mmの円形ノズ を通して所定の位置に塗布した。塗布直後 接着シール材の断面は、ほぼ円形状であっ (H 0 =2.5mm)。続いて、他方のパネルを重ね合せ、 ペーサーで高さ(H BH )を0.5mmに調整した天板間で前記パネル同士を 圧着した。最後に、実施例1と同様に硬化お び縫製を行ってエアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は2.3mm、幅(W 10 )は2.7mmであり、硬化後の厚さ(H AH )は0.5mm(バラツキ±0.1mm)、幅(W AH )は10.0mmであった。

 ダレやバラツキは見られなかったものの 硬化後の厚さが0.5mmであるため、リーク防 性能に劣っていた。

[比較例5]
 実施例1と同様にして得られたパネルのコー ティング面に、H 10 /H 0 =0.85、H AH /H BH =1である室温硬化型接着シール材(東レ・ダウ コーニング株式会社製、主成分メチルビニル シリコーンゴム、室温付加反応型接着剤、25 における粘度400Pa・s)を、φ3.5mmの円形ノズ を通して所定の位置に塗布した。塗布直後 接着シール材の断面は、ほぼ円形状であっ (H 0 =3.5mm)。続いて、他方のパネルを重ね合せ、 ペーサーで高さ(H BH )を1.0mmに調整した天板間で前記パネル同士を 圧着した。最後に、実施例1と同様に硬化お び縫製を行ってエアバッグを得た。

 なお、使用した接着シール材について、塗 後10分間放置した後の厚さ(H 10 )は3.0mm、幅(W 10 )は3.8mmであり、硬化後の厚さ(H AH )は1.0mm(バラツキ±0.1mm)、幅(W AH )は10.0mmであった。

 ダレやバラツキは見られなかったものの 接着シール材の塗布量が過剰であるため、 化後の厚さに対して幅が過大であり、軽量 に劣っていた。

 上記実施例及び比較例の結果を、シール の厚さ、幅等と共に表1に示す。

エアバッグ形状に裁断されたパネル上 、ノズルから吐出された接着シール材を塗 している概略平面図である。 図1のC-C線における、吐出直後の接着シ ール材の模式断面図である。 図1のA-A線における、接着シール材2の 式断面図である。 図1のA-A線における、付与後10分間放置 たときの接着シール材の形状を示す模式断 図である。 2枚のパネルを重ね合わせてなるエアバ ッグを示す模式平面図である。 2枚のパネルを圧着した直後の、図5のB- B線における模式断面図である。 接着シール材硬化後の、図5のB-B線にお ける模式断面図である。

符号の説明

  1 パネル
  2 接着シール材
  3 ノズル
  4 パネル
  H 0  付与直後の接着シール材の断面直径
  H 10  付与10分後の接着シール材の厚さ
  W 10  付与10分後の接着シール材の幅
  H BH  圧着時に設定される厚さ
  H AH  硬化後の接着シール材の厚さ
  W AH  硬化後の接着シール材の幅