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Patent Searching and Data


Title:
AIRCRAFT ASSEMBLY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119526
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an aircraft assembly, which includes a highly reliable lightning-proof structure and is not easily broken by lightning current. The aircraft assembly comprises an outer panel (10) including a CFRP layer (12) as a main structural component, a shear tie (11) for supporting the outer panel (10) from the inside thereof, and a fastener (1) for joining the outer panel (10) and the shear tie (11) to each other. A copper foil (13) and an outer GRFP layer (14) are so provided to be directed outward on the outer surface side of the outer panel (10) in this order. A copper paint layer (19) containing copper powders is provided on the outer GFRP layer (14).

Inventors:
KAMINO YUICHIRO (JP)
OGURI KAZUYUKI (JP)
NAKAMURA KOICHI (JP)
Application Number:
JP2009/055712
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
KAMINO YUICHIRO (JP)
OGURI KAZUYUKI (JP)
NAKAMURA KOICHI (JP)
International Classes:
B64C1/00; B64D45/02; F16B5/02; F16B33/06; F16B35/00
Foreign References:
US7050286B22006-05-23
US6327132B12001-12-04
US5845872A1998-12-08
US4502092A1985-02-26
US4630168A1986-12-16
US5845872A1998-12-08
Other References:
See also references of EP 2256030A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (JP)
Takaharu Fujita (JP)
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Claims:
 繊維強化プラスチックを主構造とする外板と、該外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品において、
 前記外板の外表面側には、導電箔が設けられ、
 該導電箔の上方には、導電性粉末を含有する導電性樹脂層が設けられている航空機組立品。
 前記ファスナは、前記外板の前記主構造および前記導電箔、並びに前記構造材を貫通する挿入孔内に挿入され、
 前記外板の外表面側に位置する前記ファスナの頭部上は、前記導電性樹脂層によって被覆されている請求項1記載の航空機組立品。
 前記ファスナは、前記構造材からさらに内側に突出する先端部を有し、
 該先端部には、該先端部に対して挿入されて前記外板と前記構造材とを固定する固定具が設けられ、
 前記構造材と前記固定具との間には、表面に絶縁物が被覆された絶縁ワッシャが介挿されているとともに、
 前記構造材と前記絶縁ワッシャとの間には、絶縁スペーサが介挿されている請求項2記載の航空機組立品。
 前記ファスナと前記挿入孔との間には、絶縁性シーラントが設けられている請求項3記載の航空機組立品。
 繊維強化プラスチックを主構造とする外板と、該外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品において、
 前記ファスナは、前記構造材からさらに内側に突出する先端部を有し、
 該先端部には、該先端部に対して挿入されて前記外板と前記構造材とを固定する固定具が、表面に絶縁物が被覆された絶縁ワッシャを介して設けられ、
 前記構造材と前記絶縁ワッシャとの間には、絶縁スペーサが介挿されている航空機組立品。
Description:
航空機組立品

 本発明は、耐雷構造を有する航空機の主 や胴体等の航空機組立品に関するものであ 。

 航空機の機体(外板)材料は、軽量、高強度 、耐久性を備えているものが求められてお 、近年、繊維で強化されたプラスチック(複 材料)の使用が増加している。
 この複合材料としては、たとえば、炭素繊 をエポキシ樹脂などで固めた炭素繊維強化 脂(CFRP)、ガラス繊維をエポキシ樹脂などで めたガラス繊維強化樹脂(GFRP)がよく用いら ている。
 これらの複合材料は、金属に比べて落雷に する抵抗力が低いという問題がある。また 外板を内部の構造材に固定するファスナが 属製(例えばチタン合金)であるため、落雷 よって生じる電流(雷電流)がファスナを通り 、内部で火花(スパーク)が発生する恐れがあ 。

 このため、外板に複合材料を用いる場合に 、耐雷性を考慮した構造とすること、特に ファスナに雷が通るのを防止する構造とす ことが求められている。
 このような、耐雷性の構造として、たとえ 、特許文献1および特許文献2に記載された のが提案されている。
 特許文献1に示された構造は、ファスナの頭 部の外側端に絶縁性のキャップを装着してい るものであり、このようにファスナの構造を 工夫して雷の通過を防止するものは多く提案 されている。
 特許文献2に示された構造は、ファスナの周 囲に金属製のストラップ(導電層)を取り付け かつ、ファスナの頭部の上方に絶縁層を設 し、落雷による雷電流を外板面に散逸させ ものである。

米国特許第4630168号明細書

米国特許第5845872号明細書

 しかし、特許文献1に示されたものは、外板 の表面に絶縁性のキャップが位置することに なり、雷電流が外板の表面に沿って流れる場 合、雷電流がこれら絶縁性のキャップを迂回 して流れなければならず、雷電流の流れが阻 害されてしまうといった問題がある。
 また、特許文献2に示されたものは、雷電流 を散逸させる導電層として、金属箔が一層の み設けられた構成とされているため、雷電流 によって容易に破壊されるおそれがある。ま た、金属箔では、その厚さにもよるが、破壊 せずに雷電流を搬送する搬送容量が小さいと いう問題がある。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであって、雷電流によって容易に破 されずに信頼性の高い耐雷構造を備えた航 機組立品を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明の航空 組立品は以下の手段を採用する。
 すなわち、本発明にかかる航空機組立品の 1の態様は、繊維強化プラスチックを主構造 とする外板と、該外板を内側から支持する構 造材と、これら外板と構造材とを結合するフ ァスナとを備えている航空機組立品において 、前記外板の外表面側には、導電箔が設けら れ、該導電箔の上方には、導電性粉末を含有 する導電性樹脂層が設けられている航空機組 立品である。

 航空機組立品に着雷した場合、着雷によっ 生じる電流(以下「雷電流」という。)は、 層に位置する導電性樹脂層を流れる。この 電性樹脂層は、導電性粉末を含有した樹脂 なっているので、導電箔に比べて、雷電流 搬送容量が大きく、かつ雷電流を散逸させ 能力が高い。したがって、着雷による損傷 最小限に抑えることができる。
 また、導電性樹脂層の下方には、導電箔が けられているので、万が一、着雷によって 電性樹脂層が破壊された場合であっても、 の導電箔によって雷電流を散逸させること できる。さらに、導電箔は、メッシュ形状 はなく箔すなわち所定の断面積を有して一 に広がる面状のシートとされているので、 ッシュ形状に比べて雷電流を搬送する能力 優れる。
 なお、「導電性樹脂層」としては、フェノ ル樹脂に対して銅粒子を混合したものが好 しい。

 さらに、上記第1の態様においては、前記 ファスナは、前記外板の前記主構造および前 記導電箔、並びに前記構造材を貫通する挿入 孔内に挿入され、前記外板の外表面側に位置 する前記ファスナの頭部上は、前記導電性樹 脂層によって被覆されていることとしてもよ い。

 ファスナは、外板の主構造および導電箔、 びに構造材を貫通する挿入孔内に挿入され 配置される。そして、ファスナの頭部上は 導電性樹脂層によって被覆することとした これにより、雷電流がファスナ内に侵入す ことを防止することができる。
 なお、ファスナの耐雷性を向上させるため 、ファスナの頭部の外側の少なくとも一部 絶縁物によって形成しておくことが好まし 。この絶縁物としては、熱可塑性ポリイミ 樹脂、PEEK等が好ましい。

 さらに、上記第1の態様においては、前記 ファスナは、前記構造材からさらに内側に突 出する先端部を有し、該先端部には、該先端 部に対して挿入されて前記外板と前記構造材 とを固定する固定具が設けられ、前記構造材 と前記固定具との間には、表面に絶縁物が被 覆された絶縁ワッシャが介挿されているとと もに、前記構造材と前記絶縁ワッシャとの間 には、絶縁スペーサが介挿されていることと してもよい。

 表面に絶縁物が被覆された絶縁ワッシャに えて絶縁スペーサを設けることとしたので 組立の際に変形による剪断力が加わり絶縁 ッシャの被覆絶縁物が剥がれた場合であっ も、絶縁スペーサによって絶縁を確保する とができる。このように、絶縁ワッシャ及 絶縁スペーサによって二重に絶縁すること 信頼性を向上させることができる。
 また、雷電流がファスナ内を通過した場合 固定具(例えばナット)と構造材との微小隙 でスパークが発生するおそれがある。本発 では、固定具と構造材との間に、絶縁物が 覆された絶縁ワッシャと絶縁スペーサを介 することにより、微小隙間で発生するスパ クを防止する。特に、絶縁スペーサが構造 と絶縁ワッシャによって圧縮変形される構 としておけば、ファスナ組付け時の誤差に って生じる偏った微小隙間を吸収すること できる。
 絶縁スペーサとしては、ポリイミドが好適 あり、さらに好ましくは、圧縮力が加わる 向に複数のシートを積層した構成が好まし 。複数のシートから構成されることにより 仮に一層のシートが破損したとしても他の のシートが有効に機能するからである。

 さらに、上記第1の態様においては、前記 ファスナと前記挿入孔との間には、絶縁性シ ーラントが設けられていることとしてもよい 。

 ファスナと挿入孔との間に、絶縁性シーラ トを設けることにより、さらにファスナと 板との間の絶縁性を高めることができる。
 なお、ファスナと挿入孔との間に絶縁性シ ラントを設けると、ファスナの挿入時に、 入孔に対してファスナの位置が正確に決ま ない。具体的には、ファスナに絶縁性シー ントを塗布した後に、ファスナを挿入孔に 入し、絶縁性シーラントを固化して固定す ので、挿入時にファスナは挿入孔に当接し 状態で位置が定まるわけではない。つまり ファスナは、挿入時に、挿入孔に対して遊 されることになる(いわゆるクリアランスフ ィット)。このようなクリアランスフィット は、挿入孔とファスナとの相対位置が正確 定まらないので、構造材、ファスナ及び固 具との間で意図しない偏った微小隙間が形 され、スパーク発生の原因となる。このよ な場合には、構造体と絶縁ワッシャによっ 圧縮される絶縁スペーサを設けることとす ば、クリアランスフィットの場合であって 、絶縁スペーサの圧縮変形によって微小隙 の偏在を抑えることができ、スパーク発生 防止することができる。

 また、本発明の航空機組立品の第2の態様 は、繊維強化プラスチックを主構造とする外 板と、該外板を内側から支持する構造材と、 これら外板と構造材とを結合するファスナと を備えている航空機組立品において、前記フ ァスナは、前記構造材からさらに内側に突出 する先端部を有し、該先端部には、該先端部 に対して挿入されて前記外板と前記構造材と を固定する固定具が、表面に絶縁物が被覆さ れた絶縁ワッシャを介して設けられ、前記構 造材と前記絶縁ワッシャとの間には、絶縁ス ペーサが介挿されている航空機組立品である 。

 表面に絶縁物が被覆された絶縁ワッシャに えて絶縁スペーサを設けることとしたので 組立の際に変形による剪断力が加わり絶縁 ッシャの被覆絶縁物が剥がれた場合であっ も、絶縁スペーサによって絶縁を確保する とができる。このように、絶縁ワッシャ及 絶縁スペーサによって二重に絶縁すること 信頼性を向上させることができる。
 また、雷電流がファスナ内を通過した場合 固定具(例えばナット)と構造材との微小隙 でスパークが発生するおそれがある。上記 2の態様においては、固定具と構造材との間 、絶縁物が被覆された絶縁ワッシャと絶縁 ペーサを介挿することにより、微小隙間で 生するスパークを防止する。特に、絶縁ス ーサが構造体と絶縁ワッシャによって圧縮 形される構成としておけば、ファスナ組付 時の誤差によって生じる偏った微小隙間を 収することができる。
 絶縁スペーサとしては、ポリイミドが好適 あり、さらに好ましくは、圧縮力が加わる 向に複数のシートを積層した構成が好まし 。複数のシートから構成されることにより 仮に一層のシートが破損したとしても他の のシートが有効に機能するからである。

 本発明によれば、以下の作用効果を奏する
 導電性樹脂層を設けるとともに、その下方 、導電箔を設けることとしたので、雷電流 よって容易に破壊されずに信頼性の高い耐 構造を備えた航空機組立品を得ることがで る。
 また、固定具と構造材との間に、絶縁ワッ ャと絶縁スペーサを介挿し、二重に絶縁す ことによって信頼性を向上させることがで る。

本発明の航空機組立品である主翼を示 た平面図である。 シアタイと外板との位置関係を概略的 示した断面図である。 図2をより詳細に示した断面図である。 本実施形態にかかるファスナであり、 部を断面として示した側面図である。 実施例において比較例1として用いたア ルミテープの断面図である。

符号の説明

1 ファスナ
10 外板
11 シアタイ(構造材)
13 銅フォイル(導電箔)
14 外側GFRP層(絶縁層)
17 カラー(固定具)
18 絶縁性シーラント
19 銅ペイント層(導電性樹脂層)
21 絶縁ワッシャ
22 絶縁スペーサ

 以下に、本発明にかかる実施形態について 図面を参照して説明する。
 図1には、航空機の主翼(航空機組立品)Aの平 面図が示されている。リブラインBは、後述 るシアタイ(構造材)11が配置される位置を含 、後述する銅ペイント(導電性樹脂層)19ない し銅フォイル(導電箔)13が配置される領域を している。

 図2には、外板10とシアタイ(Sea-Tie)11との位 関係が概略的に示されている。シアタイ11は 、ストリンガ、リブ等と外板10とを結合する 材であり、アルミ合金やチタン合金、また CFRP(炭素繊維強化プラスチック)といった導 性材料とされている。外板10とシアタイ11と は、ファスナ1によって固定されている。具 的には、ファスナ1の先端にカラー(ナット)17 を螺合することによって、外板10とシアタイ1 1とを締め上げて固定している。
 カラー17とシアタイ11との間には、絶縁ワッ シャ21と絶縁スペーサ22が介挿されている。
 カラー17,絶縁ワッシャ21,絶縁スペーサ22は 図2の右側に示すように、樹脂等の絶縁材料 構成された絶縁キャップ24によって全体が われるようになっている。この絶縁キャッ 24は、シアタイ11に対して密着されて固定さ ることにより、フューエル(fuel)シールを兼 ることができる。

 図3には、図2に示した断面がより詳細に示 れている。また、図4はファスナ1の側面図で ある。
 図3および図4に示すように、ファスナ1は、 柱形状の軸部(シャンク:Shank)2、および軸部2 の一端側に設けられ、軸部2から遠ざかるに れて拡径する略円錐台形状の頭部(フラッシ ・ヘッド:Flush Head)3を有するファスナ本体4 、頭部3の一端部(図3および図4において上側 に位置する頂部)に位置する絶縁頭部5とを主 る要素として構成されたものである。

 ファスナ本体4は、軸部2と頭部3とが一体に 成されたものであり、例えば、チタン(Ti-6Al -4V:アニール材)やインコネル等の合金を用い 作製されている。
 軸部2の他端部(図3および図4において下側の 端部)には、後述するカラー(ナット,固定具) 雌ネジ部と螺合する雄ネジ部2aが形成されて いる。
 頭部3の頂部には、絶縁頭部5が係止される ァスナ側係合部7が設けられている。このフ スナ側係合部7は、軸部2と反対の側(図3およ び図4において上側)に位置するとともに、周 向に沿って半径方向外側に突出する(拡径す る)凸部7aと、軸部2と凸部7aとを接続(連結)す とともに、周方向に沿って半径方向内側に む(窪む)凹部7bとを備えている。
 なお、頭部3の一端面における直径は、例え ば、12.7mm(1/2 inch)程度である。

 絶縁頭部5は、円盤状の部材とされている。 絶縁頭部5の材料としては、例えば、耐熱性 よび強度に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂( えば、三井化学(株)から入手可能なAURUM)が 適である。これ以外の材料としては、その の熱可塑性樹脂(例えば、耐熱性・強度を有 る他、絶縁破壊電圧が高いポリエーテルイ ド(PEI)、耐熱性・強度が優れている他、成 性・汎用性に優れたポリエーテルエーテル トン(PEEK)、耐熱性・強度を有する他、成形 ・汎用性に優れたポリフェニルサルルファ ド(PPS)、耐熱性・強度が特に優れているポリ アミドイミド(PAI))や、熱硬化性樹脂等が挙げ られる。
 絶縁頭部5の周縁部(図3および図4において下 側の端部)には、ファスナ側係合部7に係止さ る絶縁体層側係合部8が設けられている。こ の絶縁体層側係合部8は、周方向に沿って半 方向内側に凹む(窪む)とともに、ファスナ側 係合部7の凸部7aと合致する凹部8aと、周方向 沿って半径方向外側に突出する(拡径する) ともに、ファスナ側係合部7の凹部7bと合致 る凸部8bとを備えている。
 また、この絶縁頭部5は、射出成形によって 頭部3のファスナ側係合部7に取り付けられる うになっている。これにより、ファスナ側 合部7の外表面と、絶縁体層側係合部8の内 面とが全体にわたって密着し、絶縁頭部5自 が有する接着力によって絶縁頭部5が頭部3 対して強固に固定されることとなる。
 なお、絶縁頭部5の板厚(頂面(図3および図4 おいて上側に位置する平面)と底面(図3およ 図4において下側に位置する平面)との間の長 さ)は、MIL-STD-1757A Zone1の雷撃試験電圧(約40kV) に対しても十分な絶縁耐力を有するように、 例えば、0.5mm~1.0mm程度とされていることが望 しい。

 外板10は、導電性(アルミニウムの1/100~1/1000 度の導電性)を有する樹脂材料であるCFRP(炭 繊維強化樹脂)層12を主構造としている。CFRP 層12の外表面(組み立て後、外側に位置する面 )全体には、絶縁性を有するGFRP(ガラス繊維硬 化樹脂)とされた外側GFRP層14が設けられ、CFRP 12の内表面(組み立て後、内側に位置する面) 全体には、内側GFRP層15が積層されている。
 また、CFRP層12と外側GFRP層14との間には、そ 全体が導電性を有する銅フォイル(導電箔)13 が設けられている。銅フォイル13の厚さは、 70μmとされている。

 シアタイ11は、例えば、アルミ合金やチタ 材、またはCFRP(炭素繊維強化樹脂)からなり 内側GFRP15の裏面(組み立て後、内側に位置す 面)上の所定位置に配置されている。
 内側GFRP15の裏面上にシアタイ11が配置され 構造物の所定位置には、これら外板10および 構造物11を板厚方向に貫通するとともに、フ スナ1を受け入れることができる挿入孔16が 成されている。そして、各挿入孔16には、 ァスナ1が収められており、シアタイ11の裏 から内側に突出する雄ネジ部2aには、例えば 、チタンやインコネル等の合金を用いて作製 されたカラー17が螺結されている。

 ファスナ1と挿入孔16との間には、絶縁性 ーラント18が設けられている。絶縁性シー ントとしては、ポリフェニルサルファイド(P PS)を好適に用いることができる。組立の際、 ファスナ1の軸部2及び頭部3に絶縁性シーラン ト18を塗布した後に、挿入孔16内に挿入され 。したがって、挿入孔16よりもファスナ1の 形状は小さくなっており、挿入孔16に対して ファスナ1は遊嵌されるようになっている(い ゆるクリアランスフィット)。

 ファスナ1の外表面側、即ち絶縁頭部5上に 、銅ペイント層(導電性樹脂層)19が設けられ いる。この銅ペイント層19は、ファスナ1及 その周囲を被覆するように設けられている
 銅ペイント層19は、主としてフェノール樹 と銅粉から構成されている。銅粉としては 粒径範囲が2~10μm、平均値が約5μmの電解銅粉 が用いられる。電解銅粉は、樹枝状の尖った 形状をしているため、導電性を確保する上で 好ましい。
 フェノール樹脂と銅粉との混合比は、銅粉 体積比で40~60%、好ましくは約50%とされてい 。
 銅ペイント層19は、外板10の外側GFRP層14およ びファスナ1の絶縁頭部5の表面に塗布した後 固化されることによって形成される。
 銅ペイント層19の厚さは、約150μmとされて る。
 なお、銅ペイント層19に用いられるフェノ ル樹脂に代えて、エポキシ系あるいはアク ル系の樹脂を用いることもできる。また、 粉に代えて、Ni,Au,Ag,AgコートCu(Agによって被 されたCu粒子),グラファイト等の導電性粒子 を用いることもできる。

 図3には示されていないが、銅ペイント層 19上には、厚さ約20μmのエポキシ系のプライ コートが積層され、さらにその上に、厚さ 50μmのウレタンエナメル系のトップコートが 積層される。

 シアタイ11とカラー17との間には、絶縁ワッ シャ21と絶縁スペーサ22が介挿されている。
 絶縁ワッシャ21は、ステンレス等の金属材 本体の外表面に樹脂(例えばアルミ粉含有樹 )等の絶縁材料がコーティングされたもので ある。
 絶縁スペーサ22は、ポリイミドのフィルム 複数積層された構造となっている。絶縁ス ーサ22には、カラー17によって締め上げられ 際に圧縮力が加わり、変形されるようにな ている。このように変形されたとしても、 縁スペーサ22は絶縁フィルムが複数積層さ た構造となっているので、仮に1枚の絶縁フ ルムが割れたとしても他の絶縁フィルムに その割れが進展しないので、全体として割 にくい構造となっている。なお、絶縁スペ サ22として、さらに繊維を積層させること よって、より割れにくい構造を採用しても い。
 絶縁スペーサ22は、絶縁ワッシャ21とほぼ同 等の径とされている。これは、絶縁ワッシャ の圧力で亀裂が入るのを防止するためである 。
 また、カラー17の絶縁ワッシャ21側の端面に おける外周縁および内周縁に対して面取りを 施しても良い。これにより、絶縁ワッシャ21 損傷を防ぐことができる。

 上述した本実施形態にかかる構成の航空機 立品の耐雷性試験を行った。
 比較例1及び2並びに本発明品の構成を下表 示す。下表に示した構成以外は、比較例1及 2並びに本発明品について全て同等とした。

 表1において、「リブトップ」とは、図3の ペイント層19の位置を示し、ファスナ1の直 に位置する部材を示す。
 アルミテープは、図5に示すように、外表面 側から内側に向けて、厚さ30μmのポリウレタ 層31、厚さ30μmの接着層32、厚さ20μmのAl層33 及び厚さ30μmの接着層34が、この順に積層さ れている。
 比較例2及び本発明品に用いた銅ペイント層 の厚さは150μmとした。これは、アルミテープ と同等の電気抵抗値を有するように選定した ものである。

 表1において、「リブライン」とは、図3 銅フォイル13の位置を示し、ファスナ1周囲 領域を示す。銅フォイルの厚さは70μmとした 。比較例2に用いた銅メッシュは、中実とさ たフォイルとは異なり、平面視して網目状 されたものである。

 耐雷試験は、SAE APR5412Aに従って行われた。 スパーク発生の有無は、ASA3000相当のデジタ カメラで0.02mJのスパークを検出することに って評価した。撮影は、内面側(図3のシアタ イ11側)から行った。
 耐雷試験は、それぞれについて、下表に示 た条件に基づいて、9つの試験パネルについ て行い、1回でもスパーク発生が検出された のについてはスパーク有りとし、スパーク 生が1回もなかったものについてのみスパー 無しとして評価した。

 表2において、「Applied Zone」は、航空機の 雷対策の領域を示す。「+」については、50% の雷電流での評価を示す。
 「Comp D」、「Comp B」、「Comp C*」は、それ ぞれ、雷電流の成分を示す。

 表1に示したように、本発明品のみ1回も パーク発生が認められなかった。これは、 較例1との対比で言えば、銅ペイント層19に るものであり、比較例2との対比で言えば、 フォイル13によるものである。この結果は 詳細なメカニズムが明確になっていないの 推測ではあるが、銅ペイント層19の方がアル ミテープよりも雷電流の搬送容量および散逸 能力に優れ、また、銅フォイル13の方が銅メ シュよりも雷電流の搬送容量および散逸能 に優れているものと考えられる。

 以上説明したように、本実施形態によれば 以下の作用効果を奏する。
 主翼Aに着雷した場合、雷電流は、上層に位 置する銅ペイント層19を流れる。この銅ペイ ト層19は、銅粉を含有した樹脂となってい ので、アルミテープ等の導電箔に比べて、 電流の搬送容量が大きく、かつ雷電流を散 させる能力が高い。したがって、着雷によ 損傷を最小限に抑えることができる。
 また、銅ペイント層19の下方には、銅フォ ル13が設けられているので、万が一、着雷に よって銅ペイント層19が破壊された場合であ ても、この銅フォイル13によって雷電流を 逸させることができる。さらに、銅フォイ 13は、メッシュ形状ではなく箔すなわち所定 の断面積を有して一様に広がる面状のシート とされているので、メッシュ形状に比べて雷 電流を搬送する能力に優れる。

 ファスナ1の絶縁頭部5を、銅ペイント層19に よって被覆することとした。これにより、雷 電流がファスナ1内に侵入することを防止す ことができる。
 また、雷電流がファスナ1内を通過した場合 、カラー17とシアタイ11との微小隙間でスパ クが発生するおそれがある。本実施形態で 、カラー17とシアタイ11との間に、絶縁物が 覆された絶縁ワッシャ21と絶縁スペーサ22を 介挿することにより、微小隙間で発生するス パークを防止する。このように、絶縁ワッシ ャ21及び絶縁スペーサ22によって二重に絶縁 ることによって信頼性を向上させることが きる。特に、絶縁スペーサ22がシアタイ11と 縁ワッシャ21によって圧縮変形される構成 したので、ファスナ1の組付け時の誤差によ て生じる偏った微小隙間を吸収することが きる。

 ファスナ1を挿入孔16に対してクリアランス ィットすることとしたので、挿入孔16とフ スナ1との相対位置が正確に定まらず、シア イ11、ファスナ1及びカラー17との間で意図 ない偏った微小隙間が形成され、スパーク 生の原因となるおそれがある。本実施形態 は、シアタイ11と絶縁ワッシャ21によって圧 される絶縁スペーサ22が設けられているの 、クリアランスフィットの場合であっても 絶縁スペーサ22の圧縮変形によって微小隙間 の偏在を抑えることができ、スパーク発生を 防止することができる。
 また、絶縁スペーサ22としては、圧縮力が わる方向に複数のシートを積層した構成と たので、仮に一層のシートが破損したとし も他の層のシートを有効に機能させること できる。

 なお、上述した実施形態では、航空機組立 の一例として主翼Aを挙げて説明したが、航 空機組立品はこれに限定されず、例えば胴体 、尾翼等が挙げられる。
 また、絶縁スペーサ22は、複数のシートを 層した構成として説明したが、本発明はこ に限定されるものではなく、一層の熱可塑 ポリイミド樹脂(例えば、三井化学(株)から 手可能なAURUM)としても良い。




 
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