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Title:
Al2Ca-CONTAINING MAGNESIUM-BASED COMPOSITE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113581
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a magnesium-based composite material having excellent performance, such as strength characteristics, not only at normal temperature but also at high temperature. The magnesium-based composite material is obtained by the solid phase reaction of an aluminum-containing magnesium alloy and calcium oxide as added material to provide an Al2Ca-containing magnesium-based composite material which includes Al2Ca formed by said solid phase reaction. CaO can be dispersed together with the Al2Ca within said magnesium-based composite material.

Inventors:
ENAMI KEITARO (JP)
ONO SHOJI (JP)
OHARA MASAKI (JP)
IGARASHI TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054677
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOPY IND (JP)
ENAMI KEITARO (JP)
ONO SHOJI (JP)
OHARA MASAKI (JP)
IGARASHI TAKANORI (JP)
International Classes:
C22C23/02; B22F1/00; B22F3/02; B22F3/20; C22C1/05; C22C1/10; C22C23/00; C22C32/00
Foreign References:
JP2006002184A2006-01-05
JPS6199655A1986-05-17
JP2006002184A2006-01-05
JP2007051305A2007-03-01
JP2005248325A2005-09-15
Other References:
See also references of EP 2270243A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, YUJI (JP)
Yuji Iwahashi (JP)
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Claims:
 アルミニウムを含有するマグネシウム合金と添加材との固相反応により得られたマグネシウム基複合材料であって、
 前記添加材は酸化カルシウムであり、
 前記固相反応により生成したAl 2 Caを含むことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1記載の複合材料において、アルミニウムを含有するマグネシウム合金が、合金化された及び/又は混合されたアルミニウムを含有するマグネシウム合金であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1又は2記載の複合材料において、マグネシウム基複合材料中にAl 2 CaとともにCaOが分散していることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1~3の何れかに記載の複合材料において、
 アルミニウムを含有するマグネシウム合金と添加材との混合体を固相状態で機械的に微細化し、
 この微細化混合体又はその圧粉体を融点未満の温度で熱化学反応させることにより得られたことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項4記載の複合材料において、前記微細化混合体又はその圧粉体を350~550℃に加熱して熱化学反応させることによりAl 2 Caが生成したことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項4又は5記載の複合材料において、熱化学反応が焼結であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項4~6の何れかに記載の複合材料において、熱化学反応後に塑性加工することを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項4~6の何れかに記載の複合材料において、熱化学反応中に塑性加工することを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項8記載の複合材料において、
 アルミニウムを含有するマグネシウム合金と添加材との混合体を固相状態で機械的に微細化し、
 この微細化混合体又はその圧粉体を融点未満の温度で塑性加工することにより得られたことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項9記載の複合材料において、塑性加工が押出しであることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項10記載の複合材料において、押出し温度が350~550℃であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項4~11の何れかに記載の複合材料において、微細化処理されるアルミニウム含有マグネシウム合金と添加材との混合体中、添加材が1~20vol%となるように用いることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項4~12の何れかに記載の複合材料において、微細化処理されるアルミニウム含有マグネシウム合金と添加材との混合体中、Ca/Alのモル比が0.5以上となるように添加材を用いることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1~13の何れかに記載の複合材料において、Al 2 Ca分散粒子の最大粒径が5μm以下であり、CaO分散粒子が存在する場合にはCaO分散粒子の最大粒径が5μm以下であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1~14の何れかに記載の複合材料において、マグネシウム合金の最大結晶粒が20μm以下であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1~15の何れかに記載の複合材料において、Al 12 Mg 17 を含まないことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 請求項1~16の何れかに記載の複合材料において、20℃における引張強さが400MPa以上で、且つ250℃における引張強さが100MPa以上であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料。
 アルミニウムを含有するマグネシウム合金と添加材との混合体を固相状態で機械的に微細化した微細化混合体又はその圧粉体であって、
 前記添加材は酸化カルシウムであり、
 融点未満での加熱によりAl 2 Caを生成することを特徴とする熱化学反応用又は塑性加工用材料。
 請求項18記載の材料において、アルミニウムを含有するマグネシウム合金が、合金化された及び/又は混合されたアルミニウムを含有するマグネシウム合金であることを特徴とする熱化学反応用又は塑性加工用材料。
 請求項18又は19記載の材料において、加熱温度が350~550℃であることを特徴とする熱化学反応用又は塑性加工用材料。
 請求項18~20の何れかに記載の材料において、微細化処理されるアルミニウム含有マグネシウム合金と添加材との混合体中、添加材が1~20vol%となるように用いたことを特徴とする熱化学反応用又は塑性加工用材料。
 請求項18~21の何れかに記載の材料において、微細化処理されるアルミニウム含有マグネシウム合金と添加材との混合体中、Ca/Alのモル比が0.5以上となるように添加材を用いたことを特徴とする熱化学反応用又は塑性加工用材料。
 請求項18~22の何れかに記載の材料において、焼結用である熱化学反応用材料。
 請求項18~22の何れかに記載の材料において、押出し用である塑性加工用材料。
Description:
Al 2 Ca含有マグネシウム基複合材料 関連出願

 本出願は、2008年3月11日付け出願の日本国 特許出願2008-61343号、及び2008年7月18日付け出 の日本国特許出願2008-186964号の優先権を主 しており、ここに折り込まれるものである

 本発明は固相反応により生成された微細なA l 2 Caが分散したマグネシウム基複合材料に関し 特に常温のみならず高温でも高い引張強さ 有するなどの優れた性能を発揮し得るマグ シウム基複合材料に関する。

 マグネシウムは、比重が1.74と非常に軽く 、また、比強度や比剛性がアルミや鋼よりも 優れていることから、自動車、家電製品等の 構造用部品として利用が拡大している。しか しながら、強度特性や耐熱性などにおいて十 分とは言えず、マグネシウム合金をエンジン 部品などの加熱を受ける構造部材に用いよう とする場合には改善が望まれていた。

 例えば、特許文献1には、重量基準で1~8% 希土類元素及び1~6%のカルシウムを含み、素 を構成するマグネシウムの最大結晶粒径が3 0μm以下である高強靭性マグネシウム基合金 記載されている。このマグネシウム基合金 、次のようにして製造される。

(1)重量基準で1~8%の希土類元素及び1~6%のカル ウムを含むマグネシウム基合金インゴット 鋳造法で作製し、これを切削加工などによ 原料粉体を得る。
(2)原料粉体に対して100~300℃で塑性加工を繰 し行う(例えば、金型に粉体を充填した状態 圧縮と押し込みとを交互に繰返し行う)こと により強加工歪を付与して、原料粉体を機械 的に粉砕し、かつ素地を構成するマグネシウ ム結晶粒を微細化する。同時に、鋳造により インゴット中に形成されていた針状の金属間 化合物も微細に粉砕され、マグネシウム結晶 粒内部に分散される。
(3)上記のように塑性加工を施して微細化処理 した後、圧縮成形して粉末固化体を作製する 。
(4)粉末固化体を300~520℃に加熱後、直ちに押 し加工して目的とするマグネシウム基合金 棒状素材を得る。

 しかしながら、このような方法では、目 とする合金組成のインゴットを鋳造し、こ を粉末化して原料粉体とするため、手間や ストがかかる。また、合金組成が均一で良 なインゴットを作製するための鋳造方法が しく、且つ合金組成を均一にできる元素組 範囲が制限されるという問題があった。

 また、特許文献1には、鋳造中にCaがAlとの で熱安定性に優れる金属間化合物であるAl 2 Caを形成し、これが上記のように微細化され 素地中に分散されることでマグネシウム合 の耐熱性が向上することが記載されている 例えば、特許文献1には150℃における引張強 さが記載されている。
 しかしながら、特許文献1において、150℃に おける引張強さは150MPaに満たず、また、より 高温での引張強さも満足できるものではない 。さらに、特許文献1には、希土類元素やカ シウムが上記適性範囲を超えると靭性や引 強さが低下することが記載されており、希 類元素やカルシウムの増量による効果の向 には限界がある。
 このように、鋳造などの溶融法により形成 れた金属間化合物を含むマグネシウム合金 微細化した後に押出しする特許文献1におい ても、十分満足のいくものは得られていない 。

 一方、特許文献2には、SiO 2 を添加材として用い、機械的に固相反応させ て金属間化合物Mg 2 Siを形成し、耐熱性を向上させることが記載 れている。具体的には、マグネシウム合金 ップに添加材としてSiO 2 粉末を混合し、これを固相状態で微細分散化 後、さらに押出し加工することにより、微細 化されたマグネシウム合金の結晶粒界上に金 属間化合物であるMg 2 Siが微細に分散されたマグネシウム基複合材 が得られる。本方法では、溶融法で製造し ものとは異なり、マグネシウム合金の粒界 に分散化合物は存在せず、結晶粒界に存在 ている。
 しかしながら、SiO 2 粉末を用いても、高温強度に関してまだ十分 満足のいくものではなかった。

特開2006-2184号公報

特開2007-51305号公報

 本発明は、前記背景技術の課題に鑑みな れたものであり、その目的は、常温のみな ず高温でも高い引張強さを有するなど優れ 性能を発揮し得るマグネシウム基複合材料 提供することにある。

 上記目的を達成するため、本発明者等が鋭 検討を行った結果、アルミニウムを含有す マグネシウム合金に酸化カルシウムを添加 として混合し、この混合体を固相状態で機 的に微細化処理した後に、所定の温度範囲 加熱すると、固相反応を生じ、その結果、 晶粒が微細化されたマグネシウム合金の組 中に反応生成物であるAl 2 Caの粒子が微細に分散されたマグネシウム基 合材料が得られ、このマグネシウム基複合 料は常温強度のみならず高温強度において 非常に優れることを見出した。さらに所定 温度範囲に加熱中又は加熱後に押出しなど 塑性加工を行うことにより、より品質的に 定して常温強度及び高温強度が得られるこ も見出した。

 特許文献2のように、SiO 2 を添加材として用いる固相反応によりMg 2 Siを形成できるのは、Siに対するMgの還元作用 による。すなわち、酸化物の標準生成自由エ ネルギー△Gと温度との関係を示すエリンガ 線図では、常温~2500℃の広い温度領域におい て、SiO 2 の線図がMgOの線図よりも上側にあり、SiO 2 の標準生成自由エネルギーはMgOの標準生成自 由エネルギーよりも大きい(日本金属学会編 改訂2版金属データブック、p.90、1984年参照) よって、MgによるSiO 2 の還元は発熱反応であり、これは自発的に進 行して金属間化合物であるMg 2 Siが形成される。

 一方、MgOよりも標準生成自由エネルギーの さな酸化物(例えばCaO)を添加材として用い 場合には、Mgによる該酸化物の還元は吸熱反 応であるため、金属間化合物の形成は理論上 は困難である。
 しかしながら、驚くべきことに、本発明者 が検討を行った結果、Al含有マグネシウム 金にCaOを添加材とした場合には、CaOが還元 れて金属間化合物Al 2 Caが形成されることが判明したのである。

 Al 2 Caが熱安定性に優れることは知られているが 前記特許文献2には、酸化カルシウムを添加 材として用い、固相法によりマグネシウム合 金中にAl 2 Caを生成すること、これにより常温のみなら 250℃という高温においても高い強度を有す マグネシウム基複合材料が得られることは 載されていない。これは、本発明者らによ 初めて見出された新規な知見であり、この うな新規な知見に基づいて、本発明を完成 るに至った。

 すなわち、本発明は、アルミニウムを含有 るマグネシウム合金と添加材との固相反応 より得られたマグネシウム基複合材料であ て、
 前記添加材は酸化カルシウムであり、
 前記固相反応により生成したAl 2 Caを含むことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 なお、本発明においては、アルミニウムを 有するマグネシウム合金が、合金化された び/又は混合されたアルミニウムを含有する マグネシウム合金であることができる。

 また、本発明は、前記複合材料において、 グネシウム基複合材料中にAl 2 CaとともにCaOが分散していることを特徴とす Al 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、
 アルミニウムを含有するマグネシウム合金 添加材との混合体を固相状態で機械的に微 化し、
 この微細化混合体又はその圧粉体を融点未 の温度で熱化学反応させることにより得ら たことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。

 また、本発明は、前記複合材料において、 記微細化混合体又はその圧粉体を350~550℃に 加熱して熱化学反応させることによりAl 2 Caを生成したことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、熱化学反応が焼結であること 特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、熱化学反応後及び/又は熱化学 反応中に塑性加工することを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、
 アルミニウムを含有するマグネシウム合金 添加材との混合体を固相状態で機械的に微 化し、
 この微細化混合体又はその圧粉体を融点未 の温度で塑性加工することにより得られた とを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。

 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、塑性加工が押出しであること 特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記複合材料において、 出し温度が350~550℃であることを特徴とする Al 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、固相反応されるアルミニウム 有マグネシウム合金と添加材との混合体中 添加材が1~20vol%となるように用いることを 徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。

 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、固相反応されるアルミニウム 有マグネシウム合金と添加材との混合体中 Ca/Alのモル比が0.5以上となるように添加材 用いることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、Al 2 Ca分散粒子の最大粒径が5μm以下であることを 特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、CaO分散粒子の最大粒径が5μm以 下であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、マグネシウム合金の最大結晶 が20μm以下であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。

 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、Al 12 Mg 17 を含まないことを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の複合 料において、20℃における引張強さが400MPa 上で、且つ250℃における引張強さが100MPa以 であることを特徴とするAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を提供する。

 また、本発明は、アルミニウムを含有する グネシウム合金と添加材との混合体を固相 態で機械的に微細化した微細化混合体又は の圧粉体であって、
 前記添加材は酸化カルシウムであり、
 融点未満での加熱によりAl 2 Caを生成することを特徴とする熱化学反応用 は塑性加工用材料を提供する。

 また、本発明は、前記材料において、加熱 度が350~550℃であることを特徴とする熱化学 反応用又は塑性加工用材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の材料 おいて、微細化処理されるアルミニウム含 マグネシウム合金と添加材との混合体中、 加材が1~20vol%となるように用いたことを特 とする熱化学反応用又は塑性加工用材料を 供する。

 また、本発明は、前記何れかに記載の材料 おいて、微細化処理されるアルミニウム含 マグネシウム合金と添加材との混合体中、C a/Alのモル比が0.5以上となるように添加材を いたことを特徴とする熱化学反応用又は塑 加工用材料を提供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の材料 おいて、焼結用である熱化学反応用材料を 供する。
 また、本発明は、前記何れかに記載の材料 おいて、押出し用である塑性加工用材料を 供する。

 本発明にかかるマグネシウム基複合材料は 結晶粒が微細化されたマグネシウム合金の 織中に、固相反応により生成した微細なAl 2 Ca粒子が分散し、このような分散粒子によっ 、常温のみならず高温でも強度特性が顕著 改善される。そして、Al 2 Ca粒子とともに微細なCaO粒子が分散すること よりさらに強度特性が向上する。また、CaO 子の存在は耐磨耗性にも寄与する。
 本発明にかかるマグネシウム基複合材料は 比較的安価な原料から溶融せずに固相反応 より製造できるので、鋳造などの溶融法で られるマグネシウム基複合材料に比して簡 で経済的であり、また組成の自由度が高い
 また、Al含有マグネシウム合金と添加材と 混合体を微細化処理した微細化混合体又は の圧粉体は、例えば、焼結などの熱化学反 用材料、押出しなどの塑性加工用材料とし 、高強度Al 2 Ca含有マグネシウム基複合材料の製造に利用 きる。

本発明にかかるAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料の製造におい 用いられる微細化装置の一例を示す概略構 図である。 本発明にかかるAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料の製造におけ 微細化工程の一例を示す説明図である。 本発明にかかるAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料の製造におけ 微細化工程の一例を示す説明図である。

本発明にかかるAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料の製造工程の 例を示す説明図である。 10vol%CaO添加AM60B合金から得られた押出 材のSEM写真(5000倍)である。 15vol%CaO添加AM60B合金から得られた押出 材のAESイメージ(10000倍)である。

10vol%CaO添加AM60B合金から得られた(a)圧 体(ビレット、微細化処理回数200回)、及び(b) 押出し材のX線回折図である。 CaO無添加AM60B合金から得られた(a)圧粉 (ビレット、微細化処理回数0回)、及び(b)押 し材のX線回折図である。 AZ61+10vol%CaO添加の混合体から、微細化 理回数(a)400回、(b)200回、(c)28回、又は(d)0回 得られたビレットを、Ar雰囲気中500℃1時間 理した後のX線回折図である。

AZ61+10vol%CaO添加の混合体から得られた レット(微細化処理回数200回)を、Ar雰囲気下 、400℃~625℃で4時間処理した後のX線回折図で ある。 AZ61+CaO添加で得られたビレット(微細化処理回 数200回)を、Ar雰囲気下で4時間処理した後のX 回折図から求めたAl 2 Ca(38.55°)/CaO(53.9°)ピーク強度比と加熱温度と 関係を示す図である。 CaO添加AM60B合金から得られた押出し材の、(a)C aO添加量に対するAl 2 Ca生成量、(b)CaO添加量に対する常温及び250℃ の引張強さ、(c)Al 2 Ca生成量に対する常温及び250℃引張強さの関 をそれぞれ示す図である。

 本発明にかかるマグネシウム基複合材料は 結晶粒が微細なマグネシウム合金の組織中 微細なAl 2 Ca粒子が分散されたマグネシウム基複合材料 あり、これはAl含有マグネシウム合金と、 加材である酸化カルシウムとの固相反応に り得られるものである。
 代表的には、Al含有マグネシウム合金と添 材との混合体を固相状態で機械的に微細化 、その後、融点未満、好ましくは350~550℃の 度で熱化学反応させるという固相反応法に り得ることができる。また、強度などの点 ら、熱化学反応中及び/又は熱化学反応後に 塑性加工を行うことが好ましい。塑性加工と しては、押出し、鍛造、圧延、引抜き、プレ スなど公知の加工の1種以上が挙げられるが 好適な例としては押出しが挙げられる。

<Al含有マグネシウム合金>
 本発明において出発原料として用いるAl含 マグネシウム合金としては、主成分である グネシウムにAlが合金化されたマグネシウム 合金(Mg-Al系合金)を用いることができる。一 によく知られているものとしては、Mg-Al-Mn系 合金(AM系)、Mg-Al-Zn系合金(AZ系)などがある。
 また、Alはマグネシウム合金中に合金化さ ずに単に混合されていてもよい。例えば、Al が合金化されていないマグネシウム合金(純 グネシウムでもよい)及びAlが合金化された グネシウム合金から選ばれる一種以上と、Al との単純混合物を本発明のAl含有マグネシウ 合金として用いることもできる。また、Al 混合して用いる場合、純アルミニウムの他 特に問題のない限り、アルミニウムを主成 とする合金(アルミニウム合金)などをAl源と て用いてもよい。

 Alの含有量は、目的に応じて適宜調節され が、通常、Al含有マグネシウム合金中1~20質 %、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~10 量%である。
 Al含有マグネシウム合金には、Zn、Mn、Zr、Li 、Ag、RE(RE:希土類元素)などMgやAl以外の元素 含まれていてよい。Al含有マグネシウム合金 中におけるMgやAl以外の元素の総和は、通常10 質量%以下であり、典型的には0.1~10質量%、好 しくは0.5~5質量%である。

 Al含有マグネシウム合金の形状、サイズ 特に限定されず、粉末状、粒状、塊状、チ プ状などが挙げられるが、例えば、平均粒 径0.5mm~5mm程度のチップまたは粒状体が簡便 用いられる。

<添加材>
 本発明で用いる添加材としては、酸化カル ウムを用いる。
 添加材の形状、サイズは特に限定されず、 えば、平均粒子径5μm~100μm、さらには10μm~50 μmの粉末が簡便に用いられる。

 添加材量は、本発明の効果が得られる限り おいて制限されるものではない。通常は、 細化処理される混合体全成分中に占める添 材の割合として1vol%以上で効果が発揮され が、好ましくは5vol%以上、さらに好ましくは 7vol%以上である。添加材量が少なすぎるとそ 効果が低くなる。一方、過剰に配合しても 量に見合った効果の増大は期待できず、ま 、その他の特性に悪影響を及ぼすことがあ ので、20vol%以下、さらには15vol%以下とする とが好ましい。
 なお、添加材量は、微細化される混合体を の全成分からなる空隙のない一固体である 見なしたときの混合体中の添加材の割合(vol %)を意味し、Al含有マグネシウム合金及び添 材の真密度とその配合質量とから、下記式 より算出されるものである。

 例えば、AM60B合金(真密度1.79g/cm 3 )90質量部、及びCaO(真密度3.35g/cm 3 )10質量部(Caとして約7.1質量部)の混合体にお て、この混合体中のCaOは約5.6vol%である。
 また、反応性などの点から、Al含有マグネ ウム合金と添加材との混合体中におけるCa/Al のモル比が0.5以上、さらには0.8以上、特に1 上となるように、添加材を用いることが好 しい。

 なお、本発明においては、本発明の効果 損なわない限り、必要に応じて、その他の 合物を補助的に添加することもできる。こ ような補助的添加材として、例えば希土類 属、Sr又はBaの酸化物、炭化物、珪化物及び 炭酸塩、ならびにCaの炭化物、珪化物及び炭 塩から選択される1種以上が挙げられる。希 土類金属としては、例えばSc、Y、La、Ce、Pr、 Nd、Sm、Gd、Tb、Yb、Lu、あるいはこれら元素を 含むミッシュメタルが挙げられる。

 本発明の添加材に上記のような補助的添加 を併用し、補助的添加材の少なくとも一部 Alを含有するマグネシウム合金の金属成分 固相反応させ、熱安定性に優れる金属間化 物(例えば、La-Mg化合物、Al-Y化合物など)を生 成させれば、Alを含有するマグネシウム基複 材料の強度特性や耐熱性をさらに改善する とが可能である。金属間化合物の生成は、 えば、X線回折図において、出発原料である Al含有マグネシウム合金、添加材、及び補助 添加材の何れとも異なる、Al 2 Ca以外のピークの出現によって確認すること でき、金属間化合物のピークパターンが既 であれば、それと照合することにより同定 きる。
 このような補助的添加材の種類と添加量と ては、微細化処理される混合体に必要とさ る材料特性に応じて設定すればよいが、過 に配合しても増量に見合った効果の増大は 待できず、また、その他の特性に悪影響を ぼすことがあるので、20vol%以下、さらには1 5vol%以下とすることが好ましい。
 その他にも、マグネシウム合金に対する公 の強化材を添加することもできる。

<製造方法>
 本発明にかかるマグネシウム基複合材料の 適な製造方法について、以下に代表例を挙 てさらに説明するが、本発明はこれらに限 されるものではない。
 本発明にかかるマグネシウム基複合材料は 図4の概略図に示されるように、
(a)微細化工程と、
(b)熱化学反応工程と、
(c)塑性加工工程と、
を備えた製造方法で製造することが好適であ る。

(a)微細化工程:
 Al含有マグネシウム合金と添加材との混合 の微細化工程では、混合体が機械的に粉砕 れるとともに、Mg合金結晶粒が微細化される 。このような微細化方法としては、混合体成 分に強歪み加工を与えてMg合金結晶粒ならび 添加材粒子を微細化できる方法であれば特 制限されず、公知の方法を採用することが きるが、後のAl 2 Caの形成を促進し、結晶粒の粗大化を抑制し 室温~高温の広い範囲において高強度とする ためには、Mg合金結晶粒及び添加材が十分且 均一に微細化されることが望ましい。
 好適な微細化方法としては、押し固め及び し崩しによる方法、特に剪断力及び/又は摩 擦力を伴う押し固め及び押し崩しによる方法 が採用できる。
 また、微細化工程においては、取り扱い性 反応性の点などから、最後に圧縮成形を行 て圧粉体とすることが好ましい。

 例えば、Al含有マグネシウム合金チップま は粒状体と添加材粉末との混合体を、互い 交差して連なる複数の直線状の成形穴を有 る型内に収容した状態で、上記成形穴内に 入された押圧部材の前進、後退に伴い、上 混合原料を一の成形穴で押し固め、更にこ 押し固めた混合原料を押し崩しながら他の 形穴へと送り込み、この押し固め、押し崩 を繰り返して微細化し、最後に押し固める とにより、圧粉体を作製する、という方法 好適である。
 このような微細化工程は、特に加熱せずに 境温度下でも十分可能である。

 以下、好適な実施形態についてさらに説明 る。
 本実施形態にかかる微細化工程では、図1に 示したような装置を用いてAl含有マグネシウ 合金チップと添加材粉末との混合体を微細 し、最後に圧縮成形して圧粉体を得ること 好適である。図1の装置によれば、混合体が 交差部を通過する際にほぼ全面領域で大きな 剪断力、摩擦力を受けるので、Mg合金結晶粒 び添加材の微細化・分散化が均一に効率よ 行われる。

 図1に示した装置10は、直方体形状の型12 備えており、型12には直線状の4つの成形穴14 a,14b,14c,14dが形成されている。各成形穴14a~14d 同一の断面形状(好ましくは同一径の断面円 形)をなしており、型12の中心の交差部15にて 射状に連結されている。また、各成形穴14a~ 14dは、この順序で周方向に90°の角度間隔を して同一平面上(垂直面または水平面上)に配 置されている。

 成形穴14a~14dには、それぞれ各成形穴14a~14 dとほぼ等しい断面形状の押圧部材16a~16d(第1~ 4の押圧部材)がスライド可能に挿入されて り、各成形穴に沿って前進、後退するよう なっている。これらの押圧部材16a~16dの前進 後退は駆動手段18a~18dによって行われる。駆 動手段は油圧シリンダ等で構成される。また 、制御手段20では各該駆動手段18a~18dの圧力情 報、位置センサからの情報等を基に、各駆動 手段の制御を行う。

 まず、図2(a)に示すように、押圧部材16aを 抜いた状態で混合体を成形穴14aに装填する。 この際、押圧部材16b、16c、16dの前進方向側( の内部へ向う方向)側の端部は、交差部15に 接する成形穴14b、14c、14dの奥端と一致する 置にある(以下、この位置を前進位置と呼ぶ) 。各押圧部材16b、16c、16dは、駆動手段18b、18c 、18dによって後退(型の外部へ向う方向)不能 状態で拘束され、実質的に固定された状態 ある。そして、押圧部材16aを成形穴14aに挿 した後、以下のシーケンス制御を開始する

 最初に押圧部材16aについて押し固め工程 実行する。押圧部材16aを駆動手段18aにより 形穴14a内部へ押し込む。すると他の押圧部 16b~16dは固定されているので混合体は成形穴 14b~14dに向わずに成形穴14aにおいて押し固め れ、円柱形状の塊になる。この塊は所定の 度を持っているが、比較的脆いものである この押し固め状態は所定の加圧状態で短時 、例えば2秒程度維持される。

 次に押圧部材16aについて押し崩し工程を 行する。駆動手段18aにより押圧部材16aを更 高い圧力で押し込むと同時に、駆動手段18b より押圧部材16bを後退可能にする。すると 図2(b)、(c)に示すように押圧部材16aは前進位 置まで押し込まれ、混合体は成形穴14aから交 差部15を経て成形穴14bへと流動し、この過程 押し崩される。また、押圧部材16bは流れ込 だ混合体に押されて後退する。そして、押 部材16aの前端が成形穴14a奥端に達したとき 押し崩し工程が完了する。

 次に押圧部材16bについて上記同様の押し固 工程を実行する。つまり、図2(d)に示すよう に、押圧部材16a、16c、16dを前進位置で固定し 、押圧部材16bを駆動手段18bにより内部へ押し 込むことで、混合体を押し固める。
 次に押圧部材16bについて上記同様の押し崩 工程を実行する。つまり、押圧部材16cを後 可能な状態(フリーな状態)にし、押圧部材16 bを押し込む。すると、図2(e)、(f)に示すよう 押圧部材16bは前進位置まで押し込まれ、混 体は成形穴14bから交差部15を経て成形穴14c と流動し、この過程で押し崩される。また 押圧部材16cは流れ込んだ混合体に押されて 退する。

 同様に押圧部材16cについて押し固め工程を 行する。つまり、図2(g)に示すように押圧部 材16a、16b、16dを前進位置で固定し、押圧部材 16cを駆動手段18cにより型12内部へ押し込むこ で、混合体を押し固める。
 次に押圧部材16cについて上記同様の押し崩 工程を実行する。つまり、押圧部材16dを後 可能な状態(自由な状態)にし、押圧部材16c 押し込む。すると、図2(h)、(i)に示すように 圧部材16cは前進位置まで押し込まれ、混合 は成形穴14cから交差部15を経て成形穴14dへ 流動し、この過程で押し崩される。また、 圧部材16dは流れ込んだ混合体に押されて後 する。

 同様に押圧部材16dについて押し固め工程を 行する。つまり、図2(j)に示すように押圧部 材16a、16b、16cを前進位置で固定し、押圧部材 16dを駆動手段18dにより型12内部へ押し込むこ で、混合体を押し固める。
 次に押圧部材16dについて上記同様の押し崩 工程を実行する。つまり、押圧部材16aを後 可能な状態(自由な状態)にし、押圧部材16d 押し込む。すると、図2(k)、(l)に示すように 圧部材16dは前進位置まで押し込まれ、混合 は成形穴14dから交差部15を経て成形穴14aへ 流動し、この過程で押し崩される。また、 圧部材16aは流れ込んだ混合体に押されて後 する。

 図2(a)~(l)に示された工程を任意回数繰り返 行って、均一且つ十分に微細化・分散化し 後、最後に押し固め工程を行うことで圧粉 を得る。
 圧粉体形成のために加える圧力は、特に制 されるものではないが、例えば、250kg/cm 2 ~400kg/cm 2 とすることができる。
 このように、出発原料である混合体は、押 固め工程により一旦押し固められた後で、 し崩し工程で交差部を通過する際にほぼ全 面領域で大きなせん断力、摩擦力を受けて し崩されるため、Mg合金結晶粒及び添加材 微細化・分散化が均一に効率よく行われる

 また、より均一な微細化、分散化を行うた に、上記押し固め及び押し崩し工程の間に 3に示すような攪拌工程を行うことが好適で ある。
 まず、図3(a)に示すように、押圧部材16cを前 進位置で固定状態にし、押圧部材16b、dは後 可能なフリーの状態にする。この状態で押 部材16aを押し込むと、図3(b)、(c)に示すよう 、混合体は成形穴14aから交差部15を経て成 穴14b、14dへ流れ込む。すると、押圧部材16b 16dは混合体に押されて後退する。

 押圧部材16aを前進位置にまで押し込んだ後 図3(d)に示すように押圧部材16aを固定状態、 押圧部材16cをフリーな状態にし、押圧部材16b と16dを押し込む。すると、図3(e)、(f)に示す うに成形穴14b、14dに存在した混合体は、成 穴14cに流れ込む。ここで、押圧部材14cは混 体に押されて後退する。
 押圧部材14b、14dを図3(f)に示すようにその前 進位置にまで押し込んだのち、図3(g)に示す うに押圧部材16b、16dを固定状態、押圧部材16 aをフリーの状態にする。そして、図3(h)、(i) 示すように押圧部材16cをその前進位置にま 押し込むと、混合体は成形穴14cから交差部1 5を経て成形穴14aに至り、押圧部材14aは混合 に押されて後退する。

 このような攪拌工程を上記押し固め及び押 崩し工程の間に設けることで、より効率よ 微細化、分散化することができる。
 上記実施形態では、型に成形穴を4つ設けた 構成の装置における例を示したが、これに限 定されず、成形穴を複数、例えば2~6つ設けた 構成の装置を用いてもよい。また、型を固定 して押圧部材毎に駆動手段を設ける装置構成 の場合を説明したが、駆動手段を一つにして 型を回転させる構成の装置を用いてもよい。

 このような微細化工程の例として、例え 特開2005-248325号公報や前記特許文献2などを 照することができる。

(b)熱化学反応工程:
 Al含有マグネシウム合金と添加材とを上記 ように微細化処理した後に、融点未満の適 な温度で加熱することで熱化学反応を生じ せて、Al 2 Caを生成することができる。このような熱化 反応を生じる加熱温度としては、原料の種 などにもよるが、通常350℃~550℃、好ましく は400~500℃であった。
 従って、微細化混合体又はその圧粉体を、 記温度範囲に加熱して熱化学反応させるこ によりAl 2 Caを生成することが好適である。

 以上のように微細化工程及び熱化学反応工 を経て得られたマグネシウム基複合材料で 、結晶粒が微細化されたマグネシウム合金 組織中に、Al 2 Caの微粒子が分散されている。後述の実施例 も示すように、Al 2 Caは微細化工程ではなく、その後の熱化学反 工程で生成される。しかし、微細化工程を わなかった場合には、熱化学反応工程を行 てもAl 2 Caを形成することはできない。
 よって、微細化工程と熱化学反応工程との 合作用によって固相反応を生じ、理論的に 困難なAl 2 Ca形成が進行するものと考えられる。

(c)塑性加工工程:
 次に、上記で得られたマグネシウム基複合 料をより高強度にするため、公知の装置を いて塑性加工を行う。前述した熱化学反応 程における加熱によってAl 2 Ca粒子が生成され、さらに塑性加工を行うこ で粒子同士が強固に密着・接合固化し、微 なマグネシウム合金組織中に微細なAl 2 Ca粒子が分散した高強度のマグネシウム基複 材料が得られる。
 また、塑性加工工程においては、温度を加 ながら塑性加工を行うことで、上記した熱 学反応工程と塑性加工工程を同時に行うこ ができる。

 塑性加工としては、例えば、押出し加工が 適である。この場合、押出し条件は、粒子 士の密着・接合固化が充分行われるように 適宜設定可能である。
 例えば、押出し比は、通常2以上、さらには 5以上、好ましくは10以上である。
 また、上記したように、塑性加工としての 出し加工と熱化学反応工程とを同時に行う 合には、押出し温度は、融点未満で設定可 であるが、Al 2 Ca生成の点、さらには押出し性などの点から 350~550℃、さらには400~500℃の範囲とするこ が好ましい。

 また、微細化混合体又はその圧粉体は、Al 2 Caが生成可能な温度で押出しなどの塑性加工 ることにより、結晶粒が微細化されたマグ シウム合金中に微細なAl 2 Ca粒子が分散した高強度マグネシウム基複合 料とすることができるので、塑性加工用材 として好適に利用可能である。
 また、微細化混合体又はその圧粉体をAl 2 Caが生成可能な温度で加熱して少なくとも一 の添加材を固相で熱化学反応させてAl 2 Caを生成させた後、塑性加工することもでき 。

 また、微細化混合体又はその圧粉体は、固 で熱化学反応させてAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料を製造するた の熱化学反応用材料として利用することも きる。例えば、複雑な形状の最終製品を直 製造する場合や、微細化混合体の圧粉体が 出し性などの塑性加工性、あるいは二次加 性が不十分であるような場合、焼結は有効 手段の一つであるが、本発明の微細化混合 又はその圧粉体は、焼結用材料としても利 可能である。焼結法としては、例えば、雰 気焼結法、ホットプレス、HIP(熱間等方加圧 式焼結法)、PCS(パルス通電焼結法)、SPS(放電 ラズマ焼結法)などが挙げられる。焼結は、 圧下又は非加圧下で行うことができる。
 焼結用材料として圧粉体を使用するか粉末 粉末冶金用に用いるかは用途に応じて設計 きる。焼結用粉体は微細化混合体又はその 粉体をボールミルなど公知の粉砕器、方法 より100μm以下に粉砕し、更に必要であれば 分けして利用することができる。

<Al 2 Ca含有マグネシウム基複合材料>
 本発明のAl 2 Ca含有マグネシウム基複合材料において、常 強度の点からは、マグネシウム合金の結晶 は微細化されていることが好ましい。具体 には、例えば、金属組織の顕微鏡写真から めたマグネシウム合金の最大結晶粒径が20μ m以下、さらには10μm以下であることが好適で ある。

 マグネシウム合金の結晶粒が微細化してい と高温では粒界すべりを生じやすくなり強 が低下するが、本発明においては、微細なA l 2 Ca粒子が結晶粒界に分散しているので、高温 おいても高い強度を発揮することができる
 マグネシウム基複合材料中において、金属 織の顕微鏡写真から求めたAl 2 Ca粒子の最大粒径は通常5μm以下、典型的には 2μm以下、さらには1μm以下である。

 本発明のマグネシウム基複合材料では、強 などの点から、未反応のCaOの微粒子も分散 ていることが好ましい。また、この場合に 、CaO微粒子により磨耗性を向上することが きる。
 一般的に、金属酸化物は当該金属に比して 熱性が高い。よって、CaOの微粒子がマグネ ウム基複合材料中に分散することにより、 界すべりに対する抵抗となって強度が向上 るとともに、耐熱性、例えば高温における 張強さが向上する。また、ヤング率や0.2%耐 力、硬度の向上にも寄与する。一方、平均線 膨張係数に対しては低下効果がある。
 また、酸化物粒子が存在することにより、 熱によるマグネシウム合金結晶粒の粗大化 よる機械的性質の低下も抑制される。
 マグネシウム基複合材料中において、金属 織の顕微鏡写真から求めたCaO粒子の最大粒 は通常5μm以下、典型的には2μm以下、さら は1μm以下である。

 本発明においては、例えば、比重が1.9~2.0で 、しかも引張強さが20℃で400MPa以上、150℃で2 80Mpa以上、250℃で100MPa以上という高強度マグ シウム基複合材料を得ることができる。
 また、従来のマグネシウム合金では、20℃ のヤング率が通常約45GPaであるのに対し、本 発明によれば、48GPa以上、さらには50GPa以上 特に55GPa以上の性能を得ることができる。
 また、20℃での0.2%耐力では、350MPa以上、さ には400MPa以上の性能を得ることができる。
 また、20℃におけるビッカーズ硬さも85以上 とすることができ、さらには100以上、特に120 以上とすることもできる。
 一方、20℃~200℃の線膨張係数は約2×10 -5 /K~2.6×10 -5 /Kと、従来のマグネシウム合金に比して低下 せることができる。

 本発明のマグネシウム基複合材料は、市 されているMg-Al系合金とCaOとを用いて鋳造 どの溶融法ではなく固相法で製造でき、目 とする合金組成のインゴット化やその粉末 が不要で、添加材量の制限が少ない。また CaOは安価且つ軽量であることから、これを 用できることは、コストや軽量性など、工 的メリットが非常に大きい。

 本発明のマグネシウム基複合材料は強度特 、特に高温強度に優れているので、これら 特性が要求される各種用途に好適に利用で る。例えば、これに限定されるものではな が、自動車のエンジン周り部品(ピストン、 バルブリテーナー、バルブリフターなど)な に適用できる。
 本発明のマグネシウム基複合材料は、耐熱 が高いので、目的とする部品形状にさらに 性加工された場合などにおいても、その特 を十分発揮できる。

 以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳 に説明するが、本発明はこれらに限定され ものではない。また、本発明で用いた試験 法及び材料と試薬は次の通りである。

(0.2%耐力、引張強さ)
 JIS Z 2201「金属材料引張試験片」に基づき 験片として、平行部直径5mm、標点間距離25mm の形状(JIS 14A号試験片形状に準拠)に切り出 たものを用いた。JIS Z 2241「金属材料引張 験方法」に基づき室温(約20℃)ならびに250℃ 引張試験を行った。引張試験機は加熱炉付 オートグラフ万能試験機((株)島津製作所製 引張最大荷重100kN)を用い、試験機ストロー 速度8.4mm/min(変位制御)で行った。なお、250 での引張試験は、試験片をオートグラフ万 試験機にチャッキングしてから加熱炉で試 片を包み込み、試験片平行部近傍に、耐熱 ープで熱電対を貼り、試験片が250℃になっ 後行った。
 なお、0.2%耐力は上記引張試験方法に規定す るオフセット法によって測定した。

(X線回折図)
 X線回析図は、RAD-3Bシステム(理学電機(株)) 角度 30°~80°、サンプリング幅 0.020°、スキ ャン速度1°/min、線源CuKα、電圧40KV、電流値30 mA で採取した。

(SEM写真)
 SEM写真は、走査型電子顕微鏡 ABT-60(株式会 トプコン製)により観察、撮影した。
(AESイメージ)
 AESイメージは、走査型オージェ分光分析装 PHI700(アルバック・ファイ 株式会社製)によ り観察、撮影した。

(硬さ)
 マイクロビッカース硬さ試験機((株)島津製 所製、HMV-2000)を用いて、圧入荷重100gにて6 間圧入し、圧痕の大きさを測定し、室温(約2 0℃)で硬さを測定した。

(線膨張係数)
 圧縮加重法による。試験片形状φ5×15mmに切 出したものを用い、熱機械分析装置((株)リ ク製 TMA8310)により、昇温速度5℃/min、室温( 約20℃)~355℃の温度範囲で圧縮荷重98mNをかけ 、温度変化による伸びを測定し、25℃での 膨張係数を計算した。
(ヤング率)
 JIS Z2280「金属材料の高温ヤング率試験方法 」に準じて、超音波パルス法により20℃のヤ グ率を測定した。試験機は、バースト波音 測定装置(RITEC社製、RAM-5000型)を用いた。

(材料及び試薬)
 Al含有マグネシウム合金チップはいずれの 類も、日鉱商事株式会社製 粒度<2.5mm、ア ルミ粉末は、純度99.5% 粒度<0.15mm 株式会 高純度化学研究所製を使用した。
 添加材の酸化カルシウムは、和光純薬株式 社製、型番:036-19655、CaO純度98%、酸化ランタ ンは、高純度化学研究所製 コード番号LAO02PB 、純度99.99%を使用した。

製造例1 マグネシウム基複合材料 の製造
 Al含有マグネシウム合金チップと添加材粉 とを混合し、混合体を得た。該混合体を上 図1に示した装置によって微細化処理し圧粉 (ビレット)とした。微細化処理回数は、図2( a)~(l)で示した微細化工程および図3(a)~(i)の攪 工程を合わせたものを4回と数えた。
 得られた圧粉体を400~470℃で予備加熱し、コ ンテナ及びダイス加熱温度400~470℃、押出し 7mm、押出し比28で押出し成形し、マグネシウ ム基複合材料からなる押出し材(丸棒)を得た
 上記製造例1に準じて各種マグネシウム基複 合材料を製造し、試験を行った。

試験例1 添加材の効果
 製造例1において、Al含有マグネシウム合金 して、ASTM規格のAM60Bを使用し、マグネシウ 基複合材料の押出し材(丸棒)を製造した。

 

 表1からわかるように、CaOを添加材として 用いることによって、引張強さが改善され、 添加材量の増大に伴って引張強さが向上した 。特に、高温(250℃)での引張強さは顕著に向 し、添加材10vol%で無添加の場合の3倍以上に も達した。

 表2は、Al含有マグネシウム合金としてASTM規 格のAZ31B又はAZ61Bを用いて得られた押出し材 結果である。表2からわかるように、種々のA l含有マグネシウム合金に対して添加材の効 が認められた。
 また、出発原料であるAl含有マグネシウム 金として、AZ31B:Al=97:3(質量比)となるようAZ31B 合金チップとAl粉末とを混合したものを用い 場合(試験例2-7)には、AZ61Bを用いた場合(試 例2-6)と、ほぼ同等の結果が得られた。なお 試験例2-6の押出し材では、X線回折図におい てAl粉末のピークは消失していた。
 補助的添加剤La 2 O 3 を加えた試験例2-8と試験例2-5~2-7を比較する 250℃引張強さが添加剤CaOより向上しており 特有の効果があることがわかる。

 また、下記表3のように、その他の機械的 特性においても添加材を用いることによる改 良が可能であった。

 以上のことから、添加材量としては、混合 中1vol%程度から添加効果が認められるが、 度の点から、5vol%以上、さらには7vol%以上と ることが好ましい。
 一方、添加材を過剰に添加しても添加量に 合った効果が得られないことがある。また 添加材量が多いほどマグネシウム基複合材 の比重も高くなるので、マグネシウム合金 軽量性という観点からも過剰な添加は望ま くない。従って、添加材量は混合体中20vol% 下、さらには15vol%以下とすることが好まし 。

 また、添加材を用いて得られた押出し材で 、何れもAl 2 Caの生成が確認され、電子顕微鏡観察におい 微細化されたMg合金の結晶粒界に分散微粒 の存在が認められた。
 代表例として、図5に試験例1-4で得られた押 出し材の金属組織のSEM写真を示す。図5から Mg合金の結晶粒は5μm以下に微細化されてお 、その粒界には2μm以下の微粒子が分散して ることがわかる。
 さらに、オージェ電子分光分析法(AES:Auger E lectron Spectroscopy)で調べた結果、Al 2 Ca粒子、ならびにCaO粒子が分散していること 確認された。代表例として、図6に試験例1-5 で得られた押出し材のAES分析結果(10000倍)を す。

試験例2 Al 2 Caの生成
 図7はCaOを添加材として用いた試験例1-4にお ける(a)圧粉体(ビレット)、及び(b)押出し材(丸 棒)のX線回折結果である。図7では、CaOのピー クはビレット、押出し材の何れにおいても認 められたものの、Al 2 Caのピークはビレットでは確認されず、押出 材でのみ確認された。

 図8は、試験例1-4において微細化処理回数を 0回(単純圧縮のみ)とした場合のX線回折結果 ある。図8では、(a)ビレット、(b)押出し材の れにおいてもCaOのピークは認められたもの 、Al 2 Caのピークは全く確認されなかった。
 また、図7~8の何れにおいても(a)ビレットの 態ではMgOのピークが認められず、(b)押出し でのみMgOのピークが認められた。

 このようなことから、Al 2 Caの生成が引張強さ、特に高温での引張強さ 寄与しており、Al 2 Ca生成のためには、微細化処理によりAl含有 グネシウム合金と添加材とを十分に微細化 て活性化しておくことが重要であり、この うな混合体が塑性加工で熱化学的に反応し Al 2 Caが生成するのではないかと推察された。

 また、図7~8のように、(a)ビレットではβ相(A l 12 Mg 17 )のピークが認められたが、(b)押出し材では のピークは消失した。β相は高温強度特性の 向上を阻害することが報告されており(特開20 07-197796号公報)、このようなβ相の消失も本発 明のマグネシウム基複合材料の高温強度特性 に寄与していることが考えられる。

 Al 2 Caの生成についてさらに検討するために、微 化処理を行って得られたCaO含有ビレット及 微細化処理せずに単純圧縮のみで得られたC aO含有ビレットに、Ar雰囲気下で加熱処理の を行って、Al 2 Ca生成を調べた。加熱処理は、ビレットを、 ッフル炉中、Ar雰囲気下で所定温度となる で昇温した後、所定時間保持することによ 行った。
 代表例として、AZ61+10vol%CaO添加の混合体か 、微細化処理回数が(a)400回、(b)200回、(c)28回 、又は(d)0回で得られたビレットを、Ar雰囲気 下、500℃で1時間保持することにより加熱処 した後のX線回折結果を図9に示す。

 図9からわかるように、微細化処理を行わず に単純圧縮のみを行って得られたCaO含有ビレ ットでは、加熱処理してもAl 2 Caの生成は認められなかったが、微細化処理 て得られたCaO含有ビレットでは、加熱処理 みでもAl 2 Caの生成が認められた。
 よって、固相反応でのAl 2 Ca生成には、Al含有マグネシウム合金と添加 とを微細化処理し、これを融点未満で加熱 ること(即ち、熱化学反応させること)が必要 であると考えられる。

 本発明者らの検討によれば、加熱温度は、 料の種類などにもよるが、350℃以上、さら は400℃以上が好適である。加熱温度が低す ると現実的な加熱時間内にAl 2 Caが十分生成されないことがある。
 代表例として、図10に、AZ61+10vol%CaO添加で得 られたビレット(微細化処理回数200回)を、Ar 囲気下、400℃~625℃で4時間保持することによ り熱化学反応処理した後のX線回折図を示す 図10から、400℃でAl 2 Caの生成がわずかに認められ、温度の上昇と もにAl 2 Caピークが大きくなる傾向があることがわか 。

 一方、加熱温度が高すぎてもAl 2 Caピークがかえって小さくなってしまうこと ある。図10においても、550℃でのAl 2 Caのピークはわずかであった。その理由は明 かではないが、他の反応が生じている可能 が考えられる。また、過剰な加熱はMg合金 晶粒の粗大化による常温強度の低下を引き こしやすい。従って、原料の種類などにも るが、加熱温度は550℃以下、さらには500℃ 下が好適である。

 図11は、AZ61+CaO添加で得られたビレット(微 化処理回数200回)を、Ar雰囲気下、420~500℃で4 時間保持することにより熱化学反応処理した 後のX線回折図から求めたAl 2 Ca(38.55°)/CaO(53.9°)ピーク強度比と加熱温度と 関係を示している。Al 2 Ca/CaOピーク比は、CaOからAl 2 Caへの変換率として評価できる。
 図11からわかるように、全体的には加熱温 が高くなるとCaOからAl 2 Caへの変換率も高くなる傾向が認められる。

 また、CaO添加量が2.5vol%と少ない場合にはAl 2 Caへの変換率は高温でも極わずかであった。A Z61中のAlを全てAl 2 Caに変換するために必要な理論的Ca量は、CaO に換算すると約3.1vol%であることから、これ 、CaO量が少ないためと考えられる。また、C aO量が多い方が低温でもAl 2 Caが生成しやすくなる傾向が認められる。
 よって、Al 2 Caへの変換(反応性)の点から、Alに対してCa換 で0.5倍モル当量以上のCaOを用いることが好 しく、さらには0.8倍モル当量以上、特に1倍 モル当量以上が好ましい。

試験例3 分散粒子と引張強さ
 図12は、AM60B+CaOを出発原料として得られた 出し材であり、
(a)はCaO添加量に対するAl 2 Ca生成量、
(b)はCaO添加量に対する常温及び250℃での引張 強さ、
(c)はAl 2 Ca生成量に対する常温及び250℃引張強さ
の関係をそれぞれ示している。
 なお、Al 2 Ca生成量としては、XRDにおけるAl 2 Ca(31.3°)/Mg(36.6°)のピーク強度比を用いた。
 図12(a)~(c)から、添加材量の増大に伴って押 し材中のAl 2 Caの生成量が増大し、それに伴って常温なら に250℃引張強さが向上する傾向があること わかる。

 また、下記表5は、AZ91+CaOを出発原料として られた押出し材である。試験例3-2と試験例3 -3は何れもAl 2 Ca生成量[Al 2 Ca(31.3°)/Mg(36.6°)ピーク強度比]はほぼ同等で るが、試験例3-3のCaO残存量[CaO(37.3°)/Mg(36.6°) ピーク強度比]は試験例3-2に比して約2倍であ 。そして、試験例3-3では、引張強さが試験 3-2に比して高くなっていることから、CaO粒 の存在も引張強さに寄与するものと考えら る。

試験例4 圧粉体の焼結
 微細化処理(処理回数200回)して得られた圧 体(ビレット)を、焼結温度480~550℃でSPS(放電 ラズマ焼結)処理し、得られたSPS材について X線回折を行った。SPS条件は次の通り。

(SPS条件)
装置:住友石炭鉱業株式会社製DR.SINTER SPS-1030S
(1)圧粉体ビレット(直径35mm×80mm)をカーボン製 コンテナ(内径36mm×高さ100mm)に詰め、上下よ 蓋をする。
(2)SPS装置にコンテナを配置し、真空に引いた 後、10MPaに加圧保持しながら、所定温度に達 るまで加熱する。
(3)30MPaで加圧保持しながら、1時間加熱保持す る。
(4)炉冷してコンテナが150℃以下になったら真 空を破り、コンテナをSPS装置から取出して空 冷後、コンテナからSPS材を取り出す。

 表6に、AZ61B+CaOを出発原料として得られたSPS 材のX線回折結果を示す。SPS処理前の圧粉体 はAl 2 Caの生成は認められなかったのに対し、表6の ように、圧粉体を焼結することによりAl 2 Caが生成した。また、SPS材のSEM観察ではAl 2 Caの微細な分散粒子が確認され、試験例4-2で CaOの微細分散粒子も確認された。
 また、SPS材をさらに押出し成形して得られ 押出し材(押出し温度450℃、押出し径7mm、押 出し比28)について引張強さを測定したところ 、20℃、250℃の何れにおいても高い引張強さ 得られた。

 以上のように、本発明のマグネシウム基複 材料においては、結晶粒が微細化されたAl 有マグネシウム合金に、固相反応で生じたAl 2 Ca、さらには添加材であるCaOが非常に微細に 散され、これらの分散粒子により強度特性 耐熱性などが顕著に改善される。このよう マグネシウム基複合材料は、典型的には、A l含有マグネシウム合金と酸化カルシウムと 混合体を固相状態において微細化し、この 細化された混合体を融点未満の温度で熱化 反応すること、更に望ましくは熱化学反応 又は熱化学反応後に塑性加工させることに り得ることができる。また、本発明によれ β相を含まないマグネシウム基複合材料を得 ることができる。