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Title:
ALLOY MATERIAL HAVING HIGH-TEMPERATURE CORROSION RESISTANCE, HEAT-SHIELDING COATING MATERIAL, TURBINE MEMBER, AND GAS TURBINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119345
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: an alloy material having high-temperature corrosion resistance, which has excellent oxidation resistance and ductibility and is applicable to a gas turbine that is used at an ultra-high temperature; and a heat-shielding coating material, a turbine member and a gas turbine, each of which comprises the alloy material. Specifically disclosed is an alloy material having high-temperature corrosion resistance, which comprises the following components (by weight): Co: 15-30%, Cr: 10-30%, Al: 4-15%, Y: 0.1-3%, and Re: 0.1-1%, with the remainder being substantially Ni. Also specifically disclosed is an alloy material having high-temperature corrosion resistance, which comprises the following components (by weight): Ni: 20-40%, Cr: 10-30%, Al: 4-15%, Y: 0.1-3%, and Re: 0.1-5%, with the remainder being substantially Co.

Inventors:
TORIGOE TAIJI (JP)
OGUMA HIDETAKA (JP)
OKADA IKUO (JP)
YUNOMURA TOMOAKI (JP)
KASUMI SOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054894
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
TORIGOE TAIJI (JP)
OGUMA HIDETAKA (JP)
OKADA IKUO (JP)
YUNOMURA TOMOAKI (JP)
KASUMI SOJI (JP)
International Classes:
C22C19/05; C22C19/07; C23C4/08; C23C28/00; F01D5/28; F01D25/00; F02C7/00
Domestic Patent References:
WO2007037277A12007-04-05
Foreign References:
JP2003183754A2003-07-03
JPH06322506A1994-11-22
JP2003183752A2003-07-03
JP2003183754A2003-07-03
Other References:
See also references of EP 2256221A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (JP)
Takaharu Fujita (JP)
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Claims:
 重量比でCo:15~30%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1~1%を含有し、残部が実質的にNiからなることを特徴とする耐高温腐食合金材。
 重量比でRu:0.1~1%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐高温腐食合金材。
 前記Reの含有量と前記Ruの含有量との合計が、重量比で0.2~1%とされたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐高温腐食合金材。
 重量比でNi:20~40%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1~5%を含有し、残部が実質的にCoからなることを特徴とする耐高温腐食合金材。
 重量比でRu:0.1~5%を含有することを特徴とする請求項4に記載の耐高温腐食合金材。
 前記Reの含有量と前記Ruの含有量との合計が、重量比で1~5%とされたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の耐高温腐食合金材。
 耐熱合金基材上に、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の耐高温腐食合金材を用いて形成された金属結合層と、該金属結合層上に積層されたセラミックス層とが形成されたことを特徴とする遮熱コーティング材。
 前記金属結合層が、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の耐高温腐食合金材の粉末を溶射することにより形成されたことを特徴とする請求項7に記載の遮熱コーティング材。
 請求項7または請求項8に記載の遮熱コーティング材を備えることを特徴とするタービン部材。
 請求項9に記載のタービン部材を備えることを特徴とするガスタービン。
Description:
耐高温腐食合金材、遮熱コーテ ング材、タービン部材、及びガスタービン

 本発明は、耐高温腐食合金材、これを備 た遮熱コーティング材、タービン部材、及 ガスタービンに関し、特に優れた耐酸化性 延性とを備えた耐高温腐食合金材に関する

 現在、産業用ガスタービンにおいて、遮 コーティング材(Thermal Barrier Coating)は、動 や静翼などのタービン部材の形状や冷却構 を変えずに耐熱合金基材の温度を低減でき ことから、必須の技術となっている。

 一般に、遮熱コーティング材は、耐熱合 基材上に、耐酸化性に優れたMCrAlY合金(Mは Ni、Co、Fe、またはこれらの合金を表す)から る金属結合層と、主としてジルコニア系セ ミックスからなる低熱伝導性のセラミック 層とを順次積層させた2層構造となっている 。

 遮熱コーティング材の問題の1つとして、 例えば1500℃を超える高温でガスタービンを 時間使用することによって、金属結合層上 酸化スケール(Thermally Grown Oxide)が発生する とが挙げられる。酸化スケールが成長する 、セラミックス層内に応力が生じて亀裂が 生し、セラミックス層の剥離に繋がる恐れ ある。従って、金属結合層の耐酸化性を向 させて酸化スケールの成長速度を抑制する 要がある。

 また、タービンの発停に伴う温度変化に り、タービン部材に熱応力が発生する。そ ため、タービンの運転中に金属結合層に割 が発生する恐れがある。従って、金属結合 の延性を向上させることも必要である。

 CoNiCrAlY(Co-32Ni-21Cr-8Al-0.5Y)合金が金属結合層 料として多用されるが、1500℃級のガスター ンでの使用には耐えられるものの、近年開 が進んでいる1700℃級の超高温ガスタービン に適用するには耐酸化性及び延性が不十分で ある。そのため、超高温での使用に耐え得る 合金の開発が行われている。例えば、特許文 献1及び特許文献2に、耐酸化性及び延性を向 させた耐高温腐食合金材が開示されている

特開2003-183752号公報

特開2003-183754号公報

 本発明は、耐酸化性及び延性に優れ、超 温で使用されるガスタービンに適用可能な 高温腐食合金材、及び、これを備えた遮熱 ーティング材、タービン部材、ガスタービ を提供する。

 本発明の耐高温腐食合金材は、重量比でC o:15~30%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1~1%を含 有し、残部が実質的にNiからなることを特徴 する。

 以下に、本発明のNiを素地とした耐高温腐 合金材について、各成分の作用と含有量の 定理由を説明する。
 Co:Coは、添加量を多くするほど耐高温腐食 金材の延性を向上させる効果を有する。本 明の耐高温腐食合金材では、15重量%以上30重 量%以下の含有量とされる。15重量%未満では 延性向上の十分な効果が得られない。30重量 %を超えて含有させても得られる効果は変わ ない上、コスト増加を招く。

 Cr:Crは、高温で保護皮膜を形成するため 含有量を多くするほど耐高温腐食合金材の 酸化性を向上させる効果を有する。含有量 10重量%未満では十分な耐酸化性を得ること できず、30重量%を超えると合金材が硬くな 延性が低下する。耐酸化性と延性とのバラ スの点から、Cr含有量は10重量%以上30重量%以 下、好ましくは15重量%以上25重量%以下とされ る。

 Al:Alは、耐高温腐食合金材を遮熱コーティ グ材の金属結合層に用いた場合、金属結合 表面に緻密なAl 2 O 3 スケールを形成し、金属結合層の耐酸化性を 向上させ、遮熱コーティング材の耐酸化性を 向上させる効果がある。本発明の耐高温腐食 合金材では、含有量を4重量%以上15重量%以下 好ましくは6重量%以上12重量%以下とされる 含有量が4重量%未満では、(Ni,Co)(Cr,Al) 2 O 4 スピネル複合酸化物が生成し、緻密なAl 2 O 3 スケールが生成されなくなり、耐酸化性を向 上させる効果が得られない。また、(Ni,Co)(Cr Al) 2 O 4 スピネル複合酸化物は体積が大きいため、(Ni ,Co)(Cr、Al) 2 O 4 スピネル複合酸化物が生成すると、セラミッ クス層に応力が発生して亀裂発生や剥離が発 生しやすくなる。含有量が15重量%を超えると 、Niとの金属間化合物(Ni-Al)相が形成されるの で、耐高温腐食合金材が硬くなり延性が低下 する。

 Y:Yは、金属結合層上に発生したAl 2 O 3 スケールの剥離を防止する作用を有する。本 発明の耐高温腐食合金材では、0.1重量%以上3 量%以下、好ましくは0.1重量%以上1重量%以下 とされる。0.1重量%未満では、十分な効果が られない。含有量が3重量%を超えると、金属 結合層が脆くなり、耐熱衝撃性が低下する。

 Re:Reは、金属結合層表面に形成されるAl 2 O 3 スケールをより緻密なものとし、耐高温腐食 合金材の耐酸化性を向上させる効果がある。 また、Al 2 O 3 スケール直下に形成される酸化変質層におい て、CrRe化合物を形成して酸化変質層の脆化 防止して耐熱衝撃性の低下を抑制し、かつ Al 2 O 3 スケールの成長を阻害して、割れや剥離の発 生を防止する。このため、遮熱コーティング 材の寿命を延ばす効果を有する。すなわち、 酸化変質層は、Al 2 O 3 スケールの形成により、金属結合層表面近傍 のAl濃度が低下し、CrやNiなどの濃度が相対的 に上昇することにより形成されるが、CrやNi 濃度が濃い状態では酸化変質層内にNiCrO 4 やCr 2 O 3 などの低密度で脆い化合物が生成しやすくな る。Reを含有することにより、酸化変質層に いてCrRe化合物が形成されるため、酸化変質 層でのCr濃度が低下するので、上記の低密度 合物の生成を防止することができる。本発 の耐高温腐食合金材では、Re含有量は0.1重 %以上1重量%以下、好ましくは0.2重量%以上1重 量%以下、より好ましくは0.4重量%以上0.6重量% 以下とされる。0.1重量%未満ではCrRe化合物が とんど生成せず、1重量%を超えると耐高温 食合金材が硬くなって延性が低下する。

 上記発明において、重量比でRu:0.1~1%を含 することが好ましい。

 Ru:Ruは、Ni素地中に固溶し、Alの拡散速度を 下させてAl 2 O 3 スケール及び酸化変質層の成長速度を低下さ せることによって、耐高温腐食合金材の耐酸 化性を向上させる効果がある。Reの場合、多 添加により耐高温腐食合金材の耐酸化性及 耐熱衝撃性を向上させることができるが、C rRe化合物の形成により耐高温腐食合金材の硬 さが上昇する。一方、Ruは固溶硬化であるの 硬さの上昇を抑制できる。従って、ReとRuと を含有することにより、延性及び耐酸化性の 両方を向上させることができる。本発明の耐 高温腐食合金材では、Ruの含有量は0.1重量%以 上1重量%以下とされる。含有量が0.1重量%未満 ではRuの効果を得ることができない。含有量 1重量%を超えると、固溶硬化により耐高温 食合金材の延性が低下する。

 上記発明において、前記Reの含有量と前 Ruの含有量との合計が、重量比で0.2~1%とされ ることが好ましい。

 Reの含有量とRuの含有量との合計が、0.2重量 %以上1重量%以下、好ましくは0.4重量%以上0.6 量%以下の範囲とすることにより、優れた延 を有し、かつ、Al 2 O 3 スケールの成長速度が遅く耐酸化性に優れる 耐高温腐食合金材となる。

 また、本発明の耐高温腐食合金材は、重 比でNi:20~40%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1 ~5%を含有し、残部が実質的にCoからなること 特徴とする。

 以下に、本発明のCoを素地とした耐高温腐 合金材について、各成分の作用と含有量の 定理由を説明する。但し、上記Ni素地耐高温 腐食合金材と重複する部分は説明を省略する 。
 Ni:Niは、高温で保護皮膜を形成するため、 有量が多くなるほど耐高温腐食合金材の延 を向上させる効果を有する。本発明の耐高 腐食合金材では、Niの含有量は20重量%以上40 量%以下とされる。20重量%未満では十分な効 果が得られず、40重量%を超えて含有させても 得られる効果は変わらない。

 Re:Reは、金属結合層表面に形成されるAl 2 O 3 スケールを緻密化して耐高温腐食合金材の耐 酸化性を向上させる。また、Al 2 O 3 スケール直下の酸化変質層内に低密度で脆い CoCrO 4 やCr 2 O 3 などの化合物の生成を防止して、耐熱衝撃性 の低下を抑制する。本発明の耐高温腐食合金 材では、含有量は0.1重量%以上5重量%以下とさ れる。Re含有量が5重量%を超えると、CrRe層に り耐高温腐食合金材が硬くなり延性が低下 る。

 上記発明において、重量比でRu:0.1~5%を含 することが好ましい。

 Ru:Ruの含有量は、0.1重量%以上5重量%以下 される。5重量%を超えると、固溶硬化により 耐高温腐食合金材が硬くなり延性が低下する 。

 上記発明において、前記Reの含有量と前 Ruの含有量との合計が、重量比で1~5%とされ ことが好ましい。

 Coを素地とした耐高温腐食合金材では、Reの 含有量とRuの含有量との合計が、1重量%以上5 量%以下、好ましくは2重量%以上4重量%以下 範囲とすることにより、優れた延性を有し かつ、Al 2 O 3 スケールの成長速度が遅く耐酸化性が向上す る。

 また、本発明の遮熱コーティング材は、 熱合金基材上に、上記のNiまたはCoを素地と した耐高温腐食合金材を用いて形成された金 属結合層と、該金属結合層上に積層されたセ ラミックス層とが形成されたことを特徴とす る。

 上述したNiまたはCoを素地とした耐高温腐 食合金材を用いて形成された金属結合層は、 優れた耐酸化性と延性を有するため、剥離が 発生しにくく長寿命の金属結合層を構成する ことができる。従って、本発明に係る遮熱コ ーティング材は、酸化スケールの成長による セラミックス層の亀裂発生や剥離を防止する とともに、タービン発停などの熱サイクルに 伴う金属結合層の亀裂発生を防止することが できるため、耐久性に優れる。

 この場合、前記金属結合層が、上記したN iまたはCoを素地とした耐高温腐食合金材の粉 末を溶射することにより形成されることが好 ましい。溶射法により金属結合層を形成すれ ば、タービンなどの大型部材に対して金属結 合層を容易に形成することができる。

 本発明のタービン部材は、上記の遮熱コ ティング材を備えることを特徴とする。上 遮熱コーティング材を用いることによって セラミックス層の亀裂や剥離、及び、金属 合層の割れが発生しにくく、高温での耐久 に優れた長寿命のタービン部材を提供する とができる。

 本発明のガスタービンは、上記タービン 材を備えることを特徴とする。本発明のガ タービンは、耐酸化性及び延性に優れる金 結合層を備えた遮熱コーティング材が設け れたタービン部材により構成されるため、1 700℃級の高温で長時間に渡り安定に運転する ことが可能である。

 本発明の耐高温腐食合金材は、重量比でC o:15~30%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1~1%を含 有し、残部が実質的にNiからなる組成とされ 。また、本発明の耐高温腐食合金材は、重 比でNi:20~40%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1 ~5%を含有し、残部が実質的にCoからなる組成 される。上記NiまたはCoを素地とした耐高温 腐食合金材を用いて遮熱コーティング材の金 属結合層を構成することにより、金属結合層 の耐酸化性及び延性を向上させることができ る。これにより、遮熱コーティング材のセラ ミックス層の剥離や金属結合層の割れなどの 発生を抑制し、超高温ガスタービンに適用可 能な遮熱コーティング材を提供することがで きる。

本発明の遮熱コーティング材を適用し タービン部材の断面の模式図である。

符号の説明

11 耐熱合金基材
12 金属結合層
13 セラミックス層

発明を実施するための形態

 以下、本発明の実施形態を説明する。
 図1は、本実施形態に係る遮熱コーティング 材を適用したタービン部材の断面の模式図で ある。タービン動翼などの耐熱合金基材11上 金属結合層12が形成され、金属結合層12上に セラミックス層13が形成される。

 本実施形態に係る金属結合層12は、重量 でCo:15~30%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、Re:0.1~1% 含有し、残部が実質的にNiからなる耐高温 食合金材を用いて形成される。上記組成の 高温腐食合金材は、更に重量比でRu:0.1~1%を 有することができる。この場合、Reの含有量 とRuの含有量との合計が重量比で0.2~1%である とが好ましい。

 また、本実施形態に係る金属結合層12は 重量比でNi:20~40%、Cr:10~30%、Al:4~15%、Y:0.1~3%、R e:0.1~5%を含有し、残部が実質的にCoからなる 高温腐食合金材を用いて形成されても良い 上記組成の耐高温腐食合金材は、更に重量 でRu:0.1~5%を含有することができる。この場 、Reの含有量とRuの含有量との合計が重量比 1~5%であることが好ましい。

 上記NiまたはCoを素地とした耐高温腐食合 金材は、耐酸化性及び延性に優れる。従って 、本実施形態に係る金属結合層12は、セラミ クス層の剥離や金属結合層の割れなどが発 しにくく、そのため、遮熱性及び耐熱衝撃 に優れる遮熱コーティング材となる。

 上記金属結合層12は、溶射法によって製膜 れる。上記NiまたはCoを素地とした耐高温腐 合金材は、AlやCr等の活性な金属元素を含む ため、溶射用粉末はガスアトマイズ法を用い て製造される。製膜方法は、低圧プラズマ溶 射法が好適である。
(実施例)

 以下、実施例により本実施形態の耐高温腐 合金材を詳細に説明する。
(実施例1)
 厚さ5mmの合金金属基材(商標名:IN-738LC、化学 組成:Ni-16Cr-8.5Co-1.75Mo-2.6W-1.75Ta-0.9Nb-3.4Ti-3.4Al( 量%))上に、表1に示す各組成の合金粉末を低 プラズマ溶射法にて製膜し、膜厚100μmの金 結合層を形成した試料を作製した。なお、 較合金とは、従来より金属結合層として使 されているCoNiCrAlY合金とした。

 各試料の金属結合層のビッカース硬さ測 を、荷重0.1kgにて実施した。各試料を900℃10 00時間の条件で熱処理した後、試料の断面を 査型電子顕微鏡で観察して金属結合層上に 成された酸化スケール層の厚さを計測し、 化量とした。表1に、ビッカース硬さと酸化 量の結果を示す。

 

 合金A及び合金A-1乃至合金A-4は、Co含有量 みを変えた結果である。合金A及び合金A-1乃 至合金A-4は、比較合金よりも酸化量が少なく 、耐酸化性が向上した。合金A-1(Co含有量10wt%) は、比較合金よりも硬さが大幅に大きかった 。合金A-3と合金A-4とでは、硬さがほぼ同程度 であり、含有量が30wt%を超えるとCoによる延 向上の効果が変わらないとの結果を得た。

 合金A及び合金A-5乃至合金A-8は、Cr含有量 みを変えた結果である。Cr含有量が多くな と耐酸化性が向上し硬さが上昇する傾向が られた。合金A-5(Cr含有量9wt%)は、硬さが低く 延性に優れるが、耐酸化性が比較合金よりも 悪かった。合金A-8(Cr含有量35wt%)は、耐酸化性 に優れるが、比較合金よりも大幅に硬くなっ た。Cr含有量が10wt%以上30wt%以下で、耐酸化性 に優れ、比較合金と同程度の硬さが得られた 。

 合金A及び合金A-9乃至合金A-12は、Al含有量 のみを変えた結果である。Crと同様に、Al含 量が多くなると耐酸化性が向上するが、硬 が上昇した。Al含有量が4wt%以上15wt%以下で、 耐酸化性に優れ、比較合金と同程度の硬さが 得られた。

 合金A及び合金A-13乃至合金A-16は、Y含有量 のみを変えた結果である。Y含有量が多くな と耐酸化性が向上するが、硬さが上昇した 特に、合金A-13(Y含有量5wt%)は、比較合金と比 べて硬さが非常に大きくなった。Y含有量0.1wt %以上3wt%以下で、耐酸化性に優れ、比較合金 同程度の硬さが得られた。

 合金A及び合金A-17乃至合金A-20は、Re含有 のみを変えた結果である。Re含有量が多くな ると耐酸化性が向上するが、硬さが上昇した 。Re含有量0.1wt%以上1wt%以下で、耐酸化性に優 れ、比較合金と同程度の硬さが得られた。

 合金A-21乃至合金A-25は、更にRuを含有させた 結果である。Ru含有量0.1wt%以上1wt%以下で、耐 酸化性に優れ、比較合金と同程度の硬さが得 られた。合金A-23及び合金A-24は、Re含有量とRu 含有量との合計が0.2wt%から1wt%の範囲内であ 、硬さ及び耐酸化性のバランスが良好であ た。
 また、合金AのRe含有量と、合金A-23のRe含有 とRu含有量の合計は同じであるが、合金A-23 方が硬さが小さくなった。すなわち、Ruを 有させることにより、硬さ上昇を抑えるこ ができた。

 本発明の範囲内の組成例である合金Bでも 、耐酸化性に優れ硬さが良好な金属結合層を 得ることができた。

(実施例2)
 厚さ5mmの合金金属基材(商標名:IN-738LC、化学 組成:Ni-16Cr-8.5Co-1.75Mo-2.6W-1.75Ta-0.9Nb-3.4Ti-3.4Al( 量%))上に、表2に示す各組成の合金粉末を低 プラズマ溶射法にて製膜し、膜厚100μmの金 結合層を形成した試料を作製した。なお、 較合金とは、従来より金属結合層として使 されているCoNiCrAlY合金とした。

 各試料の金属結合層のビッカース硬さ及 酸化量を、実施例1と同様にして測定した。 表2に、ビッカース硬さと酸化量の結果を示 。

 

 合金C及び合金C-1乃至合金C-4は、Ni含有量 みを変えた結果である。合金C及び合金C-1乃 至合金C-4は、比較合金よりも酸化量が少なく 、耐酸化性が向上した。合金C-1(Ni含有量15wt%) は、比較合金よりも硬さが大幅に大きかった 。合金A-3と合金A-4とでは、硬さがほぼ同程度 であり、Ni含有量が40wt%を超えた場合には、Ni 添加による延性向上の効果が得られなかった 。

 合金C及び合金C-5乃至合金C-8は、Cr含有量 みを変えた結果である。Cr含有量が多くな と耐酸化性が向上し硬さが上昇する傾向が られた。合金C-5(Cr含有量9wt%)は、硬さが低く 延性に優れるが、耐酸化性が比較合金よりも 悪かった。合金C-8(Cr含有量35wt%)は、耐酸化性 に優れるが、比較合金よりも大幅に硬くなっ た。Cr含有量が10wt%以上30wt%以下で、耐酸化性 に優れ、比較合金と同程度の硬さを有する金 属結合層が得られた。

 合金C及び合金C-9乃至合金C-12は、Al含有量 のみを変えた結果である。Al含有量が多くな と耐酸化性が向上するが、硬さが上昇した Al含有量が4wt%以上15wt%以下で、耐酸化性に れ、比較合金と同程度の硬さが得られた。

 合金C及び合金C-13乃至合金C-16は、Y含有量 のみを変えた結果である。Y含有量が多くな と耐酸化性が向上するが、硬さが上昇した Y含有量0.1wt%以上3wt%以下で、耐酸化性に優れ 、比較合金と同程度の硬さが得られた。

 合金C及び合金C-17乃至合金C-20は、Re含有 のみを変えた結果である。Re含有量が多くな ると耐酸化性が向上するが、硬さが上昇した 。Re含有量0.1wt%以上5wt%以下で、耐酸化性に優 れ、比較合金と同程度の硬さが得られた。

 合金C-21乃至合金C-25は、更にRuを含有させ た結果である。Ru含有量が多くなると耐酸化 が向上し硬さが上昇する傾向が見られた。R u含有量0.1wt%以上5wt%以下で、耐酸化性に優れ 比較合金と同程度の硬さが得られた。合金C -22及び合金C-23は、Re含有量とRu含有量との合 が1wt%から5wt%の範囲内であり、硬さ及び耐 化性のバランスが良好であった。

 合金Dは、本発明の範囲内の組成例である 。合金Dでも、耐酸化性に優れ硬さが良好な 属結合層を得ることができた。

 合金D-1乃至合金D-3は、合金Dの組成に対し て、更にRuを含有させた結果である。いずれ 、耐酸化性に優れ、比較合金と同程度の硬 が得られた。合金D-1は、Re含有量とRu含有量 との合計が1wt%から5wt%の範囲内であり、硬さ び耐酸化性のバランスが良好であった。