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Title:
ALLOY TO BE SURFACE-COATED AND SLIDING MEMBERS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093527
Kind Code:
A1
Abstract:
An alloy to be surface-coated, which can keep excellent hardness of 58HRC or above even when the amount of an alloying element added is reduced or even when the alloy is heated to a temperature of as high as 400 to 500°C; and sliding members produced by forming a hard film on the surface of the alloy. An alloy to be surface-coated, the surface of which is to be covered with a hard film, which alloy contains by mass C: 0.5 to 1.2%, Si: 2.0% or below, Mn: 1.0% or below, Cr: 5.0 to 14.0%, Mo+1/2W: 0.5 to 5.0%, and N: more than 0.015 to 0.1% with the balance being Fe and impurities, preferably such an alloy which contains by mass C: 0.6 to 0.85%, Si: 0.1 to 1.5%, Mn: 0.2 to 0.8%, Cr: 7.0 to 11.0%, Mo+1/2W: 1.0 to 4.0%, and N: 0.04 to 0.08%.

Inventors:
YOKOYAMA KENJI (JP)
KUBOTA KUNICHIKA (JP)
UEHARA TOSHIHIRO (JP)
OHNO TAKEHIRO (JP)
OHISHI KATSUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050532
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI METALS LTD (JP)
YOKOYAMA KENJI (JP)
KUBOTA KUNICHIKA (JP)
UEHARA TOSHIHIRO (JP)
OHNO TAKEHIRO (JP)
OHISHI KATSUHIKO (JP)
International Classes:
C22C38/00; C22C38/22; C23C16/27
Foreign References:
JPH0978199A1997-03-25
JP2000290753A2000-10-17
JP2005325407A2005-11-24
JPH09316601A1997-12-09
JP2005187900A2005-07-14
JP2003027236A2003-01-29
Other References:
MASAYA TAKAHASHI ET AL.: "DLC-maku no Micchakusei ni Oyobosu Kizai Katasa no Eikyo", THE SURFACE FINISHING SOCIETY OF JAPAN KOEN TAIKAI KOEN YOSHISHU, vol. 105, 4 March 2002 (2002-03-04), pages 199, XP008137398
See also references of EP 2246452A4
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Claims:
 表面に硬質皮膜が被覆される表面被覆用合金であって、該表面被覆用合金は、質量%で、C:0.5~1.2%、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:5.0~14.0%、Mo+1/2W:0.5~5.0%、N:0.015%を超えて0.1%以下を含有し、残部はFe及び不純物でなる表面被覆用合金。
 質量%で、C:0.6~0.85%、Si:0.1~1.5%、Mn:0.2~0.8%、Cr:7.0~11.0%、Mo+1/2W:1.0~4.0%、N:0.04~0.08%を含有する請求項1に記載の表面被覆用合金。
 更に質量%で、S:0.1%以下、Ca:0.1%以下、Mg:0.03%以下の一種以上を含有する請求項1または2に記載の表面被覆用合金。
 更に質量%で、V:1.0%以下、Cu:0.5%以下、Nb:0.3%以下の一種以上を含有する請求項1乃至3の何れかに記載の表面被覆用合金。
 請求項1乃至4の何れかに記載の表面被覆用合金表面に被覆される硬質皮膜は、DLC膜である表面被覆用合金。
 請求項1乃至4の何れかに記載の表面被覆用合金の表面に、硬質皮膜が被覆されている摺動部材。
 請求項6に記載の摺動部材に被覆される硬質皮膜は、DLC膜である摺動部材。
Description:
表面被覆処理用合金及び摺動部

 本発明は、表面に硬質皮膜が被覆される 面被覆用合金と該表面被覆用合金の表面に 硬質皮膜を被覆した摺動部材に関するもの ある。

 金属製の部材表面に、例えばDLC(Diamond like  Carbon)やセラミック系の硬質皮膜を被覆(コー ィング)した材料は、耐摩耗性や摺動性等の 特性を向上させることができるため、過酷な 環境で使用される部材に適用されている。中 でも、DLC膜で被覆した摺動部材は、耐磨耗性 、摺動性に優れているため、幅広く使用され てきている。
 しかしながら、例えば、表面被覆用合金にD LC膜をP-CVD(プラズマCVD)やPVD法によって成膜す る場合には、密着性に問題がある。密着性を 向上させるには、成膜時に基材を高温に加熱 する必要がある。即ち、表面被覆用合金は400 ~500℃の高温に加熱される。もし加熱時に材 が軟化した場合、DLC膜が剥離し易くなるた 、500℃の高温であっても軟化し難い材質の 面被覆用合金を選ぶ必要がある。
 そのため、P-CVD(プラズマCVD)やPVD法を用いて DLC膜を被覆する表面被覆用合金としては、高 温でも58HRC以下に軟化しない高速度工具鋼が んで用いられる(特開2003-27236号公報)。高速 工具鋼は、Mo、W、V、Nb等の合金元素を多量 含有して、これらの合金元素の効果により 例えばDLC膜をP-CVD(プラズマCVD)やPVD法によっ て成膜する場合であっても、素材の硬さを高 硬度に維持できるものである。

特開2003-27236号公報

 高速度工具鋼製の表面被覆用合金は、高価 合金元素を多量に含有している。最近では 合金元素の価格が大幅に上昇していること ら、安価な表面被覆用合金とするために、 加する合金元素の種類を少なくするか、或 は更に、合金元素の添加量を減らしても、 望の特性が得られる表面被覆用合金が求め れている。
 しかし、例えば、低合金鋼のJIS SUP12やJIS S UJ2等では500℃の高温に加熱すると材料の硬さ が58HRC未満に軟化してしまい、DLC膜が剥離し くなるため、表面被覆用合金としては不向 である。
 本発明の目的は、高速度工具鋼と比較して 金元素の添加量を低減し、400~500℃の高温に 加熱した場合でも58HRC以上の良好な硬さを維 できる表面被覆用合金と、表面被覆用合金 表面に、硬質皮膜を被覆した摺動部材を提 することである。

 本発明は、上述した課題に鑑みてなされた のである。
 すなわち本発明は、表面に硬質皮膜が被覆 れる表面被覆用合金であって、該表面被覆 合金は、質量%で、C:0.5~1.2%、Si:2.0%以下、Mn:1 .0%以下、Cr:5.0~14.0%、Mo+1/2W:0.5~5.0%、N:0.015%を超 えて0.1%以下を含有し、残部はFe及び不純物で なる表面被覆用合金である。
 好ましくは、質量%で、C:0.6~0.85%、Si:0.1~1.5% Mn:0.2~0.8%、Cr:7.0~11.0%、Mo+1/2W:1.0~4.0%、N:0.04~0.08 %を含有する表面被覆用合金である。
 更に、質量%で、S:0.1%以下、Ca:0.1%以下、Mg:0. 03%以下の一種以上を含有する表面被覆用合金 である。
 また更に、質量%で、V:1.0%以下、Cu:0.5%以下 Nb:0.3%以下の一種以上を含有する表面被覆用 金である。
 また、上記の表面被覆用合金表面に被覆さ る硬質皮膜は、DLC膜である表面被覆用合金 ある。
 また本発明は、上記の表面被覆用合金の表 に、硬質皮膜が被覆されている摺動部材で る。
 好ましくは、上記摺動部材に被覆される硬 皮膜は、DLC膜である摺動部材である。

 本発明の表面被覆用合金は、高速度工具 と比較して、合金元素の添加量を低減して 、400~500℃の高温に加熱しても58HRC以上の良 な硬さを維持できることから、硬質皮膜を 覆する摺動部材用の素材に好適である。

本発明の表面被覆用合金にDLC膜を被覆 た摺動部材の密着性評価試験を行なった外 顕微鏡写真である。 JIS SUJ2にDLC膜を被覆した摺動部材の密 性評価試験を行なった外観顕微鏡写真であ 。

 上述したように、本発明の重要な特徴は高 度工具鋼と比較して合金元素の添加量を低 しても、400~500℃の高温に加熱しても58HRC以 の良好な硬さを維持できる合金組成にある 以下に詳しく本発明を説明する。なお、特 記載の無い限り、各元素の含有量は質量%で 記す。
 C:0.5~1.2%
 Cは、表面被覆用合金の基地の硬さを高め、 高温焼戻しによってCrやMoとの炭化物を形成 て表面被覆用合金の耐磨耗性を確保するた の重要な元素であるため必須で含有する。
 しかし、Cが1.2%を超えると表面被覆用合金 靭性を劣化させ、0.5%未満であると、上述のC の添加効果が得られない。そのため、Cの範 は0.5~1.2%に限定する。上述の効果を確実に得 るための好ましいCの範囲は0.6~0.85%である。 に好ましくは、Cの下限を0.6%とし、上限を0.7 %とする。

 Si:2.0%以下
 Siは、脱酸元素として添加する他、本発明 おいては高温焼戻しの硬さを高める効果が るので2.0%以下の範囲において必須で添加す 。Siを2.0%を超えて添加しても、Siの高温焼 しの硬さを高める効果の向上は望めず、か って靭性や熱間加工性を阻害する。そのた 、Siは2.0%以下の範囲に規定する。
 なお、Siの高温焼戻しの硬さを高める効果 確実に実現できる好ましい範囲は、0.1~1.5%で ある。更に好ましくは、Siの下限を0.3%、更に 好ましくは0.5%とすれば良く、好ましい上限 1.3%、更に好ましくは1.1%である。

 Mn:1.0%以下
 Mnは、添加すると靭性を劣化させることな 鋼の強度を増すことができ、高温焼戻しの さも改善される。但し、過度なMnは、加工性 、低温靭性を低下させる。また、同時に加工 硬化し易くなり、加工時に材料の弾性限界点 、降伏点、引張り強さ、疲労限界等が増加し 、伸び、絞りが減少する。更に1.0%を超える 囲では焼戻し時に脆性が発生するので、Mnの 上限を1.0%以下に規定する。鋼の強度を確保 て、加工性の低下や焼戻し時の脆化をより 実に抑制できる好ましいMnの下限は0.2%であ 、さらに好ましくは0.3%、さらに好ましくは0 .6%である。好ましい上限は0.8%である。

 Cr:5.0~14.0%
 Crは、焼入れ性を向上させ、高温焼戻しの さを高める効果があるため、5.0%以上を必須 添加する。また、Crは、耐食性を向上させ 効果もある一方で、過度のCr添加は加工性、 低温靭性に悪影響を及ぼすので、14%を上限と 規定する。また、Crの増加と共に高温焼戻し 硬さが上昇するとは限らず、適当なCr量に いて硬さが最高となる。この効果を確実に るにはCrの下限を7.0%、さらに好ましくは8.0% 上限を11.0%とするのが好ましい。

 Mo+1/2W:0.5~5.0%
 Mo及びWは、固溶強化および/または炭化物の 析出硬化により高温焼戻し後の軟化抵抗を向 上させ、耐摩耗性、耐熱疲労性を改善するた めに単独または複合で添加できる。更に、硬 質な炭化物を作り、硬さを向上させる。
 WはMoの約2倍の原子量であることからMo+1/2W 規定する(当然、何れか一方のみの添加とし も良いし、双方を共添加することもできる) 。Mo、Wが少ないと高温焼戻しの硬さの改善が 得られなくなるため、下限を0.5%に規定する 但し、添加量が5.0%を超えても上記の効果の 上はあまり望めない。そのため、Mo+1/2Wの上 限を5.0%に規定する。好ましくはMo+1/2Wの下限 1.0%、上限を4.0%、さらに好ましくは3.0%とす ば良い。

 N:0.015%を超えて0.1%以下
 Nは、添加により固溶強化、析出硬化および /または、炭化物の結晶粒を微細化させ硬さ 向上させる他、高温焼戻しの硬さやクリー 特性の改善に有効な成分であるが、過度な 加は加工性、低温靭性を低下させるので、 限を0.1%に規定する。一方、Nが過度に少なく なると、固溶強化、析出硬化および/または 結晶粒を微細化させ硬さを向上させる効果 出ないため、Nの下限は、0.015%を超えた範囲 規定する。高温焼戻しの硬さを確保するた に、好ましくはNの下限を0.04%、上限を0.08% すれば良い。

 本発明では、上述した元素の他は、実質的 Feであるが、製造上不可避的に混入する元 は当然含有する。
 また、上記の元素以外に、選択元素として 軟化抵抗を向上させ、硬さと強さ、靭性と った特性を向上させる効果のあるVは、1.0% 下の範囲で、耐食性と言った特性を向上さ る効果のあるCuは、0.5%以下の範囲で、高温 戻し時の結晶粒粗大化を防ぐ効果のあるNbは 、0.3%以下の範囲で、一種以上を添加するこ ができる。

 また、必須で添加するMn等との硫化物を形 し、被削性を改善するSは、0.1%以下の範囲で 含有しても良く、特にSは、微量添加すると Mn等との硫化物を形成し、被削性を改善する ため、必要に応じて添加できる。一方でSを 量に添加すると、熱間加工性、耐溶接高温 れ性、耐食性に悪影響を及ぼすため、0.1%以 と規定する。被削性の改善に好ましくは、S の下限を0.03%、上限を0.08%とすれば良い。
 また、Sと同様に、被削性を改善するCa及びM gについても、Ca:0.1%以下、Mg:0.03%以下の範囲 添加することができる。
 S,Ca,Mgについては、複合添加も可能である。

 上記の表面被覆用合金は、400~500℃の高温に 加熱しても58HRC以上の良好な硬さを維持でき ことから、400~500℃の高温に昇温して硬質皮 膜の密着性を高め、摺動性を向上させる硬質 皮膜を被覆するP-CVD(プラズマCVD)やPVD法用の 材として最適である。
 P-CVD(プラズマCVD)やPVD法を適用するとTiN、TiC 、Al 2 O 3 、DLC等の硬質皮膜を被覆することができる。 中でも、密着性を向上させたDLC膜を被覆する 場合、表面被覆用合金は400~500℃程度に加熱 れる場合があること、そして、更にDLC膜は れた摺動性を付与することができる。その め、本発明の表面被覆用合金は、P-CVD(プラ マCVD)やPVD法で密着性の良好なDLC膜を被覆す 素材として好適であり、摺動部材としては 本発明の表面被覆用合金とDLC膜の組合わせ 最適であり、特に好ましい。

 以下の実施例で本発明を更に詳しく説明す 。
 表1に示した化学組成の本発明と比較例の10k g鋼塊を真空溶解で作製し、表面被覆用合金 得た。作製した表面被覆用合金の化学組成 表1に示す。
 なお、本発明No.21合金及びNo.22合金は、3ton 解(大気溶解)を実施したものである。

 作製した表面被覆用合金を均質化焼鈍した 、1150℃で熱間鍛造し、15mm(T)×15mm(W)×1000mm(L) の表面被覆用合金鍛造材を得た。
 その後、780℃で3時間の焼鈍を行った。更に 、焼鈍した表面被覆用合金から15mm(T)×15mm(W)× 15mm(L)の硬度測定用試験片を作製した。
 また、No.21とNo.22の合金は、大気溶解後、熱 間鍛造し、さらに14mmφに熱間圧延後、860℃で 3時間の焼鈍を行った。更に、焼鈍した表面 覆用合金から厚さ15mmの硬度測定用試験片を 取した。
 この試験片を大気炉内で表2及び表3に示し 焼入れ温度で加熱保持し、油冷にて焼入れ 行った。焼入れ後に試験片の両面を平行研 し、DLC成膜温度の上限近傍の500℃付近で焼 しを行なった。焼戻し温度は表2及び表3に示 し、焼戻し後にロックウェル硬さCスケール て硬さを測定した。その結果を表2及び表3に 示す。

 表2及び表3に示すように、本発明の表面被 用合金は、高速度工具鋼のSKH51と比較して合 金元素の添加量を低減しているにもかかわら ず、500℃以上での焼戻し後の硬さが58HRC以上 なっていることが分かる。一方、比較例No.2 4及びNo.25は58HRC以上の硬さを得ることができ 、SUP12とSUJ2では、500℃の焼戻しにより58HRC 大きく下回っていることが分かる。
 なお、SUJ2においては、180℃の焼戻しにより 、63HRCが得られたが、500℃の高温焼戻しでは4 7HRC以下に硬さが低下している。これは、180 の低温焼戻しした材料を500℃程度に昇温し 場合、硬さが低下することを意味する。
 以上のことから、本発明の表面被覆用合金 、DLC膜の成膜温度の上限である、500℃程度 温度域でも高い硬さを維持でき、表面被覆 合金の表面に、硬質皮膜を被覆すれば高い 着性を維持できるので摺動部材として用い ことが可能である。

 次に、被削性改善元素を添加した本発明合 のうち、No.10,11,12,13,14及び15について、被削 性試験を行なった。被削性改善効果を確認す るため、被削性改善元素を無添加としたNo.23 ついても、同様に被削性試験を行なった。
 被削性試験は、焼鈍ままの素材から15mm(T)×1 5mm(W)×22mm(L)の寸法の試験片を切り出し、切り 出した被削性試験片にドリルで孔開け加工を 行って、ドリルの磨耗量にて評価を実施した 。評価は、ドリルの最外周部をAと表記し、4/ D部をBと表記して、試験結果を表4に示す。な お、試験条件は以下のとおりである。
 ドリル径:φ4.0mmストレートシャンクドリル
 切削深さ:20mm
 切削速度:30m/min
 送り速度:0.05mm/rev
 ステップフィード:10mm
 切削液:水溶性

 表4に示すように、被削性改善元素を添加 した本発明合金は、被削性改善元素を無添加 としたNo.23合金よりも被削性が向上している がわかる。中でも適量のSとCaを複合添加し No.14合金が最も被削性が良いことが分かる

 次に、表1で製作した本発明のNo.9と、低合 鋼のSUJ2について、DLC膜を成膜して比較を行 た。
 780℃で3時間の焼鈍を行った本発明のNo.9を15 mm×15mm×30mmに切断し、1050℃に加熱後、油冷の 焼入れを行い、その後、500℃の焼戻しを行っ た。低合金鋼のSUJ2は780℃で3時間の焼鈍を行 、15mm×15mm×30mmに切断し、950℃に加熱後、油 冷の焼入れを行い、その後、180℃の焼戻しを 行った。
 更に、焼入れ焼戻しした表面被覆用合金か 幅10mm×長さ20mm×厚さ3mmで鏡面仕上げの表面 覆用合金試験片を作製し、この試験片の表 にPVD法を用いてDLC膜を成膜した。DLC成膜時 は試験片が最大424℃に加熱されたことを確 した。
 DLC成膜後、ロックウェル硬度計による圧痕 利用してDLC膜の密着性評価を行った。なお 密着性評価は、荷重150kgfとし、ダイヤモン 圧子を用いて行なった。本発明のNo.9を評価 した外観写真を図1に、低合金鋼のSUJ2を評価 た外観写真を図2に示す。

 図1及び図2に示すように、低合金のSUJ2と 較して、本発明では圧痕によるクラックが さく、SUJ2よりも高い密着性を維持している ことが確認できた。

 本発明合金は、高温加熱時に高い硬さが 可欠な用途に適用できる。同時に、高価な 金の使用量を抑えることができるので、こ まで高価な合金を使用していた従来のもの 比べて経済的で広い範囲での応用を期待す ことができる。




 
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