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Title:
ALUMINUM ELECTRIC WIRE FOR AUTOMOBILES AND PROCESS FOR PRODUCING THE ALUMINUM ELECTRIC WIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054457
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an aluminum electric wire for automobiles, which can realize excellent tensile strength, workability, flex resistance, and impact resistance while realizing a weight reduction and ensuring electric conductivity as a conductor, and a process for producing the aluminum electric wire. A soft conductor (14) of an aluminum alloy comprising 0.90 to 1.20% by mass of Fe, 0.10 to 0.25% by mass of Mg, 0.01 to 0.05% by mass of Ti, and 0.0005 to 0.0025% by mass of B with the balance consisting of Al and unavoidable impurities and having a tensile strength of not less than 110 MPa, a breaking elongation of not less than 15%, and an electric conductivity of not less than 58% IACS is covered with an insulator (16) to form an aluminum electric wire (10). The aluminum electric wire (10) is produced by plastically working an aluminum alloy, produced by rapidly cooling a molten alloy having the above alloy composition to solidify the alloy, to form element wires (12), twisting the element wires (12) together to form a conductor (14), softening the electric wires (12) before the twisting or the conductor (14) after the twisting at 250°C or above, and then covering the conductor (14) with the insulator (16).

Inventors:
OTSUKA, Yasuyuki (1-14 Nishisuehiro-cho, Yokkaichi-sh, Mie 03, 5108503, JP)
大塚 保之 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 株式会社オートネットワーク技術研究所内 Mie, 5108503, JP)
YOSHIMURA, Masanobu (LTD. 1-14 Nishisuehiro-cho Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
義村 昌伸 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電装株式会社内 Mie, 5108503, JP)
MAEDA, Koutarou (LTD. 1-14 Nishisuehiro-cho Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
前田 幸太郎 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電装株式会社内 Mie, 5108503, JP)
YOSHIMOTO, Jun (LTD. 1-14 Nishisuehiro-cho Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
吉本 潤 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電装株式会社内 Mie, 5108503, JP)
KIMURA, Masashi (LTD. 1-14 Nishisuehiro-cho Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
Application Number:
JP2008/069241
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AUTONETWORKS TECHNOLOGIES, LTD. (1-14 Nishisuehiro-cho, Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
株式会社オートネットワーク技術研究所 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 Mie, 5108503, JP)
SUMITOMO WIRING SYSTEMS, LTD. (1-14 Nishisuehiro-cho, Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
住友電装株式会社 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 Mie, 5108503, JP)
SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES, LTD. (5-33, Kitahama 4-chome Chuo-k, Osaka-shi Osaka 24, 5540024, JP)
住友電気工業株式会社 (〒24 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5540024, JP)
SUMITOMO ELECTRIC TOYAMA CO., LTD. (10-2 Nagonoe, Imizu-shi Toyama, 31, 9340031, JP)
富山住友電工株式会社 (〒31 富山県射水市奈呉の江10番地の2 Toyama, 9340031, JP)
OTSUKA, Yasuyuki (1-14 Nishisuehiro-cho, Yokkaichi-sh, Mie 03, 5108503, JP)
大塚 保之 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 株式会社オートネットワーク技術研究所内 Mie, 5108503, JP)
YOSHIMURA, Masanobu (LTD. 1-14 Nishisuehiro-cho Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
義村 昌伸 (〒03 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電装株式会社内 Mie, 5108503, JP)
MAEDA, Koutarou (LTD. 1-14 Nishisuehiro-cho Yokkaichi-shi Mie, 03, 5108503, JP)
International Classes:
H01B7/00; C22C21/00; C22F1/02; C22F1/04; H01B13/00; C22F1/00; H01B7/00; C22C21/00; C22F1/02; C22F1/04; H01B13/00; C22F1/00
Attorney, Agent or Firm:
UENO, Noboru (KS Iseya Building 8th Floor, 21-23 Sakae 3-chomeNaka-k, Nagoya-shi Aichi 08, 4600008, JP)
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Claims:
 Feを0.90~1.20質量%、Mgを0.10~0.25質量%含み、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の軟質導体を絶縁材料で被覆してなることを特徴とする自動車用アルミ電線。
 前記アルミニウム合金は、さらに、Tiを0.01~0.05質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用アルミ電線。
 前記アルミニウム合金は、さらに、Bを0.0005~0.0025質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の自動車用アルミ電線。
 前記軟質導体を形成する前記アルミニウム合金の軟質材は、引張強度が110MPa以上、破断伸びが15%以上、導電率が58%IACS以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動車用アルミ電線。
 前記軟質導体の断面の2400×2600nmの範囲内におけるAl-Fe析出物の量は5個以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動車用アルミ電線。
 前記軟質導体は、外形を円形圧縮成形されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の自動車用アルミ電線。
 Feを0.90~1.20質量%、Mgを0.10~0.25質量%含み、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金溶湯を急冷凝固させてアルミニウム合金を鋳造する工程と、
 前記アルミニウム合金を塑性加工してアルミニウム合金導体を形成する工程と、
 前記アルミニウム合金導体を軟化処理して軟質導体にする工程と、
 前記アルミニウム合金導体を絶縁材料で被覆する工程とを有することを特徴とする自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記アルミニウム合金溶湯に、急冷凝固する直前にTiを0.01~0.05質量%となるように添加することを特徴とする請求項7に記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記アルミニウム合金溶湯に、急冷凝固する直前にさらにBを0.0005~0.0025質量%となるように添加することを特徴とする請求項8に記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記アルミニウム合金導体を、250℃以上の温度で軟化処理して軟質導体にすることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記軟化処理は、バッチ式軟化処理であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記バッチ式軟化処理において、加熱温度は250~400℃の範囲内であり、かつ、軟化温度から150℃に冷却するまでの冷却時間は10分以上であることを特徴とする請求項11に記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記軟化処理は、通電加熱による連続軟化処理であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記軟化処理は、高周波誘導加熱による連続軟化処理であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記軟化処理を、非酸化性雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項7から14のいずれかに記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
 前記アルミニウム合金導体の外形を円形圧縮成形する工程を、さらに備えていることを特徴とする請求項7から15のいずれかに記載の自動車用アルミ電線の製造方法。
Description:
自動車用アルミ電線およびその 造方法

 本発明は、自動車用アルミ電線およびそ 製造方法に関するものである。

 従来より、架空送電線などの電力分野に いては、軽量かつ電気伝導性に優れること ら、アルミニウム系材料からなる導体を有 るアルミ電線が使用されている。そして、 度向上、耐屈曲性向上などの目的で、アル ニウム合金の適用が進められており、その くはAl-Fe合金をベースとしている。

 電線材料としては、例えば、サウスワイ ー社のtriple-Eや、住友電気工業(株)のSI-16な が知られている。また、AA国際合金記号で 8030合金(Al-0.3~0.8Fe-0.05~0.15Cu)なども知られて る。

 これに対して、自動車分野においては、 気伝導性に優れた銅系材料からなる導体を する銅電線が信号線、電力線として多く使 されている。

 近年、自動車分野においては、車輌の高 能・高機能化が急速に進められてきている とから、車載される各種電気機器、制御機 等の増加に伴って使用される電線も増加す 傾向にある。そこで、軽量化を図る目的か 、自動車分野においても、アルミニウム系 料からなる導体を有するアルミ電線を用い 試みがなされている。

 例えば特開2006-19163号公報には、Feを1.10~1. 50質量%、Mgを0.03~0.25質量%、Siを0.02~0.06質量%含 み、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる ルミニウム合金素線を撚り合わせて形成し 撚線からなるアルミ導電線が開示されてい 。

 しかしながら、従来のAl-Fe合金を用いる 合、Fe添加量が0.9%以上になると圧延割れ等 欠陥が起こりやすくなっていた。そのため 自動車用電線として用いる線径まで伸線し うとすると、圧延時の欠陥により断線しや く、加工性が悪いという問題があった。ま 、自動車用電線では軟質材で用いるため、 延時の欠陥の感受性が非常に高く、強度や びが低下しやすくなって、耐屈曲性や耐衝 性が低下するという問題があった。

 さらに、上記公報に示されるものは、ア ミ合金素線が硬質の状態となっているため 強度は向上しているものの、伸びが低下し 耐屈曲性や耐衝撃性が低下しやすいという 題があった。

 本発明が解決しようとする課題は、軽量 を図り、導体としての導電性を確保しつつ 引張強度、加工性、耐屈曲性、耐衝撃性に れる自動車用アルミ電線およびその製造方 を提供することにある。

 本発明に係る自動車用アルミ電線は、Fe 0.90~1.20質量%、Mgを0.10~0.25質量%含み、残部がA lおよび不可避的不純物よりなるアルミニウ 合金の軟質導体を絶縁材料で被覆してなる とを要旨とするものである。

 この場合、前記アルミニウム合金は、さ に、Tiを0.01~0.05質量%含有していると良い。

 また、前記アルミニウム合金は、上記Ti 加えて、さらに、Bを0.0005~0.0025質量%含有し いると良い。

 そして、前記軟質導体を形成する前記ア ミニウム合金の軟質材は、引張強度が110MPa 上、破断伸びが15%以上、導電率が58%IACS以上 であることが望ましい。

 さらに、前記軟質導体の断面の2400×2600nm 範囲内におけるAl-Fe析出物の量は5個以上で ると良い。

 ここで、前記軟質導体は、外形を円形圧 成形されていると良い。

 一方、本発明に係る自動車用アルミ電線 製造方法は、Feを0.90~1.20質量%、Mgを0.10~0.25 量%含み、残部がAlおよび不可避的不純物よ なるアルミニウム合金溶湯を急冷凝固させ アルミニウム合金を鋳造する工程と、前記 ルミニウム合金を塑性加工してアルミニウ 合金導体を形成する工程と、前記アルミニ ム合金導体を軟化処理して軟質導体にする 程と、前記アルミニウム合金導体を絶縁材 で被覆する工程とを有することを要旨とす ものである。

 この場合、前記アルミニウム合金溶湯に 急冷凝固する直前にTiを0.01~0.05質量%となる うに添加すると良い。

 また、上記Tiに加えて、前記アルミニウ 合金溶湯に、急冷凝固する直前にさらにBを0 .0005~0.0025質量%となるように添加すると良い

 このとき、前記アルミニウム合金導体を2 50℃以上の温度で軟化処理して軟質導体にす と良い。

 そして、軟化処理としては、バッチ式軟 処理が好ましい。この際、加熱温度は250~400 ℃の範囲内であり、かつ、軟化温度から150℃ に冷却するまでの冷却時間は10分以上である とが望ましい。

 また、前記軟化処理は、通電加熱による 続軟化処理であっても良い。

 また、前記軟化処理は、高周波誘導加熱 よる連続軟化処理であっても良い。

 さらに、前記軟化処理を非酸化性雰囲気 で行なうと良い。

 そして、前記アルミニウム合金導体の外 を円形圧縮成形する工程をさらに備えてい と良い。

 本発明に係る自動車用アルミ電線によれ 、特定量のFe、Mgを含むアルミニウム合金の 軟質導体で構成されているので、導体として の導電性を確保しつつ、引張強度、加工性、 耐屈曲性、耐衝撃性に優れる。そして、電線 材料にアルミニウム合金を用いているので、 従来の銅電線と比較して軽量化を図ることが できる。

 この場合、前記アルミニウム合金が、さ に、Tiを0.01~0.05質量%含有していると、アル ニウム合金の結晶組織を微細にすることが きる。これにより、アルミニウム合金を圧 したときの欠陥発生を抑制するので、Fe添 量を0.90質量%以上にしたときにも、加工性が 低下しにくく、合金材料の強度や伸びも低下 しにくくなる。

 また、前記アルミニウム合金が、上記Ti 加えて、さらに、Bを0.0005~0.0025質量%含有し いると、Ti添加によるアルミニウム合金の結 晶組織を微細化する効果を向上させることが できる。

 そして、前記軟質導体を形成する前記ア ミニウム合金の軟質材の引張強度が110MPa以 、破断伸びが15%以上、導電率が58%IACS以上で あると、自動車用電線として必要な端子固着 力および耐衝撃エネルギーを十分に備えるこ とができる。したがって、電線としての引張 強度、加工性、耐屈曲性、耐衝撃性に優れる 。

 さらに、前記軟質導体の断面の2400×2600nm 範囲内におけるAl-Fe析出物の量が5個以上で る場合には、固溶状態にあるFeの量が少な ため、より一層、導電性に優れる。また、 びの低下が抑えられ、耐屈曲性および耐衝 性にも優れる。

 ここで、前記軟質導体が外形を円形圧縮 形されていると、電線径をより小さくする とができる。

 一方、本発明に係る自動車用アルミ電線 製造方法によれば、アルミニウム合金を鋳 する工程で、合金組成が特定範囲内にある ルミニウム合金溶湯を急冷凝固させており Fe晶出物を微細分散させて、圧延時の欠陥 抑制している。また、上記アルミニウム合 を塑性加工して形成したアルミニウム合金 体を軟化処理して軟質導体にしている。こ により、引張強度、加工性、耐屈曲性、耐 撃性に優れる自動車用アルミ電線を製造す ことができる。製造された電線は、導体と ての導電性を十分に備えるとともに、従来 銅電線よりも軽量化されている。

 この場合、前記アルミニウム合金溶湯に 急冷凝固する直前にTiを0.01~0.05質量%となる うに添加すると、アルミニウム合金の結晶 織を微細化させて、アルミニウム合金を圧 するときの欠陥発生を抑制することができ 。

 また、上記Tiに加えて、前記アルミニウ 合金溶湯に、急冷凝固する直前にさらにBを0 .0005~0.0025質量%となるように添加すると、Ti添 加によるアルミニウム合金の結晶組織を微細 化する効果を向上させることができる。

 このとき、前記アルミニウム合金導体を 250℃以上の温度で軟化処理して軟質導体に ると、上述の機械性能および電気性能が得 れやすくなる。

 そして、前記軟化処理がバッチ式軟化処 であると、軟化後の冷却において徐冷でき 。そのため、固溶しているFeが析出しやす 。また、連続軟化処理と比較して軟化温度 低くできる。そのため、冷却時に析出したFe は再固溶しにくい。したがって、これにより 得られたアルミニウム合金導体は、固溶状態 にあるFeの量が少ないため、より一層、導電 に優れる。また、伸びの低下が抑えられ、 屈曲性および耐衝撃性にも優れる。この際 加熱温度および冷却速度を上記範囲内にす と、確実に上記効果を奏する。

 一方、前記軟化処理が通電加熱による連 軟化処理である場合には、電線長手方向で 特性のばらつきを抑えることができる。ま 、前記軟化処理が高周波誘導加熱による連 軟化処理の場合にも、同様の効果が得られ 。さらに、連続して加熱-急冷することが可 能となるので、電線のような長尺なものに特 に好適となる。

 そして、非酸化性雰囲気下で軟化処理を なうと、軟化処理時の熱によりアルミ素線 表面に酸化被膜が増大するのを抑え、端子 続部での接触抵抗の増大を抑制することが きる。

 そして、前記アルミニウム合金導体の外 を円形圧縮成形する工程を、さらに備えて ると、電線径をより小さくすることができ 。

本発明に係る自動車用アルミ電線の実 形態の一例を示したアルミ電線の断面図で る。 本発明に係る自動車用アルミ電線の実 形態の一例を示したアルミ電線の断面図で る。 本発明に係る自動車用アルミ電線の実 形態の一例を示したアルミ電線の断面図で る。 本発明に係る自動車用アルミ電線の実 形態の一例を示したアルミ電線の断面図で る。 バッチ式軟化処理したアルミニウム合 素線の径方向断面におけるTEM写真である。 連続軟化処理したアルミニウム合金素 の径方向断面におけるTEM写真である。

 次に、本発明の実施形態について詳細に 明する。

 図1~4は、本発明に係る自動車用アルミ電 の実施形態の一例を示したアルミ電線の断 図である。自動車用アルミ電線10は、アル ニウム合金よりなる素線12を撚り合わせた導 体14を絶縁材料よりなる絶縁体16で被覆した ので構成されている。図1には、素線12を同 撚りした圧縮導体14を絶縁体16で被覆したも を示しており、図2には、素線12を同心撚り た導体14を絶縁体16で被覆したものを示して おり、図3には、素線12を複合撚りした導体14 絶縁体16で被覆したものを示しており、図4 は、複数本の素線12を二段圧縮した圧縮導 14を絶縁体16で被覆したものを示している。 々、導体14を形成する素線12の本数は、使用 する機器の種類等により適宜定められるもの である。

 素線12を形成するアルミニウム合金は、 定量のFe、Mgを含有し、残部がAlおよび不可 的不純物で構成されている。素線12は軟質化 されており、アルミニウム合金の軟質材より なる。以下に、合金組成を規定した理由を説 明する。なお、以下の含有率の単位は質量% ある。

 Feは、素線12の導電性を確保しつつその強 度を向上させるのに寄与する。その効果を得 るためには、Feの含有率を0.90~1.20%にすると良 い。より好ましくは、1.00~1.20%である。Feの含 有率が0.90%未満では、強度向上効果が小さく 素線12の引張強度が110MPa以上になりにくい また、耐屈曲性の向上効果も小さい。一方 Feの含有率が1.20%を超えると、圧延時に欠陥 生じやすくなり、例えば連続鋳造圧延機な によりアルミニウム合金溶湯を急冷凝固さ てアルミニウム合金を鋳造しても、圧延時 欠陥を抑えられないことがある。圧延時に 陥が生じると、素線12の加工性が低下する ともに素線12の伸びが低下する。

 Mgは、素線12の強度を向上させるのに寄与 する。その効果を得るためには、Mgの含有率 0.10~0.25%にすると良い。より好ましくは、0.1 0~0.20%である。Mgの含有率が0.10%未満では、強 向上効果が小さい。一方、Mgの含有率が0.25% を超えると、導電率が58%IACSを下回る。

 素線12を形成するアルミニウム合金は、 記元素に加えて、さらに、TiやBを含有して ても良い。

 Tiは、鋳造時のアルミニウム合金の結晶 織を微細にすることができる。これにより 圧延時の欠陥発生を抑制し、Fe添加量を0.90% 上にしたときにも、加工性が低下しにくく 素線12の強度や伸びも低下しにくくなる。 の効果を得るためには、Tiの含有率を0.01~0.05 %にすると良い。より好ましくは、0.01~0.03%で る。Tiの含有率が0.01%未満では、結晶組織の 微細化効果が得られにくい。一方、Tiの含有 が0.05%を超えると、導電率を低下させやす 。

 Bは、Ti添加によるアルミニウム合金の結 組織を微細化する効果を向上させることが きる。すなわち、圧延時の欠陥抑制効果を らに高めることができる。その効果を得る めには、Bの含有率を0.0005~0.0025%にすると良 。Bの含有率が0.0005%未満では、Tiが結晶組織 を微細化する効果を向上させにくい。一方、 Bの含有率が0.0025%を超えても、その効果は飽 する。

 素線12は、引張強度が110MPa以上であること 好ましい。より好ましくは、120MPa以上であ 。引張強度が110MPa以上あれば、これを撚り わせて導体とした電線は、自動車用電線と て必要な端子固着力を十分に備えることが きる。例えば、導体断面積が0.75mm 2 の電線では、端子固着力が50N以上になり、自 動車用電線として適用できる強度となる。

 また、素線12は、引張強度が110MPa以上、か 、破断伸びが15%以上であることが好ましい より好ましくは、120MPa以上、20%以上である 引張強度および破断伸びが上記範囲内にあ ば、これを撚り合わせて導体とした電線は 自動車用電線として必要な耐衝撃エネルギ を十分に備えることができる。例えば、導 断面積が0.75mm 2 の電線では、耐衝撃エネルギーが10J/m以上に り、ワイヤーハーネス組立に適用できる耐 撃性能が得られ、また、耐屈曲性能も向上 る。

 さらに、素線12は、導電率が58%IACS以上で ることが好ましい。より好ましくは、60%IACS 以上である。アルミニウム合金素線の導電率 が58%IACS以上あれば、導体断面積を従来の銅 線の1.5倍にすれば従来の銅電線と同等以上 導電性を有することができる。そして、ア ミニウムの比重は銅の比重の約1/3であるの 、導体重量を約50%以下にすることができ、 体重量の軽量化を図ることができる。

 導体14を形成するアルミニウム合金は、 溶しているFeの量が少なく、また、Al-Fe析出 が多く存在することが好ましい。より具体 には、アルミニウム合金よりなる軟質導体1 4の断面(例えば径方向断面)の2400×2600nmの範囲 内におけるAl-Fe析出物の量が5個以上であるこ とが好ましい。Al-Fe析出物の量がこの範囲内 あると、固溶状態にあるFeの量が少ないた 、より一層、導電性に優れる。また、伸び 低下が抑えられ、耐屈曲性および耐衝撃性 も優れる。より好ましくは、上記範囲内に いてAl-Fe析出物の量が10個以上である。Al-Fe 出物の量は、透過型電子顕微鏡(TEM)などを用 いて測定することができる。より具体的には 、同一試料においてAl-Fe析出物が確認できる 所を5視野以上観察し、その平均値とする。

 Al-Fe析出物は、アルミニウム合金溶湯を 冷凝固させてアルミニウム合金を鋳造した の軟化処理時に析出する微細なAl-Fe系化合物 である。Al-Fe析出物の粒径は特に限定される のではないが、200nm以下であることが多い Al-Fe析出物の形状としては、例えば球状など が挙げられる。一方、アルミニウム合金溶湯 を凝固させた際にも、Al-Fe系化合物は生成す 。これは、Al-Fe晶出物と称され、ここでい Al-Fe析出物には含まれない。凝固時に生成す るAl-Fe晶出物は、Al-Fe析出物よりも比較的粒 の大きい(200nmを超えるものであることが多 )ため、Al-Fe析出物と区別できる。

 絶縁体16を構成する絶縁材料は、特に限 されるものではないが、例えば、ポリ塩化 ニル(PVC)やノンハロゲン樹脂などの絶縁性の 樹脂材料であれば良い。特に、難燃性に優れ る材料を用いると良い。被覆する厚みも、特 に限定されるものではない。

 次に、本発明に係る自動車用アルミ電線 製造方法の一例について説明する。一実施 態に係る自動車用アルミ電線の製造方法は 上述する合金組成よりなるアルミニウム合 を鋳造する工程と、鋳造して得られたアル ニウム合金よりアルミニウム合金導体を形 する工程と、アルミニウム合金導体を軟化 理する工程と、アルミニウム合金導体より ルミ電線を形成する工程とを有している。

 鋳造工程では、まず、上述する合金組成 アルミニウム合金溶湯を形成する。アルミ ウム合金溶湯を形成するには、溶解炉にベ スとなる純アルミを溶解させ、溶融した純 ルミに、Fe、Mgを所望の濃度となるように投 入する。ベースとなる純アルミとしては、99. 7%以上の純度を持つ精製アルミニウムインゴ トが好ましい。そして、Feの添加にはAl-Fe母 合金を用いることが好ましい。成分調整した アルミニウム合金溶湯は、適宜、水素ガス除 去処理や異物除去処理を行なうと良い。

 次いで、アルミニウム合金溶湯を急冷凝 させる。急冷凝固させることにより、Feが 飽和に固溶した状態の鋳物を得ることがで る。また、Al-Fe晶出物を微細分散させて、圧 延時の欠陥を抑制することができる。その冷 却速度は、特に限定されるものではないが、 固液共存温度域である700~600℃において20℃/se c以上の冷却速度にすることが好ましい。ア ミニウム合金溶湯を急冷凝固させるには、 えば、水冷銅鋳型や強制水冷機構を有する 続鋳造機などを用いると良い。

 アルミニウム合金溶湯にTiやBを添加する 合には、TiやBを鋳造直前に添加すると、効 的に結晶組織を微細化することができる。

 次いで、アルミニウム合金導体を形成す 。この工程では、鋳造して得られたアルミ ウム合金を塑性加工して、アルミニウム合 素線を形成する。アルミニウム合金導体は 形成された素線1本のみからなるものであっ ても良いし、複数の素線を撚り合わせた撚線 であっても良い。

 具体的には、まず、鋳造して得られたア ミニウム合金を圧延してワイヤーロッドを 製し、その後、伸線加工により所望の素線 になるまで伸線する。圧延は、タンデムに 続された熱間圧延機などにより行ない、連 鋳造圧延法によって行なうと良い。例えば ベルト-ホイール式の連続鋳造圧延機などを 用いることができる。伸線加工は、冷間加工 にて行なうと良い。

 次いで、アルミニウム合金導体を軟化処 する。アルミニウム合金導体を軟化処理す ことにより、十分な屈曲性や柔軟性を確保 ることができる。この工程では、アルミニ ム合金導体を熱処理する。処理温度として 、250℃以上が好ましい。より好ましくは、3 00~400℃である。処理温度が250℃未満では、導 体が十分に軟化されにくい。次いで、加熱さ れたアルミニウム合金導体を冷却する。

 複数の素線を撚り合わせた撚線でアルミ ウム合金導体を形成する場合には、撚り合 せ前の素線の段階で、あるいは撚り合わせ の導体の段階で、もしくは、両段階で、軟 処理を行なうことができる。

 軟化処理としては、バッチ式軟化処理、 続軟化処理のいずれの方法であっても良い より好ましくは、バッチ式軟化処理である 軟化処理がバッチ式軟化処理であると、軟 後の冷却において徐冷できる。そのため、 溶しているFeが析出しやすい。また、連続 化処理と比較して軟化温度を低くできる。 のため、冷却時に析出したFeは再固溶しにく い。したがって、これにより得られたアルミ ニウム合金導体は、固溶状態にあるFeの量が ないため、より一層、導電性に優れる。ま 、伸びの低下が抑えられ、耐屈曲性および 衝撃性にも優れる。

 バッチ式軟化処理は、ベル型、ポット型 箱型等のバッチ式軟化炉を用いて行なうこ ができる。バッチ式軟化処理においては、 熱温度は250~400℃の範囲内であることが好ま しい。また、軟化温度から150℃に冷却するま での冷却時間は10分以上であることが好まし 。このような処理条件であれば、確実に、 溶状態にあるFeの量を少なくし、Al-Fe析出物 を多くすることができる。加熱されたアルミ ニウム合金導体は、例えば、炉冷、空冷など の方法により冷却(徐冷)することができる。

 また、軟化処理としては、通電連続軟化 、高周波誘導加熱連続軟化炉などの連続軟 炉を用いることもできる。この場合、電線 手方向での特性のばらつきを抑えることが きる。また、連続して加熱-急冷することが 可能となるので、電線のような長尺なものに 特に好適となる。

 軟化処理は、非酸化性雰囲気下で行なう 良い。軟化処理時の熱によりアルミ素線の 面に酸化被膜が増大するのを抑え、端子接 部での接触抵抗の増大を抑制することがで る。非酸化性雰囲気にするには、系内を、 空(減圧)状態にするか、窒素やアルゴンな の不活性ガス雰囲気下にするか、または、 素含有ガスや炭酸ガス含有ガスなどの還元 ガス雰囲気下にすると良い。

 次いで、アルミニウム合金導体よりアル 電線を形成する。この工程では、必要に応 て、アルミニウム合金導体の外形を円形に 縮加工すると良い。圧縮加工すれば、電線 をより小さくすることができる。作製した ルミニウム合金導体に絶縁材料を被覆すれ 、アルミ電線が完成する。

 以下、本発明を実施例を用いてより具体 に説明する。

(実施例1~5)
 表1に示す合金組成となるように溶製したア ルミニウム合金溶湯を、ベルト-ホイール式 連続鋳造圧延機により鋳造と熱間圧延を行 い、φ9.5mmのワイヤーロッドを作製した。得 れたワイヤーロッドに冷間伸線加工を施し 、φ0.23mmのアルミニウム合金素線を作製し 。得られたアルミニウム合金素線を19本撚り 合わせた後に、バッチ式軟化炉を用いて、表 1に示す条件で5時間加熱処理した。次いで、 冷により、高温状態にあるアルミニウム合 導体を徐冷した。この際、軟化温度(300℃ま たは350℃)から150℃に冷却するまでの冷却時 を60分とした。以上により、アルミニウム合 金導体を作製した。この導体の外周にハロゲ ンフリー絶縁材料を0.2mm厚に被覆して、実施 1~5に係るアルミ電線を得た。

(実施例6)
 通電連続軟化炉を用いて連続軟化処理を行 った点以外は、実施例1~5と同様にして、実 例6に係るアルミ電線を得た。この際、軟化 温度(500℃)から150℃に冷却するまでの冷却時 は、1秒以下であった。

(実施例7)
 ビレット鋳造機を用いてビレット鋳造を行 った点以外は、実施例6と同様にして、実施 例7に係るアルミ電線を得た。

(実施例8)
 ビレット鋳造機を用いてビレット鋳造を行 った点以外は、実施例1~5と同様にして、実 例8に係るアルミ電線を得た。

(比較例1~4)
 表1に示す合金組成とし、実施例1~5と同様に して、各々アルミ電線を得た。

(比較例5)
 表1に示す合金組成とし、軟化処理を行なわ なかった点以外は、実施例1~5と同様にして、 アルミ電線を得た。

 各々得られたアルミニウム合金素線につい 、引張強度、破断伸び、導電率を測定した また、0.75mm 2 電線での加工性、吸収衝撃エネルギー、端子 固着力、耐屈曲性を調べた。これらの結果を 表1に示す。また、実施例5および実施例6に係 るアルミニウム合金素線について、径方向の 断面をTEM(透過型電子顕微鏡)により観察し、A l-Fe析出物の量を測定した。この際、Al-Fe析出 物が観察される場所を5視野観察し、2400×2600n mの範囲内におけるAl-Fe析出物の量をそれぞれ 計数し、5視野の平均値とした。図5および図6 には、実施例5および実施例6について、2400×2 600nmの範囲を撮影した写真を示した。

 (引張強度)
 JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に準拠し 、汎用引張試験機にて測定した。110MPa以上 合格とした。

 (破断伸び)
 JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に準拠し 、汎用引張試験機にて測定した。15%以上を 格とした。

 (導電率)
 ブリッジ法にて測定した。58%IACS(万国軟銅 準)以上を合格とした。

 (加工性)
 熱間圧延加工時および冷間伸線加工時の加 性を評価した。熱間圧延加工時の加工性評 は、φ9.5mmワイヤーロッドの探傷機による検 出カウント数で評価した。また、冷間伸線加 工時の加工性評価は、断線回数/伸線後線材 さの大小で評価した。それぞれ従来電線用 ルミ線材(ECアルミ)軟質材と同等以上の場合 「○」とし、それより劣る場合を「×」と た。

 (吸収衝撃エネルギー)
 評点間距離1mの電線導体の先端に錘を取付 、1m上方に持ち上げた後に自由落下させ、電 線が破断しない最大の錘重量がW(N)のとき、W( J/m)とした。破断までの衝撃エネルギー吸収 (耐衝撃エネルギー)10J/m以上を合格とした。

 (端子固着力)
 電線端末の絶縁体を剥ぎ端子を圧着し、端 と電線をチャッキングした状態で汎用引張 験機にて破断時の最大荷重を測定した。50N 上のものを合格とした。

 (耐屈曲性)
 マンドレル式90°両側折り曲げ屈曲試験にお いて、従来の電気用アルミ線材(ECアルミ)軟 材に比べ2倍以上の寿命を有するものを合格 した。

 表1から明らかなように、実施例では、材 料の引張強度、破断伸び、導電率に優れ、電 線での加工性、耐衝撃性、端子固着力、耐屈 曲性に優れることが分かった。また、導電率 が58%IACS以上であり、アルミニウム合金を用 ることにより従来の銅電線と比較して軽量 されている。

 そして、実施例5と実施例6とを比較する 、バッチ式軟化処理であれば、より一層、 電性に優れるとともに、伸びの低下も抑え れることが確認できた。実施例7と実施例8と を比較した場合にも、同様のことがいえる。 また、図5および図6から、バッチ式軟化処理 場合には、連続軟化処理の場合と比較して Al-Fe析出物の量が非常に多いことが確認で た。観測範囲内において、Al-Fe析出物の量は 、図5(バッチ式軟化処理)では18個であり、図6 (連続軟化処理)では3個であった。

 なお、図5および図6は、それぞれ、バッ 式軟化処理および連続軟化処理したアルミ ウム合金素線の断面を観測した一例を示す のであり、他の実施例においても同様の傾 が見られていることを確認している。

 さらに、実施例5と実施例8とを比較する 、ビレット鋳造と比較して連続鋳造の場合 は、さらに伸びの低下が抑えられている。 施例6と実施例7とを比較した場合にも、同様 のことがいえる。

 これに対し、比較例1では、アルミニウム 合金のFeおよびMgの含有量が少なく、引張強 に劣っている。これにより、端子固着力、 屈曲性に劣っている。比較例2では、アルミ ウム合金のFeおよびMgの含有量が多く、破断 伸び、導電率に劣っている。これにより、加 工性、耐衝撃性に劣っている。比較例3では アルミニウム合金のMgの含有量が少なく、引 張強度に劣っている。これにより、端子固着 力に劣っている。比較例4では、アルミニウ 合金のMgの含有量が多く、破断伸び、導電率 に劣っている。これにより、耐衝撃性に劣っ ている。比較例5では、軟化処理を行なって ないため、アルミニウム合金素線が軟質に っていない。そのため、破断伸びが非常に っている。これにより、耐衝撃性に劣って る。

 以上、本発明の実施の形態について詳細 説明したが、本発明は上記実施の形態に何 限定されるものではなく、本発明の要旨を 脱しない範囲で種々の改変が可能である。

 例えば上記実施例において、電線素線19 を撚り合わせた電線導体について示してい が、特にこれに限定されるものではない。