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Title:
AMINE-TYPE POLYMERIC COMPOUND, AND LIGHT-EMITTING ELEMENT COMPRISING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069523
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polymeric compound having a constituent unit represented by formula (1a), wherein ring A and ring B independently represent an aromatic hydrocarbon ring which may have a substituent; R1 represents a group represented by formula (2); and R2 represents an aryl group or a univalent aromatic heterocyclic group which may be substituted by an alkyl group or the like. In formula (2), Ar1 to Ar3 independently represent an arylene group or a bivalent group to which two or more arylene groups are attached via a single bond; Ar4 to Ar7 independently represent an aryl group or a univalent aromatic heterocyclic group; R6 represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or a univalent aromatic heterocyclic group; Ar1 to Ar7 and R6 may be substituted by an alkyl group or the like; and k and kk independently represent an integer of 0 to 3, provided that at least one of k and kk represents an integer of 1 to 3.

Inventors:
OHUCHI KAZUEI (JP)
ANRYU MAKOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071068
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO CHEMICAL CO (JP)
SUMATION CO LTD (JP)
OHUCHI KAZUEI (JP)
ANRYU MAKOTO (JP)
International Classes:
C08G61/10; C07C205/12; C07C209/10; C07C209/18; C07C211/52; C07C211/56; C09K11/06; H01L51/50
Domestic Patent References:
WO2005100437A12005-10-27
WO2002092723A12002-11-21
Foreign References:
JP2002252085A2002-09-06
JP2007031704A2007-02-08
JP2004500463A2004-01-08
JP2004162059A2004-06-10
JP2004315495A2004-11-11
JP2002363147A2002-12-18
JP2007246400A2007-09-27
JP2007291058A2007-11-08
JP2009013096A2009-01-22
US20050186444A12005-08-25
JP2004500463A2004-01-08
JP2007031704A2007-02-08
Other References:
ADVANCED MATERIALS, vol. 12, no. 23, 2000, pages 1737 - 1750
CHEM. REV., vol. 95, 1995, pages 2457 - 2483
BULL. CHEM. SOC. JPN., vol. 51, 1978, pages 2091
PROGRESS IN POLYMER SCIENCE, vol. 17, 1992, pages 1153 - 1205
EUROPEAN POLYMER JOURNAL, vol. 41, 2005, pages 2923 - 2933
See also references of EP 2216356A4
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (New Ohtemachi Bldg. 2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 下記式(1a)で表される構成単位を含む高分子化合物:
(式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表す。R1は下記式(2)で表される基である。R2はアリール基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。)
(式中、Ar1、Ar2及びAr3はそれぞれ独立に、アリーレン基、又は同一若しくは異なる2個以上のアリーレン基が単結合で結合した2価の基を表す。Ar4、Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳香族複素環基を表す。Ar3、Ar6及びAr7で表される基から選ばれる基は、該基と同一の窒素原子に結合するAr1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7で表される基から選ばれる基と、互いに単結合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R6)-、-C(=O)-N(R6)-若しくは-C(R6)(R6)-で結合して、5~7員環を形成していてもよい。R6は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は1価の芳香族複素環基を表す。Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7及びR6で表される基は、各々、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。k及びkkはそれぞれ独立に、0~3の整数であるが、k及びkkの少なくとも一方は1~3の整数である。Ar2、Ar3、Ar6、Ar7及びR6のうち複数存在するものは、同一であっても異なっていてもよい。)。
 前記式(1a)で表される構成単位が下記式(1)で表されるものである請求項1に記載の高分子化合物:
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。R3a、R4a、R5a、R3b、R4b及びR5bはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、-N(R8)(R9)、フッ素原子又はシアノ基を表す。R8及びR9はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は1価の芳香族複素環基を表す。R3a、R4a、R5a、R3b、R4b、R5b、R8及びR9で表されるアリール基及び1価の芳香族複素環基は、各々、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。R3aとR4a、R3bとR4b、R3aとR3b、及びR8とR9は、各々、一緒になって環を形成していてもよい。)。
 前記R1で表される基の式量が2000以下である請求項1又は2に記載の高分子化合物。
 前記R2が、アルキル基若しくはアリール基で置換されたアリール基、又は非置換のアリール基である請求項1~3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
 前記R2で表される基の式量が500以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の高分子化合物。
 前記kの値と前記kkの値の和が1~4の整数である請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子化合物。
 さらに、下記式(3)~(5)で表される構成単位から選ばれる構成単位を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の高分子化合物:
(式中、Ar8及びAr16はそれぞれ独立に、アリーレン基、若しくは2価の芳香族複素環基、又は該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が単結合で結合した2価の基を表す。Ar9、Ar10、Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、アリーレン基、又は同一若しくは異なる2個以上のアリーレン基が単結合で結合した2価の基を表す。Ar13、Ar14及びAr15はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳香族複素環基を表す。Ar8及びAr16で表されるアリーレン基、2価の芳香族複素環基及び2価の基は、各々、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、-N(R8)(R9)、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。Ar9、Ar10、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14及びAr15で表される基は、各々、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。Ar11、Ar14及びAr15で表される基から選ばれる基は、該基と同一の窒素原子に結合するAr9、Ar10、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14及びAr15で表される基から選ばれる基と、互いに単結合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R6)-、-C(=O)-N(R6)-若しくは-C(R6)(R6)-で結合して、5~7員環を形成していてもよい。m及びmmはそれぞれ独立に、0又は1である。X1は、-C(R7)=C(R7)-又は-C≡C-を表す。R7はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基を表す。R7で表される基は、置換基を有していてもよい。Ar10、Ar11、Ar14及びAr15のうち複数存在するものは、同一であっても異なっていてもよい。R6、R8及びR9は、前記と同じ意味を表す。)。
 全構成単位の合計モル数に対する、前記式(1a)で表される構成単位、前記式(3)で表される構成単位、前記式(4)で表される構成単位、及び前記式(5)で表される構成単位の合計モル数が90~100%である請求項7に記載の高分子化合物。
 ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103~1×108である請求項1~8のいずれか一項に記載の高分子化合物。
 下記式(A)で表される化合物:
(式中、R1、R2、R3a、R4a、R5a、R3b、R4b及びR5bは前記と同じ意味を有する。Xa及びXbはそれぞれ独立に、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、-O-S(=O)2R20、-B(OR21)2、-BF4Q1、-Sn(R22)3、-MgY1又は-ZnY1を表す。R20は、アルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を表す。R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。2個あるR21は同一であっても異なっていてもよく、一緒になって環を形成していてもよい。3個あるR22は同一であっても異なっていてもよく、一緒になって環を形成していてもよい。Q1は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムの1価の陽イオンを表す。Y1は、臭素原子、ヨウ素原子又は塩素原子を表す。)。
 下記式(B)で表される化合物:
(式中、R2、R3a、R4a、R5a、R3b、R4b、R5b、Xa及びXbは前記と同じ意味を表す。Ar17は、アリーレン基を表す。Ar17で表されるアリーレン基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。)。
 下記式(C)で表される化合物:
(式中、R2、R3a、R4a、R5a、R3b、R4b、R5b、Xa、Xb及びAr17は前記と同じ意味を表す。)。
 前記式(B)で表される化合物と下記式(E)で表される化合物とを反応させることを含む前記式(A)で表される化合物の製造方法:
(式中、Ar21は、アリーレン基、又は同一若しくは異なる2個以上のアリーレン基が単結合で結合した2価の基を表す。Ar21で表されるアリーレン基及び2価の基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。Ar22及びAr23はそれぞれ独立に、アリール基、又は1価の芳香族複素環基を表す。Ar22及びAr23で表されるアリール基及び1価の芳香族複素環基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。Ar21、Ar22及びAr23で表される基から選ばれる同一の窒素原子に結合する2つの基は、互いに単結合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R6)-、-C(=O)-N(R6)-若しくは-C(R6)(R6)-で結合して、5~7員環を形成していてもよい。nは0~2の整数である。Ar21及びAr23のうち複数存在するものは、同一であっても異なっていてもよい。R6は前記と同じ意味を表す。)。
 下記式(D)で表される化合物と下記式(F)で表される化合物とを反応させることを含む前記式(A)で表される化合物の製造方法:
(式中、R2、R3a、R4a、R5a、R3b、R4b、R5b、Xa及びXbは前記と同じ意味を表す。)。
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、k及びkkは、前記と同じ意味を表す。)。
 請求項1~9のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する組成物。
 請求項1~9のいずれか一項に記載の高分子化合物と溶媒とを含有する溶液。
 請求項1~9のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する薄膜。
 陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に設けられた請求項1~9のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する有機層とを有する発光素子。
 請求項18に記載の発光素子を備えてなる面状光源。
 請求項18に記載の発光素子を備えてなる表示装置。
Description:
アミン系高分子化合物及びそれ 用いた発光素子

 本発明は、アミン系高分子化合物及びそ を用いた発光素子に関する。

 フルオレン構造の9位にアルキル基が2つ 入された9,9-ジアルキルフルオレン等のフル レン構造を含有する高分子化合物は、発光 子(高分子LED等)等に有用であることが知ら ている(非特許文献1)。また、発光効率が優 た高分子化合物として、前記フルオレン構 の9位にトリフェニルアミン等のアミン骨格 2つ導入された高分子化合物が提案されてい る(特許文献1、2)。

特表2004-500463号公報

特開2007-031704号公報 Advanced Materials 2000,12(23),1737-1750

 しかし、上記高分子化合物は、発光素子 作製に用いた場合、該発光素子の色度を考 した時の発光効率の指標となる外部量子収 が十分ではなかった。

 そこで、本発明の目的は、発光素子等の 製に用いた場合、得られる発光素子の外部 子収率が優れたものとなる高分子化合物を 供することである。

 本発明は第一に、下記式(1a)で表される構成 単位を含む高分子化合物を提供する。
(式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基 を有していてもよい芳香族炭化水素環を表す 。R 1 は下記式(2)で表される基である。R 2 はアリール基又は1価の芳香族複素環基を表 、これらの基は、アルキル基、アルコキシ 、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置 カルボキシル基、アリール基、アリールオ シ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価 芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基 置換されていてもよい。)
(式中、Ar 1 、Ar 2 及びAr 3 はそれぞれ独立に、アリーレン基、又は同一 若しくは異なる2個以上のアリーレン基が単 合で結合した2価の基を表す。Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 及びAr 7 はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳 族複素環基を表す。Ar 3 、Ar 6 及びAr 7 で表される基から選ばれる基は、該基と同一 の窒素原子に結合するAr 1 、Ar 2 、Ar 3 、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 及びAr 7 で表される基から選ばれる基と、互いに単結 合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R 6 )-、-C(=O)-N(R 6 )-若しくは-C(R 6 )(R 6 )-で結合して、5~7員環を形成していてもよい R 6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又 は1価の芳香族複素環基を表す。Ar 1 、Ar 2 、Ar 3 、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 、Ar 7 及びR 6 で表される基は、各々、アルキル基、アルコ キシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基 、置換カルボキシル基、アリール基、アリー ルオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基 、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシ ノ基で置換されていてもよい。k及びkkはそ ぞれ独立に、0~3の整数であるが、k及びkkの なくとも一方は1~3の整数である。Ar 2 、Ar 3 、Ar 6 、Ar 7 及びR 6 のうち複数存在するものは、同一であっても 異なっていてもよい。)

 本発明は第二に、下記式(A)で表される化合 を提供する。
(式中、R 1 、R 2 、R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 及びR 5b は前記と同じ意味を表し、X a 及びX b はそれぞれ独立に、臭素原子、ヨウ素原子、 塩素原子、-O-SO 2 R 20 、-B(OR 21 ) 2 、-BF 4 Q 1 、-Sn(R 22 ) 3 、-MgY 1 又は-ZnY 1 を表す。R 20 はアルキル基又はアリール基を表す。R 20 で表されるアリール基は、アルキル基、アル コキシ基、ニトロ基、フッ素原子又はシアノ 基で置換されていてもよい。R 21 、R 22 はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を 表し、Q 1 は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ ジウム又はセシウムの1価の陽イオンを表し Y 1 は臭素原子、ヨウ素原子又は塩素原子を表す 。2つのR 21 は互いに同一でも異なっていてもよく、一緒 になって環を形成していてもよく、3つのR 22 は互いに同一でも異なっていてもよく、一緒 になって環を形成していてもよい。)

 本発明は第三に、下記式(B)で表される化合 を提供する。
(式中、R 2 、R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 、R 5b 、X a 及びX b は前記と同じ意味を表す。Ar 17 は、アリーレン基を表す。Ar 17 で表されるアリーレン基は、アルキル基、ア ルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニ ル基、置換カルボキシル基、アリール基、ア リールオキシ基、アリールチオ基、アラルキ ル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又 シアノ基で置換されていてもよい。)

 本発明は第四に、下記式(C)で表される化合 を提供する。
(式中、R 2 、R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 、R 5b 、X a 、X b 及びAr 17 は前記と同じ意味を表す。)

 本発明は第五に、前記式(B)で表される化合 と下記式(E)で表される化合物とを反応させ ことを含む前記式(A)で表される化合物の製 方法を提供する。
(式中、Ar 21 は、アリーレン基、又は同一若しくは異なる 2個以上のアリーレン基が単結合で結合した2 の基を表す。Ar 21 で表されるアリーレン基及び2価の基は、ア キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、 換カルボニル基、置換カルボキシル基、ア ール基、アリールオキシ基、アリールチオ 、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、フ 素原子又はシアノ基で置換されていてもよ 。Ar 22 及びAr 23 はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳 族複素環基を表す。Ar 22 及びAr 23 で表されるアリール基及び1価の芳香族複素 基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキ チオ基、置換カルボニル基、置換カルボキ ル基、アリール基、アリールオキシ基、ア ールチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複 環基、フッ素原子又はシアノ基で置換され いてもよい。Ar 21 、Ar 22 及びAr 23 で表される基から選ばれる同一の窒素原子に 結合する2つの基は、互いに単結合で、又は-O -、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R 6 )-、-C(=O)-N(R 6 )-若しくは-C(R 6 )(R 6 )-で結合して、5~7員環を形成していてもよい nは0~2の整数である。Ar 21 及びAr 23 のうち複数存在するものは、同一であっても 異なっていてもよい。R 6 は前記と同じ意味を表す。)

 本発明は第六に、下記式(D)で表される化合 と下記式(F)で表される化合物とを反応させ ことを含む前記式(A)で表される化合物の製 方法を提供する。
(式中、R 2 、R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 、R 5b 、X a 及びX b は前記と同じ意味を表す。)
(式中、Ar 1 、Ar 2 、Ar 3 、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 、Ar 7 、k及びkkは、前記と同じ意味を表す。)

 本発明は第七に、前記高分子化合物を含 する組成物、前記高分子化合物と溶媒とを 有する溶液、及び前記高分子化合物を含有 る薄膜を提供する。

 本発明は第八に、陽極及び陰極からなる 極と、該電極間に設けられた前記高分子化 物を含有する有機層とを有する発光素子、 びに該発光素子を備えてなる面状光源及び 示装置を提供する。

 本発明の高分子化合物は、高分子LED等の発 素子の製造に用いた場合、得られる発光素 の外部量子収率が優れるものである。さら 、通常、本発明の高分子化合物は、耐熱性 優れるものであり、発光素子の材料として 用である。また、本発明の好ましい実施形 では、本発明の高分子化合物は、良好な青 発光を示すため、発光素子の発光層の材料 して有用である。
 本発明の高分子化合物を用いた発光素子は 液晶ディスプレイのバックライト、照明用 しての曲面状や平面状の光源、セグメント イプの表示素子、ドットマトリックスのフ ットパネルディスプレイ等の表示装置に有 である。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本明細書において、「構成単位」とは、高 子化合物中に1個以上存在する単位を意味す るが、本明細書中の「構成単位」は、「繰り 返し単位」(即ち、高分子化合物中に2個以上 在する単位)として高分子化合物中に含まれ ることが好ましい。「n価の芳香族複素環基 (nは1又は2である)とは、芳香族性を持つ複素 環式化合物からn個の水素原子を除いた原子 であって、縮合環を有するものも含むこと 意味する。「複素環式化合物」とは、環式 造を持つ有機化合物のうち、環を構成する 子が、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫 原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、 イ素原子等のヘテロ原子を含むものをいう 「芳香族複素環式化合物」とは、オキサジ ゾール、チアジアゾール、チアゾール、オ サゾール、チオフェン、ピロール、ホスホ ル、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミ ン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、 ソキノリン、カルバゾール、ジベンゾシロ ル、ジベンゾホスホール等の前記ヘテロ原 を含む複素環式化合物であり、該複素環自 が芳香族性を示すもの;フェノキサジン、フ ノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾ ロール、ベンゾピラン等の前記ヘテロ原子 含む複素環それ自体は芳香属性を示さなく も、該複素環に芳香環が縮環されているも を意味する。

 <高分子化合物>
 -式(1a)で表される構成単位-
 本発明の高分子化合物は、前記式(1a)で表さ れる構成単位を含む。本発明の高分子化合物 に含まれる前記式(1a)で表される構成単位は 1種以上であればよい。

 前記式(1a)中、A環及びB環で表される芳香 炭化水素環は、通常、芳香環を構成する炭 数が6~14のものである。前記芳香族炭化水素 環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フ ルオレン環、アントラセン環、フェナントレ ン環等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環 は、置換基を有していてもよい。なお、前記 A環及びB環上にはそれぞれ結合手が存在する

 前記式(1a)中、R 2 で表されるアリール基は、芳香族炭化水素か ら水素原子1個を除いた原子団であり、縮合 を有するものを含む。前記アリール基は、 素数が通常6~60程度であり、好ましくは6~48で あり、より好ましくは6~20であり、さらに好 しくは6~14である。該炭素数には置換基の炭 数は含まれない。前記アリール基としては フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、 1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9- アントラセニル基、1-テトラセニル基、2-テ ラセニル基、5-テトラセニル基、1-ピレニル 、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-ペリレニ 基、3-ペリレニル基、2-フルオレニル基、3- ルオレニル基、4-フルオレニル基、1-ビフェ ニレニル基、2-ビフェニレニル基、2-フェナ スレニル基、9-フェナンスレニル基、6-クリ ニル基、1-コロネニル基等が挙げられる。 記アリール基は、アルキル基、アルコキシ 、アルキルチオ基、置換カルボニル基、置 カルボキシル基、アリール基、アリールオ シ基、アリールチオ基、アラルキル基、1価 芳香族複素環基、フッ素原子、シアノ基で 換されていてもよい。

 前記式(1a)中、R 2 で表される1価の芳香族複素環基は、炭素数 通常3~60程度であり、好ましくは3~20である。 該炭素数には置換基の炭素数は含まれない。 前記1価の芳香族複素環基としては、2-オキサ ジアゾール基、2-チアジアゾール基、2-チア ール基、2-オキサゾール基、2-チエニル基、2 -ピロリル基、2-フリル基、2-ピリジル基、3- リジル基、4-ピリジル基、2-ピラジル基、2- リミジル基、2-トリアジル基、3-ピリダジル 、キノリル基、イソキノリル基、2-カルバ リル基、3-カルバゾリル基、2-フェノキサジ ル基、3-フェノキサジニル基、2-フェノチア ジニル基、3-フェノチアジニル基等が挙げら る。前記1価の芳香族複素環基は、アルキル 基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カ ルボニル基、置換カルボキシル基、アリール 基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ア ラルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素 子又はシアノ基等で置換されていてもよい なお、前記1価の芳香族複素環基は、前記式( 2)で表される基とは異なる。

 ・置換基の説明
 前記アルキル基は、直鎖、分岐又は環状の ずれでもよく、炭素数が通常1~20程度である 。前記アルキル基としては、メチル基、エチ ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル 基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基 イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシ 基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘ シル基、ノニル基、デシル基、3,7-ジメチル クチル基、ドデシル基、トリフルオロメチ 基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオ ブチル基、パーフルオロヘキシル基、パー ルオロオクチル基等が挙げられる。

 前記アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環 のいずれでもよく、炭素数が通常1~20程度で ある。前記アルコキシ基としては、メトキシ 基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプ ロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ 基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキ ルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘ チルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチ ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシ オキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、 デシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基 ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ トキシ基、パーフルオロヘキシル基、パー ルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ 、2-メトキシエチルオキシ基、2-エトキシエ チルオキシ基等が挙げられる。

 前記アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は 状のいずれでもよく、炭素数が通常1~20程度 である。前記アルキルチオ基としては、ブチ ルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基 、2-エチルヘキシルチオ基、3,7-ジメチルオク チルチオ基、ドデシルチオ基等が挙げられる 。

 前記置換カルボニル基は、炭素数が通常2 ~60程度である。前記置換カルボニル基として は、アルキル基、アリール基、アラルキル基 又は1価の芳香族複素環基で置換されたカル ニル基が挙げられ、アセチル基、ブチリル 、ベンゾイル基等が好ましい。

 前記置換カルボキシル基は、炭素数が通 2~60程度である。前記置換カルボキシル基と しては、アルキル基、アリール基、アラルキ ル基又は1価の芳香族複素環基で置換された ルボキシル基が挙げられ、メトキシカルボ ル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカ ボニル基、フェノキシカルボニル基、ベン ルオキシカルボニル基等が好ましい。

 前記アリール基は、R 2 で表されるアリール基の項で説明し例示した ものと同じである。

 前記アリールオキシ基は、炭素数が通常6~60 程度である。前記アリールオキシ基としては 、フェノキシ基、C 1 ~C 12 アルコキシフェノキシ基(「C 1 ~C 12 アルコキシ」は、アルコキシ部分の炭素数1~1 2であることを示し、以下、同様である)、C 1 ~C 12 アルキルフェノキシ基(「C 1 ~C 12 アルキル」は、アルキル部分の炭素数1~12で ることを示し、以下、同様である)、1-ナフ ルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、ペンタフ ルオロフェニルオキシ基等が挙げられる。

 前記アリールチオ基は、炭素数が通常6~60程 度である。前記アリールチオ基としては、フ ェニルチオ基、C 1 ~C 12 アルコキシフェニルチオ基、C 1 ~C 12 アルキルフェニルチオ基、1-ナフチルチオ基 2-ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニ チオ基等が挙げられる。

 前記アラルキル基は、炭素数が通常7~60程度 である。前記アラルキル基としては、フェニ ル-C 1 ~C 12 アルキル基、C 1 ~C 12 アルコキシフェニル-C 1 ~C 12 アルキル基、C 1 ~C 12 アルキルフェニル-C 1 ~C 12 アルキル基、1-ナフチル-C 1 ~C 12 アルキル基、2-ナフチル-C 1 ~C 12 アルキル基等が挙げられる。

 前記式(1a)中、R 2 で表される基としては、前記アリール基が好 ましく、本発明の高分子化合物の有機溶媒へ の溶解性と耐熱性とのバランス等の観点から は、アルキル基、アルコキシ基若しくはアリ ール基で置換されたアリール基、又は非置換 のアリール基がより好ましく、アルキル基若 しくはアリール基で置換されたアリール基、 又は非置換のアリール基がさらに好ましく、 フェニル基、4-トリル基、4-ブチルフェニル 、4-t-ブチルフェニル基、4-ヘキシルフェニ 基、4-オクチルフェニル基、4-(2-エチルヘキ ル)フェニル基、4-(3,7-ジメチルオクチル)フ ニル基、3-トリル基、3-ブチルフェニル基、 3-t-ブチルフェニル基、3-ヘキシルフェニル基 、3-オクチルフェニル基、3-(2-エチルヘキシ )フェニル基、3-(3,7-ジメチルオクチル)フェ ル基、3,5-ジメチルフェニル基、3,5-ジ-(t-ブ ル)フェニル基、3,4-ジヘキシルフェニル基、 3,4-ジオクチルフェニル基、1-ナフチル基、2- フチル基、2-フルオレニル基、9,9-ジヘキシ -2-フルオレニル基、9,9-ジオクチル-2-フルオ レニル基、4-(4’-t-ブチルビフェニル)基が特 好ましい。

 前記式(1a)中、R 2 で表される基は、本発明の高分子化合物の合 成の容易さの観点から、前記R 2 で表される基の式量(即ち、R 2 で表される基1モルあたりのグラム数)が、500 下であることが好ましく、300以下であるこ がより好ましく、200以下であることがさら 好ましい。その下限は、通常、77である。

 次に、前記式(1a)中、R 1 で表される「前記式(2)で表される基」を説明 する。
 前記式(1a)中、本発明の高分子化合物の合成 の容易さの観点から、前記R 1 で表される基の式量(即ち、R 1 で表される基1モル当たりのグラム数)は、2000 以下であることが好ましく、1500以下である とがより好ましく、1200以下であることがさ に好ましい。その下限は、通常、407である

 前記式(2)中、Ar 1 ~Ar 3 で表される前記アリーレン基は、芳香族炭化 水素から水素原子2個を除いた原子団を意味 、縮合環を有するものを含む。前記アリー ン基は、炭素数が通常6~60程度である。該炭 数には置換基の炭素数は含まれない。前記 リーレン基としては、1,4-フェニレン基、1,3 -フェニレン基、1,2-フェニレン基等のフェニ ン基;ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン- 1,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基等のナ フタレンジイル基;アントラセン-1,4-ジイル基 、アントラセン-1,5-ジイル基、アントラセン- 2,6-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイル基等 アントラセンジイル基;フェナントレン-2,7- イル基等のフェナントレンジイル基;ナフタ ン-1,7-ジイル基、ナフタセン-2,8-ジイル基等 のナフタセンジイル基;フルオレン-2,7-ジイル 基、7H-ベンゾ[c]フルオレン-5,9-ジイル基、6,12 -ジヒドロ-インデノ[1,2-b]フルオレン-2,8-ジイ 基等のフルオレンジイル基が挙げられる。 記アリーレン基は、アルキル基、アルコキ 基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、 換カルボキシル基、アリール基、アリール キシ基、アリールチオ基、アラルキル基、1 価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシアノ 基等で置換されていてもよい。

 前記式(2)中、Ar 1 ~Ar 3 で表される同一若しくは異なる2個以上のア ーレン基が単結合で結合した2価の基として 、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3 ,4’-ジイル基、ビフェニル-3,3’-ジイル基等 ビフェニルジイル基;[1,1’;4’,1”]ターフェ ニル-4,4”-ジイル基等のターフェニルジイル が挙げられる。前記2価の基は、アルキル基 、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カル ボニル基、置換カルボキシル基、アリール基 、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラ ルキル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原 又はシアノ基等で置換されていてもよい。

 前記式(2)中、Ar 1 、Ar 2 及びAr 3 としては、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン 、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5- ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、アント セン-2,6-ジイル基、アントラセン-9,10-ジイ 基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,9-ジア キルフルオレン-2,7-ジイル基、9,9-ジアリー フルオレン-2,7-ジイル基、7,7-ジアルキル-ベ ゾ[c]フルオレン-5,9-ジイル基、7,7-ジアリー -ベンゾ[c]フルオレン-5,9-ジイル基、6,6,12,12- テトラアルキル-インデノ[1,2-b]フルオレン-2,8 -ジイル基、6,6,12,12-テトラアリール-インデノ [1,2-b]フルオレン-2,8-ジイル基、ビフェニル-4, 4’-ジイル基、ビフェニル-3,4’-ジイル基、 フェニル-3,3’-ジイル基、[1,1’;4’,1”]ター フェニル-4,4”-ジイル基が好ましい。Ar 1 としては、本発明の高分子化合物の合成の容 易さの観点から、1,4-フェニレン基、1,3-フェ レン基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフ ニル-3,4’-ジイル基、ビフェニル-3,3’-ジイ 基が特に好ましい。Ar 2 及びAr 3 としては、本発明の高分子化合物の耐熱性及 び合成の容易さの観点から、1,4-フェニレン 、1,3-フェニレン基、アントラセン-9,10-ジイ 基、9,9-ジアルキルフルオレン-2,7-ジイル基 9,9-ジアリールフルオレン-2,7-ジイル基、ビ ェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3,3’-ジ イル基、[1,1’;4’,1”]ターフェニル-4,4”-ジ ル基が特に好ましい。

 前記式(2)中、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 及びAr 7 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 は、前記R 2 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(2)中、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 及びAr 7 としては、本発明の高分子化合物の耐熱性の 観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリ ール基で置換されたアリール基、又は非置換 のアリール基が好ましく、アルキル基、アリ ール基で置換されたアリール基、又は非置換 のアリール基がより好ましく、フェニル基、 C 1 ~C 12 アルコキシフェニル基、C 1 ~C 12 アルキルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフ ル基、C 1 ~C 12 アルキルビフェニル基がさらに好ましく、C 1 ~C 12 アルキルフェニル基、C 1 ~C 12 アルキルビフェニル基が特に好ましい。
 前記C 1 ~C 12 アルキルフェニル基としては、4-トリル基、4 -ブチルフェニル基、4-t-ブチルフェニル基、4 -ヘキシルフェニル基、4-オクチルフェニル基 、4-(2-エチルヘキシル)フェニル基、4-(3,7-ジ チルオクチル)フェニル基、3-トリル基、3-ブ チルフェニル基、3-t-ブチルフェニル基、3-ヘ キシルフェニル基、3-オクチルフェニル基、3 -(2-エチルヘキシル)フェニル基、3-(3,7-ジメチ ルオクチル)フェニル基、3,5-ジメチルフェニ 基、3,5-ジ-(t-ブチル)フェニル基、3,4-ジヘキ シルフェニル基、3,4-ジオクチルフェニル基 1-ナフチル基、2-ナフチル基、2-フルオレニ 基、9,9-ジヘキシル-2-フルオレニル基、9,9-ジ オクチル-2-フルオレニル基等が挙げられる。 前記C 1 ~C 12 アルキルビフェニル基としては、4-(4’-t-ブ ルビフェニル)基、4-(4’-ヘキシルビフェニ )基等が挙げられる。

 前記式(2)中、k及びkkは、本発明の高分子 合物の合成の容易さの観点から、k+kkの値が 1~4の整数であることが好ましく、1~3の整数で あることがより好ましく、1又は2であること さらに好ましい。

 前記式(2)中、Ar 3 、Ar 6 及びAr 7 で表される基から選ばれる基は、該基と同一 の窒素原子に結合するAr 1 、Ar 2 、Ar 3 、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 及びAr 7 で表される基から選ばれる基と、互いに単結 合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R 6 )-、-C(=O)-N(R 6 )-若しくは-C(R 6 )(R 6 )-で結合して、5~7員環を形成する場合、単結 、又は-O-、-S-若しくは-C(R 6 )(R 6 )-で結合して、5~6員環を形成することが好ま く、単結合、又は-O-若しくは-C(R 6 )(R 6 )-で結合して、5~6員環を形成することがより ましい。例えば、k及びkkがともに1であり、 Ar 2 とAr 3 がともにフェニル基である場合には、Ar 2 とAr 3 が単結合により結合してカルバゾール環を形 成するもの(後述の式(2-105)等)、Ar 2 とAr 3 が-O-で結合してフェノキサジン環を形成する もの(後述の式(2-107)等)、Ar 2 とAr 3 が-C(R 6 )(R 6 )-で結合してジヒドロアクリジン環を形成す もの(後述の式(2-108)等)等が挙げられる。

 R 6 で表されるアルキル基は、前記置換基の説明 において、アルキル基として説明し例示した ものと同じである。R 6 で表されるアリール基は、前記Ar 4 ~Ar 7 で表されるアリール基として説明し例示した ものと同じである。R 6 で表される1価の芳香族複素環基は、前記置 基の説明において、1価の芳香族複素環基と て説明し例示したものと同じである。R 6 で表される基としては、アルキル基、アリー ル基が好ましい。

 前記式(2)で表される基としては、以下の (2-001)~(2-035)、(2-101)~(2-117)、(2-201)~(2-212)で表 れるもの;これらが、アルキル基、アルコキ シ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基、 置換カルボキシル基、アリール基、アリール オキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、 1価の芳香族複素環基、フッ素原子及びシア 基からなる群から選ばれた基で置換された の等が挙げられる。

(式中、芳香環から出た結合手は、そのまま 合手を表すか、アリーレン基を介しての結 手を表す。)

 ・式(1)で表される構成単位
 前記式(1a)で表される構成単位としては、合 成の容易さの観点から、下記式(1)で表される 構成単位が好ましい。
(式中、R 1 及びR 2 は前記と同じ意味を表す。R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 及びR 5b はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アリール基、1価の芳香族複素環基、-N(R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基を表す。R 8 及びR 9 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アリール基、又は1価の芳香族複素環基を表 。R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 、R 5b 、R 8 及びR 9 で表されるアリール基及び1価の芳香族複素 基は、各々、アルキル基、アルコキシ基、 ルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カ ボキシル基、アリール基、アリールオキシ 、アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳 族複素環基、フッ素原子又はシアノ基で置 されていてもよい。R 3a とR 4a 、R 3b とR 4b 、R 3a とR 3b 、及びR 8 とR 9 は、各々、一緒になって環を形成していても よい。)

 前記式(1)中、R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 、R 5b 、R 8 及びR 9 で表されるアルキル基、アリール基、1価の 香族複素環基は、前記置換基の説明におい 、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複 環基として説明し例示したものと同じであ 。R 3b 、R 4b 、R 5b 、R 8 及びR 9 で表される基が置換基として有し得る、アル キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置 換カルボニル基、置換カルボキシル基、アリ ール基、アリールオキシ基、アリールチオ基 、アラルキル基、1価の芳香族複素環基は、 記置換基の説明において、例示し説明した のと同じである。

 R 8 及びR 9 としては、本発明の高分子化合物の耐熱性の 観点から、C 1 ~C 12 アルキル基、非置換又はC 1 ~C 12 アルキル基で置換されたアリール基が好まし く、非置換又はC 1 ~C 12 アルキル基で置換されたアリール基がより好 ましい。

 -N(R 8 )(R 9 )で表される基としては、ジフェニルアミノ 、ジ-4-トリルアミノ基、ジ-3-トリルアミノ 、ジ-(4-t-ブチルフェニル)アミノ基、ジ-(4-ヘ キシルフェニル)アミノ基、ビス((3,5-ジ-t-ブ ル)フェニル)アミノ基、フェニル-1-ナフチル アミノ基、フェニル-2-ナフチルアミノ基等が 挙げられる。

 R 3a 、R 4a 、R 5a 、R 3b 、R 4b 及びR 5b としては、本発明の高分子化合物の合成の容 易さの観点から、水素原子、アルキル基、ア リール基が好ましく、水素原子がより好まし い。

 前記式(1)で表される構成単位としては、 下の式(1-001)~(1-018)、(1-101)~(1-115)、(1-201)~(1-20 5)で表されるもの;これらが、アルキル基、ア ルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボニ ル基、置換カルボキシル基、アリール基、ア リールオキシ基、アリールチオ基、アラルキ ル基、1価の芳香族複素環基、フッ素原子及 シアノ基からなる群から選ばれる基で置換 れたもの等が挙げられる。なお、以下の式 おいて、Meはメチル基、n-Buはn-ブチル基、t-B uはt-Bu基を表し、以下、同じである。

 -式(3)~(5)で表される構成単位-
 本発明の高分子化合物は、前記式(1a)で表さ れる構成単位に加えて、さらに、下記式(3)~(5 )で表される構成単位から選ばれる構成単位 含有してもよい。
(式中、Ar 8 及びAr 16 はそれぞれ独立に、アリーレン基、若しくは 2価の芳香族複素環基、又は該アリーレン基 び該2価の芳香族複素環基からなる群から選 れる同一若しくは異なる2個以上の基が単結 合で結合した2価の基を表す。Ar 9 、Ar 10 、Ar 11 及びAr 12 はそれぞれ独立に、アリーレン基、又は同一 若しくは異なる2個以上のアリーレン基が単 合で結合した2価の基を表す。Ar 13 、Ar 14 及びAr 15 はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳 族複素環基を表す。Ar 8 及びAr 16 で表されるアリーレン基、2価の芳香族複素 基及び2価の基は、各々、アルキル基、アル キシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル 、置換カルボキシル基、アリール基、アリ ルオキシ基、アリールチオ基、アラルキル 、1価の芳香族複素環基、-N(R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基で置換されてい もよい。Ar 9 、Ar 10 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 13 、Ar 14 及びAr 15 で表される基は、各々、アルキル基、アルコ キシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基 、置換カルボキシル基、アリール基、アリー ルオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基 、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシ ノ基で置換されていてもよい。Ar 11 、Ar 14 及びAr 15 で表される基から選ばれる基は、該基と同一 の窒素原子に結合するAr 9 、Ar 10 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 13 、Ar 14 及びAr 15 で表される基から選ばれる基と、互いに単結 合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R 6 )-、-C(=O)-N(R 6 )-又は-C(R 6 )(R 6 )-で結合して、5~7員環を形成していてもよい m及びmmはそれぞれ独立に、0又は1である。X 1 は、-C(R 7 )=C(R 7 )-又は-C≡C-を表す。R 7 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アリール基、1価の芳香族複素環基、フッ素 子又はシアノ基を表す。R 7 で表される基は、置換基を有していてもよい 。Ar 10 、Ar 11 、Ar 14 及びAr 15 のうち複数存在するものは、同一であっても 異なっていてもよい。R 6 、R 8 及びR 9 は、前記と同じ意味を表す。)

 ・式(3)で表される構成単位
 前記Ar 8 で表されるアリーレン基は、芳香族炭化水素 から水素原子2個を除いた原子団を意味し、 合環を有するものを含む。前記アリーレン は、炭素数が通常6~60程度であり、好ましく 6~48であり、より好ましくは6~30であり、さ に好ましくは6~14である。該炭素数には置換 の炭素数は含まれない。前記アリーレン基 具体例としては、1,4-フェニレン基、1,3-フ ニレン基、1,2-フェニレン基等のフェニレン ;ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5- イル基、ナフタレン-2,6-ジイル基等のナフタ レンジイル基;アントラセン-1,4-ジイル基、ア ントラセン-1,5-ジイル基、アントラセン-2,6- イル基、アントラセン-9,10-ジイル基等のア トラセンジイル基;フェナントレン-2,7-ジイ 基等のフェナントレンジイル基;4,5-ジヒドロ フェナントレン-2,7-ジイル基等のジヒドロフ ナントレンジイル基;ナフタセン-1,7-ジイル 、ナフタセン-2,8-ジイル基、ナフタセン-5,12 -ジイル基等のナフタセンジイル基;フルオレ -2,7-ジイル基、フルオレン-3,6-ジイル基等の フルオレンジイル基;ピレン-1,6-ジイル基、ピ レン-1,8-ジイル基、ピレン-2,7-ジイル基、ピ ン-4,9-ジイル基等のピレンジイル基;ペリレ -2,5-ジイル基、ペリレン-2,8-ジイル基、ペリ ン-3,9-ジイル基、ペリレン-3,10-ジイル基等 ペリレンジイル基、7H-ベンゾ[c]フルオレン-5 ,9-ジイル基等のベンゾフルオレンジイル基、 6,12-ジヒドロ-インデノ[1,2-b]フルオレン-2,8-ジ イル基等のジヒドロインデノフルオレンジイ ル基等が挙げられる。これらのアリーレン基 は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチ オ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル 基、アリール基、アリールオキシ基、アリー ルチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素 基、-N(R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基で置換されてい もよい。

 前記Ar 8 で表される2価の芳香族複素環基は、芳香族 素環式化合物から水素原子2個を除いた原子 であり、縮合環を有するものも含む。前記2 価の芳香族複素環基は、炭素数が通常3~60程 、好ましくは3~20である。該炭素数には置換 の炭素数は含まれない。前記2価の芳香族複 素環基としては、オキサジアゾール-2,5-ジイ 基;チアジアゾール-2,5-ジイル基;チアゾール -2,5-ジイル基等のチアゾールジイル基;オキサ ゾール-2,5-ジイル基等のオキサゾールジイル ;チオフェン-2,5-ジイル基等のチオフェンジ ル基;ピロール-2,5-ジイル基等のピロールジ ル基;フラン-2,5-ジイル基等のフランジイル ;ピリジン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,6-ジイ 基等のピリジンジイル基;ピラジン-2,5-ジイ 基等のピラジンジイル基;ピリミジン-4,6-ジ ル基等のピリミジンジイル基;トリアジン-2,4 -ジイル基;ピリダジン-3,6-ジイル基等のピリ ジンジイル基;キノリン-2,6-ジイル基等のキ リンジイル基;イソキノリン-1,4-ジイル基等 イソキノリンジイル基;キノキサリン-5,8-ジ ル基等のキノキサリンジイル基;カルバゾー -2,7-ジイル基、カルバゾール-3,6-ジイル基等 のカルバゾールジイル基;フェノキサジン-3,7- ジイル基、フェノキサジン-2,8-ジイル基等の ェノキサジンジイル基;フェノチアジン-3,7- イル基、フェノチアジン-2,8-ジイル基等の ェノチアジンジイル基;ベンゾ[1,2,5]チアジア ゾール-4,7-ジイル基等のベンゾチアジアゾー ジイル基;ベンゾチアゾール-4,7-ジイル基等 ベンゾチアゾールジイル基;ジベンゾシロー ル-2,7-ジイル基、ジベンゾシロール-3,6-ジイ 基等のジベンゾシロールジイル基等が挙げ れる。これらの2価の芳香族複素環基は、ア キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、 換カルボニル基、置換カルボキシル基、ア ール基、アリールオキシ基、アリールチオ 、アラルキル基、1価の芳香族複素環基、-N( R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基等で置換されて てもよい。

 前記式(3)中、Ar 8 は、好ましくは、1,4-フェニレン基、1,3-フェ レン基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタ ン-1,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、 ントラセン-2,6-ジイル基、アントラセン-9,10 -ジイル基、フルオレン-2,7-ジイル基、フルオ レン-3,6-ジイル基、ピレン-1,6-ジイル基、ピ ン-1,8-ジイル基、ペリレン-3,9-ジイル基、7H- ンゾ[c]フルオレン-5,9-ジイル基、6,12-ジヒド ロ-インデノ[1,2-b]フルオレン-2,8-ジイル基、 キサジアゾール-2,5-ジイル基、チアジアゾー ル-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基、 リジン-2,5-ジイル基、キノリン-2,6-ジイル基 イソキノリン-1,4-ジイル基、キノキサリン-5 ,8-ジイル基、カルバゾール-2,7-ジイル基、カ バゾール-3,6-ジイル基、フェノキサジン-2,7- ジイル基、フェノキサジン-3,6-ジイル基、フ ノチアジン-2,7-ジイル基、フェノチアジン-3 ,6-ジイル基、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール-4,7- ジイル基であり、より好ましくは、1,4-フェ レン基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレ ン-2,6-ジイル基、アントラセン-2,6-ジイル基 アントラセン-9,10-ジイル基、フルオレン-2,7- ジイル基、ピレン-1,6-ジイル基、ペリレン-3,9 -ジイル基、7H-ベンゾ[c]フルオレン-5,9-ジイル 基、6,12-ジヒドロ-インデノ[1,2-b]フルオレン-2 ,8-ジイル基、キノリン-2,6-ジイル基、キノキ リン-5,8-ジイル基、フェノキサジン-3,7-ジイ ル基、フェノチアジン-3,7-ジイル基、ベンゾ[ 1,2,5]チアジアゾール-4,7-ジイル基である。こ らの基は、アルキル基、アルコキシ基、ア キルチオ基、置換カルボニル基、置換カル キシル基、アリール基、アリールオキシ基 アリールチオ基、アラルキル基、1価の芳香 族複素環基、-N(R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基等で置換されて てもよい。Ar 8 は、下記式(3a)~(3g)のいずれかで表される2価 基であることが好ましく、下記式(3a)~(3e)の ずれかで表される2価の基であることがより ましく、下記式(3b)で表される2価の基であ ことが特に好ましい。また、Ar 8 は、下記式(3f)で表される2価の基であること 望ましい。
(式中、R 10 は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチ オ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル 基、アリール基、アリールオキシ基、アリー ルチオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素 基、-N(R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基を表す。fは0~4の 数を表す。R 10 が複数存在する場合には、それらは同一であ っても異なっていてもよい。)
(式中、R 11 及びR 12 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アリール基、アラルキル基又は1価の芳香族 素環基を表す。R 11 とR 12 は一緒になって環を形成していてもよい。)
(式中、R 13 及びR 14 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カルボ ニル基、置換カルボキシル基、アリール基、 アリールオキシ基、アリールチオ基、アラル キル基、1価の芳香族複素環基、-N(R 8 )(R 9 )、フッ素原子又はシアノ基を表す。)
(式中、R 15 は、水素原子、アルキル基、アリール基、1 の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す )
(式中、R 16 は、水素原子、アルキル基、アリール基、1 の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す )
(式中、R 23 は、水素原子、アルキル基、アリール基、ア ラルキル基又は1価の芳香族複素環基を表す R 24 は下記式(2a)で表される基である。R 23 とR 24 は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、Ar 2a1 は、アリーレン基、又は同一若しくは異なる 2個以上のアリーレン基が単結合で結合した2 の基を表す。Ar 2a2 及びAr 2a3 はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳 族複素環基を表す。Ar 2a2 及びAr 2a3 で表される基から選ばれる基は、該基と同一 の窒素原子に結合するAr 2a1 、Ar 2a2 及びAr 2a3 で表される基から選ばれる基と、互いに単結 合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R 2a6 )-、-C(=O)-N(R 2a6 )-若しくは-C(R 2a6 )(R 2a6 )-で結合して、5~7員環を形成していてもよい R 2a6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又 は1価の芳香族複素環基を表す。Ar 2a1 、Ar 2a2 、Ar 2a3 及びR 2a6 で表される基は、各々、アルキル基、アルコ キシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基 、置換カルボキシル基、アリール基、アリー ルオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基 、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシ ノ基で置換されていてもよい。)
(式中、R 25 及びR 26 はそれぞれ独立に、下記式(2b)で表される基 ある。R 25 とR 26 は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、Ar 2b1 、Ar 2b2 及びAr 2b3 はそれぞれ独立に、アリーレン基、又は同一 若しくは異なる2個以上のアリーレン基が単 合で結合した2価の基を表す。Ar 2b4 、Ar 2b5 、Ar 2b6 及びAr 2b7 はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の芳 族複素環基を表す。Ar 2b3 、Ar 2b6 及びAr 2b7 で表される基から選ばれる基は、該基と同一 の窒素原子に結合するAr 2b1 、Ar 2b2 、Ar 2b3 、Ar 2b4 、Ar 2b5 、Ar 2b6 及びAr 2b7 で表される基から選ばれる基と、互いに単結 合で、又は-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N(R 2b6 )-、-C(=O)-N(R 2b6 )-若しくは-C(R 2b6 )(R 2b6 )-で結合して、5~7員環を形成していてもよい R 2b6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又 は1価の芳香族複素環基を表す。Ar 2b1 、Ar 2b2 、Ar 2b3 、Ar 2b4 、Ar 2b5 、Ar 2b6 、Ar 2b7 及びR 2b6 で表される基は、各々、アルキル基、アルコ キシ基、アルキルチオ基、置換カルボニル基 、置換カルボキシル基、アリール基、アリー ルオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基 、1価の芳香族複素環基、フッ素原子又はシ ノ基で置換されていてもよい。kkk及びkkkkは れぞれ独立に、0~3の整数である。Ar 2b2 、Ar 2b3 、Ar 2b6 、Ar 2b7 及びR 2b6 が複数存在する場合、それらは、各々、同一 であっても異なっていてもよい。)

 前記式(3a)中、R 10 は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基 、置換カルボニル基、アリール基、アリール オキシ基、アラルキル基、1価の芳香族複素 基又は-N(R 8 )(R 9 )であり、より好ましくは、アルキル基、ア コキシ基、アリール基、アラルキル基、1価 芳香族複素環基又は-N(R 8 )(R 9 )であり、さらに好ましくは、アルキル基、 ルコキシ基、アリール基又は1価の芳香族複 環基であり、特に好ましくは、アルキル基 アルコキシ基又はアリール基である。前記 ルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基 置換カルボニル基、置換カルボキシル基、 リール基、アリールオキシ基、アリールチ 基、アラルキル基、及び1価の芳香族複素環 基は、前記式(1a)中のR 2 の置換基として説明し例示したものと同じで ある。-N(R 8 )(R 9 )で表される基は、前記式(1)の説明において 説明し例示したものと同じである。

 前記式(3a)中、fは、好ましくは1~4の整数 あり、より好ましくは1~3の整数であり、さ に好ましくは1又は2であり、特に好ましくは 2である。

 前記式(3b)中のR 11 及びR 12 、前記式(3d)中のR 15 、前記式(3e)中のR 16 、並びに前記式(3f)中のR 23 は、好ましくは、アルキル基、アリール基又 は1価の芳香族複素環基であり、より好まし は、アルキル基、又はアリール基である。 記アルキル基、アリール基、1価の芳香族複 環基及びアラルキル基は、前記式(1a)中のR 2 の置換基として説明し例示したものと同じで ある。

 前記式(2a)中のAr 2a1 、前記式(2b)中のAr 2b1 、Ar 2b2 、Ar 2b3 で表されるアリーレン基、又は同一若しくは 異なる2個以上のアリーレン基が単結合で結 した2価の基は、前記Ar 1 、Ar 2 、Ar 3 で表されるアリーレン基、又は同一若しくは 異なる2個以上のアリーレン基が単結合で結 した2価の基として説明し例示したものと同 である。

 前記式(2a)中のAr 2a2 及びAr 2a3 、前記式(2b)中のAr 2b4 、Ar 2b5 、Ar 2b6 及びAr 2b7 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 は、前記R 2 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(2a)中のR 2a6 、前記式(2b)中のR 2b6 は、好ましくは、アルキル基、アリール基又 は1価の芳香族複素環基であり、より好まし は、アルキル基、又はアリール基である。 記アルキル基、アリール基及び1価の芳香族 素環基は、前記式(2)中のR 6 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(3c)中、R 13 及びR 14 は、好ましくは、水素原子、アルキル基、ア ルコキシ基、置換カルボニル基、アリール基 、アリールオキシ基、アラルキル基又は1価 芳香族複素環基であり、より好ましくは、 素原子、又はアルキル基であり、さらに好 しくは、水素原子である。前記アルキル基 アルコキシ基、アルキルチオ基、置換カル ニル基、置換カルボキシル基、アリール基 アリールオキシ基、アリールチオ基、アラ キル基、1価の芳香族複素環基は、前記式(1a) 中のR 2 の置換基として説明し例示したものと同じで あり、-N(R 8 )(R 9 )で表される基は、前記式(1)の説明において 説明し例示したものと同じである。

 ・式(4)で表される構成単位
 前記式(4)中、Ar 9 ~Ar 12 で表されるアリーレン基、同一若しくは異な る2個以上のアリーレン基が単結合で結合し 2価の基は、前記式(2)中のAr 1 ~Ar 3 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(4)中、Ar 13 ~Ar 15 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 は、前記式(2)中のAr 4 ~Ar 7 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(4)で表される構成単位としては、例 ば、下記式(4a)~(4d)で表される構成単位が挙 られる。これらの式中、R a は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、 アルキルチオ基、置換カルボニル基、置換カ ルボキシル基、アリール基、アリールオキシ 基、アリールチオ基、アラルキル基、1価の 香族複素環基、フッ素原子又はシアノ基を す。複数存在するR a は、同一であっても異なっていてもよい。前 記アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ 基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基 、アリール基、アリールオキシ基、アリール チオ基、アラルキル基、1価の芳香族複素環 は、前記式(1a)中のR 2 が置換基を有する場合の置換基の項で説明し 例示したものと同じである。

 ・式(5)で表される構成単位
 前記式(5)中、Ar 16 で表されるアリーレン基、2価の芳香族複素 基、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素 基からなる群から選ばれる同一若しくは異 る2個以上の基が単結合で結合した2価の基 、前記Ar 8 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(5)中、R 7 は、好ましくは、水素原子、アルキル基、又 はアリール基であり、より好ましくは、水素 原子、又はアリール基である。前記アルキル 基及びアリール基は、置換基を有していても よい。前記アルキル基、アリール基、及び1 の芳香族複素環基は、前記式(1a)中のR 2 の置換基として説明し例示したものと同じで ある。

 前記式(5)で表される構成単位としては、下 式(5a)~(5k)で表されるものが好ましい。

 -本発明の高分子化合物-
 本発明の高分子化合物は、発光素子の発光 率の観点から、全構成単位の合計モル数に する、前記式(1a)で表される構成単位のモル 数が、1~100%であることが好ましく、2~80%であ ことがより好ましく、3~50%であることがさ に好ましい。

 本発明の高分子化合物において、前記式( 1a)以外に、さらに前記式(3)~(5)で表される構 単位を含有する(場合によって、その他の構 単位も含有する)場合、発光素子の発光効率 の観点から、全構成単位の合計モル数に対す る、前記式(1a)、(3)~(5)で表される構成単位の 計モル数が、90~100%であることが好ましく、 95~100%であることがより好ましく、98~100%であ ことがさらに好ましく、100%であることが特 に好ましい。

 さらに、本発明の高分子化合物において 前記式(1a)以外に、さらに前記式(3)、(4)で表 される構成単位を含有する(場合によって、 の他の構成単位も含有する)場合、高分子化 物の耐熱性、発光素子の発光効率の観点か 、全構成単位の合計モル数に対する、前記 (1a)、(3)、(4)で表される構成単位の合計モル 数が90~100%であることが好ましく、95~100%であ ことがより好ましい。

 本発明の高分子化合物としては、その他 も、前記式(1)で表される構成単位からなる の;前記式(1)及び(3a)で表される構成単位か なるもの;前記式(1)、(3a)及び(3b)で表される 成単位からなるもの;前記式(1)、(3a)及び(4a) 表される構成単位からなるもの;前記式(1)、( 3a)、(3b)及び(4a)で表される構成単位からなる の;前記式(1)及び(3b)で表される構成単位か なるもの;前記式(1)、(3b)及び(3c)で表される 成単位からなるもの;前記式(1)、(3b)、(3c)及 (3d)で表される構成単位からなるもの;前記式 (1)、(3b)、(3c)及び(4d)で表される構成単位から なるもの;前記式(1)、(3b)及び(3d)で表される構 成単位からなるもの;前記式(1)、(3b)及び(3e)で 表される構成単位からなるもの;前記式(1)、(3 b)及び(4a)で表される構成単位からなるもの; 記式(1)、(3b)及び(4b)で表される構成単位から なるもの;前記式(1)、(3b)及び(4c)で表される構 成単位からなるもの;前記式(1)、(3b)及び(4d)で 表される構成単位からなるもの;前記式(1)及 (4a)で表される構成単位からなるもの;前記式 (1)及び(4b)で表される構成単位からなるもの; 記式(1)及び(4c)で表される構成単位からなる もの;前記式(1)及び(4d)で表される構成単位か なるものが挙げられ、具体的には、以下の のが挙げられる。なお、式中、v/w、v’/w’/ x’、v’’/w’’/x’’は、2つ又は3つの構成 位のモル比を表す。

(式中、vは0~0.99の数であり、wは0.01~1の数であ り、v+w=1である。)
(式中、vは0~0.99の数であり、wは0.01~1の数であ り、v+w=1である。)
(式中、v’は0~0.98の数であり、w’は0.01~0.99の 数であり、x’は0.01~0.50の数であり、v’+w’+x ’=1である。)
(式中、v’は0~0.98の数であり、w’は0.01~0.99の 数であり、x’は0.01~0.50の数であり、v’+w’+x ’=1である。)
(式中、v’は0~0.98の数であり、w’は0.01~0.99の 数であり、x’は0.01~0.50の数であり、v’+w’+x ’=1である。)
(式中、v’’は0.10~0.50の数であり、w’’は0~0 .80の数であり、x’’は0.10~0.50の数であり、v ’+w’’+x’’=1である。)

 本発明の高分子化合物の末端基は、重合活 基がそのまま残っていると、該高分子化合 を発光素子の作製に用いた場合に発光特性 寿命が低下する可能性があるので、安定な であることが好ましい。主鎖と共役結合し いるものが好ましく、例えば、炭素-炭素結 合を介してアリール基又は1価の芳香族複素 基と結合している構造が挙げられる。末端 として例示されるアリール基、1価の芳香族 素環基は、前記R 2 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 として説明し例示したものと同じである。

 本発明の高分子化合物は、前記式(1a)で表 される構成単位、前記式(3)~(5)で表される構 単位を、それぞれ、一種のみ含んでいても 種以上を組み合わせて含んでいてもよい。

 本発明の高分子化合物は、例えば、線状 リマー、分岐ポリマー、ハイパーブランチ リマー、環状ポリマー、櫛形ポリマー、星 ポリマー、網目ポリマー等の任意の形状を していてもよく、また、それぞれの形状を する、ホモポリマー、交互コポリマー、周 コポリマー、ランダムコポリマー、ブロッ コポリマー、グラフトコポリマー等の任意 組成及び規則性を有するポリマーであって よい。

 本発明の高分子化合物は、発光材料、電 輸送材料等として有用であり、使用する際 は、その他の化合物と併用してもよい(即ち 、後述の組成物として用いてもよい)。

 本発明の高分子化合物のゲルパーミエーシ ンクロマトグラフィー(以下、「GPC」と言う )によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn) 、通常、1×10 3 ~1×10 8 程度であり、好ましくは1×10 4 ~1×10 6 である。また、本発明の高分子化合物のポリ スチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常 1×10 3 ~1×10 8 程度であり、成膜性の観点、発光素子の発光 効率の観点から、好ましくは、1×10 4 ~5×10 6 であり、より好ましくは3×10 4 ~1×10 6 であり、さらに好ましくは5×10 4 ~5×10 5 である。

 発光素子等を作製するための様々なプロ スに対する耐久性や、発光素子の駆動中の 熱による安定性、耐熱性の観点から、本発 の高分子化合物のガラス転移温度は100℃以 であることが好ましい。

 本発明の高分子化合物は、通常、固体状 で蛍光又は燐光を発し、発光素子の材料と て有用である。この高分子化合物を用いた 光素子は、高発光効率で駆動できる高性能 発光素子である。したがって、該発光素子 、液晶ディスプレイのバックライト、照明 としての曲面状や平面状の光源、セグメン タイプの表示素子、ドットマトリックスの ラットパネルディスプレイ等の表示装置に 用である。さらに、本発明の高分子化合物 、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、 機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄 、有機半導体薄膜等の伝導性薄膜用材料、 光や燐光を発する発光性薄膜材料としても いることができる。

 ・高分子化合物の製造方法
 本発明の高分子化合物は、例えば、用いる 合反応に適した官能基を有する、前記式(A) 表される単量体(モノマー)と、必要に応じ 、下記式(M-1)~(M-3)で表される化合物から選ば れるものとを、必要に応じて、有機溶媒に溶 解し、アルカリや適当な触媒、配位子を用い た公知のアリールカップリング等の重合方法 により重合又は共重合することにより合成す ることができる。
(式中、Ar 8 、X a 及びX b は、前記と同じ意味を有する。)
(式中、Ar 9 、Ar 10 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 13 、Ar 14 、Ar 15 、m、mm、X a 及びX b は、前記と同じ意味を有する。)
(式中、Ar 16 、X 1 、X a 及びX b は、前記と同じ意味を有する。)

 前記式(A)中、R 20 、R 21 及びR 22 で表されるアルキル基は、それぞれ独立に、 直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素 数が通常1~20程度、好ましくは1~15であり、よ 好ましくは1~10である。

 前記式(A)中、前記R 20 で表されるアルキル基は、前記R 2 で表されるアリール基の置換基の説明におい て説明し例示したものと同じである。

 前記式(A)中、前記R 20 で表されるアリール基は、R 2 で表されるアリール基として説明し例示した ものと同じであるが、本発明の高分子化合物 の合成の容易さ、及び重合の反応性の観点か ら、フェニル基、4-トリル基、4-メトキシフ ニル基、4-ニトロフェニル基、3-ニトロフェ ル基、2-ニトロフェニル基、4-トリフルオロ メチルフェニル基が特に好ましい。

 前記式(A)中、前記-O-S(=O) 2 R 20 で表される基としては、メタンスルホネート 基、トリフルオロメタンスルホネート基、フ ェニルスルホネート基、4-メチルフェニルス ホネート基、4-トリフルオロメチルフェニ スルホネート基等が挙げられる。

 前記式(A)中、前記-B(OR 21 ) 2 で表される基としては、以下の式で表される 基等が挙げられる。

 前記式(A)中、前記-BF 4 Q 1 で表される基としては、以下の式で表される 基等が挙げられる。

 前記式(A)中、前記-Sn(R 22 ) 3 で表される基としては、トリメチルスタナニ ル基、トリエチルスタナニル基、トリブチル スタナニル基等が挙げられる。

 前記式(A)、前記式(M-1)~(M-3)で表される化 物は、予め合成し単離したものを用いても いし、反応系中で合成してそのまま用いて よいが、本発明の高分子化合物を発光素子 用いる場合、その純度が発光特性の素子の 能に影響を与えるため、重合前の単量体を 留、昇華精製、再結晶等の方法で精製した に縮合重合することが好ましい。

 前記縮合重合としては、例えば、Suzukiカ プリング反応により重合する方法(ケミカル  レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457-2483頁(1995年))、 Grignard反応により重合する方法(Bull.Chem.Soc.Jpn. ,第51巻、2091頁(1978年))、Ni(0)触媒により重合 る方法(プログレッシブ ポリマー サイエン ス(Progress in Polymer Science),第17巻,1153~1205頁,19 92年)、Stilleカップリング反応を用いる方法( ーロピアン ポリマー ジャーナル(European Po lymer Journal),第41巻,2923-2933頁(2005年))等が挙げ れるが、Suzukiカップリング反応により重合 る方法、Ni(0)触媒により重合する方法が原 の合成しやすさと重合反応操作の簡便性の 点から好ましく、高分子化合物の構造制御 しやすさの観点からSuzukiカップリング反応 より重合する方法がより好ましい。

 前記式(M-1)~(M-3)中、前記X a 及びX b は、本発明の高分子化合物の合成の容易さの 観点から、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子 、-B(OR 21 ) 2 、-BF 4 Q 1 、-Sn(R 22 ) 3 であることが好ましく、特に、前記縮合重合 の方法としてSuzukiカップリング反応により重 合する方法を選択する場合は、前記式(A)、(M- 1)~(M-3)で表される化合物の合成の簡便さや取 扱いやすさの観点から、臭素原子、ヨウ素 子、塩素原子、-B(OR 21 ) 2 であることがより好ましく、臭素原子、-B(OR 21 ) 2 であることがさらに好ましい。

 前記縮合重合の方法としては、前記式(A)、( M-1)~(M-3)で表される化合物を、必要に応じて 適切な触媒や適切な塩基とともに反応させ 方法が挙げられる。特に、前記縮合重合の 法としてSuzukiカップリング反応により重合 る方法を選択する場合は、本発明の高分子 合物の分子量を十分なものとするために、 記式(A)、(M-1)~(M-3)で表される化合物が有する 、X a 及びX b で表される臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子 の合計モル数と-B(OR 21 ) 2 で表される基の合計モル数の比率が0.95~1.05と なるようにすることが好ましく、0.98~1.02とな るようにすることがより好ましい。

 前記触媒としては、Suzukiカップリング反 による重合においては、パラジウム[テトラ キス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジ ンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラ ウムアセテート、ジクロロビストリフェニ ホスフィンパラジウム等のパラジウム錯体 の遷移金属錯体と、必要に応じて、さらに リフェニルホスフィン、トリ(t-ブチルホス ィン)、トリシクロヘキシルホスフィン等の 位子とからなる触媒が挙げられる。また、N i(0)触媒による重合においては、ニッケル[テ ラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビ (ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロ ッケル、[ビス(1,4-シクロオクタジエン)]ニッ ケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体と、 必要に応じて、さらにトリフェニルホスフィ ン、トリ(t-ブチルホスフィン)、トリシクロ キシルホスフィン、ジフェニルホスフィノ ロパン、ビピリジル等の配位子とからなる 媒が挙げられる。前記触媒は、予め合成し ものを用いてもよいし、反応系中で調製し ものをそのまま用いてもよい。前記触媒は 一種単独で用いても二種以上を併用しても い。

 前記触媒を用いる場合には、触媒として 有効量であればよく、前記式(A)、(M-1)~(M-3) 表される化合物のモル数の合計に対する遷 金属化合物の量は、通常、0.00001~3モル当量 あり、好ましくは0.00005~0.5モル当量であり、 より好ましくは0.0001~0.2モル当量である。

 Suzukiカップリング反応による重合におい は、塩基の存在下で反応を行うことが必要 あるが、前記塩基としては、炭酸ナトリウ 、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カ ウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニ ム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化 トラブチルアンモニウム、水酸化テトラブ ルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる

 前記塩基を用いる場合には、その量は、 記式(A)、(M-1)~(M-3)で表される化合物のモル の合計に対して、通常、0.5~20モル当量であ 、好ましくは1~10モル当量である。

 前記縮合重合は、溶媒の非存在下で行っ も、溶媒の存在下で行ってもよいが、通常 有機溶媒の存在下で行われる。

 前記有機溶媒としては、トルエン、キシ ン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4- ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチ アセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等 挙げられる。一般的に、副反応を抑制する めに、脱酸素処理を行うことが望ましい。 記有機溶媒は一種単独で用いても二種以上 併用してもよい。

 前記有機溶媒の使用量は、前記式(A)、(M-1 )~(M-3)で表される化合物の合計濃度が、通常 0.1~90重量%、好ましくは1~50重量%、より好ま くは2~30重量%となる量である。

 前記縮合重合の反応温度は、好ましくは- 100~200℃であり、より好ましくは-80~150℃であ 、さらに好ましくは0~120℃である。

 前記反応時間は、反応温度等の条件によ が、通常、1時間以上であり、好ましくは2~5 00時間である。

 前記縮合重合は、前記式(A)(M-1)~(M-3)中のX a 及びX b が、-MgY 1 で表される基である場合には、脱水条件下で 行う。

 前記縮合重合においては、必要に応じて、 発明の高分子化合物の末端に重合活性基が 存するのを避けるために、連鎖停止剤とし 、下記式(M-4)で示される化合物を用いてよ 、これにより高分子化合物の末端がアリー 基又は1価の芳香族複素環基で置換された高 子化合物を得ることができる。
(式中、Ar 24 は、アリール基又は1価の芳香族複素環基を す。X c は、前記X a 及びX b と同じ意味を有する。)

 前記式(M-4)中、Ar 24 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 は、前記R 2 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 として説明し例示したものと同じである。

 前記縮合重合の後処理は、公知の方法で うことができ、例えば、メタノール等の低 アルコールに前記縮合重合で得られた反応 液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥す 方法で行えばよい。

 本発明の高分子化合物の純度が低い場合 は、再結晶、ソックスレー抽出器による連 抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常 方法にて精製すればよいが、本発明の高分 化合物を発光素子に用いる場合、その純度 発光特性等の素子の性能に影響を与えるた 、縮合重合後、再沈精製、クロマトグラフ ーによる分別等の純化処理をすることが好 しい。

 <単量体>
 -式(A)で表される化合物-
 前記式(A)で表される化合物としては、前記 (1)で表される構成単位の例示(式(1-001)~(1-018) 、(1-101)~(1-115)、(1-201)~(1-205)で表されるもの、 これらの置換体)における2つの結合手のうち 一方がX a で表される基、他方がX b で表される基に置換されたものが挙げられる 。

 前記式(A)で表される化合物は、如何なる 法で合成されたものであってもよいが、以 の第一の製造方法又第二の製造方法で説明 る方法で合成することが簡便であり好まし 。

 ・第一の製造方法
 前記式(A)で表される化合物の第一の製造方 は、前記式(B)で表される化合物と、前記式( E)で表される化合物とを、必要に応じて、有 溶媒に溶解又は懸濁させた状態で、銅化合 、配位子及び塩基の存在下でカップリング 応させることを含むものである(スキーム1)

(スキーム1)

 前記式(B)で表される化合物は、例えば、 記式(C)で表される化合物を、塩化スズ、塩 亜鉛等の還元剤を用いて、ニトロ基を還元 ることにより合成される。

 前記式(B)及び(C)中の前記Ar 17 、並びに前記式(E)中のAr 21 で表されるアリーレン基は、前記Ar 1 ~Ar 3 で表されるアリーレン基として説明し例示し たものと同じである。

 前記式(E)中、前記Ar 21 で表される「同一若しくは異なる2個以上の リーレン基が単結合で結合した2価の基」は 前記Ar 1 ~Ar 3 で表される「同一若しくは異なる2個以上の リーレン基が単結合で結合した2価の基」と て説明し例示したものと同じである。

 前記式(E)中、前記Ar 22 及びAr 23 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 は、前記Ar 4 で表されるアリール基、1価の芳香族複素環 として説明し例示したものと同じである。

 前記式(E)で表される化合物の使用量は、 記式(B)で表される化合物1モルに対して、通 常、1~3モルであるが、得られる前記式(A)で表 される化合物を精製する容易さの観点から、 1.5~2.5モルであることが好ましい。

 前記カップリング反応で用いられる銅化 物としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化 (I)等が挙げられる。前記銅化合物の使用量 、前記式(B)で表される化合物1モルに対して 、反応性、経済性の観点から、0.1~10モルであ ることが好ましい。

 前記カップリング反応で用いられる配位 としては、1,10-フェナントロリン等が挙げ れる。前記配位子の使用量は、前記銅化合 1モルに対して、反応性、経済性の観点から 0.5~5モルであることが好ましい。

 前記カップリング反応で用いられる塩基 しては、有機塩基、無機塩基が挙げられ、 酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の 機塩基;t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシ リウム等の有機塩基が好ましく、水酸化カ ウム、t-ブトキシカリウムがより好ましい。

 前記カップリング反応において、有機溶 を用いる場合、その有機溶媒としては、ト エン、キシレン、メシチレン、クロロベン ン、o-ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水 溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルス ルホキシド、ジメチルアセトアミド等の極性 溶媒等が挙げられ、トルエン、キシレン、メ シチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベン ン等の芳香族炭化水素溶媒が好ましい。な 、反応性の観点から、有機溶媒を用いるこ が好ましい。

 前記カップリング反応は、原料化合物、 成物の安定性の観点から、遮光下で行うこ が好ましい。反応温度は、通常、0~200℃で るが、前記カップリング反応は加熱により 進されるので、好ましくは80~200℃である。 記有機溶媒を用いる場合、還流状態で反応 せることが好ましい。また、ディーンスタ ク装置を用いて共沸させる等、反応時に副 する水、アルコールを除去しながら反応さ ることが好ましい。

 反応終了後は、水を加えて、塩基、副生 る無機塩等を洗浄、分液等により除去した 、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の 常の操作を行うことで、前記式(A)で表され 化合物を得ることができる。

 前記式(C)で表される化合物は、例えば、 ルオレノン誘導体に酸の存在下、置換ベン ンを反応させることにより合成することが きる。

 ・第二の製造方法
 また、本発明の化合物Aは、下記スキーム(2) に示すように、前記式(D)で表される化合物と 、前記式(F)で表される化合物とを、必要に応 じて溶媒に溶解又は懸濁させた状態で、酸の 存在下でカップリング反応させて合成しても よい。前記式(D)で表される化合物は、例えば 、フルオレノン誘導体にGrignard試薬、有機リ ウム試薬を反応させて合成することができ 。

(スキーム2)

 前記式(F)で表される化合物の使用量は、 記式(D)で表される化合物1モルに対して、通 常、0.8~2モルであるが、得られる前記式(A)で される化合物を精製する容易さの観点から 0.9~1.5モルであることが好ましい。

 前記酸としては、三フッ化ホウ素ジエチ エーテル錯体、トリフロオロメタンスルホ 酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸 硫酸、ポリリン酸等が挙げられ、三フッ化 ウ素ジエチルエーテル錯体が好ましい。前 酸の使用量は、その種類にもよるが、三フ 化ホウ素ジエチルエーテル錯体を用いる場 、前記式(D)で表される化合物1モルに対して 、反応性、経済性の観点から、通常、1~10モ であり、1~2モルであることが好ましい。

 前記溶媒を用いる場合、その溶媒として 、トルエン、キシレン、メシチレン、クロ ベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ジクロロ タン、クロロホルム、四塩化炭素等の有機 媒が挙げられる。前記酸として三フッ化ホ 素ジエチルエーテル錯体を用いる場合には クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ジク ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素が好 ましく、ジクロロメタン、クロロホルム、四 塩化炭素がより好ましい。また、反応温度の 制御がし易い等の取扱いの容易さの観点から 、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体及び 有機溶媒の組み合わせを用いることが好まし い。

 前記反応は、前記式(D)で表される化合物 前記式(A)で表される化合物の安定性の観点 ら、遮光下で行うことが好ましい。

 前記反応の反応温度としては、通常、-50~ 300℃であるが、前記三フッ化ホウ素ジエチル エーテル錯体及び有機溶媒の組み合わせを用 いる場合、好ましくは-20~100℃である。なお 有機溶媒を用いる場合、還流状態で反応さ てもよい。

 前記反応の終了後は、水、アルコール等 加えて反応を停止させた後、洗浄、分液等 より除去した後、カラムクロマトグラフィ 、再結晶等の通常の操作を行うことにより 前記式(A)で表される化合物を得ることがで る。

 <組成物>
 本発明の高分子化合物は、正孔輸送材料、 子輸送材料及び発光材料から選ばれる少な とも1種と組み合わせて、組成物の態様でも 、発光材料、正孔輸送材料又は電子輸送材料 として用いることができる。

 前記組成物における、正孔輸送材料、電 輸送材料及び発光材料から選ばれる少なく も1種と本発明の高分子化合物との比率は、 本発明の組成物を発光材料に用いる場合は、 本発明の高分子化合物100重量部に対して、前 記正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料 の重量は、それぞれ、通常、1~400重量部であ 、好ましくは5~150重量部である。

 本発明の組成物のポリスチレン換算の数平 分子量は、通常、1×10 3 ~1×10 8 程度であり、好ましくは1×10 4 ~1×10 6 である。また、本発明の組成物のポリスチレ ン換算の重量平均分子量は、通常、1×10 3 ~1×10 8 程度であり、成膜性の観点及び得られる発光 素子の発光効率の観点から、1×10 4 ~5×10 6 であることが好ましい。ここで、本発明の組 成物の平均分子量とは、該組成物をGPCで分析 して求めた値をいう。

 <溶液>
 本発明の溶液は、本発明の高分子化合物と 媒とを含有するもの、又は本発明の組成物 溶媒を含有してなるものである。この溶液 、印刷法等に有用であり、一般に、インク インク組成物等と呼ばれることもある。本 明の溶媒は、必要に応じて、正孔輸送材料( 後述の正孔輸送層に用いられる材料)、電子 送材料(後述の電子輸送層に用いられる材料) 、発光材料、安定剤、増粘剤(粘度を高める めの高分子量の化合物)、粘度を低くするた の低分子量の化合物、界面活性剤、酸化防 剤、前記高分子化合物以外の高分子量の化 物等を含んでいてもよい。なお、本発明の 液に含まれる各成分は、各々、一種単独で っても二種以上の組み合わせであってもよ 。

 本発明の溶液における本発明の高分子化 物の割合は、該溶液全体を100重量部とした 合に、通常、0.1~99重量部であり、好ましく 0.5~40重量部であり、より好ましくは0.5~20重 部である。

 本発明の溶液の粘度は、印刷法の種類に って調整すればよいが、インクジェットプ ント法等の該溶液が吐出装置を経由するも の場合には、吐出時の目づまりや飛行曲が を防止するために、25℃において、1~20mPa・s の範囲であることが好ましい。

 前記増粘剤は、本発明の高分子化合物と同 溶媒に可溶性であり、発光や電荷輸送を阻 しないものであればよく、例えば、高分子 のポリスチレン、高分子量のポリメチルメ クリレート等を用いることができる。前記 粘剤として用いる化合物は、ポリスチレン 算の重量平均分子量が5×10 5 以上であることが好ましく、1×10 6 以上であることがより好ましい。

 前記酸化防止剤は、本発明の溶液の保存 定性を向上させるためのものである。前記 化防止剤としては、本発明の高分子化合物 同じ溶媒に可溶性であり、発光や電荷輸送 阻害しないものであればよく、フェノール 酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げら る。

 本発明の溶液の溶媒は、溶質となる固形 を溶解又は均一に分散できるものが好まし 。該溶媒としては、クロロホルム、塩化メ レン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロ エタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼ 等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオ キサン、アニソール等のエーテル系溶媒;ト エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒; クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n- ンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタ 、n-ノナン、n-デカン等の脂肪族炭化水素系 媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロ ヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノ ン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチ 、エチルセルソルブアセテート、安息香酸 チル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エ レングリコール、エチレングリコールモノ チルエーテル、エチレングリコールモノエ ルエーテル、エチレングリコールモノメチ エーテル、ジメトキシエタン、プロピレン リコール、ジエトキシメタン、トリエチレ グリコールモノエチルエーテル、グリセリ 、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール 及びその誘導体、メタノール、エタノール、 プロパノール、イソプロパノール、シクロヘ キサノール等のアルコール系溶媒;ジメチル ルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N-メチ ル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド のアミド系溶媒が挙げられる。これらの溶 は、一種単独で用いても二種以上を併用し もよい。

 前記溶媒は、成膜性、素子特性等の観点 ら、2種以上を併用することが好ましく、2~3 種を併用することがより好ましく、2種を併 することが特に好ましい。

 本発明の溶液中に2種の溶媒が含まれる場 合、そのうちの1種の溶媒は25℃において固体 状態のものでもよい。成膜性の観点から、1 の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であること 好ましく、200℃以上の溶媒であることがよ 好ましい。また、粘度の観点から、2種の溶 のいずれにも60℃において1重量%以上の本発 明の高分子化合物が溶解することが好ましく 、2種の溶媒のうちの1種の溶媒には、25℃に いて1重量%以上の本発明の高分子化合物が溶 解することが好ましい。

 本発明の溶液中に2種以上の溶媒が含まれ る場合、粘度及び成膜性の観点から、沸点が 最も高い溶媒が、該溶液中の全溶媒の重量の 40~90重量%であることが好ましく、50~90重量%で あることがより好ましく、65~85重量%であるこ とがさらに好ましい。

 本発明の溶液は、さらに、水、金属及び の塩、ケイ素、リン、フッ素、塩素、臭素 を重量基準で1~1000ppmの範囲で含んでいても い。前記金属としては、リチウム、ナトリ ム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッ ル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガ 、コバルト、白金、イリジウム等が挙げら る。

 <薄膜>
 本発明の薄膜は、本発明の高分子化合物を 有するものであり、例えば、発光性薄膜、 電性薄膜、有機半導体薄膜等である。

 本発明の薄膜は、例えば、スピンコート 、キャスティング法、マイクログラビアコ ト法、グラビアコート法、バーコート法、 ールコート法、ワイアーバーコート法、デ ップコート法、スプレーコート法、スクリ ン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印 法、インクジェットプリント法、キャピラ -コート法、ノズルコート法等で作製するこ とができる。

 本発明の溶液を用いて薄膜を作製する場 、該溶液に含まれる本発明の高分子化合物 ガラス転移温度が高いため、100℃以上の温 でベークすることが可能であり、130℃の温 でベークしても素子特性はほとんど低下し い。また、該高分子化合物の種類によって 、160℃以上の温度でベークすることもでき 。

 前記発光性薄膜は、素子の輝度や発光電 等の観点から、発光の量子収率が30%以上で ることが好ましく、50%以上であることがよ 好ましく、60%以上であることがさらに好ま く、70%以上であることが特に好ましい。

 前記導電性薄膜は、表面抵抗が1Kω/□以 であることが好ましく、100ω/□以下である とがより好ましく、10ω/□以下であることが さらに好ましい。該導電性薄膜に、ルイス酸 、イオン性化合物等をドープすることにより 、電気伝導度を高めることができる。

 前記有機半導体薄膜は、電子移動度又は正 移動度のいずれか大きい方が、10 -5 cm 2 /V/秒以上であることが好ましく、10 -3 cm 2 /V/秒以上であることがより好ましく、10 -1 cm 2 /V/秒以上であることがさらに好ましい。SiO 2 等の絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板 に該有機半導体薄膜を形成し、Au等でソー 電極とドレイン電極を形成することにより 有機トランジスタとすることができる。

 <発光素子>
 本発明の発光素子は、陽極及び陰極からな 電極と、該電極間に設けられた前記高分子 合物を含有する有機層とを有する発光素子 あればよい。前記陽極及び陰極は、通常、 なくとも一方が透明又は半透明である。前 有機層は、一層からなるものであっても、 層以上からなるものであってもよく、二層 上からなる場合には、そのうちの少なくと 一層が前記高分子化合物を含有していれば い。また、前記高分子化合物を含有する有 層は、通常、発光層(発光機能を有する層) 正孔輸送層、電子ブロック層として機能す が、発光層として機能することが好ましい 本発明の発光素子は、陰極、陽極、発光層 外にも、陽極と発光層との間、陰極と発光 との間に、その他の層を設けてもよい。な 、本発明の発光素子において、各層は、一 からなるものであっても、二層以上からな ものであってもよく、また、各層を構成す 材料・化合物は、一種単独で用いても二種 上を併用してもよい。

 前記陽極と発光層との間に設けられた層 しては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブ ック層等が挙げられる。前記陽極と発光層 の間に一層のみ設けられた場合には、正孔 入層であり、前記陽極と発光層との間に二 以上設けられた場合には、陽極に接する層 正孔注入層であり、それ以外の層が正孔輸 層である。前記正孔注入層は、陰極からの 孔注入効率を改善する機能を有する層であ 。前記正孔輸送層は、正孔注入層又は陽極 より近い層からの正孔注入を改善する機能 有する層である。正孔注入層、正孔輸送層 電子の輸送を堰き止める機能を有する場合 は、これらの層が電子ブロック層である。 子の輸送を堰き止める機能を有することは 例えば、電子電流のみを流す素子を作製し その電流値の減少で堰き止める効果を確認 ることができる。

 前記陰極と発光層との間に設けられた層 しては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブ ック層等が挙げられる。前記陰極と発光層 の間に一層のみ設けられた場合には、その 層が電子注入層であり、前記陰極と発光層 の間に二層以上設けられた場合には、陰極 接している層が電子注入層であり、それ以 の層が電子輸送層である。前記電子注入層 、陰極からの電子注入効率を改善する機能 有する層である。前記電子輸送層は、電子 入層又は陰極により近い層からの電子注入 改善する機能を有する層である。電子注入 、電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機 を有する場合には、これらの層を正孔ブロ ク層と称することがある。正孔の輸送を堰 止める機能を有することは、例えば、ホー 電流のみを流す素子を作製し、その電流値 減少で堰き止める効果を確認することがで る。

 本発明の発光素子としては、例えば、以下 a)~d)の構造が挙げられる。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されている とを示す。以下同じ。)

 電極に隣接して設けた正孔輸送層、電子 送層のうち、電極からの電荷(正孔・電子) 入効率を改善する機能を有し、素子の駆動 圧を低下させる効果を有するものは、電荷 入層(正孔注入層、電子注入層)と呼ばれるこ とがある。

 さらに、電極との密着性向上や電極から 電荷注入の改善のために、電極に隣接して 記電荷注入層、絶縁層を設けてもよい。ま 、界面の密着性向上や混合の防止等のため 、前記電荷輸送層や発光層の界面に、薄い ッファー層を挿入してもよい。積層する層 順番や数、及び各層の厚さは、発光効率や 子寿命を勘案して調整すればよい。

 電荷注入層を設けた本発明の発光素子とし は、例えば、以下のe)~p)の構造が挙げられ 。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注 入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注 入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸 送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注 入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸 送層/電荷注入層/陰極

 ・陽極
 前記陽極は、通常、透明又は半透明であり 電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物 金属の薄膜から構成され、それらの中でも 過率が高い材料から構成されることが好ま い。前記陽極の材料としては、酸化インジ ム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複 体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO )、インジウム・亜鉛・オキサイド等からな 導電性無機化合物を用いて作製された膜(NESA 等)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズ 好ましい。前記陽極の作製には、真空蒸着 、スパッタリング法、イオンプレーティン 法、メッキ法等の方法を用いることができ 。また、前記陽極として、ポリアニリン及 その誘導体、ポリチオフェン及びその誘導 等の有機の透明導電膜を用いてもよい。

 前記陽極の厚さは、光の透過性と電気伝 度とを考慮して、適宜選択することができ が、通常、10nm~10μmであり、好ましくは20nm~1 μmであり、より好ましくは50nm~500nmである。

 ・正孔注入層
 前記正孔注入層に用いられる材料としては フェニルアミン系、スターバースト型アミ 系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、 化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アル ニウム等の酸化物、アモルファスカーボン ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフ ン及びその誘導体等の導電性高分子、本発 の高分子化合物等が挙げられる。

 前記正孔注入層に用いられる材料が導電 高分子、本発明の高分子化合物である場合 該導電性高分子、高分子化合物の電気伝導 を向上させるために、必要に応じて、ポリ チレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼ スルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン のアニオンをドープしてもよい。

 ・正孔輸送層
 前記正孔輸送層に用いられる材料としては ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、 リシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に 香族アミンを有するポリシロキサン誘導体 ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体 スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン 導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリ オフェン及びその誘導体、ポリアリールア ン及びその誘導体、ポリピロール及びその 導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)及びその 誘導体、ポリ(2,5-チエニレンビニレン)及びそ の誘導体、本発明の高分子化合物等が挙げら れ、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体 、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖 に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキ サン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、 ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアリー ルアミン及びその誘導体、ポリ(p-フェニレン ビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5-チエニレ ンビニレン)及びその誘導体、本発明の高分 化合物等の高分子正孔輸送材料が好ましく ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、 リシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に 香族アミンを有するポリシロキサン誘導体 ポリアリールアミン及びその誘導体、本発 の高分子化合物がさらに好ましい。前記正 輸送層に用いられる材料が低分子化合物で る場合には、高分子バインダーに分散させ 用いることが好ましい。

 正孔輸送層の成膜の方法としては、前記 孔輸送層に用いられる材料が低分子化合物 ある場合には、高分子バインダーとの混合 液からの成膜が挙げられ、高分子化合物で る場合には、溶液からの成膜が挙げられる

 溶液からの成膜に用いる溶媒は、正孔輸 層に用いられる材料を溶解させるものであ ばよい。該溶媒として、クロロホルム、塩 メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒 テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、 ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶 、アセトン、メチルエチルケトン等のケト 系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチル ルソルブアセテート等のエステル系溶媒が げられる。

 溶液からの成膜には、溶液からのスピン ート法、キャスティング法、マイクログラ アコート法、グラビアコート法、バーコー 法、ロールコート法、ワイアーバーコート 、ディップコート法、スプレーコート法、 クリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセ ト印刷法、インクジェットプリント法等の 布法を用いることができる。

 前記高分子バインダーとしては、電荷輸 を極度に阻害しないものが好ましく、また 視光に対する吸収が強くないものが好適に いられる。該高分子バインダーとして、ポ カーボネート、ポリアクリレート、ポリメ ルアクリレート、ポリメチルメタクリレー 、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシ キサン等が挙げられる。

 正孔輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効 を考慮しつつ選択すればよいが、少なくと ピンホールが発生しないような厚さが必要 あり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高 なり好ましくない。従って、該正孔輸送層 膜厚は、通常、1nm~1μmであり、好ましくは2n m~500nmであり、より好ましくは5nm~200nmである

 ・発光層
 発光層は、通常、蛍光又は燐光を発する有 化合物(低分子化合物、高分子化合物)と、 要に応じてこれを補助するドーパントとか 形成される。本発明の発光素子における発 層には、本発明の高分子化合物;シクロペン ミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘 体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オ サジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘 体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリ アリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオ ェン環化合物、ピリジン環化合物、アント セン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオ ェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、 キサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイ ー等の色素系材料;イリジウム錯体、白金錯 体等の三重項励起状態からの発光を有する金 属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキ ノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾ リル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、 アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体 、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn Be等又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配 位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、 フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾ ール、キノリン構造等を有する金属錯体等の 金属錯体系材料;ポリパラフェニレンビニレ 誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラ ェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリ セチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、 リビニルカルバゾール誘導体、上記色素体 金属錯体系発光材料を高分子化したもの等 高分子系材料等の発光材料を用いることが きる。

 上記発光材料のうち、青色に発光する材料 しては、ジスチリルアリーレン誘導体及び の重合体、オキサジアゾール誘導体及びそ 重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、 リパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン 導体等が挙げられ、好ましくは、ポリビニ カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン 導体やポリフルオレン誘導体等である。
 上記発光材料のうち、緑色に発光する材料 しては、キナクリドン誘導体、クマリン誘 体、アントラセン誘導体、及びそれらの重 体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、 リフルオレン誘導体等が挙げられ、好まし は、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、 リフルオレン誘導体等である。
 上記発光材料のうち、赤色に発光する材料 しては、クマリン誘導体及びその重合体、 オフェン系化合物及びその重合体、ポリパ フェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェ 誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げら 、好ましくは、ポリパラフェニレンビニレ 誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフル レン誘導体等である。

 前記発光層には、発光効率を向上させた 、発光波長を変化させたりするために、ド パントを添加することができる。前記ドー ントとしては、アントラセン誘導体、ペリ ン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導 、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導 、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、 トラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカ クレン、フェノキサゾン等を挙げることが きる。

 前記発光層の厚さは、駆動電圧と発光効 を考慮して選択すればよいが、通常、約20~2 000Åである。

 前記発光層の成膜には、発光材料を含む 液を基体の上又は上方に塗布する方法、真 蒸着法、転写法等を用いることができる。 液からの成膜に用いる溶媒は、正孔輸送層 溶液からの成膜の項で説明し例示したもの 同じである。発光材料を含む溶液を基体の 又は上方に塗布するには、スピンコート法 ディップコート法、インクジェットプリン 法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、ス ットコート法等の印刷法を用いることがで る。昇華性の低分子化合物の場合は、真空 着法を用いることができる。レーザーによ 転写や熱転写により、所望の位置に発光層 形成する方法も用いることができる。

 ・電子輸送層
 前記電子輸送層に用いられる材料としては オキサジアゾール誘導体、アントラキノジ タン及びその誘導体、ベンゾキノン及びそ 誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、ア トラキノン及びその誘導体、テトラシアノ ンスラキノジメタン及びその誘導体、フル レノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレ 及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、 8-ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金 錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリ ノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレ 及びその誘導体等が挙げられ、オキサジア ール誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体 アントラキノン及びその誘導体、8-ヒドロキ シキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリ キノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン 及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘 導体が好ましく、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブ ルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、ベン キノン、アントラキノン、トリス(8-キノリ ール)アルミニウム、ポリキノリンがより好 しい。

 電子輸送層の成膜には、前記電子輸送層 用いられる材料が低分子化合物である場合 は、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融 態からの成膜による方法が挙げられ、前記 子輸送層に用いられる材料が高分子化合物 ある場合には、溶液又は溶融状態からの成 による方法が挙げられる。溶液又は溶融状 からの成膜には、高分子バインダーを併用 てもよい。溶液からの成膜は、前記溶液か 正孔輸送層を成膜する方法と同じにすれば い。

 電子輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効 を考慮して調整すればよいが、少なくとも ンホールが発しないような厚さが必要であ 、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くな 好ましくない。従って、該電子輸送層の膜 は、通常、1nm~1μmであり、好ましくは2nm~500n mであり、より好ましくは5nm~200nmである。

 ・電子注入層
 前記電子注入層としては、発光層の種類に じて、Ca層の単層構造からなる電子注入層 又はCaを除いた周期律表IA族とIIA族の金属で り、かつ仕事関数が1.5~3.0eVの金属及びその 属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物か 選ばれる1種又は2種以上で形成された層とCa 層との積層構造からなる電子注入層が挙げら れる。仕事関数が1.5~3.0eVの、周期律表IA族の 属又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化 としては、リチウム、フッ化リチウム、酸 ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム が挙げられる。また、仕事関数が1.5~3.0eVの Caを除いた周期律表IIA族の金属又はその酸 物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、ス ロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マ ネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化 リウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネ ウム等が挙げられる。
 電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法 印刷法等により形成すればよい。電子注入 の厚さは、1nm~1μm程度が好ましい。

 ・陰極材料
 前記陰極の材料としては、仕事関数の小さ 発光層への電子注入が容易な材料が好まし 、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ ウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウ 、カルシウム、ストロンチウム、バリウム アルミニウム、スカンジウム、バナジウム 亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウ 、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム イッテルビウム等の金属、若しくは上記金 のうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1 以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チ ン、コバルト、ニッケル、タングステン、 のうち1つ以上との合金、或いはグラファイ 又はグラファイト層間化合物等が用いられ 。前記合金としては、マグネシウム-銀合金 、マグネシウム-インジウム合金、マグネシ ム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、 リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグ シウム合金、リチウム-インジウム合金、カ ルシウム-アルミニウム合金等が挙げられる
 前記陰極を2層以上の積層構造とする場合に は、前記金属、金属酸化物、金属フッ化物、 これらの合金と、アルミニウム、銀、クロム 等の金属との積層構造が好ましい。

 前記陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性 考慮して選択すればよく、通常、10nm~10μmで あり、好ましくは20nm~1μmであり、より好まし くは50nm~500nmである。

 前記陰極の作製には、真空蒸着法、スパ タリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネ ト法等が用いられる。陰極作製後、発光素 を保護する保護層を装着していてもよい。 光素子を長期安定的に用いるためには、該 光素子を外部から保護するために、保護層 び/又は保護カバーを装着することが好まし い。

 前記保護層としては、高分子量の化合物 金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物 を用いることができる。前記保護カバーと ては、金属板、ガラス板、表面に低透水率 理を施したプラスチック板等を用いること できる。前記保護としては、前記保護カバ を熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼 合わせて密閉する方法が挙げられる。スペ サーを用いて空間を維持すれば、素子の損 を防ぐことが容易である。該空間に窒素や ルゴンのような不活性ガスを封入すれば、 極の酸化を防止することができ、さらに酸 バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置する とにより、製造工程で吸着した水分又は硬 樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素 に損傷を与えるのを抑制することが容易と る。これらのうち、いずれか1つ以上の方策 を採ることが好ましい。

 本発明の発光素子は、面状光源、セグメ ト表示装置、ドットマトリックス表示装置 液晶表示装置のバックライト等として用い ことができる。本発明の発光素子を用いて 状の発光を得るためには、面状の陽極と陰 が重なり合うように配置すればよい。また パターン状の発光を得るためには、前記面 の発光素子の表面にパターン状の窓を設け マスクを設置する方法、非発光部の有機物 を極端に厚く形成し実質的に非発光とする 法、陽極若しくは陰極のいずれか一方、又 両方の電極をパターン状に形成する方法が る。これらのいずれかの方法でパターンを 成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできる うに配置することにより、数字や文字、簡 な記号等を表示できるセグメントタイプの 示素子が得られる。更に、ドットマトリッ ス素子とするためには、陽極と陰極をとも ストライプ状に形成して直交するように配 すればよい。複数の種類の発光色の異なる 分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフ ルター又は蛍光変換フィルターを用いる方 により、部分カラー表示、マルチカラー表 が可能となる。ドットマトリックス素子は パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み わせてアクティブ駆動してもよい。これら 表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯 末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデ カメラのビューファインダー等の表示装置 して用いることができる。さらに、前記面 の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表 装置のバックライト用の面状光源、面状の 明用光源等として好適に用いることができ 。また、フレキシブルな基板を用いれば、 面状の光源や表示装置としても使用できる

 以下、実施例によって本発明を更に詳細 説明するが、本発明はこれらに限定される のではない。

(数平均分子量及び重量平均分子量)
 実施例において、ポリスチレン換算の数平 分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均 分子量(Mw)は、GPC(島津製作所製、商品名:LC-10A vp)により求めた。測定する高分子化合物は、 約0.5重量%の濃度になるようテトラヒドロフ ンに溶解させ、GPCに30μL注入した。GPCの移動 相にはテトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の 流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM-H(東ソ ー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列 繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津 製作所製、商品名:RID-10A)を用いた。

(高速液体クロマトグラフ(HPLC))
 実施例において、化合物の純度の指標とな HPLC面積百分率の値は、高速液体クロマトグ ラフ(HPLC、島津製作所製、商品名:LC-20A)によ 、特に記載のない限り、254nmにおける値を求 めた。測定する化合物は、0.01~0.2重量%の濃度 になるようテトラヒドロフラン又はクロロホ ルムに溶解させ、HPLCに濃度に応じて1~10μL注 した。HPLCの移動相には、アセトニトリル及 びテトラヒドロフランを用い、1mL/分の流速 、アセトニトリル/テトラヒドロフラン=100/0~ 0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。 ラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製) を用いた。検出器は、フォトダイオードアレ イ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用 た。

(ガラス転移温度)
 実施例において、ガラス転移温度(Tg)は、示 差走査熱量測定装置(DSC、TA Instruments社製、 品名:DSC2920)により求めた。測定条件として 、サンプルを200℃で5分間保持した後、-50℃ で急冷して30分間保持した。30℃まで温度を 上げた後、毎分5℃の昇温速度で300℃まで測 を行った。

(蛍光特性評価)
 実施例において、蛍光特性(高分子化合物の 薄膜の蛍光ピーク波長)の評価は、以下の方 で行った。高分子化合物をトルエン(関東化 社製、電子工業用グレード)に溶解させた。 このとき、固形分の濃度は、0.8重量%となる うに調製し、該溶液を石英板上に1500rpmの回 速度でスピンコートして高分子化合物の薄 を作製した。この薄膜を350nmの波長で励起 、蛍光分光光度計(JOBINYVON-SPEX社製、商品名:F luorolog)を用いて蛍光スペクトルを測定した。

(フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)測定)
 下記実施例において、フォトルミネッセン 量子収率測定は、浜松ホトニクス社製の絶 PL量子収率測定装置C9920-02を用い、励起中心 波長325nm、励起波長範囲315-335nm、測定波長範 390-800nmにて測定した。

 <実施例1>(化合物M1の合成)

 ・工程(1a)
 窒素ガス雰囲気下、2,7-ジブロモフルオレノ ン(75g、0.22mol)、ヘキシルベンゼン(334ml、1.78mo l)、及びトリフルオロメタンスルホン酸(42ml) 室温で攪拌した中へ、メルカプトスルホン ナトリウム(8.1g、44mmol)を加え、45℃で9時間 拌した。得られた溶液を室温まで冷却した 、ヘキサン1Lに注加した。減圧蒸留(105.5℃ 20hPa)により余剰のヘキシルベンゼンを留去 、ヘキサンで希釈した後、メタノールに注 し、析出した2,7-ジブロモフルオレノンをろ により除去した。得られたろ液を濃縮した 、トルエンで希釈し、イソプロピルアルコ ルを加えて、固体を析出させた。得られた 体をトルエン/イソプロピルアルコールで再 結晶することにより、白色結晶の化合物M1a(53 g、収率49%、HPLC面積百分率99.5%)を得た。
1 H-NMR(300MHz,CDCl 3 )δ 0.88(t,3H),1.20-1.45(m,6H),1.54-1.62(m,2H),2.57(t,2H),4 .96(s,1H),6.94(d,2H),7.10(d,2H),7.42(s,2H),7.48(dd,2H),7.60( d,2H)

 ・工程(1b)
 窒素ガス雰囲気下、化合物M1a(10g、20.6mmol)、 4-フルオロニトロベンゼン(3.5g、24.8mmol)、及 炭酸カリウム(4.3g、31.0mmol)を、脱水N,N-ジメ ルホルムアミド(35ml)中で、加熱還流下6時間 拌した。室温まで冷却した後、得られた溶 を攪拌しながら、その中へ水300mlをゆっく と加え、そのまま一晩室温で攪拌した。析 した固体を減圧ろ過してろ取し、さらに大 の水でろ過器上の固体を洗浄した。得られ 固体を真空乾燥して、化合物M1b(13.6g、定量 )を得た。
1 H-NMR(300MHz,THF-d8)δ 0.91(t,3H),1.24-1.42(m,6H),1.55-1.61 (m,2H),2.59(t,2H),7.07-7.16(m,4H),7.43(d,2H),7.59(dd,2H),7.6 4(s,2H),7.82(d,2H),8.11(d,2H)

 ・工程(1c)
 窒素ガス雰囲気下、化合物M1b(12.9g、21mmol)、 エタノール(153ml)、及び塩化スズ(II)二水和物( 18.6g、8mmol)の混合物を、加熱還流下、6時間攪 拌した。室温まで冷却した後、約60gまで減圧 濃縮した。得られた溶液を氷水(150g)に攪拌し ながら加えた。氷が溶解した後、得られた水 溶液に40重量%水酸化ナトリウム水溶液を溶液 のpHが10を超えるまで加えた後、トルエン200ml で2回抽出した。得られた有機層を無水硫酸 トリウムで乾燥、減圧濃縮した後、再結晶( ルエン-ヘキサン)して、化合物M1c(10g、収率9 7%)を得た。
1 H-NMR(300MHz,CDCl 3 )δ 0.87(t,3H),1.20-1.40(m,6H),1.52-1.57(m,2H),2.54(t,2H),6 .54(d,2H),6.91(d,2H),7.02-7.06(m,4H),7.42-7.48(m,4H),7.54(d, 2H)
LC-MS M=573

 ・工程(1d)
 アルゴンガス雰囲気下、ビス(t-ブチルフェ ル)アミン(98.5g、350mmol)、4,4’-ジヨードビフ ェニル(144.9g、357mmol)、水酸化カリウム(157.2g 2.8mol)、1,10-フェナントロリン(15.8g、87.5mmol) 及び塩化銅(I)(8.66g、87.5mmol)を脱水トルエン(5 25mL)に懸濁させ、130℃のオイルバスにて加熱 ながら6時間攪拌した。得られた反応混合物 をトルエン(1050mL)で希釈し、室温まで冷却し 後、セライトろ過することにより、不溶物 除去した。減圧濃縮により溶媒を留去し、 出した固体をクロロホルムに懸濁させた状 で、強攪拌して目的物を抽出し、不溶分を 別した。ろ液を減圧濃縮した後に、シリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ク ロホルム=98/2~70/30(容積比))により精製し、さ らに再結晶(クロロホルム-メタノール)、減圧 乾燥して、白色結晶の化合物M1d(79.5g、収率41% )を得た。
1 H-NMR(300MHz,THF-d8)δ 1.33(s,18H),7.00-7.07(m,6H),7.29-7.4 8(m,8H),7.73(d,2H)

 ・工程(1e)
 アルゴンガス雰囲気下、遮光下で、化合物M 1c(20.1g、35mmol)、化合物M1d(39.2g、70mmol)、水酸 カリウム(15.7g、280mmol)、1,10-フェナントロリ (3.15g、17.5mmol)、及び塩化銅(I)(1.73g、17.5mmol) 脱水トルエン(70mL)に懸濁させ、130℃のオイ バスにて加熱しながら10時間攪拌した。得 れた反応混合物をトルエン(490mL)で希釈し、 温まで冷却した後、セライトろ過して、不 物を除去した。減圧濃縮により溶媒を留去 た後、60℃に加熱したヘキサンに懸濁させ 不溶分をろ別した。ろ液を減圧濃縮した後 、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ サン/クロロホルム=98/2~65/35(容積比))により 製し、さらに再結晶(ヘキサン)、減圧乾燥 て、白色固体の化合物M1(19.3g、収率55%、HPLC 積百分率99%以上)を得た。
1 H-NMR(300MHz,THF-d8)δ 0.90(t,3H),1.21-1.47(m,42H),1.53-1.6 1(m,2H),2.57(t,2H),7.00-7.17(m,24H),7.31(d,8H),7.43-7.56(m,1 0H),7.63(d,2H),7.77(d,2H)
LC-MS M=1435

 <実施例2>(化合物M2の合成)

 ・工程(2a)
 アルゴンガス雰囲気下、マグネシウム小片( 2.9g、120mmol)を少量の脱水THF(約3mL)中で攪拌し いるところへ、1,2-ジブロモエタン(0.6g、3.2m mol)を加えた。マグネシウムの活性化を発熱 より確認した後に、4-ブロモヘキシルベンゼ ン(28.9g、120mmol)を脱水THF(40mL)に希釈した溶液 反応系内で緩やかな還流が維持されるよう 約30分かけて滴下し、引き続きオイルバス 1時間加熱還流させ、さらに脱水THF30mLで希釈 することにより、グリニャール溶液を調製し た。
 上記とは別に、アルゴンガス雰囲気下、2,7- ジブロモフルオレノン(27.0g、80mmol)を脱水ジ チルエーテル320mLに懸濁させた。得られた溶 液を室温にて強攪拌した中へ、上記グリニャ ール溶液を約30分かけて滴下し、引き続きオ ルバスで1時間加熱還流させた。氷水バスで 冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(80mL)を 滴下し、1時間攪拌した。分液し、水層から エチルエーテルで抽出し、有機層を合一し 後に、水(3回)、15重量%食塩水(1回)で順次洗 し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃 し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー( キサン/クロロホルム=98/2~50/50(容積比))によ 精製して、淡黄色油状物の化合物M2a(28g、収 率70%)を得た。
1 H-NMR(300MHz,Acetone-d6)δ 0.90(t,3H),1.25-1.40(m,6H),1.55- 1.63(m,2H),2.60(t,2H),5.51(s,1H),7.17(d,2H),7.30(d,2H),7.46( s,2H),7.59(d,2H),7.81(d,2H)
LC-MS M=498

 ・工程(2b)
 アルゴンガス雰囲気下、4-アミノジフェニ アミン(51.8g)、2,6-ジメチル-4-t-ブチルブロモ ンゼン(139g)、t-ブトキシナトリウム(59.4g)、 リス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウ (0)(5.15g)、及びトリ(t-ブチル)ホスフィン(2.28g )を脱水トルエン(1500mL)中、100℃にて5時間反 させた。次いで、室温まで冷却し、セライ ろ過により不溶物をろ別した後、ろ液を減 濃縮し、シリカゲルショートカラム(トルエ )に通液し、減圧濃縮し、粗生成物137.3gを得 た。前記粗生成物(137.3g)、2,6-ジメチル-4-t-ブ ルブロモベンゼン(51.9g)、t-ブトキシナトリ ム(22.8g)、トリス(ジベンジリデンアセトン) パラジウム(0)(3.94g)、及びトリ(t-ブチル)ホ フィン(1.74g)を脱水トルエン(1500mL)中、100℃ て3時間反応させた。室温まで冷却した後、 ライトろ過により不溶物をろ別し、ろ液を 圧濃縮し、シリカゲルショートカラム(トル エン)に通液し、減圧濃縮し、シリカゲルカ ムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル =50/1(容積比))により精製して、化合物M2b(55.7g) を得た。

 ・工程(2c)
 アルゴンガス雰囲気下、化合物M2b(54.7g)、4-t -ブチルブロモベンゼン(22.3g)、t-ブトキシナ リウム(11.5g)、トリス(ジベンジリデンアセト ン)ジパラジウム(0)(1.83g)、及びトリ(t-ブチル) ホスフィン(0.81g)を脱水トルエン(530mL)中、60 で1時間反応させた。室温まで冷却した後、 ライトろ過により不溶物をろ別し、ろ液を 圧濃縮し、シリカゲルショートカラム(トル エン)に通液し、減圧濃縮した中へ、メタノ ルを加えることにより固体を結晶化させた 得られた結晶を、さらに2回再結晶(トルエン -メタノール、及びヘキサン)、減圧乾燥する とにより、白色結晶の化合物M2c(43.3g、収率2 4%)を得た。
1 H-NMR(300MHz,THF-d8)δ 1.28(s,9H),1.34(s,18H),2.03(s,12H),6 .73-6.86(m,9H),7.05-7.21(m,8H)
LC-MS M=636

 ・工程(2d)
 アルゴンガス雰囲気下、遮光下で、室温に 、化合物M2a(10.0g、20.0mmol)、及び化合物M2c(12. 7g、20.0mmol)を脱水ジクロロメタン(600mL)に溶解 し、攪拌した中へ、脱水ジクロロメタン(136mL )に希釈した、三フッ化ホウ素ジエチルエー ル錯体(2.9mL、23.4mmol)溶液を45分かけて滴下し 、さらに室温にて5時間攪拌した。エタノー (50mL)、水(50mL)を反応混合物へ加え、1時間攪 した。水層を分液により除いた後に、有機 を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)、 、15重量%食塩水(2回)で順次洗浄し、無水硫 マグネシウムで乾燥、減圧濃縮し、さらに タノールを加えることで固体を析出させた 得られた固体を減圧乾燥した後に、シリカ ルショートカラム(ヘキサン/トルエン=1/1(容 比))に通液し、減圧濃縮、4回再結晶(ヘキサ ン-エタノール、アセトン-メタノール(2回)、 ルエン-アセトン-メタノール)、減圧乾燥す ことにより、白色固体の化合物M2(15.2g、収 70%、HPLC面積百分率99%以上)を得た。
1 H-NMR(300MHz,THF-d8)δ 0.90(t,3H),1.28(s,9H),1.30-1.33(m,24 H),1.50-1.62(m,2H),1.01(s,6H),2.03(s,6H),2.56(t,2H),6.70-7.1 9(m,20H),7.48-7.57(m,4H),7.73(d,2H)
LC-MS M=1116

 <比較例1>(化合物CM1の合成)

 ・工程(C1a)
 アルゴンガス雰囲気下、4-アミノジフェニ アミン(5.53g、30mmol)、4-n-ブチルブロモベンゼ ン(25.6g、120mmol)、t-ブトキシナトリウム(8.65g 90mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ ラジウム(0)(0.82g、0.9mmol)、及びトリ(t-ブチル )ホスフィン(0.36g、1.8mmol)を脱水トルエン(120mL )中、100℃にて3時間反応させた。室温まで冷 した後、トルエン(200mL)を加え、飽和食塩水 (100mL×3)、水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナ リウムで乾燥、減圧濃縮し、2回シリカゲル カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエ =75/25(容積比)、ヘキサン/トルエン=100/0~75/25( 容積比))により精製して、化合物CM1a(10.2g)を た。
1 H-NMR;δ0.97(9H,t),1.37(6H,m),1.58(6H,m),2.55(6H,t),6.85-7.0 7(18H,m),7.17(2H,t)

 ・工程(C1b)
 アルゴンガス雰囲気下、2,7-ジブロモフルオ レノン(0.379g、1.1mmol)、化合物CM1a(1.37g、2.3mmol) 、メタンスルホン酸(触媒量)、トルエン(6mL) 混合し、15時間加熱還流させた。室温まで冷 却した後に、トルエン(30mL)で希釈し、炭酸水 素ナトリウム水溶液(100mL×3)、水(100mL)で洗浄 、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ サン/トルエン=1/6(容積比))により精製して、 合物CM1(0.82g、HPLC面積百分率99%以上)を得た
LC-MS(APCI法);m/z 1482.5(〔M+H〕 + )

 <比較例2>(化合物CM2の合成)

 窒素ガス雰囲気下、遮光下で、2,7-ジブロモ フルオレノン(4.97g、14.7mmol)、4,4’-ジメチル リフェニルアミン(10.5g、36.8mmol)、及びメタ スルホン酸(1.41g、14.7mmol)を140℃で5時間攪拌 た。50℃まで冷却した後、クロロホルム(50ml )を加え、10重量%炭酸ナトリウム水溶液(50ml) 2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、 圧濃縮した後に、再結晶(クロロホルム-ア トン)した。得られた固体を塩化メチレン(330 g)に加熱溶解させた溶液へ活性炭(3g)を加え、 1時間室温で攪拌した。シリカゲルをプレコ トしたろ過器により、活性炭を除去し、得 れた溶液にアセトンをゆっくりと加えて晶 し、減圧乾燥して、白色固体の化合物CM2(9.8g 、収率77%、HPLC面積百分率99%以上)を得た。
1 H-NMR(300MHz、THF-d8)δ 2.26(s,12H),6.80-7.20(m,24H),7.5-7 .8(m,6H)
LC-MS M=864

 <実施例3>(高分子化合物P1の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.6537g、1.233mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.5484g、1.000m mol)、化合物M1(0.3597g、0.250mmol)、及びトリオク チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 商品名:Aliquat336)(0.16g、0.40mmol)をアルゴンガ 雰囲気下、トルエン(10mL)に溶解させた。溶 中へアルゴンガスをバブリングした後、80 まで昇温し、ジクロロビストリフェニルホ フィンパラジウム(1.8mg、2.5μmol)のトルエン 濁液(5mL)を仕込み、更に17.5重量%の炭酸ナト ウム水溶液(3.4mL、5.6mmol)を加え、還流下7時 反応させた。一旦冷却した後に、フェニル ウ酸(0.0156g、0.128mmol)をトルエン2mLに溶解し 溶液を加え、更に還流下2時間反応させた。 水層を除去した後に、9重量%N,N-ジエチルジチ オカルバミド酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え 、90℃で2時間攪拌した後、有機層をイオン交 換水(20mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(20mL)で2回 イオン交換水(20mL)で2回順次洗浄し、次いで タノール(230mL)へ滴下し、30分攪拌すること 、ポリマーを析出させた。吸引ろ過により リマーをろ取し、メタノール(45mL)で洗浄し 減圧乾燥することで粗ポリマー(1.163g)を得 。
 この粗ポリマーをトルエン(47mL)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(6.5g)、シリカゲル( 15g)に通液し、更にトルエン(72mL)を通液した 得られた溶液をメタノール(230mL)を攪拌した にゆっくりと加え、更に30分攪拌して、ポ マーを析出させた。吸引ろ過でろ取し、メ ノール(45mL)で洗浄し、減圧乾燥して、ポリ ーである高分子化合物P1(1.068g、収率90.5%)を た。高分子化合物P1のポリスチレン換算の数 平均分子量Mnは6.7×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは1.7×10 5 であり、ガラス転移温度は114℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は446nmであった。
 高分子化合物P1は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例4>(高分子化合物P2の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.7836g、1.478mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.6581g、1.200m mol)、化合物M2(0.3358g、0.300mmol)、及びトリオク チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 商品名:Aliquat336)(0.19g、0.47mmol)をアルゴンガ 雰囲気下、トルエン(10mL)に溶解させた。溶 中へアルゴンガスをバブリングした後、80 まで昇温し、ジクロロビストリフェニルホ フィンパラジウム(1.1mg、1.5μmol)のトルエン 濁液(5mL)を仕込み、更に17.5重量%炭酸ナトリ ム水溶液(4.1mL、6.8mmol)を加え、還流下6時間 応させた。一旦冷却した後に、フェニルホ 酸(0.0156g、0.128mmol)をトルエン4mLに溶解した 液を加え、更に還流下2時間反応させた。水 層を除去した後に、9重量%N,N-ジエチルジチオ カルバミド酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、 90℃で2時間攪拌した後、有機層をイオン交換 水(20mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(20mL)で2回、 オン交換水(20mL)で2回順次洗浄し、ついでメ ノール(230mL)へ滴下し、30分攪拌して、ポリ ーを析出させた。吸引ろ過によりポリマー ろ取し、メタノール(45mL)で洗浄し、減圧乾 することで粗ポリマー(1.23g)を得た。
 この粗ポリマーをトルエン(47mL)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(6.5g)、シリカゲル( 15g)に通液し、更にトルエン(72mL)を通液した 得られた溶液をメタノール(230mL)を攪拌した にゆっくりと加え、更に30分攪拌して、ポ マーを析出させた。吸引ろ過でろ取し、メ ノール(45mL)で洗浄し、減圧乾燥して、ポリ ーである高分子化合物P2を得た(1.14g、収率86. 4%)。高分子化合物P2のポリスチレン換算の数 均分子量Mnは1.2×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは2.5×10 5 であり、ガラス転移温度は104℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は447nmであった。
 高分子化合物P2は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例5>(高分子化合物P3の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.7836g、1.478mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.4938g、0.900m mol)、化合物M2(0.6715g、0.453mmol)、及びトリオク チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 商品名:Aliquat336)(0.21g、0.52mmol)をアルゴンガ 雰囲気下、トルエン(10mL)に溶解させた。溶 中へアルゴンガスをバブリングした後、80 まで昇温し、ジクロロビストリフェニルホ フィンパラジウム(1.2mg、1.7 μmol)のトルエン 懸濁液(5mL)を仕込み、更に17.5重量%炭酸ナト ウム水溶液(4.1mL、6.8mmol)を加え、還流下6時 反応させた。一旦冷却した後に、フェニル ウ酸(0.0200g、0.164mmol)をトルエン3mLに溶解し 溶液を加え、更に還流下2時間反応させた。 層を除去した後に、9重量%N,N-ジエチルジチ カルバミド酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え 90℃で2時間攪拌した後、有機層をイオン交 水(20mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(20mL)で2回、 イオン交換水(20mL)で2回順次洗浄し、次いで タノール(230mL)へ滴下し、30分攪拌して、ポ マーを析出させた。吸引ろ過でポリマーを 取し、メタノール(45mL)で洗浄し、減圧乾燥 て粗ポリマー(1.41g)を得た。
 この粗ポリマーをトルエン(47mL)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(6.5g)、シリカゲル( 15g)に通液し、更にトルエン(72mL)を通液した 得られた溶液をメタノール(230mL)を攪拌した にゆっくりと加え、更に30分攪拌したこと 、ポリマーが析出した。吸引ろ過でろ取し メタノール(45mL)で洗浄し、減圧乾燥して、 リマーである高分子化合物P3を得た(1.30g、収 率87.2%)。高分子化合物P3のポリスチレン換算 数平均分子量Mnは5.5×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは1.2×10 5 であり、ガラス転移温度は128℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は449nmであった。
 高分子化合物P3は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例6>(高分子化合物P4の合成)
 化合物M2(1.12g、1.00mmol)、2,2’-ビピリジル(0.3 75g、2.40mmol)をアルゴンガス雰囲気下、市販脱 水品テトラヒドロフラン(74ml)に溶解させた。 溶液中へアルゴンガスをバブリングした後、 60℃まで昇温し、[ビス(1,4-シクロオクタジエ )]ニッケル(0.66g、2.40mmol)を仕込み、60℃で2 間反応させた。室温まで冷却した後、4重量% アンモニア水(112ml)、メタノール(73ml)の混合 液中へ注加して、ポリマーを析出させ、ろ し、減圧乾燥して、粗ポリマー(1.07g)を得た
 この粗ポリマーをトルエン(72ml)に溶解させ セライトろ過することにより不溶物を除去 た。ろ過器上の残渣をトルエン(22ml)で3回洗 浄し、前記で得られたろ液と合一した後、カ ラムに充填したアルミナ(5.5g)、シリカゲル(16 .5g)に通液し、更にトルエン(100ml)を通液した 得られた溶液をメタノール(450ml)を攪拌した 中にゆっくりと加え、更に30分攪拌して、ポ マーを析出させた。吸引ろ過でろ取し、メ ノール(100ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポリ マーである高分子化合物P4を得た(0.85g、収率8 9%)。高分子化合物P4のポリスチレン換算の数 均分子量Mnは8.9×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.9×10 5 であり、ガラス転移温度は269℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は453nmであった。
 高分子化合物P4は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <比較例3>(高分子化合物CP1の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.9323g、1.700mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.9588g、1.717m mol)、及びトリオクチルメチルアンモニウム ロリド(Aldrich社製、商品名:Aliquat336)(0.68g、1.7 mmol)をアルゴンガス雰囲気下、トルエン(27mL) 溶解させた。溶液中へアルゴンガスをバブ ングした後、80℃まで昇温し、テトラキス リフェニルホスフィンパラジウム(0)(3.9mg、3. 4μmol)のトルエン懸濁液(5mL)を仕込み、更に2.5 重量%炭酸カリウム水溶液(29.7ml、5.36mmol)を加 、還流下17時間反応させた。一旦冷却した に、ブロモベンゼン(0.035g、0.22mmol)をトルエ 3mLに溶解させた溶液を加え、更に還流下2時 間反応させた。室温まで冷却した後に、メタ ノール(200mL)へ滴下し、30分攪拌して、ポリマ ーを析出させた。吸引ろ過でポリマーをろ取 し、メタノール(70mL)で洗浄し、減圧乾燥して 粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(35mL)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(10g)、シリカゲル(2 0g)に通液し、更にトルエン(50mL)を通液した。 得られた溶液をメタノール(120mL)を攪拌した にゆっくりと加え、更に30分攪拌して、ポリ マーを析出させた。吸引ろ過でろ取し、メタ ノール(70mL)で洗浄し、減圧乾燥して、ポリマ ーである高分子化合物CP1を得た(1.04g、収率78% )。高分子化合物CP1のポリスチレン換算の数 均分子量Mnは4.8×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは1.1×10 5 であり、ガラス転移温度は69℃であり、薄膜 蛍光ピーク波長は439nmであった。
 高分子化合物CP1は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <比較例4>(高分子化合物CP2の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(1.1814g、2.228mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.9872g、1.800m mol)、化合物CM2(0.3900g、0.450mmol)、及びトリオ チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 、商品名:Aliquat336)(0.29g、0.72mmol)をアルゴンガ ス雰囲気下、トルエン(17.5mL)に溶解させた。 液中へアルゴンガスをバブリングした後、8 0℃まで昇温し、ジクロロビストリフェニル スフィンパラジウム(1.6mg、2.3μmol)のトルエ 懸濁液(5mL)を仕込み、更に20重量%テトラエチ ルアンモニウム水溶液(7.3ml、10.4mmol)を加え、 還流下7時間反応させた。一旦冷却した後に フェニルホウ酸(0.27g、2.25mmol)をトルエン3mL 懸濁させた溶液を加え、更に還流下2時間反 させた。トルエン(22ml)を加え希釈した後に 水層を除去し、9重量%N,N-ジエチルジチオカ バミド酸ナトリウム水溶液(14mL)を加え、90 で2時間攪拌した後、有機層をイオン交換水( 30mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(30mL)で2回、イオ ン交換水(30mL)で2回順次洗浄し、次いでメタ ール(350mL)へ滴下し、30分攪拌して、ポリマ を析出させた。吸引ろ過でポリマーをろ取 、メタノール(70mL)で洗浄し、減圧乾燥して ポリマー(1.89g)を得た。
 この粗ポリマーをトルエン(70mL)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(15g)、シリカゲル(3 5g)に通液し、更にトルエン(110mL)を通液した 得られた溶液をメタノール(350mL)を攪拌した にゆっくりと加え、更に30分攪拌して、ポ マーを析出させた。吸引ろ過でろ取し、メ ノール(70mL)で洗浄し、減圧乾燥して、ポリ ーである高分子化合物CP2を得た(1.65g、収率88 %)。高分子化合物CP2のポリスチレン換算の数 均分子量Mnは2.8×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは6.1×10 4 であり、ガラス転移温度は89℃であり、薄膜 蛍光ピーク波長は438nmであった。
 高分子化合物CP2は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <比較例5>(高分子化合物CP3の合成)
 窒素ガス雰囲気下、2,7-ビス(1,3,2-ジオキサ ロラン-2-イル)-9,9-ジオクチルフルオレン(0.42 4g、0.800mmol)、2,7-ジブロモ-9,9-ジオクチルフル オレン(0.254g、0.464mmol)、化合物CM1(0.516g、0.348m mol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロ ド(Aldrich社製、商品名:Aliquat336)(0.20g、0.49mmol) 、酢酸パラジウム(0.5mg、2.4μmol)、トリス(2-メ チルフェニル)ホスフィン(2.0mg、6.5μmol)、ト エン(10mL)、及び17.5重量%炭酸ナトリウム水溶 液(2ml、3.3mmol)を、還流下3時間反応させた。 旦冷却した後に、フェニルホウ酸(20mg、0.16mm ol)とテトラヒドロフラン(2ml)の混合溶液を加 、更に還流下3時間反応させた。次いで、N,N -ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水 液を加え、85℃で4時間攪拌した後、有機層 水(30ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(30ml)で4回、 (30ml)で3回順次洗浄し、カラムに充填したア ルミナ、シリカゲルに通液した。得られた溶 液をメタノール(250ml)を攪拌した中にゆっく と加え、更に1時間攪拌して、ポリマーを析 させた。吸引ろ過でろ取し、メタノールで 浄し、減圧乾燥して、ポリマーである高分 化合物CP3を得た(719mg、収率74.9%)。高分子化 物CP3のポリスチレン換算の数平均分子量Mn 4.5×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは1.1×10 5 であり、ガラス転移温度は90℃であり、薄膜 蛍光ピーク波長は481nmであった。
 高分子化合物CP3は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <比較例6>(高分子化合物CP4の合成)
 化合物CM1(0.500g、0.34mmol)及び2,2’-ビピリジ (0.126g、0.81mmol)を予めアルゴンガスでバブリ グした脱水テトラヒドロフラン(24ml)に溶解 せた。次に、[ビス(1,4-シクロオクタジエン) ]ニッケル(0){Ni(COD) 2 }(0.223g、0.81mmol)を加えて攪拌し、この溶液を6 0℃まで昇温後、3時間反応させた。室温まで 却した後、25重量%アンモニア水(1ml)、メタ ール(24ml)、イオン交換水(24ml)の混合溶液中 滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿を 過して減圧乾燥した。次いで、トルエン(10m l)に溶解させ、セライトろ過して不溶物を除 した後、ろ液をアルミナカラムに通液した 次に4重量%アンモニア水(約20ml)を加え、2時 攪拌した後、水層を除去した。さらに有機 にイオン交換水(約20ml)を加え、1時間攪拌し た後、水層を除去した。その後、有機層をメ タノール(60ml)を攪拌した中に加え、更に30分 拌して、ポリマーを析出させた。吸引ろ過 ろ取し、減圧乾燥して、ポリマーである高 子化合物CP4を得た(0.28g、収率63%)。高分子化 合物CP4のポリスチレン換算の数平均分子量Mn 9.8×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは2.3×10 5 であり、ガラス転移温度は125℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は494nmであった。
 高分子化合物CP4は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <比較例7>(高分子化合物CP5の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.7836g、1.478mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.6583g、1.200m mol)、化合物CM1(0.4444g、0.300mmol)、及びトリオ チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 、商品名Aliquat336)(0.20g、0.49mmol)をアルゴンガ 雰囲気下、トルエン(10mL)に溶解させた。溶 中へアルゴンガスをバブリングした後、80 まで昇温し、ジクロロビストリフェニルホ フィンパラジウム(1.1mg、1.5μmol)のトルエン 濁液(5mL)を仕込み、更に17.5重量%炭酸ナトリ ム水溶液(4.1mL、6.8mmol)を加え、還流下6時間 応させた。一旦冷却した後に、フェニルホ 酸(0.0196g、0.161mmol)をトルエン3mLに溶解した 液を加え、更に還流下2時間反応させた。水 層を除去した後に、9重量%N,N-ジエチルジチオ カルバミド酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、 90℃で2時間攪拌した後、有機層をイオン交換 水(20mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(20mL)で2回、 オン交換水(20mL)で2回順次洗浄し、次いでメ ノール(230mL)へ滴下し、30分攪拌して、ポリ ーを析出させた。吸引ろ過でポリマーをろ し、メタノール(45mL)で洗浄し、減圧乾燥し 粗ポリマー(1.29g)を得た。
 この粗ポリマーをトルエン(47mL)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(6.5g)、シリカゲル( 15g)に通液し、更にトルエン(72mL)を通液した 得られた溶液をメタノール(230mL)を攪拌した にゆっくりと加え、更に30分攪拌して、ポ マーを析出させた。吸引ろ過でろ取し、メ ノール(45mL)で洗浄し、減圧乾燥して、ポリ ーである高分子化合物CP5を得た(1.19g、収率83 .2%)。高分子化合物CP5のポリスチレン換算の 平均分子量Mnは7.3×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは1.8×10 5 であり、ガラス転移温度は81℃であり、薄膜 蛍光ピーク波長は480nmであった。
 高分子化合物CP5は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <実施例7>(発光素子DP1の作製)
 高分子化合物P1をキシレン(関東化学社製、 子工業用グレード)に溶解させた。このとき 、固形分の濃度は、1.3重量%となるように調 した。スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を 付けたガラス基板に、ポリ(3,4-エチレンジオ シチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の 液(バイエル社製、商品名:BaytronP CH8000)を用 てスピンコートにより65nmの厚みで成膜し、 ホットプレート上で、200℃で10分間乾燥した 次に、上記調製したキシレン溶液を用いて ピンコートにより1700rpmの回転速度で成膜し た。膜厚は約100nmであった。これを窒素ガス 囲気下130℃で20分間乾燥した後、陰極とし 、フッ化リチウムを約4nm、次いでカルシウ を約5nm、最後にアルミニウムを約100nm蒸着し て、発光素子DP1を作製した。素子構成は、ITO /BaytronP(65nm)/高分子化合物P1/LiF/Ca/Alとなる。 お、真空度が1×10 -4 Pa以下に到達した後、金属の蒸着を開始した
 発光素子DP1に電圧を印加したところ、高分 化合物P1由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 光を示した。最大発光効率は1.1cd/Aであり、 のときの電圧は3.8Vであり、外部量子収率は 1.8%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は4.4Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.07)であり、発光効率1.1cd/Aであり、外 量子収率は1.8%であった。これらの結果を表 1に示す。

 <実施例8>(発光素子DP2の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P2の1.2 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから2500rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP2 を作製した。
 発光素子DP2に電圧を印加したところ、高分 化合物P2由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 光を示した。最大発光効率は1.9cd/Aであり、 のときの電圧は3.8Vであり、外部量子収率は 1.7%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は5.5Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.13)であり、発光効率1.6cd/Aであり、外 量子収率は1.5%であった。これらの結果を表 1に示す。

 <実施例9>(発光素子DP3の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P3の1.5 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから2500rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP3 を作製した。
 発光素子DP3に電圧を印加したところ、高分 化合物P3由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 光を示した。最大発光効率は1.6cd/Aであり、 のときの電圧は4.6Vであり、外部量子収率は 1.3%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は4.5Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.15)であり、発光効率1.6cd/Aであり、外 量子収率は1.3%であった。これらの結果を表 1に示す。

 <比較例8>(発光素子DCP1の作製)
 高分子化合物CP1をトルエン(関東化学社製、 電子工業用グレード)に溶解させた。このと 、固形分の濃度が、1.5重量%となるように調 した。スパッタ法により150nmの厚みでITO膜 付けたガラス基板に、ポリ(3,4-エチレンジオ キシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の 液(バイエル社製、商品名:BaytronP CH8000を用 てスピンコートにより70nmの厚みで成膜し、 ホットプレート上で200℃で10分間乾燥した。 に、上記調製したトルエン溶液を用いてス ンコートにより1000rpmの回転速度で成膜した 。膜厚は約93nmであった。これを窒素ガス雰 気下130℃で20分間乾燥した後、陰極として、 フッ化リチウムを約4nm、次いでカルシウムを 約5nm、最後にアルミニウムを約72nm蒸着して 発光素子DCP1を作製した。素子構成は、ITO/Bay tronP(70nm)/高分子化合物CP1/LiF/Ca/Alとなる。な 、真空度が、1×10 -4 Pa以下に到達した後、金属の蒸着を開始した
 発光素子DCP1に電圧を印加したところ、高分 子化合物CP1由来のピーク波長(EL)440nmの深青色 発光を示した。最大発光効率は0.44cd/Aであり そのときの電圧は5.4Vであり、外部量子収率 は0.30%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は4.9Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.15,0.10)であり、発光効率0.36cd/Aであり、外 部量子収率は0.16%であった。これらの結果を 1に示す。

 <比較例9>(発光素子DCP2の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物CP2の1.7 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから2200rpmとしたこと以 外は、実施例7と同様にして、発光素子DCP2を 製した。
 発光素子DCP2に電圧を印加したところ、高分 子化合物CP2由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 発光を示した。最大発光効率は0.18cd/Aであり そのときの電圧は5.6Vであり、外部量子収率 は0.29%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は4.8Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.07)であり、発光効率0.17cd/Aであり、外 部量子収率は0.29%であった。これらの結果を 1に示す。

 <比較例10>(発光素子DCP3の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物CP3の1.5 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから1600rpmとしたこと以 外は、実施例7と同様にして、発光素子DCP3を 製した。
 発光素子DCP3に電圧を印加したところ、高分 子化合物CP3由来のピーク波長(EL)480nmの青緑色 発光を示した。最大発光効率は1.0cd/Aであり そのときの電圧は5.4Vであり、外部量子収率 0.55%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は4.2Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.20,0.29)であり、発光効率0.80cd/Aであり、外 部量子収率は0.43%であった。これらの結果を 1に示す。

 <比較例11>(発光素子DCP4の作製)
 比較例8において、高分子化合物CP1の1.5重量 %トルエン溶液に代えて、高分子化合物CP4の1. 5重量%トルエン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから1600rpmとしたこと 外は、比較例8と同様にして、発光素子DCP4を 作製した。
 発光素子DCP4に電圧を印加したところ、高分 子化合物CP4由来のピーク波長(EL)500nmの緑色発 光を示した。最大発光効率は0.58cd/Aであり、 のときの電圧は8.4Vであり、外部量子収率は 0.24%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は5.2Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.34,0.45)であり、発光効率0.35cd/Aであり、外 部量子収率は0.16%であった。これらの結果を 1に示す。

 <実施例10>(化合物M3の合成)

 ・工程(3a)
 500mlの四つ口フラスコ中で2-ブロモフルオレ ン(17.16g,70mmol)、オクチルブロミド(27.71g,141mmol )、乳鉢ですりつぶした水酸化カリウム(16.69g, 298mmol)、乳鉢ですりつぶしたヨウ化カリウム( 1.16g,7.0mmol)とDMSO(169ml)を混合し、7時間、室温 攪拌した。反応終了後、イオン交換水(300ml) とトルエン(400ml)を加え分液を行い、飽和塩 ナトリウム水溶液(200ml×5)で洗浄し、有機層 硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃 を行った。得られたオイルを中圧分取カラ (シリカゲル、ヘキサン)で精製することに り化合物M3a(28.2g,86%)を得た。

 ・工程(3b)
 アルゴン雰囲気下、300mLの四つ口フラスコ で、化合物M3a(20.19g,43mmol)、ヨウ素(6.55g,26mmol) 、過ヨウ素酸(1.65g,8.6mmol)、濃硫酸(2ml)、水(8ml )と酢酸(75ml)を混合し、8時間、50℃で攪拌し 。さらにヨウ素(6.55g,26mmol)を加え、6時間、50 ℃で攪拌した。反応終了後、水(100ml)トルエ (300ml)を加え、水層を取り除いた後、有機層 チオ硫酸ナトリウム水溶液(100ml)とイオン交 換水(300ml×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾 後、減圧乾燥させた。得られたオイルを中 分取カラム(シリカゲル、ヘキサン)で精製す ることにより化合物M3b(23.3g,91%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=0.68-0.86(m,4H),1.01(t,6H),1.14-1.52(m,20H),2.12-2.22(m ,4H),7.63(dd,1H),7.69(d,1H),7.74(d,1H),7.80-7.86(m,2H),7.94( d,1H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=15.6,24.6,31.2,31.3,31.9,33.9,41.8,57.7,94.7,123.4,123. 5,128.2,132.2,133.1,134.2,138.2,139.2,141.5,142.0,154.5,154. 8ppm.

 ・工程(3c)
 アルゴン雰囲気下、500mlの四つ口フラスコ でアニリン(5.59g,60mmol)、4-ブロモ-4’-ブチル- ビフェニル(17.29g,60mmol)、ナトリウム-t-ブトキ シド(8.65g,90mmol)、トリ-o-トリルホスフィン(1.4 6mg,4.8mmol)、トルエン(180ml)を混合した。さら トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウ ム(0)(1.10g,1.2mmol)を加え、5時間、120℃に加温 た。反応終了後、クロロホルム(300ml)を加え イオン交換水(100ml×3)で洗浄し、有機層を硫 酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮を 行った。得られた組成物にトルエン(200ml)を え、還流させることで溶解させた。得られ トルエン溶液を、セライトとシリカゲルを 液させ、さらに80℃に加温しておいたトルエ ン(150ml)で洗いこみ、濃縮乾固させた。得ら た固体をトルエン(30ml)で再結晶することに り化合物M3c(9.18g,51%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=1.51(s,9H),6.98(dd,1H),7.27(dd,4H),7.36(dd,2H),7.58(m,3 H),7.65(m,4H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=31.0,117.4,120.1,125.5,125.7,125.9,127.4,129.1,132.8,13 8.4,143.3,144.0,149.0ppm.

 ・工程(3d)
 アルゴン雰囲気下、300mlの四つ口フラスコ で、化合物M3c(8.67g,20mmol)、化合物M3b(11.91g,20mm ol)、1,10-フェナントロリン(1.8g,10mmol)、塩化銅 (I)(0.99g,10mmol)、乳鉢ですりつぶした水酸化カ ウム(7.99g,160mmol)とトルエン(40ml)を混合し、 カニカルスターラーで攪拌しながら7時間、 135℃に加温した。反応終了後、トルエン(300ml )を加え、セライトでろ過を行った。得られ トルエン溶液をイオン交換水(100m×5)で洗浄 、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後 濃縮乾固した。得られた固体を中圧分取カ ム(シリカゲル、ヘキサン)で精製することに より化合物M3d(10.1g,65%)を得た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:770(〔M+H〕 + )
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=0.70-0.88(m,4H),0.96(t,6H),1.11-1.42(m,20H),1.46(s,9H), 2.04(t,4H),7.10-7.17(m,2H),7.25(d,4H),7.31(d,1H),7.37(t,2H), 7.52-7.59(m,3H),7.60-7.66(m,5H),7.69(d,1H),7.74(d,1H)ppm.

 ・工程(3e)
 アルゴン雰囲気下、300mlの四つ口フラスコ で、ジフェニルアミン(30.00g,177mmol)とクロロ ルム(380ml)を混合し、0℃に冷却した。ここ テトラブチルアンモニウムトリブロミド(171g ,354mmol)をクロロホルム(750ml)に溶かした溶液 4時間かけ、0℃を保ちながら滴下した。反応 終了後、イオン交換水(70ml)を加えた後、室温 まで昇温した。得られた溶液を飽和炭酸水素 ナトリウム水溶液(450ml×4)で洗浄した後、有 層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮 行った。得られたオイルにトルエン(500ml)を え、イオン交換水(500ml×10)で洗浄し、有機 を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮を った。得られた固体をトルエン(45ml)とヘキ ン(20ml)で再結晶することにより化合物M3e(41.2 g,71%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=7.08(d,2H),7.43(d,2H),7.66(s,1H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=114.0,121.0,134.0,144.8ppm.

 ・工程(3f)
 アルゴン雰囲気下、1Lの四つ口フラスコ中 、化合物M3e(18.0g,55mmol)、n-ブチルフェニルホ 酸(21.5g,121mmol)、Aliquat336(7.11g,18mmol)とトルエ (300ml)を混合し、1時間アルゴンバブリング 行った。さらに酢酸パラジウム(123mg,0.55mmol) トリス(o-メトキシフェニル)ホスフィン(1.36g ,3.9mmol)を加え、105℃に加温した。この反応溶 液に2M炭酸ナトリウム水溶液(90ml)を1時間かけ て滴下し、10時間還流させた。反応終了後室 まで冷却し、イオン交換水(100ml×10)で洗浄 た。有機層にクロロホルム(500ml)を加え、イ ン交換水(100ml×4)で洗浄した。ラジオライト を用いてろ過を行い、硫酸ナトリウムを用い て乾燥させ、濃縮した。得られたオイルにト ルエン(100ml)を加え、還流させることで溶解 せた。トルエン溶液を、セライトとシリカ ルを通液させ、さらに80℃に加温しておいた トルエン(150ml)で洗いこみ、濃縮乾固させた 得られた固体をトルエンで再結晶すること より、化合物M3f(14.2g,60%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=1.11(t,6H),1.53(m,4H),1.78(m,4H),2.77(t,4H),7.34(m,8H), 7.65(m,9H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=15.5,24.4,35.9,37.2,119.5,128.0,129.3,130.6,134.9,140.5 ,142.8,145.0ppm.

 ・工程(3g)
 アルゴン雰囲気下、500mlの四つ口フラスコ で、化合物M3d(10.0g,13mmol)、化合物M3f(6.2g,14mmol )、ナトリウム-t-ブトキシド(1.87g,20mmol)、トリ ス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)( 238mg,0.26mmol)、トルエン(135ml)を混合し、40℃に 加温した。さらにトリ-t-ブチルホスフィン(21 0mg,1.1mmol)を加え3時間、80℃に加温した。反応 終了後、室温まで冷却し飽和塩化ナトリウム 水溶液(250ml×4)で洗浄した。有機層を硫酸ナ リウムで洗浄した後、シリカゲルを通液し 濃縮した。得られたオイルを中圧分取カラ (シリカゲル、ヘキサン:トルエン=5:1)で精製 ることにより化合物M3g(13.5g,93%)を得た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:1122(〔M+H〕 + )
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=0.83-1.05(m,10H),1.12(t,6H),1.20-1.47(m,20H),1.51(s,9H) ,1.53-1.64(m,4H),1.75-1.85(m,4H),2.03(t,4H),2.81(t,4H),7.13- 7.26(m,3H),7.29-7.44(m,16H),7.60(d,2H),7.65-7.71(m,12H),7.73 (d,1H),7.76(d,1H)ppm.

 ・工程(3h)
 アルゴン雰囲気下、500mlの4つ口フラスコ中 化合物M3g(12.3g,11mmol)、前記と同様に合成し 化合物M2a(5.6g,11mmol)とジクロロメタン(200ml)を 混合した。室温下、前記混合溶液にトリフル オロボランエーテル錯体(1.6ml,13mmol)とジクロ メタン(35ml)の混合溶液を1時間かけて滴下し た後、5時間撹拌した。反応終了後、イオン 換水(100ml)を加えた後、分液漏斗を用いてイ ン交換水(100ml×3)で洗浄した。得られた有機 層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃 縮した。得られた固体をトルエン100mlに溶解 せ、シリカゲルを通液させ、トルエン(300ml) で洗いこみ、濃縮乾固させた。得られた固体 をヘキサン(300ml×2)でリパルプ洗浄すること より化合物M3(16.33g,93%)を得た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:1603.7([M] + )

 <実施例11>(化合物M4の合成)

 ・工程(4a)
 アルゴン雰囲気下、500mlフラスコ中で4-tert- ロモベンゼン(50.0g、235mmol)、アニリン(32.8g 352mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ ラジウム(0)(2.15g、2.3mmol)、ナトリウム-tert- トキシド(23.7g、246mmol)、トリ-tert-ブチルホス フィン(1.90g、9.4mmol)、及びトルエン(255g)を混 し、100℃にて10時間攪拌した。反応終了後 室温まで冷却した後に、トルエン(290ml)で希 し、ろ過により不溶物を除去した。ろ液を 圧濃縮した後に、シリカゲルカラムに通液 、さらにトルエンで洗い出し、得られた溶 を濃縮乾固し、減圧乾燥することで固体を た。得られた固体を、ヘキサンを用いて再 晶することにより化合物M4a(22g)を得た。得 れたM4aはこれ以上精製することなく次工程 用いた。

 ・工程(4b)
 アルゴン雰囲気下、500mlフラスコ中で化合 M4a(9.79g)、及びクロロホルム(120ml)を混合し、 氷水バスにて冷却した後に、トリフルオロ酢 酸(4μl、0.05mmol)を加えた中へ、N,N-ジメチルホ ルムアミド(42ml)に溶解したN-ブロモスクシン ミド(3.74g、21mmol)を1時間かけて滴下した。 水バスを外し、室温にて3時間攪拌した。反 終了後、クロロホルム(100ml)で希釈し、2重 %亜硫酸ナトリウム水溶液(120ml)、5重量%炭酸 素ナトリウム水溶液(100ml)、蒸留水(100ml)で 次洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウ を用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた 体をクロロホルム(60ml)に溶解させ、メタノ ル(120ml)をゆっくりと加え、析出した固体を 取、メタノール(50ml)で洗浄し、減圧乾燥す ことにより化合物M4b(10.4g)を得た。得られた M4bはこれ以上精製することなく次工程に用い た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:535([M+H] + )
1 H-NMR(300MHz,THF-d 8 ):δ(ppm)1.25(s,18H),6.95(d,4H),7.17(d,4H),7.42-7.48(m,2H),7 .58-7.63(m,2H),8.20(d、2H)、8.61(d,2H).

 ・工程(4c)
 アルゴン雰囲気下、1lフラスコ中で化合物 ス(4-tert-ブチルフェニル)アミン(50.5g、179mmol) 、ナトリウム-t-ブトキシド(21.6g、224mmol)、ト ス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0 )(1.58g、1.7mmol)、トリ-t-ブチルホスホニウムテ トラフルオロボレート錯体(2.00g、6.9mmol)、及 トルエン(323ml)を混合し、80℃まで加熱した に、9-ブロモアントラセン(44.4g、173mmol)をト ルエン(約30ml)で洗いこみながら少しずつ加え た後、100℃にて6時間攪拌した。反応終了後 室温まで冷却した後に、トルエン(444ml)、シ カゲル(79g)を加え、攪拌した後に、シリカ ルを薄く引いたろ過器を用いてろ過するこ により、不溶物を除去した。得られたろ液 濃縮乾固し、減圧乾燥することにより固体 得た(81g)。得られた固体に酢酸エチル(250ml) 加え、超音波バスにて30分間分散させた後、 ろ取、減圧乾燥することにより、化合物M4c(55 .9g、収率71%)を黄色粉末として得た。

 ・工程(4d)
 アルゴン雰囲気下、200mlフラスコ中で化合 M4b(8.44g)、化合物M4c(3.72g,16.5mmol)、ナトリウム -t-ブトキシド(1.586g、16.5mmol)、トリス(ジベン リデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.137g、0.15m mol)、トリ-t-ブチルホスホニウムテトラフル ロボレート錯体(0.174g、0.6mmol)、及びトルエ (45ml)を混合し、還流下で7時間攪拌した。反 終了後、氷水バスにて冷却した後、1N塩酸 (30ml)を加え30分間攪拌した後、トルエン(100ml )を加え、有機層を飽和食塩水(100ml)、10重量% 酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水( 50mlで2回)で順次洗浄し、得られた有機層を硫 酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧濃縮し た。得られた固体をトルエン(60ml)に溶解させ 、メタノール(200ml)に滴下し、析出した固体 ろ取、メタノール(100ml)で洗浄し、減圧乾燥 ることにより化合物M4d(5.2g)を得た。得られ M4dはこれ以上精製することなく次工程に用 た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:681([M+H] + )

 ・工程(4e)
 アルゴン雰囲気下、500mlの4つ口フラスコ中 化合物M4d(4.48g)、前記と同様に合成した化合 物M2a(3.6g,7.2mmol)とジクロロメタン(200ml)を混合 した。室温下、前記混合溶液にトリフルオロ ボランエーテル錯体(0.95ml,7.7mmol)とジクロロ タン(40ml)の混合溶液を1時間かけて滴下した 、6時間撹拌した。反応終了後、エタノール (50ml)、及びイオン交換水(50ml)を加えた後、分 液漏斗を用いて蒸留水(100ml)、5重量%炭酸水素 ナトリウム水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)で 次洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネ ウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得ら た固体をトルエン(160ml)に加熱溶解させ、熱 時にシリカゲルショートカラムに通液させ、 トルエン(300ml)で洗いこみ、約60gとなるよう 圧濃縮し、エタノール(60ml)をゆっくりと加 、析出した固体をろ取、エタノール(20ml)、 タノール(20ml)で洗浄し、減圧乾燥すること より化合物M4(4.75g、HPLC面積百分率値>99%(UV2 54nm)を得た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:737([M+H] + )

 <合成例1>(化合物CM3の合成)

 ・工程(C3a)
 アルゴン雰囲気下、300mlの四つ口フラスコ で、2,7-ジブロモ-9,9-ビス(4-ヘキシルフェニ )フルオレン(50.27g,78mmol)とTHF(500ml)を混合し、 -78℃に冷却した。次いで1.6M n-ブチルリチウ ヘキサン溶液(51ml,82mmol)を2時間かけて滴下 、-78℃を保ちながらさらに2時間攪拌した。 応溶液に水100mlを一気に加えることでクエ チした。反応溶液を室温まで昇温した後、 機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、 圧濃縮を行った。得られたオイルトルエン(5 00ml)を加え、水(100ml×3)で洗浄後、有機層を硫 酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮を 行った。得られたオイルを中圧分取カラム( リカゲル、ヘキサン:トルエン=10:1)で精製す ことにより化合物CM3a(35.1g,79%)を得た。
 なお、2,7-ジブロモ-9,9-ビス(4-ヘキシルフェ ル)フルオレンはWO2002/092723号公報記載の方 で合成したものを用いた。
1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=0.87(t,6H),1.25-1.40(m,24H),1.55(m,4H),2.54(t,4H),7.02( d,4H),7.06(d,4H),7.24-7.39(m,3H),7.45(dd,1H),7.52(s,1H),7.59 (d,1H),7.69(d,1H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=14.4,22.9,29.4,31.6,32.0,35.8,65.3,120.4,121.6,121.7,12 6.5,127.7,128.2,128.3,128.6,129.7,130.8,139.2,139.4,141.8,14 2.7,151.7,154.0ppm.

 ・工程(C3b)
 アルゴン雰囲気下、300mlの四つ口フラスコ で化合物CM3a(12.16g,22mmol)、ピナコレートジボ ン(5.35g,24mmol)、酢酸カリウム(6.33g,66mmol)、ジ オキサン(92ml)、ジフェニルホスフィノフェロ センパラジウムジクロリド(0.53g,0.66mmol)とジ ェニルホスフィノフェロセン(0.36g,0.66mmol)を 合し、15時間、110℃に加熱した。反応終了 、イオン交換水(100ml)を加え、クエンチした 分液漏斗を用いて水層を除去した後、水(100 ml×3)で洗浄後、有機層を硫酸ナトリウムを用 いて乾燥させ、減圧濃縮を行った。得られた オイルを中圧分取カラム(シリカゲル、ヘキ ン:トルエン=1:1)で精製することにより化合 CM3b(10.5g,80%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=0.87(t,6H),1.25-1.40(m,24H),1.56(m,4H),2.53(t,4H),7.00( d,4H),7.10(d,4H)7.22-7.39(m,4H),7.72-7.85(m,3H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=14.4,22.9,25.2,29.4,31.6,32.0,35.8,65.2,83.9,119.6,120. 8,126.6,127.5,128.3,128.4,132.6,134.5,140.1,141.3,143.3,143. 4,151.2,152.6ppm.

 ・工程(C3c)
 アルゴン雰囲気下、2Lの四つ口フラスコ中 トリス-(4-ブロモフェニル)アミン(73.75g,153mmol )と脱水THF(980ml)を混合し、-78℃に冷却した。 応溶液に1.6Mブチルリチウム(100ml)を1時間か て滴下した。滴下後、100mlのイオン交換水 一気に加えることでクエンチを行った。反 溶液にトルエン(400ml)を加え、分液漏斗を用 て水層を除去した水層を除去した後、有機 が400mlになるまで減圧濃縮した。さらにイ ン交換水(300ml×3)で洗浄し、硫酸ナトリウム 乾燥後、減圧乾燥させた。得られたオイル 中圧分取カラム(シリカゲル、ヘキサン:ト エン=1:1)で3回精製することにより化合物CM3c( 34g,55%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=6.93(d,4H),7.05(m,3H),7.25(m,2H),7.33(d,4H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=115.7,124.0,124.9,125.9,129.8,132.6,146.8,147.2ppm.

 ・工程(C3d)
 アルゴン雰囲気下、300mlの四つ口フラスコ で、化合物CM3b(13.82g,23mmol)、化合物CM3c(4.43g,11 mmol)、水酸化カリウム(9.26g,170mmol)、テトラブ ルアンモニウムブロミド(1.77g,6mmol)、トルエ ン(150ml)、イオン交換水(70ml)とテトラキス(ト フェニルホスフィン)パラジウム(380mg,0.33mmol )を混合し、2時間、80℃に加温した。反応終 後、分液漏斗を用いて水層を除去した後、 オン交換水(100ml×3)で洗浄した。有機層を硫 ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮を行 た。得られたオイルを中圧分取カラム(シリ カゲル、ヘキサン:トルエン=8:1)で3回精製す ことにより化合物CM3d(10.7g,80%)を得た。
1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=0.85(t,12H),1.28(m,24H),1.54(m,8H),2.53(t,8H),7.01(d,8H ),7.07-7.19(m,14H),7.20-7.50(m,13H),7.51-7.63(m,4H),7.69-7.6 2(m,4H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=14.4,22.9,29.5,31.8,32.0,35.9,65.3,120.4,120.5,123.5,12 4.4,124.7,124.9,126.3,126.6,127.7,127.8,128.2,128.3,128.5,12 9.6,135.8,139.3,140.1,140.3,141.5,143.5,147.2,147.8,152.2,15 2.6ppm.

 ・工程(C3e)
 アルゴン雰囲気下、500mlの4つ口フラスコ中 化合物CM3d(9.7g,8.0mmol)、前記と同様に合成し 化合物M2a(4.8g,10mmol)とジクロロメタン(150ml) 混合した。室温下、前記混合溶液にトリフ オロボランエーテル錯体(1.2ml,10mmol)とジクロ ロメタン(50ml)の混合溶液を1時間かけて滴下 た後、2時間撹拌した。反応終了後、イオン 換水(100ml)を加えた後、分液漏斗を用いてイ オン交換水(100ml×3)で洗浄した。得られた有 層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧 縮した。得られたオイルを中圧分取カラム( リカゲル、ヘキサン:トルエン=4:1)で3回精製 することにより化合物CM3(9.11g,67%)を得た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:1697.3(〔M+H〕 + )
1 H-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=0.86(t,15H),1.12-1.43(m,30H),1.44-1.67(m,10H),2.52(t,10 H),6.84-7.20(m,30H),7.22-7.65(m,26H),7.76(dd,4H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,CDCl 3 ):δ=14.4,22.9,29.4,31.6,32.0,35.8,65.3,120.4,120.6,121.8,12 2.0,123.8,124.7,126.5,127.6,127.8,128.1,128.2,128.4,128.5,12 8.8,129.1,129.7,131.1,136.1,138.3,139.3,140.1,140.3,141.5,14 1.8,142.2,143.5,146.9,152.2,152.6,153.7ppm

 <合成例2>(化合物CM4の合成)

 ・工程(C4a)
 アルゴン雰囲気下、500mlの四つ口フラスコ でフェノキサジン(19.79g,108mmol)、4-トリメチ シリルブロモベンゼン(24.75g,108mmol)、ナトリ ム-t-ブトキシド(15.57g,162mmol)、酢酸パラジウ ム(121mg,0.54mmol)、トリス(o-メチルフェニル)ホ フィン(329mg,1.1mmol)とトルエン(170ml)を混合し 、6時間、還流させた。反応終了後、冷却し セライトとアルミナを通した。得られたト エン溶液を100mlまで濃縮し、メタノール(200ml )を加え、静置することで再結晶を行った。 られた固体をろ取し、乾燥させることで化 物CM4aを得た(26.3g,73%)。
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=-0.46(s,9H),6.01(d,2H),6.63-6.77(m,6H),7.46(d,2H),7.72( d,2H)ppm.
13 C-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=-1.2,114.0,115.9,121.9,123.8,130.6,135.2,136.7,140.5,14 1.7,144.8ppm.

 ・工程(C4b)
 アルゴン雰囲気下、500mlの四つ口フラスコ で化合物CM4a(23.2g,70mmol)とクロロホルム(300ml) 混合し、0℃に冷却した。反応溶液にNBS(24.9g ,140mmol)とDMF(100ml)の混合溶液を1時間かけて滴 した。滴下終了後、室温まで昇温した。さ に反応が完全に進行するまでNBSを1gずつ加 た。反応終了後、反応溶液をメタノール(1.5L )に注ぎ込んだ。得られた固体をろ取し、乾 させた。得られた固体にトルエン(500ml)を加 還流させ、熱時ろ過を行ったところ、固体A を得た。また、トルエン溶液を濃縮し、トル エン-イソプロパノールを用いて再結晶を行 た後、固体Bをろ取した。固体Aと固体Bとを 合し、3回トルエン-イソプロパノールを用い て再結晶を行うことにより、目的物CM4bを得 (25.1g,64%)。
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=-0.50(s,9H),5.96(d,2H),6.89(dd,2H),7.02(s,2H),7.49(d,2H ),7.99(d,2H)ppm.

 ・工程(C4c)
 アルゴン雰囲気下、500mlの四つ口フラスコ で前記と同様に合成した化合物CM3b(12.1g,20mmol )、化合物CM4b(4.6g,9.4mmol)、Aliquat336(1.2g,3mmol)と ルエン(150ml)を混合し、1時間アルゴンバブ ングを行った。この反応溶液に、酢酸パラ ウム(21mg,0.1mmol)とトリス(o-メトキシフェニル )ホスフィン(33mg,0.1mmol)を混合し、105℃に加温 した。この反応溶液に2Mの炭酸ナトリウム水 液(15ml)を1時間かけて滴下し、3時間反応さ た。反応終了後、分液を行い、有機層をイ ン交換水(100ml×3)で洗浄し、硫酸ナトリウム 乾燥させた。さらにアルミナを通液するこ で精製し、濃縮乾燥させることにより化合 CM4cを得た(11.9g,99%)。粗製物のまま精製は行 ず、次の反応に用いた。

 ・工程(C4d)
 アルゴン雰囲気下、300mlの四つ口フラスコ で化合物CM4c(11.9g,9mmol)、トリフルオロ酢酸(22 g,180mmol)とトルエン(100ml)を混合し、3時間、80 に加温した。反応終了後、分液を行い、イ ン交換水(100ml×3)と炭酸水素ナトリウム飽和 水溶液(100ml×4)で洗浄し、硫酸ナトリウムで 燥させた。アルミナを通液し、トルエン溶 を濃縮乾固させた。得られた固体をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘキ サン=1:1)で精製し、得られた溶液を濃縮後、 ルエン-ヘキサンで再沈殿を行うことで化合 物CM4dを得た(9.41g,83%)。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:1228.6(〔M+H〕 + ).
1 H-NMR(270MHz,THF-d 8 ):δ=0.99(t,12H),1.32-1.56(m,24H),1.63-1.73(m,8H),2.65(t,8H) ,6.06(d,2H),6.94(dd,2H),7.09(d,2H),7.13(d,8H),7.23(d,8H),7.3 3(dd,2H),7.43(dd,2H),7.49-7.52(m,4H),7.60-7.67(m,3H),7.68(s, 2H),7.76(dd,2H),7.89-7.95(m,4H)ppm.

 ・工程(C4e)
 アルゴン雰囲気下、500mlの4つ口フラスコ中 化合物CM4d(8.6g,7.0mmol)、前記同様に合成した 合物M2a(3.6g,7.1mmol)とジクロロメタン(130ml)を 合した。室温下、前記混合溶液にトリフル ロボランエーテル錯体(1ml,8mmol)とジクロロ タン(10ml)の混合溶液を1時間かけて滴下した その後、反応溶液を30℃で100時間撹拌した 反応終了後、イオン交換水(100ml)を加えた後 分液漏斗を用いてイオン交換水(100ml×3)で洗 浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムを 用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られたオイ ルを中圧分取カラム(シリカゲル、ヘキサン: ルエン=4:1)で精製することにより化合物CM4(2 .2g,18%)を得た。
MS(APCI-MS:Positive)m/z:1711.6(〔M+H〕 + ).

 <実施例12>(高分子化合物P5の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(1.0589g、1.996mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.8775g、1.600m mol)、化合物M3(0.6416g、0.400mmol)、及びトリオク チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 商品名:Aliquat336)(0.26g、0.64mmol)をアルゴンガ 雰囲気下、トルエン(32ml)に溶解させた。溶 中へアルゴンガスをバブリングした後、80 まで昇温した後、ジクロロビストリフェニ ホスフィンパラジウム(4.2mg、6.0μmol)、及び17 .5重量%炭酸ナトリウム水溶液(8.2ml、9.0mmol)を え、還流下で20時間反応させた。一旦冷却 た後に、フェニルホウ酸(0.02g、0.2mmol)を加え 、更に還流下で2時間反応させた。トルエン(2 0ml)を加え希釈した後に、水層を除去し、9重 %N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウ 水溶液(12ml)を加え、90℃で2時間攪拌した後 有機層をイオン交換水(26ml)で2回、3重量%酢 水溶液(26ml)で2回、イオン交換水(26ml)で2回順 次洗浄し、次いでメタノール(300ml)へ滴下し 30分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し 、メタノール(60ml)で洗浄し、減圧乾燥して粗 ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(60ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(13g)、シリカゲル(3 1g)に通液し、更にトルエン(50ml)を通液した。 得られた溶液をメタノール(300ml)へ滴下し、30 分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 メタノール(50ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ リマーである高分子化合物P5を得た(1.8g、収 92%)。高分子化合物P5のポリスチレン換算の 平均分子量Mnは1.9×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは6.8×10 5 であり、ガラス転移温度は99℃であり、薄膜 蛍光ピーク波長は422nm及び446nmであった。
 高分子化合物P5は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例13>(高分子化合物P6の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.7836g、1.478mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.7733g、1.410m mol)、化合物M4(0.1047g、0.090mmol)、及びトリオク チルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich社製 商品名:Aliquat336)(0.19g、0.48mmol)をアルゴンガ 雰囲気下、トルエン(15ml)に溶解させた。溶 中へアルゴンガスをバブリングした後、80 まで昇温した後、ジクロロビストリフェニ ホスフィンパラジウム(1.1mg、1.5μmol)、及び17 .5重量%炭酸ナトリウム水溶液(4.1ml、6.8mmol)を え、還流下で20時間反応させた。一旦冷却 た後に、フェニルホウ酸(0.02g、0.2mmol)を加え 、更に還流下で2時間反応させた。トルエン(1 5ml)を加え希釈した後に、水層を除去し、9重 %N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウ 水溶液(9ml)を加え、90℃で2時間攪拌した後、 有機層をイオン交換水(20ml)で2回、3重量%酢酸 水溶液(20ml)で2回、イオン交換水(20ml)で2回順 洗浄し、次いでメタノール(250ml)へ滴下し、 30分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し メタノール(50ml)で洗浄し、減圧乾燥して粗 リマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(50ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(10g)、シリカゲル(2 3g)に通液し、更にトルエン(70ml)を通液した。 得られた溶液をメタノール(250ml)へ滴下し、30 分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 メタノール(50ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ リマーである高分子化合物P6を得た(1.07g、収 89%)。高分子化合物P6のポリスチレン換算の 平均分子量Mnは1.5×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.6×10 5 であり、ガラス転移温度は128℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は515nmであった。
 高分子化合物P6は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例14>(高分子化合物P7の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(1.0675g、2.012mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.8873g、1.618m mol)、化合物M1(0.4655g、0.324mmol)、4,4’-ジブロ -4’’-sec-ブチルトリフェニルアミン(0.0371g 0.081mmol)、及びトリオクチルメチルアンモニ ムクロリド(Aldrich社製、商品名:Aliquat336)(0.26 g、0.65mmol)をアルゴンガス雰囲気下、トルエ (20ml)に溶解させた。溶液中へアルゴンガス バブリングした後、80℃まで昇温した後、ジ クロロビストリフェニルホスフィンパラジウ ム(2.8mg、4.0μmol)、及び17.5重量%炭酸ナトリウ 水溶液(5.5ml、9.1mmol)を加え、還流下で7時間 応させた。一旦冷却した後に、フェニルホ 酸(0.02g、0.2mmol)、及びジクロロビストリフ ニルホスフィンパラジウム(1.4mg、2.0μmol)、 加え、更に還流下で2時間反応させた。トル ン(20ml)を加え希釈した後に、水層を除去し 9重量%N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナト ウム水溶液(12ml)を加え、90℃で2時間攪拌し 後、有機層をイオン交換水(26ml)で2回、3重 %酢酸水溶液(26ml)で2回、イオン交換水(26ml)で 2回順次洗浄し、次いでメタノール(300ml)へ滴 し、30分攪拌した後、析出したポリマーを 取し、メタノール(60ml)で洗浄し、減圧乾燥 て粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(80ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(14g)、シリカゲル(3 1g)に通液し、更にトルエン(50ml)を通液した。 得られた溶液をメタノール(300ml)へ滴下し、30 分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 メタノール(60ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ リマーである高分子化合物P7を得た(1.14g、収 62%)。高分子化合物P7のポリスチレン換算の 平均分子量Mnは1.1×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.1×10 5 であり、ガラス転移温度は107℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は425nmであった。
 高分子化合物P7は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例15>(高分子化合物P8の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(1.0675g、2.012mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.8873g、1.618m mol)、化合物M1(0.2909g、0.202mmol)、化合物M3(0.3244 g、0.202mmol)、及びトリオクチルメチルアンモ ウムクロリド(Aldrich社製、商品名:Aliquat336)(0 .26g、0.65mmol)をアルゴンガス雰囲気下、トル ン(20ml)に溶解させた。溶液中へアルゴンガ をバブリングした後、80℃まで昇温した後、 ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジ ウム(2.8mg、4.0μmol)、及び17.5重量%炭酸ナトリ ム水溶液(5.5ml、9.1mmol)を加え、還流下で7時 反応させた。一旦冷却した後に、フェニル ウ酸(0.02g、0.2mmol)、及びジクロロビストリ ェニルホスフィンパラジウム(1.4mg、2.0μmol) を加え、更に還流下で2時間反応させた。ト エン(20ml)を加え希釈した後に、水層を除去 、9重量%N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナ リウム水溶液(12ml)を加え、90℃で2時間攪拌 た後、有機層をイオン交換水(26ml)で2回、3 量%酢酸水溶液(26ml)で2回、イオン交換水(26ml) で2回順次洗浄し、次いでメタノール(300ml)へ 下し、30分攪拌した後、析出したポリマー ろ取し、メタノール(60ml)で洗浄し、減圧乾 して粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(80ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(14g)、シリカゲル(3 1g)に通液し、更にトルエン(50ml)を通液した。 得られた溶液をメタノール(300ml)へ滴下し、30 分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 メタノール(60ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ リマーである高分子化合物P8を得た(1.27g、収 65%)。高分子化合物P8のポリスチレン換算の 平均分子量Mnは1.3×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは4.3×10 5 であり、ガラス転移温度は105℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は422nm及び446nmであった。
 高分子化合物P8は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例16>(高分子化合物P9の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(1.0675g、2.012mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.8873g、1.618m mol)、化合物M1(0.3782g、0.263mmol)、化合物M3(0.1622 g、0.101mmol)、N-(4-n-ブチルフェニル)-3,7-ジブロ モフェノキサジン(0.0191g、0.040mmol)、及びトリ オクチルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich 製、商品名:Aliquat336)(0.26g、0.65mmol)をアルゴ ガス雰囲気下、トルエン(20ml)に溶解させた 溶液中へアルゴンガスをバブリングした後 80℃まで昇温した後、ジクロロビストリフ ニルホスフィンパラジウム(2.8mg、4.0μmol)、 び17.5重量%炭酸ナトリウム水溶液(5.5ml、9.1mmo l)を加え、還流下で7時間反応させた。一旦冷 却した後に、フェニルホウ酸(0.02g、0.2mmol)、 びジクロロビストリフェニルホスフィンパ ジウム(1.4mg、2.0μmol)、を加え、更に還流下 2時間反応させた。トルエン(20ml)を加え希釈 した後に、水層を除去し、9重量%N,N-ジエチル ジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液(12ml)を 加え、90℃で2時間攪拌した後、有機層をイオ ン交換水(26ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(26ml)で 2回、イオン交換水(26ml)で2回順次洗浄し、次 でメタノール(300ml)へ滴下し、30分攪拌した 、析出したポリマーをろ取し、メタノール( 60ml)で洗浄し、減圧乾燥して粗ポリマーを得 。
 この粗ポリマーをトルエン(80ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(14g)、シリカゲル(3 1g)に通液し、更にトルエン(50ml)を通液した。 得られた溶液をメタノール(300ml)へ滴下し、30 分攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 メタノール(60ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ リマーである高分子化合物P9を得た(1.38g、収 72%)。高分子化合物P9のポリスチレン換算の 平均分子量Mnは1.2×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.3×10 5 であり、ガラス転移温度は109℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は446nm及び462nmであった。
 高分子化合物P9は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもので あると推測される。

 <実施例17>(高分子化合物P10の合成)
 5,9-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサ ロラン-2-イル)-7,7-ジオクチルベンゾ[c]フル レン(0.5541g、0.800mmol)、5,9-ジブロモ-7,7-ジオ チルベンゾ[c]フルオレン(0.3830g、0.640mmol)、 合物CM3(0.2308g、0.136mmol)、及び化合物M3(0.0385g 0.024mmol)をアルゴンガス雰囲気下、トルエン (18ml)に溶解させた。溶液中へアルゴンガスを バブリングした後、80℃まで昇温した後、ジ ロロビストリフェニルホスフィンパラジウ (0.6mg、0.8μmol)、及び20重量%テトラエチルア モニウム水酸化物水溶液(2.7ml、3.8mmol)を加 、還流下で20時間反応させた。一旦冷却した 後に、フェニルホウ酸(0.10g、0.8mmol)、及びジ ロロビストリフェニルホスフィンパラジウ (0.6mg、0.8μmol)を加え、更に還流下で2時間反 応させた。再び一旦冷却した後に、ブロモベ ンゼン(0.18g、1.2mmol)、及びジクロロビストリ ェニルホスフィンパラジウム(0.6mg、0.8μmol) 加え、更に還流下で2時間反応させた。トル エン(20ml)を加え希釈した後に、水層を除去し 、9重量%N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナト リウム水溶液(5ml)を加え、90℃で2時間攪拌し 後、有機層をイオン交換水(10ml)で2回、3重 %酢酸水溶液(10ml)で2回、イオン交換水(10ml)で 2回順次洗浄し、次いでメタノール(125ml)へ滴 し、30分攪拌した後、析出したポリマーを 取し、メタノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥 て粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(25ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(5g)、シリカゲル(12 g)に通液し、更にトルエン(20ml)を通液した。 られた溶液をメタノール(125ml)へ滴下し、30 攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 タノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ マーである高分子化合物P10を得た(0.61g、収 70%)。高分子化合物P10のポリスチレン換算の 数平均分子量Mnは7.7×10 4 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは1.5×10 5 であり、ガラス転移温度は133℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は450nmであった。
 高分子化合物P10は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <実施例18>(高分子化合物P11の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.4223g、0.796mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.3247g、0.592m mol)、化合物CM3(0.2715g、0.160mmol)、化合物M3(0.025 7g、0.016mmol)、化合物CM4(0.0548g、0.032mmol)、及び トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(Al drich社製、商品名:Aliquat336)(0.10g、0.26mmol)をア ゴンガス雰囲気下、トルエン(16ml)に溶解さ た。溶液中へアルゴンガスをバブリングし 後、80℃まで昇温した後、ジクロロビスト フェニルホスフィンパラジウム(0.6mg、0.8μmol )、及び17.5重量%炭酸ナトリウム水溶液(2.2ml、 3.6mmol)を加え、還流下で20時間反応させた。 旦冷却した後に、フェニルホウ酸(0.10g、0.8mm ol)を加え、更に還流下で2時間反応させた。 ルエン(10ml)を加え希釈した後に、水層を除 し、9重量%N,N-ジエチルジチオカルバミド酸 トリウム水溶液(5ml)を加え、90℃で2時間攪拌 した後、有機層をイオン交換水(10ml)で2回、3 量%酢酸水溶液(10ml)で2回、イオン交換水(10ml )で2回順次洗浄し、次いでメタノール(125ml)へ 滴下し、30分攪拌した後、析出したポリマー ろ取し、メタノール(25ml)で洗浄し、減圧乾 して粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(25ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(5g)、シリカゲル(12 g)に通液し、更にトルエン(20ml)を通液した。 られた溶液をメタノール(125ml)へ滴下し、30 攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 タノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ マーである高分子化合物P11を得た(0.50g、収 70%)。高分子化合物P11のポリスチレン換算の 数平均分子量Mnは1.4×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.2×10 5 であり、ガラス転移温度は124℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は446nmであった。
 高分子化合物P11は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <実施例19>(高分子化合物P12の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.4223g、0.796mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.3071g、0.560m mol)、化合物CM3(0.2308g、0.136mmol)、化合物M3(0.038 5g、0.024mmol)、4,7-ジブロモ-2,1,3-ベンゾチアジ ゾール(0.0235g、0.080mmol)、及びトリオクチル チルアンモニウムクロリド(Aldrich社製、商 名:Aliquat336)(0.10g、0.26mmol)をアルゴンガス雰 気下、トルエン(16ml)に溶解させた。溶液中 アルゴンガスをバブリングした後、80℃まで 昇温した後、ジクロロビストリフェニルホス フィンパラジウム(0.6mg、0.8μmol)、及び17.5重 %炭酸ナトリウム水溶液(2.2ml、3.6mmol)を加え 還流下で20時間反応させた。一旦冷却した後 に、フェニルホウ酸(0.10g、0.8mmol)を加え、更 還流下で2時間反応させた。トルエン(10ml)を 加え希釈した後に、水層を除去し、9重量%N,N- ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶 液(5ml)を加え、90℃で2時間攪拌した後、有機 をイオン交換水(10ml)で2回、3重量%酢酸水溶 (10ml)で2回、イオン交換水(10ml)で2回順次洗 し、次いでメタノール(125ml)へ滴下し、30分 拌した後、析出したポリマーをろ取し、メ ノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥して粗ポリ ーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(25ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(5g)、シリカゲル(12 g)に通液し、更にトルエン(20ml)を通液した。 られた溶液をメタノール(125ml)へ滴下し、30 攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 タノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ マーである高分子化合物P12を得た(0.49g、収 72%)。高分子化合物P12のポリスチレン換算の 数平均分子量Mnは1.6×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.4×10 5 であり、ガラス転移温度は105℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は531nmであった。
 高分子化合物P12は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <実施例20>(高分子化合物P13の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- オクチルフルオレン(0.4223g、0.796mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジオクチルフルオレン(0.3247g、0.592m mol)、化合物CM3(0.2308g、0.136mmol)、化合物M3(0.038 5g、0.024mmol)、4,7-ビス(5-ブロモチオフェン-2- ル)-2,1,3-ベンゾチアジアゾール(0.0220g、0.048mm ol)、及びトリオクチルメチルアンモニウムク ロリド(Aldrich社製、商品名:Aliquat336)(0.10g、0.26 mmol)をアルゴンガス雰囲気下、トルエン(16ml) 溶解させた。溶液中へアルゴンガスをバブ ングした後、80℃まで昇温した後、ジクロ ビストリフェニルホスフィンパラジウム(0.6m g、0.8μmol)、及び17.5重量%炭酸ナトリウム水溶 液(2.2ml、3.6mmol)を加え、還流下で20時間反応 せた。一旦冷却した後に、フェニルホウ酸(0 .10g、0.8mmol)を加え、更に還流下で2時間反応 せた。トルエン(10ml)を加え希釈した後に、 層を除去し、9重量%N,N-ジエチルジチオカル ミド酸ナトリウム水溶液(5ml)を加え、90℃で2 時間攪拌した後、有機層をイオン交換水(10ml) で2回、3重量%酢酸水溶液(10ml)で2回、イオン 換水(10ml)で2回順次洗浄し、次いでメタノー (125ml)へ滴下し、30分攪拌した後、析出した リマーをろ取し、メタノール(25ml)で洗浄し 減圧乾燥して粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(25ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(5g)、シリカゲル(12 g)に通液し、更にトルエン(20ml)を通液した。 られた溶液をメタノール(125ml)へ滴下し、30 攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 タノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ マーである高分子化合物P13を得た(0.50g、収 72%)。高分子化合物P13のポリスチレン換算の 数平均分子量Mnは1.4×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.0×10 5 であり、ガラス転移温度は100℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は627nm及び653nmであった。
 高分子化合物P13は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <実施例21>(高分子化合物P14の合成)
 2,7-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9- ヘキシルフルオレン(0.3776g、0.796mmol)、2,7-ジ ロモ-9,9-ジヘキシルフルオレン(0.1339g、0.272m mol)、化合物CM3(0.2308g、0.136mmol)、化合物M3(0.038 5g、0.024mmol)、4,7-ビス(5-ブロモチオフェン-2- ル)-2,1,3-ベンゾチアジアゾール(0.0220g、0.048mm ol)、2,7-ジブロモ-9,9-ビス(4-ヘキシルオキシフ ェニル)フルオレン(0.2165g、0.320mmol)、及びト オクチルメチルアンモニウムクロリド(Aldrich 社製、商品名:Aliquat336)(0.10g、0.26mmol)をアルゴ ンガス雰囲気下、トルエン(16ml)に溶解させた 。溶液中へアルゴンガスをバブリングした後 、80℃まで昇温した後、ジクロロビストリフ ニルホスフィンパラジウム(0.6mg、0.8μmol)、 び17.5重量%炭酸ナトリウム水溶液(2.2ml、3.6mm ol)を加え、還流下で20時間反応させた。一旦 却した後に、フェニルホウ酸(0.10g、0.8mmol) 加え、更に還流下で2時間反応させた。トル ン(10ml)を加え希釈した後に、水層を除去し 9重量%N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナト ウム水溶液(5ml)を加え、90℃で2時間攪拌し 後、有機層をイオン交換水(10ml)で2回、3重量 %酢酸水溶液(10ml)で2回、イオン交換水(10ml)で2 回順次洗浄し、次いでメタノール(125ml)へ滴 し、30分攪拌した後、析出したポリマーをろ 取し、メタノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥し て粗ポリマーを得た。
 この粗ポリマーをトルエン(25ml)に溶解し、 ラムに充填したアルミナ(5g)、シリカゲル(12 g)に通液し、更にトルエン(20ml)を通液した。 られた溶液をメタノール(125ml)へ滴下し、30 攪拌した後、析出したポリマーをろ取し、 タノール(25ml)で洗浄し、減圧乾燥して、ポ マーである高分子化合物P14を得た(0.50g、収 74%)。高分子化合物P14のポリスチレン換算の 数平均分子量Mnは1.5×10 5 であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量 Mwは3.2×10 5 であり、ガラス転移温度は149℃であり、薄膜 の蛍光ピーク波長は628nm及び652nmであった。
 高分子化合物P14は、仕込み原料から、下記 り返し単位を下記割合(モル比)で含むもの あると推測される。

 <実施例22>(発光素子DP4の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P5の1.0 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから900rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP4 作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP4に電圧を印加したところ、高分 化合物P5由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 光を示した。最大発光効率は1.5cd/Aであり、 のときの電圧は4.8Vであり、外部量子収率は 1.4%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は6.0Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.13)であり、発光効率1.4cd/Aであり、外 量子収率は1.3%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例23>(発光素子DP5の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P6の1.2 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから1500rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP5 を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP5に電圧を印加したところ、高分 化合物P6由来のピーク波長(EL)520nmの緑色発 を示した。最大発光効率は7.0cd/Aであり、そ ときの電圧は4.6Vであり、外部量子収率は2.0 %であった。輝度100cd/m 2 での電圧は4.0Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.29,0.63)であり、発光効率6.3cd/Aであり、外 量子収率は1.8%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例24>(発光素子DP6の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P7の1.5 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから1800rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP6 を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP6に電圧を印加したところ、高分 化合物P7由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 光を示した。最大発光効率は1.5cd/Aであり、 のときの電圧は5.4Vであり、外部量子収率は 1.6%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は5.6Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.11)であり、発光効率1.4cd/Aであり、外 量子収率は1.6%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例25>(発光素子DP7の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P8の1.4 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから2000rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP7 を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP7に電圧を印加したところ、高分 化合物P8由来のピーク波長(EL)450nmの深青色 光を示した。最大発光効率は1.4cd/Aであり、 のときの電圧は5.2Vであり、外部量子収率は 1.5%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は5.8Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.16,0.12)であり、発光効率1.4cd/Aであり、外 量子収率は1.4%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例26>(発光素子DP8の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P9の1.5 量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコー トの回転速度を1700rpmから2000rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP8 を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP8に電圧を印加したところ、高分 化合物P9由来のピーク波長(EL)460nmの青色発 を示した。最大発光効率は3.2cd/Aであり、そ ときの電圧は6.0Vであり、外部量子収率は2.2 %であった。輝度100cd/m 2 での電圧は5.0Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.15,0.19)であり、発光効率3.0cd/Aであり、外 量子収率は2.2%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例27>(発光素子DP9の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P10の1.6 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから1000rpmに変更したこ と以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP 9を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP9に電圧を印加したところ、高分 化合物P10由来のピーク波長(EL)475nmの青色発 を示した。最大発光効率は2.9cd/Aであり、そ のときの電圧は4.8Vであり、外部量子収率は1. 9%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は6.2Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.15,0.22)であり、発光効率2.6cd/Aであり、外 量子収率は1.7%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例28>(発光素子DP10の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P11の1.5 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから1800rpmに変更したこ と以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP 10を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP10に電圧を印加したところ、高分 子化合物P11由来のピーク波長(EL)480nmの青色発 光を示した。最大発光効率は2.6cd/Aであり、 のときの電圧は4.6Vであり、外部量子収率は1 .9%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は6.6Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.15,0.19)であり、発光効率2.2cd/Aであり、外 量子収率は1.6%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例29>(発光素子DP11の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P12の1.2 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから900rpmに変更したこ 以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP1 1を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP11に電圧を印加したところ、高分 子化合物P12由来のピーク波長(EL)535nmの緑色発 光を示した。最大発光効率は9.3cd/Aであり、 のときの電圧は6.8Vであり、外部量子収率は2 .8%であった。輝度100cd/m 2 での電圧は7.4Vであり、色度座標C.I.E.1931は(x,y )=(0.39,0.58)であり、発光効率9.0cd/Aであり、外 量子収率は2.7%であった。これらの結果を表 2に示す。

 <実施例30>(発光素子DP12の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P13の1.4 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから1300rpmに変更したこ と以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP 12を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP12に電圧を印加したところ、高分 子化合物P13由来のピーク波長(EL)645nmの赤色発 光を示した。最大発光効率は0.83cd/Aであり、 のときの電圧は6.2Vであり、色度座標C.I.E.193 1は(x,y)=(0.67,0.32)であり、外部量子収率は1.4% あった。

 <実施例31>(発光素子DP13の作製)
 実施例7において、高分子化合物P1の1.3重量% キシレン溶液に代えて、高分子化合物P14の1.5 重量%キシレン溶液を用いたこと、スピンコ トの回転速度を1700rpmから1700rpmに変更したこ と以外は、実施例7と同様にして、発光素子DP 13を作製した。膜厚は約100nmであった。
 発光素子DP13に電圧を印加したところ、高分 子化合物P14由来のピーク波長(EL)655nmの赤色発 光を示した。最大発光効率は1.1cd/Aであり、 のときの電圧は7.2Vであり、色度座標C.I.E.1931 は(x,y)=(0.66,0.33)であり、外部量子収率は1.7%で あった。

 <合成例3>(発光材料EM-Aの合成)
 アルゴン雰囲気下、1000mlフラスコ中でN,N-ジ メチルアセトアミド(300ml)、及びキナクリド (15.0g,48.0mmol)を混合し、約60重量%で鉱物油に 釈された水素化ナトリウム(5.76g,144mmol)を少 ずつ加え、80℃で1時間攪拌したところへ、2 -エチルヘキシルブロミド(38.6g,200mmol)を15分か けて滴下し、80℃で6時間攪拌した。反応終了 後、氷水バスにて冷却した蒸留水(900ml)に注 し、1N塩酸水にて中和した。酢酸エチル800ml 加え抽出した後に、有機層を5重量%食塩水(3 00ml)で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネ ウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得ら た固体をクロロホルム(200ml)に溶解させ、シ リカゲルショートカラムに通液した後、減圧 濃縮し、ヘキサン(150ml)を加えることにより 出した固体をろ取、ヘキサン(100ml)で洗浄し 減圧乾燥することにより粗生成物(11.2g)を得 た。得られた固体を中圧シリカゲルカラムク ロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル= 5/1)で精製し、発光材料EM-Aを得た(9.4g,収率46%) 。
1 H-NMR(300MHz,CDCl 3 ):δ(ppm)=0.84(t,6H),0.97(t,6H),1.20-1.54(m,16H),2.20(bs,2H) ,4.50(bs,4H),7.26(t,2H),7.56(d,2H),7.72(t,2H),8.58(d,2H),8.8 4(s、2H).
13 C-NMR(75MHz,CDCl 3 ):δ(ppm)=11.6,14.3,23.4,24.7,29.1,31.3,38.7,50.0,114.7,115. 8,121.2,121.6,126.5,128.4,134.7,136.7,143.4,178.5.

 <合成例4>(発光材料EM-Bの合成)
 アルゴン雰囲気下、500mlフラスコ中、9,10-ジ ブロモアントラセン(16.8g,50.0mmol)、ナトリウ -tert-ブトキシド(10.5g,110mmol)、トリス(ジベン リデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.46g,0.5mmol) 、及びトルエン(100ml)の混合物をアルゴンガ でバブリングした後に、トリ-tert-ブチルホ フィン(0.4g,2mmol)をシリンジで加えた。90℃ま で加熱した後に、N,N-ジ-p-トリルアミン(21.7g,1 10mmol)をトルエン(100ml)に溶解した溶液を40分 けて滴下して加えた。90℃で40分攪拌、続い 還流下で3時間攪拌した後、室温まで冷却し 、析出物をろ取した。得られた固体をクロロ ホルム(500ml)に還流下で溶解させ、不溶物を 時ろ過により除去した。ろ液を約350gまで濃 した後に、攪拌しながらメタノール(250ml)滴 下により加え、析出した固体をろ取、メタノ ールで洗浄し減圧乾燥した。得られた固体に 、トルエン(200ml)を加え、80℃にて激しく攪拌 した後に、室温まで冷却し、固体をろ取、ト ルエン(100ml)、ヘキサン(100ml)で順次洗浄し、 圧乾燥することにより、発光材料EM-Bをオレ ンジ色粉末として得た(19.9g,収率70%)。
1 H-NMR(300MHz,CDCl 3 ):δ(ppm)=2.26(s、12H),6.98(s,16H),7.30-7.34(m,4H),8.15-8.1 8(m,4H).

 <実施例32>
 前記高分子化合物P1の、0.8重量%キシレン溶 を調製した。この溶液を石英基板上に回転 度1000rpmのスピンコートにて塗布し、フォト ルミネッセンス量子収率(PLQY)を測定した。そ の結果、量子収率は47%であり、発光スペクト ルより求めた色度座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.16,0.07) と深青色発光を示した。これらの結果を表3 示す。

 <実施例33>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P1に、 前記発光材料EM-Aを5重量%添加した混合物の0.8 重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス量 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収率 は15%であり、発光スペクトルより求めた色度 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.35,0.53)と緑色発光を示し た。これらの結果を表3に示す。

 <実施例34>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P1に、 前記発光材料EM-Bを5重量%添加した混合物の0.8 重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス量 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収率 は77%であり、発光スペクトルより求めた色度 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.29,0.63)と緑色発光を示し た。これらの結果を表3に示す。

 <実施例35>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P1に、 下記式:
で表される発光材料EM-C(アメリカンダイソー 社製、商品名:ADS077RE)を5重量%添加した混合 の0.8重量%キシレン溶液を用いたこと以外は 、実施例32と同様にして、フォトルミネッセ ス量子収率(PLQY)を測定した。その結果、量 収率は24%であり、発光スペクトルより求め 色度座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.51,0.22)と赤色発光 示した。これらの結果を表3に示す。

 <実施例36>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P1に、 下記式:
で表される発光材料EM-D(東京化成工業株式会 製、5,6,11,12-テトラフェニルナフタセン)を10 重量%添加した混合物の0.8重量%キシレン溶液 用いたこと以外は、実施例32と同様にして フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)を測定 た。その結果、量子収率は53%であり、発光 ペクトルより求めた色度座標C.I.E.1931は(x,y)=( 0.48,0.49)と黄色発光を示した。これらの結果 表3に示す。

 <実施例37>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P9の0.8 重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス量 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収率 は71%であり、発光スペクトルより求めた色度 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.14,0.12)と深青色発光を示 した。これらの結果を表3に示す。

 <実施例38>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P9に、 前記発光材料EM-Aを5重量%添加した混合物の0.8 重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス量 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収率 は15%であり、発光スペクトルより求めた色度 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.37,0.52)と緑色発光を示し た。これらの結果を表3に示す。

 <実施例39>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P9に、 前記発光材料EM-Bを5重量%添加した混合物の0.8 重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス量 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収率 は75%であり、発光スペクトルより求めた色度 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.29,0.63)と緑色発光を示し た。これらの結果を表3に示す。

 <実施例40>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P9に、 前記発光材料EM-Cを5重量%添加した混合物の0.8 重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス量 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収率 は24%であり、発光スペクトルより求めた色度 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.48,0.22)と赤色発光を示し た。これらの結果を表3に示す。

 <実施例41>
 実施例32において、高分子化合物P1の0.8重量 %キシレン溶液に代えて、高分子化合物P9に、 前記発光材料EM-Dを10重量%添加した混合物の0. 8重量%キシレン溶液を用いたこと以外は、実 例32と同様にして、フォトルミネッセンス 子収率(PLQY)を測定した。その結果、量子収 は60%であり、発光スペクトルより求めた色 座標C.I.E.1931は(x,y)=(0.49,0.49)と黄色発光を示 た。これらの結果を表3に示す。

 <評価>
 表1から分かるように、本発明の高分子化合 物を用いた発光素子は、従来の高分子化合物 を用いた発光素子と比較して、外部量子収率 が優れる。
 表2から分かるように、本発明の高分子化合 物を用いた発光素子は、該高分子化合物が共 重合体であっても、外部量子収率が優れる。
 さらに、表2及び表3から分かるように、本 明の高分子化合物を用いた発光素子は、共 合相手を調整したり、種々の発光材料との 成物として調製したりすることにより、発 色度を調整することが容易である。

 本発明の高分子化合物は、高分子LED等の発 素子の製造に用いた場合、得られる発光素 の外部量子収率が優れるものである。さら 、通常、本発明の高分子化合物は、耐熱性 優れるものであり、発光素子の材料として 用である。また、本発明の好ましい実施形 では、本発明の高分子化合物は、良好な青 発光を示すため、発光素子の発光層の材料 して有用である。
 本発明の高分子化合物を用いた発光素子は 液晶ディスプレイのバックライト、照明用 しての曲面状や平面状の光源、セグメント イプの表示素子、ドットマトリックスのフ ットパネルディスプレイ等の表示装置に有 である。