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Patent Searching and Data


Title:
AMINOSUGAR COMPOUND AND PROCESS FOR PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125819
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a compound useful as an active ingredient for a pharmaceutical composition having an α-amylase-inhibiting activity, particularly a pharmaceutical composition for the treatment of diabetes. Studies have been made for discovering a compound having an α-amylase-inhibiting activity among the compounds produced by Streptomyces sp. Strain 6982 which is a ray fungus belonging to the genus streptomyces, and it is confirmed that an aminosugar compound has an α-amylase-inhibiting activity. The aminosugar compound has an α-amylase-inhibiting activity, and therefore can be used as a prophylactic or therapeutic agent for diabetes, obesity, NASH (non-alcoholic steatohepatitis), particularly as an ameliorating agent for postprandial blood glucose elevation.

Inventors:
SASAMURA SATOSHI (JP)
SASAMURA HIROMI (JP)
NISHIWAKI SHINYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057292
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ASTELLAS PHARMA INC (JP)
SASAMURA SATOSHI (JP)
SASAMURA HIROMI (JP)
NISHIWAKI SHINYA (JP)
International Classes:
C12P19/04; A61K31/715; A61K35/74; A61P1/16; A61P3/04; A61P3/10; A61P43/00; C08B37/00; C12N1/20; A61K31/7034; C07H15/203; C12R1/465
Foreign References:
JPS54163511A1979-12-26
JP2000239293A2000-09-05
JPS54163511A1979-12-26
US6596696B12003-07-22
Other References:
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Attorney, Agent or Firm:
MORITA, Hiroshi et al. (JP)
Morita 拓 (JP)
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Claims:
式(I)の化合物又はその塩。
(式中、nは、4から6である。)
培地中で、α-アミラーゼ阻害活性を有する化合物又はその塩を産生するストレプトマイセス属の微生物を培養し、その培養液から当該化合物又はその塩を回収することにより得られた、α-アミラーゼ阻害活性を有し、分子式がC 94 H 156  N 4 O 64 、C 113 H 187 N 5 O 76 、又は、C 132 H 218  N 6 O 88 の化合物(ただし、末端に還元糖構造を有する化合物を除く)又はその塩。
ストレプトマイセス属の微生物が、ストレプトマイセス エスピー6982株(FERM BP-10802号)である請求項2記載の化合物(ただし、末端に還元糖構造を有する化合物を除く)又はその塩。
寄託番号がFERM BP-10802号であるストレプトマイセス(Streptomyces)属の放線菌、ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)6982株およびその変異株。
ストレプトマイセス属の微生物の培養液から、精製若しくは単離された式(I)の化合物又はその塩を含有する組成物。
ストレプトマイセス属の微生物が、ストレプトマイセス エスピー6982株(FERM BP-10802号)である請求項5記載の組成物。
クロマトグラフィーによる分析で、式(I)の化合物又はその塩を面積百分率で約80%以上含有することを特徴とする組成物。
クロマトグラフィーによる分析で、式(I)の化合物又はその塩を面積百分率で約80%以上含有することを特徴とする請求項5記載の組成物。
クロマトグラフィーによる分析で、式(I)の化合物又はその塩を面積百分率で約80%以上含有することを特徴とする請求項記6載の組成物。
培地中で、α-アミラーゼ阻害活性を有する化合物を産生するストレプトマイセス属の微生物を培養し、その培養液から当該化合物を回収することを含む、α-アミラーゼ阻害活性を有し、分子式がC 94 H 156  N 4 O 64 、C 113 H 187 N 5 O 76 、又は、C 132 H 218  N 6 O 88 の化合物(ただし、末端に還元糖構造を有する化合物を除く)又はその塩の生産方法。
ストレプトマイセス属の微生物が、ストレプトマイセス エスピー6982株(FERM BP-10802号)である請求項10記載の生産方法。
ストレプトマイセス属の微生物の培養液から、精製若しくは単離することを特徴とする式(I)の化合物又はその塩の生産方法。
ストレプトマイセス属の微生物が、ストレプトマイセス エスピー6982株(FERM BP-10802号)である請求項12記載の生産方法。
請求項1に記載の化合物又はその塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
請求項1に記載の化合物又はその塩を含有する糖尿病の予防用若しくは治療用医薬組成物。
糖尿病の予防若しくは治療用医薬組成物の製造のための請求項1に記載の化合物又はその塩の使用。
糖尿病の予防若しくは治療のための請求項1に記載の化合物又はその塩の使用。
請求項1に記載の化合物又はその塩の有効量を患者に投与することからなる糖尿病の予防若しくは治療方法。
Description:
アミノ糖化合物及びその生産方

 本発明は医薬組成物、殊に糖尿病治療用医 組成物の有効成分として有用なアミノ糖化 物に関する。

 食事摂取された多糖類は、口腔及び胃内 おいて唾液由来α-アミラーゼにより一部消 され、次いで、十二指腸及び空腸内で膵臓 来α-アミラーゼにより大部分が消化される とで、二糖類やオリゴ糖となる。これらは 腸上皮微絨毛膜に局在するマルターゼ、ス ラーゼに代表されるグルコシダーゼによっ 単糖へと加水分解され、単糖が腸管より吸 される。吸収された単糖は血中に移行し、 糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが 泌され、肝臓からの糖放出を低下させると に、筋肉や脂肪組織への糖取り込みを増加 せる事によって、上昇した血糖値を降下さ 、その恒常性は保たれている。

 しかしながら、糖尿病態では、インスリ の分泌不全、あるいはインスリン抵抗性(イ ンスリン作用不足)により、食後高血糖や空 時高血糖などの慢性的な血糖制御不全状態 陥っている。

 近年、大規模臨床試験により、糖尿病性 併症の発症ならびに進展抑制には食後高血 の是正が重要であることが確認された。食 高血糖はたとえ軽度であっても心血管死の 立した危険因子であることを示している。 上のような背景により、食後高血糖(例えば 、食後2時間の血糖値が 200 mg/dL以上の状態) 対する薬物治療の重要かつ必要性が認識さ るようになっている。

 食後高血糖の治療薬として、消化酵素阻 剤であるグルコシダーゼ阻害剤が臨床にお て実際に用いられている(例えば、アカルボ ースやボグリボース)。しかしながら、グル シダーゼ阻害による、消化器症状(腹部膨満 、下痢、軟便、鼓腸、放屁など)が起こると いう副作用が問題となっている。

 また、異なる食後高血糖の治療薬(消化酵 素阻害薬)として、α-アミラーゼ阻害剤が挙 られる。グルコシダーゼを阻害すると、未 化のオリゴ糖(二糖類)を多く副生させるが、 α-アミラーゼを阻害しても未消化のオリゴ糖 (二糖類)は副生させる量が少ないため、下痢 の消化器症状を引き起こさずに糖の吸収阻 が発揮できると期待されている。

 α-アミラーゼ阻害活性を有するアミノ糖化 物が幾つか報告されている。
 例えば、ストレプトマイセス属の放線菌か 単離されたトレスタチン誘導体(下記式、但 し、式中nは1~3を示す)が報告されている(特許 文献1)。

 また、ヘキサヒドロ-3,5,6-トリヒドロキシ-1H -アゼピンを必須骨格とするマルト-オリゴ糖 合物が報告されている(特許文献2)。
(式中、nは0~3を、XはH又は疎水性基を示す。)

 また、下式中nが0から3である末端に還元糖 造を有する化合物が知られている(非特許文 献1)。
 当該非特許文献で開示されているアカルビ スタチン(Acarviostatin)IV03(n=3)は、分子式がC 94 H 156  N 4 O 64 がであり、本願のn=4の化合物と同じであるが 、これは末端に還元糖構造を有する化合物で ある点で構造上異なる。

特開昭54-163511号公報

米国特許第6596696号明細書

Carbohydrate Research, 343 (2008), 882-892

 医薬組成物、特に糖尿病治療用医薬組成物 有効成分として有用な化合物を提供する。

 α-アミラーゼ阻害薬としては、消化管内で 定性を示す必要がある。消化管内において 安定であることは、その分解産物が吸収さ 、予期しない副作用を起こす可能性がある
 本発明者らは、医薬品の探索を目的として 微生物が産生する物質について鋭意検討し 結果、ストレプトマイセス属の放線菌6982株 が優れたα-アミラーゼ阻害活性を有する化合 物を生産することを見い出して本発明を完成 した。

 即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその 、式(I)の化合物又はその塩を含有する組成 、式(I)の化合物又はその塩、及び賦形剤を 有する医薬組成物、並びに、式(I)の化合物 はその塩の生産方法に関する。

(式中、nは、4、5又は6を示す。)

 また、本発明は、培地中で、α-アミラーゼ 害活性を有する化合物又はその塩を産生す ストレプトマイセス属の微生物を培養し、 の培養液から当該化合物又はその塩を回収 ることにより得られた、α-アミラーゼ阻害 性を有し、分子式がC 94 H 156  N 4 O 64 、C 113 H 187 N 5 O 76 、又は、C 132 H 218  N 6 O 88 の化合物(ただし、末端に還元糖構造を有す 化合物を除く)又はその塩、及びこれらの化 物又はその塩を含有する組成物に関する。
 さらに、本発明は、式(I)の化合物又はその を含有する糖尿病の予防用若しくは治療用 薬組成物、即ち、式(I)の化合物又はその塩 含有する糖尿病治療剤に関する。
 また、本発明は、糖尿病の予防用若しくは 療用医薬組成物の製造のための式(I)の化合 又はその塩の使用、若しくは、糖尿病の予 若しくは治療のための式(I)の化合物又はそ 塩の使用、並びに、式(I)の化合物又はその の有効量を患者に投与することからなる糖 病の予防用若しくは治療方法に関する。

 式(I)の化合物又はその塩は、α-アミラーゼ 害作用を有し、糖尿病、肥満、NASH(非アル ール性脂肪肝炎)等の予防若しくは治療剤と て使用できる。また、グルコシダーゼ阻害 とは異なり、下痢等の消化器症状を引き起 さずに糖の吸収阻害が発揮できると期待さ る。

図1は、化合物Aの 1 H-NMRスペクトルを示す。 図2は、化合物Aの 13 C-NMRスペクトルを示す。 図3は、化合物Bの 1 H-NMRスペクトルを示す。 図4は、化合物Bの 13 C-NMRスペクトルを示す。 図5は、化合物Cの 1 H-NMRスペクトルを示す。 図6は、化合物Cの 13 C-NMRスペクトルを示す。 図7は、炭水化物負荷時の化合物Aによ 血糖上昇抑制作用を示す。(A)は血糖値の経 変化、(B)はAUCを示す。 図8は、炭水化物負荷時の化合物Aによ インスリン上昇抑制作用を示す。(A)はイン リン値の経時変化、(B)はAUCを示す。 図9は、化合物AのHPLCのクロマトグラム 示す。 図10は、化合物BのHPLCのクロマトグラ を示す。 図11は、化合物CのHPLCのクロマトグラ を示す。

 例えば、本発明の化合物(I)において、nが 4の化合物は下式で示される。

 式(I)の化合物には、幾何異性体が存在しう 。本明細書中、式(I)の化合物が異性体の一 態のみで記載されることがあるが、本発明 、それ以外の異性体も包含し、異性体の分 されたもの、あるいはそれらの混合物も包 する。
 また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子に づく光学異性体が存在しうる。本発明は、 (I)の化合物の光学異性体の分離されたもの あるいはそれらの混合物も包含する。

 さらに、本発明は、式(I)で示される化合 の製薬学的に許容されるプロドラッグも包 する。製薬学的に許容されるプロドラッグ は、加溶媒分解により又は生理学的条件下 、アミノ基、水酸基等に変換されうる基を する化合物である。プロドラッグを形成す 基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161( 1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年) 7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる 。

 また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化 物の製薬学的に許容される塩であり、酸付 塩を形成する場合がある。具体的には、塩 、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸 リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピ ン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フ ル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マン ル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジト オイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン 、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸 p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、 ルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、が挙 られる。

 さらに、本発明は、式(I)の化合物及びそ 塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多 の物質も包含する。また、本発明は、種々 放射性又は非放射性同位体でラベルされた 合物も包含する。

 本明細書において、「末端に還元糖を有 る化合物」とは、特に限定されないが、例 ば、acarbose(アカルボース)、アカルビオスタ チンI03、アカルビオスタチンII03、アカルビ スタチンIII03、アカルビオスタチンIV03のよ に遊離となるアルデヒド基(あるいはケトン )をもつ糖が末端にある天然物等の化合物が 挙げられる。

(生産方法)
 本発明の化合物は、ストレプトマイセス属 属し、かつ該化合物又はその製薬学的に許 される塩の生産能を有する微生物を用いて 造することができる。このような微生物と て好ましくは、沖縄県西表島で採取された 壌より分離されたストレプトマイセス属に するストレプトマイセス エスピ-(Streptomyces  sp.)6982株である。本菌株の菌学的性状は次 通りである。

 ストレプトマイセス エスピー6982株は、 縄県西表島で採集された土壌サンプルから 離された。本菌株の形態、培養性状、生理 性質を調べるための培地および方法は、主 シャーリング、ゴットリーブ(Shirling, E. B. and D. Gottlieb: Methods for characterization of Str eptomyces species. Int. J. Syst. Bacteriol. 16, 313-3 40, 1966)、および、ワックスマン(Waksman, S. A. : The actinomycetes Vol. 2: Classification, identifica tion and description of genera and species: The Will iams and Wilkins Co., Baltimore, 1961)に従った。 養温度30℃、培養日数は14日間、培養した後 観察した。

 形態観察は、酵母エキス-デンプン寒天培 地において培養した後に、光学および走査型 電子顕微鏡で観察することにより判定した。 酵母エキス-デンプン寒天は、粉末酵母エキ S(和光純薬製)2.0 g、可溶性デンプン10 g お び寒天16 gを含む水道水 1 Lの溶液を、1M N aOH水溶液でpH=7.2に調製した後、オートクレー ブで滅菌して調製した。生育温度は、酵母エ キス-デンプン寒天で判定した。炭素源の利 性は、プリドハム・ゴットリーブの培地(Prid oham,T.G. and D. Gottlieb: The utilization of carbon compounds by some Actinomycetales as an acid for sp ecies determination: J. Bacteriol. 56: 107-114,1948)に おいて判定した。

 色名は「メシューエン・ハンドブック・ ブ・カラー」( Kornerup, A. and J. H. Wanscher:  Methuen Handbook of Colour, Methuen, London, 1978) ら引用した。

 細胞壁のアミノ酸の分析は、ベッカーら 方法に従った(Becker, B., M. P. Lechevalier, R. E. Gordon and H. A. Lechevalier: Rapid differentiati on between Nocardia and Streptomyces by paper chromat ography of whole-cell hydrolysates: Appl. Microbiol. 1 2, 421-423, 1964)。

 16SrDNAの塩基配列は、中川らの方法に従っ て決定した(中川恭好、川▲崎▼浩子、放線 の分類と同定 pp. 83-117. 2001年日本放線菌学 会編: 東京、日本学会事務センター)。

 相同性検索は、国立遺伝学研究所のウェブ イトのFASTA検索
 (a) http://www. ddbj. nig.ac.jp 
 (b)D. J. Lipman, W. R. Pearson: Rapid and sensitiv e protein similarity searches, Science, 227, 1435-1441  (1985) 及び
 (c) W. R. Pearson, D. J. Lipman: Improved tools f or biological sequence comparison, Proc. Natl. Acad.  Sci. USA, 85, 2444-2448 (1988)
を用い、基準株の16SrDNA塩基配列は国立遺伝 研究所のデータベース(http:// www.ddbj.nig.ac.jp) より入手した。

 系統樹はClustal Wパッケージを用いて近隣 結合法により作成した(Clustal W Thompson, J.D., Higgins, D.G. and Gibson, T.J.: CLUSTAL W: improving  the sensitivity of progressive multiple sequence ali ghnment through sequence weighting, position-specific g ap penalties and weight matrix choice. Nucleic Acids Res. 22, 4673-4680, 1994)。

 また、ストレプトマイセス エスピー6982株 その近縁株とのDNA相同性は、以下の文献に される江崎らの方法により確認できる。
 (a)Ezaki, T., Hashimoto, Y., Takeuchi, T., Yamamoto,  H., Liu, S.-L., Matsui, K & Yabuuchi, E., J C lin Microbiol., 26, (1988) 1708-1713
 (b)Ezaki, T., Hashimoto, Y. & Yabuuchi, E., Int  J Syst Bacteriol., 39, (1989) 224-229

 本明細書において「近縁株」とは、ストレ トマイセス エスピー6982株と16SrDNAの塩基配 列の相同値が97%以上である菌株をいう。尚、 16SrDNAの塩基配列の相同値が97%未満である場 、それらは別種と判断されることが知られ いる。
 Stackebrandt, E. & Goebel, B. M., Int J Syst  Bacteriol., 44, (1994) 846-849

(1)形態的特徴
 基生菌糸はよく発達し、不規則に分枝した 気菌糸は不完全ならせん状を呈し、10個以 の分節胞子連鎖で形成されていた。胞子の 面は平滑、形状は楕円状、サイズは1.2 x 1.0 μmであった。菌核、胞子嚢、基生菌糸の断裂 、遊走子は観察されなかった。

(2)培養性状
 気菌糸は、酵母エキス-デンプン寒天、酵母 エキス-麦芽エキス寒天、オートミール寒天 無機塩-デンプン寒天、グリセリン-アスパラ ギン寒天上で、良好な着生を示し、チロシン 寒天上ではかすかに着生が認められた。ペプ トン-酵母エキス-鉄寒天上では気菌糸着生は められなかった。気菌糸の色は灰色味褐色 褐色味灰色であった。生育裏面の色は黄色 褐色、褐色味ベージュ、灰色味黄色、淡黄 、褐色味橙色、淡橙色であった。トリプト -酵母エキス培地及びペプトン-酵母エキス- 寒天上で、メラノイド色素の産生は認めら なかった。可溶性色素の産生が認められな った。菌体内色素はpHにより変化しなかっ 。

 これらの各培地上での生育状況を表1に示 した。略号は次の意味を示す。G:生育 A:気菌 糸 R:生育裏面の色 S:可溶性色素

(3)細胞壁タイプ
 全菌体分解物を分析した結果、アミノ酸と てLL-ジアミノピメリン酸の存在が確認でき 。

(4)生理学的性質
 D-グルコース、シュークロース、D-キシロー ス、D-フルクトース、L-ラムノース、ラフィ ース、L-アラビノース、イノシトール、D-マ ニトールの利用性は陽性であった。表2に、 ストレプトマイセス エスピー6982株の生理学 的特徴を示す。

(5)16SrDNA塩基配列による解析
 ストレプトマイセス エスピー6982株の16SrDNA 部分塩基配列を、後記配列表に示した。相同 性検索の結果、相同値が99.2 %であるストレ トマイセス グラウセセンス DSM40716株(Accessi on No:X79322)が最も近縁な株であった。また、 トレプトマイセス属の基準種の基準株であ ストレプトマイセス アルブス NBRC 13014株( Accession No: AB184257)との相同値は、96.2 %であ た。また、16SrDNA部分塩基配列により作成し た系統樹では、ストレプトマイセス各種と同 一のクラスターを形成した。

(6)同定
 下記文献(a)~(d)を参考に、形態観察、化学分 析および16SrDNA塩基配列による解析の結果か 、本菌株はストレプトマイセス属に属する 考えられる。
(a)Euzeby, J.P.: List of Bacterial names with standin g in nomenclature: a folder available on the interne t. Int. J. Syst. Bacteriol., 1997, 47, pp.590-592.
(b) Waksman, S.A., et al.: The nomenclature and clas sification of the actinomycetes. Journal of Bacteriolo gy, 1943, 46, pp.337-341.
(c) Williams, S. T: Bergey's Manual of Systematic Ba cteriology, Vol. 4. 1989.
(d) Zhang, Z.et al.: A proposal to revive the genus  Kitastospora Int. J. Syst. Bacteriol., 1997, 47, pp .1048-1054.

 そこで本菌株をストレプトマイセス エス ー 6982株と命名した。本菌株は独立行政法 産業技術総合研究所特許生物寄託センター 寄託番号FERM BP-10802 (受託日2007年3月22日)と て国際寄託されている。
 また、微生物は人工的に又は自然に変異を こすので、本発明ストレプトマイセス エ ピー6982株は、天然から分離された微生物の に、これを紫外線、X線、化学薬剤などで人 工的に変異させたもの及びそれらの天然変異 株についても包含する。

 本発明のアミノ糖誘導体は、ストレプト イセス属に属しかつα-アミラーゼ活性を有 る化合物の生産能を有する微生物、好まし は、当該アミノ糖誘導体生産能を有する微 物、さらに好ましくはストレプトマイセス エスピー6982株を、栄養源を含有する培地に 種し好気的に発育させることにより得るこ が出来る。

 培養に用いられる培地は、使用する微生 が生育可能な培地であればよく、合成培地 半合成培地あるいは天然培地を用いること できる。

 栄養物としては、本発明の菌株が資化す 栄養源を使用すればよい。例えば、窒素源 しては、きな粉、脱脂大豆粉、ペプトン、 エキス、コーンスティープリカー、綿実粉 落花生粉、大豆粉、酵母エキス、乾燥酵母 NZ-アミン、カゼインの水解物、魚粉、硝酸 トリウム、硝酸アンモニウム等の無機また 有機の窒素源が使用できる。炭素源として 、ポテトスターチ、コーンスターチなどの ンプン、糖蜜、デキストリン、ショ糖、グ コース、マルトース、トレハロース、フラ トース、キシロース、ラムノース、マンニ ール、グリセリン等の炭水化物あるいは脂 等が使用できるが、好ましくはデンプン及 きな粉である。

 また金属塩として、Na、K、Mg、Ca、Zn、Fe の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭 塩等が必要に応じて添加されるが、好まし は炭酸カルシウム及び/又は塩化ナトリウム ある。さらに必要に応じて通常知られてい アミノ酸類や、オレイン酸メチル、ラード 、シリコーン油、界面活性剤等の生成促進 合物または消泡剤が適宜使用される。これ のもの以外でも、該生産菌が利用し、本発 化合物の生産に役立つものであれば所望に り使用することができる。

 培養は、一般の抗生物質製造における培 と同様に行えばよく、その培養方法は固体 養でも液体培養でもよい。液体培養の場合 静置培養、振とう培養、攪拌培養のいずれ 実施してもよく、例えば、通気攪拌培養で 施してもよい。培養条件として、培養温度 生産菌が発育し、本発明の化合物を生産し る温度、すなわち15~42℃の範囲で適宜適用 きるが約20~30℃が好ましく、23~27℃がより好 しい。pHは4~9の範囲で適宜適用できるが、6~ 8が好ましい。培養時間は種々の条件によっ 異なり、通常1~30日の範囲で適宜適用できる 、4~10日が好ましい。

 培養物から目的とする化合物を単離する は、微生物の代謝産物を単離する際に用い 通常の抽出、分離、精製の手段が適宜利用 きる。培養物中の該物質は培養液をそのま か、又は遠心分離あるいは培養物にろ過助 を加えてろ過によってろ液を得る。この際 培養液にアセトン、MeOH、EtOH、MeCNなどの有 溶剤を加えても良く、所望によりpH調節の め塩酸等を加えてもよい。また、ろ液を適 の担体に接触させ、ろ液中の生産物質を吸 させ、次いで適当な溶媒で溶出することに り該物質を分離することができる。例えば アンバーライト(登録商標)XAD2、ダイヤイオ (登録商標)HP20、ダイヤイオンCHP20P、又はダ ヤイオンSP850のような多孔性吸着樹脂に接触 させて該物質を吸着させる。次いで、アセト ン、MeOH、EtOH、MeCN等の有機溶媒と水の混合液 を用いて該物質を溶出させる。所望によりpH 節のため塩酸等を加えてもよい。このとき 有機溶媒の混合比率を低濃度より段階的に は連続的に高濃度まで上げていくことによ 、該物質を含む画分を効率よく得ることが きる場合がある。

 本願化合物において、還元糖化合物など 不安定で単品として単離しにくい化合物を 去するために、塩基を加えて精製した。ま 、医薬としての純度を確保するために、繰 返し精製した。

 式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、 和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質 して単離され、精製される。式(I)の化合物 塩は、常法の造塩反応に付すことにより製 することもできる。単離、精製は、抽出、 別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等 通常の化学操作を適用して行なわれる。

 本明細書において、「回収」とは、本発 化合物(I)を単体でもしくは組成物として入 するために行われる操作を意味し、「精製 や「単離」を含む。

 本明細書において、「精製」には、本発 化合物を「単離」することを目的として行 れる操作を含み、「精製」により本発明化 物が「単離」されてもよい。

 各種の異性体は、適当な原料化合物を選 することにより製造でき、あるいは異性体 の物理化学的性質の差を利用して分離する とができる。例えば、光学異性体は、ラセ 体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性 な塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く 分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロ マトグラフィー等)により得ることもできる

 本明細書において、「クロマトグラフィ 」とは、分析化学において汎用されるクロ トグラフィーを意味し、特に限定されない 、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)、液 体クロマトグラフィー(LC)、超臨界流体クロ トグラフィー(SFC)等を含む。

 本明細書において、「液体クロマトグラ ィー(LC)」とは、移動層に液体を用いるクロ マトグラフィーの総称を意味し、特に限定さ れないが、例えば、中速液体クロマトグラフ ィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等を 含む。

 式(I)の化合物又はその塩を含有する組成 は、式(I)の化合物を精製若しくは単離する 階において得られる組成物をいい、医薬の 造原体として使用し得るものをいう。特に 定されないが、例えば、1種又は2種以上の (I)の化合物又はその塩と、アカルビオスタ ンIV03等の活性成分若しくは他の成分との混 物である。また、本組成物は、これに限定 れるものではないが、クロマトグラフィー よる分析で式(I)の化合物又はその塩を面積 分率で約80 %以上、好ましくは、85 %以上、 より好ましくは、90 %以上、更に好ましくは 95 %以上、更に好ましくは、98 %以上含有す るものが好ましい。

 式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上 有効成分として含有する医薬組成物は、当 野において通常用いられている賦形剤、即 、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、 常使用されている方法によって調製するこ ができる。
 投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、 剤、液剤等による経口投与、又は、関節内 静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、点眼剤 眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付 、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等に る非経口投与のいずれの形態であってもよ 。

 経口投与のための固体組成物としては、 剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このよ な固体組成物においては、1種又は2種以上 有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形 、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、 ドロキシプロピルセルロース、微結晶セル ース、デンプン、ポリビニルピロリドン、 び/又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウム 等と混合される。組成物は、常法に従って、 不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネ シウムのような滑沢剤やカルボキシメチルス ターチナトリウム等のような崩壊剤、安定化 剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤 又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しく は腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。

 経口投与のための液体組成物は、薬剤的 許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロ プ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又 EtOHを含む。当該液体組成物は不活性な希釈 剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような 補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を 含有していてもよい。

 非経口投与のための注射剤は、無菌の水 又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を 有する。水性の溶剤としては、例えば注射 蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性 溶剤としては、例えばプロピレングリコー 、ポリエチレングリコール又はオリーブ油 ような植物油、EtOHのようなアルコール類、 又はポリソルベート80(局方名)等がある。こ ような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤 湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は 解補助剤を含んでもよい。これらは例えば クテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌 の配合又は照射によって無菌化される。ま 、これらは無菌の固体組成物を製造し、使 前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又 懸濁して使用することもできる。

 外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリ ム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ロー ョン剤、点眼剤、眼軟膏等を包含する。一 に用いられる軟膏基剤、ロ-ション基剤、水 性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有 する。例えば、軟膏又はロ-ション基剤とし は、ポリエチレングリコール、プロピレン リコール、白色ワセリン、サラシミツロウ ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノー テアリン酸グリセリン、ステアリルアルコ ル、セチルアルコール、ラウロマクロゴー 、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げら る。

 吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液 又は半固体状のものが用いられ、従来公知 方法に従って製造することができる。例え 公知の賦形剤や、更に、pH調製剤、防腐剤 界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が 宜添加されていてもよい。投与は、適当な 入又は吹送のためのデバイスを使用するこ ができる。例えば、計量投与吸入デバイス の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化 物を単独で又は処方された混合物の粉末と て、もしくは医薬的に許容し得る担体と組 合わせて溶液又は懸濁液として投与するこ ができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は 数回の投与用のものであってもよく、乾燥 末又は粉末含有カプセルを利用することが きる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、 ロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロア カン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用 た加圧エアゾールスプレー等の形態であっ もよい。

 通常経口投与の場合、1日の投与量は、体 重当たり約0.01~100 mg/kg、好ましくは0.1~10 mg/k gが適当であり、これを1回であるいは2回~4回 分けて投与する。また、経粘膜剤としては 体重当たり約0.001~100 mg/kgを1日1回~複数回に 分けて投与する。投与量は症状、年令、性別 等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定さ れる。

 式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が 効性を示すと考えられる疾患の種々の治療 又は予防剤と併用することができる。当該 用は、同時投与、或いは別個に連続して、 しくは所望の時間間隔をおいて投与しても い。同時投与製剤は、配合剤であっても別 に製剤化されていてもよい。

 以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の 造法をさらに詳細に説明する。なお、本発 は、下記実施例に記載の化合物に限定され ものではない。また、式(I)の化合物の製造 は、以下に示される具体的実施例の製造法 みに限定されるものではなく、式(I)の化合 はこれらの製造法の組み合わせ、あるいは 業者に自明である方法によっても製造され る。

本明細書において以下の略号を用いることが ある。
EtOH:エタノール
MeCN:アセトニトリル
MeOH:メタノール
NaCl:塩化ナトリウム
NaOH:水酸化ナトリウム
TFA:トリフルオロ酢酸

 以下、本発明を実施例により、さらに詳 く説明するが、本発明はこれらの実施例に って何等限定されるものではない。

実施例1
(培養)
 種培地は、100 mL容の三角フラスコに、可溶 性デンプン 20 g、パインデックス#3(松谷化 社製) 10 g、きな粉 20 gおよび蒸留水1 Lを む培地(pH=7.0)を、30 mLずつ分注し、121℃で30 分間オートクレーブで滅菌することにより調 製した。
 この種培地に、ストレプトマイセス エス ー6982株の斜面培養物を、1白金耳分接種し、 30℃で3日間、振とう培養した。
 生産培地は、100 mL容の三角フラスコに、可 溶性デンプン 100 g、きな粉 60 g、NaCl 2.5 g 、CaCO 3  2 gおよび蒸留水1 Lを含む培地(pH=7.0)を、30 mLずつ分注し、121℃で30分間オートクレーブ 滅菌することにより調製した。
 この生産培地に、前記の種培養液を、各フ スコに2 mLずつ接種し、25℃で7日間振とう 養した。

培養液からの粗精製
 上記の培養方法により得られた培養液22 L 6 M HCl水溶液でpH=3に調製した後、吸引ろ過 た。ろ液を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製した 、ダイヤイオンHP20(樹脂量1.2 L)を用いて、10 % MeOH水溶液で洗浄した後、25% MeOH水溶液で 出した。

 この活性画分を、DOWEX 50W X1 (ザ・ダウ・ ミカル・カンパニー社製)陽イオン交換樹脂( 樹脂量 550 mL)を用いて、蒸留水、0.5Mおよび1 M NaCl水溶液で洗浄した後、3M NaCl水溶液で溶 出した。
 次いで、ダイソーゲルSP-120-15/30-ODS-B(樹脂量 1 L、ダイソー社製)を用いて、10%、15% MeOH水 液で溶出することで、化合物A、Bをそれぞ 得、20% 及び25% MeOH水溶液で溶出することで 、化合物Cを得た。

(1)化合物Aの精製・単離
 前記のODSカラムクロマトグラフィーで精製 て得られた化合物Aを含む活性画分を、SP-120 -15/30-ODS-B(樹脂量337 mL)を用いて、2%、3% MeOH 溶液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=13に調製 、ダイヤイオンHP20SS(樹脂量500 mL)を用いて 12.5%、15% MeOH水溶液(0.05 M NaOH含有)で溶出 た。
 活性画分を6 M HCl水溶液でpH=7に調製し、ダ イヤイオンHP20(樹脂量200 mL)を用いて、50% MeO H水溶液で溶出した。溶出区を減圧濃縮した 、凍結乾燥し、1.14gの粉末を得た。
 水に溶解した200mgの上記粉末を、ダイソー ックSP-120-5-ODS-BP(20 x 250mm、ダイソー社製)を 用いて、2% MeCN水溶液(0.05% TFA含有)で溶出し 。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製 、ダイヤイオンHP20(樹脂量50 mL)に供し、50%  MeOH水溶液で溶出した。溶出区を減圧濃縮し 後、凍結乾燥し、136mgの粉末を得た。
 水に溶解した上記粉末を再度ダイソーパッ SP-120-5-ODS-BP(20 x 250mm)を用いて、2% MeCN水溶 液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製 、ダイヤイオンHP20(樹脂量30 mL)を用いて、50 % MeOH水溶液で溶出した。
 得られた活性画分を減圧濃縮した後、凍結 燥して化合物A (65 mg)を得た。

(2)化合物Bの精製・単離
 前記のODSカラムクロマトグラフィーで粗精 することにより得られた画分を、SP-120-15/30- ODS-B(樹脂量337 mL)を用いて、3%から7%までのMeO H水溶液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=13に調製 、ダイヤイオンHP20SS(樹脂量250 mL)を用いて 15%、17.5%、20% MeOH水溶液(0.05M NaOH含有)で溶 した。
 この活性画分を6M HCl水溶液でpH=7に調製し ダイヤイオンHP20(樹脂量150 mL)を用いて、50% MeOH水溶液で溶出した。溶出区を減圧濃縮し 後、凍結乾燥し、970mgの粉末を得た。
 水に溶解した450mgの上記粉末を、ダイソー ックSP-120-5-ODS-BP(20 x 250mm)を用いて、2.2% MeC N水溶液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製 、ダイヤイオンHP20(樹脂量115 mL)を用いて、5 0% MeOH水溶液で溶出した。溶出区を減圧濃縮 た後、凍結乾燥し、190mgの粉末を得た。
 水に溶解した上記粉末を、再度ダイソーパ クSP-120-5-ODS-BP(20 x 250mm)に供し、2.2% MeCN水 液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製 、ダイヤイオンHP20(樹脂量30 mL)を用いて、50 % MeOH水溶液で溶出した。
 この活性画分を減圧濃縮した後、凍結乾燥 て化合物B(129 mg)を得た。

(3)化合物Cの精製・単離
 前記のODSカラムクロマトグラフィーで粗精 することにより得られた画分をSP-120-15/30-ODS -B(樹脂量80 mL)を用いて、2% MeOH水溶液(0.05% T FA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=13に調製 、ダイヤイオンHP20SS(樹脂量200 mL)を用いて 15%、17.5%、20% MeOH水溶液(0.05 M NaOH含有)で 出した。
 この活性画分を6 M HCl水溶液でpH=7に調製し 、ダイヤイオンHP20(樹脂量150 mL)を用いて、50 % MeOH水溶液で溶出した。溶出区を減圧濃縮 た後、凍結乾燥し、1gの粉末を得た。
水に溶解した上記粉末を、ダイソーパックSP- 120-5-ODS-BP(20 x 250mm)を用いて、2.2%から3.2%ま のMeCN水溶液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製 、ダイヤイオンHP20(樹脂量30 mL)を用いて、50 % MeOH水溶液で溶出した。溶出区を減圧濃縮 た後、凍結乾燥し、236mgの粉末を得た。
 水に溶解した184mgの上記粉末を、再度ダイ ーパックSP-120-5-ODS-BP(20 x 250mm)を用いて、2.2 % MeCN水溶液(0.05% TFA含有)で溶出した。
 この活性画分を6 M NaOH水溶液でpH=7に調製 、ダイヤイオンHP20(樹脂量30 mL)を用いて、50 % MeOH水溶液で溶出した。
 得られた活性画分を減圧濃縮した後、凍結 燥することにより化合物C(91 mg)を得た。

化合物A,B及びCの物理化学的性質
 上記抽出、分離、精製された化合物A、Bお びCは、それぞれ以下の物理化学的性質を有 た。
(1)化合物A
1)色及び形状:白色粉末。
2)酸性、中性、塩基性の区分:塩基性。
3)比旋光度:[α] 23 D  +157°(c=0.5、H 2 O)
4)分子式:C 94 H 156  N 4 O 64
5)高分解能TOF-マススペクトル:実測値 [M+2H] 2+  1183.4624
                 理論値 [M+2H] 2+  1183.4616
6)元素分析:C 94 H 156  N 4 O 64  14H 2 Oとして
 計算値:C 43.12, H 7.08, N 2.14,
 実測値:C 43.27, H 7.08, N 2.05
7)溶解性:水、DMF、DMSOにはよく溶けるが、ア トン、MeOH、EtOH、MeCNにはほとんど溶けない
8)紫外部吸収スペクトル(溶剤:水):末端吸収を 示す
9)赤外部吸収スペクトル(ν max  (KBr)cm -1 ):3330, 2925, 1655, 1385, 1150, 1040, 935
10) 1 H-NMRスペクトル(500MHz,D 2 O):図1に示す。
11) 13 C-NMRスペクトル(125MHz,D 2 O):図2に示す。

(2)化合物B
1)色及び形状:白色粉末。
2)酸性、中性、塩基性の区分:塩基性。
3)比旋光度:[α] 23 D  +153°(c=0.5、H 2 O)
4)分子式:C 113 H 187 N 5 O 76
5)高分解能TOF-マススペクトル:実測値 [M+2H] 2+  1416.0548
                 理論値 [M+2H] 2+  1416.0539
6)元素分析:C 113 H 187  N 5 O 76  16H 2 Oとして
 計算値:C 43.50, H 7.08, N 2.24,
 実測値:C 43.53, H 7.09, N 2.15
7)溶解性:水、DMF、DMSOにはよく溶けるがアセ ン、MeOH、EtOH、MeCNにはほとんど溶けない。
8)紫外部吸収スペクトル(溶剤:水):末端吸収を 示す。
9)赤外部吸収スペクトル(ν max (KBr)cm -1 ):3365, 2930, 1640, 1385, 1150, 1045, 935
10) 1 H-NMRスペクトル(500MHz,D 2 O):図3に示す。
11) 13 C-NMRスペクトル(125MHz,D 2 O):図4に示す。

(3)化合物C
1)色及び形状:白色粉末。
2)酸性、中性、塩基性の区分:塩基性。
3)比旋光度:[α] 23 D  +172°(c=0.5、H 2 O)
4)分子式:C 132 H 218  N 6 O 88
5)高分解能TOF-マススペクトル:実測値 [M+2H] 2+  1648.6467
                 理論値 [M+2H] 2+  1648.6462
6)元素分析:C 132 H 218  N 6 O 88  16H 2 Oとして
 計算値:C 44.22, H 7.03, N 2.34,
 実測値:C 44.23, H 7.09, N 2.35
7)溶解性:水、DMF、DMSOにはよく溶けるがアセ ン、MeOH、EtOH、MeCNにはほとんど溶けない。
8)紫外部吸収スペクトル(溶剤:水):末端吸収を 示す。
9)赤外部吸収スペクトル(ν max  (KBr)cm -1 ):3365, 2925, 1635, 1340, 1150, 1040, 935
10) 1 H-NMRスペクトル(500MHz,D 2 O):図5に示す。
11) 13 C-NMRスペクトル(125MHz,D 2 O):図6に示す。
前記の物理化学的性質から化合物A、B及びCの 化学構造を、下記のように決定した。
式中、化合物A:n=4;化合物B:n=5;及び化合物C:n=6

 又、上記方法にて製造した化合物A、B、Cを 以下の条件により高速液体クロマトグラフ ー(HPLC)法で分析すると、化合物A、B、Cの面 百分率(%)は、それぞれ99.0%、98.2%、98.3%であ た。尚、面積百分率(%)は、保持時間が6分か ら22分の間にクロマトグラム上に得られた各 分のピーク面積の総和を100とし、それに対 るそれぞれの成分のピーク面積の比から求 た。化合物Aから化合物CのHPLCのクロマトグ ムを図9から図11に示す。
1)カラム:Unison US-C18 250-4.6mm (インタクト社 )
2)移動相:1-7 % MeCN水溶液(0.05% TFA含有)(0-20分)
3)流速:1.0 ml/分
4)検出:UV、210nm
5)カラム温度:50℃
6)保持時間:化合物A 16.3分、化合物B 17.9分、 合物C 19.2分
(参考文献:化学便覧 応用化学編 第六版(丸 )、第8章 分析・計測・管理、P.342~346)

実施例2
 本発明化合物のα-アミラーゼ阻害活性は以 の方法で確認した。
(1)実験方法
 マウス、ラット、イヌ及びサル膵臓α-アミ ーゼ溶液はICRマウス(雄、8週齢、日本SLCよ 購入)、SDラット(雄、8週齢、日本チャールス リバーより購入)、ビーグルイヌ(雄、35ヶ月 、株式会社ナルクより購入)及びカニクイザ (雄、10歳、日本クレアより購入)膵臓より調 製した。ヒト唾液及び膵臓α-アミラーゼ溶液 はSigma-Aldrich Co.より購入した酵素より調製し た。これらのα-アミラーゼ溶液は全てアッセ イバッファー(48 mM NaCl, 5.4 mM KCl, 28 mM Na 2 HPO 4 , 43 mM NaH 2 PO 4 , 35 mM マンニトール, pH=7.0)を用いて800 U/mL になるように希釈調製した。96-wellマイクロ レートに各種α-アミラーゼ溶液 (20 U, 25 μ L)及びアッセイバッファーで溶解調製した化 物 (25 μL)を添加して37℃、10分間インキュ ーションした。その後,デンプン溶液 (5 mg/ mL, 50 μL)を添加して10分間、37℃でインキュ ーションした。0.33 M過塩素酸溶液 (50 μL) 添加して酵素反応を停止させた後、0.01 Mヨ ウ素溶液(50 μL)を添加して呈色させ、吸光度 (660 nm)を測定した。α-アミラーゼ活性を50%阻 害する化合物の濃度をIC 50 値として算出した。
(2)結果
 本発明化合物は検討を行った全ての種のα- ミラーゼに対して阻害活性を有し,化合物A B及びCのマウス膵臓α-アミラーゼに対する阻 害活性(IC 50 値)はそれぞれ、1.90 nM、2.06 nMおよび1.73 nM あり、ラット膵臓α-アミラーゼに対する阻 活性(IC 50 値)はそれぞれ、2.01 nM、2.12 nM及び1.95 nMで り、イヌ膵臓α-アミラーゼに対する阻害活 (IC 50 値)はそれぞれ、2.06 nM、2.38 nMおよび2.07 nM あり、サル膵臓α-アミラーゼに対する阻害 性(IC 50 値)はそれぞれ、2.14 nM、1.90 nMおよび2.02 nM あり、ヒト唾液α-アミラーゼに対する阻害 性(IC 50 値)はそれぞれ、2.20 nM、1.87 nMおよび1.99 nM あり、ヒト膵臓α-アミラーゼに対する阻害 性(IC 50 値)はそれぞれ、2.02 nM,2.11 nMおよび2.21 nMで った。

実施例3
 本発明化合物の経口活性を以下の方法で確 した。
(1)実験方法
 動物は雄性ICR(正常)マウス(6週齢、日本SLCよ り購入)を使用した。化合物は0.5% メチルセ ロース溶液を用いて溶解液を調製した。一 絶食させたマウスより血糖値及び血漿イン リン値測定用採血を行い、溶媒もしくは化 物A(0.3, 1, 3, 10 mg/kg)を経口投与し、直ちに 炭水化物溶液(75 mg/mLデンプン,25 mg/mLスクロ ス,20 mL/kg)を経口投与した。次いで、0.25、0 .5及び1時間後に血漿インスリン値測定用採血 を、0.5、1及び2時間後に血糖値測定用採血を った。
 血糖値はグルコースCII-テストワコー試薬( 光純薬)を用いて、血漿インスリン濃度はマ スインスリンELISAキット(株式会社シバヤギ) を用いてそれぞれ測定した。試験結果は平均 値±標準誤差で示した。
 化合物投与後2時間までの血糖値より血糖値 -時間曲線下面積 (AUC)を、1時間までの血漿イ ンスリン値より血漿インスリン値-時間AUCを 出して、溶媒投与群と化合物A投与群間でDunn ett's multiple range testを用いて検定を行い、 険率5% 未満を有意とした。
(2)結果
 化合物A (0.3から10 mg/kg)の経口投与により 量依存的な血糖上昇抑制作用が認められ、 の作用は1 mg/kg以上の用量において有意であ った(図7)。この時、用量依存的かつ有意な血 漿インスリン値の低下作用も併せて認められ た(図8)。

実施例4
 本発明化合物の二糖類水解酵素阻害活性を 下の方法で確認した。
(1)実験方法
 ICRマウス、SDラット、ビーグルイヌ及びカ クイザル小腸より作製した刷子縁標本、ヒ 小腸マイクロソーム標本 (BD Biosciences; Lot  36869)を各種の二糖類水解酵素液とした。これ らの二糖類水解酵素液及び化合物は全てphosph ate buffer (NaCl 48 mM, KCl 5.4 mM, Na 2 HPO 4  28 mM, NaH 2 PO 4  43 mM, mannitol 35 mM, pH=6.0)を用いて調製し 。
 マウス、ラット、イヌ及びサル二糖類水解 素阻害活性評価:96-wellマイクロプレ-トに二 類水解酵素液(10 mg/mL, 40 μL)及び化合物溶  (20 μL)を添加して37℃,10分間インキュベ- ョンを行った。その後、二糖類水解酵素基 (スクラーゼ:100 mM スクロース,マルターゼ:1 00 mM マルトース,イソマルターゼ:100 mM イ マルトース,ラクターゼ:100 mM ラクトース, レハラーゼ:100 mM トレハロース, 40 μL)を 加して30分間、37℃でインキュベ-ションを行 った。0.04 M過塩素酸溶液 (100 μL)を添加し 反応停止後、遠心分離 (2,000 rpm, 15分)を行 、上清中のグルコース濃度をグルコ-スCII- ストワコ-試薬(和光純薬)を用いて測定した 酵素非添加 (0%)及び化合物非添加 (100%)より 二糖類水解酵素阻害活性を算出した。
 ヒト二糖類水解酵素阻害活性評価:96-wellマ クロプレ-トに二糖類水解酵素液 (0.1 mg/mL,  20 μL)及び化合物溶液 (10 μL)を添加して37℃ 、10分間インキュベ-ションを行った。その後 ,二糖類水解酵素基質(スクラーゼ:100 mM スク ロース,マルターゼ:100 mM マルトース,イソマ ルターゼ:100 mM イソマルトース,ラクターゼ: 100 mM ラクトース,トレハラーゼ:100 mM トレ ロース, 20 μL)を添加して30分間、37℃でイ キュベ-ションを行った。0.04 M過塩素酸溶  (100 μL)を添加して反応停止後、遠心分離  (2,000 rpm, 15分)を行い、上清中のグルコース 度をグルコ-スCII-テストワコ-試薬(和光純薬 )を用いて測定した。酵素非添加 (0%)及び化 物非添加 (100%)より二糖類水解酵素阻害活性 を算出した。
(2)結果
 本発明化合物は検討を行った全ての種の二 類水解酵素(スクラーゼ,マルターゼ,イソマ ターゼ,ラクターゼ及びトレハラーゼ)に対 て阻害活性を示さなかった (IC 50 >10 μM)。

 上記試験の結果、式(I)の化合物はα-アミ ーゼ阻害、血糖値及び血漿インスリン値の 下作用を有することが確認され、糖尿病等 治療等に使用できることが確認された。

 式(I)の化合物又はその塩は、α-アミラー 阻害作用を有し、糖尿病、肥満、NASH(非ア コール性脂肪肝炎)等の予防若しくは治療剤 して使用できる。また、グルコシダーゼ阻 剤と異なり、下痢等の消化器症状を引き起 さずに糖の吸収を阻害できると期待される

 ストレプトマイセス エスピー6982株の16Sr DNA部分塩基配列を配列表に示す。

[規則26に基づく補充 19.05.2009] 




 
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