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Patent Searching and Data


Title:
AMORPHOUS CARBON COVERED TOOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116552
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an amorphous carbon covered tool possessing excellent adhesion between an amorphous carbon film and a base material and excellent abrasion resistance. The amorphous carbon covered tool comprises a base material and an amorphous carbon film. The amorphous carbon film comprises an inner layer part on a side in contact with the base material and an outer layer part on the surface side. The content of hydrogen contained in the inner layer part in the amorphous carbon film is 0.5 to 3 atomic%. The content of hydrogen contained in the outer layer part in the amorphous carbon film is less than 0.5 atomic%. The inner layer part in the amorphous carbon film has such a concentration gradient that the content of hydrogen is gradually reduced from the side in contact with the base material toward the surface side.

Inventors:
KOHATA, Mamoru (())
Application Number:
JP2009/055228
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 18, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TUNGALOY CORPORATION (Solid Square, 580 Horikawa-cho, Saiwai-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 03, 21285, JP)
株式会社タンガロイ (〒03 神奈川県川崎市幸区堀川町580番地 ソリッドスクエア Kanagawa, 21285, JP)
International Classes:
B23B27/14; B23B51/00; B23C5/16; C23C14/06; C23C14/24
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (SVAX TS Bldg, 22-12 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyon 01, 10500, JP)
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Claims:
 基材と非晶質炭素膜とを備え、非晶質炭素膜は基材に接する側の内層部と表面側の外層部とからなり、非晶質炭素膜の内層部に含まれる水素量が、非晶質炭素膜の外層部に含まれる水素量よりも多い、ことを特徴とする非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜の内層部が、基材に接する側から表面側に向けて徐々に減少する水素濃度勾配を有する、請求項1に記載の非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜が、内層部に0.5~3原子%の水素量と、外層部に0.5原子%未満の水素量とを有する、請求項1または2に記載の非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜が、非晶質炭素膜の膜厚全体の1~10%の内層部の厚さと90~99%の外層部の厚さとを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜が膜厚0.06~5μmを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜が、ナノインデンテーション法による硬さ20~100GPaを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜が、弾性復元率70~100%を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の非晶質炭素被覆工具。
 基材に存在する圧縮応力が0.3GPa以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の非晶質炭素被覆工具。
 非晶質炭素膜が、514.5nmの波長を有するアルゴンガスレーザーを用いたラマン分光法によるラマンスペクトルにおいて、波数1560~1600cm -1 の範囲内の第1ピークと、波数1100~1200cm -1 の範囲内の第2ピークとを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の非晶質炭素被覆工具。
Description:
非晶質炭素被覆工具

 本発明は、非晶質炭素膜を基材に被覆し 非晶質炭素被覆工具に関する。

 アルミニウム合金や真鍮などの非鉄金属 有機材料、グラファイトなど硬質粒子を含 する材料、電子関連プリント回路基板など 加工が増加している。このような被削材は 切削工具の切れ刃部分に被削材が溶着して 削抵抗が大きくなるため、切削工具の刃先 欠損しやすい。そのため、これらの被削材 切削加工する場合には、非晶質炭素被覆工 が用いられる。従来の非晶質炭素被覆工具 しては、非晶質カーボン膜中における水素 が5原子%以下である非晶質カーボン被覆工 がある(例えば、特許文献1参照。)。また、 質的に水素を含まないベース層と、ベース の上に設けられるとともに2原子%~20原子%の 囲内で水素を含む水素含有層との2層構造を しているDLC(ダイヤモンド状カーボン)被膜 被覆したDLC被膜被覆工具がある(例えば、特 文献2参照。)。しかしながら、これらの工 は被膜と基材との密着性が十分でないとい 問題があった。

特開2003-62706号公報

特開2007-131893号公報

 非晶質炭素被覆工具に対して、高能率加 、長寿命および被削材の仕上げ品位を良く ることが求められている。これらの要求に えるため、本発明は非晶質炭素膜と基材と 密着性に優れるとともに耐摩耗性に優れた 晶質炭素被覆工具を提供することを目的と る。

 本発明者は非晶質炭素被覆工具の開発を ってきたところ、まず基材に接する側に水 量が多い非晶質炭素膜を被覆し、その上面 水素量が少ない非晶質炭素膜を重ねて被覆 ると、耐摩耗性が優れるとともに、非晶質 素膜と基材との密着性に優れた非晶質炭素 覆工具が得られるという知見を得て本発明 完成するに至った。

 すなわち、本発明の非晶質炭素被覆工具 、基材と非晶質炭素膜とを備え、非晶質炭 膜は基材に接する側の内層部と表面側の外 部とからなり、非晶質炭素膜の内層部に含 れる水素量が、非晶質炭素膜の外層部に含 れる水素量よりも多いことを特徴とする。

 本発明の非晶質炭素被覆工具の基材とし は、高速度鋼、超硬合金、セラミックス、 高圧焼結体などを挙げることができる。そ 中でも、超硬合金は硬さと靭性に優れるの より好ましい。

 本発明の非晶質炭素膜は、硬質炭素膜、 イヤモンドライクカーボン膜、DLC膜、a-C:H 、i-カーボン膜、ta-C膜などと呼ばれるもの 含む。

 本発明の非晶質炭素膜は、基材に接する 層部と表面側の外層部とからなる。非晶質 素膜の内層部に含まれる水素量は、非晶質 素膜の外層部に含まれる水素量よりも多い これは、非晶質炭素膜中の水素量が低いと 非晶質炭素膜の硬さは高いが非晶質炭素膜 基材との密着性は低く、非晶質炭素膜中の 素量が高いと、基材との密着性は高くなる なるという知見から定めたものである。そ 中でも、非晶質炭素膜の内層部の水素量が 材に接する側から表面側に向けて徐々に減 する濃度勾配を有すると、密着性の向上と 膜硬さの低下を防止できるため、より好ま い。

 本発明の非晶質炭素膜の外層部に含まれ 水素量は0.5原子%未満、すなわち実質的に水 素が含有されないことを意味する量であり、 非晶質炭素膜の内層部に含まれる水素量は0.5 ~3原子%であると、より好ましい。これは、非 晶質炭素膜の水素量が0.5原子%未満であると 非晶質炭素膜の硬さは高いが非晶質炭素膜 基材との密着性は低く、非晶質炭素膜の水 量が0.5原子%以上であると基材との密着性は くなるが、非晶質炭素膜の水素量が3原子% 超えて多くなると非晶質炭素膜の硬さの低 が顕著になるためである。非晶質炭素膜の 素量およびその濃度勾配は、ヘリウムなど 高エネルギーイオンを入射粒子として用い 弾性反跳粒子検出法(ERDA)、共鳴核反応法(NRA : Nuclear Reaction Analysis)などを使用すること 測定することができる。

 本発明の非晶質炭素膜における内層部の さは、非晶質炭素膜の膜厚全体の1~10%であ ことが好ましい。非晶質炭素膜の内層部の さが、膜厚全体の1%未満であると耐摩耗性を 高くする効果が十分に得られず、膜厚全体の 10%を超えると非晶質炭素膜全体の硬さが低下 する。したがって、非晶質炭素膜の外層部の 厚さは、非晶質炭素膜の膜厚全体の90~99%であ ることが好ましい。

 本発明の非晶質炭素膜は、ナノインデン ーション法による硬さが20~100GPaであること 好ましく、30~80GPaであるとより好ましい。 さが20GPa未満であると耐摩耗性が低下し、100 GPaを超えると刃先の耐欠損性が低下するため である。

 本発明の非晶質炭素膜は、弾性復元率が70% 満であると塑性変形しやすいので、70~100%の 弾性復元率を有することが好ましい。ここで 、非晶質炭素膜の弾性復元率は式1で定義さ る。
[式1]弾性復元率(%)=(Hmax-Hf)/Hmax×100(%)
 (式中、Hmaxは最大押し込み深さであり、Hfは 荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)である )

 本発明の非晶質炭素膜は、膜厚0.06~5μmを することが好ましい。膜厚が0.06μm未満であ ると非晶質炭素膜を被覆する効果が得られず 、5μmを超えると非晶質炭素膜の圧縮応力が きくなり、非晶質炭素膜と基材との密着性 低下する。

 本発明の非晶質炭素被覆工具においては、 材に存在する圧縮応力が耐欠損性や非晶質 素膜と基材との密着性に影響を及ぼすため 鏡面、研削面、焼肌面など基材の表面状態 関係なく、基材に存在する圧縮応力が0.3GPa 下であることが好ましい。基材の圧縮応力 0.3GPaを超えると、非晶質炭素膜にチッピン が発生しやすくなる。なお、基材に存在す 圧縮応力は2θ-sin 2 ψ法による測定でき、具体的には、下記の式2 、式3を用いて基材の圧縮応力を測定するこ ができる。また、WCを主成分とする超硬合金 基材の場合は、WCに存在する圧縮応力を基材 存在する圧縮応力とみなすことができる。
[式2]応力σ=-E/(2・(1+υ))・cotθ 0 ・π/180・δ(2θ)/δ(sin 2 ψ)
[式3]応力σ=K・δ(2θ)/δ(sin 2 ψ)
ψ:試料面法線と格子面法線のなす角
σ:応力(MPa)
E:ヤング率(MPa)
υ:ポアソン比
θ 0 :標準ブラッグ角(度)
K:材料物性および標準ブラッグ角θ 0 で決まる定数

 514.5nmの波長を持つアルゴンガスレーザーを 用いたラマン分光法により波数800~2000cm -1 の範囲でラマンスペクトルを測定したときに 、従来の高結晶性熱分解グラファイト膜のラ マンスペクトルは波数1580cm -1 付近に1つのGバンドと呼ばれるラマンピーク 現れる。そして高結晶性熱分解グラファイ 膜の結晶性が低下するに従って波数1350cm -1 付近にブロードなDバンドと呼ばれるラマン ークが現れる。

 本発明の非晶質炭素膜は、514.5nmの波長を有 するアルゴンガスレーザーを用いたラマン分 光法によるラマンスペクトルにおいて、波数 1560~1600cm -1 の範囲内に第1ピークと、波数1100~1200cm -1 の範囲内に第2ピークとを有することがより ましい。波数800~2000cm -1 の範囲でラマンスペクトルを測定したときに 、波数1350cm -1 付近にピークはほとんど見られず、上記波数 の範囲内に第1ピークおよび第2ピークがある 、非晶質炭素膜の硬さが増加する傾向を示 。

 本発明の非晶質炭素膜は、ダイヤモンドに 敵する高い硬さを有し、切削工具として用 た場合、優れた耐摩耗性を発揮する。本発 の非晶質炭素膜はsp 3 結合の割合が高いので、常温硬さと高温硬さ が高くなる。

 本発明の非晶質炭素被覆工具の用途とし 、具体的には、ドリル、エンドミル、スロ アウェイチップなどの切削工具、金型を挙 ることができる。

 本発明の非晶質炭素膜は、固体のカーボン 出発原料とした物理蒸着法により得られる 具体的な物理蒸着法としては、アークイオ プレーティング法、レーザーアブレーショ 法、スパッタリング法などを挙げることが きる。その中でも、非晶質炭素膜と基材と 密着性が高く、得られる非晶質炭素膜の硬 が高いアークイオンプレーティング法がよ 好ましい。アークイオンプレーティング法 、他の方式よりもイオン化率が高いカーボ イオンが生成するため、ダイヤモンド類似 sp 3 結合の比率が高く緻密で硬さの高い膜が得ら れ、耐摩耗性を大幅に向上させることができ る。

 アークイオンプレーティング法は、非晶 炭素膜の表面にマイクロパーティクルと呼 れる突起物が生じやすい。マイクロパーテ クルは耐摩耗性の低下や非晶質炭素膜の表 粗さを粗くし、被削材の表面品位を悪くす 原因となる。アークイオンプレーティング の中でも、マイクロパーティクルを低減さ るフィルタードアークイオンプレティング はより好ましい。

 本発明の非晶質炭素膜を具体的に製造する 法としては以下を挙げることができる。工 形状の基材を成膜装置内に入れ、アルゴン ラズマにて基材の表面を洗浄する。次に、 材に-30~-300Vの直流電圧または-30~-500Vのパル 電圧の基材バイアス電圧をかけてC 2 H 2 およびCH 4 の1種または2種を5~20cm 3 /minの範囲の所定流量で炉内へ導入し、アー 放電電流80Aの陰極アーク放電によりグラフ イトのターゲットを蒸発およびイオン化さ ることにより、基材に接する側に非晶質炭 膜の内層膜を被覆する。内層部の水素量に 度勾配を持たせるためには、C 2 H 2 およびCH 4 の1種または2種の流量を時間とともに減少さ るとよい。非晶質炭素膜の内層膜の被覆終 後、C 2 H 2 およびCH 4 の1種または2種を供給せずに非晶質炭素膜の 層部を被覆すると本発明の非晶質炭素被覆 具を得ることができる。

 非晶質炭素膜の被覆時の基材温度は、50~200 であると好ましく、50~150℃であるとより好 しい。基材温度が、200℃を超えると軟質なs p 2 結合のグラファイトが析出しやすくなり、50 未満であると基材と非晶質炭素膜との密着 が低下する。本発明では、非晶質炭素膜の 覆時にはカーボンイオンが基材表面に照射 れ、非晶質炭素膜が形成されるので基材温 は上昇するため、基材を加熱ヒーターによ て加熱しなくても基材温度が上昇する場合 ある。

 本発明の非晶質炭素被覆工具は、非晶質 素膜と基材との密着性に優れるとともに耐 耗性に優れる。本発明の非晶質炭素被覆工 は、高能率加工と工具寿命の長寿命化を実 し、被削材の仕上げ品位を良くすることが 能となる。

 基材として、ドリル径φ0.3mm×長さ5.8mm(形状P RM030L-E)のプリント回路基板加工用超硬合金製 ドリルを用意した。この基材をアークイオン プレーティング装置の炉内に入れた。加熱ヒ ーターを用いて基材を300℃まで加熱しながら 、炉内を圧力1×10 -4 Paの真空にした。加熱ヒーターの設定温度を1 00℃まで下げて基材温度を150℃まで下げた後 アルゴンガスを導入し、圧力2×10 -1 Paのアルゴン雰囲気に保持しながら、バイア 電源により基材取付治具に-400Vの基材バイ ス電圧をかけてアルゴンプラズマにて基材 面を洗浄した。

 次に、表1、2に示す条件にて基材の表面に 晶質炭素膜を形成した。表1は主にアークイ ンプレーティング装置に関する条件を示し 表2は発明品5~8の基材のバイアス電圧に用い るパルス電圧条件を示す。発明品1~4について は、基材のバイアス電圧として表1に示す直 電圧を用い、非晶質炭素膜の内層部の被覆 始時に5~15cm 3 /minの所定流量のC 2 H 2 を炉内に導入し、C 2 H 2 の流量を時間とともに徐々に減少し、非晶質 炭素膜の内層部の被覆終了時にはC 2 H 2 の流量が0cm 3 /minになるように調節して内層部を被覆した 非晶質炭素膜の外層部はC 2 H 2 を炉内に供給せずに被覆した。発明品5~8につ いては、基材のバイアス電圧として表2に示 パルス電圧を用い、非晶質炭素膜の内層部 被覆開始から被覆終了まで、一定流量のC 2 H 2 を供給して内層部を被覆した。非晶質炭素膜 の外層部はC 2 H 2 を炉内に供給せずに被覆した。

 比較品1は被覆を行わない超硬合金製ドリ ルである。比較品2、3は、超硬合金製ドリル 基材をプラズマCVD装置内に入れ、アノード 圧100V、リフレクター電圧50V、フィラメント 電流30Aを共通条件とし、表3に示す条件で基 の表面に非晶質炭素膜を形成した。

 得られた発明品1~8、比較品2、3について 高エネルギーイオン(ヘリウムイオン)を入射 粒子として用いた弾性反跳粒子検出法(ERDA)を 使用して非晶質炭素膜の深さ方向の水素濃度 分布を測定した。また、非晶質炭素膜の断面 観察から走査型電子顕微鏡を用いて非晶質炭 素膜の最大膜厚を測定した。それらの結果を 表4に示した。

 表4に示すように、外層部には0.5原子%未 の微量の水素が含まれるが、これは、炉内 残った水分などから混入したものと思われ 。したがって、非晶質炭素膜の外層部は、 質的に水素を含有しないといえる。次にHysit ron社製TriboIndentorを使用し、荷重1mNで非晶質 素膜の硬さと弾性復元率を測定した。基材 WCに存在する圧縮応力を下記の応力測定条件 で測定した。これらの結果を表5に示した。

[応力測定条件]
測定装置:      株式会社リガク製微小部 力測定装置
X線管球:      Cuターゲット
コリメータ:     φ2mm
X線出力:      30kV,20mA
標準ブラック角2θ 0 : 117度(WC(211)面)
ψ:         0度、17度、24度、30度、35度、 40度の6点測定
ポアッソン比υ:   0.19
ヤング率E:     700GPa

 514.5nmの波長を持つアルゴンガスレーザー のラマン分光測定装置を用いて、発明品1~8と 比較品2,3の非晶質炭素膜のラマンスペクトル を測定した。これらの結果を表6に示した。

 得られたドリルについて、穴あけ試験を い、切刃における凝着状況と摩耗状態を測 した。これらの結果を表7に示した。

[穴あけ試験]
ドリル径:       φ0.3mm
被削材:        プリント回路基板FR-4(4層 )×2枚重ね
回転数:        120000回転/min、
テーブル送り速度:   3.0m/min
1回転当たりの送り量: 25μm/rev
加工数:        3000穴を加工する。

 本発明品は、比較品に比べて、優れた耐 着性と耐摩耗性を備えることがわかる。従 て、穴あけ加工後の穴加工精度も非常に高 、長寿命化が可能になる。

 基材として、フライス用スローアウェイチ プ(K10相当超硬合金、形番AECW16T3PEFR)を用意 た。この基材をアークイオンプレーティン 装置の炉内に入れた。加熱ヒーターを用い 基材を300℃まで加熱しながら炉内を圧力1×10 -4 Paの真空にした。加熱ヒーターの設定温度を1 00℃まで下げて基材温度を150℃まで下げた後 アルゴンガスを導入し、圧力2×10 -1 Paのアルゴン雰囲気に保持しながら、バイア 電源により基材取付治具に-400Vの基材バイ ス電圧をかけてアルゴンプラズマにて基材 表面を洗浄した。

 次に、表8、9に示す条件にて基材の表面に 晶質炭素膜を形成した。表8は主にアークイ ンプレーティング装置に関する条件を示し 表9は基材のバイアス電圧に用いるパルス電 圧条件を示す。発明品9~12については、非晶 炭素膜の内層部の被覆開始時に6~12cm 3 /minの所定流量のC 2 H 2 を炉内に導入し、C 2 H 2 の流量を時間とともに徐々に減少させ、非晶 質炭素膜の内層部の被覆終了時にはC 2 H 2 の流量が0cm 3 /minになるように調節して内層部を被覆した 非晶質炭素膜の外層部はC 2 H 2 を炉内に供給せずに被覆した。発明品13~16に いては、非晶質炭素膜の内層部の被覆開始 ら被覆終了まで、一定流量のC 2 H 2 を供給して内層部を被覆した。非晶質炭素膜 の外層部はC 2 H 2 を炉内に供給せずに被覆した。

 比較品4は被覆を行わない超硬合金製スロー アウェイチップである。比較品5は、基材を ラズマCVD成膜装置の炉内に入れ、ベンゼンC 6 H 6 の流量10cm 3 /min、圧力4.3×10 -1 Pa、基材温度200℃、基材のバイアス電圧-1500V( 直流電圧)という条件で基材の表面に非晶質 素膜を形成した。

 得られた発明品9~16、比較品5について、 エネルギーイオン(ヘリウムイオン)を入射粒 子として用いた弾性反跳粒子検出法(ERDA)を使 用して非晶質炭素膜の深さ方向の水素濃度分 布を測定した。また、非晶質炭素膜の断面観 察から走査型電子顕微鏡を用いて非晶質炭素 膜の最大膜厚を測定した。それらの結果を表 10に示した。

 表10に示すように、外層部には0.5原子%未 の微量の水素が含まれるが、これは、炉内 残った水分などから混入したものと思われ 。Hysitron社製TriboIndentorを使用し、実施例1と 同様な条件で非晶質炭素膜の硬さと弾性復元 率を測定した。基材のWCに存在する圧縮応力 実施例1と同様な条件で測定した。これらの 結果を表11に示した。

 514.5nmの波長を持つアルゴンガスレーザー のラマン分光測定装置を用いて、発明品9~16 比較品5の非晶質炭素膜のラマンスペクトル 測定した。これらの結果を表12に示した。

 得られたスローアウェイチップについて フライス加工試験を行い、切刃における凝 状況と摩耗状態を測定した。 これらの結 を表13に示した。

[フライス加工試験]
被削材:    アルミニウム合金ADC12
チップ形状:  AECW16T3PEFR
切削速度:   V=300m/min
切り込み:   Ad=5mm
送り:     f=0.15mm/rev
ダウンカット

 本発明品の非晶質炭素被覆工具は、比較 に比べて、被膜と基材との密着性に優れ、 れた耐溶着性と耐摩耗性を備えることがわ る。そのため長寿命化が可能になる。その め、本発明の非晶質炭素被覆工具は産業上 利用可能性の高い発明である。