国立大学法人埼玉大学 (〒70 埼玉県さいたま市桜区下大久保255 Saitama, 3388570, JP)
| 基礎によって地盤に支持される上部構造物の地震時の挙動を評価するために用いられる解析システムであって、 外力を受けて変形し、前記外力を取り除くと復元する弾性要素と、振動を減衰させる減衰要素と、両端部の相対加速度に比例した反力を生成する反力生成要素とを含む、前記基礎と前記地盤とからなる系の力学特性を再現する解析システム。 |
| 前記解析システムは、前記弾性要素と前記減衰要素と前記反力生成要素とが並列に接続されたベースシステムとして構成される、請求項1に記載の解析システム。 |
| 前記弾性要素と前記減衰要素と前記反力生成要素とのうちの2つが並列に接続され、残りの1つが直列に接続される少なくとも1つのコアシステムをさらに含み、 前記ベースシステムと前記少なくとも1つのコアシステムとを並列に接続して構成される、請求項2に記載の解析システム。 |
| 前記コアシステムは、前記弾性要素と前記減衰要素とが並列に接続され、前記反力生成要素が直列に接続されたものである、請求項3に記載の解析システム。 |
| 前記コアシステムは、前記減衰要素と前記反力生成要素とが並列に接続され、前記弾性要素が直列に接続されたものである、請求項3に記載の解析システム。 |
| 前記解析システムは、前記弾性要素と前記減衰要素とが並列に接続され、前記反力生成要素が直列に接続された第1コアシステムと、前記減衰要素と前記反力生成要素とが並列に接続され、前記弾性要素が直列に接続された第2コアシステムとを含む、請求項3に記載の解析システム。 |
| 基礎によって地盤に支持される上部構造物の地震時の挙動を評価するために、コンピュータに、複数の要素を組み合わせて解析モデルを生成させ、前記解析モデルに基づき地震応答解析を実行させる方法であって、 前記基礎と前記地盤とからなる系の力学特性を再現する前記解析モデルを構成する、外力を受けて変形し、前記外力を取り除くと復元する弾性要素、振動を減衰させる減衰要素、両端部の相対加速度に比例した反力を生成する反力生成要素をモデル化するための各要素データをデータ記憶部から読み出し、前記弾性要素と前記減衰要素と前記反力生成要素とを並列に接続したベースシステムの力学モデルを生成するステップと、 前記力学モデルに対して入力された前記弾性要素に対する弾性係数と前記減衰要素に対する減衰係数と前記反力生成要素に対する質量とを使用して、振動数に依存する前記地震応答解析を実行するステップとを前記コンピュータに実行させる、方法。 |
| 入力された前記地盤および前記基礎に関する情報に基づき、前記各要素データを使用して、前記弾性要素と前記減衰要素と前記反力生成要素とから2つを選択して並列に接続し、残りの1つを直列に接続した少なくとも1つのコアシステムの力学モデルを生成するステップと、 前記ベースシステムの力学モデルと前記少なくとも1つのコアシステムの力学モデルとを並列に接続した前記解析モデルを生成するステップとをさらに含み、 前記実行するステップでは、前記解析モデルに対して入力された前記弾性係数、前記減衰係数、前記質量を使用して前記地震応答解析を実行する、請求項7に記載の方法。 |
| 前記地盤および前記基礎に関する情報は、基礎形状、基礎種別、前記地盤の弾性係数、前記地盤の減衰係数、前記地盤の層厚さ、前記地盤のポアソン比、根入れ厚さ、前記地盤が互層地盤であるとの情報のいずれかを含む、請求項7または8に記載の方法。 |
| 請求項7~9のいずれか1項に記載の方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラム。 |
| 基礎によって地盤に支持される上部構造物または地中に埋設された杭体の地震時の挙動を、試験装置を使用して評価するために、前記試験装置に用いられ、試験用構造物の下部または試験用杭体の側面に取り付けられる機械装置であって、 外力を受けて変形し、前記外力を取り除くと復元する弾性部材と、振動を減衰させる減衰部材と、両端部の相対加速度に比例した反力を生成する反力生成部材とを含む、前記基礎と前記地盤とからなる系の解析モデルを実現する機械装置。 |
| 前記機械装置は、前記弾性部材と前記減衰部材と前記反力生成部材とが並列に接続されたベースシステムとして構成される、請求項11に記載の機械装置。 |
| 前記弾性部材と前記減衰部材と前記反力生成部材とのうちの2つが並列に接続され、残りの1つが直列に接続される少なくとも1つのコアシステムをさらに含み、 前記ベースシステムと前記少なくとも1つのコアシステムとを並列に接続して構成される、請求項12に記載の機械装置。 |
| 前記コアシステムは、前記弾性部材と前記減衰部材とが並列に接続され、前記反力生成部材が直列に接続されたものである、請求項13に記載の機械装置。 |
| 前記コアシステムは、前記減衰部材と前記反力生成部材とが並列に接続され、前記弾性部材が直列に接続されたものである、請求項13に記載の機械装置。 |
| 前記機械装置は、前記コアシステムとして、前記弾性部材と前記減衰部材とが並列に接続され、前記反力生成部材が直列に接続された第1コアシステムと、前記減衰部材と前記反力生成部材とが並列に接続され、前記弾性部材が直列に接続された第2コアシステムとを含む、請求項13に記載の機械装置。 |
| 前記弾性部材は、ばねまたはゴムであり、前記減衰部材は、ダンパーであり、前記反力生成部材は、回転軸に回転可能に支持される円盤状の回転質量体と、前記回転質量体の外周部に隣接する板状または棒状部材とから構成される、請求項11~16のいずれか1項に記載の機械装置。 |
| 前記反力生成部材は、複数の前記回転質量体と、複数の異なる歯数の歯車とを備え、前記複数の回転質量体の各々が前記異なる歯数の歯車の各々に直列に接続される、請求項17に記載の機械装置。 |
本発明は、基礎によって地盤に支持される 上部構造物の地震時の挙動を評価するために 用いられる解析システム、解析モデルに基づ き数値解析する解析方法、その解析方法を実 現するためのコンピュータ可読なプログラム 、振動実験を行うための試験装置に、解析モ デルとして組み込まれる機械装置に関する。
家やビル等の建物は、地盤に基礎を構築 、その基礎の上に構築される。図1に、その イメージ図を示す。図1では、基礎1が杭基礎 されており、複数の杭によって建物2が地盤 3に支持されている。
図2に、基礎の種類を示す。地盤に構築さ る基礎には、図2(a)に示される、建物2の荷重 を支持するために、所定深さまで掘削し、コ ンクリートを打設して構築される直接基礎( フト)4と、図2(b)に示される、杭基礎(パイル) 5とラフト4を併用し、その両者で建物2の荷重 を支持するパイルド・ラフト基礎と、図2(c) 示される、パイルのみによって建物2の荷重 支持する支持杭基礎6とがある。直接基礎4 、上部構造物の重量を十分に受けられる支 力をもつ良質な地盤(支持層)7が地表面付近 まで広がっている場合に採用される。支持 基礎6は、地表面付近が軟弱層8から構成され ていて、その軟弱層8の下部に支持層7が存在 る場合に、その支持層7にパイルの先端を打 ち込み、支持層7に支持させる場合に採用さ る。なお、この支持杭基礎6は、軟弱層8の層 厚さが厚くなればなるほどパイルの長さが長 くなり、コストパフォーマンスが悪化すると いう問題がある。パイルド・ラフト基礎は、 直接基礎4と杭基礎5とを併用し、支持力を分 させ、軟弱層8であっても十分に建物2の荷 を支持することができる。このため、パイ ド・ラフト基礎は、支持杭基礎6においてコ トパフォーマンスが悪化する場合に採用す ことができる。このように、基礎および地 は、建物2を支持するために必要不可欠なも のである。
建物といった上部構造物の地震時の挙動は 、振動を表現するために、ばねやダンパー、 柱や梁については線材要素を用いて解析モデ ルを構築し、その解析モデルに基づいて数値 解析を行い、その解析結果から評価すること ができる。また、その評価は、模型振動実験 を行い、その実験結果を利用して行うことも できる。
上部構造物が損傷しない、すなわち弾性 囲内であるならば、その系の応答および入 をすべて振動数領域で表現し、これを評価 ることが行われる。しかしながら、外力が きい場合には、上部構造物はひび割れ、あ いは降伏する等の非線形領域に達してしま 。この場合には、上記の振動数領域では表 することができず、時間領域での逐次評価 行う必要がある。なお、弾性範囲内であっ も、始めから時間領域での逐次評価を行う ともできる。
上部構造物の地震時の挙動を精度良く評 するためには、それを支持する基礎と地盤 からなる基礎-地盤系の挙動を、解析モデル として適切に表現する必要がある。基礎-地 系は、地上にある上部構造物とは異なり、3 元的に広がりを持つ波動場である。
地震時に地盤に発生した振動エネルギーは 、基礎を通して建物へと伝わり、建物を振動 させる。建物に加えられたエネルギーは、基 礎を介して地盤へと逸散される。このように 、地盤と建物とは互いに影響を及ぼし合う相 互作用する関係にあるものである。このため 、一般に、地震時の動的挙動は、動的ばね、 すなわちインピーダンスとして表現すること ができる。振動数に依存する基礎-地盤系を 切に表現するために、このインピーダンス 用いて解析モデルを構築し、数値解析を行 場合、近似的にある特定の振動数、例えば 上部構造物の固有振動数におけるばね値を いて数値解析が行われる。
例えば、薄層要素法などの詳細法によっ 基礎-地盤系のインピーダンスを振動数領域 において算定し、地上構造物については線材 要素と質点を用いて構築し、基礎-地盤系に いては質量と慣性モーメントならびに上記 インピーダンスを接続して、構造全体系の 析モデルを作成する。上記解析モデルの建 弾性時のモード解析から固有振動数を算定 、その固有振動数に対応する動的ばね値を 近似的に時間領域での逐次評価に用いる(非 許文献1参照)。
ここで、インピーダンスは、建物の固有 動数の低下、減衰の増大、回転動の誘発等 相互作用効果が建物に与える影響を示す振 数依存の複素関数で、以下の式で表される
インピーダンスKは、実部K R と、虚部K i との和で表現される。この実部K R は、地盤の剛性に対応し、虚部K i は、逸散減衰に対応する。
一方、模型振動実験で基礎-地盤系の地震時
の動的挙動を評価する場合、実物さながらの
大型せん断土槽に土を入れ、基礎を構築し、
その上に上部構造物を構築して、振動実験を
行い、その実験結果の分析と評価が行われる
。
時間領域で逐次評価を行う場合、動的ば のばね値は、近似的にある特定の振動数で 値を使用して計算を行うため、振動数依存 が一切考慮されない。このため、系の応答 評価する際の精度は著しく低くなる。
また、土槽に基礎および上部構造物を構 した実物さながらの模型実験では、模型を 成するための多大な労力を要し、多大なコ トがかかり、また、土槽の制約から波動逸 といった基本的な動的挙動が模擬できない 能性がある。
上部構造物のみを対象とし、基礎-地盤系 無視した模型実験では、実際の固有振動数 波動逸散特性が大きく異なるため、応答を 価する際の精度は著しく低くなる。
また、建物破壊を伴う非線形解析において は、時間領域において時刻歴応答解析が行わ れ、振動数依存性を考慮した解析では、振動 数領域において周波数解析が行われている。 時刻歴応答解析は、時間軸に沿って入力され る入力波形を用い、時間とともに変化する構 造各部の応答、すなわち変位、速度、加速度 を解析により求めるものである。周波数解析 は、複数の変動成分が混在しているデータ解 析に用いられ、最も一般的なものとして高速 フーリエ変換(FFT)法が用いられる。その他に 時刻歴解析が可能な自己回帰-移動平均(ARMA) 法も用いられる。
しかしながら、上記の非線形解析と振動数 依存性を考慮した解析とを同時に考慮可能な 解析法はこれまでには存在しない。ARMA法は 時刻歴解析が可能であり、周波数解析も可 ではあるが、学術的に極めて複雑で、一般 はほとんど使用されない。
そこで、振動数に依存しない定数を持つ要 素で、振動数に依存する動的ばねを表現でき る基礎-地盤系のレオロジーモデルとして構 される解析システム、解析モデルに基づい 数値解析を行う解析方法の提供が望まれて る。また、その方法を実現するためのコン ュータ可読なプログラム、振動実験を行う めの試験装置に、上記解析モデルを実現す 機械装置の提供も望まれている。
本発明者は、鋭意検討した結果、従来には ない特殊な機械要素、すなわち、両端部の相 対加速度に比例した反力を生成する反力生成 要素を使用し、この反力生成要素と従来から 使用されているばね等の弾性要素とダンパー 等の減衰要素とを並列に接続してベースとな るベースシステムを構築し、それら3つの要 のうちの2つを並列に接続し、残りの1つを直 列に接続してコアシステムを構築し、ベース システムとコアシステムとを並列に接続して 解析システムを構築することで、この解析シ ステムの力学モデルに基づいて数値解析する と、高い精度で評価することができることを 見出した。
また、コアシステムを並列に2以上接続す ことで、さらに高い精度で評価できること 見出した。さらに、互層地盤のように遮断 動数が複数ある場合や群杭基礎等の振動数 域に亘ってインピーダンスが変動する場合 おいて、ベースシステムの構成はそのまま 、コアシステムの各要素の接続位置を変更 ることで実現できることを見出した。なお インピーダンスは、上述した振動数に依存 る複素量で、実部と虚部とからなるもので る。さらに、ベースシステムのみで解析モ ルを構築し、数値解析を行っても、基礎に って地盤に支持される上部構造物の地震時 挙動を良好に評価することができることを 出した。
すなわち、上記の課題は、本発明の解析シ ステム、解析方法、プログラムおよび試験装 置に用いられる機械装置を提供することによ り解決することができる。
本発明の解析システムは、外力を受けて変 形し、前記外力を取り除くと復元する弾性要 素と、振動を減衰させる減衰要素と、両端部 の相対加速度に比例した反力を生成する反力 生成要素とを含む。
この解析システムは、弾性要素と減衰要素 と反力生成要素とが並列に接続されたベース システムを含むことが好ましい。また、弾性 要素と減衰要素と反力生成要素とのうちの2 が並列に接続され、残りの1つが直列に接続 れる少なくとも1つのコアシステムをさらに 含み、ベースシステムと少なくとも1つのコ システムとを並列に接続して構成すること より好ましい。この構成にすることで、基 と地盤とからなる系の力学特性をより良好 再現することができる。
上記コアシステムは、弾性要素と減衰要素 とが並列に接続され、反力生成要素が直列に 接続されたものとすることができる。これは 、互層地盤のように遮断振動数が複数ある場 合に有用で、このコアシステムを複数並列に 接続することで、精度を高めることができる 。
上記コアシステムは、減衰要素と反力生 要素とが並列に接続され、弾性要素が直列 接続されたものとすることもできる。これ 、根入れのある基礎に接する地盤の動的イ ピーダンスや、群杭基礎等の振動数領域に ってインピーダンスが変動する場合に有用 、このコアシステムを複数並列に接続する とで、精度を高めることができる。
必要に応じて、これらの、弾性要素と減 要素とが並列に接続され、反力生成要素が 列に接続されたコアシステムと、減衰要素 反力生成要素とが並列に接続され、弾性要 が直列に接続されたコアシステムの両方を いて構成することもできる。
上記弾性要素としては、ばねまたはゴム 挙げることができ、上記減衰要素としては ダンパーを挙げることができる。上記反力 成要素は、回転軸に回転可能に支持される 盤状の回転質量体と、その回転質量体の外 部に隣接する板状または棒状要素とから構 されるものとすることができる。また、反 生成要素は、複数の回転質量体と、複数の なる歯数の歯車とを備え、複数の回転質量 の各々が異なる歯数の歯車の各々に直列に 続されたものと、上記の板状または棒状要 とから構成することもできる。このように 異なる歯数の歯車(ギア)を備えることで、 定の回転質量を省スペースで確保すること でき、また、変則ギアを用いることで、所 の回転質量に調整することもできる。
本発明では、基礎によって地盤に支持され る上部構造物の地震時の挙動を評価するため に、コンピュータに、複数の要素を組み合わ せて解析モデルを生成させ、解析モデルに基 づき数値解析を実行させる解析方法も提供さ れる。この解析方法は、基礎と地盤とからな る系の解析モデルを構成する、弾性要素、振 動を減衰させる減衰要素、両端部の相対加速 度に比例した反力を生成する反力生成要素を モデル化するための各要素データをデータ記 憶部から読み出し、弾性要素と減衰要素と反 力生成要素とを並列に接続したベースシステ ムの力学モデルを生成するステップと、その 力学モデルに対して入力された弾性要素に対 する弾性係数と減衰要素に対する減衰係数と 反力生成要素に対する質量とを使用して、振 動数に依存する地震応答解析を実行するステ ップとをコンピュータに実行させるものであ る。
本発明の解析方法では、さらに、入力さ た地盤および基礎に関する情報に基づき、 要素データを使用して、弾性要素と減衰要 と反力生成要素とから2つを選択して並列に 接続し、残りの1つを直列に接続した少なく も1つのコアシステムの力学モデルを生成す ステップと、ベースシステムの力学モデル 少なくとも1つのコアシステムの力学モデル とを並列に接続した解析モデルを生成するス テップとを含むことができ、上記実行するス テップでは、この解析モデルに対して入力さ れた弾性係数、減衰係数、質量を使用して地 震応答解析を実行することができる。
地盤および基礎に関する情報は、基礎形 、基礎種別、前記地盤の弾性係数、前記地 の減衰係数、前記地盤の層厚さ、前記地盤 ポアソン比、根入れ厚さ、前記地盤が互層 盤であるとの情報のいずれかを含む。
基礎形状としては、円形、矩形等を挙げ ことができ、基礎種別としては、群杭基礎 直接基礎、ケーソン基礎、鋼管矢板井筒基 を挙げることができる。
また、本発明では、上記解析方法を実現す るためのコンピュータ可読なプログラムも提 供される。さらに、地震時の挙動を評価する ための試験装置に用いられ、試験用構造物の 下部または試験用杭体の側面に取り付けられ る、上記解析モデルを実現する機械装置も提 供される。
振動数に依存する動的ばねを表現するこ ができる解析システムを提供することで、 的ばねを数値解析に組み込むことができ、 のモデルを実際の各要素で構築することが きることから、実際の試験装置にその解析 デルを実現する機械装置として組み込むこ ができる。
基礎-地盤系の振動数依存性は、上部構造 物の損傷程度に対し、設計上無視できない差 異を生じさせるが、その損傷を伴う構造要素 と、振動数依存性を有する基礎-地盤系を同 に考慮した動的解析を行うことが可能とな 。
1…基礎、2…建物、3…地盤、4…直接基礎( フト)、5…杭基礎(パイル)、6…支持杭基礎 7…支持層、8…軟弱層、10、10a、10b、10c…弾 要素、11、12…節点、20、20a、20b、20c…減衰 素、30、30a、30b、30c…反力生成要素、40…ベ ースシステム、41、42…節点、50…コアシステ ム、51、52、53…節点、60…コアシステム、61 62、63…節点、70…連結端、71…接続要素、72 回転質量体、73…棒状要素、80…上板、81… ね、82…ダンパー、83…回転質量体、84…回 慣性力伝達板、85…スライダ、86…スライダ 面、87…スライドボード、88…回転質量体、89 …ばね、90…ダンパー、91…橋脚、92…桁、93 杭、94…地盤、120…地盤、121…フーチング 121…上部構造物、123…解析システム、180… 持板、181…試験用構造物、182…連結板、183 機械装置、190…回転ヒンジ、200…スライド 、201…反力壁、202…機械装置
建物といった上部構造物の地震応答解析 行うためには、その上部構造物が地震力を けたときにどのような挙動を示すか、その 震力と変形との関係(復元力特性)を定義す 必要がある。また、建物の地震時の挙動を 度良く評価するためには、それを支持する 礎および地盤の動的挙動を適切に表現しな ればならない。本発明の解析システムは、 礎と地盤とからなる基礎-地盤系の復元力特 といった力学特性を好適に再現するための ステムである。また、本発明の解析システ は、従来にない、振動数に依存するインピ ダンスを表現可能な解析システムである。 のように振動数に依存するシステムを提供 ることで、建物破壊が起こる非線形領域に ける地震応答解析を容易に実現することが 能となる。
本発明の解析システムを説明する前に、動 インピーダンスの振動数依存性について説 する。以下、静的ばね(静的インピーダンス )という用語も使用するため、それと区別す ためにインピーダンスを動的インピーダン として説明する。図3は、複数の杭からなる 杭基礎における、無次元化振動数a 0 と、動的インピーダンスの虚部のばね値K d を静的ばね(静的インピーダンス)のばね値K s で除して無次元化した値(K d /4K s )との関係を示した図である。横軸は無次元 振動数を示し、縦軸は無次元化インピーダ スを示す。無次元化振動数a 0 は、円筒基礎の代表寸法a(杭では杭直径)と、 加えられる振動の角振動数ωとを乗じ、それ 表層地盤のせん断弾性波速度c s で除することにより得ることができる。群杭 基礎について説明を加えると、群杭基礎は、 杭の間隔がある限界以内になると、一つの群 として作用し、支持力や変形の性状が単杭の 場合と異なってくる現象を生じるように、複 数の杭を互いに近隣して地盤に打ち込んで形 成された基礎である。図3中のS/dは、杭間の 隔(m)と杭の径(m)との比を示す。静的インピ ダンスのばね値は、振動数を0に収束させた きの値が用いられる。図3に示すように、無 次元化インピーダンスは、無次元化振動数に 伴って変化しており、このことから、動的イ ンピーダンスが振動数に依存することがわか る。
この振動数に依存する動的インピーダンス は、従来から採用される、外力が作用して変 形し、外力が取り除かれると復元する、ばね 等の弾性要素と、振動を減衰させるダンパー 等の減衰要素とを用いたVoigtモデル等の解析 デルでは、良好に表現することができなか た。本発明では、新たな機械要素を導入す ことで、振動数に依存する動的インピーダ スを良好に表現できることを見出した。そ 新たな機械要素は、両端部の相対加速度に 例した反力を生成する反力生成要素である
反力生成要素は、例えば、図4に示すよう 、一方の連結端70に接続要素71の一端が接続 れ、接続要素71の他端に設けられた回転軸 回転可能に支持された回転質量体72と、回転 質量体72の周部に隣接し、図示しない他方の 結部に連結される棒状要素73とから構成さ たものとすることができる。
ここで、図4に示す反力生成要素において 力が生成される仕組みについて詳細に説明 る。図4に示すように、回転質量体72に極座 系を適用すると、回転質量体72の中心を原点 としてその周部は座標(r,θ)で表すことができ る。地震動により外部から振動が与えられて 連結端70が振動すると、これに伴って回転質 体72が回転する。この回転質量体72が回転運 動する場合、次式で表される回転慣性モーメ ントJが発生する。この回転慣性モーメントJ 、回転する要素の回転しにくさの程度を示 物理量である
mは回転質量体72の質量であり、rは回転質 量体72の半径である。回転質量体72は、回転 ることによって上記で定義される回転慣性 ーメントJに比例した回転モーメントNが発生 する。この回転モーメントNは、次式で表さ る。
式3中のωは、回転質量体72の回転角加速 である。この回転モーメントNは、回転質量 72に棒状要素73が隣接していることから、棒 状要素73に伝達されて、次式で表される力Fを 生じさせる。
式4中のu”は、棒状要素73の、回転質量体 72の回転中心に対する相対加速度である。こ 結果、この反力生成要素は、上記の相対加 度u”に比例した反力Fを生成する。
反力生成要素は、そのほか、複数の回転質 量体72と、複数の異なる歯数の歯車とを備え ものとすることもできる。この場合、複数 回転質量体の各々が異なる歯数の歯車の各 に直列に接続されたものとすることができ 。このように、異なる歯数の歯車(ギア)、 なわちギア比を変えた増速ギアを組み合わ ることにより、回転質量体72のトルクを増加 させることができ、これにより、所定の回転 慣性モーメントを省スペースで確保すること ができる。また、変則ギアを用いることで、 所定の回転質量に調整することができる。棒 状要素73としては、ロッドを挙げることがで 、この棒状要素のほか、スライドボードと った板状要素を挙げることもできる。生成 た反力を伝達するために、上記の棒状要素 たは板状要素を移動可能にさせるスライダ 備えることができる。スライダは、例えば ローラを備えるものとすることができる。 力生成要素は、その他、まっすぐな棒や板 表面に歯を刻んだラックと円形小歯車であ ピニオンとを組み合わせた構成とすること できる。
本発明では、振動数に依存する動的インピ ーダンスを良好に表現するために、この反力 生成要素を、弾性要素および減衰要素と組み 合わせて用い、解析システムを構成する。
この解析システムは、図5に示すような、弾 要素10aと、減衰要素20aと、反力生成要素30a を互いに並列に接続してなるベースシステ を含む。このベースシステムは、解析シス ムのベース(基礎)となるシステムで、本発明 の解析システムでは、このベースシステムは 必須のものとされる。なお、u 10 、u 11 は、節点の絶対変位で、f 3 、f 10 は、節点外力である。このベースシステムで は、節点41に外力f 3 が作用し、節点41では絶対変位u 10 とされ、節点42に外力f 10 が作用し、節点42では絶対変位u 11 とされている。絶対変位とは、地盤がyだけ 形するときに、節点の地盤に対する変位(相 変位)がxであれば、x+yで表される実変位の とである。
また、解析システムは、弾性要素10、減衰要 20、反力生成要素30のうちの2つを選択し、 択された2つの要素を並列に接続し、残りの1 つをそれに直列に接続して構築される、図6(a )、(b)に示すようなコアシステムを含む。こ コアシステムは、解析システムのコア(核)と なるシステムで、このコアシステム内の構成 を変えることによって異なる振動数依存性を 表現することができる。図6(a)では、弾性要 10bと減衰要素20bとが並列に接続され、それ 反力生成要素30bが直列に接続されて、コア ステムが構築されている。また、図6(a)では 3つの節点51、52、53があり、節点51、53に節 外力f 3 、f 20 が作用し、節点51、52、53ではそれぞれ、絶対 変位u 20 、u 21 、u 22 とされている。また、図6(b)では、減衰要素20 cと反力生成要素30cとが並列に接続され、そ に弾性要素10cが直列に接続されて、コアシ テムが構築されている。また、図6(b)では、3 つの節点61、62、63があり、節点61、63に節点 力f 3 、f 30 が作用し、節点61、62、63ではそれぞれ、絶対 変位u 30 、u 31 、u 32 とされている。
その結果、基礎-地盤系の解析システムは 図7に示すような解析システムとすることが きる。図7(a)、(b)は、本発明の解析システム の実施形態を示した図である。図7(a)に示す 析システムは、異なる土層がある互層地盤 に埋設された基礎のように、遮断振動数が 数ある場合の地震応答解析に好適なモデル して採用することができる。なお、遮断振 数とは、その振動数以下で基礎からの波動 散効果が急激に減少する特定の振動数のこ である。図7(b)に示す解析システムは、振動 領域にわたりインピーダンスが変動する場 の地震応答解析に好適なモデルとして採用 ることができる。
本発明の解析システムは、図7(a)、(b)に示 ように、ベースシステム40と、コアシステム 50と、コアシステム60とを並列に接続して構 される。図7(a)、(b)では、同じコアシステム 複数並列に接続されているのが示されてい 。このように複数の同じコアシステムを接 することにより、解析精度を向上させるこ ができる。ここでは、同じコアシステムを 列に接続することについて説明したが、基 -地盤系の動的ばねを良好に表現するために 、必要に応じて、図7(a)に示すコアシステム 図7(b)に示すコアシステムとを併用すること できる。
構築された解析システムに基づき地震応答 解析を行う場合、弾性要素がばねである場合 、この弾性要素を、静的インピーダンスを表 現する機械要素とし、静的インピーダンスの ばね値(ばね係数)を使用することができる。 衰要素については、全体的減衰を表現する 械要素であるため、減衰係数を使用する。 力生成要素については、両端部の相対加速 に比例した反力を生成する機械要素であり この反力が、反力生成要素を構成する質量 の質量に依存することから、この質量体の 量を使用する。なお、この解析システムは 構成要素の単数または複数の要素に対し、 えば、履歴特性や剛性低下率を考慮するこ で、強震時における基礎-地盤系自身の非線 形性を考慮したモデルとして構成することが できる。
図7では、ベースシステム40の弾性要素10に対 てはKという弾性係数が与えられ、減衰要素 20に対してはCという減衰係数が与えられ、反 力生成要素に対してはMという質量が与えら ている。また、2つのコアシステム50、60の弾 性要素に対してはそれぞれ、k 1 、k 2 という弾性係数が与えられ、減衰要素に対し てはそれぞれ、c 1 、c 2 という減衰係数が与えられ、反力生成要素に 対してはそれぞれ、m 1 、m 2 という質量が与えられている。
図7(a)に示す解析システムの節点11に外力f 3 が作用する場合、その外力f 3 はベースシステム40と、コアシステム50と、 アシステム60とに作用し、各システムに分担 される。ベースシステム40では、弾性要素、 衰要素、反力生成要素からの合成反力が節 42に作用する。これに対し、コアシステム50 では、弾性要素、減衰要素からの合成反力が 節点52に作用し、その力が反力生成要素に作 して、反力生成要素の反力が節点53に作用 る。コアシステム60も同様に、弾性要素、減 衰要素からの合成反力が節点62に作用し、そ 力が反力生成要素に作用して、反力生成要 からの反力が節点63に作用する。ベースシ テム40、コアシステム50、60の各節点42、53、6 3に作用する反力が合成され、合成された力 解析システムの節点12の外力f 1 と釣り合う。
弾性要素、減衰要素としては、一般に使用 されているばねまたはゴム、ダンパーを使用 することができる。ばねとしては、板ばね、 コイルばねを挙げることができる。ゴムとし ては、積層ゴムを使用することができる。ダ ンパーとしては、鋼材の塑性変形を利用した 鋼材ダンパー、2面間の固体摩擦を利用した 擦ダンパー、油の粘性抵抗を利用したオイ ダンパー、高粘性材料のせん断抵抗を利用 た粘性体ダンパー、磁気粘性(MR)流体を用い MRダンパーを挙げることができる。
次に、コンピュータに、この解析システム を仮想モデルとして生成させ、生成した仮想 モデルに基づき地震応答解析を実行させる解 析処理について説明する。この解析処理は、 コンピュータ可読なプログラムとして構成し 、このプログラムを実行することにより実現 することができる。処理の流れとしては、コ ンピュータは、上記プログラムを実行して、 まず、ベースシステムの力学モデルを生成す る。この場合の力学モデルは、仮想モデルで あり、解析モデルを構成する弾性要素をモデ ル化するための弾性要素データ、減衰要素を モデル化するための減衰要素データ、反力生 成要素をモデル化するための反力要素データ を使用して生成することができる。これらデ ータは、弾性要素、減衰要素、反力生成要素 を三次元にモデル化するものである。ベース システムの力学モデルは、モデル化された各 要素を線等で並列につなぎ合わせることによ り生成される。なお、これらのデータは、コ ンピュータが備えるHDD等のデータ記憶部に記 憶され、データ読み出し要求に応じて読み出 される。記憶されるデータには、杭基礎であ れば、杭のヤング率、断面積、断面二次モー メントといった材料特性も含まれる。なお、 これらのデータは、解析を行う際に使用され る。
同様にして、コアシステムの力学モデル 生成する。コアシステムは、上記の3つの要 素のうち、2つを選択し、それら2つを並列に 続し、残りの1つを直列に接続して構築され る。どの2つを選択するかは、基礎および地 に関する情報に基づいて決定することがで る。
例えば、異なる土層がある互層地盤等に 設された基礎の場合、遮断振動数が複数あ ため、弾性要素と減衰要素とが並列に接続 れ、それに反力生成要素が直列に接続され ものが良好な再現性を示し、好適なコアシ テムとなる。このため、互層地盤に埋設さ た基礎という情報が入力された場合に、こ 構成のコアシステムの力学モデルを生成す ように設定される。したがって、コンピュ タは、この情報の入力を受けて、この構成 コアシステムの力学モデルを生成する。
根入れのある基礎や群杭基礎は、それに する地盤の動的インピーダンスや振動数領 に亘りインピーダンスが変動する。このよ な場合には、減衰要素と反力生成要素とが 列に接続され、それに弾性要素が直列に接 されたものが良好な再現性を示し、好適な アシステムとなる。このため、このような 盤という情報が入力された場合に、この構 のコアシステムを生成するように設定され 。したがって、コンピュータは、この情報 入力を受けて、この構成のコアシステムの 学モデルを生成する。
基礎および地盤に関する情報としては、 記の互層地盤、群杭基礎、根入れのある基 といった情報のほか、根入れ厚さ、円形あ いは矩形といった基礎形状、直接基礎、ケ ソン基礎、鋼管矢板井筒基礎といった基礎 別、地盤の弾性係数、地盤の減衰係数、地 の層厚さ、地盤のポアソン比といった地盤 諸数値を挙げることができる。これらの情 によっても、適切な構成のコアシステムを 成することができる。なお、これらの情報 よって生成されるコアシステムの構成は、 め数値解析を行い、最も適合するモデルを 定しておき、そのモデルに対応付けて記憶 ておくことで、これらの情報に基づき、適 なコアシステムを生成することができる。
コアシステムの構成はこれらに限られる のではなく、必要に応じて、これら異なる アシステムを併用することもできる。コア ステムの力学モデルが生成されたところで ベースシステムの力学モデルとコアシステ の力学モデルとを並列に接続して解析モデ を生成する。その際、既往の理論解や従来 離散化手法等によって別途求められたイン ーダンス特性(目標値)と、上記解析モデル よるインピーダンス特性との比較を行い、 析モデルが精度良く特性を再現しているこ を確認し、上記システムの諸数値について 整を行う。このようにして、基礎-地盤系の 析モデルを生成する。
解析モデルを構築した後、地震応答解析 実行するために、解析モデルに各パラメー を設定する。パラメータとしては、弾性要 に対して弾性係数、減衰要素に対して減衰 数、反力生成要素に対して質量、地震波の 動数を挙げることができる。これらは、ユ ザが入力することにより設定することがで る。地震応答解析は、数値解析であり、本 明では、上記のような簡単な解析モデルで 現することができるため、その簡単な解析 デルに基づき、時間領域解析法(逐次積分法 )といった簡易な解析アルゴリズムにより数 解析を行うことができる。例えば、時刻歴 答解析を行う場合には、Newmark-β法を採用す ことができる。Newmark-β法は、質量、減衰係 数、弾性係数をパラメータにもつ多自由度の 運動方程式を逐次積分して応答時刻歴波形を 得る、よく知られた逐次積分法である。Newmar k-β法は、時刻tでの厳密解が得られていると 、この解を基にして時刻t+δtの解を厳密に める方法の1つである。
本発明では、振動実験を行うための試験装 置に用いられ、上記の解析モデルを実現する 機械装置を提供することができる。その機械 装置の1つの実施形態を図8に示す。図8(a)は断 面図であり、図8(b)は上板を取り除いたとこ を示した平面図である。図8に示す実施形態 は、1つの機械装置の上にもう1つの機械装 が積み重ねられた状態とされ、二軸方向の ンピーダンス特性をシミュレート可能なも とされている。このため、ばねやダンパー 、互いに交差するように示されている。
機械装置の構成は、上記の解析システムと同 様、ベースシステム、コアシステムとからな る。図8では、図8(a)に示すように、上部構造 を載置するための上板80を備える。この上 80は、図7(a)に示す自由節点u 1 に相当するものである。また、ばね81と、ダ パー82と、異なる歯数の3つの歯車を備える 転質量体83と、上板80と連結され、回転質量 体83の周部に隣接する回転慣性力伝達板84と その回転慣性力伝達板84をスライド可能にさ せるスライダ85とから構成されるベースシス ムを備える。ここでは、2組の回転質量体83 、回転慣性力伝達板84と、スライダ85とによ り反力生成要素としての反力生成部材を構成 している。なお、回転質量体83は、増速ギア 回転する質量体が直列に接続された構造と れている。このベースシステムは、ばね81 ダンパー82と反力生成部材とがそれぞれ、振 動を上板80に伝達している。
さらに、スライダ面86を介してスライドする ライドボード87と、スライドボード87に周部 が隣接する、異なる歯数の3つの歯車を備え 回転質量体88と、スライドボード87に取り付 られるばね89およびダンパー90とから構成さ れるコアシステムを備える。ここでは、スラ イドボード87と、回転質量体88とにより反力 成部材を構成し、回転質量体88は、回転質量 体83と同様の構造である。なお、このスライ ボード87は、3つの板材を組み合わせて一体 されており、図7(a)に示す自由節点u 21 にも相当するものである。このコアシステム は、ばね89とダンパー90とが同じスライドボ ド87上に配置されることで、ばね89とダンパ 90とが並列に接続された構成とされている
図8に示す実施形態では、図7(a)に示すよう 、コアシステムが、弾性要素としての弾性 材と減衰要素としての減衰部材とが並列に 続され、それに反力生成部材が直列に接続 れたものとされていて、ベースシステムと アシステムとからなる機械装置が2組取り付 けられている。図8では、二軸方向のインピ ダンス特性をシミュレートするための装置 されているが、一軸方向のインピーダンス 性をシミュレートする場合には、1つの機械 置のみを用いることができる。
図8では、コアシステムが1つのみ接続され いるが、2つ以上を接続する場合、例えば、 ばね81、89およびダンパー82、90の長手方向に 加して設けることができる。また、図7(b)に 示すコアシステムを採用する場合には、ダン パー90を、図8に示す2組の機械装置間に配置 、スライドボード87上にはばね89のみを配置 た構成とすることで、ダンパー90と反力生 部材とが並列に接続され、それにばね89が直 列に接続された構成とすることができる。
ベースシステムおよびコアシステムの反力 生成部材は、上記式4で表されるように、回 質量体83、88の回転中心に対する相対加速度u ”に比例した反力Fを生成することから、回 質量体83、88のほか、それら回転質量体83、88 の回転中心に対する相対加速度をセンシング するための加速度センサと、その相対加速度 に応じた力Fを発生させるモータと、モータ 動を制御する制御回路とから構成すること できる。このようにして、相対加速度をセ シングし、制御回路によってモータ駆動を 御することで、それに応じた所定のトルク 簡単に発生させることができ、反力生成部 としての機能を良好に再現することができ 。
ここで、基礎-地盤系の解析システムとし 、図7に示すシステムをモデル化して使用し 下記の条件で構造解析を行い、また、従来 との応答比較を行った結果を示す。従来法 、インピーダンスの振動数依存性を考慮す ことができないため、ばね定数および減衰 数を一定と仮定した方法である。解析対象 としては、図9に示す鉄筋コンクリート構造 物を用いた。この鉄筋コンクリート構造物は 、複線用RC壁式橋脚91と、その上部に載置さ るPRC単純3主I型桁92と、橋脚91と桁92との間に 設置され、地震慣性力を分散させる図示しな いゴム支承とから構成され、下部に複数の杭 93からなる杭基礎が設けられている。この鉄 コンクリート構造物は、杭基礎によって地 94に支持されている。
杭93は、オールケーシング工法で構築された 所打ち杭とし、1m径のものとした。解析上 躯体は、曲げ変形が卓越することを想定し 地盤94は、一様地盤として行った。コンクリ ート構造物の質量m s を500tonとし、フーチングの質量m f を200tonとした。また、橋脚の初期剛性(弾性 数)k s を200000kN/mとし、橋脚の減衰定数c s を400kN-sec/mとし、橋脚の降伏変位を0.02mとし 橋脚降伏後の2次勾配比αを0.1とし、橋脚降 後の非線形履歴特性にRCコンクリートのモデ ル化に採用されるCloughモデルを使用した。降 伏変位は、弾性限界を超える荷重がかけられ た時、すなわち降伏点での変位である。
杭間隔と杭径との比S/dを2、5、10に変えて解 を行った。また、群杭静的剛性(静的弾性定 )K s を100000kN/mとした。ベースシステムの弾性要 に対し、弾性定数Kを240000kN/m、減衰要素に対 し、減衰定数Cを864kN-sec/m、反力生成要素に対 し、質量Mを124.8tonに設定した。また、2つの アシステムを並列に接続したものを採用し 1つ目のコアシステムの弾性要素に対し、弾 定数k 1 を225600kN/m、減衰要素に対し、減衰定数c 1 を18048kN-sec/m、反力生成要素に対し、質量m 1 を721.9ton、2つ目のコアシステムの弾性要素に 対し、弾性定数k 2 を240000kN/m、減衰要素に対し、減衰定数c 2 を2880kN-sec/m、反力生成要素に対し、質量m 2 を91.2tonに設定した。入力地震動には、1995年 発生した兵庫南部地震のKobe-NS波を採用した 。
解析結果として、無次元化振動数a 0
と、無次元化インピーダンス(K d
/4K s
)との関係を図10に示す。K d
は、動的弾性係数、すなわち動的ばね係数で
ある。図10(a)は、a 0
と無次元化インピーダンスの実部との関係を
示し、図10(b)は、a 0
と無次元化インピーダンスの虚部との関係を
示す。なお、インピーダンス特性は、従来か
ら最も精度良くインピーダンスを評価するこ
とができると認知されているKaynia、Kauselらに
よる詳細法(Kaynia, A., and Kausel, E., ”Dynamic
stiffness and seismic response of pile
groups” Research Report, R82-03, Dept. of Civil Eng
rg.,
MIT, Cambridge,
Mass. (1982))により厳密解を求め、S/dが2につ
ては四角で、5については丸で、10について
三角で無次元化振動数a 0
に対する実部および虚部の値を示した。本発
明の解析システムをモデル化した解析モデル
に基づき得られた無次元化振動数a 0
に対する実部および虚部の値は、図10(a)、(b)
実線で表されるように、厳密解に近似した
果が得られることが見出された。
次に、振動数(Hz)と動的インピーダンスの 実部および虚部の値(kN/m)との関係を図11に示 。また、比較にために、従来型モデル、す わちインピーダンスの振動数依存性が考慮 れないモデルの結果も同時に示す。また、 の振動数に対するインピーダンスの実部お び虚部の値を、Newmark-β法(β=1/6とした線形 速度法)を使用して求めた結果も同時に示す Newmark-β法は、実部の結果を丸で示し、虚部 の結果を三角で示している。解析モデルを周 波数領域で展開して得られた実部および虚部 の値は実線で示した。
図11に示すように、Newmark-β法により得ら た厳密解に、解析モデルに基づき計算され 結果はほぼ一致している。しかしながら、 動数依存性が考慮されない従来モデルに基 き計算した結果は、弾性係数、減衰係数を 定と仮定する必要があるため、静的弾性定 240000kN/mで一定であり、減衰定数21800kN-sec/m 一定であり、振動数に依存した結果を得る とができないため、解析モデルに基づき計 された結果とは大きく相違する結果となっ いる。
これまで基礎-地盤系の解析モデルを評価し てきたが、全体系の構造解析モデルを評価す るために、橋脚全体を解析する場合に、橋脚 柱下端、橋脚壁下端に基礎のばねを集約した モデルとして既知のスウェイモデルを使用し 、図12に示すようなモデルを構築する。一般 は、基礎の回転動を考慮したスウェイロッ ング(SR)モデルを使用するが、ここでは、簡 易な解析例として基礎の水平動のみを考慮し たスウェイモデルを使用する。図12に示すモ ルは、地盤120上に基礎であるフーチング121 あり、フーチング121と上部構造物122とが、 塑性要素と減衰要素とが並列に接続された 線形システム(Cloughモデル)で接続され、フ チング121に解析システム123が接続された構 をモデル化したものとされている。Cloughモ ルは、矢線に示すように、力がばね係数k s の割合で増加し、降伏変位からαk s の割合で増加する非線形特性をもつモデルで ある。
解析システムのベースシステムは、図12中 たは図5に示すような構成で、コアシステム 、図12中または図6(b)に示すような、減衰要 と反力生成要素とが並列に接続され、それ 弾性要素が直列に接続されたものとされて る。ここでは、2つのコアシステムが並列に 接続されたものとされている。図12では、上 構造物122の質量がm s とされ、フーチング121の質量がm f とされ、それぞれの変位がu s 、u f とされ、解析システムから出力される変位が u 3 とされている。
なお、構造解析を行う場合、基礎回転方 についても考慮する必要があるが、群杭構 は剛性が高いため、省略することができる また、損傷に伴う塑性ヒンジが橋脚基部に じるため、上部構造物を1自由度系としてモ デル化することができる。塑性ヒンジとは、 例えば鋼材の場合、全塑性モーメントをもつ 断面の力学的状態をいい、曲げを受ける梁が 、弾性限界以上の荷重を受けて塑性域に入り 、一定の曲げモーメントを保ったまま、あた かもヒンジのように回軸を続ける状態である 。
図13に、Newmark-β法を使用して時刻歴応答 析を行った結果を示す。図13(a)は、解析モ ルを使用した全体系モデルに基づき解析を った結果で、図13(b)は、比較のために、従来 の振動数依存性を考慮しない、弾性要素と減 衰要素とを並列に接続したのみのVoigtモデル 基づき、弾性定数および減衰定数を一定値 して解析を行った結果を示す。縦軸は、も の状態に戻ろうとして働く力、すなわち復 力(kN)を示し、横軸は、橋脚の荷重変位(m)を 示す。
いずれも復元力0、変位0の位置から開始 、復元力、変位ともに、正の値に変動し、 伏変位である0.02mで損傷が生じる。振動数依 存性を考慮した解析モデルに基づき行った解 析では、0.09mmを超える応答変位が生じている が、振動数依存性を考慮しない従来モデルに 基づき行った解析では、約0.07mmの応答変位が 生じ、損傷程度が過小に評価されることが見 出された。この結果から、基礎-地盤系の振 数依存性が上部構造物の損傷程度に対し、 計上、無視できない差違を生じさせており 振動数依存性を考慮することの重要性を確 することができた。
図6(a)に示すコアシステムを1つ接続した場 と、2つ接続した場合の、無次元化振動数a 0 と無次元化インピーダンス(KH 3 /E p I)との関係を図14(a)、(b)に示す。これは、遮 振動数が複数存在する互層地盤等に埋設さ た杭基礎の動的インピーダンスに対する解 結果である。図14(a)はコアシステムが1つの 合で、図14(b)はコアシステムが2つの場合の 果である。ここで、Kは動的インピーダンス 、Hは深さ方向への基礎長で、E p は基礎のヤング率で、Iは基礎の断面2次モー ントである。地盤と基礎構造物の動的相互 用解析の厳密解を計算する方法として、Nova k-Nogami法がある。この方法により得られた値 厳密解として、図14(a)、(b)中に、三角の記 で示した。
コアシステムが1つであっても、2つであ ても、動的インピーダンスの実部および虚 の両方とも、実線で示すように、厳密解に 似した結果となる。しかしながら、2つのコ システムを使用した解析システムは、1つの コアシステムを使用した解析システムに比較 し、より近似した結果を示し、コアシステム を複数用いることで、精度を高めることがで きることが見出された。
図6(b)に示すコアシステムを1つ接続した場 と、2つ接続した場合の、無次元化振動数a 0 と無次元化インピーダンス(K d /4K s )との関係を、図15(a)、(b)および図16(a)、(b)に す。これは、振動数領域に亘りインピーダ スが変動する群杭基礎の動的インピーダン に対する解析結果である。図15(a)はコアシ テムが1つで、インピーダンスの実部の結果 、図15(b)は虚部の結果を示した図である。 16(a)はコアシステムが2つで、インピーダン 関数が実部の結果で、図16(b)は虚部の結果を 示した図である。
図15および図16中の記号四角、丸、三角は 、上記のKaynia-Kausel法により得られた値を示 、四角は、杭間隔Sと杭径dとの比S/dが2の場 、丸は、S/dが5の場合、三角は、S/dが10の場 の結果を示す。コアシステムが1つの場合、S /dが大きくなるにつれて、無次元化振動数が きい領域で差違が生じているが、コアシス ムを2つにすると、その無次元化振動数が大 きい領域においても近似した結果を得ること ができる。したがって、この場合においても 、コアシステムを複数用いることで、精度を 高めることができることが見出された。
これまでの説明では、いわゆる上部構造 を支持する基礎-地盤系の全体としての動的 インピーダンス特性を対象とし、基礎-地盤 の全体としての動的インピーダンスを良好 表現することができた。しかしながら、地 側壁や杭体に作用する地盤ばね係数など局 的な部分についても、強い振動数依存性が り、これを考慮することができればより望 しい。ここで、本発明の解析モデルおよび 析方法で、地盤ばね係数等についても良好 表現することができるか否かについて検討 る。
図17は、図6(b)に示すコアシステムを1つ接続
した場合の、無次元化振動数a 0
と、単位長さ当たりの杭体に作用する水平方
向の無次元化インピーダンス(K *
/G s
)との関係を示した図である。K *
は、単位長さ当たりの杭体に作用する水平方
向の無次元化インピーダンスであり、G s
は、地盤のせん断弾性係数である。図17(a)は
実部の結果を、図17(b)は、虚部の結果を示
。図17(a)、(b)中、vは、弾性限界内で、荷重
向の伸び(ひずみ)と荷重に垂直な方向の寸法
の縮み(ひずみ)の比であるポアソン比であり
ポアソン比が0.25と0.40の結果も同時に示し
。また、評価のために、Novak法(Novak, M., ”D
ynamic stiffness and dampingof
piles”, Can. Geotech. J., 11, 574-598(1974))による
厳密解を黒丸で示した。
図17(a)、(b)に示すように、いずれのポア ン比に対しても、Novak法による厳密解にほぼ 一致する結果が得られ、地盤ばねを良好に表 現することができることが見出された。これ により、基礎-地盤系の全体としての動的イ ピーダンスのみならず、地中側壁や杭体に 用する地盤ばね係数等の局所的な部分につ ても、本発明の解析システムおよび解析方 によって十分に評価することができる。
これまで、図面を参照して本発明の解析 ステム、解析方法、プログラムおよび機械 置について説明してきたが、本発明は図面 示した実施の形態に限定されるものではな 、他の実施の形態、追加、変更、削除など 当業者が想到することができる範囲内で変 することができ、いずれの態様においても 発明の作用・効果を奏する限り、本発明の 囲に含まれるものである。したがって、コ ピュータにプログラムとして搭載し、シミ レーション装置として提供することも可能 ある。
また、図8に、基礎によって地盤に支持さ れる上部構造物の挙動を評価するための試験 装置に用いられる機械装置を例示したが、こ の機械装置は、水平方向のインピーダンス特 性のみを考慮したものである。本発明では、 これに限られるものではなく、図18に例示す ように、支持板180と、試験用構造物181が載 される連結板182とを機械装置183で連結し、 直方向に自由度をもつインピーダンス特性 シミュレートすることができる。また、図1 9に例示するように、図18の構成に、さらに回 転ヒンジ190を設けることで、回転方向に自由 度をもつインピーダンス特性をシミュレート することもできる。なお、これらの場合、支 持板180に代えて、図8に示す機械装置を用い こともできる。さらに、図18においては、支 持板180に代えて、図19に示す機械装置を、図1 9においては、支持板180に代えて、図18に示す 機械装置をそれぞれ用いることもできる。こ れらの機械装置は、振動台上に載置し、地震 動を入力することができる。
図8、図18、図19に例示した機械装置は、 部構造物の挙動を把握するための試験装置 用いるものであった。本発明では、地中に 設される杭体の挙動を把握するための試験 置に、この機械装置を用いることができる この場合、試験用杭体の側面に配設するこ ができる。例えば、図20に例示するように、 スライド壁200と、反力壁201との間に複数の機 械装置202を連結して試験装置を構成すること ができる。
上記では好ましい実施形態として、ベー システムとコアシステムとを組み合わせた のを解析システム、解析方法、プログラム 機械装置として説明してきた。ここで、図1 5および図16に示した無次元化インピーダンス の実部および虚部と無次元化振動数との関係 は、ベースシステムとコアシステムとを組み 合わせた解析システムがどの程度厳密解に一 致しているかを示したものであるが、図21で 、それに加え、ベースシステムのみを採用 た解析システムの結果も示している。四角 示された結果が、厳密解で、実線が、ベー システムとコアシステムとを組み合わせた 析システムの結果で、破線がベースシステ のみを採用した解析システムの結果である 図21にも示されるように、ベースシステム みであっても厳密解に近似した結果となり ベースシステムのみで解析モデルを構築し 数値解析を行っても、基礎によって地盤に 持される上部構造物の地震時の挙動を良好 評価することができることが見出された。 って、本発明は、ベースシステムのみの解 システム、機械装置を提供することができ ベースシステムのみを採用した解析方法、 の方法を実現するためのプログラムを提供 ることができる。
本発明の解析システムは、破壊を伴う非線
解析と、振動数依存性を考慮した解析とを
時に考慮することができるため、構造解析
ールとして有用である。また、基礎-地盤系
の地震応答や機械振動などの動的復元特性を
良好に再現することができ、機械装置として
組み込むことができるため、実際の試験装置
にも有用である。
Next Patent: POLY-PHASE LOAD DRIVE
