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Title:
ANISOTROPIC ELECTROCONDUCTIVE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090791
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an anisotropic electroconductive film which, when has been subjected to anisotropic electroconductive connection under pressure bonding conditions of pressure bonding temperature 130ºC or below and pressure bonding time 3 sec or shorter, can realize high bonding strength and good continuity reliability. The anisotropic electroconductive film comprises a polymerizable acrylic compound, a film forming resin, electroconductive particles, and a polymerization initiator. The polymerization initiator contains two organic peroxides which, upon decomposition, do not evolve any oxygen gas and are different from each other in one-min half value period temperature. In the two organic peroxides, the organic peroxide having a higher one-min half value period temperature produces benzoic acid or its derivative upon decomposition.

Inventors:
MIYAUCHI KOUICHI (JP)
AKUTSU YASUSHI (JP)
YAMADA YASUNOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050483
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
MIYAUCHI KOUICHI (JP)
AKUTSU YASUSHI (JP)
YAMADA YASUNOBU (JP)
International Classes:
H01R11/01; C09J4/02; C09J7/00; C09J11/06; C09J201/00; H01B5/16
Domestic Patent References:
WO2005121266A12005-12-22
Foreign References:
JP2006199825A2006-08-03
JP2001031916A2001-02-06
JPH10168412A1998-06-23
Attorney, Agent or Firm:
TAJIME & TAJIME (New-Well-Ikuta Bldg.26-28, Mita 1-chome,Tama-ku, Kawasaki-shi, Kanagawa, JP)
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Claims:
 重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂、導電性粒子及び重合開始剤を含有してなる異方性導電フィルムにおいて、該重合開始剤が、分解により酸素ガスを発生せず且つ1分間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物を含有し、該2種類の有機過酸化物のうち、1分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解により安息香酸又はその誘導体を発生するものであることを特徴とする異方性導電フィルム。
 該2種類の有機過酸化物のうち、1分間半減期温度の低い有機過酸化物の1分間半減期温度が80℃以上120℃未満であり、1分間半減期温度の高い有機過酸化物の1分間半減期温度が120℃以上150℃以下である請求項1記載の異方性導電フィルム。
 分解温度の異なる2種類の有機過酸化物の間の1分間半減期温度差が、10℃以上30℃以下である請求項1又は2記載の異方性導電フィルム。
 該2種類の有機過酸化物のうち、1分間半減期温度の低い有機過酸化物と1分間半減期温度の高い有機過酸化物との重量比が10:1~1:5である請求項1~3のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
 該2種類の有機過酸化物のうち、1分間半減期温度の低い有機過酸化物がジラウロイルパーオキサイドであり、1分間半減期温度の高い有機過酸化物がジベンゾイルパーオキサイドである請求項1~4のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
 重合性アクリル系化合物が、リン酸エステル型アクリレートまたはフルオレン基を有するアクリレートである請求項1~5のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
 フィルム形成樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はフェノキシ樹脂である請求項1~6のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
 第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間を、請求項1~7のいずれかに記載の異方性導電フィルムで異方性接続した接続構造体。
 第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間に請求項1~7のいずれかに記載の異方性導電フィルムを挟持させ、1分間半減期温度の低い有機過酸化物が分解しない第1の温度で仮貼りした後、1分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解する第2の温度で熱圧着することを特徴とする接続構造体の製造方法。
Description:
異方性導電フィルム

 本発明は、異方性導電フィルム、それを いた接続構造体及びその製造方法に関する

 液晶パネルのガラス基板上に形成されたI TO電極と、駆動用ICを搭載したTABとを接続す 際や、液晶表示装置のフレキシブル配線基 とプリント配線基板とを接続する際には、 般に、熱硬化性エポキシ樹脂、重合開始剤 び導電性粒子を含む熱硬化性樹脂組成物を ィルム状に成形した異方性導電フィルムが く用いられている。この場合、通常、圧着 度が180~250℃程度で、圧着時間が5~10秒程度で ある。

 ところで、近年、フレキシブル基板の電極 や液晶パネルのガラス基板上のITO電極への 的ストレスを低減するために、異方性導電 ィルムを用いて熱圧着する際の圧着温度を げることや、更に、熱的ストレスの低減の ならず生産効率の向上のために、圧着時間 短縮が求められている。このため、異方性 電フィルムを構成する熱硬化性エポキシ樹 に代えて、それよりも低温・短時間での硬 が可能な重合性アクリル系化合物をフィル 形成樹脂と共に使用することが試みられて る。この場合、重合開始剤として、自己分 に伴ってガスを発生しない有機過酸化物で って、1分間半減期温度が比較的低い100℃~13 0℃程度の有機過酸化物(例えば、ジベンゾイ パーオキサイド(1分間半減期温度 130℃)、 ラウロイルパーオキサイド(1分間半減期温度  116.4℃)、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサイノイル )パーオキサイド(1分間半減期温度 112.6℃)等) の使用が提案されている(特許文献1)。

特開2006-199825号公報

 しかしながら、重合性アクリル系化合物 上述したような有機過酸化物とを含有する 方性導電フィルムで異方性導電接続を行う に、圧着温度と圧着時間との低減を目的と て、圧着温度130℃以下で圧着時間3秒という 条件で圧着を行った場合、電子部品やフレキ シブル基板に対する異方性導電フィルムの接 着強度が不十分となり、そのため、接続信頼 性が充分ではないという問題があった。この ため、エポキシ樹脂よりも硬化温度を低く且 つ硬化時間を短縮できる重合性アクリル系化 合物を使用しているにもかかわらず、圧着温 度を150℃以上で圧着時間を5秒以上としなけ ばならなかった。

 本発明は、以上の従来の技術の課題を解 しようとするものであり、熱硬化性エポキ 樹脂よりも比較的低温・短時間での硬化が 能な重合性アクリル系化合物をフィルム形 樹脂と共に使用する異方性導電フィルムを いて、高くとも130℃の圧着温度で長くとも3 秒間の圧着時間という圧着条件で異方性導電 接続を行った場合に、高い接着強度と良好な 導通信頼性とを実現できるようにすることを 目的とする。

 本発明者等は、有機過酸化物として、分 により酸素ガスを発生せず且つ1分間半減期 温度の異なる2種類の有機過酸化物を使用し その2種類の有機過酸化物のうち、1分間半減 期温度の高い有機過酸化物として、分解によ り安息香酸を発生するものを使用することに より、上述の目的を達成できることを見出し 、本発明を完成させた。

 即ち、本発明は、重合性アクリル系化合 、フィルム形成樹脂、導電性粒子及び重合 始剤を含有してなる異方性導電フィルムに いて、該重合開始剤が、分解により酸素ガ を発生せず且つ1分間半減期温度の異なる2 類の有機過酸化物を含有し、該2種類の有機 酸化物のうち、1分間半減期温度の高い有機 過酸化物が分解により安息香酸を発生するも のであることを特徴とする異方性導電フィル ムを提供する。

 また、本発明は、第1の配線基板の接続部 と第2の配線基板の接続部との間を、上述の 方性導電フィルムで異方性導電接続した接 構造体を提供する。更に、本発明は、第1の 線基板の接続部と第2の配線基板の接続部と の間に上述の異方性導電フィルムを挟持させ 、1分間半減期温度の低い有機過酸化物が分 しない第1の温度で仮貼りした後、1分間半減 期温度の高い有機過酸化物が分解する第2の 度で熱圧着することを特徴とする接続構造 の製造方法を提供する。

 本願発明の異方性導電フィルムは、重合 アクリル系化合物の重合開始剤として、分 により酸素ガスを発生しない有機過酸化物 使用する。このため、圧着時にガスが発生 ないために、接続信頼性を向上させること できる。しかも、有機過酸化物として、1分 間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物 使用し、そのうちの1分間半減期温度の高い 機過酸化物(以下、高温分解過酸化物と称す る場合がある)として、分解により安息香酸 しくはその誘導体を発生するものを使用す 。このため、相対的に1分間半減期温度の低 有機過酸化物(以下、低温分解過酸化物と称 する場合がある)の存在により、高温分解過 化物の分解を促進させる相対的に高い温度 の短時間の熱圧着の際に、加熱温度の上昇 伴って、熱ストレスを考慮する必要がない 対的に低い温度から低温分解過酸化物を分 させて、重合性アクリル系化合物を十分に 化させることが可能となる。

 そして、最終的に高温分解過酸化物を分 させ、重合性アクリル系化合物の硬化を完 させると共に、安息香酸を生じさせる。生 た安息香酸の一部は、硬化した異方性導電 ィルムと被接続物との界面及びその近傍に 在することになるため、接着強度を向上さ ることが可能となる。

図1は実施例1の異方性導電フィルムサ プルのGC-MSチャートである。

 本発明の異方性導電フィルムは、重合性 クリル系化合物、フィルム形成樹脂、導電 粒子及び重合開始剤を含有するものである ここで、重合開始剤が、分解により酸素ガ を発生せず且つ分解温度の異なる2種類の有 機過酸化物を含有し、該2種類の有機過酸化 のうち、1分間半減期温度の高い有機過酸化 が分解により安息香酸またはその誘導体を 生するものである。ここで安息香酸の誘導 としては、安息香酸メチル、安息香酸エチ 、安息香酸t-ブチル等を挙げることができ 。

 本発明において、重合開始剤として使用 る2種類の有機過酸化物のうち、1分間半減 温度が低い有機過酸化物の1分間半減期温度 、低すぎると硬化前の保存安定性が短くな 、高すぎると異方性導電フィルムの硬化が 充分となる傾向があるので、好ましくは80 以上120℃未満、より好ましくは90℃以上120℃ 未満である。他方、1分間半減期温度の高い 機過酸化物の1分間半減期温度は、低いもの 上市されておらず、高すぎるとそもそも想 した熱圧着温度では安息香酸またはその誘 体を発生させない傾向があるので、好まし は120℃以上150℃以下である。

 また、低温分解過酸化物と高温分解過酸 物の間の1分間半減期温度の差は、その差が 小さすぎると低温分解過酸化物と高温分解過 酸化物とが重合性アクリル系化合物と反応し てしまい、接着強度の向上に寄与する安息香 酸量が減少してしまう結果となり、大きすぎ ると異方性導電フィルムの低温での硬化反応 性が低下する傾向があるので、好ましくは10 以上30℃以下である。

 このような低温分解過酸化物と高温分解 酸化物との重量比は、前者が後者に対し相 的に少なすぎると異方性導電フィルムの低 での硬化反応性が低下し、逆に多すぎると 着強度が低下する傾向があるので、好まし は10:1~1:5である。

 本発明で使用し得る低温分解過酸化物の 体例としては、ジイソブチリルパーオキサ ド(1分間半減期温度 85.1℃)、1,1,3,3-テトラ チルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエ ト(1分間半減期温度 124.3℃)、ジラウロイル ーオキサイド(1分間半減期温度 116.4℃)、ジ (3,5,5-トリメチルヘキサイノイル)パーオキサ ド(1分間半減期温度 112.6℃)、t-ブチルパー キシピバレート(1分間半減期温度 110.3℃)、 t-ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減 温度 109.1℃)、t-ブチルパーオキシネオヘプ ノエート(1分間半減期温度 104.6℃)、t-ブチ パーオキシネオデカノエート(1分間半減期 度 103.5℃)、t-ヘキシルパーオキシネオデカ エート(1分間半減期温度 100.9℃)、ジ(2-エチ ルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間 半減期温度 90.6℃)、ジ(4-t-ブチルシクロヘキ シル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期 温度 92.1℃)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパー オキシネオデカノエート(1分間半減期温度 92 .1℃)、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネー (1分間半減期温度 85.1℃)、ジ-n-プロピルパ オキシジカーボネート(1分間半減期温度 85. 1℃)、クミルパーオキシネオデカノエート(1 間半減期温度 85.1℃)等を挙げることができ 。これらは、2種以上を併用することができ る。

 また、高温分解過酸化物の具体例として 、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド(1 間半減期温度128.2℃)、ジ(3-メチルベンゾイ )パーオキサイド(1分間半減期温度131.1℃)、 ベンゾイルパーオキサイド(1分間半減期温  130.0℃)、t-ヘキシルパーオキシベンゾエー (1分間半減期温度 160.3℃)、t-ブチルパーオ シベンゾエート(1分間半減期温度 166.8℃)等 を挙げることができる。これらは、2種以上 併用することができる。また、フェニル環 有するこれらの高温分解過酸化物を使用す ことにより、異方性導電フィルムの凝集力 向上させることができるので接着強度を更 向上させることができる。

 低温分解過酸化物と高温分解過酸化物と 組み合わせとしては、前者がジラウロイル ーオキサイドであり、後者がジベンゾイル ーオキサイドである組み合わせが、保存安 性と接着強度の点で好ましい。

 このような異なる2種類の過酸化物からな る重合開始剤の異方性導電フィルムにおける 使用量は、少なすぎると反応性が無くなり、 多すぎると異方性導電フィルムの凝集力が低 下する傾向があるので、重合性アクリル系化 合物100重量部に対し、好ましくは1~10重量部 より好ましくは3~7重量部である。

 本発明で使用する重合性アクリル系化合 としては、アクロイル基またはメタクロイ 基(以下(メタ)アクロイル基と称する)を1以 、好ましくは2つ有する化合物である。ここ 、重合性アクリル系化合物の一分子中の(メ タ)アクロイル基の数は、導通信頼性向上の めに2以上、好ましくは2つである。

 重合性アクリル系化合物の具体例として 、ポリエチレングリコールジアクリレート リン酸エステル型アクリレート、2-ヒドロ シエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピ ルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリ ート、イソブチルアクリレート、t-ブチル クリレート、イソオクチルアクリレート、 スフェノキシエタノールフルオレンジアク レート、2-アクリロイロキシエチルコハク酸 、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリ レート、イソボルニルアクリレート、トリシ クロデカンジメタノールジメタクリレート、 シクロヘキシルアクリレート、トリス(2-ヒド ロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリ ート、テトラヒドロフルフリルアクリレー 、o-フタル酸ジグリシジルエーテルアクリレ ート、エトキシ化ビスフェノールAジメタク レート、ビスフェノールA型エポキシアクリ ート、ウレタンアクリレート、エポキシア リレート等、及びこれらに相当する(メタ) クリレートを挙げることができる。

 重合性アクリル系化合物の異方性導電フ ルムにおける使用量は、少なすぎると導通 頼性が低くなり、多すぎると接着強度が低 なる傾向があるので、好ましくは樹脂固形 中の20~70重量%、より好ましくは30~60重量%で る。

 本発明で使用するフィルム形成樹脂とし は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂 フェノキシ樹脂、ポリアミド、EVA等の熱可 性エラストマー等を使用することができる 中でも、耐熱性、接着性のために、フェノ シ樹脂を好ましく使用することができる。

 フィルム形成樹脂の異方性導電フィルム おける使用量は、少なすぎるとフィルムを 成せず、多すぎると電気接続を得るための 脂の排除性が低くなる傾向があるので、好 しくは樹脂固形分中の10~70重量%、より好ま くは30~50重量%である。

 本発明で使用する導電性粒子としては、 来の異方性導電フィルムで用いられている うな導電性粒子を使用することができ、例 ば、金粒子、銀粒子、ニッケル粒子等の金 粒子、ベンゾグアナミン樹脂やスチレン樹 等の樹脂粒子の表面を金、ニッケル、亜鉛 の金属で被覆した金属被覆樹脂粒子等を使 することができる。このような導電性粒子 平均粒径としては、通常1~10μm、より好まし くは2~6μmである。

 導電性粒子の異方性導電フィルムにおけ 使用量は、少なすぎると導通不良となり、 すぎると短絡となるので、樹脂固形分100重 部に対し、好ましくは0.1~20重量部、より好 しくは0.2~10重量部である。

 本発明の異方性導電フィルムは、必要に じて、各種アクリルモノマー等の希釈用モ マー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤 チキソトロピック剤、カップリング剤等を 有することができる。

 本発明の異方性導電フィルムは、従来の 方性導電フィルムと同様の方法により製造 ることができる。例えば、重合性アクリル 化合物、フィルム形成樹脂、導電性粒子、 合開始剤及び必要に応じて他の添加剤、更 メチルエチルケトンなどの溶媒を均一に混 し、その混合物を、剥離処理が施された剥 シート表面に塗布し、乾燥することにより 造することができる。

 本発明の異方性導電フィルムは、第1の配 線基板の接続部と第2の配線基板の接続部と 間を異方性導電接続してなる接続構造体に ましく適用できる。ここで、第1の配線基板 び第2の配線基板には特に限定はなく、液晶 パネルのガラス基板や、フレキシブル配線基 板等を挙げることができる。また、それぞれ の基板の接続部についても特に限定はないが 、従来の異方性導電フィルムが適用される接 続部でかまわない。

 このような接続構造体は、第1の配線基板 の接続部と第2の配線基板の接続部との間に 発明の異方性導電フィルムを挟持させ、1分 半減期温度の低い有機過酸化物が分解しな 第1の温度で仮貼りし、1分間半減期温度の い有機過酸化物が分解する第2の温度で熱圧 することにより製造することができる。こ で、1分間半減期温度の低い有機過酸化物、 1分間半減期温度の高い有機過酸化物、それ の好ましい1分間半減期温度、それらの好ま い温度差については、既に説明した通りで る。また、第1の温度としては、1分間半減 温度の低い有機過酸化物の当該1分間半減期 度の-20℃以下の温度が好ましく、第2の温度 としては、1分間半減期温度の高い有機過酸 物の当該1分間半減期温度の-20℃以上の温度 好ましい。

 以下、本発明を実施例により具体的に説 する。

  実施例1及び比較例1~5
 配合割合が重量比で表されている表1の組成 の成分を常法により均一に混合し、剥離ポリ エステルフィルムに塗布し、70℃の熱風を5分 間吹き掛けて乾燥し、30μm厚の異方性導電フ ルムを作成した。

 得られた異方性導電フィルムについて、 続信頼性の程度を判断するために4端子法に て導通抵抗(ω)を測定した。即ち、ガラスエ キシ基板に35μmの銅箔で200μmピッチの配線を 形成し、これに異方性導電フィルムを80℃、1 MPa、2秒という条件で加熱圧着し、剥離PETを き剥がし、基板表面に異方性導電フィルム 仮接着した。この異方性導電フィルムに対 、厚さ38μmのポリイミドフィルムに200μmピッ チの厚さ8μmの銅配線を形成したフレキシブ 配線基板の銅配線部分を載せ、130℃、3MPa、3 秒又は190℃、3MPa、5秒という条件で4cmに亘っ 圧着して評価用の接続構造体を得た。

 得られた接続構造体を、温度85℃、湿度85 %RHの恒温槽中に500時間保持した後、導通抵抗 値をマルチメータで測定した。得られた結果 を表1に示す。また、接着強度は、上述の配 構造体を剥離速度50mm/分での90度剥離試験を い接着強度(N/cm)を測定した。得られた結果 表1に示す。実用上、6N/cm以上であることが まれる。

 また、異方性導電フィルムのDSC(示差熱量 測定:昇温速度10℃/分)を測定した。得られた 果を表1に示す。

 また、得られた実施例1の異方性導電フィル ムを135℃で加熱した際の発生ガスを捕集(-20 ,15分)し、濃縮し、濃縮物をGC-MS装置(JHS100(JAI 社製)-HP6890/5973MS(agilent社製))でGC-MS測定した。 得られたGC-MSチャートを図1に示す。図1によ ば、安息香酸の吸収ピークが確認でき、圧 時に安息香酸が発生していることが確認で る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 表1から、ジラウロイルパーオキサイド( 温分解過酸化物)とジベンゾイルパーオキサ ド(高温分解過酸化物)とを重合開始剤とし 用いた実施例1の異方性導電フィルムは、導 抵抗が小さく、従って導通信頼性に優れ、 かも優れた接着強度を示していることが解 。

 一方、重合開始剤としてジラウロイルパ オキサイドのみを使用した比較例1の異方性 導電フィルムは、接着強度が低く、重合開始 剤としてジベンゾイルパーオキサイドのみを 使用した比較例2の異方性導電フィルムは、 着強度は好ましいが、導通抵抗が高くなり ましくないものであった。重合開始剤とし ジラウロイルパーオキサイドのみを使用し が、安息香酸単体を添加した比較例3の異方 導電フィルムは、接着強度が低いものであ た。また、重合開始剤を使用せずに安息香 を単独で使用した場合にも、接着強度が低 ものであった。

 また、安息香酸の効果を調べるために1分 子で2つの安息香酸を発生させるジベンゾイ パーオキサイドのみを使用した比較例2、1分 子で1つの安息香酸を発生させるt-ブチルパー オキシベンゾエートのみを重合開始剤として 使用した比較例4、安息香酸を発生させない ラウロイルパーオキサイドのみを重合開始 として使用した比較例1の場合を比較したと ろ、190℃-3Mpa-5secという圧着条件での接着強 度が、比較例2>比較例4>比較例1の順であ た。従って安息香酸の発生個数が多いほど 着強度が高いことが解る。また、安息香酸 はなく、2-エチルヘキサノイック酸を発生 せる比較例5の結果から、接着強度の向上に 立つカルボン酸として、2-エチルヘキサノ ック酸よりも安息香酸の方が優れているこ がわかる。

 本発明の異方性導電フィルムは、低温・ 硬化で異方性導電接続することができる。 って、接続対象物に熱ストレスを与えずに 方性導電接続することができ、精密電子部 の高信頼性の異方性導電接続に有用である




 
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