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Title:
ANTHRAPYRIDONE DYE, SALT THEREOF, INK COMPOSITION AND COLORED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047262
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an ink composition containing a magenta dye which has a hue and definition suitable for inkjet recording and provides recorded matter having excellent fastness such as light resistance, ozone gas resistance and the like.  Also disclosed is the magenta dye.  The ink composition contains, as a dye, at least one anthrapyridone dye represented by formula (1) or a salt thereof. (In formula (1), Xa-Xc each independently represents an anilino group substituted by a carboxy group, a hydroxy group, or the like; R represents a hydrogen atom or the like; R1 represents an alkyl group or the like; and R3 and R4 each independently represents a hydrogen atom or the like.)

Inventors:
ONO DAISUKE (JP)
ISHII YUTAKA (JP)
KAJIURA NORIKO (JP)
MATSUMOTO HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/067835
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON KAYAKU KK (JP)
ONO DAISUKE (JP)
ISHII YUTAKA (JP)
KAJIURA NORIKO (JP)
MATSUMOTO HIROYUKI (JP)
International Classes:
C09D11/00; B41J2/01; B41M5/00; C09B5/14
Domestic Patent References:
WO2009093433A12009-07-30
Foreign References:
JP2005126587A2005-05-19
JP2007314732A2007-12-06
JP2004506064A2004-02-26
JPH03100502A1991-04-25
JP2000109464A2000-04-18
JP2006010910A2006-01-12
JP2003201411A2003-07-18
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki (JP)
Right wood Masayuki (JP)
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Claims:
 少なくとも1種の下記式(1)で表されるアントラピリドン色素又はその塩を、色素として含有するインク組成物。
[式(1)中、
 X a 乃至X c はそれぞれ独立に、カルボキシ基で置換されたアニリノ基;カルボキシ基で置換されたモノ若しくはジアルキルアミノ基;又はヒドロキシ基;を表し、X a 乃至X c の少なくとも1つはヒドロキシ基以外の基であり、
 Rは水素原子、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、又はメルカプト基を表し、
 R 1 は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、フェニル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基、又はシアノアルキル基を表し、
 R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。]
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素又はその塩が、下記式(2)で表されるアントラピリドン色素又はその塩である、請求項1に記載のインク組成物。
[式(2)中、X a 乃至X c 、R、及びR 1 は、式(1)におけるのと同じ意味を表す。]
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素又はその塩が、下記式(3)で表されるアントラピリドン色素又はその塩である、請求項1に記載のインク組成物。
[式(3)中、X a 乃至X c 、及びR 1 は、式(1)におけるのと同じ意味を表す。]
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素又はその塩が、下記式(4)で表されるアントラピリドン色素又はその塩である、請求項1に記載のインク組成物。
[式(4)中、
 X d はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノ若しくはジアルキルアミノ基;を表し、h及びjはいずれも平均値で、hが1.6以上2.5以下、jが0.5以上1.4以下であり、hとjとの和は3.0である。]
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素又はその塩が、下記式(5)で表される化合物と、カルボキシ基で置換されたアニリン;カルボキシ基で置換されたモノ又はジアルキルアミン;よりなる群から選択される少なくとも1種のアミンとを反応させることにより得られる色素又はその塩である、請求項1に記載のインク組成物。
[式(5)中、Qはハロゲン原子を表し、R、R 1 、R 3 、及びR 4 は、式(1)におけるのと同じ意味を表す。]
 水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインク組成物。
 インク組成物中に色素として含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアントラピリドン色素又はその塩の総質量中における無機不純物の含有量が、1質量%以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク組成物。
 インク組成物中に色素として含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアントラピリドン色素の含有量が、インク組成物の総質量に対して、0.1~20質量%である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物。
 インクジェット記録用である請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物。
 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録方法。
 前記被記録材が情報伝達用シートである請求項10に記載のインクジェット記録方法。
 前記情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである請求項11に記載のインクジェット記録方法。
 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
 着色がインクジェットプリンタによりなされた請求項13に記載の着色体。
 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
 下記式(4)で表されるアントラピリドン色素又はその塩。
[式(4)中、
 X d はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノ若しくはジアルキルアミノ基;を表し、h及びjはいずれも平均値で、hが1.6以上2.5以下、jが0.5以上1.4以下であり、hとjとの和は3.0である。]
Description:
アントラピリドン色素又はその 、インク組成物及び着色体

 本発明は新規なアントラピリドン色素又 その塩、アントラピリドン色素又はその塩 含有するマゼンタインク組成物、及びこの 成物等により着色された着色体に関する。

 各種カラー記録法の中で、その代表的方法 1つであるインクジェットプリンタによる記 録方法は、インクの各種吐出方式が開発され ているが、いずれもインクの小滴を発生させ 、これを種々の被記録材(紙、フィルム、布 等)に付着させ記録を行うものである。これ 、記録ヘッドと被記録材とが接触しないた 、音の発生がなく静かである。また、小型 、高速化、カラー化が容易という特長を有 るため、近年急速に普及しつつあり、今後 も大きな伸長が期待されている。
 従来、万年筆、フェルトペン等のインク及 インクジェット記録用のインクとしては、 溶性染料を水性媒体中に溶解した水性イン が使用されている。また、これらの水性イ クにおいては、ペン先やインク吐出ノズル のインクの目詰まりを防止すべく、一般に 溶性有機溶剤が添加されている。これらの 来のインクにおいては、十分な濃度の記録 像を与えること、ペン先やノズルの目詰ま を生じないこと、被記録材上での乾燥性が いこと、滲みが少ないこと、保存安定性に れること等が要求され、また形成される画 には、耐水性、耐光性、耐湿性等の各種堅 性が求められている。

 一方、コンピュータのカラーディスプレ 上の画像又は文字情報をインクジェットプ ンタによりカラーで記録するには、一般に イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラ ク(K)の4色のインクによる減法混色で表現さ れる。CRTディスプレイ等のレッド(R)、グリー ン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を減法混 色画像で出来るだけ忠実に再現するには、Y M、Cのそれぞれが、それぞれの標準にできる だけ近い色相を有し且つ鮮明であることが望 まれる。

 インクジェットプリンタの用途はOA用小型 リンタから産業用の大型プリンタにまで拡 されてきており、耐水性、耐湿性、耐光性 耐ガス性等の各種堅牢性がこれまで以上に められている。
 耐水性については、多孔質シリカ、カチオ 系ポリマー、アルミナゾル、特殊セラミッ 等のインク中の色素を吸着し得る無機微粒 をPVA樹脂等と共に被記録材の表面にコーテ ングすることにより、大幅に改良されてき いる。
 耐湿性とは、着色された被記録材を高湿度 雰囲気下に保存した際に被記録材中の色素 滲んでくるという現象に対する耐性のこと ある。色素の滲みがあると、特に写真調の 精細な画質を求められる画像においては著 く画像品位が低下するため、このような滲 を出来るだけ少なくすることが重要である
 耐光性については、大幅に改良する技術は だ確立されておらず、特にY、M、C、Kの4原 のうちマゼンタの色素はもともと耐光性が いものが多く、その改良が重要な課題とな ている。また、最近のデジタルカメラの浸 と共に家庭でも写真をプリントする機会が しており、得られた記録物を保管する際に 空気中の酸化性ガスによる画像の変退色も 題視されている。その酸化性ガスは、被記 材上又は被記録材中で色素と反応し、印刷 れた画像を変退色させる。酸化性ガスの中 も、オゾンガスはインクジェット記録画像 変退色現象を促進させる主原因物質とされ いる。この変退色現象はインクジェット画 に特徴的なものであるため、耐オゾンガス の向上も重要な課題となっている。

 インクジェット記録用水性インクに用い れているマゼンタ色素としては、キサンテ 系色素とH酸を用いたアゾ系色素とが代表的 である。しかし、キサンテン系色素について は、色相及び鮮明性は非常に優れるが、耐光 性が非常に劣る。一方、H酸を用いたアゾ系 素については、色相及び耐水性の点では良 ものがあるが、耐光性、耐ガス性、及び鮮 性が劣る。このタイプでは、鮮明性及び耐 性の優れたマゼンタ色素も開発されている 、銅フタロシアニン系色素に代表されるシ ン色素やイエロー色素等の他の色相の色素 比べ耐光性が依然劣る水準である。

 鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ色素 してはアントラピリドン系色素(例えば、特 許文献1~12参照)があるが、色相、鮮明性、耐 性、耐水性、耐ガス性、及び溶液安定性の てを満足させるものは得られていない。

特開平10-306221号公報(1-3頁、7-18頁)

特開2000-109464号公報(1-2頁、8-12頁)

特開2000-169776号公報(1-2頁、6-9頁)

特開2000-191660号公報(1-3頁、11-14頁)

特開2000-256587号公報(1-3頁、7-18頁)

特開2001-72884号公報(1-2頁、8-11頁)

特開2001-139836号公報(1-2頁、7-12頁)

国際公開第2004/104108号パンフレット(20-36 )

特開2003-192930号公報(1-4頁、15-18頁)

特開2005-8868号公報(1-3頁、15-22頁)

特開2005-314514号公報(1-3頁、15-20頁)

国際公開第2006/075706号パンフレット

 本発明は水に対する溶解性が高く、イン ジェット記録に適する色相及び鮮明性を有 、且つ記録物の耐水性、耐湿性、耐ガス性 の各種堅牢性に優れたマゼンタ色素を含有 るインク組成物、及びその色素を提供する とを目的とする。

 本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭 検討した結果、特定の式で表されるアント ピリドン色素が上記課題を解決するもので ることを見出し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は、
 1)
 少なくとも1種の下記式(1)で表されるアント ラピリドン色素又はその塩を、色素として含 有するインク組成物、
[式(1)中、
 X a 乃至X c はそれぞれ独立に、カルボキシ基で置換され たアニリノ基;カルボキシ基で置換されたモ 若しくはジアルキルアミノ基;又はヒドロキ 基;を表し、X a 乃至X c の少なくとも1つはヒドロキシ基以外の基で り、
 Rは水素原子、スルホ基、カルボキシ基、ア ルコキシ基、アルキルチオ基、カルバモイル 基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フ ェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、又は メルカプト基を表し、
 R 1 は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキ ル基、フェニル基、モノ若しくはジアルキル アミノアルキル基、又はシアノアルキル基を 表し、
 R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基 を表す。]

 2)
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素 はその塩が、下記式(2)で表されるアントラ リドン色素又はその塩である、上記1)に記 のインク組成物、
[式(2)中、X a 乃至X c 、R、及びR 1 は、式(1)におけるのと同じ意味を表す。]

 3)
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素 はその塩が、下記式(3)で表されるアントラ リドン色素又はその塩である、上記1)に記 のインク組成物、
[式(3)中、X a 乃至X c 、及びR 1 は、式(1)におけるのと同じ意味を表す。]

 4)
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素 はその塩が、下記式(4)で表されるアントラ リドン色素又はその塩である、上記1)に記 のインク組成物、
[式(4)中、
 X d はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;又 カルボキシ基で置換されたモノ若しくはジ ルキルアミノ基;を表し、h及びjはいずれも 均値で、hが1.6以上2.5以下、jが0.5以上1.4以下 であり、hとjとの和は3.0である。]

 5)
 上記式(1)で表されるアントラピリドン色素 はその塩が、下記式(5)で表される化合物と カルボキシ基で置換されたアニリン;カルボ キシ基で置換されたモノ又はジアルキルアミ ン;よりなる群から選択される少なくとも1種 アミンとを反応させることにより得られる 素又はその塩である、上記1)に記載のイン 組成物、
[式(5)中、Qはハロゲン原子を表し、R、R 1 、R 3 、及びR 4 は、式(1)におけるのと同じ意味を表す。]

 6)
 水及び水溶性有機溶剤を含有する上記1)乃 5)のいずれか一項に記載のインク組成物、
 7)
 インク組成物中に色素として含有する上記1 )乃至5)のいずれか一項に記載のアントラピリ ドン色素又はその塩の総質量中における無機 不純物の含有量が、1質量%以下である上記1) 至6)のいずれか一項に記載のインク組成物、
 8)
 インク組成物中に色素として含有する上記1 )乃至5)のいずれか一項に記載のアントラピリ ドン色素の含有量が、インク組成物の総質量 に対して、0.1~20質量%である上記1)乃至7)のい れか一項に記載のインク組成物、
 9)
 インクジェット記録用である上記1)乃至8)の いずれか一項に記載のインク組成物、
 10)
 上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のインク 組成物をインクとして用い、該インクのイン ク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録 材に記録を行うインクジェット記録方法、
 11)
 上記被記録材が情報伝達用シートである上 10)に記載のインクジェット記録方法、
 12)
 上記情報伝達用シートが多孔性白色無機物 含有するインク受容層を有するシートであ 上記11)に記載のインクジェット記録方法、
 13)
 上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク 組成物により着色された着色体、
 14)
 着色がインクジェットプリンタによりなさ た上記13)に記載の着色体、
 15)
 上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク 組成物を含む容器が装填されたインクジェッ トプリンタ、

 16)
 下記式(4)で表されるアントラピリドン色素 はその塩、
[式(4)中、
 X d はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;又 カルボキシ基で置換されたモノ若しくはジ ルキルアミノ基;を表し、h及びjはいずれも 均値で、hが1.6以上2.5以下、jが0.5以上1.4以下 であり、hとjとの和は3.0である。]
に関する。

 本発明の上記式(1)で表されるアントラピ ドン色素又はその塩は、インクジェット記 紙上で非常に鮮明性、明度の高い色相であ 、インク組成物の製造過程でのメンブラン ィルタに対する濾過性が良好であるという 徴を有する。また、この色素又はその塩を 有する本発明のインク組成物は、長期間保 後の固体析出、物性変化、色変化等もなく 貯蔵安定性が良好である。そして、本発明 アントラピリドン色素又はその塩をインク ェット記録用のマゼンタインクとして使用 た印刷物は、被記録材(紙、フィルム等)を 択することなく理想的なマゼンタの色相で る。さらに、本発明のマゼンタインク組成 は、写真調のカラー画像の色相を紙の上に 実に再現させることも可能である。また、 真画質用インクジェット専用紙(フィルム)の ような無機微粒子を表面に塗工した被記録材 に記録しても耐オゾン性、耐水性、耐湿性等 の各種堅牢性が良好であり、記録画像の長期 保存安定性に優れている。したがって、上記 式(1)で表されるアントラピリドン色素又はそ の塩、及びこれを含有するインク組成物は、 インクジェット記録用途に極めて有用である 。

 本発明を詳細に説明する。本発明のアン ラピリドン色素又はその塩は、マゼンタ色 であり、実質的に混合物である。また、本 細書においては煩雑さを避けるため、「本 明のアントラピリドン色素又はその塩」の 者を含めて、以下「本発明のアントラピリ ン色素」と簡略して記載する。なお、本明 書においては特に断りがない限り、スルホ 、カルボキシ基等の官能基は遊離酸の形で す。

 本発明の色素は、上記式(1)で表される。
 上記式(1)中、X a 乃至X c における、カルボキシ基で置換されたアニリ ノ基としては、カルボキシ基が通常1~4、好ま しくは1~3、より好ましくは1又は2、さらに好 しくは1つ置換されたものが挙げられる。
 具体例としては、2-カルボキシアニリノ、3- カルボキシアニリノ、4-カルボキシアニリノ のカルボキシ基が1つ置換したもの;2,5-ジカ ボキシアニリノ、3,5-ジカルボキシアニリノ 等のカルボキシ基が2つ置換したもの;等が挙 られる。
 カルボキシ基の置換位置は特に限定されな が、アミノ基の置換位置を1位として、カル ボキシ基が1つ置換するときは2位が好ましい 同様に、カルボキシ基が2つ置換するときは 2位及び5位、又は3位及び5位が好ましく、3位 び5位がより好ましい。

 上記X a 乃至X c における、カルボキシ基で置換されたモノ又 はジアルキルアミノ基としては、直鎖、分岐 鎖、又は環状のC1-C10、好ましくはC1-C6、より ましくはC1-C4のモノ又はジアルキルアミノ が挙げられる。モノアルキルアミノ基とし は直鎖のものが好ましく、ジアルキルアミ 基としては直鎖又は環状のものが好ましい
 上記モノアルキルアミノ基の具体例として 、カルボキシメチルアミノ、2-カルボキシ チルアミノ、3-カルボキシプロピルアミノ、 5-カルボキシペンチルアミノ等のカルボキシ が1つ置換したもの;1,2-ジカルボキシエチル ミノ、1,3-ジカルボキシプロピルアミノ等の カルボキシ基が2つ置換したもの;等が挙げら る。
 モノアルキルアミノ基としては、モノ(カル ボキシ置換直鎖C1-C4アルキル)アミノ基が好ま しく、カルボキシメチルアミノがより好まし い。
 上記ジアルキルアミノ基における直鎖のも としては、ビス(カルボキシメチル)アミノ のジ(カルボキシ置換直鎖C1-C4アルキル)アミ 基等が好ましく挙げられる。
 ジアルキルアミノ基における環状のものと ては、ピペリジン、ピロリジン等の窒素原 を環構成原子として1つ又は2つ、好ましく 1つ含む5又は6員環の含窒素脂肪族複素環基;4 -カルボキシピペリジン(イソニペコチン酸)、 2-カルボキシピペリジン(プロリン)等のカル キシ置換5又は6員環の含窒素脂肪族複素環基 ;等が挙げられる。これらの複素環基は、環 成原子として有する窒素原子が、式(1)にお る硫黄原子と結合する。
 X a 乃至X c におけるジアルキルアミノ基として、より好 ましくはビス(カルボキシ置換直鎖C1-C4アルキ ル)アミノ基、又はカルボキシ置換5又は6員環 の含窒素脂肪族複素環基である。
 置換基の数に制限はないが、通常1乃至4、 ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さ に好ましくは1である。

 上記X a 乃至X c としては、少なくともいずれか1つがカルボ シ基で置換されたアニリノ基であるのが好 しく、少なくともいずれか1つがカルボキシ で置換されたアニリノ基であり、残りがヒ ロキシ基であるのがより好ましい。

 上記式(1)中、Rにおけるアルコキシ基として は、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖 のものが好ましい。炭素数の範囲としては、 通常C1-C8、好ましくはC1-C6、より好ましくはC1 -C4のものが挙げられる。
 具体例としては、メトキシ、エトキシ、n- ロポキシ、n-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘ シロキシ、n-ヘプチロキシ、n-オクチロキシ の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキ シ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ等の分岐鎖のも の;等が挙げられる。

 上記式(1)のRにおけるアルキルチオ基として は、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖 のものが好ましい。炭素数の範囲としては、 通常C1-C6、好ましくはC1-C4のものが挙げられ 。
 具体例としては、メチルチオ、エチルチオ n-プロピルチオ、n-ブチルチオ、n-ペンチル オ、n-ヘキシルチオ等の直鎖のもの;イソプ ピルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ 、t-ブチルチオ等の分岐鎖のもの;等が挙げら れる。

 上記式(1)のRにおけるアルキル基としては、 直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、 直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のも のがより好ましい。炭素数の範囲としては、 通常C1-C8、好ましくはC1-C6、より好ましくはC1 -C4のものが挙げられる。
 具体例としては、メチル、エチル、n-プロ ル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘ プチル、n-オクチル等の直鎖のもの;イソプロ ピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル等の 分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチ 、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環 のもの;等が挙げられる。

 上記Rとしては、水素原子、アルコキシ基 、又はアルキル基が好ましく、水素原子、C1- C4アルコキシ基、又はC1-C4アルキル基がより ましく、水素原子がさらに好ましい。

 上記式(1)中、R 1 におけるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖 、又は環状のものが挙げられ、直鎖又は分岐 鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ま しい。直鎖及び分岐鎖のもの、及びその炭素 数の範囲としては、好ましいもの等を含めて 上記Rにおけるアルキル基と同じ意味を表す 環状のものとしては、シクロプロピル、シ ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ 等が挙げられ、シクロヘキシルが特に好ま い。

 上記式(1)のR 1 におけるヒドロキシアルキル基としては、ヒ ドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒ ロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル等の、 ヒドロキシC1-C4アルキル基が挙げられる。

 上記式(1)のR 1 におけるモノ又はジアルキルアミノアルキル 基としては、ジメチルアミノメチル、2-ジメ ルアミノエチル、2-ジエチルアミノエチル の、モノ又はジC1-C4アルキルアミノC1-C4アル ル基が挙げられる。

 上記式(1)のR 1 におけるシアノアルキル基としては、シアノ メチル、2-シアノエチル、3-シアノプロピル 4-シアノブチル等の、シアノC1-C4アルキル基 挙げられる。

 上記R 1 としては、水素原子又はアルキル基が好まし く、C1-C4アルキル基がより好ましく、メチル さらに好ましい。

 上記式(1)中、R 3 及びR 4 におけるアルキル基としては、直鎖又は分岐 鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい 。炭素数の範囲としては、通常C1-C8、好まし はC1-C6、より好ましくはC1-C4のものが挙げら れる。
 具体例としては、メチル、エチル、n-プロ ル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘ プチル、n-オクチル等の直鎖のもの;イソプロ ピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、2- チルヘキシル等の分岐鎖のもの;等が挙げら れる。

 上記R 3 及びR 4 としては、いずれも水素原子であるものが好 ましい。

 上記式(1)で表される色素の好ましいものが 記式(2)で表される色素であり、より好まし ものが上記式(3)で表される色素である。
 上記式(2)及び(3)中、適宜使用されるX a 乃至X c 、R、及びR 1 は、好ましいもの等を含めて上記式(1)におけ るのと同じ意味を表す。

 上記式(1)で表される色素の特に好ましいも が、上記式(4)で表される色素である。
 上記X d におけるカルボキシ基で置換されたアニリノ 基;カルボキシ基で置換されたモノ又はジア キルアミノ基;としては、好ましいもの等を めて上記式(1)のX a 乃至X c におけるのと同じ意味を表す。中でもX d としては、カルボキシ基で置換されたアニリ ノ基が好ましい。

 式(4)におけるh及びjは、それぞれX d を有する置換スルファモイル基と、スルホ基 との置換数を表す平均値であり、hとjとの和 3.0である。
 hは通常1.6以上2.5以下、好ましくは1.7以上2.5 以下、より好ましくは1.8以上2.4以下である。
 jは通常0.5以上1.4以下、好ましくは0.5以上1.3 以下、より好ましくは0.6以上1.2以下である。
 本発明の式(4)で表される色素は、実質的に -SO 2 X d 」で表される基と、「-SO 3 H」で表されるスルホ基とが、アントラピリ ン構造に合計で3つ置換した色素の混合物で る。したがって、該色素混合物のHPLC分析を 行い、該色素混合物を構成する、それぞれ単 一の色素のHPLCにおける面積比を測定するこ により、式(4)におけるh及びjの値を算出する ことができる。一例として、以下の構成であ る色素混合物(A)におけるhの計算方法を下記 る。
 
色素混合物(A)のHPLC分析結果:
  「-SO 2 X d 」の置換数     HPLC面積比(%)
        0            A 1
        1            A 2
        2            A 3
        3            A 4
 
色素混合物(A)における平均値hの計算方法
  h=[(0×A 1 )+(1×A 2 )+(2×A 3 )+(3×A 4 )]/(A 1 +A 2 +A 3 +A 4 )
 
 本明細書においては、HPLCの面積比は実測値 の小数点以下1桁までを計算に使用し、算出 れたhについては小数点以下2桁目を四捨五入 して小数点以下1桁とした値を記載する。な 、平均値jは、上記hの計算方法と同様にして 算出することもできるが、簡便には、「j=3.0- h」として算出してもよい。

 上記HPLC分析における「-SO 2 X d 」の置換数は、例えばHPLCで検出された各単 色素のピークを分取して質量分析等の機器 析をすれば、その質量から容易に決定でき 。簡便にはLC/MSのように、LCの測定と同時に 量分析を行い、その質量から求めることも きる。

 本発明のインク組成物に含有する色素の 質量における、上記式(1)で表される色素の 有量は、いずれも質量基準で通常75%~100%、 ましくは80%~100%、より好ましくは85%~100%であ 。

 上記式(1)乃至(4)で表される色素において適 使用されるX a 乃至X c 、R、R 1 、R 3 、R 4 、X d 、h、及びjについて、好ましいもの同士を組 合わせたものはより好ましく、より好まし もの同士を組み合わせたものはさらに好ま い。好ましいものとより好ましいものとの み合わせ等についても同様である。

 上記式(1)で表される色素の塩は、無機又 有機の陽イオンとの塩である。無機塩の具 例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土 金属塩、及びアンモニウム塩が挙げられ、 ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、 リウムの塩、及びアンモニウム塩である。 た、有機の陽イオンの塩としては、例えば 記式(6)で表される4級アンモニウムとの塩が 挙げられるが、これらに限定されるものでは ない。また、遊離酸、及びそれらの各種の塩 が混合物であってもよい。例えば、ナトリウ ム塩とアンモニウム塩との混合物、遊離酸と ナトリウム塩との混合物、リチウム塩、ナト リウム塩、及びアンモニウム塩の混合物など 、いずれの組み合わせを用いてもよい。塩の 種類によって溶解性等の物性値が異なる場合 もあり、必要に応じて適宜塩の種類を選択す ること;複数の塩等を含む場合にはその比率 変化させること;等により目的に適う物性を する混合物を得ることもできる。

 式(6)中、Z 1 ~Z 4 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒ ドロキシアルキル基、又はヒドロキシアルコ キシアルキル基を表し、少なくとも1つは水 原子以外の基である。
 式(6)で表される4級アンモニウム中、Z 1 ~Z 4 におけるアルキル基の例としては、メチル、 エチル等が挙げられ、ヒドロキシアルキル基 の例としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロ シエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロ キシプロピル、4-ヒドロキシブチル、3-ヒド キシブチル、2-ヒドロキシブチル等が挙げら れ、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例と しては、ヒドロキシエトキシメチル、2-ヒド キシエトキシエチル、3-ヒドロキシエトキ プロピル、3-ヒドロキシエトキシブチル、2- ドロキシエトキシブチル等が挙げられる。

 上記式(1)で表される色素の好ましい塩と ては、ナトリウム、カリウム、リチウム、 ノエタノールアミン、ジエタノールアミン トリエタノールアミン、モノイソプロパノ ルアミン、ジイソプロパノールアミン、ト イソプロパノールアミンの各塩、及びアン ニウム塩等が挙げられる。より好ましいも は、リチウム、アンモニウム、及びナトリ ム塩である。

 上記式(1)で表される色素の塩を得るには 例えば、上記式(1)で表される色素を含有す 反応液、あるいは該色素のウェットケーキ は乾燥品を水に溶解したものに塩化ナトリ ムを加えて塩析、濾過すればよい。これに り、該色素のナトリウム塩をウェットケー として得ることができる。また、そのウェ トケーキを再び水に溶解後、塩酸を加えてp Hを1~2に調整して得られる固体を濾過すれば 遊離酸又は遊離酸とナトリウム塩との混合 を得ることができる。さらに、式(1)で表さ る色素の遊離酸又はそのウェットケーキを と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリ ム、水酸化リチウム、アンモニア水、式(6) 表される4級アンモニウム(通常は、カウンタ ーアニオンとしてハロゲンイオン等を有する 4級アンモニウム塩)を添加してアルカリ性に れば、各々相当するカリウム塩、リチウム 、アンモニウム塩、上記式(6)で表される4級 アンモニウム塩が得られる。

 本発明のインク組成物に含有する上記式( 1)で表されるアントラピリドン色素の具体例 下記表1に示すが、特にこれらに限定される ものではない。

 本発明のアントラピリドン色素は、例えば の方法により製造される。なお、下記式(9)~ (11)において適宜使用される、X a 乃至X c 、R 1 、R 3 、R 4 、及びRは、いずれも上記式(1)におけるのと じ意味を表す。
 具体的には、特公平7-45629号公報等に記載の 公知の方法に準じて得られる下記式(9)で表さ れるアントラキノン化合物1モルに、置換基 してRを有するベンゾイル酢酸エステル、触 として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢 ナトリウム、酢酸カリウムのような塩基の 在下、オルソジクロロベンゼン、モノクロ ベンゼン、ニトロベンゼン、キシレン等の 媒中、100~200℃、3~30時間反応を行う。反応 了後冷却し、メタノール、エタノール、プ パノール等のC1-C4アルコールで希釈して得ら れる析出固体を濾過分離した後、必要により 上記C1-C4アルコールで洗浄し、さらに水又は 水で洗浄し、乾燥することにより、下記式( 10)で表される化合物を得る。

 得られた上記式(10)で表される化合物をク ロロスルホン酸中40~120℃、次いで塩化チオニ ルを加え70~80℃でクロロスルホニル化するこ により、下記式(5)で表される化合物を得る

 式(5)中、Qは、ハロゲン原子、好ましくは 塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子、より 好ましくは塩素原子を表す。

 得られた式(5)で表される化合物と、カル キシ基で置換されたアニリン;カルボキシ基 で置換されたモノ又はジアルキルアミン;よ なる群から選択される少なくとも1種のアミ とを、塩基を用いてpHを調整し、室温又は 要に応じて冷却等しながら撹拌を行い反応 ることにより、本発明の上記式(1)で表され 色素が得られる。上記のアミンとしては、 ルボキシ基で置換されたアニリンが好まし 。

 なお、上記式(5)で表される化合物は、熱 により分解を生じ、上記の群から選択され アミンとの反応時に、Qがヒドロキシである 副生成物を生じる。この副生成物の含有量が 多いと本発明の効果を阻害する要因となるた め、該副生成物の含有量は、HPLC分析におけ 該副生成物及び本発明の色素の面積比の総 に対して、HPLCの面積比で通常10%以下、好ま くは8%以下、より好ましくは5%以下とするの がよい。下限は分析機器の検出限界以下、す なわち0%でよい。

 本発明のインク組成物に含有する上記式(1) 表される色素中、X a 乃至X c において、ヒドロキシ基以外の基の比率が高 くなると、該インク組成物を用いた記録画像 の堅牢性は向上するが、水に対する色素の溶 解性は低下する。本発明のインク組成物は、 実質的に水を含有しなくてもよいが、水を含 有するもの、すなわち水系インク組成物であ るのが好ましい。
 したがって、水系インク組成物としての保 安定性及び記録画像の堅牢性とを考慮して X a 乃至X c におけるヒドロキシ基以外の基の比率を設定 するのと共に、水に対する溶解性を向上させ る目的で、上記式(1)で表される本発明の色素 を1種以上、好ましくは1種以上4種以下、より 好ましくは1種以上3種以下の色素混合物を含 するインク組成物とするのが好ましい。

 本発明の色素はマゼンタ色素として、天然 び合成繊維材料又は混紡品の染色に適して り、さらにこれらの色素は、筆記用インク びインクジェット記録用インク組成物の製 に適している。
 上記式(1)で表される色素は、インク組成物 含有させる色素として使用する場合、色素 総量中に含有される金属陽イオンの塩化物( 例えば塩化ナトリウム);硫酸塩(例えば硫酸ナ トリウム);等の無機物、すなわち「無機不純 」の含有量の少ないものを用いるのが好ま い。その含有量の目安は例えば1質量%以下 度である。無機不純物の少ない色素を製造 るには、例えば逆浸透膜による方法等、通 の方法で脱塩処理すればよい。
 本発明のインク組成物は、式(1)で表される 素を水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶 剤を含有する水)に溶解したものであるが、 えば、本発明の色素の合成における最終工 終了後の反応液等は、インク組成物の製造 直接使用することができる。また、反応液 ら目的物を単離し、乾燥、例えばスプレー 燥させ、次にインク組成物に加工すること できる。本発明のインク組成物は、本発明 色素を通常0.1~20質量%、より好ましくは1~15質 量%、さらに好ましくは2~10質量%含有する。本 発明のインク組成物には、水溶性有機溶剤0~3 0質量%、インク調製剤0~5質量%をそれぞれ含有 してもよい。

 本発明で使用できる水溶性有機溶剤の具体 としては、例えばメタノール、エタノール n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタ ノール、イソブタノール、第二ブタノール、 第三ブタノール等のC1-C4アルカノール;N,N-ジ チルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ 等のカルボン酸アミド;2-ピロリドン、N-メ ル-2-ピロリドン等のラクタム;1,3-ジメチルイ ミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルヘキサヒ ロピリミド-2-オン等の環式尿素類;アセトン メチルエチルケトン、2-メチル-2-ヒドロキ ペンタン-4-オン等のケトン又はケトアルコ ル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環 エーテル;エチレングリコール、1,2-又は1,3- ロピレングリコール、1,2-又は1,4-ブチレン リコール、1,6-ヘキシレングリコール、ジエ レングリコール、トリエチレングリコール テトラエチレングリコール、ジプロピレン リコール、チオジグリコール、ポリエチレ グリコール、ポリプロピレングリコール等 C2-C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ 若しくはポリアルキレングリコール又はチ グリコール;グリセリン、ヘキサン-1,2,6-トリ オール等のトリオール;エチレングリコール ノメチルエーテル、エチレングリコールモ エチルエーテル、ジエチレングリコールモ メチルエーテル、ジエチレングリコールモ エチルエーテル、トリエチレングリコール ノメチルエーテル、トリエチレングリコー モノエチルエーテル、ブチルカルビトール の多価アルコールのC1-C4アルキルエーテル;γ -ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等 挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、 独又は混合して用いられる。
 これらのうち好ましいものは2-ピロリドン N-メチル-2-ピロリドン、モノ、ジ、又はトリ エチレングリコール、ジプロピレングリコー ルであり、より好ましくは2-ピロリドン、N- チル2-ピロリドン、ジエチレングリコール、 ブチルカルビトールである。

 本発明のインク組成物の調製に使用でき インク調製剤について説明する。インク調 剤の具体例としては、例えば防腐防黴剤、p H調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫 線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解 、界面活性剤等が挙げられる。

 防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系 有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロア ールスルホン系、ヨードプロパギル系、N- ロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、 トリル系、ピリジン系、8-オキシキノリン系 、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジ ンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ 系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、 リアジン系、チアジアジン系、アニリド系 アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、 ロム化インダノン系、ベンジルブロムアセ ート系、無機塩系等の化合物が挙げられる
 有機ハロゲン系化合物としては、例えばペ タクロロフェノールナトリウムが挙げられ ピリジンオキシド系化合物としては、例え 2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウ が挙げられ、イソチアゾリン系化合物とし は、例えば1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-ク ロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-ク ロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンマグネ ウムクロライド、5-クロロ-2-メチル-4-イソチ アゾリン-3-オンカルシウムクロライド、2-メ ル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロ イド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤 して、無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ 安息香酸ナトリウム等が挙げられる。

 pH調整剤としては、調製されるインクに 影響を及ぼさずに、インクのpHを8.0~11.0の範 に制御できるものであれば任意の物質を使 することができる。例えば、ジエタノール ミン、トリエタノールアミン等のアルカノ ルアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水 化物;水酸化アンモニウム;炭酸リチウム、 酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ 属の炭酸塩;等が挙げられる。

 キレート試薬としては、例えば、エチレ ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢 ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジ ミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリア ン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナト ウム等が挙げられる。

 防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩 チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ア モニウム、ジイソプロピルアンモニウムナ トライト、四硝酸ペンタエリスリトール、 シクロヘキシルアンモニウムナイトライト が挙げられる。

 水溶性紫外線吸収剤としては、例えば、 ルホン化されたベンゾフェノン、スルホン されたベンゾトリアゾール等が挙げられる

 水溶性高分子化合物としては、例えば、 リビニルアルコール、セルロース誘導体、 リアミン、ポリイミン等が挙げられる。

 染料溶解剤としては、例えば、尿素、ε- プロラクタム、エチレンカーボネート等が げられる。

 界面活性剤としては、例えば、アニオン 、カチオン系、ノニオン系等の公知の界面 性剤が挙げられる。

 アニオン界面活性剤の具体例としては、 ルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸 、α-オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシ チレンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシル ミノ酸及びその塩、N-アシルメチルタウリン 塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエー テル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチ レンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸 、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコ ール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型 燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、ア ルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスル ホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀 酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げら れる。

 カチオン界面活性剤の具体例としては、2 -ビニルピリジン誘導体、ポリ4-ビニルピリジ ン誘導体等が挙げられる。

 両性界面活性剤の具体例としては、ラウ ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキ -N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイ ダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミ プロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポ オクチルポリアミノエチルグリシンその他 ミダゾリン誘導体等が挙げられる。

 ノニオン界面活性剤の具体例としては、 リオキシエチレンノニルフェニルエーテル ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー ル、ポリオキシエチレンドデシルフェニル ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の ーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エ ステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸 エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタ ンモノステアレート、ソルビタンモノオレエ ート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオ キシエチレンモノオレエート、ポリオキシエ チレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9-テ トラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチ ル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘ キシン-3-オール等のアセチレンアルコール系 (例えば、日信化学社製、商品名サーフィノ ル104、105、82、465、オルフィンSTG等);ポリグ コールエーテル系(例えばSIGMA-ALDRICH社製のTe rgitol 15-S-7等)等が挙げられる。これらのイン ク調製剤は、単独又は混合して用いられる。

 本発明のインク組成物の製造法において 各成分を溶解させる順序には特に制限はな 。あらかじめ水又は上記水性溶媒(水溶性有 機溶剤含有水)に色素を溶解させ、これにイ ク調製剤を加えて溶解させてもよいし、色 を水に溶解させたのち、水溶性有機溶剤、 ンク調製剤を加えて溶解させてもよい。ま 、色素の反応液に直接;又は色素を含有する 溶液を逆浸透膜を用いて脱塩処理すること より得られる水溶液に、水溶性有機溶剤、 ンク調製剤を加えてインク組成物を製造し もよい。インク組成物の調製に用いる水は イオン交換水、蒸留水等の不純物の少ない のが好ましい。さらに、必要に応じてメン ランフィルタ等を用いて精密濾過を行って 雑物を除いてもよい。特に、インクジェッ 記録インクとして使用する場合は精密濾過 行うことが好ましい。精密濾過を行うフィ タの孔径は通常1μm~0.1μm、好ましくは0.8μm~0 .1μmである。

 本発明の色素を含有するマゼンタインク 成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、 図、スタンピング、又は記録方法、特にイ クジェット記録における使用に適する。本 明のインク組成物を記録、特にインクジェ ト記録に用いた場合、水、日光、オゾン、 び摩擦に対する良好な耐性を有する高品質 マゼンタ記録物が得られる。また、必要に じ、本発明のインク組成物等により得られ 効果を阻害しない範囲で、本発明の色素に さらに公知のイエロー、マゼンタ等の色素 配合することによって、マゼンタの色調を レンジ、赤味等の、好みの色調に調色する ともできる。また、本発明の色素を他色、 に配合ブラックインクに含有する調色色素 して用いることもできる。

 本発明の着色体は、本発明のインク組成 又は色素で着色された物質である。着色さ る物質に特に制限はなく、例えば紙、繊維 布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革 カラーフィルター用基材等が挙げられる。 色法としては、例えば浸染法、捺染法、ス リーン印刷等の印刷法、インクジェットプ ンタによる記録方法等が挙げられるが、イ クジェットプリンタによる記録方法が好ま い。

 本発明のインクジェット記録方法を適用 うる被記録材(メディア)としては、例えば 、フィルム等の情報伝達用シート、繊維、 革等が挙げられ、情報伝達用シートが好ま い。情報伝達用シートについては、表面処 されたもの、具体的には紙、フィルム等を 材とし、これらにインク受容層を設けたも が好ましい。インク受容層は、例えば上記 材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗 すること;多孔質シリカ、アルミナゾル、特 セラミックス等のインク中の色素を吸収し る多孔性白色無機物をポリビニルアルコー やポリビニルピロリドン等の親水性ポリマ と共に上記基材表面に塗工すること;等によ り設けられる。このようなインク受容層を設 けたものは通常インクジェット専用紙(フィ ム)あるいは光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例 ば旭硝子(株)製、商品名ピクトリコ;キャノ (株)製、商品名プロフェッショナルフォトペ ーパー、スーパーフォトペーパー、マットフ ォトペーパー、写真用紙・光沢;エプソン(株) 製、商品名写真用紙<光沢>、フォトマッ 紙、スーパーファイン専用光沢フィルム;日 本ヒューレットパッカード(株)製、商品名ア バンスフォト用紙、プレミアムプラスフォ 用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用 ;コニカ(株)製、商品名フォトライクQP;等が る。なお、普通紙も当然使用できる。

 これらのうち、多孔性白色無機物を表面 塗工した被記録材に記録した画像は、オゾ ガスによる変退色が特に大きくなることが られているが、本発明の水性マゼンタイン 組成物はガス耐性が優れているため、この うな被記録材への記録の際に特に効果を発 する。

 上記多孔性白色無機物としては、炭酸カ シウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻 、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、 酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化 ルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオラ ト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸 チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられ 。

 本発明のインクジェット記録方法で、被 録材に記録するには、例えば上記のインク 成物を含有する容器をインクジェットプリ タの所定位置にセットし、通常の方法で、 記録材に記録すればよい。本発明のインク ェット記録方法では、公知のイエローイン 組成物、シアンインク組成物に加えて、グ ーンインク組成物、オレンジインク組成物 ブルー(又はバイオレット)インク組成物、 発明のマゼンタインク組成物、必要に応じ ブラックインク組成物等と併用し得る。各 のインク組成物は、それぞれの容器に注入 れ、これらの容器を、本発明の水性マゼン インク組成物を含有する容器と同様に、イ クジェットプリンタの所定位置にセット(装 )して使用すればよい。インクジェットプリ ンタとしては、例えば機械的振動を利用した ピエゾ方式のプリンタ;加熱により生ずる泡 利用したバブルジェット(登録商標)方式のプ リンタ;等が挙げられる。

 本発明のインク組成物は、鮮明なマゼン 色の記録画像を与える水性インク組成物で り、特にインクジェット光沢紙において高 明な色相を有し、記録画像の堅牢性も高い また、人に対する安全性も高い。

 本発明のインク組成物は貯蔵中に沈澱、 離することがない。また、本発明のインク インクジェット記録に使用した場合、噴射 (インクヘッド)を閉塞することもない。本 明のインク組成物は連続式インクジェット リンタによる比較的長い時間一定の再循環 での使用;又はオンデマンド式インクジェッ プリンタによる断続的な使用;等においても 、物理的性質の変化を起こさない。

 以下に本発明を実施例により具体的に説 する。本文中「部」及び「%」とあるのは、 特別に記載のない限りそれぞれ質量基準であ る。また、合成反応、晶析等の各操作は、特 に断りのない限りいずれも撹拌下に行い、反 応温度は反応系内温度の実測値を記載した。 なお、実施例で合成した本発明の各色素につ いては、水中でのλmax(最大吸収波長)を測定 、得られた測定値を記載した。

[実施例1]
 (工程1)
 オルソジクロロベンゼン75.0部中に、撹拌し ながら、公知の方法で得られる下記式(13)で される化合物23.6部、炭酸ナトリウム0.75部、 ベンゾイル酢酸エチルエステル36.0部を順次 えて昇温し、170~175℃の温度で3時間反応させ た。反応終了後、反応液を冷却し、30℃にて タノール150部を添加して30分撹拌後、析出 体を濾過分離した。得られた固体をメタノ ル200部で洗浄し、次いで水洗した後、乾燥 て、下記式(14)で表される化合物28.8部を赤色 固体として得た。

 (工程2)
 室温下、クロロスルホン酸116.5部に上記式(1 4)で表される化合物14.0部を、40℃を超えない うに加えた後、100℃に昇温して4時間撹拌し た。反応液を70℃へ冷却し、同温度で塩化チ ニル53.5部を30分間かけて滴下し、その後70 で3時間反応させた。室温まで放冷した反応 を氷水500部中に加え、次いで過酸化水素水2 0部をさらに加えた。その間適宜氷を加え、 温を10℃以下に保持した。赤橙色の析出固体 を濾過分離することにより、下記式(15)で表 れる化合物のウェットケーキ90.0部を得た。 お、下記式(15)で表される化合物は、上記式 (5)におけるQが塩素原子で表される化合物で る。

 (工程3)
 氷水300部中に上記式(15)で表される化合物45. 0部を加えて10分間撹拌した後、グリシン2.3部 を加え、20℃で水酸化ナトリウムを加えてpH9. 0を保持しながら30分間反応させた。この反応 液を50℃へ昇温し、塩化アンモニウム110.0部 加えて析出した固体を濾過分離した。22%塩 アンモニウム水溶液100部で洗浄し、メタノ ル、イソプロピルアルコールの混合溶液で 塩した後、乾燥し、上記式(4)におけるhが1.8 jが1.2、X d がカルボキシメチルアミノである、下記式(16 )で表される本発明の色素のアンモニウム塩6. 0部の赤色固体を得た。λmax:523nm。
 
HPLC分析結果:
  -SO 2 X d の置換数     HPLC面積比(%)
      0            3.4
      1           23.3
      2           42.9
      3           15.7

[実施例2]
 氷水300部中に上記実施例1の(工程1)乃至(工 3)と同様にして得た式(15)で表される化合物45 .0部を加えて10分間撹拌した後、グリシン6.8 を添加し、20℃で水酸化ナトリウムを加えて pH9.0を保持しながら30分間反応させた。この 応液を50℃とし、塩化アンモニウム110.0部を 加して撹拌し、析出した固体を濾過分離し 。22%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し メタノール、イソプロピルアルコールの混 溶液で脱塩した後、乾燥し、上記式(4)にお るhが2.2、jが0.8、X d がカルボキシメチルアミノである下記式(17) 表される本発明の色素のアンモニウム塩6.0 の赤色固体を得た。λmax:535nm。
 
HPLC分析結果:
  -SO 2 X d の置換数     HPLC面積比(%)
      0            0.8
      1           12.3
      2           42.2
      3           35.2

[実施例3]
 氷水300部中に上記実施例1の(工程1)乃至(工 3)と同様にして得た式(15)で表される化合物45 .0部を添加して10分間撹拌した後、アントラ ル酸12.3部を添加し、20℃、pH9.0で30分間反応 せた。この反応液を50℃とし、塩化アンモ ウム45.0部を添加して撹拌し、析出した固体 濾過分離した。19%塩化アンモニウム水溶液1 00部、3%塩酸で順次洗浄し、乾燥し、上記式(4 )におけるhが2.3、jが0.7、X d が2-カルボキシアニリノである、下記式(18)で 表される本発明の色素のアンモニウム塩14.0 の赤色固体を得た。λmax:528nm。
 
HPLC分析結果:
  -SO 2 X d の置換数     HPLC面積比(%)
      0            0.7
      1           10.6
      2           40.6
      3           33.8

[実施例4]
 氷水300部中に上記実施例1の(工程1)乃至(工 3)と同様にして得た式(15)で表される化合物45 .0部を添加して10分間撹拌した後、イミノジ 酸12.0部を添加し、20℃で水酸化ナトリウム 加えてpH9.0を保持しながら30分間反応させた この反応液を濃塩酸でpH0.5とし、析出した 状物をアンモニア水に溶解した後、再び濃 酸でpH0.5とし、得られた油状物をデカンテー ションにより分離し、水を加えて再度デカン テーションを行った後に乾燥し、上記式(4)に おけるhが2.3、jが0.7、X d がビス(カルボキシメチル)アミノである、下 式(19)で表される本発明の色素のアンモニウ ム塩1.63部の赤色固体を得た。λmax:527nm。
 
HPLC分析結果:
  -SO 2 X d の置換数     HPLC面積比(%)
      0            0.7
      1           11.6
      2           39.0
      3           34.5

[実施例5]
 氷水300部中に上記実施例1の(工程1)乃至(工 3)と同様にして得た式(15)で表される化合物45 .0部を加えて10分間撹拌した後、イソニペコ ン酸11.6部を添加し、20℃で水酸化ナトリウ を加えてpH9.0を保持したまま30分間反応させ 。この反応液を50℃とし、塩化アンモニウ 9.0部を加えて撹拌し、析出した固体を濾過 離した。7%塩化アンモニウム水溶液100部、メ タノールで順次洗浄し、乾燥し、上記式(4)に おけるhが2.4、jが0.6、X d が4-カルボキシピペリジン-1-イル(1-イソニペ チニル)である、下記式(20)で表される本発 の色素のアンモニウム塩11.4部の赤色固体を た。λmax:524nm。
 
HPLC分析結果:
  -SO 2 X d の置換数     HPLC面積比(%)
      0            0.4
      1            7.6
      2           38.3
      3           43.4

[実施例6乃至10]
[(A)インクの調製]
 実施例1で得られた色素を用いて下記表2に した組成のインク組成物を調製し、0.45μmの ンブランフィルタで濾過することにより、 価用の水性インクジェットインクを得た。 ンク調製用の水はイオン交換水を使用した なお、インク組成物のpHは、18%アンモニア 溶液によりpH8~10に調整し、総量100部になる うにさらに水を加えた。実施例1で得た色素 用いた評価用インクの調製を実施例6とする 。同様に実施例2乃至5で得た色素を用いた評 用インクの調製を実施例7乃至10とする。

[比較例1]
 国際公開第2008/018495号パンフレットの実施 1の(1)乃至(3)に準じて合成したウェットケー を、80℃で一晩乾燥することにより得た下 式(21)で表される色素を、上記実施例1の色素 の代わりに用いる以外は実施例6と同様にし 比較用のインクを調製した。この比較用イ クの調製を比較例1とする。

[(B)インクジェット記録]
 インクジェットプリンタ(キヤノン社、商品 名:Pixus iP4100)を用いて、多孔性白色無機物を 含有したインク受容層を有する3種の光沢紙( ヤノン社製、商品名:プロフェッショナルフ ォトペーパー PR-101;商品名:写真用紙・光沢  ゴールドGL-101;ヒューレット パッカード(HP) 製、商品名:アドバンスフォト用紙)にインク ジェット記録を行った。この3種の光沢紙を それぞれ光沢紙1、光沢紙2、及び光沢紙3と る。インクジェット記録の際、数段階の階 で印字濃度が得られるように画像パターン 作り評価試験用の印字物を作成し、これを 験片として下記する耐オゾンガス性試験を った。

[(C)記録画像の耐オゾンガス性試験]
 上記[(B)インクジェット記録]にて得た各試 片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機 製)を用いてオゾン濃度10ppm、温度24℃、湿 60%RHで24時間放置し、試験前の反射濃度(D値) 1.0に最も近い階調部分の試験前後の反射濃 を測色した。反射濃度は測色システム(Gretag Macbeth社製、商品名SectroEye)を用いて測定した なお、評価は下記式で表される色素残存率 比較により行った。色素残存率の数値が大 いものほど耐オゾンガス性に優れる。結果 下記表3に示す。
 色素残存率=(試験後の反射濃度/試験前の反 濃度)×100(%)

 表3より明らかなように、実施例6乃至10は 全ての光沢紙において比較例1よりも残存率 高く、耐オゾンガス性が非常に良好である とが分かる。

 上記のように、本発明の色素を用いたイ ク組成物により得られる記録画像は、耐オ ンガス性に優れることが明らかである。し がって、本発明のマゼンタインク組成物及 マゼンタ色素は、インクジェット記録用と て極めて有用である。