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Patent Searching and Data


Title:
ANTI-proNT/NMN MONOCLONAL ANTIBODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044561
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a specific monoclonal antibody against proNeurotensin/Neuromedin N (proNT/NMN) protein; and a high-sensitive detection/measurement method for proNT/NMN protein utilizing the monoclonal antibody. By establishing the antibody and the method, a method for the early diagnosis of small cell lung cancer and others can be provided. Seven types of anti-proNT/NMN monoclonal antibodies are produced by immunizing a mouse with an antigen comprising a peptide fragment having an amino acid sequence lying between position-1 and position-38 or between position-8 and position-87 in the amino acid sequence for proNT/NMN protein. A proNT/NMN measurement method is established by using the antibodies.

Inventors:
MOCHIZUKI TOHRU (JP)
OGURA SHUN-ICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002794
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
October 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIZUOKA PREFECTURE (JP)
MOCHIZUKI TOHRU (JP)
OGURA SHUN-ICHIRO (JP)
International Classes:
C07K16/30; C12N5/10; G01N33/574; C07K14/47; C12N15/09; C12P21/08
Foreign References:
JP2007292745A2007-11-08
Other References:
ERNST A. ET AL.: "Proneurotensin 1-117, a stable neurotensin precursor fragment identified in human circulation.", PEPTIDES, vol. 27, no. 7, 2006, pages 1787 - 1793
YUKIO SUGINO: "Biotechnology Series Monoclonal Kotai", 1986, KODANSHA LTD., pages: 1 - 16
"Annual Meeting of the Japan Cancer Association Kiji", vol. 65, 2006, article SHUN'ICHIRO OGURA ET AL.: "Hai Shosaibo Gan Baiyo Saibo o Mochiita Proteomics Kaiseki ni yoru Shinki Shuyo Marker no Tansaku", pages: 389, 992
Attorney, Agent or Firm:
HIROTA, Masanori (8-5 Akasaka 2-chome, Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)と結合し、配列番号3~8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-001。
配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)と結合し、配列番号3~8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-002。
配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)及び配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号4~8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-003。
配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)と結合し、配列番号3~8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-004。
配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)、及び配列番号5~7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-005。
配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)、及び配列番号5~7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-006。
配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)、及び配列番号5~7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-007。
請求項1~7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いることを特徴とするproNT/NMNタンパクを検出/測定する方法。
proNT/NMNタンパクを検出/測定する方法が、サンドイッチELISA法であることを特徴とする請求項8記載の方法。
請求項1~4のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体と、請求項5~7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体とを、組み合わせて用いるサンドイッチELISA法であることを特徴とする請求項9記載の方法。
請求項1~7のいずれかに記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株又はそれらに由来する細胞株。
請求項1~7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いて、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定することを特徴とする小細胞肺癌の診断方法。
請求項1~7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を備え、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定しうることを特徴とする小細胞肺癌の診断キット。
Description:
抗proNT/NMNモノクローナル抗体

 本発明は、小細胞肺癌の腫瘍マーカーで るproNeurotensin/Neuromedin N(proNT/NMN)のモノクロ ナル抗体と、それを用いたproNT/NMNタンパク 検出/測定法や、小細胞肺癌の診断方法・診 断キットに関する。

 癌治療における診断・判定法として血中 瘍マーカーの検出・計測を挙げることがで る。腫瘍マーカーは腫瘍または腫瘍と反応 た正常細胞が作る物質の中で、血中や尿中 どに放出され腫瘍の体外診断を可能として るものである。

 上記腫瘍マーカーに関しては、乳癌患者 正常人の胸部組織に差異的に発現する遺伝 を使用した悪性腫瘍、特に乳癌を予想、診  、予後判定、予防および処置するための 規な組成物、方法および使用(例えば、特許 献1参照)や、肝炎ウイルスの感染に起因し 性肝炎または肝硬変を発症した患者に対し 肝炎ウイルスに感染した患者のミトコンド アDNAの塩基配列を評価することによって肝 癌の発癌リスクを評価する方法(例えば、特 文献2参照)や、その遺伝子産物がCLL細胞お び前立腺癌細胞の新生物性または腫瘍形成 増殖を抑制するmiR15およびmiR16のコピー数、 異状態または遺伝子発現を検出することに る慢性リンパ性白血病または前立腺癌の診 方法(例えば、特許文献3参照)や、無症候性 または初期段階の患者における発癌過程の 在を検出するのに適当な迅速な癌の診断方 や、癌患者の血清中に存在する炭酸脱水酵 IIの活性化化合物、すなわち腫瘍マーカー 該癌の診断方法によって、無症候性期また 初期段階の患者の癌を検出することを特徴 する癌の処置方法ならびに該癌の診断方法 行うためのキット(例えば、特許文献4参照) が知られている。

 また、肺癌は小細胞癌と非小細胞癌の2つ の型に大きく分類され、非小細胞癌はさらに 腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌の3タイプに分 され、それぞれのタイプによって発生する 位がある程度決まっており、小細胞癌と扁 上皮癌は肺門部に、腺癌と大細胞癌は肺野 にできやすい肺癌といわれている。肺癌に して、小細胞肺癌 (SCLC)を患う患者を治療し 、またはSCLC腫瘍の存在を検出するための、 較的短いペプチド、詳細には、α-コノトキ ンペプチドMIIおよびU002を使用して小細胞肺 の存在または位置を決定することにより検 する方法(例えば、特許文献5参照)や、血清 の優れた肺癌マーカーとしての血管透過性 子を測定することにより、特に化学発光検 系酵素免疫測定法を用いて高感度で測定す ことにより、肺癌の早期診断、さらには治 効果の判定、経過観察を行う方法(例えば、 特許文献6参照)等が知られている。

特開2004-159640号公報

特開2004-121029号公報

特表2006-506469号公報

特表2001-524815号公報

特表平11-506737号公報

特開平9-33531号公報

 現在日本において肺癌は男性の癌死亡率 第1位であり、女性では胃癌に次いで第2位 あることから、肺癌特異的な腫瘍マーカー 開発することにより、肺癌の早期診断・治 成績の向上が期待されていた。本発明の課 は、proNT/NMNタンパクに対する特異的モノク ーナル抗体と、それを用いた高感度のproNT/NM Nタンパクの検出/測定法を確立することによ 、小細胞肺癌の早期診断法等を提供するこ にある。

 本発明者らは、先にヒト肺癌由来培養細 株の培養上清に放出されるたんぱく質・ペ チドのプロテオーム解析を行い、小細胞肺 培養細胞株であるSBC3の培養上清にproNT/NMNが 放出されているが、小細胞肺癌以外の肺癌細 胞株(腺癌・大細胞癌・扁平上皮癌)の培養上 にはproNT/NMNが検出されないとの知見を得て proNT/NMNが有用な腫瘍マーカーであることを らかにしている(特願2007-086831号公報)。そこ で、本発明者らは、proNT/NMNタンパクのアミノ 酸配列-1~38番(配列番号2)、又は8~87番(配列番 3)のペプチド断片を含む抗原を、マウスに免 疫することにより7種類の抗proNT/NMNモノクロ ナル抗体を作製し、さらに、それらの抗体 用いたproNT/NMN測定法を確立し、本発明を完 するに至った。

 すなわち本発明は、(1)配列番号2に示すア ミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~ 38)を含む抗原の免疫により作製されたモノク ローナル抗体であって、前記ペプチド断片pro NT/NMN(aa-1~38)と結合し、配列番号3~8に示すアミ ノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも 結合しないことを特徴とするモノクローナル 抗体SCC-MGD-001や、(2)配列番号2に示すアミノ酸 配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含 む抗原の免疫により作製されたモノクローナ ル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa -1~38)と結合し、配列番号3~8に示すアミノ酸配 列からなるいずれのペプチド断片とも結合し ないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC -MGD-002や、(3)配列番号2に示すアミノ酸配列か らなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原 の免疫により作製されたモノクローナル抗体 であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)及 び配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペ チド断片と結合し、配列番号4~8に示すアミ 酸配列からなるいずれのペプチド断片とも 合しないことを特徴とするモノクローナル 体SCC-MGD-003や、(4)配列番号2に示すアミノ酸 列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含 抗原の免疫により作製されたモノクローナ 抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa-1 ~38)と結合し、配列番号3~8に示すアミノ酸配 からなるいずれのペプチド断片とも結合し いことを特徴とするモノクローナル抗体SCC-M GD-004に関する。

 また本発明は、(5)配列番号3に示すアミノ 酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)を む抗原の免疫により作製されたモノクロー ル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN( aa8~87)、及び配列番号5~7に示すアミノ酸配列 らなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4 及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれの プチド断片とも結合しないことを特徴とす モノクローナル抗体SCC-MGD-005や、(6)配列番号 3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片pr oNT/NMN(aa8~87)を含む抗原の免疫により作製され たモノクローナル抗体であって、前記ペプチ ド断片proNT/NMN(aa8~87)、及び配列番号5~7に示す ミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し 配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列から るいずれのペプチド断片とも結合しないこ を特徴とするモノクローナル抗体SCC-MGD-006 、(7)配列番号3に示すアミノ酸配列からなる プチド断片proNT/NMN(aa8~87)を含む抗原の免疫 より作製されたモノクローナル抗体であっ 、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)、及び配列 番号5~7に示すアミノ酸配列からなるペプチド 断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミ ノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも 結合しないことを特徴とするモノクローナル 抗体SCC-MGD-007に関する。

 また本発明は、(8)上記(1)~(7)のいずれかに 記載のモノクローナル抗体から選択される1 は2以上のモノクローナル抗体を用いること 特徴とするproNT/NMNタンパクを検出/測定する 方法や、(9)proNT/NMNタンパクを検出/測定する 法が、サンドイッチELISA法であることを特徴 とする上記(8)記載の方法や、(10)上記(1)~(4)の ずれか記載のモノクローナル抗体から選択 れる1又は2以上のモノクローナル抗体と、 記(5)~(7)のいずれかに記載のモノクローナル 体から選択される1又は2以上のモノクロー ル抗体とを、組み合わせて用いるサンドイ チELISA法であることを特徴とする上記(9)記載 の方法や、(11)上記(1)~(7)のいずれか記載のモ クローナル抗体を産生するハイブリドーマ 胞株又はそれらに由来する細胞株に関する

 さらに本発明は、(12)上記(1)~(7)のいずれ 記載のモノクローナル抗体から選択される1 は2以上のモノクローナル抗体を用いて、試 料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定すること 特徴とする小細胞肺癌の診断方法や、(13)上 (1)~(7)のいずれか記載のモノクローナル抗体 から選択される1又は2以上のモノクローナル 体を備え、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/ 測定しうることを特徴とする小細胞肺癌の診 断キットに関する。

proNT/NMNタンパクの構造と本発明で抗原 して用いた領域を示す図である。 本発明で得られた8種の抗proNT/NMNモノク ローナル抗体を用いたウエスタンブロッティ ングにより、小細胞癌由来細胞株であるSBC3 胞の無血清培養上清中のproNT/NMNタンパクの 現を検出した結果を示す図である。 本発明で得られた8種の抗proNT/NMNモノク ローナル抗体を用いたウエスタンブロッティ ングにより、小細胞癌由来細胞株であるSBC3 胞の細胞抽出液中のproNT/NMNタンパクの発現 検出した結果を示す図である。 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体S CC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004を用 たELISAにより、SBC3細胞の無血清培養上清中 proNT/NMNタンパクの濃度を測定した結果を示 図である。 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体S CC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004を用 たELISAにより、培養液の影響を検討した結果 を示す図である。 エピトープ解析に用いたペプチドを示 図である。 エピトープ解析の結果を示す図である エピトープ解析の結果を示す図である 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体S CC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004を用 たELISAによる標準曲線を示す図である。標準 物質はそれぞれブロックで囲まれた中に記載 されている。 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体 SCC-MGD-005、SCC-MGD-006、SCC-MGD-007を用いたELISAに る標準曲線を示す図である。標準物質はそ ぞれブロックで囲まれた中に記載されてい 。 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体 SCC-MGD-002及びSCC-MGD-005を用いて、SBC3細胞の培 上清(希釈倍率1~107)中のproNT/NMタンパク濃度 測定した結果を示す図である。 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体 SCC-MGD-002及びSCC-MGD-005を用いて、小細胞癌由 細胞株であるSBC1、SBC2、SBC3、SBC5、NCI-H69、及 び対照としての大細胞癌由来細胞株であるNCI -H661、Lu65、Lu99の無血清培養上清中のproNT/NMN 疫活性を測定した結果を示す図である。 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体 SCC-MGD-002を用いたウエスタンブロッティング より、各種肺癌細胞株の各無血清培養上清 のproNT/NMNタンパクの発現を検出した結果を す図である。

 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体、S CC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004は、 列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペ チド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原をマウス 免疫することにより作製されたモノクロー ル抗体であり、proNT/NMNタンパクに由来する プチド断片である、proNT/NMN(aa-1~38):配列番号 2、proNT/NMN(aa26~38):配列番号4、proNT/NMN(aa8~87):配 列番号3、proNT/NMN(aa26~87):配列番号5、proNT/NMN(aa 39~87):配列番号6、proNT/NMN(aa47~87):配列番号7、 びproNT/NMN(aa66~87):配列番号8のうち、SCC-MGD-001 proNT/NMN(aa-1~38)を、SCC-MGD-002はproNT/NMN(aa-1~38) 、SCC-MGD-003はproNT/NMN(aa-1~38)及びproNT/NMN(8~87)を 、SCC-MGD-004はproNT/NMN(aa-1~38)を、それぞれイン トロで認識する。これらSCC-MGD-001、SCC-MGD-002 、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004が認識するエピトープ 、proNT/NMNタンパクのアミノ酸配列-1~7番にあ と推定される。

 また、本発明の抗proNT/NMNモノクローナル 体、SCC-MGD-005、SCC-MGD-006、SCC-MGD-007は、配列 号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチ ド断片proNT/NMN(aa8~87)を含む抗原をマウスに免 することにより作製されたモノクローナル 体であり、これら3種の抗体は、上記proNT/NMN タンパクに由来する7種のペプチド断片のう のproNT/NMN(aa8~87)、proNT/NMN(aa26~87)、proNT/NMN(aa39~ 87)、及びproNT/NMN(aa47~87)をインビトロで認識す る。これらSCC-MGD-005、SCC-MGD-006、SCC-MGD-007が認 識するエピトープは、proNT/NMNタンパクのアミ ノ酸配列47~66番にあると推定される。

 本発明のproNT/NMNを検出/測定する方法とし ては、上記本発明のモノクローナル抗体 、 モノクローナル抗体の可変領域からなる抗 結合部位を含む抗体フラグメントを用いる 法であれば特に制限されるものではなく、 たがって、本発明のモノクローナル抗体に 、これらモノクローナル抗体の可変領域か なる抗体結合部位を含む抗体フラグメント 便宜上含まれる。これら本発明のモノクロ ナル抗体等を用いて、RIA法、ELISA法、蛍光 体法、プラーク法、スポット法、血球凝集 応法、オクタロニー法等の免疫学的測定方 を行うことによりproNT/NMNを特異的かつ正確 測定することができる。例えば、固相化さ た本発明の第1のモノクローナル抗体と、こ らモノクローナル抗体とは認識部位を異に る、標識化された第2のモノクローナル抗体 とを用いる方法を挙げることができる。以下 、かかるproNT/NMNタンパクを認識する本発明の モノクローナル抗体を用いた直接競合ELISA法 びサンドイッチELISA法について説明する。

 直接競合ELISA法では、抗マウスIgG抗体を 体に固相化(固相化二次抗体)する。これにヒ ト血液(血清)や尿等の検体、酵素標識抗原、 び抗proNT/NMNモノクローナル抗体(一次抗体) 加え、抗体抗原反応により形成される一次 体と検体中のproNT/NMN、又は酵素標識抗原の 原抗体複合体と、固相化二次抗体を結合さ る。抗体に結合しなかった酵素標識抗原を 去し、基質を加えて酵素反応を行う。検体 のproNT/NMNと標識抗原の一次抗体への結合は 合するため、検体中のproNT/NMN量と酵素活性 逆の相関関係を示し、既知量のproNT/NMNと二 抗体に標識した酵素活性との関係を示す検 線から、検体中のproNT/NMN量を求めることが きる。サンドイッチELISA法では、抗proNT/NMNモ ノクローナル抗体を担体に固相化(固相化一 抗体)し、これにヒト血液(血清)や尿等の検 を加え、抗原抗体反応により検体中のproNT/NM Nを抗原抗体反応により固相化一次抗体に結 させる。次に酵素標識した認識部位を異に る抗proNT/NMNモノクローナル抗体(酵素標識二 抗体)を反応させ、抗原抗体反応により酵素 標識二次抗体を上記固相化一次抗体に結合し ている抗原に結合させる。その後、抗原に結 合しなかった酵素標識二次抗体を除去し、基 質を加えて酵素反応を行うことにより、既知 量のproNT/NMNと二次抗体に標識した酵素活性と の関係を示す検量線から、検体中のproNT/NMN量 を求めることができる。これらのELISA法を用 て測定されたproNT/NMNタンパク測定値は、肺 細胞の有無の指標として用いることができ 。

 上記ELISA 法において、本発明のモノクロー ナル抗体に便宜上含まれるモノクローナル抗 体の可変領域からなる抗体結合部位を含む抗 体フラグメントも使用することができる。モ ノクローナル抗体に代えて、例えば、F(ab″) 2 、Fabなどの該モノクローナル抗体の可変領域 からなる抗体結合部位を含むproNT/NMNに結合す る抗体フラグメントを使用することもできる 。また、これらモノクローナル抗体や抗体フ ラグメントを標識する酵素としては、β-ガラ クトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリ フォスファターゼ等を例示することができ、 これら酵素は「酵素標識法(生物化学実験法  27 ) 」 (第1版、石川栄治著、学会出版セン ー、1991年) などに記載されている方法で標 識することができる。またこれら酵素に代え て、例えば、 125 I、 32 P、 35 S、 3 H等のラジオアイソトープや、FITC(フルオレセ インイソシアネート)、テトラメチルローダ ンイソシアネート等の蛍光物質や、GFP(グリ ン蛍光タンパク質)等の蛍光発光タンパク質 などを融合させた融合タンパク質を用いるこ ともできる。一方、固相としては、シリコン 、ナイロン、プラスチック、ガラスからなる ビーズ、マイクロプレート、試験管、フィル ター、メンブレン等を用いることができる。

 本件モノクローナル抗体産生ハイブリド マは、例えば、配列番号2に示されるペプチ ド断片proNT/NMN(aa-1~38)を含む抗原や配列番号3 示されるペプチド断片proNT/NMN(aa8~87)を免疫し 、免疫されたマウスの抗体産生細胞とマウス ミエローマ細胞とを、常法により細胞融合さ せ、免疫蛍光染色パターンによりスクリーニ ングすることにより、本件モノクローナル抗 体産生ハイブリドーマを作出することができ る。免疫する動物としてはマウス、ラット、 ウサギ、ウマ等が挙げられる。免疫は、例え ば配列番号2に示されるペプチド断片proNT/NMN(a a-1~38)や配列番号3に示されるペプチド断片proN T/NMN(aa8~87)をそのまま又は適当なアジュバン と共に動物の皮下、筋肉内又は腹腔内に1~2 /月、1~6ケ月間投与することにより行なわれ 。抗体産生細胞の分離は、最終免疫から2~4 後に免疫動物から採取することにより行な れる。ミエローマ細胞としては、マウス、 ット由来のもの等を使用することができる 抗体産生細胞とミエローマ細胞とは同種動 由来であることが好ましい。細胞融合は、 えばダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)等の 地中で抗体産生細胞とミエローマ細胞とを リエチレングリコール等の融合促進剤の存 下で混合することにより行なうことができ 。細胞融合終了後、DMEM等で適当に希釈し、 遠心分離し、沈殿をHAT培地等の選択培地に懸 濁して培養することによりハイブリドーマを 選択し、次いで、培養上清を用いて酵素抗体 法により抗体産生ハイブリドーマを検索し、 限界希釈法等によりクローニングを行ない、 本件モノクローナル抗体を産生するハイブリ ドーマを得ることができる。前記のように、 抗体産生ハイブリドーマを培地中又は生体内 で培養しモノクローナル抗体を培養物から採 取することができるが、培養物又は腹水から のモノクローナル抗体の分離・精製方法とし ては、タンパク質の精製に一般的に用いられ る方法であればどのような方法でもよく、例 えば、IgG精製に通常使用される硫安分画法、 陰イオン交換体又はプロテインA、G等のカラ によるクロマトグラフィーによって行なう とができる。

 本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体、S CC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004、SCC-M GD-005、SCC-MGD-006、SCC-MGD-007をそれぞれ産生す 本件モノクローナル抗体産生ハイブリドー は、静岡県立静岡がんセンター研究所遺伝 診療研究部(日本国静岡県駿東郡長泉町下長 1007番地)に保管されており、一定の条件下 分譲を受けることができる。

 本発明の小細胞肺癌の診断(判定)方法と ては、上記本発明の抗proNT/NMNモノクローナ 抗体から選択される1又は2以上のモノクロー ナル抗体を用いて、ヒト血清等の試料中のpro NT/NMNタンパクを検出/測定する方法であれば に制限されず、proNT/NMNタンパクの検出/測定 法としては、例えば、ラジオイムノアッセ 、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノ ッセイ、発光イムノアッセイ、免疫沈降法 免疫比濁法、フローサイトメトリー、ウエ タンブロッテイング、免疫染色、免疫拡散 等の免疫学的測定方法を挙げることができ また、直接競合ELISA法及びサンドイッチELISA 法を好適に例示することができる。

 本発明の小細胞肺癌の診断(判定)キット しては、上記本発明の抗proNT/NMNモノクロー ル抗体から選択される1又は2以上のモノクロ ーナル抗体を備え、試料中のproNT/NMNタンパク を検出/測定しうるキットであれば特に制限 れず、抗proNT/NMNモノクローナル抗体固相化EL ISA用アッセイプレートや標識化抗proNT/NMNモノ クローナル抗体等の1又は2以上の本発明の抗p roNT/NMNモノクローナル抗体の他、各種緩衝液 反応終了液、検出基質などを含んでいても い。

 以下、実施例により本発明をより具体的 説明するが、本発明の技術的範囲はこれら 例示に限定されるものではない。

[抗proNT/NMNモノクローナル抗体の作製]
 proNT/NMNは、147アミノ酸からなる分子量17236 タンパク質である(配列番号1)。配列番号2及 3に示す2種類のペプチド、proNT/NMN(aa-1~38)及 proNT/NMN(aa8~87)を合成し、キャリアであるKLH(Ke yhole Limpet Hemocyanin)と結合させ、抗原となるp roNT/NMN(aa-1~38)-KLHおよびproNT/NMN(aa8~87)-KLHを作製 した。免疫方法として、初回は、免疫原とフ ロイント完全アジュバンドを用いてエマルジ ョンを作製し、マウス(Balb/c、雌、7週齢)腹腔 内に投与した(ペプチド換算約0.2mg/マウス)。2 回目からは、同様に調製したエマルジョンを マウス腹腔内に投与し(ペプチド換算約0.1mg/ ウス)、計6回の追加免疫を行った後、最終免 疫より4週間後にブート免疫を行い、その3日 に細胞融合を行った。

 免疫マウスより脾臓細胞を調製し、ポリ チレングリコールを用いてマウスミエロー 細胞P3U1と細胞融合した。標準抗原としてpro NT/NMN(aa-1~38)ペプチド、標識抗原としてビオチ ン標識proNT/NMN(aa-1~38)ペプチドを用い酵素免疫 測定法による一次スクリーニングを行い、陽 性ハイブリドーマを選出した後、さらに限界 希釈法によるスクリーニングを行った。上記 のスクリーニングにより選出されたハイブリ ドーマ細胞をヌードマウス腹腔内に投与し腹 水を作製し、その腹水を回収した。脱脂後プ ロテインAアフィニティーカラムにより、腹 よりモノクローナル抗体を精製し、Isotyping  Test kit(大日本製薬製)を用いてIsotypeを調べた 。その結果、proNT/NMN(aa-1~38)を抗原とする5種 の抗体(SCC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD -004、SCC-MGD-008)と、proNT/NMN(aa8-87)を抗原とする 3種類の抗体(SCC-MGD-005、SCC-MGD-006、SCC-MGD-007)を 得た(図1)。

[モノクローナル抗体を用いたウエスタンブ ッティング]
 上記の抗体を用いたウエスタンブロッティ グを行い、培養上清中及び培養細胞抽出液 のproNT/NMNタンパクの検出を行った。小細胞 由来細胞株であるSBC3細胞を1×10 6 となるよう10cmシャーレに播種し、一晩イン ュベートして細胞をシャーレに接着させた 培地は10%のFBSを含むRPMI1640を用いた。次にPBS で2回洗浄した後、FBSを含まないRPMI1640培地に 交換した。RPMI1640培地で1時間インキュベート した後、培地を捨て、PBSでさらに2回洗浄し RPMI1640培地を7ml加えた。48時間インキュベー した後この培地を回収した。また、培養後 細胞を0.25mlのlysis buffer(7.5M urea,2.5M thiourea, 12.5% glycerol,50mM Tris,2.5% N-octylglucoside,6.25mM TC EP[Tris-carboxyethyl phosphine hydrocholine],1.25mM prote ase inhibitor)で溶解し、細胞抽出液を調製した 。

 調整した培養上清及び細胞抽出液におけ proNT/NMNタンパク発現を、ウエスタンブロッ ィングにより検討した。対照として、すで 市販されている2種類の抗proNT/NMN抗体(いず もSanta Cruz Biotechnology社製)を用いた。図2に 養上清の、図3に細胞抽出液のウエスタンブ ロッティングの結果を示す。本発明の8種の 体のうち、SCC-MGD-008以外の全ての抗体により 20kDaのバンドが検出された。これはproNT/NMNタ パクの分子量と一致しており、さらに、対 の抗体で検出されたバンド位置と一致して ることから、本発明のモノクローナル抗体 ウエスタンブロッティングによりproNT/NMNタ パクを検出することが可能あることが示さ た(図2及び3)。また、上清と細胞抽出液の両 方に関して、SCC-MGD-003により複数のバンドが 出されたことから、SCC-MGD-003は非特異的に のタンパクを認識する可能性が示された。 上の結果より、実施例1で得られたモノクロ ナル抗体のうち、SCC-MGD-008以外の7種の抗体 、proNT/NMNタンパクの測定系に使用できる可 性が示された。

[直接競合ELISA法(化学発色)]
 さらに、実施例1で作製した抗体を用いた酵 素免疫測定を行い、培養上清中のproNT/NMNタン パクの測定を行った。酵素免疫測定の測定系 は以下に示す通りである。0.1M炭酸水素ナト ウム溶液で希釈したヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体( Cosmo Bio社製)を96ウェルプレートへ分注し4℃ 一晩静置した。その後、ブロックエース(大 日本製薬製)を用い4℃で一晩静置しブロッキ グを行った。これを抗マウスIgG抗体固定化 レート(プレート)とし、以下のアッセイに いた。プレートの各ウェルを洗浄液(0.05%Tween 20を含むPBS(-))で3回洗浄後、ビオチン標識し 、又は標識していないproNT/NMNペプチドを緩 液(0.1%BSAを含むPBS(-))で希釈し、抗proNT/NMNモ クローナル抗体とともにプレートに分注し 室温で3時間反応させた(シェーカー100rpm)。 浄液で4回洗浄後、緩衝液で希釈したStreptavid in-Horseradish Peroxidase Conjugate(メルク社製)溶液 を分注し室温で2時間反応させた(シェーカー1 00rpm)。洗浄液で4回洗浄後、OPD基質溶液[基質 解液(0.067Mリン酸水素二ナトリウム十二水和 物、0.033Mクエン酸一水和物および0.015%H 2 O 2 )にOPD錠(Sigma社製)を使用直前に溶解]を分注し 室温で20分間反応させた(静置)。1mol/LのH 2 SO 4 で反応を停止させ、マイクロプレートリーダ ーを用い標識抗原の酵素活性をO.D.492nmで測定 した。

 実施例2でproNT/NMNタンパクを認識すること が確認された4種類のモノクローナル抗体(SCC- MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004)を用い 直接競合ELISA法を行い、SBC3細胞の培養上清 のproNT/NMタンパク濃度を測定した。測定系 は、標識抗原としてビオチン標識proNT/NMN(aa39 ~87)ペプチドを用い、標準抗原としてproNT/NMN(a a8~87)ペプチドを用いた。また、SBC3無血清培 上清(5、12、25、38および50μl)を標識抗原とし てビオチン標識proNT/NMN(aa-1~38)ペプチドと競合 させ濃度を測定した。図4に示すように、全 の抗体において、培養上清の量にともなっ O.D.値が低くなることが明らかとなった。ま 、このような阻害曲線は培養液のみを測定 た結果では得られなかった(図5)。これらの 果から、本測定系により培養上清中のproNT/N Mタンパクを特異的に測定できることが示さ た。

[モノクローナル抗体のエピトープ解析]
 続いて、実施例3の直接競合ELISA法を用い、7 種のモノクローナル抗体のエピトープを解析 した。解析には以下に示す7種のproNT/NMNペプ ドを用いた(図6)。
proNT/NMN(aa-1~38):配列番号2
proNT/NMN(aa26~38):配列番号4
proNT/NMN(aa8~87) :配列番号3
proNT/NMN(aa26~87):配列番号5
proNT/NMN(aa39~87):配列番号6
proNT/NMN(aa47~87):配列番号7
proNT/NMN(aa66~87):配列番号8

 各測定では、一次抗体として0.5μg/mlに希 した各モノクローナル抗体、及び5-1000ng/ml 非標識ペプチドを用いた。また、ビオチン 識抗原として、SCC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-00 3、SCC-MGD-004の検討には20ng/mlのproNT/NMN(aa-1~38) (図7)、SCC-MGD-005、SCC-MGD-006、SCC-MGD-007の検討 は10ng/mlのproNT/NMN(aa39~87)を用いた(図8)。

 図7に、proNT/NMN(aa-1~38)の免疫により作製した 4種類の抗体(SCC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、S CC-MGD-004)の測定結果を、図8に、proNT/NMN(aa8~87) 免疫により作製した3種類の抗体(SCC-MGD-005、 SCC-MGD-006、SCC-MGD-007)の測定結果を示す。図7に 示すように、proNT/NMN(aa-1~38)の免疫により作製 した4種類の抗体は全て、proNT/NMN(aa-1~38)を認 すること、その阻害濃度はほぼ同じである とが明らかとなった。また、SCC-MGD-003のみが proNT/NMN(aa8~87)にも結合を示したが、それ以外 ペプチドに関しては、5種類すべての抗体が 全く認識しないことが明らかとなった。一方 、図8に示すように、proNT/NMN(aa8~87)の免疫によ り作製した3種類の抗体では、3種類全てがproN T/NMN(aa8~87)、proNT/NMN(aa26~87)、proNT/NMN(aa39~87)、pr oNT/NMN(aa47~87)を認識したが、それぞれのペプ ドに対する各抗体の親和性は異なっており
SCC-MGD-005とSCC-MGD-006では、
proNT/NMN(aa47~87)>proNT/NMN(aa8~87)=proNT/NMN(aa39~87)&g t;proNT/NMN(aa26~87)、
SCC-MGD-007は、
proNT/NMN(aa8~87)>proNT/NMN(aa47~87)>proNT/NMN(aa39~87 )>proNT/NMN(aa26~87)であった。
以上の結果から、本発明において作製された 抗proNT/NMNモノクローナル抗体は、異なる性質 を持つことが確認された。

[直接競合ELIZA法(化学発光)]
 基質溶液として、OPD基質溶液に代えてBM Che miluminescenceELISA Substrate(POD)(Roche社製)を用い、 マルチプレートリーダーで96穴プレートの各 ェルの発光を測定する以外は、実施例3と同 様に直接競合ELISA法を行い、標準物質による 準曲線を作成した。すなわち、ELIZA反応後 96穴プレートの各ウェルを洗浄液(0.05%Tween20 含むPBS(-))で4回洗浄し、 Substrate reagent A : Starting reagent B =100:1で混合後、各ウェルに1 00mlずつ分注し、3分間反応させてマルチプレ トリーダーで96穴プレートの各ウェルの発 を測定することにより、標準物質による標 曲線を作成した。抗proNT/NMNモノクローナル 体SCC-MGD-001、SCC-MGD-002、SCC-MGD-003、SCC-MGD-004は すべてproNT/NMN(aa-1~38)ペプチドを標準物質とし た。これらの標準曲線を図9に示す。また、 proNT/NMNモノクローナル抗体SCC-MGD-005(標準物 ;proNT/NMNaa39~87)、SCC-MGD-006(標準物質;proNT/NMNaa8~ 87)、SCC-MGD-007(標準物質;proNT/NMNaa-1~38)の標準曲 線を図10に示す。

 次に、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC-MGD -002及びSCC-MGD-005を用いて、SBC3細胞の培養上 (希釈倍率1~107)中のproNT/NMタンパク濃度を測 した。結果を図11に示す。図11より、SBC3細胞 の無血清培養上清の測定値と標準曲線とが平 行関係にあり、直接競合ELIZA法(化学発光)に り試料中のproNT/NMタンパク濃度を測定できる ことがわかる。そこで、抗proNT/NMNモノクロー ナル抗体SCC-MGD-002及びSCC-MGD-005を用いて、小 胞癌由来細胞株であるSBC1、SBC2、SBC3、SBC5、N CI-H69、及び対照としての大細胞癌由来細胞株 であるNCI-H661、Lu65、Lu99の無血清培養上清中 proNT/NMN免疫活性を測定した。結果を図12に示 す。図12より、SBC1、SBC2、SBC3、特にSBC3の無血 清培養上清中に高いproNT/NMN濃度が測定される ことがわかる。

 また、実施例2に記載されている方法に準 じて、各種肺癌細胞株の各無血清培養上清1ml を濃縮し、電気泳動後、抗proNT/NMNモノクロー ナル抗体SCC-MGD-002を用いてウエスタンブロッ ィングを行った。結果を図13に示す。図13よ り、SBC1、SBC2、SBC3、特にSBC3の無血清培養上 中に高い濃度のproNT/NMNが発現していること わかる。

[小細胞肺癌の診断]
 小細胞肺癌患者の血清50μlを、抗proNT/NMNモ クローナル抗体SCC-MGD-002を用いて、実施例5 直接競合ELIZA法(化学発光)により患者血清中 proNT/NMNタンパクを測定したところ、7pmol/ml proNT/NMNタンパクが検出された。一方、対照 なる健常人の血清中のproNT/NMNペプチドの測 値は有意に低かった。

 本発明の7種類の抗proNT/NMNモノクローナル 抗体は、それぞれ異なる配列への結合能を有 しており、これらの抗体を単独または組み合 わせて使用することにより、高感度で確実な proNT/NMN検出・測定法を確立することができる 。