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Patent Searching and Data


Title:
ANTIBACTERIAL APPLICATOR FOR MAKE-UP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110439
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an antibacterial brush material for make-up with long-lasting antibacterial properties, wherein the loss of the antibacterial agent through washing or the like is prevented by treating a synthetic fiber with a phenol compound and one or more quarternary ammonium salts saelected from among: alkyl ammonium salts, alkyl benzyl ammonium salts, and alkyl pyridinium salts. Further provided is an antibacterial make-up applicator that uses the brush material.

Inventors:
NAKAMURA KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053911
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 03, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NAKAMURA KENJI (JP)
NAKAMURA KOJI (JP)
International Classes:
A46D1/00; A01N33/12; A01N37/10; A01P3/00
Foreign References:
JP2005323953A2005-11-24
JPS4610518B1
JPH10120821A1998-05-12
JPH033226A1991-01-09
JPH03289905A1991-12-19
JPH057510A1993-01-19
JPH105044A1998-01-13
JP2005053973A2005-03-03
JPH04193103A1992-07-13
JP2002223857A2002-08-13
JP2000041730A2000-02-15
Other References:
See also references of EP 2215924A4
Attorney, Agent or Firm:
KODAMA, Yoshihiro et al. (JP)
Yoshihiro Kodama (JP)
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Claims:
 合成繊維に第4級アンモニウム塩とフェノール系化合物とで処理されてなることを特徴とする化粧用抗菌性ブラシ毛材。
 上記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びナイロンから選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧用抗菌性ブラシ毛材。
 上記第4級アンモニウム塩が、アルキルアンモニウム塩及び/又はアルキルベンジルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧用抗菌性ブラシ毛材。
 JIS-L-1042(1972年)に基づく洗濯試験を少なくとも5回以上行った後に、JIS-L-1902(1980年)に基づく抗菌試験により抗菌ハローを示すことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の化粧用抗菌性ブラシ毛材。
 請求項1~4のいずれかに記載の化粧用抗菌性ブラシ毛材を使用されてなることを特徴とする抗菌性化粧料塗布具。
Description:
化粧用抗菌性塗布具

 本発明は、合成繊維の化粧用抗菌性ブラシ 材及び抗菌性化粧料塗布具に関する。
 詳しくは、本発明は、化粧用ブラシ、マス ラ用ブラシ、ウィッグ又は化粧用立毛パフ どの化粧用具等に使用される化粧用抗菌性 ラシ毛材及びそれを使用して製造した前記 菌性化粧料塗布具に関する。

 近年、社会生活等において清潔志向を反映 て、抗菌製品に対する需要が高くあらゆる 品に及んでいる。
 家庭用品の中でも、化粧用具、例えば、化 用ブラシ、マスカラ用ブラシ等のブラシ部 に用いられるブラシ毛材(合成繊維)は、液 又は固体化粧料を保持させた状態で直接、 髪、皮膚等に接して使用されるため、該毛 に皮脂、垢等が付着する。該毛材に皮脂、 等が付着すると、雑菌や微生物が増殖し、 いや黴等が発生し、不衛生になりやすい。 た、衛生用具、例えば歯ブラシ等において 、雑菌や微生物が増殖し、不衛生になりや い。そのため、雑菌や微生物の発生や増殖 防止すべく種々の提案がなされている。

 化粧用具又は衛生用具等に抗菌性を付与す 技術には、大きく見て2つの手段があり、例 えば、1つは合成樹脂材料の素材段階で抗菌 を有する薬剤を保持させてブラシ毛材等の 粧用具に成形させるものである。
 他の1つは、樹脂素材又は獣毛からなるブラ シ毛材又はブラシ部材(例えば、台座、柄部 軸部等)の表面を、抗菌性を有する薬剤の溶 で抗菌処理する技術である。

 前者の技術としては、例えば、芯・鞘か なる2層の毛材の鞘部分に抗菌性の薬剤を含 有させたもの(特許文献1)、ブラシ毛材の中に 各種抗菌性の薬剤を含有させたもの(特許文 2、3)、ブラシ毛材の中に亜鉛系抗菌剤を含 させたもの(特許文献4)又はブラシ毛材の中 チタン、ジルコニウム等の金属イオンを加 た無機系抗菌剤を含有させたもの(特許文献5 )等が提案されている。

 後者の技術としては、例えば、獣毛からな 毛材を第4級窒素を含むアルキルアンモニウ ム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩又は アルキルピリジニウム塩等から選ばれたもの で抗菌処理するもの(特許文献6、7)又はパラ キシ安息香酸のアルキルエステル、パラク ロフェノール、パラクロロメタクレゾール パラクロロメタキシレノール、イソプロピ メチルフェノール等から選ばれたもので抗 処理するもの(特許文献8)等が提案されてい 。

実開平3-3226号公報

特開平3-289905号公報

特開平5-7510号公報

特開平10-5044号公報

特開2005-53973号公報

特開平4-193103号公報

特開2002-223857号公報

特開2000-41730号公報

 上述したように前者の技術においては、 機又は有機性の抗菌剤を合成樹脂材料中に り込みポリマーブレンドとしてブラシ毛材 の化粧用具等に成形する。該ブラシ毛材に 菌性を発揮させるためには、ブラシ毛材の 面部分の抗菌剤濃度を抗菌効果が発揮され 以上に保つ必要がある。そのため、合成樹 材料中に加える抗菌剤の添加量を増量せね ならず、生産コストが上昇するという問題 ある。また、製造工程が煩雑になると共に 抗菌剤が合成樹脂の溶融温度付近で分解し 有害物質が発生することがあるという問題 ある。

 また、後者の技術においては、ブラシ毛材 して獣毛を用いた場合、抗菌性を有する薬 溶液に浸漬するだけで抗菌性が付与される め作業効率は良好である。
 しかし、ブラシ毛材表面に吸着した抗菌剤 、洗濯又は洗浄等で直ぐに流出するため、 洗濯性が低く、抗菌効果が長時間持続しな という問題がある。さらに、ブラシ毛材と て合成樹脂材料を用いた場合には、薬剤溶 に浸漬させるだけでは抗菌性の付与が非常 困難であり、耐洗濯性も低く、抗菌効果が 時間持続しないという問題がある。

 上記実情に鑑み、本発明は、製造工程が 便であり、洗濯等での抗菌剤の喪失が抑制 れ、且つ抗菌性が長期にわたり持続する化 用抗菌性ブラシ毛材及び抗菌性化粧料塗布 を提供することを課題とする。

 上記課題を解決すべく本発明者が、鋭意 討を重ねた結果、所定の薬剤を用いて合成 維に抗菌処理を行うことで、上記課題が解 されることを見出し、本発明を完成するに った。

 すなわち、本発明は、合成繊維に第4級アン モニウム塩とフェノール系化合物とで処理さ れてなることを特徴とする化粧用抗菌性ブラ シ毛材を提供する。
 かかる構成の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、 4級アンモニウム塩とフェノール系化合物と の両薬剤によって含浸などの処理や表面処理 されることで、洗濯による薬剤の流出が抑制 され、長期にわたり抗菌性が持続するという 優れた効果を発揮する。

 本発明では、上記合成繊維が、ポリエチレ テレフタレート、ポリブチレンテレフタレ ト、ポリトリメチレンテレフタレート及び イロンから選ばれた1種又は2種以上である とが好ましい。
 そして、上記合成繊維の処理は、第4級アン モニウム塩とフェノール系化合物とを併用す ることで、合成繊維への抗菌処理が良好に行 われる。

 また、本発明では、第4級アンモニウム塩 が、アルキルアンモニウム塩、アルキルベン ジルアンモニウム塩及びアルキルピリジニウ ム塩から選ばれた1種又は2種以上で抗菌処理 れることが好ましい。さらに本発明におけ 抗菌処理としては、上記抗菌剤を含む溶液 よる浸漬による含浸処理又は表面処理があ 。

 さらに、本発明では、JIS-L-1042に基づく洗濯 試験を少なくとも5回以上行った後に、JIS-L-19 02に基づく抗菌試験により抗菌ハローを示す とが好ましい。
 加えて、本発明では、化粧用抗菌性ブラシ 材を使用して製造した抗菌性化粧料塗布具 提供する。
 本発明では、第4級アンモニウム塩とフェノ ール系化合物とが配合された薬剤で、合成繊 維を抗菌処理することで、含浸処理の場合に は合成繊維表面から内部に向かい各々の抗菌 成分が浸透し易くなると同時に、合成繊維表 面部分における各々の薬剤の濃度が高くなる ことで、より一層、洗濯による薬剤の流出が 抑制され、長期にわたり抗菌性が持続する。

 本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、第4級 アンモニウム塩とフェノール系化合物とが配 合された薬剤で合成繊維を処理することで、 耐洗濯性が向上すると共に、合成繊維に含浸 した上記薬剤が徐々に滲出して長期にわたり 抗菌性が持続するという優れた効果を奏する 。
 また、本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は 簡単な操作で製造できるため製造効率が向 すると共に、製造コストが低減できるとい 効果を奏する。
 そして、この化粧用抗菌性ブラシ毛材を使 して化粧料塗布具を製造することで、優れ 抗菌性を示す化粧料塗布具を提供できると う効果を奏する。

 以下、化粧用抗菌性ブラシ毛材の実施形態 ついて説明する。
 本実施形態の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、 成繊維に第4級アンモニウム塩とフェノール 系化合物との抗菌成分で処理されてなるもの である。

 上記合成繊維としては、ポリエチレンテレ タレート、ポリブチレンテレフタレート、 リトリメチレンテレフタレート及びナイロ から選ばれた1種又は2種以上が好ましい。
 ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ テレフタレート、ポリトリメチレンテレフ レート及びナイロンは、獣毛等に比べて非 に抗菌処理が困難な材質であるが、本実施 態では、第4級アンモニウム塩とフェノール 系化合物との2剤併用型の薬剤により、処理 れることで、耐洗濯性は勿論、抗菌性も長 にわたり持続するものとなる。

 上記第4級アンモニウム塩としては、一般的 な第4級アンモニウム塩を用いることができ が、これらの中でも、アルキルアンモニウ 塩、アルキルベンジルアンモニウム塩やア キルピリジニウム塩が好ましい。
 なお、上述の第4級アンモニウム塩は、単独 で用いることもできるし、2種以上を混合し 用いることもできる。

 上記アルキルアンモニウム塩又はアルキル ンジルアンモニウム塩、及びアルキルピリ ニウム塩は、従来から界面活性剤として多 されているもので、優れた抗菌性を発揮し 自体、防臭性をも有するものである。
 例えば、アルキルアンモニウム塩は、アル ルトリメチルアンモニウム塩やジアルキル メチルアンモニウム塩であり、アルキルベ ジルアンモニウム塩は、アルキルジメチル ンジルアンモニウム塩であり、アルキルピ ジニウム塩は、ピリジン環にアルキル基が 合した塩であり、第4級窒素がプラスイオン を形成し、塩素や臭素などのハロゲン原子が マイナスイオンを形成する塩であって、(R3N+- R)X- で表示される。

 上記アルキルアンモニウム塩としては、例 ば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、 体例としては、塩化トリメチルデシルアン ニウム、塩化トリメチルドデシルアンモニ ム、塩化トリメチルテトラデシルアンモニ ム、塩化トリメチルヘキサデシルアンモニ ム、塩化トリメチルオクタデシルアンモニ ム、臭化トリメチルデシルアンモニウム、 化トリメチルドデシルアンモニウム、臭化 リメチルテトラデシルアンモニウム、臭化 リメチルヘキサデシルアンモニウム、臭化 リメチルオクタデシルアンモニウム等;また 、例えば、塩化ジアルキルジメチルアンモニ ウム、具体例としては、塩化ジメチルジオク チルアンモニウム、塩化ジメチルジデシルア ンモニウム、塩化ジメチルジドデシルアンモ ニウム、塩化ジメチルジテトラデシルアンモ ニウム等が挙げられる。
 また、アルキルベンジルアンモニウム塩の 体例としては、塩化ドデシルジメチルベン ルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチ ベンジルアンモニウム、塩化セチルジメチ ベンジルアンモニウム、塩化オクタデシル メチルベンジルアンモニウム、臭化ドデシ ジメチルベンジルアンモニウム、臭化テト デシルジメチルベンジルアンモニウム、臭 セチルジメチルベンジルアンモニウム、臭 オクタデシルジメチルベンジルアンモニウ 、塩化ヤシアルキルジメチルベンジルアン ニウム等が挙げられる。
 さらに、上記アルキルピリジニウム塩の具 例としては、塩化ラウリルピリジニウム、 化セチルピリジニウム等が挙げられる。

 本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、上 第4級アンモニウム塩が0.1~5.0重量%含浸され いることが好ましい。該含浸量は、処理前 び処理後の素材の絶乾状態での重量増加率 り求めることができる。上記第4級アンモニ ウム塩の処理量が、上記範囲内であれば、長 期にわたり抗菌性が保持される。

 上記フェノール系化合物とは、フェノール 格又はフェノール性水酸基が修飾された骨 を有しているものであればよく、例えば、 ドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸誘 体又はフェノール性水酸基が化学修飾され 構造の化合物も含まれる。
 ヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例え 、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキ シ安息香酸エチル、p-ヒドロキシ安息香酸プ ピル、p-ヒドロキシ安息香酸イソブチル、p- ヒドロキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。 また、フェノール骨格又はフェノール性水酸 基が化学修飾された骨格を有する化合物とし ては、フェノキシエタノール、p-アミノサリ ル酸、チモール、o-クロロチモール、4-クロ ロ-m-クレゾール、p-クロロメタキシレノール ジクロロ-m-キシレノール、クロロヘネシン p-クロロフェノール、o-フェニールフェノー ル、4-クロロ-m-クレゾール、2,2-チオビス(4-ク ロロフェノール)、フェンテイクロール、ヘ サクロロヘン、クロスアミド等が挙げられ 。なお、これらのフェノール系化合物は、 独で用いてもよく、2種以上を混合して用い こともできる。
 これらの化合物は固溶体となりやすい性質 持ち、例えば合成繊維を処理したときには 合成繊維を膨潤させ易く、繊維自体の含浸 が大きく、第4級アンモニウム塩を多く含浸 させる働きをするものと推定される。

 本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、上 フェノール系化合物が0.1~5.0重量%存在して ることが好ましい。含浸の場合の含浸量は 処理前及び処理後の素材の絶乾状態での重 増加率より求めることができる。上記フェ ール系化合物の含浸量が、上記範囲内であ ば、長期にわたり抗菌性が保持される。

 本実施形態においては、上記第4級アンモニ ウム塩と上記フェノール系化合物とが組み合 わされた2剤を併用して抗菌処理に用いられ 点に特徴がある。
 例えば、浴中で含浸させる場合では、上記 4級アンモニウム塩の配合量としては、0.1o.w .s%~2.0o.w.s%が好ましく、0.3o.w.s%~0.5o.w.s%がより ましい。フェノール系化合物の配合量とし は、0.01o.w.s%~0.5o.w.s%が好ましく、0.05o.w.s%~0.2 o.w.s%がより好ましい。
 ここで、「o.w.s%」とは、使用する溶媒に対 る薬剤の濃度である。例えば、1o.w.s%とは、 溶媒として水を1kg使用した場合、薬剤を10g使 用することを意味する。
 また、例えば、蒸気加熱によって含浸させ 場合は、上記第4級アンモニウム塩が5.0o.w.s% ~20.0o.w.s%、フェノール系化合物が、0.5o.w.s%~10. 0o.w.s%程度の配合量が好ましい。
 上記薬剤の配合量が、上記の範囲内であれ 、抗菌性が長期にわたり持続し、耐洗濯性 の性能に優れる化粧用抗菌性ブラシ毛材が られる。

 第4級アンモニウム塩とフェノール系化合 物との2剤を併用することによって、通常、 菌処理が困難なポリエチレンテレフタレー 、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリ チレンテレフタレート及びナイロン等を素 とする合成繊維の抗菌処理において、抗菌 が長期にわたり持続し、耐洗濯性も優れる いう優れた効果を奏する。

 一般的に、ポリエチレンテレフタレート、 リブチレンテレフタレート、ポリトリメチ ンテレフタレート及びナイロン等を素材と る合成繊維を溶液系で、抗菌剤としての第4 級アンモニウム塩に作用させた場合、上記合 成繊維の表面に第4級アンモニウム塩が付着 るだけで、1回の洗濯でも上記第4級アンモニ ウム塩が流出して抗菌性が著しく低下する。 これは、第4級アンモニウム塩が合成繊維の 面に単に付着しているだけで、繊維の内部 まで浸透していないため、抗菌性がすぐに 下するものと推定される。
 なお、上述のメカニズムはあくまでも推定 あり、当該メカニズムに限定されるもので ない。

 本実施形態においては、第4級アンモニウム 塩とフェノール系化合物との2剤が併用され 薬剤を用いることで、合成繊維の表面に付 するだけでなく、上記第4級アンモニウム塩 上記フェノール系化合物とを混合使用した とにより、上記2剤が、合成繊維の内部に浸 透し、耐洗濯性に優れ、且つ長期にわたり抗 菌性が維持するものと推定される。
 なお、長期に抗菌性が持続するのは、合成 維内部に浸透した薬剤が徐々に表面に滲出 て、抗菌性を発揮するものと推定される。
 なお、上述のメカニズムはあくまでも推定 あるが、洗濯耐久性が優れていることは実 されており、当該メカニズムに限定される のではない。

 上述の耐洗濯性及び長期にわたる抗菌性は JIS-L-1042に基づく洗濯試験を少なくとも5回 上行った後に、JIS-L-1902に基づく抗菌試験に り抗菌ハローを示すことで実証されるもの ある。通常、獣毛は、第4級アンモニウム塩 で抗菌処理することより持続性のある抗菌効 果を付与することができるが、合成繊維を同 様に第4級アンモニウム塩で抗菌処理した場 、1回の洗濯試験で、ほぼ、抗菌ハローが消 してしまう。それに対して、本実施形態は 合成繊維に抗菌処理して5回の洗濯試験後で も3mm以上の抗菌ハローを示すものであり、こ れは、第4級アンモニウム塩とフェノール系 合物との2剤併用による効果である。
 ここで、JIS-L-1042に基づく洗濯試験とは、試 験品を40℃の中性洗剤溶液0.5重量%溶液(なお 「0.5重量%溶液」は「5o.w..s.%」に相当)に30分 浸漬させ、手揉みで100回洗濯を行うことを い、これを1回の試験とする。よって、5回 洗濯試験とは、合計して手揉みで500回洗濯 ていることになる。
 また、JIS-L-1902に基づく抗菌ハロー試験とは 、洗濯した試験品をグラム陽性細菌(Staphylococ cus aureus)を含む寒天培地上に載置して保持す る試験である。

 本実施形態の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、 成繊維と、溶媒として使用する水とを所定 比となるように調整し、加温し、第4級アン モニウム塩とフェノール系化合物とを所定濃 度加え溶解させて、次いで、反応液を酸性に 調整して一定時間維持して抗菌処理を行い、 その後、水洗し、乾燥させることで製造する ことができる。
 また、第4級アンモニウム塩とフェノール系 化合物とを高い濃度に溶解した薬液に合成繊 維を常温で浸漬し一定の絞り率となるように 絞り、湿熱蒸気で蒸熱して抗菌処理を行うこ ともできる。

 まず、第4級アンモニウム塩とフェノール 系化合物とが配合された薬液中で合成繊維を 加温し、該合成繊維に抗菌処理をする化粧用 抗菌性ブラシ毛材の製造方法について説明す る。

 本実施形態において、カチオン染料での 色と同様、溶媒として水が使用される。溶 として水を使用することで、有機溶媒を用 る場合に比べて安全性が格段に向上すると に、製造コストも大幅に低減させることも きる。

 合成繊維を浴中で抗菌処理させる場合、水 の浴比は、1:5~1:25が好ましく、1:10~1:20がよ 好ましい。浴比が、上記範囲内であれば、 成繊維表面から内部に向かい抗菌剤が浸透 吸着され易くなる。
 なお、「浴比」とは、ブラシ毛材1kgに対し 使用する水の量(kg)のことを意味し、例えば 、浴比が1:15とは、ブラシ毛材1kgに対して水15 kgを用いることを意味する。

 上記反応液を酸性に調整する際に用いられ 薬剤として、無機酸又は有機酸を用いるこ ができる。無機酸としては、例えば、塩酸 硫酸等が挙げられる。また、有機酸として 、酢酸、蟻酸等が挙げられる。
 上記無機酸又は上記有機酸の使用量が、上 の様な範囲内にあれば、抗菌剤であるカチ ン活性剤の酸析効果により、上記成分が合 繊維に吸着され易くなると推定される。

 溶液中で抗菌処理する際の反応温度として 、90℃~110℃が好ましい。また、溶液中での 菌処理時間としては、1時間以上が好ましい 。また、反応条件としては、常圧下又は加圧 下でもよい。
 本実施形態においては、非常に短時間で抗 処理が終了するため、製造効率が高くなり また製造コストも低減できるという効果を する。

 抗菌処理終了後は、薬剤を含浸させた合 繊維を水洗し、乾燥させることで本発明の 粧用抗菌性ブラシ毛材が得られる。本実施 態の製造方法では、各工程中で有機溶媒を いておらず、安全性が高く、また、抗菌処 後の後処理も容易である。

 次に、第4級アンモニウム塩とフェノール 系化合物とが配合された薬液中に合成繊維を 浸漬し、一定の絞り率で当該合成繊維を絞り 、絞った合成繊維を蒸気加熱することで抗菌 処理をする化粧用抗菌性ブラシ毛材の製造方 法について説明する。

 蒸熱により薬剤を含浸させる場合は、合 繊維を高い濃度の薬液(第4級アンモニウム の場合5.0o.w.s%~20.0o.w.s%、フェノール系化合物 の場合0.5o.w.s%~10.0o.w.s%程度)に浸漬し、その後 、一旦、合成繊維を所定の絞り率で絞り、絞 った合成繊維を蒸熱機の中に入れて蒸熱する ものであり、薬液の使用量は10分の1程度とな り、薬液のロスを少なくすることが可能とな る。

 上記絞り率としては、50%~150%が好ましい また、蒸熱により薬剤を含浸させるには加 下が好ましく、120℃以下で1時間程度が好ま い。ここで、絞り率とは、乾燥状態で自重1 00gの合成繊維に100gの薬液が含浸された状態 絞り率100%という。

 本実施形態の化粧用抗菌性ブラシ毛材は 抗菌性化粧料塗布具として、主に化粧用ブ シ、マスカラ用ブラシ又はウイッグ、化粧 立毛パフ等に用いられる。本実施形態の化 用抗菌性ブラシ毛材は、また抗菌性衛生用 として、歯ブラシ、歯間ブラシ等に用いら る。本実施形態の化粧用抗菌性ブラシ毛材 上記のような抗菌性化粧料塗布具、抗菌性 生用具等に用いると、耐洗濯性の優れるこ から抗菌性が長期間持続し、衛生的である

 本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は、第4級 アンモニウム塩とフェノール系化合物との2 が併用された薬剤が合成繊維に作用するこ で、フェノール系化合物が合成繊維を膨潤 せることにより、合成繊維内部にフェノー 系化合物と第4級アンモニウム塩の抗菌剤を 着させることを可能にし、吸着材料のブリ ド(移動)作用により、抗菌剤が徐々に繊維 部から繊維外部へ出るため、長期にわたり 菌性を持続し、耐洗濯性も優れるという効 を奏する。
 また、本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は 抗菌性を有する薬剤溶液に浸漬するという 単な操作で製造できるため製造効率が向上 ると共に、製造コストが低減できるという 果を生じる。
 さらに、従来、抗菌処理が困難であったポ エチレンテレフタレート、ポリブチレンテ フタレート、ポリトリメチレンテレフタレ ト及びナイロン等を素材とする合成繊維に 易に抗菌処理ができるという効果を生じる
 なお、本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材は 獣毛と混合して抗菌処理を行っても全く問 はなく、このようにして得られたブラシ毛 を使用して、抗菌性化粧料塗布具を製造し もよい。

 以下、本発明の化粧用抗菌性ブラシ毛材 ついて実施例に基づき説明するが、本発明 実施例に限定されるものではない。

(JIS-L-1042(1972年)に基づく洗濯試験方法)
 試験品を40℃の中性洗剤溶液(0.5重量%溶液) 30分間浸漬させ、手揉みで洗濯を行う試験を 1回の洗濯試験とし、これを100回行う。
(JIS-L-1902(1980年)に基づくハロー幅の測定試験)
 ブラシ毛材として使用する合成繊維のフィ メントを、38×26mmのスライドガラスの中央 に28mmの幅で一重に巻きつけ、試験体とした
 一方、グラム陽性細菌(Staphylococcus aureus)の 液1ミリリットルと、約45℃に保温した寒天 地15ミリリットルをシャーレ内で混合した ち、室温下で凝固させた。余分な水分は倒 状態で気乾させた。
 この培地の表面に、上記試験体を密着させ 倒立状態で37℃、24時間又は48時間培養した かかる培養試験後、試験体の周囲にできた ロー幅を計測し、ハロー幅(W)を次式で求め 。
 W=(T-D)/2 
 (ここに、T:試験片の長さとハロー幅の合計 D:試験片の長さ)

(実施例1)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.07mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、ドデシ トリメチルアンモニウムクロライド(日本油 脂製、商品名:カチオンBB)を0.5o.w.s%及びフェ ール系化合物(クラリアントジャパン製、商 名:フェノニップ)0.1o.w.s%を溶解し、酢酸酸 になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添加して、9 2℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。
 得られた化粧用ブラシは、JIS-L-1902に準拠し たグラム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハ ロー幅の測定を行ない、その結果、12mm以上 ハロー幅が測定された。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、4mmのハロー幅が測定 された。
 なお、本実施例で用いた上記「フェノニッ 」は、フェノキシエタノールとパラベン類 の混合系抗菌剤であり、組成はフェノキシ タノール:70~75重量%、p-ヒドロキシ安息香酸 チル(メチルパラベン):14.5~16.5重量%、p-ヒド キシ安息香酸エチル(エチルパラベン):3.5~4.3 重量%、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル(プロ ルパラベン):1.7~2.3重量%、p-ヒドロキシ安息 酸ブチル(ブチルパラベン):3.7~4.3重量%、p-ヒ ロキシ安息香酸イソブチル(イソブチルパラ ベン):1.7~2.3重量%である。

(実施例2)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(2dTex,36fillament)繊維で3mmパイルのビロー ドと、溶媒として水とを使用し、浴比が1:25 なるように調整し、該水中に上記ビロード を浸漬させて加温し、次いで、ラウリルジ チルベンジルアンモニウムクロライド(花王 、商品名:サニゾールC)を1.0o.w.s%及びp-ヒド キシ安息香酸メチル(岩崎コスファ製、商品 :メチルパラベン)0.3o.w.s%を溶解し、酢酸酸 になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添加して、9 3℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ビロード地を水洗し 乾燥させて抗菌性ビロード地を得た。上記 菌性ビロード地を用いて化粧用パフを作成 た。該化粧用パフは、JIS-L-1902に準拠して、 グラム陽性細菌(Staphylococcus Aureus)によりハロ ー幅の測定を行ったところ、8mm以上のハロー 幅が測定された。
 次いで、上記のビロード地を上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行った。
 その結果、4mmのハロー幅が測定された。

(実施例3)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.07mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、ラウリ ジメチルベンジルアンモニウムクロライド( 花王製、商品名:サニゾールC)を0.7o.w.s%及びp- ミノサリチル酸(試薬特級)0.1o.w.s%を溶解し 酢酸酸性になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添 して、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行った。その結果 、8mm以上のハロー幅が測定された。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、4mmのハロー幅が測定 された。

(実施例4)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(0.07mm直径)繊維と、溶媒として水とを 用し、浴比が1:15となるように調整し、該水 に上記ポリトリメチレンテレフタレート繊 を浸漬させて加温し、次いで、ドデシルト メチルアンモニウムクロライド(日本油脂製 、商品名:カチオンBB)を0.5o.w.s%及びフェノー 系化合物(クラリアントジャパン製、商品名: フェノニップ)0.1o.w.s%を溶解し、酢酸酸性に るように無水酢酸を0.05o.w.s%添加して、92℃ 60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリトリメチレンテ フタレート繊維を水洗し、乾燥させて抗菌 ポリトリメチレンテレフタレート繊維を得 。上記抗菌性ポリトリメチレンテレフタレ ト繊維を用いて化粧用ブラシを作成した。
 得られた化粧用ブラシは、JIS-L-1902に準拠し たグラム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハ ロー幅の測定を行ない、その結果、10mm以上 ハロー幅が測定された。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、5mmのハロー幅が測定 された。

(実施例5)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(0.07mm直径)繊維と、溶媒として水とを 用し、浴比が1:25となるように調整し、該水 に上記ポリトリメチレンテレフタレート繊 を浸漬させて加温し、次いで、ラウリルジ チルベンジルアンモニウムクロライド(花王 製、商品名:サニゾールC)を1.0o.w.s%及びフェノ ール系化合物(クラリアントジャパン製、商 名:フェノニップ)0.1o.w.s%を溶解し、酢酸酸性 になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添加して、93 ℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリトリメチレンテ フタレート繊維を水洗し、乾燥させて抗菌 ポリトリメチレンテレフタレート繊維を得 。上記抗菌性ポリトリメチレンテレフタレ ト繊維を用いて化粧用ブラシを作成した。
 得られた化粧用ブラシは、JIS-L-1902に準拠し て、グラム陽性細菌(Staphylococcus Aureus)により ハロー幅の測定を行ったところ、8mm以上のハ ロー幅が測定された。
 次いで、上記のビロード地を上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行った。その結果、4mmのハロー幅が測 定された。

(実施例6)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (2dTex,36fillament)繊維で3mmパイルのビロードを 、溶媒として水に、ドデシルジメチルアンモ ニウムクロライド(日本油脂製、商品名:カチ ンBB)15o.w.s%及びフェノール系化合物(クラリ ントジャパン製、商品名:フェノニップ)2o.w. s%を溶解し、酢酸酸性になるように無水酢酸 0.5o.w.s%添加して、溶液に浸漬後100%絞りにな るようにゴムロールのマングルで絞り、次に 110℃で60分間 蒸熱処理を行って抗菌処理を た。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートのビロードを水洗し、乾燥させて抗 性のビロード織物とした。上記抗菌性ビロ ド織物を用いて化粧用立毛パフを縫製した 該化粧用パフは、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、8mm以上のハロー幅が 測定された。
 次いで、上記の化粧用パフを上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行った。
 その結果、3mm以上のハロー幅が測定された

(実施例7)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー 繊維のテーパードブリッスル(0.07mm直径)を ドデシルジメチルアンモニウムクロライド( 本油脂製、商品名:カチオンBB)を15o.w.s%及び ェノール系化合物(クラリアントジャパン製 、商品名:フェノニップ)2o.w.s%を溶解し、酢酸 酸性になるように無水酢酸を0.5o.w.s%添加して 、溶液に浸漬後、遠心脱水機にセットし絞り 率100%となるように20秒間稼動し、取り出した 後、蒸熱機中にセットし、次に110℃で60分間 蒸熱処理を行って抗菌処理をした。抗菌処 終了後、このブリッスルを水洗し、乾燥さ て抗菌性のブリッスルとした。このブリッ ルを用いて化粧用パウダーブラシを製造し 。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902に準拠して、 ラム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロ 幅の測定を行った。
 その結果、このブラシは8mm以上のハロー幅 測定された。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、3mm以上のハロー幅が 測定された。

(実施例8)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(0.07mm直径)繊維を、ドデシルジメチル ンモニウムクロライド(日本油脂製、商品名: カチオンBB)を15o.w.s%及びp-クロロメタキシレ ール(クラリアント製)2o.w.s%を溶解し、酢酸 性になるように無水酢酸を0.5o.w.s%添加して 溶液に浸漬後、遠心脱水機にセットし絞り 100%となるように20秒間稼動し、取り出した 、蒸熱機中にセットし、次に110℃で60分間  熱処理を行って抗菌処理をした。抗菌処理 了後、このブリッスルを水洗し、乾燥させ 抗菌性のブリッスルとした。このブリッス を用いて化粧用ブラシを製造した。該化粧 ブラシは、JIS-L-1902に準拠して、グラム陽性 細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の測定 を行った。
 その結果、このブラシは8mm以上のハロー幅 測定された。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、3mm以上のハロー幅が 測定された。

(比較例1)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.10mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、ラウリ ジメチルベンジルアンモニウムクロライド( 花王製、商品名:サニゾールC)を0.7o.w.s%を溶解 し、酢酸酸性になるように無水酢酸を0.05o.w.s %添加して、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、8mm 以上のハロー幅であった。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(合計500回) た後、JIS-L-1902に準拠して、グラム陽性細菌 (Staphylococcus aureus)によりハロー幅の測定を行 ったところ、抗菌ハローは喪失していた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下した、すなわち、抗菌剤の付着が耐 濯性のないことが判明した。

(比較例2)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.10mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、ドデシ トリメチルベンジルアンモニウムクロライ (日本油脂製、商品名:カチオンBB)を0.7o.w.s% 溶解し、酢酸酸性になるように無水酢酸を0. 05o.w.s%添加して、110℃で60分間抗菌処理を行 た。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、8mm 以上のハロー幅であった。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失し ていた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下したことが確認できた。

(比較例3)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.10mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、塩化ヘ サデシルトリメチルアンモニウム(花王製、 商品名:コータミン60W)を0.7o.w.s%を溶解し、酢 酸性になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添加し て、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、8mm 以上のハロー幅であった。
 次に、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失して いた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下したことが確認できた。

(比較例4)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(0.07mm直径)繊維と、溶媒として水とを 用し、浴比が1:15となるように調整し、該水 に上記ポリトリメチレンテレフタレートを 漬させて加温し、次いで、ラウリルジメチ ベンジルアンモニウムクロライド(花王製、 商品名:サニゾールC)を0.7o.w.s%を溶解し、酢酸 酸性になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添加し 、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリトリメチレンテ フタレートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポ トリメチレンテレフタレートを得た。上記 菌性ポリトリメチレンテレフタレートを用 て化粧用ブラシを作成した。該化粧用ブラ は、JIS-L-1902に準拠して、グラム陽性細菌(St aphylococcus aureus)によりハロー幅の測定を行っ たところ、8mm以上のハロー幅であった。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失し ていた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下した、すなわち、抗菌剤の付着が耐 濯性のないことが判明した。

(比較例5)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(0.07mm直径)繊維と、溶媒として水とを 用し、浴比が1:15となるように調整し、該水 に上記ポリトリメチレンテレフタレートを 漬させて加温し、次いで、ドデシルトリメ ルベンジルアンモニウムクロライド(日本油 脂製、商品名:カチオンBB)を0.7o.w.s%を溶解し 酢酸酸性になるように無水酢酸を0.05o.w.s%添 して、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリトリメチレンテ フタレートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポ トリメチレンテレフタレートを得た。上記 菌性ポリトリメチレンテレフタレートを用 て化粧用ブラシを作成した。該化粧用ブラ は、JIS-L-1902に準拠して、グラム陽性細菌(St aphylococcus aureus)によりハロー幅の測定を行っ たところ、8mm以上のハロー幅であった。
 次いで、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試 に準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数 合計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラ ム陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅 の測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失し ていた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下したことが確認できた。

(比較例6)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.10mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、フェノ ル系化合物(クラリアントジャパン製、商品 名:フェノニップ)2o.w.s%を溶解し、110℃で60分 抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、7.0 mm以上のハロー幅であった。
 次に、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失して いた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下した、すなわち、抗菌剤の付着が耐 濯性のないことが判明した。

(比較例7)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(2dTex,36fillament)繊維で3mmパイルのビロー ドを、溶媒として水を使用し、浴比が1:15と るように調整し、該水中に上記ポリトリメ レンテレフタレートを浸漬させて加温し、 いで、フェノール系化合物(クラリアントジ パン製、商品名:フェノニップ)2o.w.s%を溶解 、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、8mm 以上のハロー幅であった。
 次に、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失して いた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下した、すなわち、抗菌剤の付着が耐 濯性のないことが判明した。

(比較例8)
 合成繊維としてポリブチレンテレフタレー (直径0.10mmテーパードブリッスル)と、溶媒 して水とを使用し、浴比が1:15となるように 整し、該水中に上記ポリブチレンテレフタ ートを浸漬させて加温し、次いで、フェノ ル系化合物として、p-クロロメタキシノー (クラリアント製)2o.w.s%を溶解し、110℃で60分 間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、7.0 mm以上のハロー幅であった。
 次に、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失して いた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下した、すなわち、抗菌剤の付着が耐 濯性のないことが判明した。

(比較例9)
 合成繊維としてポリトリメチレンテレフタ ート(2dTex,36fillament)繊維で3mmパイルのビロー ドを、溶媒として水を使用し、浴比が1:15と るように調整し、該水中に上記ポリトリメ レンテレフタレートを浸漬させて加温し、 いで、p-ヒドロキシ安息香酸メチル(和光純 工業製、商品名:メチルパラベン)2o.w.s%を溶 し、110℃で60分間抗菌処理を行った。
 抗菌処理終了後、上記ポリブチレンテレフ レートを水洗し、乾燥させて抗菌性ポリブ レンテレフタレートを得た。上記抗菌性ポ ブチレンテレフタレートを用いて化粧用ブ シを作成した。該化粧用ブラシは、JIS-L-1902 に準拠して、グラム陽性細菌(Staphylococcus aure us)によりハロー幅の測定を行ったところ、8mm 以上のハロー幅であった。
 次に、上記の化粧用ブラシを上記洗濯試験 準じた手揉み100回の洗濯を5回(洗濯回数は 計500回)した後、JIS-L-1902に準拠して、グラム 陽性細菌(Staphylococcus aureus)によりハロー幅の 測定を行ったところ、抗菌ハローは喪失して いた。
 これにより、洗濯前と比較して抗菌性が大 く低下した、すなわち、抗菌剤の付着が耐 濯性のないことが判明した。

(実施例・比較例の総括)
 合成繊維のブラシ毛材の処理剤として、第4 級アンモニウム塩とフェノール系化合物を併 用した処理(実施例1~8)と、第4級アンモニウム 塩単独処理(比較例1~5)又はフェノール系化合 単独処理(比較例6~9)とを対比すると、単独 用の場合は処理直後におけるハロー効果は 用処理と変わらないが、経時的な抗菌効果 おいて大きな差異があり、併用効果の大き ことは明らかである。