Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ANTIFOULING COATING MATERIAL COMPOSITION AND ANTIFOULING LAMINATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084356
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are an antifouling coating material composition, which can form a layer (film) having excellent water repellency and excellent antifouling properties, for example, against fatty staining, as well as against the adherence of dust, and an antifouling laminate that can satisfactorily suppress the adherence of dust and powder dust, is cost effective, and has excellent practicality. The antifouling coating material composition comprises an antistatic agent comprising a salt of an anion with a cation, a hydroxyl group-containing fluororesin, a hydroxyl group-containing silicone-modified acrylic resin, and an organic solvent. The antifouling laminate is an antifouling laminate (11) comprising a base layer (5), antistatic layers (1, 2) stacked on at least one of obverse and reverse surfaces of the base layer (5). The antistatic layers (1, 2) comprise an antistatic agent comprising a salt of an anion with a cation.

Inventors:
SAKAI YASUHIRO (JP)
MAKIGANO YUJI (JP)
TASHIRO RENDEN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071738
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SAKAI SILK SCREEN CO LTD (JP)
SAKAI YASUHIRO (JP)
MAKIGANO YUJI (JP)
TASHIRO RENDEN (JP)
International Classes:
C09D127/12; B05D5/00; B32B27/18; B32B27/30; C08J7/043; C08J7/044; C09D5/16; C09D7/12; C09D143/04; C09D175/04; C09K3/16
Foreign References:
JPH05239299A1993-09-17
JPH06322313A1994-11-22
JP2003246961A2003-09-05
JP2003306632A2003-10-31
JP2007011317A2007-01-18
JPH026549A1990-01-10
JPH11323241A1999-11-26
JP2008156452A2008-07-10
Attorney, Agent or Firm:
SHIRASAKI, Shinji et al. (29-21 Takadanobaba 1-chome,Shinjuku-ku, Tokyo 75, JP)
Download PDF:
Claims:
 陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、有機溶剤とを含有する防汚用塗料組成物。
 前記陰イオンが、酢酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
 前記陽イオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1記載の防汚用塗料組成物。
 前記陰イオンが、フッ素基を有する請求項1又は2に記載の防汚用塗料組成物。
 前記陽イオンが、ピリジニウムイオン又はイミダゾリウムイオンであり、
 前記ピリジニウムイオンが下記一般式(1)で表され、前記イミダゾリウムイオンが下記一般式(2)で表される請求項1記載の防汚用塗料組成物。
[式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい有機基を示す。]
 前記フッ素系樹脂100質量部に対して、前記帯電防止剤が0.1~15質量部、前記シリコーン変性アクリル樹脂が1~30質量部、有機溶剤が100~300質量部、含まれている請求項1記載の防汚用塗料組成物。
 架橋剤を付与することにより、前記フッ素系樹脂と前記シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で前記架橋剤と結合し、硬化するものである請求項1記載の防汚用塗料組成物。
 前記架橋剤がイソシアネート系架橋剤であり、
 前記フッ素系樹脂と前記シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で前記イソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結合を形成する請求項6記載の防汚用塗料組成物。
 請求項1~5のいずれか一項に記載の防汚用塗料組成物と、架橋剤とを付与することにより、防汚性を有する層が形成されている防汚積層体。
 ベース層と、
 該ベース層の表面及び裏面の少なくも一方に積層された帯電防止層と、
を備え、
 前記ベース層が、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、スチロール、ポリウレタン、アクリル又はポリカーボネートからなり、
 前記帯電防止層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体。
 ベース層と、
 該ベース層の表面及び裏面の少なくも一方に積層された帯電防止層と、
を備え、
 前記ベース層が、アルミ板、鉄板又は鋼板からなり、
 前記帯電防止層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体。
 前記ベース層の表面に第1帯電防止層が積層されており、
 該第1帯電防止層が、前記帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、からなる請求項9又は10に記載の防汚積層体。
 前記ベース層の裏面に第2帯電防止層が積層されており、
 該第2帯電防止層が、前記帯電防止剤と、粘着剤と、からなる請求項9~11のいずれか一項に記載の防汚積層体。
 前記ベース層と、前記第2帯電防止層との間に、画像層を有する請求項12記載の防汚積層体。
 前記陰イオンが、酢酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
 前記陽イオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項9又は10に記載の防汚積層体。
 前記陰イオンが、フッ素基を有する請求項9又は10に記載の防汚積層体。
 前記陽イオンが、ピリジニウムイオン又はイミダゾリウムイオンであり、
 前記ピリジニウムイオンが下記一般式(1)で表される構造を有し、前記イミダゾリウムイオンが下記一般式(2)で表される構造を有する請求項9又は10に記載の防汚積層体。
[式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい有機基を示す。]
 前記帯電防止層全量に対して、前記帯電防止剤が0.3~15質量%含まれている請求項9又は10に記載の防汚積層体。
 前記第1帯電防止層において、前記フッ素系樹脂と前記シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で前記架橋剤と結合し硬化されたものである請求項11記載の防汚積層体。
 前記架橋剤がイソシアネート系架橋剤であり、
 前記フッ素系樹脂と前記シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で前記イソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結合を形成されたものである請求項18記載の防汚積層体。
Description:
防汚用塗料組成物及び防汚積層

 本発明は、防汚用塗料組成物及び防汚積 体に関する。

 金属板、フィルム又は木材等の基体に防 性を付与するための塗料組成物が知られて る。かかる塗料組成物としては、一般に、 ッ素系樹脂が含まれているものが知られて る。

 例えば、所定の構造を有する含フッ素共 合体および硬化剤が含まれる塗料用組成物( 例えば、特許文献1参照)、所定の構造を有す 含フッ素共重合体を有機溶剤に溶解した防 性フッ素樹脂塗料用組成物(例えば、特許文 献2又は3参照)、熱解離性含フッ素保護基を有 する汚染付着防止剤と、架橋性官能基含有塗 料用樹脂と、硬化剤および/または硬化触媒 からなる塗料用組成物(例えば、特許文献4参 照)、末端がフルオロアルキル化されている 水性ポリエーテル基を有している防汚染付 剤を含む塗料用組成物(例えば、特許文献5参 照)、含フッ素単量体を含む熱架橋性塗料用 脂組成物(例えば、特許文献6参照)、官能基 有合成樹脂、および官能基含有液状ポリジ ルキルシロキサンまたは官能基含有液状フ オロポリエーテルである防汚成分、を含む 料組成物(例えば、特許文献7参照)等が知ら ている。

 一方、看板、信号、掲示板等、屋外に長期 設置される表示板がある。このような表示 は、長期間設置されるので、埃、粉塵等が 着する。そうすると、表示板に記載された 字や色が認識しにくくなるという問題があ 。
 特に、この問題は、排気ガスが多い駅のホ ムやトンネル内に表示板が設置される場合 顕著である。

 ところで、表示板の表面に貼り付け、表示 の表面を保護する防汚積層体が研究されて る。
 例えば、フッ素樹脂フィルムの片面に帯電 止層を設け、防汚性を改良した積層フッ素 脂フィルムが知られている(例えば、特許文 献8参照)。
 また、基材と、非架橋酸素酸化物を含むシ カゲル構造からなる表層部と、からなるト ネル用内装材が知られている(例えば、特許 文献9参照)。
 さらに、基材の一方の面にプライマー層、 び金属酸化物粒子とシラン化合物の硬化体 からなるハードコート層を積層したハード ートフィルムが知られている(例えば、特許 文献10参照)。

特開平5-17535号公報

特開平6-264020号公報

特開平6-248222号公報

特開平8-337771号公報

特開平9-302328号公報

特開平10-195373号公報

国際公開第2004/067658号パンフレット

特開平9-48096号公報

特開2000-291390号公報

特開2003-25478号公報

 しかしながら、上記特許文献1~7に記載の塗 組成物は、撥水性や脂汚れ等に対する防汚 については一応の効果が認められるものの 埃の付着に対しては防汚性が十分とはいえ い。
 例えば、道路脇に配置された標識等に上記 料組成物を塗布しても、短期間で排気ガス より黒ずんでくる傾向がある。
 このため、上記塗料組成物を付与した防汚 層体は、定期的に洗浄を行う必要がある。

 一方、上記特許文献8記載の積層フッ素樹脂 フィルムは、フッ素樹脂フィルムを用いてい るので、高価であり、実用性に劣る。
 また、上記特許文献9記載のトンネル用内装 材、及び、上記特許文献10記載のハードコー フィルムは、埃、粉塵等の付着を必ずしも 分に抑制できない。

 本発明は上記事情に鑑みてなされたもの あり、撥水性や脂汚れ等に対する防汚性に えて、埃の付着に対する防汚性にも優れる (膜)を形成可能な防汚用塗料組成物、及び 埃、粉塵の付着を十分に抑制でき、安価で 用性に優れる防汚積層体を提供することを 的とする。

 本発明者等は、上記課題を解決するため鋭 検討したところ、埃、粉塵が付着するのは 静電気によるものではないかと考えた。そ て、静電気の発生を抑制させるため、陰イ ンと陽イオンとの塩を含有させたところ、 記課題を解決できることを見出し、本発明 完成させるに至った。
 また、所定のベース層に積層された帯電防 層に陰イオンと陽イオンとの塩を含有させ ところ、上記課題を解決できることを見出 、本発明を完成させるに至った。

 すなわち、本発明は、(1)陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤と、水酸基を するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリ ーン変性アクリル樹脂と、有機溶剤とを含 する防汚用塗料組成物に存する。

 本発明は、(2)陰イオンが、酢酸イオン、 塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオ 、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メ ド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群 り選ばれる少なくとも一つであり、陽イオ が、アンモニウムイオン、ピリジニウムイ ン及びイミダゾリウムイオンからなる群よ 選ばれる少なくとも一つである上記(1)記載 防汚用塗料組成物に存する。

 本発明は、(3)陰イオンが、フッ素基を有 る上記(1)又は(2)に記載の防汚用塗料組成物 存する。

 本発明は、(4)陽イオンが、ピリジニウムイ ン又はイミダゾリウムイオンであり、ピリ ニウムイオンが下記一般式(1)で表され、イ ダゾリウムイオンが下記一般式(2)で表され 上記(1)記載の防汚用塗料組成物に存する。
[式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞ れ独立に水素原子又は置換基を有していても よい有機基を示す。]

 本発明は、(5)フッ素系樹脂100質量部に対 て、帯電防止剤が0.1~15質量部、シリコーン 性アクリル樹脂が1~30質量部、有機溶剤が100 ~300質量部、含まれている上記(1)記載の防汚 塗料組成物に存する。

 本発明は、(6)架橋剤を付与することによ 、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル 脂とが互いの水酸基の部分で架橋剤と結合 、硬化するものである上記(1)記載の防汚用 料組成物に存する。

 本発明は、(7)架橋剤がイソシアネート系 橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン変 アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分でイ シアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結 を形成する上記(6)記載の防汚用塗料組成物 存する。

 本発明は、(8)上記(1)~(5)のいずれか一つに 記載の防汚用塗料組成物と、架橋剤とを付与 することにより、防汚性を有する層が形成さ れている防汚積層体に存する。

 本発明は、(9)ベース層と、該ベース層の 面及び裏面の少なくも一方に積層された帯 防止層と、を備え、ベース層が、ポリエチ ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ ロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ アルコール、ポリエステル、ナイロン、ポ 塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ チレン、スチロール、ポリウレタン、アク ル又はポリカーボネートからなり、帯電防 層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる 電防止剤を含む防汚積層体に存する。

 本発明は、(10)ベース層と、該ベース層の 表面及び裏面の少なくも一方に積層された帯 電防止層と、を備え、ベース層が、アルミ板 、鉄板又は鋼板からなり、帯電防止層が、陰 イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤 を含む防汚積層体に存する。

 本発明は、(11)ベース層の表面に第1帯電 止層が積層されており、該第1帯電防止層が 帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹 と、水酸基を有するシリコーン変性アクリ 樹脂と、からなる上記(9)又は(10)に記載の防 汚積層体に存する。

 本発明は、(12)ベース層の裏面に第2帯電 止層が積層されており、該第2帯電防止層が 帯電防止剤と、粘着剤と、からなる上記(9)~ (11)のいずれか一つに記載の防汚積層体に存 る。

 本発明は、(13)ベース層と、第2帯電防止 との間に、画像層を有する上記(12)記載の防 積層体に存する。

 本発明は、(14)陰イオンが、酢酸イオン、 過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオ ン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メ チド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群 より選ばれる少なくとも一つであり、陽イオ ンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイ オン及びイミダゾリウムイオンからなる群よ り選ばれる少なくとも一つである上記(9)又は (10)に記載の防汚積層体に存する。

 本発明は、(15)陰イオンが、フッ素基を有 する上記(9)又は(10)に記載の防汚積層体に存 る。

 本発明は、(16)陽イオンが、ピリジニウムイ オン又はイミダゾリウムイオンであり、ピリ ジニウムイオンが下記一般式(1)で表される構 造を有し、イミダゾリウムイオンが下記一般 式(2)で表される構造を有する上記(9)又は(10) 記載の防汚積層体に存する。
[式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞ れ独立に水素原子又は置換基を有していても よい有機基を示す。]

 本発明は、(17)帯電防止層全量に対して、 帯電防止剤が0.3~15質量%含まれている上記(9) は(10)に記載の防汚積層体に存する。

 本発明は、(18)第1帯電防止層において、 ッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂 が互いの水酸基の部分で架橋剤と結合し硬 されたものである上記(11)記載の防汚積層体 存する。

 本発明は、(19)架橋剤がイソシアネート系 架橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン変 性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分でイ ソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結 合を形成されたものである上記(18)記載の防 積層体に存する。

 なお、本発明の目的に添ったものであれ 、上記(1)~(19)を適宜組み合わせた構成も採 可能である。

 本発明の防汚用塗料組成物は、水酸基を有 るフッ素系樹脂を含有するので、撥水性や 汚れ等に対する防汚性に優れる層(膜)を形 できる。
 また、同時に水酸基を有するシリコーン変 アクリル樹脂を含有するので、層(膜)の強 が向上する。これにより、得られる防汚積 体の撥水性や脂汚れに対する防汚性が長期 持続されるようになる。
 これらに加えて、上記防汚用塗料組成物は 陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防 剤を含有するので、埃の付着に対する防汚 にも優れる層(膜)を形成できる。
 したがって、かかる防汚用塗料組成物を道 脇に配置された標識等の基体に塗布すると 得られる防汚積層体は排気ガスによる黒ず が抑制される。

 ここで、上記防汚用塗料組成物が、埃、 塵等の付着に対する防汚性に優れる層(膜) 形成できる理由については、定かではない 、フッ素系樹脂に微量の塩を含有させると 塩が静電気を吸収するので、フッ素系樹脂 来の特性を保持したまま、埃の付着に対す 防汚性が向上した層(膜)が形成されるものと 考えられる。ただし、要因はこれに限定され ない。

 上記防汚用塗料組成物においては、特に、 イオンが、酢酸イオン、過塩素酸イオン、 ウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イ ン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及び ロゲンイオンからなる群より選ばれる少な とも一つであり、陽イオンが、アンモニウ イオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾ ウムイオンからなる群より選ばれる少なく も一つであると、埃、粉塵等の付着に対す 防汚性が確実に向上する。
 また、この場合、層(膜)の透明度の低下を 制できる。

 上記防汚用塗料組成物においては、陰イ ンが、フッ素基を有すると、フッ素系樹脂 の相溶性がより優れるものとなる。

 上記防汚用塗料組成物においては、フッ 系樹脂100質量部に対して、帯電防止剤が0.1~ 15質量部、シリコーン変性アクリル樹脂が1~30 質量部、有機溶剤が100~300質量部、含まれて ると、上述した効果が確実に奏される。

 上記防汚用塗料組成物においては、陽イ ンが、ピリジニウムイオン又はイミダゾリ ムイオンであり、ピリジニウムイオンが上 一般式(1)で表され、イミダゾリウムイオン 上記一般式(2)で表されるものであると、埃 粉塵等の付着に対する防汚性がより向上し 層(膜)が形成できる。

 上記防汚用塗料組成物においては、架橋 を付与することにより、フッ素系樹脂とシ コーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基 部分で架橋剤と結合し、硬化するものであ と、防汚用塗料組成物の状態では、それ自 の硬化が抑制されるので、保存性が優れる 一方、加熱等によって硬化させることによ 、必要に応じて強度が優れる層(膜)を形成 ることができる。なお、架橋剤がイソシア ート系架橋剤であると、ウレタン結合を形 するので、柔軟且つ強固な層(膜)を形成でき る。

 本発明の防汚積層体は、上述した防汚用塗 組成物と、イソシアネート系架橋剤とを基 の表面に付与し、硬化させることにより、 汚性を有する層(膜)が形成されているので 撥水性に加え、埃、粉塵等の付着を防止で 、脂汚れも十分に抑制できる。したがって 定期的に洗浄が不要となる。
 また、防汚積層体の層(膜)と基体との接着 にも優れ、層自体の耐光性にも優れる。

 本発明の防汚積層体は、ベース層の少なく も一方の面に、陰イオンと陽イオンとの塩 らなる帯電防止剤を含有するので、埃、粉 の付着を十分に抑制することができる。
 また、ベース層が上述した材料からなるの 、実用性に優れる。
 したがって、かかる防汚積層体は、看板、 号、掲示板等、屋外に長期間設置される表 板等(以下「被貼付体」という。)に貼付す ことにより、長期間設置される場合であっ も、埃、粉塵等が付着することを抑制でき 。
 特に、排気ガスが多い駅のホームやトンネ 内に表示板が設置される場合に有用である

 上記防汚積層体は、ベース層の表面に第1 帯電防止層が積層されており、該第1帯電防 層が、帯電防止剤と、水酸基を有するフッ 系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性 クリル樹脂と、からなるものであると、埃 粉塵の付着抑制のみならず、撥水性や脂汚 等に対する防汚性も向上する。

 上記防汚積層体は、ベース層の裏面に第2 帯電防止層が積層されており、該第2帯電防 層が、帯電防止剤と、粘着剤と、からなる のであると、埃、粉塵の付着抑制効果を長 間持続させることができる。

 上記防汚積層体は、ベース層と、第2帯電防 止層との間に、画像層を有するものであると 、被貼付体に模様を付与することができる。
 また、被貼付体に模様が付与されている場 は、3次元的な画像とすることができる。

 上記本発明の防汚積層体は、陰イオンが、 酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオ からなる群より選ばれる少なくとも一つで り、陽イオンが、アンモニウムイオン、ピ ジニウムイオン及びイミダゾリウムイオン らなる群より選ばれる少なくとも一つであ と、埃、粉塵の付着を確実に抑制できる。
 また、この場合、防汚積層体の透明度の低 を抑制できる。

 上記防汚積層体は、陰イオンが、フッ素 を有すると、フッ素系樹脂との相溶性がよ 優れるものとなる。

 上記防汚積層体は、陽イオンが、ピリジ ウムイオン又はイミダゾリウムイオンであ 、ピリジニウムイオンが上記一般式(1)で表 れ、イミダゾリウムイオンが上記一般式(2) 表されるものであると、埃、粉塵の付着を り一層抑制できる。

 上記防汚積層体において、帯電防止層全 に対して、帯電防止剤が0.3~15質量%含まれて いると、上述した効果が確実に奏される。

 上記防汚積層体は、第1帯電防止層におい て、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル 樹脂とが互いの水酸基の部分で架橋剤と結合 し硬化されたものであると、第1帯電防止層 耐久性が向上する。すなわち、埃、粉塵の 着抑制効果、及び、撥水性や脂汚れ等に対 る防汚性をより長期間持続させることがで る。なお、上記防汚積層体は、架橋剤がイ シアネート系架橋剤であり、フッ素系樹脂 シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水 基の部分でイソシアネート系架橋剤と結合 、ウレタン結合を形成するものであること 好ましい。

 以下、必要に応じて図面を参照しつつ、 発明の好適な実施形態について詳細に説明 る。なお、重複する説明は省略する。また 上下左右等の位置関係は、特に断らない限 、図面に示す位置関係に基づくものとする 更に、図面の寸法比率は図示の比率に限ら るものではない。更にまた、本明細書にお る「(メタ)アクリル」とは、それに対応す 「アクリル」及び「メタクリル」を意味し 「(メタ)アクリレート」とは、それに対応す る「アクリレート」及び「メタクリレート」 を意味する。

 本実施形態に係る防汚用塗料組成物は、 イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止 と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸 を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、 機溶剤とを含有する。

 上記防汚用塗料組成物は、水酸基を有する ッ素系樹脂を含有するので、撥水性や脂汚 等に対する防汚性に優れる層(膜)を形成で る。
 また、同時に水酸基を有するシリコーン変 アクリル樹脂を含有するので、層(膜)の強 が向上する。これにより、得られる防汚積 体の撥水性や脂汚れ及び埃、粉塵の付着に する防汚性が長期間持続されるようになる
 これらに加えて、上記防汚用塗料組成物は 陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防 剤を含有するので、埃、粉塵等の付着に対 る防汚性にも優れる層(膜)を形成できる。
 したがって、かかる防汚用塗料組成物を道 脇に配置された標識等の基体に塗布すると 得られる防汚積層体は排気ガスによる黒ず が抑制される。

 次に、帯電防止剤について説明する。
 帯電防止剤は、陰イオンと陽イオンとの塩 らなる。なお、帯電防止剤は、陽イオンと イオンとが等価となるように配合される。
 また、かかる帯電防止剤は、酸と塩基を中 して製造してもよく、塩同士を混合して製 してもよく、合成反応の過程で塩として抽 してもよい。

 上記陰イオンは、酢酸イオン、過塩素酸イ ン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホ 酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオ 及びハロゲンイオンからなる群より選ばれ 少なくとも一つであることが好ましい。
 これらの中でも、陰イオンは、分子内に少 くとも1つのフッ素基を有するものであるこ とが好ましく、水素原子がフッ素原子に全置 換されたものであることがより好ましい。
 この場合、フッ素系樹脂との相溶性がより れるものとなる。

 具体的には、テトラフルオロ酢酸イオン テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフル ロリン酸イオン、トリフルオロメタンスル ン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスル ホニル)イミド酸イオン、トリス(トリフルオ メタンスルホニル)メチド酸イオン等が挙げ られる。なお、これらは、1種類を単独で用 てもよく、2種類以上を混合して用いてもよ 。

 一方、上記陽イオンは、アンモニウムイオ 、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウム オンからなる群より選ばれる少なくとも一 であることが好ましい。
 これらの中でも、陽イオンは、ピリジニウ イオン又はイミダゾリウムイオンであるこ が好ましく、下記一般式(1)で表されるピリ ニウムイオン、又は、下記一般式(2)で表さ るイミダゾリウムイオンであることがより ましい。

 ここで、一般式(1)及び一般式(2)中、R1、R2 、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又は 換基を有していてもよい有機基を示す。

 上記有機基としては、特に限定されないが 脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素が挙げら る。
 上記置換基としては、水酸基、カルボン酸 、カルボニル基、ハロゲン基、アミン基、 アノ基、アミド基、フェニル基又はナフチ 基等のアリール基、エステル基、スルホニ 基、ニトロ基、アルキレンオキサイド基等 挙げられる。

 上記一般式(1)で表されるピリジニウムイ ンの例としては、ピリジニウムイオン、1- チルピリジニウムイオン、1-エチルピリジニ ウムイオン、1-プロピルピリジニウムイオン 1-ブチルピリジニウムイオン、1-ヘキシルピ リジニウムイオン、1-ドデシルピリジニウム オン、ヘキサデシルピリジニウムイオン、1 -アセトニルピリジニウムイオン、1-アミノピ リジニウムイオン、1-フルオロピリジニウム オン、1-フェナシルピリジニウムイオン、1- (シアノメチル)ピリジニウムイオン、1-(カル モイルメチル)ピリジニウムイオン、3-(クロ ロメチル)ピリジニウムイオン、1-エチル-3-メ チルピリジニウムイオン、1-エチル-3-(ヒドロ キシメチル)ピリジニウムイオン、1-ブチル-3- メチルピリジニウムイオン、1-(3-スルホプロ ニル)ピリジニウムイオン、3-カルバミル-1- チルピリジニウムイオン等が挙げられる。 お、これらは、1種類を単独で用いてもよく 、2種類以上を混合して用いてもよい。

 これらの中でも、保存安定性の観点から、R 1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素であ ることが好ましく、置換基を有していない炭 素数が1~6の飽和炭化水素基であることがより 好ましい。
 炭素数が6を超えると、炭素数が上記範囲内 にある場合と比較して、嵩高くなり過ぎ、十 分な帯電防止性(埃の付着に対する防汚性)が られない傾向がある。

 すなわち、好ましいピリジニウムイオン しては、1-メチルピリジニウムイオン、1-エ チルピリジニウムイオン、1-プロピルピリジ ウムイオン、1-ブチルピリジニウムイオン 1-ヘキシルピリジニウムイオン、1-エチル-3- チルピリジニウムイオン、1-ブチル-3-メチ ピリジニウムイオン等が挙げられる。

 上記一般式(2)で表されるイミダゾリウム オンの例としては、1,3-ジメチルイミダゾリ ウムイオン、1,3-ジイソプロピルイミダゾリ ムイオン、1,3-ジメシチルイミダゾリウムイ ン、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムイ ン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムイオン 、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1 -ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1, 3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウ イオン等が挙げられる。なお、これらは、1 種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混 して用いてもよい。

 これらの中でも、保存安定性の観点から、R 3及びR4は、それぞれ独立に飽和炭化水素であ ることが好ましく、置換基を有していない炭 素数が1~6の飽和炭化水素基であることがより 好ましい。
 炭素数が6を超えると、炭素数が上記範囲内 にある場合と比較して、嵩高くなり過ぎ、十 分な導電性(埃の付着に対する防汚性)が得ら ない傾向がある。

 すなわち、好ましいイミダゾリウムイオ としては、1,3-ジイソプロピルイミダゾリウ ムイオン、1,3-ジメチルイミダゾリウムイオ 、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、 1-エチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1- キシル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-メ チル-3-プロピルイミダゾリウムイオン等が挙 げられる。

 次に、水酸基を有するフッ素系樹脂につい 説明する。
 水酸基を有するフッ素系樹脂は、水酸基を しているものであれば、公知のフッ素系樹 を用いることができる。

 例えば、フッ化ビニリデン-四フッ化エチ レン-六フッ化プロピレン共重合体(THV)、四フ ッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体(F EP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフル ロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン- パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合 体(PFA)、テトラフルオロエチレン-エチレン共 重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレ ン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン-エチ ン共重合体(ECTFE)、パーフロ環状重合体等に 水酸基を付加させればよい。なお、これらは 、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を 合して用いてもよい。

 水酸基を有するフッ素系樹脂は、フルオ オレフィンと水酸基含有ビニル単量体との 重合によっても得られる。なお、フルオロ レフィンと水酸基含有ビニル単量体との重 方法は、ラジカル重合、カチオン重合、ア オン重合等、特に限定されない。

 上記フルオロオレフィンとしては、テト フルオロエチレン、クロロトリフルオロエ レン、トリフルオロエチレン、3,3,3-トリフ オロプロピレン、ペンタフルオロプロピレ 、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニ デン、フッ化ビニル、パーフルオロアルキ ビニルエーテル等が挙げられる。なお、こ らは、1種類を単独で用いてもよく、2種類 上を混合して用いてもよい。

 一方、水酸基含有ビニル単量体としては ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒド キシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシ ルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカル ン酸アリルエステル、ヒドロキシアルキル( メタ)アクリレート、N-ヒドロキシアルキル( タ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、 れらは、1種類を単独で用いてもよく、2種 以上を混合して用いてもよい。

 ヒドロキシアルキルビニルエーテルとし は、炭素数4~10のヒドロキシアルキルビニル エーテルが挙げられ、具体的には、ヒドロキ シエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピ ルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニ ルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル ニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエ テル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテ 、4-ヒドロキシ-2-メチルブチルビニルエー ル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、 ドロキシヘキシルビニルエーテル、4-ヒドロ キシシクロヘキシルビニルエーテル、2-(4-ヒ ロキシシクロヘキシルエチル)ビニルエーテ ル、2,3-ジヒドロキシプロピルビニルエーテ 等が挙げられる。

 ヒドロキシアルキルアリルエーテルとし は、炭素数5~11のヒドロキシアルキルアリル エーテルが挙げられ、具体的には、ヒドロキ シエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピ ルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリル エーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエー テル、ヒドロキシヘキシルアリルエーテル、 4-ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル 2-(4-ヒドロキシシクロヘキシルエチル)アリ エーテル、2,3-ジヒドロキシプロピルアリル エーテル等が挙げられる。

 ヒドロキシカルボン酸ビニルエステルと ては、炭素数4~10のヒドロキシカルボン酸ビ ニルエステルが挙げられ、具体的には、ヒド ロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロパン酸ビ ニル、ヒドロキシブタン酸ビニル、ヒドロキ シヘキサン酸ビニル、4-ヒドロキシシクロヘ シル酢酸ビニル等が挙げられる。

 ヒドロキシカルボン酸アリルエステルと ては、炭素数5~11のヒドロキシカルボン酸ア リルエステルが挙げられ、具体的には、ヒド ロキシ酢酸アリル、ヒドロキシプロパン酸ア リル、ヒドロキシブタン酸アリル、ヒドロキ シヘキサン酸アリル、4-ヒドロキシシキロヘ シル酢酸アリル等が挙げられる。

 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート しては、炭素数5~8のヒドロキシアルキル(メ )アクリレートが挙げられ、具体的には、ヒ ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。

 N-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミ ドとしては、炭素数5~8のヒドロキシアルキル (メタ)アクリルアミドが挙げられ、具体的に 、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド 、N-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミ 、N-ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド が挙げられる。

 また、フルオロオレフィンと、水酸基含 ビニル単量体との共重合の際には、他の単 体を混合して、共重合させてもよい。

 他の単量体としては、アルキルビニルエ テル、アルキルアリルエーテル、カルボン ビニルエステル、カルボン酸アリルエステ 、α-オレフィン、アルキル(メタ)アクリレ ト、N-アルキル(メタ)アクリルアミド等が挙 られる。なお、これらは、1種類を単独で用 いてもよく、2種類以上を混合して用いても い。

 アルキルビニルエーテルとしては、炭素 4~10のアルキルビニルエーテルが挙げられ、 具体的には、エチルビニルエーテル、プロピ ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、 イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニル エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、 シクロヘキシルエチルビニルエーテル、2-エ ルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる

 アルキルアリルエーテルとしては、炭素 5~11のアルキルアリルエーテルが挙げられ、 具体的には、エチルアリルエーテル、プロピ ルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、 イソブチルアリルエーテル、ヘキシルアリル エーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、 シクロヘキシルエチルアリルエーテル、2-エ ルヘキシルアリルエーテル等が挙げられる

 カルボン酸ビニルエステルとしては、炭 数4~10のカルボン酸ビニルエステルが挙げら れ、具体的には、酢酸ビニル、プロパン酸ビ ニル、ブタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、 シクロヘキシル酢酸ビニル等が挙げられる。

 カルボン酸アリルエステルとしては、炭 数5~11のカルボン酸アリルエステルが挙げら れ、具体的には、酢酸アリル、プロパン酸ア リル、ブタン酸アリル、ヘキサン酸アリル、 シクロヘキシル酢酸アリル等が挙げられる。

 α-オレフィンとしては、炭素数2~8のα-オ フィンが挙げられ、具体的には、エチレン プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1- キセン、スチレン等が挙げられる。

 アルキル(メタ)アクリレートとしては、 素数5~8のアルキル(メタ)アクリレートが挙げ られ、具体的には、エチル(メタ)アクリレー 、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ )アクリレート、シクロヘキシルメチル(メ )アクリレート等が挙げられる。

 N-アルキル(メタ)アクリルアミドとしては 、炭素数5~8のアルキル(メタ)アクリルアミド 挙げられ、具体的には、N-エチル(メタ)アク リルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミ 、N-ブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げら る。

 上記フルオロオレフィンの配合割合は、フ 素系樹脂全体に対して、40~80モル%となるよ に調整することが好ましく、45~70モル%とな ように調整することがより好ましい。
 一方、水酸基含有ビニル単量体の配合割合 、フッ素系樹脂全体に対して、20~60モル%と るように調整することが好ましく、30~55モ %となるように調整することがより好ましい なお、他の単量体を含む場合、他の単量体 配合割合は、フッ素系樹脂全体に対して、3 0~70モル%となるように調整することが好まし 、40~60モル%となるように調整することがよ 好ましい。

 フッ素系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、50~120が ましい。
 この場合、埃の付着に対する防汚性がより 上する。なお、上記水酸基価は、JIS K0070-19 92に準拠して、キシレンを溶媒として測定し 値である。

 フッ素系樹脂は、分子量が5000~15000であるこ とが好ましい。
 この場合、フッ素系樹脂が有機溶剤に溶け くなる。したがって、防汚用塗料組成物を 体に付与しやすくなる。
 また、かかる防汚用塗料組成物を基体に付 し、層(膜)を形成した場合、基体の脂汚れ 確実に抑制でき、層(膜)の基体への接着性も より優れるものとなる。

 次に、水酸基を有するシリコーン変性アク ル樹脂について説明する。
 本実施形態に係る防汚性塗料組成物におい は、撥水性や層(膜)強度を向上させるため フッ素系樹脂との相溶性に優れるシリコー 変性アクリル樹脂が用いられる。

 また、シリコーン変性アクリル樹脂は、 酸基(ヒドロキシ基)を有するので、後述す 架橋剤を付与することにより、フッ素系樹 とシリコーン変性アクリル樹脂とが結合さ る。これにより、形成される層(膜)がより強 固になる。

 上記シリコーン変性アクリル樹脂は、ア リル系モノマーとシラン化合物とを公知の 法で重合して得られるものである。なお、 クリル系モノマーとシラン化合物との重合 法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニ ン重合等、特に限定されない。

 上記アクリル系モノマーとしては、例え 、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒ ロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキ カルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカ ボン酸アリルエステル、ヒドロキシアルキ アクリレート、ヒドロキシアルキルメタク レート、N-ヒドロキシアルキルアクリルア ド又はN-ヒドロキシアルキルメタクリルアミ ド等が挙げられる。なお、これらは、1種類 単独で用いてもよく、2種類以上を混合して いてもよい。

 上記シラン化合物としては、例えば、テト メトキシシラン、メチルトリメトキシシラ 、ジメチルジメトキシシラン、フェニルト メトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ ン、テトラエトキシシラン、メチルトリエ キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、 ェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジ トキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ 、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルト メトキシシラン、デシルトリメトキシシラ 、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ 、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメ キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p -スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロ キシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メ クリロキシプロピルトリメトキシシラン、3 -メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ ラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキ シシラン、3-アクリロキシプロピルトリメト シシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピ ルメチルジメトキシシラン、N-2(アミノエチ )3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2( ミノエチル)3-アミノプロピルトリエトキシ ラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラ 、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3- リエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデ )プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロ ルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル) -2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキ シシランの塩酸塩、3-ウレイドプロピルトリ トキシシラン、3-クロロプロピルトリメト シシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメ トキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメ キシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロ ピル)テトラスルフィド又は3-イソシアネート プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる 。なお、これらは、1種類を単独で用いても く、2種類以上を混合して用いてもよい。な 、上記シリコーン変性アクリル樹脂におい も、上述した他の単量体を混合させて、共 合してもよい。
 かかる他の単量体は、上述したフッ素系樹 における他の単量体と同義である。

 シリコーン変性アクリル樹脂の水酸基価(mgK OH/g)は、60~240が好ましく、100~180がより好まし い。
 この場合、層(膜)の強度がより向上する。 お、上記水酸基価は、JIS K0070-1992に準拠し 、キシレンを溶媒として測定した値である

 シリコーン変性アクリル樹脂は、分子量が5 000~20000であることが好ましい。
 この場合、シリコーン変性アクリル樹脂が 機溶剤に溶け易くなる。したがって、防汚 塗料組成物を基体に付与しやすくなる。
 また、かかる防汚用塗料組成物を基体に付 し、層(膜)を形成した場合、基体の脂汚れ 確実に抑制でき、層(膜)の基体への接着性も より優れるものとなる。

 次に、有機溶剤について説明する。
 有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水 類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エ テル類、エーテル類、ケトン類、アミド類 スルホン酸エステル類、アセテート類等が げられる。なお、これらは、1種類を単独で 用いてもよく、2種類以上を混合して用いて よい。

 脂肪族炭化水素類としては、例えば、ヘ サン、シクロヘキサン等が挙げられる。

 芳香族炭化水素類としては、例えば、ベ ゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる

 アルコール類としては、例えば、メタノ ル、エタノール、プロパノール、イソプロ ノール、ブタノール、t-ブタノール、オク ノール、ノナノール、ベンジルアルコール シクロヘキサノール、エチレングリコール ジエチレングリコール、ポリエチレングリ ール(重合度3~100)、CF3CH2OH、F(CF2)2CH2OH、(CF3)2CH OH、F(CF2)3CH2OH、F(CF2)4C2H5OH、H(CF2)2CH2OH、H(CF2)3CH 2OH、H(CF2)4CH2OH、酢酸エチレングリコール、酢 酸ジエチレングリコール等が挙げられる。

 エステル類としては、例えば、酢酸メチ 、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチ ル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3- チル酪酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、 2-ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2-ヒド キシプロピオン酸ブチル、2-ヒドロキシ-2-メ チルプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピ ン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチ 、エトキシ酢酸エチル、3-エトキシプロピオ ン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピ ビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸ベ ジル、安息香酸エチル、炭酸ジエチル、し う酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブ ロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレ 、乳酸エチル等が挙げられる。

 エーテル類としては、例えば、ジメチル ーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエー ル、エチレングリコールモノメチルエーテ 、エチレングリコールモノエチルエーテル エチレングリコールモノプロピルエーテル エチレングリコールモノブチルエーテル、 ロピレングリコールモノメチルエーテル、 ロピレングリコールモノエチルエーテル、 ロピレングリコールモノプロピルエーテル エチレングリコールジメチルエーテル、エ レングリコールジエチルエーテル、エチレ グリコールジブチルエーテル、ジエチレン リコールモノメチルエーテル、ジエチレン リコールモノエチルエーテル、ジエチレン リコールモノブチルエーテル、ジエチレン リコールジメチルエーテル、ジエチレング コールジエチルエーテル、ジエチレングリ ールジプロピルエーテル、ジエチレングリ ールジブチルエーテル、テトラヒドロフラ 、クラウンエーテル、ベンジルエチルエー ル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ テル、酢酸エチレングリコールモノエチル ーテル、酢酸エチレングリコールモノブチ エーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ チルエーテル、酢酸ジエチレングリコール ノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコ ルモノブチルエーテル等が挙げられる。

 ケトン類としては、例えば、アセトン、 チルエチルケトン、メチルイソブチルケト 、2-ブタノン、2-ペンタノン、3-メチル-2-ブ ノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、2-オク ノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、3-メチル-2- ンタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロ ンタノン、シクロヘキサノン、3-メチルシク ロペンタノン、2-メチルシクロヘキサノン、2 ,6-ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等 が挙げられる。

 アミド類としては、N,N-ジメチルホルムア ミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルホ ルムアミド、N-メチルアセトアミド、アセト ミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる

 スルホン酸エステル類としては、例えば ジメチルスルホキシド等が挙げられる。

 アセテート類としては、例えば、エチレ グリコールモノメチルエーテルアセテート エチレングリコールモノエチルエーテルア テート、エチレングリコールモノプロピル ーテルアセテート、プロピレングリコール ノメチルエーテルアセテート、プロピレン リコールモノエチルエーテルアセテート、 ロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテ アセテート、プロピレングリコールモノ-i- ロピルエーテルアセテート、プロピレング コールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、 ロピレングリコールモノ-i-ブチルエーテル セテート、プロピレングリコールモノ-sec- チルエーテルアセテート、プロピレングリ ールモノ-t-ブチルエーテルアセテート、3-メ トキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキ ブチルアセテート等が挙げられる。

 これらの中でも、芳香族炭化水素を用いる とが好ましい。特に、トルエン、キシレン の沸点が120~210℃の芳香族炭化水素であるこ とがより好ましい。
 この場合、フッ素系樹脂を容易に溶解でき ので、後述するスプレー等の方式で容易に 体に付与できる。

 本実施形態に係る防汚用塗料組成物は、有 溶剤に、上述した帯電防止剤、フッ素系樹 及びシリコーン変性アクリル樹脂を溶解さ ることにより得られる。
 このときの配合割合は、フッ素系樹脂100質 部に対して、帯電防止剤が0.1~15質量部、シ コーン変性アクリル樹脂が1~30質量部、有機 溶剤が100~300質量部含まれていることが好ま い。
 更に好ましくは、フッ素系樹脂100質量部に して、帯電防止剤が1~8質量部、シリコーン 性アクリル樹脂が10~15質量部、有機溶剤が15 0~250質量部含まれていることである。

 この場合、帯電防止剤、フッ素系樹脂及び リコーン変性アクリル樹脂が有機溶剤に均 に溶け易くなる。
 したがって、防汚用塗料組成物を基体に付 しやすくなると共に、基体に付与し層(膜) 形成した場合、基体の脂汚れを確実に抑制 き、層(膜)の基体への接着性もより優れるも のとなる。

 上記防汚用塗料組成物の粘度は、50~150cpsで ることが好ましい。
 この場合、取扱いが容易であり、形成され 層(膜)も容易に均一になる。

 ここで、上記防汚用塗料組成物には、合成 脂が含まれていることが好ましい。
 合成樹脂としては、例えば、ポリエーテル リオールが挙げられる。
 この場合、ポリエーテルポリオールが、帯 防止剤のブリードを抑制する。

 ポリエーテルポリオールとしては、ポリ キシエチレングリコール、ポリオキシプロ レングリコール、ポリオキシエチレンポリ キシプロピレングリコール、ポリエチレン- ポリオキシエチレングリコールグラフトポリ マー、多価アルコールエチレンオキシド付加 体、多価アルコールプロピレンオキシド付加 体、多価アルコールエチレンオキシドプロピ レンオキシド付加体等が挙げられる。なお、 これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種 以上を混合して用いてもよい。

 上記合成樹脂の配合割合は、5~25質量%であ ことが好ましく、7~22質量%であることがより 好ましく、9~19質量%であることが更に好まし 。
 この場合、埃の付着に対する防汚性が更に 上する。

 上記防汚用塗料組成物には、充填材(フィラ ー)が含まれていることが好ましい。
 フィラーとしては、シリカ、フッ素系粉末 酸化チタン、タルク、グラファイト、プラ チックフィラー、ガラス粉末等が挙げられ 。なお、これらは、1種類を単独で用いても よく、2種類以上を混合して用いてもよい。
 これらの中でも、フッ素系粉末又はガラス 粉末を用いることがより好ましい。

 フィラーが含まれた防汚用塗料組成物を 像が描かれた基体に付与した場合、層(膜) 表面のつやが消えるので、光の反射が抑制 れ、画像が見難くなることが抑制される。

 フィラーの粒子径は、30~80μmであることが ましい。
 また、層(膜)を形成した場合、フィラーの 面が層(膜)から露出していることが好ましい 。
 この場合、埃やガムや粘着シート等の付着 び脂汚れをより十分に抑制でき、つや消し 果も発揮できる。

 フィラーの配合割合は、防汚用塗料組成物 全固形分に対し、2~30質量%であることが好 しく、3~25質量%であることが更に好ましい。
 フィラーの混合割合が2質量%未満であると 混合割合が上記範囲内にある場合と比較し 、つや消し効果が十分に得られない傾向に り、混合割合が30質量%を超えると、混合割 が上記範囲内にある場合と比較して、表面 白っぽくなり、画像を認識しにくくなる傾 にある。

 上記防汚用塗料組成物には、紫外線吸収剤 含まれていることが好ましい。
 この場合、耐光性が向上する。
 かかる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェ ン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系 外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、 ンダートアミン系紫外線吸収剤、サリチレ ト系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系 外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤 が挙げられる。なお、これらは、1種類を単 独で用いてもよく、2種類以上を混合して用 てもよい。

 上記防汚用塗料組成物には、これら以外 、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、分 剤、湿潤剤、潤滑剤、防腐剤、pH調整剤、 燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。

 本実施形態に係る防汚用塗料組成物は、架 剤を付与することにより、フッ素系樹脂と リコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸 の部分で架橋剤と結合(硬化)し、層(膜)を形 成するものとなっている。
 これにより、防汚用塗料組成物の状態では それ自体の硬化が抑制されるので、保存性 優れる。一方、加熱等によって硬化させる とにより、必要に応じて強度が優れる層(膜 )を形成することができる。なお、架橋剤が ソシアネート系架橋剤であると、ウレタン 合を形成するので、柔軟且つ強固な層(膜)を 形成できる。

 架橋剤としては、イソシアネート系架橋 、メラミン系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、 塩基酸系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙 られる。

 イソシアネート系架橋剤としては、多価 ソシアネートが含まれ、ヘキサメチレンジ ソシアネート、イソホロンジイソシアネー 、及び、これらのイソシアヌレート変性体 ウレトジオン変性体、ビウレット変性体等 挙げられる。

 メラミン系架橋剤としては、ブチル化メ ミン、メチル化メラミン、エポキシ変性メ ミン、アルキルエーテル化メラミン等が挙 られる。

 尿素樹脂系架橋剤としては、メチル化尿 樹脂、ブチル化尿素樹脂等が挙げられる。

 多塩基酸系架橋剤としては、ヘキサンジ ルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、オク デカンジカルボン酸、ナフタリンジカルボ 酸、トリメリット酸等が挙げられる。

 エポキシ系架橋剤としては、ジシクロペ タジエンジオキシド等が挙げられる。

 これらの中でも、架橋剤がイソシアネート 架橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン 性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で ソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン 合を形成するものであることが好ましい。
 この場合、ウレタン結合を形成するので、 軟且つ強固な層(膜)を形成できる。

 架橋剤の添加量は、フッ素系樹脂100質量部 対して、20~50質量部であることが好ましく 40~50質量部であることがより好ましい。
 この場合、層(膜)が強固になると共に、埃 付着に対する防汚性が向上する。

 また、フッ素系樹脂及びシリコーン変性ア リル樹脂と、架橋剤との架橋反応の際には 反応触媒を加えてもよい。
 かかる反応触媒としては、イソシアネート 架橋剤用であるジブチル錫ジラウレート、 リエチルアミン等、メラミン系架橋剤又は 素樹脂系架橋剤用である酸性触媒等が挙げ れる。
 なお、これらの反応触媒の配合割合は、反 速度調整の観点から、架橋剤50質量部に対 て、0.0001~5質量部である。

 上述した防汚用塗料組成物は、イソシア ート系架橋剤とを基体(ベース層)の表面に 与し、架橋剤で硬化させることにより、防 性を有する層(膜)が形成された防汚積層体が 得られる。

 次に、防汚積層体の好適な実施形態につ て説明する。

[第1実施形態]
 図1は、本発明の防汚積層体の第1実施形態 示す断面図である。
 図1に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体11は、ベース層5と、ベース層5の表面に 層された帯電防止剤を含む帯電防止層(以下 第1帯電防止層」という。)1と、ベース層5の 裏面に積層された帯電防止剤を含む帯電防止 層(以下「第2帯電防止層」という。)2と、を える。
 また、上記防汚積層体11においては、帯電 止剤が、陰イオン及び陽イオンの塩からな ている。

 上記防汚積層体11は、フィルムを用いて ース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩か なる帯電防止剤を含有する。このため、埃 粉塵の付着を十分に抑制することができる

 以下、ベース層5、第1帯電防止層1及び第2 帯電防止層2について更に詳細に説明する。

(ベース層)
 第1実施形態に係る防汚積層体11において、 ース層5は、フィルムからなる。
 かかるフィルムは、層(膜)状の軟質であっ も、板状の硬質であってもよい。
 フィルムの材質としては、ポリエチレン、 チレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピ ン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル ール、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化 ニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレ 、スチロール、ポリウレタン、アクリル又 ポリカーボネート等が挙げられる。なお、 ース層5は、上記以外の木材、道路標識等の 金属、コンクリートモルタル等のセメント、 ガラス、タイル、ガードレール等のメッキ鋼 板や塗装鋼板等であってもよい。
 上記金属としては、鉄、銅、アルミニウム の金属が挙げられる。

 上記ベース層5の厚みは、10~3000μmであるこ が好ましい。この場合、取扱い性が優れる
 また、上記ベース層5の透明度は、80~100%で ることが好ましい。この場合、被貼付体に けられた画像が見えやすくなる。

 上記フィルムの表面及び/又は裏面には、ブ ラスト処理やコロナ処理等の表面処理が施さ れていることが好ましい。
 この場合、フィルムの表面が凹凸となるの 、第1帯電防止層、第2帯電防止層との接着 が向上する。

(第1帯電防止層)
 第1帯電防止層1は、ベース層5の表面に積層 れる。
 第1帯電防止層1は、帯電防止剤と、水酸基 有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシ コーン変性アクリル樹脂と、からなる。

 上記帯電防止剤は、上述した汚染用塗料組 物における帯電防止剤と同義である。すな ち、かかる帯電防止剤は、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる。なお、帯電防止剤は、 イオンと陰イオンとが等価となるように配 される。また、かかる帯電防止剤は、酸と 基を中和して製造してもよく、塩同士を混 して製造してもよく、合成反応の過程で塩 して抽出してもよい。
 本実施形態に係る防汚積層体11においては 上記帯電防止剤を含むことにより、埃、粉 の付着を十分に抑制することができる。

 上記水酸基を有するフッ素系樹脂は、上述 た汚染用塗料組成物における水酸基を有す フッ素系樹脂と同義である。
 本実施形態に係る防汚積層体11においては 水酸基を有するフッ素系樹脂を含有するこ により、埃、粉塵の付着抑制のみならず、 水性、及び、脂汚れ等に対する防汚性が向 する。

 フッ素系樹脂は、分子量が5000~15000であるこ とが好ましい。
 この場合、フッ素系樹脂のベース層5への接 着性がより優れるものとなる。

 上記水酸基を有するシリコーン変性アクリ 樹脂は、上述した汚染用塗料組成物におけ 水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹 と同義である。
 本実施形態に係る防汚積層体11は、シリコ ン変性アクリル樹脂を含有することにより 撥水性が向上すると共に、第1帯電防止層1の 耐久性が向上する。

 また、シリコーン変性アクリル樹脂は、 酸基(ヒドロキシ基)を有するので、後述す 架橋剤を付与することにより、フッ素系樹 とシリコーン変性アクリル樹脂とが結合さ る。これにより、形成される第1帯電防止層1 がより強固になる。

 シリコーン変性アクリル樹脂の水酸基価(mgK OH/g)は、60~240が好ましく、100~180がより好まし い。
 この場合、第1帯電防止層1の強度がより向 する。なお、上記水酸基価は、JIS K0070-1992 準拠して、キシレンを溶媒として測定した である。

 シリコーン変性アクリル樹脂は、分子量が5 000~20000であることが好ましい。
 この場合、シリコーン変性アクリル樹脂の ース層5への接着性がより優れるものとなる 。

 本実施形態に係る防汚積層体11においては 上述したフッ素系樹脂とシリコーン変性ア リル樹脂とが互いの水酸基の部分で架橋剤 結合し硬化されていることが好ましい。
 これにより、第1帯電防止層1の耐久性が向 する。すなわち、埃、粉塵の付着抑制効果 及び、撥水性や脂汚れ等に対する防汚性を り長期間持続させることができる。なお、 記架橋剤は、上述した汚染用塗料組成物に ける架橋剤と同義である。

 ここで、上記架橋剤は、イソシアネート系 橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン変 アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分でイ シアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結 を形成するものであることが好ましい。
 この場合、ウレタン結合を形成するので、 1帯電防止層1は、柔軟且つ強固になる。

 架橋剤の添加量は、フッ素系樹脂100質量部 対して、10~50質量部であることが好ましく 15.4~23質量部であることがより好ましい。
 この場合、第1帯電防止層1が強固になると に、埃の付着に対する防汚性がより向上す 。なお、フッ素系樹脂及びシリコーン変性 クリル樹脂と、架橋剤との架橋反応の際に 、上述した反応触媒を加えてもよい。

 本実施形態に係る防汚積層体11においては 第1帯電防止層1全量に対して、帯電防止剤が 0.3~15質量%含まれていることが好ましく、3~5 量%含まれていることがより好ましい。
 帯電防止剤の含有量が0.3質量%未満であると 、含有量が上記範囲内にある場合と比較して 、埃、粉塵の付着を十分に抑制できない場合 があり、帯電防止剤の含有量が15質量%を超え ると、含有量が上記範囲内にある場合と比較 して、第1帯電防止層の耐久性が低下する傾 にある。

 第1帯電防止層1全量に対して、フッ素系樹 が60~95質量%(固形分量)含まれていることが好 ましい。
 フッ素系樹脂の含有量が60質量%未満である 、含有量が上記範囲内にある場合と比較し 、密着性が低下し、硬化不良が生じる傾向 あり、フッ素系樹脂の含有量が95質量%を超 ると、含有量が上記範囲内にある場合と比 して、弾力性が低下する傾向にある。

 第1帯電防止層1全量に対して、シリコーン 性アクリル樹脂が4~30質量%(固形分量)含まれ いることが好ましく、10~25質量%含まれてい ことがより好ましく、13~16.3質量%含まれて ることが更に好ましい。
 シリコーン変性アクリル樹脂の含有量が4質 量%未満であると、含有量が上記範囲内にあ 場合と比較して、撥水性が不十分となる傾 にあり、シリコーン変性アクリル樹脂の含 量が30質量%を超えると、含有量が上記範囲 にある場合と比較して、表面の光沢がなく る傾向にある。

 第1帯電防止層1の厚みは、20~60μmであること が好ましい。
 厚みが20μm未満であると、厚みが上記範囲 にある場合と比較して、埃、粉塵の付着抑 効果が不十分となる場合があり、厚みが60μm を超えると、厚みが上記範囲内にある場合と 比較して、第1帯電防止層1にひび割れが発生 る場合がある。

(第2帯電防止層)
 第2帯電防止層2は、ベース層5の裏面に積層 れる。
 第2帯電防止層2は、帯電防止剤と、粘着剤 、からなる。なお、本実施形態に係る防汚 層体11は、該粘着剤を介して、被貼付体に貼 り付けられる。
 ここで、かかる帯電防止剤は、第1帯電防止 層1で述べた帯電防止剤と同義である。なお 第1帯電防止層1で用いられる帯電防止剤と、 第2帯電防止層2で用いられる帯電防止剤とは 同一であっても、異なっていてもよい。

 上記粘着剤としては、アクリル系粘着剤や リエステル系粘着剤が挙げられる。
 これらの中でも、耐酸、耐塩基性の観点か 、アクリル系粘着剤であることが好ましい

 本実施形態に係る防汚積層体11においては 第2帯電防止層2全量に対して、帯電防止剤が 0.3~15質量%含まれていることが好ましく、3~5 量%含まれていることがより好ましい。
 帯電防止剤の含有量が0.3質量%未満であると 、含有量が上記範囲内にある場合と比較して 、埃、粉塵の付着を十分に抑制できない場合 があり、帯電防止剤の含有量が15質量%を超え ると、含有量が上記範囲内にある場合と比較 して、第2帯電防止層の粘着性が低下する傾 にある。

 第2帯電防止層2全量に対して、粘着剤が85~99 質量%(固形分量)含まれていることが好ましい 。
 粘着剤の含有量が85質量%未満であると、含 量が上記範囲内にある場合と比較して、密 性が不十分となるとなる傾向にあり、粘着 の含有量が99質量%を超えると、含有量が上 範囲内にある場合と比較して、埃や粉塵等 付着を十分に抑制できない傾向にある。

 第2帯電防止層2の厚みは、5~1000μmであるこ が好ましく、20~1000μmであることがより好ま い。
 厚みが5μm未満であると、厚みが上記範囲内 にある場合と比較して、埃、粉塵の付着抑制 効果が不十分となり、粘着性も不十分となる 場合があり、厚みが1000μmを超えると、厚み 上記範囲内にある場合と比較して、ヒビ割 が発生し、取扱い性に劣る傾向にある。

 上記防汚積層体11において、第2帯電防止層2 のベース層5と反対側には、離型紙が貼付さ ていてもよい。すなわち、第1帯電防止層1、 ベース層5、第2帯電防止層2、及び、離型紙が この順序で積層されていてもよい。
 この場合、第2帯電防止層2が離型紙で保護 れる。なお、防汚積層体11を被貼付体に貼付 する際には、離型紙を剥がして、防汚積層体 11を貼付すればよい。

 上記離型紙としては、市販のものが適宜用 られる。
 上記被貼付体としては、フィルム、プラス ック板、各種樹脂材、木材、道路標識等の 属、コンクリートモルタル等のセメント、 ラス、タイル、ガードレールに用いられる ッキ鋼板や塗装鋼板等の鋼板等が挙げられ 。

 上記防汚積層体11の製造方法は、フィル の表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで 、第2帯電防止層2を形成すればよい。なお、 2帯電防止層2を形成してから、第1帯電防止 1を形成してもよい。

 第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2は、ベー ス層5に形成される。すなわち、ベース層5の 面に、上述したフッ素系樹脂と、シリコー 変性アクリル樹脂とを含む防汚用塗料組成 を付与する。
 ここで、付与方法としては、スクリーン印 法、インクジェット法、転写、ロールコー ィング法、スプレー法、含浸法等が挙げら る。

 そして、架橋剤をベース層5の表面に付与 された防汚用塗料組成物に添加することによ り、防汚用塗料組成物が硬化し、第1帯電防 層1又は第2帯電防止層2が形成される。

 上記防汚積層体11においては、防汚性を有 る第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2が形成 れているので、埃の付着を防止でき、脂汚 もより十分に抑制できる。
 また、防汚積層体11の第1帯電防止層1及び第 2帯電防止層2とベース層5との接着性にも優れ 、第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2自体の 光性にも優れる。

[第2実施形態]
 図2は、本発明の防汚積層体の第2実施形態 示す断面図である。
 図2に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体12は、ベース層5と、ベース層5の表面に 層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と 、ベース層5の裏面に積層された帯電防止剤 含まない粘着層4と、を備える。すなわち、 汚積層体12は、第2帯電防止層の代わりに、 着層4を備える点で、第1実施形態に係る防 積層体11と相違する。

 上記防汚積層体12は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止 層1が含有するので、埃、粉塵の付着を十分 抑制することができる。

(粘着層)
 粘着層4は、粘着剤からなる。
 かかる粘着剤は、第1実施形態に係る防汚積 層体11における第2帯電防止層の粘着剤と同義 である。
 したがって、粘着層4は、第2帯電防止層か 帯電防止剤を除いたものである。

 粘着層3の厚みは、5~1000μmであることが好ま しい。
 厚みが5μm未満であると、厚みが上記範囲内 にある場合と比較して、粘着性が不十分とな る場合があり、厚みが1000μmを超えると、厚 が上記範囲内にある場合と比較して、取扱 性に劣る傾向にある。

 上記防汚積層体12においては、第1実施形態 係る防汚積層体11と同様に、粘着層4のベー 層5と反対側に、離型紙が貼付されていても よい。すなわち、第1帯電防止層1、ベース層5 、粘着層4、及び、離型紙がこの順序で積層 れていてもよい。
 この場合、粘着層4が離型紙で保護される。 なお、防汚積層体12を被貼付体に貼付する際 は、離型紙を剥がして、防汚積層体12を貼 すればよい。

 上記防汚積層体12の製造方法は、フィル の表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで 、粘着層4を形成すればよい。なお、粘着層4 形成してから、第1帯電防止層を形成しても よい。

 上記防汚積層体12においては、防汚性を有 る第1帯電防止層1が形成されているので、埃 の付着を防止でき、脂汚れもより十分に抑制 できる。
 また、防汚積層体12の第1帯電防止層1とベー ス層5との接着性にも優れ、第1帯電防止層1自 体の耐光性にも優れる。

[第3実施形態]
 図3は、本発明の防汚積層体の第3実施形態 示す断面図である。
 図3に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体13は、ベース層5と、ベース層5の裏面に 層された帯電防止剤を含む第2帯電防止層2と 、を備える。すなわち、防汚積層体13は、第1 帯電防止層1を備えない点で、第1実施形態に る防汚積層体11と相違する。

 上記防汚積層体13は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第2帯電防止 層2が含有するので、埃、粉塵の付着を十分 抑制することができる。

 上記防汚積層体13の製造方法は、フィル の裏面に、第2帯電防止層2を形成すればよい 。

 上記防汚積層体13においては、防汚性を有 る第2帯電防止層2が形成されているので、埃 の付着を防止でき、脂汚れもより十分に抑制 できる。
 また、防汚積層体13の第2帯電防止層2とベー ス層5との接着性にも優れ、第2帯電防止層2自 体の耐光性にも優れる。

[第4実施形態]
 図4は、本発明の防汚積層体の第4実施形態 示す断面図である。
 図4に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体14は、ベース層5と、ベース層5の表面に 層された画像層3と、該画像層3の表面に積層 された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、 ース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含 む第2帯電防止層2と、を備える。すなわち、 汚積層体14は、第1帯電防止層1、画像層3、 ース層5、第2帯電防止層2の順序で積層され いる。
 かかる防汚積層体14は、第1帯電防止層1とベ ース層5との間に、画像層3を有する点で、第1 実施形態に係る防汚積層体11と相違する。

 上記防汚積層体14は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止 層1及び第2帯電防止層2が含有するので、埃、 粉塵の付着を十分に抑制することができる。

 上記防汚積層体14は、ベース層5と、第1帯電 防止層1との間に、画像層3を有するので、被 付体に模様を付与することができる。
 また、被貼付体に模様が付与されている場 は、3次元的な画像とすることができる。

(画像層)
 画像層3は、ベース層5の表面に形成される
 画像層13を設ける方法としては、スクリー 印刷法、インクジェット法、転写、ロール ーティング法、スプレー法等が挙げられる

 上記防汚積層体14において、画像層3には、 図、模様、標識等の図柄や文字等の画像が 成される。
 かかる画像は、公知の染料や顔料により描 れる。

 染料としては、天然染料、合成染料、蛍光 料等が挙げられ、顔料としては、天然鉱物 料、合成無機顔料、セラミック顔料等の無 顔料、不溶性色素、アゾ系顔料、多環式系 料、レーキ顔料等の有機顔料が挙げられる なお、この染料又は顔料は、水性であって 油性であってもよい。
 これらの中でも、耐光性に優れることから 無機顔料を用いることが好ましい。

 上記画像層3は、染料又は顔料の他、合成 樹脂、紫外線吸収剤、消泡剤、粘度調整剤、 レベリング剤、分散剤、湿潤剤、潤滑剤、防 腐剤、pH調整剤、難燃剤等の添加剤が含まれ いてもよい。

 上記防汚積層体14の製造方法は、フィル の表面に、画像を形成し、その後、画像層3 表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで 第2帯電防止層2を形成すればよい。なお、フ ィルムの表面に、画像を形成し、第2帯電防 層2を形成してから、第1帯電防止層1を形成 てもよい。

 上記防汚積層体14においては、防汚性を有 る第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2が形成 れているので、埃の付着を防止でき、脂汚 もより十分に抑制できる。
 また、防汚積層体14の第1帯電防止層1及び第 2帯電防止層2とベース層5との接着性にも優れ 、第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2自体の 光性にも優れる。

[第5実施形態]
 図5は、本発明の防汚積層体の第5実施形態 示す断面図である。
 図5に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体15は、ベース層5と、ベース層5の表面に 層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と 、ベース層5の裏面に積層された画像層3と、 画像層3に積層された帯電防止剤を含む第2 電防止層2と、を備える。すなわち、防汚積 体15は、第1帯電防止層1、ベース層5、画像 3、第2帯電防止層2の順序で積層されている
 かかる防汚積層体15は、第2帯電防止層2とベ ース層5との間に、画像層3を有する点で、第1 実施形態に係る防汚積層体11と相違する。な 、画像層3は、第4実施形態における画像層3 同義である。

 上記防汚積層体15は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止 層1及び第2帯電防止層2が含有するので、埃、 粉塵の付着を十分に抑制することができる。

 上記防汚積層体15は、ベース層5と、第2帯電 防止層2との間に、画像層3を有するので、被 付体に模様を付与することができる。
 また、被貼付体に模様が付与されている場 は、3次元的な画像とすることができる。

 上記防汚積層体15の製造方法は、フィル の裏面に、画像を形成し、フィルムの表面 、第1帯電防止層1を形成し、次いで、画像層 のフィルムとは反対側に第2帯電防止層2を形 すればよい。なお、フィルムの裏面に、画 を形成し、画像層のフィルムとは反対側に 2帯電防止層2を形成してから、フィルムの 面に第1帯電防止層1を形成してもよい。

 上記防汚積層体15においては、防汚性を有 る第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2が形成 れているので、埃の付着を防止でき、脂汚 もより十分に抑制できる。
 また、防汚積層体15の第1帯電防止層1及び第 2帯電防止層2とベース層5との接着性にも優れ 、第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2自体の 光性にも優れる。

[第6実施形態]
 図6は、本発明の防汚積層体の第6実施形態 示す断面図である。
 図6に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体16は、ベース層5と、ベース層5の表面に 層された画像層3と、該画像層3の表面に積層 された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、 ース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含 まない粘着層4と、を備える。すなわち、防 積層体16は、第1帯電防止層1、画像層3、ベー ス層5、粘着層4の順序で積層されている。
 かかる防汚積層体16は、第1帯電防止層1とベ ース層5との間に、画像層3を有する点で、第2 実施形態に係る防汚積層体12と相違する。な 、画像層3は、第4実施形態における画像層3 同義である。

 上記防汚積層体16は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止 層1が含有するので、埃、粉塵の付着を十分 抑制することができる。

 上記防汚積層体16は、ベース層5と、第1帯電 防止層1との間に、画像層3を有するので、被 付体に模様を付与することができる。
 また、被貼付体に模様が付与されている場 は、3次元的な画像とすることができる。

 上記防汚積層体16の製造方法は、フィル の表面に、画像を形成し、その後、画像層3 表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで 粘着層4を形成すればよい。なお、フィルム 表面に、画像を形成し、粘着層4を形成して から、第1帯電防止層1を形成してもよい。

 上記防汚積層体16においては、防汚性を有 る第1帯電防止層1が形成されているので、埃 の付着を防止でき、脂汚れもより十分に抑制 できる。
 また、防汚積層体16の第1帯電防止層1とベー ス層5との接着性にも優れ、第1帯電防止層1自 体の耐光性にも優れる。

[第7実施形態]
 図7は、本発明の防汚積層体の第7実施形態 示す断面図である。
 図7に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体17は、ベース層5と、ベース層5の表面に 層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と 、ベース層5の裏面に積層された画像層3と、 画像層3に積層された帯電防止剤を含まない 粘着層4と、を備える。すなわち、防汚積層 17は、第1帯電防止層1、ベース層5、画像層3 粘着層4の順序で積層されている。
 かかる防汚積層体17は、粘着層4とベース層5 との間に、画像層3を有する点で、第2実施形 に係る防汚積層体12と相違する。なお、画 層3は、第4実施形態における画像層3と同義 ある。

 上記防汚積層体17は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止 層1が含有するので、埃、粉塵の付着を十分 抑制することができる。

 上記防汚積層体17は、ベース層5と、粘着層4 との間に、画像層3を有するので、被貼付体 模様を付与することができる。
 また、被貼付体に模様が付与されている場 は、3次元的な画像とすることができる。

 上記防汚積層体17の製造方法は、フィル の裏面に、画像を形成し、フィルムの表面 、第1帯電防止層1を形成し、次いで、画像層 のフィルムとは反対側に粘着層4を形成すれ よい。なお、フィルムの裏面に、画像を形 し、画像層のフィルムとは反対側に粘着層4 形成してから、フィルムの表面に第1帯電防 止層1を形成してもよい。

 上記防汚積層体17においては、防汚性を有 る第1帯電防止層1が形成されているので、埃 の付着を防止でき、脂汚れもより十分に抑制 できる。
 また、防汚積層体17の第1帯電防止層1とベー ス層5との接着性にも優れ、第1帯電防止層1自 体の耐光性にも優れる。

[第8実施形態]
 図8は、本発明の防汚積層体の第8実施形態 示す断面図である。
 図8に示すように、本実施形態に係る防汚積 層体18は、ベース層5と、ベース層5の裏面に 層された画像層3と、該画像層3に積層された 帯電防止剤を含む第2帯電防止層2と、を備え 。すなわち、防汚積層体18は、ベース層5、 像層3、第2帯電防止層2の順序で積層されて る。
 かかる防汚積層体18は、第2帯電防止層2とベ ース層5との間に、画像層3を有する点で、第3 実施形態に係る防汚積層体13と相違する。な 、画像層3は、第4実施形態における画像層3 同義である。

 上記防汚積層体18は、上述した第1実施形 に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィ ムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イ ンとの塩からなる帯電防止剤を第2帯電防止 層2が含有するので、埃、粉塵の付着を十分 抑制することができる。

 上記防汚積層体18は、ベース層5と、第2帯電 防止層2との間に、画像層3を有するので、被 付体に模様を付与することができる。
 また、被貼付体に模様が付与されている場 は、3次元的な画像とすることができる。

 上記防汚積層体18の製造方法は、フィル の裏面に、画像を形成し、画像層3のフィル とは反対側に第2帯電防止層2を形成すれば い。

 上記防汚積層体18においては、防汚性を有 る第2帯電防止層2が形成されているので、埃 の付着を防止でき、脂汚れもより十分に抑制 できる。
 また、防汚積層体18の第2帯電防止層2とベー ス層5との接着性にも優れ、第2帯電防止層2自 体の耐光性にも優れる。

 以上、本発明の好適な実施形態について 明したが、本発明は上述した実施形態に限 されるものではない。

 例えば、本実施形態に係る防汚積層体に いては、ベース層5に用いられるフィルムの 代わりに、アルミニウム板、鉄板、鋼板等の 金属板を用いてもよい。

 本実施形態に係る防汚積層体11~18は、円 状や三角錐状であってもよい。

 上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2に は、合成樹脂が含まれていることが好ましい 。
 この場合、ポリエーテルポリオールが、帯 防止剤のブリードを抑制する。

 上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2、 粘着層4には、充填材(フィラー)が含まれてい ることが好ましい。
 フィラーが含まれていると、画像が描かれ いる場合、防汚積層体の表面のつやが消え ので、光の反射が抑制され、画像が見易く る。

 上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2、 画像層3、粘着層4には、紫外線吸収剤が含ま ていることが好ましい。
 この場合、耐光性が向上する。

 上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2 、画像層3、粘着層4には、これら以外に、消 剤、粘度調整剤、レベリング剤、分散剤、 潤剤、潤滑剤、防腐剤、pH調整剤、難燃剤 の添加剤が含まれていてもよい。

 本実施形態に係る防汚積層体11~18におい は、第2帯電防止層2又は粘着層4のベース層5 とは反対側に、上述したように離型紙が貼 れていてもよく、金属箔が貼られていても い。

 以下、実施例により本発明を更に具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。

(実施例1)
 フッ素系樹脂(商品名;ルミフロンLF200、旭硝 子株式会社製、水酸基価52mgKOH/g、40%キシレン 溶液)100質量部(固形分の量)と、シリコーン変 性アクリル樹脂(商品名;BYK-SILCLEAN3700、ビック ケミー・ジャパン株式会社製)13質量部(固形 の量)と、帯電防止剤(商品名;CIL-312、日本カ リット社製、陽イオン;N-ブチル-3-メチルピ ジニウム、陰イオン;ビストリフルオロメタ ンスルホニルイミド)1質量部と、有機溶剤(キ シレン)150質量部と、を混合し、防汚用塗料 成物を得た。
 そして、これにイソシアネート系架橋剤(商 品名;コロネートHX、日本ポリウレタン工業株 式会社製)を46質量部添加して、厚みが3mmのア ルミ複合板に、スプレー塗装法で防汚用塗料 組成物を塗布し、硬化させることにより、層 (膜)を形成し、サンプル(防汚積層体)を得た

(実施例2)
 帯電防止剤の配合量を1質量部の代わりに3 量部としたこと以外は、実施例1と同様にし サンプル(防汚積層体)を得た。

(実施例3)
 帯電防止剤の配合量を1質量部の代わりに5 量部としたこと以外は、実施例1と同様にし サンプル(防汚積層体)を得た。

(実施例4)
 帯電防止剤の配合量を1質量部の代わりに8 量部としたこと以外は、実施例1と同様にし サンプル(防汚積層体)を得た。

(実施例5)
 フッ素系樹脂(商品名;ルミフロンLF906N、旭 子株式会社製、水酸基価118mgKOH/g、35%キシレ 溶液)100質量部(固形分の量)と、シリコーン 性アクリル樹脂12質量部(固形分の量)と、帯 電防止剤5質量部と、有機溶剤(キシレン)150質 量部と、を混合し、防汚用塗料組成物を得た 。

 そして、これにイソシアネート系架橋剤 43質量部添加して、厚みが3mmのアルミ複合 に、スプレー塗装法で防汚用塗料組成物を 布し、硬化させることにより、層(膜)を形成 し、サンプル(防汚積層体)を得た。

(比較例1)
 帯電防止剤を用いなかったこと以外は、実 例1と同様にしてサンプルを得た。

(比較例2)
 帯電防止剤を用いず、シリコーン変性アク ル樹脂の配合量を13質量部の代わりに3質量 としたこと以外は、実施例1と同様にしてサ ンプルを得た。

(比較例3)
 帯電防止剤及びイソシアネート系架橋剤を いなかったこと以外は、実施例1と同様にし てサンプルを得た。

(比較例4)
 帯電防止剤及びシリコーン変性アクリル樹 を用いなかったこと以外は、実施例1と同様 にしてサンプルを得た。

(比較例5)
 帯電防止剤、シリコーン変性アクリル樹脂 びイソシアネート系架橋剤を用いなかった と以外は、実施例1と同様にしてサンプルを 得た。

[評価方法]
1.筆記ハジキ性
 実施例1~5及び比較例1~5で得られたサンプル れぞれの表面に、油性ペン(商品名;油性マ ックインキ、寺西化学工業社製)又は水性ペ (商品名;ホワイトボードマーカー、ペンテ 社製)を用いて、直線を引いた。
 そして、直線のハジキ具合を目視で観察し 。
 筆記ハジキ性は、下記基準で評価した。す わち、ハジキが完全にあるものを◎とし、 ジキが全くないものを×とし、その中間を 、△とした。なお、◎及び○が実用可能な 囲である。
 得られた結果を表1に示す。

2.布除去性
 実施例1~5及び比較例1~5で得られたサンプル れぞれの表面に、油性ペン又は水性ペンを いて、直線を引いた。
 そして、それを不織布(商品名;キムテック 、株式会社クレシア製)で拭き取る操作を10 繰り返し、サンプルの表面の油性ペン又は 性ペンの残存具合を目視で観察した。
 布除去性は、下記基準で評価した。すなわ 、油性ペン又は水性ペンの残存が全くない のを◎とし、残存するものを×とし、その 間を○、△とした。なお、◎及び○が実用 能な範囲である。
 得られた結果を表1に示す。

3.テープ除去性
 実施例1~5及び比較例1~5で得られたサンプル れぞれの表面に、油性ペン又は水性ペンを いて、直線を引いた。
 そして、その上にテープ(ニチバン社製)を り、剥がす際の除去性を目視で観察した。
 テープ除去性は、下記基準で評価した。す わち、油性ペン又は水性ペンの残存が全く いものを◎とし、完全に残存するものを× し、その中間を○、△とした。なお、◎及 ○が実用可能な範囲である。
 得られた結果を表1に示す。

4.ダスト付着性
 実施例1~5及び比較例1~5で得られたサンプル れぞれを、トンネル内にて1週間放置し、ダ スト(すなわち、埃)の付着具合を目視で観察 た。
 ダスト付着性は、下記基準で評価した。す わち、ダストの付着が極めて少ないものを とし、ダストの付着が少なく下地が十分に められるものを○とし、ダストの付着があ ものの下地が認められるものを△とし、ダ トの付着が多いものを×とした。なお、◎ び○が実用可能な範囲である。
 得られた結果を表1に示す。また、実施例1 得られたサンプルのダスト付着性試験の結 の写真を図9に示し、実施例5で得られたサン プルのダスト付着性試験の結果の写真を図10 示し、比較例1で得られたサンプルのダスト 付着性試験の結果の写真を図11に示し、比較 3で得られたサンプルのダスト付着性試験の 結果の写真を図12に示す。

5.導電性
 実施例1~5及び比較例1~5で得られたサンプル れぞれを用い、JIS K 6723に準拠した導電性 験を行った。
 得られた結果を表1に示す。なお、表1中の は、株式会社アドバンテストのR8340 ULTRA HIG H RESISTANCE METERで測定した値であり、温度23 、湿度40%RH、電圧100V、時間30秒の条件下にお ける表面抵抗値である。

 表1の結果より、本発明の実施例1~5のサンプ ル(防汚積層体)によれば、筆記ハジキ性、布 去性、テープ除去性、ダスト付着性のいず においても、比較例1~5のサンプルよりも優 ることがわかった。
 したがって、本発明によれば、撥水性や脂 れ等に対する防汚性に加えて、埃の付着に する防汚性にも優れることが確認された。

 次に、帯電防止剤が含まれる層は、どの が最適か、及び、帯電防止剤の最適な配合 合を調査した。

(実施例6)
 薄膜塩化ビニルフィルム(ベース層、厚み100 μm)の表面に、フッ素系樹脂(商品名;ルミフロ ンLF200、旭硝子株式会社製、水酸基価52mgKOH/g 40%キシレン溶液)65質量%(固形分の量)と、シ コーン変性アクリル樹脂(商品名;BYK-SILCLEAN37 00、ビックケミー・ジャパン株式会社製)10質 %(固形分の量)と、帯電防止剤(商品名;CIL-312 日本カーリット社製、陽イオン;N-ブチル-3- チルピリジニウム、陰イオン;ビストリフル オロメタンスルホニルイミド)5質量%と、有機 溶剤(キシレン)5質量%と、を混合した第1塗料 成物を付与した。
 そして、これにイソシアネート系架橋剤(商 品名;コロネートHX、日本ポリウレタン工業株 式会社製)を15質量%(フッ素系樹脂に対して23 量%)添加して、硬化させることにより、第1 電防止層(厚み30μm)を形成した。

 次に、薄膜塩化ビニルフィルムの裏面に、 クリル系粘着剤(商品名;704接着剤、株式会 ミノグループ製)95質量%と、帯電防止剤(商品 名;CIL-312、日本カーリット社製、陽イオン;N- チル-3-メチルピリジニウム、陰イオン;ビス トリフルオロメタンスルホニルイミド)5質量% と、有機溶剤(キシレン)5質量%と、を混合し 第2塗料組成物を付与した。
 その後、これを乾燥させ硬化させることに り、第2帯電防止層(厚み30μm)を形成し、サ プル(防汚積層体)を得た。

(実施例7)
 第1帯電防止層における帯電防止剤の配合量 を3質量%とし、第2帯電防止層における帯電防 止剤の配合量を3質量%としたこと以外は、実 例6と同様にして、サンプル(防汚積層体)を た。

(実施例8)
 第1帯電防止層を設けなかったこと以外は、 実施例6と同様にして、サンプル(防汚積層体) を得た。

(実施例9)
 第1帯電防止層を設けず、第2帯電防止層に ける帯電防止剤の配合量を3質量%としたこと 以外は、実施例6と同様にして、サンプル(防 積層体)を得た。

(実施例10)
 薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリ ステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以 は、実施例6と同様にして、サンプル(防汚積 層体)を得た。

(実施例11)
 薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリ ステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以 は、実施例7と同様にして、サンプル(防汚積 層体)を得た。

(実施例12)
 薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリ ステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以 は、実施例8と同様にして、サンプル(防汚積 層体)を得た。

(実施例13)
 薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリ ステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以 は、実施例9と同様にして、サンプル(防汚積 層体)を得た。

(比較例6)
 第1帯電防止層を設けず、第2帯電防止層に ける帯電防止剤を除いたこと以外は、実施 6と同様にして、サンプルを得た。

(比較例7)
 第1帯電防止層及び第2帯電防止層における 電防止剤を除いたこと以外は、実施例6と同 にして、サンプルを得た。

(比較例8)
 薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリ ステルフィルム(厚み110μm)を用い、第1帯電 止層を設けず、第2帯電防止層における帯電 防止剤を除いたこと以外は、実施例6と同様 して、サンプルを得た。

(比較例9)
 薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリ ステルフィルム(厚み110μm)を用い、第1帯電 止層及び第2帯電防止層における帯電防止剤 を除いたこと以外は、実施例6と同様にして サンプルを得た。

[試験方法1]
 実施例6~13及び比較例6~9で得られたサンプル を、ウール布で30回摩擦させ、直後に静電気 定器(商品名;LC-2、シムコジャパン株式会社 )にて、摩擦帯電した表面電位を測定した。 なお、摩擦させた範囲は、中央付近、ストロ ーク±70mmの範囲とした。また、試験の条件は 、温度26~28℃、湿度34~38%であった。
 得られた結果を表2に示す。表中「-」は、 1帯電防止層自体を設けていないことを意味 、「<50」は、測定器の測定限界以下であ ことを意味する。

[試験方法2]
 実施例6~13及び比較例6,8で得られたサンプル を、市販品アクリル板(厚み5mm)の片面に貼り け、その上からウール布で30回摩擦させ、 後に静電気測定器(商品名;LC-2、シムコジャ ン株式会社製)にて、摩擦帯電した表面電位 測定した。なお、摩擦させた範囲は、中央 近、ストローク±70mmの範囲とした。また、 験の条件は、温度26~28℃、湿度34~38%であっ 。
 得られた表面電位の結果を表3に示す。表中 「-」は、第1帯電防止層自体を設けていない とを意味し、「<50」は、測定器の測定限 以下であることを意味する。

 表2及び表3の結果より、帯電防止剤が配合 れていない比較例のサンプルは、摩擦帯電 より数kV~数十kVの帯電が発生することがわか った。
 これに対し、実施例6~13のサンプルは、帯電 の量を極めて少なくできることがわかった。 なお、第1帯電防止層及び第2帯電防止層に帯 防止剤が含まれているサンプルは、裏面の 位も小さくなるので、表面のみならず裏面 も埃や粉塵が付着しにくくなると考えられ 。また、かかる結果は、薄膜塩化ビニルフ ルムの代わりにアルミニウム板を用いた場 も同様な傾向にある。
 このことから、本発明の防汚積層体によれ 、埃、粉塵の付着を十分に抑制できると確 する。

(実施例14~18)
 薄膜塩化ビニルフィルムを表4に示すものと し、シリコーン変性アクリル樹脂(表中「Ac」 と示す。)、帯電防止剤及びイソシアネート 架橋剤(表中「架橋剤」と示す。)の配合割合 を表4に示すような値としたこと、及び、第2 電防止層を設けなかったこと以外は、実施 6と同様にして、サンプルを得た。

[試験方法3]
 実施例14~18で得られたサンプルを用い、屋 で暴露試験を行った。屋外暴露は、ブラン (屋外暴露0週間)、屋外暴露1週間、屋外暴露2 週間、屋外暴露3週間行った。
 そして、得られたサンプルを、ハジキ性及 拭取り性で評価した。

 なお、ハジキ性は、極太油性ペン(商品名: イマッキー、ゼブラ株式会社製)にて、マー ングをし、目視にてインクのハジキ具合を 認した。
 得られたハジキ性試験の結果を表5に示す。 表中、「○」はハジキが認められる状態を意 味し、「△」はハジキが僅かに認められる状 態を意味し、「×」は全くハジキが認められ い状態を意味する。なお、ハジキが認めら る状態とは、油性の汚れが付着し難いこと 意味する。

 また、拭取り性は、乾燥した綿布で油性イ クを拭取り、目視にてインクの残存状態を 認した。
 得られた拭取り性試験の結果を表6に示す。 表中、「○」はインクが全く残らない状態を 意味し、「△」はインクが僅かに残る状態を 意味し、「×」はインクが残る状態を意味す 。なお、インクが残らない状態とは、油性 汚れが付着し難いことを意味する。

 表5及び表6に示す結果より、帯電防止剤 配合割合が5質量%以下であれば、耐候性にも 優れることがわかった。

 次に、帯電防止剤、シリコーン変性アク ル樹脂及び架橋剤の最適な配合割合につい 調査した。

(実施例19~34)
 薄膜塩化ビニルフィルムを表7に示すものと し、シリコーン変性アクリル樹脂(表中「Ac」 と示す。)、帯電防止剤及びイソシアネート 架橋剤(表中「架橋剤」と示す。)の配合割合 を表7に示すような値としたこと、及び、第2 電防止層を設けなかったこと以外は、実施 1と同様にして、サンプルを得た。

[試験方法4]
 実施例19~34で得られたサンプルを用い、60℃ の温水にて耐温水性試験を行った。なお、耐 温水性は、ブランク(浸漬0時間)、浸漬1時間 浸漬1日間、浸漬3日間、浸漬7日間、浸漬17日 間行った。
 そして、得られたサンプルを、上述したハ キ性及び拭取り性により評価した。
 得られたハジキ性試験の結果を表8に示し、 拭取り性試験の結果を表9に示す。

 表8及び表9に示す結果より、架橋剤が多 なるとハジキ性が悪くなることがわかった また、シリコーン変性アクリル樹脂の配合 合は、耐候性、耐温水性に影響を与えない とがわかった。

 本発明の防汚用塗料組成物によれば、撥水 や脂汚れ等に対する防汚性に加えて、埃の 着に対する防汚性にも優れる層(膜)が形成 能である。したがって、防汚用塗料組成物 、例えば、金属板、フィルム又は木材等の 体に付与して用いられる。
 本発明の防汚積層体によれば、被貼付体へ 埃、粉塵の付着を十分に抑制できる。した って、防汚積層体は、例えば、看板、信号 掲示板等、屋外に長期間設置される表示板 貼付する用途に用いられる。特に、排気ガ が多い駅のホームやトンネル内に表示板が 置される場合に有用である。

図1は、本発明の防汚積層体の第1実施 態を示す断面図である。 図2は、本発明の防汚積層体の第2実施 態を示す断面図である。 図3は、本発明の防汚積層体の第3実施 態を示す断面図である。 図4は、本発明の防汚積層体の第4実施 態を示す断面図である。 図5は、本発明の防汚積層体の第5実施 態を示す断面図である。 図6は、本発明の防汚積層体の第6実施 態を示す断面図である。 図7は、本発明の防汚積層体の第7実施 態を示す断面図である。 図8は、本発明の防汚積層体の第8実施 態を示す断面図である。 図9は、実施例1で得られたサンプルの スト付着性試験の結果の写真である。 図10は、実施例5で得られたサンプルの ダスト付着性試験の結果の写真である。 図11は、比較例1で得られたサンプルの ダスト付着性試験の結果の写真である。 図12は、比較例3で得られたサンプルの ダスト付着性試験の結果の写真である。

符号の説明

 1・・・第1帯電防止層
 2・・・第2帯電防止層
 3・・・画像層
 4・・・粘着層
 5・・・ベース層
 11,12,13,14,15,16,17,18・・・防汚積層体




 
Previous Patent: WO/2009/084355

Next Patent: MEASURING APPARATUS