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Patent Searching and Data


Title:
ANTISKID DEVICE FOR VEHICULAR TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081979
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an antiskid device, which can keep the traveling characteristics of a vehicle as high as possible and can enhance the durability. This antiskid device comprises an antiskid member including an annular band (11) covering the tread (T1) of a vehicular tire (T), and an elastic ring (14) for fastening the antiskid member in a direction to constrict the antiskid member radially. This antiskid member is constituted of the fabric, which has warps (11a) and wefts (11b) woven to interlace at a right angle with each other. The warps (11a) or the wefts (11b) intersect the circumferential direction of the tire (T). Preferably, the intersection angle is 30 degrees to 45 degrees. The inner circumference length of the band (11) in a free state is preferably set to 106 % or less of the maximum circumference of the tire (T).

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Inventors:
SHIMOURA SUSUMU (JP)
KOIZUMI SHUNJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073580
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOIZUMI CO LTD (JP)
SHIMOURA SUSUMU (JP)
KOIZUMI SHUNJI (JP)
International Classes:
B60C27/18
Domestic Patent References:
WO2006129147A12006-12-07
WO2007039923A12007-04-12
WO2007116638A12007-10-18
Foreign References:
JP2002541007A2002-12-03
US1967522A1934-07-24
DE2108386A11972-08-24
JPH01117905U1989-08-09
US2682907A1954-07-06
JP2000158925A2000-06-13
US5044411A1991-09-03
JPS5176709A1976-07-02
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 車両用タイヤの滑り止め装置であって、
 車両用タイヤのトレッドを被覆する環状のバンドを含む滑り止め部材と、
 前記滑り止め部材を縮径する方向に締め付ける締付部とを備え、
 前記滑り止め部材は、経糸と緯糸とが互いに直角に交錯して織成された繊維織物で構成され、前記締付部は、前記バンドにおける繊維織物を構成する経糸または緯糸の何れかに沿う方向が前記タイヤの周方向と交差する姿勢で前記滑り止め部材を縮径させる、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項1記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記バンドにおける繊維織物を構成する経糸または緯糸の何れかに沿う方向とタイヤの周方向との交差角度が30度以上45度以下である、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項2記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記締付部による締め付けが行われていない自由状態における前記バンドの内周長が前記タイヤの最大外周の106パーセント以下である、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項1から3の何れか1項に記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記滑り止め部材は、前記バンドと、このバンドの幅方向両端部のうちの少なくとも一方の端部からタイヤ径方向内側に延設される補助部材とを有する、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項4記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記補助部材の端部に前記タイヤの周方向に並ぶ複数の切欠が形成され、これらの切欠同士の間に位置する補助部材の部分が、前記締付部に対して周方向に間欠的に並ぶ複数の位置でそれぞれ連結される複数の連結部を構成する、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項5記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記締付部は、前記補助部材の端部に沿って設けられ、その端部を縮径方向に付勢する弾性復帰力をもつ環状の弾性部材を含む、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項6記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記補助部材は、タイヤ外側とタイヤ内側の双方について設けられ、
 前記弾性部材として、前記タイヤ外側に設けられた補助部材の端部に連結される環状の外側弾性部材と、前記タイヤ内側に設けられた補助部材の端部に連結される環状の内側弾性部材とを含み、前記内側弾性部材の最大伸び長さがタイヤの最大周長よりも大きく設定される一方、前記外側弾性部材の最大伸び長さがタイヤの最大周長よりも小さく設定される、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項7記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記内側弾性部材に、この内側弾性部材が前記タイヤの最大周長よりも大きな長さまで伸びることを阻止する伸び規制部材が付与される、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項6から8の何れか1項に記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記弾性部材は、長手方向に伸縮可能な複数本のコイルスプリングと、これらのコイルスプリングの端部同士の間に介在して屈曲可能な屈曲節とを含む、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項9記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記屈曲節は、当該弾性部材の周方向に90度間隔で等配される、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項1から10の何れか1項に記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記滑り止め部材は、互いに周方向に並ぶ複数のユニット部材により構成され、互いに隣接するユニット部材の端部同士が連結されることにより滑り止め部材全体が環状をなす、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項11記載の車両用タイヤの滑り止め装置を製造するための方法であって、
 前記滑り止め部材を構成するためのユニット部材として、第1のユニット部材と、この第1のユニット部材と周方向の長さが異なる第2のユニット部材とを用意する工程と、
 前記滑り止め部材に求められる周長に基いて、使用される第1のユニット部材の個数及び使用される第2のユニット部材の個数を決定し、その決定した個数の第1のユニット部材及び第2のユニット部材を周方向に相互つなぎ合せて滑り止め部材を形成する工程と、
 この滑り止め部材に前記締付部を付与する工程とを含む、車両用タイヤの滑り止め装置の製造方法。
 請求項1から11の何れか1項に記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 さらに、前記滑り止め部材の幅方向両端部のうちタイヤの外側に位置する端部上の部位であって互いに周方向に離れる部位同士を連結することにより当該滑り止め部材がタイヤの内側に外れるのを防ぐ外れ防止部材を備える、車両用タイヤの滑り止め装置。
 請求項13記載の車両用タイヤの滑り止め装置において、
 前記外れ防止部材は、前記滑り止め部材が前記タイヤに装着された状態でこの滑り止め部材の内側の領域におけるタイヤの外側面全体を被覆するように前記滑り止め部材に装着される被覆部材であることを特徴とする車両用タイヤの滑り止め装置。
Description:
車両用タイヤの滑り止め装置

 本発明は車両用タイヤの滑り止め装置に し、特に、雪上、氷上など路面が滑りやす 時に自動車等のタイヤに装着される車両用 イヤの滑り止め装置に関する。

 自動車等のタイヤに装着される滑り止め 置として、例えば、特許文献1に開示された ものが知られている。この滑り止め装置は、 車両用タイヤのトレッドを被覆する環状のバ ンドと、このバンドを当該タイヤに固定する ための固定部材とを有している。前記バンド は、経糸と緯糸とが互いに直角に交錯して織 成された繊維織物で構成され、当該経糸が前 記タイヤの周方向に沿う姿勢で当該タイヤの 表面上に装着される。前記バンドは、路面と の間に高い摩擦係数を有し、その摩擦力によ って、車両のスリップ等を防止し、雪路、ア イスバーン走行を容易且つ安全にする機能を 奏する。

 この特許文献1に開示された滑り止め装置で は、タイヤに対するバンドの取り付けを容易 にするために、バンドの内周が、タイヤの外 周より少なくとも4パーセント大きいオーバ サイズに設定されている。このようなオー ーサイズに設定されたバンドを用いる場合 そのオーバーサイズ分だけ当該バンドを周 向に縮める必要がある。しかし、当該バン は繊維材料からなり、前記周方向に繊維が されているので、当該周方向に締付力を与 てもバンド自体は周方向にほとんど収縮し い。従って、その締付けはバンドの端部に しい皺を生じさせる。この皺は、車両の走 時にバンドを損傷する原因となり、バンド 短寿命化を招来する。加えて、バンドの周 をタイヤの最大周長よりも著しく大きくす ことは、タイヤに対してバンドを浮きやす し、車両の走行性に影響を与えるおそれが る。このバンドの浮きは、高速走行時に滑 止め装置がタイヤから離脱する原因にもな 得る。

特表2002-541007号公報

 本発明は、車両の走行性を損なうことを 避しながら、高い耐久性及び高い滑り止め 果を得ることができる車両用タイヤの滑り め装置を提供することを目的とする。

 本件発明者は、前記目的を達成するため 鋭意研究した結果、バンドを含む滑り止め 材の素材となる繊維織物の伸縮性が当該繊 織物の織り方向によって大きく異なること 着目し、本発明を完成させた。具体的に、 維織物は、その織り方向や織り方向に直交 る方向の伸びが小さい特性を有するので、 許文献1に開示される先行技術のようにバン ドを構成する繊維織物の織り方向(当該繊維 物を構成する経糸と緯糸の何れかに沿う方 )がタイヤの周方向と一致するようにタイヤ 装着されるものでは、その装着を容易にす ためにバンドの周長をタイヤの周長よりも なり大きく設定せざるを得ない。これに対 て、前記バンドにおける織り方向がタイヤ 周方向と交差するように当該タイヤに滑り め部材が装着される場合、当該滑り止め部 のバンドはタイヤの周方向に高い伸縮性を するため、その周長を特に大きく設定する 要がなくなる。

 このような観点から、本発明に係る車両 タイヤの滑り止め装置は、車両用タイヤの レッドを被覆する環状のバンドを含む滑り め部材と、前記バンドを縮径する方向に締 付ける締付部とを備え、前記滑り止め部材 経糸と緯糸とが互いに直角に交錯して織成 れた繊維織物で構成される。前記締付部は 前記バンドにおける繊維織物を構成する経 と緯糸の何れかに沿う方向が前記タイヤの 方向と交差する姿勢で前記滑り止め部材を 径させる。

従来品と同等の仕様で作成された試験 ートの検証結果を示す図であって、(A)は、 来仕様の試験シートに荷重を付加していな 時の状態を示し、(B)は当該試験シートに荷 を付加した時の状態を示す。 (A)は、本発明の開発過程となった試験 ートの検証結果を示す図であって開発品の 験シートに荷重を付加していない時の状態 示し、(B)は、本発明の開発過程となった試 シートの検証結果を示す図であって当該試 シートに荷重を付加した時の状態を示す。 (A)は、本発明の実施の第1の形態に係る 滑り止め装置をタイヤの外側から見た斜視図 であり、(B)は、当該滑り止め装置をタイヤの 内側から見た斜視図である。 図3に示される滑り止め装置の展開図で ある。 本発明の第2の実施形態に係る滑り止め 装置をタイヤ外側から見た斜視図である。 図5に示される滑り止め装置の展開図で ある。 本発明の第2の実施形態に係る切欠がタ イヤ内側に配される内フランジに形成された 滑り止め装置をタイヤ内側から見た斜視図で ある。 本発明の第3の実施形態に係る滑り止め 装置をタイヤ外側から見た斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る滑り止め 装置をタイヤ外側から見た斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る滑り止 装置をタイヤ内側から見た斜視図である。 図10に示される滑り止め装置の要部を す断面略図である。 図10に示される滑り止め装置の展開図 ある。 本発明の第6の実施形態に係る滑り止 装置の締付部の構成を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る滑り止 装置を折り畳んだ状態を示す斜視図である (A)は、本発明の第7の実施形態に係る り止め装置を構成する第1のユニット部材の 開図、(B)は、同装置を構成する第2のユニッ ト部材の展開図である。 (A)~(E)は、前記第1のユニット部材及び 記第2のユニット部材の組合せによって構築 され得る滑り止め部材の例を示す展開図であ る。 (A)は、本発明の第8の実施形態に係る り止め装置の装着状態をタイヤの外側から た斜視図、(B)は、当該装着状態をタイヤの 側から見た斜視図である。 (A)は、本発明の第8の実施形態に係る り止め装置の装着作業中の状態をタイヤの 側から見た斜視図、(B)は、当該装着作業中 状態をタイヤの内側から見た斜視図である 本発明の第8の実施形態に係る滑り止 装置の弾性リングの荷重伸び特性を示すグ フである。

 以下、添付図面を参照しながら本発明の ましい実施の形態について説明する。

 まず、本発明の開発過程となった検証結 について説明する。

 図1(A)(B)は、従来品と同等の仕様で作成さ れた試験シート1の検証結果を示す。このう (A)は、従来仕様の試験シート1に荷重が付加 れていない時の状態、(B)は荷重が付加され 時の状態をそれぞれ示す。

 図1に示される試験シート1は、特許文献1 開示された滑り止め装置のバンドと同等の のであり、図1(A)に示すように、帯状に展開 され、かつ、その長手方向両端(上下端)が幅 向に移動しないように拘束され、その長手 向一端が天井から垂下される。自由状態に ける試験シート1の幅、長さは、それぞれ300 mm、1200mm、目付は100mm格子である。

 前記試験シート1は、経糸1aと緯糸1bとを 角に織り込んだ織物材料(ポリエチレンテレ タレートを3/1綾織りしたもの)からなる。試 験シート1の長手方向は、当該織物材料の経 1aと平行な方向に設定されている。

 この試験シート1に20Nの荷重を付与する引 っ張り試験が行われた。その結果、試験シー ト1の荷重付与時の単位長さLexは、無荷重時 単位長さLに対して数パーセント増加するの で、また、単位幅Wsrも自由状態での単位幅W に対して数パーセント縮む程度で殆ど変形は なかった。この特性は、試験シート1の織り として、平織り、朱子織りのそれぞれにつ ても殆ど同じであった。

 前記試験の結果は、タイヤのトレッドを 覆するためのバンドが織物材料で構成され 場合に、その長手方向すなわちタイヤの周 向と織物材料の経糸1aまたは緯糸1bの方向と が平行であると、当該バンドは当該周方向に ほとんど伸張できないことを明らかにしてい る。このことは、特許文献1に開示されてい ように、バンドの内周長をタイヤの最大外 長よりも著しく大きく設定する必要を生じ せる。

 これに対して図2(A)(B)は、本発明の開発過 程となった試験シート2の検証結果を示すも で、図2(A)は、開発品の試験シート2に荷重が 付加されていない時の状態、図2(B)は荷重が 加された時の状態をそれぞれ示す。

 この開発品として作成された試験シート2 の仕様は、材質、長さL、幅W、目付ともに、 来品仕様の前記試験シート1と同一であるが 、開発品の試験シート2では、その経糸2a及び 緯糸2bが長手方向に対して45度で交差するよ に繊維の向きが設定されている。このよう 試験シート2を天井から垂下し、図1の場合と 同様の条件で荷重を付与する試験が行われた 結果、試験シートの荷重時の単位長さLexは、 無荷重時の単位長さLに対して18パーセント長 く、また、単位幅Wsrは自由状態での単位幅W 対して22パーセント縮み、L/Wが1なのに対し Lex/Wsrは1.55となることが判明した。すなわち 、この試験シート2は長手方向及び幅方向の ずれにも大きく変形することが分かった。 の結果は、平織り、綾織り、朱子織りのそ ぞれについても殆ど同じであった。

 前記の結果は、織り方向と張力の方向と 交差することがバンドの伸縮性を著しく向 させることを示している。従って、この伸 性を利用すれば、タイヤの最大周長よりバ ドの周長が小さくても、このバンドをタイ のトレッドの周囲に容易に装着することが 能になる。例えば、前記バンドに締付力が えられていない自由状態でのバンドの内側 長(内周長)がタイヤの最大外周長の106パー ント以下であっても、当該バンドの高い伸 性を利用してタイヤの外側から当該バンド 装着することが可能であり、しかも、その 着後は締付部が当該バンドを縮径させるこ により、当該バンドは殆ど皺をもたずにタ ヤの外周に沿った安定した状態で取り付け れることができる。

 次に、本発明の具体的な実施形態につい 説明する。なお、以下の説明において、同 の部材には、同一の符号を付し、重複する 明を省略する。

 図3(A)(B)は、本発明の第1の実施形態に係 滑り止め装置10の斜視図であり、図3(A)はタ ヤTの外側、図3(B)はタイヤTの内側から見た 態をそれぞれ示している。また、図4は、第1 の実施形態に係る滑り止め装置10の展開図で る。

 図3および図4を参照して、本実施形態に る滑り止め装置10は、タイヤTのトレッドT1外 周を全面的に被覆するバンド11と、このバン 11の幅方向両側端部からタイヤ径方向の内 に延設された補助部材としての一対の内フ ンジ12と、これらの内フランジ12の内周端部 それぞれ配設された一対の弾性リング(環状 の弾性部材)14とを備え、前記バンド11及び前 両内フランジ12が滑り止め部材を構成し、 記弾性リング14が締付部を構成している。

 前記バンド11は、図2(A)(B)に示される試験 ート2と同等の織物材料で構成されている。 すなわち、この織物材料は経糸11aおよび緯糸 11bを有し、これらの糸がタイヤTの周方向に して45度で交差するようにその繊維の向きが 設定されている。また、バンド11の外周面に 、路面との摩擦力を増加させる被膜が適宜 成される。

 前記バンド11の自由状態における内周長 、タイヤTの最大外周長を1とした場合、1.06 下(換言すれば、タイヤTの最大外周長はバン ド11の内周長の約0.94倍以上)に設定されてい 。このような寸法比率の設定は、バンド11の 内周長がタイヤTの最大外周より小さくても 業者が装着時に適度の荷重でバンド11を装着 することを可能にする。また、バンド11の内 長がタイヤTの最大外周の106パーセント以下 であれば、当該バンド11の内周長がタイヤTの 最大外周より大きい場合であっても、装着時 にバンド11の内周長は弾性リング14による縮 方向の引張力によって十分に縮むことが可 であり、これにより、バンド11は殆ど皺をも たない状態でタイヤTのトレッドT1に装着され ることができる。

 前記バンド11の伸縮性の向上のためには 前記バンド11における繊維織物の織り方向、 すなわち当該織物を構成する経糸1aまたは緯 1bの何れかに沿う方向が、タイヤの周方向 対して30°以上45°以下の角度で交差すること が、好ましい。

 前記各内フランジ12は、図示の実施形態 は、前記バンド11と同一の素材(繊維織物)に って一体形成されたものであり、トレッドT 1の肩部を覆うようにタイヤTに装着されるこ により、バンド11のトレッドT1の周面からの 位置ずれを規制し、バンド11がトレッドT1と 着した状態を維持する。また、これらの内 ランジ12は、バンド11の横側からその内側に 等が入り込むのを防止する被覆部材の役割 果たす。これらの内フランジ12は、バンド11 を構成する部材とは別部材の繊維織物で構成 されてもよいが、当該内フランジ12とバンド1 1とが単一の材料で形成されることは最も安 な滑り止め装置の製作を実現する。その場 、内フランジ12とバンド11との間に継目がな てもよい。内フランジ12は、タイヤの外側 内側の少なくとも一方に設けられるのがよ 。

 前記バンド11及び内フランジ12からなる滑 り止め部材が前記タイヤTの両側で絞られる 、そのバンド11や内フランジ12に若干の皺11c 生じるが、上述のようにバンド11及び内フ ンジ12を構成する繊維織物の織り方向がタイ ヤTの周方向と交差していることが、装着時 作用する弾性リング14の張力によってバンド 11や内フランジ12の内周長が十分に縮むこと 可能にするので、前記皺11cは、通常の場合 問題のない程度のものにとどめられる。

 各内フランジ12の仕様は、タイヤTの外側 内側とで異なってもよい。

 図5は、本発明の第2の実施形態に係る滑 止め装置10をタイヤ外側から見た斜視図であ り、図6は、図5の滑り止め装置10の展開図で る。

 図5および図6は、タイヤの外側に配置さ た内フランジ12を示している。この内フラン ジ12には、径方向に延びる複数の切欠16が形 されている。これらの切欠16は、タイヤTの 方向に並ぶ複数の位置に間欠的に形成され 前記内フランジ12のうち互いに隣り合う切欠 16同士の間の部分が、前記弾性リング14と部 的につながる連結部13を構成している。各切 欠16は、内フランジ12の周方向の収縮を吸収 ることにより、当該内フランジ12に皺が寄る のを有効に抑制する。

 前記切欠16は、図7に示されるように、タ ヤTの内側に配置される内フランジ12に形成 れるのが特に有効である。この図7は、滑り 止め装置10をタイヤ内側から見た斜視図であ 。タイヤTの内側には懸架装置、ブレーキ装 置等があり、これらの装置類とタイヤTとの 間が小さいことも多いので、前記切欠16がタ イヤの内側で皺の発生を抑制することは、当 該皺の部分とタイヤTの内側に密集している 置類との接触を防止する上で効果的である

 本発明に係る滑り止め装置は、図8に示さ れるように、内フランジ12の内側の領域にお るタイヤTの外側面の全体を被覆する被覆部 材18をさらに備えてもよい。この図8は、当該 被覆部材18を備えた第3の実施の形態に係る滑 り止め装置10をタイヤ外側から見た斜視図で る。

 前記被覆部材18は、内フランジ12に縫い合 わされた軽量の織物材料で形成されている。 この被覆部材18が部分的に被膜されたもの、 えばコードュラ(米国インビスタ社の商標) イプのものであれば、バンド11より軽量であ る。また、通気性を確保するために、被覆部 材18がメッシュで構成されてもよいし、被覆 材18に穿孔が施されてもよい。図3~図7に示 れる滑り止め装置10に比べて、図8に示され 滑り止め装置10を構成する部材の数は被覆部 材18の分だけ多くなるが、この被覆部材18は 滑り止め装置10がタイヤTの内側に外れるこ の防止をより確実にする外れ防止部材とし 機能し得る。また、前記被覆部材18は、その 態様によっては、バンド11の外側端部を縮径 せる締付部として機能することも可能であ 、その場合には前記の弾性リング14の省略 可能である。

 図9は、本発明の第4の実施形態に係る滑 止め装置10をタイヤ外側から見た斜視図であ る。

 この実施の形態に係る滑り止め装置10は 互いに交差するように配置される一対のス ラップ19を備える。これらのストラップ19は 弾性リング14のうち互いに周方向に180°離間 する部位同士をタイヤTの直径方向に連結す ものであって、滑り止め装置10がタイヤTか その内側に不随意に外れることを防止する れ防止部材としての機能を奏する。

 前記各実施形態に係る滑り止め装置10は 通常の走行時にタイヤTから外れることはな が、当該滑り止め装置10が想定以上の高速 行、登坂時などの激しい空転によりタイヤT ら外れる可能性は皆無とはいえない。しか 、その場合でも、滑り止め装置10がタイヤT 内側に外れるより、外側に外れるほうが内 の車の装置との絡みなどがなく、その後の 置が容易と考えられる。従って、当該滑り め装置10がタイヤの内側に外れることを阻 するストラップ19はフェールセーフ機能を奏 する。

 図9に示される例では、2本のストラップ19 がタイヤの回転の中心軸を通るように互いに 直交しているが、本発明においてストラップ 19の具体的な数は限定されない。例えば、3つ のラジアルストラップの組合せが用いられて もよい。また、タイヤの回転の中心から外れ た位置に斜めに取り付けられるストラップも 、外れ防止の効果や、着脱時の把持部材とし ての機能を奏することができる。

 図10は、本発明の第5の実施形態に係る滑 止め装置10をタイヤの内側から見た斜視図 あり、図11は、当該滑り止め装置10の要部を す断面図、図12は、当該滑り止め装置10の展 開図である。

 図10~図12に示される内フランジ12は、バン ド11とは別の部材として構成され、バンド11 りもより軽量かつ柔軟な織物材料からなっ いる。この内フランジ12は、縫い合わされる かまたは別の適当な方法で、バンド11の幅方 において、装着時にタイヤTの内側に配置さ れる側の端縁全周に沿って取り付けられる。 この内フランジ12の内側面には、低摩擦の被 、好ましくは、シリコンポリマー、ブタジ ンゴム、ネオプレンゴム、PVC、または類似 ポリマーが設けられてもよい。このような 摩擦の被膜は、滑り止め装置10の装着時に タイヤT上の適所にバンド11を取付ける作業 容易にする。

 このようにバンド11とは別部材で構成さ た補助部材としての内フランジ12を当該バン ド11に取り付けることの効果は、異なる素材 適所適用にある。タイヤTのトレッドを被覆 するためのバンド11には高い耐久力が必要な め、当該バンド11は比較的厚い織物で構成 れる必要があるが、タイヤTの側面を覆うよ に配置される内フランジ12には高い耐久性 要求されないので比較的薄い織物を使用で る。

 また、内フランジ12はその内側周端に前 弾性リング14を摺接可能に収容するポケット 13aを有することが好ましいが、当該内フラン ジ12がバンド11と別部材で構成されることは 当該内フランジ12の材質として、弾性リング 14に与える摩擦抵抗を低減してその伸縮をス ーズにすることが可能なものを使用するこ を可能にする。このように、バンド11とは 部材として補助部材(内フランジ12)を具備す ことは、タイヤ側面上で滑り止め装置に生 る皺の程度を軽減できるだけでなく、弾性 ング14の機能の向上や、さらには、製作費 削減に寄与することができるのである。

 なお、前記ポケット13aは、例えば前記弾 リング14が単なるゴム紐で形成されていて 記内フランジ12に縫い付けられるような場合 には、省略可能である。

 上述した各態様において、タイヤTの外側 に配置される構成(図3(A)、図5、図8、図9)と、 タイヤTの内側に配置される構成(図3(B)、図7 図10)とは、適宜、自由に組み合わされるこ が可能である。

 前記各実施形態に係る弾性リング14は、 記のような単なるゴム紐でもよいし、ある はコイルスプリングで構成されてもよい。 者の例を第6の実施の形態として図13及び図14 に示す。図13は、この実施形態に係る滑り止 装置10の締付部を構成する弾性リング14を示 す斜視図であり、図14は、この実施形態に係 滑り止め装置10を折りたたんだ状態を示す 視図である。

 図14を参照して、滑り止め装置10の内フラ ンジ12の内周には、間に切欠16をおいて間欠 に並ぶ複数の連結部13が形成され、各連結部 13の内端にそれぞれ環状ポケット13aが形成さ ている。そして、これらの環状ポケット13a に弾性リング14が摺動可能に挿通されて保 されている。前記環状ポケット13aは、バン 11と同一部材または別部材で形成されるが、 当該環状ポケット13aの内周面は、この内周面 に対する弾性リング14の摺接を伴う相対変位 円滑にするように、摩擦係数の低い素材で 覆されることが好ましい。或いは、環状ポ ット13a全体が摩擦係数の低い部材で構成さ ることが好ましい。

 この実施の形態に係る弾性リング14は、 13に示されるように、周方向に分割された複 数(図例では4本)のコイルスプリング14bと、互 いに隣接するコイルスプリング14bの端部同士 を連結する屈曲節としての複数の紐14cとで構 成される。各コイルスプリング14bは、例えば 鋼線のスプリングからなり、前記紐14cを介し て相互に連結されることにより、環状ポケッ ト13aの全周にわたって収容される無端状の弾 性体を構成する。

 滑り止め装置10は、雪上等、低温で温度 化の激しい環境で使用されるので、温度に り伸び特性が変化するゴム紐より、鋼線の プリングを使用したほうがより安定した弾 力を得ることができ、装置の走行性能を高 ることができる。しかし、単一本の鋼線か なるスプリングのみで弾性リング14を構成し た場合、これを折り畳むのは難しい。これに 対し、図13及び図14に示されるように複数の イルスプリング14bとそれらの間に介在する 曲可能な紐14cとの組合せにより構成された 性リング14は、図14に示すように、前記紐14c 節にして滑り止め装置10を折りたたみ、収 性のよい姿勢を維持することを可能にしな ら、コイルスプリング14bによって強い締付 を発揮することができる。

 前記コイルスプリング14b及び前記紐14cの 数は特に限定されない。しかし、図示のよ に4本の紐14cが弾性リング14の周方向に90度 隔で等配されている構造は、滑り止め装置10 全体を4つ折りにしてコンパクトにたたむこ を可能にする。

 本発明の第7の実施の形態を図15及び図16 参照しながら説明する。

 この実施の形態に係る滑り止め部材は、 15(A)に示される第1のユニット部材20Aと、図1 5(B)に示される第2のユニット部材20Bとをそれ れ適当な個数ずつ用いてそれらを組み合わ ることにより、構成される。

 前記第1のユニット部材20Aは、バンド及び 補助部材を含むユニット部材本体22Aと、この ユニット部材本体22Aの長手方向の一方の端部 に形成された重合部24とを有し、これらが繊 織物により一体に形成される。ユニット部 本体22Aの幅方向の両端部には前記各実施形 と同様に複数個の切欠16が等間隔で形成さ 、切欠16同士の間にそれぞれ連結部13が位置 る。同様に、前記第2のユニット部材20Bも、 バンド及び補助部材を含むユニット部材本体 22Bと、このユニット部材本体22Bの長手方向の 一方の端部に形成された重合部24とを有し、 れらが繊維織物により一体に形成されると もに、ユニット部材本体22Bの幅方向の両端 には前記各実施形態と同様に複数個の切欠1 6が等間隔で形成され、切欠16同士の間にそれ ぞれ連結部13が位置する。

 各ユニット部材20A,20Bの重合部24は、これ 隣接する他のユニット部材の端部と重ね合 された状態でこれに縫合等の手段で連結さ るためのものである。この実施の形態では 各ユニット部材を構成する繊維織物の繊維 向が長手方向に対して約45°傾斜しているの で、各ユニット部材の長手方向の端縁も同じ 角度で傾斜している。

 両ユニット部材20A,20Bのユニット部材本体 22A,22Bは、その長手方向について互いに異な 寸法を有する。具体的に、この実施の形態 係る第1のユニット部材20Aのユニット部材本 22Aは、連結部13の配列ピッチを1ピッチとし ときに8ピッチ分の長さを有するのに対し、 前記第2のユニット部材20Bのユニット部材本 22Bは7ピッチ分の長さを有する。

 従って、これらの2種類のユニット部材20A ,20Bを適宜組み合わせることによって、互い 周長の異なる複数種類の滑り止め部材を構 することができる。具体的には、次の各工 を含む方法によって、所望サイズの滑り止 装置を効率よく製造することが可能である

 1)前記第1のユニット部材20A及び前記第2の ユニット部材20Bがそれぞれ量産される。各ユ ニット部材は比較的短尺のものでよいので、 タイヤTのトレッドをその全周にわたって覆 だけの長さを有する単一の滑り止め部材を 産する場合に比べ、各ユニット部材の生産 容易であり、例えば一般の織機を用いて量 することも可能である。

 2)滑り止め装置が用いられるタイヤTのサ ズに基いて、滑り止め部材に求められる周 が割り出され、この周長が得られるように 使用される第1のユニット部材20Aの個数及び 第2のユニット部材20Bの個数が決められる。 体的には、求められる滑り止め部材の周長 大きいほど、第2のユニット部材20Bの使用個 に対する第1のユニット部材20Aの使用個数の 比率が増大する。

 3)その決定した個数の第1のユニット部材2 0A及び第2のユニット部材20Bを周方向に相互つ なぎ合せることにより滑り止め部材を形成す る。この連結は、各ユニット部材に含まれる 重合部24をこれに隣接するユニット部材の端 に重ねて縫合等することにより行われる。 かし、この重合部24は省略可能であり、例 ばユニット部材の端縁同士が突き合わされ その突き合わせ部分が別の連結部材を介し 連結されてもよい。この連結部材も前記各 ニット部材を構成する素材と同様の素材で 成されることが、より好ましい。

 4)前記の3)の工程により形成された滑り止 め部材に前記弾性リング14等の締付部が付与 れることにより、滑り止め装置が完成する

 前記第1のユニット部材20Aと前記第2のユ ット部材20Bの組合せにより選ぶことが可能 滑り止め部材の全長は、当該ユニット部材 使用個数が多くなるほど多様となる。例え 、当該滑り止め部材が4個のユニット部材に り構築されるとすると、図16(A)~図16(E)に示 れるように、32ピッチ分の長さを有する滑り 止め部材(図16(A))から28ピッチ分(図16(E))の長 を有する滑り止め部材まで、5種類の滑り止 部材を形成することが可能である。

 さらに、このように互いに連結される複 のユニット部材により滑り止め部材が構成 れることは、安全性の向上にも寄与するこ ができる。既述のとおり、この発明に係る り止め装置はその磨耗の度合いが周方向に 一化されるという利点があり、このことは って、その寿命に達したときに滑り止め部 が一度に大きな範囲で破断する可能性を生 させる。しかし、当該滑り止め部材が複数 ユニット部材に分割されたものであれば、 ずれかのユニット部材に破断が生じてもそ 裂け目が他のユニット部材に伝播すること 阻止されるので、滑り止め部材全体が一度 破損することが避けられる。

 この効果は、図15及び図16に示されるよう に複数種のユニット部材が組み合わされる場 合に限らず、例えば単一種のユニット部材同 士の連結のみで滑り止め部材が構築される場 合にも同様に得られる。

 本発明の第8の実施の形態を図17及び図18 参照しながら説明する。

 この実施の形態では、タイヤの外側及び 側に配される一対の内フランジ12のうち、 イヤの外側に位置する内フランジ12の端部に 図17(A)に示される外側弾性リング14Aが連結さ 、タイヤTの内側に位置する内フランジ12の 部に図17(B)に示される内側弾性リング14Bが 結される。

 このうち、内側弾性リング14Bの最大伸び さはタイヤTの最大周長よりも大きく設定さ れる一方、外側弾性リング14Aの最大伸び長さ は、前記最大周長よりも小さい長さに規制さ れている。具体的には、前記外側弾性リング 14Aに沿ってこれよりも弾性伸び量がきわめて 小さい部材(例えば通常の紐)からなる伸び規 部材15が設けられ、この伸び規制部材15の周 長が前記タイヤTの最大周長よりも小さい寸 に設定されている。この伸び規制部材15は、 例えば内側の内フランジ12における各連結部1 3に連結されてもよいし、前記外側弾性リン 14Aの周囲に螺旋状に巻かれてもよい。

 この滑り止め装置10は、図17(B)に示すよう に内側弾性リング14BをタイヤTの最大周長よ も伸ばしながら滑り止め部材をタイヤTの外 から内側に向けて被せるという操作により 当該タイヤTに装着されることができる。こ のとき、外側弾性リング14Aの最大伸び長さは 同図(A)に示されるように伸び規制部材15の付 によって前記タイヤTの最大周長よりも小さ い長さに規制される。さらに、この伸び規制 部材15は、当該滑り止め装置10の使用時にお て当該滑り止め装置10がタイヤTの内側に外 ることを阻止するため、安全性のさらなる 上に寄与し得る。

 前記伸び規制部材15の使用は、例えば、 側弾性リング14A及び内側弾性リング14Bの素 として共通の材料を用いながらも、これら 性リング14A,14Bの最大伸び長さに差を与える とを可能にする。しかし、本発明では、前 外側弾性リング14Aと前記内側弾性リング14B 互いに弾性率が異なる素材が用いられても い。例えば、外側弾性リング14Aを構成する 材には、図19の線30Aに示されるように弾性 界伸びの小さい特性を有するものが用いら 、内側弾性リング14Bを構成する素材には、 図の線30Bに示されるように弾性限界伸びの きい特性を有するものが用いられてもよい このような伸び特性の差は、例えば両弾性 ングがゴム紐とこれに撚り合わされる糸と 構成されるゴムバンドで構成される場合、 の糸の撚りピッチを異ならせることによっ も与えられることが可能である。

 上述した実施の形態は、本発明の好まし 具体例を例示したものに過ぎず、本発明は 述した実施形態に限定されない。本発明の 許請求の範囲内で種々の変更が可能である とはいうまでもない。

 以上のように、本発明は、車両の走行性 損なうことを回避しながら、高い耐久性及 高い滑り止め効果を得ることができる車両 タイヤの滑り止め装置を提供する。この滑 止め装置は、車両用タイヤのトレッドを被 する環状のバンドを含む滑り止め部材と、 記バンドを縮径する方向に締め付ける締付 とを備え、前記滑り止め部材が経糸と緯糸 が互いに直角に交錯して織成された繊維織 で構成される。前記締付部は、前記バンド おける繊維織物の織り方向すなわち当該繊 織物を構成する経糸と緯糸の何れかに沿う 向が前記タイヤの周方向と交差する姿勢で 記滑り止め部材を縮径させる。

 この滑り止め装置では、バンドのタイヤ 方向についての高い伸縮性が、当該バンド 含む滑り止め部材のタイヤへの装着作業を 易にする。具体的には、バンドを構成する 維織物の織り方向がタイヤの周方向と交差 るように設定されているので、バンドは、 イヤの径方向並びにタイヤの周方向に伸縮 やすい。従って、締付部が前記バンドを縮 させる時の皺の発生が有効に抑制される。 た、同一仕様の滑り止め部材を採用しても 大外周の異なる複数種類のタイヤに使用す ことが可能になり、その場合には汎用性を めることができる。また、前記皺の発生の 制により、バンドの摩耗がトレッド全周に たって均一化され、その分、長寿命化を図 ことができる。また、バンドの周長がタイ の外周長より著しく大きくなくてもタイヤ の滑り止め装置の装着が可能であるので、 周長の差が大きい場合に比べて走行中のタ ヤの遠心力によるトレッドの浮きが小さく り、これが走行性を向上させる。

 従って、この発明は、車両の走行性を損 うことなくタイヤへの装着性及び耐久性の い滑り止め装置を提供することができる。

 なお、滑り止め部材を構成する繊維織物 、平織り、綾織り、朱子織りの何れであっ もよい。

 この発明では、前記バンドにおける繊維 物の織り方向すなわち当該繊維織物を構成 る経糸と緯糸の何れかに沿う方向と、タイ の周方向との交差角度が30度以上45度以下で あることが、好ましい。このような交差角度 は、滑り止め部材に十分な伸縮性を与える。 このような高い伸縮性は、前記締付部による 締め付けが行われていない自由状態における 前記バンドの内周長を例えば前記タイヤの最 大外周の106パーセント以下に設定することを 可能にする。

 前記滑り止め部材は、前記バンドと、こ バンドの幅方向両端部のうちの少なくとも 方の端部からタイヤ径方向内側に延設され 補助部材とを有するものが、好適である。 の補助部材は、バンドの周囲に延設される とにより、バンドに付着した雪等がタイヤ 内側に入るのを抑制する。また、この補助 材をタイヤのトレッド隅部に引っかけるこ によりバンドを装着することができるため 装着時の操作性が向上する。

 前記補助部材は、バンドと同一部材で一 形成されてもよく、あるいは別部材で形成 てもよい。一体形成される場合、当該補助 材と当該バンドとの間に継目がなくてもよ 。別部材で形成される場合には、補助部材 バンドよりも薄く且つ滑りのよい素材を採 してもよい。その場合には、弾性部材と補 部材との間の摩擦が低減するので、より均 に弾性部材による縮径力をバンドに伝達す ことができるとともに、弾性部材と補助部 との摩擦による摩耗も抑制することができ 。

 前記補助部材の端部には、タイヤ周方向 並ぶ複数の切欠が形成され、これらの切欠 士の間に位置する補助部材の部分が、前記 付部に対して周方向に間欠的に並ぶ複数の 置でそれぞれ連結される複数の連結部を構 することが、より好ましい。前記切欠は、 記締付部による締め付け時に補助部材の端 にタイヤの周方向に皺が寄るのを有効に抑 する。このことは、バンドをより緊密にタ ヤのトレッドに密着させることを可能にし また、前記皺に起因する偏摩耗を抑止して り止め部材の長寿命化に寄与することがで る。特に、タイヤの内側に位置する補助部 の端部に前記切欠が形成されている場合に 、前記皺が寄った部分が車両の懸架装置や レーキ装置と接触するのを阻止することが きる。

 前記締付部は、前記補助部材の端部に沿 て設けられ、その端部を縮径する方向に付 する弾性復帰力をもつ環状の弾性部材を有 るものが、好適である。この弾性部材は、 れ自身の弾性復帰力によって補助部材の端 を縮径方向に付勢するので、滑り止め装置 装着作業を容易にする。この弾性部材は、 り止め部材の少なくとも一方の端部に設け れればよく、両端部に設けられることが、 り好ましい。

 前記補助部材がタイヤの外側及び内側の れぞれに設けられる場合、前記弾性部材と て、前記タイヤの外側に設けられた補助部 の端部に連結される環状の外側弾性部材と 前記タイヤの内側に設けられた補助部材の 部に連結される環状の内側弾性部材とを含 、前記内側弾性部材の最大伸び長さがタイ の最大周長よりも大きく設定される一方、 記外側弾性部材の最大伸び長さがタイヤの 大周長よりも小さく設定されることが、よ 好ましい。

 このような滑り止め装置では、前記内側 性部材をタイヤの最大周長よりも伸ばしな ら滑り止め部材をタイヤの外側から内側に けて被せることができる。しかも、外側弾 部材の最大伸び長さは前記タイヤの最大周 よりも小さく設定されているので、滑り止 部材がタイヤの内側に外れることが防がれ 。このことは、走行時の安全性のさらなる 上に寄与し得る。

 具体的には、前記内側弾性部材と前記外 弾性部材とに弾性率が異なる素材が用いら てもよいし、前記内側弾性部材に、この内 弾性部材が前記タイヤの最大周長よりも大 な長さまで伸びることを阻止する伸び規制 材が付与されてもよい。

 前記環状の弾性部材としては、例えば、 手方向に伸縮可能な複数本のコイルスプリ グと、前記コイルスプリングの端部同士の に介在して屈曲可能な屈曲節とからなるも が、好適である。この弾性部材は、前記コ ルスプリングの強い弾性力(付勢力)によっ バンドを堅固にタイヤのトレッド上に張設 ることを可能にする。しかも、コイルスプ ング同士の間には屈曲可能な複数の屈曲節 介在するので、滑り止め装置の非使用時に 、前記屈曲節の屈曲を利用して弾性部材を り畳むことができる。この弾性部材は、単 の部材で構成されていてその適所に屈曲節 有するものでもよいし、各コイルスプリン を構成する複数のコイル部材の端部同士が の屈曲節用部材(例えば紐)で連結されたもの でもよい。これらの屈曲節は、より好ましく は、当該弾性部材の周方向に90度間隔で等配 れる。この配置は、滑り止め装置全体を4つ 折りにしてコンパクトに畳むことを可能にす る。

 前記滑り止め部材は、その全体が単一の 維織物で構成されたものでもよいが、互い 周方向に並ぶ複数のユニット部材により構 され、互いに隣接するユニット部材の端部 士が連結されることにより滑り止め部材全 が環状をなすことが、より好ましい。その 由は次のとおりである。

 a)安全性の向上:上述のように、この発明 係る滑り止め装置はその磨耗の度合いが周 向に均一化されるという利点があるが、こ ことは却って、その寿命に達したときに滑 止め部材が一度に大きな範囲で破断する可 性を生じさせる。しかし、当該滑り止め部 が互いに連結される複数のユニット部材に り構成されたもの(換言すれば複数のユニッ ト部材に分割されたもの)であれば、いずれ のユニット部材に破断が生じてもその破断 分(裂け目)が他のユニット部材に伝播するこ とが阻止されるので、滑り止め部材全体が一 度に破損することが防がれる。

 b)生産効率の向上:前記滑り止め部材を単 の繊維織物で構成するには、かなり長尺の 等を用意する必要があり、その生産のため 特別な織機等が必要になる。しかし、滑り め部材が互いに連結される複数のユニット 材により構成されるものであれば、個々の ニット部材は短いものでよいのでその量産 可能であり、これらのユニット部材を組み わせることによって所望の滑り止め部材を 易に得ることができる。

 特に、前記滑り止め部材を構成するため ユニット部材として、第1のユニット部材と 、この第1のユニット部材と周方向の長さが なる第2のユニット部材とを用意する工程と 前記滑り止め部材に求められる周長に基い 、使用される第1のユニット部材の個数及び 使用される第2のユニット部材の個数を決定 、その決定した個数の第1のユニット部材及 第2のユニット部材を周方向に相互つなぎ合 せて滑り止め部材を形成する工程と、この滑 り止め部材に前記締付部を付与する工程とを 含む方法は、効率の高い滑り止め装置の製造 を可能にする。すなわち、前記滑り止め部材 の構成材料として複数の第1のユニット部材 第2のユニット部材を用意しておけば、その 合せ個数を選定するだけで互いに周長の異 る複数種の滑り止め部材を自由に構築する とができる。

 この発明では、さらに、前記滑り止め部 の幅方向両端部のうちタイヤの外側に位置 る端部上の部位であって互いに周方向に離 る部位同士を連結することにより当該滑り め部材がタイヤの内側に外れるのを防ぐ外 防止部材を備えることが、安全上より好ま い。この外れ防止部材は、滑り止め部材が が一タイヤから外れる場合でも、このタイ の内側に外れることを阻止することにより 当該滑り止め部材がタイヤの内側に巻き込 れるといった事態を防ぐことができる。し も、その外れ防止を前記滑り止め部材の外 端部の適当な部位同士を連結するだけの簡 な構造で達成することができる。

 前記外れ防止部材としては、例えば、前 滑り止め部材が前記タイヤに装着された状 でこの滑り止め部材の内側の領域における イヤの外側面全体を被覆するように前記滑 止め部材に装着される被覆部材であっても い。この被覆部材は、滑り止め部材のより 固な保持を可能にする。

 前記外れ防止部材は、あるいは、タイヤ 外側面上で互いに交差するように配置され 前記滑り止め部材の外側端部の所定部位に 結される両端部をそれぞれ有する複数のス ラップを含むものでもよい。これらのスト ップは、簡素な構成でタイヤ内側への滑り め部材の外れを防ぐことができる。また、 り止め装置をタイヤから取外す際の把持部 としても利用することも可能である。