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Title:
AQUEOUS COATING RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102816
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides an aqueous coating resin composition capable of forming a coating film which is improved in weather resistance, resistance to hot water whitening, frost damage resistance and blocking resistance without impairing excellent film performance and which exhibits excellent stain resistance over a long period just after application, particularly in the outdoors, especially, an aqueous coating resin composition which is favorably usable as a clear coating material requiring higher stain resistance and higher resistance to hot water whitening than those of pigment-containing coating materials. An aqueous coating resin composition which comprises a (meth)acrylic emulsion (A) obtained by emulsion polymerization and a water-soluble resin (B) as the essential components, characterized in that the (meth)acrylic emulsion (A) and the water-soluble resin (B) are ones capable for forming a crosslinked structure.

Inventors:
NAKAO KANJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052885
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON CATALYTIC CHEM IND (JP)
NAKAO KANJI (JP)
International Classes:
C09D133/00; C09D5/02; C09D139/04
Foreign References:
JPH09328656A1997-12-22
JP2005008862A2005-01-13
JP2006022127A2006-01-26
JP2002188075A2002-07-05
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome, Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
乳化重合によって得られる(メタ)アクリルエマルション(A)と、水溶性樹脂(B)とを必須として構成される塗料用水性樹脂組成物であって、
該塗料用水性樹脂組成物は、(メタ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹脂(B)とが架橋構造を形成し得るものであることを特徴とする塗料用水性樹脂組成物。
前記塗料用水性樹脂組成物は、(メタ)アクリルエマルション(A)が官能基(α)を有する重合体を含むものであり、水溶性樹脂(B)が該官能基(α)と架橋構造を形成し得る官能基(β)を有する重合体を含むものであることを特徴とする請求項1記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記官能基(β)を有する重合体は、N-ビニル環状ラクタム単位を有する重合体である
ことを特徴とする請求項2記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記架橋構造を形成し得る官能基(α)及び(β)は、オキサゾリン基及び/又はカルボキシル基であることを特徴とする請求項2又は3に記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記架橋構造を形成し得る官能基(α)及び(β)は、官能基(α)がオキサゾリン基であり、官能基(β)がカルボキシル基であることを特徴とする請求項4に記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記(メタ)アクリルエマルション(A)は、オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有単量体(b)及び反応性乳化剤(c)を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(A1)を含むことを特徴とする請求項1~5に記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記(メタ)アクリルエマルション(A)は、オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有単量体(b)及びシランカップリング剤(d)を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(A2)を含むことを特徴とする請求項1~5に記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記(メタ)アクリルエマルション(A)は、オキサゾリン基含有単量体(a)及び反応性基含有単量体(b)を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(A0)を含み、
該重合体(A0)は、Tgの異なる2種類以上の重合体から構成されることを特徴とする請求項1~5に記載の塗料用水性樹脂組成物。
前記塗料用水性樹脂組成物は、それによって形成される膜の耐温水白化性がδL≦3であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物。
請求項1~9のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物によって構成されることを特徴とする窯業系無機建材用トップコート塗料用水性樹脂組成物。
請求項1~10のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物が含む(メタ)アクリルエマルション(A)の製造方法であって、
該製造方法は、カルボキシル基含有単量体を含む重合性単量体を重合する工程と、オキサゾリン基含有単量体を含む重合性単量体を重合する工程との、少なくとも2つの工程を含み、該オキサゾリン基含有単量体を含む重合性単量体を重合する工程前の反応系内のpHが6以上であることを特徴とする(メタ)アクリルエマルション(A)の製造方法。
Description:
塗料用水性樹脂組成物

本発明は、塗料用水性樹脂組成物に関する 。より詳しくは、金属、ガラス、磁器タイル 、コンクリート、サイディングボード、押出 成型板、プラスチック等の各種素材の表面仕 上げに使用することができ、自動車、建築物 、土木構造物等の躯体保護に好適であり、特 に窯業系無機建材へのトップコートに好適な 塗料用水性樹脂組成物、特に顔料を含む塗料 に比べて耐汚染性、耐温水白化性の要求レベ ルが高いクリヤートップコート用塗料として 好適に使用できる塗料用水性樹脂組成物に関 するものである。

塗料用樹脂組成物は、金属、ガラス、磁器 タイル、コンクリート、サイディングボード 、押出 成型板、プラスチック等の各種素材 表面仕上げに使用されるものである。また 塗料用樹脂組成物は、屋外の建築物に塗装 れる塗膜を形成するために用いられるもの もある。このような塗料用樹脂組成物の中 も、特に、塗料用水性樹脂組成物は、塗装 業者や居住者の健康被害を低減することが き、また、水質汚濁及び大気環境汚染等の 境汚染を防ぐことができるため、建築・土 構造物に使用する塗料分野において好適に いることができるものである。

塗料用樹脂組成物は、有機溶剤を溶媒とす る溶剤型塗料の原料として、壁、屋根、門扉 、シャッタ、表示板などの屋外の建築物に使 用される。しかしながら、従来の塗料用樹脂 組成物を使用して形成される塗膜は、屋外使 用の間に、砂塵、鉄粉、雨(酸性雨)、煤、太 光線などの影響によって塗膜表面が汚れ、 膜の美観が損われるという欠点があった。 年、屋外建築物等に使用する塗膜には、耐 性とともに、美観を維持する機能が求めら ることから、長期間の屋外での使用におい も、美観を維持する塗膜を形成することが きる塗料が求められている。また、有機溶 型塗料をベースとした塗料は、建築物にお て使用されると、塗装作業者や居住者の健 被害及び環境汚染等を起こすおそれがある のであることから、このような健康被害及 環境汚染等を低減することができる塗料が められている。

上記のような理由から、近年、建築・土木構 造物に使用する塗料分野においては、有機溶 剤を溶媒とする溶剤型塗料から、有機溶剤を 溶媒を必須としない水性樹脂組成物を用いた 水性塗料への転換が図られつつある。しかし ながら、従来の水性塗料は、耐汚染性が充分 ではなく、低汚染型と唱われる水性塗料でさ え、有機溶剤型の低汚染型塗料のレベルには 遠く及ばないのが現状である。
水性塗料による塗膜は、一般的に溶剤型の塗 料による塗膜に比べて、塗膜硬度が低く、汚 染物質が付着した時の染み込み性が高い傾向 にある。特に、顔料分の少ないクリヤー塗料 においては、塗膜硬度の低下が顕著であり、 一度汚染物質が付着すると、塗膜表面からそ の汚れを除去することは困難な場合が多かっ た。また、クリヤー塗料は、意匠性付与剤と して艶消し剤を使用することが多く、この艶 消し剤の使用により耐温水白化性が低下し、 クリヤー塗料において耐汚染性と耐温水白化 性とを高レベルで両立することは従来困難で あった。

このような塗料用樹脂組成物及び塗料用水 性樹脂組成物の問題点について、塗料に界面 活性剤を添加して、得られる塗膜表面を親水 性にして汚れを防止する方法が提案されてい る。しかしながら、界面活性剤の配合による 塗膜硬度の低下の問題や比較的短期間の屋外 使用で界面活性剤が流亡し短期間のうちに塗 膜表面の親水性が低下する等の問題があった 。

従来の塗料用樹脂組成物として、塗料中に オルガノシリケート又はオルガノシリケート の縮合物を配合したものを上塗塗料として用 いる方法が開示されている(例えば、特許文 1及び2参照。)。これらの技術は、特定のオ ガノシリケート及び/又はその縮合物を配合 、塗膜形成後酸処理することによって、塗 表面を親水性にし、油性の汚染物質を付着 にくくし、また付着した汚染物質を降雨等 水滴とともに洗い流してしまうとするもの ある。しかしながら、この塗料から形成さ る塗膜が汚れを防止する機能を発揮するた には、配合されたシリケートが加水分解さ て塗膜表面が親水性になることが必要であ ため、少なくとも塗装後数か月間は、汚れ 防止することができないという問題があっ 。

また、単にオルガノシリケート及び/又は の縮合物を添加するものであるため、オル ノシリケート及び/又はその縮合物を水性塗 に添加した際に起こる加水分解縮合反応を 御できないために、短時間で急激に塗料粘 が上昇し、さらには塗料全体がゲル化して まい、通常の塗装作業をすることさえでき いものであった。更に、たとえ混合後直ち 塗装を行い、塗膜を形成した場合において 、汚染物質の染み込み抵抗性に劣るという 点があった。そのうえ、水性塗料とオルガ シリケート及び/又はその縮合物との相溶性 が悪く、混合後に凝集物を生じるという問題 もあった。このように、単にオルガノシリケ ート及び/又はその縮合物を水性塗料に添加 るのみでは、実用上無視することのできな 種々の問題があり、低汚染性に優れた塗膜 得ることは困難であった。

従来の塗料用途に用いられる化合物として 、塗料添加剤等に用いられる、親水性基含有 高分子鎖及び樹脂と親和性を有する高分子鎖 とを併せ持つ親水性基含有AB型ブロック共重 体が開示されている(例えば、特許文献3参 。)。この重合体は、親水性基含有高分子鎖 及び、樹脂と親和性を有する高分子鎖を併 持つ親水性基含有AB型ブロック共重合体で って、改質すべき高分子材料の表面あるい 界面に、親水性基の有する諸特性、例えば 吸水性、帯電防止性、導電性、防汚性、防 性等を与えるとするものである。しかしな ら、この共重合体を塗料添加剤として用い 塗料は、充分な耐汚染性を有するものでは いことから、より耐汚染性に優れた塗料と る工夫の余地があった。

従来の塗料としては、また、水に不溶性の 樹脂1~99重量%と、分子内にN-ビニル環状アミ またはイミド結合を有する単量体の重合物 もしくは上記単量体と遊離のカルボキシル またはヒドロキシル基をもたない他の単量 との共重合物である水可溶性樹脂99~1重量%か らなる混合樹脂をビヒクルとして含有する防 汚染塗料が開示されている(例えば、特許文 4参照。)。この塗料は、船舶等の海中投入部 分に用いるための防汚染塗料であって、塗料 が水中に溶解することによって海中投入部分 の汚染を防ぐものであり、屋外の建築物等に 使用する塗料として適用できるものではない ことから、屋外の建築物等で使用された場合 に優れた耐汚染性を発揮する塗料とする工夫 の余地があった。

更に、従来の塗料組成物として、バインダ ーと水性ビヒクルとからなる塗料組成物にお いて、上記バインダーは、70~98重量%の立体的 に安定化された熱硬化性アクリル重合体の分 散体と、2~30重量%のビスフェノールA-エピク ルヒドリン縮合物又はノボラックエポキシ 脂と、バインダーの合計重量に基づいて0.1~1 0重量%の酸触媒とからなるものであり、アク ル酸系単量体とグラフトされているポリビ ルピロリドンであって、2000~500000の分子量 有するものをシード工程で立体的安定化剤 して用いる塗料組成物が開示されている(例 ば、特許文献5参照。)。しかしながら、耐 染性、耐温水白化性等の各種特性をより向 させる工夫の余地があった。

また、塗料用顔料分散剤等として用いること ができる化合物として、N-ビニル環状ラクタ 単位を有する基幹ポリマーに対してカルボ シル基含有不飽和単量体が2重量%以上グラ ト重合されてなり、かつ、グラフト鎖とし 導入されていないカルボキシル基含有不飽 単量体を含む不純物ポリマーの含有量がグ フト鎖重量に対して40重量%以下である、N-ビ ニル環状ラクタム系グラフト重合体が開示さ れている(例えば、特許文献6参照。)。しかし ながら、屋外の建築物等に使用される塗料に 要求される耐汚染性等の各種特性により優れ た塗料とする工夫の余地があった。

特開平6-145453号公報(第1-2頁)

国際公開第94/06870号パンフレット

特開平1-138217号公報(第1-2頁)

特開昭59-36166号公報(第1-2頁)

特開昭63-95273号公報(第1-2頁)

特開2001-278922号公報(第1-2頁)

本発明は、上記現状に鑑みてなされたもの であり、良好な塗膜性能を損なうことなく、 耐候性、耐温水白化性、耐凍害性、及び、耐 ブロッキング性等が良好であり、塗布直後か ら、長期に渡って特に屋外での耐汚染性に優 れた塗膜を形成することができる塗料用水性 樹脂組成物、特に、顔料を含む塗料に比べて 耐汚染性、耐温水白化性の要求レベルが高い クリヤー塗料として好適に使用できる塗料用 水性樹脂組成物を提供することを目的とする ものである。

本発明者は、塗料用水性樹脂組成物につい て検討し、汚れを防止するためには、塗膜表 面を親水性にすることが好ましく、親水性成 分が塗膜表面に配向することが効果的である ことに着目した。また、長期間にわたって汚 れを防止するためには、親水性成分が塗膜表 面から容易に流亡しないことが重要であるこ とに着目した。そして、塗料用組成物の構成 成分について種々検討したところ、乳化重合 によって得られる(メタ)アクリルエマルショ と水溶性樹脂とを必須とし、(メタ)アクリ エマルションと水溶性樹脂とが架橋構造を 成するものを構成成分とすると、人への健 被害や環境汚染を低減することができる水 の塗料組成物であって、耐候性、耐汚染性 優れた塗膜を形成する組成物となること、 び、このような組成物から得られる塗膜は 架橋による塗膜への固定化により、経時で ブリードアウトを抑え、長期に渡ってこれ の特性を維持することができることを見出 た。

更に、水溶性樹脂がN-ビニル環状ラクタム 位を有する重合体を含むものであったり、( メタ)アクリルエマルション及び水溶性樹脂 含む重合体がそれぞれ特定の官能基を有し これらが直接に、又は、更に特定の官能基 有する化合物を介して架橋構造を形成する のであったりすると、これらの特性が更に 上するとともに、耐温水白化性も大幅に向 された優れた塗膜を形成する組成物となる とを見出した。この塗料組成物は、従来の 性塗料、特にクリヤー塗料、更には、艶消 剤を使用した艶消しクリヤー塗料では両立 困難であった耐汚染性と耐温水白化性の2つ 性能を高レベルで両立させるものであるだ でなく、耐候性、耐凍害性、及び、耐ブロ キング性等が良好であり、塗布直後から、 期に渡って耐汚染性等の各種特性を発揮す 塗膜を形成することができるものである。 発明者等は、更に、この塗料組成物が、各 特性に優れるものであるだけでなく、従来 術の耐汚染性塗料と異なり、1液安定性良好 で、かつ、1塗装工程で低汚染性と、各種特 に優れた塗膜を形成できるものであること 見出し、上記課題をみごとに解決すること できることに想到し、本発明に到達したも である。

すなわち本発明は、乳化重合によって得られ る(メタ)アクリルエマルション(A)と、水溶性 脂(B)とを必須として構成される塗料用水性 脂組成物であって、上記塗料用水性樹脂組 物は、(メタ)アクリルエマルション(A)と水 性樹脂(B)とが架橋構造を形成し得るもので る塗料用水性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。

本発明の塗料用水性樹脂組成物は、本発明 の効果を妨げない限り、(メタ)アクリルエマ ション(A)及び水溶性樹脂(B)以外の成分を含 でもよいが、(メタ)アクリルエマルション(A )及び、水溶性樹脂(B)が塗料用水性樹脂組成 の主成分であることが好ましい。主成分で るとは、上記塗料用水性樹脂組成物100質量% 、(メタ)アクリルエマルション(A)及び水溶 樹脂(B)の合計質量が50質量%以上であること 意味する。この質量比は、樹脂組成物に要 される物性によって異なるが、70質量%以上 あることが好ましい。より好ましくは、80質 量%以上であり、更に好ましくは、90質量%以 である。

上記塗料用水性樹脂組成物は、(メタ)アクリ エマルション(A)及び水溶性樹脂(B)をそれぞ 別々に調製した後、混合することによって ることが好ましい。具体的には、(メタ)ア リルエマルション(A)を重合する工程におい 、全単量体成分の重合率が96%以上になった ころで、水溶性樹脂(B)を混合することが好 しい。重合率は、より好ましくは98%以上、 に好ましくは99%以上である。重合率が96%未 であると、未反応モノマーと水溶性樹脂(B) 有する重合体との反応制御ができず、造膜 や安定性が低下するおそれがある。
なお、塗料用水性樹脂組成物の製造方法にお いて用いる(メタ)アクリルエマルション(A)は 後述する(メタ)アクリルエマルション(A)の 造方法によって製造されたものであること 好ましい。

上記塗料用水性樹脂組成物は、(メタ)アクリ エマルション(A)と水溶性樹脂(B)との質量比 99.9:0.1~60:40であることが好ましい。より好 しくは、99:1~70:30であり、更に好ましくは、9 7:3~75:25である。特に好ましくは、95:5~80:20で り、最も好ましくは、95:5~90:10である。
なお、上記質量比は、固形分による質量比を 表す。

本発明の塗料用水性樹脂組成物は、単量体成 分を重合してなる重合体が分散している水系 のものである。重合体が分散している溶媒と しては、水又は水/有機溶媒混合溶媒を用い ことができるが、水が主成分であることが ましい。水が主成分であるとは、溶媒100質 %中、水が50質量%以上であることを意味する 溶媒中における水の質量比は、樹脂組成物 要求される物性によって異なるが、70質量% 上であることが好ましい。より好ましくは 80質量%以上であり、更に好ましくは、90質 %以上である。
上記有機溶媒としては、水と混合することが できるものである限り特に制限されず、例え ば、メタノールのような低級アルコール等の 親水性溶媒等を用いることができる。

本発明の塗料用水性樹脂組成物は、(メタ)ア リルエマルション(A)と水溶性樹脂(B)とが、 橋構造を形成し得るものである。(メタ)ア リルエマルション(A)と水溶性樹脂(B)とが架 構造を形成し得るものであると、得られる 膜が硬質化し、耐汚染性に優れたものとな 。また、親水性成分を塗膜表面に配向させ かつ、親水性成分が塗膜表面から容易に流 しないものとすることができるため、塗料 水性樹脂組成物から形成される塗膜が、耐 染性に優れたものとなり、また、その特性 長期に渡って維持することが可能となる。
(メタ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹脂( B)とが架橋構造を形成する形態としては、(メ タ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹脂(B) が直接、架橋構造を形成する形態(第1の形態 )、(メタ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹 脂(B)とが他の化合物(C)を介して架橋構造を形 成する形態(第2の形態)がある。

本発明の塗料用水性樹脂組成物において、 (メタ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹脂( B)とが直接、架橋構造を形成するものである と、すなわち、(メタ)アクリルエマルショ (A)が官能基(α)を有する重合体を含むもので り、水溶性樹脂(B)が該官能基(α)と架橋構造 を形成し得る官能基(β)を有する重合体を含 ものであること(第1の形態)は、本発明の好 な実施形態の1つである。

上記第1の形態において、官能基(α)を有する 合体と官能基(β)を有する重合体との質量比 は、99.9:0.1~60:40であることが好ましい。より ましくは、99.5:0.5~70:30であり、更に好まし は、99:1~80:20である。特に好ましくは、97:3~85 :15であり、最も好ましくは、95:5~90:10である
なお、上記質量比は、固形分による質量比を 表す。

上記官能基(β)を有する重合体は、N-ビニル環 状ラクタム単位を有する重合体であることが 好ましい。架橋構造を形成する重合体がN-ビ ル環状ラクタム単位を有する重合体である 、組成物から得られる塗膜の耐候性、耐汚 性を更に高めることができる。
また、水溶性樹脂(B)が、N-ビニル環状ラクタ 単位を有する重合体を含む場合、(メタ)ア リルエマルション(A)と水溶性樹脂(B)とが架 構造を形成しないものである場合であって 、(メタ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹 脂(B)とを含む組成物から得られる塗膜が耐候 性や耐汚染性に優れたものとなる。
このような、乳化重合によって得られる(メ )アクリルエマルション(A)と、N-ビニル環状 クタム単位を有する重合体を含む水溶性樹 (B)とを必須として構成される塗料用水性樹 組成物もまた、本発明の1つである。

本発明の塗料用水性樹脂組成物において、 (メタ)アクリルエマルション(A)と水溶性樹脂( B)とが他の化合物(C)を介して架橋構造を形成 るものであること(第2の形態)もまた、本発 の好適な実施形態の1つである。この場合、 化合物(C)は、(メタ)アクリルエマルション(A) 含む重合体が有する官能基と架橋構造を形 する官能基、及び、水溶性樹脂(B)が含む重 体が有する官能基と架橋構造を形成する官 基を有していればよく、化合物(C)が有する2 つ以上の官能基は、同一であっても異なって いてもよい。また、(メタ)アクリルエマルシ ン(A)が含む重合体が有する官能基と水溶性 脂(B)が含む重合体が有する官能基も、同一 あっても異なっていてもよい。

上記第2の形態において、(メタ)アクリルエマ ルション(A)が含む架橋する官能基を有する重 合体と水溶性樹脂(B)が含む架橋する官能基を 有する重合体と化合物(C)との質量比は、99.8:0 .1:0.1~60:20:20であることが好ましい。より好ま しくは、99:0.5:0.5~70:15:15であり、更に好まし は、98:1:1~80:10:10である。特に好ましくは、95 :2.5:2.5~84:8:8であり、最も好ましくは、92:4:4~88 :6:6である。
なお、上記質量比は、固形分による質量比を 表す。

上記第2の形態においては、(メタ)アクリル エマルション(A)が含む重合体が有する官能基 と水溶性樹脂(B)が含む重合体が有する官能基 が同一であり、また、化合物(C)が有する(メ )アクリルエマルション(A)及び水溶性樹脂(B) の間で架橋構造を形成する2つの官能基が同 一であることが好ましい。すなわち、(メタ) クリルエマルション(A)及び水溶性樹脂(B)が 能基(α)を有する重合体を含むものであり、 化合物(C)が、該官能基(α)と架橋構造を形成 得る官能基(β)を2つ以上有するものであるこ とが好ましい。このような形態であると、(A) と(B)が化学式に結合し、経時でのブリードア ウトを抑え、耐汚染性を高めることができる 。

上記第2の形態において、水溶性樹脂(B)含 官能基(α)を有する重合体は、N-ビニル環状 クタム単位を有する重合体であることが好 しい。架橋構造を形成する重合体がN-ビニル 環状ラクタム単位を有する重合体であると、 組成物から得られる塗膜の耐候性、耐汚染性 を更に高めることができる。

上記架橋構造を形成し得る官能基としては、 例えば、エポキシ基、炭素原子に結合した水 酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキ シカルボニル基、シクロカーボネート基、N- ドロキシメチル酸アミド基、N-アルコキシ チル酸アミド基、N-(アルコキシカルボニル- ドロキシ)メチル酸アミド基、N-(アルコキシ カルボニル-アルコキシ)メチル酸アミド基、 ソシアネート基、ブロックイソシアネート 、ブロック水酸基、ブロックカルボキシル 基、ブロックアミノ基、オキサゾリン基、 キサゾリジン基、カルボン酸無水基、アセ アセトキシ基、ヒドラジノ基、カルボニル 等が挙げられる。これらの1種のみを有して てもよく、2種以上を有していてもよい。
これらの中でも、エポキシ基、カルボキシル 基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、 オキサゾリン基、ヒドラジノ基、カルボニル 基が好ましい。より好ましくは、オキサゾリ ン基、カルボキシル基、ヒドラジノ基、カル ボニル基である。
すなわち、上記架橋構造を形成し得る官能基 (α)及び(β)は、オキサゾリン基、カルボキシ 基、ヒドラジノ基、カルボニル基のいずれ であることが好ましい。

上記架橋構造を形成し得る官能基の組み合 わせとしては、例えば、エポキシ基と水酸基 、エポキシ基とカルボキシル基、エポキシ基 とブロックカルボキシル基、エポキシ基とア ミノ基、エポキシ基とブロックアミノ基、シ クロカーボネート基とカルボキシル基、水酸 基とアルコキシカルボニル基、水酸基とイソ シアネート基、ブロック水酸基とイソシアネ ート基、水酸基とブロックイソシアネート基 、水酸基とN-ヒドロキシメチル酸アミド基、 酸基とN-アルコキシメチルアミド酸基、水 基とN-(アルコキシカルボニル-ヒドロキシ)メ チル酸アミド基、水酸基とN-(アルコキシカル ボニル-アルコキシ)メチル酸アミド基、水酸 とヒドロキシメチルアミノ基、水酸基とア コキシメチルアミノ基、水酸基とカルボン 無水基、アセトアセトキシ基とイソシアネ ト基、アセトアセトキシ基とブロックイソ アネート基、オキサゾリン基とカルボキシ 基、ブロック水酸基とカルボン酸無水基、 キサゾリジン基とイソシアネート基もしく オキサゾリジン基とカルボン酸無水基、ヒ ラジノ基とカルボニル基等、各種の組み合 せが挙げられる。これらの組み合わせの1つ のみを用いてもよく、2つ以上を併用しても い。

上記架橋構造を形成し得る官能基の組み合わ せの中でも、エポキシ基とカルボキシル基、 エポキシ基とアミノ基、水酸基とイソシアネ ート基、オキサゾリン基とカルボキシル基、 ヒドラジノ基とカルボニル基の組み合わせが 好ましい。より好ましくは、オキサゾリン基 とカルボキシル基との組み合わせ、エポキシ 基とカルボキシル基との組み合わせ、又は、 ヒドラジノ基とカルボニル基の組み合わせで ある。更に好ましくは、オキサゾリン基とカ ルボキシル基との組み合わせ、ヒドラジノ基 とカルボニル基との組み合わせである。すな わち、上記架橋構造を形成し得る官能基(α) び(β)は、一方がオキサゾリン基、他方がカ ボキシル基であるか、又は、一方がヒドラ ノ基、他方がカルボニル基であることが好 しい。より好ましくは、官能基(α)がオキサ ゾリン基又はカルボニル基であり、官能基(β )がカルボキシル基又はヒドラジノ基である とである。
架橋構造がオキサゾリン基とカルボキシル基 との組み合わせ、又は、ヒドラジノ基とカル ボニル基の組み合わせで形成されると、塗料 組成物から得られる塗膜の低温硬化性が向上 し、塗膜の物性が更に優れたものとなる。

本発明の第1の形態の塗料用水性樹脂組成物 しては、上述したものの中でも特に、(メタ) アクリルエマルション(A)が含む重合体がオキ サゾリン基を有し、水溶性樹脂(B)が含む重合 体がN-ビニル環状ラクタム単位を有するもの あって、更にカルボキシル基を有するもの あることが好ましい。また、本発明の第2の 形態の塗料用水性樹脂組成物としては、上述 したものの中でも特に、(メタ)アクリルエマ ション(A)が含む重合体がカルボニル基を有 、水溶性樹脂(B)が含む重合体がN-ビニル環 ラクタム単位を有するものであって、更に ルボニル基を有し、化合物(C)が2つのヒドラ ノ基を有するものであることが好ましい。
塗料用水性樹脂組成物がこのようなものであ ると、通常、耐温水白化性に関しては、溶剤 系塗料のほうが優れるものであるところ、環 境に配慮した水系の塗料組成物で優れた耐温 水白化性を発揮する塗膜を形成することがで きるものとなり、耐汚染性と耐温水白化性と いう従来両立が困難であった2つの性能を高 レベルで両立することができるものとなる 更に、この塗料用水性樹脂組成物から形成 れる塗膜は、耐候性、耐凍害性、及び、耐 ロッキング性等にも優れ、しかも、これら 物性を長期に渡って維持することが可能で る。更に、この塗料用水性樹脂組成物は1液 定性が良好であり、かつ、塗装時に1工程で 低汚染性塗膜を形成することができることか ら、塗工時の作業性や、経済性にも優れたも のとなる。
通常の顔料等を含む塗料の場合、顔料を含む ことで塗膜が硬質化して耐汚染性が向上する ことになり、また、着色塗料であるため、温 水白化が目立ち難い。これに対し、クリヤー 塗料の場合には、顔料が少なく、着色してい ないため、塗料として使用される樹脂組成物 に高いレベルの耐汚染性、耐温水白化性が要 求されることになり、特に意匠性付与剤とし シリカ・樹脂ビーズ等の艶消し剤を使用した 艶消しクリヤー塗料においては、更に高いレ ベルの耐汚染性、耐温水白化性が要求される ことになる。この塗料用水性樹脂組成物は、 顔料を含む通常の塗料に比べて耐汚染性や耐 温水白化性の要求レベルが高いクリヤー塗料 、特に、艶消しクリヤー塗料として充分に使 用できるものであり、耐汚染性や耐温水白化 性を長期に渡って維持でき、しかも、塗工時 の作業性や、経済性にも優れた高耐久性クリ ヤー塗料、特に、高耐久性艶消しクリヤー塗 料として好適に用いることができる。
本発明の塗料用水性樹脂組成物は、特に、窯 業系無機建材へのトップコート塗料の原料と して好適に使用されるものである。このよう な、本発明の塗料用水性樹脂組成物を含む窯 業系無機建材用トップコート塗料用水性樹脂 組成物もまた、本発明の1つである。
なお、上記架橋構造を形成し得る官能基及び その組み合わせを有するものは、後述する単 量体成分及び単量体比を用いることによって 、得ることができる。

ここで、本発明において、ブロッキングとは 、各種被塗物、例えば、金属、木材、紙、プ ラスチック、無機建材等の基材に水性樹脂分 散体が塗装されたものが積み重ねられた際に 、塗膜同士が接着する現象を指す。ブロッキ ングが生じると、塗膜の破損や基材の破壊が 生じ、塗装本来の目的である被塗物の保護や 美観を向上させるという目的が達成されない ため、工場塗装用等に用いられる水性樹脂分 散体には耐ブロッキング性が必要になる。
なお、上記耐ブロッキング性は、後述する耐 ブロッキング性試験により評価するものとす る。

本発明の塗料用水性樹脂組成物は、それによ って形成される膜の耐温水白化性が、δL≦3 あることが好ましい。
より好ましくは、δL≦2であり、更に好まし は、δL≦1.5である。このように水性である もかかわらず耐温水白化性の良好な膜を形 することができる塗料用水性樹脂組成物は 低汚染性塗膜を形成することができる高耐 性クリヤー塗料、特に、高耐久性艶消しク ヤー塗料として好適に用いることができる
耐温水白化性は、後述する耐温水白化性試験 により評価するものとする。なお、耐温水白 化性試験において、δL≦3であると、充分な 温水白化性を有するため、建築建材の塗料 して用いる際に、色調の変化を防止するこ で鮮やかな色彩を保つことができる。

本発明の塗料用水性樹脂組成物は、クリヤ ー塗料として好適に用いることができるが、 必要に応じて、溶剤、可塑剤、無機又は有機 充填剤、着色顔料、艶消し剤、コロイド状無 機粒子、染料、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消 泡剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤等を含んで いても同様の優れた耐温水白化性、低汚染性 を発揮する塗膜を形成することができる。

また、塗料用水性樹脂組成物のMFT(Minimum Fi lm-forming Temperature;最低造膜温度)は、0℃以上 80℃未満であることが好ましい。より好ま くは、10℃以上、60℃未満であり、更に好ま くは、20℃以上、50℃未満である。0℃未満 あると、十分な塗膜硬度を発現することが きないおそれがある。また、80℃を超えると 、充分に成膜することができないおそれがあ る。

本発明の塗料用水性樹脂組成物に含まれる 乳化重合によって得られる(メタ)アクリルエ ルション(A)とは、(メタ)アクリル酸系単量 を必須成分として含む単量体成分を乳化重 して得られる重合体を含むエマルションを 味する。(メタ)アクリル酸系単量体とは、( タ)アクリル酸、又は、(メタ)アクリル酸エ テル等の(メタ)アクリル酸誘導体である。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)におけ (メタ)アクリル酸系単量体を必須成分とし 含む単量体成分を乳化重合して得られる重 体の含有割合は、(メタ)アクリルエマルショ ン(A)100重量部に対して、60質量%以上であるこ とが好ましい。より好ましくは、80質量%以上 である。含有割合が60質量%未満であると、本 発明の塗料用水性樹脂組成物から得られる塗 膜が充分な耐候性、耐汚染性等を発揮しない おそれがある。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、分 量が1万~300万であるものが好ましいより好 しくは5万~50万であるものである。分子量が1 万未満であると、耐水性が低下する。また、 300万より大きいと、造膜性が低下する。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、ガラ 転移温度(Tg)が-10~100℃であることが好まし 。より好ましくは、0~70℃である。更に好ま くは、10~50℃である。ガラス転移温度が-10 未満であると、塗膜硬度が不足する。また 100℃より大きいと、造膜性が低下する。
(メタ)アクリルエマルション(A)のガラス転移 度は、エマルションを構成する各単量体成 のホモポリマーのガラス転移温度を用いて 下記Foxの式より計算される。
1/Tg=σ(Wn/Tgn)/100
ここで、Wnは単量体nの質量%、Tgnは単量体nか なるホモポリマーのTg(K:絶対温度)を示す。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、本 明の効果を発揮する限り、粒子構造は特に 限されず、コア-シェル構造、パワーフィー ド構造、均一構造のいずれの構造であっても よいが、コア-シェル構造であることが好ま い。このような粒子構造を有するものであ と、硬度と造膜性とを両立することができ 。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)が、Tgの なる2種類以上の重合体から構成されるもの あることは、本発明の好ましい実施形態の1 つである。また、本発明における、(メタ)ア リルエマルション(A)が含む重合体は、後述 るように、オキサゾリン基を有する単量体( a)及び反応性基含有単量体(b)を必須とする単 体成分を含むものであることが好ましい。
すなわち、本発明における(メタ)アクリルエ ルション(A)が、オキサゾリン基含有単量体( a)及び反応性基含有単量体(b)を必須とする単 体成分を重合して得られる重合体(A0)を含み 、該重合体(A0)は、Tgの異なる2種類以上の重 体から構成されるものであることは、本発 の好ましい実施形態の1つである。
(メタ)アクリルエマルション(A)がTgの異なる2 類以上の重合体から構成されるものである 合、硬さを付与する成分(硬質部)と軟らか を付与する成分(軟質部)とが、それぞれ少な くとも1種類ずつ存在すればよい。硬質部のTg としては、好ましくは60~150℃、より好ましく は70~120℃、最も好ましくは80~106℃であり、軟 質部のTgとしては、好ましくは-40~40℃、より ましくは-25~30℃、最も好ましくは-10~20℃で る。硬質部のTgと軟質部のTgの差としては、 好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以 、最も好ましくは70℃以上である。中でも、 異なるTgからなる多段重合により得られる重 体が好ましく、最終段のTgがそれ以前の少 くとも1つの重合体を形成する段のTgよりも いことが成膜性の観点から特に好ましい。
なお、Tgは、上述したFox式による計算値であ が、実測値の場合にも、同様の範囲が好ま い。Tgの実測値は、例えば、Tgは水性樹脂組 成物を示差熱走査熱量分析することによって 得ることができる。
示差熱走査熱量分析を行う測定装置としては 特に限定されず、例えば、DSC220C(セイコーイ ストゥルメンツ社製)等、市販品を挙げるこ とができる。また、DSC曲線を描画する方法、 DSC曲線から一次微分曲線を得る方法、スムー ジング処理を行う方法、目的のピーク点の温 度を求める方法として特に限定されず、上記 測定装置によって得られたデータから作図す る方法を挙げることができる。上記方法は、 通常の数学的処理を行うことができる解析ソ フトウェアを用いて行うことが好ましい。上 記解析ソフトウェアとしては特に限定されず 、例えば、EXSTAR6000(セイコーインストゥルメ ト社製解析ソフトウェア)等を挙げることが できる。なお、このようにして求められたピ ーク点の温度は、作図による誤差として上下 5℃程度の誤差を含む場合がある。

上記重合体(A0)において、硬質部と軟質部 の質量比は、80:20~10:90であることが好ましい 。より好ましくは、60:40~20:80である。更に好 しくは、45:55~30:70である。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、平 粒子径が30~300nmであることが好ましい。よ 好ましくは、50~200nmである。更に好ましくは 70~160nmである。平均粒子径が30nm未満であると 、粒子安定性が低下する。また、300nmより大 いと、耐水性が低下する。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、全単 体成分100質量%に対して(メタ)アクリル系単 体の含有量が50質量%以上である単量体成分 乳化重合して得られる重合体を含むもので ることが好ましい。より好ましくは、(メタ )アクリル系単量体の含有量が70質量%以上で る単量体成分を乳化重合して得られる重合 を含むものである。
また、重合体を合成する際には、架橋構造を 形成し得る官能基を有する単量体は最終段に 重合することが好ましい。ただし、それ以前 の重合工程に含まれてもよい。(メタ)アクリ エマルション(A)としてパワーフィード構造 もつものを製造する場合は、徐々に架橋構 を形成し得る官能基を有する単量体を増加 ていくことが好ましい。

上記(メタ)アクリル系単量体としては、メ ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ レート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソ チル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)ア リレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、2- エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデ ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ )アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレ ト、n-ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジ (メタ)アクリレート、2-(アセトアセトキシ) チル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル 酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシエチル( タ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メ )アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ )アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)ア リレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリ レート等の水酸基を有する(メタ)アクリレー 類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸 、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水 マレイン酸等の酸性官能基を有する(メタ)ア リレート類;(メタ)アクリル酸エチレングリ ール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレン リコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリ コール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレ グリコール等のオキソ基を有する重合性単 体類が挙げられるが、その他の使用可能な 合性単量体としては、トリフルオロエチル( メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピ (メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチ ル(メタ)アクリレート等のフッ素含有重合性 量体類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル アミノプロピルアクリルアミド、N-ビニルピ リドン、ジメチルアミノエチル(メタ)アク レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ レート、ジアセトンアクリルアミド等の窒素 原子含有重合性単量体類;グリシジル(メタ)ア クリレート等のエポキシ基を有する重合性単 量体類;2-〔2’-ヒドロキシ-5’-(メタ)アクリ イルオキシエチルフェニル〕-2H-ベンゾトリ ゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル- 5’-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニ 〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-(2 -ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロポ シ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-(メタ) アクロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン の紫外線吸収性重合性単量体類;4-(メタ)アク リロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジ ン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペン タメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイル ミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メ )アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチル ペリジン等の紫外線安定性重合性単量体類; がある。これらの単量体は、1種のみであっ てもよいし、2種以上であってもよい。

これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルキ エステル類、紫外線吸収性重合性単量体、 外線安定性重合性単量体が、耐侯性の観点 らも特に好ましい。(メタ)アクリル酸アル ルエステル類としては、上記例示の中でも に、シクロアルキル基、t-ブチル基およびイ ソブチル基のうちの1種以上を有する重合性 量体が好ましい。このような重合性単量体 重合性単量体成分として含むことにより、 ブロッキング性を好適に発現させうるとと に、耐侯性、耐温水白化性を更に向上させ ことができる。中でも、シクロアルキル基 特に好ましい。シクロアルキル基含有単量 の使用量は、特に限定はされないが、例え 、全単量体成分100重量部に対し、5~60質量%で あることが好ましく、より好ましくは10~50質 %、最も好ましくは20~40質量%であるのがよい 。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、上 のように、官能基(α)を有する重合体を含む ものであることが好ましいが、この場合、( タ)アクリルエマルション(A)における官能基( α)を有する重合体の含有割合は、(メタ)アク ルエマルション(A)100重量部に対して、50質 %以上であることが好ましい。より好ましく 、70質量%以上である。更に好ましくは、90 量%以上であり、最も好ましくは、100質量%、 すなわち、(メタ)アクリルエマルション(A)が 能基(α)を有する重合体のみから構成されて いることである。全ての含有割合が50質量%未 満であると、本発明の塗料用水性樹脂組成物 から得られる塗膜が充分な耐候性、耐汚染性 等を発揮しないおそれがある。

上記第1の形態の塗料用水性樹脂組成物に用 られる(メタ)アクリルエマルション(A)が含む 重合体の原料となる単量体成分は、オキサゾ リン基含有単量体(a)、反応性基含有単量体(b) を含むものであることが好ましい。オキサゾ リン基含有単量体(a)を含むものであると、( タ)アクリルエマルション(A)が、上述した本 明の塗料用水性樹脂組成物の構成成分とし 好ましいものとなる。また、反応性基含有 量体(b)を含むものであると、オキサゾリン を開環させることかできると考えられる。
オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有 単量体(b)は、それぞれ1種又は2種以上を用い ことができる。

上記単量体成分において、オキサゾリン基 含有単量体(a)としては、下記一般式(1);

(式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、ア ルキル、フェニル又は置換フェニル基を表す 。R 5 は、付加重合性不飽和結合をもつ非環状有機 基を表す。)で表される化合物であることが ましい。

上記オキサゾリン基含有単量体(a)の具体例 としては、例えば、2-ビニル-2-オキサゾリン 2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル -5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル- 2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2 -オキサゾリン、2-イソプロぺニル-5-エチル-2- オキサゾリン等が挙げられる。中でも、工業 的に入手容易性の観点から、2-イソプロペニ -2-オキサゾリンが好ましい。

上記オキサゾリン基含有単量体(a)の配合割合 は、全単量体成分100重量部に対して0.1~30質量 %であることが好ましい。0.1質量%未満である 、充分な架橋が進行せず硬度が発現しない それがあり、30質量%を超えると、過度に架 が進行することで成膜することができない それがある。好ましくは、0.5~20質量%であり 、より好ましくは、1~10質量%である。
なお、上記重合体中のオキサゾリン基の含有 量は、1質量%以上であることが好ましい。1質 量%未満であると、オキサゾリン基が有する 橋性能が不充分となるおそれがある。

上記単量体成分において、反応性基含有単 量体(b)とは、オキサゾリン基と反応性を有す る官能基を含有した単量体を意味するが、こ のような単量体としては、オキサゾリン基と 反応して共有結合を形成し得る反応性基を含 むものであることが好ましい。このような反 応性基とオキサゾリン基とが反応すると、オ キサゾリン環を開環させ架橋構造を形成する ことができる。

上記反応性基は、反応性水素原子を含むも のであることが好ましい。反応性水素原子を 含む反応性基としては、強酸基、弱塩基、脂 肪族アルコール基、芳香族アルコール基(フ ノール基)、アミノ基等が挙げられる。この うな反応性が高い基は、一般にアミンや脂 族アルコールのような反応性が低い基より 温和な条件下で迅速にオキサゾリン基と反 する。好ましくは、カルボン酸基である。 ルボン酸基含有単量体の好適な単量体の例 して、イタコン酸、アクリル酸、メタアク ル酸、フマル酸、マレイン酸、ビニル安息 酸及びイソプロペニル安息香酸が挙げられ 。更に好ましいものとして、アクリル酸、 タアクリル酸が挙げられる。無水マレイン もまた、好適な単量体の例である。

上記反応性基含有単量体(b)の配合割合は、 全単量体成分100重量部に対して、0.1~30質量% あることが好ましい。0.1質量%未満であると 充分な架橋が進行せず硬度が発現しないお れがあり、30質量%を超えると、未反応分の 応性基により塗膜の耐水性が低下するおそ がある。好ましくは、0.5~20質量%であり、よ り好ましくは、1~10質量%である。

上記単量体成分において、オキサゾリン基 含有単量体(a)と反応性基含有単量体(b)のモル 比は、反応性基含有単量体(b)1モルに対し、 キサゾリン基含有単量体(a)0.2~5モルであるこ とが好ましく、より好ましくは0.5~2モルであ 。この範囲内で単量体成分を配合すること より、本発明の効果を充分に発揮すること 可能となる。

上記第2の形態の塗料用水性樹脂組成物に いられる(メタ)アクリルエマルション(A)が含 む重合体の原料となる単量体成分は、カルボ ニル基含有単量体を含むものであることが好 ましい。カルボニル基含有単量体を含むもの であると、(メタ)アクリルエマルション(A)が 上述した本発明の塗料用水性樹脂組成物の 成成分として好ましいものとなる。カルボ ル基含有単量体は1種又は2種以上を用いる とができる。

上記カルボニル基含有単量体としては、分 子中に少なくとも1個のアルド基又はケト基 有し、かつ、少なくとも1個の重合可能な二 結合を有する単量体を用いることができる これらの中でも、重合可能なモノエチレン 不飽和アルド化合物及びモノエチレン系不 和ケト化合物であって、かつエステル基及 カルボキシル基のみを有する化合物を除く のが好ましい。カルボニル基含有単量体の 体例としては、アクロレイン、ジアセトン クリルアミド、ホルミルスチロール、4~7個 炭素原子を有するビニルアルキルケトン(ビ ニルエチルケトン等)、(メタ)アクリルオキシ アルキルプロペナール、ジアセトンアクリレ ート、アセトニルアクリレート、ジアセトン メタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアク レートアセチルアセテート、ブタンジオー -1,4-アクリレートアセチルアセテート等が げられる。これらの中でも、ジアセトンア リルアミド、アクロレインが好ましい。

上記カルボニル基含有単量体の配合割合は、 全単量体成分100重量部に対して0.1~30質量%で ることが好ましい。0.1質量%未満であると、 分な架橋が進行せず硬度が発現しないおそ があり、30質量%を超えると、過度に架橋が 行することで成膜することができないおそ がある。好ましくは、0.5~20質量%であり、よ り好ましくは、1~10質量%である。
なお、上記重合体中のカルボニル基の含有量 は、1質量%以上であることが好ましい。1質量 %未満であると、カルボニル基が有する架橋 能が不充分となるおそれがある。

上記第1及び第2の形態における(メタ)アク ル系エマルション(A)は、(メタ)アクリル系単 量体を含む単量体成分を乳化重合して得られ るものであるが、乳化重合に用いられる乳化 剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性 乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、又 は、高分子乳化剤を使用することができる。 これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を いてもよい。

上記アニオン性乳化剤としては、例えば、 アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリ ウムドデシルサルフェート等のアルキルサル フェート塩;アンモニウムドデシルスルフォ ート、ナトリウムドデシルスルフォネート のアルキルスルフォネート塩;アンモニウム デシルベンゼンスルフォネート、ナトリウ ドデシルナフタレンスルフォネート等のア キルアリールスルフォネート塩;ポリオキシ エチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキ エチレンアルキルアリールサルフェート塩; アルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホ ン酸ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリ ート、ナトリウムステアリレート等の脂肪 塩;等が挙げられる。

上記ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポ リオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオ シエチレンアルキルアリールエーテル;ポリ チレングリコールとポリプロピレングリコ ルの縮合物;ソルビタン脂肪酸エステル;ポ オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル; 肪酸モノグリセライド;ポリアミド;エチレ オキサイドと脂肪族アミンの縮合生成物;等 挙げられる。
上記カチオン性乳化剤としては、例えば、ド デシルアンモニウムクロライド等のアルキル アンモニウム塩;等が挙げられる。
上記両性乳化剤としては、例えば、ベタイン エステル型乳化剤;等が挙げられる。

上記高分子乳化剤としては、例えば、ポリ アクリル酸ナトリウム等のポリ(メタ)アクリ 酸塩;ポリビニルアルコール;ポリビニルピ リドン;ポリヒドロキシエチルアクリレート のポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ ト;またはこれらの重合体を構成する重合性 量体のうちの1種以上を共重合成分とする共 重合体;等が挙げられる。

中でも、特に耐水性を重視する場合には、重 合性基を有する乳化剤、いわゆる反応性乳化 剤を使用するのが好ましく、(メタ)アクリル マルション(A)が含む重合体の原料となる単 体成分が上述した好ましい単量体を含むも であり、更に、反応性乳化剤を使用するこ がより好ましい。
すなわち、(メタ)アクリルエマルション(A)が オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含 単量体(b)及び反応性乳化剤(c)を必須とする 量体成分を重合して得られる重合体(A1)や、 カルボニル基含有単量体及び反応性乳化剤(c) を必須とする単量体成分を重合して得られる 重合体(A2)を含むことは、本発明の好適な実 形態の1つである。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)をオキ ゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有単量 (b)及び反応性乳化剤(c)を必須成分として得 れる重合体(A1)や、カルボニル基含有単量体 及び反応性乳化剤(c)を必須とする単量体成分 を重合して得られる重合体(A2)を含むものと ることにより、これを乾燥硬化させた硬化 の耐候性、耐熱性(熱硬化温度)、耐ブロッキ ング(硬度)を向上させることができるのみな ず、塗料用途において、耐温水白化性を大 く向上させることもできる。反応性乳化剤( c)を用いて製造された重合体は、乳化剤自身 重合体粒子に化学結合を行うため、塗膜化 の外的要因(水等との接触)による経時溶出 抑制され、非反応性乳化剤を用いた場合に べ、塗膜の耐水性が向上することになる。 に、重合体(A1)を用いた場合には、オキサゾ ン基含有単量体(a)と反応性基含有単量体(b) 架橋により塗膜内への水の侵入を抑制する 果が加わり、大幅な耐水性の向上が可能と る。

上記反応性乳化剤(c)とは、単量体中に不飽 和二重結合を有する、その他の単量体と重合 可能な界面活性剤を意味する。具体的には、 分子中にビニル基、(メタ)アクリロイル基、 リル基、プロペニル基等のラジカル重合性 二重結合を有し、非反応性乳化剤と同様に 化、分散機能を持つ乳化剤である。重合安 性や塗膜性能の観点から、ポリオキシアル レン鎖を分子構造中に持つものが特に好ま い。

上記反応性乳化剤(c)としては、例えば、ビス (ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル) タクリレート化スルフォネート塩(例えば、 日本乳化剤社製、アントックスMS-60等)、プロ ペニル-アルキルスルホコハク酸エステル塩 (メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルフ ォネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエ レンホスフォネート塩(例えば、三洋化成工 業社製、エレミノールRS-30等)、ポリオキシエ チレンアルキルプロペニルフェニルエーテル スルフォネート塩(例えば、第一工業製薬社 、アクアロンHS-10等)、アリルオキシメチル ルキルオキシポリオキシエチレンのスルフ ネート塩(例えば、第一工業製薬社製、アク ロンKH-10等)やアリルオキシメチルノニルフ ノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレ のスルフォネート塩(例えば、旭電化工業社 製、アデカリアソープSE-10等)、アリルオキシ メチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキ シエチレン硫酸エステル塩(例えば、旭電化 業社製、アデカリアソープSR-10、SR-30等)、ア リルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキ シポリオキシエチレン(例えば、旭電化工業 製、アデカリアソープER-20等)、ポリオキシ チレンアルキルプロペニルフェニルエーテ (例えば、第一工業製薬社製、アクアロンRN-2 0等)、アリルオキシメチルノニルフェノキシ チルヒドロキシポリオキシエチレン(例えば 、旭電化工業社製、アデカリアソープNE-10等) 等が挙げられる。特に環境面を重視する場合 には、非ノニルフェニル型の乳化剤を用いる のが好ましい。なお、上記反応性乳化剤は1 のみを用いてもよいし、2種以上を併用して よい。
このような反応性乳化剤の例を以下に示す。

上記(I)~(VIII)の化学式において、R及びR 6 ~R 9 は、アルキル基を表す。A及びA 1 ~A 2 は、アルキレン基を表す。Mは、軽金属又は ンモニウムイオンを表す。m及びnは、整数で ある。なお、(III)のR 6 ~R 8 は、アルキル基又は水素原子を表す。

上記反応性乳化剤(c)の配合割合は、特に限 定はされないが、例えば、全単量体成分100重 量部に対し、0.5~10質量%とするのが好ましい より好ましくは1.0~5.0質量%、更に好ましくは 2.0~4.0質量%とするのがよい。反応性乳化剤の 用量が多すぎると、塗膜の耐水性を低下さ るおそれがあり、一方、少なすぎると、重 安定性が低下しやすい。

上記反応性乳化剤以外の乳化剤を使用する 場合の配合割合は、特に限定されないが、塗 膜の耐水性及び重合安定性の双方を低下させ ない観点から、例えば、全単量体成分100重量 部に対して、0.5~10質量%とすることが好まし 。より好ましくは、1~5質量%であり、更に好 しくは、2~4質量%である。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)が含む重 体を合成する際に、シランカップリング剤 使用することも好ましい。
すなわち、(メタ)アクリルエマルション(A)が オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含 単量体(b)及びシランカップリング剤(d)を必 とする単量体成分を重合して得られる重合 (A3)や、カルボニル基含有単量体及びシラン カップリング剤(d)を必須とする単量体成分を 重合して得られる重合体(A4)を含むことは、 発明の好適な実施形態の1つである。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)がオキ ゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有単量 (b)及びシランカップリング剤(d)を必須成分 して得られる重合体(A3)や、カルボニル基含 有単量体及びシランカップリング剤(d)を必須 とする単量体成分を重合して得られる重合体 (A4)を含むものであると、塗料用途において 耐温水白化性、耐ブロッキング性、耐候性 耐汚染性を大きく向上させることができる

上記シランカップリング剤(d)としては、ビ ニル重合性シラン化合物、エポキシ基含有シ ラン化合物等が挙げられ、具体的にはメチル トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェ ニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシ シラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニ ルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキ シシラン、イソブチルトリメトキシシラン、 デシルトリメトキシシラン等のアルコキシシ ラン類、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ) ラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリ トキシシラン等のビニルシラン類、γ-メタ リロキシプロピルトリメトキシシラン等の( メタ)アクリルシラン類、β-(3,4-エポキシシク ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3 ,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメト シシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル) チルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシ クロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ -グリシドキシプロピルトリメトキシシラン γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラ 等のエポキシシラン類、N-β(アミノエチル)γ -アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(ア ミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシ ラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピル チルジエトキシシシラン、γ-アミノプロピ トリエトキシシラン、γ-アミノプロピルト メトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロ ルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミ プロピルトリエトキシシラン等のアミノシ ン類、γ-メルカプトプロピルトリメトキシ ラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシ ラン等のチオシラン類等が挙げられる。

上記シランカップリング剤(d)としては、また 、下記一般式(2)
(R 10 )n-Si-(R 11 )4-n (2)
(式(2)中、R 10 は、ラジカル重合性を有する基であり、R 11 は、水酸基、アルキル基、エポキシ基、ハロ ゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フ ェノキシ基、メルカプト基のうちから選択さ れる1種以上を有する置換基であり、nは、1~3 整数である。)で示されるSi含有単量体を含 ことが好ましい。これによりアクリルポリ ー鎖をシロキサン結合によって強固に架橋 た構造を形成し、例えば、光酸化触媒反応 よるポリマー劣化の抑制や、耐温水白化性 更に耐ブロッキング性を向上させることが きる。更に、オキサゾリン基含有単量体(a) 反応性基含有単量体(b)の架橋により、耐候 、耐水白化性、耐ブロッキング性、耐汚染 を大幅に向上させることができる。

上記一般式(2)において、R 10 で表されるラジカル重合性を有する基の具体 例としては、例えば、(メタ)アクリロキシ基 ビニル基等が挙げられる。また、一般式(2) おいて、n又は4-nの数が2以上となる場合、 数となるR 10 、R 11 は、それぞれ、同一であっても良いし、異な っていてもよい。一般式(2)で示されるSi含有 ノマーそのものの具体例としては、例えば ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β- メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエト シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ ルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロ シプロピルトリメトキシシラン、γ-メタク ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ -メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ 、γ-メタクリロキシプロピルトリイソプロ キシシラン等が挙げられる。中でも、耐汚 性、耐温水白化性を考慮すると、(メタ)アク リルシラン類が好ましい。特に好ましくは、 γ-メタクリロイルオキシエチルメチルジメト キシシラン、γ-メタクリロイルオキシエチル トリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキ シエチルトリエトキシシラン、γ-メタクリロ イルオキシプロピルメチルジメトキシシラン 、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメト キシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピ ルトリエトキシシランである。なお、Si含有 量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上 あってもよい。

上記Si含有モノマーの含有割合は、特に制 されないが、例えば、全単量体成分100重量 に対し、好ましくは0.1~10質量%、より好まし くは0.3~5質量%、最も好ましくは0.5~3質量%であ るのがよい。Si含有単量体の含有割合が、範 より少ないと、耐温水白化性や耐水白化性 の耐水性が充分に向上しない傾向があり、 方、範囲よりも多いと、過度に架橋が進行 ることで、成膜することができないおそれ ある。

上記シランカップリング剤(d)の配合割合は 、特に限定はされないが、例えば、全単量体 成分100重量部に対し、0.1~10質量%とするのが ましい。より好ましくは0.3~5質量%、更に好 しくは0.5~3質量%とするのがよい。

上記重合体(A3)や(A4)の重合工程としては、 述した重合体(A1)や(A2)の重合と同様に乳化 合により行うことが好ましいが、用いられ 乳化剤としては、特に限定されるものでは く、例えば、上述した反応性乳化剤(b)や、 ニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチ ン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤等 使用することができる。これら乳化剤は1種 のみを用いてもよく、2種類以上を併用して もよい。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)が含む重 体(A1)や(A3)は、2段階以上で段階的に重合さ ることにより製造されることが好ましい。 れにより、得られるエマルションの物性制 が容易になる。具体的には硬化制御が可能 なる。段階的重合工程としては、まずカル キシル基含有単量体を含む重合性単量体(i) 重合し、ここにオキサゾリン基含有単量体 含む重合性単量体(ii)を更に加えて重合を行 うものであることが好ましい。また(ii)の重 を行う前の反応系内のpHを6以上とすること 、カルボキシル基とオキサゾリン基の架橋 応を抑制(ブロック)し、硬化制御を行うこと が可能となる。これにより、長期保存安定性 がよく、塗膜形成時には反応系内のpHを6以上 とするために使用した中和剤が揮発すると共 に粒子内での架橋反応が進行する、いわゆる 自己架橋性エマルションを得ることができる 。
このような、塗料用水性樹脂組成物が含む( タ)アクリルエマルション(A)の製造方法であ て、カルボキシル基含有単量体を含む重合 単量体(i)を重合する工程と、オキサゾリン 含有単量体を含む重合性単量体(ii)を重合す る工程との、少なくとも2つの工程を含み、 重合性単量体(ii)を重合する工程前の反応系 のpHが6以上である(メタ)アクリルエマルシ ン(A)の製造方法もまた、本発明の1つである
本発明の(メタ)アクリルエマルション(A)の製 方法は、重合性単量体(i)を重合する工程と 重合性単量体(ii)を重合する工程との、少な くとも2つの工程を含むものである限り、そ 他の工程を含むものであってもよい。なお 単量体(i)が含むカルボキシル基含有単量体 しては、上述した(メタ)アクリル酸系単量体 が好ましい。

上記反応系内のpHを6以上とする際に用いる ことのできる中和剤としては、例えば、アン モニア、トリエチルアミン等の有機アミン類 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア ルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、 炭酸カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ 土類金属の炭酸化物等のアルカリ性物質を用 いることができる。これらの中でもアンモニ ア、トリエチルアミン等の有機アミン類とい った揮発性をもつアルカリ性物質が好ましく 、アンモニアが特に好ましい。

上記重合性単量体(ii)を重合する工程前の 応系のpHは、6以上10未満の範囲に設定するこ とが好ましい。より好ましくは、7以上9.5未 で、更に好ましくは8以上9未満である。pHが6 未満であると(i)から得られる重合体と(ii)か 得られる重合体との反応制御ができず、得 れたエマルションの造膜性が低下する。ま 、10以上であると塗膜形成時の架橋の進行が 遅延し、硬度が発現し難いおそれがある。

上記(メタ)アクリルエマルション(A)は、乳 重合により得られるものであるが、ここで われる乳化重合としては特に限定されず、 えば、多段階フィード法、パワーフィード 等の通常よく知られている方法を用いて行 ことができる。具体的には、水、又は、必 に応じてアルコール等のような有機溶剤を む水性媒体中に乳化剤を溶解させ、加熱撹 下、原料となる単量体成分及び重合開始剤 滴下する方法や、乳化剤と水とを用いて予 乳化した原料となる単量体成分を同様に滴 する方法等を挙げることができる。(メタ) クリルエマルション(A)の合成時には上記反 性乳化剤を使用することが好適である。

上記乳化重合工程で用いることのできる水 性媒体としては、通常、水が使用されるが、 必要に応じて、例えばメタノールのような低 級アルコール等の親水性溶媒を併用すること もできる。なお、水性媒体の使用量は、得よ うとするエマルションの所望の樹脂固形分を 考慮して適宜設定すればよい。

上記乳化重合工程で用いることのできる重 合開始剤としては、特に限定されないが、例 えば、2,2-アゾビス(2―ジアミノプロパン)ハ ドロクロライド等のアゾ化合物;過硫酸カリ ム等の過硫酸塩;過酸化水素等の過酸化物; が挙げられる。具体的には、例えば、アゾ の油性化合物(例えば、アゾビスイソブチロ トリル、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリ ル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリ )等)、水性化合物(例えば、アニオン系の4,4- ゾビス(4-シアノ吉草酸)、カチオン系の2,2- ゾビス(2-メチルプロピオンアミジン));レド クス系の油性過酸化物(例えば、ベンゾイル ーオキサイド、パラクロロベンゾイルパー キサイド、ラウロイルパーオキサイド、t- チルパーベンゾエート等)、水性過酸化物(例 えば、過硫酸カリ及び過酸化アンモニウム等 );等を挙げることができる。なお、重合開始 は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を 用してもよい。

上記重合開始剤の使用量は、特に限定され ないが、好ましくは、全単量体成分100重量部 に対し、0.05~1質量%とするのがよく、より好 しくは0.1~0.5質量%とするのがよい。重合開始 剤の使用量が0.05質量%未満であると、重合速 が遅くなって未反応の重合性単量体が残存 やすくなり、一方、1質量%を超えると、形 される塗膜の耐水性が低下する傾向がある

上記添加方法は、特に制限はなく、例えば 、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下等のい ずれの方法であってもよい。さらに、重合の 完了を速めるためには、最終段の重合性単量 体成分の滴下終了前後に、重合開始剤の一部 を添加してもよい。

上記乳化重合工程においてはまた、重合開 始剤の分解を促進する目的で、例えば、亜硫 酸水素ナトリウム等の還元剤や硫酸第一鉄等 の遷移金属塩を添加してもよい。乳化重合工 程においては、さらに必要に応じて、pH緩衝 、キレート剤、連鎖移動剤、成膜助剤等の 知の添加剤を添加してもよい。連鎖移動剤 しては、t-ドデシルメルカプタン等のチオ ル基を有する化合物等が挙げられる。上記 鎖移動剤や調節剤の使用量は、特に制限さ ないが、例えば、全単量体成分100重量部に し、0.01~5質量%、より好ましくは0.1~3質量%と るのがよい。

上記重合工程における重合温度としては、 特に限定はなく、好ましくは0~100℃、より好 しくは40~95℃とするのがよい。重合温度は 定であってもよいし、重合途中でもしくは 段階によって変化させてもよい。重合時間 ついても、特に限定はなく、反応の進行状 に応じて適宜設定すればよいが、例えば、 合開始から終了まで2~8時間の範囲とするの 好ましい。重合時の雰囲気については、重 開始剤の効率を高めるため窒素等の不活性 ス雰囲気下で行うのが一般的である。

本発明における水溶性樹脂(B)としては、(メ )アクリルエマルション(A)と架橋構造を形成 得るものであればよいが、上述のように、( メタ)アクリルエマルション(A)が含む重合体 有する官能基(α)と架橋構造を形成し得る官 基(β)を有する重合体を含むものであること が好ましい。
この場合、水溶性樹脂(B)における官能基(β) 有する重合体の含有割合は、水溶性樹脂(B)10 0重量部に対して、50質量%以上であることが ましい。より好ましくは、70質量%以上であ 。更に好ましくは、90質量%以上であり、最 好ましくは、100質量%、すなわち、水溶性樹 (B)が官能基(β)を有する重合体のみから構成 されていることである。含有割合が50質量%未 満であると、本発明の塗料用水性樹脂組成物 から得られる塗膜が充分な耐候性、耐汚染性 等を発揮しないおそれがある。
なお、本発明において、水溶性樹脂(B)には、 アルカリ可溶性樹脂が含まれる。

上記官能基(β)を有する重合体は、単量体 分100重量部に対して官能基(β)を有する単量 を1~50質量%含む単量体成分から得られるも であることが好ましい。より好ましくは、 能基(β)を有する単量体を10~40質量%含む単量 成分から得られるものである。

上記官能基(β)を有する重合体は、上述のよ に、N-ビニル環状ラクタム単位を有する重合 体であることが好ましい。N-ビニル環状ラク ム単位を有する重合体は、少なくともN-ビ ル環状ラクタム単位を有するものであれば く、例えば、N-ビニルピロリドンやN-ビニル プロラクタムを重合又は共重合させて得ら るホモポリマー又はコポリマー等を用いる とができる。
なお、水溶性樹脂(B)は、N-ビニル環状ラクタ 単位を有する重合体を含むものである限り その他の成分を含んでいてもよい。

上記コポリマーとしては、N-ビニルピロリド やN-ビニルカプロラクタムを、酢酸ビニル (メタ)アクリル酸やそのエステル、マレイン 酸やそのエステル、アクリロニトリル、スチ レン、アルキルビニルエーテル、N-ビニルイ ダゾール、ビニルピリジン、アリルアルコ ル、オレフィン類等と共重合させて得られ コポリマーが挙げられる。これらの中でも N-ビニルピロリドンやN-ビニルカプロラクタ ムを酢酸ビニルと共重合させて得られるコポ リマーが好ましい。これらのコポリマーは、 1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい
なお、(メタ)アクリル酸、マレイン酸のエス ルとしては、炭素数1~20のアルキルエステル 、ジメチルアミノアルキルエステル及びその 四級塩、ヒドロキシアルキルエステル等が挙 げられる。

上記N-ビニル環状ラクタム単位を有する重 体は、N-ビニルピロリドンやN-ビニルカプロ ラクタム等由来のN-ビニル環状ラクタム単位 20質量%以上有するものであることが好まし 。より好ましくは、40質量%以上有するもの ある。N-ビニル環状ラクタム単位が20質量% 下であると、塗料組成物から得られる塗膜 親水性が不充分となり、塗膜が充分な耐汚 性を有するものではなくなるおそれがある

上記官能基(β)を有する重合体の分子量は 1000~300万であることが好ましい。より好まし くは、3000~100万であり、更に好ましくは、5000 ~50万である。また、特に好ましくは、7000~30 であり、最も好ましくは、1万~10万である。

上記官能基(β)を有する重合体の形態は特 制限されず、重合体の主鎖に架橋構造を形 し得る官能基(β)を有する構成単位がランダ 、ブロック等のいずれの形態で組み込まれ のものであってもよく、官能基(β)を有する 構成単位が重合体の主鎖にグラフト重合した 形態のものであってもよいが、グラフト重合 した形態のものが好ましい。グラフト重合し た形態のものであると、架橋効率がよく、少 ない使用量でも効果を発揮することができる 。

上記官能基(β)を有する重合体の合成は、溶 重合、乳化重合、懸濁重合、沈殿重合等の 合方法によって行うことができるが、溶液 合が好ましく、水を溶媒とする水溶液重合 より好ましい。
また、重合反応の反応温度は、特に限定され ないが、0~200℃が好ましい。より好ましくは 50~150℃である。
反応圧力は、特に限定されるものではなく、 常圧下、減圧下、加圧下のいずれで反応させ てもよいが、常圧下又は減圧下で溶媒を沸騰 させながら反応させると、効果的に除熱がで き、反応制御が容易となるので好ましい。
重合反応を行う雰囲気は、反応が進行する限 り特に制限されるものではないが、窒素ガス 、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活性 ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。

上記官能基(β)を有する重合体の合成に用 ることができる溶媒としては、重合体の原 となる単量体成分が溶解するものであれば に限定されないが、例えば、水;アルコール ;エーテル類;ケトン類;エステル類;アミド類 ;スルホキシド類;炭化水素類;等が挙げられる 。これらの中でも、水、メチルアルコール、 エチルアルコール、n-プロピルアルコール、 ソプロピルアルコール、t-ブチルアルコー 、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、 チルセロソルブ、アセトン、メチルエチル トン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン 1,3-ジオキソラン、トルエン、酢酸エチル、 およびこれらの混合溶媒が好ましく、水が特 に好ましい。また、これら溶媒中には、カル ボン酸の中和やpH制御の目的で有機アミン類 アンモニア等が添加されていてもよい。ま 、水を含む溶媒においては、アルカリ金属 酸化物を使用することもできる。

以下に、架橋構造を形成し得る官能基として 、カルボキシル基を有するN-ビニル環状ラク ム単位を有するグラフト重合体を合成する 合について述べる。なお、カルボニル基を するN-ビニル環状ラクタム単位を有するグ フト重合体を合成する場合にも、同様の方 を用いることができる。その場合、カルボ シル基含有不飽和単量体に代えて、カルボ ル基含有不飽和単量体を同様の割合で用い 合成することができる。カルボニル基含有 飽和単量体としては、上述した(メタ)アクリ ルエマルション(A2)や(A4)の合成に用いるもの 同様のものを用いることができる。
基幹ポリマーであるN-ビニル環状ラクタム単 を有する重合体は、N-ビニルピロリドンやN- ビニルカプロラクタム等由来のN-ビニル環状 クタム単位を20質量%以上有するポリマーで ることが、グラフト効率を向上させる点か 好ましい。基幹ポリマー中のN-ビニル環状 クタム単位が20質量%未満であると、グラフ 鎖として導入されていないカルボキシル基 有不飽和単量体を含むポリマーが副生しや くなる。

上記カルボキシル基を有するN-ビニル環状 クタム単位を有するグラフト重合体の合成 おいて、グラフト鎖成分として用いられる ルボキシル基含有不飽和単量体は、特に制 されるものではないが、アクリル酸、メタ リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン 、およびこれらの塩等が挙げられる。これ の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マ イン酸、およびこれらの塩が好ましい。ま 、塩の場合には、ナトリウムやカリウム等 アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキ アミン類やエタノールアミン類等の有機ア ン塩が挙げられるが、アルカリ金属塩及び ンモニウム塩が好ましい。これらカルボキ ル基含有不飽和単量体は、1種を用いてもよ く、2種以上を併用してもよい。

また、グラフト重合を行うに際しては、グ ラフト鎖成分として、上記カルボキシル基含 有不飽和単量体と共重合可能な他のモノマー を併用して重合することもできる。他のモノ マーとしては、特に制限はないが、例えば、 (メタ)アクリルアミド、アクリルアミド-2-メ ル-1-プロパンスルホン酸、ビニルスルホン 、アリルスルホン酸、N-ビニルアセトアミ 、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルピロリド 、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダ ゾール、ビニルピリジン、アルキルビニルエ ーテル、(メタ)アクリル酸エステル、マレイ 酸エステル、アクリロニトリル、スチレン 酢酸ビニル、アリルアルコール、オレフィ 類等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル エステルとしては、炭素数1~20のアルキルエ テル、ジメチルアミノアルキルエステル、 び、その四級塩、ヒドロキシアルキルエス ル等が挙げられる。これら他のモノマーは 1種を用いてもよく、2種以上を併用しても い。

グラフト重合を行う際にグラフト鎖成分とし て上記他のモノマーを併用する場合、カルボ キシル基含有不飽和単量体と他のモノマーと の割合は、特に制限されるものではないが、 カルボキシル基含有不飽和単量体の割合が、 グラフト鎖成分の全重量に対して25質量%以上 となるようにするのが好ましい。より好まし くは40質量%以上であり、更に好ましくは60質 %以上であり、最も好ましくは100質量%であ 。
カルボキシル基含有不飽和単量体の割合が、 グラフト鎖成分の全重量に対して25質量%未満 であると、得られるグラフトポリマーにおい てカルボキシル基の性質を十分に発現されな いおそれがある。

上記カルボキシル基を有するN-ビニル環状 クタム単位を有するグラフト重合体は、カ ボキシル基含有不飽和単量体が基幹ポリマ 重量に対して2質量%以上の割合でグラフト 合されているものであることが好ましい。 り好ましくは2~200質量%であり、更に好まし は2~100質量%である。カルボキシル基含有不 和単量体が基幹ポリマー重量に対して2質量% 未満であると、カルボキシル基に基づく性能 が現れないおそれがあり、200質量%を越える 、基幹ポリマーであるN-ビニル環状ラクタム 単位の性質が発揮されないおそれがある。

上記カルボキシル基を有するN-ビニル環状 クタム単位を有するグラフト重合体は、グ フト鎖として導入されていないカルボキシ 基含有不飽和単量体を含む不純物ポリマー 含有量がグラフト鎖重量に対して40質量%以 であることが好ましい。該不純物ポリマー 含有量が40質量%を越えると、各種基材への 溶性が損なわれたり、カルボキシル基の反 性を利用する用途において、目的とするグ フトポリマー中のカルボキシル基の反応が げられるおそれがある。

上記グラフト重合を行う際、基幹ポリマー とカルボキシル基含有不飽和単量体との使用 割合は、特に限定されるものではないが、基 幹ポリマーに対してカルボキシル基含有不飽 和単量体の使用量を2~200質量%とすることが好 ましい。なお、基幹ポリマーは、初期一括仕 込みとしてもよく、逐次添加してもよいが、 反応時間の短縮や生産性等を考慮すると初期 一括仕込みとするほうが好ましい。カルボキ シル基含有不飽和単量体の添加方法は、特に 制限されるものではなく、一括仕込みとして もよく、逐次添加してもよいが、グラフト効 率および反応制御の点を考慮すると、逐次添 加する方が好ましい。また、カルボキシル基 含有不飽和単量体は溶媒希釈して添加しても よい。

上記グラフト重合はラジカル開始剤の存在 下で行われることが好ましい。ラジカル開始 剤としては、加熱等によってラジカルが発生 するものであれば、特に限定されないが、グ ラフト効率の点からは過酸化物系開始剤がよ り好ましい。過酸化物系開始剤としては、具 体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過 硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸 塩;過酸化水素;メチルエチルケトンパーオキ イド、シクロヘキサノンパーオキサイド等 ケトンパーオキサイド類;t-ブチルハイドロ ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー キサイド、p-メンタンハイドロパーオキサ ド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパ オキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイ ドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ イド類;ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチル クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ イド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)p-ジイ ソプロピルヘキシン等のジアルキルパーオキ サイド類;t-ブチルパーオキシアセテート、t- チルパーオキシラウレート、t-ブチルパー キシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシ ソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイ パーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ ソプロピルカーボネート等のパーオキシエ テル類;n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキ )バレエート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ) タン等のパーオキシケタール類;ジベンゾイ パーオキサイド等のジアシルパーオキサイ 類;等が挙げられる。これら開始剤は、1種 用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 た、上記過酸化物系開始剤と還元剤とを併 するレドックス系であってもよい。還元剤 しては、具体的には、鉄(II)塩、亜ジチオン 酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫 酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルム アルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、アス コルビン酸等が挙げられる。また、アゾ系開 始剤を用いることもできるが、過酸化物系開 始剤と比べるとはグラフト効率の点からやや 性能が劣るため、過酸化物系開始剤と併用し て用いることが好ましい。

上記ラジカル開始剤の使用量については、特 に限定されないが、グラフト鎖を構成するモ ノマー成分に対して0.1~100モル%とすることが ましい。より好ましくは、1~20モル%である なお、グラフト重合を行う際の前記開始剤 添加方法は、特に限定されるものではなく 例えば、初期一括仕込みする方法や、逐次 加する方法が挙げられるが、残留モノマー 低減を考慮すると、逐次添加する方が好ま い。
なお、グラフト重合反応の方法は、特に制限 されるものではなく、溶液重合、乳化重合、 懸濁重合、沈殿重合等の重合方法によって行 うことができるが、これらの中でも溶液重合 が好ましい。
上記グラフト重合における反応温度、反応圧 力、使用する溶媒等は、上述したN-ビニル環 ラクタム単位を有する重合体の場合と同様 ある。

本発明において、上記化合物(C)としては、 (メタ)アクリルエマルション(A)及び水溶性樹 (B)との間に架橋構造を形成することができ 2つ以上の官能基を有するものであればよく 、官能基としては、上述した架橋構造を形成 し得る官能基のいずれかであればよいが、上 述したように、同じ官能基を2つ以上有する 合物であることが好ましい。より好ましく 、カルボキシル基、ヒドラジノ基のいずれ を2つ以上有する化合物であり、更に好まし は、ヒドラジノ基を2つ以上有する化合物で ある。

上記化合物(C)としては、シュウ酸ジヒドラ ジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒ ドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ ン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド 、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒド ラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の炭素原 子を2~10個有するジカルボン酸ジヒドラジド 、エチレン-1,2-ジヒドラジン、プロピレン-1, 3-ジヒドラジン、ブチレン-1,4-ジヒドラジン の2~4個の炭素原子を有する脂肪族水溶性ジ ドラジン等が挙げられる。これらの化合物 、1種又は2種以上を用いることができる。こ れらの中でも、こはく酸ジヒドラジド、グル タル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ ド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジ ヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコ ン酸ジヒドラジド等の炭素原子を4~6個有する ジカルボン酸ジヒドラジドが好ましい。より 好ましくは、アジピン酸ジヒドラジドである 。

本発明の塗料用水性樹脂組成物は、上述の 構成よりなり、良好な塗膜性能を損なうこと なく、耐候性、耐温水白化性、耐凍害性、及 び、耐ブロッキング性等が良好であり、塗布 直後から、長期に渡って特に屋外での耐汚染 性に優れた塗膜を形成することができる塗料 用水性樹脂組成物である。

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に 説明するが、本発明はこれらの実施例のみに 限定されるものではない。なお、特に断りの ない限り、「部」は「重量部」を、「%」は 質量%」を意味するものとする。

なお、以下の製造例において、各種物性等は 以下のように評価した。
<Tg>
各段で用いた単量体組成から、上述したFoxの 式を用いて算出した。なお、全ての段で用い た単量体組成から算出したTgを「トータルTg として記載した。

<不揮発分(NV)>
得られた塗料用水性樹脂組成物約1gを秤量し 熱風乾燥機にて110℃1時間乾燥させ、乾燥残 量を、不揮発分として、乾燥前質量に対する 比率を質量%で算出し表示した。

<pH>
pHメーター(堀場製作所社製「F-23」)により25 での値を測定した。

<粘度>
BM型粘度計(東京計器社製)により30min-1、25℃ て測定した。粘度測定時には、粘度に応じ ローターを選定した。

<平均粒子径>
動的光散乱法による粒度分布測定器(Particle S izing Systems社製「NICOMP Model 380」)を用い、体 積平均粒子径を測定した。

<最低造膜温度(MFT)>
熱勾配試験機の上に置いたガラス板上に厚さ 0.2mmのアプリケーターで得られた水性樹脂分 体を塗工、乾燥し、その塗膜にクラックの じた温度を最低成膜温度(MFT)(℃)とした。

<乳化重合によって得られる(メタ)アクリル エマルション(A)の製造例>
製造例A1
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計、 及び、還流冷却管を備えたフラスコに、脱イ オン水432部を仕込んだ。滴下ロートに、脱イ オン水145部、乳化剤(例:アクアロン-HS-10/第一 工業製薬社製)の25%水溶液60部、2-エチルヘキ ルアクリレート110部、メチルメタクリレー 380部、アクリル酸10部からなる滴下用プレ マルションを調整し、そのうち全重合性単 体成分の総量の10%にあたる70.5部をフラスコ 添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みな ら80℃まで昇温し、過硫酸アンモニウムの5% 水溶液30部を添加して重合を開始した。その 、滴下用プレエマルションの残部を240分に たり均一に滴下した。滴下終了後、同温度 180分間維持し、続けて、25%アンモニア水7部 を添加し、系のpHが6以上になったことを確認 して重合を終了し、水性樹脂分散体を得た。
表1に、使用した各単量体の量を、使用した 単量体成分合計量100重量部に対する比率(重 部)で示した。得られた(メタ)アクリルエマ ション(A1)について、各種物性を評価した。 評価結果を表1に示す。
なお、以下において、(メタ)アクリルエマル ョン(A1)を水性樹脂分散体(A1)とも表記する 以下、同様に表記する。

製造例A2
下記表1に示す乳化剤及び単量体成分を用い 重合した他は、製造例A1と同様にして(メタ) クリルエマルション(A2)を得た。これについ て、製造例A1と同様に各種物性を評価した。 価結果を表1に示す。

製造例A3
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計、 及び、還流冷却管を備えたフラスコに、脱イ オン水432部を仕込んだ。滴下ロートに、脱イ オン水72.5部、乳化剤(例:アクアロンHS-10/第一 工業製薬社製)の25%水溶液30部、2-エチルヘキ ルアクリレート55部、メチルメタクリレー 185部、アクリル酸10部からなる一段目のプレ エマルションを調整し、そのうち全重合性単 量体成分の総量の10%にあたる70.5部をフラス に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込み がら80℃まで昇温し、過硫酸アンモニウムの 5%水溶液30部を添加して重合を開始した。そ 後、1段目のプレエマルションの残部を120分 わたり均一に滴下した。滴下終了後、同温 で60分間維持し、一段目の重合を終了した 次に25%アンモニア水7部を添加し、系のpHが6 上になったことを確認し、引き続いて、脱 オン水72.5部、乳化剤(例:アクアロンHS-10/第 工業製薬社製)の25%水溶液30部、2-エチルへ シルアクリレート55部、メチルメタクリレー ト170部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン25 からなる2段目のプレエマルションを120分間 わたって均一に滴下した。滴下終了後、同 度で180分間維持して重合を終了し、水性樹 分散体を得た。
表1に、一段目、二段目にそれぞれ使用した 単量体の量を、両段で使用した全単量体成 合計量100重量部に対する比率(重量部)で示し た。
これについて、製造例A1と同様に各種物性を 価した。評価結果を表1に示す。

製造例A4~A13及びA19
下記表1に示す乳化剤及び単量体成分を用い 重合(製造例A4については3段重合)した他は、 製造例A1と同様に操作してアクリルエマルシ ン(A2)~(A13)及び(A19)を得た。
これらについて、製造例A1と同様に各種物性 評価した。評価結果を表1に示す。

製造例A14
2段目滴下前の25%アンモニア水の添加を無し した以外は、製造例A3と同様の組成、操作で 重合し、水性樹脂分散体(A14)を得た。

製造例A15
2段目滴下前に25%アンモニア水2.0部を添加し 以外は、製造例A3と同様の組成、操作で重合 し、水性樹脂分散体(A15)を得た。

製造例A16
2段目滴下前に25%アンモニア水3.5部を添加し 以外は、製造例A3と同様の組成、操作で重合 し、水性樹脂分散体(A16)を得た。

製造例A17
2段目滴下前に25%アンモニア水6部を添加した 外は、製造例A3と同様の組成、操作で重合 、水性樹脂分散体(A17)を得た。

製造例A18
2段目滴下前に25%アンモニア水11部を添加した 以外は、製造例A3と同様の組成、操作で重合 、水性樹脂分散体(A18)を得た。

製造例A20
表1に示す乳化剤及び単量体成分を用いて重 した他は、製造例A3と同様にして水性樹脂分 散体(A20)を得た。

製造例A21
市販品の水溶性アクリル樹脂(商品名:JDX-6500(N V30%)/ジョンソンポリマー社製)を用い、A21と た。

表1中の記載は、以下のようである。
<乳化剤>
アクアロンHS-10:第一工業製薬社製
アデカリアソープSR-10:旭電化工業社製
ハイテノールN-08:第一工業製薬社製
なお、表1で示す乳化剤の数値は、各段(各段 の使用量は全て同量)で用いた乳化剤の合計 量を示す。すなわち、例えば、「3(部)」と記 載していた場合、2段重合の場合は、1段目及 2段目の重合にそれぞれ1.5部ずつ使用したこ とを示し、また3段重合の場合は、1段目~3段 の重合にそれぞれ1部ずつ使用したことを示 。

<単量体成分>
2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート(Tg:-70℃)
MMA:メチルメタクリレート(Tg:105℃)
St:スチレン(Tg:100℃)
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート(Tg:83℃)
t-BMA:ターシャリーブチルメタクリレート(Tg:10 7℃)
AA:アクリル酸(Tg:106℃)
GMA:グリシジルメタクリレート(Tg:40℃)
IPO:2-イソプロペニル-2-オキサゾリン(Tg:100℃)
RUVA:2-[2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロイルオ シエチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール(Tg :100℃)
HALS:4-メタクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメ チルピペリジン(Tg:130℃)
TMSMA:γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメ トキシシラン(Tg:70℃)
DAAM:ジアセトンアクリルアミド(Tg:65℃)
なお、上記単量体の化合物名の後に括弧書き にて示したTgは、当該単量体からなるホモポ マーのTg(℃)である。

<N-ビニル環状ラクタム単位を有する重合体 を含む水溶性樹脂(B)の製造例>
製造例B1
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した 重合容器に、脱イオン水206部と、N-ビニルピ リドン90部を加え、窒素を導入して窒素雰 気とした。室温下で攪拌しながら、0.1%の硫 銅水溶液0.045部、25%アンモニア水溶液0.5部 30%過酸化水素水溶液2.1部を加え、重合を開 した。内温が重合熱によって上昇した後、80 ℃で1.5時間加熱攪拌を続けた。次に、30%過酸 化水素水溶液1.0部を加えた後、更に1時間加 攪拌を続け、ポリビニルピロリドン(PVP)ポリ マー溶液を得た。得られたポリマー溶液はNV3 0.0%、K値は29.8であった。
なお、ポリビニルピロリドンポリマーのK値 、ポリビニルピロリドンポリマーを水に1質 %の濃度で溶解させた溶液の粘度を25℃にお て毛細管粘度計によって測定し、この測定 を用いて次のフィケンチャー式から計算し 。K値が高いほど、分子量は高いと言える。
(logη rel )/C=〔(75Ko 2 )/(1+1.5KoC)〕+KoK=1000Ko
(式中、Cは、溶液100ml中のポリビニルピロリ ンのg数を表す。η rel は、溶媒に対する溶液の粘度を表す。)

製造例B2
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した 重合容器に、脱イオン水39.1部と、PVPポリマ 溶液(B1)400部を加え、窒素を導入して窒素雰 気とした。室温下で攪拌しながら、85℃ま 昇温し、温度が一定になったところで、80% クリル酸水溶液37.5部、脱イオン水75.2部、25% アンモニア水溶液34.5部を混合した水溶液を90 分かけて投入した。平行して過硫酸アンモニ ウム3.7部を脱イオン水69.5部に溶解させた開 剤水溶液を同様に90分かけて投入した。投入 終了後、同温度で1時間加熱攪拌を続け、反 を終了した。得られたポリマー溶液はNV29.6% あった。

製造例B3
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した 重合容器に、脱イオン水39.1部と、PVPポリマ 溶液(B1)305部を加え、窒素を導入して窒素雰 気とした。室温下で攪拌しながら、85℃ま 昇温し、温度が一定になったところで、80% クリル酸水溶液73.1部、脱イオン水75.2部、25% アンモニア水溶液34.5部を混合した水溶液を90 分かけて投入した。平行して過硫酸アンモニ ウム3.7部を脱イオン水69.5部に溶解させた開 剤水溶液を同様に90分かけて投入した。投入 終了後、同温度で1時間加熱攪拌を続け、反 を終了した。得られたポリマー溶液はNV29.3% あった。

製造例B4
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した 重合容器に、脱イオン水39.1部と、PVPポリマ 溶液(B1)400部を加え、窒素を導入して窒素雰 気とした。室温下で攪拌しながら、85℃ま 昇温し、温度が一定になったところで、2-イ ソプロペニル-2-オキサゾリン30.0部、脱イオ 水82.7部、25%アンモニア水溶液34.5部を混合し た水溶液を90分かけて投入した。平行して過 酸アンモニウム3.7部を脱イオン水69.5部に溶 解させた開始剤水溶液を同様に90分かけて投 した。投入終了後、同温度で1時間加熱攪拌 を続け、反応を終了した。得られたポリマー 溶液はNV29.4%であった。

製造例B5
下記表2に示す単量体成分を用いた以外は、 造例B4と同様に操作してポリマー溶液を得た 。得られたポリマー溶液はNV29.8%であった。

製造例B6
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計及 び還流冷却管を備えたフラスコに、脱イオン 水1391部を仕込んだ。滴下ロートに、脱イオ 水204部、乳化剤(「ハイテノールN-08/第一工 製薬社製」)の25%水溶液84部、エチルアクリ ート385部、メタクリル酸315部からなるプレ マルションを調整し、そのうち全重合性単 体成分の総量の10%にあたる99部をフラスコに 添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みなが ら75℃まで昇温し、過硫酸アンモニウムの5% 溶液29.4部添加し重合を開始した。その後、1 段目のプレエマルションの残部を240分にわた り均一に滴下した。滴下終了後、同温度で180 分間維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、300メッシ ュの金網でろ過して水性樹脂(B7)を得た。得 れたポリマー溶液は、NV30.3%であった。

製造例B7
水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社 商品名;JDX-C3000)に脱イオン水を加え、アンモ ニアでpH8に調整し、80℃1時間攪拌した後、室 温まで冷却後、300メッシュの金網でろ過して 、不揮発分30%の水性樹脂(B8)を得た。ポリマ 溶液は、NV29.5%であった。

製造例B8
市販品のコロイダルシリカ(日産化学社製、 品名:スノーテックス30、SiO 2 含有量30%)を用い、水溶性樹脂(B5)とした。ポ マー溶液は、NV30.0%であった。
上記製造例B1~B8について、表2に示す。

表2中の記載は、以下のようである。
PVP:N-ビニルピロリドンを重合させて得られる ホモポリマーであることを表す。
VP-AA:ポリビニルピロリドンにアクリル酸をグ ラフト重合させたものであることを表す。
VP-OX:ポリビニルピロリドンに2-イソプロペニ -2-オキサゾリンをグラフト重合させたもの あることを表す。
VP-DM:ポリビニルピロリドンにジアセトンアク リルアミドをグラフト重合させたものである ことを表す。
EA-MA:エチルアクリレートとメタクリル酸との 共重合であることを表す。
その他の記載は表1と同様である。

実施例1
製造例A1で得た(メタ)アクリルエマルション(A 1)に、製造例B2で得た水溶性樹脂(B1)を配合固 比が(A1):(B1)=95:5となるように配合し、塗料 水性樹脂組成物1を調整した。得られた塗料 水性樹脂組成物について、下記試験方法に って物性を評価した。結果を表3に示す。

実施例2~27及び比較例1~9
下記表3、4及び5に示されるように水性樹脂分 散体(A1)~(A21)及び水溶性樹脂(B1)~(B8)を用いた 外は、実施例1と同様の操作を行って、記載 配合比にて塗料用水性樹脂組成物を調製し 。得られた塗料用水性樹脂組成物のそれぞ について、下記試験方法に従って物性を評 した。結果を表3、4及び5に示す。

実施例28
製造例A19で得た(メタ)アクリルエマルション( A19)に、製造例B5で得た水溶性樹脂(B5)を配合 形比が(A19):(B5)=95:5となるように配合し、得 れた塗料用水性樹脂組成物100部に対して、20 %アジピン酸ジヒドラジド水溶液(C1)10部を配 して、塗料用水性樹脂組成物28を調製した。 下記試験方法に従って物性を評価した。結果 を表4に示す。

実施例29及び30
下記表4に示されるように水性樹脂分散体(A10) 及び水溶性樹脂(B6)、(B7)を用いた以外は、実 例27と同様の操作を行って、記載の配合比 て塗料用水性樹脂組成物を調製した。得ら た塗料用水性樹脂組成物のそれぞれについ 、下記試験方法に従って物性を評価した。 果を表4に示す。

なお、上記表3~5において、下記の方法で評価 を行った。
<物性試験方法>
1、配合
(1)クリヤー塗料配合(塗料配合1)
得られた塗料用水性樹脂組成物をホモディス パー1500min -1 下で成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペン ンジオールモノイソブチレート(CS-12:チッソ 社製)、及び、ブチルセロソルブの1/1混合溶 を該樹脂組成物のMFTが0~5℃になるように添 し、希釈水、消泡剤(SNデフォーマー777(シリ ン系消泡剤:ノプコ社製)を添加してNV30%に設 定し、増粘剤としてアクリセットWR-503A(アル リ可溶型増粘剤:日本触媒社製)を、クレー ス単位粘度計(VISCOMETER MODEL:KU-1、BROOK FIELD社 製)により、25℃にて65±1KUとなるよう添加・ 整し、同回転数にて30分間攪拌しクリヤー塗 料を得た。そして1日以上経過後、下記2~6の 試験に供した。

(2)艶消しクリヤー塗料配合1(塗料配合2)
得られた塗料用水性樹脂組成物をホモディス パー1500min -1 下で成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペン ンジオールモノイソブチレート(CS-12:チッソ 社製)、及び、ブチルセロソルブの1/1混合溶 を該樹脂組成物のMFTが0~5℃になるように添 し、希釈水、消泡剤(SNデフォーマー777(シリ ン系消泡剤:ノプコ社製)を添加してNV30%に設 定し、艶消し剤としてエポスターMA1010(日本 媒社製)を該樹脂組成物100部に対し、8.8部添 し、増粘剤としてアクリセットWR-503A(アル リ可溶型増粘剤:日本触媒社製)を、クレーブ ス単位粘度計(VISCOMETER MODEL:KU-1、BROOK FIELD社 )により25℃にて65±1KUとなるよう添加・調整 し、同回転数にて30分間攪拌しクリヤー塗料 得た。そして1日以上経過後、下記2~6の各試 験に供した。

(3)艶消しクリヤー塗料配合2(塗料配合3)
得られた塗料用水性樹脂組成物をホモディス パー1500min -1 下で成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペン ンジオールモノイソブチレート(CS-12:チッソ 社製)、及び、ブチルセロソルブの1/1混合溶 を該樹脂組成物のMFTが0~5℃になるように添 し、希釈水、消泡剤(SNデフォーマー777(シリ ン系消泡剤:ノプコ社製)を添加してNV30%に設 定し、艶消し剤として、mizukasil P-50(水澤化 工業社製)を該樹脂組成物100部に対し4部添加 し、増粘剤としてアクリセットWR-503A(アルカ 可溶型増粘剤:日本触媒社製)を、クレーブ 単位粘度計(VISCOMETER MODEL:KU-1、BROOK FIELD社製 )により25℃にて65±1KUとなるよう添加・調整 、同回転数にて30分間攪拌しクリヤー塗料を 得た。そして1日以上経過後、下記2~6の各試 に供した。

(4)エナメル塗料配合(塗料配合4)
得られた塗料用水性樹脂組成物をホモディス パー1500min -1 下で成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペン ンジオールモノイソブチレート(CS-12:チッソ 社製)、及び、ブチルセロソルブの1/1混合溶 を該樹脂組成物のMFTが0~5℃になるように添 し、希釈水、消泡剤(SNデフォーマー777(シリ ン系消泡剤:ノプコ社製)を添加してNV30%に設 定し、後述する白色ペーストを該樹脂組成物 100部に対し45部添加し、黒色ペースト(ユニラ ント88、コンクブラック:横浜化成社製)5重量 を添加し、増粘剤としてアクリセットWR-503A (アルカリ可溶型増粘剤:日本触媒社製)を、ク レーブス単位粘度計(VISCOMETER MODEL:KU-1、BROOK  FIELD社製)により25℃にて65±1KUとなるよう添加 ・調整し、同回転数にて30分間攪拌しクリヤ 塗料を得た。そして1日以上経過後、下記2~6 の各試験に供した。

2、耐温水白化性試験
上記1で得られた樹脂組成物を、JIS K6717(2006 )に準ずるメタクリル酸メチルを用いて押出 形により作製した黒アクリル板(75mm×150mm×3m m、日本テストパネル社製)に5milアプリケータ ーで塗装し、100℃の熱風乾燥機にて10分間乾 して、試験板を作成し、23℃にて24時間養生 した。養生後、該試験板のL値(L0)を色差計(日 本電色工業社製、分光式色差計SE-2000)にて測 し、続けて60℃に調温した温水中に没水浸 させ試験を開始した。同温度で240時間後、 試験板を温水から引き上げ、キムタオル(ク シア社製)で水分をふき取り、1分以内に上 色差計でL値(L1)を測定した。
δL=(L1)-(L0)として、L値の変化値を算出し、下 の基準に従って耐温水白化性を評価した。
-評価基準-
◎:δL=2.0未満
〇:δL=2.0以上、3.0未満
△:δL=3.0以上、4.0未満
×:δL=4.0以上、5.0未満
××:δL=5.0以上

3、耐侯性試験
JIS A5430(2004年)に準ずるスレート板(70mm×150mm× 6mm、日本テストパネル社製)に、溶剤系シー ー(エスケー化研社製、商品名「EXシーラー )を乾燥重量20g/m2になるようにエアスプレー て塗装し、23℃にて24時間乾燥させた後、下 記に示す配合で調整したベースコート用塗料 (I)を5milアプリケーターにて塗装し、100℃の 風乾燥機にて10分間乾燥させた。
(ベースコート用塗料(I))
(1)アクリルエマルション(アクリセットEX-41: 本触媒社製):300部
(2)白色ペースト(下記の調整ペースト):135部
・分散剤(デモールEP:花王社製):60部
(ディスコートN-14:第一工業製薬社製):50部
・湿潤剤(エマルゲンLS-106:花王社製):10部
・プロピレングリコール:60部
・脱イオン水:210部
・酸化チタン(CR-95:石原産業社製):1000重量部
・抑泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ社製):10重量
・ガラスビーズ(直径1mm):500重量部
上記をホモディスバー3000rpm撹拌下で配合。 て加えて60分間撹拌して調製。
(3)成膜助剤(ブチルセロソルブ):15重量部
(CS-12:チッソ社製):15重量部
(4)黒色ペースト(ユニラント88、コンクブラッ ク:横浜化成社製):10重量部
(5)抑泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ社製):1.5重量 部
その後、上記1で得られた樹脂組成物を5milア リケーターにて塗装し、100℃の熱風乾燥機 て10分間乾燥させ、試験板を作成し、23℃に て24時間養生した。
養生後の試験板の側面、背面をアルミテープ でシールし、該試験板の色差(L0、a0、b0)を色 計(日本電色工業社製、分光式色差計SE-2000) て測定し、下記の耐侯性試験条件にて1000h 験を行い、上記色差計で、該試験板の色差(L 1、a1、b1)を測定し、下記式によりδEを算出し た。

-試験条件-
試験機:メタルウェザー(KU-R4型:ダイプラウィ テス社製)
照射:60℃-50% 4時間(照射強度:80mW/cm2)
湿潤:35℃-98% 4時間
シャワー:湿潤前後各30秒
-評価基準-
◎:δE=2.0未満
〇:δE=2.0以上、3.0未満
△:δE=3.0以上、4.0未満
×:δE=4.0以上、5.0未満
××:δE=5.0以上

4、耐凍害性
耐候性試験と全く同様の条件で試験板を作製 した。養生後の試験板の側面、背面を2液硬 型溶剤系樹脂でシールし、凍結融解試験機 て耐凍害性試験を行った。このとき、凍結 解条件は、気中凍結(-20℃で2時間)、水中融 (20℃で2時間)とし、4時間/1サイクルとして、 30倍ルーペを用いて試験板にクラックが入る でのサイクル数を測定し、下記の基準に従 て評価した。
◎:400サイクルでクラックなし
○:300~400サイクルでクラック発生
△:200~300サイクルでクラック発生
×:100~200サイクルでクラック発生
××:100サイクル未満でクラック発生

5、耐ブロッキング性試験
上記1で得られた樹脂組成物を、JIS R3202(1996 )に準ずるフロートガラス板(70mm×150mm×2mm、 本テストパネル社製)に5milアプリケーターで 塗装し、100℃の熱風乾燥機にて10分間乾燥し 、試験板を作成した後、直ちに該試験板を6 0℃の熱風乾燥機内に速やかに移動させ、1分 調温後に、該試験板上に、ガーゼ(萬星衛生 材料社製、日本薬局方ガーゼタイプ1)、フロ トガラス板(70mm×75mm×2mm、日本テストパネル 社製)、おもりの順で積載し、同温度で10分間 放置した。このとき、荷重は280g/cm 2 になるようにした。その後、試験板を室温ま で冷却した後、該試験板上のガーゼをゆっく りと剥離して塗膜の状態を目視にて観察し、 下記の基準に従って評価した。
-評価基準-
◎:異常なし(ガーゼ痕なし)
○:わずかにガーゼ痕あり
△:浅くガーゼ痕あり
×:深くガーゼ痕あり
××:ガーゼの剥離が困難

6、耐汚染性試験
ベースコート用塗料(I)に代えてベースコート 用塗料(II)を使用した以外は全て上記4の耐候 試験と同じ条件で試験板を作製した。なお ベースコート用塗料(II)とは、上述したベー スコート用塗料(I)のうち、(4)黒色ペーストを 使用しない以外は全て同じ配合にて調製した ものである。
養生後、該試験板のL値(L0)を色差計(日本電色 工業社製、分光式色差計SE-2000)にて測定し、J IS Z2381(大気暴露試験方法通則)に準じ、以下 条件にて屋外暴露試験を行った。1ヶ月後、 6ヶ月後に試験板を引き上げ、上記色差計でL (L1)を測定した。
δL=(L1)-(L0)として、L値の変化値を算出し、1ヶ 月後のL値で初期汚染性、6ヶ月後のL値で長期 汚染性を評価した。
-試験条件-
南面30度、直接暴露(暴露地:大阪府吹田市/(株 )日本触媒敷地内)
-評価基準-
◎:δL=2.0未満
〇:δL=2.0以上、3.0未満
△:δL=3.0以上、4.0未満
×:δL=4.0以上、5.0未満
××:δL=5.0以上




 
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