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Title:
AQUEOUS POLYMER DISPERSION COMPOSITION AND WATER-REPELLENT OIL-REPELLENT AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104728
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a water-dispersed water-repellent oil-repellent composition which can exhibit high water/oil repellency and durability thereof even when the amount of an Rf-containing resin used therein is significantly reduced. The water-repellent oil-repellent composition is characterized by containing a polymer (A) and a polymer (B) which are not present in a same one particle. The polymer (A) is an addition polymer containing a polymerization unit of a polymerizable monomer (a) described below and a polymerization unit of a polymerizable monomer (b) or (c) described below. The polymer (B) is an addition polymer not containing a polymerization unit of the polymerizable monomer (a) but containing a polymerization unit of the polymerizable monomer (c) or a polymerizable monomer (y). The polymerizable monomer (a) is a (meth)acrylate having a polyfluoroalkyl group or an acrylate halogen-substituted at the α-position. The polymerizable monomers (b) and (c) are acrylates having an alkyl group but not having a polyfluoroalkyl group, which may be halogen-substituted at the α-position. The polymerizable monomer (y) is a polymerizable monomer wherein a halogen atom is bonded to a carbon atom constituting an unsaturated double bond.

Inventors:
KISHIKAWA YOUSUKE (JP)
TAKEUCHI RUMI (JP)
YAMAMOTO IKUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052999
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
KISHIKAWA YOUSUKE (JP)
TAKEUCHI RUMI (JP)
YAMAMOTO IKUO (JP)
International Classes:
C09K3/18; C08L27/06; C08L33/04; C09D5/02; C09D5/16; C09D127/04; C09D133/16
Foreign References:
JP2003013364A2003-01-15
JPH10204777A1998-08-04
JPH08199111A1996-08-06
JPH1192752A1999-04-06
JP2001098033A2001-04-10
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (JP)
Mitsuo Tanaka (JP)
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Claims:
水系媒体、下記重合体(A)および下記重合体(B)を含む水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(A):フルオロアルキル基を含有する重合体
重合体(B):主鎖にハロゲン原子を含有する重合体
重合体(B)はα位がハロゲン置換されたアルキル基を有するアクリレート、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンの少なくとも一種を重合単位として含む請求項1の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(B)はα位がハロゲン置換されたアルキル基を有するアクリレート、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンの少なくとも一種の重合単位を10~100重量%含む重合体である請求項2に記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(A)が、フルオロアルキル基含有モノマーから誘導された重合単位を含む重合体である請求項1~3のいずれかに記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(A)が、フルオロアルキル基含有モノマーから誘導された重合単位を50~100重量%含む重合体である請求項4に記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
フルオロアルキル基が、一般式C m F 2m+1 -(ただし、mは、2~20の整数である。)あるいは(CF 3 ) 2 CF(CF 2 CF 2 ) n -(ただし、nは、0~10の整数である。)で表される請求項1~5のいずれかに記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
フルオロアルキル基含有モノマーは、一般式:
Rf-Q 1  -X 1
[式中、Rfはフルオロアルキル基を、Q 1  は2価の有機基を、X 1 は重合性不飽和基を含有する1価の有機基を示す。]
で表される請求項5または6に記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
フルオロアルキル基含有モノマーは、一般式:
  CH 2 =C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であり;
Yは、-O-または-NH-であり;
Zは、炭素数1~10の脂肪族基、炭素数6~18の芳香族基または環状脂肪族基、
-CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基である。)または-CH 2 CH(OZ 1 ) CH 2 -基(但し、Z 1 は水素原子またはアセチル基である。)または-(CH 2 ) m -SO 2 -(CH 2 ) n -基 または  -(CH 2 ) m -S-(CH 2 ) n -基(但し、mは1~10、nは0~10、である)、Rfは、炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキルである。]
で示される化合物である請求項5または6に記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(A)が、フルオロアルキル含有モノマー以外の他のモノマーを10~50重量%含む請求項5または6に記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
他のモノマーが塩化ビニルまたは塩化ビニリデンの少なくとも一種を含むモノマー混合物である請求項9に記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(A)の粒径が0.001~1μmである請求項1~10のいずれかに記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(B)の粒径が0.001~1μmである請求項1~10のいずれかに記載の水分散型撥水撥油剤組成物。
重合体(A)が下記重合性単量体(a)の重合単位と、下記重合性単量体(b)または重合性単量体(c)の少なくとも一方の重合単位とを含む重合体である請求項1~12のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
重合体(B)が重合性単量体(a)の重合単位を含まず、重合性単量体(y)および重合性単量体(c)の少なくとも一方を含む重合体である請求項1~12のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
請求項1~14のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物で基材を処理する方法。
請求項15に記載の処理方法によって得られた処理基材。
Description:
水性重合体分散組成物および撥 撥油剤

 本発明は、含フッ素モノマーの使用量を 減してもなお、優れた撥水撥油性(特に撥水 性)およびその耐久性を繊維等の物品に付与 うる撥水撥油剤組成物(特に、撥水剤組成物) の提供を目的とする。

 従来、フルオロアルキルを含有する重合 モノマーの重合体や共重合体、あるいはフ オロアルキルを含有する化合物を、有機溶 溶液または水系分散液として繊維製品等に 理し、それらの表面に撥水撥油性を付与す 技術が知られている。

 洗濯やドライクリーニング等に対する撥水 油性の耐久性向上を目的として、フルオロ ルキル含有重合性単量体とともに接着性基 有する単量体を共重合させる試みがなされ いる。また、フルオロアルキルを含有しな 重合体とフルオロアルキルを含有する重合 とをブレンドし、経済的に優れた撥水撥油 成物を創出する試みがなされている(特許文 献1~2)。
 また、防汚性能や耐久性等を低下させるこ 無く添加しうる重合体、共重合体として特 構造をもった重合性単量体を用いることが 唱されている(特許文献3)

 近年、フルオロアルキル基含有重合体の 有量の異なる2種の重合体とフルオロアルキ ル基を含有しない重合体を混合することで撥 水撥油性等の表面特性およびその維持性が改 良された表面を有する樹脂組成物が得られる ことが開示されている(特許文献4)。

 さらに、炭化水素系重合性化合物の少な とも1種のホモ重合体または共重合体であっ てガラス転移点が50℃以上の重合体を混合す ことで耐スリップ性が改良されることが開 され(特許文献5)、フルオロアルキル含有重 体とフルオロアルキル含有しない重合体を 合し、いずれもガラス転移点あるいは融点 45℃以上であることを特徴とするカーペッ 用の撥液剤が開示されている(特許文献6)。

特公昭38-22487

特公昭41-8579

特公昭49-42878

特開平06-228241

特開昭61-264081

US4043964

 従来の撥水撥油剤においては、洗濯やド イクリーニング等に対する撥水撥油性の耐 性向上を目的として、フルオロアルキル含 重合性単量体とともに接着性基を有する単 体を共重合させたり、フルオロアルキルを 有する重合体と皮膜強度の高いポリマーと ブレンドしたりする試みがなされている。 かし、フッ素化モノマーを多量に導入する とで高い撥水撥油性は達成することができ が、耐久性が不足する結果を招くこととな 。逆に、接着性基を有する単量体を多量に 入することで十分な耐久性を付与でき得る 、撥水撥油性は乏しくなる。また、十分な 水撥油性を発現するには多量のフッ素モノ ーを導入する必要があり、フッ素モノマー 非常に高価なためコストが高かった。

 フッ素モノマーの使用量を低減してもな 、高い撥水撥油性を発揮し、かつ撥水撥油 の耐久性にも優れる加工剤が望まれていた

 本発明者等は、上記問題点を解決するた フッ素モノマーの使用量を低減してもなお い撥水撥油性を発揮し、かつ耐久性にも優 る撥水撥油剤組成物を提供することを目的 して鋭意検討を行った。その結果、特定の 学構造を有する重合単位を持った重合体と ルオロアルキル基を含むモノマーから誘導 れた重合単位を有する重合体も水性分散液 混合することで顕著な撥水撥油性および耐 性を有し、上記目的を達成し得ることを見 し、本発明を完成するに至った。

 すなわち本発明は、水系媒体、下記重合体( A)および下記重合体(B)を含む水分散型撥水撥 剤組成物を提供する。
重合体(A):フルオロアルキル基を含有する重 体、
重合体(B):主鎖にハロゲン原子を含有する重 体。
 「主鎖にハロゲン原子を含有する」とは、 合体の主鎖を構成する炭素原子にハロゲン 子が直接に結合していることを意味してい 。

 本発明によれば、特定の化学構造を有す 重合単位を持った重合体(B)とフルオロアル ルを含むモノマーから誘導された重合単位 有する重合体(A)を混合することにより得ら る水分散型撥水撥油組成物が顕著な撥水撥 性および耐久性を有する。このため本発明 、フッ素モノマーの使用量を低減すること よってコストを削減し、高い撥水撥油性を 揮し、かつ耐久性にも優れる撥水撥油剤を 供することができる。

 以下、本発明について詳細に説明する。
 本発明は、下記重合体(A)と下記重合体(B)と 含み、かつ、重合体(A)と重合体(B)が同一の 子内に存在しないことを特徴とする撥水撥 剤組成物を提供する。一般に、重合体(A)か なる粒子と重合体(B)からなる粒子とが水性 散液中で別個に存在する。

 重合体(A):下記重合性単量体(a)の重合単位( ましくは50重量%以上)と、下記重合性単量体( b)または重合性単量体(c)の少なくとも一方の 合単位(好ましくは50重量%以下(0重量%である 場合を含むが、1重量%以上であることが好ま い。))とを含む重合体。
 重合体(B):重合性単量体(a)の重合単位を含ま ず、重合性単量体(y)または重合性単量体(c)の 少なくとも一方を含む重合体。
 重合性単量体(a):ポリフルオロアルキル基を 有する(メタ)アクリレートあるいはα位がハ ゲン置換されたアクリレート類。
 重合性単量体(b):アルキル基を有し、ポリフ ルオロアルキル基を有しない(メタ)アクリレ ト。
 重合性単量体(c):アルキル基を有し、ポリフ ルオロアルキル基を有しないα位がハロゲン 換されたアクリレート。
 重合性単量体(y):重合性単量体(a)、(b)、(c)以 外の重合性単量体であって、不飽和二重結合 を形成する炭素原子にハロゲン原子が結合し た重合性単量体。
 また、本発明は該撥水撥油剤組成物を用い 処理された物品を提供する。

 本明細書においては、アクリル酸とメタ リル酸とを総称して(メタ)アクリル酸と記 。(メタ)アクリレートなどの表記についても 同様である。また、ポリフルオロアルキル基 をRf基と記す。

 重合体(A)は、重合性単量体(a)の重合単位を5 0重量%以上、重合性単量体(b)または重合性単 体(c)の少なくとも一方の重合単位を50重量% 下(0重量%である場合を含む)含み、必要によ り、重合性単量体(a)、(b)以外の重合性単量体 (x)(例えば、不飽和二重結合を形成する炭素 子にハロゲン原子が結合した(y)あるいは反 性基を有する重合性単量体(z))の重合単位を み、かつ、重合性単量体(a)の重合単位と重 性単量体(b)と重合性単量体(c)の重合単位の 計が50重量%以上である付加重合体であるこ が好ましい。すなわち、重合体(A)には、重 性単量体(b)あるいは(c)の重合単位は含まれ くてもよい。
 重合性単量体(a)は、Rf基を有する(メタ)アク リレートあるいはα位がハロゲン置換された クリレート類[以下、単量体(a)あるいはRf基 有モノマーと記す。]である。Rf基を有する( メタ)アクリレートあるいはα位がハロゲン置 換されたアクリレート類とは、Rf基が(メタ) クリル酸あるいはα置換アクリル酸エステル のアルコール残基部分に存在する化合物をい う。

 Rf基は、アルキル基の水素原子の2個以上 フッ素原子に置換された基である。Rf 基の 炭素数は2~20が好ましく、特に4~16、特別には4 ~6が好ましい。炭素数が2未満の場合には撥水 性が低下する傾向があり、20超の場合には単 体(a)が常温で固体となり、昇華性も大きく 扱いが困難になる傾向がある。

 またRf基は、フッ素原子以外の他のハロゲ 原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原 としては塩素原子が好ましい。さらに、Rf基 中の炭素-炭素結合間には、エーテル性の酸 原子またはチオエーテル性の硫黄原子が挿 されていてもよい。Rf基の末端部分の構造と しては、CF 3 CF 2 -、(CF 3 ) 2 CF-、CHF 2 -、CH 2 F-、CClF 2 -等が挙げられ、CF 3 CF 2 -が好ましい。

 Rf基は、飽和アルキル基の水素原子の2個以 がフッ素原子に置換された基である。Rf基 のフッ素原子の割合は、(Rf基中のフッ素原 の数)/(Rf基中のフッ素原子の数+Rf基中の水素 素原子の数)が40%以上である場合が好ましく 特に60%以上である場合が好ましい。また、Rf 基は水素原子の1部ないしは全部が塩素原子 置換されていてもよい。
 Rf基は、直鎖または分岐の構造が好ましく 特に直鎖の構造が好ましい。分岐の構造で る場合には、分岐部分がRf基の末端付近に存 在することが好ましい。また、分岐部分は炭 素数が1~4程度の短鎖である場合が好ましい。 また、Rf基の好ましい炭素数は1~12である。
 Rf基として特に好ましいのは、上記のフッ 原子の割合が実質的に100%である場合のペル ルオロアルキル基またはペルフルオロアル ル基部分を含有するRf基である。ペルフル ロアルキル基も直鎖の構造が好ましい。直 のペルフルオロアルキル基としては、C m F 2m+1 -[ただし、mは2~20の整数である。]で表される 合が好ましい。

 Rf基の具体例を以下に挙げる。なお以下の においては、同一分子式を有する構造の異 る基である、構造異性の基を含む。C 4 F 9 -[F(CF 2 ) 4 -、(CF 3 ) 2 CFCF 2 -、(CF 3 ) 3 C-]、C 5 F 11 -[F(CF 2 ) 5 -、(CF 3 ) 3 CCF 2 -等]、C 6 F 13 -[F(CF 2 ) 6 -等]、C 7 F 15 -、C 8 H 17 -、C 9 F 19 -、C 10 F 21 -、Cl(CF 2 ) t -、H(CF 2 ) t -(tは2~20の整数。)、(CF 3 ) 2 CF(CF 2 ) y -(yは1~17の整数。)等。

 Rf基含有モノマーにおいてRf基と重合性不 飽和基とは、直接あるいは結合基を介して間 接的に結合しており、間接的に結合している 場合が好ましい。結合基としては、2価以上 結合基であり、アルキレン基、エステル基 アミド基、アミノ基、ウレタン基、エーテ 基、フェニレンオキシ基、スルホニル基、 るいはこれらの構造を含む結合基が好まし 。これらのRf基含有モノマーは、公知ないし は周知の化合物が採用され、Rf基含有アルコ ル、Rf基含有カルボン酸、あるいはRf基含有 スルホン酸等から容易に合成され得る。

 これらのうち、本発明におけるRf基含有 ノマーとしては、Rf基の1個が、重合性の不 和基と2価の結合基を介して連結している構 の化合物が好ましい。例えば、Rf基含有ア リレート、Rf基含有メタクリレート、Rf基含 スチレン、Rf基含有ビニルエステル、およ Rf基含有フマレート等が好ましい。

 さらに、本発明におけるRf基含有モノマ としては、汎用性の点から、特に、Rf基を含 有する(メタ)アクリレートまたはα位が塩素 されたアクリレートが好ましい。

 好ましいRf基含有モノマーは、一般式:
Rf-Q 1  -X 1
[式中、Rfはフルオロアルキル基を、Q 1  は2価の有機基を、X 1 は重合性不飽和基を含有する1価の有機基を す。]
で表すことができる。

 Q 1  は、2価の有機基を示し、-(CH 2 ) n+p -、-(CH 2 ) n C(O)ONH(CH 2 ) p -、-(CH 2 ) n CONH(CH 2 ) p -、-(CH 2 ) n SO 2 NH(CH 2 ) p -、-(CH 2 ) n NHC(O)NH(CH 2 ) p -等が好ましい。ただし、nおよびpは0または1 上の整数を示し、n+pは2~22の整数である。こ れらのうち、Q 1 としては、-(CH 2 ) n+p -、-(CH 2 ) n C(O)ONH(CH 2 ) p -、-(CH 2 ) n SO 2 NH(CH 2 ) p -であり、かつ、pが2以上の整数であり、n+pが 2~6である場合が好ましく、特にn+pが2~6である 場合の-(CH 2 ) n+p -、すなわち、ジメチレン基~ヘキサメチレン が好ましい。

 X 1 は、重合性不飽和基を含有する1価の有機基 示し、オレフィン類の残基、ビニルエーテ 類の残基、ビニルエステル類の残基、(メタ) アクリレート類の残基、スチレン類の残基等 が好ましい。オレフィン類の残基としては-CR 1  =CH 2  または-OCH 2 -φ-CR 1 =CH 2 が好ましく、(メタ)アクリレート類の残基と ては-OC(O)CR 1 =CH 2  、ビニルエーテル類の残基としては-OCR 1 =CH 2  、ビニルエステル類の残基としては-C(O)OCR 1 =CH 2  、スチレン類の残基としては-φ-CH=CH 2 または-O-φ-CH=CH 2 が好ましい。ただし、R 1 は水素原子、炭素数1~21の直鎖状または分岐 のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭 原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素 原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基 炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロ ルキル、置換または非置換のベンジル基、 換または非置換のフェニル基であり、φは ェニレン基である。これらのうち、X 1 としては(メタ)アクリレート類の残基が好ま く、特にR 1 が水素原子またはメチル基または塩素原子で ある場合の-OC(O)CR 1 =CH 2  、すなわち、アクリロキシ基あるいはメタ クリロキシ基あるいはα‐クロロアクリロ シ基が好ましい。Rf基含有モノマーとしては 、他のモノマーとの重合性、および繊維上に 形成する皮膜の柔軟性、基材に対する接着性 、溶媒に対する溶解性、乳化重合の容易性等 の観点から、特に(メタ)アクリレート類が好 しい。
 Rf基含有モノマーは1種あるいは2種以上を用 いることができる。

 Rf基含有モノマーの例は、次の一般式のも であってよい。
一般式:
  CH 2 =C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、炭素数1~21の直鎖状ま たは分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素 原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素 原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基 炭素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロ ルキル、置換または非置換のベンジル基、 換または非置換のフェニル基であり;Yは、-O -または-NH-であり;Zは、炭素数1~10の脂肪族基 炭素数6~18の芳香族基または環状脂肪族基、 CH(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基である。)または-CH 2 CCH(OZ 1 ) CH 2 -基(但し、Z 1 は水素原子またはアセチル基である。)また -(CH 2 ) m -SO 2 -(CH 2 ) n -基 または  -(CH 2 ) m -S-(CH 2 ) n -基(但し、mは1~10、nは0~10、である)、Rfは、炭 素数1~21の直鎖状または分岐状のフルオロア キルである。]
で示される化合物。

 Rf基含有モノマーの具体例としては、例 ば以下のものを例示できるが、これらに限 されるものではない。

  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-C 6 H 4 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 N(-CH 3 ) SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 N(-C 2 H 5 ) SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-CH 2 CH(-OH) CH 2 -Rf

  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-CH 2 CH(-OCOCH 3 ) CH 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-H)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CH 3 )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-NH-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-F)-C(=O)-NH-(CH 2 ) 3 -Rf

  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-Cl)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 H )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf

  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CN)-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CN )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3 )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -S-(CH 2 ) 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 3 -SO 2 -Rf
  CH 2 =C(-CF 2 CF 3  )-C(=O)-O-(CH 2 ) 2 -SO 2 -(CH 2 ) 2 -Rf
[上記式中、Rfは、炭素数1~21、特に1~6のフル ロアルキルである。]
 Rf基含有モノマーは、2種類以上の混合物で ってもよい。Rf基含有モノマーの量は、重 体(A)に対して、50~100重量%、例えば50~90重量% あってよい。

 重合性単量体(b)は、アルキル基を有し、R f基を有しない(メタ)アクリレート[以下、単 体(b)と記す。]である。アルキル基を有する( メタ)アクリレートとは、アルキル基が(メタ) アクリル酸エステルのアルコール残基部分に 存在する化合物をいう。アルキル基としては 、炭素数2以上、例えば2~30のアルキル基(環状 および鎖状アルキル基)、特に、直鎖構造の ルキル基が好ましい。

 単量体(b)の具体例としては、エチル(メタ )アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル( タ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)ア クリレート、イソデシル(メタ)アクリレート セチル(メタ)アクレート、ステアリル(メタ) アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキ ル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられ る。単量体(b)は、アルキル基を有し、Rf基を しない重合性単量体の2種以上であってもよ い。

 重合性単量体(c)は、アルキル基を有し、R f基を有しないα位がハロゲン置換されたアク リレート[以下、単量体(c)と記す。]である。 ルキル基を有するα位がハロゲン置換され アクリレートとは、アクリル酸エステルのα 位がハロゲン置換されたアクリル酸エステル であって、アルキル基がアルコール残基部分 に存在する化合物をいう。アルキル基として は、炭素数2以上、例えば2~30のアルキル基(環 状および鎖状アルキル基)、特に、直鎖構造 アルキル基が好ましい。

 単量体(c)の具体例としては、エチル α‐ クロロアクリレート、n-ブチル α‐クロロア クリレート、イソブチル α‐クロロアクリ ート、t-ブチルα‐クロロアクリレート、2- チルヘキシル α‐クロロアクリレート、イ デシル α‐クロロアクリレート、セチルα クロロアクレート、ステアリルα‐クロロ クリレート、ベヘニルα‐クロロアクリレー ト、ラウリルα‐クロロアクリレート、シク ヘキシルα‐クロロアクリレート等が好ま く挙げられる。単量体(c)は、アルキル基を し、Rf基を有しない重合性単量体の2種以上 あってもよい。

 重合体(A)において、単量体(b)あるいは単 体(c)の重合単位が含まれる場合は、単量体( a)の重合単位/(単量体(b)+単量体(c))の重合単位 の重量比は1以上が好ましい。

 重合体(A)は、必要により、重合性単量体(a) (b)、(c)以外の重合性単量体(x)(例えば、不飽 和二重結合を形成する炭素原子にハロゲン原 子が結合した(y)あるいは反応性基を有する重 合性単量体(z))の重合単位を含み、かつ、重 性単量体(a)の重合単位と重合性単量体(b)お び重合性単量体(c)の重合単位の合計が重合 に対して70重量%以上である付加重合体であ ことが好ましい。
 重合体(A)における単量体(a)の重合単位の割 は、重合体に対して、50重量%以上、例えば5 0~90重量%、特に60~80重量%であることが好まし 。重合体(A)における単量体(b)の重合単位の 合は、重合体に対して、50重量%以下、例え 1~40重量%、特に3~30重量%であることが好まし い。重合体(A)における単量体(c)の重合単位の 割合は、重合体に対して、50重量%以下、例え ば0~40重量%、特に0~30重量%、特別には1~10重量% であることが好ましい。

 単量体(a)の重合単位と単量体(b)の重合単位 単量体(c)の重合単位と単量体(x)の重合単位 合計が、重合体(A)に対して、90重量%以上、 えば95~100重量%であるのが好ましい。
 単量体(x)の重合単位の割合は、重合体(A)に して、70重量%以下、例えば0~40重量%以下、 に1~30重量%が好ましい。

 単量体(x)、特に単量体(y)は、フッ素原子を 有しない化合物であってよい。単量体(x)と ては、ベンゼン環を有する共重合性モノマ であっても良い。この場合、ベンゼン環を する(メタ)アクリレート類が好ましい。ベ ゼン環は置換基(例えば、炭素数1~10のアルキ ル基もしくはアルコキシ基、またはハロゲン 原子)を有していてもよい。ベンゼン環を有 る(メタ)アクリレート類としては、フェニル (メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ ート、あるいはこれらのベンゼン環にメチ 基、メトキシ基、塩素原子等が結合した化 物が好ましい。
 また、エチレン、スチレン類等であっても い。

 単量体(x)のうち不飽和二重結合を形成す 炭素原子にハロゲン原子が結合した単量体( y)としては、主鎖を構成する炭素原子にハロ ン原子が直接に結合している繰り返し単位 存在する。このような繰り返し単位は、炭 -炭素二重結合を形成する炭素原子に直接に ハロゲン原子が結合しているモノマー(本明 書において、「ハロゲン原子を有する主鎖 ノマー」と呼ぶ。)から誘導できる。ハロゲ 原子の例は、フッ素、塩素、臭素、および ウ素である。

 ハロゲン原子を有する主鎖モノマー(すなわ ち、単量体(y))の例としては、塩化ビニルお びフッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル、 化ビニリデンおよびフッ化ビニリデンなど ハロゲン化ビニリデン、クロロトリフルオ エチレン、炭化水素基を有するα―クロロ( タ)アクリレート等が挙げられる。炭化水素 を有するα―クロロ(メタ)アクリレート類は 単量体(c)に含まれるため単量体(y)には該当し ない。単量体(y)としては、塩化ビニル、塩化 ビニリデンが好ましい。ハロゲン原子を有す る主鎖モノマーは、1種または2種以上の組み わせであってよい。
 単量体(y)の重合単位の量は、重合体(A)に対 て、40重量%以下、例えば0~30重量%、特に1~25 量%であることが好ましい。

 反応性基を有する重合性単量体(z)として 、エポキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ア ド基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシ ル基、N-メチロール基、N-アルキルオキシア ルキル基、ブロック化されたイソシアナート 基等の重合性不飽和結合以外の反応性基を含 有していてもよい。反応性基含有重合性単量 体(z)としては、例えば、3-クロロ-2-ヒドロキ プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル ミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、 アセトン(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチ (メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ) クリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)ア リルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリ アミド、γ-トリメトキシシリルプロピル(メ タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ ート等が好ましい。

 水酸基含有(メタ)アクリレートとしては 例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー ト、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリ ート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ )アクリレート、ポリ(オキシエチレン/オキシ プロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレー ト、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ト メチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー 等が好ましい。

 ブロック化されたイソシアナート基を有 る共重合性モノマーとしては、水酸基含有( メタ)アクリレートとポリイソシアネートと 少なくとも1個のイソシアネート基が残る割 で反応させて得られた反応生成物のブロッ 化物、水酸基含有(メタ)アクリレートおよ 少なくとも1個のブロック化イソシアネート と少なくとも1個のフリーのイソシアネート 基とを有するポリイソシアネート誘導体を反 応させて得られる反応生成物等が好ましい。

 ポリイソシアネートとしては、ヘキサメ レンジイソシアネート、リジンジイソシア ート等の脂肪族ポリイソシアネート、また イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシク ロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロ ヘキシレンジイソシアネート、ビス(イソシ ネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ポ イソシアネート、およびそれらのヌレート 性体、プレポリマー変性体、ビュレット変 体等が挙げられ、脂肪族ジイソシアネート または脂環族ジイソシアネートが好ましい

 ブロック化されたイソシアナート基を得 ためのブロック化剤としては、オキシム類 アルキルケトオキシム類、フェノール類、 -ジケトン類、マロン酸エステル類、ラクタ 類、アルカノール類等が挙げられる。ブロ ク化剤の具体例には、シクロヘキサンオキ ム、メチルエチルケトオキシム、フェノー 、クレゾール、アセチルアセトン、マロン ジエチル、イソプロパノール、t-ブタノー 、ε-カプロラクタム、マレイン酸イミド、 亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。シクロ キサンオキシム、メチルエチルケトオキム が好ましい。

 重合体(A)における単量体(z)の重合単位の量 、重合体(A)に対して、10重量%以下、例えば0 .1~8重量%であることが好ましい。
 単量体(y)および単量体(z)を除く単量体(x)の 合単位の量は、重合体(A)に対して、30重量% 下、例えば0~10重量%であることが好ましい

 重合体(A)を得る重合方法としては、乳化 合法または分散重合法により重合する場合 上記の重合性モノマーを、乳化剤および重 媒体の存在下に、重合開始剤を加えて重合 る方法が例示され得る。乳化剤としては特 限定されず、ノニオン型、カチオン型、ア オン型、両性型の公知ないしは周知の乳化 の1種以上が採用され得る。乳化剤の量は、 重合性モノマーの100重量部に対して、0.5~20重 量部が好ましく、特に、撥水撥油性および分 散液の安定性の点から1~10重量部程度が好ま い。

 重合媒体としては、水を含む媒体であり 所望により有機溶剤を含ませてもよい。有 溶剤としては水溶性の有機溶剤が好ましく エステル系、ケトン系、エーテル系(アルコ ール系)等の有機溶剤が好ましい。エステル の有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブ ル、コハク酸ジエチル等が好ましく、ケト 系の有機溶剤としては、メチルエチルケト 、メチルイソブチルケトン、アセトン等が ましく、エーテル系(アルコール系)の有機溶 剤としては、ジエチレングリコール、ジプロ ピレングリコール、トリプロピレングリコー ル、トリエチレングリコール、グリコール、 およびこれらのモノメチルエーテルまたはジ メチルエーテル、ジエチルエーテル等が好ま しい。これらのうち、有機溶剤としては、引 火性が低い等の点からエーテル系(アルコー 系)の有機溶剤が好ましい。水と有機溶剤の 率は特に限定されず、いずれの割合であっ もよい。有機溶剤の量は、水100重量部に対 て、100重量部以下、例えば、1~10重量部であ ってよい。重合媒体の量は、重合性モノマー 1重量部に対して、0.5~100重量部、例えば、1~20 重量部であってよい。

 重合開始剤としては、水溶性または油溶性 重合開始剤が好ましく、過硫酸塩系、アゾ 、過酸化物系、レドックス系等の汎用の開 剤が重合温度に応じて使用できる。重合温 は特に限定されないが、20℃~150℃が好まし 。
 また、第1重合体の重合反応においては、分 子量を制御する目的で、連鎖移動剤を含ませ てもよい。連鎖移動剤としてはメルカプタン 類を好ましく用いることができる。

 重合反応においては重合を開始する前段階 して重合性モノマー、水、および乳化剤か なる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳 機等で処理し、あらかじめ前分散させても い。
 上記の方法で合成された重合体(A)(第1重合 )は、媒体中で微粒子として存在するのが好 しい。重合体(A)の微粒子の粒子径は、0.001~1 μm、例えば0.01~0.5μmであることが好ましい。 の範囲であると、安定な分散液を得るため 乳化剤の量は少なくてよく、撥水撥油性能 高く、媒体中で重合体微粒子が安定に存在 る。0.5μmを超えると長期保存した場合、沈 する恐れがある。該粒子径は、動的光散乱 置、電子顕微鏡等により測定することがで る。通常の乳化重合の方法で、乳化剤の存 下に重合を実施した場合、平均粒子径は、 常上記の好ましい範囲に含まれる。

 重合体(B)は、重合性単量体(a)の重合単位を まず、重合性単量体(c)および重合性単量体( y)の少なくとも一方の重合単位の合計が10重 %以上含み、重合性単量体(b)あるいは重合性 量体(x)のうち重合体(y)を除いた重合性単量 あるいは反応性基を有する重合性単量体(z) 重合単位を含む付加重合体であることが好 しい。
 重合体(B)は、フッ素原子を含まない重量体 あってよい。

 重合体(B)における単量体(a)、(b)、(c)、(x)、( y)、(z)は、重合体(A)における単量体(a)、(b)、( c)、(x)、(y)、(z)と同じ意味を示す。重合体(B) おいて単量体(a)は存在しない。
 重合体(B)における単量体(b)、(c)、(x)、(y)、( z)は、重合体(A)における単量体(b)、(c)、(x)、( y)、(z)と同じでもよく、異なっていてもよい また、単量体(b)、(c)、(x)、(y)、(z)のそれぞ は、2種以上で用いてもよい。

 重合体(B)において、単量体(c)または単量体( y)の少なくとも一方が存在する。
 重合体(B)において、(重合体に対して、)単 体(b)の量は、90重量%以下、例えば5~80重量%、 特に10~70重量%であり、特別に30~65重量%であり 、単量体(c)の量は、例えば0~8重量%、特に0.5~5 重量%、単量体(y)の量は、20重量%以上、例え 25~85重量%であり、特に30~80重量%であること 好ましい。単量体(c)および単量体(y)の合計 は10重量%以上、例えば20~90重量%であり、特 30~80重量%であることが好ましい。単量体(y) よび単量体(z)を除いた単量体(x)の量は40重量 %以下、例えば0~30重量%、特に0~20重量%であり 単量体(z)の量は、10重量%以下、例えば0.1~8 量%であることが好ましい。

 重合体(B)を得る重合方法としては、重合 (A)を得る重合方法と同様に乳化重合、懸濁 合等が好ましく、特に乳化重合が好ましい 乳化重合等により、重合体(B)が水系溶媒中 粒子として分散した状態(分散体ともいう) 得られる。

 乳化重合は、重合開始剤を用いて行うの 好ましい。重合開始剤としては、過酸化物 たはアゾ系化合物が好ましく、特にアゾ系 合物が好ましい。アゾ系化合物の例として 、重合体(A)において説明した油溶性重合開 剤、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオナミジ ン)塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン- 2-イル)プロパン]塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2- ミダゾリン-2-イル)プロパン]硫酸塩水和物 の水溶性重合開始剤が好ましく挙げられる

 また、得られる重合体(B)の分子量を制御 る目的で、重合反応の際に連鎖移動剤を添 してもよい。連鎖移動剤としては、重合体( A)の説明において挙げた連鎖移動剤が好まし 使用できる。

 重合体(B)の分散体中には、乳化剤が存在 ていてもよい。乳化剤としては、重合体(A) おいて説明したノニオン性乳化剤、カチオ 性乳化剤、アニオン性乳化剤または両性乳 剤が好ましい。

 乳化剤は、1種または2種以上を使用でき 。イオン性の異なる乳化剤を併用する場合 は、ノニオン性乳化剤とカチオン性乳化剤 または、ノニオン性乳化剤と両性乳化剤の み合わせが好ましい。また、乳化剤の量は 合体(B)の100重量部に対して1~20重量部が好ま い。

 重合体(B)の平均粒子径は0.001~1μm、特に0.0 3~0.5μmが好ましい。平均粒子径が0.03μm未満の 場合、安定な分散体を得るために乳化剤また は自己乳化性のある重合性単量体が多量に必 要となり、撥水性が低下するおそれがある。 また、0.5μm超の場合、粒子が沈降するおそれ がある。

 本発明の撥水撥油剤組成物において、重 体(A)と重合体(B)は、同一の粒子内に存在せ 、それぞれ別々の粒子を形成している。本 明の撥水撥油剤組成物は、重合体(A)と重合 (B)を得るためにそれぞれについて別々に重 反応を行って、別々の粒子を形成して分散 を得た後に、それぞれの分散体を混合して 製するのが好ましい。

 撥水撥油剤組成物において、重合体(A)と 合体(B)の重量比は(A)/(B)=40/60~90/10が好ましく 、特に50/50~80/20が好ましい。重合体(A)または 合体(B)の比率が上記の範囲内にあると、撥 撥油性に優れ、撥水撥油性の耐久性にも優 る。また、撥水撥油剤組成物における重合 濃度(固形分濃度)は、0.1~50重量%が好ましい

 重合体(A)および重合体(B)のそれぞれは2種 以上の重合体を用いても良い。

 本発明の撥水撥油剤組成物には、繊維製 等の物品に種々の物性を発現させるため、 要に応じて、重合体(A)または重合体(B)以外 他の重合体、撥水剤、撥油剤、架橋を促進 せる触媒、風合い調節剤、帯電防止剤、浸 剤、防虫剤、難燃剤、防しわ防縮剤、染料 定剤、pH調整剤等を配合してもよい。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、目的や用 等に応じて、任意の濃度に希釈して物品に 用される。物品への撥水加工方法は、物品 種類や組成物の調製形態等に応じて任意の 法が採用される。たとえば、浸漬または塗 等の被覆加工方法により物品の表面に付着 せ乾燥する方法が採用される。また、必要 らば適当な架橋剤とともに適用し、熱処理 行ってもよい。

 物品への撥水加工方法としては、物品を 合体(A)と重合体(B)とを含む撥水撥油剤組成 に浸漬する方法が好ましい。また、重合体( B)を含み重合体(A)を含まない組成物に物品を 漬した後、重合体(A)を含み重合体(B)を含ま い組成物に浸漬する撥水加工方法も、同等 効果が得られるため好ましい。

 本発明の撥水撥油剤組成物(処理剤)を用 て処理される物品(基材または被処理物品)と しては、特に限定されず、繊維製品の他、石 材、フィルター(例えば、静電フィルター)、 塵マスク、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、 綿、レンガ、セメント、金属および酸化物 窯業製品、プラスチック、塗面、およびプ スターなどを挙げることができる。繊維、 維織物、繊維編物等が好ましい。繊維とし は、綿、麻、羊毛、絹等の動植物性天然繊 、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニル ルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩 ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、レ ヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス 維、炭素繊維等の無機繊維、またはこれら 混合繊維が挙げられる。本発明の撥水撥油 組成物を用いて処理された物品は、優れた 水性を有し、その耐久性にも優れる。

 本発明においては、被処理物品を処理剤 処理する。「処理」とは、処理剤を、浸漬 噴霧、塗布などにより被処理物に適用する とを意味する。処理により、処理剤の有効 分である含フッ素重合体が被処理物の内部 浸透するおよび/または被処理物の表面に付 着する。

 以下に実施例および比較例を示し、本発明 更に詳しく説明する。
 以下において、%および部は、特記しないか ぎり、重量%および重量部を意味する。
 特性は、次のようにして測定した。
撥水撥油性
 T/C布を処理する場合、重合体分散液を固形 濃度が30重量%になるよう水で希釈し、30重 %分散液の濃度が3.2%になるように水で希釈し て処理液を調製する。T/C布(ツイル、200g/m 2 、未染色布)を処理液に浸漬し、マングルで4k g/cm 2 、4m/分で絞って、170℃で1分間熱処理した後 、処理布の撥水撥油性を評価する。同様に 30重量%分散液の濃度が4.8%になるように水で 釈して処理液を調製する。コットン布を処 する場合、コットン布(ツイル、160g/m 2 、未染色布)を処理液に浸漬し、マングルで4k g/cm 2 、4m/分で絞って、170℃で2分間熱処理した後 、処理布の撥水撥油性を評価する。同様に 30重量%分散液の濃度が4.8%になるように水で 釈して処理液を調製する。ポリエステル布 処理する場合、ポリエステル布(microfiber nav y)を処理液に浸漬し、マングルで4kg/cm 2 、4m/分で絞って、170℃で2分間熱処理した後 、処理布の撥水撥油性を評価する。撥水性 AATCC-21のスプレー法による撥水性No.(下記表1 照)をもって表す。撥油性はAATCC-118によって 下記表2に示す試験溶液を試験布上に3滴たら 、30秒後の浸透状態を観察し、浸漬を示さ い試験溶液が与える撥油性の最高点を撥油 とする。同じ等級である場合、撥水撥油性 より高い場合は+、低い場合は-で評価する。

撥水撥油性の洗濯耐久性
 JIS L-0217-103法に準じて、40℃の洗濯液で25分 (5分×HL、連続5回)洗濯、脱水3分、すすぎ2分 脱水3分、すすぎ2分、脱水3分、タンブラー 燥を行い、その後の撥水撥油性を評価する(H L-5)。

平均粒子径
 分散粒子の平均粒子径は、レーザー式光散 法(大塚電子社製 Fiber-Optics Particle Analyzer  FPAR-1000)を用いて測定する。

 以下、n-ブチルアクリレートはn-BA、N-メチ ールアクリルアミドはN-MAM、3-クロロ-2-ヒド キシプロピルメタクリレートはT-M、ラウリ メルカプタンはL-SH、n-ブチルメタクリレー はn-BMA、t-ブチルメタクリレートはt-BMA、ス アリルアクリレートはStA、ラウリルアクリ ートはLA、塩化ビニルはVCl、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7, 8,8,8-トリデカフルオロオクチルメタクリレー トは13FMA、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-ヘプタデ カフルオロ-ノニルアクリレートは17FAと記し 。
 乳化剤としてはジ硬化牛脂アルキルジメチ アンモニウムクロライドをC2ABT、ソルビタ モノパルミテートをPP-40R、ポリエチレング コールラウリルエーテルをK220、ポリオキシ チレンオレイルエーテルはBO50と記した。
 また、トリプロピレングリコールはTPGと記 、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩 塩はNC-32Wと記した。

合成例1
 500mLの容器に、重合性単量体として、n-BA(63. 11g)、N-MAM(1.26g)、T-M(0.63g)、L-SH(0.9g)、乳化剤の C2ABT(0.91g)とPP-40R(1.22g)、K220(5.25g)、BO50(1.3g)、 (103.4g)、TPG(18.62g)を入れ、ホモミキサーで前 散した後、超音波乳化機を用いて、5分間冷 却しながら処理し、モノマー混合物の乳化液 を得た。
 この乳化液を冷却管、窒素導入管、温度計 備えた500mLのセパラブルフラスコに入れ、 素置換した後に、開始剤のNC-32W(0.38g)を水(4g) に溶解させて加えた後、60℃に昇温後、3時間 重合させて固形分35.3%、平均粒子径0.109μmの フッ素重合体粒子の分散液を得た(207.1g)。

合成例2~16
 合成例1と同様の方法で表3に示すモノマー 合物を乳化させ、モノマーとしてVClを用い 場合は500mLステンレス製オートクレーブを用 い、その他の場合は冷却管、窒素導入管、温 度計を備えた500mLのセパラブルフラスコに入 て重合させ、各種非フッ素重合体粒子を得 。

実施例1~6、比較例1~6
 合成例1~16で得られた重合体粒子分散液を固 形分濃度が30重量%になるように水で希釈した 分散液を、表7~10で示す混合比でブレンドし 分散液混合物を得た。

試験例1~6
 上記の実施例1~6で得られた重合体粒子分散 について、撥水撥油性を評価した。
 評価結果は表11に示した。

比較試験例1~6
 上記の比較例1~6で得られた重合体粒子分散 について、撥水撥油性を評価した。
 評価結果は表12に示した。

比較試験例7~10 
 上記の合成例13~16で得られた重合体粒子分 液について、撥水撥油性を評価した。
 評価結果は表13に示した。

試験例7~8および比較試験例11~12
 表14、表15に示した樹脂水性分散液を試験例 1で示した方法により処理した各種生地につ て、撥水撥油性の洗濯耐久性を評価した。
 評価結果は表14~15に示した。




 
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