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Patent Searching and Data


Title:
AQUEOUS SOLUTION COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087845
Kind Code:
A1
Abstract:
A chitosan composition characterized by containing a deacetylated chitin and/or deacetylated chitin derivative and glyoxylic acid as essential ingredients; a solution-containing gel produced from the composition; a water-insoluble chitosan coating film; and an article obtained by treating a base with the composition. This composition in a "one pack" form has a pot life. Even when dried at ordinary temperature after application to or infiltration into a base, the chitosan composition can give a water-insoluble chitosan coating film. The chitosan coating film is reduced in yellowing.

Inventors:
KOBAYASHI NOBUYUKI (JP)
TSUCHIDA SHINYA (JP)
SANNAN TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075111
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
December 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
DAINICHISEIKA COLOR CHEM (JP)
KOBAYASHI NOBUYUKI (JP)
TSUCHIDA SHINYA (JP)
SANNAN TAKANORI (JP)
International Classes:
C08L5/08; B32B27/00; C08K5/09; C09D5/00; C09D105/08; D06M15/03
Foreign References:
JP2003239197A2003-08-27
JP2001172678A2001-06-26
JP2001172674A2001-06-26
JPH11247067A1999-09-14
JPH04253705A1992-09-09
JP2003206409A2003-07-22
Other References:
EKEK; HARTE: "Ind. Eng. Chem., Anal.", vol. 4, 1936, article "iodimetric procedure", pages: 267
See also references of EP 2105459A4
Attorney, Agent or Firm:
KONDO, Rieko et al. (5th Floor1-13-1, Kandaizumi-ch, Chiyoda-ku Tokyo 24, JP)
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Claims:
 脱アセチル化キチンおよび/または脱アセチル化キチン誘導体とグリオキシル酸とを必須成分として含有することを特徴とする水性溶液組成物。
 脱アセチル化キチンおよび/または脱アセチル化キチン誘導体の含有量が、30質量%以下である請求項1に記載の水性溶液組成物。
 グリオキシル酸の含有量が、脱アセチル化キチンおよび/または脱アセチル化キチン誘導体の0.1~3倍質量である請求項1に記載の水性溶液組成物。
 脱アセチル化キチンおよび/または脱アセチル化キチン誘導体が、分子内に少なくとも1個の1級アミノ基を有する請求項1に記載の水性溶液組成物。
 グリオキシル酸以外に少なくとも1種の酸性成分を含む請求項1に記載の水性溶液組成物。
 酸性成分が、脱アセチル化キチンおよび/または脱アセチル化キチン誘導体の溶解能を有する請求項1に記載の水性溶液組成物。
 請求項1に記載の水性溶液組成物から形成されたことを特徴とする含溶液ゲル。
 請求項1に記載の水性溶液組成物を乾燥して得られたことを特徴とする水不溶性被膜。
 請求項1に記載の水性溶液組成物で、基材を処理し、脱アセチル化キチンおよび/または脱アセチル化キチン誘導体を水不溶化してなることを特徴とする複合体。
 基材が、板状、箔状、スポンジ状、繊維状或いは立体成型物であり、それらの材質が、金属、ガラス、セラミックス、コンクリート、紙、樹脂、木材、有機高分子或いは無機高分子である請求項9に記載の複合体。
Description:
水性溶液組成物

 本発明は、脱アセチル化キチンおよび/ま たは脱アセチル化キチン誘導体(以下両者を キトサン」といい、この「キトサン」はキ サンの誘導体も含む)を含む水性溶液組成物( 以下単に「組成物」という場合がある)に関 、さらに詳しくはキトサンとグリオキシル とを必須成分として含有する組成物、該組 物から生成される含溶液ゲル、水不溶性キ サン被膜、並びに該組成物で基材を処理し なる物品に関する。

 キチン、キトサンが天然由来の機能性多 として注目され、種々の分野で利用されて る。キチン、キトサンは慣用名であり、両 を明確に区別する公式に統一された定義は い。そこで本発明ではN-アセチルグルコサ ンのみからなる多糖をキチンと呼び、N-アセ チルグルコサミンとグルコサミンが共存若し くはグルコサミンのみからなる多糖またはそ の誘導体を本発明ではキトサンと呼ぶことと する。キトサンは天然に存在することが知ら れており、しかも工業生産されている数少な いアミノ多糖で、そのアミノ基に由来する機 能、例えば、酸性物質の吸着能、その結果生 じるカチオン性が多方面で利用されている。 具体的にはキトサンと繊維とを種々の方法で 複合したものが、抗菌防臭繊維として販売さ れている。

 繊維とキトサンとを複合する方法として も簡便な方法の一つが、キトサンの希酸水 液を繊維若しくは繊維製品に塗布・含浸お び乾燥する方法である。この方法による処 によって繊維製品に抗菌防臭機能を付与す ことができる。しかし、この処理では繊維 付与されたキトサンが水不溶化されていな ために、洗濯によって繊維からキトサンが 易に流失してしまい、いわゆるキトサン処 繊維の洗濯堅牢度が確保できない。このキ サンの洗濯堅牢度確保のみならず、キトサ を活用するうえで、キトサンを任意に水不 化することが、重要なキーテクノロジーと る。このため、キトサンを水不溶化するた の種々の方法が試みられている。

 例えば、キトサンを酸性水溶液に加えてキ サンを酸との塩(キトサン塩)として溶解し 水溶液を、適当な基材に塗布・含浸・乾燥 、苛性ソーダや重曹などのアルカリ性水溶 で上記酸を中和して、水不溶性のキトサン 遊離させたり、基材に塗布・含浸されたキ サン塩をアルギン酸やカルボキシメチルセ ロースなどのアニオン性ポリマー溶液で処 し、キトサンと上記アニオン性ポリマーと ポリイオンコンプレックスを形成して、キ サンを水不溶化することが試みられている これらの方法でもキトサン塩を水不溶化す ことは可能であるが、得られるキトサンか なる被膜は、強度が十分ではないうえ、1液 理ではなく2液処理となるため、上記処理工 程が長くなり、処理コスト面でも不利である 。また、架橋剤を用いるキトサンの水不溶化 についても種々の方法が試みられている。
 なお、本発明において「1液」とは1種のみ キトサン溶液で被膜を形成することを意味 、「2液」とは、キトサン被膜の形成に際し キトサン溶液と、キトサンを水不溶化する の溶液(上記のアルカリ溶液、アニオン性ポ リマー溶液、架橋剤溶液など)を使用して被 を形成することを意味する。

 例えば、特許文献1では、アミノ基を有す るキトサンを、グリシジルエーテル基を有す るポリエチレングリコール誘導体で架橋させ て水不溶化する技術が開示され、特許文献2 は水溶性キトサンを、分子末端にカルバモ ルスルフォネート基を有する水溶性ウレタ プレポリマーで架橋させて水不溶化する技 が記載されているが、いずれも被膜形成に し150℃程度の熱処理が必要であり、上記技 は、感熱紙の処理の如く、高温処理ができ い用途には利用できない。

 また、キトサン塩溶液にグリオキサール グルタルアルデヒドなどのジアルデヒド化 物を混合した混合溶液は、基材に塗布・含 後に加熱乾燥は勿論、常温乾燥においても 不溶性被膜を得ることができる。しかし、 記混合溶液は「1液」であるが、この「1液 溶液はポットライフ(耐用寿命)が短いため、 使用に制限を受ける。そして何より、これら ジアルデヒドを使用した架橋キトサン被膜は 、経時的に強く黄変することが避けられず、 黄変の少ない架橋キトサン被膜を形成し得る 「1液」タイプのキトサン溶液の開発が望ま ている。

 「1液」でのポットライフ性能を改善した キトサン溶液であって、該溶液から得られる キトサン被膜を水不溶化する方法の一つとし て、本発明者らはキトサンと多塩基酸との水 溶液が、「1液」として常温で長期にわたり 定で、かつ一旦これを基材に塗布・含浸・ 燥後、150℃以上で加熱処理するとキトサン 膜が水不溶性となることを開示している(特 文献3)。この方法は、加熱処理によって優 た耐水性を有するキトサン被膜を得ること できるが、上記方法では、常温(低温)乾燥に おいては、耐水性に優れたキトサン被膜を得 ることができない。

 以上のように、「1液」でのポットライフが あり、かつ基材へ塗布・含浸後に常温乾燥で もキトサン被膜を水不溶化ができ、さらには キトサン被膜の黄変が少ないキトサン組成物 の開発が望まれていた。

特開平11-247067号公報

特開平4-253705号公報

特開2003-206409号公報

 本発明は、上記の問題点に鑑みて為され 発明であって、本発明の目的は、「1液」で のポットライフがあり、かつ基材へ塗布・含 浸後に常温乾燥でもキトサン被膜を水不溶化 ができ、さらにはキトサン被膜の黄変が少な いキトサン組成物、該組成物から生成される 含溶液ゲル、水不溶性キトサン被膜、並びに 該組成物で処理してなる物品を提供すること にある。

 本発明者らは、上述した目的を達成する め鋭意研究を重ねた結果、キトサンとグリ キシル酸とを必須成分として含有する組成 が、「1液」としてポットライフに優れ、一 旦これを基材に塗布・含浸後、高温乾燥を要 せず、常温乾燥でも水不溶化されたキトサン 被膜の形成が可能であることを見出し、本発 明を完成させた。

 すなわち、本発明は、キトサンとグリオ シル酸とを必須成分として含有することを 徴とする組成物を提供する。

 上記組成物においては、キトサンの含有 が30質量%以下であること;グリオキシル酸の 含有量が、キトサンの0.1~3倍質量であること; キトサンが、分子内に少なくとも1個の1級ア ノ基を有すること;グリオキシル酸以外に少 なくとも1種の酸性成分を含むこと;酸性成分 、キトサンの溶解能を有することが好まし 。

 また、本発明は、上記本発明の組成物か 形成されたことを特徴とする含溶液ゲル;上 記本発明の組成物を乾燥して得られたことを 特徴とする水不溶性キトサン被膜;上記本発 の組成物で基材を処理し、キトサンを水不 化してなることを特徴とする複合体を提供 る。

 上記基材は、例えば、板状、箔状、スポ ジ状、繊維状或いは立体成型物であり、そ らの材質は、金属、ガラス、セラミックス コンクリート、紙、樹脂、木材、有機高分 或いは無機高分子であり得る。

 本発明によれば、「1液」としてポットラ イフに優れ、一旦これを基材に塗布・含浸後 、高温乾燥を要せず、常温乾燥でも水不溶化 されたキトサン被膜の形成が可能である組成 物、該組成物から生成される含溶液ゲル、水 不溶性キトサン被膜、並びに該組成物で基材 を処理してなる物品を提供できる。

 次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を らに詳しく説明する。本発明者らは、従来 検討をさらに進めた結果、従来の高温加熱 よるキトサン被膜の不溶化技術では為しえ い、新たなキトサン被膜の水不溶化技術を 発した。
 本発明の組成物は、該溶液を基材に塗布・ 浸した後、加熱することなく、水不溶性の トサン被膜を形成でき、同時にキトサン被 の着色を抑えることができる。本発明の組 物は、キトサンとグリオキシル酸とを必須 分として、水性媒体(「水性媒体」とは、水 を主たる溶媒とし、さらに有機溶媒を含有し てもよいことを意味している)に溶解したも である。

 本発明に使用する脱アセチル化キチン(キ トサン)とは、N-アセチルグルコサミンとグル コサミンが共存若しくはグルコサミンのみか らなる多糖である。さらに、該キトサンを原 料として化学修飾されたキトサン誘導体も含 む。これらの各キトサンは単独または混合物 として使用される。

 キトサンは、一般的に酸性水溶液に溶け が、水には溶解しない。キチンは菌類の細 壁の構成要素として存在することが知られ いる天然機能性高分子である。工業的には ニやエビなどの甲殻類の外皮などから、塩 処理によりカルシウムなどからなる灰分を アルカリ処理によりタンパク質を除去して チンが得られ、さらにキチンを脱アセチル することによってキトサンは製造されてい 。いずれもキトサンを溶解する工程が無い 均一な反応による製造方法である。

 キチンが、N-アセチル-D-グルコサミンを 構成単位としているのに対し、キトサンは D-グルコサミンを主構成単位とし、N-アセチ -D-グルコサミン単位もある程度は含まれて る場合が殆どで、本発明では、それらの割 は限定されず、いずれのキトサンであって よい。

 上記キトサンは、それ自体は既に工業的 生産されており、種々のグレードのものが 場から入手できる。これらの公知のキトサ はいずれも本発明で使用することができ、 トサンの脱アセチル化度や重合度に特別の 限はなく、用途に応じて最適なものを適宜 択すればよい。

 キトサンの脱アセチル化度についていえ 、脱アセチル化度が25モル%以上のキトサン 本発明では好ましく、より好ましくはキト ン誘導体の合成の容易性を考えれば、脱ア チル化度が40~100モル%のキトサンが好ましい 。キトサンの脱アセチル化度は従来から公知 であるコロイド滴定にて測定される。

(脱アセチル化度測定方法)
 キトサンの脱アセチル化度は、コロイド滴 により測定された滴定量から算出すること できる。具体的には、指示薬にトルイジン ルー溶液を用い、ポリビニル硫酸カリウム 溶液でコロイド滴定することにより、キト ン分子における遊離アミノ基を定量し、キ サンの脱アセチル化度を求める。以下、本 明における試料調製および滴定試験は約20 の室温にて行った。

(脱アセチル化度測定における試料調製と滴 試験)
 0.5質量%酢酸水溶液に所定量のキトサンを添 加し、キトサン純分濃度が0.5質量%となる調 液を正確に100gとし、攪拌溶解する。次にこ 調製液10gとイオン交換水90gとを正確に採取 、攪拌混合して、0.05質量%のキトサン溶液 調製する。さらにこの0.05質量%キトサン溶液 から10gを正確に量り取り、そこにイオン交換 水50ml、トルイジンブルー溶液約0.2mlを添加し 、ポリビニル硫酸カリウム溶液(N/400PVSK)にて 離アミノ基を滴定する。滴定速度を2ml/分~5m l/分とし、測定溶液が青から赤紫色に変色後 30秒間以上保持する点を終点の滴定量とす 。

(空試験)
 上記滴定試験に使用した調製液の代わりに イオン交換水を使用し、同様の滴定試験を う。

(計算方法)
X=1/400×161×f×(V-B)/1000=0.4025×f×(V-B)/1000
Y=0.5/100-X
X:キトサン中の遊離アミノ基質量(グルコサミ ン残基質量に相当)
Y:キトサン中の結合アミノ基質量(N-アセチル ルコサミン残基質量に相当)
f:N/400PVSKの力価
V:試料の滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
脱アセチル化度(モル%)=(遊離アミノ基)/{(遊離 アミノ基)+(結合アミノ基)}×100=(X/161)/(X/161+Y/20 3)×100
なお、161はグルコサミン残基の当量分子量、 203はN-アセチルグルコサミン残基の当量分子 である。

 また、特に低脱アセチル化度のキトサンの アセチル化度の測定には、以下の方法が有 である。例えば、キトサンをp-トルエンス ホン酸で加水分解し、遊離する酢酸をヨウ に吸収させ、残存するヨウ素をチオ硫酸ナ リウムで滴定することによって酢酸のモル (m)を求める。この(m)は同時にキトサン中のN- アセチルグルコサミン単位のモル数である。 キトサン中のグルコサミン単位のモル数を(n) とすると、以下の通りである。
n=(キトサン 質量-203m)/161
脱アセチル化度(モル%)=n/(m+n)×100

 上記分析は基本的にEKEKとHARTEの方法(Ind.En g.Chem.,Anal.Ed.8(4)267(1936))で行うが、キトサンは 吸湿性が高いので、精秤することが難しい。 そこで、以下の工夫を併用して分析を行う。

 キトサンを真空乾燥機中、減圧下、60℃ 24時間予備乾燥させておく。別にパイレック ス(登録商標)ガラス管の一端を溶融して閉じ 後、膨らませて浮沈子を作製する。その大 さは以降の分析に使用するガラス容器に挿 できる大きさとする。この浮沈子の開放さ ている一端を密閉できるポリプロピレン製( 以降の分析に障害をおこす物質を含まないこ とを確認する。)の蓋を用意する。この浮沈 および蓋を真空乾燥機中、減圧下、60℃で24 間予備乾燥および乾燥剤入りデシケータを 用して常法により恒量にし、質量(A質量部) 測定しておく。次にこの浮沈子中にキトサ を入れ、ポリプロピレン製蓋とともに、浮 子の開放されている一端を開放したまま上 きに垂直に立てて、真空乾燥機中、減圧下 60℃で24時間乾燥後、静かに減圧を解除し、 常圧下105℃で2時間乾燥する。その後乾燥機 開け、乾燥機中で速やかに浮沈子の開放口 ポリプロピレン製蓋で塞ぎ、デシケータ中 放冷して質量(B質量部)を測定する。

 次に浮沈子の蓋をはずし、EKEKとHARTE法の 水分解のためのガラスフラスコに入れる。 の後ガラスフラスコの上部からガラス棒を れ、フラスコ中の浮沈子の膨らんだ部分を った後、ガラス棒をフラスコ中で少量の蒸 水にて洗浄後、引き抜いて、滴下ロート、 ンデンサー、受け器、減圧ライン、キトサ 以外の試薬をEKEKとHARTE法の通りセットする 念のため、加水分解時間は5時間とし、その 後は生成した酢酸のヨウ素液への吸収、ヨウ 素液のチオ硫酸ナトリウム滴定を行い、滴定 量から酢酸のモル数(m)を求め、これと仕込ん だキトサン質量(B-A)を使用して上記式により アセチル化度を算出する。

 また、本発明においては、キトサンとし 、キトサンを1質量%含有する酢酸水溶液の 度が1mPa・s~10,000mPa・sとなるキトサンを使用 るのが好ましい。粘度測定において詳しく 、キトサンの純分濃度が1質量%になるよう 製した酢酸水溶液を恒温槽にて20℃に保ちな がらB型回転粘度計を使用し、30rpm条件にて測 定可能なローター選定により粘度測定を行っ た。純分とは、キトサン試料における固形分 換算を意味し、具体的には、キトサン試料を 105℃、2時間乾燥して求められる固形分質量 ある。

 上記粘度が1mPa・s未満では、水不溶化後 キトサン被膜の有効な性質が得られず、一 、上記粘度が、10,000mPa・sを超えるキトサン は、粘度が高過ぎて、キトサン溶液の扱い 水不溶化処理が非効率となる。すなわち、 発明で用いるキトサンは、キトサンの有用 特性と反応性を効果的に得る点で、脱アセ ル化度が40モル%~100モル%であって、かつキ サンを1質量%含有するキトサン水溶液の粘度 が、2mPa・s~1,000mPa・sとなるキトサンがより好 ましい。

 本発明で使用するキトサン誘導体とは、 記キトサンを原料とし、従来公知の方法で トサンを化学修飾して得られる誘導体であ 。キトサン誘導体としては、例えば、キト ンのアルキル化物、アリル化物、アシル化 、硫酸化物、リン酸化物などが挙げられる 具体的には、出発物質であるキトサンの水 基および/またはアミノ基に、メチル基、エ チル基などのアルキル基、ヒドロキシエチル 基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチ ル基、ジヒドロキシプロピル基などのヒドロ キシアルキル基、カルボキシメチル基、カル ボキシエチル基などのカルボキシアルキル基 、サクシニル基、イタコノイル基、マレオイ ル基、グルタロイル基、フタロイル基などの カルボキシアシル基、グリコロイル基、ラク トイル基などのヒドロキシアシル基、チオグ リコロイル基などのチオアシル基、硫酸基、 リン酸基を単独若しくは2種以上を組み合わ て導入した誘導体およびそれの塩が挙げら る。

 さらに、キトサンの水酸基および/または アミノ基に、アクリル酸、メタクリル酸、ア クリルアミド、アクリル酸エステル、アクリ ルニトリルなどのビニル化合物を付加させて 得られる化合物、ホルムアルデヒド、アセト アルデヒド、グリオキシル酸並びにラクトー ス、デキストラン、D-グルコース、D-グルコ ミン、セロビオースなどの還元糖を含むア デヒド化合物をキトサンの水酸基および/ま はアミノ基と反応させてシッフ塩基を形成 た後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなど 還元して得られる化合物が挙げられる。

 さらに、キトサンの水酸基および/または アミノ基に、シアン酸、チオシアン酸を反応 させて得られる尿素化物、チオ尿素化物およ びジアリルジメチルアンモニウムハライドや 2-クロロエチルジエチルアミン若しくはその 酸塩、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジエ ルアミン、2,3-エポキシプロピルジメチルア ン、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメ ルアンモニウムクロライド、或いは2,3-エポ シプロピルトリメチルアンモニウムクロラ ドを反応させて得られる化合物が挙げられ 。

 さらに、一般名を例示すれば、メチルキ サン、エチルキトサン、ヒドロキシエチル トサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒ ロキシブチルキトサン、ヒドロキシプロピ ヒドロキシブチルキトサン、ジヒドロキシ ロピルキトサン、2-ヒドロキシプロピルジ チルアミンキトサン、2-ヒドロキシプロピル トリメチルアンモニウムクロライドキトサン 、カルボキシメチルキトサン、カルボキシエ チルキトサン、カルボキシブチルキトサン、 サクシニルカルボキシメチルキトサン、サク シニルキトサン、イタコノイルキトサン、マ レオイルキトサン、アセチルチオサクシノイ ルキトサン、グルタロイルキトサン、フタロ イルキトサン、グリコロイルキトサン、ラク トイルキトサン、メチルグリコロイルキトサ ン、チオグリコロイルキトサン、シアノエチ ルキトサン、それらの塩およびそれらの共重 合体などが挙げられる。

 本発明の組成物におけるキトサンの濃度 、0.1質量%以上であることが好ましい。キト サンの濃度が0.1質量%未満では固化または水 溶化後のキトサン被膜の有効な性質が得ら にくい。また、本発明の組成物の用途の1つ 基材へのコーティングであることから、キ サン濃度が30質量%以下であることが好まし 。これより高い濃度では、組成物があまり 高粘度になるため、コーティング適性に劣 。

 本発明の組成物に含有されるグリオキシ 酸は、これまで公知である架橋剤、例えば グリオキサール、グルタールアルデヒドな の多価アルデヒドに比べて、グリオキシル によって不溶化されたキトサン被膜の黄変 少ない。

 また、キトサンの水不溶化には、キトサ 中の1級アミノ基が強く関与するため、本発 明で使用するキトサンには、少なくとも1分 中に1個以上の1級アミノ基が存在することが 好ましい。

 本発明の組成物に用いる溶媒としては、 および/または水溶性有機溶媒が使用され、 その種類や質量比は、得られる組成物の使用 目的に応じて調整される。例えば、組成物に 含まれている成分の親水性・疎水性、組成物 の調整、キトサンの水不溶化における乾燥処 理環境、基材の耐水性、組成物の保管・移送 ・安全面などを考慮し、水と有機溶媒との混 合比を適宜選択することが好ましい。水と有 機溶媒との混合物を使用する場合には、特に アルコールを使用する時には、安全性の点か ら組成物中に含まれる水の含有率を40質量%以 上にすることが好ましい。

 また、本発明の組成物におけるグリオキ ル酸の含有量は、上記キトサンの0.1~3倍質 であることが好ましく、同時に、本発明の 成物は、グリオキシル酸以外の酸性成分、 ルカリ成分、若しくは塩などをpH調整、溶液 粘度調整などの目的で含むこともできる。こ れらの他の成分の添加量は特に制限は無く、 例えば、グリオキシル酸の0.01~20倍質量の範 内で使用することが、組成物の安定性を保 上で好ましい。

 さらに、キトサンの水性媒体に対する溶 性を増すために、キトサンの溶解時に水性 体を加温或いは冷却してもよい。また、本 明の組成物は、本発明の目的である処理基 の着色を抑制するためには、最終的にそのp Hを2以上に調整することが望ましい。pHが2未 では組成物それ自体、或いは該組成物で処 された基材(複合材料)において経時的な着 が観測されることがある。

 上記グリオキシル酸以外に使用できる酸 成分としては、水性媒体中に溶解性の有機 や無機酸が使用でき、例えば、ギ酸、酢酸 プロピオン酸、酪酸、タウリン、ピロリド カルボン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、 ドロキシマロン酸、マロン酸、コハク酸、 ジピン酸、安息香酸、サリチル酸、アミノ 息香酸、フタル酸、けい皮酸、トリクロロ 酸、ビタミンCなどの有機酸、塩酸、リン酸 、硝酸、硫酸などの無機酸が挙げられ、これ らから少なくとも1種の酸であればよい。

 さらに、本発明の組成物のpH調整などに 用するアルカリ物質としては、従来公知の ルカリ金属の水酸化物、または炭酸塩、ア モニア、アミンであり、例えば、水酸化リ ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム 炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭 カリウム、アンモニア、モルホリン、N-メチ ルモルホリン、トリメチルアミン、トリエチ ルアミン、エタノールアミン、ジエタノール アミン、トリエタノールアミン、プロパノー ルアミン、ジプロパノールアミン、トリプロ パノールアミン、N-メチルエタノールアミン N,N-ジメチルエタノールアミン、N-エチルエ ノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミ ン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチル エタノールアミン、N-メチルプロパノールア ミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、ア ノメチルプロパノールなどが挙げられ、こ らから少なくとも1種が使用される。

 また、本発明の組成物に添加する塩にと ては、溶媒に可溶の塩、例えば、アルカリ 属塩、アルカリ土類金属塩、無機アンモニ ム塩などの無機塩類、例えば、スルホニウ 塩、オキソニウム塩、有機アンモニウム塩 どの有機塩類が挙げられる。これらの代表 な例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリ ム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭 水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カ ウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、 化アンモニウム、硫酸ナトリウム、燐酸二 素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、臭化 トリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウ 、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルア モニウム、テトラブチルアンモニウムヒド キシド、ナトリウムメトキシド、カリウム トキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリ ム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酒石 ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリ ム、メタンスルホン酸ナトリウム、クエン ナトリウム、ほう砂などが挙げられ、配合 (濃度)も特に制限はなく適切な状態を付与 きるように添加すればよい。

 本発明の組成物に使用する水性媒体とし は、通常水または水と水溶性有機溶媒との 合溶媒であり、水としては、例えば、蒸留 、イオン交換水、水道水などが選択できる また、有機溶媒としては、アセトン、メチ エチルケトンなどのケトン類、メタノール エチルアルコール、イソプロピルアルコー などのアルコール類、N-メチルピロリドン ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルム ミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチ ホスホアミド、ハロゲン化炭化水素などの 溶性有機溶媒が挙げられる。

 本発明の組成物を用いる水不溶性キトサ 被膜形成方法では、塗布・含浸物を高温加 することは必要なく、低温から常温にてキ サンの水不溶化が進行し、組成物を基材の 面および/または内部に付与した後、必要に 応じ該組成物中に存在している溶媒を除去す ることで、キトサンを固化および水不溶化さ せ、水不溶化キトサンで被覆され、または水 不溶化キトサンを含む処理基材(複合体)とす ことができる。なお、上記水不溶化に際し は勿論必要に応じ加熱してもよい。

 上記キトサンの固化または水不溶化に関 る機構は明らかではないが、おそらく本発 の組成物に含有されているキトサンのアミ 基と、グリオキシル酸の反応性の高いアル ヒド基との反応で水不溶化が達成されると えられる。

 上記キトサンの水不溶化は、本発明の組 物に含まれている成分、若しくは基材の熱 受性に応じて、不溶化条件(例えば、温度や 時間)を選べばよい。本発明の組成物を、感 印刷シートなどのように熱に敏感な化合物 含む基材に応用する場合、例えば、50℃以下 の温度で組成物を塗布・含浸および乾燥すれ ばよい。さらに塗布・含浸物から溶媒を除去 する場合は、低温または減圧乾燥などの方法 を使用することもできる。一方、100℃以上の 耐熱性を持つ基材を本発明の組成物で処理す る場合には、100℃以上の温度で乾燥してもよ い。本発明の特徴である処理基材の黄変着色 を、より抑制するためには、上記水不溶化処 理を、0℃~50℃の温度で行うことが好ましい

 また、本発明の組成物の固化物または水 溶化物としての特性評価として、恒温水槽 保持により上記固化物または水不溶化物の 水性評価、およびポットライフ特性評価を い、さらに、本発明の組成物に香料を添加 て調製した含溶液ゲルに関して、臭気の持 経過観察により、含溶液ゲルの液の徐放性 確認を行った。

 本発明の組成物を、低温から常温にて固 または水不溶化することで、本発明の組成 からなる含溶液ゲル、および上記組成物を 材の表面および/または内部に付与した後、 固化または水不溶化して得られる基材(複合 )は、キトサンが第1級、第2級、第3級のいず もアミノ基を含むか、または第4級アンモニ ウム基、カルボキシル基を含むために、上記 複合体は、キトサン本来の抗菌性を有し、イ ンクジェット記録紙などの場合には、記録紙 中のキトサンとインキ中の染料との反応性が よく、記録物の耐水性が優れる。

 本発明の組成物の上記特徴を生かす用途 して、本発明の組成物で処理される基材は 例えば、板状、箔状、スポンジ状、繊維状 いは立体成型物などであり、それらの材質 しては、金属、ガラス、セラミックス、コ クリート、紙、樹脂、木材などの有機、無 高分子が挙げられる。特に本発明の組成物 のキトサンの水不溶化には、高温処理を必 とせず、低温で行われ、しかも着色性が低 ので、本発明の組成物は、例えば、紙やフ ルムなどの印刷シート、さらに具体的には ンクジェット記録紙などの処理に有用であ 。

 次に、実施例および比較例を挙げて本発 をさらに具体的に説明する。なお、本発明 これらの実施例によって限定されるもので ない。文中の「部」および「%」は、特に断 りのない限り質量基準である。実施例として 用いた組成物の組成を表1に示し、それらの 成方法を以下に記した。

<実施例1>
 キトサン(重量平均分子量8万、脱アセチル 度85%)10部をイオン交換水80部に分散した後、 50%グリオキシル酸水溶液10部を加え、室温で4 時間撹拌溶解し、本発明の組成物を得た。

<実施例2~12>
 キトサン(A成分)の種類、分子量、脱アセチ 化度(DAC)、配合量、並びにグリオキシル酸(B 成分)、酸性成分(C成分)、水以外の溶媒(D成分 )の種類および配合量を表1に示すように変え 組成物を、実施例1と同様の方法により調製 した。

<比較例>
 比較例として用いた組成物の組成を表1に示 し、それらの作成方法を以下に記した。
<比較例1>
 キトサン(重量平均分子量8万、脱アセチル 度85%)10部をイオン交換水85部に分散した後、 酢酸5部を加え、室温で4時間撹拌溶解し、比 例1の組成物を得た。

<比較例2>
 キトサン(重量平均分子量8万、脱アセチル 度85%)10部をイオン交換水85部に分散した後、 乳酸5部を加え、室温で4時間撹拌溶解した。 いで40%グリオキサール水溶液5部を撹拌混合 し、比較例2の組成物を得た。
<比較例3>
 キトサン(重量平均分子量8万、脱アセチル 度85%)10部をイオン交換水85部に分散した後、 乳酸5部を加え、室温で4時間撹拌溶解した。 いでブロックイソシアナート(第一工業製薬 (株)製、エラストロンBAP)60部を撹拌混合し、 較例3の組成物を得た。

 表1に示す組成により調製した組成物を用 い、下記の被膜形成方法により得られた被膜 の耐水性評価試験並びにポットライフ評価試 験を行った。評価結果を表2に示す。

<被膜形成方法並びに耐水性評価方法>
 実施例1~12および比較例1~3の組成物5gを、そ ぞれ直径9cmのガラスシャーレ内に流延した のを各溶液2枚ずつ用意した。1枚は120℃×1 間の加熱乾燥で、もう1枚は室温×1週間の常 乾燥にて被膜を作成した。被膜作成後、ガ スシャーレに40℃の水80mlを注ぎ、40℃の恒 槽内に静置した。8時間毎に、計2回、40℃の を取り替え、24時間後の被膜の状態を観察 、被膜の耐水性を評価した。なお、評価は 記の基準に従って行った。

<耐水性評価基準>
◎:不溶かつ膨潤も少ない。
○:不溶であるが膨潤している。
△:一部溶解している或いは崩れている。
×:全部溶解或いは殆ど溶解している。

<ポットライフ評価方法>
 実施例1~12および比較例1~3の組成物30gを、各 々50ccサンプル瓶に入れて密栓し、25℃に設定 した恒温槽内にて表2に記載の期間放置し、 液の状態変化を観察評価した。なお、評価 下記の基準に従って行った。
<ポットライフ評価基準>
○:増粘せずに安定した溶液状態を保ってい 。
△:増粘して流動性が低下している。
×:ゲル化して流動性なし。

 表2に示した耐水性評価結果並びにポット ライフ評価結果より、本発明の組成物から得 られる被膜は、常温乾燥においても、十分な 耐水性を有しているのに加え、「1液」で1週 以上のポットライフを持つことが分かる。 施例1~4はキトサンの分子量を変えたものだ 、結果は良好であった。実施例5~7は溶媒を 水アルコールに変えたものであるが、十分 耐水性とポットライフを示した。実施例8~12 はキトサン誘導体の種類を変えたものである が、いずれも良好な結果であった。

 比較例1は架橋剤を配合していない、単な るキトサン酢酸水溶液であるが、常温乾燥は 勿論加熱乾燥において形成した被膜も耐水性 がなく溶解してしまった。比較例2はグリオ サールを架橋剤に使用したものであり、被 耐水性は常温乾燥でも良好であったが、ポ トライフが極めて短かった。比較例3はブロ クイソシアナート化合物を架橋剤に使用し ものであり、ポットライフは良好なものの 加熱乾燥しないと被膜耐水性が得られなか た。

 <応用例1>
 実施例1の組成物100gに水溶性香料0.1gを添加 30分撹拌混合した後、密栓可能な容器に移 替え、60℃に設定した恒温槽に静置した。24 間後に恒温槽から取り出したところ、溶液 体が寒天状にゲル化した含溶液ゲルを得た 栓を開封し室内に放置したところ、得られ 含溶液ゲルの香料臭気は1ヶ月以上経過して も持続しており、徐放性のゲル状担持体とし て有効である。

<応用例2>
 0.1N水酸化ナトリウム水溶液で脱脂処理した アルミ板表面に、実施例1の組成物をバーコ ター(No.6)で塗布し、室温で1週間放置して乾 し処理板を作製した。セロテープ(登録商標 )剥離により被膜の密着性を確認したところ 被膜の剥離は見られず、被膜と基材との密 性は良好であった。また、得られた処理板 24時間水中に浸漬した後に観察したが、被膜 の脱落はなく、風乾して被膜重量を測定し、 水浸漬前後の被膜重量より被膜残存率を測定 したところ、被膜残存率はほぼ100%であった

<応用例3>
 実施例1と比較例2の組成物を、それぞれ上 紙にバーコーターにより固形分で5g/cm 2 の割合で塗布し、50℃で乾燥後、被膜の着色 促進するため、120℃の送風乾燥機にて5時間 熱セットを行った後、被膜の着色度合を目視 にて比較した。比較例2の組成物より作製し 被膜は黄褐色に黄変していたのに対し、実 例1の組成物より作製した被膜は淡黄色と着 が少なく、グリオキサール架橋の被膜に比 、黄変度合がかなり抑制されていた。

 本発明によれば、「1液」としてポットラ イフに優れ、一旦これを基材に塗布後、高温 乾燥を要せず、常温乾燥でも水不溶化された キトサン被膜の形成が可能である組成物、該 組成物から生成される含溶液ゲル、水不溶性 キトサン被膜、並びに該組成物で基材を処理 してなる物品を提供できる。