木部 佳延 (〒70 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化学株式会社内 Fukui, 9108670, JP)
日華化学株式会社 (〒70 福井県福井市文京4丁目23番1号 Fukui, 9108670, JP)
KIBE, Yoshinobu (23-1, Bunkyo 4-chome, Fukui-sh, Fukui 70, 9108670, JP)
| 基布に水系ウレタン樹脂組成物を含浸又は塗布して人工皮革を得る方法において使用される水系ウレタン樹脂組成物であって、 感熱凝固温度が40~90℃である感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ)と、水溶性アクリル系重合物(ロ)と、を含有し、 前記水溶性アクリル系重合物(ロ)が、下記(1)、(2)及び(3)の重合体のうちの少なくとも1種であることを特徴とする人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物。 (1)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合物、当該重合物のアルカリ金属及び/又はアミン塩。 (2)ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸、そのアルカリ金属及び/又はアミン塩。 (3)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ金属塩、マレイン酸のアルカリ金属塩、アクリル酸のアミン塩、メタクリル酸のアミン塩及びマレイン酸のアミン塩からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーと、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸並びにそのアルカリ金属及び/又はアミン塩からなる群より選択される少なくとも1種と、をラジカル重合させて得られる重合物、当該重合物のアルカリ金属及び/又はアミン塩。 |
| 基布に、請求項1に記載の人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物を含浸又は塗布する工程を有する、人工皮革の製造方法。 |
| 請求項2に記載の人工皮革の製造方法により得られる、人工皮革。 |
本発明は、人工皮革用水系ウレタン樹脂 成物、それを用いた人工皮革の製造方法、 び人工皮革に関する。
従来より、人工皮革は、不織布、織物、 物等の基布にウレタン樹脂組成物を含浸又 塗布する処理を施すことにより製造されて る。この製造方法では、一般に、N,N-ジメチ ルホルムアミド等の有機溶剤にウレタン樹脂 成分を溶解した溶剤系ウレタン樹脂組成物が 用いられ、これを基布に含浸する処理が行わ れている。溶剤系ウレタン樹脂組成物を用い ることで、多孔質のウレタン層を基布中に均 一に形成することができ、天然皮革に近い柔 軟性及び充実感を有する風合いに優れた人工 皮革を得ることができる。しかし、溶剤系ウ レタン樹脂組成物を用いる人工皮革の製造方 法は、基布の加工処理中に有害な溶剤が排出 されるため、水質汚濁や大気汚染を防止する ための溶剤回収処理に多大な労力と費用を要 するという問題を有している。
一方で、水系ウレタン樹脂組成物を用い 人工皮革の製造が行われている。この方法 は、ウレタン樹脂の水分散物を含む水系ウ タン樹脂組成物を水で適当な濃度に希釈し この希釈液に基布を含浸し、乾燥、キュア ングすることによりウレタン樹脂を基布に 着させて、人工皮革とする。水系ウレタン 脂組成物を用いた方法では、有機溶剤を用 ないため、溶剤回収の必要はない。
しかし、水系ウレタン樹脂組成物を用い 方法は、基布に水系ウレタン樹脂組成物を 浸し加熱乾燥する際に、基布中に均一に分 していたウレタン樹脂の粒子が溶媒である の移動に伴い基布繊維の表面層に移動する 象、所謂マイグレーション現象が発生しや いという問題を有している。このマイグレ ション現象が生じると、基布繊維の表面側 ウレタン樹脂が偏在し、内部にはウレタン 脂が殆んど存在しない状態となる。その結 、得られる人工皮革は、風合いが硬く、折 皺ができやすいものになってしまう。特に ウレタン樹脂の基布への充填率が高い場合 は、基布繊維の表面側と内部とでウレタン 脂の濃度差が顕著となり、風合いが粗硬で ーパーライクとなりやすい。そのため、水 ウレタン樹脂組成物を用いる場合、ウレタ 樹脂を基布に対して20質量%以上充填するこ が難しく、柔軟性及び充実感を両立させて 分な風合いを有する人工皮革を得ることが 難であった。すなわち、溶剤系ウレタン樹 組成物を用いた場合には充填率25~50質量%で 分な柔軟性を得ることが可能であるのに対 、水系ウレタン樹脂組成物を用いた場合に 充填率を大幅に下げる必要があった。
これまでにも、ウレタン樹脂のマイグレー
ョンを防止する方法についての検討はなさ
ている。例えば、下記特許文献1には、感熱
ゲル化剤を添加して感熱凝固性を付与した合
成樹脂エマルジョンを用い、これを熱水中で
凝固する方法が記載されている。また、下記
特許文献2には、アニオン性界面活性剤で乳
したカルボキシル基を有するウレタン樹脂
性乳化物にノニオン性界面活性剤及び感熱
固剤を添加したポリウレタンエマルジョン
合液を基布に含浸又は塗布した後に、熱風
は熱水で加熱し感熱凝固する方法が記載さ
ている。更に、下記特許文献3には、強制乳
されたポリウレタンエマルジョンに無機塩
を溶解した処理液を基布に付与し加熱乾燥
る方法が記載されている。また、下記特許
献4には、感熱凝固温度が40~90℃である水系
レタン樹脂と、末端に疎水基を含有し分子
中にウレタン結合を含有する会合型増粘剤
からなる水系ウレタン樹脂組成物を、基布
含浸又は塗布した後に、感熱凝固させる方
が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、マ イグレーション防止の効果は得られるものの 、樹脂組成物の一部が凝固浴中に流出した後 に凝固し、この凝固物が処理布の表面に再付 着するという問題があるため、人工皮革とし ての風合いが損なわれてしまう場合がある。
特許文献2に記載の方法では、感熱凝固を 熱風乾燥によって行う場合は、被膜化した樹 脂内部に多孔質層は形成されず、樹脂付着量 が増加するにつれて風合いが硬くなる傾向に ある。一方、感熱凝固に熱水を用いると、ウ レタン樹脂がアニオン性であるため熱水に溶 解しやすく、十分な付着量が得られないとい う問題が生じやすくなる。なお、感熱凝固性 促進剤である無機塩(特に2価以上の金属塩)を 添加することによりウレタン樹脂を塩析させ 、基布への樹脂付着量を上げるという方法が 考えられるが、ウレタン樹脂がアニオン性で あるため樹脂組成物の安定性が非常に悪くな るという配合上の問題がある。
特許文献3に記載の方法では、無機塩類を 多量に使用するため、加工後のウレタン樹脂 中に無機塩類が残留し、樹脂の強度を大きく 低下させるという問題がある。樹脂強度が低 いと、染色時などの強い揉み効果により樹脂 が脱落する可能性が高くなる。またこの場合 、十分な弾力性を有する人工皮革が得られに くくなる。
特許文献4に記載の方法では、添加する会 合型増粘剤がウレタン樹脂のマイグレーショ ン防止能を有するものの、会合型増粘剤によ り粗大化したウレタン樹脂粗粒子は繊維中に 入っていけず、基布表面に付着している状態 でしかないため、染色時又は水洗時に樹脂が 会合型増粘剤とともに容易に脱落するという 問題がある。
このように、溶剤系ウレタン樹脂組成物 用いる場合と同程度の風合い及び弾力性を する人工皮革を製造することのできる水系 レタン樹脂組成物は未だ提供されていない が実情である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であり、マイグレーションの防止性及び樹 強度に優れ、十分な風合い及び弾力性を有 る人工皮革を水系で製造することができる 工皮革用水系ウレタン樹脂組成物、それを いた人工皮革の製造方法、及び人工皮革を 供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく 工皮革用水系ウレタン樹脂組成物について 意検討した結果、感熱凝固型水系ウレタン 脂と、特定の水溶性アクリル系重合物とを む水系ウレタン樹脂組成物が、系の粘性を めなくても、マイグレーション防止能に優 るとともに十分な機械的強度を有する樹脂 が形成可能であり、この水系ウレタン樹脂 成物を用いることにより、十分な柔軟性及 充実感を有し、弾力性に優れる人工皮革を 造することができることを見出し、本発明 完成するに至った。
すなわち、本発明は、基布に水系ウレタン
脂組成物を含浸又は塗布して人工皮革を得
方法において使用される水系ウレタン樹脂
成物であって、感熱凝固温度が40~90℃であ
感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ)と水溶性ア
クリル系重合物(ロ)とを含有し、水溶性アク
ル系重合物(ロ)が、下記(1)、(2)及び(3)の重
体のうちの少なくとも1種であることを特徴
する人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物を
供する。
(1)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸
からなる群より選択される少なくとも1種の
ノマーの重合物、当該重合物のアルカリ金
及び/又はアミン塩。
(2)ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸、そのアル
リ金属及び/又はアミン塩。
(3)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸
のアルカリ金属塩、マレイン酸のアルカリ金
属塩、アクリル酸のアミン塩、メタクリル酸
のアミン塩及びマレイン酸のアミン塩からな
る群より選択される少なくとも1種のモノマ
と、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸並びにそ
アルカリ金属及び/又はアミン塩からなる群
より選択される少なくとも1種と、をラジカ
重合させて得られる重合物、当該重合物の
ルカリ金属及び/又はアミン塩。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物によれば、上記構成を有することにより 人工皮革を製造する際のマイグレーション 十分防止することができ、十分な風合い及 弾力性を有する人工皮革を水系で製造する とが可能となる。本発明の水系ウレタン樹 組成物によりこのような効果が得られる理 は必ずしも明らかでないが、上記特定の水 性アクリル系重合物(ロ)の存在によって、 維中に均一に浸透した感熱凝固型水系ウレ ン樹脂(イ)が、加熱時にマイグレーションす ることなく効果的に凝固すると考えられ、こ れにより、従来よりもシャープな感熱凝固性 を発揮しつつ、形成される樹脂層の機械的強 度を十分なものにできることが要因の一つで あると本発明者らは考えている。
また、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物は、静置安定性に優れているとと に、凝固方法が熱風、温水、スチーム、赤 線、電磁波、高周波のいずれの手段による のであっても、十分な風合いを有する人工 革を得ることができることから、取扱い性 優れ、人工皮革の製造工程の自由度を高め ことが可能であるものといえる。
また本発明は、基布に、本発明の人工皮 用水系ウレタン樹脂組成物を含浸又は塗布 る工程を有する人工皮革の製造方法を提供 る。
本発明の人工皮革の製造方法によれば、 発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物 用いることにより、十分な風合い及び弾力 を有する人工皮革を水系で製造することが きる。
さらに本発明は、本発明の人工皮革の製 方法により得られる人工皮革を提供する。
本発明の人工皮革は、本発明の人工皮革 製造方法により得られるものであることに り、水系で製造されながらも、十分な風合 及び弾力性を有することができる。
本発明によれば、マイグレーションの防 性及び樹脂強度に優れ、十分な風合い及び 力性を有する人工皮革を水系で製造するこ ができる人工皮革用水系ウレタン樹脂組成 、それを用いた人工皮革の製造方法、及び 工皮革を提供することができる。よって、 発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物 びそれを用いた人工皮革の製造方法によれ 、溶剤系ウレタン樹脂組成物を用いて得ら る人工皮革と同程度の風合い及び弾力性を する人工皮革を水系で製造することができ 。
<人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物>
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組成
は、基布に含浸する含浸液又は塗布する塗
液として用いることができ、感熱凝固型水
ウレタン樹脂(イ)及び水溶性アクリル系重
物(ロ)は、(I)予め混合されてもよく、(II)含
液又は塗布液に別々に投与され、そこで混
されてもよい。本明細書においては、(I)、(I
I)の態様に関わらず、感熱凝固型水系ウレタ
樹脂(イ)及び水溶性アクリル系重合物(ロ)が
含まれている混合物を水系ウレタン樹脂組成
物と称する。
(感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ))
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組成
は、感熱凝固温度が40~90℃である感熱凝固
水系ウレタン樹脂を含むことが必要である
なお、本発明において、「感熱凝固型水系
レタン樹脂」とは、水系ウレタン樹脂を含
樹脂液が温度の上昇により不可逆的に増粘
凝固する性質を有する、すなわち、「感熱
固温度」を有するものをいい、この「感熱
固温度」とは、樹脂液が流動性を失い凝固
た時の樹脂液温度をいう。また、「水系ウ
タン樹脂」とは、有機溶剤ではなく水に、
化・分散したウレタン樹脂を意味する。
感熱凝固性のない水系ウレタン樹脂では 基布に樹脂組成物を含浸又は塗布した処理 を加熱乾燥する際に、ウレタン樹脂の基布 面へのマイグレーションを十分に防止する とができず、処理布の表面に樹脂が偏在す ことで処理布が粗硬となり、十分な風合い び弾力性を有する人工皮革を水系で製造す ことができない。
本発明で用いる感熱凝固型水系ウレタン 脂の感熱凝固温度は、40~90℃であることが 要であるが、45~80℃が好ましい。感熱凝固温 度が40℃未満であると、水系ウレタン樹脂が 管時(特に夏場)にゲル化する可能性がある め、保管温度に十分な注意が必要となる。 方、感熱凝固温度が90℃を超えると、マイグ レーションを起こしやすくなる傾向にあり、 人工皮革の風合いが粗硬となる。
本発明で用いる感熱凝固型水系ウレタン 脂は、感熱凝固性を有する水系ウレタン樹 であれば、特に組成、構造上の限定を受け ことなく使用することができる。上記感熱 固温度以外に好ましい条件としては、ウレ ン樹脂の軟化温度が挙げられる。本発明で いる感熱凝固型水系ウレタン樹脂の軟化温 は100℃以上であることが好ましく、120~240℃ であることがより好ましい。軟化温度が100℃ 未満のウレタン樹脂は、水、溶剤、酸、アル カリ、湿熱、光等により劣化しやすくなるた め好ましくない。
本発明で用いる感熱凝固型水系ウレタン 脂としては、(a)ポリオールと、(b)ポリイソ アネートと、場合により(c)2個以上の活性水 素原子を有する低分子鎖伸長剤と、を反応さ せて得られるイソシアネート基末端プレポリ マーを、HLB7~16の非イオン界面活性剤を用い 水に強制的に転相乳化、分散させた後、(d) ミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポ リアミン化合物で鎖伸長反応して得られるも のが挙げられる。なお、HLBはGriffinの式によ 算出される値をいう。
(a)ポリオールとしては、例えば、2個以上 のヒドロキシル基を有するポリエステルポリ オール、ポリカーボネートポリオール及びポ リエーテルポリオールなどが挙げられる。ポ リエステルポリオールとしては、例えば、ポ リエチレンアジペート、ポリブチレンアジペ ート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポ リヘキサメチレンイソフタレートアジペート 、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレン サクシネート、ポリエチレンセバケート、ポ リブチレンセバケート、ポリ-ε-カプロラク ンジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレン) ジペート、1,6-ヘキサンジオールとダイマー の重縮合物、1,6-ヘキサンジオールとアジピ ン酸とダイマー酸の共重縮合物、ノナンジオ ールとダイマー酸の重縮合物、エチレングリ コールとアジピン酸とダイマー酸の共重縮合 物等が挙げられる。ポリカーボネートポリオ ールとしては、例えば、ポリテトラメチレン カーボネートジオール、ポリヘキサメチレン カーボネートジオール、ポリ-1,4-シクロヘキ ンジメチレンカーボネートジオール等が挙 られる。ポリエーテルポリオールとしては 例えば、分子量200~6,000のポリエチレングリ ール、ポリプロピレングリコール、ポリテ ラメチレングリコールの単独重合体、ブロ ク共重合体及びランダム共重合体、エチレ オキシドとプロピレンオキシド、エチレン キシドとブチレンオキシドのランダム共重 体やブロック共重合体等が挙げられる。更 、(a)ポリオールとして、エーテル結合とエ テル結合とを有するポリエーテルエステル リオール等を用いることができる。これら ポリオールは、1種を単独で又は2種以上を み合わせて用いることができる。
(b)ポリイソシアネートとしては、特に制 はなく、2個以上のイソシアネート基を有す る芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイ ソシアネート及び脂環式ポリイソシアネート を使用することができ、例えば、ヘキサメチ レンジイソシアネート、トリメチルヘキサメ チレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソ シアネート化合物、イソホロンジイソシアネ ート、水添キシリレンジイソシアネート、ジ シクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノ ルボルナンジイソシアネート、1,3-ビス(イソ アナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式ポ リイソシアネート、トリレンジイソシアネー ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ フタレンジイソシアネート、トリジンジイソ シアネート、キシリレンジイソシアネート、 テトラメチルキシリレンジイソシアネート等 の芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる 。これらのポリイソシアネート化合物は、1 を単独で又は2種以上を組み合わせて用いる とができる。
上記のポリイソシアネート化合物の中で 、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポ イソシアネート化合物が無黄変性の被膜を える理由から好ましく、例えば、ヘキサメ レンジイソシアネート、イソホロンジイソ アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ アネート、ノルボルナンジイソシアネート び1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ ンを好適に用いることができる。これらの でも、ジシクロヘキシルメタンジイソシア ートは、耐光性、耐熱性に優れるため好適 ある。
(c)2個以上の活性水素原子を有する低分子 鎖伸長剤は、必要に応じて使用することがで きるものである。かかる低分子鎖伸長剤とし ては、例えば、エチレングリコール、プロピ レングリコール、ネオペンチルグリコール、 1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、 リメチロールプロパン、ペンタエリスリト ル、ソルビトール等の低分子量多価アルコ ル、エチレンジアミン、プロピレンジアミ 、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシク ヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピ ラジン、イソホロンジアミン、ジエチレン リアミン、トリエチレンテトラミン等の低 子量ポリアミン等が挙げられる。これらの 分子鎖伸長剤は、1種を単独で又は2種以上を 組み合わせて用いることができる。
上記イソシアネート基末端プレポリマー 製造方法としては、特に制限はなく、ワン ョット法といわれる一段式のイソシアネー 重付加反応法や、多段式のイソシアネート 付加反応法等の従来公知の製造方法を用い ことができる。このときの反応温度は、40~1 50℃であることが好ましい。また、反応液に 、必要に応じ、ジブチル錫ジラウレート、 タナスオクトエート、ジブチル錫-2-エチル キサノエート、トリエチルアミン、トリエ レンジアミン、N-メチルモルホリン等の反 触媒を添加することができる。また、イソ アネート基末端プレポリマーを合成する反 液には、その反応中又は反応終了後に、イ シアネート基と反応しない有機溶剤を加え ことができる。有機溶剤としては、例えば アセトン、メチルエチルケトン、トルエン テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ ホルムアミド、N-メチルピロリドン等が挙げ られる。ただし、鎖伸長反応を終えたのちに は、減圧蒸留等により有機溶剤を除去するこ とが好ましいことから、アセトン、メチルエ チルケトン、テトラヒドロフランが好適であ る。
本実施形態において、イソシアネート末 プレポリマーを水に分散させる際には、HLB7 ~16の非イオン界面活性剤、好ましくはHLB9~15 非イオン界面活性剤を用いる。なお、ここ いうHLBとは、非イオン界面活性剤全体のHLB あり、複数の非イオン界面活性剤を使用し 場合はその加重平均を指す。使用する非イ ン界面活性剤のHLBが7未満であると、乳化分 物が安定したものとならず、非イオン界面 性剤のHLBが16を超えると、水系ウレタン樹 組成物を基布に含浸又は塗布後、温水に浸 した場合、ウレタン樹脂分散物が溶出する それがある。
イソシアネート末端プレポリマーを水に 散させるために用いる非イオン界面活性剤 しては、HLB7~16の範囲であれば従来慣用の多 くの非イオン界面活性剤を用いることが可能 であるが、例えば、ポリオキシエチレンジス チリルフェニルエーテル型非イオン界面活性 剤、ポリオキシエチレンオキシプロピレンジ スチリルフェニルエーテル型非イオン界面活 性剤、ポリオキシエチレントリスチリルフェ ニルエーテル型非イオン界面活性剤、ポリオ キシエチレンオキシプロピレントリスチリル フェニルエーテル型非イオン界面活性剤、ポ リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ キシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ シエチレンオレイルエーテル等のポリオキシ エチレン長鎖アルキルエーテル類;ポリオキ エチレンソルビトールテトラオレエート等 あるいはポリオキシプロピレン・ポリオキ エチレングリコールのブロックあるいはラ ダムポリマー、ポリアミンのポリオキシプ ピレン・ポリオキシエチレン付加物等が挙 られる。
特に、下記構造式(I)で表される骨格を有 る非イオン界面活性剤を使用することが好 しい。
(R-) n
Ph-O(AO) m
H …(I)
R:炭素数1~9のアルキル基、アリール基ある
いはアリールアルキル基
n:1~3の整数
Ph:フェニル環残基
AO:オキシエチレン及び/又はオキシプロピ
ン
m:AO付加モル数
上述した非イオン界面活性剤は、1種を単 独で又は2種以上を組み合わせて用いること できる。
非イオン界面活性剤の使用量は、特に制 はないが、イソシアネート末端プレポリマ に対して0.5~10質量%であることが好ましく、 1~6質量%であることがより好ましい。非イオ 界面活性剤の使用量がイソシアネート末端 レポリマーに対して0.5質量%未満であると、 定な乳化分散状態を得ることが困難となる 非イオン界面活性剤の使用量がイソシアネ ト末端プレポリマーに対して10質量%を超え と、得られるウレタン樹脂被膜が耐水性に ったものとなり、染色時又は水洗時に容易 脱落するおそれがある。
イソシアネート基末端プレポリマーを水 転相乳化、分散させる際には、機械的剪断 を用いることができる。機械的剪断力を与 る手段としては、特に制限はなく、例えば ホモミキサー、ホモジナイザー等の乳化機 を用いることができる。イソシアネート基 端プレポリマーは、5℃~40℃の温度範囲で水 に乳化分散させ、イソシアネート基と水、又 は非イオン界面活性剤との反応を極力抑える ことが好ましい。更に、イソシアネート基末 端プレポリマーを水に転相乳化、分散させる 際には、必要に応じて、リン酸、リン酸二水 素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、パ ラトルエンスルホン酸、アジピン酸、塩化ベ ンゾイル等の反応抑制剤を添加することがで きる。
イソシアネート基末端プレポリマーを水 転相乳化、分散させた後、(d)アミノ基及び/ 又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化 物を用いて鎖伸長反応させることにより、 レタン樹脂水分散物が得られる。
(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上 するポリアミン化合物としては、例えば、 チレンジアミン、プロピレンジアミン、テ ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア ン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペ ジン、ヒドラジン、2-メチルピペラジン、イ ソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、 ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミ ン、キシリレンジアミン等のジアミンや、ジ エチレントリアミン、トリエチレンテトラミ ン、テトラエチレンペンタミン、イミノビス プロピルアミン、トリス(2-アミノエチル)ア ン等のポリアミン、ジ第一級アミン及びモ カルボン酸から誘導されるアミドアミン、 第一級アミンのモノケチミン等の水溶性ア ン誘導体、シュウ酸ジヒドラジド、マロン ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グ タル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラ ド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸 ヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタ ン酸ジヒドラジド、1,1’-エチレンヒドラジ 、1,1’-トリメチレンヒドラジン、1,1’-(1,4- ブチレン)ジヒドラジン等のヒドラジン誘導 が挙げられる。これらのポリアミン化合物 びアミン誘導体は、1種を単独で又は2種以上 を組み合わせて用いることができる。
イソシアネート基末端プレポリマーの鎖 長反応は、イソシアネート基末端プレポリ ーの乳化分散物に(d)ポリアミン化合物を添 して、或いは、(d)ポリアミン化合物にプレ リマーの乳化分散物を添加して行うことが きる。鎖伸長反応は、反応温度20~40℃で行 ことが好ましい。イソシアネート基末端プ ポリマー合成時に有機溶剤を使用した場合 は、鎖伸長反応を終えたのち、減圧蒸留等 より有機溶剤を除去することが好ましい。
上記鎖伸長反応を経て、有機溶剤を使用 た場合は上記の有機溶剤を除去する工程を に経て、固形分が約10~60質量%、好ましくは1 5~50質量%の実質的に無溶剤の水分散体である 熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ)が得られる
本発明で用いる感熱凝固型水系ウレタン 脂(イ)は、水溶性アクリル系重合物(ロ)との 組み合わせにより、シャープな感熱凝固性を 発揮するが、乾燥時のマイグレーションを防 止する観点から、平均粒子径が少なくとも0.1 μm以上であることが好ましい。感熱凝固型水 系ウレタン樹脂の平均粒子径が0.1μm未満であ ると、マイグレーション防止性が低下する傾 向にある。更に、感熱凝固型水系ウレタン樹 脂の平均粒子径は0.15~5μmであることがより好 ましい。感熱凝固型水系ウレタン樹脂の平均 粒子径が5μm以上であると、水系ウレタン樹 の安定性が低下する傾向にある。なお、こ でいう平均粒子径とは、レーザ回折/散乱式 度分布測定装置である「LA-920」((株)堀場製 所製)を用いて体積基準で測定した場合のメ ジアン径を指す。
(水溶性アクリル系重合物(ロ))
本発明で用いる水溶性アクリル系重合物(ロ
)は、下記(1)、(2)及び(3)の重合体のうちの少
くとも1種である。
(1)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸
からなる群より選択される少なくとも1種の
ノマーの重合物、当該重合物のアルカリ金
及び/又はアミン塩。
(2)ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸、そのアル
リ金属及び/又はアミン塩。
(3)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸
のアルカリ金属塩、マレイン酸のアルカリ金
属塩、アクリル酸のアミン塩、メタクリル酸
のアミン塩及びマレイン酸のアミン塩からな
る群より選択される少なくとも1種のモノマ
と、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸並びにそ
アルカリ金属及び/又はアミン塩からなる群
より選択される少なくとも1種と、をラジカ
重合させて得られる重合物、当該重合物の
ルカリ金属及び/又はアミン塩。
上記の水溶性アクリル系重合物を感熱凝 型水系ウレタン樹脂(イ)とともに必須成分 して含む本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物によれば、基布に含浸又は塗布し 加熱乾燥するときに、感熱凝固型水系ウレ ン樹脂が従来よりもシャープな感熱凝固性 発現することができ、溶剤系ウレタン樹脂 成物を用いて得られる人工皮革と同程度の 合い、特には充実感、柔軟性及び腰のある 合いを有する人工皮革を水系で製造するこ ができる。
水溶性アクリル系重合物に代えて水溶性 ないアクリル系重合物を用いた場合、感熱 固型水系ウレタン樹脂との相溶性が悪くな 、不均一系となるため本願発明の効果を得 ことができなくなる。
(1)に挙げた重合物のうちの、アクリル酸 メタクリル酸及びマレイン酸からなる群よ 選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合物 は、ラジカル重合により得ることができる。 また、重合物のアルカリ金属及び/又はアミ 塩は、上記モノマーのアルカリ金属塩及び 記モノマーのアミン塩のうちの1種以上のモ マーをラジカル重合する、又は、アクリル 、メタクリル酸及びマレイン酸からなる群 り選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合 物のカルボキシル基の一部又は全部を、アル カリ金属及び/又はアミンによって中和する とにより得ることができる。ラジカル重合 は、本発明の効果を損なわない範囲におい 、上記のモノマーの他に、他のモノマーを 重合させることができる。共重合可能なモ マーとしては、例えば、フマル酸、イタコ 酸、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、 クリルアミド、アクリル酸エステル、メタ リル酸エステル等を挙げることができる。
重合物のアルカリ金属塩としては、例え 、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩 が挙げられる。また、重合物のアミン塩と ては、例えば、アンモニウム塩、トリエチ アミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミ 塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノー アミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙 られる。重合物の塩には、上記の塩のうち 2種以上が含まれていてもよい。
なお、重合物の塩がアルカリ土類金属塩或 は重金属塩(例えば、Fe 2+ 、Fe 3+ 等)の様な多価イオンの塩の場合、不溶性の が感熱凝固したウレタン樹脂被膜中に残留 、人工皮革の品位を損なう可能性及び樹脂 度を低下させる可能性があるため、好まし ない。
(1)に挙げた重合物の重量平均分子量は、5 00~1,000,000であることが好ましく、1,000~150,000 あることがより好ましい。重合物の重量平 分子量が500未満であると、マイグレーショ 防止効果が十分に得られにくくなる傾向に る。重合物の重量平均分子量が1,000,000を超 ると、ウレタン樹脂被膜が耐水性と耐アル リ性に劣ったものとなり、染色時又は水洗 に容易に脱落するおそれがある。
(2)に挙げた重合物、すなわち、ポリ-α-ヒ ドロキシアクリル酸、そのアルカリ金属及び /又はアミン塩は、例えば、下記式(II)で表わ れるポリ-α-ヒドロキシアクリル酸に対応す るポリラクトン化合物を加水分解することに より、製造することができる。
また、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸は、 高分子量のポリ-α-ヒドロキシアクリル酸、 リ-α-ヒドロキシアクリレート等の酸化解重 によっても製造することができる。ポリ-α- ヒドロキシアクリル酸のアルカリ金属及び/ はアミン塩は、高分子量のポリ-α-ヒドロキ アクリル酸やポリ-α-ヒドロキシアクリレー ト等の酸化解重合物を、アルカリ金属塩の水 酸化物、水溶性アミンによって中和すること によっても製造することができる。
重合物のアルカリ金属塩としては、例え 、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩 が挙げられる。また、重合物のアミン塩と ては、例えば、アンモニウム塩、トリエチ アミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミ 塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノー アミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙 られる。これらの塩は、例えば、水酸化ナ リウム水溶液、トリエチルアミン、トリエ ノールアミンなどを用いて、上記式(II)で表 わされるポリ-α-ヒドロキシアクリル酸に対 するポリラクトン化合物を加水分解するこ により得ることができる。重合物の塩には 上記の塩のうちの2種以上が含まれていても い。
なお、重合物の塩がアルカリ土類金属塩或 は重金属塩(例えば、Fe 2+ 、Fe 3+ 等)の様な多価イオンの塩の場合、不溶性の が感熱凝固したウレタン樹脂被膜中に残留 、人工皮革の品位を損なう可能性及び樹脂 度を低下させる可能性があるため、好まし ない。
(2)に挙げた重合物の重量平均分子量は、5 00~1,000,000であることが好ましく、1,000~150,000 あることがより好ましい。重合物の重量平 分子量が500未満であると、マイグレーショ 防止効果が十分に得られにくくなる傾向に る。重合物の重量平均分子量が1,000,000を超 ると、ウレタン樹脂被膜が耐水性と耐アル リ性に劣ったものとなり、染色時又は水洗 に容易に脱落するおそれがある。
(3)に挙げた重合物、すなわち、アクリル 、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸 アルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ 属塩、マレイン酸のアルカリ金属塩、アク ル酸のアミン塩、メタクリル酸のアミン塩 びマレイン酸のアミン塩からなる群より選 される少なくとも1種のモノマーと、ポリ-α -ヒドロキシアクリル酸並びにそのアルカリ 属及び/又はアミン塩からなる群より選択さ る少なくとも1種と、をラジカル重合させて 得られる重合物、当該重合物のアルカリ金属 及び/又はアミン塩は、ポリ-α-ヒドロキシア リル酸又はその塩を含む水溶液に、重合さ るモノマーを混合し、さらにラジカル重合 始剤を添加して50~90℃で2~10時間加熱して反 させる方法や、ポリ-α-ヒドロキシアクリル 酸又はその塩を含む水溶液にラジカル重合開 始剤を加えた後、重合させるモノマーを滴下 し、50~90℃で2~10時間加熱する方法等により得 ることができる。このとき、ポリ-α-ヒドロ シアクリル酸又はその塩を含む水溶液に、 タノール、エタノール、イソプロピルアル ール等のアルコール類やアセトン等の水混 性溶剤を添加することができる。使用する ジカル重合開始剤としては、特に制限はな 、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過 酸塩と重亜硫酸ナトリウム等を組み合わせ レドックス系開始剤、過酸化水素、水溶性 ゾ系開始剤等が挙げられる。これらのラジ ル重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を 組み合わせて用いることができる。ラジカル 重合開始剤の使用量は、ポリ-α-ヒドロキシ クリル酸及び/又はその塩とラジカル重合さ るモノマーの合計100質量部に対して、0.1~1.0 質量部であることが好ましい。また、ラジカ ル重合の際には、チオグリコール酸オクチル 等の連鎖移動剤を添加して、重合度を調整す ることができる。アクリル酸、メタクリル酸 及びマレイン酸のアルカリ金属塩としては、 例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウ ム塩等が挙げられる。また、アクリル酸、メ タクリル酸及びマレイン酸のアミン塩として は、例えば、アンモニウム塩、トリエチルア ミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミン塩 、モノエタノールアミン塩、ジエタノールア ミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げら れる。また、上記重合物がカルボキシル基を 有するものである場合、そのカルボキシル基 の一部又は全部を、アルカリ金属及び/又は ミンによって中和することにより、上記重 物のアルカリ金属及び又はアミン塩を得る とができる。アルカリ金属としては、例え 、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙 られる。また、アミンとしては、例えば、 ンモニウム、トリエチルアミン、ブチルア ン、ジブチルアミン、モノエタノールアミ 、ジエタノールアミン、トリエタノールア ン等が挙げられる。
なお、アクリル酸、メタクリル酸、マレ ン酸、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタ リル酸のアルカリ金属塩、マレイン酸のア カリ金属塩、アクリル酸のアミン塩、メタ リル酸のアミン塩及びマレイン酸のアミン からなる群より選択される少なくとも1種の モノマーと、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸 びにそのアルカリ金属及び/又はアミン塩か なる群より選択される少なくとも1種との重 合はグラフト重合によるものと本発明者らは 考えている。ラジカル重合には、本発明の効 果を損なわない範囲において、上記のモノマ ーの他に、他のモノマーを共重合させること ができる。共重合可能なモノマーとしては、 例えば、フマル酸、イタコン酸、エチレン、 塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルアミド、 アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル 等を挙げることができる。
(3)に挙げた重合物の重量平均分子量は、5 00~1,000,000であることが好ましく、1,000~150,000 あることがより好ましい。重合物の重量平 分子量が500未満であると、マイグレーショ 防止効果が十分に得られにくくなる傾向に る。重合物の重量平均分子量が1,000,000を超 ると、ウレタン樹脂被膜が耐水性と耐アル リ性に劣るものとなり、染色時又は水洗時 容易に脱落するおそれがある。
上記(2)及び(3)の重合体は、そのままで、 は、水、若しくは水と低級アルコール、ア トン等の水混和性溶媒との混合溶媒に溶解 た溶液で、感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ )を含むウレタン樹脂水分散液に混合して用 ることができる。上記(2)及び(3)の重合体は 感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ)の鎖伸長基 であるアミノ基若しくはイミノ基と強い親和 性を有するため、感熱凝固型水系ウレタン樹 脂との相溶性が良好であり、水溶性アクリル 系重合物(ロ)として好適に使用することがで る。
水溶性アクリル系重合物(ロ)は、市販品 用いることができる。市販品としては、例 ば、日本触媒(株)製のアクアリックDL,TL,HL、 本純薬(株)製のジュリマーAC-10NP、東亞合成( 株)製のアロンA-210,T-50,A-10SL,A-30SL,A-20UN,A-20L,A-6 520、チバ・ジャパン(株)製のBELCLENE 200LA等が げられる。
水溶性アクリル系重合物(ロ)の配合量は 固形分比で、感熱凝固型水系ウレタン樹脂( )100質量部に対して水溶性アクリル系重合物 (ロ)が0.1~40質量部であることが好ましく、0.5~ 20質量部であることがより好ましい。水溶性 クリル系重合物(ロ)の配合量が、感熱凝固 水系ウレタン樹脂(イ)100質量部に対して0.1質 量部未満であると、水系ウレタン樹脂組成物 のマイグレーション防止効果が十分に得られ にくくなる傾向にある。一方、水溶性アクリ ル系重合物(ロ)の配合量が、感熱凝固型水系 レタン樹脂(イ)100質量部に対して40質量部を 超えると、ウレタン樹脂被膜の耐水性が低下 するとともに、人工皮革の風合いが硬くなる 傾向にある。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物は、上述した感熱凝固型水系ウレタン樹 (イ)と、水溶性アクリル系重合物(ロ)とを、 感熱凝固型水系ウレタン樹脂の感熱凝固温度 より十分に低い温度で均一混合することによ り調製することができる。また、本発明の人 工皮革用水系ウレタン樹脂組成物は、感熱凝 固型水系ウレタン樹脂(イ)の製造過程で、水 性アクリル系重合物(ロ)を添加配合するこ によっても調製することができる。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物には、感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ) び水溶性アクリル系重合物(ロ)以外に、本発 明の効果を損なわない範囲において、その他 の水系分散体や水分散液として、例えば、酢 酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系、アクリ ル系、アクリルスチレン系等のエマルジョン ;スチレン・ブタジエン系、アクリロニトリ ・ブタジエン系、アクリル・ブタジエン系 のラテックス;ポリエチレン系、ポリオレフ ン系等のアイオノマー;ポリウレタン、ポリ エステル、ポリアミド、エポキシ系樹脂等の 各種水系分散体、水分散液を添加することが できる。これらは、1種を単独で又は2種以上 組み合わせて用いることができる。また、 れらの水系分散体や水分散液は、感熱凝固 水系ウレタン樹脂(イ)及び/又は水溶性アク ル系重合物(ロ)に添加してもよく、感熱凝 型水系ウレタン樹脂(イ)及び水溶性アクリル 系重合物(ロ)が含まれる水系ウレタン樹脂組 物に添加してもよい。
また、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物には、本発明の効果を損なわない 囲において、スチームを効率よく取り込む めの吸湿剤として、例えば、尿素、蛋白、 リセリン、ポリオキシエチレン非イオン界 活性剤を添加することができる。これらは 1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用 ることがきる。また、これらの吸湿剤は、 熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ)及び/又は水 性アクリル系重合物(ロ)に添加してもよく、 感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ)及び水溶性 クリル系重合物(ロ)が含まれる水系ウレタ 樹脂組成物に添加してもよい。
また、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物には、本発明の効果を損なわない 囲において、感熱凝固型水系ウレタン樹脂( イ)の感熱凝固温度を低くする目的で、例え 、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウム;塩酸 硝酸、硫酸、リン酸のアンモニウム塩、ナ リウム、カリウム、カルシウム、マグネシ ム、亜鉛、バリウム、ニッケル、スズ、鉛 鉄及びアルミニウム等の多価金属塩;会合型 増粘剤類、アルカリ増粘型ポリマー類、ポリ エーテルチオエーテルグリコール類、ポリエ ーテル変性ポリジメチルシロキサン系化合物 ;アルキルフェノール-ホルマリン縮合物のア キレンオキサイド付加物等の感熱凝固剤を 加することができる。これらは、1種を単独 で又は2種以上を組み合わせて用いることが きる。また、これらの感熱凝固剤は、感熱 固型水系ウレタン樹脂(イ)及び/又は水溶性 クリル系重合物(ロ)に添加してもよく、感熱 凝固型水系ウレタン樹脂(イ)及び水溶性アク ル系重合物(ロ)が含まれる水系ウレタン樹 組成物に添加してもよい。
また、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物には、造膜性を改良する目的でア キレングリコール誘導体、あるいは脂肪族 カルボン酸のジアルキルエステル、N-メチ ピロリドン等の造膜助剤を、また加工適性 改善する目的でフッ素系のレベリング剤、 アルキルスルホサクシネート系等の乳化剤 アセチレングリコール誘導体等の各種レベ ング剤、浸透剤等を配合しても構わない。 に、本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂 成物には、機械発泡による加工適性を付与 る目的で、ステアリン酸アンモニウム、高 脂肪酸の金属塩、ジアルキルスルホサクシ ート系乳化剤等の発泡剤を配合してもよい また、本発明の人工皮革用水系ウレタン樹 組成物には、配合液の発泡を抑制する目的 、鉱物油系、アマイド系、シリコーン系等 各種消泡剤あるいはエタノール、イソプロ ルアルコール等の少量のアルコール類を配 することも可能である。
更に、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物には、着色を目的として水溶性あ いは水分散性の各種無機、有機顔料を配合 ることができ、また、炭酸カルシウム、タ ク、水酸化アルミ、シリカ、ガラス繊維等 無機フィラーや、セルロースパウダー、プ テインパウダー、シルクパウダー、有機短 維等の有機フィラーを配合することもでき 。
また、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物には、上記水分散体の耐光性、耐 性、耐水性、耐溶剤性等の各種耐久性を改 する目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤、加 分解防止剤等の安定剤を配合することがで る。これらの安定剤は、水系ウレタン樹脂 製造工程中、若しくはその製造後に添加す こともできる。
また、本発明の人工皮革用水系ウレタン 脂組成物には、エポキシ樹脂、メラミン樹 、イソシアネート化合物、アジリジン化合 、ポリカルボジイミド化合物、オキサゾリ 化合物等の架橋剤を配合することができる
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物には、本発明の効果を損なわない範囲に いて、加工適性付与のために各種添加剤を 合することができる。このような添加剤と ては、例えば、アルコール系の非イオン界 活性剤、アセチレングリコール系の特殊界 活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル 、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アル ルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォ 酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム 、アルキルジフェニルエーテルスルフォン ナトリウム塩等のアニオン系乳化剤;ポリオ キシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエ チレンアルキルフェニル硫酸塩等のノニオン 非イオンアニオン系乳化剤、シリコーン系の 界面活性剤、フッ素系の界面活性剤の各種レ ベリング剤;酸化防止剤、耐光安定化剤、紫 線防止剤等の各種安定化剤;鉱物油系、シリ ーン系等の各種消泡剤;ウレタン化触媒、可 塑剤、顔料等の着色剤、可使時間延長剤等が 挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種 上を組み合わせて用いることができる。
上記の添加剤は、感熱凝固型水系ウレタ 樹脂(イ)の製造途中若しくは製造後に添加 る、又は、感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ) と水溶性アクリル系重合物(ロ)とを混合する きに一緒に添加配合されてもよく、人工皮 製造時の含浸液又は塗布液としての感熱凝 型水系ウレタン樹脂(イ)及び水溶性アクリ 系重合物(ロ)が含まれる水系ウレタン樹脂組 成物に添加してもよい。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物は、好ましくは樹脂固形分5~65質量%、よ 好ましくは10~60質量%に調整されて使用され 。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物は、常温での安定性に優れ、かつシャー な感熱凝固性を有するので、天然繊維、合 繊維、無機繊維等の紙、不織布、あるいは 織布等の各種基布に対して含浸する含浸液 は塗布する塗布液として用いることで、従 の溶剤系ウレタン樹脂組成物による加工に 敵する風合い、特に柔軟性及び充実感と腰 ある風合いを与えることができる。
本発明において基布への水系ウレタン樹 の付着量は、含浸の場合、基布100質量部に して固形分で5~100質量部が好ましく、塗布 場合、乾燥後の厚みが0.1~10mmとなることが好 ましい。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物により形成されるウレタン樹脂被膜は、 系ウレタン樹脂組成物を上記基布に含浸あ いは塗布等の方法により付与した後、水系 レタン樹脂組成物の感熱凝固温度以上に、 風、温水、スチーム、赤外線、電磁波、高 波等の加熱処理手段、又はこれらの組み合 せによる加熱処理手段によって加熱するこ により得られる。加熱温度は、感熱凝固温 の10℃以上であることが好ましく、繊維の 化温度未満であることが好ましい。また、 理時間は、基布の材質、厚み、樹脂組成物 含浸又は塗布量により異なるが、通常数秒~ 分間とすることができる。本発明の水系ウ タン樹脂組成物の上記特徴を最大限に発揮 せるには、スチーム、赤外線、電磁波によ 感熱凝固法を用いることが好ましく、基布 面からの乾燥を抑制する点からスチームに る飽和蒸気中での加熱が特に好ましい。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物により処理された加工布は、熱風、赤外 、電磁波、高周波などの任意の乾燥手段を いて乾燥させることができる。乾燥温度と ては、80℃以上が好ましい。乾燥温度が80℃ よりも低いと、水分が蒸発しにくく、水系ウ レタン樹脂の造膜性が不良になるおそれがあ る。また、乾燥温度は、繊維の脆化温度未満 であることが好ましい。
ウレタン樹脂で被覆された加工布は、更 染色することができる。例えば、基布がポ エステル繊維の場合には、分散染料を用い 125~135℃、30~90分間の条件で染色を行うこと できる。なお、染色された加工布は、アル リ剤、還元剤からなる還元洗浄処理浴にて 60~95℃、10~30分間還元洗浄し、その後、還元 洗浄された染色物中に残留したアルカリ剤の 中和、水洗、乾燥等の工程を経る。本発明の 人工皮革用水系ウレタン樹脂組成物により形 成されるウレタン樹脂は、基布がポリエステ ル繊維からなる場合の過酷な染色及びソーピ ング条件下においても容易に脱落することな く、人工皮革としての優れた品質を保つこと ができる。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物は、従来溶剤系ウレタン樹脂を使用して 造されていた各用途の人工皮革、例えば、 、鞄、衣料、椅子やソファ等の家具、車両 ートやハンドル等の自動車用内装材、透湿 水素材等に用いられる各種合成皮革を作製 るのに有用である。また、本発明の人工皮 用水系ウレタン樹脂組成物は、研磨材、フ ルトペンの芯材等の処理剤として有用であ 。
以下に本発明を実施例により説明するが、 発明は実施例のみに限定されるものではな 。なお、実施例中の「部」は「質量部」を す。また、下記の合成例1~11において、固形 分の比率(質量%)は、シャーレに試料溶液5gを り、105℃の乾燥機[タバイエスペック(株)、 ーフェクトオーブンPV-210中に3時間放置した 後に残った固形分を計量し、算出した。また 、下記の合成例7~11において、重量平均分子 は、ゲル・パーミエーション・クロマトグ フ[東ソー(株)、HLC-8020GPC]を用いて測定し、 リエチレングリコール換算により算出した なお、カラムにはTSKgel G5000PW[東ソー(株)]とG 3000PW[東ソー(株)]を併用し、リン酸緩衝液(0.02 5モル/LのNa 2 HPO 4 ・12H 2 O及び0.025モル/LのKH 2 PO 4 )を用い、流量を1.0mL/minとして溶出した。
[水系ウレタン樹脂の合成例]
合成例1(感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ))
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入
を付した四つ口フラスコに、1,6-ヘキサンジ
オールポリカーボネートポリオール(平均分
量1000)76.1部、ポリオキシエチレンポリプロ
レンランダム共重合グリコール(平均分子量1
000、オキシエチレン基含有70%)16.9部、1,4-ブタ
ンジオール1.5部、トリメチロールプロパン1.9
部、ジブチル錫ジラウレート0.001部及びメチ
エチルケトン60部を仕込み、均一に混合し
後、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ト40.4部を加え、75℃にて300分反応させ、固
分に対する遊離イソシアネート基含有量が1.
7質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチ
ケトン溶液を得た。この溶液を30℃以下に
却した後、デシルリン酸エステル0.1部及び
リオキシエチレントリスチリルフェニルエ
テル(HLB=15)6.0部を添加し、均一に混合した後
別容器に移し、水254部を徐々に加えて、ディ
スパー羽根を用いて転相乳化、分散させ、こ
れにピペラジン2.0部とジエチレントリアミン
0.8部を水11.3部に溶解したポリアミン水溶液
添加し、90分間撹拌してウレタン樹脂水分散
液を得た。得られたウレタン樹脂分散液を、
さらに減圧下35℃にて脱溶剤を行うことによ
、固形分35.0%、粘度50.0mPa・s(BM粘度計、1号
ーター、60rpm)、平均粒子径0.52μmの安定な感
凝固型水系ウレタン樹脂(以下、樹脂Aと称
る。)を得た。この水系ウレタン樹脂の感熱
固温度は45℃であり、それを乾燥した被膜
軟化温度は195℃であった。
合成例2(感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ))
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹込
管を付した四つ口フラスコに、ポリテトラ
チレングリコール(平均分子量1,000)76.1部、
リオキシエチレンオキシプロピレンランダ
共重合グリコール(平均分子量1,000、オキシ
チレン基含有量70質量%)16.9部、1,4-ブタンジ
ール1.5部、トリメチロールプロパン1.9部、
ブチル錫ジラウレート0.001部及びメチルエチ
ルケトン60.0部を仕込み、均一に混合した後
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート40
.4部を加え、75℃にて300分反応させ、不揮発
に対する遊離イソシアネート基含有量が1.7
量%のウレタンプレポリマーのメチルエチル
トン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却
、デシルリン酸エステル0.1部及びポリオキ
エチレントリスチリルフェニルエーテル(HLB1
5)6.0部を添加し、均一に混合した後、別の容
に移し、水254.0部を徐々に加えて、ディス
ー羽根を用いて転相乳化、分散させ、これ
ピペラジン2.0部とジエチレントリアミン0.8
を水11.3部に溶解したポリアミン溶液を添加
、90分間撹拌してウレタン樹脂分散液を得
。得られたウレタン樹脂分散液を、さらに
圧下に35℃にて脱溶剤を行うことにより、固
形分35.0質量%、粘度45mPa・s(BM粘度計、1号ロー
ター、30rpm)、平均粒子径0.34μmの安定な感熱
固型水系ウレタン樹脂(以下、樹脂Bと称する
。)を得た。この水系ウレタン樹脂の感熱凝
温度は60℃であり、それを乾燥した被膜の軟
化温度は185℃であった。
合成例3(感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ))
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入
を付した四つ口フラスコに、1,6-ヘキサンジ
オールポリカーボネートポリオール(平均分
量1000)76.1部、ポリオキシエチレンポリプロ
レンランダム共重合グリコール(平均分子量1
000、オキシエチレン基含有70%)16.9部、1,4-ブタ
ンジオール1.5部、トリメチロールプロパン1.9
部、ジブチル錫ジラウレート0.001部及びメチ
エチルケトン52.4部を仕込み、均一に混合し
た後、ヘキサンジイソシアネート25.9部を加
、75℃にて300分反応させ、固形分に対する遊
離イソシアネート基含有量が1.9質量%のウレ
ンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液
得た。この溶液を30℃以下に冷却した後、デ
シルリン酸エステル0.1部及びポリオキシエチ
レントリスチリルフェニルエーテル(HLB=15)6.0
を添加し、均一に混合した後別容器に移し
水254部を徐々に加えて、ディスパー羽根を
いて転相乳化、分散させ、これにピペラジ
2.0部とジエチレントリアミン0.8部を水11.3部
に溶解したポリアミン水溶液を添加し、90分
撹拌してウレタン樹脂水分散液を得た。更
、減圧下35℃にて脱溶剤を行い、固形分35.0%
、粘度60.0mPa・s(BM粘度計、1号ローター、60rpm)
、平均粒子径0.61μmの安定な感熱凝固型水系
レタン樹脂(以下、樹脂Cと称する。)を得た
この水系ウレタン樹脂の感熱凝固温度は62℃
であり、それを乾燥した被膜の軟化温度は130
℃であった。
合成例4(感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ))
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入
を付した四つ口フラスコに、1,6-ヘキサンジ
オールポリカーボネートポリオール(平均分
量1000)76.1部、ポリオキシエチレンポリプロ
レンランダム共重合グリコール(平均分子量1
000、オキシエチレン基含有70%)16.9部、1,4-ブタ
ンジオール1.5部、トリメチロールプロパン1.9
部、ジブチル錫ジラウレート0.001部及びメチ
エチルケトン60部を仕込み、均一に混合し
後、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ト40.4部を加え、75℃にて300分反応させ、固
分に対する遊離イソシアネート基含有量が1.
7質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチ
ケトン溶液を得た。この溶液を30℃以下に
却した後、デシルリン酸エステル0.1部及び
リオキシエチレントリスチリルフェニルエ
テル(HLB=15)6.0部を添加し、均一に混合した後
別容器に移し、水254部を徐々に加えて、ディ
スパー羽根を用いて転相乳化、分散させ、こ
れにピペラジン2.0部とジエチレントリアミン
0.8部を水11.3部に溶解したポリアミン水溶液
添加し、90分間撹拌してポリウレタン水分散
液を得た。更に、減圧下35℃にて脱溶剤を行
た後、ビクセンAG-25(日華化学(株)製、アニ
ン界面活性剤)を1質量%添加し、固形分35.0%、
粘度50.0mPa・s(BM粘度計、1号ローター、60rpm)、
平均粒子径0.52μmの安定な感熱凝固型水系ウ
タン樹脂(以下、樹脂Dと称する。)を得た。
の水系ウレタン樹脂の感熱凝固温度は80℃で
あり、それを乾燥した被膜の軟化温度は195℃
であった。
合成例5(感熱凝固型水系ウレタン樹脂(イ))
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入
を付した四つ口フラスコに、1,6-ヘキサンジ
オールポリカーボネートポリオール(平均分
量1000)76.1部、ポリオキシエチレンポリプロ
レンランダム共重合グリコール(平均分子量1
000、オキシエチレン基含有70質量%)16.9部、1,4-
ブタンジオール1.5部、トリメチロールプロパ
ン1.9部、ジブチル錫ジラウレート0.001部及び
チルエチルケトン60部を仕込み、均一に混
した後、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
ネート40.4部を加え、75℃にて300分反応させ
固形分に対する遊離イソシアネート基含有
が1.7%のウレタンプレポリマーのメチルエチ
ケトン溶液を得た。この溶液を30℃以下に
却した後、デシルリン酸エステル0.1部及び
リオキシエチレントリスチリルフェニルエ
テル(HLB=15)12.0部を添加し、均一に混合した
別容器に移し、水254部を徐々に加えて、デ
スパー羽根を用いて転相乳化、分散させ、
れにピペラジン2.0部とジエチレントリアミ
0.8部を水11.3部に溶解したポリアミン水溶液
添加し、90分間撹拌してポリウレタン水分
液を得た。更に、減圧下35℃にて脱溶剤を行
い、固形分35.0%、粘度70.0mPa・s(BM粘度計、1号
ーター、60rpm)、平均粒子径0.18μmの安定な感
熱凝固型水系ウレタン樹脂(以下、樹脂Eと称
る。)を得た。この水系ウレタン樹脂の感熱
凝固温度は48℃であり、それを乾燥した被膜
軟化温度は190℃であった。
合成例6(非感熱凝固型水系ウレタン樹脂)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入
を付した四つ口フラスコに、1,6-ヘキサンジ
オールポリカーボネートポリオール(平均分
量1000)76.1部、ポリオキシエチレンポリプロ
レンランダム共重合グリコール(平均分子量1
000、オキシエチレン基含有70質量%)16.9部、1,4-
ブタンジオール1.5部、トリメチロールプロパ
ン1.9部、ジブチル錫ジラウレート0.001部及び
チルエチルケトン60部を仕込み、均一に混
した後、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
ネート40.4部を加え、75℃にて300分反応させ
固形分に対する遊離イソシアネート基含有
が1.7質量%のウレタンプレポリマーのメチル
チルケトン溶液を得た。この溶液を30℃以
に冷却した後、デシルリン酸エステル0.1部
びポリオキシエチレントリスチリルフェニ
エーテル(HLB=15)6.0部を添加し、均一に混合し
た後別容器に移し、水254部を徐々に加えて、
ディスパー羽根を用いて転相乳化、分散させ
、これにピペラジン2.0部とジエチレントリア
ミン0.8部を水11.3部に溶解したポリアミン水
液を添加し、90分間撹拌してポリウレタン水
分散液を得た。更に、減圧下35℃にて脱溶剤
行った後、ビクセンAG-25(日華化学(株)製、
ニオン界面活性剤)を3質量%添加し、固形分35
.0%、粘度50.0mPa・s(BM粘度計、1号ローター、60r
pm)、平均粒子径0.52μmの安定な非感熱凝固型
系ウレタン樹脂(以下、比較樹脂Aと称する。
)を得た。この水系ウレタン樹脂は100℃では
熱凝固しなかった。この水系ウレタン樹脂
乾燥した被膜の軟化温度は195℃であった。
[水溶性アクリル系重合物(ロ)の合成例]
合成例7(水溶性アクリル系重合物(ロ):ポリ-α-
ヒドロキシアクリル酸ナトリウム)
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた4つ
口フラスコに、水588.0部及び48質量%水酸化ナ
リウム水溶液150.0部を仕込み、均一になる
で撹拌した。50℃まで昇温した後、ポリ-α-
ドロキシアクリル酸に対応するポリラクト
化合物(重量平均分子量100,000)150.0部を加え、
70℃まで昇温した。昇温後、70~75℃にて3時間
応させ、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸ナト
リウム(以下、化合物Aと称する。)の水溶液を
得た。この水溶液の粘度は200mPa・sであり、
形分は25.1%であり、固形分であるポリ-α-ヒ
ロキシアクリル酸ナトリウムの重量平均分
量は100,000であった。
合成例8(水溶性アクリル系重合物(ロ):ポリ-α-
ヒドロキシアクリル酸ナトリウム-アクリル
ナトリウム)
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた4つ
口フラスコに、40質量%のポリ-α-ヒドロキシ
クリル酸ナトリウム(重量平均分子量100,000)
溶液163.0部と水127.0部を仕込んだ。80℃に昇
した後、40質量%アクリル酸ナトリウム水溶
150部を45分間かけて滴下し、さらに過硫酸ナ
トリウム5部を添加した。添加後、80~90℃で3
間反応させ、次いで60℃の温水555部を加えた
後、冷却し、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸
トリウム-アクリル酸ナトリウムのポリマー(
以下、化合物Bと称する。)の水溶液を得た。
のポリマー水溶液の粘度は150mPa・sであり、
固形分は12.5%であり、固形分であるポリマー
重量平均分子量は約20,000であった。
合成例9(水溶性アクリル系重合物(ロ):ポリア
リル酸トリエチルアミン塩)
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた4つ
フラスコに、40質量%のアロンA-10SL(東亞合成
式会社製、ポリアクリル酸水溶液、重量平
分子量6,000)水溶液180.0部と水295.7部を仕込ん
だ。トリエチルアミン101.0部を45分間かけて
下し、30~40℃で3時間反応させた後、冷却し
ポリアクリル酸トリエチルアミン塩(以下、
合物Cと称する。)の水溶液を得た。このポ
マー水溶液の粘度は80mPa・sであり、固形分
30.0%であった。
合成例10(水溶性アクリル系重合物(ロ):ポリア
クリル酸トリエタノールアミン塩)
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた4つ
口フラスコに、40質量%のアロンA-10SL(東亞合
株式会社製、ポリアクリル酸水溶液、重量
均分子量6,000)水溶液180.0部と水233.88部を仕込
んだ。トリエタノールアミン74.5部を45分間か
けて滴下し、30~40℃で3時間反応させた後、冷
却し、ポリアクリル酸トリエタノールアミン
塩(以下、化合物Dと称する。)の水溶液を得た
。このポリマー水溶液の粘度は150mPa・sであ
、固形分は30.0%であった。
[会合型増粘剤の合成例]
合成例11(会合型増粘剤)
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた4つ
口フラスコに、分子量4,000のポリエチレング
コール800.0部、トリスチレン化フェノール
エチレンオキサイド17モル付加物230.8部を仕
み減圧下に105℃で脱水した後、ヘキサメチ
ンジイソシアネート50.4部を加え80~90℃で5時
間反応させたものを、水540.6部に溶解させて
レタン系会合型増粘剤(以下、会合型増粘剤
Aと称する。)を得た。このポリマー水溶液の
度は6000mPa・sであり、固形分は20.0%であった
。
(実施例1)
合成例1で得られた樹脂A(水系ウレタン樹脂)
57.1部、合成例7で得られた化合物A(水溶性ア
リル系重合物)の10質量%水溶液10.0部、及び希
釈水32.9部を混合し、水系ウレタン樹脂組成
を調製した。この水系ウレタン樹脂組成物
各成分の固形分比は、樹脂A/化合物A=100部/5
であり、水系ウレタン樹脂組成物の固形分
21質量%である。この水系ウレタン樹脂組成
を、0.5デニールのポリエステル繊維からな
不織布(目付200g/m 2
)に、スリットマングルを用い、含浸率200%と
る様に含浸し、蒸気圧39kPa、スチーム流量20
0L/分に調整したH.T.S(辻井染色工業社 Type:HT-3-
550)にて5分間処理を行った。処理終了後、70
の温水浴に処理物を入れ、10分間湯洗を行い
、マングルにて余計な水分を絞った後、100℃
に調整された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVEN SPH-200
)にて10分間放置乾燥を行い、実施例1の人工
革を得た。
(実施例2)
水溶性アクリル系重合物として、合成例8で
得られた化合物Bの10質量%水溶液を用いたこ
以外は、実施例1と同様にして処理を行い、
施例2の人工皮革を得た。
(実施例3)
水溶性アクリル系重合物として、合成例9で
得られた化合物Cの10質量%水溶液を用いたこ
以外は、実施例1と同様にして処理を行い、
施例3の人工皮革を得た。
(実施例4)
水溶性アクリル系重合物として、合成例10
得られた化合物Dの10質量%水溶液を用いたこ
以外は、実施例1と同様にして処理を行い、
実施例4の人工皮革を得た。
(実施例5)
水溶性アクリル系重合物として、アロンA-21
0(東亞合成株式会社、ポリアクリル酸ナトリ
ム水溶液、分子量2,000、固形分43%)の10質量%
溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して処理を行い、実施例5の人工皮革を得た
(実施例6)
水溶性アクリル系重合物として、アロンT-50
(東亞合成株式会社、ポリアクリル酸ナトリ
ム水溶液、分子量6,000、固形分43%)の10質量%
溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様に
て処理を行い、実施例6の人工皮革を得た。
また、得られた人工皮革原反を、100リット の浴に入れ、浴比1:30、ノズル圧2kgf/cm 2 になるように設定したミニジェット高圧液流 染色機(P-300型、(株)テクサム技研社製)により 、分散染料(C.I.Disperse Blue 79)を用い、10%o.w.f 130℃、30分間の条件で染色した。染色後の 工皮革を、二酸化チオ尿素4g/l及び水酸化ナ リウム4g/lを含む還元洗浄剤により、80℃で 20分間還元洗浄し、その後、熱風乾燥機に り乾燥温度100℃で乾燥することにより仕上 た。このときのウレタン樹脂の脱落率は、 色前後の重量変化から算出した値で約4質量% であった。
(実施例7)
ウレタン樹脂組成物を不織布に含浸した後
乾燥条件を、スチーム乾燥から、100℃に調
された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVEN SPH-200)での
10分間放置乾燥に代えたこと以外は、実施例6
と同様にして処理を行い、実施例7の人工皮
を得た。
(実施例8)
水溶性アクリル系重合物として、アロンA-10
SL(東亞合成株式会社、ポリアクリル酸水溶液
、分子量6,000、固形分40%)の10質量%水溶液を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして処理
行い、実施例8の人工皮革を得た。
(実施例9)
水溶性アクリル系重合物として、アロンA-30
SL(東亞合成株式会社、ポリアクリル酸アンモ
ニウム水溶液、分子量6,000、固形分40%)の10質
%水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同
にして処理を行い、実施例9の人工皮革を得
。
(実施例10)
水溶性アクリル系重合物として、アロンA-20
UN(東亞合成株式会社、ポリアクリル酸ナトリ
ウム水溶液、分子量20,000、固形分42%)の10質量
%水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様
して処理を行い、実施例10の人工皮革を得
。
(実施例11)
水溶性アクリル系重合物として、アロンA-20
L(東亞合成株式会社、ポリアクリル酸ナトリ
ム水溶液、分子量500,000、固形分18%)の10質量
%水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様
して処理を行い、実施例11の人工皮革を得
。
(実施例12)
水溶性アクリル系重合物として、アロンA-65
20(東亞合成株式会社、ポリマレイン酸ナトリ
ウム水溶液、分子量1,000、固形分40%)の10質量%
水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様
して処理を行い、実施例12の人工皮革を得た
。
(実施例13)
水系ウレタン樹脂として、合成例2で得られ
た樹脂Bを用いたこと以外は、実施例6と同様
して処理を行い、実施例13の人工皮革を得
。
(実施例14)
水系ウレタン樹脂として、合成例4で得られ
た樹脂Dを用いたこと以外は、実施例6と同様
して処理を行い、実施例14の人工皮革を得
。
(実施例15)
水系ウレタン樹脂成分として、合成例5で得
られた樹脂Eを用いたこと以外は、実施例6と
様にして処理を行い、実施例15の人工皮革
得た。
(実施例16)
水系ウレタン樹脂成分として、合成例3で得
られた樹脂Cを用いたこと以外は、実施例6と
様にして処理を行い、実施例16の人工皮革
得た。
(比較例1)
合成例1で得られた樹脂A(水系ウレタン樹脂)
57.1部、及び希釈水42.9部を混合し水系ウレタ
樹脂組成物を調製した。水系ウレタン樹脂
成物の固形分は20質量%である。この水系ウ
タン樹脂組成物を、0.5デニールのポリエス
ル繊維からなる不織布(目付200g/m 2
)に、スリットマングルを用い、含浸率200%と
る様に含浸し、蒸気圧39kPa、スチーム流量20
0L/分に調整したH.T.S(辻井染色工業社 Type:HT-3-
550)にて5分間処理を行った。処理終了後、70
の温水浴に処理物を入れ、10分間湯洗を行い
、マングルにて余計な水分を絞った後、100℃
に調整された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVEN SPH-200
)にて10分間放置乾燥を行い、比較例1の人工
革を得た。
(比較例2)
合成例1で得られた樹脂A(水系ウレタン樹脂)
57.1部、無水芒硝(固形分100%)10質量%水溶液10.0
、及び希釈水32.9部を混合し、水系ウレタン
樹脂組成物を調製した。この水系ウレタン樹
脂組成物の各成分の固形分比は、樹脂A/無水
硝=100部/5部であり、水系ウレタン樹脂組成
の固形分は21質量%である。この水系ウレタ
樹脂組成物を、0.5デニールのポリエステル
維からなる不織布(目付200g/m 2
)に、スリットマングルを用い、含浸率200%と
る様に含浸し、蒸気圧39kPa、スチーム流量20
0L/分に調整したH.T.S(辻井染色工業社 Type:HT-3-
550)にて5分間処理を行った。処理終了後、70
の温水浴に処理物を入れ、10分間湯洗を行い
、マングルにて余計な水分を絞った後、100℃
に調整された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVEN SPH-200
)にて10分間放置乾燥を行い、比較例2の人工
革を得た。
また、得られた人工皮革原反を、100リット の浴に入れ、浴比1:30、ノズル圧2kgf/cm 2 になるように設定したミニジェット高圧液流 染色機(P-300型、(株)テクサム技研社製)により 、分散染料(C.I.Disperse Blue 79)を用い、10%o.w.f 130℃、30分間の条件で染色した。染色後の 工皮革を、二酸化チオ尿素4g/l及び水酸化ナ リウム4g/lを含む還元洗浄剤により、80℃で 20分間還元洗浄し、その後、熱風乾燥機に り乾燥温度100℃で乾燥することにより仕上 た。このときのウレタン樹脂の脱落率は、 色前後の重量変化から算出した値で12質量% あった。
(比較例3)
合成例1で得られた樹脂A(水系ウレタン樹脂)
57.1部、合成例11で得られた会合型増粘剤Aの10
質量%水溶液10.0部、及び希釈水32.9部を混合し
、水系ウレタン樹脂組成物を調製した。この
水系ウレタン樹脂組成物の各成分の固形分比
は、樹脂A/会合型増粘剤A=100部/5部であり、水
系ウレタン樹脂組成物の固形分は21質量%であ
る。この水系ウレタン樹脂組成物を、0.5デニ
ールのポリエステル繊維からなる不織布(目
200g/m 2
)に、スリットマングルを用い、含浸率200%と
る様に含浸し、蒸気圧39kPa、スチーム流量20
0L/分に調整したH.T.S(辻井染色工業社 Type:HT-3-
550)にて5分間処理を行った。処理終了後、70
の温水浴に処理物を入れ、10分間湯洗を行い
、マングルにて余計な水分を絞った後、100℃
に調整された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVEN SPH-200
)にて10分間放置乾燥を行い、比較例3の人工
革を得た。
(比較例4)
合成例1で得られた樹脂A(水系ウレタン樹脂)
57.1部、OPTIFLO M-210(RockWood社 疎水変性エトキ
レートアミノプラスト系会合型増粘剤、固
分20.0%)10質量%水溶液10.0部、及び希釈水32.9
を混合し、水系ウレタン樹脂組成物を調製
た。この水系ウレタン樹脂組成物の各成分
固形分比は、樹脂A/OPTIFLO M-210=100部/5部であ
、水系ウレタン樹脂組成物の固形分は21質
%である。この水系ウレタン樹脂組成物を、0
.5デニールのポリエステル繊維からなる不織
(目付200g/m 2
)に、スリットマングルを用い、含浸率200%と
る様に含浸し、蒸気圧39kPa、スチーム流量20
0L/分に調整したH.T.S(辻井染色工業社 Type:HT-3-
550)にて5分間処理を行った。処理終了後、70
の温水浴に処理物を入れ、10分間湯洗を行い
、マングルにて余計な水分を絞った後、100℃
に調整された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVEN SPH-200
)にて10分間放置乾燥を行い、比較例4の人工
革を得た。
(比較例5)
水系ウレタン樹脂成分として、合成例6で得
られた比較樹脂Aを用いたこと以外は、実施
6と同様にして処理を行い、比較例5の人工皮
革を得た。
(参考例1)
溶剤系ウレタン樹脂エバファノールALS-30(日
華化学株式会社製、N,N-ジメチルホルムアミ
溶媒)53.3部、N,N-ジメチルホルムアミド36.7部
NKアシストF-100(日華化学株式会社製、非イ
ン活性剤)5部、及びNKアシストF-200(日華化学
式会社製、非イオン活性剤)5部を混合し、
剤系ウレタン樹脂組成物を調製した。この
剤系ウレタン樹脂組成物を、0.5デニールの
リエステル繊維からなる不織布(目付200g/m 2
)に、スリットマングルを用い、含浸率250%と
る様に含浸した。処理終了後、25℃に調整
れた水槽にて10分間水凝固させたのち、80℃
調整された温水槽にて20分間湯洗処理した
次いで、マングルにて余計な水分を絞った
、120℃に調整された熱風乾燥機(TABAI SAFETYOVE
N SPH-200)にて10分間放置乾燥を行い、参考例1
人工皮革を得た。
以下に示す方法により、実施例1~16、比較 例1~5及び参考例1で得られた水系ウレタン樹 組成物の静置安定性、並びに人工皮革のマ グレーションの有無及び風合いを評価した その評価結果を表1~3に示す。
<評価方法>
水系ウレタン樹脂組成物の静置安定性:
水系ウレタン樹脂組成物を30℃で1日間静置さ
せたときの状態を観察した。
水系ウレタン樹脂組成物に分離、沈降、増粘
等の変化が無い場合を「○」と判定し、分離
、沈降、増粘等の変化がある場合を「×」と
定した。
マイグレーションの有無:
人工皮革の断面の電子顕微鏡写真によりウ
タン樹脂の充填状態を目視観察した。
ウレタン樹脂が人工皮革断面全体に充填さ
ているものを「◎」と判定し、人工皮革表
にやや樹脂がマイグレーションしているが
内部まで樹脂が充填されているものを「○
、人工皮革表面へ樹脂がマイグレーション
ているが実用上問題ない場合を「○△」、
部の樹脂が少なく人工皮革表面へ樹脂がマ
グレーションしているものを「△」、殆ど
樹脂が人工皮革表面へマイグレーションし
いるものを「×」と判定した。
人工皮革風合い:
人工皮革を触感により評価した。
天然皮革様の風合いを有する場合を「○」
判定し、天然皮革に比べてやや劣るが実用
問題ない場合を「○△」、天然皮革に比べ
硬くて柔軟性が不足している場合又は充実
が不足している場合又は弾力性が不足して
然皮革様の風合いを有していない場合を「
」、風合いが硬い場合を「×」と判定した
更に、実施例1~16、比較例1~5及び参考例1 ついて、以下に示す方法により、水系ウレ ン樹脂組成物の凝固状態、及びウレタン樹 組成物から形成されるフィルムの物性につ ても評価した。その評価結果を表4~6に示す
凝固状態:
水系ウレタン樹脂組成物10gを試験管にとり
90℃の恒温熱水浴中で静置した時の状態を
価した。寒天状に凝固するものを「○」と
定し、粗大粒子化するものは「△」、凝固
ないものを「×」と判定した。なお、ここで
言う「寒天状」とは、水系ウレタン樹脂組成
物が試験管全体に均一に凝固し、弾力性のあ
る状態のものをいう。また、「粗大粒子化」
とは、水系ウレタン樹脂組成物が試験管中で
フロック状の粗大粒子となるものをいう。
フィルム物性:
(1)フィルムの作製
縦12cm、横10cm、高さ1cmのステンレス鋼製の
に、ポリウレタンフィルムの乾燥後の厚さ
0.3mmとなるように、水系ウレタン樹脂組成物
を入れ、20℃、65%RHに調整した恒温恒湿室中
、2日間、キャスト法で成膜させた。その後
130℃で30分間の熱処理を行い、ポリウレタ
フィルムを得た。
(2)ポリウレタンフィルムの物性測定
(1)で得られたポリウレタンフィルムからポ
ウレタフィルムのダンベル状3号形試験片を
作製し、この試験片を20℃、65%RHで状態調節
、JIS K 6251-1993に準拠して、引張試験機[株
会社島津製作所、AUTOGRAPH AG-500D]を用いて、
張速度300mm/minで、破断強度及び破断伸度を
定した。
以上の結果から、実施例1~16の水系ウレタ ン樹脂組成物によれば、静置安定性に優れ常 温では十分安定でありながら、シャープな感 熱凝固性によりマイグレーションもなく繊維 間に均一充填可能であり、樹脂の強度低下も 少なく、しかも天然皮革と同等の風合い、す なわち、柔軟性、充実感及び弾力性を有する 人工皮革を得ることができることが確認され た。
本発明の人工皮革用水系ウレタン樹脂組 物は、常温では安定でありながらもシャー な感熱凝固性を有し、基布に含浸加工ある は塗布加工した場合であってもマイグレー ョンを十分に防止することができる。した って、本発明の人工皮革用水系ウレタン樹 組成物及びそれを用いた人工皮革の製造方 によれば、溶剤系ウレタン樹脂組成物を用 て得られる人工皮革と同程度の風合い、特 は柔軟性、充実感及び弾力性を有する人工 革を水系で製造することができる。
