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Title:
AQUEOUS URETHANE RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087904
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an aqueous urethane resin composition containing water and an aqueous urethane resin which is cured by irradiation of an active energy ray and obtained by at least reacting a polyisocyanate, a polyoxyethylene side chain-containing diol which contains 20-95% by weight of a polyoxyethylene group in a side chain branched from the main chain having a hydroxy group at each end, and a (meth)acrylate containing at least one hydroxy group.

Inventors:
MEGA IZUMI (JP)
TACHIBANA ATSUKO (JP)
UCHIDA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050270
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS POLYURETHANES (JP)
MEGA IZUMI (JP)
TACHIBANA ATSUKO (JP)
UCHIDA TAKASHI (JP)
International Classes:
C08F299/06; C08F290/06; C08G18/67
Foreign References:
JP2005510600A2005-04-21
JPH06287260A1994-10-11
JP2003040955A2003-02-13
JP2001098041A2001-04-10
JP2007023177A2007-02-01
JP2007023178A2007-02-01
JPH06287260A1994-10-11
Other References:
See also references of EP 2105452A4
Attorney, Agent or Firm:
OKAMOTO, Hiroyuki (Sun Mullion NBF Tower 21st Floor, 6-12, Minamihommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 54, JP)
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Claims:
 ポリイソシアネートと、両末端に水酸基を有する主鎖から枝分れする側鎖の途中にポリオキシエチレン基を20~95重量%含むポリオキシエチレン側鎖含有ジオールと、少なくとも1つの水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとを、少なくとも反応させることにより得られ、活性エネルギー線の照射により硬化する水性ウレタン樹脂、
および、水
を含んでいることを特徴とする、水性ウレタン樹脂組成物。
 前記ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールが、下記一般式(1)で示されるジアルカノールアミン誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の水性ウレタン樹脂組成物。
(式中、nは互いに同一または異なって1~3の整数を示し、Xは26~97重量%のオキシエチレン基を含む1価の有機基を示す。)
 前記一般式(1)中、Xが、下記一般式(2)に示される1価の有機基であることを特徴とする、請求項2に記載の水性ウレタン樹脂組成物。
(式中、Zは、平均分子量120~5000の低級アルキルオキシ-ポリオキシエチレン基を示し、Yは炭素数6~15の2価の炭化水素基を示す。)
 前記水性ウレタン樹脂が、前記ポリイソシアネート10~80重量部、前記ポリオキシエチレン側鎖含有ジオール5~80重量部、および、前記(メタ)アクリル酸エステル10~80重量部を、少なくとも反応させることにより、得られていることを特徴とする、請求項1に記載の水性ウレタン樹脂組成物。
 前記ポリイソシアネートが、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物、および/または、その誘導体を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の水性ウレタン樹脂組成物。
 前記水性ウレタン樹脂組成物が、前記ポリイソシアネートと前記ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールとを少なくとも反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを調製し、次いで、そのイソシアネート基末端プレポリマーと前記(メタ)アクリル酸エステルとを反応させることにより、調製されていることを特徴とする、請求項1に記載の水性ウレタン樹脂組成物。
Description:
水性ウレタン樹脂組成物

 本発明は、水性ウレタン樹脂組成物、詳 くは、活性エネルギー線により硬化する水 ウレタン樹脂を含む水性ウレタン樹脂組成 に関する。

 活性エネルギー線の照射により硬化する活 エネルギー線硬化型樹脂は、硬化性に優れ 産性が良好であり、また、低コストで製造 ることができる。そのため、各種プラスチ クのコーティング材、木工用塗料、印刷用 ンキおよび接着剤など、幅広い分野で普及 ている。
 一方、近年、環境負荷を低減する観点から 活性エネルギー線硬化型樹脂の水性化が要 されている。

 例えば、ビヒクルおよび水を必須成分とす 活性エネルギー線硬化性含水樹脂組成物に いて、該ビヒクルが(A)分子内に少なくとも1 個の水酸基を含有するアクリル酸エステル、 (B)有機ポリイソシアネート類、および(C)少な くとも1個の水酸基を含有するポリエチレン リコール類からなる反応生成物である、活 エネルギー線硬化性含水樹脂組成物が提案 れている(例えば、下記特許文献1参照。)。

特開平6-287260号公報

 しかし、上記特許文献1に記載される活性エ ネルギー線硬化性含水樹脂組成物は、水に対 するビヒクルの乳化または分散安定性とビヒ クルの硬化後の被着体との密着性とを両立さ せることが難しく、実際の使用においては、 さらなる検討が必要となる。
 本発明の目的は、十分な乳化または分散安 性を確保することができるとともに、硬化 の物性も良好である、活性エネルギー線の 射により硬化する水性ウレタン樹脂を含有 る、水性ウレタン樹脂組成物を提供するこ にある。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、ポリ ソシアネートと、両末端に水酸基を有する 鎖から枝分れする側鎖の途中にポリオキシ チレン基を20~95重量%含むポリオキシエチレ 側鎖含有ジオールと、少なくとも1つの水酸 基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとを 少なくとも反応させることにより得られ、 性エネルギー線の照射により硬化する水性 レタン樹脂、および、水を含んでいること 特徴としている。

 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂組 物では、前記ポリオキシエチレン側鎖含有 オールが、下記一般式(1)で示されるジアル ノールアミン誘導体であることが好適であ 。

(式中、nは互いに同一または異なって1~3の整 を示し、Xは26~97重量%のオキシエチレン基を 含む1価の有機基を示す。)
 さらに、前記一般式(1)中、Xが、下記一般式 (2)に示される1価の有機基であることが好適 ある。

(式中、Zは、平均分子量120~5000の低級アルキ オキシ-ポリオキシエチレン基を示し、Yは炭 素数6~15の2価の炭化水素基を示す。)
 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成 では、前記水性ウレタン樹脂が、前記ポリ ソシアネート10~80重量部、前記ポリオキシ チレン側鎖含有ジオール5~80重量部、および 前記(メタ)アクリル酸エステル10~80重量部を 、少なくとも反応させることにより、得られ ていることが好適である。

 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成 では、前記ポリイソシアネートが、1,3-また は1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ ンもしくはその混合物、および/または、そ 誘導体を含んでいることが好適である。
 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成 では、前記水性ウレタン樹脂組成物が、前 ポリイソシアネートと前記ポリオキシエチ ン側鎖含有ジオールとを少なくとも反応さ ることにより、イソシアネート基末端プレ リマーを調製し、次いで、そのイソシアネ ト基末端プレポリマーと前記(メタ)アクリ 酸エステルとを反応させることにより、調 されていることが好適である。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物に れば、活性エネルギー線の照射により硬化 る水性ウレタン樹脂の水に対する乳化また 分散安定性を十分に確保することができる そのため、長期にわたる良好な貯蔵安定性 得ることができる。またそれとともに、硬 後の被着体との良好な密着性を得ることが きる。そのため、良好な塗膜物性を得るこ ができる。さらには、硬化後に良好な耐水 を得ることができる。

発明の実施形態

 本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、活性 ネルギー線の照射により硬化する水性ウレ ン樹脂(以下、水性ウレタン樹脂とする。) 水と含有している。
 本発明において、水性ウレタン樹脂は、ポ イソシアネートと、ポリオキシエチレン側 含有ジオールと、少なくとも1つの水酸基を 含有する(メタ)アクリル酸エステルとを、少 くとも反応させることにより、得ることが きる。

 本発明において、ポリイソシアネートは、 ソシアネート基を2つ以上有するイソシアネ ート基含有化合物であって、例えば、脂環族 ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネ ート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香 族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
 脂環族ポリイソシアネートとしては、例え 、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシ ロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイ ソシアネート、IPDI)、4,4″-、2,4″-または2,2 -ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート しくはその混合物(H 12 MDI)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル) クロヘキサンもしくはその混合物(水添キシ リレンジイソシアネート、H 6 XDI)、2,5-または2,6-ビス(イソシアナトメチル) ルボルナンもしくはその混合物(NBDI)、1,3-シ クロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロ キサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサ ジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキ ンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキ サンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシ アネートが挙げられる。

 脂肪族ポリイソシアネートとしては、例 ば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI) トリメチレンジイソシアネート、テトラメ レンジイソシアネート、ペンタメチレンジ ソシアネート、1,2-、2,3-または1,3-ブチレン イソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチ ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂 族ジイソシアネートが挙げられる。

 芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、 えば、1,3-または1,4-キシリレンジイソシア ートもしくはその混合物(XDI)、1,3-または1,4- トラメチルキシリレンジイソシアネートも くはその混合物(TMXDI)、ω,ω″-ジイソシアナ ト-1,4-ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジ ソシアネートが挙げられる。
 芳香族ポリイソシアネートとしては、例え 、4,4″-、2,4″-または2,2″-ジフェニルメタ ジイソシアネートもしくはその混合物(MDI) 2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもし くはその混合物(TDI)、3,3″-ジメトキシビフェ ニル-4,4″-ジイソシアネート、1,5-ナフタレン ジイソシアネート(NDI)、m-またはp-フェニレン ジイソシアネートもしくはその混合物、4,4″ -ジフェニルジイソシアネート、4,4″-ジフェ ルエーテルジイソシアネートなどの芳香族 イソシアネートが挙げられる。

 また、ポリイソシアネートとしては、上 したポリイソシアネートの多量体(例えば、 二量体、三量体など)や、例えば、上記した リイソシアネートあるいは多量体と、水と 反応により生成するビウレット変性体、ア コールまたは下記の低分子量ポリオールと 反応により生成するアロファネート変性体 炭酸ガスとの反応により生成するオキサジ ジントリオン変性体、または、下記の低分 量ポリオールとの反応により生成するポリ ール変性体などが挙げられる。

 低分子量ポリオールとしては、例えば、 ドロキシル基を2つ以上有する分子量60~400の 水酸基含有化合物であって、例えば、エチレ ングリコール、プロピレングリコール、トリ メチレングリコール、1,4-ブチレングリコー 、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリ コール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5- ンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパン オール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキ サンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ ール、3,3-ジメチロールヘプタン、2-エチル-2- ブチル-1,3-プロパンジオール、1,12-ドデカン オール、1,18-オクタデカンジオールなどのC2- 22アルカンジオール、例えば、2-ブテン-1,4-ジ オール、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール などのアルケンジオールなどの脂肪族ジオー ル:例えば、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4- シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェ ノールAまたはそのC2-4アルキレンオキサイド 加体などの脂環族ジオール:例えば、レゾル シン、キシリレングリコール、ビスヒドロキ シエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレ ンテレフタレート、ビスフェノールA、ビス ェノールS、ビスフェノールF、これらビスフ ェノール類のC2-4アルキレンオキサイド付加 などの芳香族ジオール:例えば、ジエチレン リコール、トリエチレングリコール、ジプ ピレングリコールなどのエーテルジオール どの低分子量ジオール;例えば、グリセリン 、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパン オール、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチ ペンタン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリ チロールエタン、トリメチロールプロパン 2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジ オール、2,4-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチ )ペンタン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-3-ブ タノールおよびその他の脂肪族トリオール( 素数8~24)などの低分子量トリオール;例えば テトラメチロールメタン、ペンタエリスリ ール、ジペンタエリスリトール、D-ソルビト ール、キシリトール、D-マンニトール、D-マ ニットなどのヒドロキシル基を4つ以上有す 低分子量ポリオールなどが挙げられる。

 そして、上記したポリイソシアネートは 単独使用または2種以上併用してもよく、好 ましくは、耐黄変性に優れる観点から、脂環 族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシア ネート、および/または、それらの誘導体が げられる。さらに好ましくは、耐黄変性に えて耐磨耗性に優れる観点から、1,3-または1 ,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン しくはその混合物、および/または、その誘 導体が挙げられる。

 本発明において、ポリオキシエチレン側鎖 有ジオールは、主鎖と、その主鎖から枝分 する側鎖とを有し、主鎖の両末端には、水 基をそれぞれ有しており、側鎖の途中には ポリオキシエチレン基をポリオキシエチレ 側鎖含有ジオールに対して20~95重量%、好ま くは30~93重量%有している。
 ポリオキシエチレン基が20重量%より少ない 、親水部分が少なく、乳化または分散安定 が低下する場合がある。また、ポリオキシ チレン基が95重量%より多いと、粘度が高く り過ぎて、やはり、乳化または分散安定性 低下する場合がある。

 このようなポリオキシエチレン側鎖含有ジ ールは、特に制限されないが、例えば、ジ ルカノールアミン誘導体、トリイソシアネ ト誘導体、トリカルボン酸誘導体などが挙 られる。
 ジアルカノールアミン誘導体は、例えば、 記一般式(1)で示される。

(式中、nは互いに同一または異なって1~3の整 を示し、Xは26~97重量%のオキシエチレン基を 含む1価の有機基を示す。)
 上記一般式(1)中、nが1である場合(CH 2 )nはメチレン基を示し、nが2である場合(CH 2 )nはエチレン基を示し、nが3である場合(CH 2 )nはプロピレン基を示す。窒素原子に結合す 2つの(CH 2 )nは、互いに同一炭素数である態様および互 に異なる炭素数である態様の両方が含まれ 。好ましくは、互いに同一炭素数である態 が挙げられ、さらに好ましくは、共にエチ ン基である態様が挙げられる。

 上記一般式(1)中、Xは、1価の有機基であっ 、その1価の有機基に対して、26~97重量%、好 しくは、30~93重量%のオキシエチレン基(CH 2 CH 2 O)が含まれている。Xは、具体的には、例えば 、下記一般式(2)で示される。

(式中、Zは、平均分子量120~5000の低級アルキ オキシ-ポリオキシエチレン基を示し、Yは炭 素数6~15の2価の炭化水素基を示す。)
 上記一般式(2)中、Zで示される低級アルキル オキシ-ポリオキシエチレン基は、片末端が 級アルキルオキシ基で封鎖されているポリ キシエチレン基であって、その平均分子量 120~5000、好ましくは、160~4000である。このよ なZで示される低級アルキルオキシ-ポリオ シエチレン基は、例えば、下記一般式(3)で される。

(式中、Rは炭素数1~4のアルキル基を示し、mは 2~112の整数を示す。)
 上記一般式(3)中、Rで示される炭素数1~4のア ルキル基としては、例えば、メチル、エチル 、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブ チル、sec-ブチル、tert-ブチルなどが挙げられ る。好ましくは、メチル、エチルが挙げられ る。また、上記一般式(3)中、mは、ポリオキ エチレンの重合度を示し、2~112、好ましくは 、3~90、さらに好ましくは、8~67である。

 Yで示される炭素数6~15の2価の炭化水素基 、炭素数6~15の2価の脂肪族炭化水素基、炭 数6~15の2価の脂環族炭化水素基、炭素数6~15 2価の芳香脂肪族炭化水素基、炭素数6~15の2 の芳香族炭化水素基が挙げられる。好まし は、炭素数6~13の2価の脂肪族炭化水素基、炭 素数6~13の2価の脂環族炭化水素基、炭素数6~13 の2価の芳香脂肪族炭化水素基が挙げられる Yで示される炭素数6~15の炭化水素基は、後述 する方法で合成する場合には、具体的には、 ジイソシアネート残基が相当する。

 このようなジアルカノールアミン誘導体 、例えば、次のようにして合成することが きる。すなわち、まず、ジイソシアネート 片末端封鎖ポリオキシエチレングリコール を、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコ ルのヒドロキシル基(OH)に対するジイソシア ネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH )が、例えば、2~50、好ましくは5~20となる割合 、つまり、NCOが過剰となる割合でウレタン化 反応させた後、必要により未反応のジイソシ アネートを蒸留などで除去することにより、 ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネー トを得る。

 次いで、得られたポリオキシエチレン基 有モノイソシアネートと、ジアルカノール ミンとを、ジアルカノールアミンの2級アミ ノ基(NH)に対するポリオキシエチレン基含有 ノイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の 当量比(NCO/NH)が、例えば、0.9~1.1、好ましくは 0.95~1.05となる割合、つまり、NCOとNHがほぼ等 となる割合でウレア化反応させる。

 このようなジアルカノールアミン誘導体 合成において、ジイソシアネートとしては 例えば、上記したジイソシアネート、好ま くは、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジ ソシアネートが挙げられる。さらに好まし は、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル) シクロヘキサンもしくはその混合物、または 、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙 られる。

 また、片末端封鎖ポリオキシエチレングリ ールとしては、例えば、ポリオキシエチレ グリコールモノアルキルエーテルが挙げら 、好ましくは、メトキシポリエチレングリ ール、エトキシポリエチレングリコールな が挙げられ、その数平均分子量が、120~5000 あり、好ましくは、160~4000である。
 また、ジアルカノールアミンとしては、例 ば、炭素数1~3のジアルカノールアミンであ 、具体的には、例えば、ジメタノールアミ 、ジエタノールアミン、ジプロパノールア ンなどの対称性ジアルカノールアミン、例 ば、メタノールエタノールアミン、エタノ ルプロパノールアミンなどの非対称性ジア カノールアミンなどが挙げられる。好まし は、対称性ジアルカノールアミンが挙げら 、さらに好ましくは、ジエタノールアミン 挙げられる。

 トリイソシアネート誘導体は、例えば、ト イソシアネートにおいて、1つのイソシアネ ート基に、上記した片末端封鎖ポリオキシエ チレングリコールが反応し、残り2つのイソ アネート基に、上記した低分子量ポリオー が反応したものが挙げられる。
 トリイソシアネートは、イソシアネート基 3つ有するイソシアネート基含有化合物であ って、例えば、上記したポリイソシアネート の三量体や、ジイソシアネートとトリメチロ ールプロパンとの反応により得られるポリオ ール変性体などが挙げられる。

 トリイソシアネート誘導体は、例えば、 のようにして合成することができる。すな ち、まず、片末端封鎖ポリオキシエチレン リコール1モルに対して、トリイソシアネー ト3モル以上を配合して、ウレタン化反応さ た後、必要により未反応のトリイソシアネ トを蒸留などで除去することにより、ポリ キシエチレン基含有ジイソシアネートを得 。次いで、得られたポリオキシエチレン基 有ジイソシアネート1モルに対して、低分子 ポリオール2モル以上を配合してウレタン化 反応させる。

 トリカルボン酸誘導体は、例えば、トリメ ット酸などのカルボキシル基を3つ有するト リカルボン酸において、1つのカルボキシル に、上記した片末端封鎖ポリオキシエチレ グリコールが反応し、残り2つのカルボキシ 基に、上記した低分子量ポリオールが反応 たものが挙げられる。
 トリカルボン酸誘導体は、例えば、次のよ にして合成することができる。すなわち、 ず、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコ ル1モルに対して、トリカルボン酸3モル以 を配合して、エステル化反応させた後、必 により未反応のトリカルボン酸を蒸留など 除去することにより、ポリオキシエチレン 含有ジカルボン酸を得る。次いで、得られ ポリオキシエチレン基含有ジカルボン酸1モ に対して、低分子量ポリオール2モル以上を 配合してエステル化反応させる。

 本発明において、少なくとも1つの水酸基 を含有する(メタ)アクリル酸エステルは、水 基を1つ以上有する(メタ)アクリル酸エステ (以下、(メタ)アクリル酸エステルと省略す 。)であって、例えば、2-ヒドロキシエチル( メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル( タ)アクリレート、ポリエチレングリコール ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング コールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキ ブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシプ ロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ リトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエ リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー 、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク リレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレー 、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリ チロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、 トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー などが挙げられる。

 これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独 用または2種以上併用することができる。な 、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリ ート)は、アクリル酸エステル(アクリレート )および/またはメタアクリル酸エステル(メタ クリレート)として定義される。
 また、水性ウレタン樹脂の製造においては 例えば、上記した低分子量ポリオールやマ ロポリオールなどのポリオールを、上記し 各成分と共に反応させることもできる。

 マクロポリオールとしては、例えば、ポリ ーテルポリオール、ポリエステルポリオー 、ポリカーボネートポリオール、アクリル リオール、エポキシポリオール、天然油ポ オール、シリコーンポリオール、フッ素ポ オール、ポリオレフィンポリオールなどが げられる。
 ポリエーテルポリオールとしては、ポリア キレンオキサイド、例えば、上記した低分 量ポリオールを開始剤として、エチレンオ サイドおよび/またはプロピレンオキサイド などのアルキレンオキサイドを付加反応させ ることによって得られる、ポリエチレングリ コール、ポリプロピレングリコール、ポリエ チレンポリプロピレングリコール(ランダム たはブロック共重合体)が挙げられる。また 例えば、テトラヒドロフランの開環重合な によって得られるポリテトラメチレンエー ルグリコールなどが挙げられる。

 ポリエステルポリオールとしては、例え 、上記した低分子量ポリオールの1種または 2種以上と、例えば、シュウ酸、マロン酸、 ハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、 ジピン酸、1,1-ジメチル-1,3-ジカルボキシプ パン、3-メチル-3-エチルグルタール酸、アゼ ライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカ ルボン酸(炭素数11~13)、水添ダイマー酸、マ イン酸、フマル酸、イタコン酸、オルソフ ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トル ンジカルボン酸、ダイマー酸、ヘット酸な のカルボン酸、および、これらのカルボン などから誘導される酸無水物、例えば、無 シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸 無水フタル酸、無水2-アルキル(炭素数12~18) ハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水 リメリット酸、さらには、これらのカルボ 酸などから誘導される酸ハライド、例えば シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロ イド、セバチン酸ジクロライドなどとの反 によって得られるポリエステルポリオール 挙げられる。また、例えば、上記した低分 量ポリオールを開始剤として、例えば、ε- プロラクトン、γ-バレロラクトンなどのラ トン類を開環重合して得られる、ポリカプ ラクトンポリオール、ポリバレロラクトン リオールなどのラクトン系ポリエステルポ オールなどが挙げられる。

 ポリカーボネートポリオールとしては、例 ば、上記した低分子量ポリオールを開始剤 して、例えば、エチレンカーボネート、ジ チルカーボネートなどのカーボネート類を 環重合して得られる、ポリカーボネートポ オールなどが挙げられる。
 アクリルポリオールとしては、例えば、1つ 以上のヒドロキシル基を有する重合性単量体 と、これに共重合可能な別の単量体とを共重 合させることによって得られる共重合体が挙 げられる。ヒドロキシル基を有する重合性単 量体としては、例えば、2-ヒドロキシエチル( メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ )アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)ア リレート、2,2-ジヒドロキシメチルブチル( タ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキル レエート、ポリヒドロキシアルキルフマレ トなどが挙げられる。また、これらと共重 可能な別の単量体としては、例えば、(メタ )アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル(炭 数1~12)、マレイン酸、マレイン酸アルキル、 フマル酸、フマル酸アルキル、イタコン酸、 イタコン酸アルキル、スチレン、α-メチルス チレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリ 、3-(2-イソシアネート-2-プロピル)-α-メチル スチレン、トリメチロールプロパントリ(メ )アクリレート、ペンタエリスリトールテト (メタ)アクリレートなどが挙げられる。そ て、アクリルポリオールは、これら単量体 適当な溶剤および重合開始剤の存在下にお て共重合させることによって得ることがで る。

 エポキシポリオールとしては、例えば、上 した低分子量ポリオールと、例えば、エピ ロルヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリ などの多官能ハロヒドリンとを反応させる とよって得られるエポキシポリオールが挙 られる。
 天然油ポリオールとしては、例えば、ひま 油、やし油などのヒドロキシル基含有天然 などが挙げられる。

 シリコーンポリオールとしては、例えば、 記したアクリルポリオールの共重合におい 、共重合可能な別の単量体として、ビニル 含有のシリコーン化合物、例えば、γ-メタ リロキシプロピルトリメトキシシランなど 用いられる共重合体、および、末端アルコ ル変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げ れる。
 フッ素ポリオールとしては、例えば、上記 たアクリルポリオールの共重合において、 重合可能な別の単量体としてビニル基含有 フッ素化合物、例えば、テトラフルオロエ レン、クロロトリフルオロエチレンなどが いられる共重合体などが挙げられる。

 ポリオレフィンポリオールとしては、例え 、ボリブタジエンポリオール、部分ケン価 チレン-酢酸ビニル共重合体などが挙げられ る。
 これらマクロポリオールは、数平均分子量 、例えば、300~10000、好ましくは500~5000であ 、ヒドロキシル基当量が、例えば、100~5000、 好ましくは、160~2500である。

 これらポリオールは、単独使用または2種以 上併用してもよく、好ましくは、低分子量ポ リオール、さらに好ましくは、脂肪族ジオー ルが挙げられる。
 そして、水性ウレタン樹脂は、ポリイソシ ネートと、ポリオキシエチレン側鎖含有ジ ールと、(メタ)アクリル酸エステルとを必 成分として、また、ポリオールなどを任意 分として、これら各成分を反応させること より、得ることができる。

 必須成分の配合割合は、例えば、配合され 各成分の総量100重量部に対して、ポリイソ アネートが10~80重量部、好ましくは、10~60重 量部であり、ポリオキシエチレン側鎖含有ジ オールが5~80重量部、好ましくは、5~60重量部 あり、(メタ)アクリル酸エステルが10~80重量 部、好ましくは、30~80重量部である。
 ポリイソシアネートおよび(メタ)アクリル エステルの配合割合は、得られる水性ウレ ン樹脂の架橋密度など考慮して決定される また、ポリオキシエチレン側鎖含有ジオー の配合割合は、得られる水性ウレタン樹脂 ら調製される水性ウレタン樹脂組成物の乳 または分散安定性や硬化後の硬度や耐水性 考慮して決定される。

 ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールの配 割合が、5重量部より少ないと、水性ウレタ ン樹脂組成物が不安定となり、相分離する場 合がある。一方、80重量部より多いと、架橋 度が低下して硬化が不十分となる場合や、 分硬化させても硬化後の耐水性が低下する 合がある。
 また、任意成分の配合割合は、例えば、配 される各成分の総量100重量部に対して、ポ オールが、30重量部以下、好ましくは、25重 量部以下である。

 水性ウレタン樹脂を製造するには、特に制 されず、必須成分や任意成分を上記配合割 で配合して反応させればよく、例えば、各 分を一括で仕込んで反応させてもよく、あ いは、各成分を多段で仕込んで反応させる ともできる。
 好ましくは、まず、ポリイソシアネートと ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールおよ 必要によりポリオールとを、ポリオキシエ レン側鎖含有ジオールおよび必要により併 されるポリオールのヒドロキシル基(OH)に対 して、ポリイソシアネートのイソシアネート 基(NCO)が過剰、具体的には、それらの当量比( NCO/OH)が、例えば、1.1~20、好ましくは、1.2~10 割合となるように配合して、反応させるこ により、イソシアネート基末端プレポリマ を得る。次いで、そのイソシアネート基末 プレポリマーと、(メタ)アクリル酸エステル とを、(メタ)アクリル酸エステルのヒドロキ ル基(OH)が、イソシアネート基末端プレポリ マーおよび未反応のポリイソシアネートのイ ソシアネート基(NCO)に対して等量またはそれ り過剰となる割合、すなわち、それらの当 比(NCO/OH)が、実質的に1.0以下となるように 合して、反応させる。この反応において、 ソシアネート基が残存すると、耐水性や透 性が低下する場合がある。

 このように反応させると、例えば、水性 レタン樹脂は、ポリイソシアネート、ポリ キシエチレン側鎖含有ジオールおよび必要 よりポリオール、および、(メタ)アクリル エステルからなる主生成物と、ポリイソシ ネート、および、(メタ)アクリル酸エステル からなる副生成物との混合物として得ること ができる。上記反応において、好ましくは、 主生成物と副生成物とのモル比が、例えば、 1:0.1~20、好ましくは、1:0.1~10となるように、 成分の配合割合を調整する。

 反応温度は、通常、40~100℃、好ましくは、6 0~80℃である。全反応時間は、例えば、4~16時 である。また、反応は、好ましくは、乾燥 素雰囲気下または乾燥空気雰囲気下で実施 る。
 また、イソシアネート基末端プレポリマー 合成後、(メタ)アクリル酸エステルを配合 る以前に、必要により、未反応のポリイソ アネートを、例えば、蒸留や抽出などの公 の除去手段によって除去することもできる この場合には、上記した副生成物の生成を 制することができる。

 また、反応においては、必要に応じて、例 ば、アミン系、スズ系、鉛系などの公知の レタン化触媒を添加することができる。ま 、必要に応じて、上記反応において不活性 溶媒を配合することもできる。
 また、反応においては、(メタ)アクリル酸 ステルの重合を防止するため、ハイドロキ ン、メトキシフェノール、フェノチアジン どの重合禁止剤を、反応系に対して10~10000ppm 、好ましくは、50~5000ppm配合することもでき 。

 また、上記反応の終点は、イソシアナト基 消失を、赤外線分光光度計(IR)などによって 容易に確認することができる。
 このようにして得られる水性ウレタン樹脂 、例えば、主鎖の末端に、(メタ)アクリロ ル基を有しており、活性エネルギー線の照 により硬化することができる。また、この 性ウレタン樹脂は、側鎖の途中に、ポリオ シエチレン基を有しており、自己乳化する とができる。

 そして、本発明の水性ウレタン樹脂組成物 、上記した水性ウレタン樹脂を、水に乳化 たは分散させることにより、エマルション たはディスパーションとして得ることがで る。
 水性ウレタン樹脂を水に乳化または分散さ るには、特に制限されないが、例えば、ホ ディスパーなどの分散機により水性ウレタ 樹脂を攪拌しながら、その水性ウレタン樹 に、例えば、5~30分かけて水を徐々に添加す る。その後、1時間程度、攪拌を継続して熟 する。

 水は、水性ウレタン樹脂組成物における水 ウレタン樹脂の固形分濃度が、例えば、10~7 0重量%、好ましくは、20~60重量%となるように 合する。水の配合割合が、これより多いと 不経済であり、また、これより少ないと、 度が高くなりすぎてハンドリング不良とな 。
 これによって、水性ウレタン樹脂が水に乳 または分散した、本発明の水性ウレタン樹 とができる。

 また、本発明の水性ウレタン樹脂組成物に 、その目的および用途により、活性エネル ー線の照射により重合する光重合性化合物 光重合開始剤などを任意成分として配合す ことができる。
 光重合性化合物としては、例えば、2-ヒド キシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキ プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ ブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブ ル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロ キシル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒド ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒド キシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリ レート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2 -ヒドロキシエチルフタル酸、2-ヒドロキシア ルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、 ンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、 オペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレー ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア リレート、ポリエチレングリコールモノ(メ タ)アクリレート、トリメチロールプロパン ノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ パンジ(メタ)アクリレート、グリセロールモ (メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールモノ( タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ( メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ スリトールペンタ(メタ)アクリレートなど 、1~3つの水酸基を含有する水酸基含有アク レート;例えば、アクリル酸、メタクリル酸 どの(メタ)アクリル酸;例えば、スチレン、 ニルトルエン、ジビニルベンゼン、α-メチ スチレンなどの芳香族ビニル/芳香族ビニリ デン;例えば、(メタ)アクリロニトリルなどの シアン化ビニル/シアン化ビニリデン;例えば メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、 チル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)ア リレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレ ート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウ イル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ) アクリレートなどの炭素数1~20のアルキル-(メ タ)アクリレート;例えば、シクロへキシル(メ タ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ) アクリレート;例えば、エチレングリコール (メタ)アクリレート、プロピレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコール (メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ( タ)アクリレート、ネオペンチルグリコール ジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ( メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ) アクリレート、オリゴエチレングリコールジ (メタ)アクリレートなどのアルカンジオール (メタ)アクリレート;例えば、トリメチロー プロパントリ(メタ)アクリレート、グリセ ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート どのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレ ート;例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジ アリルマレエート、ジアリルフマレート、ジ アリルイタコネートなどの不飽和カルボン酸 アリルエステル;例えば、グリシジル(メタ)ア クリレート;例えば、ウレタンジ(メタ)アクリ レート;例えば、ポリブタジエンジ(メタ)アク リレートなどが挙げられる。

 これら光重合性化合物は、単独使用また 2種以上併用することができる。好ましくは 、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア リレート、アリル(メタ)アクリレート、ジ ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー トなどが挙げられる。

 光重合性化合物の配合割合は、水性ウレタ 樹脂組成物100重量部に対して、たとえば、8 0重量部以下、好ましくは、60重量部以下であ る。
 また、光重合開始剤としては、例えば、ベ ゾフェノン系光重合開始剤、チオキサント 系光重合開始剤、ベンジル、ミヒラーケト 、カンファーキノンなどの分子間水素引き き型光重合開始剤、例えば、アセトフェノ 系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光 合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光 合開始剤などの分子内結合開裂型光重合開 剤などが挙げられる。

 ベンゾフェノン系光重合開始剤としては 例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安 香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4- ンゾイル-4″-メチルジフェニルサルファイ 、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、(4-ベン イルベンジル)トリメチルアンモニウムクロ リド、クロロベンゾフェノン、ヒドロキシベ ンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、3,3″ -ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、アク ル化ベンゾフェノンなどが挙げられる。

 チオキサントン系光重合開始剤としては、 えば、2-または4-イソプロピルチオキサント ン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロ チオキサントンなどが挙げられる。
 アセトフェノン系光重合開始剤としては、 えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒド キシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(例 ば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社 、ダロキュアー1173)、ベンジルジメチルケ ール(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミ ルズ社製、イルガキュアー651、BASF社製、ル シリンBDKなど)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシ -フェニルケトン(例えば、チバ・スペシャル ティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー184) 2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル )プロパン-1-オン(例えば、チバ・スペシャル ィ・ケミカルズ社製、イルガキュアー907)、 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノ ェニル)-ブタノン(例えば、チバ・スペシャ ティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー369) 、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(1-メチルビニ )フェニル〕プロパノンのオリゴマー(例えば 、ランベルチ社製、エサキュアーKIP)などが げられる。

 ベンゾインエーテル系光重合開始剤として 、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチル ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン インイソプロピルエーテル、ベンゾインイ ブチルエーテルなどが挙げられる。
 アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤 しては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイ ジフェニルホスフィンオキシド(例えば、BAS F社製、ルシリンTPO)、ビス(2,6-ジメトキシベ ゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィン オキシド(BAPO)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾ ル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6- トリメチルベンゾイル)エチルホスフィンオ シド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)n-ブ ルホスフィンオキシドなどが挙げられる。

 また、これら以外にメチルフェニルグリオ シエステル(AKZO社製、バイキュアー55)や3,6- ス(2-モルホリノイソブチル)-9-ブチルカルバ ゾール(旭電化社製、A-Cure3)、チタノセン化合 物なども挙げることができる。
 これら光重合開始剤は、単独使用または2種 以上併用することができる。また、光重合開 始剤の配合割合は、水性ウレタン樹脂組成物 100重量部に対して、たとえば、10重量部以下 好ましくは、5重量部以下である。

 光重合開始剤は、活性エネルギー線として 子線を使用するときには、多くの場合不要 あるが、活性エネルギー線として紫外線を 用するときには、多くの場合必要である。
 また、光重合開始剤は、水性ウレタン樹脂 成物の塗工前に添加して、完全溶解させて くことが好適である。
 また、水性ウレタン樹脂組成物には、光重 開始剤による光重合反応を促進するために 必要に応じて、公知の増感剤や光重合促進 を、光重合開始剤と併用して配合すること できる。

 さらに、本発明の水性ウレタン樹脂組成物 は、その目的および用途によって、必要に じて、例えば、消泡剤、レベリング剤、顔 、染料、珪素化合物、ロジン類、シランカ プリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、 色剤、増白剤などの各種の添加剤を、適宜 添加することもできる。
 このようにして得られる水性ウレタン樹脂 成物は、その固形分が、例えば、10~70重量% 好ましくは、20~60重量%となるように調製さ る。また、水性ウレタン樹脂組成物におい 、水性ポリウレタン樹脂の数平均分子量は 例えば、400~200000、好ましくは、1000~100000で り、水性ポリウレタン樹脂に対するポリオ シエチレン基の含有割合が、例えば、1~76重 量%、好ましくは、1.5~56重量%である。

 そして、本発明の水性ウレタン樹脂組成物 、エマルションまたはディスパーションと て、水性ポリウレタン樹脂の水中での安定 た状態を、長期にわたって確保することが きる。そのため、長期にわたる良好な貯蔵 定性を得ることができる。
 また、本発明の水性ウレタン樹脂組成物は 被着体(被塗物)に塗工して、活性エネルギ 線(例えば、電子線、紫外線)を照射すれば、 硬化により、被着体(被塗物)に対して、良好 密着する塗膜を形成することができる。そ ため、塗膜物性の向上を図ることができ、 らには、硬化後に良好な耐水性を得ること できる。

 そのため、本発明の水性ウレタン樹脂組 物は、例えば、プラスチックフィルム、プ スチックシート、プラスチックフォーム、 維、合成皮革、金属、木材などの各種工業 料の、例えば、接着剤、プライマー、塗料 コーティング材や、インキなどとして、有 である。

 次に、本発明を合成例、実施例および比較 に基づいて説明するが、本発明は、下記の 施例によって限定されるものではない。
  合成例1(ジアルカノールアミン誘導体Aの 成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量 1000のメトキシポリエチレングリコール100重 部と、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート1 68重量部とを仕込み、窒素雰囲気下70℃で6時 反応させた。得られた反応液を薄膜蒸留し 、未反応の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネ ートを取り除き、ポリオキシエチレン基含有 モノイソシアネートを得た。

 次いで、攪拌機、温度計、還流管、およ 、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ジ エタノールアミン86重量部を仕込み、窒素雰 気下、空冷しながら上記ポリオキシエチレ 基含有モノイソシアネート950重量部を、反 温度が70℃を超えないように徐々に滴下し 。滴下終了後、約1時間、窒素雰囲気下にお て70℃で攪拌し、イソシアネート基が消失 たことを確認し、ジアルカノールアミン誘 体A(ポリオキシエチレン基含量76重量%)を得 。

  合成例2(ジアルカノールアミン誘導体Bの 成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量 400のメトキシポリエチレングリコール200重量 部と、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート87 1重量部とを仕込み、窒素雰囲気下70℃で6時 反応させた。得られた反応液を薄膜蒸留し 、未反応の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネ トを取り除き、ポリオキシエチレン基含有 ノイソシアネートを得た。

 次いで、攪拌機、温度計、還流管、およ 、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ジ エタノールアミン46重量部を仕込み、窒素雰 気下、空冷しながら上記ポリオキシエチレ 基含有モノイソシアネート250重量部を、反 温度が70℃を超えないように徐々に滴下し 。滴下終了後、約1時間、窒素雰囲気下にお て70℃で攪拌し、イソシアネート基が消失 たことを確認し、ジアルカノールアミン誘 体B(ポリオキシエチレン基含量55重量%)を得 。

  実施例1
(水性ウレタン樹脂Aの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、水添キシリレ ンジイソシアネート(商品名タケネート600、 井化学ポリウレタン(株)製)175重量部、合成 1で合成したジアルカノールアミン誘導体A172 重量部を加え、乾燥窒素を吹き込みながら80 まで昇温した。1時間経過後オクチル酸第一 スズ0.12重量部を添加し、さらに3時間攪拌し 、イソシアネート基末端プレポリマーを得 。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)732重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.24重量部を添加し 、さらに5時間攪拌して、水性ウレタン樹脂A 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Aの製造)
 上記水性ウレタン樹脂A70重量部に、ペンタ リスリトールテトラアクリレート(ライトア クリレートPE-4A、共栄社化学(株)製)30重量部 混合した。

 この混合物229重量部を40℃に調整して、 モミキサーにより、2000rpmで攪拌しながら23 のイオン交換水280重量部を30分かけて添加し た。その後、レベリング剤(オルフィンE1004  信化学(株)製)0.25重量部を添加し、1000rpmで らに1時間攪拌して、固形分濃度45重量%の水 ウレタン樹脂組成物Aを得た。

  実施例2
(水性ウレタン樹脂Bの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレ ンジイソシアネート(商品名タケネート700、 井化学ポリウレタン(株)製)172重量部、合成 1で合成したジアルカノールアミン誘導体A202 重量部を加え、乾燥窒素を吹き込みながら80 まで昇温した。1時間経過後オクチル酸第一 スズ0.12重量部を添加し、さらに3時間攪拌し 、イソシアネート基末端プレポリマーを得 。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)826重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.24重量部を添加し 、さらに5時間攪拌して、水性ウレタン樹脂B 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Bの製造)
 上記水性ウレタン樹脂B300重量部を40℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水300重量部を30分か て添加した。その後、レベリング剤(オルフ ンE1004 東信化学(株)製)0.30重量部を添加し 1000rpmでさらに1時間攪拌して、固形分濃度50 量%の水性ウレタン樹脂組成物Bを得た。

  実施例3
(水性ウレタン樹脂組成物Cの製造)
 実施例1で製造した水性ウレタン樹脂A90重量 部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ レート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)10重量部 混合した。
 この混合物200重量部を40℃に調整して、ホ ミキサーにより、2000rpmで攪拌しながら23℃ イオン交換水200重量部を30分かけて添加した 。その後、レベリング剤(オルフィンE1004 東 化学(株)製)0.20重量部を添加し、1000rpmでさ に1時間攪拌して、固形分濃度50重量%の水性 レタン樹脂組成物Cを得た。

  実施例4
(水性ウレタン樹脂Dの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、水添キシリレ ンジイソシアネート(商品名タケネート600、 井化学ポリウレタン(株)製)208重量部、合成 1で合成したジアルカノールアミン誘導体A82 量部、合成例2で合成したジアルカノールア ミン誘導体B133重量部を加え、乾燥窒素を吹 込みながら80℃まで昇温した。1時間経過後 クチル酸第一スズ0.12重量部を添加し、さら 3時間攪拌して、イソシアネート基末端プレ ポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)778重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.24重量部を添加し 、さらに5時間攪拌して、水性ウレタン樹脂D 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Dの製造)
 上記水性ウレタン樹脂D200重量部を65℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水244重量部を30分か て添加した。その後、レベリング剤(オルフ ンE1004 東信化学(株)製)0.22重量部を添加し 1000rpmでさらに1時間攪拌して、固形分濃度45 量%の水性ウレタン樹脂組成物Dを得た。

  実施例5
(水性ウレタン樹脂Eの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、水添キシリレ ンジイソシアネート(商品名タケネート600、 井化学ポリウレタン(株)製)202重量部、合成 1で合成したジアルカノールアミン誘導体A132 重量部、合成例2で合成したジアルカノール ミン誘導体B71重量部を加え、乾燥窒素を吹 込みながら80℃まで昇温した。1時間経過後 クチル酸第一スズ0.12重量部を添加し、さら 3時間攪拌して、イソシアネート基末端プレ ポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)794重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.24重量部を添加し 、さらに5時間攪拌して、水性ウレタン樹脂E 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Eの製造)
 上記水性ウレタン樹脂E200重量部を65℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水244重量部を30分か て添加した。その後、レベリング剤(オルフ ンE1004 東信化学(株)製)0.22重量部を添加し 1000rpmでさらに1時間攪拌して、固形分濃度45 量%の水性ウレタン樹脂組成物Eを得た。

  比較例1
(水性ウレタン樹脂Fの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、水添キシリレ ンジイソシアネート(商品名タケネート600、 井化学ポリウレタン(株)製)188重量部、数平 分子量1000のメトキシポリエチレングリコー (メトキシPEG#1000、東邦化学(株))169重量部を え、乾燥窒素を吹き込みながら80℃まで昇 した。1時間経過後オクチル酸第一スズ0.12重 量部を添加し、さらに3時間攪拌して、イソ アネート基末端プレポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)843重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.24重量部を添加し 、さらに5時間攪拌して、水性ウレタン樹脂F 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Fの製造)
 上記水性ウレタン樹脂F70重量部に、ペンタ リスリトールテトラアクリレート(ライトア クリレートPE-4A、共栄社化学(株)製)30重量部 混合した。

 この混合物300重量部を40℃に調整して、 モミキサーにより、2000rpmで攪拌しながら23 のイオン交換水367重量部を30分かけて添加し た。その後、レベリング剤(オルフィンE1004  信化学(株)製)0.33重量部を添加し、1000rpmで らに1時間攪拌して、固形分濃度45重量%の水 ウレタン樹脂組成物Fを得た。なお、この水 性ウレタン樹脂組成物Fは、翌日には樹脂層 水層とに相分離していることが確認された

  比較例2
(水性ウレタン樹脂Gの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレ ンジイソシアネート3量体(商品名コロネートH X、日本ポリウレタン(株)製)363重量部、数平 分子量400のメトキシポリエチレングリコー (メトキシPEG#400、東邦化学(株))153重量部を加 え、乾燥窒素を吹き込みながら80℃まで昇温 た。1時間経過後オクチル酸第一スズ0.12重 部を添加し、さらに3時間攪拌して、イソシ ネート基末端プレポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)684重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.24重量部を添加し 、さらに3時間攪拌して、水性ウレタン樹脂G 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Gの製造)
 上記水性ウレタン樹脂G300重量部を40℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水367重量部を30分か て添加した。

 その後、レベリング剤(オルフィンE1004 東 化学(株)製)0.33重量部を添加し、1000rpmでさら に1時間攪拌して、固形分濃度45重量%の水性 レタン樹脂組成物Gを得た。なお、この水性 レタン樹脂組成物Gは、翌日には樹脂層と水 層とに相分離していることが確認された。
  比較例3
(水性ウレタン樹脂Hの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレ ンジイソシアネート3量体(商品名コロネートH X、日本ポリウレタン(株)製)263重量部、数平 分子量1000のメトキシポリエチレングリコー (メトキシPEG#1000、東邦化学(株))210重量部を え、乾燥窒素を吹き込みながら80℃まで昇 した。1時間経過後オクチル酸第一スズ0.10重 量部を添加し、さらに3時間攪拌して、イソ アネート基末端プレポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.30 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)527重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.10重量部を添加し 、さらに3時間攪拌して、水性ウレタン樹脂H 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Hの製造)
 上記水性ウレタン樹脂H200重量部を40℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水300重量部を30分か て添加した。その後、レベリング剤(オルフ ンE1004 東信化学(株)製)0.25重量部を添加し 1000rpmでさらに1時間攪拌して、固形分濃度40 量%の水性ウレタン樹脂組成物Hを得た。

  比較例4
(水性ウレタン樹脂Iの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレ ンジイソシアネート3量体(商品名コロネートH X、日本ポリウレタン(株)製)273重量部、数平 分子量1000のメトキシポリエチレングリコー (メトキシPEG#1000、東邦化学(株))171重量部、 平均分子量400のメトキシポリエチレングリ ール(メトキシPEG#400、東邦化学(株))68重量部 を加え、乾燥窒素を吹き込みながら80℃まで 温した。1時間経過後オクチル酸第一スズ0.1 0重量部を添加し、さらに3時間攪拌して、イ シアネート基末端プレポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.30 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)488重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.10重量部を添加し 、さらに3時間攪拌して、水性ウレタン樹脂I 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Iの製造)
 上記水性ウレタン樹脂I200重量部を40℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水300重量部を30分か て添加した。その後、レベリング剤(オルフ ンE1004 東信化学(株)製)0.25重量部を添加し 1000rpmでさらに1時間攪拌して、固形分濃度40 量%の水性ウレタン樹脂組成物Iを得た。

  比較例5
(水性ウレタン樹脂Jの製造)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレ ンジイソシアネート3量体(商品名コロネートH X、日本ポリウレタン(株)製)348重量部、数平 分子量550のメトキシポリエチレングリコー (ユニオックスM-550、日本油脂(株))172重量部 加え、乾燥窒素を吹き込みながら80℃まで昇 温した。1時間経過後オクチル酸第一スズ0.10 量部を添加し、さらに3時間攪拌して、イソ シアネート基末端プレポリマーを得た。

 次いで、これに、p-メトキシフェノール0.36 量部、ペンタエリスリトールトリアクリレ ト(ライトアクリレートPE-3A、共栄社化学(株 )製)680重量部を添加し、乾燥空気を吹き込み がら攪拌して、70℃まで昇温した。1時間経 時にオクチル酸第一スズ0.10重量部を添加し 、さらに3時間攪拌して、水性ウレタン樹脂J 得た。なお、この時点で反応液中のイソシ ナト基の消失を、IR分析(NaCl板法)により確 した。
(水性ウレタン樹脂組成物Jの製造)
 上記水性ウレタン樹脂J300重量部を25℃に調 して、ホモミキサーにより、2000rpmで攪拌し ながら23℃のイオン交換水367重量部を30分か て添加した。その後、レベリング剤(オルフ ンE1004 東信化学(株)製)0.33重量部を添加し 1000rpmでさらに1時間攪拌して、固形分濃度45 量%の水性ウレタン樹脂組成物Jを得た。

  評価
 各実施例および各比較例において得られた 性ウレタン樹脂組成物について、以下の評 を実施した。その結果を表1および表2に示 。
1)サンプルの作製
 各実施例および各比較例において得られた 性ウレタン樹脂組成物100重量部に対し、光 合開始剤(商品名ダロキュアー1173、チバ・ ペシャルティ・ケミカルズ社製)を、表1に示 す配合割合で添加した後、各水性ウレタン樹 脂組成物を、アプリケーターを用いて試験板 上に膜厚100μmで塗工した。

 その後、75℃で10分間乾燥させた後、高圧水 銀灯(80W/cm、2灯)により紫外線を照射(500mJ/cm 2 )し、硬化させて塗膜(サンプル)を得た。
2)密着性
 試験板として、ポリカーボネート板およびA BS板を用いて、それらの上面に作製した塗膜 ついて、JIS K 5400に準拠して、1mm間隔の10× 10の碁盤目を形成し、それにセロハンテープ 一旦貼着してから剥離して、塗膜の剥離の 無を評価した。
3)硬度
 試験板として、ポリカーボネート板およびA BS板を用いて、それらの上面に作製した塗膜 ついて、JIS K 5400に準拠して、塗膜の鉛筆 度を測定した。
4)温水浸漬試験
 試験板として、ABS板およびポリカーボネー 板を用いて、その塗膜付きABS板およびポリ ーボネート板を、60℃の温水に4時間浸漬し 引き上げて水滴を拭き取ってから、1~2時間 間に、外観観察および2)と同様の剥離試験 実施した。
5)耐溶剤性
 試験板として、ABS板を用いた。ABS板上に作 した塗膜にメチルエチルケトンを駒込ピペ トで約0.5ml垂らし、揮発しないように覆っ 24時間、室温で放置した。その後、外観観察 および2)と同様の剥離試験を実施した。

 なお、表1中の外観の項目において、○は外 観変化なし、×は外観変化ありを示す。外観 化ありは、ブリスター(フクレ)が発生した 態となっていた。
 また、表1中の密着性の項目において、○は 剥離なし、×は剥離ありを示す。また、比較 3および比較例4において、初期密着性が不 であったため、密着性試験を実施しなかっ 場合は、その旨を記載した。
6)貯蔵安定性
 実施例1~5および比較例5において得られた水 性ウレタン樹脂組成物を40℃の恒温オーブン 、1週間、2週間、4週間保管して、貯蔵安定 を評価した。

 なお、表2中、○は相分離なし、×は相分 ありを示す。

 なお、上記説明は、本発明の例示の実施 態として提供したが、これは単なる例示に ぎず、限定的に解釈してはならない。当該 術分野の当業者によって明らかな本発明の 形例は、後記の特許請求の範囲に含まれる のである。

 本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、プ スチックフィルム、プラスチックシート、 ラスチックフォーム、繊維、合成皮革、金 、木材などの各種工業材料の、接着剤、プ イマー、塗料、コーティング材や、インキ どとして利用できる。