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Patent Searching and Data


Title:
ARTIFICIAL MEDIUM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107684
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an artificial medium comprising: a dielectric layer having a front surface and a back surface; a plurality of first gridlines and a plurality of second gridlines that are formed on both the front surface and the back surface of the dielectric layer, wherein the first gridlines extend along a first direction and the second gridlines extend along a second direction, which is different from the first direction; and conductive elements that are formed on both the front surface and back surface of the dielectric layer, located in the areas where the first gridlines and the second gridlines cross. Upon incidence of electromagnetic waves propagating in the thickness direction of the dielectric layer, the current excited by the electromagnetic waves is amplified at a prescribed operating frequency, and a current loop is formed in a plane parallel to the thickness direction.

Inventors:
IKAWA KOJI (JP)
KOGA MASAHIDE (JP)
WATANABE FUMINORI (JP)
SONODA RYUTA (JP)
NIWANO KAZUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053459
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
IKAWA KOJI (JP)
KOGA MASAHIDE (JP)
WATANABE FUMINORI (JP)
SONODA RYUTA (JP)
NIWANO KAZUHIKO (JP)
International Classes:
H01Q15/00; H01P1/38
Foreign References:
JP2007256929A2007-10-04
JP2006245984A2006-09-14
Other References:
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"2001 Asia-Pacific Microwave Conference Proceedings, Vol.2, 2001.12", article CALOZ C. ET AL.: "A novel multilayer super-compact inharmonic photonic band-gap (PBG) structure for microstrip applications", pages: 651 - 654, XP008140308
C.CALOZ; T . ITOH: "Novel microwave devices and structures based on transmission line approach of meta-materials", IEEE-MTT INT'1 SYMP., vol. 1, June 2003 (2003-06-01), pages 195 - 198
R. A. SHELBY; D. R. SMITH; S. SCHULTZ: "Experimental Verification of a Negative index of Refraction", SCIENCE, vol. 292, 2001, pages 77 - 79
GUNNAR DOLLING; CHRISTIAN ENKRICH; MARTIN WEGNER; COSTAS M. SOUKOULIS; STEFAN LINDEN, OPTICS LETTERS, vol. 31, no. 12, 2006
A.M.NICOLSON; G.F.ROSS: "Measurement of the Intrinsic Properties of Materials by Time Domain Techniques", IEEE TRANSACTION ON IM., November 1970 (1970-11-01)
W.B.WEIR: "Automatic Measurement of Complex Dielectric Constant and Permeability at Microwave Frequencies", PROC. OF IEEE, vol. 62, January 1974 (1974-01-01)
J.8.JARVIS; E.J.VANZURA: "Improved Technique for Determining Complex Permittivity with the Transmission/Reflection Method", IEEE TRANSACTION MTT, vol. 38, August 1990 (1990-08-01)
See also references of EP 2251932A4
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (JP)
Shohei Oguri (JP)
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Claims:
 表面と裏面とを有する誘電体層と、
 前記誘電体層の前記表面と前記裏面の各々に形成され、第1の方向に延在する複数の第1のグリッドライン及び前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の第2のグリッドラインと、
 前記誘電体層の前記表面と前記裏面の各々に形成され、前記第1のグリッドラインと前記第2のグリッドラインとが交差する領域に位置する導電性素子とを備え、
前記誘電体層の厚さ方向に伝播する電磁波が入射された際に、この電磁波により励起される電流を所定の動作周波数において増大させ、かつ前記厚さ方向と平行な面内に電流ループを形成する人工媒質。
 前記第1のグリッドラインと前記第2のグリッドラインは、直交していることを特徴とする請求項1に記載の人工媒質。
 前記複数の第1のグリッドラインおよび/または前記複数の第2のグリッドラインは、同一のピッチで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の人工媒質。
 前記複数の第1のグリッドラインは、同一のピッチで配置されており、前記複数の第2のグリッドラインは、前記複数の第1のグリッドラインと等しいピッチで配置されており、
 前記導電性素子は、前記第1および第2のグリッドラインが交差する部位の全てに配設されかつ前記交差する部位を除く位置には配設されていないことを特徴とする請求項3に記載の人工媒質。
 各導電性素子の形状および寸法は、実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載の人工媒質。
 前記導電性素子は、矩形状または正方形状であることを特徴とする請求項5に記載の人工媒質。
 前記導電性素子は、正方形状であり、前記導電性素子の各辺の延伸方向は、前記第1および第2の方向とは異なることを特徴とする請求項6に記載の人工媒質。
 前記第1および第2のグリッドラインの幅は、実質的に等しく、
 前記正方形状の導電性素子の一辺の長さは、前記第1および第2のグリッドラインの幅よりも広いことを特徴とする請求項7に記載の人工媒質。
 前記第1のグリッドラインと前記第2のグリッドラインは、直交しており、
 前記導電性素子の各辺の方向が前記第1の方向となす最小角度は、45゜であることを特徴とする請求項7に記載の人工媒質。
 前記誘電体層が、厚さ方向に複数積層されて構成されることを特徴とする請求項1に記載の人工媒質。
 表面と裏面とを有する誘電体層と、
 前記誘電体層の前記表面に形成され、互いに離散して配置される複数の第1の導電性素子と、
 前記誘電体層の前記表面に形成され、第1の方向に延在し、前記複数の第1の導電性素子を接続する第1のグリッドラインと、
 前記誘電体層の前記表面に形成され、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、前記複数の第1の導電性素子を接続する第2のグリッドラインと、
 前記誘電体層を基準として前記表面に形成された前記複数の第1の導電性素子と対称となるように前記裏面に形成され、互いに離散して配置される複数の第2の導電性素子と、
 前記誘電体層を基準として前記表面に形成された前記第1のグリッドラインと対称となるように前記裏面に形成され、前記第1の方向に延在し、前記複数の第2の導電性素子を接続する第3のグリッドラインと、
 前記誘電体層を基準として前記表面に形成された前記第2のグリッドラインと対称となるように前記裏面に形成され、前記第2の方向に延在し、前記複数の第2の導電性素子を接続する第4のグリッドラインとを備え、
 前記誘電体層の厚さ方向に伝播する電磁波が入射された際に、この電磁波により励起される電流を所定の動作周波数において増大させ、かつ前記厚さ方向と平行な面内に電流ループを形成する人工媒質。
Description:
人工媒質

 本発明は、人工媒質に関し、特に、左手 人工媒質に関する。

 実効比誘電率と実効比透磁率がともに負 なる人工媒質、いわゆる「左手系媒質」は 負の屈折率を有する自然界には存在しない 質であり、通常の物質、いわゆる「右手系 質」に対して、波動の性質が逆転する特異 現象を示す。例えば逆転する現象とは、ス ルの法則における屈折角の符号(負の屈折率 )、波数ベクトルの方向(後進波、backward wave) ドップラー効果、などである。またこの概 の拡張として、実効比誘電率と実効比透磁 がともにゼロになる、整合ゼロ屈折率媒質 高い注目を集めている。そこで、様々な分 において、この左手系媒質の特性を利用し 、各種装置および機器等を高度化すること 検討されている。例えば、光学分野では人 媒質を用いてレンズ等について回折限界を える高解像化、マイクロ波・ミリ波の分野 は人工媒質を用いてアンテナの小型化や高 能化などが検討されている。

 左手系人工媒質を構成する手法は大きく けて2種類に分類できることが知られている 。ひとつは伝送線路を用いたものであり、た とえば、非特許文献1を例示できる。

 この手法は、すでに確立された伝送線路 論、およびその理論で実現される右手系線 を質的に拡張し、離散的なインダクターと ャパシターを線路内に挿入することで左手 線路を実現するものである。この手法は、 質的に広帯域性を示すことが大きな特徴で る。この手法は、フィルターのような回路 子や、伝送線路に接続されることが前提の ンテナに対して適用するものであり、空間 伝搬する電磁波に対して作用する。そのた 、この手法は、たとえばレンズなどに伝送 路型左手系媒質を適用することは極めて難 い。

 これに対して、空間を伝搬する電磁波に して作用できる左手系媒質として非特許文 2を例示できる。

 この左手系媒質は、スプリットリング共 器と導体ストリップを組み合わせた構造を する。そのため、この左手系媒質は、電磁 の伝搬方向に対して、スプリットリング共 器の導体面を並行に形成しなければならな という原理的な制約がある。その結果、こ 左手系媒質は、製造プロセスが極めて複雑 なるというデメリットがある。

 上記のデメリットを解消でき、空間の電 波に作用できる左手系媒質の構成として、 特許文献3を例示できる。この手法は、誘電 体の表裏面のそれぞれに、ネット状の導体か らなる同一のパターンを配置することにより 、左手系媒質を実現している。

C.Caloz And T. Itoh,“Novel microwave devices a nd structures based on transmission line approach of meta-materials” IEEE-MTT Int‘l Symp., vol.1 pp.195 -198,June 2003 R.A.Shelby,D.R.Smith,S.Schultz,“Experimental Verifi cation of a Negative Index of Refraction” Science  292, pp.77-79 2001 Gunnar Dolling,Christian Enkrich,Martin Wegner,Cost as M.Soukoulis,Stefan Linden,OPTICS LETTERS,Vol.31,No.12, 2006年

 しかしながら、前述の非特許文献3に記載 の人工媒質は、光の帯域での使用を想定して 提案されたものであり、マイクロ波またはミ リ波の分野において使用することは難しい。 なぜならば、非特許文献3に記載の人工媒質 、左手系媒質が得られる周波数領域が狭く さらに偏波依存性を有するからである。す わち、この人工媒質を、例えばマイクロ波 たはミリ波の分野に適用した場合、入射電 波の電界の方向によって、実効比誘電率お び実効比透磁率は、大きく変化してしまう 能性がある。そのような偏波依存性を有す 人工媒質では、適用先が著しく制限され、 工媒質を様々な用途に適用することは難し 。そのため、従来の人工媒質は、マイクロ またはミリ波の分野に適用されないという 題点があった。

 本発明は、このような問題に鑑みなされ ものであり、広い周波数域にわたって左手 媒質としての特性が得られるとともに、偏 依存性の少ない人工媒質を提供することを 的とする。

 本発明は、誘電体層と、この誘電体層を して互いに対向する第1および第2の導電性 ターンとを備え、前記誘電体層の厚さ方向 伝播する電磁波が入射された際に、この電 波により励起される電流を所定の動作周波 において増大させ、かつ前記厚さ方向と平 な面内に電流ループを形成する人工媒質に いて、前記第1および第2の導電性パターンは 、導電性素子と、第1の方向に延在する複数 第1のグリッドラインと、第1の方向とは異な る第2の方向に延在する複数の第2のグリッド インとを有し、前記導電性素子は、前記第1 および第2のグリッドラインが交差する部位 配設されていることを特徴とする人工媒質 提供する。

 本発明では、広い周波数域にわたって左手 媒質としての特性が得られ、偏波依存性の ない人工媒質を提供することが可能となる
 本発明の人工媒質は、例えば、高周波用レ ズアンテナ、アンテナ用レドーム、アンテ 用スーパーストレート、超小型通信用の共 器、発信器等に利用することができる。

本発明の第1の人工媒質の上面図である 。 図1の人工媒質のA-A線に沿った断面図で ある。 従来の人工媒質の上面図である。 図3の人工媒質のB-B線に沿った断面図で ある。 従来の人工媒質における実効比誘電率 よび実効比透磁率の周波数特性を示したグ フである。 従来の人工媒質におけるSパラメータの 周波数特性を示したグラフである。 本発明の第1の人工媒質における実効比 誘電率および実効比透磁率の周波数特性を示 したグラフである。 本発明の第1の人工媒質におけるSパラ ータの周波数特性を示したグラフである。 図5に示したシミュレーションにおいて 、偏波を90゜回転させたときの、従来の人工 質における実効比誘電率および実効比透磁 の周波数特性を示したグラフである。 図6に示したシミュレーションにおい 、偏波を90゜回転させたときの、従来の人工 媒質におけるSパラメータの周波数特性を示 たグラフである。 図7に示したシミュレーションにおい 、偏波を90゜回転させたときの、本発明の第 1の人工媒質における実効比誘電率および実 比透磁率の周波数特性を示したグラフであ 。 図8に示したシミュレーションにおい 、偏波を90゜回転させたときの、本発明の第 1の人工媒質におけるSパラメータの周波数特 を示したグラフである。 本発明の第2の人工媒質の上面図であ 。 図13の人工媒質のC-C線に沿った断面図 ある。 本発明の第2の人工媒質における実効 誘電率および実効比透磁率の周波数特性を したグラフである。 本発明の第2の人工媒質におけるSパラ ータの周波数特性を示したグラフである。 第1の人工媒質において、タイルの寸 が変化したときの実効比誘電率の周波数特 を示したグラフである。 第2の人工媒質において、タイルの寸 が変化したときの実効比誘電率の周波数特 を示したグラフである。 本発明の別の人工媒質180の概略的な上 面拡大図である。 図19に示す人工媒質180の実効比誘電率 実効比透磁率の周波数変化を、図1に示す人 工媒質100の結果と合わせて示したグラフであ る。 人工媒質の特性測定用の測定装置の概 略構成図である。 本発明の第2の人工媒質における実効 誘電率および実効比透磁率の周波数特性(実 値)を示したグラフである。 本発明の第2の人工媒質におけるSパラ ータの周波数特性(実測値)を示したグラフ ある。

 以下図面により本発明の形態を説明する

 (第1の人工媒質)
 図1には、本発明による第1の人工媒質の上 図を示す。また、図2には、図1に示した第1 人工媒質のA-A線に沿った断面図を示す。

 図1および2に示すように、本発明による 1の人工媒質100は、表面112と裏面114とを有す 誘電体層111を備える。誘電体層111の表面112 裏面114には、導電性のグリットライン110と 電性のタイル140とが形成されている。ここ 、導電性のグリットライン110と導電性のタ ル140とで構成される模様を繰り返しパター 105とする。各面に構成された繰り返しパタ ン105は、誘電体層111の厚さ方向から見て、 質的に同一のものである。また、各面に構 された繰り返しパターン105は、誘電体層111 厚さ方向と平行な方向(図2のZ方向)から見た 場合、実質的に一致するように、表面112およ び裏面114に配置される。つまり、各面に構成 された繰り返しパターン105は、誘電体層111を 挟んで、対称となるように形成されている。

 ここで、「グリッドライン」とは、誘電 層の表面(または裏面)に配置された、幅が 質的に等しい線状の導電体を意味する。「 イル」とは、2本の「グリッドライン」の交 に配置された、「グリッドライン」以外の 電体を意味する。本願において、「タイル は、特に、導電性素子とも称される。ここ 、複数のグリットラインの交点に配置され とは、タイルがグリットラインの交点上に 置されるという意味ではなく、タイルの下 はグリットラインは存在していない。つま 、誘電体層111の厚さ方向から見て、グリッ ラインとタイルは、仮想の同一平面を構成 る。

 グリッドライン110は、実質的に第1の方向 (図のX方向)に延伸する複数の第1のグリッド イン110Xと、実質的に第2の方向(図のY方向)に 延伸する複数の第2のグリッドライン110Yとを する。また、タイル140は、第1のグリッドラ イン110Xと第2のグリッドライン110Yの各交点に 配置されている。

 図1において、各第1のグリッドライン110Xは ピッチP X で等間隔に配置されている。同様に、各第2 グリッドライン110Yは、ピッチP Y で等間隔に配置されている。ここで、P x =P Y である。第1のグリッドライン110Xおよび第2の グリッドライン110Yの幅は、それぞれ、W X およびW Y であり、図1の例では、W X =W Y である。

 ここで、図1では、第1のグリットライン110X 第2のグリットライン110Yとは直交している しかしながら、本発明において、第1および 2のグリッドライン110X、110Yは、必ずしも直 している必要はない。また、第1および第2 グリッドライン110X、110Yのそれぞれは、必ず しも等間隔に配置される必要はない。また、 第1および第2のグリッドライン110X、110Yのそ ぞれが等間隔に配置される場合であっても ピッチP X とP Y は、異なっていても良い。また、複数の第1 グリッドライン110Xの幅W X は、すべて同じ幅W X である必要はなく、すべて異なっていてもよ く、一部分のみ異なる若しくは同じ構成でも 良い。同様に、第2のグリッドライン110Yの幅W Y についても同じことが言える。さらに、グリ ッドラインの幅W X とW Y は、異なっていても良い。

 また、図においてタイル140は、正方形状で り、X方向の幅D X とY方向の幅D Y は、等しい。タイル140は、誘電体層111の表面 112及び裏面114上に配置される。タイル140の正 方形の各辺は、第1のグリッドライン110Xまた 第2のグリッドライン110Yのいずれかの延伸 向と実質的に平行である。また、タイル140 、その重心と第1のグリッドライン110Xと第2 グリッドライン110Yの交点とが重なるように 置される。

 なお、タイル140は、必ずしも、第1のグリ ッドライン110Xと第2のグリッドライン110Yとの 全ての交点に配置される必要はない。ただし 、以降に示すように、タイル140は、第1のグ ッドライン110Xと第2のグリッドライン110Yと 全ての交点に配置されることがより好まし 。またタイル140の形状は、正方形に限られ ものではなく、長方形など、様々な形態を 用することができる。

 次に、このように構成された本発明によ 第1の人工媒質100の特性を、前述の非特許文 献3に記載の人工媒質(以下、「従来の人工媒 」と称する)の特性と比較して説明する。

 まず、従来の人工媒質の構成について説 する。図3および図4は、従来の人工媒質の 成を示す。図3は、従来の人工媒質の上面図 ある。図4は、図3のB-B線に沿った断面図で る。

 従来の人工媒質150は、表面162および裏面1 64を有する誘電体層161を備える。従来の人工 質150の表面162及び裏面164には、複数のグリ ドラインがマトリクス状に形成されている ここで、マトリクス状の模様を繰り返しパ ーン155とする。なお、従来の人工媒質150は 本発明のような「タイル」を有さない。

 パターン155は、図3のX方向に延伸する複数 グリッドライン160X(第1のグリッドライン)と Y方向に延伸する複数のグリッドライン160Y( 2のグリッドライン)とを有する。第1のグリ ドライン160Xは、ピッチP X で等間隔に配置されている。同様に、第2の リッドライン160Yは、ピッチP Y で等間隔に配置されている。ここで、P x =P Y である。なお第1のグリッドライン160Xの幅W X は、第2のグリッドライン160Yの幅W Y よりも狭くなっている。

 ここで、誘電体層161のパターン155は、厚 方向から見て、同一の形状となっている(図 4参照)。ここで、誘電体層161において、第1の グリッドラインおよび第2のグリッドライン いずれも設置されていない部分には、開口15 7が設けられている。

 次に、従来の人工媒質150と、本発明によ 第1の人工媒質100の特性の差異を、シミュレ ーション結果に基づいて説明する。なお、シ ミュレーションは、FIT(Finite Integration Techniqu e)法(有限積分法)により実施した。

 シミュレーションに使用した人工媒質100 よび人工媒質150を構成する各素子の寸法等 パラメータを、まとめて表1に示す。表1に いて、sは、誘電体層111、161の厚さであり、t は、各グリッドライン(およびタイル)の厚さ ある。また、誘電体層111、161の比透磁率は 1.0とし、比誘電率は、3.4とした。

 図5~図8には、第1の人工媒質100および従来 の人工媒質150における、周波数特性のシミュ レーション結果の一例を示す。図5は、従来 人工媒質の実効比誘電率と実効比透磁率の 波数依存性を示したグラフである。図6は、 来の人工媒質のS11パラメータとS21パラメー の周波数依存性を示したグラフである。一 、図7は、本発明による人工媒質100の実効比 誘電率と実効比透磁率の周波数依存性を示し たグラフである。図8は、本発明による人工 質100のS11パラメータとS21パラメータの周波 依存性を示したグラフである。

 図5に示すように、従来の人工媒質150は、 約25GHz~約26GHzの周波数域において、実効比誘 率と実効比透磁率がともに負となっている よって、従来の人工媒質150は、約25GHz~約26GH zの周波数領域に、左手系媒質が得られてい ことがわかる。

 一方、本発明による人工媒質100では、図7 に示すように、約23.5GHzの周波数において、 気共鳴周波数Fo(実効比透磁率の正のピーク 負のピークの間の、実効比透磁率が0になる 波数)が得られ、約26GHzの周波数にプラズマ 波数Fp(実効比誘電率が0になる周波数)が得 れている。本発明の人工媒質100は、約23.5GHz~ 約26GHzの周波数領域において、実効比誘電率 実効比透磁率がともに負となっている。よ て、本発明の人工媒質100は、約23.5GHz~約26GHz の周波数領域に、左手系媒質が得られている ことがわかる。

 ここで、図6に示すように、従来の人工媒 質150では、良好な透過特性が得られる領域(S2 1特性が-1dB以上)は、周波数が約25GHzの位置に られていることがわかる。そのため、従来 人工媒質150は、左手系媒質としての特性の られる周波数領域が著しく限定される。す わち、従来の人工媒質は、25GHz以外の周波 領域では、損失が大きくなり、マイクロ波 たはミリ波の分野の人工媒質として適性に 用することはできない。

 これに対して、本発明の人工媒質100では 図8に示すように、約24GHz~約28GHzの周波数領 において、S21特性がほぼ0(ゼロ)dBになって る。従って、本発明の人工媒質100では、従 の人工媒質150に比べ、極めて広い周波数領 にわたって透過損失の少ない良好な特性を ることができる。さらに、図7に示すように 本発明の人工媒質100は、26GHzにおいて、実 比透磁率と実効比誘電率がともにゼロとな 。よって、本発明の人工媒質100は、26GHzにお いて、整合ゼロ屈折率媒質が達成されている ことがわかる。

 このように、本発明の人工媒質と従来の 工媒質の間には、透過損失の少ない良好な 手系媒質が得られる周波数の帯域幅に有意 差異が認められる。さらに、本発明の人工 質は、従来の人工媒質に比べて、偏波依存 が小さいという特徴を有する。以下、この 異について説明する。

 図9および図10は、従来の人工媒質150の入 波の偏波を90゜回転させた場合のシミュレ ション結果を示す。先の図5および図6の結果 は、図3に示すように、入射電磁波の電界方 EがX軸方向と平行な場合に得られたものであ る。これに対して、図9および図10の結果は、 入射電磁波の電界方向EがY軸方向と平行な場 に相当する。

 図9および図10から、従来の人工媒質150は 入射電磁波の偏波が90゜変化すると、有効 特性が全く得られなくなることがわかる。

 図11および図12は、本発明の人工媒質100の 入射偏波を90゜回転させた場合のシミュレー ョン結果を示す。これらの図と前述の図7お よび図8の比較から、本発明の人工媒質100で 、特性が偏波の方向にほとんど依存しない とがわかる。すなわち、本発明の人工媒質 、偏波方向依存性がほとんどなく、いかな 偏波に対して左手系媒質としての特性を発 することがわかる。

 以上のシミュレーション結果から明らか ように、本発明の人工媒質では、従来の人 媒質に比べて、広い周波数域にわたって左 系媒質としての特性を有し、かつ偏波依存 の少ない人工媒質を提供することが可能と る。

 (第2の人工媒質)
 次に、本発明による第2の人工媒質について 説明する。図13は、本発明による第2の人工媒 質の上面図を示す。図14は、図13に示した第2 人工媒質のC-C線に沿った断面図を示す。

 第2の人工媒質200は、基本的に前述の第1 人工媒質100と同様に構成される。本発明に る第2の人工媒質200は、表面212と裏面214とを する誘電体層211を備える。誘電体層211の表 212と裏面214には、導電性のグリットライン2 10と導電性のタイル240とが形成されている。 こで、導電性のグリットライン210と導電性 タイル240とで構成される模様を繰り返しパ ーン205とする。各面に構成された繰り返し ターン205は、誘電体層211の厚さ方向から見 、実質的に同一のものである。また、各面 構成された繰り返しパターン205は、誘電体 211の厚さ方向と平行な方向(図14のZ方向)か 見た場合、実質的に一致するように、表面21 2および裏面214に配置される。つまり、各面 構成された繰り返しパターン205は、誘電体 211を挟んで、対称となるように形成されて る。

 しかしながら、第2の人工媒質200では、グ リッドライン210に対する導電性のタイル240の 配向が、第1の人工媒質100とは異なっている 図13に示すように、第2の人工媒質200の正方 状のタイル240は、第1の人工媒質100のタイル1 40に対して、45゜回転させた状態で、誘電体 の表面212(および裏面214)に配置されている。 従って、タイル240の各辺が、第1のグリッド イン210X(または第2のグリッドライン210Y)の延 伸方向となす最小角度は、45゜である。ここ 、「最小角度」とは、2つの直線がなす角度 のうち、小さい方の角度を意味する。

 図15および図16は、前述のシミュレーショ ン法により、第2の人工媒質200の特性を計算 た結果である。図15は、人工媒質200の実効比 誘電率と実効比透磁率の周波数依存性を示し たグラフである。図16は、人工媒質200のS11とS 21パラメータの周波数依存性を示したグラフ ある。

 なお、シミュレーションには、表2に示す パラメータを使用した。表2において、sは、 電体層の厚さであり、tは、各グリッドライ ン(およびタイル)の厚さである。また、誘電 層211の比透磁率は、1.0とし、比誘電率は、3 .4とした。

 図15および図16の結果から、第2の人工媒 200においても、約23GHzから26GHzの広い周波数 において、左手系媒質が得られていること わかる。特に、図16に示すように、第2の人 媒質200の場合、プラズマ周波数Fp(約26.5GHz) 中心とする広い周波数域にわたって、S21が ぼ0(ゼロ)dBとなっている。よって、第2の人 媒質200は、第1の人工媒質を超える極めて良 な特性が得られていることがわかる。

 第2の人工媒質200において、このような良 好な特性が得られるのは、以下の理由による ものである。

 一般に、波動インピーダンスZは、Z=√(μ 0 μ r 0 ε r )で表される。ここで、μ 0 は真空の透磁率であり、μ r は比透磁率であり、ε 0 は真空の誘電率であり、ε r は比誘電率である。ここで、一般に、比透磁 率は、磁気共鳴周波数Foよりも高い周波数で 負の値から、磁気プラズマ周波数(比透磁率 が0となる周波数)よりも高い周波数域で1に収 束するまで、周波数に対して徐々に増加する ように変化する。従って、波動インピーダン スZを自由空間の波動インピーダンスに整合 せるためには、この実効比透磁率の周波数 対する勾配にできる限り接近するように、 効比誘電率の周波数を変化させることが好 しい。

 一方、図7と図15の比較からも明らかなよ に、第2の人工媒質200におけるプラズマ周波 数Fp近傍での実効比誘電率の周波数に対する 配は、第1の人工媒質100における勾配に比べ て、実効比透磁率の周波数に対する勾配に、 より近接している。そのため、第2の人工媒 200は、より広い周波数領域にわたって良好 インピーダンス整合を得ることができる。 って、第2の人工媒質200は、第1の人工媒質に 比べてより良好な特性を得ることが可能とな る。

 また、第2の人工媒質200は、以下のように 設計上の観点からも有意な特性を有する。

 図17は、前述のシミュレーション法を用い 得られたタイルの寸法D X およびD Y を3.0mmから3.6mmまで変化させたときに、人工 質100の実効比誘電率の変化を示すグラフで る。また、図18は、前述のシミュレーション 法を用いて得られたタイルの寸法D 1 およびD 2 を3.0mmから3.6mmまで変化させたときに、人工 質200の実効比誘電率の変化を示す。

 両図の比較から、第2の人工媒質200では、 第1の人工媒質100に比べて、タイル形状の変 が実効比誘電率に及ぼす影響が小さいこと わかる。これについては、次のように考え れる。

 第1の人工媒質100の場合、隣接する2つの イル140において、対向する辺は、平行にな ている。従って、この場合、タイル140の端 に集中する電荷により、隣接する2つのタイ 間には、大きな静電容量が生じる。このた 、第1の人工媒質100では、タイル間の電界が 大きくなる傾向にある。これに対して、第2 人工媒質200の場合は、隣接する2つのタイル2 40において、対向する辺同士は、平行になっ いない。このため、タイル240の端部に電荷 蓄積されにくく、隣接する2つのタイル間の 静電容量も小さくなる。両人工媒質のこのよ うな違いにより、前述のような形状依存性の 差異が現れたものと予想される。

 なお、図13では、各タイル240は、正方形 である。しかしながら、本発明の第2の人工 質200の各タイルは、隣接するタイルの対向 る辺が互いに平行になっていなければ、い なる形状であっても良い。また、タイルの 郭を構成する辺は、直線に限られず、曲線 あっても良い。

 このように、第2の人工媒質200は、第1の 工媒質100に比べて、プラズマ周波数Fpを中心 とする広い周波数領域において、より一層高 い整合を得ることができる。その上、第2の 工媒質200は、タイルの寸法因子の影響が小 く、設計の自由度をより広げることが可能 なる。

 なお、前述の第1の人工媒質の場合と同様、 入射偏波を90゜回転させてシミュレーション 行ったところ、第2の人工媒質においても、 有意な偏波依存性は認められなかった。
 ここで、本発明の人工媒質において、各グ ッドラインには、少なくとも一つの導電性 イルが設けられいることが好ましい。

 以下、その理由を説明する。

 例えば、図19の人工媒質180を考える。この 工媒質180の第1のグリッドライン110Xのピッチ P X と第2のグリッドライン110YのピッチP Y は、等しい。この人工媒質180の導電性のタイ ル140は、X方向の配置ピッチP A とY方向の配置ピッチP B を有する。そして、各ピッチは、それぞれ、 P A =2P X 、P B =2P Y という関係を有する。この人工媒質180の導電 性のタイル140は、その周囲が第1および第2の リッドラインによって完全に囲まれている つまり、この人工媒質180の導電性のタイル1 40は、誘電体層の両面に、いわば「枠付きの イル」として配置されているとも見なすこ ができる。言い換えると、図19の人工媒質18 0は、導電性タイルが全く設けられていない リッドラインがある。なお、人工媒質180の の他の構成は、前述の人工媒質100と同様で る。

 このように構成された人工媒質180のシミ レーション結果を、前述の人工媒質100の結 と合わせて図20に示す。シミュレーション は、前述のFIT法を用いた。また、シミュレ ションに使用した人工媒質100および180の各 ラメータ値を表3に示す。人工媒質の誘電体 111の厚さは、0.6mmとし、誘電体層111の誘電 は、4.25とし、誘電損は、0.006とした。また 繰り返しパターン105の厚さ(片面)は、18μmと た。

 図20に示されるように、人工媒質180にお ては、実効比誘電率(図の細い実線)が磁気共 鳴周波数Fo'近傍の周波数(約20GHz)において顕 なピークを示すことがわかる。また、これ 付随して、人工媒質180では、周波数Fo'より きな周波数域(より具体的には、周波数約21~ 25GHzの領域)での実効比誘電率の周波数に対 る勾配が、実効比透磁率(図の細い破線)の 波数に対する勾配に比べて大きくなってい 。一方、第1の人工媒質100の場合は、同図に すように、磁気共鳴周波数Fo以降の周波数 において、実効比誘電率(図の太い実線)の周 波数に対する勾配は、実効比透磁率(図の太 破線)の周波数に対する勾配とほぼ等しくな ている。前述の理由により、波動インピー ンスZを整合させる上で、周波数Foより大き 周波数域において、実効比誘電率の勾配は 実効比透磁率の周波数に対する勾配にでき 限り接近することが好ましい。

 従って、このような観点からすれば、人 媒質100の実効比誘電率の変化は、人工媒質1 80に比べてより好ましい。

 なお、図20に示すような比実効誘電率の大 なピークは、いわゆる「枠付きのタイル」 有するパターンが配置された人工媒質にお て、各パラメータ値(例えば、グリッドライ の幅W X および/またはW Y 等)を変化させた場合においても同様に認め れた。

 以上のことから第1のグリッドラインと第 2のグリッドラインの交点は、導電性のタイ 上のみに配置されることが好ましいと言え 。

 以上のことから、本発明の人工媒質にお て、各グリッドラインには、少なくとも一 の導電性タイルが設けられていることが好 しい。

 ここで、上述した人工媒質の製造方法に いては、実際の製造プロセスを考慮した場 、プレーナープロセス、すなわち、特徴的 パターンを有する平面を積層させる方法に り形成できることが好ましい

 前述の第2の人工媒質200を実際に試作し、 その特性を評価した。人工媒質は、以下の手 順で作製した。

 印刷プロセスおよびエッチングプロセス より、BT樹脂製の誘電体基板(三菱瓦斯化学) の表裏面に、図13に示すようなグリッドライ とタイルからなる導電性パターンを形成し 。導電性パターンは、銅で形成した。各素 の寸法等は、前述の表2の第2の人工媒質200 欄に示した通りである。なお、誘電体層の 透磁率は、1.0で、比誘電率は、3.4であった

 人工媒質の特性評価は、以下に記載する 法により行った。

 図21には、人工媒質の特性測定用の測定 置の概略構成図を示す。この測定装置400は 送信用ホーンアンテナ410と、受信用ホーン ンテナ420と、電波吸収体430と、ベクトルネ トワークアナライザー440とを有する。送信 ホーンアンテナ410と、受信用ホーンアンテ 420との間には、測定対象である前述のよう 製作された人工媒質300が設置される。送信 ホーンアンテナ410~受信用ホーンアンテナ420 での測定領域全体は、電波吸収体430によっ 被覆されている。またベクトルネットワー アナライザー440は、同軸ケーブル460を介し 、送信用ホーンアンテナ410および受信用ホ ンアンテナ420に接続されている。本測定で 、送信用ホーンアンテナ410および受信用ホ ンアンテナ420には、コニカルホーンアンテ を使用した。送信用ホーンアンテナ410から 信用ホーンアンテナ420までの距離は、320.6mm であり、これらのアンテナ410、420から人工媒 質405の表面までの距離は、160mmとした。

 このような測定装置400を用いて、次のよう して人工媒質の比誘電率および比透磁率を めた。まず、ベクトルネットワークアナラ ザー440を用いて、自由空間法により人工媒 300のSパラメータを計測する。次に、得られ た結果から、以下の文献(1)~(3)に記載されて る計算アルゴリズムを用いて、人工媒質300 比誘電率および比透磁率を算出した:
(1)A.M.Nicolson,G.F.Ross,"Measurement of the Intrinsic P roperties of Materials by Time Domain Techniques",IEEE  Transaction on IM. No.4,Nov.,1970年
(2)W.B.Weir,"Automatic Measurement of Complex Dielectric  Constant and Permeability at Microwave Frequencies", Proc. of IEEE,Vol.62,Jan.,1974年
(3)J.B.Jarvis,E.J.Vanzura,"Improved Technique for Determi ning Complex Permittivity with the Transmission/Reflect ion Method", IEEE Transaction MTT,vol.38,Aug.,1990年。

 得られた結果を図22および図23に示す。図 22は、実効比誘電率(図22(a))および実効比透磁 率(図22(b))の周波数特性を示したグラフであ 。また、図23は、S11パラメータ(図23(a))およ S21パラメータ(図23(b))の周波数特性を示した ラフである。なお、図22および図23には、比 較のため、前述のシミュレーションによる計 算結果(図15および図16の結果)を破線で示して いる。

 この図から、実際に試作した人工媒質に いても、シミュレーションによる計算結果 同様の特性が得られていることがわかる。 なわち、本発明による人工媒質では、広い 波数域にわたって、損失の少ない特性が得 れることが確認された。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参 して説明したが、本発明の精神と範囲を逸 することなく様々な変更や修正を加えるこ ができることは当業者にとって明らかであ 。本出願は、2008年2月26日出願の日本特許出 願(特願2008-045070)に基づくものであり、その 容はここに参照として取り込まれる。