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Patent Searching and Data


Title:
ASSEMBLY, METHOD FOR PRODUCTION OF THE ASSEMBLY, JOINT COMPOSITION, AND METHOD FOR PRODUCTION OF THE JOINT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126485
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an assembly formed by jointing two or more components integrally through a joint layer. In the assembly, the joint layer comprises a layered silicate. When a test specimen is cut out from the joint layer, the average coefficient of linear thermal expansion α1000˚C of the test specimen as defined by the formula (1) and the average coefficient of linear thermal expansion α400˚C of the test specimen as defined by the formula (2) satisfy the requirement expressed by the formula (3). α1000˚C = (l1000˚C-l40˚C)/[l40˚C×(1273.15K-313.15K)] (1) [wherein l1000˚C represents the length of the test specimen at 1000˚C; and l40˚C represents the length of the test specimen at 40˚C.] α400˚C = (l400˚C-l40˚C)/[l40˚C×(673.15K-313.15K)] (2) [wherein l400˚C represents the length of the test specimen at 400˚C; and l40˚C represents the length of the test specimen at 40˚C.] Ια1000˚C -α400˚CΙ ≤ 2.0x10-6/K (3)

Inventors:
KAWAI MASAAKI (JP)
TOMITA TAKAHIRO (JP)
MORIMOTO KENJI (JP)
KAWASAKI SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053251
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
February 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
KAWAI MASAAKI (JP)
TOMITA TAKAHIRO (JP)
MORIMOTO KENJI (JP)
KAWASAKI SHINJI (JP)
International Classes:
B32B7/02; B01D39/20; C04B37/00; C09J1/00; C09J11/04; F01N3/02
Foreign References:
JP2006289627A2006-10-26
JP2005264135A2005-09-29
JP2005251500A2005-09-15
JP2002177719A2002-06-25
JP2002177719A2002-06-25
Other References:
See also references of EP 2133198A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chom, Taito-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
 二つ以上の被接合物が接合材層を介して一体化されてなる接合体であって、前記接合材層が層状ケイ酸塩を含み、前記接合材層から切り出された試験片の下式(1)で規定される平均線熱膨張係数α 1000℃ と、下式(2)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とが、下式(3)を満たすものである接合体。
α 1000℃ =(l 1000℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(1273.15K-313.15K)} (1)
(式中、l 1000℃ は1000℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す。)
α 400℃ =(l 400℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(673.15K-313.15K)} (2)
(式中、l 400℃ は400℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す。)
1000℃400℃ |≦2.0×10 -6 /K (3)
 前記接合材層に含まれる前記層状ケイ酸塩の含有量が、前記接合材層全体の8~37質量%である請求項1に記載の接合体。
 前記層状ケイ酸塩が脱水酸基されたものである請求項1又は2に記載の接合体。
 前記接合材層の赤外線吸収スペクトルにおいて、3300~3800cm -1 に頂点を持ち、かつ、半値幅が350cm -1 以下である水酸基の伸縮振動に起因する吸収ピークが、前記層状ケイ酸塩が脱水酸基されていない場合の30%以下のピーク高さである請求項3に記載の接合体。
 前記接合材層が、前記層状ケイ酸塩を含むフィラーと無機接着剤とを主成分とするものである請求項1~4の何れか一項に記載の接合体。
 前記層状ケイ酸塩が、カオリナイト、タルク、パイロフィライト及び雲母よりなる群から選ばれた何れか1種以上の層状ケイ酸塩である請求項1~5の何れか一項に記載の接合体。
 前記層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite)である請求項1~5の何れか一項に記載の接合体。
 前記層状ケイ酸塩が、脱水酸基された白雲母(Muscovite)であり、前記接合材層のXRD回折パターンにおける2θ=29~31゜(CuKα)の領域に存在するピークから算出される格子面間隔dが、前記層状ケイ酸塩が脱水酸基されていない場合の格子面間隔d 0 との関係において、下式(4)を満たすものである請求項1~5の何れか一項に記載の接合体。
d-d 0 ≧0.02Å (4)
 前記無機接着剤が、コロイダルシリカである請求項5に記載の接合体。
 前記接合材層に、前記層状ケイ酸塩以外に、フィラーとして、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及びガラスよりなる群から選ばれた1種以上の材料からなる粒子が含まれる請求項1~9の何れか一項に記載の接合体。
 前記被接合物が、ハニカムセグメントである請求項1~10の何れか一項に記載の接合体。
 ディーゼル排ガス浄化用フィルターに使用される請求項11に記載の接合体。
 二つ以上の被接合物が接合材層を介して一体化されてなる接合体を製造するに際して、前記接合材層を形成するために使用される接合材組成物であって、層状ケイ酸塩を含み、乾燥硬化後の当該接合材組成物から切り出された試験片の下式(5)で規定される平均線熱膨張係数α 1000℃ と、下式(6)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とが、下式(7)を満たすものである接合材組成物。
α 1000℃ =(l 1000℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(1273.15K-313.15K)} (5)
(式中、l 1000℃ は1000℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す。)
α 400℃ =(l 400℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(673.15K-313.15K)} (6)
(式中、l 400℃ は400℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す。)
1000℃400℃ |≦2.0×10 -6 /K (7)
 前記層状ケイ酸塩を含むフィラーと無機接着剤とを主成分とするものである請求項13に記載の接合材組成物。
 前記層状ケイ酸塩が、カオリナイト、タルク、パイロフィライト及び雲母よりなる群から選ばれた何れか1種以上の層状ケイ酸塩である請求項13又は14に記載の接合材組成物。
 前記層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite)である請求項13又は14に記載の接合材組成物。
 前記無機接着剤が、コロイダルシリカである請求項14に記載の接合材組成物。
 前記層状ケイ酸塩以外に、フィラーとして、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及びガラスよりなる群から選ばれた1種以上の材料からなる粒子が含まれる請求項13~17の何れか一項に記載の接合材組成物。
 主成分として、層状ケイ酸塩を含むフィラー及び無機接着剤が含まれる原料を、混合、混練してペースト状にする接合材組成物の製造方法。
 前記層状ケイ酸塩が、400℃以上の熱処理により脱水酸基したものである請求項19に記載の接合材組成物の製造方法。
 前記層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite)であり、800℃以上の熱処理により脱水酸基したものである請求項19に記載の接合材組成物の製造方法。
 前記層状ケイ酸塩が、カオリナイトであり、600℃以上の熱処理により脱水酸基したものである請求項19に記載の接合材組成物の製造方法。
 前記層状ケイ酸塩が、タルクであり、900℃以上の熱処理により脱水酸基したものである請求項19に記載の接合材組成物の製造方法。
 前記層状ケイ酸塩が、パイロフィライトであり、700℃以上の熱処理により脱水酸基したものである請求項19に記載の接合材組成物の製造方法。
 前記無機接着剤が、コロイダルシリカである請求項19~24の何れかに記載の接合材組成物の製造方法。
 前記原料に、更に副成分として、有機バインダー、分散剤、造孔材及び水が含まれる請求項19~25の何れか一項に記載の接合材組成物の製造方法。
 二つ以上の被接合物を、請求項13~18の何れか一項に記載の接合材組成物を用いて一体的に接合する接合体の製造方法。
Description:
接合体及びその製造方法並びに 合材組成物及びその製造方法

 本発明は、ハニカム構造体を構成するハ カムセグメントのような複数の被接合物を 接合し一体化してなる接合体、当該接合体 製造方法、当該接合体を得るための接合材 成物、及び当該接合材組成物の製造方法に する。

 排ガス用の捕集フィルター、例えば、デ ーゼルエンジン等からの排ガスに含まれて る粒子状物質(パティキュレート)を捕捉し 除去するためのディーゼルパティキュレー フィルター(DPF)として、ハニカム構造体が広 く使用されている。

 このようなハニカム構造体は、例えば、 化珪素(SiC)等からなる多孔質の隔壁によっ 区画、形成された流体の流路となる複数の ルが中心軸方向に互いに並行するように配 された構造を有している。また、隣接した ルの端部は、交互に(市松模様状に)目封じさ れている。すなわち、一のセルは、一方の端 部が開口し、他方の端部が目封じされており 、これと隣接する他のセルは、一方の端部が 目封じされ、他方の端部が開口している。

 このような構造とすることにより、一方 端部から所定のセル(流入セル)に流入させ 排ガスを、多孔質の隔壁を通過させること よって流入セルに隣接したセル(流出セル)を 経由して流出させ、隔壁を通過させる際に排 ガス中の粒子状物質(パティキュレート)を隔 に捕捉させることによって、排ガスの浄化 することができる。

 このようなハニカム構造体(フィルター) 長期間継続して使用するためには、定期的 フィルターに再生処理を施す必要がある。 なわち、フィルター内部に経時的に堆積し パティキュレートにより増大した圧力損失 低減させてフィルター性能を初期状態に戻 ため、フィルター内部に堆積したパティキ レートを燃焼させて除去する必要がある。 のフィルター再生時には大きな熱応力が発 し、この熱応力がハニカム構造体にクラッ や破壊等の欠陥を発生させるという問題が った。この熱応力に対する耐熱衝撃性の向 の要請に対応すべく、複数のハニカムセグ ントを接合材層にて一体的に接合すること より熱応力を分散、緩和する機能を持たせ 分割構造のハニカム構造体が提案され、そ 耐熱衝撃性をある程度改善することができ ようになった。

 しかし、近年、フィルターは更に大型化 要請が高まり、これに伴って再生時に発生 る熱応力も増大することになり、上述の問 を解消するために、構造体としての耐熱衝 性の更なる向上が強く望まれるようになっ 。この耐熱衝撃性の向上を実現するため、 数のハニカムセグメントを一体的に接合す ための接合材層には、優れた応力緩和機能 接合強度とが求められている。

 従来、こうした接合材層の改善による耐 衝撃性の向上を目的として、少なくとも無 繊維、有機バインダー、無機バインダー、 機粒子からなり、無機繊維の配向度が70%以 であるシール剤を用いて、複数のハニカム グメントを一体的に接合したセラミック構 体が開示されている(特許文献1参照)。

 特許文献1に記載のセラミック構造体は、 前記のようなシール剤(接合材組成物)を使用 ることで、フィルター(セラミック構造体) 長手方向に対する伸縮を抑制する効果が得 れ、過酷な使用条件の下でもフィルターに わる熱応力を開放することができるとされ いるが、前記のように接合材組成物に配向 せた無機繊維(ファイバー)を含ませた場合、 接合材層の厚さ方向の圧縮ヤング率は低くな るものの、引張ヤング率は高くなるため、高 い熱応力が発生する。また、接合材組成物中 においてファイバーを一方向に配向させて被 接合物を接合させた場合、乾燥あるいは熱処 理時の接合材組成物の収縮が、ファイバーの 配向方向とそれに垂直な方向で異なり、クラ ックやボイドなどの欠陥を発生させやすい。

 更に、特許文献1に開示されたシール剤は、 その特性をフィラーであるファイバーの径や 長さで制御することが必要不可欠であるため 、高コストであるという問題点があった。更 にまた、このシール剤は、フィラーとしてフ ァイバーを用いているため、人体に無害とは 言えないものであった。

特開2002-177719号公報

 本発明は、上述した従来技術の問題点に みてなされたものであり、接合材層に、高 ストで、かつ、人体に無害とは言えないフ イバーを用いることなく、接合体に生じる 応力を緩和できるとともに、乾燥あるいは 処理時のクラックやボイドなどの欠陥の発 を低減させることが可能な接合体を提供す ことを、その主要な目的とするものである

 上記目的を達成するため、本発明によれ 、以下の接合体、接合材組成物、接合材組 物の製造方法及び接合体の製造方法が提供 れる。

[1] 二つ以上の被接合物が接合材層を介して 体化されてなる接合体であって、前記接合 層が層状ケイ酸塩を含み、前記接合材層か 切り出された試験片の下式(1)で規定される 均線熱膨張係数α 1000℃ と、下式(2)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とが、下式(3)を満たすものである接合体。
α 1000℃ =(l 1000℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(1273.15K-313.15K)} (1)
(式中、l 1000℃ は1000℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
α 400℃ =(l 400℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(673.15K-313.15K)} (2)
(式中、l 400℃ は400℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
1000℃ 400℃ |≦2.0×10 -6 /K (3)

[2] 前記接合材層に含まれる前記層状ケイ 塩の含有量が、前記接合材層全体の8~37質量 %である[1]に記載の接合体。

[3] 前記層状ケイ酸塩が脱水酸基されたも である[1]又は[2]に記載の接合体。

[4] 前記接合材層の赤外線吸収スペクトルに いて、3300~3800cm -1 に頂点を持ち、かつ、半値幅が350cm -1 以下である水酸基の伸縮振動に起因する吸収 ピークが、前記層状ケイ酸塩が脱水酸基され ていない場合の30%以下のピーク高さである[3] に記載の接合体。

[5] 前記接合材層が、前記層状ケイ酸塩を むフィラーと無機接着剤とを主成分とする のである[1]~[4]の何れかに記載の接合体。

[6] 前記層状ケイ酸塩が、カオリナイト、 ルク、パイロフィライト及び雲母よりなる から選ばれた何れか1種以上の層状ケイ酸塩 である[1]~[5]の何れかに記載の接合体。

[7] 前記層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite) ある[1]~[5]の何れかに記載の接合体。

[8] 前記層状ケイ酸塩が、脱水酸基された白 母(Muscovite)であり、前記接合材層のXRD回折 ターンにおける2θ=29~31゜(CuKα)の領域に存在 るピークから算出される格子面間隔dが、前 記層状ケイ酸塩が脱水酸基されていない場合 の格子面間隔d 0 との関係において、下式(4)を満たすものであ る[1]~[5]の何れかに記載の接合体。
d-d 0 ≧0.02Å (4)

[9] 前記無機接着剤が、コロイダルシリカ ある[5]に記載の接合体。

[10] 前記接合材層に、前記層状ケイ酸塩以 外に、フィラーとして、アルミナ、シリカ、 ムライト、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素 、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及びガラス よりなる群から選ばれた1種以上の材料から る粒子が含まれる[1]~[9]の何れかに記載の接 体。

[11] 前記被接合物が、ハニカムセグメント である[1]~[10]の何れかに記載の接合体。

[12] ディーゼル排ガス浄化用フィルターに 使用される[11]に記載の接合体。

[13] 二つ以上の被接合物が接合材層を介して 一体化されてなる接合体を製造するに際して 、前記接合材層を形成するために使用される 接合材組成物であって、層状ケイ酸塩を含み 、乾燥硬化後の当該接合材組成物から切り出 された試験片の下式(5)で規定される平均線熱 膨張係数α 1000℃ と、下式(6)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とが、下式(7)を満たすものである接合材組成 物。
α 1000℃ =(l 1000℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(1273.15K-313.15K)} (5)
(式中、l 1000℃ は1000℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
α 400℃ =(l 400℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(673.15K-313.15K)} (6)
(式中、l 400℃ は400℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
1000℃ 400℃ |≦2.0×10 -6 /K (7)

[14] 前記層状ケイ酸塩を含むフィラーと無 機接着剤とを主成分とするものである[13]に 載の接合材組成物。

[15] 前記層状ケイ酸塩が、カオリナイト、 タルク、パイロフィライト及び雲母よりなる 群から選ばれた何れか1種以上の層状ケイ酸 である[13]又は[14]に記載の接合材組成物。

[16] 前記層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite) ある[13]又は[14]に記載の接合材組成物。

[17] 前記無機接着剤が、コロイダルシリカ である[14]に記載の接合材組成物。

[18] 前記層状ケイ酸塩以外に、フィラーと して、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコ ニア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウ ム、窒化ホウ素及びガラスよりなる群から選 ばれた1種以上の材料からなる粒子が含まれ [13]~[17]の何れかに記載の接合材組成物。

[19] 主成分として、層状ケイ酸塩を含むフ ィラー及び無機接着剤が含まれる原料を、混 合、混練してペースト状にする接合材組成物 の製造方法。

[20] 前記層状ケイ酸塩が、400℃以上の熱処 理により脱水酸基したものである[19]に記載 接合材組成物の製造方法。

[21] 前記層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite) あり、800℃以上の熱処理により脱水酸基し ものである[19]に記載の接合材組成物の製造 方法。

[22] 前記層状ケイ酸塩が、カオリナイトで あり、600℃以上の熱処理により脱水酸基した ものである[19]に記載の接合材組成物の製造 法。

[23] 前記層状ケイ酸塩が、タルクであり、 900℃以上の熱処理により脱水酸基したもので ある[19]に記載の接合材組成物の製造方法。

[24] 前記層状ケイ酸塩が、パイロフィライ トであり、700℃以上の熱処理により脱水酸基 したものである[19]に記載の接合材組成物の 造方法。

[25] 前記無機接着剤が、コロイダルシリカ である[19]~[24]の何れかに記載の接合材組成物 の製造方法。

[26] 前記原料に、更に副成分として、有機 バインダー、分散剤、造孔材及び水が含まれ る[19]~[25]の何れかに記載の接合材組成物の製 造方法。

[27] 二つ以上の被接合物を、[13]~[18]の何れ かに記載の接合材組成物を用いて一体的に接 合する接合体の製造方法。

 本発明の接合体は、接合材層に、高コス で、かつ、人体に無害とは言えないファイ ーを使用していないため、安価で提供でき 健康面での問題が生じる恐れがない。また フィラーとして、ファイバーの代わりに板 (層状)である層状ケイ酸塩を用いたことで 接合材層の厚さ方向の圧縮ヤング率と引張 ング率を低くすることができ、接合体に生 る熱応力を緩和することができる。更に、 ァイバーの代わりにアスペクト比の高い層 ケイ酸塩を用いると、乾燥あるいは熱処理 における収縮の方向性を緩和して、接合材 全体を均等に収縮させることができ、クラ クやボイドなどの欠陥の発生を低減させる とができる。

 同様に、本発明の接合材組成物は、高コ トで、かつ、人体に無害とは言えないファ バーを使用していないため、安価で提供で 、健康面での問題が生じる恐れがない。ま 、フィラーとして、ファイバーの代わりに 状(層状)である層状ケイ酸塩を用いたこと 、接合材層の厚さ方向の圧縮ヤング率と引 ヤング率を低くすることができ、接合体に じる熱応力を緩和することができる。更に ファイバーの代わりにアスペクト比の高い 状ケイ酸塩を用いると、乾燥あるいは熱処 時における収縮の方向性を緩和して、接合 組成物全体を均等に収縮させることができ クラックやボイドなどの欠陥の発生を低減 せることができる。

 本発明の接合材組成物の製造方法によれ 、前記のような優れた効果を有する接合材 成物を製造することができる。本発明の接 体の製造方法によれば、優れた耐熱衝撃性 有する接合体を製造することができる。

本発明に係る接合体(ハニカム構造体) 実施形態の一例を示す斜視概略図である。 本発明に係る接合体(ハニカム構造体) 実施形態の一例を示す要部拡大図である。 本発明に係る接合体(ハニカム構造体) 構成する被接合物(ハニカムセグメント)の斜 視概略図である。 図3におけるA-A線断面図である。 ピーク高さの算出方法を説明するため FT-IRスペクトル曲線である。

符号の説明

1:ハニカム構造体、2:ハニカムセグメント 4:コーティング材、5:セル、6:隔壁、7:充填材 、9:接合材層、s:目的ピーク、b:ベースライン 。

 以下、本発明を具体的な実施形態に基づ 説明するが、本発明は、これに限定されて 釈されるものではなく、本発明の範囲を逸 しない限りにおいて、当業者の知識に基づ て、種々の変更、修正、改良を加え得るも である。

 本発明の接合体は、二つ以上の被接合物 接合材層を介して一体化されてなる接合体 あり、その重要な特徴の1つは、接合材層の フィラーとして従来用いられていた無機繊維 (ファイバー)の代わりに、層状ケイ酸塩を使 したことにある。

 まず、本発明の接合材組成物を機能的な 点で見た場合、ファイバーの代わりに層状 イ酸塩を用いたことで、接合体の接合曲げ 験における曲げヤング率を低くすることが きる。これは接合材層の厚さ方向の引張ヤ グ率が低いことを示しており、その結果、 合体に生じる熱応力を緩和することができ 。更に、一方向に配向させたファイバーの わりにアスペクト比の高い層状ケイ酸塩を いると、乾燥あるいは熱処理時における収 の方向性を緩和して、接合材組成物全体を 等に収縮させることができ、クラックやボ ドなどの欠陥の発生を低減させることがで る。

 次に、本発明の接合体をコスト面で見た 合、ファイバーを用いた接合材層において その特性を制御するためには、ファイバー 径や長さを制御することが必要で、当該制 にコストがかかるのに対し、層状ケイ酸塩 用いた場合には、そのようなコストのかか 制御は必要としないので、安価で提供する とが可能である。更に、人体に対する安全 で見た場合においても、ファイバーは呼吸 により体内に取り込まれた際に、必ずしも 害とは言えない面があるが、層状ケイ酸塩 あれば、健康面での問題が生じる恐れは低 。

 本発明の接合体においては、接合材層から り出された試験片の下式(1)で規定される平 線熱膨張係数α 1000℃ と、下式(2)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とが、下式(3)を満たすものであることが要求 される。
α 1000℃ =(l 1000℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(1273.15K-313.15K)} (1)
(式中、l 1000℃ は1000℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
α 400℃ =(l 400℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(673.15K-313.15K)} (2)
(式中、l 400℃ は400℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
1000℃ 400℃ |≦2.0×10 -6 /K (3)

 本発明の接合体において、このような関 が要求されるのは、以下の理由による。す わち、本発明の接合体において、接合材層 フィラーに用いられる層状ケイ酸塩は、そ 結晶構造内に水酸基を有しており、そのた 昇温時には、脱水酸基に伴う構造変化が起 り、その際には急激な熱膨張が起こる。し がって、このような層状ケイ酸塩をフィラ として含む接合材層は、脱水酸基が起こる 度以上(例えば、層状ケイ酸塩として白雲母 を用いた場合には、800℃以上)に昇温した場 に、被接合物との間で熱膨張差が発生し、 合体の一部に割れが発生したり、接合材層 被接合物との界面で剥離が起こる可能性が る。そこで、本発明の接合体においては、 状ケイ酸塩の結晶構造内に存在する水酸基 脱離が起こる温度の前後で、急激な熱膨張 変化が抑えられた接合材層を形成すべく、 記のような関係を要求している。

 このような関係を成立させるための具体 な手段の1つとして、接合材層中の層状ケイ 酸塩を脱水酸基されたものとすることが挙げ られる。層状ケイ酸塩の熱膨張挙動の変化は 、水酸基の脱離(つまり脱水)に伴う構造の変 に起因している。そこで、脱水酸基するこ により、層状ケイ酸塩の急激な熱膨張率の 化を使用する前に起こしておく。脱水酸基 た後の層状ケイ酸塩は、安定な熱膨張挙動 示すため、接合材層中の層状ケイ酸塩を脱 酸基されたものとすることにより、接合材 と被接合物との昇温時における熱膨張差の 大を抑制し、耐熱衝撃性を向上させること できる。

 接合材層中の層状ケイ酸塩を脱水酸基さ た状態とする方法としては、例えば、接合 層を形成するために使用する接合材組成物 調製する際に、予め脱水酸基が起こる温度 上の温度で熱処理した層状ケイ酸塩を原料 して使用するようにしても良いし、被接合 同士を接合面に塗布した接合材組成物を介 て一体的に組み合わせた後、それら全体を やかな昇温条件にて脱水酸基が起こる温度 上の温度で熱処理し、接合材組成物を乾燥 化させると同時に脱水酸基を起こさせるよ にしても良い。なお、同一種類の層状ケイ 塩においては、粒径が小さい、すなわち比 面積が大きいものほど、より脱水酸基が起 りやすいため、脱水酸基の容易さの観点か は、粒径の小さい層状ケイ酸塩が好ましい 一方、接合材層の厚さ方向の圧縮ヤング率 引張ヤング率を低くするには、粒径が大き 方が好ましい。

 層状ケイ酸塩を脱水酸基するための熱処 温度としては、400℃以上であることが好ま い。特に、層状ケイ酸塩が、白雲母(Muscovite )である場合には800℃以上が好ましく、カオ ナイトである場合には600℃以上が好ましく タルクである場合には900℃以上が好ましく パイロフィライトである場合には700℃以上 好ましい。

 本発明の接合体では、接合材層の赤外線吸 スペクトルにおいて、3300~3800cm -1 に頂点を持ち、かつ、半値幅が350cm -1 以下である水酸基の伸縮振動に起因する吸収 ピークが、層状ケイ酸塩が脱水酸基されてい ない場合の30%以下のピーク高さであることが 好ましく、20%以下のピーク高さであることが より好ましく、10%以下のピーク高さであるこ とが更に好ましい。この吸収スペクトルが30% を超えるピーク高さの場合には、熱膨張率の 変化を抑制するために十分な量の脱水酸基が 起こっていない可能性があるため、好ましく ない。

 本発明の接合体において、接合材層は、 状ケイ酸塩を含むフィラーと無機接着剤と 主成分とするものであることが好ましい。 こで、「層状ケイ酸塩を含むフィラー」と 、「層状ケイ酸塩のみからなるフィラー」 、「層状ケイ酸塩及び層状ケイ酸塩以外の ィラー(例えば後述するような粒子)からな フィラー」との両方を包括する概念である また、「層状ケイ酸塩を含むフィラーと無 接着剤とを主成分とする」とは、層状ケイ 塩を含むフィラーと無機接着剤とを合わせ 量が、接合材層全体の55質量%以上であるこ を意味するものとする。

 接合材層に含まれる層状ケイ酸塩の含有 は、乾燥後の接合材層全体の8~37質量%であ ことが好ましく、9~36質量%であることがより 好ましい。層状ケイ酸塩に十分な脱水酸基が 起こっていない場合には、その含有量が少な い方が熱膨張の変化は小さくなる。しかし、 層状ケイ酸塩の含有量が接合材層全体の8質 %未満では、接合材層の厚さ方向の圧縮ヤン 率及び引張ヤング率が高くなりすぎること あり、また、37質量%を超えると、乾燥ある は熱処理時における収縮の方向性が緩和で なくなることがあるため、好ましくない。

 接合材層に含まれる層状ケイ酸塩の粒径 含有量は、十分な脱水酸基が起こっていな 場合には接合材層の急激な熱膨張の変化に きな影響を与えるが、十分な脱水酸基が起 っている場合には熱膨張の変化に対する影 はない。

 接合材層に含まれる層状ケイ酸塩の種類 、コストや熱応力緩和効果の観点から、カ リナイト、タルク、パイロフィライト及び 母よりなる群から選ばれた何れか1種以上の 層状ケイ酸塩であることが好ましく、特に、 白雲母(Muscovite)であることが好ましい。

 接合材層にマトリックスとして含まれる 機接着剤の割合は、接合材層の厚さ方向の 縮ヤング率及び引張ヤング率の制御と接合 度の観点から、接合材組成物の主成分全体 5~50質量%とすることが好ましく、10~45質量% することがより好ましい。無機接着剤の割 が、主成分全体の5質量%未満であると、十分 な接合強度が得られないことがあり、また、 50質量%を超えると、接合材層の厚さ方向の圧 縮ヤング率及び引張ヤング率が高くなりすぎ ることがある。

 無機接着剤の具体的な材質としては、例 ば、コロイダルシリカ(シリカゾル)、コロ ダルアルミナ(アルミナゾル)、その他各種金 属酸化物ゾル、エチルシリケート、水ガラス 、シリカポリマー、リン酸アルミニウム等が 挙げられるが、接着力、フィラーとのなじみ やすさ、化学的安定性、耐熱性等に優れてい ることから、特に、コロイダルシリカを用い ることが好ましい。

 接合材層には、フィラーとして層状ケイ 塩以外の粒子を含ませることができる。接 材層にフィラーとして含まれる層状ケイ酸 以外の粒子の割合は、接合材層の厚さ方向 圧縮ヤング率及び引張ヤング率の制御と接 強度の制御の観点から、接合材組成物の主 分全体の30~70質量%とすることが好ましく、3 5~65質量%とすることがより好ましい。層状ケ 酸塩以外の粒子の割合が、主成分全体の30 量%未満であると、十分な接合強度が得られ い場合があり、また、70質量%を超えると、 合材層の厚さ方向の圧縮ヤング率及び引張 ング率が高くなりすぎることがある。

 層状ケイ酸塩以外の粒子の具体的な材質 しては、例えば、アルミナ、シリカ、ムラ ト、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、窒 アルミニウム、窒化ホウ素、ガラスが好適 ものとして挙げられる。

 本発明の接合体において、接合材層に含ま る層状ケイ酸塩が、脱水酸基された白雲母( Muscovite)である場合、前記接合材層のXRD回折 ターンにおける2θ=29~31゜(CuKα)の領域に存在 るピークから算出される格子面間隔dが、前 記層状ケイ酸塩が脱水酸基されていない場合 の格子面間隔d 0 との関係において、下式(4)を満たすものであ ることが好ましい。
d-d 0 ≧0.02Å (4)

 このような関係が満たされていると、熱 張率の変化を抑制するために十分な量の脱 酸基が起こっているため、好ましい。

 本発明の接合体を構成する被接合物は、 に限定されるものではないが、例えば、セ ミックス構造体を得るためのセラミックス 材が好適な被接合物として挙げられ、特に ニカム構造体を得るためのハニカムセグメ トが好適な被接合物として挙げられる。こ ようなハニカムセグメントを接合して得ら たハニカム構造体は、例えば、フィルター 再生処理時において過酷な熱環境に晒され 、ディーゼル排ガス浄化用フィルターなど 用途に好適に使用することができる。

 本発明の接合材組成物は、二つ以上の被接 物が接合材層を介して一体化されてなる接 体を製造するに際して、前記接合材層を形 するために使用される接合材組成物であっ 、層状ケイ酸塩を含み、乾燥硬化後の当該 合材組成物から切り出された試験片の下式( 5)で規定される平均線熱膨張係数α 1000℃ と、下式(6)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とが、下式(7)を満たすものであることを、そ の特徴とする。
α 1000℃ =(l 1000℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(1273.15K-313.15K)} (5)
(式中、l 1000℃ は1000℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
α 400℃ =(l 400℃ -l 40℃ )/{l 40℃ ×(673.15K-313.15K)} (6)
(式中、l 400℃ は400℃における試験片の長さを、l 40℃ は40℃における試験片の長さをそれぞれ示す )
1000℃ 400℃ |≦2.0×10 -6 /K (7)

 この接合材組成物において、層状ケイ酸 を含むことによる効果及び上式の関係を満 すことが要求される理由は、前述の本発明 接合体における効果及び理由と同様である 接合体を製造するに際し、このような接合 組成物を使用して接合材層を形成すれば、 記のような効果を有する耐熱衝撃性に優れ 本発明の接合体が得られる。

 本発明の接合材組成物は、前記本発明の 合体における接合材層を形成するために使 されるものであるから、当該接合材層で好 とされる成分構成と同様の成分構成とする とが好ましい。

 すなわち、本発明の接合材組成物は、層 ケイ酸塩を含むフィラーと無機接着剤とを 成分とするものであることが好ましく、フ ラーとして層状ケイ酸塩以外の粒子を含ま ることができる。層状ケイ酸塩、無機接着 、フィラーとして用いられる層状ケイ酸塩 外の粒子の好適な材質や量などは前述のと りである。

 本発明の接合材組成物の製造方法は、主 分として、層状ケイ酸塩を含むフィラー及 無機接着剤が含まれる原料に、必要に応じ 、有機バインダー(例えば、メチルセルロー ス(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等) 分散剤、造孔材(発泡樹脂等)、水等を加え、 それをミキサー等の混練機を使用して混合、 混練してペースト状にするものである。本製 造方法において、層状ケイ酸塩、無機接着剤 、フィラーとして用いられる層状ケイ酸塩以 外の粒子の好適な材質や量などは前述のとお りである。

 本発明の接合体の製造方法は、二つ以上 被接合物を、前記本発明の接合材組成物を いて一体的に接合するものである。具体的 は、被接合物の外壁面に、本発明の接合材 成物を所望の厚さとなるように塗布し、そ 上に別の被接合物を載置する工程を繰り返 て、被接合物の積層体を作製し、適宜、外 より圧力を加えるなどして、全体を接合さ た後、乾燥させる。また、乾燥後には、必 に応じて接合体の外周を所定形状に加工し 加工後の外周面にコーティング材を塗布し 再度乾燥させるようにしても良い。

 次に、本発明の接合体が複数のハニカム グメント(被接合物)を接合してなるハニカ 構造体である場合について、具体的な構成 を挙げて説明する。

 図1及び図2に示すように、ハニカム構造 1は、多孔質の隔壁6によって区画、形成され た流体の流路となる複数のセル5が中心軸方 に互いに並行するように配設された構造を し、それぞれが全体構造の一部を構成する ともに、ハニカム構造体1の中心軸に対して 直な方向に組み付けられることによって全 構造を構成することになるハニカムセグメ ト2が、本発明の接合材組成物から形成され た接合材層9によって一体的に接合されたハ カムセグメント接合体として構成されてな ものである。

 接合材層9によって一体的に接合されたハ ニカムセグメント2は、接合後、その全体の 面形状が円形、楕円形、三角形、正方形、 の他の所望の形状となるように研削加工さ 、外周面がコーティング材4によって被覆さ る。なお、このハニカム構造体1を、DPFとし て用いる場合には、図3及びそのA-A断面図で る図4に示すように、ハニカムセグメント2の 各セル5を、それぞれ一方の端部において、 填材7により交互に目封じしておく。

 所定のセル5(流入セル)においては、図3、 4における左端部側が開口している一方、右 部側が充填材7によって目封じされており、 れと隣接する他のセル5(流出セル)において 、左端部側が充填材7によって目封じされる が、右端部側が開口している。このような目 封じにより、図2に示すように、ハニカムセ メント2の端面が市松模様状を呈するように る。

 図4においては、ハニカムセグメント2の 側が排ガスの入口となる場合を示し、排ガ は、目封じされることなく開口しているセ 5(流入セル)からハニカムセグメント2内に流 する。セル5(流入セル)に流入した排ガスは 多孔質の隔壁6を通過して他のセル5(流出セ )から流出する。そして、隔壁6を通過する に排ガス中のスートを含む粒子状物質(パテ キュレート)が隔壁6に捕捉される。このよ にして、排ガスの浄化を行うことができる このような捕捉によって、ハニカムセグメ ト2の内部にはスートを含むパティキュレー が経時的に堆積して圧力損失が大きくなる め、スート等を燃焼させる再生処理が定期 に行われる。なお、図2~4には、全体の断面 状が正方形のハニカムセグメント2を示すが 、三角形、六角形等の形状であっても良い。 また、セル5の断面形状も、三角形、六角形 円形、楕円形、その他の形状であっても良 。

 図2に示すように、接合材層9は、本発明 接合材組成物から形成されており、ハニカ セグメント2の外周面に塗布されて、ハニカ セグメント2同士を接合するように機能する 。接合材層9の塗布は、隣接しているそれぞ のハニカムセグメント2の外周面に行っても いが、隣接したハニカムセグメント2の相互 間においては、対応した外周面の一方に対し てだけ行っても良い。このような対応面の片 側だけへの塗布は、接合材層9の使用量を節 できる点で好ましい。接合材層9の塗布する 向は、ハニカムセグメント外周面内の長手 向、ハニカムセグメント外周面内の長手に 直な方向、ハニカムセグメント外周面に垂 な方向など、特に限定されるものではない 、ハニカムセグメント外周面内の長手方向 向かって塗布するのが好ましい。接合材層9 の厚さは、ハニカムセグメント2の相互間の 合力を勘案して決定され、例えば、0.5~3.0mm 範囲で適宜選択される。

 本実施形態に用いられるハニカムセグメ ト2の材料としては、強度、耐熱性の観点か ら、炭化珪素(SiC)、炭化珪素(SiC)を骨材とし かつ珪素(Si)を結合材として形成された珪素- 炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェラ イト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化 珪素-コージェライト系複合材、リチウムア ミニウムシリケート、チタン酸アルミニウ 、Fe-Cr-Al系金属からなる群から選択される少 なくとも一種から構成された物を挙げること ができる。中でも、炭化珪素(SiC)又は珪素-炭 化珪素系複合材料から構成されてなるものが 好ましい。

 ハニカムセグメント2の作製は、例えば、 上述の材料から適宜選択したものに、メチル セルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロ ース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ キシメチルセルロース、ポリビニルアルコー ル等のバインダー、造孔材、界面活性剤、溶 媒としての水等を添加して、可塑性の坏土と し、この坏土を上述の形状となるように押出 成形し、次いで、マイクロ波、熱風等によっ て乾燥した後、焼結することにより行うこと ができる。

 セル5の目封じに用いる充填材7としては ハニカムセグメント2と同様の材料を用いる とができる。充填材7による目封じは、例え ば、目封じをしないセル5をマスキングした 態で、ハニカムセグメント2の端面をスラリ 状の充填材に浸漬することにより開口して るセル5に充填することにより行うことがで きる。充填材7の充填は、ハニカムセグメン 2の成形後における焼成前に行っても、焼成 に行っても良いが、焼成前に行う方が、焼 工程が1回で終了するため好ましい。

 以上のようなハニカムセグメント2の作製 の後、ハニカムセグメント2の外周面にペー ト状の接合材組成物を塗布し、接合材層9を 成して、所定の立体形状(ハニカム構造体1 全体構造)となるように複数のハニカムセグ ント2を組み付け、この組み付けた状態で圧 着した後、加熱乾燥する。このようにして、 複数のハニカムセグメント2が一体的に接合 れた接合体が作製される。その後、この接 体を上述の形状に研削加工し、外周面をコ ティング材4によって被覆し、加熱乾燥する このようにして、図1に示すハニカム構造体 1が作製される。コーティング材4の材質とし は、接合材層9と同様のものを用いることが できる。コーティング材4の厚さは、例えば 0.1~1.5mmの範囲で適宜選択される。

 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳 に説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。

(ハニカムセグメントの作製)
 SiC粉末及び金属Si粉末を80:20の質量割合で混 合し、これに造孔材、有機バインダー、界面 活性剤及び水を添加して混練し、可塑性の坏 土を得た。この坏土を押出成形し、乾燥して 、隔壁の厚さが310μm、セル密度が約46.5セル/c m 2 (300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正四 形、長さが152mmのハニカムセグメント成形体 を得た。このハニカムセグメント成形体を、 端面が市松模様状を呈するように、セルの端 部を目封止した。すなわち、隣接するセルが 、互いに反対側の端部で封じられるように目 封止を行った。目封止用の充填材には、ハニ カムセグメントと同様の材料を用いた。こう してセルの端部を目封止し、乾燥させた後、 大気雰囲気にて約400℃で脱脂し、その後、Ar 活性雰囲気にて約1450℃で焼成して、SiC結晶 粒子がSiで結合された、多孔質のハニカムセ メントを得た。

(接合材組成物の調製)
 実施例1~3及び比較例1の接合材組成物として 、SiC微粒(平均粒径1.5μm)41質量%、SiC粗粒(平均 粒径100μm)16.5質量%、白雲母(平均粒径40μm)22質 量%、コロイダルシリカ20質量%及びベントナ ト0.5質量%の混合物に、更に外配で有機造孔 1.5質量%、有機バインダー0.4質量%及び分散 0.04質量%を混合し、これに水を添加して、ミ キサーにて30分間混練を行い、ペースト状の 合材組成物を得た。水の添加量はペースト 度が20~60Pa・sとなるように調製した。

 実施例4~6及び比較例2の接合材組成物とし て、SiC微粒(平均粒径1.5μm)41質量%、SiC粗粒(平 均粒径100μm)16.5質量%、タルク(平均粒径17μm)22 質量%、コロイダルシリカ20質量%及びベント イト0.5質量%の混合物に、更に外配で有機造 材1.5質量%、有機バインダー0.4質量%及び分 剤0.04質量%を混合し、これに水を添加して、 ミキサーにて30分間混練を行い、ペースト状 接合材組成物を得た。水の添加量はペース 粘度が20~60Pa・sとなるように調製した。

 実施例7~9及び比較例3の接合材組成物とし て、SiC微粒(平均粒径100μm)41質量%、SiC粗粒(平 均粒径1.5μm)16.5質量%、カオリナイト(平均粒 4μm)22質量%、コロイダルシリカ20質量%及びベ ントナイト0.5質量%の混合物に、更に外配で 機造孔材1.5質量%、有機バインダー0.4質量%及 び分散剤0.04質量%を混合し、これに水を添加 て、ミキサーにて30分間混練を行い、ペー ト状の接合材組成物を得た。水の添加量は ースト粘度が20~60Pa・sとなるように調製した 。

 実施例10~12及び比較例4の接合材組成物と て、SiC微粒(平均粒径1.5μm)41質量%、SiC粗粒( 均粒径100μm)16.5質量%、パイロフィライト(平 均粒径10μm)22質量%、コロイダルシリカ20質量% 及びベントナイト0.5質量%の混合物に、更に 配で有機造孔材1.5質量%、有機バインダー0.4 量%及び分散剤0.04質量%を混合し、これに水 添加して、ミキサーにて30分間混練を行い ペースト状の接合材組成物を得た。水の添 量はペースト粘度が20~60Pa・sとなるように調 製した。

 実施例13の接合材組成物として、SiC微粒( 均粒径1.5μm)41質量%、SiC粗粒(平均粒径100μm)1 6.5質量%、900℃で2時間熱処理した白雲母(平均 粒径40μm)22質量%、コロイダルシリカ20質量%及 びベントナイト0.5質量%の混合物に、更に外 で有機造孔材1.5質量%、有機バインダー0.4質 %及び分散剤0.04質量%を混合し、これに水を 加して、ミキサーにて30分間混練を行い、 ースト状の接合材組成物を得た。水の添加 はペースト粘度が20~60Pa・sとなるように調製 した。なお、本明細書で言う「平均粒径」は 、何れの場合においても、JIS R1629に準拠し 測定された値である。

(ハニカム構造体(接合体)の作製)
 ハニカムセグメントの外壁面に、接合材組 物を、塗布方向をハニカムセグメントの長 方向として厚さ約1mmとなるようにコーティ グして接合材層を形成し、その上に別のハ カムセグメントを載置する工程を繰り返し 縦横4個×4個に組み合わせた16個のハニカム グメントからなるハニカムセグメント積層 を作製し、適宜、外部より圧力を加えるな して、全体を接合させた後、140℃で2時間乾 燥してハニカムセグメント接合体を得た。得 られたハニカムセグメント接合体の外周を円 筒状に切断後、その外周面にコーティング材 を塗布し、表1に示す熱処理温度にて2時間熱 理することにより、接合材組成物及びコー ィング材を乾燥硬化させ、ハニカム構造体 得た。なお、実施例13については、前記の おり接合材組成物の調製前に白雲母のみを め900℃で2時間熱処理し、その後、ハニカム グメント接合体の状態としてから700℃で2時 間熱処理した。

(ハニカム構造体(接合体)の特性評価)
 得られた各ハニカム構造体の接合材層につ て、下記の方法により、熱膨張変化、ピー 高さ、及び格子面間隔の変位量を求め、更 、各ハニカム構造体について、下記の方法 より、急速加熱試験(バーナースポーリング 試験)を行い、その結果を表1に示した。なお 格子面間隔の変位量については、接合材層 白雲母(Muscovite)を含む実施例1~3及び13並びに 比較例1についてのみ求めた。

熱膨張変化:
 ハニカム構造体の接合材層から、15mm×3mm×1m mの試験片を切り出し(15mmの切り出し方向はハ ニカム構造体の長手方向)、昇温速度を10℃/mi nとし、その他の測定条件及び装置はJIS R1618 準拠して、40℃における試験片の長さl 40℃ 、400℃における試験片の長さl 400℃ 及び1000℃における試験片の長さl 1000℃ を測定した。この測定値から上式(1)で規定さ れる平均線熱膨張係数α 1000℃ と、上式(2)で規定される平均線熱膨張係数α 400℃ とを求め、それらの値から|α 1000℃ 400℃ |の値を算出し、表中に以下の基準で表記し 。
○:|α 1000℃ 400℃ |≦1.0×10 -6 /K
△:1.0×10 -6 /K<|α 1000℃ 400℃ |≦2.0×10 -6 /K
×:2.0×10 -6 /K<|α 1000℃ 400℃ |

ピーク高さ:
 ハニカム構造体の接合材層を任意形状に切 出して粉砕した粉末を、総量が5質量%とな ようにKBr粉末と混合して測定用試料とし、FT -IRにより赤外線吸収スペクトルを得た。この 赤外線吸収スペクトルにおいて、3300~3800cm -1 に頂点を持ち、かつ、半値幅が350cm -1 以下である水酸基の吸収スペクトルのピーク 高さを求め、接合材層中の層状ケイ酸塩が脱 水酸基されていない場合のピーク高さを100% したときの当該ピーク高さに対する比率を めた。なお、測定には拡散反射法を用い、 定装置には株式会社パーキンエルマージャ ンのSpectrum2000(商品名)を使用した。また、ピ ーク高さの算出時には、図5に例示するよう 、目的ピークsに対するベースラインbを取っ た。

格子面間隔の変位量:
 ハニカム構造体の接合材層を任意形状に切 出して粉砕した粉末を測定用試料として、X RDパターンを測定し、2θ=29~31゜(CuKα)の領域に 検出されるピークから格子面間隔dを算出し (Muscovite-2M1のICDDカード(#06-0263)によれば(025) の回折ピークである。)。また、接合材層中 層状ケイ酸塩(白雲母)に脱水酸基処理(熱処 )が施されていない場合の格子面間隔d 0 を同様に算出し、下式(8)により変位量δdを求 めた。なお、測定にはモノクロメータ法を用 い、測定装置には株式会社リガクのRINT-2500( 品名)を使用した。測定条件は、管電圧50kV、 管電流300mA、ステップ0.01゜、測定時間1.5゜/mi nとした。
δd=d-d 0  (8)

バーナースポーリング試験(急速加熱試験):
 ハニカム構造体にバーナーで1000℃及び1100 に加熱した空気を流すことにより中心部分 外側部分との温度差をつくり、ハニカム構 体の損傷発生の有無を調べ、以下の基準で 価した。
○:ハニカム構造体の割れ、及び接合材層と ニカムセグメントとの界面での剥離が無い
△:ハニカム構造体の割れ、及び接合材層と ニカムセグメントとの界面での剥離が1~2箇 で発生。
×:ハニカム構造体の割れ、及び接合材層とハ ニカムセグメントとの界面での剥離が3箇所 上で発生。

 表1に示すとおり、接合材層が層状ケイ酸塩 を含み、かつ、|α 1000℃ 400℃ |≦2.0×10 -6 /Kを満たす実施例1~13は、2.0×10 -6 /K<|α 1000℃ 400℃ |である比較例1~4に比して、急速加熱試験の 果が良好であり、優れた耐熱衝撃性を有し いることが確認された。

 本発明は、複数の被接合物を接合し一体 して得られる接合体、例えば、DPF等の用途 使用される、複数のハニカムセグメントを 体化して得られるハニカム構造体に好適に 用することができる。